ヌーヴォーだけじゃないボジョレー
ボジョレーと聞くと、日本では「ボジョレー・ヌーヴォー」のイメージが強いと思います。
今回は、多くのラインラバーさんがヌーヴォー(新酒)で体験なさった(であろう)「ボージョレ」や「ボジョレー・ヴィラージュ」ではなく、格上の「10のAOP」にご注目いただきたいと思います。
バドゥローMDの相方を務めたのは東京ソムリエギルドに所属する松永文吾さん
イベントに参加した小売店、レストラン関係者、ソムリエの皆さんに
各アイテムのテロワール、醸造方法や多様性について言及しました。

クリュ・デュ・ボジョレーにCheers!!
🍷🍷🍷
【最新情報】ボジョレー2025年版
ボジョレーの栽培面積は12,500㌶、85村に及びアぺラシオンは12、生産本数は6,200万本。うち約30%(1,840万本)は海外へ。日本は輸出相手国第3位(1位米国、2位英国)、フランスの産地別でみると輸出トップはボルドー、2位ブルゴーニュ、3位がボジョレーです。
ぶどう品種は95%がガメイ種、5%がシャルドネ。生産量の比率は赤ワイン93%、白ワイン5%、ロゼワイン2%
第1部では6アイテムをテイスティング
ボジョレー地区にはボジョレー、ボジョレー・ヴィラージュの他に、ワンランク上の10のクリュ・デュ・ボジョレ―/ブルイィ、コート・ド・ブルイィ、レニエ、モルゴン、シルーブル、フルーリー、ムーラン・ナ・ヴァン、シェナス、ジュリエナ&サンタムールがあります。
ボジョレーで最も標高が高い場所は600m。フランスでは斜度30%以上もしくは標高500m以上のぶどう畑を“héroïque/エロイック”と呼称。ボジョレーには8,900以上あり、ボジョレー全体の30%を占めています。バドゥローMDは「ワインにフレッシュ感や豊かなアロマをもたらす」とコメントしていました。
ボジョレーの地質
地図の白い部分は石灰岩でメインのぶどうはシャルドネ、黄色もシャルドネで、ボジョレーブランを生産
緑はピエールブルーと呼ばれる固くて青い土壌、ワインに黒系果実やスパイス風味をもたらす
片麻岩は柔和なスパイスと果実味。フィネス&エレガンス、サンタムールに多い土壌
赤は多くのクリュに関与しているピンク花崗岩。繊細なタンニン、赤系果実やバラのアロマ
[豆知識]
バドゥローMDはマスタークラスで「ピエールブルーは海底にあったので、塩分を含む」と言及していました。その語りの部分は前述していませんが、ピエールブルーの成り立ちについて、以下、簡単に触れておきます。
マグマが火山から噴出し、急に冷えて固まった岩石は火山岩。マグマが地下の深いところでゆっくり冷えて固まった岩石は深成岩と呼称します。
これらのマグマからできた火山岩は玄武岩、安山岩、流紋岩等になり、一方、深成岩は安山岩質マグマからは閃緑岩(せんりょくがん)、流紋岩質マグマからは花崗岩が形作られます。出典:産総研地質調査総合センター
日本ではピエールブルーは閃緑岩(せんりょくがん)と呼ばれています。
ボジョレーの現在の地質は、地殻変動によって大地が隆起し、海底にあった岩石が地表に現れたものなので、パドゥローMDの「塩分を含有」はこれに由来しています。
第1部は6アイテムをテイスティング
温暖年:2020年、2022年、2023年 / 冷涼年:2021年
左から順に
1:ジュリエナ レ ビュシュラ2022/ドメーヌ シャサーニュ/株式会社稲葉
ピエールブルーの土壌、下層土は風化した青色火山岩、樹齢約50年、3代にわたる家族経営の造り手でビオディナミ農法を導入、自然の生態系を生かしたワイン造り。発酵・醸造はコンクリートタンク。アロマ豊か、赤系果実やスパイス、バランスの取れた味わい
2:フルーリー2021 セレクション・ジョルジュ・デュブッフ/ジョルジュ デュブッフ/サントリー株式会社
ピンク花崗岩土壌、3のムーラン・ア・ヴァンは隣接するクリュで土壌も同じピンク花崗岩。双方の違いはヴィンテージで2は冷涼年、3は温暖年。フルーリーの特徴である赤系果実や花のアロマ、若干スパイス、軽快な口当たり
私的感想ながら・・・2020年1月ボジョレー・ヌーヴォーを世界に知らしめた帝王ジョルジュ・デュブッフ氏が逝去し、時を合わせるかのように世界的にボジョレー・ヌーヴォーへの意識変化も起きているように思います。
3:ムーラン・ア・ヴァン2020/ドメーヌ・デ・ニュグ/WINE TO STYLE株式会社
ピンク花崗岩土壌、温度管理された環境下、セミ・カルボニック(半炭酸ガス)発酵、全体の30%を発酵前に低温浸漬させ最後に ブレンド。ベタンヌ&ドゥソーヴ両氏が「堅固で色もボディもしっかりしたボジョレー・ヴィラージュの造り手。クリュ・デュ・ボジョレーも他を凌いでいる」と評価。深みのあるルビーの色調、芳醇なアロマ、緻密なタンニン、重厚な味わいで酸もきれい
