2024年01月17日

クインテッサ Quintessa × ファヴィア favia の新たな動きに注目!

     カリフォルニアの秀逸なワイナリー
     ラザフォードの『クインテッサ』とクームスヴィルの『ファヴィア』
     詳細はワイン王国WEB

にアップされたリポートにまとめました。
     ご笑覧いただけると嬉しいです!


       クインテッサ

     クインテッサとはコロナ渦中の2020年からZoom インタビュー

を実施。
     毎回最新ヴィンテージを利き酒しながら、ホットな話題を伺ってきました。
     4年間の躍進を感じていただけると思います。


     2023年に初めて白ワイン『イルミネーション』を試飲して一飲惚れ[目がハート]
     和の食材にもしっかり寄り添ってくれる超お薦めのワインです。


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    ファヴィア

     ファヴィアはカリフォルニアのカルトワインとして垂涎の的
     スクリーミングイーグルの醸造と栽培に関わっていたおふたり
     アンディ・エリクソン&アニー・ファヴィア夫妻が立ち上げたワイナリー
     2018年に訪問した折、ご夫妻とお目にかかることができました。

         アンディさんの経歴も興味深かったです。



     クインテッサの栽培方法(ビオディナミ農法)を取り入れながら、
     アニー・ファヴィア女史がどのような手腕を発揮なさるか。
     両ワイナリーの知恵と経験の開花にワクワクです!
posted by fumiko at 15:02| Comment(0) | カリフォルニア・クインテッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月14日

醸造家レベッカ・ワインバーグが語ったクインテッサの最新VT2020とワイナリーの取り組み

     Beyond Bordeaux Tokyo 2023でクインテッサ2020を先行試飲
 
黒系果実、スパイス、ドライハーブ。マスキュランかつ繊細さを持ち合わせたタンニン、ミネラル、バランスの良さを伴って広がる余韻。2017年ヴィンテージから現地と繋いで、最新情報を伺いつつ、先行試飲してきたクインテッサ。年々酒質の向上を実感しています。
 
                 🍷 🍷 🍷


今年は9月22日にオンラインインタビューをさせていただきました。
2年続きで、レベッカさんが対応してくださったので、昨年のリポート

をご覧いただくことで、クインテッサの魅力がより鮮明になると思っています。宜しくお願いします!

                
       クインテッサから届いた2020VT
       【Quintessa2020/クインテッサ2020 375ml
       収穫時期:9月3日~9月26日
       醸し期間:果皮と共に平均20日
       オーク樽:フレンチオークの新樽60%
       熟成期間:22カ月
       Alc度数:14.5%
       瓶詰時期:2022年7月
       ぶどう品種:87%カベルネ・ソーヴィニヨン、7%カベルネ・フラン
             4%カルメネール、2%プティ・ヴェルド


 
2020年ヴィンテージは、乾燥した冬の後、春は温暖な気候で、3月下旬には芽吹き開始。ぶどう樹の成長も早く、糖度も蓄積され、小粒で高いレベルのタンニンを備えたぶどうを収穫。ほとんどの収穫を終えたのは9月26日でしたが、その翌日27日にグラス・ファイアがあり、穫み残していたぶどうにはスモークテイント(煙害)の影響が出たとのこと。


2020年の山火事
山火事は、通常だと、収穫を終えた10月頃なのですが、2020年は8月下旬と9月下旬の2回発生しました。幸い、1回目は煙が高く舞いあがっていたので、ぶどうに影響はなかったのですが、2回目のグラス・ファイアは、クインテッサがあるラザフードにも近かったので、穫み残したぶどうに煙害が[ふらふら]

■2020年ヴィンテージは9月26日までに収穫したぶどうを使用
■煙害対策は、2022年のリポートに記述した通り、コンテナー内にオゾンを充満させ、煙の分子を分解させようと一晩の静置を試みましたが、「思っていたほどの効果はなかった」とレベッカさん。煙害に関しては、3年前にはほとんど調査がなかったので、当時は手繰り状態での対応だったようです。2020年は温暖だったので収穫が早くスタートし、最終的に、煙害無しのぶどうだけで醸造できた由


