2025年04月03日

ジョセフ ペリエ創立200周年記念ボトルは大容量マグナムとダブルマグナム

シャンパーニュメゾン『ジョセフ ペリエ』
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シャンパーニュ地方のシャロン・アン・シャンパーニュにあるジョセフ ペリエ
古代ローマ人の遺跡を生かしたセラー内部には200万~300万のボトルを保存
2018年から着手していたリニューアル工事が終わり、
新たなワインツーリズムコースも完成しました。
今年は創立200周年の記念年です、おめでとうござます

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左からオットー・プシュビラ取締役
6代目ベンジャミン・フルモン氏&先代ジャン=クロード・フルモン氏
photo by Fumiko・2019年訪問

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200周年を記念したセミナー@ADV
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オットーさんとナタリーさんによるセミナー
一社・日本ソムリエ協会副会長の石田博氏がゲストスピーカーで登場し、
8アイテムについてコメントしてくださいました。
詳細はワイン王国webをご笑覧くださると嬉しいです!

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前列はノン・ヴィンテージの4アイテム
後列は品種に特化した2アイテム、200周年の記念ボトル、トップキュヴェのジョセフィーヌ

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 200周年記念の『キュヴェ200』は大容量ボトルだけの生産
 1500mlは2000本、3000mlは1500ml、すべてナンバリングされています。
 セミナーで供されたのはダブルマグナムで0008/1500でした。

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青木一押しのロゼ
先代当主に直談判して、ナタリースタイルを確立したロゼ
飲んでいただければわかります、その魅力が!

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     ジョセフ ペリエが大事にしているミモザの花

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    信頼するオットーさんとナタリーさんとの再会
    開催時期は国際女性デー 別名ミモザの日3月8日の2日前
    3月9日はナタリーさんの誕生日、3月10日はベンジャミン当主の誕生日
    ブランドカラーでお邪魔しなくっちゃと思い、
    イエローのジャケットでおふたりに同化させていただきました!

    関連記事(2020年来日):ワイン王国web
    製品についての問い合わせ先はJALUXワイン・リカー部  TEL.03-6367-8756

2025年03月16日

Champagne "FLEUR de MIRAVAL”最新バージョンER4 / Exclusivement Rose 4のお披露目

FLEUR de MIRAVAL Masterclass
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 ER1、ER2、ER3&プティット・フルールNV

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 アレクシ・ブロンデルさんが手にしているのが新バージョンER4
 ソムリエとしてデュカスGを含むドバイ、NY、パリのワイン業界で経験を重ね、
 2022年8月にフルール・ド・ミラヴァルのアシスタント・セラーマスターに就任。
 ペテルス&ペラン両家と共にロゼ・シャンパーニュの生産、販売
 およびチーム・トレーニングに携わり、ブランド代表として、
 世界中に、フルール・ド・ミラヴァル ロゼの魅力を発信しています。

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  フルール・ド・ミラヴァルについて少しだけプレーバック

   3Pが求めるロゼ・シャンパーニュのスタイル
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   (c)ジェロボーム

  ロドルフ・ペテルス、ブラッド・ピット&マーク・ペランの3P
  ペテルスはル・メニル・シュル・オジェが拠点のピエール・ペテルス6代目
  ブラッド・ピットは俳優
  ペランはコート・デュ・ローヌのファミーユ・ペランの5代目

  ピット&ペランはプロヴァンスでミラヴァル・ロゼを手掛けています。
  ロゼ・シャンパーニュ誕生のいきさつは、フルール・ド・ミラヴァル伯爵夫人の伝説
  (ロゼ・シャンパーニュだけを飲み、熟成した上質なシャルドネのニュアンスを好んだ)
  にインスピレーションを受けたこと。
  加えてロゼ・シャンパーニュ好きのピットの意向も反映されています。
  ペランがシャンパーニュの卓越した造り手ロドルフ・ペテルスと朋友だったことで、
  彼も仲間入りし、3Pで『フルール・ド・ミラヴァル』造りがスタートしました。
  ラベルには“ロゼに特化した”を意味するEXCLUSIVEMENTROSÉを表記
  (上記の文中 敬称略)

           
プロジェクトは、5年間、秘密裏で進められ、その間、さまざまなメゾンのシャンパーニュの試飲を重ねました。結果、多くのメゾンのロゼ・シャンパーニュは、ピノ・ノワールの要素が強く出ていると感じたとのこと。

ペランさんは「ロドルフは昔からの友人で、共に世界中の偉大なワインに情熱を注いでいますが、上質なヴィンテージのロゼ・シャンパーニュを飲むたびに、同じ思い(ピノの印象の強さ)を感じていました。それは、熟成と共に発展していくシャルドネのアロマは素晴らしいものの、赤ワインのヘビーなアロマはシャンパーニュ全体の調和やエレガントさを邪魔しているものが多い、ということです。ゆえに、我々は熟成したシャルドネと若いピノ・ノワールのロゼワインをブレンドした、他メゾンとは異なるタイプのロゼ・シャンパーニュを造ろうと決めました」と語っています。
この太字にした部分が、フルール・ド・ミラヴァルの大事なポイントです!

ロゼ・シャンパーニュ造りにおける、シャルドネへの徹底したこだわり
シャルドネの聖地コート・デ・ブランのぶどうの石灰質に由来するチョーキーな要素、溌溂感を生かす。ソレラによるリザーヴワインと2種のボトルシャンパ-ニュを使うことで複雑な要素を加える。シャルドネのぶどうはGCのル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィーズ&クラマン、ピノはPCのヴェルテュになります。
参考データ:2024年のフルール・ド・ミラヴァルリポート


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    ER1のプロフィル
    ぶどう品種はCH75%、PN25%
    CHは2016年ヴィンテージ25%
    リザーヴワイン50%
    パーペチュアルリザーヴ25%(2007年~)
    ボトルシャンパーニュ25%(2002年&2008年)
    PNは2016年ヴィンテージ25%
    デゴルジュマン:2020年6月
    ドザージュ:4.5g/L
    生産量:2万本
    希望小売価格:6万円/ギフトボックス入り

    ER2のプロフィール
    ぶどう品種はCH75%、PN25%
    CHは2017年ヴィンテージ25%
    リザーヴワイン50%
    パーペチュアルリザーヴ25%(2007年~)
    ボトルシャンパーニュ25%(2004年&2006年)
    PNは2016年ヴィンテージ25%
    デゴルジュマン:2021年4月
    ドザージュ:4.5g/L
    生産量:2万2千本
    希望小売価格:6.5万円/ギフトボックス入り

    ER3のプロフィール
    ぶどう品種はCH75%、PN25%
    CHは2018年ヴィンテージ25%
    リザーヴワイン50%
    パーペチュアルリザーヴ25%(2007年~)
    ボトルシャンパーニュ25%(2000年&2009年)
    PNは2018年ヴィンテージ25%
    デゴルジュマン:2022年5月
    ドザージュ:4.5g/L
    生産量:2万本
    希望小売価格:6.8万円/ギフトボックス入り


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今夏リリース予定のER4
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 左から ER4、ER3、ER2、ER1、プティット・フルールNV
 最新ER4をワンワードで表現すると“Statuesque / 優雅な、威厳のある”
 力強さと繊細さのバランス、豊潤な柑橘や香ばしい木の実、甘いスパイス、柔和な余韻

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    フルール・ド・ミラヴァルの構成は
    ①スティルのロゼワイン
    ②パーペチュアル・リザーヴ
    ③開栓前の熟成した2ヴィンテージ

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 メゾンでは①をFresh、Juiciness、Fruit ②をBackbone、Core、Texture 
 ③をNoble Reduction、Complexity、Deepnessとのワードで表現

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 ER4はドザージュ4~6g/Lで詳細は、
 ①ベースヴィンテージ2019年を25%
 ②パーペチュアル・リザーヴ2007~2010年、2012年~2018年を50%
 ③のボトルシャンパーニュ2007年&2012年を25%
 今回のセミナーで、初めて、③について「Remise en Cercle 」と表現。
 円、循環に戻る!?

         2023年11月にデビューしたプティット・フルール
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 2019年ヴィンテージのCH65%、同ヴィンテージのPN5%
 パーペチュアル・リザ-ヴ30%、ドザージュ4~5g/L

 コート・デ・ブランの石灰質土壌のテロワールを反映したロゼ・シャンパーニュで、
 チョーキーなテクスチュアと塩味のニュアンス
 赤ワインはヴェルテュのPNを5%ブレンド
 リリースまで3 年間澱と共に瓶熟。柑橘果実のアロマ
 ベリー系果実のジューシーかつ芳醇な味わい、繊細さと軽やかを伴ったフィニッシュ

La Revue du Vin de Franceのシャンパーニュメゾン評価
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 ランキング[わーい(嬉しい顔)]

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  製品についての問い合わせ先 ジェロボーム株式会社
  TEL:03-5786-3280 / FAX:03-5786-3282
             

2025年01月12日

メゾン マムの「テイスティング エンカウンター オデッセイ」にまつわる一考察

2024年4月、シャンパーニュ『メゾンマム』の最高醸造責任者に就任したヤン・ムニエ氏。同年11月に輸入元ペルノ・リカール・ジャパン株式会社(PRJ)の招聘で初来日し、ワイン関係者&プレスを前に「テイスティング エンカウンター オデッセイ」と銘打ったテイスティング手法を披露しました。

 メゾンマムのヤン・ムニエ最高醸造責任者、トレイシー・クワンPRJ代表取締役

イベントは二部構成で、第一部は新感覚のテイスティング、第二部は一夜限りのペアリングディナー@Stellar Works Restaurant & Barでした。内容に関しては、ワイン王国webで確認できます。


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Mumm Taste Encounters
メゾンマムのユニークなテイスティングに表記されていたワンワード“Odyssey
長い冒険の旅とか知的探求を意味する言葉で、語源はホメロスの長編叙事詩『オデッセイア』の主人公オデッセウスが体験する冒険物語に由来しています。

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さて、そのテイスティング エンカウンター オデッセイですが、これは視覚・嗅覚・味覚から受けた印象を言葉で表現するのではなく、片手にマム グラン コルドンのグラス、もう一方の手では、親指と人さし指で、オリジナルオブジェのメタル部分とレザーの異なる素材に触れながら、視覚と触覚で、シャンパーニュに内在する新たな印象を分析。


次なるステップは、透明の球形ガラスとテラコッタのオブジェを観察。ガラスは滑らかでクリーン、テラコッタは粗い質感で、重量も触ってみないとよくわかりません。これらもマム グラン コルドンを利き酒しながら、どちらの素材に近いかイメージしていきます。




触れて感じるメカニズム
五感には、視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚があります。今回のテイスティングでは触覚がメインになりました。皮膚の中にある振動(素材に手を触れ擦ると僅かでも振動が発生)や温度など異なる情報を検出する複数種類のセンサが、さまざまな情報をうまく処理することで、物体の粗さや硬さ、質感をチェックしています。出典:NTT研究開発

気になっていた触覚と脳の関係については、生理学研究所が行った実験に興味ある記載がありました。『見て触れる経験が、見る仕組みを変える』と題したプレスリリースで「見て触れる経験をすることで、下側頭皮質後部の活動が素材の外観や手触りの印象をよりよく反映するように変化することがわかった」との記述があり、これにより、脳がさまざまな物を認識したり、質感を感じるメカニズムの全容を解明するための重要な足がかりを得たとのこと。物を見て認識する人工知能の発達にも、新しい見方を与える発見になったようです。今後のさらなる研究に注視していたいです。出典:生理学研究所/2016年3月18日プレスリリース

2012年10月、シンガポール航空の取材で現地のケータリングセンターを訪問しました。同航空のスイート、ファーストクラス、ビジネスクラスを利用する乗客のための豊富な料理メニュー(ブック・ザ・クック)の視察が目的でした。菊乃井の村田料理長が1999年から機内食開発にかかわっていたことから、機上での料理についてお話を伺うチャンスがありました。

料理長曰く「地上で食べてちょうど良いと思う味付けより、もう少し加味した塩梅が良い」。これを“しんみりめ”と表現していました。

機内は、湿度も少なく乾燥しているので、五感も鈍くなります。ゆえに、味覚や嗅覚は、地上にいる時より、濃いめを好むようになります。そのための一工夫が、料理長のおっしゃる“しんみりめ”の味付けでした!


壮大な“オデッセイ”
重要なキーワードOdyssey
アーサー・C・クラーク原作、スタンリー・キュブリック監督のSF映画の傑作『2001年宇宙の旅』の原題は『2001:A Space Odyssey』、やっぱり宇宙に繫がります!

 画像データ:メゾンマム

メゾンマムでは、2020年からテイスティング エンカウンターを行っていますが、それ以前から、宇宙で味わうシャンパーニュをテーマにした壮大なプロジェクトに取り組んできました。2022年9月に宇宙旅行と有人宇宙旅行のためにデザインされた初のシャンパーニュボトルとマム コルドン ルージュ ステラの最終デザインを公開しました。その成果はコチラで🌓

この研究は、宇宙応用物体の設計を司るスペードエージェンシーの創設者オクターヴ・ド・ゴール氏とワインの試飲と知覚の研究に15年以上の歳月を費やしてきた神経科学者でパスツール研究所の研究員ガブリエル・レプゼ氏との連携であり、画期的なテイスティング エンカウンターに関しても、ともに構想を練りあげてきました。

メゾン マムの テイスティング エンカウンター オデッセイの試みは、地球とは異なる空間でシャンパーニュを味わうと、味覚&嗅覚が正常に働かないので、五感のなかで最も発達が早い感覚 “触覚”を使うことが、脳への訓練になる、と感じました。


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一考察を書きながら・・・
映画『2001年宇宙の旅』の人工知能HALが、1968年公開された映画に登場していたことを思うと、キューブリック監督の凄さに改めて脱帽。映画冒頭のリヒャルト・シュトラスの『ツァラトゥストラはかく語りき』の曲とともに、永久保存版の作品と断言できます。

昨年他界なさった松岡正剛氏が千夜千冊にデヴィッド・ストークの『HAL伝説』について書いていました。これは一読の価値あり、です!


 ドレスコードはマム色のSomething Red
 ヤンさんとクワンさんを囲んで記念ショット

 メゾン マムの新たな冒険の旅に期待しています🌓🌓🌓

2024年11月16日

自然の饗宴 Banquet of Nature ~ペリエ ジュエ Perrier-Jouet × フォルマファンタズマ Formafantasma~

    自然を保護し、尊ぶ活動“コアビターレ”
    フォルマファンタズマが考案したペリエ ジュエのための自然の饗宴
    ドレスコードはSomething Floral
    [NEW]ワイン王国webに記事がアップされたので併せてご笑覧くださいませ🍀

 第一部はアートトーク

左からペリエ ジュエのセヴリーヌ・フレルソン最高醸造責任者、フォルマファンタズマのアンドレア・トレマルキさん&シモーネ・ファレジンさん、マーテル・マム・ペリエ ジュエのカロリン・ビアンコカルチャー&クリエイティブ担当ディレクター

ペリエ ジュエはエミール・ガレが描いたアネモネのボトルによって “シャンパーニュの芸術” を昇華させてきました。2012年からは、アートやデザインの分野で活躍しているアーティストたちにメゾンのための作品を依頼することで、エミール・ガレの精神を継承させています。2024年からフォルマファンタズマのアンドレアさん&シモーネさんとのコラボレーションを展開中。

 フォルマファンタズマ

 (C) Perrier-Jouet、ペルノ・リカール・ジャパン

フランス北東部アンボネイ村に広がるペリエ ジュエの畑にフォルマファンタズマが立ち上げたプロジェクトは、バイオダイバーシティ・アイランド(生物多様性の島)、生き物たちが生活するための家を作ること。ふたりはペリエ ジュエの環境再生型ぶどう栽培の実験に共感し、長期プロジェクトを開始。ペリエ ジュエとフォルマファンタズマは、畑に生息する生き物にとって最適な環境を理解するために、観察・研究・モニタリングをしていきます。

 参考データ

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 画像提供:ペルノ・リカール・ジャパン


 登壇したカロリンさん、アンドレアさん、シモーネさん


      ウェルカムシャンパーニュはブラン・ド・ブラン
      トークセッションを拝聴しながら、じっくりと味わいました。


            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



第二部は自然への誘い
 緑に囲まれた空間@リストランテ ASO

  フォルマファンタズマが一脚ごとに異なるデザインを施したロブマイヤーのグラス

    私がディナーのために選んだのは黄色が基調の蝶々の絵柄
    ウォーターグラスのジャパニーズアネモネ(秋明菊)と重なり、美的ハーモニー

 秋明菊からインスピレーションを受けたオマールブルーのマリネ
 雄しべはクワイ、雌しべはキャビアに見立て、
 バジルオイルを加えたシャンパーニュソースで!

 セヴリーヌさんの音頭で乾杯🌓

 沖太一料理長による調理解説
 ギターのように弦がついた容器で仕上げたキタッラ(断面が四角いロングパスタ)

     支柱に見立てた杉板シートのなかに、
     イカ墨のパスタが入っています。
     リボンを解くと、杉の香りが広がる仕掛けでした。
     イカ墨の黒とブラン・ド・ブランの白、視覚的に対極の組み合わせ
     予想外の相性に一同感嘆!

 杉板にも自然との摂理を生かした昆虫の絵を!

      サイフォンを使って仕上げたスープ
      さまざまな野菜やフレッシュハーブに由来するアロマ


 甘鯛の香草蒸し × ベル エポック2015
 料理に使用されたお皿は陶製
 テラコッタの廃材をプレス成型し、底にエナメル加工を施して、
 Banquet of Natureのために仕上げた小鉢 (Les Terres Cuites dr Bourgogne製)

     音の彫刻サウンドスケープ
    木製の共鳴板で構成され、板の振動が周囲に音を広げるオリジナルボックス
    ディナーの中盤、アーティストでサウンドエンジニアのデヴィッド・モナッキ氏が、
    ペリエ ジュエの畑で録音した“音の景色(昆虫の鳴き声を編集・作曲)”が披露されました。
    聴覚による異次元体感で、ペリエ ジュエの畑にタイムスリップ

 ブルターニュ産仔牛ヒレ肉のムニエル × ベル エポック2015
 セヴリーヌさんがベストマリアージュに推していた組み合わせ

      三層のスムージー
      ベル エポック フロレサンス2015 × 巨峰、ラ・フランス、生の柿と人参
      蝶が蜜を吸う姿からインスピレーションを受けた一皿
      サトウキビのストローで3種のスムージーを堪能、蝶になった感じ[わーい(嬉しい顔)]
      私のベストワン!

 紅玉のタルト × ベル エポックフロレサンス2015
 “開花”を意味する特別なキュヴェからインスプレーションを受けた〆の一皿
 紅玉を薄くスライスし何層にも重ねて焼き上げたデザートで、
 山椒とベリーを合せたパウダーと青リンゴのクリームを添えて!

             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

             Banquet of Natureの概要 クリックで拡大可

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 ペリエ ジュエ ベル エポック限定パッケージ

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 商品名:ペリエ ジュエ ベル エポック2016 グラス2脚セット 
           エコロジカルボックスbyフォルマファンタズマ
 価格:オープン価格/参考小売価格45,265円(税込)
 品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%
 熟成期間:最低6年
 [目]販売予定:12月からAmazon公式ストアで販売開始予定


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     ペリエ ジュエの世界で
    エントランスに設けられたグリーンスペース

      ドレスコードのフローラルで草花と同化🍀 photo by Hiromi Tani

  セヴリーヌさん、フォルマファンタズマ&カロリンさんとの記念ショット


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 進化するペリエ ジュエ
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 (C) Perrier-Jouet、ペルノ・リカール・ジャパン  転載禁止

10月現地で、樽の採用に関して公式発表を行ったペリエジュエ。
昨春に来日なさった折、ワイン王国の取材の終盤に、少しだけ樽の話題になり、「今は公表できませんが、いずれ、改めて」とおっしゃっていました。今回、ディナーの合間に、プレスメンバーに要点を語ってくださいました。

画像の樽は2種類あり、シャルドネだけに特化。手前はブルゴーニュ樽228㍑で全部で36樽(新樽20、一空樽10,2~4年使用樽6)。後方にあるのは5,000㍑のフードルで全部9樽。ともに2024年ヴィンテージから使うとのこと。ベル エポックやブラン・ド・ブランのNVに登場する予定です。その昔、ペリエ ジュエでは樽を使っていましたが、メゾンが求めるフレッシュなスタイルを具現化するため、容器を全てステンレスタンクに変えました。21世紀に入り、第8代最高醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソンさんは樽の再導入に踏み切りました。

イベント終了後、ご挨拶メールをしたところ、「次回は、セットアップしたシャルドネの樽セラーの話をしましょう」との返信をくださいました。感性鋭いシェフ・ド・カーブの手腕に期待しています!!

2024年06月07日

ボランジェのプレミアムシャンパーニュ『ラ・グラン・ダネ2015』&『ラ・グラン・ダネ・ロゼ2015』のお披露目

    ボランジェが所有するキュイ村の森林
    (C)Bollinger
    1829年、卓越した3人の男たちによって創立されたボランジェ
    1人目は海軍にいたアタナス・ド・ヴィレルモン提督で、
    アイ、キュイ、クラマン各村にぶどう畑を所有。
    2人目は提督の同僚ポール・ルノダンでセラーマスターの職を受け持ち、
    3人目はジャック・ボランジェでワイン販売を担当していました。
    提督が所有していたキュイ村の森林は今も大事に管理されています!

    6代目シリル・ドゥラリュ グローバル セールスディレクー来日
    初来日したシリルさん(右)
    ティボー・ジョヴェール アジア・パシフィック担当ビジネスマネージャー


 テイスティングセミナー
 セミナーで披露された2アイテム
 ローンチは仏パリからスタートし、アジア圏では日本(東京)が口開けでした!

 
ティボーさんによるメゾン解説

 ボランジェは世界120ヵ国に輸出されています。
 スクリーンにあるのはボランジェの5ヵ条


       ラ・グラン・ダネ2015

&グラン・ダネ・ロゼ2015



 ランチ@エリタージュ バイ ケイ コバヤシ
 2024年1月29日ザ・リッツ・カールトン東京の45階にオープン
 料理からサービス、空間まで全てを、
 パリで活躍するミシュラン三つ星シェフ小林圭氏が監修

      シリルさん仕切で乾杯
      日本語でカンパイ
      シリルさんは家族経営を貫くボランジェの6代目ですが、
      世界の全企業のなかで3代目まで続いているのは全体の12%
      5代目はわずか1%未満だそうです。
      現在、ボランジェ一族のメンバーは知識を深め、
      専門的な分野についても語れるように、
      トレーニングやディスカッションを行っています。
      次世代に向けての行動です!


 長崎産アワビのフリット


     フランス産ホワイトアスパラガスのグリエ

 黒毛和牛 フィレ肉 ソースべアルネーズ

 同店の村島輝樹料理長とシリルさん


 
ワイン王国用インタビュー@広尾ルグラン

 六本木から広尾に移動
 フランスの本店そっくり、この店舗が大好きです!

 サヴォア・フェール(匠の技)を継承するボランジェ
 6月5日に発売されたワイン王国
 ボランジェの神髄をまとめました!


     インタビュー用の画像は青木が担当
     自然光でシリルさんを撮影させていただきました!


      セミナー、ランチ、インタビューと長い一日が終わり・・・
      輸入元WINE TO STYLEのブランドマネージャー斎藤美樹さんと小休止[わーい(嬉しい顔)]
      お疲れ様でした!

      🍀参考記事/2023年12月
      ワイン王国『ボランジェ』ピノ・ノワール3部作を紐解く
      https://www.winekingdom.co.jp/_ct/17675375

2024年05月17日

アール・ヌーヴォーの象徴的なモチーフ“カーネーションの優雅さ”を纏った『ベル エポック2015』のお披露目!

  5月の第2日曜日は母の日、象徴的な花は“カーネーション”ですね。
  ペリエ ジュエのセヴリーヌ・フレルソン第8代最高醸造責任者は、
  ベル エポックの最新ヴィンテージ2015を、
  “カーネーションを思わせる優雅さを纏った”と形容していました!


  ベル エポックが体現する"自然のサイクル Nature's cycle" 
  大手町Cycle スィークル

のテラスに設えられたフォトコールスペースには、
  ペリエ ジュエの香りのノートをイメージしたサステナフラワー


 循環を視覚化したCycleのロゴ


     エントランスにもSDGsに配慮したサステナフラワー


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ペルノ・リカール・ジャパンのトレイシー クワン代表取締役は冒頭『ベル エポック2015』のお披露目会場『スィークル』について、「■自然へのリスペクト ■生物多様性の重視、という点において同じフィロソフィーを分かち合っており、それぞれの道で、その哲学を表現しています。今日はペリエ ジュエの新ヴィンテージ2015を、スィークルの才能ある宮本悠平シェフのお料理でお楽しみください」と挨拶。


     画像提供:ペルノ・リカール・ジャパン

     ディナー当日の朝到着なさったセヴリーヌ・フレルソンさん
     メインスペースに鎮座したペリエ ジュエの真のアイコン『ベル エポック2015』
    
「10年ほど前から“自然への取り組み”を実践しています。最近フォーカスしているのは“環境再生型ぶどう栽培”で、これは自然の力を使って、土に命を与えていきます。ぶどう畑に様々な植物を植え、生物多様性を形成していくプログラムです」とサステナブルについて語った後、2015年VTで乾杯半月


  画像提供:ペルノ・リカール・ジャパン

Cycle by Mauro Colagreco の宮本悠平シェフ
マウロ・コラグレコミシュランシェフのもとで研鑽を積み、2023年秋、恩師コラグレコ氏とオープンさせた大手町『スィークル』のシェフに就任。


 ウエルカムシャンパーニュは2015年!
 超贅沢なオープニング

 循環をイメージさせた輪の重なり


唯一無二の珠玉のマリアージュ
セヴリーヌ・フレルソン最高醸造責任者がシャンパーニュにまつわる自然のサイクルからインスピレーションを受けて考案した “テロワール”、“芽吹き”、“開花”、“成熟”の4つのキーエレメントをもとに、ペアリングディナーを構成。
各エレメントに沿って創られた宮本悠平シェフのお料理。それらに合わせてセヴリーヌさんがベル エポックのヴィンテージをセレクト。

 ベル エポック2015  ブログ内の画像はすべて拡大可
 データ提供:ペルノ・リカール・ジャパン

気候:冬は温暖で雨が多かった。5月中旬から6月中旬まで高温、その暑さは夏まで続いた。8月に降雨があり、土壌は潤った。気温が少し下がったことでぶどうの生育が進み、健全なぶどうが実った。収穫は9月8日から開始。


     「2015年は太陽がいっぱいでした」とセヴリーヌさん

クチナシ、菩提樹、サンザシ、グレープフルーツのような柑橘、口中ではタルトタタンのような味わい深いニュアンス、ジューシーさがあり繊細でデリケート。9度くらいでサービスし、料理と合わせるなら10~12度が最適。


 “蕗のとう”のノーブルなビター感が2015年のフェノールと良いバランス。
 感性豊かなセヴリーヌさんが蕗のとうに興味津々でした。

 ベル エポック2013
 データ提供:ペルノ・リカール・ジャパン



ヴァーティカル(直線的)なヴィンテージで、
柑橘系果実のレモンやグレープフルーツ、マンダリンオレンジのアロマ。フレッシュで滑らかなシルクのテクスチュア、シャンパーニュ地方の白亜質土壌を感じさせるミネラル感。料理に使われているGFやアスパラガスがシャンパーニュと合わせることで面白いエコーをもたらす組み合わせ。


 ベルエポック2008
 データ提供:ペルノ・リカール・ジャパン

             
               ポテンシャルある2008

2000年代のグレートヴィンテージはデリケートで直線的、味わい深く、長期保存タイプ。
ダマスクローズやレモンの花、グリルしたアーモンドやヘーゼルナッツ、クミンや生姜
味わいはフレッシュでミネラル感があり、シルキーで厚みのある白い牡丹のニュアンス


 ベル エポック1999
 データ提供:ペルノ・リカール・ジャパン

 ベルエポック風デコレーションの静岡県産シャモ
 シャモはフランス語でも“Shamo”


1999年VTからはエニシダやイングリッシュ・ローズ、火を通したレモンのコンポートやオレンジのマーマレード、アルマニヤックや葉巻のニュアンス。25年の時を経ながらフレッシュ感があり、要素も多彩。軍鶏シャモの厚みのある肉質がベル エポック1999の世界観と重なり合うマリアージュ。

  データ提供:ペルノ・リカール・ジャパン

              日本限定の最新キュヴェ
日本滞在中に見たコスモスから発想を得て完成させたロゼ・シャンパーニュ
エペルネのメゾンのステンドグラスの輝きを連想させる色調。優雅で穏やか。スミレやダマスクローズ、イチゴやペッシュ・ド・ヴィーニュ(桃の一種)のアロマ、口当たりはフレッシュ、バラとマスカルポーネがデリケートな味わいのロゼに相乗。


  落花生のなかにショコラピーナッツ

 左から供出順に
 #1:ベル エポック2015

   
 #2:ベル エポック2013
 #3:ベル エポック2008
 #4:ベル エポック1999
 #5:ベル エポック フロレサンス2015



  QRコードからお入りいただき、
  ペリエ ジュエの“自然への取り組み”をご覧くださいませ!


 画像提供:ペルノ・リカール・ジャパン


     ペリエ ジュエ ベル エポック2015 グラス2脚セット エコロジカルボックス
     熟成期間:最低6年
     セパージュ:シャルドネ50%/ピノ・ノワール50%/ムニエ5%
     参考小売価格:45,265円(税込)


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


    
      ペリエ ジュエの特製グラスに注がれたシャンパーニュ超キラキラ
      右頬がシャンパーニュでライティングされていた感じ[わーい(嬉しい顔)]

      セヴリーヌさんとは昨秋以来の再会になりました。 
      同テーブルだったことで、いろいろなお話を伺うことができました。

   卓越した醸造家兼ママとして頑張っているセヴリーヌさん
   18歳の長女は医学の道を志し、12歳の次女は嗅覚に秀でた才能を開花中
   仏グラースの家族旅行では香りの調合を楽しんでいたようです。
   私の記憶が正しければ(笑)
   セヴリーヌさんがシェフ・ド・カーヴになろうと決意したのは15歳だったと思うので、
   愛娘さんがワイン関係のお仕事に就く可能性、ありかもですね。
   ちなみに、ディナー当日は長女の誕生日[プレゼント]だったそうです。
   ママの顔で「写真とメッセージを送るわ」と笑顔で語っていました。


 ドレスコードはSomething Greenだったので、成瀬ブルーの着物で参加。
 着物作家の成瀬優さんは森と共存しながら作品を手掛けています。
 ゆえに、“自然ファースト”のペリエ ジュエとスィークルの空間に、
 しっかり同化することができました。


  フォトコールでご一緒したのは料理研究家の内坂芳美さん
  私はサステナフラワーのなかから好みのラナンキュラスと芍薬を選んで挿入

  いつもながら至福の時間を提供してくださったペルノ・リカール・ジャパンの皆さま
  そして、スィークルの皆さま
  心から感謝しております、ありがとうございました半月半月半月


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 エミール・ガレ没後120年 奇想のガラス作家@渋谷区立松濤美術館 (追記:2024年5月24日)
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 4月6日~6月9日まで開催されているガレ展
 先日合間を見つけ、覗いてきました。
 エペルネのペリエ ジュエ迎賓館や昨年訪問してきたシャンパーニュ美術館では、
 お馴染みのガレですが、東京では個人蔵の貴重な作品も並んでおり、
 様々な角度からガレの才能・魅力を再発見してきました。

 エミール・ガレについては、
 ワイン王国web(2022年12月)でペリエ ジュエのベル エポック2013を紹介した時に、
 下記の解説をしました。
 植物学者としての顔をもつ多彩な才能の持ち主です!

 出典:*1芸術広場 *2カテリーナ・ミシャー氏とトーマス・トラクスラー氏が09年に設立したデュオアーティスト

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 カタログの裏表紙の色彩
 ベル エポックに繫がる美しさ

 出典:カタログ 76ぺージ
 花器(アネモネ) 1890-1900年頃 個人蔵 ベル エポックのボトルを想いながら・・・

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2024年03月02日

ランソン × リーデル × ミシュランスターシェフのフィリップ・ミル / 2月のシャンパーニュ講座リポートと併せて

 ランソンイベント@リーデル青山本店
 アサヒビール

とリーデルの共催 
 MCはランソンのマリアン・ジョフロワ アジア・エクスポート・ディレクター(左)
 ゲストコメンテーターはフィリップ・ミル ミシュランスターシェフ

 アイテムにあわせてセレクトされたリーデルグラス
 シャンパーニュは左から(番号はサービス順)
 3)ロゼラベル・ブリュットNV
 1)ブラックラベル・ブリュットNV
 5)ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
 2)ブラック・レゼルヴNV
 4)ノーブル・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン2004


 グラスは供出順に
 奥左から右へ  1)とヴェローチェ 2)とパフォーマンス 3)とヴェリタス
 手前左から右へ 4)とワインウィングス 5)とブルゴーニュ・ピノ


ランソンの沿革
1760年創業、現在ランソンBCCグループ
所有する自社畑57㌶はすべて有機栽培、うち16㌶はビオディナミ農法に移行中。
ぶどう生産者との長い付き合いにより、460㌶の畑から供給を受け、まかなっています。

4つの原則
①クリュの多様性
100以上のクリュがあり、50%以上がグラン・クリュとプルミエ・クリュ
②ノン・マロ
ほとんどの場合、MLFを実施しない方針
③潤沢なリザーヴワイン
ステンレスタンクだけでなく、フードル(木樽)も活用
20年以上保存しているキュヴェからセレクト
④熟成期間の長さ
リンゴ酸を生かすためには長い熟成期間が必要であり、それによってシャンパーニュ本来の姿を表現

ヴィンテージコレクション
1976年以降、消費者からの要望で古いヴィンテージをリリース
最古のヴィンテージは1894年

パートナーシップ
ヴィクトリア女王から授与されたロイヤルワラント、現在はエリザベス2世からの紋章
40年以上にわたりウィンブルドン・テニストーナメントの公式シャンパーニュ


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



テイスティング&マリアージュのコメント
2)3)5)のテクニカルデータはシャンパーニュ講座の項に記載

1)ブラックラベル・ブリュットNV
ぶどう品種はPN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
クリュの数は100以上、グラン・クリュ&プルミエ・クリュ50%
ベースワインは2017年VT
リザーヴワインは45%
熟成は4年以上
ドザージュは8g/L

マリアン:勢いのある口当たり、柑橘果実や白い花、爽やかで活き活きしていてまろやか、バランスの取れた味わい
フィリップ:ヴェローチェのグラスで味わうとシャンパーニュの塩味がよくわかる。
天麩羅の衣のカリカリ感と良く合い、トースト風味もあるので温かな衣とピッタリ。酸味の心地良さはトマトのジュレや柑橘(レモンやオレンジ)の皮の甘苦みと合せて。パルメザンチーズの香りや味わいはブラックラベルの塩味と相乗するし、歯応えある味わいなので、イタリアのオッソブーコ(仔牛すね肉の煮込み)も面白い。


2)ブラック・レゼルヴNV
ぶどう品種はPN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
クリュの数は100以上、グラン・クリュ&プルミエ・クリュ70%

マリアン:熟成感があり、1) より厚みのある味わい。柑橘果実、バターやアーモンド、木の実、シュル・リー由来の旨味、複雑味
フィリップ:パフォーマンスグラスで味わうとワインの力強さや石灰のニュアンスを感じる。牛肉のカルパッチョやセヴィーチェ。フレッシュアーモンドやヴィネガー、少し辛めの調味料を使ったり、イタリアのアマレットのソースを使った料理もお薦め


  3)ロゼラベル・ブリュットNV

マリアン:英国で人気のロゼ。柑橘ならレモン、グレープフルーツ、クレマンティーヌ。赤いベリー系果実のニュアンスも。ランソンならではの一本筋の通った酸味
フィリップ:ロゼは深みのあるヴェリタスグラス。ラングスチーヌは白身で、甘さ・軽さ・爽やかさがあり、食べ応えもあるので、ブイヨンあるいはコンソメで調理。日本なら甘エビで代用できる。仕上げにバラの花びらを散らすとロゼに映える。柑橘のソースで味付けても良い。イチゴに生クリームやシロップを添えてロゼと楽しむのも一興

  2017年にフィリップさんが桜をイメージして創作したデザート


 4)ノーブル・シャンパーニュ・ブラン・ド・ブラン2004
 ぶどう品種はCH100% / ノン・マロ
 グラン・クリュ100%
 アヴィーズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイィ
 熟成は18年
 ドザージュは6g/L
 生産本数は14,017本

マリアン:ノーブル・シャンパーニュは素晴らしいヴィンテージのみ造られる。生産量は10,000~15,000本。ブラン・ド・ブランは1983年がファーストVTで、1989、1990、1994、1995、1996、1997、1998、1999、2002と2004。2004年は夏の間は灰色の雲に覆われたが、9月には太陽の祝福に満ち、最高のシャンパーニュが誕生した。長い熟成を経たニュアンス、ビスケット、焼いたパン、アカシアの花、砂糖漬けの果実、舌の両端に感じる塩味
フィリップ:初めて体験するウィングスは鼻がグラスに入ってしまう大きな口径。ブラン・ド・ブランは魚介類に合わせたいシャンパーニュ。フランスなら帆立、牡蠣のヨード香にも相乗。メインの魚料理の脇役として、桃屋の海苔の佃煮を添えてサービスするのも良い。


 5)ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004

マリアン:ピノ・ノワールの力強さが出ている。泡はワインに溶け込みスムースでクリーミー。果肉が柔らかで甘味のある桃や梨。小麦を使ったお菓子やスパイスの効いた物と!
フィリップ:根菜類が合う。大根や蕪のような白色の根菜をキノコと一緒に茹でたり煮たりして、煮汁の風味を生かす。焼きたてのお菓子や洋梨のタルトを冷た過ぎない温度帯の2004年と合せて楽しむこともできる。


 おふたりともシャンパーニュ地方のご出身!

マリアン・ジョフロワさんはフランスのネオマビジネススクールで学び、その後、ブルゴーニュでワインとスピリッツのビジネスの修士号を取得。2010年に生まれ故郷のシャンパーニュに戻り、2013年にランソン入社。欧州市場を担当し、現在はアジア・エクスポート・ディレクターとして活躍中

フィリップ・ミルさんは2008年料理芸術の全国コンテストで優勝し、翌年2009年にはブロンズボキューズで優勝。2009年にランスの老舗『レ・クレイエール』のシェフに就任。2011年ミシュラン1つ星、2012年には2つ星を獲得し、往年の星を取り戻している功労者。2017年の来日時、インタビュー

するチャンスがあり、見事な料理も披露していただきました。ミシュランスターシェフの心意気をお感じいただけましたら幸いです。


進化するランソン
1986年から2014年までセラーマスターとして在職していたジャン・ポール・ガンドン氏は徹底したノン・マロ主義。2013年に後任者として就任したエルヴェ・ダンタンさん(前職はマイィ・グランクリュの醸造長)は、ガンドン氏の造りを少し外しています。そのことについて、マリアンさんに質問してみました。
マリアン:エルヴェは、従来からの造りを継承しつつ、飲み手に新鮮な驚きや喜びを感じていただきたいと思い、ランソンのシャンパーニュの複雑味の重層化を考えています。醸造設備の改築に手を加え、ステンレスタンクだけでなく、フードルを導入したのも、そのための取り組みです。エルヴェは、今までの経験や直感に基付き、ぶどうの出来具合や状態をみて、判断を下しています。リザーヴワインについても、ソレラシステムや過去何年か遡ったキュヴェを使うというような“決まり事”は全くなく、すべて彼の決断に依るものです。
テイスティングしたヴィンテージ・シャンパーニュはノン・マロ、ノン・ヴィンテージには若干MLFを施しています。
5アイテムを試飲してみると、どんな温度になっても “フレッシュ感、複雑味、芯のある酸味” が顕著です。それをお感じいただければ、エルヴェの考え方が見えてきます。今回のテイスティングでそれがお伝えできれば嬉しいです。



              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。




 2月のNHK文化センター青山校シャンパーニュ講座
 ランソンをメインにユレ・フレール、アルフレッド・グラシアンをセレクト

 比較試飲しながら3メゾンの特徴をチェック

 コルクの背比べ


 第1フライト
 #1:ランソン ブラック・レゼルヴNV
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:PN50%、CH35%、M15% / 一部MLF
 ベースワインは2014年VT
 リザーヴワインは45%
 デゴルジュマン:2021年8月
 ドザージュ:7g/L
 価格:12,000円(税別)
 輸入元:アサヒビール

2024年なので「4」に注目
第1フライトに2014年と2004年絡みのヴィンテージを入れました。
#1のベースヴィンテージは2014年。色調はストローカラー、柑橘果実や赤系果実、内果皮の軽いビター感。熟成感があり、フレッシュでありながら、時間の経過で様々な要素が層を成すシャンパーニュ。最後まで続く自然体の酸味が好印象


 #2:ユレ・フレール キャトル・エレマン ピノ・ムニエ2014
 生産者:ユレ・フレール(NM)
 ぶどう品種:ムニエ100% / ノン・マロ
 リュード村の単一区画「ラ・グロッセ・ピエーレ」のムニエ/1963年に植樹
 デゴルジュマン:2019年
 ドザージュ:3g/L
 価格:13,800円(税別)
 輸入元:テラヴェール

1960年創業のユレ・フレール

、所有畑は10㌶、相続で叔父たちと畑を分割。但し、管理は3代目のフランソワ・ユレ当主が行っているので、実質的にはRM形態。モンターニュ・ド・ランスにある畑は北向きなので、ぶどうはゆっくり熟し、粘土質の土壌はぶどうに厚みと豊かさをもたらす。シャンパーニュ業界の次世代を担う実力派

他の2アイテムより濃い目の色調、果実感と熟成のニュアンス、ミネラル、ピュアな酒質、ドザージュ量が極少ながらぶどうの熟度に由来する甘味。温度が上がっても最後まで存在感のある酸味。第3週の講座生の多くを魅了していたアイテム。キャトル・エレマン(4つの要素)は単一品種、単一畑、単一年&ひとりの造り手を意味するネーミング


       #3:ノーブル・シャンパーニュ・ヴィンテージ・ブリュット2004
        特別手配のドンペリニヨングラスDPGと通常のリースリンググラス
       
        生産者:ランソン(NM)
        ぶどう品種:CH70%、PN30% /ノン・マロ
        デゴルジュマン:2021年9月
        ドザージュ:6g/L以下
        価格:26,800円(税別)
        輸入元:アサヒビール

DPGはドン ペリニヨン前醸造最高責任者のリシャール・ジェフロワさんが2019年に後任のヴァンサン・シャプロンさんと共に、視覚、嗅覚、味覚のすべてにおいて最高のテイスティング体験が可能になるグラス開発に挑戦したもので、1年を超える試行錯誤の末、最終的にジェフロワさんによる分析と改良案に従って形状を決定し完成

プレステージシャンパーニュの利き比べの時に、DPGを使うと、複雑なシャンパーニュのどの側面も主張し過ぎず、バランスよく試飲できるので、私はよく使っています。ワンワードだと“浄化”


 マルタ騎士団のロゴ
 1760年フランソワ・ドラモットがメゾンを興し、次男と事業を行っていましたが、
 1798年に聖マルタ騎士団の騎士だった長男ニコラ・ルイが帰国したことでメゾンを継承
 ランソンのラベルやプラークにある十字マークは聖マルタ騎士団の紋章


 ランソンには赤が似合ってますね!



 第2フライト
 アルフレッド・グラシアン

は1864年から150年以上続く家族経営
 すべてのアイテムはノン・マロ、樽発酵&樽熟成
 シェフ・ド・カーヴは一子相伝で、ジェジェ家が代々継いでいます。

 #4:アルフレッド・グラシアン ロゼNV
 生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH46%、PN29%、M25%、ブージー産PN12%添加 / ノン・マロ
 リザーヴワインは約40%、瓶熟成は約24カ月
 デゴルジュマン:2023年2月
 ドザージュ:9g/L以下
 価格:10,500円(税別)
 輸入元:WINE TO STYLE

アセロラカラーからオレンジに近い色調。果実のアロマ、タンニンや酸味のニュアンス、最初から最後までフレツシュ感を伴ったロゼ。ランソンより力強さがありますが、DPGで試すとタンニンまろやか!


      #5:ランソン ロゼ・ラベル・ブリュットNV
      通常のリースリンググラスとドンペリニヨングラスDPG
          
      生産者:ランソン(NM)
      ぶどう品種:PN53%、CH32%、M15%、赤ワインを7%添加
      ブージー、キュミエール、リセの黒ぶどうを使用
      一部MLF
      デゴルジュマン:2021年10月
      ドザージュ:8g/L以下
      価格:12,000円(税別)
      輸入元:アサヒビール

上品なサーモンピンク、果実のアロマ、心地よい酸味、軽いビター感。DPGで味わうと、味わいが淘汰され、ランソンに新風を吹き込んだエルヴェ・ダンタンスタイルを実感。“バラの香り”を明確に感じ、フィリップさん提案の料理が完璧にイメージできました。第3週&第4週の講座生の多くが絶賛していたロゼ、お花見に超お薦め!

講座生のHakoさんブログ

も添えておきます。


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



           [NEW]4月からのシャンパーニュ講座募集開始
     毎月第3週

第4週

になります。
     キャンセル待ちの登録も受け付けています。
     多くのシャンパーニュラバーさんにご興味を持っていただけると嬉しいです[わーい(嬉しい顔)]

          春季からは、2クラスのメリットを生かしながら、
          最終回の6回目を合同開催にすることにしました。
          シャンパーニュの醍醐味であるマグナムサイズに特化
          引き続き、宜しくお願いします。


          [NEW]INFORMATION
          3月1日スタート『ランデブーAWA(泡)』
          今年は帝国ホテル開業134周年なので「134」に因み、
          134銘柄のシャンパーニュやスパークリングワイン等の品揃え
          グラスで提供するのは、お薦めのプレミアム等常時10種程度
          営業時間は17時~22時30分 / 席数は52
          お電話でのお問い合わせは03-3539-8045
          詳細情報は以下
          https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/awa/

2024年02月03日

2023年12月中旬にリリースされた『ローラン ペリエ アレクサンドラ ロゼ2012』 ~ブランドセミナーのリポートも添えて~

 シャルドネ重視のローラン ペリエ
 メゾンの庭にあるシャルドネの畑Vignoble “Les Plaisances ” 

   アレクサンドラ ロゼ2012で乾杯
  2023年6月に来日したアレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール当主
  偉大な父親との絆のアイテム、自らの名が付いたアイテムの最新ヴィンテージを披露
  夕暮れの空に広がる燃え立つような色調のロゼ


メゾン解説
アレクサンドラ当主は、自らのメゾンを語る時に「古くて新しいメゾン」と形容します。創業は1812年ですが、1948年に母親からバトンを引き継いだ父親ベルナール・ドゥ・ノナンクールさんが、当時100位に甘んじていたメゾンを、僅か40年あまりで、売上高で世界第4位にまでの地位に押し上げたことを踏まえた常套句です。

アレクサンドラ ロゼの由来
アレクサンドラ ロゼは、ドゥ・ノナンクールさんが、愛娘アレクサンドラさんの結婚式で発表したシャンパーニュ。同地方のグランクリュで、ピノ・ノワールとシャルドネが同時に成熟した収穫年に造られる希少アイテムです。

ローラン ペリエの卓越性、シャンパーニュ造りの哲学、技術の伝承、そして家族への敬意などさまざまな思いが込められたトップキュヴェです。

その誕生を振り返ってみると・・・
1982年はグラン クリュのピノ・ノワールとシャルドネが同時に熟したので同時に収穫できました。とても珍しい出来事でした。そこで、ピノ・ノワールのマセラシオン(キュヴェ・ロゼでの経験)をさらに進化させ、20%前後のシャルドネをブレンドさせて、より長熟のシャンパーニュ造りを考えました。爽やかでしっかりとしたストラクチュアのロゼ・シャンパーニュは、セラーのなかで市場にデビューする日を待っていました。

香水業界で働いていたアレクサンドラさんが「結婚したい」と、父親に伝えたのは1987年のことでした。同年10月、結婚式で、花嫁の父のスピーチに代わって、彼の気持ちを雄弁に語っていたのは、アレクサンドラさんの前に置かれたロゼ・シャンパーニュ『キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ』でした。

今回のセミナーでも「父の気持ちが直接心に響いてきた」と語っていましたが、ローラン・ペリエの歴史やドゥ・ノナンクールさんが誕生させたアイテムについては200周年記念イヴェント

のリポートをご覧くださると嬉しいです!


    第1フライトは最新ヴィンテージ2012
    色調は深みのあるアンバー(琥珀色)カラー
    フレッシュで軽やか、繊細な気泡、ブラッドオレンジのニュアンス
    赤系果実のアロマ、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感
    芳醇で繊細な味わい、シャルドネ由来の上品な酸味を伴って広がる余韻
    2012年ヴィンテージ

は12月中旬以降全国で発売中


      ロゼに合せて考案されたメニュー


 ホタテ貝のムース キャビア添え、
 オマール海老のサラダとアプリコットのタルト、フォアグラムース パリブレスト風


 セミナー中のワンショット


 第2フライトに登場した2004年ヴィンテージ
 色調の違いが際だっていますよね。


 アリアージュについて
 新ブランドアンバサダーの角敏行氏のコメント(要約)

 2012年VTはフレッシュで、木苺や酸味を連想させる果実感にあふれ、
 キャビアをしのばせた帆立貝のムースに良く馴染んでいる。
 同じシャンパーニュでもヴィンテージの違う2004年を合わせると印象も変わり、
 オマールとアプリコットのタルトレットの香ばしさは熟成した2004年と好印象
 冷製サラダ仕立てのオマールエビの甲羅から出てくる要素は2012年
 フォアグラとほのかに香るエディブルフラワーをアクセントにしたパリブレストには、
 シャンパーニュの滑らかな食感が最適


 2012年にタイムスリップ
 photo by Fumiko / 2012年10月31日
 画像を拡大していただくと、2004年ヴィンテージの色調がよくわかります。
 10年以上前は、新発売の2012年ヴィンテージ同様、とても鮮やかな赤銅色

       インターナショナルキーアカウントマネージャーの
       ギヨーム・パイヤールさんも交えて!

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     パイヤールさんから届いた新年のカード

     メゾンのイメージフラワー



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 おめでとうございます半月
 出典: J・サックリングのサイト

当主の父ドゥ・ノナンクールさんがメゾンを継承して最初に造りあげた『グラン・シエクル』が、2023年末、サックリングのサイトで、2023TOP100

の第1位に選出されました。独創性にあふれたドゥ・ノナンクールさんならではのシャンパーニュです。

新シェフ・ド・カーヴのマクシミリアン・ベルナルデューさん(最右)の画像もありますね!
現地では7月に公表されているので、彼が日本で紹介されるのは次回の来日でしょうか、ね

2024年01月28日

2024年最初のシャンパーニュ講座はコート・デ・ブランの “新生” ペルトワ・モリゼ

 メゾンの進化を実感
 新世代が躍進中のペルトワ・モリゼ


 3代目当主の目標は、自らのシャンパーニュを“世界にさらに広める”こと
 コート・デ・ブランのポテンシャルを最大限に引き出したシャンパーニュ造り
 デゴルジュマンの後は、NVで半年以上、ミレジムなら1年以上静置させてリリース
 年間18万ケースのRM。その姿勢、その心意気に惹かれました!

 栽培・・・2021年にすべての畑をオーガニック栽培に移行
 ぶどう畑・・・メニル、オジェ、クラマン、シュイィ、の4つのGCのぶどうのみを使用
 ドザージュ・・・2~3g/L(今までは7〜9g/L)、濃縮したぶどう果汁を使用

 ペルトワ・モリゼの3代目ヴァンサン・ブーシェ
 業態はレコルタン・マニピュラン(栽培、醸造、出荷までの全てを自社で行う)

 1951年イヴ・ペルトワとジャニーヌ・モリゼが結婚
 ル・メニル・シュル・オジエにメゾンを興す、1959年から販売開始
 1980年代に息子のドミニクと妻のフローレンスが2代目を継承
 2000年代に娘のセシルと夫のヴァンサンがメゾンに参画
 2006年から3代目として現在に至る

 所有するぶどう畑
 

 ヴァンサン当主に聞いたワンワード
 ゴート・デ・ブランの4つのグラン・クリュを表現する“一語”


 RMの24生産者が加盟するスペシャル・クラブ

 ペルトワ・モリゼはメンバーの一員
 生産量は8,500本で、そのうち400本(天然コルクでアグラフを使用)は非売品、メゾンでキープ


 和とのマリアージュ@渋谷Ryan 雷庵
 ずわい蟹とカマンベールの茶碗蒸しをヴァンサン当主の自信作と合せて!
 単一畑 レ・ゾート・モット メニル・シュル・オジェ グラン・クリュ2015
 メニル・シュル・オジェの硬質感、ストレートで直線的、長熟タイプのシャンパーニュ!
 輸入元に現在在庫なし

      ロゼ・ブランに発酵バターとあんぽ柿のもなか
      ロゼには生柿や干し柿が良く合います!

 雷庵自慢のお蕎麦も登場

 来日記念のプレスランチに登場したアイテム


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 NHKシャンパーニュ講座リポート
 6アイエムにフォーカス


 コルクの状態も完璧
   
 第1フライトはセザンヌvsコート・デ・ブラン         

 #1:ラッサンブラージュ ブリュットNV
 生産者:ペルトワ・モリゼ(RM)
 産 地:コート・ド・セザンヌ
 ぶどう品種:PN50%、CH50% / MLF
 ベースワインは70~80%、2020年VT
 リザーヴワインは20~30%、パーペチュアルで2016年からのワイン
 デゴルジュマン:2022年7月
 ドザージュ:2.5g/L
 価格:8,600円(税別)
コート・ド・セザンヌの優しさを感じるアイテム。フローラル、果実風味、ハーブ、黄金糖、包み込むような優しさを備えたアイテム、ワンワードなら“愛くるしさ”


 #2:レ・キャトル・テロワール・ブリュット GC NV
 生産者:ペルトワ・モリゼ(RM)
 ぶどう品種:CH100% / ノン・マロ
 ベースワインは70~80%、2016年VT
 リザーヴワインは20~30%、2010年VT~#1とは別のリザーヴワイン
 デゴルジュマン:2022年7月
 ドザージュ:2.5g/L
 価格:10,500円(税別)
柑橘果実の内果皮似のビター感、ロースト、ヘーゼルナッツ、クリュームブリュレ、熟成感と清涼感。
4つのGCの個性を生かしたアイテム、お薦め!

             
    【寄り道事項】
    左がヴェリタス、右がドンペリニヨングラス

 #2をリーデルのヴェリタスとドンペリニヨングラスでテイスティング
 後者だと、クリーミーな食感、ゆっくり進んだ酸化熟成のニュアンス、
 熟したカリン&黄桃の凝縮感が、緻密に礼儀正しく伝わってきました。
 前者では、感じ取れなかった“更なる深み”も引き出してくれた印象

                
                 半月半月半月



 第2フライトはGCにフォーカスしたブラン・ド・ブラン
IMG_201123.jpg

IMG_2020.jpg
 #3:ル・モノ・ヴィラージュ・オジェ GC 2017
 生産者:ペルトワ・モリゼ(RM)
 ぶどう品種:CH100% /ノン・マロ
 デゴルジュマン:2021年10月
 ドザージュ:2g/L以下
 価格:15,000円(税別)
香り控えめ、フローラル、フルーティ、柑橘系果実、塩味、ノンマロ由来のしっかりした酸味

 #4:レ・ゾー・デルラン ル・メニル・シュール・オジェGC 2015
 生産者:ペルトワ・モリゼ(RM)
 ぶどう品種:CH100% / ノン・マロ
 デゴルジュマン:2021年10月
 ドザージュ:2g/L以下
 価格:16,500円(税別)
熟成感と切れ感、シャンパーニュを飲み慣れた方にお勧めしたい安定感のあるアイテム、シャルドネの聖地ならではフィネスとエレガンス

 #5:スペシャル・クラブ ヴィンテージGC 2015
 生産者:ペルトワ・モリゼ(RM)
 ぶどう品種:CH100% /ノン・マロ
 デゴルジュマン:2021年10月
 ドザージュ:2.5g/L以下
 価格:14,000円(税別)
柑橘系果実、軽いビター感、口中クリーミー、バランスの良さと穏やかさ、泡ものに弱い方にもお勧めできる1本

〆のシャンパーニュはロゼ
#6:ロゼ&ブラン コレクション エクストラ・ブリュットNV
生産者:ペルトワ・モリゼ(RM)
ぶどう品種:CH92%(GC)、PN8%(ブジーGCの赤ワイン) / ノン・マロ
ベースワイン70%、リザーヴワイン30%
デゴルジュマン:2022年2月
ドザージュ:2.5g/L以下
価格:11,200円(税別)
シャルドネが前面に出ている凜としたロゼ。使用している黒ぶどうはニコラ・マイヤール他3メゾンから購入しています。RMでも、全生産量の5%を上限とする買いぶどうの使用は規定で認められています」とヴァンサン当主。このロゼは果物、特に“柿”と合わせて楽しんでいただきたいです。

 シャンパーニュ講座で供出したアイテム

 ■問合せ先は(株)WINE TO STYLE
 https://www.winetostyle.co.jp/content/?about-us



                半月半月半月


 すべてをデータで示すWID Track

 情報が入ったチップをラベルの裏に付着させてあります。
 アプリからチップを読み込み、最新データを入手してください。
 WID Trackの詳細はコチラ

で!



                半月半月半月


[NEW]Information
4月から開始する春季講座に少しだけ変化を加えます。
コロナ渦中、密を避けるために2クラス体制にしました。
春季も2クラスで進めますが、“シャンパーニュの醍醐味”をご堪能いただきたいので、
最後の6回目は2クラス合同開催
その回を「Magnum Month」と題し、マグナムサイズのみをお出しします。
半期に1度の合同体制で、新たな刺激を、と考えております。
募集開始になりましたら、改めて、ご案内させていただきます。
引き続き、宜しくお願いします!!!
■3月末までの第3週

第4週

です!

2024年01月05日

ブルーノ・パイヤールの新アイテムも登場 ~マスタークラス、シャンパーニュ講座~

           いつもブログにお立ち寄りくださる皆さまへ

             あけましておめでとうございます
             2024年も宜しくお願いします!

  
  新年の口開けシャンパーニュは、
  12月1日(以下のリポート)に試飲して一飲惚れした
  ブルーノ・パイヤールの『キュヴェ72』をセレクト!
  からすみや雲丹のような食材にも寄り添ってくれる優れもの
  瓶内熟成のもたらす効果を実感しました。



ブルーノ・パイヤールのアリス・パイヤール女史によるマスタークラス

シャンパーニュメゾンブルーノ・パイヤール

の現当主の愛娘で共同経営者のアリスさんがマスタークラスを開催しました。過去に何度かパイヤール氏のセミナーは受けていますが、アリス講師は初めてだったので、ワクワク!
全9アイテムの中には、初リリースのアイテムもあり、興味惹かれました。


 第1フライトは発泡性ワイン
 テイスティングワインを前に笑顔のアリスさん


 試飲は左#1から右#9の順

第1フライトは発泡性ワイン5種類。#1ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュットGC、#2ドザージュ・ゼロ、#3エクストラ・ブリュット プルミエール・キュヴェ、#4キュヴェ・スワソン・ドゥーズ エクストラ・ブリュット、#5ブラン・ド・ノワール エクストラ・ブリュツトGC

第2フライトはシャンパーニュ地方の非発泡性ワイン、コトー・シャンプノワです。#6オジェ コトー・シャンプノワ2020 GC、#7ル・メニル コトー・シャンプノワ2020 GC、#8レ・リセ コトー・シャンプノワ2020、#9マイィ コトー・シャンプノワ2020 GC

 キュヴェ72の瓶熟感
 
#4はレギュラーの#3プルミエール(3年間の熟成を経てリリース)をデゴルジュマン後、瓶内でさらに3年間熟成させた新たなバリエーションで、出荷までに合計72ヶ月(36+36)かけているので、ネーミングは「キュヴェ72」
パイヤール当主が日頃から語っている熟成の第3段階“複雑なスパイスの香り”や、第4段階の“トーストのような香ばしい香り”が顕著。時を友にしたシャンパーニュの奥深さを堪能することができました。講座生に瓶熟をしっかり感じて欲しかったので、講座で供出しようと即決断。生産量が限定1万本だったことも決め手になりました。パイヤール氏ならでのアイテム、これはお薦めできます!

#5(中央の黒いラベル)はファーストリリースのニューフェイス『ブラン・ド・ノワール』。ベースヴィンテージは2018年、リザーヴワインは2015年と2016年、ぶどう本来の味わいを生かすためにドザージュ量は3g/Lと少なめ。ピンク・グレープフルーツやブラッドオレンジ、時間の経過でスイート・スパイス、口中で石灰に由来するストラクチャーを感じます。希少アイテムなのでゲットできたらラッキー


 4種のコトー・シャンプノワ体験
 これらは毎年造れるわけではなく、生産しても量は希少
 樽使いが絶妙なパイヤール当主の素晴らしさを再認識


 シャルドネの聖地コート・デ・ブランのオジェとル・メニル
 左はオジェ2020、右はル・メニル2020


         レ・リセ コトー・シャンプノワ2020
       コート・デ・バール地区レ・リセ村のピノ・ノワール100%、
       土壌はジュラ紀に形成されたキンメリジャン、生産量は3樽分(888本)
       赤系果実やバラのアロマ、品格ある酸味とエレガントな余韻
       ワンワードで表現するならチャーミング

     マイィ コトー・シャンプノワ2020 GC
    モンターニュ・ド・ランス地区マイィ村
    ランスの北向き斜面の畑のピノ・ノワール100%。生産量は2樽分(532本)
    フローラルで力強さと厚みを感じさせるアイテム。



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 12月のNHK文化センターのシャンパーニュ講座
 講座で取り上げた5アイテム


            第1フライトは瓶熟の実証
     #1:ブルーノ・パイヤール エクストラ ブリュツト プルミエール キュヴェ
     生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
     ぶどう品種:PN45%、CH33%、M22%
     リザーヴワイン:約30%
     デゴルジュマン:2022年10月
     ドザージュ:6g/L以下
     価格:8,580円
1985年から続く複数のヴィンテージのリザーヴワインを使うことで常に同じ味わいを表現している看板アイテム。果実やスパイスや木の実のアロマ、ピュアな味わい、安定感のあるシャンパーニュ

     #2:ブルーノ・パイヤール キュヴェ スワサン ドゥーズ エクストラ ブリュット 
     生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
     ぶどう品種:PN45%、CH33%、M22%
     リザーヴワイン:約30%
     デゴルジュマン:2019年5月
     ドザージュ:6g/L以下
     価格:13,750円 / 生産本数10,000本
プルミエール・キュヴェの第2章となるシャンパーニュ。デゴルジュマン後に始まる新たな熟成の変化を実感できるアイテム。果実のゼリーやエスニックスパイス、ロースト香やクリームブリュレ、様々な要素が温度変化に伴って広がる余韻


 第2フライト
 #3:ブルーノ・パイヤール 2020オジェ コトー・シャンプノワGC 2020年がファーストVT 
 生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
 ぶどう品種:CH100%
 価格:14,300円/生産本数1,109本(4樽分)

 #4:ブルーノ・パイヤール 2020ル・メニル コトー・シャンプノワGC  20年前から生産
 生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
 ぶどう品種:CH100%
 価格:14,300円/生産本数1,120本(4樽分)

貴重なテイスティングチャンスでした。#3オジェは麦わら色、#4はイエローを帯びた色調。双方とも土壌はベレムナイト・チョークなので塩味を伴う余韻は類似。オジェは柑橘果実の内果皮、アカシアや熟した果実のニュアンス。ル・メニルはストーンフルーツや白コショウ、グラス内の温度が上がると酸味のボリューム感が出てくる印象


  #5:ブルーノ・パイヤール ブラン・ド・ブラン エクストラ ブリュットGC
  生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
  ぶどう品種:CH100% ドゥミ・ムース4.5気圧
  リザーヴワイン:1990年から続く25ヴィンテージのパーペチュアル
  ドザージュ:6g/L以下
  デゴルジュマン:2022年5月
  価格:15,400円

ブラン・ド・ブランを構成しているのがオジェとル・メニルのシャルドネ。4年間の瓶熟による木目細かな気泡、クリーミーでふくよか、レースのような舌触り、ブルーノ・パイヤールこだわりの少し緩めの4.5気圧がポイント!


 レモンと相性チェック
 チリ産レモンとアンデルセンの瀬戸田レモンケーキ

 辛口のシャンパーニュにも寄り添うレモンケーキ


 苦みを多く含む部分
 内果皮に注目!

 すべて魅力的でした! 


    【CIVCからの情報】
     第2版の冊子完成
     目次や印字の色合等、第1版より見やすくなった印象

 冊子の一部、これは2022年のデータのページです。



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 公認のぶどう品種

2019年11月にシャンパーニュ研修でCIVC本部に立ち寄り、広報部長のフィリップ・ウィブロット氏から病害虫に耐性のある品種の研究をしている話を伺いました。
それから4年経過して・・・2023年の秋、新たなニュースが届きました。
パリ在住のジャーナリスト松浦氏の報告で、ヴォルティス(右の画像)が、シャンパーニュの規定品種として認められたので、「規定品種は8つ」になると。ただ、今後10年間は試験期間で、栽培面積を全体の5%以下に留める。ブレンドは最大10%まで。あくまで実験とし、販売をすることはできない等の規制が設けられています。ちなみにヴォルティスの酒質はシャルドネに近く、ベト病やウドン粉病に対して耐性が強いとのこと。
2023年はベト病の害で、黒ぶどうはかなりの影響を受けたので、ヴォルティスが救世主になるのか。試験期間を経た結果を待ちたいと思います。出典:ワイン王国138号

2023年12月22日

要はピノ・ノワールのボランジェ@ 東京芝とうふ屋うかい

約1年ぶり

に、シャンパーニュメゾン『ボランジェ』から、マネージング・ディレクターのシャルル=アルマン・ド・ベレネ氏が来日しましたが、今回はシェフ・ド・カーヴのドゥニ・ブネア氏を同行。秋から“スペシャル・キュヴェのコンポーネントセミナー”の世界ツアーを展開していたこともあり、最後の訪問地日本では独自のプレスランチが開催されました。

 新嘗祭(にいなめさい)のお供え
I
 「うかい」のエントランスには新穀の供え物
 プレスランチは11月21日でした。 
 勤労感謝の日(23日)は、戦前には、「新嘗祭」との名称だったのですね。

 来日したおふたり
 (右)シャルル=アルマン・ド・ベレネ マネージング・ディレクター
 手にしているのはバースデーヴィンテージ半月
 シェフ・ド・カーヴのドゥニ・ブネア氏は初来日でした!


       ヴィンテージは・・・1970年

プレスランチでは、メゾンの要となるPNについて、ド・ベレネ&ブネア各氏が熱く語りました。ワイン王国WEB

に、ボランジェリポートを掲載していただきましたのでチェックしてくださると嬉しいです!


          🍀🍀🍀小林 幹料理長のメニュー🍀🍀🍀


 晩秋の彩り八寸


 名物あげ田楽


 三陸産黒鮑極熱


 吟醸とうふ 丸出汁

       ド・ベレネ氏とブネア氏のマリアージュの感想は・・・
      お豆腐とシャンパーニュに共通する“塩味”効果がお気に召したようです。

 うかい厳選黒毛和牛炭火焼
 和牛の上等な肉質はヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズに合っていたとのお言葉

 月光百合根釜炊き御飯


 豆乳ブランマンジェ


 Bollinger × 東京芝とうふ屋うかい


      東京タワーから元気パワーゲット[わーい(嬉しい顔)]

【製品についてのお問い合わせ先】
 WINE TO STYLE 電話03-5413-8831
 公式サイト:https://www.winetostyle.co.jp/

2023年10月04日

フロラン・ロック・ボワゼル当主が語る「ボワゼルの新たな展開&未来への希望」とシャンパーニュ講座

       
       メゾンの歴史に“新たな章”が加わった2023年
       シャンパーニュ地方エペルネの中心にメゾンを構えるボワゼル


       1834年の創業から家族経営でメゾンを継承してきました。
       コート・デ・ブランやアヴィーズに自社畑7㌶を所有、年間生産量300万本
       70㌶分は長年契約している農家からのぶどうでまかなっています。
       


 2019年に偉大なマダム エヴリンから メゾンを引き継いだ会長兼CEOのフロランさん


 シェフ・ド・カーヴを務める兄のリオネルさん(左)と協力して、 
 メゾンの発展とワイン造りに新たな弾みをつけています。

 
講座で供出した5アイテム


 裏ラベルには情報を表示
 今秋から順次、新ラベルバージョンを出荷
 品種およびリザーヴワインの比率、ドザージュ量、デゴルジュマンの年月の記載


 第一フライトはNV比較
  #1: ボワゼル  ブリュット・レゼルヴNV
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN40%、CH35%、M25%
 ベースヴィンテージは2019年
 澱との接触は3年間
 リザーブワイン:40%(うち4%は大樽熟成)
 ドザージュ:7g/L
 デゴルジュマン:2023年5月
 価格:10,000円(税別)
第3週&第4週の2回のテイスティングで一番気に入ったのが#1。温度変化にもブレることなくバランスの良さが際立っていました。フロランさんが「全体の2/3はNVであり、メゾンの顔と言えるNVに最も気を配っています」と語っていた通りのアイテム。以前のブリュット・レゼルヴには中盤以降若干のビター感があり、それが気になっていたのですが、久々に味わった#1から酒質の向上、大樽熟成のリザーヴワインのさじ加減の良さを実感。
ベージュのトーンを帯びた色調でアロマ芳醇。ホワイトバター、白い花や白桃、アプリコット似の酸味、グラス内の温度変化でブリオッシュやアカシア。まるみがあり、バランスのとれた味わい。


 #2:ボワゼル ウルティム・ゼロNV
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN50%、CH40%、M10%
 澱との接触は5年間
 リザーブワイン:30%
 ドザージュ:0g/L
 デゴルジュマン:2023年1月
 価格:11,000円(税別)
ノン・ドゼタイプ、#1のブリュットより2年長い瓶熟。スワリングで香りの広がり。口中ではシャープ、ドライ、ピュア。塩味と程よい密度。新鮮な素材の料理を引き立ててくれる優れもの。


 第2フライト
 #3:ボワゼル グランド・ヴィンテージ2013
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 澱との接触は8年間
 ドザージュ:4g/L
 デゴルジュマン:2023年1月
 価格:17,000円(税別)
「過去10年間で2013年だけが10月の収穫、ぶどうはゆっくり熟しました」とフロラン当主。クラシックでポテンシャルのあるアイテム。温暖化の影響を受け、生産する回数も増えてきた由。次に予定しているヴィンテージは2019年。発酵・醸造ともステンレスタンク100%。
淡い黄金色で気泡繊細。黄桃、オレンジピール、ブリオッシュのニュアンス。エレガントな酸味、ミネラル、リッチで、今、味わって素直に“美味しい”シャンパーニュ。

 #4:ボワゼル ジョワイヨ・ドゥ・フランス2008
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 ドザージュ:3g/L
 デゴルジュマン:2021年12月
 価格:30,800円(税別)
プレスランチで、フロランさんが「メゾンにはすでに在庫がなく、ピーロートにあるだけ」と語っていたアイテム。新装したジョワイヨ2008とデゴルジュマンの年月が違うので、その比較に興味がありセレクト。第4週の講座生の大半が気に入っていた印象。
ワンワードだと“豊潤”。レモンやグレープフルーツから黄色系果実のコンポート、ロースト、スパイス、ブリオッシュ。香りと味わいによる層の厚み、熟成感を伴って広がる余韻。

 #5:ボワゼル ジョワイヨ2008
 生産者:ボワゼル(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 澱との接触は14年間
 ドザージュ:3g/L
 デゴルジュマン:2023年1月
 価格:35,600円(税別)
ボワゼルのトップキュヴェ。ファーストヴィンテージは1961年。ボワゼルの“新しい章”として、今回、ネーミングを「ジュワイヨ・ドゥ・フランス」から「ジョワイヨ」にチェンジ。醸造では90%ステンレスタンク、10%オーク樽を使用、ドザージュ量は通常3~5g/L、最低10年間の熟成で2008年は14年間。次のヴィンテージは2012年を予定。
ワンワードだと“ミネラル”、輝きのある黄金色、溌溂としたスタイルで、バターやアーモンド、ココアや焙煎香、クリームブリュレ、余韻につながるアプリコット似の酸味。2008年ヴィンテージのポテンシャルを感じさせるアイテム、定点観測したい気分。


 コルクは超しっかり、でした。
 受講生Hakoさん

のリポートもご参考までに!

             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 2023年はメゾンとしての飛躍の年
 6代目当主になって初めての来日
 会場は国の重要文化財 明治生命館の地下1階センチューリーコート丸の内にある
 メインダイニングのレストラン・ロゼット


 鏡智行シェフ監修によるシャンパーニュボワゼルとの饗宴でした!


         新ロゴは荘厳な扉をエレガントかつ個性的にデザイン

 ボワゼルはここ数年、
 ■社内改革や大規模な改修工事 ■ブランドデザインの一新 ■醸造面へのテコ入れを実施
 ブリュット・レゼルヴはピノ・ノワールの比率を下げ、逆にシャルドネやムニエの使用増
 樽で熟成させたリザーヴワイン、全体的にリザーヴワインの比率増
 温暖化により、ぶどうの熟度も上がってきたので、ドザージュ量は減少傾向
「MLFはしています。ノン・マロの実験もしていますが、
 メゾンのスタイルを変えるつもりはなく、
 畑や醸造の見直しでフレッシュさを追求していきたいと考えています」とフロラン当主。

 
 【前菜】
 ブラン・ド・ブラン ラ・コート プルミエ・クリュ

× 高知宿毛産カンパチのハーブマリネ
 北海道フルーツトマトと彩り野菜のコンポゼ
 決め手はトマト、優しい酸味がブリッジ役になって好印象

      フロラン当主が最もお気に召したマリアージュ
      ノン・ドゼとカンパチ、ハーブのニュアンスが良かったです![わーい(嬉しい顔)]


 【魚料理】
 グラン・ヴィンテージ2013 × 舌平目と帆立貝ムースのブレゼ ソースアルベール
 バランスが良く、いやし効果のある2013年は魚介類に寄り添う組み合わせ

 
     【肉料理】
      ジョワイヨ2008 × 富士高原鶏のロティ ジュドプーレと彩り野菜
      ジューシーで味わいの広がりがある鶏と新鮮で複雑味を備えたジュワイヨ
      2008年ヴィンテージならではの“酸味”がマリアージュを引き立ててナイス

     【デザート】
     フランボワーズとフランボワーズとホワイトチョコのオペラ仕立て
     華やかな色調のロゼ・アプソリュ

とは色で合わせるマリアージュ
     ホワイトチョコとの相性も良好!


 プレスランチに登場した6アイテム
 ブリュット・レゼルヴ、ウルティム・ゼロ、ブラン・ド・ブラン ラ・コートPC
 グランド・ヴィンテージ2013、ジョワイヨ2008、ロゼ・アプソリュ


 グラスは右から左の順

 【製品についての問い合わせ先】
 ピーロート・ジャパン株式会社 電話03-3458-4455(代表)
 Web: https://www.pieroth.co.jp




            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 [NEW]2023年10月~2024年3月までのシャンパーニュ講座のご案内
 第3週

および第4週

、シャンパーニュラバーさんの参加をお待ちしています!
 今だけ、ここだけ、青山文化センターだけの時間を共有したいと思っています。
 何卒宜しくお願いします。

2023年08月04日

リリースされた創業200周年記念『キュヴェ エメラ2008』を試飲しながらアンリオ賛歌

 7月3日発売!! アンリオのプレステージ『キュヴェ エメラ2008』
 




              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 初来日したシェフ・ド・カーヴ
 アリス・テティエンヌさんと吉川由紀子社長/2023年3月撮影

輸入元ファインズの招聘でアンリオのアリス・テティエンヌさんが来日。料飲店とプレスを対象にしたセミナーを開催しました。
テティエンヌさんはシャンパーニュ生まれ。ローラン・ペリエでマーケティングを習得。醸造家の国家資格を取得し、2014年ニコラ・フィアットで醸造を担当、2015年クリュッグに入社し、テイスティングと栽培の両チームを兼務。2020年2月からアンリオの醸造責任者に就任し、栽培と醸造を担当、今に至っています。

今回の来日では、世界に先駆け、本邦初『キュヴェ エメラ2008』を披露してくださいました。メゾン創業から200周年記念&今世紀最高のヴィンテージ2008年!!!


 アンリオの歴史を振り返りながら
 出典:ファインズ

1808年、マダム・アポリーヌ・アンリオがメゾンを創業。
元々ぶどう栽培家の家系であり、この当時は3つのGC ヴェルジ、ヴェルズネー、マイイを所有、ぶどうはピノ・ノワール。
1880年、5代目の婚姻で、コート・デ・ブランのアヴーズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェの3つのグランクリュが加わり、白ぶどうのシャルドネを使用するようになります。

1957年から7代目のジョゼフ・アンリオ社長が指揮を執り、メゾンの拡大を図りました。1995年にはブルゴーニュのブシャール・エ・フィス、1998年にはシャブリのウィリアム・フェーブルを取得。2015年からは8代目のジル・ド・ラルズィエール=アンリオ社長が采配を振るい、最新のアイテム『キュヴェ エメラ』のデビューにも関わりました。2020年に女性シェフ・ド・カーヴとしてテティエンヌさんが就任。2世紀にわたり家族経営を貫いてきたのですが・・・

2022年、シャトー・ラトゥールやクロ・ド・タールを所有する高級ブランド『ケリング』 (ワイン部門はアルテミス・ドメーヌ)のオーナー、フランソワ・ピノー氏がアンリオの株を取得。2023年、生産協同組合 TEVC (テロワール・エ・ヴィニュロン・ド・シャンパーニュ)に移管されたことで、アンリオはTEVCの傘下になりました。ちなみに、ニコラ・フィアットもTEVCの傘下です。

アンリオグループで長年経営に携わってきたリシャール・モロー氏や醸造責任者のテティエンヌさん、現場のスタッフは続投なさるようなので安心していますが、アンリオラブの私としては胸中複雑。今後、ブシャール・ペール・エ・フィスはアルテミス・ドメーヌ、ウィリアム・フェーブルはドメーヌ・バロン・ド・ロッチルド・ラフィットの管轄になるようです。

 
18世紀に建てられたコート・デ・ブランの迎賓館、優雅なレゾルノワで8代目ド・ラルズィエール社長から受けたおもてなしは最高でした/2019年11月撮影
この7月、上記に関して、全体の流れが見えてきたので、日本上陸したばかりのキュヴェ エメラ2008をメインに講座生の皆さんとアンリオに思いを馳せながら試飲しました。


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 シャンパーニュ講座の5アイテム


 第1部はテロワールを生かしたアイテム
 #1:アンリオ ブラン ド ブランNV
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
コート・デ・ブランのシャルドネのみを使用。ポール・アンリオとマリー・マルゲの婚姻がもたらしたシャルドネへのオマージュとも言えるアイテム。ベースヴィンテージは2016年。シトラスフルーツ、白桃やアプリコットのアロマ、チョーク質土壌由来のミネラル、フレッシュバターやブリオッシュ、心地よく広がる酸味、ピュアな印象


 #2:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 出典:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候、7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天に恵まれ、
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 鯛、クレソン、セロリ(葉および茎)、カラフルミニトマトを使った目鯛サラダ
 味付けは柚子味噌とオリーブオイル、最後に白胡麻をふりかけて完成
 ミレジメ2012は和柑橘の柚子や白胡麻との相性抜群!

 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ:6g/L
 価格:14,000円(税別)
1年前に試飲した時のコメントには、ブリオッシュ、コーヒー、白胡椒、ヨード、ミネラル、口中に広がるスマートな酸味、中盤からの凝縮感、エレガントで重厚、イースト由来の旨味との記載あり。今回は繊細に連なる気泡、香りには柑橘(レモンやGF)果実、ローストや焙煎香、イースト由来の旨味があり、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感を伴う余韻


 #3:アンリオ キュヴェ エメラ2008
 出典:ファインズ
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:5g/L未満
 価格:35,000円/37,500円箱入(税別)

アンリオにとって「8」のつくヴィンテージは特別です。
以前、8代目のジルさんに伺ったことがあります。「アンリオの創業年は1808年で、初めてシャンパンを造った年になります。それ以降も、8が付く年は良い思い出につながっています。1988年VTもとても良い収穫年でしたし、セラーにある一番古いVTは1928年。アンリオにとって8には縁があります」と語っていました。

キュヴェ エメラにはマダム・アポネーリーヌの時代から続くアンリオの遺産、6つのGC=ストラクチュアのヴェルジ、エレガンスのヴェルズネー、アロマのマイイ、緊張感のアヴィーズ、豊潤さのシュイイ、輝きのメニル・シュル・オジェ のぶどうを使っています。ピノとシャルドネの比率は半々(年によって若干の違いあり)、10年間で3~4回の割合でリリースされる由。輝きのある色調、白桃や熟れた果実、ミネラル、アカシア、焙煎香やクリームブリュレ、口中クリーミー。フレッシュさと力強さの対極感、グラス内の温度変化で複雑味が増し、長く続く余韻はエレガント。
大手メゾンの多くは2008年ヴィンテージをリリース済です。「時間は友だち」と公言するアンリオ、長熟を旨とするスタイルは本当に素晴らしいです半月半月半月

 アンリオのDNA、永遠のリザーヴ
 
1990年からスタートさせたソレラシステムによるリザーヴワイン。467ヘクトリットルのタンクの番号が38だったことから『キューブ38』と命名されました。タンクから抜き取った空スペースには、シェリーのソレラと同様、収穫したばかりの若いワインを加えます。キューヴ38が“永遠のリザーヴ”と呼ばれているのは、シャルドネハウスと形容されるアンリオの、1990年から今に至るまでのシャルドネがタンクのなかで受け継がれているからです。毎年約20%の量をキューヴ38から抜き取り、うち約17%はNVのブリュット・スーヴェラン、ブラン・ド・ブラン、ロゼ用のリザーヴワインとして、残りの約3%はマグナムサイズで約1000本限定の『キューヴ38』に使っています。

スペインのシェリーの熟成法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。


 第2フライトはロゼ
 赤ワインを添加してロゼを造っているアンリオが最も大事にしているのがアロマ
 アッサンブラージュの時は黒いグラスを使い、最終的な決断をしています。
 理由は、赤ワインを加えるので ■視覚から受ける影響を避ける ■アロマや味わいを優先

 #4:ブリュット ロゼ
 ぶどう品種:CH30%、PN60%、M10%(赤ワインとして8~10%)
 ドザージュ:7g/L未満
 価格:10,000円(税別)
1980年代に誕生したアイテム。ピノ・ノワールとムニエは果実感とアロマを重視したモンターニュ・ド・ランス産、シャルドネはミネラル感を重視したコート・デ・ブラン産。ベースヴィンテージは2017年。色調はサーモンピンク。香りはラズベリーやチェリー、ピンクグレープフルーツやオレンジ、ホワイトペッパーやピンクペッパー似のスパイシーな風味、軽快な酸味とフレッシュな余韻


 #5:アンリオ ブリュット ロゼ ミレジメ2012
 ぶどう品種:CH45%、PN55%、赤ワイン10%以下
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,500円(税別)
ラベルの色調と重なり合う2種のロゼ。コーラルカラー(珊瑚色)、視覚から伝わってくるボディ感。森のベリーや野イチゴ、ブラッドオレンジやエキゾチックフルーツの香り。ミネラル、塩味、フェノールのニュアンスもあり、舌の上の脂分を洗い流してくれる印象なので肉料理とのマリアージュもお薦め。

 IWC2023で金賞を受賞したロゼNV



               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 テティエンヌさんへの質問
 セミナー後、プレスメンバーからの質問タイムをいただき・・・
■ジョゼフ・アンリオ社長時代から、アンリオはムニエを使わず、ピノとシャルドネだけでしたが、現在では、栽培面積でみると、ムニエは15%程度あり、使用頻度も増えているように感じます。これに関しては、畑の購入に伴い、もともとムニエが植えられていたことが要因の1つとのことで、それらのムニエは植え替えを進めているので、今後は減少していく由。ただ、年によって収量が少なかったり、温暖化の影響もあるので、質の良いムニエはキープしていく方針のようです。
■ステンレス使いのロラン・ペリエや樽使いのクリュッグでシャンパーニュと関わってきたテティエンヌさん。アンリオではステンレス中心ですが、彼女の代になってから、新しい取り組みとして、樽を使ったワインをリザーヴワインとしてストックしているとのこと。温暖化の影響下でのトライアルとして、進化を見ている由



               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



      シャンパーニュ委員会からの声明書

2023年の1㌶当たりの収量の上限は、世界経済の状況やインフレの影響を考慮し、前年より600kg少ない11,400kgに設定。ぶどう畑の状態は良好。霜や雹による被害はほとんど無く、病害も抑えられているので、収穫は9月10日までに開始出来る見込み。2023年の出荷量は3億1,400万本(2022年は3億2,550万本)と予測



               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 余談ながら・・・
 四季のうつろいを大事にしている人形町今半さん。
 二十四節気の大暑の期間にお邪魔しました。
 定番のシャンパーニュはアンリオ ブリュット スーヴェランNV

 うちわを模した器もあり、視覚でも清涼感を満喫

      桜満開の時期には春のあしらい
      凜としたスタイルのブリュット スーヴェラン

に良く似合います!

  アンリオについてのお問い合わせ
  株式会社ファインズ商品部 (担当:木場谷/こばや) 電話03-6732‐8600

2023年04月16日

アルフレッド・グラシアンの4代目セラーマスター ニコラ・ジェジェがこだわる樽、ボトル、クロージャー

 樽発酵・樽熟成で伝統製法を守り続けるアルフレッド・グラシアン


 #1:アルフレッド・グラシアン ブリュット
 CH54%、PN24%、M22%、ドザージュ9g/L
 リザーヴワイン40% (2006年からのソレラ)
 #2:同キュヴェ・パラディ ブリュット2013
 3代目が世に送り出したキュヴェで3品種を使用、ファーストVTは1990年
 ジェジェさんの代になってから2品種CHとPNだけのブレンドに変更
 CH65%、PN35%、ドザージュ8g/L
 #3:同ブリュット ミレジメ2012
 CH65%、PN20%、M15%、ドザージュ8g/L
 #4:同ブリュット ミレジメ2008
 CH56%、PN21% 、M23%、ドザージュ8g/L
 #5:同ブリュット ザ・コレクション メモリー1999
 CH65%、PN18%、M17%、ドザージュ6g/L
 #6:同ブリュット ザ・コレクション メモリー1996
 CH65%、PN20%、M15%、ドザージュ6g/L




      
  重要ポイント
 画像提供:アルフレッド・グラシアン
 1864年にエペルネの地にメゾンを興す。
 セラーマスターは代々ジェジェ家が伝承、現在は4代目。
 長年の信頼関係に基づいた供給元を有し、製法は樽発酵・樽熟成、ノン・マロを貫き、
 法定期間をはるかに超える熟成期間をかける。ミレジメの瓶内熟成にはコルク栓を使用。
 年間の生産量は30万本


 ジェジェ家の顔ぶれ
 画像提供:アルフレッド・グラシアン
 1905年にガストン・ジェジェがセラーマスターに就任
 1950年に息子のシャルル・ジェジェが2代目となり、
 1966年にシャルルの息子ジャンピエール・ジェジェが3代目を継承
 ボンド風のポーズを取っているのが4代目ニコラ・ジェジェさん、2007年から現職


 2022年の秋に初来日
 2018年、ジェジェさんはギド・アシェット誌によって、
 最優秀シャンパーニュ・メーカーに選出されました!

 以前、メゾンを訪問した時にはお目にかかれなかったので、私は初対面
 セミナー開始前にご挨拶できたお陰かなぁ
 講師席から笑顔で応えていただけてラッキー😄


 テイスティングを交えながら
 左から#2キュヴェ・パラディ2013、#1ブリュットNV、#3ミレジメ2012
 #2は瓶のネックが鶴首のように細いので、空気の浸透は#1#3よりおだやか
 瓶の口径は通常29mm、キュヴェ・パラディは2015年ヴィンテージから26mmに変更


  瓶熟時のクロージャーについてはボトルを拡大した画像で!
  右の#3は天然コルク、他2本は王冠使用なので、口元の形状が違います。
  10年間の変化をみると、瓶内の気圧はコルクだと5気圧、王冠だと6気圧という結果
  シャンパーニュのガス圧は6気圧なのでコルクだとCO2がゆるやかに減少している由
  「コルクで熟成させると微量な酸素が入り込み酸化すると思いがちですが、
  酸素はコルクのなかに溜まっています」とジェジェさんはコメントしていました。

 
 画像提供:アルフレッド・グラシアン
 コルクで瓶熟中のシャンパーニュはアグラフという留め金具を使用しています。


 228㍑の樽を約1,000個所有
 画像提供:アルフレッド・グラシアン
 樽熟庫はシェリー蔵の樽のように積み重ねられていて電動で操作できます。
 このシステムを導入する前は、年に17回醸造チームが樽を移動させていたそうです。
「効率が良く時短になった」とジェジェさんは喜んでいました。

 1,000個の樽の平均使用年数は17年、樽熟庫の温度は21度・湿度は76度にキープ
「この温度は酸化作用にも関係するので、SO2の量を60~80mg/Lに抑えられる」と

 樽熟による目減り補填(ウイヤージュ)は、
 15日毎に等級が同じキュヴェで行っていますが、その作業にも樽熟庫の温度が要
 樽使いの名手ジェジェ家にとって、樽を介してもたらされる効果は多大なようです。


      顧客からのリクエストに応えてデビューしたアイテム
      メゾンが誇るザ・コレクション メモリーは、
      セラーの中心部で、時を重ねてきたシャンパーニュ
     「熟成したシャンパーニュを」との要望に応えて登場したアイテム

      1996年ラバーの私にとって素敵なひとときになりました。
      白い花のイメージ、ミネラル、フレッシュバター、蜂蜜、黒糖
      アフターに若干のビター感、酸味の広がりと長い余韻


 すべてが終わって満面の笑み
 ジェジェさんは2007年にセラーマスターに就任して以降、
 2008年、2012年、2018年、2022年と素晴らしい年と関わることができて幸せと[わーい(嬉しい顔)] 
 
 セミナーでは特別な話を伺うことができました。
 大変参考になりました、ありがとうございました!

 昨年6月、シャンパーニュ講座でフォーカスしていたので有意義な時間になりました。
 講座内容をご参考までに載せておきます。
 ご笑覧いただけましたら幸いです。
 https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2022-06-25

2023年03月25日

半期〆講座はロイヤル・ワラントのジョセフ・ペリエにフォーカス&来日記念ランチセミナー

 第4週の22日、日本中を感動させたWBC優勝という出来事があったので、
 シャンパーニュ講座に入る前に、皆さんと少しだけ、寄り道しました[わーい(嬉しい顔)]

 

日本が14年ぶりの世界一
 たくさんの感動をありがとうございました!

 米国のパイオニアのひとりペレット・エステートのカベルネ・ソーヴィニヨン2010


 決勝戦の対戦相手&WBCの舞台となったアメリカに敬意を表し、
 13年経過した未輸入ワインで乾杯🍷


 こどもたちに伝えたい思い
 画像:テレビ朝日報道ステーション/ 2023年3月23日

WBCに出場した日本の選手たちは子供の頃にWBCを見ててこうなりたいと思っていた。今回僕が見ても選手たちはカッコ良かったので、僕がこどもだったら、こんな風になりたいなぁと感じたと思う。やはり、こうなりたいと思うと、人間努力もできるし我慢もできる。そのことを選手たちが伝えてくれたと思うとそれが一番嬉しい。もちろん個人は大事ですが、野球は誰かのために頑張っているという面もあるので、それが伝われば嬉しいし、人を助けてあげるということは自分に力を付けないとできない 23日の番組のインタビューから抜粋


東京学芸大学卒で教員免許を持つ栗山英樹監督がヤクルト時代(84~90年)、愚息が通っていた東京学芸大学附属世田谷小学校で、社会人の先輩として、子どもたちに野球の話をしてくれたことがありました。話がわかりやすくカッコ良い栗山選手に多くのこどもたちは憧れを抱いたようです。
今回のWBCでも子どもたちに「野球の魅力を感じて欲しい」というメッセージを発信し続けていた栗山監督。その姿勢は当時と変わりなく、また、全試合を通して選手たちを信じきっている姿には、真摯でピュアなこころを感じました!!
WBCジャパンの監督、本当にお疲れ様でした。

備忘録(追記):3年後のWBCの監督話題で名前が出ていたイチローは自らを「人望がないから監督は無理」とコメントしていました。私もWBCの監督は無理だと思っています。加えて “スーパー選手だった人が良い監督になるとは限らない”ので。
栗山英樹監督は現役時代、名選手ではありませんでしたし、たくさんの挫折を味わってきた方です。その分、人の痛みがわかっていると思います。そんな時に目にした文春オンラインの記事はまさに備忘録として残しておきたい🏅栗山英樹語録

(出典:文春オンライン)でした!



              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 3月の講座はロイヤル・ワラントのジョセフ・ペリエ


 1825年創業、家族経営のメゾンで現在6代目ベンジャミン・フロモンさんが当主です。

 2007年からシェフ・ド・カーヴはナタリー・ラプレイジュさん
 2019年にシャンパーニュ最優秀シェフ・ド・カーヴを受賞
 2020年3月にJPのミモザキャンペーン

でオットー・プシュビラ取締役と来日

 今月の講座で「5種のシャンパーニュを出します」とナタリーさんに伝えていたところ、
 第4週講座が終わった翌日、丁寧なメッセージ(上記画像右側)を頂戴しました。
 もちろん、即、お返事しました!
 来月下旬には、オットーさんと来日なさるので、再会が楽しみです。


IMG_9401.jpg
 シャロン・アン・シャンパーニュに位置するジョセフ・ペリエ
 醸造はステンレスタンクのみ使用、MLFも実施


 第1フライトはメゾンの顔と新顔
 キュヴェ・ロワイヤルとして確たる存在感を示すブリュット
 2020年にデビューしたノン・ドゼのブリュット・ナチュール

 #1:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH35%、PN35%、M30%
 ドザージュ:7g/L
 価格:7,000円(税別)

 #2:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ナチュールNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH62%、PN14%、M24%
 ドザージュ:0g/L
 価格:8,300円(税別)

#1は3品種がほぼ3分の1ずつですが、#2はブレンドの比率が大きく異なります。さらに熟成期間も前者は36ヵ月(3年)、後者は72ヵ月(6年)で、倍の年数かけていますが、これはドザージュをしない分、熟成には十分な時間をかけるのがメゾンのスタイルとのこと。
#1は淡い黄金色でフレッシュ、気泡は活発で細やか、白桃や洋梨、酸味溌溂、バランス良好。#2はゴールドを帯びた色調、気泡は#1より少し落ち着いた印象、ネクタリン、ブリオッシュやナッツ、白コショウ、口中クリーミー、ドライ感、旨味、広がりのある余韻

 2020年に世に出たブリュット・ナチュール
 ブリュット・ナチュールの初ヴィンテージ等についてオットさんに質問したところ、
 いつもながらの熱意あふれる返信(一部掲載)が届き、
「講座生と楽しんで」とのメッセージも[exclamation×2]
  ファーストリリースのベースヴィンテージは2014年、現行アイテムは2015年


 第2フライト

 #3:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル ブラン・ドゥ・ブランNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:6g/L以下
 価格:8,700円(税別)

 #4:ジョセフ・ペリエ ジョセフィーヌ2014 × ジョルダン・サジェ 限定5,000本
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH60%、PN40%
 ドザージュ:5g/L
 価格:40,000円(税別)

#3はメゾンが誇るブラン・ドゥ・ブラン。2012年に山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したノーベル賞晩餐会で、乾杯のシャンパーニュとして選ばれました。絶え間なく連なる気泡、柑橘系果実、アプリコットやミラベル、白コショウやヴァニラ、若干のビター感、熟成による複雑味、バランス良好。第3週&第4週の講座生から評価大=価格と酒質
#4はジョセフィーヌ・ペリエの結婚とキュヴェの生誕175年を記念してリリースしたアイテムで、デザインを手がけたのはアーティストのジョルダン・サジェ。ジョセフィーヌはファーストリリースの1982年以降、85年、89年、90年、95年、98年、2002年、04年、08年、12年、最新ヴィンテージ2014年の11ヴィンテージのみ生産。色調はゴールデンカラー、アロマは豊潤でドライナッツやドライフルーツのニュアンス。白桃、黄桃、スパイス、ミネラル、ビター感(タンニン)、余韻に綺麗な酸、複雑味を備えたフェミニンなスタイル

 イエロートーンのブラン・ドゥ・ブラン
 トップキュヴェ、2014年ヴィンテージのジョセフィーヌ


 2014年ヴィンテージについて
 難しいヴィンテージでしたが、
 ぶどうが熟す条件は満たしていた年だった由


  5,000本中2,447本目のジョセフィーヌ
  プラークの裏側にもデザインが施されています!


 第3フライトは桜に似合うロゼ
 #5:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ロゼNV
 生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:CH25%、PN70%、M5%、赤ワイン(キュミエール村のPN)約12%ブレンド
 ドザージュ:7g/L
 価格:9,600円(税別)

綺麗なサーモンピンク、細やかな気泡、赤系・黒系の果実、甘草、ピンクペッパー、ミネラル、余韻に広がる切れ感と上質感、チャーミングなロゼ

 
 講座生のhakoさん

リポート

        
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 ジョセフ・ペリエ来日記念ランチセミナー
 3年振りのベンジャミン当主&2020年3月以来のオットー取締役
 昨秋 輸入元JALUX主催で開催されたランチセミナー

 マリアージュ@ホテルニューオータニKATO'S Dining & Bar
 ロワイヤル・ブリュットNV
 ふぐから揚げ、ゆり根、芽慈姑 / エシャロット生ハム、菜花辛子漬け /銀鱈西京焼き、銀杏松葉 / 槍烏賊鮟肝掛け

 ロワイヤル・ブリュット・ナチュールNV
 炙り寒鰤薄造り、柚子ポン酢ドレッシィング掛け、生野菜


      キュヴェ・ロワイヤル ブラン・ドゥ・ブランNV
      焼甘鯛と海老 焙烙焼き、吟醸ソース、半兵衛麩、しめじ、万願寺唐辛子、浅葱

     キュヴェ・ロワイヤル・ロゼNV
     青羽田と蛤アクアパッツア、ポロ葱、アスパラ、エリンギ茸、大葉


 キュヴェ・ジョセフィーヌ ジョルダン・サジェ2014
 和牛筋肉ビーフシチュー和風仕立て、焼野菜

 5,000本中625本目のボトルでした!


 熟し柿とぶどう


 左から右の順で供出された5アイテム

【製品についての問い合わせ先】
 (株)JALUXワイン部 電話:03-6367-8756 / 担当:大塚

2023年03月18日

新たな絆!! すべての要はPNと公言するBollinger × 躍進するWINE TO STYLE @Jinen.

 "The Best of both Worlds 2" by WINE TO STYLE
 3月13日に開催された試飲会にボランジェ

登場!!

 

昨年7月、WINE TO STYLEはソシエテ・ジャック・ボランジェグループが所有するシャンパーニュ・ボランジェの日本国内における独占販売権を取得。その折、両社を代表し、中島周取締役会長とシャルル=アルマン・ド・ベレネ マネージング・ディレクター(MD)は上記のコメントを発表しました。

 
 photo by Fumiko/2022年11月16日

公式発表後の昨秋、シャルルMD(左)はグローバルセールスディレクターのギィ・ド・リボワールさんを伴い来日。ミシュランの三ツ星シェフ石川秀樹さんが監修している渋谷・南平台のフレンチレストラン『Jinen. ジネンドット』でボランジェのラインナップお披露目のプレス会見を行いました。



              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



      住宅街に佇むジネンドット


 2029年に200周年を迎えるボランジェ
 タッグを組んだボランジェ×Wine to Style

メゾンの沿革についてシャルルさんは次のように説明しました。
1829年の設立には3人の男性たち(PNを愛した貴族のアタナス・ド・ヴィレルモン、彼の昔の同僚でセラーマスターのポール・ルノダン、ドイツ人のジャック・ボランジェ)が関わりましたが、ボランジェの名前を世界に知らしめたのはマダム・ボランジェです。夫亡き後、後継者として1941年から30年間、メゾンの発展に貢献。イギリス市場での成功に加え、国際市場での人気に拍車をかけました。先見の明があったマダムが考案したのはR.D.とヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズです。ちなみにボランジェは家族経営でド・ヴィレルモンの子孫が継承し現在6代目が経営を担っています。

歴史を大事にしながらメゾンの信念を次世代に繋いでいくことが重要、そのための5ヵ条があります。
(1) PNがすべての要、ブレンドの基礎はPN
(2) 179㌶の自社畑(アイ村、ヴェルズネイ村、アヴネイ村、トーシエール村)を所有していますが、自社畑のメリットはすべてに目が行き届き、栽培において様々なチャレンジができることです。生産するアイテムには最低でも50%、ものによっては100%自社畑のぶどうを使用。2012年にシャンパーニュメゾンとして初の※1環境価値重視(Haute Valeur Environnementale/HVE) 認定を取得。2014年にはシャンパーニュの持続可能なぶどう栽培の認証を受けました。
(3) 贅沢な時間。ワインは長い時間をかけることで長熟ならではのクリーミー&奥行きあるテクスチュアが生まれます。 
(4) 樽による熟成。200年の歴史の中で4000個の樽を活用しているところは他に例を見ないことであり、メゾンの誇りです。加えて樽職人の技は次世代にも伝承すべき課題であり、さらなる試みとしてキュイ村に所有する森林の木材を伐採し、※2樽作りに着手しています。 
(5) リザーヴワインはマグナムボトルで保存することでメゾンならではの独自性を発揮

※1:環境グルネル(環境問題についての協議会)で制度が提案され、実験段階を経て、2011年6月政令によって制度として整えられた。生物多様性、施肥、病害虫防除、水の管理の4点について厳しい指標が設けられている。
※2:木材の乾燥に5~6年かけ、その後自社で樽生成。


以上の5項目でしたが、これらの取り組みは、決断力、独立性、有言実行というボランジェ社の理念を強く反映していると思います。



     Gastronomic Champagne
     2008年に満を持して発売されたロゼ
     リリースに際して来日した当時のMDは、
    「このロゼはスペシャル・キュヴェを父に、赤ワインを母に生まれた子」と表現
     5%ブレンドされている赤ワインはヴェルズネイのPN主体でした。

     今回来日したギィ・ド・リボワールさんは、
    「スペシャル・キュヴェとボランジェ・ロゼは造るのが一番難しい」とコメント
     メゾンの力量を感じさせる安定した味わいは魅力です!

 キャビア、雲丹、胡桃、目を引く丸いオレンジはバターナッツかぼちゃ 
 視覚的にもロゼと似合っていたマリアージュ


     マダム・ボランジェが他界して31年目に世に出たアイテム


 しいたけの旨味が効いたスープとPN TX17のロースト風味絶妙


 ボランジェのテロワールシリーズ
 最新アイテムのテロワールシリーズは『PN VZ15』からスタートしました。
 PN VZ16と続き、最新アイテムがPN TX17になります。
 2015年と2016年の主産地はヴェルズネイ(VZ)でしたが、
 2017年はトーシエール(TX)が中心です。

 社内で、PNを前面に出したシャンパーニュ造りを検討しコンテストを実施
 ◆PN100% ◆テロワールを反映 ◆ヴィンテージの個性
 3つの条件を満たしたアイテムとして選ばれたのがこのシャンパーニュでした。
 ブラインドで試飲した折、アイを凌いだのがヴェルズイで
 2015年も2016年も同村のぶどうがメインになりました。
 そして、2017年はトーシエール

 シャルルMDは「モンターニュ・ド・ランスのエリアで、
 北に位置するヴェルズネイは気候変動が良い結果をもたらしており、
 アイは影響を受けている感じです」とコメントしていましたが、
 やはり、ボランジェと言えばアイ(愛)なので、
 次回以降の主産地、要チェックです!


 石川秀樹さんが今回のイベントに合わせて考案したひとさら
 魚介に合うボランジェに合わせ、津和井蟹・雲子・白エビ・塩昆布に全体を〆る酢橘のジュレ
 ラ・グランダネ ロゼ2014の酸味とのバランス、黒系果実やスパイシーなニュアンスと相乗


 旬の素材カリフラワーのムニエル
 加藤シェフの仕掛けたシンプル イズ ベスト
 14年の熟成を経たR.D.とムニエルの香ばしさが交差し合ったマリアージュ


 口直し

 2014年ヴィンテージはユニークな年で、
 7月・8月は雨が多く、収穫期間は9日間だった由
 自社畑を多く有するボランジェは良年でなくても秀逸なシャンパンを造るスキルあり

 ラ・グラン・ダネとR.D.の関係について、
 シャルルMDが「ラ・グラン・ダネを発売する段階で、さらに7年の熟成に耐えうると
 判断されると、残りのシャンパーニュは新たなる7年の熟成に入り、
 トータル14年間を経てR.D.としてデビューします」と説明
 2005年ヴィンテージはすべてラ・グラン・ダネとしてリリースされましたが、
 2008年ヴィンテージはR.D.としてのデビューも!


 蝦夷鹿に寄り添っていたラ・コート・オー・ザンファン2016
 気候変動下、コトー・シャンプノワ(シャンパーニュ地方のスティルワイン)を手がけるメゾンが、
 増えています。この畑4㌶は3代目のジャック・ボランジェが点在する小区画を買い集め、
 現在の形にしたものです。ワインは1区画(南向きの急斜面)からの限定生産
 ド・リボワールさんは「“シャンボル・ミュジニーのような”との形容だと嬉しい」と語り、
 シャルルMDは「昔、シャンパーニュ地方は上質な赤ワインの産地として知られており、 
 アンリ4世からも愛されていたのでコトー・シャンプノワに関しては必然」と述べました。


 遊び感覚を取り入れた焼き芋

 安納芋 黒胡麻 蜂蜜
 R.Dは2007年ヴィンテージから復刻版のラベルにチェンジ
 マダム・ボランジェの愛が詰まったシャンパーニュ

 R.D.誕生の経緯は・・・
 自宅に友人やジャーナリストを招いた折にはセラーに出向き、
 澱とまどろんでいるシャンパーニュをその場でデゴルジュマンをしておもてなし。
 故に「今、澱を抜いたばかりというrécemment dégorgé/レサマン・デゴルジュ」と命名
 初リリースは1967年6月で、ヴィンテージは1952年でした。


 全アイテムを鳥瞰でキャッチ

 #1:ボランジェ・ロゼ
 ぶどう品種:PN62% CH24% M14%、赤ワイン5%ブレンド
 #2:スペシャル・キュヴェ
 ぶどう品種:PN60% CH25% M15%
 #3:PN TX17
 ぶどう品種:PN100%
 #4:ラ・グラン・ダネ ロゼ2014
 ぶどう品種:PN63% CH37%、赤ワイン(ラ・コート・オー・ザンファン)5%ブレンド
 #5:R.D.2007
 ぶどう品種:PN70% CH30%
 #6:ラ・グラン・ダネ2014
 ぶどう品種:PN61% CH39%
 #7:ラ・コート・オー・ザンファン2016
 ぶどう品種:PN100%


Plan du Bicentenaire /ビサントゥネールプラン
シャルルMDが新たな200年に向けた構想として語った内容
(1) ノウハウを社内で共有
樽職人、動瓶やデゴルジュマンを行う職人の“技”を伝承し、社内でも技術を共有
(2) 環境への配慮 
生物多様性への取り組みは現在自社畑全体の15%、2029年までの目標は40%
CO2削減対策として、瓶の重量軽減、パッケージの簡素化・軽量化を実践
サーキュラーエコノミー(循環型経済)ではメゾンから100km圏内のサプライヤーのみと取引
故にブルゴーニュから搬入していた樽の扱いを中止し、キュイ村の森林の木材を活用
(3)アイ村への投資 
人口2000人のアイ村の活性化のための投資を行う
その一環がメゾン内に20部屋を備えたホテルや世界の食通が楽しめるレストランの建設


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


気候変動の影響を受けているシャンパーニュ地方においてボランジェが取り込んでいる事柄
◆10年前から古代品種のプティ・メリエ、アルバンヌを栽培しているが、
基本的にはPNが要で、今後もPNファースト
◆3年前からB-Corp取得に向けて行動しており、シャルルMD曰く「2023年には取得できるかも」と。厳しい条件をクリアして得られる認証なので、ボランジェ社の健闘に期待
:米国ペンシルベニア州の非営利団体B-Labが始めた国際認証制度。利益重視ではなく、環境や社会に配慮した公益性の高い会社に与えられる。昨年EPIグループのシャルル・エドシック、パイパー・エドシック、レアがシャンパーニュ業界初の認証を受けた。日本の食品業界ではダノン、ネスプレッソの2社のみ取得


映画007では新しいボンド役を探している最中なので、その人選に期待しつつ、今以上に映画の中で、ボランジェがしっかりと存在感を示して欲しいと思っています。


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 都会の一等地の贅沢な空間に豊かな緑
 シャルル=アルマン・ド・ベレネ、シェフ加藤将益、石川秀樹、ギィ・ド・リボワール各位

 ジネンドットのエントランスに加藤シェフを囲んで全員集合
 左は石川さんの愛妻ちひろさん!
 いつもながらの気配りに感謝です、ありがとうございました。
 Wine to StyleのTAKEMURA Yoshiさん、SAITO Miki さん、お世話になりました!


 【ワインについてのお問い合わせ先】
  WINE TO STYLE: 03-5413-8831
  https://www.winetostyle.co.jp

2022年12月30日

今年の〆講座は3年ぶりに来日したミッシェル・ドラピエ当主から伺った情報を盛り込みながら


 2022年12月21日&28日の2講座が無事に終わりました。
 特に第4週にご参加の皆様には師走のお忙しい折にご足労をおかけしました。
 改めて御礼申し上げます半月

 試飲したのは息子世代が手掛ける新キュヴェと4ミレジメ


 7代目ミッシェル・ドラピエ当主の3年ぶりの来日
 11月30日に開催されたシャンパーニュ騎士団@マンダリンオリエンタル東京(右)
 12月2日輸入元テラヴェール主催で行われた来日ディナー@caveman(中央)
 帰国後、送ってくださったポストカード(左)

 3年ぶりの笑顔の再会でした[わーい(嬉しい顔)]
 フランスに戻られて、すぐ書いてくださったご丁寧なるおハガキ
 細やかなお気遣いをしてくださるミッシェル当主のお人柄が伝わってきます。

 コート・デ・バールのウルヴィルが拠点のメゾン
 1930年初頭、ミッシェル当主の母方の祖父が初めてピノ・ノワールを植樹
 今ではドラピエの70%をピノ・ノワールが占めています。
 110㌶の畑を所有しており、内訳は60㌶が自社畑、50㌶が長期の契約畑。
 除草剤や殺虫剤は一切使用せず、2頭の馬と電動の機械で耕作
 基本的に畑の管理は手作業
 ソーラー・パネルで蓄えた電力の75%は自家用として賄っています。

 栽培しているのは7品種、ブラン・ヴァリ(ピノ・ブラン)
 ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、フルマントウ(ピノ・グリ)
 シャルドネ、アルバンヌ、プティ・メリエ

         o○.。o○.。o○.

 シャンパーニュ委員会CIVCが規定しているぶどう品種は7つです。
 品種の呼称に関する公式見解は以下の通りです。
 ブラン・ヴァリやフルマントウの呼び名はシノニムになるので、
 CIVCの正式な呼称は、ピノ・ブラン、ピノ・グリになります。


       第1フライトは最新キュヴェ
       #1:ドラピエ クラレヴァリNV   
       ぶどう品種:PN75%、M10%、CH10%、ブラン・ヴァリ5%
       ノン・フィルター
       ドザージュ:4g/L
       価格:8,800円(税込)
気泡は極めて細やか。フラワリーな香り、柑橘系果実から黄桃、アプリコット、マンゴー等、グラス内の温度変化で様々な果実のニュアンスが広がり、キンメリジャン土壌由来のミネラル感も! 余韻は中程度、軽快にフィニッシュ。口中に残る塩味は和の要素の料理と合わせて楽しめそうな印象


2016年からメゾンに参入した長女シャルリーヌさんはラべル等のデザイン&マーケティング。#1のラベルも彼女が描いたもので、12世紀、聖ベルナールが遺した聖書をイメージして作成。長男ヒューゴさんは栽培と醸造、動物好きの次男アントワンヌさんはビオディナミをそれぞれ担当しています。8世代目の彼らが取り組んでいることの1つが古代品種を使ったアイテム。余談ですが、当主には、(12月初めの時点で)生後4ヵ月から4歳までの孫たちが4人いるとのこと、9代目の成長が楽しみです!

ドラピエでは20年以上前に古代品種に興味を持ち植樹を開始。研究と実際の栽培と醸造を通して、その特性を学び、2019年にトロ・アン・フォウをリリース


 ドラピエが所有する歴史あるカーヴ
 
 裏ラベルに詳細が記載してあります。 
 上記は来日した当主がディナーの折に語ってくださった内容をまとめました。

 気泡の細かさの理由
 
ドラピエのシャンパーニュは基本的にノン・フィルターです。「フィルターを掛けないことで、ワイン中にはプロテインが多く残ります。プロテインの分子は規則的に並んでいるので、それらが、気泡の発生を良い意味で邪魔をするので、泡自体が細かくなります」とミッシェルさん。今講座で改めて、気泡の細かさを注意深く観察してみましたが、お言葉通りでした。プロテインと気泡の粒の関係について、より詳細な説明を伺っているので、年明けに、お返事が届き次第、加筆します!


 第2フライトはトップキュヴェのグラン・サンドレ
 ウルヴィルの単一区画、命名は1838年の大火で焼灰に覆われた区画に由来
 灰はCendre、土地登記簿上の綴りの誤植でCがSに

 #2:ドラピエ グラン・サンドレ2012 新ヴィンテージ
 ぶどう品種:PN55%、CH45%
 ノン・フィルター
 ドザージュ:5.5g/L
 価格:18,000円(税込)
 #3:ドラピエ グラン・サンドレ2009 蔵出し
 ぶどう品種:PN55%、CH45%
 ノン・フィルター
 ドザージュ:5.5g/L
 価格:18,000円(税込)
ドラピエのトップキュヴェならではの品格があり、最新の2012年と3年違いながら静かに時を重ねた2009年にはそれぞれの魅力がありました。2012年は若さがあり、ひとことで形容するなら“アロマと酸味”、2009年は“厚みと熟成感”。旨味、ミネラル、余韻の長さは2つのグラン・サンドレの共通項。2012年と2009年を利き比べできたことがラッキーだと思いました。

シャンパーニュ騎士団のディナーではミッシェル当主自慢の『グラン・サンドレ2008 マグナム』が登場しました。酸が活き活きしていて、底知れないポテンシャルがありました。


 第3フライトは特別なミレジメ
 通常カルト・ドールはNV、良年にのみ例外的にミレジメを生産

 #4:ドラピエ ミレジメ・エクセプション2015
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 ドザージュ:5.6g/L 
 価格:9,800円(税込)
 ウルヴィル周辺の自社畑の中で樹齢の古い区画のぶどうを使用
 熟成はステンレスタンク、40%樫の大樽、100%MLF
 ドザージュは20年間熟成させたリキュールを使用
 豊かなアロマ、溌剌とした酸、土壌由来のミネラルとぶどう本来の凝縮感、軽いビター感
 軽やかでエレガント、超カリテ・プリなアイテム

 #5:ドラピエ カルト・ドール ミレジメ・クラシック2002
 ぶどう品種:PN75%、CH15%、M10%
 ノン・フィルター
 ドザージュ:4.5g/L
 価格:15,000円(税込)
 黄金色、第一香は若干シェリーや紹興酒似の酸化熟成したニュアンス、焙煎香、モカ
 ココア、黒糖、ドライフルーツ、エスニックスパイス、中華料理に合わせたいアイテム 
 2022年の講座を締め括るにふさわしい20年経過したシャンパーニュ!


 温度があがってもブレない酒質、価格的にもリーズナブル
 新年のお祝いの席や仲間との集いにドラピエは超お薦めできます!
 hakoさんのブログ

に全ボトルの裏ラベルがしっかり載っています。
 ありがとうございました!
 輸入元:テラヴェール株式会社 / https://terravert.co.jp/


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 シャンパーニュ委員会CIVCの代表来日
 左からシャルル・ゴエメールCIVC事務局長
 共同代表のダヴィッド・シャティオンUMC(メゾン組合NM)会長と
 マクシム・トゥバールSGV(ブドウ栽培・醸造業者組合RM)会長
 CIVC日本事務局代表の笹本由香理さん
 「日本とシャンパーニュは距離的には離れていても文化的には近い」と代表メンバー

 フランス国内の売上のシェアは約37%、EUは20%、それ以外のエリアは43%

 2021年日本向け出荷量は1381万本、3億5400万€
 代表メンバーは「他国と比べてコロナ禍以前の勢いに戻るのが少し出遅れた印象。
 2022年の日本については20%UPを予想しています」とコメントしていました。

2022年はルイ15世の戴冠式の晩餐会でシャンパーニュがはじめてゲストに供された 
 記念すべき300年目の年
シャンパーニュの2021年の出荷量は3億2000万本、売上総額は57億€
メンバーの父親の代は通常10月収穫だったが、この10年間を見ると「8月収穫が4回」
2022年の収穫は質も量もずば抜けて素晴らしい年

 2021年の出荷TOP3は米国、英国、日本
 第1位 米国は7億9349万€(前比158%)/3412万本(164%)
 第2位 英国は5億358万€(前比149%)/2988万本(前比141%)
 第3位 日本は3億5400万€(前比131%)/1381万本(前比128%)
 第4位はドイツですが金額をみると2億193万€で日本と大きな差があります。
  ドイツは基本的にNVが多く、日本はプレステージが多いのが理由です。
 CIVCの新HP: https://www.champagne.fr/ja


今回が今年最後のブログになります。
拙ブログにお立ち寄りくださいましてありがとうございました!
秋以降、来日者やリアルでのイベントが多くなりました。
内容の濃いリポート山積みなので、2023年1月からサカサカとアップしてまいります。
引き続き、宜しくお願いいたします。

皆さま、どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ!!

2022年11月09日

ペリエ ジュエ ベル エポック2013 120thアニバーサリーエディションローンチパーティ

 
 エミール・ガレがジャパニーズ・アネモネ(秋明菊)を描いてから120年
 アーティストデュオ “ミシャー’トラクスラー”が描いた新しいアネモネデザイン!

  再来日したセヴリーヌ・フレルソン最高醸造責任者
 今回はアニバーサリーエディションのローンチイベントで来日
 6月には箱根で開催されたバンケット・オブ・ネーチャー

で、
 独自のテイスティングメソッドを披露してくださいました 半月


             ペリエ ジュエの凄い気配り
     画像提供:ペルノ・リカール・ジャパン

    パーティ開催の数日前にフランスから届いたダミーボトルを陳列
    ボトルが置いてあるテーブルとチェアーはアールヌーヴォー様式の貴重な家具



              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


         舞台は西麻布のオーベルジュ・ド・リル トーキョー
          イベント監修はアーティストの諏訪綾子さん
            卓越したエクスペリエンスを生かし、
     120年の時を超えて息づく『ぺリエ ジュエ ベル エポック』の空間を創造
          参加者を非日常の世界に誘なってくれました。


     諏訪綾子さん(中央)と緑と白の衣装をまとった案内役の男子


   クリックで拡大
   ディナーに供出されたのはすべてベル エポック
   繊細、複雑、フローラルなシャンパーニュ


           希少な120thアニバーサリーエディション
       ぶどう品種:CH50% PN45% M5%
       金額:41,613円(税込/ギフト箱入り)

          
   メゾンが誇るGCにあるシャルドネのみを使ったリキュール・ド・ドザージュを使用
          奥行きのある味わいと豊かなフローラル感が特徴


        マスカルポーネのムースとカモミールのパンナコッタ
        ジャスミンのジュレ エルダーフラワーのソルベ

 
            o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 ベル エポック2013に合わせたのは、
 帆立貝のマリネ、サフラン風味のカリフラワーのピューレ、柚子の香り
 帆立をアネモネの花に見立て、お皿の上に自由に配して食す“遊び心”を取り入れた一品
 クリーミーな食感とグレープフルーツの内果皮のアロマと味わいが際立つ2013VT
 帆立の肝のソースの滑らかさと軽いビター感がバランス良く調和


 白い蘭はセヴリーヌさんの一番のお気に入り!


             ベルエポック2007


       旬野菜のヴァリエーション、アーモンドと生ハムのアクセント
 ベル エポックと一体感にあふれ、ペリエ ジュエの迎賓館を彷彿とさせる一皿
 フレッシュでドライな白い花や熟した白桃、柑橘系果実のアロマを纏った2007VTと相乗


               ベル エポック ロゼ 2006
 ヨーロッパ産オマール海老のバターソテーとそのジュー、ビーツのピューレ添え
 赤系果実、ドライローズ、ブリッシュ、ジンジャーブレッドのニュアンスのある2006VT
 オマール海老やビーツがオレンジ色のロゼと視覚で重なり合うマリアージュ
 甲殻類のダシ&旨味、ロゼの微かなタンニンが口中の脂分を洗い流してくれる印象


              べル エポック 2004
 フランス産仔牛フィレ肉 リ・ド・ヴォーのソテー、シャンピニオンリゾットのガレット 
 ソース・ブランケット

 味わえて嬉しかった2004VT、美味!
 メゾンでは、2004VTを “アート・オブ・ヴィンテージ”と形容しています!
 フィネスとパワーを備え、
 熟成に由来するきのこやココアのニュアンスが加わることでリゾットとも好相性


      70種の食材を使ったマスカルポーネ
      視覚&味覚ともに素敵な仕上がり!

   シャンパーニュ地方のぶどう畑に生息する70種の生き物を描いた120thボトル
      その“数字”にちなみ、70種の食材を使った気配りに拍手!!

 セヴリーヌさんを囲んで我らテーブルメンバー
PRJ吉田尚弘ラグジュアリーセールスグループマネージャー、同ポール‐アンドレ ヴァシュロンマーケティング本部長、アリスター・モンティーAndaz東京 料飲部長、セヴリーヌさん、青木、鈴木文彦JBpress オートグラフ編集長


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


  ジャパニーズ・アネモネ(秋明菊)のモチーフ×生物多様性をテーマにしたデザイン
     
  1811年以来、自然と共にあり続けてきたメゾン ペリエ ジュエ
  自然はシャンパーニュを造る上で、重要なインスピレーションの根源であり、
  アール・ヌーヴォーの精神を思い起させる源でもあります。

  その思いをペリエ ジュエと近しいアーティストデュオ “ミシャー´ トラクスラー”が、
  メゾンの象徴であるアネモネをモチーフにして、
  生物多様性をテーマにしたデザインを作成


          ローンチパーティのドレスコードは

           ワイン王国

の村田惠子編集長のドレス
           シャンパーニュ仲間の八巻多鶴子さんの帯
           ともにカラフルでした[わーい(嬉しい顔)]

 

しばし浮世のことは忘れ、エミール・ガレが活躍していた19世紀末にタイムスリップ
懐かしい思い出がたくさん詰まったかつてのジョージアンクラブ(オーベルジュ・ド・リル トーキョーができる前にあった伝説のレストラン)に思いを馳せながら・・・
贅沢なひとときをありがとうございました。
ペルノ・リカール・ジャパン チームに感謝を込めて!

2022年07月07日

アジア初! バンケット・オブ・ネイチャー by ペリエ ジュエ / A Banquet of Nature by Perrier-Jouët @Nicolai Bergman Hakone Atelier

  ペリエ ジュエのセヴリーヌ・フレルソン第8代目最高醸造責任者
 2020年10月、エルヴェ・デシャンさんからバトンの引継ぎ

をしました!
 2018年にエルヴェさんと共に来日していましたが、今回初めてプレスの前に登場!

 情熱記憶直感
 セヴリーヌさんを表す3ワードです!
 15歳で将来のキャリアとしてワイン醸造の道を選択、ワインへの情熱の原点
 ぶどう収穫と圧搾する時に放たれる香りは、幼い頃の記憶と深く結びついて・・・
 ブレンドするワインを選ぶ時は、先入感なく味わう為、何も見ず、直感の成すがまま

 1975年 シャンパーニュ地方ランスに近い、シルリーにて生誕
 2001年 ランス大学を卒業、ワイン醸造学の学位を取得
 2002年 パイパー・エドシック&シャルル・エドシックに参画
 2006年 醸造と環境マネージャー職に
 2012年 醸造マネージャーに就任
 2016年 アシスタントセラーマスターの職に就いた後、
      パイパー・エドシックのセラーマスターとなり活躍
 2018年 ペリエ ジュエに入社
 2020年 同メゾンの8代目セラーマスターに就任し、現在に至る

 
              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 箱根強羅の自然美のなかで


 会場はニコライ バーグマン箱根アトリエ
 

 緑と白に彩られた涼やかな“しつらえ”


 Sensorial Experience
 セヴリーヌ・フレルソン考案の新しいテイスティングメソッド
 ペリエ ジュエのシャンパーニュのフローラルかつ繊細なスタイルを追求する試みで、
 植物のライフサイクルを、テロワール、萌芽、開花、成熟の4つに分け、
 各ステージに焦点を当てながら、サイクルを体感する斬新なアプローチ!

 矢車菊、ジャスミン、スミレのエキス&白亜質土壌の小片を使ってテロワールを知る
 
小瓶の①香りだけを利く、②白亜質の塊に注いで香りを利く、③白亜質の小片に触れる。
①と②は嗅覚のレッスン、③はシャンパーニュ地方のテロワールである白亜質の塊に触れることで、土壌由来のミネラルを体感。
矢車菊の香りを利き取るのが少し困難でした。
セヴリーヌさんは、「矢車菊はペリエ ジュエの繊細さ、デリケートさを表現しています。香りを利き取りにくいと言う方もいますが、その方たちは、他の人が感じ取れなかった他の香りを、利き取れる場合が多々あるので、気にしなくて大丈夫です」とおっしゃってくださいました。でも、“デリケートさの象徴=矢車菊の香り”はキャッチしたいので、しばし、修行を積まねば!


 ジャスミンは典型的なフローラル感
 スミレは繊細さや上品さ等、ペリエ ジュエのシャンパーニュのすべてを包括している由


   ホワイトカーネーション、エンジェル・ウィングス、胡蝶蘭の触感から萌芽を体感
    
   カーネーションはデリケートさ、やわらかさ
   エンジェル・ウィングスはビロードやシルク感
   胡蝶蘭は外側はデリケートさやなめらかさ、内側は直線的なミネラル感
   嗅覚と触覚を刺激しながら、
   ベル エポックのブラン・ド・ブラン2012をテイスティング
   目を瞑ってシャンパーニュを味わうと、先の五感体験が重なり合う印象


      ホワイトパンジー、金蓮花を食して開花を感じる
      2種のエディブルフラワー(edible flower/食べられる花)

     ①花びらだけ、②おしべと花びら、の順で食す。
     ホワイトパンジーはデリケートさとシルク感
     金蓮花はホースラディッシュのような辛みがありましたが、
     セヴリーヌさんは「ミネラルとフレッシュ感」とコメント

     シャンパーニュのテイスティングでは、視覚、嗅覚、味覚は体験しても、
     触覚を試すことはなかなかないので、とても面白いアプローチでした。
     あと、ひとつ・・・気泡の弾ける音は、聴覚でしっかりキャッチ!


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 Gastronomic Experience ~Maison Perrier-Jouët × élan

 厨房を仕切っていたのは『エラン』の信太竜馬エグゼクティブシェフ
 ペリエ ジュエの華やかさを引き立てる料理を披露してくださいました!
 視覚&味覚ともに本当に見事な逸品ばかり、参加者全員大満足のマリアージュでした。
 さすが信太シェフ[わーい(嬉しい顔)]


 鮎 クレープ 花ズッキーニ シヴェ

IMG_0067.jpg
 ペリエ ジュエ ブラン・ド・ブランNV
2017年に世界に先駆け日本でリリースされたシャンパーニュ。フローラルで繊細、サンザシや菩提樹、白亜質に通じるミネラル、緊張感のあるブラン・ド・ブラン


      Terroir / テロワール
      ホタテのメルバ キャビア シャンピニオン ざくろ

IMG_9130.jpg
       ベル エポック ブラン・ド・ブラン2012
前任者エルヴェさんと仕上げたVT。クラマン村のブーロン・ルロワとブーロン・デュ・ミディの2区画のシャルドネを使ったメゾン最高のブラン・ド・ブラン。セヴリーヌさんは門出のリキュールを担当、メニル・シュル・オジェのクリュのワインで、VTは2014を使用したそうです、ドザージュ量は6g/L


    Awakening / 萌芽
    ベル エポック 2013
    甘鯛 アーティチョーク シャンパーニュのサヴァイヨン
甘鯛の皮をカリカリに焼いた味わいとシャンパーニュのミネラル感が融合した絶品のおいしさ。セヴリーヌさんが、人生で初めて魚の皮を食した瞬間だったかも・・・


 Flowering / 開花
 エディブルフラワーを添えた信太シェフ渾身のパイ包み


 和牛フィレ パイ包み 黒トリュフ フォアグラ


 ベル エポック1999と合わせて
太陽に恵まれた1999年のキーワードは“比類のなさ”。トースト、砂糖漬けの生姜、白コショウのニュアンス。シャンパーニュのなかのロースト感が焼いた和牛の味わいと相乗


     Maturity / 成熟
     ベル エポック ロゼ2013 と チェリー 柑橘 スパイス
10月に収穫したシャルドネは熟度にあふれ、そこに成熟した赤ワイン(ピノ・ノワール)をブレンド。豊かな味わいでシルクのようなタッチ


 セヴリーヌさんとの初ショット
 ワイン王国の村田惠子編集長と


 Dress Codeは Something Green
 ベル エポックと同化できました!



             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 記憶に残るヴィンテージについて
 新鮮だったバンケット・オブ・ネイチャー
 7代目エルヴェさんが「感性が似ている」と語っていたのですが、対面し、実感!
 私は、初質問として、「今までで感銘を受けたヴィンテージVTは?」と伺ってみました。

✥1985年 1月がマイナス36度にまでなった酷寒のVT
✥2004年 ぶどうの出来がとても良く、収穫途中で、収量増量を決定した例外的なVT
✥2008年 ストラクチャ―、フレッシュさ、長期保存するのに最適な素晴らしいVT
✥2019年 すべてひとりで手掛けたVT、ポテンシャルある年だったことに満足
✥1979年 入社時、7代目のエルヴェさんが試飲させてくれたVT。
     マグナムで供出された。6代目アンドレ・バブレさんとは面識がないものの、
     シャンパーニュを味わった瞬間、彼がどのような人だったかが感じ取れた。
     メゾンの歴史を時空を超えて体験できたVT


        今年はエミール・ガレのデザインから120周年
  1902年にアール・ヌーヴォーの巨匠エミール・ガレがデザインして描いたアネモネ
  ベル・エポックのボトルを華やかに彩っています。
  今年は記念すべき120年目なので、限定エディションのリリースも予定されています。
  楽しみにお待ちください半月半月半月



      感染対策を徹底して実施されたバンケット・オブ・ネイチャー
      雄大な箱根の自然のなかで、コロナ渦中の閉塞感が発散ができました。
      ペルノ・リカール・ジャパン(株)

、「ペリエ ジュエ チーム」の、
      いつもながらの細やかなご配慮に深く感謝しております。
      ありがとうございました!

2020年03月08日

“ミモザの日” 3年目を迎えたJoseph Perrier × Jalux のミモザキャンペーン

 春の花ミモザをテーマにしたシャンパーニュ プロモーション
ビジネスでは初来日のシェフ・ド・カーヴ ナタリー・ラプレイジュさんと1981年以降定期的に来日している親日家オットー・プシュビラ取締役

ナタリーさんはシャンパーニュ専門誌Bulles et Millésimes

で2019年に女性初のセラーマスターオブザイヤーを受賞しました。おめでとうございます!
3月9日がお誕生日ということで、ランチ会場のラ・メゾン・キオイ(赤坂プリンス クラシックハウス内)が可愛いケーキ[バースデー]をプレゼント! ナタリーさんがワイン造りやメゾンについて語ったことは、ワイン王国様のWEB

で紹介させていただきました!


ジョセフ・ペリエと輸入元Jaluxのコラボレーション、ミモザキャンペーンも3回目を迎えました。2018年にオットー取締役が行った来日記念ランチ

にメゾンの沿革等についてまとめているので添付しておきます。

毎年3月8日は国連が定めた国際女性デー、イタリアでは女性にミモザの花を贈る日ということで「ミモザの日」と呼ばれているそうです。

ジョセフ・ペリエの顔『キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV』のラベルもイエロー、Jalux考案のミモザグラスも活躍しています。

アミューズはフォアグラのクリスピーサンド × キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV、 双方のビスケット的な風味が相乗してイイ感じ!


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前菜は(左から)真鯛のカルパッチョ 熊太郎トマト、帆立と東京ブッラータチーズ 土佐酢のジュレ、ローストビーフ トリュフヴィネグレット


スペシャリテのオニオングラタンスープ
キュヴェ・ロワイヤル ブラン・ド・ブランNVは単独で味わうとファーストインパクトにきりりとした酸味が広がるのですが、オニオングラタンの溶けるチーズと玉ねぎの甘味と合わせるとシャンパンの酸味が緩和され、予想以上のナイスマリアージュに!


鰆のポワレ レモンバターソースと春野菜 × キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ヴィンテージ2008。レモンで風味付けしたコクのあるバターソースでしたが、21世紀秀逸なヴィンテージ2008との勝負では分が悪い気がしました。むしろ、黒ぶどうの比率が高いキュヴェ・ロワイヤル・ブリュットのほうが合わせやすかったです、さすがメゾンの顔!


キュヴェ・ジョセフィーヌも2008ヴィンテージ!

メインの国産牛フィレ肉のソテー 下仁田葱、XO醤を使ったコクのあるソース。キュヴェ・ジョセフィーヌの複雑味がしっかり受け止めていました!


デザートは奈良県生まれのイチゴ“古都華”のパヴロバ


メレンゲとバニラアイスクリームがロゼ・シャンパンのブリッジ食材になり、春めく相性

プレスランチに登場したアイテム
(左から順に)
#1:キュヴェ・ロワイヤル・ブリュットNV
#2:キュヴェ・ロワイヤル・ブラン・ド・ブランNV
#3:キュヴェ・ロワイヤル2008
#4:キュヴェ・ロワイヤル・ロゼNV
#5:キュヴェ・ジョセフィーヌ2008



 2025年に200周年を迎えるジョセフ・ペリエ
 画像はすべて2019年11月の訪問時撮影
シャロン・アン・シャンパーニュに位置するジョセフ・ペリエ

6代目のベンジャミン・フルモンCEO@自社畑のあるキュミエールで

5年後に200周年を迎えるため、メゾンの改修が行われています、2020年夏に新しいセラー完成予定!


       ジョセフ・ペリエ自慢のセラーはガロ・ロマン時代の遺産

[ダイヤ]製品についてのお問い合わせはJalux ワイン部 Tel:03-6367-8756

2020年02月03日

オディロン・ド・ヴァリーヌ醸造責任者が語ったシャンパーニュ『ゴッセ』の魅力

 シャンパーニュで最も古い歴史を有する『ゴッセ』

1月中旬に来日した醸造責任者のオディロンさんと輸出担当マネージャーのカリナさん


入港前のアイテムを含めた貴重なテイスティングに参加させていただき、輸入元テラヴェール(株)様にはこころから感謝しています!


中国経由で来日したカリナさんは現地のお料理に接してカルチャーショックを受けたようですが、日本での開催場所トゥーランドット臥龍居では脇屋シェフのお料理にしっかり馴染んでいました。

フレッシュで深みのあるスタイル
ゴッセの特徴はサイト

に明記してあるように、ノン・マロラクティック+長期熟成。それに関して、オディロンさんは「メゾンが大事にしていることは“フレッシュさ”と“深み”です」と語りました。つまり、リンゴ酸を生かした造り=MLFをしない(ノン・マロ)ことによってフレッシュさが保たれ、長い間澱と接触させること=シュール・リー状態にしておくことで長期熟成が可能になると。さらに「リンゴ酸を残すので、味わいのバランスを取る為に澱の存在がとても重要です」と言葉を添えました。
 
      ゴッセの未知なる部分

グランド・レゼルヴ・ブリュットNV(基本のブレンド比率はPN45%、CH45%、ムニエ10%、ドザージュ量7g/L。その年のぶどうの熟度によって若干変化)/参考上代8,400円(750ml)
メゾンの看板アイテム。オディロンさんは「ゴッセの核、ゴッセのハート」と表現していましたが、フレッシュさのベースになっているのは、何とシャルドネの澱。ゴッセでは、シャルドネを発酵させている時に、大きな澱だけを取り出し、発酵途中のピノ・ノワールのタンクに入れているそうです。そうすることで、新鮮さ、味の安定性、さらにはピノの色を脱色させる効果も!

 グラン・ロゼ・ブリュットNV&グラン・ブラン・ド・ブラン・ブリュットNV

グラン・ロゼ・ブリュットNV(基本のブランド比率はPN50%、CH50%、ドザージュ量8g/L。その年のぶどうの熟度によって若干変化)/参考上代9,800円 
ゴッセはロゼ・シャンパンのスペシャリストとしての自負があり、全体の12~13%を生産。温暖化の影響下、昔はピノ主体、近年はシャルドネの比率が多くなっている由。添加する赤ワインは8% (その年によって若干変化)で、 使用するのは、力強さのブージー、エレガントさのアンボネイ、ミネラル感のキュミエールの3村。サーモンピンクに少しオレンジを含んだ色調、木苺やストロベリーの果肉のフレッシュさ、軽いビター感とミネラル、口中ではクリーミーな質感。

グラン・ブラン・ド・ブランNV/参考上代11,000円
シャルドネ100%、ドザージュ量6g/L、発売当初から大きな反響を呼んだアイテムでゴッセのなかでは新参(2011年に初リリース)。目指しているスタイルはミネラルと少しの塩味と石灰由来の味わい。コート・デ・ブランのグラン・クリュのシャルドネをメインにモンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのプルミエ・クリュをブレンド。繊細な気泡、白い花、蜂蜜、ブリオッシュ、溌剌とした酸とストラクチュア。余談ですが、来日中に体験したウニとの相性は最高とおっしゃっていました。



 色で合わせるマリアージュに挑戦 
 ロゼ × オマール海老


 収穫年の個性違いを思いきり体感

グラン・ミレジム・ブリュット2006 (左) と ディナーの2日前に到着したばかりのグラン・ミレジム・ブリュット2012(右)
参考上代2006年は9,800円、2012年は11,000円
「ゴッセにとってのミレジメは、立ち止まって、その年の景色を写真に撮るという考え方です」とオディロンさん。温かくてぶどうの成熟が進んだ2006年はピノの出来が良かったので、ピノの個性(豊潤)を前面に出し、冷涼年でシャルドネの出来が良かった2012年はシャルドネの個性(エレガントさ)を出すようにしたとのこと。それぞれの年の特徴が出ていて興味深い比較試飲になりました。


繊細でスマートな2012年、豊潤で包容力のある2006年

 例外的なキュヴェ“セレブリス”

(右から)
セレブリス・エクストラ・ブリュット・ロゼ2007/参考上代28,000円
セレブリス・エクストラ・ブリュット2007/参考上代28,000円
セレブリス“セレブリッシム”1995/参考上代70,000円
セレブリスは30年間で、1988年、1990年、1995年、1998年、2002年、2004年、そして最新ヴィンテージ2007年の7ヴィンテージのみ生産。「ミレジムの重要性は“その年そのもの”ですが、セレブリスは、まず“セレブリスありき”で、ミレジムはその後からついてきます。つまり、セレブリスの生産年は、カーヴで我々が造りたいと思っている仕事をすべて自然がやってくれる年なのです。量的にも少ないので例外的なキュヴェです」とオディロンさんは語りました。

セレブリス・エクストラ・ブリュット・ロゼ2007 (基本のブレンド比率はPN41%、CH59%、添加する赤ワインは7%、ドザージュ量5g/L)
淡いロゼ、ベリー系果実(ストロベリー、ブルーベリー、フランボワーズ)、バラ、スミレ、柑橘果実の酸味と内果皮のビター感、エレガントに広がる余韻

セレブリス・エクストラ・ブリュット2007(基本的なブレンド比率はPN43%、CH57%、ドザージュ量3g/L)
輝きのある黄金色、密を含んだサン富士、熟した果実、ミネラル、ヨード、若干の塩味、フレッシュ且つ中盤以降口中に広がる凝縮感、ノン・ドゼに近い糖分量ながらぶどうの熟度由来の甘さが好印象

最後に披露されたセレブリス・セレブリッシム1995は、ゴッセの最新アイテムで1,000本のみ造られ、日本には120本程度の入荷。この特別なシャンパンは、ワインのこころ

で紹介しています!


 プレスディナー後感

ゴッセは時間をとても大切にしているメゾンであることが良くわかりました。「本当のシャンパン好きの方、シャンパンが時間の経過によって形成されていくものであることを理解してくれている方、そしてシャンパンの持ち味はフレッシュさにあることがわかっている方に、セレブリスを味わっていただきたい」と力説していたオディロンさん。
400年続くアイ村出身の名家ゴッセ家に資本参加したルノー・コアントロー家のジャン・ピエール・コアントロー現当主も、そのことを十分理解しているので、ゴッセのシャンパン造りを寛大な態度で見守ってくれているとおっしゃっていました。
私が何より驚いたのは、「1996年ヴィンテージがまだセラーで眠っている」とのお話を伺ったことです。偉大な選手の登場は最後の最後とのことなので、当分、市場に出すつもりはないようです。1996年ヴィンテージのリリースが待ち遠しいです!

◆製品についてのお問い合わせはテラヴェール(株) TEL 03-3588-2415

2019年12月06日

世代交代したシャンパンメゾン『ボワゼル』、マダム・エヴリンが息子に繋ぐ“ルーツと翼”

『ボワゼル』の5代目エヴリン・ロック=ボワゼルの引退アナウンスディナー

随所に細やかな気遣いが!



1973年に母親と共にメゾンを継承し、1985年に正式に社長職に就いたエヴリン・ロック=ボワゼルさんは情熱と誇りを糧に、今年の1月までメゾンの顔として活躍してきました。初来日した次男フロラン・ロック=ボワゼルさんは、今年、6代目を継承しました。今回来日していませんが、長男のライオネル・ロック=ボワゼルさんはマネージングディレクターに就任しています。
画像はボワゼル親子とディナーの仕切役を務めたウィラハンご夫妻。深い信頼関係で結ばれています。

New City Club of Tokyoの和食と合せて
テーマは日本の秋の味覚とボワゼルのシャンパーニュのマリアージュ!

先付けは鮑花林糖 揚げ銀杏 肝ソース × グラン・ヴィンテージ2008
御椀は松葉蟹真薯 蕪 法蓮草 柚子 × ジョワイヨ・ドゥ・フランス2004 (お出汁は2008)


お造りは河豚白子和え × ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2007


凌ぎは穴子の飯蒸し はじかみ × ジョワイヨ・ドゥ・フランス2004


煮物は海老芋揚げ出汁 × ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2007
ボワゼル親子にとって初体験だった“海老芋”の現物を披露!


のど黒醤油焼 大黒しめじ × ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2007


フロランさんが手持ちで運んでくださった逸品『ジョワイヨ・ドゥ・フランス1989』
旨味、バランス、奥行きのシャンパンでした、美味!


酢の物は香箱蟹 黄菊 胡瓜 × ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2007

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食事は雲丹蕎麦 キャビア乗せ × ジョワイヨ・ドゥ・フランス1989
甘味として登場した洋梨のゼリー掛け × グラン・ヴィンテージ2008

テイスティングしたアイテム

(左から)
◍ウェルカムシャンパンとして
#1:ブラン・ドゥ・ブラン シャルドネ
「歴史的なキュヴェで、100年以上にわたり生産しています」とフロランさん。GCのシュイィ、ル・メニル・シュル・オジェ、クラマンとPCのヴェルテュのシャルドネを使用。表現力、ポテンシャルのあるアイテム

◍ディナーで供出
#2:グラン・ヴィンテージ2008
ワインメーカーが笑顔になったヴィンテージ、偉大な2008年、力強さと複雑味、ぶどう品種はシャルドネ50%とピノ・ノワール50%、ドザージュ4g/L
#3:ジョワイヨ・ドゥ・フランス2004
メゾンのプレステージ・キュヴェ。エヴリンさんが命名したシャンパンでジュエル“宝石”の意味を持つ。ジョワイヨだけは樽使用(全体の5~20%)のワインを使用、2004年ヴィンテージの樽比率は10%、澱との接触は12年間で、その後デゴルジュマン。ぶどう品種はピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
#4:ジョワイヨ・ドゥ・フランス ロゼ2007
2000年が初ヴィンテージ、2004年に続き、2007年が最新ヴィンテージ。色調は淡いピンク、果実味があり、ドライフルーツやオレンジの砂糖漬け、タンニンのニュアンスも。ぶどう品種はシャルドネ38%、ピノ・ノワール62%(うち、10%はレ・リセのピノ・ノワールをブレンド)。ドザージュ4g/L
#5:ジョワイヨ・ドゥ・フランス1989
この日の為に特別に用意されたアイテム。豊潤な味わい、熟成させることでメゾンの真髄を発揮、ぶどう品種はピノ・ノワール60%、シャルドネ40%


長年の友情のあかし

通訳を務めたウィラハン・マミさんとマダム・エヴリンの素敵な笑顔!!


小松カメラマンの仕事ぶりをキャッチ!


全員集合の記念画像

マダムが語った“Roots and Wings”

日本の秋の味覚をいけばなで表現

エヴリンさんが好きなことわざ
There are two lasting things we give our children. One is roots and the other is wings.
我々が子供たちに永続的に与えることができるものがある、1つは “ルーツ” で、もう1つは“翼”である

ルーツはボワゼルの5世代にわたる歴史。フロラン新当主も「自分にも3人の子供がいるので、7代目に繋いでいきます」と笑いながら語っていました。
翼は未来に向かって共有できる幸せ、飛び立って新たなものを造り出し、将来の約束を伝えていく幸せを意味しています。
シャンパーニュ・ボワゼルは1834年に、オーグスト・ボワゼルと妻ジュリー・マーティンによって設立されて以来、家族経営を貫いていますが、新しいキュヴェを造り、流通のイノベーションを図り、国際的な評価を上げる等、各世代がメゾンに様々な貢献をしてきました。新世代の更なる発展を祈願しています!!!

[NEW]ワイン王国様のFBも併せてご笑覧くださいませ!!
https://www.winekingdom.co.jp/_ct/17322927

2019年11月02日

「ペリエ ジュエ グラン ブリュット」新デザインローンチ晩餐会スペシャルコラボレーション with ピエール・ガニェール

ペリエ ジュエ × ピエール・ガニェールの贅沢なコラボレーション

ANAインターコンチネンタルホテル東京36階『ピエール・ガニェール』絶景です!
テーブル上のボトルが新デザインになった『グラン ブリュット』
最左にあるブラン・ド・ブランやブラゾン ロゼはすでに瓶形が新バージョンに変わっているので、クラシックラインの最後を飾るのがグラン ブリュットになります。満を持しての登場です。 


秋の装いのアミューズ・ブッシュ


左から順に
マーテル・マム ペリエ ジュエ社セザール・ジロン会長兼CEO、ペリエ ジュエの最高醸造責任者エルヴェ・デシャンさん、ペルノ リカール ジャパンのマーケティング本部長のヤン・ソエネンさん、ペリエ ジュエの今期コラボレーション・アーティストのアンドレアス・マンクーゾさん

マンクーゾさんがデザインしたシャンパーニュ・グラス

ディナーの場で公式に使うのは本邦初!
グラスは3色あり、グリーンは自然、ローズはロゼ、アンバーはシャンパンで、ペリエ ジュエの各アイテムのキュヴェを表現しています。

ガニェールさんも来日!

そして・・・
晩餐会でのコラボレーションは美食の巨匠ピエール・ガニェールさん!
「ペリエ ジュエはシャンパンの精神を大事にしているメゾンなので、コラボレーションできて嬉しく思いますし、16年間、私と共に仕事をしてきたシェフと一緒にお料理を提供できることも喜ばしい」と挨拶しました。
ガニェールさんの来日に伴い、10月19日~24日までスペシャルコラボレーションメニューを提供していました。

席決めはスプーンで


セザール・ジロンCEOは35年程前、早稲田大学商学部に在籍なさっていたそうで、冒頭の挨拶は綺麗な日本語でした。晩餐会の歴史について触れ、“スプーン”についても語りました。
かつて、晩餐会の主催者がお客様をご招待する際には、スプーンも一緒に贈るという風習があったそうです。ゆえにディナーではそれを模したスタイルで席次決めすることに。今回、お招きを受けた人たちは綺麗に並べられたスプーンの中から1本選び、柄に刻まれた数字のお席に座ることになりました。私はNo.10、とっても小粋なおもてなし!


ディナーのスタートは、2年前にデビューしたペリエ ジュエのブラン・ド・ブラン


毛蟹と昆布のナージュ カリフラワーのスミテ
貝類のマリニエールと牡蠣のアイスクリーム


帆立尽くし!
帆立貝のラメル パルメザンチーズの香る梨と根セロリ
帆立貝のロースト
帆立貝のムースとブイヨンゼゼット


ベル エポック2012を料理に合わせて


クリスタル製ハンドメイド!


カボチャのヴルーテ 黒にんにくと柚子をファルスしたレタス


鱗焼きにした甘鯛 アンディーブともやし アンチョビバター



家具と照明デザインのバックグラウンドを持つミラノ拠点のイタリア人デザイナー
アンドレアス・マンクーゾさんは「ペリエ ジュエからミッションの話がきたのは1年前です。1個作成するのに1週間かかります。グラスもシャンパンも完成までの過程に共通するものがあり、エルヴェさんから様々なインスピレーションを得て、形にすることができました」と挨拶。


黒鮑 蒸した鴨フォアグラ 季節のキノコ ディアブルソースと共に


ペリエ ジュエ グラ ングリュットのジュレ
とろみをつけてグレープフルーツロゼと生姜


ベルエポックのロゼ2010はお料理とデザートに合わせて


黒毛和牛フィレ肉と雲丹 ロマネスコと磯の香るジャガイモのピューレを添えて


フランス ベルナール・アントニーさんの熟成チーズ
秋のハーブ 塩味を効かせたヘーゼルナッツ 自家製ミュースリー


柚子のシロップでポッシェした洋梨
パッションフルーツの香る洋梨のクーリー 
ペリエ・ジュエロゼのサバイヨン アマレットのソルベ
花束 バラの香る黒豆とアプリコット ピスタチオのパルフェ・グラッセ


アンバーカラーのグラス



お披露目されたペリエ ジュエ グラン ブリュット
繊細なボトルネック、フェミニンな肩のラインのボトルは1955年からメゾンにあったそうです。女性的なイメージのペリエ ジュエらしさを反映させたフォルムです。シャルドネ20%、ピノ・ノワール40%、ムニエ40%、白い花、白桃や梨、グレープフルーツのすがすがしく心地よい果実のニュアンス、バニラやブリオッシュの香り、口中では快活な溌剌感と深みのある熟成感が混じり合い、軽いビターさと優しい余韻



ディナーでご一緒したペルノ・リカールのジロンCEOやヤンさん、エルヴェさんを交えた集合写真。翌日25日はシャンパーニュ騎士団のガラ・ディナーでもヤンさんとエルヴェさんと再会できました!!




コラボレーション・アーティストのマンクーゾさんと一緒に!

数年前に韓国のロッテホテルの『ピエール・ガニェール』に行った時、ご本人がいらしたのですが、その時は通常のメニューでした。今回はペリエ ジュエのグローバルインフルエンサーとして契約したガニェールさんが、期限限定で提供したスペシャルメニューだったので、もの凄い気合を感じました。
牡蠣がダメな私でも牡蠣のアイスクリームは食すことができましたし、ユニークなもやし使いも面白かったです。すべての食材に神経が行き届いていて、素晴らしい印象でした。
ベル エポックはしなやかに料理に寄り添っていました。晩餐会にお招きくださったペルノ リカール ジャパン様に感謝しております、ありがとうございました!!

■製品についてのお問い合わせはペルノ・リカール・ジャパン ℡03-5802-2671

2019年07月05日

ブランド史上初「No.」入り製品として新登場のローラン・ペリエ『グラン シエクル』

ローラン・ペリエ チーム勢揃い!

(左から)
来日したギヨーム パイヤールLPインターナショナル キー アカウントマネージャー&日本・韓国担当マネージャー、マルセル ベルトLPアジア総括ディレクター、アレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール当主、ミッシェル フォコネ シェフ・ド・カーブ、ステファン ダルヤック社長&日本在住のフィリップ ソーゼット LPブランドアンバサダー

60年の歳月を経て・・・


ネックラベルに「No.」を記したグラン シエクル
No.24は2004年2006年2007年の3ヴィンテージによって構成されています。


前当主ベルナール・ドゥ・ノナンクール氏が1948年に、ローラン・ペリエ(LP)社を引き継いで、わずか60年足らずで、約100位から世界第3位に躍進したことは良く知られています。彼は新たなアイテムを次々と世に送り出してきました。その最高傑作はトップキュヴェの『グラン シエクル』、名付け親はあのシャルル・ド・ゴール大統領です。
この時、ドゥ・ノナンクール氏は39歳! 
1952年、1953年、1955年の3ヴィンテージをアサンブラージュ(ブレンド)して完成させた『グラン シエクル』のデビューは1959年でした。

アサンブラージュ(ブレンド)する理由
1950年代、ドゥ・ノナンクール氏が考え続けていたこと、それが“パーフェクトなヴィンテージの創造”です。

気候は毎年異なり、1度として同じ気候はない。シャンパン造りにおいて、たった1つのヴィンテージで、すべてを完璧に表現することは不可能である。ゆえに自然界が我々に決して与えてくれない“完璧さ”を追求するには、“複数のヴィンテージをブレンドする”こと。それこそが完璧なシャンパン造りの道である。

ベールを外したグラン シエクル
LPではこの70年間で29回ヴィンテージシャンパンを生産しています。
グラン シエクルに使用する品種はシャルドネ約55%、ピノ・ノワール約45%、ドザージュ約7g/Lで、3ヴィンテージをブレンドしますが、核をなすのは一番若いヴィンテージ。ぶどうの出処はシャンパーニュ地方にある317のクリュのなかのグラン・クリュだけで、白ぶどうはアヴィーズ、クラマン、シュイィ、ル・メニル・シュール・オジェ、黒ぶどうはアンボネイ、ブージー、マイィ、ヴェルジを中心とした11のグラン・クリュ。但し、デビュー以来、ブレンドしている3ヴィンテージについては非公開でした。

アレクサンドラ当主は「家族経営としてのメゾンを構築し、革新的なブランドとして発展させることが父ベルナール ドゥ ノナンクールの挑戦だったとしたら、メゾンの独立性を確たるものにすることが私と妹ステファニーの使命です」と語り、偉大な父親がブレンドの妙を生かして誕生させた『グラン シエクル』に、新情報を加えることを決断しました。

シェフ・ド・カーブが語った4つのグラン シエクル

1973年から3代目シェフ・ド・カーブとして活躍しているミッシェル・フォコネ氏、2014年以来の来日でした。その折の貴重なグラン シエクルテイスティング

も載せておきます!


創業200周年の2012年に完成したグラン シエクルだけの醸造施設(2018年11月撮影)

最高峰のものは時(の経過)がそれを教えてくれる。長熟なシャンパーニュはセラーで時を重ねていくことで、それが表現できる(ミッシェル・フォコネ)

グラン シエクルの熟成期間は最低でも8年を要します。
フォコネ氏は、バランスの良さ力強さエレガントさ、の3つの特長が突出しているシャンパンを造るために、3つのヴィンテージをブレンドした“マルチヴィンテージ”を採用し、ドゥ・ノナンクール氏が求めていた最高峰のシャンパン造りを手掛けています。


最新バージョンNo.24
3ヴィンテージは、酸はソフトながら骨格ある酒質の2004年、繊細かつエレガントな2006年、しっかりした酸を備えた2007年。色調は輝きのある淡いイエロー、細やかな気泡、フレッシュ感とシャルドネ由来の酸、シルキーなタッチ、今後の熟成が楽しみ。

現行ヴィンテージはNo.23

3ヴィンテージは、骨格のある2002年、爽やかさの2004年、No.23の中心となるヴィンテージでシャルドネのフィネスと繊細さの2006年。淡いゴールド、香りのインパクトはNo.24より際立ち、中盤から後半にかけての蜂蜜の要素好印象。石灰由来の香り、ミネラル、若干のビター感、今飲んで美味しいアイテム。

No22はマグナムでサービス


大容量は通常のボトルより熟成期間が長いのが特徴。15年間セラーで寝ていたシャンパン。3ヴィンテージは、フィネスとエレガンスの1999年、骨格の2002年、爽やかさとまるみの2004年。色調は深みのあるゴールド、 香りに複雑さがあり、柑橘果実、なかでも レモンやグレープフルーツ、ビスケットやブリオッシュ、中盤からグラン シエクルらしい蜂蜜のニュアンス、シルキーで爽やか。


ステファン ダルヤック社長とエレガントな女性当主アレクサンドラさん




特別供出されたのはLP創業200周年のためにリリースされた『レ・レゼルブグラン・シエクル』。No.17はシャルドネが完璧だった1990年、エレガントさの1993年、骨格の1995年の3ヴィンテージから構成されており、カーヴのなかでは“キュヴェ №571J”と呼ばれていました。ボトルのネック部分には職人の手による黒いひもが巻かれています。



セラーで24年間過ごしてきたシャンパン。白をベースにした綺麗なイエローで、香りにも味にも古酒の風味。最初に柑橘系果実、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、さらに熟成によるモカや焙煎香、スーボワの香りが広がり、口中ではシームレス、滑らかな舌触りで魅力的!


パークハイアットでサービスを担当したソムリエ諸氏


(左から供出順に)
No.24(2004/2006/2007)
No.23(2002/2004/2006)
No.22マグナム(1999/2002/2004)
No.17(1990/1993/1995)


アレクサンドラさんとは昨年以来の再会で、とっても幸せでした!


2007年もパークハイアット東京

2007年、ローラン・ペリエの輸入元がサントリーワインインターナショナル(株)に変わった時のお披露目イヴェントで、櫻井前社長とアレクサンドラさんの握手シーン。
この時の会場もパークハイアット東京でした。ローラン・ペリエにとっては節目の時にふさわしいホテルなのかも知れません(笑)

ブランド特設サイト公開
順次、「No.」のグラン シエクルがリリースされますが、No.ごとのヴィンテージは、サイト

で閲覧可能です!

■製品についてのお問い合わせ先
サントリーワインインターナショナル株式会社(お客様センター)/ ℡0120-139-380

2019年06月16日

ドゥ・ヴノージュのジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長来日で『Princes Brut Tour Eiffel』を本邦初披露!!

ヴィレッジ・セラーズ(VC)が昨年12月から輸入を開始したシャンパン『ドゥ・ヴノ―ジュ』からジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長が来日し、エッフェル塔建設130年記念ボトルの『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』を含む8アイテムをプレスランチで披露しました。
会場はマンダリンオリエンタル東京の『シグネチャー』、お料理は5月末に3代目総料理長としてお披露目・就任なさったルーク・アームストロング氏、ワインのサービスは加茂文彦シェフソムリエで、とても心地良いものでした。

今年1月のシャンパン講座でドゥ・ヴノージュ

にフォーカスしました。メゾンやアイテム等の全体像をつかんでいただくために、ブログをご一読いただけましたら幸いです。

とっても気になるエッフェル塔ボトル

2005年に社長職に就いたジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長
手にしているのは日本で初めて披露された『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』

ドゥ・ヴノージュは1837年にスイス人のアンリ・マルク・ドゥ・ヴノージュが65歳で興したメゾンですが、妻が資産家の娘(ミラノ市長を務めたBelinzaghi Family/ベリンザギー家出身)だったこともあり、資金的な苦労はなかったようです。19世紀末のドゥ・ヴノージュは100万本以上を生産し、モエ・エ・シャンドン、モノポル・エドシックと並ぶトップ3に名を連ねていました。

ドゥ・ヴノージュ自体、自社畑は所有していませんが、80㌶分のぶどうは供給可能で、150年以上の取引をしている契約農家もあります。現在の年間生産量は100万本以下、質を重視するメゾンです。1998年にボワゼル・シャノワーヌ、シャンパーニュ・グループ(BCCグループ)の傘下となり、2006年からランソンが参入したので、今はLANSON-BCCに。同グループはシャンパーニュ業界第2位のボリュームを誇っています。
ジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長は「グループ内ではボトルのまとめ買いや流通で融通が効きますし、ロゼに使うPNはレ・リセに40㌶の畑を持つアレクサンドル・ボネから譲り受けています」と説明していました。
また、昨今、シャンパーニュ地方では女性のシェフ・ド・カーヴが増えていますが、ドゥ・ヴノージュでも1998年からイザベル・テリエ女史が活躍しています。前任のエリック・ルベル氏(現在クリュッグの最高醸造責任者)と3年間共に働き、指導を受けたそうです。


適切な供出温度で状態完璧、当日のサービスを担当してくださった加茂シェフソムリエ
(左から)コルドンブルー・ブリュットNV、同ロゼNV、プランス・ブラン・ド・ブランNV、同ブラン・ド・ノワールNV、同トゥール・エッフェルNV、ルイ15世2008、ルイ15世1996、プランス・ロゼNV


NVプランス・ロゼが〆のアイテム!
PN100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%)で平均樹齢45年、レ・リセの赤ワイン(PN)を6%ブレンド、ベースワインは2013年、ドザージュ6g/L、デゴルジュマンは2019年1月。爽快で赤い果実とミネラルが特徴


3代目総料理長は豪州出身

アームストロング氏は北海道の雲丹やブルターニュ産のオマール、鹿児島産の黒豚等を使い、ドゥ・ヴノージュとの至福の世界を展開



雲丹のミネラル感と甘さ、その後に、ねっとりとした食感が広がり、極上の味わい!
コルドンブルーのミネラル、ロゼのタンニンが雲丹の様々な要素を引き出す印象


コルドンブルーの裏ラベルにはデゴルジュマンの年月(2018年2月)、ドザ―ジュ量(6.1g/L)の記載があり、QRコードでボトル情報が確認できます!

現在市場に出ているNVのベースワインは2013年、リザーヴワインは2年迄さかのぼるので、通常なら2012年と2011年を20%使用します。但し、このNVのリザーヴワインは2012年のみ20%、2011年は出来が良くなかったので使っていません。グラス内の温度上昇で味わいにまるみ、芯のある酸の存在を感じました。

<新情報>
ベースワインが2014年に変わる段階で、品種のブレンド比率はCH、PN、PM各3分の1に変更予定。今までより、シャルドネを多く使うことで、エレガントさをより強調する狙いとのこと。
2018年にコトー・シャンプノワ(非発泡性ワイン)の白2,000本とロゼ1,000本を生産。2002年にも生産しています。「販売するのが難しい商材でしたが、近年ブルゴーニュワインが高騰していることもあり、以前よりは売りやすくなりました」とジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長


インゲン豆のサラダ ヘーゼルナッツ 山形産桃とソテーしたフォアグラ
ヘーゼルナッツの香ばしさとフォアグラの柔らかい食感が絶妙


コルドンルージュ・ロゼNVのベースワインは2014年、品種はピノ・ノワール60%、ムニエ20%、シャルドネ20%で、レ・リセのピノ・ノワールを8%(通常6~8%)ブレンド、ドザージュ7.8g/L
<新情報>
ドザージュ量に関して現在の7.8g/Lを、次のデゴルジュマンで6.9g/Lに変える予定


プランス・ブラン・ド・ブランNVのベースワインは2012年、リザーヴワインは2010年を20%使用。ドザージュ6g/L、デゴルジュマンは2018年。メニル・シュル・オジェ80%とトレパイユ20%のシャルドネを使っていて、前者のキレと力強さ、後者のまろやかさがバランスの良い味わいに。気泡の繊細さが5年間の熟成を物語っています!


ブルターニュ産オマール海老のバターロースト アスパラガス イエローワインソース(海老の味噌とヴァン・ジョーヌを使ったソース)



パリのシンボル“エッフェル塔”が描かれた『プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV』
1889年に開催されたパリ万国博覧会のために建設されたのがエッフェル塔であり、その時の公式パートナーがドゥ・ヴノージュでした。そのご縁から、ちょうど130年目にあたる本年、パリ市からライセンスを取得して、リリースさせたのがこのシャンパンです!
ベースワインは2013年、シャルドネ、ビノ・ノワール、ムニエを各3分の1ずつ使用、ドザージュ6g/L、生産本数は限定15,000本、そのうち500本のみ日本で12月末発売予定、楽しみです!


金目鯛フィレのロースト あおりイカとソテーしたポワロ葱
魚の鱗をパリパリにした食感が魅力!

プランス・ブラン・ド・ノワールNVのベースワインは2013年、ヴェルズネイ80%とレ・リセ20%のピノ・ノワールを使用。ドザージュは6g/L、デゴルジュマンは2019年1月。ヴェルズネイのフレッシュでエレガントなタッチとレ・リセの軽快かつ繊細な要素がうまく融合したアイテム。

ドゥ・ヴノージュがデザインし、意匠権を有す瓶型


カラフェ型のボトルは1858年にオランダ王室オラニエ公(王太子)へのオマージュとして造られたもので、当時はロレーヌ地方の『サン・ルイ』が製作していました。1961年にドゥ・ヴノ―ジュが意匠権を得て、シャンパンボトルとして使用を開始しました。ジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長から「研究の結果、通常の瓶型と比べて、酸化が緩やかであることが判明しています。ルミアージュも機械で行っていますが、特殊な瓶なので、500本入れるところを200本程度にしています」との解説あり!


黒豚ロースのグリル 京人参 春野菜 シャルキュトリソース



20世紀と21世紀の秀逸なヴィンテージの利き比べ、共にドザージュ6g/L、デゴルジュマン2018年1月です。
溌剌とした口当たりで酸味豊かな2008、ぶどう品種はピノ・ノワール50%(ヴェルズネイ41.5%、ブージー8.5%)、シャルドネ50%(アヴィズ20%、クラマン15%、メニル・シュル・オジェ15%)、2008年ヴィンテージはメゾン初のノン・マロ(非MLF)、今後造るものはすべてノン・マロになる由。まだまだ若いですが、複雑味に富み、長期熟成が楽しみなシャンパン

熟練の味わいの1996、ぶどう品種はピノ・ノワール50%(ヴェルズネイ、アンボネイ、マイィ、ブージー)とシャルドネ50%(アヴィズ、クラマン、オジェ、シュイィ)、ゴールドの色調で、古酒に由来する焙煎香やココア、気泡はワインに溶け込みシームレス、全体的に優しい印象、スリムなスタイル。「かなりの量をストックし、毎年3,000本ずつデゴルジュマンをしています。今年も行いました。今、ようやく、バランスが取れ始めてきました」とジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長


沖縄産黒砂糖とホワイトチョコレートのタルトには甘酸っぱいベリーのソースを使っていたので、プランス・ロゼの赤系果実のニュアンスと相乗し、チョコのポリフェノールとロゼの若干のタンニンが良いバランス!


7~8年前からシャンパンの扱いを開始したヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長&中村芳子専務、新規メゾン『ドゥ・ヴノージュ』の動きも快調なので、ジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長も満身の笑顔!

製品についてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ(株)
TEL:0120-106-876 / FAX 0120-288-788
E-Mail:wine@village-cellars.co.jp
FB:https://www.facebook.com/villagecellars

2019年03月28日

デュヴァル=ルロワ × アンド・エクレの世界 by アイコニック ワイン・ジャパン

2018年7月から輸入元はアイコニックワイン・ジャパン

ジュリアン・デュヴァル=ルロワ副社長(左)とアイコニック ワイン・ジャパン(株)のダンバー・アンドリュー社長

先月、シャンパンメゾンデュヴァル=ルロワ

のジュリアン・デュヴァル=ルロワ副社長が来日して、『デュヴァル=ルロワが誘うシャンパーニュの調べ』と題するランチセミナーを行いました。10ヶ月ぶりの再会でしたが、前回と異なっていたのが輸入元さん。昨年7月からアイコニック ワイン・ジャパン(株)に変わりました。



沿革についてはジュリアンさん、通訳はメゾンの顔として活躍中のジャパン・アンバサダー、ドッヴィッレ・アントニーさん。

ヴェルテュに住んでいたぶどう栽培業者のデュヴァル家とランスに住んでいたネゴシアンのルロワ家の結びつきからメゾンの歴史が始まり、今に至るまで家族経営を貫いています。ジュリアンさんの母キャロルさんは夫が亡くなった1991年に、5代目当主となり、遺言を守りながらメゾンの発展に尽力。会長職に就いた今もメゾンをけん引しています。
デュヴァル=ルロワは当主が女性というだけでなく、シェフ・ド・カーブも女性で、1991年にサンドリーヌ・ロジェット=ジャルダン女史が就任しました。
メゾンのシンボルとも言える、“ファム(女性の意味)・ド・シャンパーニュ”のボトルは女性らしいフォルムで、3人の息子(ジュリアン、シャルル、ルイ)のイニシャルが刻印されています。
キャロル会長は昔からソムリエの育成に力を入れており、本国のみならず、日本の(一社)日本ソムリエ協会の若手ソムリエ育成プログラムのスポンサーになっており、毎年入賞者をフランスに招待しています。また、ガストロノミー文化の継承にも貢献、2年前にルレ・エ・シャトーのオフィシャル・スポンサーになりました。



供出されたシャンパン


(右から)
#1:ブリュット・レゼルヴNV
ベースワインは2012年、リザーブワインは2009年、2010年、2011年
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、ムニエ30%、シャルドネ10%(リザーブワイン40%)、ドザージュ:8g/L、ステンレスタンク内で発酵・熟成、MLF有、最低30ヶ月瓶熟成

#2:フルール・ド・シャンパーニュ・プルミエ・クリュ・ブリュットNV
1911年から生産しているアイテム
ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%、ドザージュ:8g/L、ステンレスタンク内で発酵・熟成、MLF有、最低30ヶ月瓶熟成、“フルール(花の意味)”と命名された花のような香りを放つ主力シャンパン

#3:ファム・ド・シャンパニュ・グラン・クリュNV
ベースワインは2004
ぶどう品種:シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%、ステンレスタンクで発酵、MLF有、13%をオーク樽で9ヶ月熟成(使用樽中心)、瓶内熟成8年以上を経て出荷

#4:ミレジム・プレスティージュ・ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ・ブリュット2006
ぶどう品種:シャルドネ100%、ドザージュ:3.6g/L、ステンレスタンクで発酵・熟成、MLF有、4%を樽で9ヶ月熟成(使用樽中心)

#5:ロゼ・ブリュット・プレスティージュ・プルミエ・クリュNV
「市場の10本に1本はロゼ」とドッヴィッレ・アントニーさん
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%、ドザージュ:10g/L、ステンレスタンクで発酵・熟成、MLF有、最低30ヶ月瓶熟成


訪問時、ぶどう畑でウサギ発見(オレンジ色の部分)、自然の宝庫!

ガストロノミーのためのシャンパン



アンド・エクレ

のオリヴィエ ロドリゲスエグゼクティヴ・シェフ
デュヴァル=ルロワとは、今回が初コラボではなく、沖縄のイベントでタグを組んだとのこと。マリアージュの基本を、調和とコントラストと語っていました。

双方の共通要素を生かして

紅玉りんごを様々な形で・・・
シャンパンと生(なま)りんごのフレッシュな酸味、泡とムースの滑らかな食感にココアパウダーをまぶすことで、シャンパンの香りとも同調させる組み合わせ
デュヴァル=ルロワの実力を示す主要アイテム、柑橘系果実、白桃、スパイスの香り、綺麗な酸味が広がり、安定感のある味わい


雲丹のブラマンジェ&カリフラワーのムースとカボス
シャンパンと雲丹の共通要素は“ミネラル”、カボスの香りが、フルールの香りを引き立て、#1同様、穏やかな気泡はムースのクリーミーさと渾然一体。シャンパンにベジタルな要素があるので、カリフラワーとも相乗


アプリコットクルートをまとったホタテ貝&時色平茸のリソレ
オリヴィエ ロドリゲスエグゼクティヴ・シェフが選んだシャンパンは“ファム”
熟した果実、ドライフルーツ、スパイス、樽由来のヴァニラ、ロースト、マッシュルーム、中盤以降の重厚感
私感:NVのファムは初体験、当日のマイベスト、さすがファム! 料理とシャンパンの力関係が均等ではなく、ファムのほうが強かったような・・・女性(ファム)でも芯の強いタイプなので、マリアージュ的にはメインのホロホロ鶏胸肉と合せたほうがバランスが良かった印象


山梨県産ホロホロ鶏胸肉のシュプレームソース&京人参 
ブラン・ド・ブランの白と生クリーム、バター、レモン汁を使ったクリーミーな白いソース。シャンパンと食材の酸とミネラル、トリュフをまぶすことで、シャンパンの熟成感とも合わせて


淡雪イチゴと柚子のブリオッシュパンベルデュ&とちおとめのソルベ
「香りと味わいの調和」とシェフ。色でも五感を刺激する一品。シャンパンと淡雪いちご、とちおとめ、柚子3品の酸の調和、柚子はシャンパンと食材のつなぎ役として大事な存在!


デュヴァル=ルロワについてのお問い合わせ先はアイコニック ワイン・ジャパン
℡044-863-8157
URL:http://www.iconicwinejapan.com

2018年06月15日

『メゾン マム』のRSRV ロゼ・フジタ発売記念ディナーはレオナール・フジタの作品と共に!

メゾン マム RSRV(アール・エス・アール・ヴイ) のニューフェイスは『ロゼ・フジタ』


スペシャル・ディナーの会場はミシュラン二つ星ピエール・ガニェール


現在、世界で14店舗を展開、高級レスランからビストロ、ステーキハウス等、様々なジャンルに取り組んでいます。この日は赤坂洋介エグゼクティヴ・シェフがウルトラプレミアム・レンジのメゾン マムRSRVのシャンパンに合わせた素晴らしい料理を考案してくれました。


デイデイエ・マリオッティ最高醸造責任者のナビゲートで


レオナール・フジタの絵画とディディエ氏

今年はレオナール・フジタ没後50年

Photo by Fumiko
ランスのメゾン マムと至近距離にあるノートルダム・ド・ラぺ礼拝堂
レオナール・フジタの思いが今も息づいています。

ウェルカムシャンパンはグラン コルドン


テーブル上にあるプリント物は銀座『日動画廊』の紹介文です。
ディナー会場には長谷川徳七社長ご夫妻のご厚意により貸し出されたフジタの8作品(時価4億円以上)が展示されており、ご夫妻も同席なさっていました。
昭和8年に同画廊に立ち寄ったフジタと前社長との出会いから交流が始まり、戦前は10回以上の個展やグループ展を開催してきたという日動画廊。81歳で他界したフジタの葬儀には当時29歳だった長谷川氏も参列なさった昔話もあり、長谷川社長は「フジタとの出会いによってヨーロッパ絵画を扱う大きなチャンスを得ました」と述べていました。



壮観、大容量マチュザレム(6,000ml/ 8本分)
フレッシュでありながら奥行きのある味わいは魅力的


コルクも重量級

ラベルの変遷
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大好きな映画『カサブランカ』には初期のラベルが使われていますが、現在のボトルは世界的デザイナーのロス・ラブグローブ氏がデザインしました。



ピンクとグリーンの対比がイイ感じ


繊細さを感じるフィンガーフード


レオナール・フジタへのオマージュとして創り出されたロゼ・フジタ

ディディエ氏の背後にあるフジタの作品、おわかりいただけますか。

RSRVとは“リザーヴ”を意味しています。新しいコレクションに名をつけるにあたり、ディディエ氏は「メゾンの歴史に思いを馳せ、その時にメゾンにとって最も大事なものはブラン・ド・ブランであるとの結論に達しました。元々、弊社のブラン・ド・ブランは大切な友人への贈りものとしてキープしておくアイテムであり、ラベルは付けず、大事にとっておく特別なワインでした。RSRVはすでに発売されているブラン・ド・ブラン2012、 ブラン・ド・ノワール2008、ブリュトNVと、ロゼ・フジタの4アイテムになりますが、今回、ロゼを発売するにあたり、当然のように、弊社と深いつながりのあるフジタの名が浮かびました」と解説しました。

卓越したテロワールとグラン・クリュのみのぶどうから造られる最高級のRSRVは昔から傑出したワインにのみ記されてきた識別コードであり、RSRVの印こそがメゾン マムの最高評価のシャンパンであることを示しています。

5月8日にデビューしたロゼ・フジタ

メゾンの親しい友人だった日本人画家レオナール・フジタへのオマージュとして誕生したロゼ・フジタ、ボトルネックにフジタの“バラ”が描かれています。


ディルの香るフランス産アスパラガス、ホタテ貝とモルタデッラ × ロゼ・フジタ、絶妙なハーモニー



ディデイエ:私にとってロゼは夏のイメージ。既存のグラン コルドン ロゼは日中に飲む感じですが、ロゼ・フジタは夏でも夕暮、夕日がピンクやオレンジに変わった頃です。気温も若干落ちかかっていながら、まだ、温かさが残っている空気感、そのような時間帯をこのキュヴェに再現したいと思いました。柑橘系ならブラッドオレンジ、つぶした甘いフルーツソースのような赤い果実、その背後にかすかなスパイスのニュアンスがあり、それが複雑性をもたらせています。


「とても良いマリアージュ!」とディディエ氏も絶賛

ブラン・ド・ブランは白亜質の世界を意味するクラマン100%
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友人たちにシャンパンを贈る時、(右上の)角を折り込んだ訪問カードを添えるしきたりがあり、その伝統を模したラベルデザインになっています。これは特別な友人への敬意と信頼の証です。



ディディエ:ブラン・ド・ブランこそが、RSRMの元祖と言えるもので、正確性があり、ピュアでシンプル。ものごとは単純であればあるほど間違いができないので極めるのが難しいです。このシャンパンは空気感、フレッシュさがあり、レモンやライム、かすかに白い花も感じます。それからクラマン村のテロワール、それは白亜質に由来するミネラルで若干塩味のある印象です。クラマンはフランス語の古語で“白亜質の世界”を意味しています。私にとっては緊張感があり、まっすぐな印象のシャンパンです。


ライムバターの香る的鯛のグルエ、オニオンフォンデュとマンゴー、ロケットサラダと共に
シャンパンから感じるレモンやライムと渾然一体、美味!

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五感を刺激するマリアージュ

今世紀最高のヴンテージ2008
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ディディエ:ブラン・ド・ブランと対極をなすアイテム。コレクションに入れるにあたり、幣社が所有しているモンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ畑ヴェルズネイのピノ・ノワールを使って造りました。ヴェルズネイは北向きなのでそれほどパワフルなピノではなく、ブラン・ド・ブランと同じようなミネラル感がありますが、それは火打石由来のミネラルです。果実感としては熟れた果物、ドライフルーツ。特筆できるのはヴィンテージで、2008年は1996年以来の優れた酸味を有しており、このシャンパンには複雑みと力強さとともに直線的な緊張感があります。

ディディエさんは、「1996年と2008年ヴィンテージは良く似ている」と語っていましたが、2008年を「優しくて穏やかな1996年」と表現していたのが印象的でした。1996年ヴィンテージは20年経過しても酸が活き活き、30年以上熟成可能なヴィンテージだと私は思っています。



岩手県産ホロホロチョウのロースト、コンテチーズ、才巻海老、モリーユ茸のフリカッセとグリンピース × ブラン・ド・ノワール
ホロホロチョウのソフトな食感、素材から伝わってくる様々な要素がピノ・ノワールの洗練された味わいと2008年VTのしっかりした酸味と相乗してナイス!


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独特な細長いボトルネックはワインのアロマをさらに引き出し、穏やかな熟成を促します。



RSRVシリーズは裏ラベルに瓶詰日(2009年6月)、デゴルジュマン(2017年1月)の記載あり。


ブラン・ド・ノワールのキャップシュールはシンプルな黒色


デザートは赤いフルーツのコンポート、ロゼ・フジタのシャンパンを使ったムース、フランボワーズのアイスクリーム × ロゼ・フジタ
これは色で合わせるマリアージュ、見事な着地になりました!


当日供出されたRSRVのロゼ・フジタを手に

製品についてのお問い合わせはペルノ・リカール・ジャパン ℡03-5802-2671


メゾン マムRSRV ロゼ・フジタが楽しめるレストラン
RSRVは希少なシャンパンなので、ごく限られたレストランでのみ味わうことができます。
★グランドハイアット東京「The Oak Door」/ ボトルのみ
★Dominique Bouchet / ボトル、6月末までグラス販売実施中
ブラン・ド・ブラン(ボトルのみ)
★銀座レカン/ ボトル、6月末まで販売実施中


レオナール・フジタ(藤田嗣治)関連情報


没後50年を記念して7月31日(火)~10月8日(月・祝)まで上野の東京都美術館で『藤田嗣治展』を開催>>>https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_foujita.html

フジタの作品を観た後は、メゾン マムのグラン コルドン ロゼを是非!

2018年06月11日

ローラン・ペリエのアレクサンドラ当主を迎え発売から50周年のキュヴェ・ロゼを堪能!

愛娘ルーシー嬢を伴って

輸入元サントリー・ワイン・インターナショナル(株)の招聘で来日したローラン・ペリエのアレクサンドラ・ペレイル・ドゥ・ノナンクール当主(右)とルーシー嬢
ポメリー、ヴーヴ・クリコ、ボランジェ等、昔からシャンパン業界では女性の活躍が目立ちますが、今世紀に目を向けて見ると、エレガント系の女性当主の筆頭は何と言ってもアレクサンドラ当主! 高級シャンパンのイメージにぴったりです。



一昨日、NHKのBSプレミアムで『ロイヤルウエディング ワインに秘められた物語』という番組が放映されていました。2011年に執り行われたウィリアム王子とキャサリン・ミドルトンさんのロイヤルウエディング話題で、挙式後に開催されたチャールズ皇太子主催の晩餐会

に、ロイヤルワラントの ローラン・ペリエが振舞われたというお話でした。現地訪問を交えながらメゾンを丁寧に紹介していましたが、大橋健一MWがゲストとして同席していらしたこともあり、ワインやシャンパンについてはとてもわかりやすい説明になっていたと思います!

ロイヤルワラントのシャンパン

資料提供:英国政府観光庁
ローラン・ペリエはチャールズ皇太子が推奨する唯一のシャンパンメゾン。ヘンリー王子とメーガン・マークルさんのロイヤルウエディングでは、レセプションでポル・ロジェ(ブリュット・レゼルヴ)がサービスされましたが、ポル・ロジェはエリザベス女王推奨のメゾンです。




5月22日、アレクサンドラ当主を囲んでのディナーの席で、「ヘンリー王子の結婚式ではローラン・ペリエが供出されましたか?」と質問したところ、「私たちも王室からの連絡を待っているところなんです。身内の方々との夕食会では飲まれたようですが、今週(5月第4週)はチャールズ皇太子の70歳の誕生日の祝賀イベントがあるので、その折、ローラン・ペリエでお祝いするようです」とおっしゃっていました。

キュヴェ・ロゼ誕生から50年!
200歳を越える若いメゾン『ローラン・ペリエ』


独立系家族経営のメゾン『ローラン・ペリエ』の創業は1812年。1948年にベルナール・ドゥ・ノナンクールさんが跡を継ぎ、その段階で100位に甘んじていました。しかし、創造性に富んだアイデアでユニークなアイテムを次々とリリースし、わずか40年で、世界第4位に躍進。現在契約農家は約2000軒ありますが、信頼関係を保つことを何より大事にしていたドゥ・ノナンクールさんの足跡を見事に反映しています。

供出シャンパン
La Cuvée/ラ・キュべ



誕生までに16年かかったメゾンの顔。圧搾時に使う果汁は80%。一番搾りのうち、最初と最後に流れてくる約2hl前後の液は使わないで、中心となるキュベのみ使うので“La Cuvée”、だから「大文字よ」とアレクサンドラ当主。シャルドネの比率を5%アップし、熟成期間も1年延長したNV、より上質感が増しました。

ピュア、爽やか、エレガントなCuvée Rose/キュヴェ・ロゼ

1968年にデビューしたセニエ法のロゼ・シャンパン。シャルドネを重視しているメゾンがリリースしたピノ・ノワール100%の画期的なシャンパンです。南向きの畑のぶどうを使い、ロゼ専用の施設で仕込みます。除梗してタンクに入れ、マセラシオンは48時間から72時間、瓶熟5年間、マグナムはさらに1年延長しています。
守備範囲の広いロゼ、私のお気に入り。誕生してから今年で50年になりました!

Cuvée Alexandra2004/キュヴェ・アレクサンドラ2004

凛とした風情のあるロゼ・シャンパン



グラン・クリュ畑のピノ・ノワールとシャルドネが同時に熟したので、同時に収穫できた1982年。とても珍しい出来事でした。同メゾンではピノ・ノワールのマセラシオン(キュヴェ・ロゼでの経験)をさらに進化させ、そこに20%前後のシャルドネをブレンドすることにします。より長熟のシャンパンになると確信したからです。爽やかでしっかりとしたストラクチュアのロゼ・シャンパンはセラーのなかでデビューする日を待っていました。

香水業界で働いていたアレクサンドラさんが父親に「結婚したい」と伝えたのは1987年のことでした。それが契機となり、同年10月に執り行われた結婚式で、花嫁の父のスピーチに代わり、ベルナールさんの気持ちを雄弁に語っていたのが、花嫁の前に登場した『キュヴェ・アレクサンドラ・ロゼ』という名のシャンパンでした。
アレクサンドラさんは「父の気持ちが直接心に響いてきた」と語っていました。
そして・・・
「父が一緒に働こうよと語りかけているのがわかりました」とも言っていました。
素敵なシャンパン誕生の秘話とアレクサンドラさんがシャンパン業界に参画することになった経緯です。

このシャンパンの色調について「シャンパーニュ地方の冬の時期、夕暮れの空に広がる燃え立つような夕焼け」とアレクサンドラさん。夕焼け色、なるほど!

グラン・クリュ畑のピノ・ノワールとシャルドネが同時に熟さないと造れないキュヴェ・アレクサンドラ・ロゼの初ヴィンテージは1982年(1987年に市場デビュー)、その後は85年、88年、90年、97年、98年、そして現行ヴィンテージの2004年。今後の予定として2006まで決まっています。

Menuは


当日の料理は六本木フィリップ・ミルの藤田博和料理長が担当。すべてはシャンパーニュ地方にいるミルさんから送られてきたオリジナルメニューで、『レ・クレイエール』でも提供していない内容とのこと。「フィリップ・ミルは不在ですが、彼の気持ちはここにあります」と料理長。


グロゼイユでマリネした鮪のタルタル
ロゼ色の様々な大根パレット ピンクパッパ―のアクセント
「海の底を見ているみたい。ロゼは食事と色で合わせてということが大事ですね」と当主


Photo by Fumiko (2017年3月撮影)
パレットに描いた様々な彩り野菜のマリネ 大根のジュレ by Philippe Mille



ブルターニュ産オマール海老のロティ バスク唐辛子のポアン バーベーリー香るビスク
ロゼ色のシャンパンソースを纏ったカッペリーニ キャビアを添えて


香ばしく焼き上げた鴨胸肉と赤玉葱 ビーツを彩った小蕪
苺とリュバーブのコポーを添えて

デザート



ミルフィーユしたフィーユ チェリーの香り
レ・クレイエールのミルさんの元で働いていた石田さんなので、彼の美的センスがきちんと伝授されている感じ、お見事!


Photo by Fumiko (2017年3月撮影)
六本木テラスに舞い散る“桜” by Philippe Mille
ミルさんならではの繊細なデザートは本当にきれい!


カラーの着物で感謝の気持ちを!

Photo by Tadayuki YANAGI

素敵な親子は偉大なベルナール・ドゥ・ノナンクールさんのDNAを継いでいますね。
ちなみに前当主の身長は195㎝だったとか。
日本初来日のルーシーさんは本格的にワイン学習中。今回京都や大阪を訪問なさった由。「東京と日本酒にびっくり」と。近年、フランスでは日本酒への関心が高まっていて、どのように味わうか、どのようなマリアージュがあるのか等、皆さま、熱心だそうです。

私の“カラーの絵柄”の着物はローラン・ペリエのイメージフラワーの“白いカラー”に合わせて仕立てた一点。来日したアレクサンドラさんには絶対に見ていただきたかったので、喜んでいただき、光栄でした。[黒ハート]

ローラン・ペリエの華麗なロゼの世界!
幸せな時間を共有させていただき、アレクサンドラ当主&ルーシーさん、ありがとうございました!
サントリー・ワイン・インターナショナル(株)の新村聡執行役員、ギョーム・パイヤール日本担当・インターナショナルキーアカウントマネージャー、ローラン・ペリエのアンバサダーフィリップ・ソーゼットさん、阪本琢哉さん、ありがとうございました!
六本木フィリップ・ミルの皆さま、お世話になりました。 

2018年03月12日

ポル・ロジェのセラーから発見された118年前の運命的なシャンパンボトル!

118年を経て発見されたシャンパン!

(左から)
奇跡的なボトル発見で喜びのローラン・ダルクール社長、ドミニク・プティ セラーマスター、ユベール・ドビィ5代目当主、クリスチャン・ドビィ4代目、新任セラーマスターのダミアン・カンブル氏

歴史的セラーの上に新しいパッケージ設備を建設するため、地質調査をしていた時に、空洞に突き当たり、中にあるガラス片を発見。ポル・ロジェのセラーには埋もれたシャンパンがあることはわかっていたので、プティ氏は折に触れ、空洞がないか、執念で調べていました。その彼が、リタイアを控えた今年1月15日、探し求めていたシャンパンと劇的対面! 
ダルクール社長いわく「これは運命」と語っていました。

セラーマスターのドミニク・プティ氏とダミアン・カンブル氏

ドミニク・プティ氏(左)、ダミアン・カンブル氏
セラーマスターのドミニク・プティ氏は25年『クリュッグ』に勤務。その後19年はポル・ロジェで手腕を発揮しました。今月3月末で退任なさるのですが、今回のオールド・ヴィンテージ発見には、彼の強い想いがありました。新任のダミアン・カンブル氏は1年前からプティ氏についてポル・ロジェスタイルを習得。シャンパーニュ地方出身の彼は、ニコラ・フィアットに15年、協同組合(グッド・ドール)で研鑚を積んできたつわもの。ポル・ロジェのメンバーから深く信頼されています。


118年を経て発見された運命的シャンパンボトル
1900年2月23日セラー崩壊
この日、予期せぬ惨事が起きました。
午前2時頃、雷のような鈍い轟音が起こり、2時間後のけたたましい音でモーリス・ポル・ロジェとセラーマスターのルクルーは異常に気付きました。激しい音の出処はカーヴで、巨大な地下室の一部は陥没、隣接の建物は崩壊していました。
保管していた大量の樽やボトルは破損し、事故の損失は500樽と150万本のボトル!
雨が多かった1900年、カーヴの石灰質(チューク層)が水分を吸収し、カーヴ内がもろくなっていたことが原因の崩壊でした。
『ブルゴーニュワイン100年のヴィンテージ 1900年ー2005年(白水社刊)』の1900年の気候を見ると、「7月末、北部で非常に激しい雷雨があり、この年を台無しにしてしまった。28日夜、モレ=サン=ドニやジュヴェ=シャンベルタンの集落でとりわけ大きな被害を出し、泥が道にあふれ、多くのカーブが浸水した」との記述があり、雨が多かったことがわかります。

2018年1月15日埋もれていた宝発見
地下で、地質調査を見ていたプティ氏とカンブル氏。ちょうどプティ氏が地上にあがった時に、空洞から割れたガラスの破片、その後に無傷のボトルたちが! 見つけたボトルを持って一目散に地上のプティ氏のもとに駆け付けたカンブル氏。これこそ、プティ氏が何年もかけて探し続けていたボトル(古くて1887年、若くて1898年)、貴重な宝ものが遂に見つかったのです!

映画のようなストーリー、今月引退のプティ氏だけにダルクール社長の話を伺っていて、感無量になりました。地下のカーヴは石灰質(チョーク質)が湿っているため、現在調査は待機中。シャンパンボトルの調査を楽しみに待ちたいと思っています。

ドイツ軍が唯一の顧客

『ワインと戦争』は副題がヒトラーからワインを守った人々です。
本のなかに登場するブルゴーニュのドルーアンでも壁に穴を開け、略奪されないように大事なワインを隠していました。ポル・ロジェでも、チャーチルの好きな1928年VTや大事なVTは隠していたので、古いものでは1892年、1904年、1914年、1921年といったVTが少量ながら保管されています、凄いことです。

ポル・ロジェ発刊の本には、ポル・ロジェのシャンパンがドイツ人のワイン商によって取引されていたことが記されています。
ワイン商の記録として「1940年8月から1944年8月まで、毎週35万本のシャンパンがドイツ軍に納品され、そのなかで、ポル・ロジェは4年間で118万本販売していた」と。
戦時中、メゾンにとっての唯一の顧客はドイツ軍であり、2万本程度はドイツのレストランやホテル、フランスのナイトクラブに供給されていて、在イタリア日本国大使館の大使もポル・ロジェを購入していたとの記録もあります。モーリス・ポル・ロジェは「戦時中はドイツ軍が唯一の顧客だった」と語っていますが、同時に苦い思い出でもあったようです。

ポル・ロジェにとっての吉報


ここ数年発信されている『World's Most Admired Champagne Brands 2018(Drinks International)』のランキングですが、1位のルイ・ロデレール

は100%納得できます。醸造&栽培に秀でているレカイヨン氏の凄さには脱帽です。2ランク上がり2位になったポル・ロジェ

、飲めばわかる酒質。減農薬で長期的展望に立ち持続可能な農法を行っています。そして3位のシャルル・エドシック

、ippinで紹介した時(2015年10月)、そのリアクションの少なさに唖然としましたが、私はこのメゾンこそ、知る人ぞ知るメゾンで良いと思っています。3位までは同意です!


ダルクール社長は、「今年は嬉しい出来事がたくさんあって」と満面の笑みを浮かべていました。
次なる夢は、ロイヤルワラントのポル・ロジェを、ヘンリー王子の結婚式のシャンパンとして供出させたいようです(笑)。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式にも登場していたポル・ロジェだけに期待は高まります。さらなる飛躍を!

■ポル・ロジェについてのお問い合わせはジェロボーム株式会社 ℡03-5786-3280まで

2017年04月07日

アンリオ家の歴史をつなぐ『キューヴ38』、世界に先駆けサードエディションを披露@アピシウス

ソレラシステムによる“永遠のリザーヴ”ワイン

2015年、アンリオ ファミリー グループの8代目社長に就任したジル・ド・ ラルズィエールさん
右後方にあるファーストエディションの容器は、キューヴ38のタンクを模した形になっています。
シャンパーニュ地方アンリオ、ブルゴーニュ地方ブシャール・ペール・エ・フィス、シャブリ地区ウイリアム・フェーブル

輸入元ファインズ主催のチャリティ試飲会

のために来日したド・ ラルズィエール社長が、別開催のメーカーズランチで、6月発売予定の『キューヴ38』のサードエディションを披露しました。


会場はフレンチの名門『アピシウス』

ウェルカムシャンパンは注目のロゼ ブリュット ミレジメ 2008

口開けはインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)で、金賞&トロフィーをW受賞しているアンリオ自慢のヴィンテージ・ロゼ。秀逸なロゼはワインのこころFB版

で紹介させていただきました。

時間を大事にしているアンリオとアピシウス


サービスしてくださったのは2013年からアンリオのアンバサダーとして活躍している情野博之シェフソムリエ。「ムニエは使わず、シャルドネとピノ・ノワールという対照的なぶどうをブレンドしているメゾンで、NVのブラン・ド・スーヴェランにしても4年間という長い熟成を経ています。出汁を取って、じっくりと仕上げていくうちの料理ととても良く合っていますし、お客さまもアンリオ好きの方が多いと感じています」と語っていました。


ロゼと前菜の鰆のフライ、鯨のカルパッチョを合せると、切れのよい酸と軽いタンニンが口中をリフレッシュ!鯨の登場に初めは驚いていた同社長ですが、相性には満足なさっていたご様子


綺麗な温製鮑と茸のモザイク仕立てのテリーヌ
右上には)オリーブオイルで伸ばしてペースト状にした鮑の肝

キューヴ38 ファーストエディション&サードエディションの解説

photo by Fumiko (2015年11月)

『キューヴ38』は467ヘクトリlットルのステンレスタンクの名前で、シャンパンもそれに由来しています。現在、このタンクのなかには1990年から昨年収穫した2016年までのワインが入っています。ソレラシステムで継ぎ足してきたリザーヴワインです。

スペインのシェリーの熟成法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床(スエロ)近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。

アンリオでは毎年約20%の量をキューヴ38から抜き取り、うち約17%はNVの『ブリュット・スーヴェラン』と『ブラン・ド・ブラン』用リザーヴワインとして、残りの約3%は『キューヴ38』に使っています。
タンクから抜き取った空スペースには、シェリーのソレラと同様、収穫したばかりの若いワインを加えます。キューヴ38が“永遠のリザーヴ”と呼ばれているのは、シャルドネハウスと形容されるアンリオの、1990年から今に至るまでのシャルドネがタンクのなかで受け継がれているからです。


本邦初のサードエディション

風呂敷に包まれて登場した『キューヴ38』のサードエディション


若干軽量化した容器、情野ソムリエの姿が写って!

ボトルの表と裏をチェック

(左)キューヴ38 ファーストエディション
ベースワインは1990年から2007年までの18ヴィンテージ
(右)キューヴ38 サードエディション
ベースワインは1990年から2009年までの20ヴィンテージ


生産本数とティラージュ(2次発酵のために酵母と蔗糖を加えて瓶詰)した日付を明記
(左)1,000本中292本目のボトル、ティラージュは2009年、デゴルジュマンは2014年9月、ドザージュは3.5g/L、1500ml 、参考価格10万円(税別)
主要な輸出国は米国、イタリア、英国、日本で、ファーストエディションは500本をフランス本国で販売
(右)990本中93本目のボトルで、ティラージュは2011年、デゴルジュマンは2016年6月、ドザージュは3.2g/L、1500ml、価格は未発表

デイアムコルクを導入


アンリオファミリーグループでは1992年からDIAMコルク(ブショネの元になるTCAを生成させない処理をしたコルク)の研究(コルクの均一性、ワインの熟成の具合等)を進めていて、2000年代になってから、ブルゴーニュの白のエントリーレベルから導入。現在ではウィリアム・フェーブルは100%、ブシャール・ペール・エ・フィスの白も100%、シャンパンはブラン・ド・ブランに導入しているので、キューヴ38もディアムコルク。コルクにはDIAMANT(商標)の刻印があります。

ド・ ラルズィエール社長は「ディアムの導入に関して、最初は周囲の反応が大きくて、かなり騒がれましたが、今では多くのワイナリーが使っています。我々は伝統に従い、テロワールを尊重し、それを表現するようにしながら、モダンな技術を使い、新しいものを取り入れています。ファミリーの独立性があるからできることで、これにより新しい道を開いてきました。キューヴ38にも同じことが言えます」とコメント


フランス産仔牛ロース肉のヴィエナ風 紅茶(アールグレー)のソースをキューヴ38に合わせて。キューヴ38に感じる紅茶のニュアンスが生かされていた一皿



2種を利き比べながら、「ユニークなコンセプトであることはわかっていても、毎年毎年新しいワインを継ぎ足していくことで、変化も起こりました。アンリオが求めるシャンパンスタイルとして確信が持てたのは24年目です。ここまで長い時間待てたのはファミリー企業だったから」とド・ ラルズィエール社長


トリロジー・デザート(林檎、栗、苺)とアイスクリーム
ロゼのなかの赤い果実、タルトやブリオッシュのニュアンスとデザートの要素が重なり、幸せな気分!


故ジョセフ・アンリオ前社長の発想から生まれたシャルドネ100%、グランクリュ(シュイィ、アヴィズ、メニル・シュル・オジェ&オジェ)100%の『キューヴ38』は、アンリオ家が重視する〝フレッシュかつ複雑味〟を備えた比類なきシャンパンでした!
製品についてのお問い合わせ(株)ファインズまで ℡03-6732-8602
ラベル:キューヴ38

2017年03月23日

6月発売のポル・ロジェ『ブラン・ド・ブラン2009』&『ブリュット・ヴィンテージ2008』をひと足お先にレポート!

ポル・ロジェの4アイテムをテイスティング
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ブラン・ド・ブランとブリュット・ヴィンテージは6月発売予定!
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上から
発売が楽しみな2アイテム
3月から世界に向けてリリース、日本は6月1日発売開始予定
#1:ブラン・ド・ブラン2009
シャルドネ100%、ワリー、クラマン、シュイィ、アヴィズ、オジェ、ル・メニルのグラン・クリュGCのぶどう、ドザージュ7g/L
#2:ブリュット・ヴィンテージ2008
ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%、モンターニュ・ド・ランスとコート・デ・ブランにある20のGC、PCのぶどう、ドザージュ7g/L

ポル・ロジェの最高傑作
#3:キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2004
古樹のピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ7~8g/L
#4:同2002
古樹のピノ・ノワール、シャルドネ(比率は非公開)、ドザージュ7~8g/L

光栄にもナビゲーターは来日したローラン・ダルクール社長
伝統あるシャンパンメゾン『ポル・ロジェ』の社長として世界中を飛び回っているローラン・ダルクール氏が輸入元ジェロボームの招聘で来日しました。過去3回お目にかかっていますが、今回はジェロボームのご配慮でリリース前の2アイテムと偉大なキュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2アイテムを氏のガイドでテイスティングすることができました。

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ブルゴーニュ生まれのダルクール氏は、パリで経済と法律を学んだ後、ラブレ・ロワ社に入社し、アメリカで一年間、17以上の州の代理店や問屋のワイン・コンサルティングに従事。ブルゴーニュのディジョンに戻り、空軍将校として兵役の任務を終えた後、ムルソーのワイナリーで輸出担当として活躍。1996年にシャンパーニュ地方のブルーノ・パイヤールに入社。国内市場および輸出市場の発展に貢献。2004年~2005年ランスでエグゼクティブMBAのコースを修了後、ポル・ロジェ社よりオファーを受け、2006年に入社。2008年に輸出部長に任命され、前社長パトリス・ノワイエル氏の引退に伴い、2013年新社長として就任、現在に至っています。

〝エレガンスと複雑味〟がコンセプト
PRのコンセプトについて「相反するように聞こえるかもしれませんが、エレガンスと複雑味の双方の要素を兼ね備えたシャンパン」とダルクール氏

■エペルネを本拠地とする家族経営のポル・ロジェ(PR)社は自社畑90haを所有。ぶどうは50~55%が自社畑、25~30%が20年(3世代にわたる)以上付き合いがある栽培農家。残りは3世代には至っていない契約農家(基本5年契約)や、一部には協同組合のGC畑のぶどうやワインの状態のものを購入。ただ、ワインの場合はシェフ・ド・カーヴのドミニク・プティ氏と品質に見合うかどうか一緒に試飲して判断。一貫した供給元を確保していることがシャンパンの品質に反映しています。
■NVは3年半~4年半の長い瓶熟期間。
■ブラン・ド・ブランの歴史を振り返ってみると、このアイテムを誕生させたのは、4代目クリスチャン・ド・ビィ氏で、当初は〝ブラン・ド・シャルドネ〟という名称でした。「シャンパーニュ地方ではピノ・ノワールが主流だったので、シャルドネ主体のアイテムは歴史的には新しい」とダルクール社長。ちなみに、クリスチャン・ド・ビィ氏は3代目モーリス・ド・ビィ氏が嫌っていたロゼの誕生にも関わった人物
■現当主5代目のユベール・ド・ビィ氏が開発したアイテムはピュアとリッチ

容量違いのステンレスタンクで品質向上
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PRではステンレスタンクだけを使っています。ステンレスタンクをひとつのコンセプトにしているメゾンはほかにもありますが、それぞれ、畑や醸造のスタイル、細かなプロセス、シェフ・ド・カーヴやブレンドを決めるメンバー等が異なるので、各メゾンごとのユニークさがあると言えます。

昔は大きなタンク(100hl、150hl、200hl)が主流で、区画ごとに収穫しても近いエリアのものは先にまとめて仕込んでいました(プレ・アサンブラージュと呼ばれていた)。ここ15年くらい前から刷新を行い、大小様々な容量違いのタンクを導入。25hl、30hl、50hl、70hlのタンクで、例えば4,000kgのぶどうの場合、20hl前後の果汁が取れるので、25hlのタンクを使用したり、ブラン・ド・ブランに使う秀逸なオジェやル・メニル等のGC畑のぶどうは小容量のタンクに分けて仕込むといった具合です。ブレンドするキュヴェの数が増えることで、より複雑味のあるシャンパン造りが可能になります。

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(左から)ブラン・ド・ブラン、ブリュット・ヴィンテージ
色の違いがわかるように白紙を置いてくださったダルクール氏

ブラン・ド・ブランは単独で見ると、温かくて日照度が豊富だった2009年の気候を反映した黄金色ですが、ブリュット・ヴィンテージ(ピノ・ノワール60%とシャルドネ40%のブレンド)と並べてみると、白ぶどう100%に起因する色がよくわかります。

ブラン・ド・ブラン2009は溌剌&ミネラル、シャルドネの酸がエレガント。全開するまでに若干時間がかかりますが、グラス内でワインが開くと、フレッシュバターや蜂蜜のニュアンス。10~15年熟成させると、さらなる広がりが楽しめます。ブリュット・ヴィンテージ2008はピノ・ノワールがブレンドされていることで、最初から果実の香り(ピノの要素)が漂い、その後にシャルドネらしいシルクのような柔らかさが出てきます。ポテンシャルがあり、バランスも良く、余韻に軽いビター感。「余韻のビターさに熟成のポテンシャルを感じます。1988年ヴィンテージに似た特徴があります」とダルクール氏。PRは両アイテムの品質には大満足のようです!

秀逸なヴィンテージは時を経て飲む喜びを
長期熟成の共通項がある1988、1996、2002、2008、これらは特出できるヴィンテージ! 
2008年は穏やかで湿気の多い気候からスタートし、7月は嵐、8月は冷涼で晴天の日は限られましたが、9月は良好な天気に恵まれ、収穫時期が寒かったことで、ぶどうはとても良い状態で収穫できました。
長熟可能なヴィンテージは購入したらすぐに飲んでしまうのでなく、温度管理されたセラーで保存させ、10年、20年後に開栓する喜びを味わっていただきたいです。

重厚感と複雑味の2002年

キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2002
ブルゴーニュ型の大きなグラスで試すと、ウィンストン・チャーチルの醍醐味がわかります。

チャーチル元首相はヴィンテージ・シャンパンのファンでしたが、ディテールに関しては何も聞かなかったし、言わなかったようです。チャーチル氏が飲んでいたヴィンテージ・シャンパンはPRが毎回同じレシピで生産していたわけでなく、その年、その年で最高のシャンパンと言えるものを造っていたので、今でもそのポリシーは一貫しています。チャーチル氏が生きていたら「美味しい!」と言うであろうと思えるシャンパン造りです!

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左から) キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2004、同2002

2004年はぶどうの状態も良く、量的にもたくさん収穫できた年。「まさに〝神に祝福された年〟で、ヴィンテージものにもNV にも良質なぶどうを使用することができました」とダルクール氏。
2002年は「スペシャル年。リリースした当時は閉じて固かった(ウィンストン・チャーチルだけでなくすべてのシャンパン)のですが、今や様々な要素が感じられます。ドザージュ量は7~8g/L。ウィンストン・チャーチルは熟成期間が長いので、基本的にこの量にしています」とのことでした。

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簡潔に表現すると、
左から)凛とした優雅さ、酸味&果実のバランス、スムーズ&ストロング、豊潤&複雑味

ヴィンテージ・シャンパンの頻度を見ると

生産頻度を確認中のダルクール社長とジェロボームの山下陽子さん

気候変動、温暖化による影響で、ぶどうの熟度があがり、シャンパーニュの品質もあがっています。70年代から2000年代を見てみると、70年代は71、73、75、76、79(10年で5回)、80年代は82、83、85、86、88、89(10年で6回/89年はチャーチル非生産)、90年代は90、93、95、96、98、99(10年で6回)。2000年代になると2000、2002、2004、2006(チャーチルは2017年12月発売予定)、(以下のヴィンテージは熟成中)2008、2009、2012、2013、2015。21世紀に入ってからはハイペース!

最新の2006VTは12月発売予定
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キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチルの最新ヴィンテージ2006は本年6月ボルドーで開催されるVINEXPOでお披露目された後、12月に正式リリースされるそうです。
シャンパンラバーの皆さま、お楽しみに!

製品についてのお問い合わせはジェロボーム ℡03-5786-3280