4:ボジョレー ボジョレー・レ・ぺピット シスト2022/ヴィニュロン・デ・ピエール・ドレ/株式会社リカー・マウンテン
ワイン名にある“シスト(片岩)”の土壌、ボジョレー南西部の生産者協同組合、手摘み収穫後、3段階で選果を実施、全房で約15日マセラシオン、シュール・リーで熟成。上品で華やかなアロマ、口中のタンニン、インパクトある酸味、バランスの取れたワインスタイル
5:ボジョレー ロゼ・デュヌ・ニュイ2023/シャトー・ド・コルセル/株式会社オー・トロワ・ソレイユ
異なるテロワールの92㌶の畑を所有し、ボジョレー、ボジョレー・ヴィラージュ、ブルイィのワインを生産。ロゼ・デュヌ・ニュイ(=一夜のロゼ)」は夜間4~6時間内で収穫し、一晩、低温浸漬させて造るワイン。淡いピンクの色調、フルーティー、ミネラル、繊細。暑い日にキンキンに冷やしてお薦めしたいアイテム
6:ボジョレー2021 ボジョレー・ブラン・テラン・ルージュ/ジャン・ポール&チャーリー・デヴネ/テラヴェール株式会社
赤い粘土質が豊富な粘土石灰質土壌「テラン・ルージュ」から産出されたボジョレーブラン。手摘み収穫後、直接圧搾し、自然発酵。50%コンクリ―トタンク、50%は600㍑の大樽で9ヶ月熟成。フレッシュな果実感、酸のキレ感、ドライな口当たり、グラス内の温度変化で凝縮感。冷涼年らしい“凛とした”スタイル
手前左から#1~#3、奥左から#4~#6
第2部は和食と合わせて
「青山星のなる木」の石井敬道総料理長がメニューについて解説
ペアリングに関しては、
東京ソムリエギルドの井黒卓代表がを事前チェックしていただけあって、
気配りされたバランスの良い内容になっていたと思います。
温暖年2022年&2023年
左から順に
7:ボジョレー クロ・ド・ロシュボンヌ2023/シャトー・ティヴァン/株式会社ミルグラン
ジュラ紀の石灰質土壌、クリュ・デュ・ボジョレーの草分け的存在。発酵は小樽(使用樽)、シュール・リーで熟成させ、シャルドネ本来の瑞々しさと滑らかさ、複雑味を表現したワイン
8:ボジョレー・ヴィラージュ ロゼ ラミューズ・ブッシュ2023/ドメーヌ・レ・ロッシュ・ブルー/株式会社ヌーヴェル・セレクション
コート・ド・ブルイィに居を構えるロシュ・ブルー家が所有する畑は約11㌶。すべての畑はビオロジック栽培で一部ビオディナミ農法を導入。天然酵母のみで発酵、セニエ法で手掛けたしっかりした味わいのロゼ、発酵・醸造はステンレスタンク、6ヶ月熟成。果皮由来のタンニンやミネラルが顕著
9:モルゴン2022/ジュリアン・スニエ/株式会社ラック・コーポレーション
花崗岩の土壌、約9㌶をビオロジックで栽培、土着酵母を使用、全房発酵、醸造容器はセメントタンクや木樽、熟成は228㍑のオーク樽、無濾過で瓶詰。ふくよかな味わい、シルキーで洗練されたタンニン
10:ムーラン・ア・ヴァン2022/シャトー・デ・ジャック/日本リカー株式会社
土壌はピンク花崗岩。8つの異なる区画(ロシュグレ、カルクラン等)から造られたワインを調合。それぞれのぶどうの個性に合わせた醸造、発酵の際の果梗の使用率や容器(コンクリートタンクや樫樽等)も異なる。最後の“ブレンド技法”が要の格調あるムーラン・ア・ヴァン
<八寸>
①翡翠豆腐、湯葉醤油、辛子
②自家製カラスミ
③蛍烏賊、芽キャベツ
④稚鮎の唐揚げ、南蛮野菜
⑤里芋フォアグラ味噌田楽
⑥鰆の和香草オイル煮
⑦ちまき寿司
7:ボジョレー2023(白)/シャトー・ティヴァン
8:ボジョレー・ヴィラージュ2023(ロゼ)/ドメーヌ・レ・ロッシュ・ブルー
生姜を効かせた蛍烏賊&玉葱と人参が具の南蛮風野菜添えの稚鮎は7、8ともに良好
7の質感は翡翠豆腐や里芋のクリーミーな食感とバランス良く相乗
鯛の昆布〆寿司(ちまき寿司)は7の旨味&酸味とつり合い美味
和香草(大葉、実山椒、生姜)をブリッジ役にした鰆はロゼと好印象
高価な食材カラスミは若干悩ましさを伴う相性
<造里>
初鰹藁焼き、千草 with 黄身醤油(右)
赤貝 with 辛子酢味噌(中央)
あおり烏賊 with 烏賊墨醤油(左)
初鰹や赤貝は8のロゼ、色で合わせるペアリング
「烏賊墨」を加えた醤油につけてあおり烏賊を食すと甘味も冴えて7と絶品
<焼物>
農業におけるエコロジーは、
天然資源を保護しつつ、環境、経済、社会的側面に関する効率的な生産システムを実現する事
ボジョレーの詳しい情報は上記QRコードからアクセス
【ボジョレーについてのお問い合わせ先】
ボジョレーワイン委員会日本オフィス(株式会社オーダス)
beaujolais_jp@audacejapan.com