 土壌へのさらなる取り込み
 source: Quintessa

 (画像中央)池の右側マウスポインターのある場所がドラゴンズ・ブロック

 source: Quintessa
(地図の右上)池の上部ポインターで示した場所がドラゴンズ・ブロック、ヴァカ山脈側


以前からの取り組みをさらにバージョンアップ。
昨年から開始した調査には、テロワール研究の第一人者アメリカ人のブレンナ・クイグリー女史、チリの地質学者ヘドロ・パラ氏がチームに加わっています。具体例としては、上記のドラゴン・ブロック。今までは一つのブロックとして見ていたエリアですが、調査・分析で、ふたつの異なる地質があることが判明。現在、その分析に基づいて、4区画に分けて、剪定や灌漑等の方法を変えながら、新たな取り組みをしています。ドラゴン・ブロックはクインテッサのメインとなるぶどう畑なので、今後、さらなる酒質の向上に期待!!


                  🍷 🍷 🍷



        こころ惹かれたイルミネーション2022
       【Illumination2022/イルミネーション2022】
        アペレーション:45%ナパ・カウンティ / カリストガ
                55%ソノマ・カウンティ / ベネット・ヴァレー
        収穫時期:8月22日~9月22日
        Alc度数:14%
        瓶詰時期:2022年7月
        ぶどう品種:50%ソーヴィニヨン・ブラン・ムスケ(SBの亜種)
              33%ソーヴィニョン・ブラン
              17%セミヨン

ナパは温暖で朝夕の日較差が大きいのが特徴。ソノマは霧の影響下にある冷涼な地域。2つの産地のぶどうを手摘み収穫、全房発酵で醸造。容器は60%が使用樽、15%がステンレスタンク、20%がコンクリートエッグ、フレンチオークの新樽1%、アカシアの新樽4%の5種を使用、とてもユニーク!

ぶどうの半分以上はソーヴィニヨン・ブランの亜種ムスケで、この品種からはシトラスフルーツやストーンフルーツのニュアンスが。セミヨンを使うことで、ワインにまるみが加わります。イルミネーションを味わった時に感じる柑橘果実の内果皮似のビターさは様々な料理と合わせて楽しみたくなります。


 source: Quintessa ボルドーのネゴシアン経由で流通、日本ではファインズの取り扱い


今年の収穫は
オンライン当日の9月22日からイルミネーションに使うソーヴィニヨン・ブランの収穫が始まった由。2023年は冬から春にかけて多雨。2021年と2022年が干ばつだったので、雨によって土壌は潤い、復活したようです。夏は暑くもなく熱波もなかったので、特筆出来るヴィンテージになりそうとレベッカさんは力説していました。

レベッカさんからクインテッサ・ファンにメッセージ
クインテッサのワインを味わった瞬間、ナパにトランスポートして欲しいですし、イルミネーションを口にした時にはカリファルニアの太陽を感じて欲しいです。ワインからクインテッサの複雑なテロワールを感じ取っていただけると嬉しいです。


      マリアージュ探求
      石鯛のお造り × イルミネーション2022
      フレンチスタイルのSB、真っ先に感じたのはスパイスのニュアンス
      それも和の要素で、私的にはもみじおろし
      もみじおろしを少し舐めてからワインを味わうと抵抗感なく渾然一体
      新鮮な白身魚の薄切りにもみじおろしを添えて!

 
黒系果実のプラム、ブラックベリー、ダークチェリーのアロマ、MLF由来の乳酸、タンニンは木目細かく、酸味はおだやか。抜栓初日より、2日目のほうが全体的にバランス良好。第一印象はシャイなので、空気と触れあわせることで、本領を発揮するワイン。今のところマイベストは緻密で凝縮感ある2019年ヴィンテージなのですが、それより若干ソフトな印象、定点観測してみたいヴィンテージ。

 
 スティックカリフラワーと三年味噌のバーニャカウダ
 トマトとモッツァレラのシンプルサラダ
 なすと肉のオーブン焼き
posted by fumiko at 23:02| Comment(0) | カリフォルニア・クインテッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月14日

9月に全世界でリリースされる『クインテッサ2019』は過去最高の仕上がり!

     
   ナパ・ヴァレー ラザフォードにあるクインテッサのヴィンテージを先行試飲
 【Quintessa2019/クインテッサ2019】
  収穫時期:9月18日~10月25日
  醸し期間:果皮と共に平均26日
  オーク樽:フレンチオークの新樽60%
  熟成期間:22カ月
  Alc度数:14.5%
  瓶詰日:2021年7月6日~14日
  ぶどう品種:91%カベルネ・ソーヴィニヨン、4%カベルネ・フラン
        2%メルロ、2%カルメネール、1%プティ・ヴェルド

       赤系果実のアロマ、様々な要素が層になって広がるワイン

ラズベリー、ブルーベリーのような果実、ローストや燻香、グラファイト(筆箱)や杉、リコリスやスパイス、アーシーなニュアンス、品の良い酸味、木目細かでまろやかなタンニン、若干アルコールのインパクトを感じつつも、口中に広がる酸味とタンニンのバランスが良好、安定した味わい。ワイン・エンスージアスト誌は100点評価

2017年ヴィンテージから毎年試飲してきましたが、ブレがなくバランスも素晴らしい2019年! 私は過去最高の仕上がりと感じました。


      Zoomでインタビュー
      photo by Quintessa
      2020年からワイナリーの外部スタッフとしてマーケティングを担当している
      鈴木優子さん(サンノゼ在住)を交えて、
      先行試飲&インタビューをさせていただいています。
     
      今回お話を伺ったのはワインメーカーのレベッカ・ワインバーグさん!
      カリフォルニア大学ディビス校で栽培と醸造学の修士号を取得後、
      2015年からクインテッサに参画し活躍中


レベッカさんが語ったクインテッサと2019年ヴィンテージ
2019年はすべてにおいて理想な要素を備えていたそうです。
テイスティングコメントとして「繊細なニュアンスと深み、長い余韻が楽しめます。花や森、湿った土の香りが複雑に調和し、きめ細かいタンニンと活き活きとした酸があります。透明感と共に緻密さを持つワインです」とレベッカさん

醸造面で、昨年と異なる点は、発酵前にSO2を添加しなかったこと。添加したほうが安心でしたが、収穫したぶどうを見て決断。完成したワインをテイスティングして、判断に間違がなかったと確信したとのことでした。

  2018年ヴィンテージから導入したコンクリートタンク
 温度管理が容易で、味わいもまろやかになる由
「2018年VTの醸造で学んだことを新たにチューニングしている感じ」とレベッカさん


気候変動に絡んだ話題
カリフォルニアでは、再生農法 (有機物を増やし、炭素隔離を促進することで土壌の健全化を再構築する農法)の実践例として不耕起/最小限の耕起、カバークロップ、動物の放牧/共生化等をしています。

 カバークロップ(被覆作物)
 現在3通りの方法で観察を行っています。
 ①すき込む(耕す) ②すき込まない ③折り込んだり、踏み潰す

 レベッカさんがワイン業界に参入した18年前は、夏は乾燥し、冬は多降雨だったので、
 夏は刈り取るように指導を受けていました。 
 近年、冬に雨が降らなくなり、旱魃も続いているため、温暖化対策として、
 3年くらい前から、上記3つの方法のどれがよいか観察中だそうです。
 地中の水分の保持や微生物が生息するヘルシーな土壌形成のために、
 ①のすき込みは、昔ほど行っていない由
 最近の研究では、すき込まないほうが良いとの意見が主流
 ②と③に関しては、地表の温度コントロールに役立つことがわかってきた由
 温暖化対策、SDGsにも関わりがあるので、今後の調査を注視

 羊の放牧
 放牧もカバークロップと同じような効果があるとのこと

 ぶどう品種
 カベルネ・ソーヴィニョンは重要な存在!
 クインテッサとしては、次の50年間を考え、様々なやり方や考え方を取り入れながら、
 気候変動対策をしていくので、そのためにもカベルネは要となる品種

 オゾンガスの活用
 2020年は8月と9月に山火事がありました。
 いつも山火事は10月なので、ぶどうへの影響はなかったのですが、2020年は例外。
 8月の火事はナパを取り囲む森が焼失し、それによって生じた“灰”が、
 太陽光線を遮ってしまったので、日照量が十分に得られませんでした。
 ゆえに、2020年の生産を中止にしたワイナリーも出ています。

 レベッカさんは、2020年を“そのようなヴィンテージ”と捉え、すべてのぶどうを収穫。
 できるだけ良いワインを造ることに専念しました。
 多くは通常通りの醸造を行い、一部だけオゾンガスを充満させたコンテナーに入れて、
 フレッシュさを取り戻す工夫を施しました。

 使用したコンテナーは海運輸送に使うタイプで、
 オゾンガスによって、野菜や果物を新鮮に保つことができるものです。

 「オゾンガスなら鎖状の構造を持つ煙の分子を分解できる」と考えたレベッカさんは、
 コンテナーを活用しました。
 2020年ヴィンテージは収量自体、とても少ないヴィンテージになりますが、
 その成果に期待したいです。

 ビオディナミ農法に関して
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 クインテッサはデメターの認証を取得しています。
 欧州から始まったビオディナミですが、全てを規定通りに行うのではなく、
 カリフォルニアの気候に即した栽培をしています。
 一例として、シリカはぶどうの成熟に関わる調剤ですが、
 カリフォルニアの日照度は欧州とは違うので、
 年に1度の散布で十分な効果を得ることができます。
 レベッカさんは「ワイナリーに即した方法を取り入れています」と語っていました。


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 
 photo by Quintessa
 毎回参加してくださる輸出担当ディレクターのディエゴ・ギャレイさん
 前職はセーニャやアルマヴィーヴァでジェネラル・マネージャーを担当、
 日本市場に精通しています。

 8月24日に、CVBG主催『ビヨンド・ボルドー東京2022』が予定されており、
 今回もクインテッサが出展されるので、再度、しっかりテイスティングしてきます。
 ディエゴさんから「白ワイン『イルミネーション』も初出展します」とのお話も!
 とても楽しみです。

 9月からボルドーのネゴシアンを介して販売されるクインテッサの評価、
 大いに期待しています!
 
【関連記事】
 クインテッサ2017年ヴィンテージ


 クインテッサ2018年ヴィンテージ


posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | カリフォルニア・クインテッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月25日

世界進出に舵を向けたナパ・ヴァレーの逸材『Quintessa クインテッサ』

第5の要素『クインテッサ』
昨年から輸出に力を入れ始めたナパ・ヴァレー、ラザフォードにあるクインテッサ


先日、Zoomで、ロドリゴ・ソトGMとディエゴ・ギャレイ輸出担当ディレクターからワイナリーや新ヴィンテージ2017について伺うことができました。
内容はニュースサイトワインのこころ

で紹介しています。隠れた逸材クインテッサの魅力を感じていただけましたら幸いです。


 来月上旬発売される『クインテッサ2017』 Photo by Fumiko


         ジェネラル・マネージャーのロドリゴ・ソト氏
         Photo by Quintessa

      フェッツアーやベンジガー、チリではマテテックやヴェラモンテで活躍
      ビオディナミの指導者として著名なアラン・ヨーク氏との親交も篤い

         ワインメーカーのレベッカ・ワインバーグさん 
         Photo by Quintessa

      所用があり、Zoomには参加できなかったレベッカさん
      カリフォルニア大学デイビス校で栽培と醸造学の修士号を取得
      2015年からクインテッサに参画しました!

 輸出担当ディレクターのディエゴ・ギャレイ氏 Photo by Quintessa

セーニャのジェネラル・マネージャー、アルマヴィーヴァのジェネラル・マネージャーを歴任なさったギャレイ氏は日本市場の重要さを熱く語っていました。


[NEW]:カリフォルニア州の山火事
雷によって発生した山火事はナパ・ヴァレーの東側に移動していますが、最新の情報はナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)のFB

に随時掲載しています。また、火災の状況はMap

で確認できます。
避難による密もあるので、火災とコロナ感染はダブルで気がかりです。
posted by fumiko at 20:02| Comment(2) | カリフォルニア・クインテッサ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする