2025年03月24日

秋季最終講座はマグナムに特化 ~ブラン・ド・ノワールを中心にして~ 

 2024年10月から6回目の〆講座
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 第1フライト
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  #1:エリック・タイエ エクスクルーシヴ・ブリュット
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  生産者:エリック・タイエ(RM) 
  ぶどう品種:ムニエ100% リザーヴワイン20~30%
  ベースヴィンテージ:2019年
  デゴルジュマン:2023年3月
  ドザージュ:2g/L
  参考上代:20,900円
  輸入元:ラ・ヴィネ

白い花、バニラ、柑橘果実やストーンフルーツのアロマ、中盤に若干ビターなニュアンス。過去に体験してきたタルランのムニエ100%(土壌はマルヌ独特の粘土石灰質土壌)から受けたミネラル、スパイス、複雑味。ボーモン・デ・クレイエールのムニエ100%(石灰土壌)から受けた香ばしさ、酸味を伴って広がる余韻等とは異なるムニエ100%

   #2:フォレスト・メリエ  キュヴェ・サン・クレスパン
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   生産者:フォレスト・メリエ(RM) 
   ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
   ベースヴィンテージ:2013年&2014年
   ドザージュ:5g/L
   参考上代:22,000円
   輸入元:ラ・ヴィネ

当主ティエリー氏はボランジェが所有するサン・ティエリー地区の畑の栽培をサポートしており、今でも続けているとのこと。丁寧な造りを感じさせるシャンパーニュで酒質が綺麗。黒ぶどうの果実感、ミネラル、エスニックスパイス、ヘーゼルナッツ、中盤から余韻に広がる酸味、塩味を感じる快活な味わい、ドライフルーツのアロマを帯びた余韻、講座生からの人気が高かったアイテム、好印象!!

参考:輸入元ラ・ヴィネは1994年、パリの三つ星レストラン『タイユヴァン』のワインショップ『カーヴ・タイユヴァン東京店』としてオープンし、2004年に店名を『ラ・ヴィネ』に変更。母体のサッポロビールはWINE MARKET PARTY とフランスワイン専門店『ラ・ヴィネ』を運営しています。


   #3:ドゥ・ヴノージュ・プランス ブラン・ド・ノワールNV
   生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM) 
   ベースヴィンテージ:2018年 / リザーヴワイン2017年10%
   ぶどう品種:ピノ・ノワール100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%)
   デゴルジュマン:2023年
   ドザージュ:6g/L
   参考上代:44,000円
   輸入元:ヴィレッジ・セラーズ

カラフェ型のボトルは1858年、オランダ王室オラニエ公へのオマージュとして造られ、1961年にドゥ・ヴノージュが意匠権を得てシャンパーニュボトルに使用。通常のボトルより酸化が緩やかとのこと。気泡は活発、第一印象は白い花、続いて赤のイメージでスミレや紅玉リンゴ。若干のビター感、ヘーゼルナッツ。リセのピノ・ノワールに由来する軽快さのほうが出ている印象。デゴルジュマンから2年程しか経過していないのでもう少し年数を置いて試したい気分


                o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第2フライト
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 #4:フィリポナ ブランド・ノワール エクストラ・ブリュット 2014
 生産者:フィリポナ(NM) 
 ぶどう品種:ピ・・ノワール100%
 デゴルジュマン:2020年6月
 ドザージュ:4.5g/L
 参考上代:38,720円
 特別供出

マグナムマンスを開催した甲斐ありのシャンパーニュ。ゴールドの色調、細やかな気泡、連なりも見事。完熟した果実やコンポート、モカや焙煎香、ピュアな酸味、フレッシュさを伴い、シームレスで層になって広がる旨味、多くの講座生から支持を得ていたアイテム。輸入元には在庫がなかったので特別ルートで入手、大容量ボトルで熟成させた醍醐味満喫!

 #5:ボランジェ ラ・グラン・ダネ2015
 生産者:ボランジェ(NM) 
 ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
 デゴルジュマン:2023年7月
 ドザージュ:8g/L
 参考上代:80,300円
 輸入元:WINE TO STYLE

メゾンが形容する表現は“凝縮感と寛容さ”
ラ・グラン・ダネ史上初のPN60%、CH40% (従来はPN70%、CH30%)
2月に750mlを試飲した時は「色調はゴールド、ベリー系果実やエキゾチックフルーツ、ヴァニラやアーモンド、黒糖、ミネラル、シルキーな味わい、緩やかな酸化熟成のニュアンス」と記述しましたが、今回の1500mlの場合は、簡単に本性を見せてくれる気配がなく、ブリオッシュ、白胡椒、鉱物質のニュアンス、塩味、グラス内の温度があがることで、香りや味わいにさまざまな要素が見え隠れ・・・2015年ヴィンテージのポテンシャルを感じました。ボランジェもデゴルジュマンをして2年弱だったので、もう少し時間を重ねてから再挑戦したい気分。
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 2025年3月のマグナムマンスで、
 1500mlのボランジェ ラ・グラン・ダネ2015を体験

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 2025年2月ロイヤルワラントのメゾンで、
 750mlのボランジェ ラ・グラン・ダネ2015を体験

 2月と3月に体験した容量違いは良い勉強になりました。
 ボランジェのLGA2015はポテンシャルがあるだけに、
 大容量での熟成には時間がかかりそうです。
 ゆえに、2015年生まれのお子さんがいらっしゃるなら絶対に買い!
 成人のお祝いで開ければ素晴らしい瞬間になると断言します🍀


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


      6ヶ月、講座にお付き合いくださり、ありがとうございました!
      2025年4月からスタートする春季講座も宜しくお願いいたします。
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      4月は12日に単発講座もあるので、
      ワクワク感、さらに増幅中🥂

2025年03月02日

2月のシャンパーニュ講座は英国王室御用達の6メゾンを比較テイスティング

英国王室御用達/ロイヤル・ワラントのメゾン決定
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 候補は、故エリザベス女王から称号を得ていた8メゾン。そこに、
 国王が皇太子時代に認証したローラン・ペリエ(右の黒いプラーク)を加えた9メゾン
 これらのなかの、どのメゾンが選ばれるのかについては、
 2025年春頃発表、と聞いていたのですが、英国王室は昨年5月と12月に公表しました。
 5月に称号を授与されたのはチャールズ国王からの信頼度大のローラン・ペリエ
 12月に5メゾンが発表され、6メゾン決定!
 詳細はロイヤル・ワラント協会の公式HPで確認できます。


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 英国王チャールズ3世公認メゾン
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 6メゾンのプラークを並べてみました!

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 ラベルはこんな感じ

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 供出はピノ・ノワールの比率を参考にして

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 リーデルのリースリンググラスで試飲
 左から2番目のローラン・ペリエ、白ぶどうシャルドネの比率が一番多いので
 グラスを並べてみると色調は他より淡め


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 6アイテム同時に利き比べ
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 2015年ヴィンテージで揃えてみました。

 2015年ヴィンテージについて
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 シャンパーニュ地方がユネスコ世界遺産に認定されたのが2015年!
 類いまれな収穫年だったので、ロイヤル・ワラントの比較には最適と判断しました。

 #1:モエ・エ・シャンドン グラン・ヴィンテージ2015
 生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
 ぶどう品種:PN44%、CH32%、M24% 
 デゴルジュマン:2022年10月
 ドザージュ:5g/L
 価格:13,500円(税別)
 輸入元:MHDモエ ヘネシー ディアジオ
創業1743年。メゾン創設以来76番目のヴィンテージ。約6年の瓶熟。メゾンが形容する表現は“包み込むような味わい”。6アイテムのなかで、唯一ムニエを使用。第一香にムニエ由来のフローラルさ。ジャスミンやスイカズラ、ストーンフルーツ、アーモンドやブリオッシュ。味わいの最後に柑橘系果実の内果皮似のビター感

 #2:ローラン ペリエ ミレジメ2015 
 生産者:ローラン ペリエ(NM)
 ぶどう品種:約PN50%、約CH50% 
 ドザージュ:8g/L
 価格:14,530円(税別)
 輸入元:サントリー
創業1812年。約8年の瓶熟。発酵・熟成はステンレスタンク。白い花や白桃、オレンジやレモンコンフィ、焼いたパンのアロマ。ミネラル、溌溂感があり、グラス内の温度変化でふくらみ。酸味と余韻の広がり

 #3:ポル・ロジェ ブリュット・ヴィンテージ2015
 生産者:ポル・ロジェ(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 ドザージュ:7g/L
 価格:19,000円(税別)
 輸入元:ジェロボーム
創業1849年。約7年の瓶熟。発酵・熟成はステンレスタンク。色調は輝きのあるイエロー、持続性ある泡沫、熟した柑橘系果実、はちみつ、りんごジャム、ブリオッシュ、ドライフラワーのアロマ、味わいはまろやか、口中スムーズ、バランス良好

 #4:ボランジェ ラ・グラン・ダネ2015
 生産者:ボランジェ(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH40%
 デゴルジュマン:2023年12月
 ドザージュ:8g/L
 価格:33,000円(税別)
 輸入元:WINE TO STYLE
創業1829年。約7年の瓶熟。メゾンが形容する表現は“凝縮感と寛容さ”。発酵・熟成は木樽。色調はゴールド、ベリー系果実やエキゾチックフルーツ、ヴァニラやアーモンド、黒糖、ミネラル、シルキーな味わい、緩やかな酸化熟成のニュアンス

 #5:ルイ・ロデレール ブリュット・ヴィンテージ2015
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:PN71%、CH29%
 ドザージュ:8g/L
 価格:15,000円(税別)
 輸入元:エノテカ
1776年創業、ピノ・ノワールもシャルドネも樹齢は30年前後、瓶熟は平均4年間、オークの大樽で醸造。色調は深みのあるゴールド、気泡は快活&繊細。アロマから惹きつける魅力あり、黄桃やかりん、ブリッオッシュやアーモンド、ドライフルーツ、白胡椒や香ばしさ。複雑味を伴った味わい、中盤以降の酸味と旨味

 #6:ラ・グランダム2015
 生産者:ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン(NM)
 ぶどう品種:PN90%、CH10%
 デゴルジュマン:2022年6月
 ドザージュ:6g/L
 価格:23,000円(税別)
 輸入元:MHDモエ ヘネシー ディアジオ
創業1772年。メゾン創設200周年を記念して造られた初のプレステージ・キュヴェ以来続く24番目のヴィンテージシャンパーニュ。エチケットはイタリアのアーティスト、パオラ・パロネットとのコラボ。メゾンが形容する表現は“テンション、エレガンス、精度”。気泡繊細。青リンゴや洋梨、アカシアやジャスミン、白胡椒やジンジャーのアロマ。中盤以降の酸味、ミネラル、舌先に柑橘系果実の内果皮似のビター感


 ボトルの色にもご注目
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 遮光率100%は最右のノワール(黒)
 右から3番目はシャンパーニュ委員会CIVC推奨の緑色のボトル

 コルクの状態も要チェック
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 第3週
 #3、#4、#5が人気。熟成具合の良さが伝わってくるコルク

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 第4週
 #4、#5の人気が高かった印象。#1、#3、#6を支持したのは各1名
      
      素敵なプレゼント[プレゼント]
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      英国展2025に行ってきた受講生からのお土産[わーい(嬉しい顔)]
      ロイヤル・ワラントがらみの心憎いプレゼント、ありがとうございました。
      エリザベス女王は本当に気品と教養を備えた素晴らしい女性でした!


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


        NHK文化センター青山校シャンパーニュ講座春季募集開始
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     シャンパーニュ講座は毎月第3週水曜日or第4週水曜日
     6回目は合同クラス、大容量ボトルのシャンパーニュに特化します。
     ワクワク感のある講座にしたいと思っていますので、
     引き続き、宜しくお願いいたします!

2025年01月28日

2ヶ月連続で”生産協同組合CM"徹底探求@NHK文化センター青山校

新しい年の幕開けは生産協同組合(コオペラティヴ・ド・マニピュラシオン 以後CM)の魅力探求 第2弾!
昨年12月のシャンパーニュ講座ではジャカール、ドゥヴォー、カステルノーに特化したので、今月はコレ、ボーモン・デ・クレイエール、シャスネ・ダルス、ニコラ・フィアット、アンリオの5メゾンにフォーカスしました。

 日本に輸入されているCMを見てみると・・・
 1846年創業ドゥヴォー
*1891年創業モントードン ←業務用のみで供出不可
*1899年創業パニエ ←バラでの扱いなしで供出不可
 1916年創業カステルノー
 1921年創業コレ
*1929年創業マイィ・グラン・クリュ←単独で何度か探求
 直近リポートは2024年3月の秋季を締めてくれたマイィ・グラン・クリュ
 タイムリーにも2025年のごあいさつカードが届きました[わーい(嬉しい顔)]

 1955年創業ボーモン・デ・クレイエール
 1956年創業シャスネ・ダルス
 1964年創業ジャカール
 1972年創業ニコラ・フィアット
 1808年創業アンリオ(2023年TEVC傘下)

シャンパーニュ講座
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              第1フライトは3メゾン
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        #1:コレ ブラン・ド・ブラン ブリュットNV
        生産者:コレ
        ぶどう品種:CH100%、リザーヴワイン25%
        ベースヴィンテージ:2017年
        ドザージュ:7g/L
        参考上代:14,300円
        輸入元:トレーダーズマーケット

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拠点はアイ村、同村から30キロ圏内にはグラン・クリュやプルミエ・クリュのすべてが含まれ、コレの醸造に使用するぶどうのほとんどは、その圏内で収穫、150㌶のぶどう栽培地を有し、伝統は世代を超えて守り継がれています。NVの場合、アサンブラージュ(調合)は商品全体で毎年60種をテスト。リザーヴワインについては醸造責任者のセバスチャン・ワラジアック氏が「シャンパーニュにとって料理のスパイスにあたる」と述べています。気泡活発、白い花、クチナシ、レモンやライム、オレンジの内果皮、白胡椒、ミネラル、中盤から若干の厚味、アペリティフとしてお薦めしやすい味わい

        #2:ボーモン・デ・クレイエール
        フルール・ド・ムニエ ブリュット・ナチュール2015 
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        生産者:ボーモン・デ・クレイエール 
        ぶどう品種:ムニエ100% 
        ドザージュ:0g/L
        参考上代:10,615円
        輸入元:モトックス

3グラスの中央は、色調が濃く、黒ぶどうの要素とムニエ由来の華やかさが伝わってくるシャンパーニュ。気泡は細やか、黒糖、アールグレイ、香ばしさ、熟成のニュアンス、ノン・ドゼながら、ぶどう本来の糖分があり、ふくらみと旨味、酸味を伴って広がる余韻、第3週&第4週ともに人気を得ていた秀逸なムニエ100%


        #3:シャスネ・ダルス ブラン・ド・ブラン ブリュット2014
        生産者:シャスネ・ダルス 
        ぶどう品種:CH100%
        ドザージュ:9g/L
        参考上代:14,300円
        輸入元:アートクリエイティブビジネスサポート

2016年に開始した青山校シャンパーニュ講座で供出して以来の登板。拠点はコート・デ・バールのヴィル・シュール・アルス、栽培してるぶどう品種の割合はピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ムニエ2%、ピノ・ブラン1%。約130の組合員のなかで、シャルドネを栽培してるのは42生産者です。輸入元が変わりましたが、CMの誇りを自負するメゾンらしい“良質な酒質”を実感。白い花、カリン、洋梨、ミルクやヴァニラ、塩味、果実の厚味、シャープな酸味、バランスの良いエレガントなシャンパーニュ


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


        第2フライトはTEVC傘下のメゾン
        #4:ニコラ・フィアット 
        コレクション ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン2018
        生産者:ニコラ・フィアット 
        ぶどう品種:CH100%
        ドザージュ:非公開
        参考上代:10,615円
        輸入元:日酒販

メゾンが表現する2018年は“早熟で高品質なヴィンテージ”、2月はランスでマイナス15度を記録、4月は晴天続き、5月は季節外れの涼しさ、夏は30度近い暑さで、ぶどう樹は過去10年の平均より10日程早く成長。収穫まで健全な状態で成熟、糖度と芳香成分は平年より高い数値の高品質なヴィンテージとのこと。白い花、ミモザ、フレッシュバター、ビスケット、白胡椒、ミネラル、中盤から柑橘果実の内果皮似のビター感、余韻には太陽の年を思わせる豊潤さ

        #5:アンリオ リナタンデュ シャルドネ グラン・クリュ2016
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        生産者:アンリオ 
        ぶどう品種:CH00%
        ドザージュ:4g/L
        参考上代:22,000円
        輸入元:ファインズ

アンリオの8代目ジル・ド・ラルズィエール当主の思いがこもったアイテム。“予期しない”を意味するリナタンジュはアンリオ初の単一グラン・クリュ100%。2016年がファーストヴィンテーで使用ぶどうの区画はアヴィーズ。シャルドネを重視するアンリオらしいスタイル、アカシア、白桃や杏のような種の大きな果実、ミネラル、白胡椒、ミント、ピスタチオ、口中クリーミー、エレガントな酸味、旨味を伴い長く続く余韻。ちなみに次のヴィンテージは2018年でシュイィ100%


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 1月の講座終了時、3月までの予定告知をしました。
 単発講座もあり、ワクワク感でいっぱい!

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シャンパーニュ委員会からのインフォメーション
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 3億本をクリアできませんでしたね、次年度に期待!

2024年12月31日

12月はシャンパーニュの生産者協同組合にフォーカス、進化し続けるCMに注目


 輸入元国分グループ本社(株)の招聘で来日したジャカールのセバスチャン社長
 イベントの様子はワイン王国webでご紹介させていただきました。
 2011年にフロリエンヌ・エズナック女史が最高醸造責任者に就任してから、
 女性目線が生かされ、以前より洗練された印象になりました。

 エズナックさんが2019年にリタイアした後、ジョエル・ヴェイス女史がバトンを継承。
 ジャーナリストとして活動なさっていたヴェイス女史ならではの視点に注目できます。

 60周年記念のデザートにドゥミ・セックを合わせて

 可愛いプレートがついたフィンガーフード


            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 生産者協同組合の3メゾンを比較試飲
 ジャカール、ドゥヴォー&カステルノー

 4番目のカステルノー以外、少しコルクが短目
 シャンパーニュの場合、5~6気圧あるので、開栓時、短いコルクは気になりました。

第一フライトはジャカール2アイテム
#1:ジャカール モザイク・シグネチャー 瓶内熟成5年
生産者:ジャカール(CM) 
ぶどう品種:CH40%、PN35%、ムニエ25% / リザーヴワイン25~35%
ベースヴィンテージ:2019年
ドザージュ:7g/L
参考上代:10,450円
輸入元:国分グループ本社

ジャカールの変化を感じさせる1本、温度が上がってもブレ感なし。3品種ブレンドによるバランスの良さ、5年間の熟成を経たシャンパーニュは複雑味と旨味があり、余韻の広がりも魅力。ジャカール60周年イベントでマイベストだったのがコレ。今回改めて試飲してお薦めしたいアイテムと確信しました!

#2:ジャカール ブラン・ド・ブラン2015
生産者:ジャカール(CM) 
ぶどう品種:CH100% 
ドザージュ:7g/L
参考上代:18,700円
輸入元:国分グループ本社

ジャカールはシャルドネ要のメゾン、柑橘果実のGFやマンダリンオレンジ、和柑橘のアロマ、中盤以降広がる酸味、土壌に由来するミネラル、ハチミツのニュアンス、スマートで凜としたスタイル

        3品種vs単一品種なので目視でもわかりやすいはず

第二フライト
#3:ドゥヴォー D ミレジメ2009 数量限定
生産者:ジャカール(CM) 
ぶどう品種:PN48%(コート・デ・バール地区)、CH52%(コート・デ・ブラン地区)
ドザージュ:約6g/L
参考上代:16,511円
輸入元:国分グループ本社
ドゥヴォーを講座で取り上げたのは2021年のことでした。今回はミレジメの新ヴィンテージ2009を供出しました。
白系果実、柑橘果実、ミネラル、口中では綺麗な酸味が持続、終盤まで優しい口当たり

#4:カステルノー ミレジメ2006
生産者:カステルノー(CM) 
2022年11月にずっと気になっていたメゾンということでカステルノーにフォーカス。2006年ヴィンテージがとても印象的でした。2024年にデキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)で、栄えあるBest in Showに選ばれましたが、これには心から納得できます。大手メゾンを凌ぐ実力派CMだと思っています。
ラベルが白から黒にチェンジしたのは、輸入元の田上代表曰く「リブランディングによるもの」とのこと、2月に変わりました。


        ぶどう品種:CH50% PM30%、ムニエ20%
        ドザージュ:7g/L
        参考上代:14,850円
        輸入元:ワインエクスペリアンス

果実は黄桃&カリン、アロマはブリオッシュやスパイス(ジンジャー)、旨味と出汁感、長い余韻。太陽の年2006年らしさが表現された逸品、マグナムでも試したいアイテム


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 築地神楽寿司の赤酢、金目鯛炙りや雲丹と絶妙


  第三フライトは癒やしの甘口タイプ
  #5:ジャカール モザイク・ドゥミ・セック
  生産者:ジャカール(CM) 
  ぶどう品種:CH40%、PN35%、ムニエ25% / リザーヴワイン25~35%
  ドザージュ:35~37g/L
  参考上代:9,350円
  輸入元:国分グループ本社

  メゾンの顔モザイク・ブリュットのブレンドの配分やリザーブワインの比率と同じで、
  違いはドザージュ量。優しい口当たり、甘さも程良く、講座生も馴染んでいました。
  

 最後はサンタの気分で楽しみました!


 [NEW]最新情報
 国内のワイン消費数量は40年間で約6倍
 出典:メルシャン/キリンホールディングス

 スパークリングワイン国別輸入推移推移
 出典:メルシャン/キリンホールディングス

  ひとり当たりの消費数量
  出典:メルシャン/キリンホールディングス出典:メルシャン/キリンホールディングス

  1位は例年ポルトガル、日本は3㍑を割ってしまい、前比94%
  詳細なデータはメルシャンサイトで確認できます!


 ロイヤルワラント(英国王室御用達)
 2024年5月のローラン ペリエに続き、同年12月、
 英国王室チャールズ国王がロイヤルワラントを、5つのシャンパーニュメゾンに授与
 おめでとうございました🌓

 5月:ローランペリエ
 12月:ボランジェ、ルイ・ロデレール、モエ・エ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、ポル・ロジェ


            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 2024年も今日で終わりです。
 秋には多くの生産者の来日があり、リポートの積み残しがm(_ _)m
 2025年に順次アップしてまいりますので、懲りずに宜しくお願いいたします。

 新しい年が健康と笑顔に満ちた年でありますように🍀🍀🍀

2024年12月08日

本邦初! 日本上陸前の貴重なアイテムを交えたシャンパーニュ講座

 講師冥利に尽きる素晴らしいラインナップ

 11月の贅沢な顔ぶれ

 パーペチュアルにこだわるメゾンを選択しました。

 シャンパーニュのメゾンがストックしているリザーヴワインの保管に関して、

 ソレラ表現が近年パーペチュアル (永久的な) という言い方に変化しています。

 ソレラ解説

 何年にもわたるワインが混在

 その部分は的確でも、シャンパーニュのリザーヴワインは樽を積み重ねていません。

 説明するには重宝でしたが、実際には、はて? でした。

 ソレラ→パーペチュアル呼称、メゾン側も変更しつつあります。

        第一フライト

        #1:アルフレッド・グラシアン ブリュットNV ニューラベル

        生産者:アルフレッド・グラシアン(NM) / 1864年創業

        ぶどう品種:CH45% ムニエ35% PN20%、ノン・マロ

        ベースヴィンテージ:2019年

        リザーヴワイン:40%

        1990年から父親がはじめた木樽によるソレラは2000年でストップ

        ジェジェ当主は2002年からステンレスタンクでのソレラに変更 

        デゴルジュマン:2022年11月

        ドザージュ:9g/L

        参考上代:9,460円

        輸入元:Wine to Style

グラス上部から見た泡沫がすこぶる元気、白い花や柑橘系果実、酸味はピュアでキレ感あり。スワリングで熟れた果実やリンゴのコンポート、口中クリーン、中盤以降の酸味の伸びと余韻の長さが好印象


        #2:フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ ノン・ドゼ

        生産者:フィリポナ(NM) / 1910年創業

        ぶどう品種:PN67%、CH31%、ムニエ2%

        ベースヴィンテージ:2019年

        リザーヴワイン:34% 

        1946年から木樽で保管しているソレラ

        2012年から開始した木樽によるソレラ(全体の1/3程度使用)

        デゴルジュマン:2023年2月

        ドザージュ:0g/L

        参考上代:11,550円

        輸入元:アルカン

冷蔵庫温度だと#1より香りは控えめ。グラス内の温度変化でリザーヴワインに由来する複雑味。味わいはドライながら、果実本来の熟度を感じさせる膨らみがあり、溌溂感と旨味が見事に調和。フィリポナ当主お薦めのマリアージュが「このノン・ドゼと烏賊の塩辛」、試して納得できました。和食に精通している当主ならではの組み合わせ、お試しくださいませ!

     ■フィリポナがソレラでリザーヴワインをストックするようになった理由は、

      第二次世界大戦後、物資難を乗り切る方策として先代たちが考案。

     もう1つは当主自らが始めた2012年~のソレラ

     ■フィリポナ当主いわく

     古いワインに新しいワインを加えると、ワインは若返ります

     それは熟成感と新しさを備えたワイン造りに打ってつけです。


 フードルの種類は2500L、1500L、600L

          シャルドネ重視のグラシアンの方が濃いめ


        第二フライトはパーペチュアル100%の3アイテム

        左からローランペリエ、ユレ・フレール、アンリ・ジロー

        #3:ローラン・ペリエ ブリュット ヘリテージ

        日本未入荷 / 英国では2024年6月20日発売

        生産者:ローラン・ペリエ(NM)/ 1812年創業

        ぶどう品種:CH55% PN45%(グラン・シエクルのキュヴェ50%含)

        パーペチュアル:2014年20%、2016年20%、

            2018年30%、2019年30%の4ヴィンテージ

        デゴルジュマン:2023年12月

        ドザージュ:6g/L

        参考上代:16,500円

欧州で今秋リリースされたアイテム(日本での発売は未定)なので、テイスティングを楽しみにしていました。グラン・シエクルのスタイルを継承する妹分的存在。グラン・シエクルは3ヴィンテージのブレンドですが、ヘリテージは4ヴィンテージ。フレッシュネスな2014年、ストラクチャーの2016年、リッチネスの2018年、フィネスの2019年

シャルドネを重視するローラン ペリエならではのエレガンス、白い花や白系果実、柑橘果実の内果皮、ミネラル、余韻に広がる酸味、凜としたスタイル。グラス内の温度によってアロマや味わいに変化があり、できれば大ぶりのグラスで味わいたかった希少アイテム。“オーダーメイドなシャンパンレッスン”を体現させた今月の講座、ヘリテージを提案してくれた優秀な受講生に改めて感謝!

        UKから個人的に搬入したアイテム

        Imported by LaurentーPerrier(UK)Limited


IMG_4604.jpg
        #4:ユレ・フレール メモワール エクストラ・ブリュット

        生産者:ユレ・フレール(RM) /1960年創業

        ぶどう品種:PN50%、ムニエ40%、CH10%

 パーペチュアル 1982~2019年100%

 デゴルジュマン:2023年2月

 ドザージュ:2g/L

 参考上代:16,500円

 輸入元:テラヴェール

次世代を担うシャンパーニュの造り手として、私が期待しているフランソワさん。ユレ・フレールの3代目です。メモリーの初リリースは2013年(1982~2009までのパーペチュアル)でした。メゾンのDNAが詰まったリザーヴワインを100%使ったアイテムに講座生から、たくさんの「お気に入り評価」をいただき、第2フライトのテイスティングがより興味深いものになりました。ゆるやかな酸化のニュアンスがあり、石臼で挽いた実山椒、白胡椒、ヘーゼルナッツ、焼き栗、カルダモン、ハーブ、香ばしさ等、層になって広がるアロマ。醤油的なニュアンスがあるので煮物等との組み合わせもお薦め!

       #5:アンリ・ジロー PR(パーペチュアルリザーヴの意味)90-19 

       生産者:アンリ・ジロー(NM) / 1625年創業

       ぶどう品種:PN80%、CH20%

       パーペチュアル1990~2019年100% フュ・ド・シエーヌ

       1950年代からのエスプリ・ナチュールの分も使用(3%)

       瓶詰後、約36ヵ月の瓶内熟成

       ドザージュ:約5g/L

       参考上代:41,800円

       輸入元:アンリ・ジロー ジャパン

10月に90-20リリースされたばかりです。90ー19はその前のボトルになるので、瓶熟期間が長い分、すべてがまろやか、“今飲んで美味しいシャンパーニュ”。1950年代からのリザーヴワインも使った贅沢なパーペチュアル。ゴールドの色調、黒ぶどうPNがメインのメゾンらしい風格。酸味、厚味、旨味、余韻の長さが絶妙!

          ボトルの座標は、はて[ふらふら]

 輸入元アンリ・ジロー・ジャパンからいただいた解説




        アグラフで止めたコルクで熟成

 アグラフを開ける時に使うデグラフェール

 【豆知識】

 11月に来日したアルフレッド・グラシアンのジェジェさんが教えてくれたお話です。



  転載禁止 画像提供:(C)CIVC


 UKで購入した90-19の外箱を連結させると、まぁ、宇宙空間


 開栓後の5アイテム


      [イベント]新・ワインで巡る世界ツアー

       お陰様で満席になりました。

       早々のリアクション、ありがとうございました!

       新・ワインで巡る世界ツアーのキャンセル待登録はお受けしています。

  フェッラーリ・トレントのセラー・マスターは、

  元シャルル・エドシックのシリル・ブランさんです。 

  シャンパーニュでも大活躍した凄腕に、大いに期待しています!

2024年11月03日

秋季講座開始! 初回は日本とフランスの絆を深掘りしながら・・・

 モングー村のクロ・サン・ソフィー
 

 左から 
 #1:シャトー・メルシャン 岩崎甲州2023 協賛
 生産者:メルシャン
 産地:山梨県甲州市勝沼町岩崎地区
 栽培方法:棚式栽培
 ぶどう品種:甲州100%
 生産本数:約4,000本
 参考上代:2,915円
 販売元:メルシャン

 #2:レ・ヴィーニュ・ド・モングー エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブランNV
 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM) 
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:0g/L
 参考上代:14,300円
 輸入元:サンフォニー

 #3:キュヴェ ル・コテNV
 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM) 
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:0g/L
 参考上代:22,000円
 輸入元:サンフォニー

 #4:ル・グラン・ド・ボーテ2017
 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM) 
 ぶどう品種:CH100%
 瓶詰め:2021年5月
 デゴルジュマン:2024年3月
 ドザージュ:0g/L
 参考上代:31,900円 / 入荷数36本
 輸入元:サンフォニー

 #5:クロ・サン・ソフィー2017
 生産者:ジャック・ラセーニュ(NM) 
 ぶどう品種:CH100%
 瓶詰め:2018年5月
 デゴルジュマン:2024年2月
 ドザージュ:0g/L
 参考上代:36,74円/ 入荷数24本
 輸入元:サンフォニー


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 
 現在、NHKBS4Kで再放送中の『坂の上の雲(司馬遼太郎著)』
 2009年からの3年間にわたる本放送で、
 私は、脚本の妙、スケールの大きさ、絶妙なキャスティングに大満足でした。
 渡辺謙さんのナレーションも、こころに深く響いてきます[わーい(嬉しい顔)]
 愛媛県松山に生まれた秋山好古(1859-1930)&真之(1868-1918)兄弟と正岡子規(1867-1902)
 作者は三人が駆け抜けた時代を“開花期”と表しています。

 翻って、政府からの命で、ワイン造りを学ぶ為にフランスに渡った山梨県の二人の若者
 未知の分野を開拓するために奮闘した土屋龍憲(1858-1940)高野正誠(1852-1923)
 司馬遼太郎風に言うなら、黎明期(れいめいき)と形容したいです。
 ともに明治の御代でした!

 シャンパーニュ講座に日本の甲州・・・なぜ[exclamation&question]
 
     シャトー・メルシャン岩崎甲州の裏ラベルには、
     日本のワイン造りの礎を築いた二人の生家が勝沼町岩崎地区にあり、
     現在もぶどう栽培を行っていることが記載されています。
     このワインは両家のぶどうを、樽で発酵・育成したものです。


            シャトー・メルシャン 岩崎甲州2023

 和柑橘、白い花、凜とした酸、樽由来の厚味も感じます。

 メルシャン資料館に展示してある
 高野家のワインと研修先クロ・サン・ソフィーのワイン

 日本ワインづくりの歴史  拡大可
 資料提供:メルシャン

 資料提供:メルシャン

 さらに詳しい情報はキリン歴史ミュージアム

で!
 お立ち寄りいただく価値のあるサイトです[目]


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 黄色のマーカーを付けたところがトロワ 
 シャンパーニュ地方エペルネから約80km南下したエリア
 二人が研修したのはトロワ近郊のモングー村
 このあたりはシャルドネの聖地コート・デ・ブラン同様、白亜質土壌
 コート・デ・ブランより南に位置し、南東向きなので日照に恵まれ、熟度も1~2度高め

 私が日本とフランスの絆について深く知ることができたのは、
 2017年にモングー村のジャック・ラセーニュのエマニュェル当主が初来日して開催した
 極少人数のプレスセミナー

でした。

 ストーリー性ある内容だったので、シャンパーニュ講座でも反映させました。
 輸入元が変わり、しばし、同メゾンから離れていたのですが、
 今年になって、現在の輸入元サンフォニーさんと連絡がつきました。
「今秋には新ヴィンテージが到着します」とのことで、6月からず~っと待機
 10月の講座で久々にジャック・ラセーニュを出すことが出来て、
 本当に嬉しく思いました!


 明治から時空を超えて


 シャンパーニュメゾン『ジャック・ラセーニュ』
 エマニュエル・ラセーニュ当主
 1960年代に父親がコート・デ・ブランの土壌と同じ石灰質の畑を見つけ購入
 2代目のエマニュエルさんは1999年にドメーヌを引き継ぎました。
 ロゼ以外はすべてシャルドネ100%のブラン・ド・ブラン
 栽培は有機栽培/ビオデイナミで、糖分添加はしないノン・ドゼ
 エマニュエル家は、クロ・サン・ソフィーの現所有者と親しかったことから、
 シャンパーニュ造りを任されたという経緯があります。

 かつて、クロ・サン・ソフィーには、農業試験場があったので、
 シャルル・バルテは栽培、ピエール・デュポンは醸造の指導をしていました。
 その教えが、日本におけるワインつくりの基礎になり、
 メルシャンの岩崎甲州に繫がっています!
 ロマンがありますね。

 
     レ・ヴィーニュ・ド・モングーエクストラブリュットブランドブランNV

樹齢35年、ビオディナミ、7~9ヶ所の区画で収穫した複数年のワイン(2019年、2020年、2021年)をブレンド。ステンレスタンクで発酵・熟成。白い花や柑橘果実、ジンジャーや白胡椒似のスパイス。

        キュヴェル・コテNV

ル・コテの区画だけを使ったアイテム、モングーの丘の最東部の斜面に根を張る樹齢約50年の古樹、ビオデイナミ。ベースワインは2015年。2002~2014年のワインをブレンド。アロマにはレモングラス、黄色い花、黄桃、アカシア、酸味の切れ感、ノン・ドゼながら膨らみがあり、ぶどう本来の熟度を感じさせる味わい



        ル・グラン・ド・ボーテ2017
        石灰のニュアンス、口中ドライ、酸味、ミネラル
        若干のビター感、旨味、複雑味があり、余韻の広がりが魅力


         クロ・サン・ソフィーのラベルにまつわるストーリー
         日本のワイン造りに貢献した功績を明治天皇から評価され、
         勲章を受章したバルテ。
         園芸研究家の彼は、“みかど”と命名した菊を作り天皇に献上
         クロ・サン・ソフィーのラベルには、その菊の絵が使われています。


              クロ・サン・ソフィー2017

初VTは2010年。樹齢は約50年。マコン・ソリュトレ2004に使用した500Lの木樽33%、サヴァニャン1997に使用したバリック22%、グラン・シャンパーニュ・コニャック1976のバリック17%、グラン・シャンパーニュ・コニャック1988のバリック17%、ヴァン・ジョーヌの木樽11%を使った独特なスタイル。それぞれの容器で6ヶ月発酵・熟成させ、ステンレスタンクでブレンドして、さらに2ヶ月熟成させ、瓶内2次発酵で熟成。木香と土壌由来の石灰、塩味、黄桃、アカシア、時間の経過で複雑さと力強さ、気泡はワインに溶け込み、酸味もなじんでなめらか。


 10月の講座、お疲れ様でした。
 11月は・・・さらにお楽しみに!!



               🍀🍀🍀🍀🍀


 トゥールーズのスミレ
 食通オットーさんからいただいた貴重なスミレの砂糖漬け


 初めて食す逸品だったので、講座生の皆さんと分け合って楽しみました!
 そのまま食べても美味、シャンパーニュに入れてシャンパンカクテル風にしてもイイ感じ
 スミレの香りが余韻になって広がり、甘露な世界に!



               🍀🍀🍀🍀🍀


      備忘録番外編
      岩崎甲州を試飲しているうちに、
      つきぢ神楽寿司の赤酢の世界に浮遊して~

      シャトー・メルシャン玉諸甲州きいろ香2022は、レモンの酸と相乗
      太刀魚の塩焼きとワインの柑橘果実の内果皮似の軽いビター感が良い相性

 サントリー登美の丘ワイナリーのセラードアで入手した甲州
 樹齢30~40年の古樹甲州は和の佇まい
 第一香は控えめ、和柑橘のニュアンスがあり、酸味も程よく、
 赤酢のお鮨に寄り添う風情

   金目鯛の炙りと大とろを〆に食し、パワー充電。
   年末まで頑張れそうです!

2024年09月20日

春季講座の最終回はコロナ禍あけ初の合同講座マグナムマンス

     パンデミックでしばし休講になっていたシャンパーニュ講座は、
     2020年10月から、密を避ける形式を導入!
     第3週

&第4週

の2クラス体制になりました。

     2020年から4年経ちましたが、
     講座は皆さんの応援に支えられ、
     2クラス体制で継続しています。

     2024年春季(4~9月)から、新たな構成にしてみました。
     最後の月だけ「2クラス合同、扱うのはマグナムサイズだけ」
     という内容です。
     その第1回が、今月18日でした!
     講座生の皆さんが一堂に会したのは4年振り、ホント感無量でした[わーい(嬉しい顔)]



 2024年9月講座で
 本来であれば、750mlと1500mlを同時に比較するのがお薦めですが、
 マグナムマンスは大容量の熟成の素晴らしさを体感することが目的なので、
 ここ1~2年の間に、講座で750mlを味わったメゾンを中心にセレクトしました。





 コルクのしまり具合イイ感じ!


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第1フライトはブラン・ド・ブランNV

          #1アンリオ ブラン・ド・ブランNV / 1500ml
          生産者:アンリオ(NM)
          ぶどう品種:CH100% ベースヴィンテージ2016年
          ドザージュ:約5g/L
          デゴルジュマン:2022年11月
          価格(税込):23,540円 
          輸入元:ファインズ

気泡の溌溂感=フレッシュ感、柑橘果実やストーンフルーツのアロマ、塩味、2タイプのリザーヴワイン(直近のリザーヴワイン 前年~約10年分のクリュ別・VT別)と永遠のリザーヴ(1969年から続くパーペチュアル)に由来する深みのある味わい。酸味のやさしさと全体のバランスが秀逸。ドザージュ量は熟成期間が長いマグナムのほうが若干少ない。

 [プレイバック / 2023年7月に750mlをテイスティング]



 #2ブルーノ・パイヤール ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュットGC / 1500ml
 生産者:ブルーノ・パイヤール(NM) 
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:6g/L
 デゴルジュマン:2022年11月
 価格(税込):36,300円
 輸入元:ミレジム

#1より第1香は控え目、通常のシャンパーニュより抑え気味の4.5気圧なので、シャルドネ100%の酸味の強さが緩和され、さらに、デゴルジュマン後、10ヶ月の熟成期間 (澱を抜いた後のワインの回復を第一に考えているパイヤール氏のこだわり)を取ることで、ワインの味わいは、よりまろやかに! 柑橘果実、チョーキーなミネラル、アーモンドやブリオッシュ、フレッシュで長い余韻


  [プレイバック / 2023年12月に750mlをテイスティング]




             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。




 第2フライト

        #3テタンジェ ブリュット ミレジメ2013 / 1500ml
        生産者:テタンジェ(NM) 
        ぶどう品種:CH50%、PN50%
        ドザージュ:8g/L
        価格(税込):25,030円
        輸入元:サッポロビール

2013年は、冬が比較的長く、ランス地区ではマイナス12度まで気温が下がり、氷点下から回復したのは4月半ば。春は不順だったが、6月下旬から7月にかけては好天、夏は暑く乾燥した日が続き、9月に適度な降雨があり、ぶどうの成長が促され、良い状態で収穫期を迎えた。例年ほどの力強さはないものの、大半はヴィンテージ・シャンパーニュになりうる収穫年。溌溂さと力強さ、土壌に由来するミネラル、塩味。柑橘果実に加え、出来の良いシャルドネに感じる白胡椒のニュアンス。シャルドネを重視するテタンジェらしいバランスが取れた品格あるスタイル。#3と#5は1年違いのヴィンテージ(ともにブレンド比率はCHとPNが約半々)。上部の3グラスの画像を見比べていただくと、#3のほうがわずかながら淡いので、ヴィンテージが若いと判断できます。


        #4ドラピエ レゼルヴ・ド・レノテーク2006 / 1500ml
        生産者:ドラピエ(NM) 
        ぶどう品種:PN75%、CH15%、M10%
        ドザージュ:4.5g/L
        価格(税込):33,000円
        輸入元:テラヴェール

2006年ヴィンテージは、偉大なシェフ・ド・カーヴ、レジス・カミユさんがワンワードで表現していたフレーズがぴったりだと思っています。冬はとても寒く、多雪。春は比較的暖かかったが多雨。夏は暑く、頻繁に雨が降ったが、収穫の2週間前から好天になり、太陽の恩恵を受けるようになった。“太陽の年”と形容できる偉大な収穫年。PNを重視するメゾン、赤銅をイメージさせる色調。ブレンド比率は黒ぶどうを85%使用。気泡はワインに溶け込み、口中スムース。アロマにはモカやコーヒー、焙煎香、スパイス、長い熟成からくる複雑味、酸味の印象。余韻はスマート。メイン料理の赤身肉と合わせて楽しみたいシャンパーニュ、できれば大きなグラスで!


        #5アンリオ ブリュット ミレジメ2012 / 1500ml
          8月22日以降出荷 150本のみリリース
        生産者:アンリオ(NM) 
        ぶどう品種:CH54%、PN48%
        デゴルジュマン:2022年10月
        ドザージュ:約4g/L
        価格(税込):66,000円
        輸入元:ファインズ

2012年は、年初から7月半ばまでは悪天候、7月半ばから9月半ばまでは降雨もなく酷暑、収穫期は好天に恵まれ、劇的な気候のコントラストが全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ。750mlを試飲した段階で、長熟を旨とするメゾンの個性が表現されていて好印象だったので、8月に市場デビューしたマグナムを揃え、1年前の記憶(2022年の日本上陸時にも試飲)を辿りながらトライ。
予想通り、第1香から、飲み手の心に入り込む逸品で、若々しさと旨味のバランス。フィネス、エレガンスが表現されたスタイルで、大半の講座生が“当日のベストシャンパーニュ”にセレクト。


       [プレイバック / 2023年12月に750mlをテイスティング]

         10月から秋季講座(~2025年3月)が始まります。
         第1回には、9月に入港したばかりの希少アイテムを出せそうです。
         受講生の皆さん、お楽しみに!

2024年09月03日

来日したアシスタント・セラーマスターが説くフルール・ド・ミラヴァル ・ロゼ & シャンパーニュ講座で探求したER3

 タイトルがなが~い分、中味の濃いリポートになっています[わーい(嬉しい顔)]

 【第1部】
 Fleur de Miraval Tasting Seminar by Alexis Blondel

輸入元ジェロボームの招聘で、昨年、今年と2年続けて来日しているシャンパーニュメゾン『フルール・ド・ミラヴァル』のアシスタント・セラーマスター アレクシ・ブロンデルさんが、ER1、ER2、最新版ER3 & 昨秋デビューしたプティット・フル-ルについて解説。

 ソムリエとしてデュカスGを含むドバイ、NY、パリのワイン業界で経験を重ね、
   2022年8月にフルール・ド・ミラヴァルのアシスタント・セラーマスターに就任。
 ペテルス&ペラン両家と共にロゼ・シャンパーニュの生産、販売
 およびチーム・トレーニングに携わり、
 現在、ブランド代表として世界中に、ロゼ・シャンパーニュの魅力を発信中。


   3Pが求めるロゼ・シャンパーニュのスタイル
   (c)ジェロボーム

  ロドルフ・ペテルス、ブラッド・ピット&マーク・ペランの3P
  ペテルスはル・メニル・シュル・オジェが拠点のピエール・ペテルス6代目
  ブラッド・ピットは俳優
  ペランはコート・デュ・ローヌのファミーユ・ペランの5代目
  ピット&ペランはプロヴァンスでミラヴァル・ロゼを手掛けています。
  ロゼ・シャンパーニュ誕生のいきさつは、フルール・ド・ミラヴァル伯爵夫人の伝説
  (ロゼ・シャンパーニュだけを飲み、熟成した上質なシャルドネのニュアンスを好んだ)
  にインスピレーションを受けたこと。
  加えてロゼ・シャンパーニュ好きのピットの意向も反映されています。
  ペランがシャンパーニュの卓越した造り手ロドルフ・ペテルスと朋友だったことで、
  彼も仲間入りし、3Pで『フルール・ド・ミラヴァル』造りがスタートしました。
  ラベルには“ロゼに特化した”を意味するEXCLUSIVEMENT ROSÉを表記
  (上記の文中 敬称略)


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


プロジェクトは、5年間、秘密裏で進められ、その間、さまざまなメゾンのシャンパーニュの試飲を重ねました。結果、多くのメゾンのロゼ・シャンパーニュは、ピノ・ノワールの要素が強く出ていると感じたようです。

ペランさんは「ロドルフは昔からの友人で、共に世界中の偉大なワインに情熱を注いでいますが、上質なヴィンテージのロゼ・シャンパーニュを飲むたびに、同じ思い(ピノの印象の強さ)を感じていました。それは、熟成と共に発展していくシャルドネのアロマは素晴らしいものの、赤ワインのヘビーなアロマはシャンパーニュ全体の調和やエレガントさを邪魔しているものが多い、ということです。ゆえに、我々は熟成したシャルドネと若いピノ・ノワールのロゼワインをブレンドした、他メゾンとは異なるタイプのロゼ・シャンパーニュを造ろうと決めました」と言及。

この太字にした部分が、フルール・ド・ミラヴァルの大事なポイントです!

ロゼ・シャンパーニュ造りにおける、シャルドネへの徹底したこだわり

シャルドネの聖地コート・デ・ブランのぶどうの石灰質に由来するチョーキーな要素、溌溂感を生かす。ソレラによるリザーヴワインと2種のボトルシャンパ-ニュを使うことで複雑な要素を加える。シャルドネのぶどうはGCのル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィーズ&クラマン、ピノはPCのヴェルテュになります。

     ER1のプロフィル
    ぶどう品種はCH75%、PN25%
    CHは2016年ヴィンテージ25%
    リザーヴワイン50%
    パーペチュアルリザーヴ25%(2007年~)
    ボトルシャンパーニュ25%(2002年&2008年)
    PNは2016年ヴィンテージ25%
    デゴルジュマン:2020年6月
    ドザージュ:4.5g/L
    生産量:2万本
    希望小売価格:6万円/ギフトボックス入り

アレクシ:白い花、柑橘、ストーンフルーツのアロマ、ベリー系果実のフレーバー、綺麗なバランスでソルティーなフィニッシュへ。従来のメニルのスタイルに熟成した要素が加わり、緊張感とシャープさを伴ったシャンパーニュ。料理に生姜、山葵、香草類、レモングラスを加えた一皿、スモーキーな香りにも良く合う。日本料理ならうなぎやマグロのたたき(ゴマとコリアンダー添え)がお薦め


              o○.。o○.。o○..。.。

  2020年12月1日、リリースされたER1をジェロボーム本社で試飲させていただきました。
  
 市場デビューした新アイテムを、
 シャンパーニュ講座で共有したかったので、2021年1月、新年プレゼントで、
 講座生の皆さんと試飲して、思いを叶えました。


      ER2のプロフィール
      ぶどう品種はCH75%、PN25%
      CHは2017年ヴィンテージ25%
      リザーヴワイン50%
      パーペチュアルリザーヴ25%(2007年~)
      ボトルシャンパーニュ25%(2004年&2006年)
      PNは2016年ヴィンテージ25%
      デゴルジュマン:2021年4月
      ドザージュ:4.5g/L
      生産量:2万2千本
      希望小売価格:6.5万円/ギフトボックス入り

アレクシ:チョーキーで引き締まったボディとブラッドオレンジや柑橘の皮の高貴な苦みを備えたスタイル。力強くボリューム感のある味わいなので、辛いスパイス、ペッパー、野菜や肉類の強い風味をも包み込むので、ガストロノミーな食事を楽しむためのシャンパーニュ。鹿肉のローストに発酵ビーツとビーツのピクルスを添えて。熟成したパルメザン、ゴーダなどの凝縮した風味豊かなハードチーズや、クミンをかけたマンステール。それらのチーズにフルーツを添えて!

       最新エディションER3
       ぶどう品種はCH75%、PN25%
       CHは2018年ヴィンテージ25%
       リザーヴワイン50%
       パーペチュアルリザーヴ25%(2007年~)
       ボトルシャンパーニュ25%(2000年&2009年)
       PNは2018年ヴィンテージ25%
       デゴルジュマン:2022年5月
       ドザージュ:4.5g/L
       生産量:2万本
       希望小売価格:6.8万円/ギフトボックス入り

アレクシ:クリーミーな口当たり、ビターなアーモンド、野イチゴやベリーのタルトのフレーヴァーを感じる素晴らしいエディション。ER2を「陽」とするなら、ER3は「陰」。シャンパーニュそのものが完璧であり、春や夏の香りが似合うスタイル。料理は繊細な魚介・甲殻類、甘い柑橘のフレーヴァーにもマッチ。ポシェした仔牛、鶏肉、リードヴォーなどの白身肉がお薦め。ブリア・サヴァランやシャウルス等のクリーミーで濃厚なチーズにフレッシュアーモンドを添えて!


  各エディションならではの魅力
 左から ER1、ER2、ER3


  べールを外して・・・

  ベースヴィンテージの2016年2017年2018年のキャラクター
  さらに、澱抜き前のボトルシャンパーニュは各エデイション毎に「2VT」使用
  ER1は21世紀の秀逸VT2008年の酸味の効果
  ER2は太陽の年といわれる2006年効果
  3アイテムのなかで最も色調が濃く、味わいにも深みあり。
  アレクシさんに色の濃さを質問したところ、ボトルシャンパーニュ2ヴィンテージによる影響
  2006年の力強さ、2004年の澱との接触期間(13年)の長さに由来している
  とのお返事をいただきました。
  ER3は18年以上もの間、澱とまどろんでいた2000年効果
  3アイテムを試飲して、ER3の進化を感じたので、シャンパーニュ講座で再挑戦!


        2023年11月にデビューしたプティット・フルール
        ぶどう品種:CH 95%、PN5%
        CH65%が2019年ヴィンテージで、30%リザーヴワイン
        PN35%は2019年ヴィンテージ
        ドザージュ4.7 g/L

コート・デ・ブランの石灰質土壌のテロワールを反映したロゼ・シャンパーニュでチョーキーなテクスチュアと塩味のニュアンス。リザーヴワイン(パーペチュアル)の比率は30%、赤ワイン(ヴェルテュのPN)を5%ブレンド。リリースまで3 年間澱と共に瓶熟。白系の花々、柑橘果実のアロマ。ベリー系果実の瑞々しいジューシーかつ芳醇な味わい、繊細さと軽やかを伴ってフィニッシュ

 ワインスペクテーターでも高評価

 ■製品についての問い合わせ先 ジェロボーム株式会社
  TEL:03-5786-3280 / FAX:03-5786-3282


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 【第2部】
 8月のNHKシャンパーニュ講座はER3を含む4種のロゼを比較試飲
 #1:J.M.ラブリュイエール アントロジー・ロゼNV
 #2:プティット・フルールNV
 #3:フルール・ド・ミラヴァル・ロゼ (ER3) NV
 #4:ポル・ロジェ ブリュット・ロゼ2018

 左から#1~#4
 中央の2つの色調を見比べてください。
 ひとつはロゼをブレンドしたタイプ、もうひとつは赤ワインをブレンドしたタイプ





          J.M.ラブリュイエール アントロジー・ロゼNV

          生産者:J.M.ラブリュイエール(RM)
          ぶどう品種:PN90%、CH10%
          デゴルジュマン:2022年11月7日
          瓶詰日:2018年4月25日
          ドザージュ:約1.6g/L
          参考上代:13,200円+税  ジェロボーム協賛

ブジー産のPNを10%ブレンドしたロゼ・シャンパーニュ。色調はこころ和ませるサーモンピンク。赤系果実、ピンクペッパー、白コショウ、茶葉に通じる軽いタンニン、果実味と酸味のバランスが取れたカリテ・プリな1本。ブルゴーニュのラブリュイエール家が2012年から手掛けるシャンパーニュで、醸造はドメーヌ・ジャック・プリウールのナディーヌ・ギュブラン女史が担当。2017年のシャンパーニュ講座で初めて供出。7年振りの登場でしたが女性ワインメーカーらしい“繊細なタッチ”で第3週&第4週ともに女性陣からの支持多し

        プティット・フルールNV
        生産者:フルール・ド・ミラヴァル(NM) 
        ぶどう品種:CH95%、PN5%
        ドザージュ:4.7g/L
        参考上代:16,500円+税

 大事なポイント!
 データ提供:ジェロボーム

 フルール・ド・ミラヴァルはセニエ製法によるロゼを造り それを25%ブレンド
 ペテルスとペラン両名がPNの若さと熟成したCHの調和を具象化したのがこのスタイル
 プティット・フル-ルは赤ワインPNを5%ブレンド

        フルール・ド・ミラヴァル・ロゼ(ER3)NV
        生産者:フルール・ド・ミラヴァル(NM) 
        ぶどう品種:CH75%、PN25%
        デゴルジュマン:2022年5月
        ドザージュ:4.5g/L
        参考上代:68,000円+税

石灰土壌から産出されたシャルドネのきりりとした酸味。ミネラル、塩味、ヨード感。時間の経過で熟成したシャルドネに由来するふくよかさ、アーモンド、スパイス、クリーミー

      リーデルのドンペリニヨンDPグラスと講座用リースリンググラス
      ブラインドで微妙な利き分けをしたい時に活用しています。
      3P力説の「タンニンの強さを感じさせないフルール・ド・ミラヴァル」の探求
      他の3アイテムと比べて、PNの喉ごしのスムースさは納得!

          ポル・ロジェ ブリュット・ロゼ2018
          生産者:ポル・ロジェ(NM) 
          ぶどう品種:PN65%、CH35%
          ドザージュ:8g/L
          参考小売価格:18,500円+税

レッドカラントやブラックカラント、エキゾチックフルーツのニュアンス、ピノ・ノワールの赤ワインを約15%ブレンドしているので、4つのなかで色調は最も鮮やか。味わいも視覚から得た印象同様、ピノの厚みが反映されたスタイル。これをDPグラスで試すと、厚みよりも、調和とエレガンス。造り手の技量を感じました。

2024年07月27日

ミッシェル・ベタンヌ氏から高評価を受けたトリボー・シュロッサーの『キュヴェ・ルネ』

 パリ2024開幕
 トリコロールカラーが映えるパリ

 ENCHANTÉ / はじめまして!

 パリオリンピック開始直前、
 フランス大使公邸で、私もフリージュたちにENCHANTÉ
 歴史ある施設をフル活用して展開されるパリ2024
 “Non Solo Sport” の意味も込めてとっても楽しみ[わーい(嬉しい顔)]


 7月のシャンパーニュ講座
 今月のシャンパーニュ講座は、
 いつものようなブラインドのスタイルではなく、
 最初から「メゾン名」を明かして進めました。
 これはNHK文化センター青山校のシャンパーニュ講座初の出来事!
 先月メゾンから、エクスポート・ディレクターのローラン・デュメニルさんが来日し、
 輸入されている全アイテムを披露してくださったことがきっかけでした。
 フォーカスしたのはブリュネ渓谷が拠点のトリボー・シュロッサー

 ワイン王国webにデュメニルさんが語ってくださった内容をまとめてあります。
 表参道にあるfruta&で体験したマリアージュについても触れていますので、
 ご笑覧くださいませ。


         第1フライト
        #1:ブラン・ド・シャルドネ
        生産者:トリボー・シュロッサー(NM)
        ぶどう品種:CH100%
        瓶内熟成:3年
        大樽で熟成させたリザーヴワインを30%使用
        ドザージュ:4g/L程度
        参考上代:10,000円

        気泡繊細、白い花、レモン、GF、すもも、
        若干のビター感(土壌由来)、料理を引き立てるミネラル感


        #2:ブリュット・ミレジメ2015
        生産者:トリボー・シュロッサー(NM) 
        発酵はステンレスタンク、
        醸造ではバリックと大樽で熟成させたキュヴェを20%使用
        ぶどう品種:PN50%、CH50%
        瓶内熟成:6~7年
        ドザージュ:6g/L
        参考上代:12,000円

        明るいゴールド、和柑橘、ビスケット、アーモンド、
        複雑味、芳醇でバランス良好、口中クリーミー


IMG_9154.jpg
   味わいに石灰質土壌を感じるブラン・ド・シャルドネ 
   アロマから熟成のニュアンス、厚みの2015年



         第2フライト
        #3:キュヴェ ルネ
        生産者:トリボー・シュロッサー(NM)
        ぶどう品種:CH70%、PN30%
        キュヴェは2012年と2013年のブレンド
        瓶内熟成は5~6年
        バリックと大樽で熟成させたリザーヴワインを50%使用
        ドザージュ:5g/L
        参考上代:20,000円

        CHはロムリーの“クレイエール”、PNはエキュイエの“クロサール”。
        ゴールド、芯を成す酸味がポイント、アプリコット、シナモン、塩味
        次回からソレラシステム(2016年から2023年の8年間)のキュヴェを使用

       ベタンヌさんのメゾン&キュヴェ・ルネコメント


        #4:オーセンティック2010
        生産者:トリボー・シュロッサー(NM) / 生産量:5,637本
        ぶどう品種:PN80%、CH20%
        樽発酵、樽熟成のキュヴェ/ファーストヴィンテージは2005年
        瓶内熟成は8年
        ドザージュ:4g/L
        参考上代:30,000円
        樽発酵、樽熟成。PNは特級畑アイ村、CHは自社畑ロムリーのぶどう。

        深みのあるゴールド、ブリオッシュ、黒ぶどう主体の重厚感と複雑味

        総生産量5637本中4203本目


  ともに深みのある色調
  PNとCHのブレンド比率が真逆、凄く面白いです。
  講座生の皆さんに好みを伺ったところ、
  第3週(13名、1名欠席)では、#3に8名、#4に4名
  第4週(12名)では、#3に5名、#4に7名

  私は#3のキュヴェ・ルネに1票!!!



         第3フライトはロゼ
        #5:ブリュット・ロゼ
        生産者:トリボー・シュロッサー(NM)
        ぶどう品種:PN20%、CH30%、M50%
        ブレンドする赤ワイン8~12%、キュミエールとダムリーのPNとムニエ
        瓶内熟成は2年
        大樽で熟成させたリザーヴワイン20%使用
        ドザージュ:8g/L
        参考上代:8,000円

        オレンジ色を含むサーモンピンク、赤い果実、黄色の柑橘、
        優しい酸味と果実味が好印象

トリボー・シュロッサーは4世代目の兄セバスチャン50歳と弟ヴァランタン32歳が仕切っていますが、セバスチャンの息子19歳が5代目候補としてメゾンに参画。小規模ながら家族経営のNMとして創業100年を目指して邁進中です。この機会にトリボー・シュロッサーの魅力をお伝えできれば幸いです。


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 トリボー・シュロッサーのローランさん@fruta&
 東京オフィス ブランドマネージャー伊田明弘さんとトリボーで乾杯@フランス大使公邸


 第4週講座では伊田ブランドマネージャーに、
 麻紐を手で開ける手順をご披露いただきました。
 伊田さんいわく「日本中のワインスクールの中で一番最初にトリボーを取り上げたのは、
 NHK文化センターのシャンパーニュ講座」と。まぁ、光栄です!
 輸入元マック・フーズはレストラン主体ですが、
 恵比寿ワインマーケットパーティには何アイテムか取扱いがあるかも。

 ■天草の真鯛と北海道産ホタテのカルパッチョ×ブラン・ド・シャルドネ
 透明感のある白身、新鮮で美味でした!

 ■ホワイトアスパラ、名古屋コーチン卵のビスマルク風×ブラン・ド・ノワール
 ■リー・ド・ヴォーのソテー × キュヴェ・ルネ、 ミレジメ2015
 ■和三盆のプリン×ブリュット・ロゼ
 ■イベリコ豚の黒コショウ焼き×オーセンティック2010

【お問い合わせ先】
 株式会社マック・フーズ 電話03-5665-2941



            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 [NEW]シャンパーニュ2024の収穫に関して
 気象状況が気になります。
 収穫は9月10日~12日頃の予定


 [NEW]日本ワインコンクール2024のスパークリングワイン部門
 7月26日に受賞ワインの発表がありました。
 安心院(ajimu)スパークリングワインは安定感があり、大いに納得できます。
 何より、瓶内二次発酵で、酒質が良く、さらに3,000円台、これは最大の魅力。
 未体験の泡ラバーさんがいらっしゃいましたら是非是非!

 今年6月、朋友との会食に持ち込んだのが、 
 サントリーフロムファーム津軽シャルドネ&ピノ・ノワールスパークリング2020
 昨年の同コンクールで金賞&スパークリングワイン部門の最高賞をゲットした逸品
 今年のコンクールには2019年ヴィンテージを出品なさったようで、銀賞受賞でした。

2024年07月13日

【本編】6月の講座はアルタランガを仲間に入れてブラン・ド・ノワール探求

 ワイン関連イベントが続き、講座リポートが遅くなってしまいました m(_ _)m
 6月の講座に関しては、先月末アップした【序章】

で、
 ざっくり触れていますが、初アルタランガなので 詳細はこの【本編】で!


 第3週
 第1フライト
 #1:アルタランガ DOCG 《SoloNoir》 2020
 生産者:イタリア・ピエモンテ州 レーヴァ・ワイナリー
 ぶどう品種:PN100%
 瓶内熟成は約33ヵ月
 残糖:2.1g
 生産本数:5,300本
 提供者:第3週の講座生


アルタランガはピエモンテ州で造られているスプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)で、製法はシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵、2011年にDOCGに昇格しました。標高は400~800mで、瓶内の熟成期間は30ヵ月、厳しい規定が設けられています。序章にも書きましたが、講座生の持ち込みだったので、オーダーメイドのシャンパーニュ講座らしく、今注目のアルタランガvsシャンパーニュにしてみました。
#1は標高460~490mの畑で栽培されているピノ・ノワール(イタリアではピノ・ネーロ)100%、淡目の色調、第一印象はフルーティ&軽快、ハーブ系のニュアンス、ミルクっぽさ、中盤から軽いビター感、ドザージュは少な目ながら甘やかな余韻があり、香りは#2#3と比べると若干異質、酵母??


 #2ドラピエ ブリュット・ナチュールNV
 生産者:ドラピエ(NM) 
 ぶどう品種:PN100%
 リザーブワインは10%
 瓶内熟成は36ヵ月以上、ノン・フィルター
 ドザージュ:0g/L
 参考小売価格:9,570円
 輸入元:テラヴェール
アルタランガの熟成規定に合わせて、瓶熟期間の長いブラン・ド・ノワールを選択。ピノ・ノワールに長けたコート・デ・バールの生産者ドラピエらしい1本。アロマの奥ゆかしさ、イーストに由来する厚みのある味わい、余韻の長さから「これはシャンパーニュ!」と確信できるアイテム。黒系果実を感じる淡ピンクの色調、ビスケットやハチミツ、ミネラル、全体を構成する骨太感


 #3コエッソン ラルジリエ・ブラン・ド・ノワール ヴァンダンジュ2018
 生産者:コエッソン(RM)
 ぶどう品種:PN100%
 リザーブワインは不使用
 MLF後、澱とともに瓶内での熟成30ヵ月
 ドザージュ:7g/L
 生産本数:10,000本
 参考小売価格:13,200円
 輸入元:アフロス
コート・デ・バールのラルジリエが拠点。ファミリーは5代にわたるぶどう農家で、ジェローム当主の代になってからRMに転向。表土・下層土ともにキンメリジャン。シャンパーニュにストラクチュアとボリューム感を与える泥灰土の層と、余韻に趣きを与える石灰の層が交互に重なり合った土壌。NVですがリザーヴワインは一切使わず、単一年(このシャンパーニュは2018年)で仕上げたアイテム。#1に近い色調、おしろい花やジャスミン、洋梨やカリン、中盤以降、酸味の広がりと熟成香、プレスの丁寧さを感じる繊細さ、塩味。

伝説のレストラン『ザ・ジョージアンクラブ』や白金高輪の『オレキス』で活躍し、世界のワイン生産者や多くのワインラバーから人気がある春藤祐志さんが惚れ込んで直接輸入しているシャンパーニュ。2年前に初めて試飲してから「いつか講座で披露したい」と思っていたメゾンです!
現在、春藤オーナーソムリエは、拠点を麻布台に移し、『オレキス』を経営しています。会員制バーですが、気になった方は、春藤さんにその旨伝え、訪問なさってみてください。
[レストラン]レストラン オレキス Orexis
東京都港区麻布台1-11-3 / info@orexis.co.jp


        正規輸入元はアフロスAFLOS

コエッソンご夫妻は並行物対策としてシャンパーニュの裏ラベルに「正規輸入元はアフロスのみ」という表示を入れることを決断。アフロスでは品質管理を徹底している飲食店や酒販店だけにコエッソンを卸しているので、この文言は品質に対する何よりの証明です!


 第3週講座で供出した6アイテムのプラーク

 第4週講座で供出した6アイテムのプラーク



 第4週
 第1フライト


 #1“フォー・イングランド” アルタランガ スプマンテ パドセ2018 DOCG
 生産者:イタリア・ピエモンテ州 コントラット


 ぶどう品種:ピノ・ネーロ100%
 瓶内熟成は42ヵ月以上
 ドザージュ:0g/L
 参考小売価格:9,000円
 輸入元:モンテ物産 協賛
1867年創業の老舗ワイナリー。1919年にイタリアで初めて、瓶内二次発酵のミッレジマート(ヴィンテージを表記した泡もの)を生産。イギリス王室を筆頭にイギリス市場に輸出を拡大、英国の植民地だった各国の王室やバチカン御用達になっていた由。“For England”と命名された由緒あるアイテム。フレッシュ&ドライ、白い花、スモモの甘酸っぱさ、レモン似の酸味、塩味、軽いビター感、標高の高い畑から収穫されたぶどうのピュアさを詰め込んだ味わい。


 新たに購入した畑は標高700~800mの“ボッソラスコ”
 アスティ県の標高600~650mの“ロアッツォーロ”でピノ・ネーロとシャルドネを栽培


 『ラ・スピネッタ』のオーナー兼醸造家のジョルジョ・リヴェッティさん
 2011年から彼がコントラットのオーナーになり、醸造も行っているのでワクワク!
 ラ・スピネッタと言えば、アルブレヒト・デューラーの“犀サイ”のラベルですよね。
 キャップシュールを外した瞬間、プラークの犀に釘付け。思わず笑顔[わーい(嬉しい顔)]

 以下の2アイテムは第3週と同じ
 #2ドラピエ ブリュット・ナチュールNV
 #3コエッソン ラルジリエ・ブラン・ド・ノワール ヴァンダンジュ2018



 第2フライト(共通)


 
 #4パイパー・エドシック エッセンシャル ブラン・ド・ノワールNV
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN80%,ムニエ20%
 ドザージュ:5g/L
 デゴルジュマン:2023年3月
 参考小売価格:10,120円
 輸入元:日本リカー
昨年9月にリリースされたアイテム、2018年にレジス・カミユさんからバトンを引き継いだシェフ・ド・カーヴのエミリアン・ブティヤさんがすべてを手掛けたキュヴェ。シャンパーニュ業界でB-CORPを取得した第一号のEPIグループ(パイパー、シャルル、レア)だけにラベル情報も以前より前向きな印象。アロマ豊か、マンダリンオレンジやストーンフルーツ、アーモンドやアカシア、酸味と果実味と塩味が程良く調和

 #5トリボー ブリュネ・ヴァレー ブラン・ド・ノワール ブリュット・ナチュールNV
 生産者:トリボー・シュロッサー(NM)
 ぶどう品種:ムニエ、PN各50%/ぶどう畑は自社が保有するロメリー、ダムリー
 瓶内熟成は30ヵ月
 ドザージュ:0g/L
 参考小売価格:9,900円
 輸入元:マック・フーズ
11年前から輸入されていた隠れた逸材。今回はブラン・ド・ノワールをセレクト。創業は1929年の世界恐慌の年、拠点はヴァレ・デュ・ブリュネ。自社畑23㌶、長期契約の農家から17㌶分のぶどうを購入。年間生産約35万本。フレッシュさと爽やかさに加え、ヴァニラやハーブ、果実の凝縮感、旨味、バリックと大樽で熟成させたリザーヴワインを30%使用することで、味わいに深みと力強さを表現したスタイル。ソムリエや通のシャンパーニュラバーから人気のあるBdeN、現在の生産本数は1万本程度。今月、改めてトリボーの主要アイテムにフォーカスする予定。


 #6クリストフ・ミニョン AND・ドゥ・ムニエ エクストラ・ブリュットNV
 生産者:クリフトフ・ミニョン ※RMとのことですが裏ラベルはNM表記、輸入元に確認
 収穫年は2018年&2019年
 ぶどう品種:ムニエ100%
 ドザージュ:2~4g/L
 デゴルジュマン:2023年3月16日
 参考小売価格:13,200円
 輸入元:木下インターナショナル
自他共に認めるムニエのトップ生産者。栽培品種はムニエ90%、シャルドネ5%、ピノ・ノワール5%、平均樹齢35年、ビオディナミ農法。繊細な気泡、アロマ爽やか、ブリオッシュ、ジンジャー、丁寧な造りを感じる酒質、旨味とともに広がるドライな切れ感

[NEW]追記事項(7月18日)
RMを謳っていたクリストフ・ミニョンの裏ラベルがNM表記になっていたので、輸入元様を介して確認していただきました。お返事では「当主のクリストフから息子ロアンに世代を引き継ぐ準備の為、部分的に所有者が当主と息子の2つになり、法規上NM表記に変わりました」とのこと。
シャンパーニュ造りに関しては、今までと同じく、ファミリー以外のぶどう(購入ぶどうは一切無い)は使っていないので、RMのスタイルです。以前、RMだった『ド・スーザ』が『ゾエミ・ド・スーザ』を興した時にNM表記となりましたが、それと同様、あくまで「法的な観点からの記載変更」と理解できます。 



   6月初旬の週末は富山県にあるヴィレッジ・セラーズ本社のオープンセラーに参加

 北陸新幹線の敦賀ー金沢が開通したので旧知の仲間がいる金沢に立ち寄り


  金沢の銘菓 “芝舟”の生姜風味はシャンパーニュには少し強すぎるので、

  昨年誕生したばかりの芝舟サブレを選択。

  講座生の皆さんには楽しんでいただけたようです。




 o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


金沢にちょこっと寄り道
 21世紀美術館は地震の影響で一部見学ならず[もうやだ~(悲しい顔)]


 スイミング・プール体験したかったので残念


 日本現代工芸美術展の入選作にはこころときめく作品もあり


 金沢駅を撮るのも久々


 尾山神社も久々

   散策後は、朋友が親子代々ひいきにしている割烹「いし黒」へ。

   旬の食材を堪能してきました!

2024年06月28日

【序章】イタリアのアルタランガがシャンパーニュ講座に初登場!

今月の講座は、受講生からのお土産ワインをヒントにブラン・ド・ノワール探求!
バローロやバルバレスコの産地ピエモンテ州で造られるスプマンテ“アルタランガ
シャンパーニュと同製法&ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)&シャルドネ主体の泡ものです。
5月の連休にイタリアに遊びに行ったYukariさんが、
アルタランガをお土産に持ち帰ってくれたので、
勢いあるスプマンテに敬意を表し、ブラインド対決を試みました。

 第3週講座
 最左がお土産のアルタランガ

 第4週講座
 最左が第4週用に準備したアルタランガ
 尊敬している生産者をセレクトしました!


IMG_8189.JPG


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       各週ともそれぞれ趣ある味わいで、興味深い試飲ができました。
       第3週&第4週で、異なる内容になることは稀なので、
       まずは序章でご挨拶[わーい(嬉しい顔)]

       シャンパーニュラバーさんでも、
       アルタランガ体験なさっている方はまだまだ少ないと思います。
       泡にまつわる世界の動きは、とても面白いので、
       講座生の皆さんの感想に触れながら、後日、報告いたします。
       引き続き、宜しくお願いします!

2024年05月25日

2023年販売数量のデータを参考にしながら5メゾンにフォーカス

今月の講座は、酒販ニュース第2189号の2023年輸入スパークリングワイン銘柄別販売数量を参考に、上位5メゾンのシャンパーニュを取り上げました。

    出典:酒販ニュース

 第1フライト
 ワインショップでもよく見かける常連ですね。

 余談ですが・・・
 5月のゴールデンウィークの最終日、朋友たちとの集いがありました。
 主催者の家に用意されていたシャンパーニュは、
 なんと、モエ・エ・シャンドンのモエ・アンペリアルとヴーヴ・クリコのイエロー・ラベル
 確かに高い浸透率だと実感しました。


              o○.。o○.。o○.。

           講座は5月第3週&第4週に開催
          アイテムはすべてブラインドで供出

 #1:ヴーヴ・クリコ イエローラベル
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM) 
 ぶどう品種:PN50~55% CH28~33% ムニエ15 ~20%
 リザーブワインは40~45%
 ドザージュ:10g/L
 参考小売価格:8,900円

 #2:ペリエ ジュエ グランブリュット
 生産者:ペリエ ジュエ(NM) 
 松濤美術館で6月9日までエミール・ガレ展、ペリエ ジュエとの繋がりが深いアーティスト

 ぶどう品種:CH20% PN40% ムニエ40%
 リザーブワインは40~50%
 ドザージュ:9g/L
 参考小売価格:8,845円

 #3:モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアル
 生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
 ぶどう品種:PN30~40% ムニエ30~40% CH20~30%
 リザーブワインは1~3年前のワイン
 ドザージュ:9g/L
 参考小売価格:7,650円

【ワンワード】
講座生に各アイテムを表現する“ワンワード”と“お気に入りの番号”を聞いてみました。
第3週13名中8名が(3)モエ・エ・シャンドンを支持
ワンワードは果実味、バランス、厚み
第4週11名(1名欠席)中7名が(3)モエ・エ・シャンドンを支持
ワンワードはフレッシュ、ミネラル、喉ごし、厚み


 第2フライト
 
 #4:ドン ペリニヨン2013
 生産者:ドン ペリニヨン(NM)
 ぶどう品種:CH PN/非公開
 ドザージュ:非公開
 参考小売価格:33,800円

 ドンペリニョンに精通している柳さんから伺ったVT情報

 #5:ローラン ペリエ グラン シエクル イテラシオンNo.25
 生産者:ローラン ペリエ(NM)
 3ヴィンテージ使用:2008年約65%、2007年約25%、2006年約10%
 ぶどう品種:CH約60% PN約40%
 ドザージュ:7g/L
 参考小売価格:31,030円

【ワンワード】
第3週13名中7名が(4)ドンペリニヨン2013を支持
ワンワードは奥行き、力強さ、熟成感、芳醇
第4週11名(1名欠席)中9名が(5)ローラン ペリエ グラン シエクルを支持
ワンワードは、、バランス、調和、上質な酸味、複雑味
🍀グランシエクルのNo.1(1955/1953/1952)から最新のデータはコチラ

で検索


      日本上陸が楽しみ
     2023年サックリングのTOP100のベスト1に選ばれたのがNo.26
     日本では発売前なのでリリースが待ち遠しいです。

     ドンペリニヨン2013 グラン シエクルNo.25

        ドンペリニヨングラス
        教室で使用しているリースリンググラスと利き比べ

 供出したシャンパーニュ


ブログ仲間のHakoさん

もドンペリニョングラスで利き比べしてくださいました。+α情報として、各メゾンが取り入れているボトルの色も太陽光を生かした撮影でよくわかります。グリーンはシャンパーニュ委員会CIVC推奨ボトル、ブラウンはより遮断率がアップ!

参考資料
消費者庁の消費者行動&意識調査を参考にして意見交換
項目の中の「価格」「評判」「ブランドイメージ」「広告」はシャンパーニュをテーマにした場合は、要のポイント。「価格」は贈答の際、最も気になる点ですが、嗜好品として楽しむ場合でも今の円安は購入時、影響大になってきています。講座生の皆さんは、多くの銘柄を試しているので、選択に関しては味わい重視であることがよくわかりました。

 出典:消費者庁2017年データ

ブランドイメージの統計では働き盛りが意外と低いと感じました。
冒頭に載せたシャンパーニュの銘柄別のランキングは広告で目にすることが多いLVMH系列の強さと比例している印象

IMG_6440.jpg
 出典:消費者庁2017年データ

2024年05月02日

2024春季シャンパーニュ講座はアヴィズが拠点の『ミッシェル・ゴネ』からスタート

 春季講座開始
 ミッシェル・ゴネのぶどう畑  画像提供:日智トレーディング

 講座で供出した5アイテム
 #1:ミッシェル・ゴネ ブラン・ド・ブランGC ゼロ・ドザージュNV 
 #2:ド・スーザ レゼルヴ ブラン・ド・ブランGC NV
 #3:ブラン・ド・ブラン レ・トロワ・テロワール ミレジム2017
 #4:クール・ド・メニル ブラン・ド・ブランGC ミレジム2010
 #5:ブラン・ド・ブランGC キュベ・オーセンティック フュ・ド・シェーヌ ミレジム2005


 第1フライトは2メゾンの比較
 創業1802年のレコルタン・マニピュランRMミッシェル・ゴネ

 
 
 創業1948年のネゴシアン・マニピュランNMド・スーザ


 2023年1月エリック当主逝去の報はとても悲しく口惜しいことでした。
 彼の遺志を継いでお子さん達がメゾンを継承していますが、
 長女は引き続き、ゾエミ・ド・スーザを運営しています。
 当初、RMだったド・スーザですが、2004年にゾエミ・ド・スーザ創業以降はNM


 #1:ミッシェル・ゴネ ブラン・ド・ブランGC ゼロ・ドザージュNV 
 生産者:ミッシェル・ゴネ(RM) 
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:0g/L
 価格:10,560円
オジェとル・メニル・シュル・オジェのぶどうを使用。MLF実施。淡いイエロー、白い花や白桃、バター、石灰由来のミネラル、芯のある酸味とその後に続くドライ感、グラス内の温度上昇で酒質がよりスムース

 #2:ド・スーザ レゼルヴ ブラン・ド・ブランGC NV
 生産者:ド・スーザ(NM) 
 ぶどう品種:CH100%
 ベースヴィンテージは2020年(80%)
 ドザージュ:5g/L
 デゴルジュマン:2021年11月3日
 価格:14,850円
アヴィズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイィのぶどうを使用。色調は#1より濃い目のイエロー。熟した柑橘系果実、アカシア、ジンジャー、#1同様石灰由来のミネラル、最後まで均一に連なる酸味と切れ感、旨味&膨らみがありバランス良好




 第2フライトはミッシェル・ゴネの3ミレジム
 #3:ブラン・ド・ブラン レ・トロワ・テロワール ミレジム2017
 生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:5g/L
 価格:15,290円
モングー、ヴァンデ、ル・メニル・シュル・オジェの3(トロワ)エリアのぶどうを使用。淡いイエロー、石灰のニュアンス、西洋サンザシ、アカシア、アーモンド、クリーンな酸味を伴った余韻

 #4:クール・ド・メニル ブラン・ド・ブランGCミレジム2010
 生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:4.5g/L
 デゴルジュマン:2022年6月
 価格:21,890円
ル・メニル・シュル・オジェの特別な区画“レ・ゾート”の古樹のぶどうを使用。ステンレスタンクで低温発酵(12~13度)、最低10年間澱とともに瓶内熟成。ストローカラー、デニッシュ、バター、ミネラル、白胡椒、凜とした酸、余韻に軽いビター感

 #5:ブラン・ド・ブランGC 
 キュベ・オーセンティック フュ・ド・シェーヌ ミレジム2005
 生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:5g/L
 価格:24,860円
ル・メニル・シュル・オジェのぶどう100%、ステンレスタンクで低温発酵(12~13度)、その後オーク樽で熟成。黄金色、第一香は緩やかな酸化熟成のニュアンス(シェリー的な風味)、#5はシャンパーニュの古酒が醸し出すモカや焙煎香ではなく、熟れた果実のコンポートや白胡椒のようなスパイス、ヨード、パイナップルを連想させる南国フルーツ(若干ソーテルヌワインのような接着剤的な香り)、初めは直線的でスマート、グラス内の温度変化で広がりを感じさせるアイテム




 アイデアをくださったのはフィリップ・ミル ミシュラン・シェフ
 2月の来日の折、ランソンのシャンパーニュについて解説
 ノーブル・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2004を試飲した時のコメントは、
「ブラン・ド・ブランは魚介類に合わせたい。フランスなら帆立、牡蠣のヨード香に合う。
 メインの魚料理の脇役として 桃屋の海苔の佃煮を添えてサービスするのも良い」と。
 びっくり、でした[目]


 桃屋の海苔の佃煮
 そこで・・・
 今回はすべてブラン・ド・ブランだったので講座生の皆さんと一緒にチャレンジ

 ベストマリアージュだったのは

 ブラン・ド・ブランのミネラル感とヨード香
 若干の差はありつつも、相性面では大いに納得できました。
 第3&第4週ともに多くの講座生から「最高の相性」と支持されていたのは、
 #5のフュ・ド・シェーヌ2005
 緩やかな酸化熟成と樽効果の良さが印象的、
 海苔の佃煮と合わせた時の渾然一体感は見事でした!


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第3週講座の翌日届いた荷物
 まぁ、海苔の佃煮!!
 桃屋の佃煮より若干濃い目の味、ミルさんが銘柄まで言及した理由がわかりました。
 
 講座における試飲はブラインドなので、第3週

第4週

が終わるまでアイテムは秘密。
 そんな折、第3週の受講生から、粋なダジャレが!
 春季講座のスタートにふさわしいエールをもらった気分[わーい(嬉しい顔)]

 ステップアップ、頑張ります!

2024年04月02日

NHKシャンパーニュ講座の秋季を締めてくれたのは心意気最高のマイィ・グラン・クリュ

 マイィのニューアイテムをご紹介
 画像提供:合同酒精
 創業は1929年、25の家族(90人の組合員)からなる生産協同組合CM
 畑の面積は70㌶、年間販売量は約50万本 / 国内30%、海外70%(35ヵ国以上に輸出)
 ぶどう品種はピノ・ノワール、シャルドネのみ栽培
 グラン・クリュのマイィ村のぶどうのみ使用
 地下20mのセラーには4年分の販売量に相当するボトル本数を貯蔵・熟成
 2017年からヴィーガンへの取り組み
 2021年にすべての畑でHVEとVDCの認証を取得

 2018年に講座で取り上げて以来、数年が経過してしまいました。
 当時のリポート

をリンクしておきますので、事前学習にご活用いただけると嬉しいです。


 画像提供:合同酒精
 ワイナリーを取り囲む35区画(リューディ)


 画像提供:合同酒精
 協同組合の誇りが伝わってくる醸造施設
 徹底したこだわりは酒質の良さに反映しています!


 秋季講座最終回の6回目はマイィ
  供出順 左から右へ

 
第1フライトはブレンド同率でヴィンテージ違い



 #1:マイィ エクストラ・ブリュット ミレジム2016 コンポジション・パーセレール
 生産者:マイィ・グラン・クリュ
 ぶどう品種:PN75%、CH25%
 ドザージュ:2~3g/L
 価格:7,908円(税別)
深みのあるストローカラー、持続性のある細かな気泡、アロマがチャーミング、柑橘系果実、ブリオッシュ、アーモンド、フレッシュ感と心地良い味わいのバランスが絶妙、酒質のきれいさも好印象

 #2:マイィ グラン・クリュ ナチュール2013 生産量17,950本
 生産者:マイィ・グラン・クリュ
 ぶどう品種:PN75%、CH25%
 ドザージュ:0g/L
 価格:10,008円(税別)
アーティスティック コレクション発売開始から20年の記念として、コンテンポラリーアーティストとコラボしたアイテム。コンセプトはNature(自然)=ドザージュしないこと。オリジナル缶にデザインされているのは区画毎に細かく管理されているマイィの秋のぶどう畑。2013年は収穫が遅かったので、ぶどうはゆっくり熟した由。それを反映したぶどうは様々なアロマを有し、瑞々しい洋梨やリンゴ、菩提樹や白胡椒、塩味、緩やかな酸化熟成のニュアンスもあり、食感はドライ&クリーミー

 #3:マイィ レ・エシャンソン2012
 生産者:マイィ・グラン・クリュ
 ぶどう品種:PN75%、CH25%
 ドザージュ:6g/L
 価格:24,008円(税別)
3月のキーアイテムのひとつ。2月はランソンに特化しましたが最高醸造責任者のエルヴェ・ダンタンさんの前職場はマイィ。この2012年ヴィンテージは彼が手掛けた最後のシャンパーニュであり、ラッキーにも入手できたので講座生の皆さんとどうしても利き酒したかったというのが本音です。第3週&第4週ともに第1フライトの一番人気でした。
色調は濃いイエロー、気泡繊細、第1香はとてもシャイ、時間と温度変化で徐々に本性発揮。熟れたカリンや洋梨、アカシア、ドライフルーツ、ミネラル、旨味、まるみ、複雑味、口中シームレス


 第2フライトで新アイテム披露

 #4:マイィ ブラン・ド・ピノ・ノワールNV コンポジション・パーセレール
 生産者:マイィ・グラン・クリュ
 ぶどう品種:PN100%
 ベースヴィンテージは2018年
 タンク(ソレラシステム)で保存しているリザーヴワインを使用
 ドザージュ:8g/L
 価格:8,308円(税別)
深みのある黄金色、黄色系果実やスパイス、ハーブのニュアンス、ミネラル、グラス内の温度が上がるにつれリザーヴワイン由来の複雑味が広がり、食とのマリアージュが連想できたシャンパーニュ。リッチでありながら繊細さを備えたマイィらしいスタイル

 #5:ポエティック・ドゥ・ラ・テールXVI.I NV 日本での発売は3月19日
 生産者:マイィ・グラン・クリュ
 ぶどう品種:PN100%
 ベースワインは70%が2016年、リザーヴワイン(ソレラシステム)30%
 ドザージュ:5g/L
 価格:21,000円(税別)
 ポエティック・ド・ラ・テールの生産量6,792本、XVI.Iは3,381本のみ発売
3月のキーアイテムのふたつめ。欧州では昨秋リリースされていたシャンパーニュで、日本上陸を心待ちにしていました。第3週講座前日の発売という絶妙なタイミングでご披露できたことは本当に嬉しく思いました。黒ぶどう100%ながら白い花のイメージもあり、フレッシュ感と熟成感、塩味、厚み

  3月中旬に日本上陸

 デゴルジュマンの違いを楽しむアイテム
 バージョン1の発売から何年かしてバージョン2が市場デビューするようです。
 前者をキープしておいて、2アイテム揃ったら、利き比べたいですよね。
 数年後を楽しみに待ちたいです!

 ボトルの表裏画像をしっかり撮影してくださったHakoさん講座リポート


 富士山を背景にした画像もナイス、感謝です!


      参考:The World's Most Admired CHAMPAGNE Brands 2024
       Drinks International が発表したThe List
       ベスト3は不動です。
       ペリエ ジュエやローラン ペリエ
       ドラピエのアップ評価は嬉しいです[わーい(嬉しい顔)]


       春季講座の第3週&第4週とも満席になっています、ありがとうございます!
       ご参加くださる皆さまにはワクワク感をお届けしたいと思っています。
       引き続き、宜しくお願いいたします半月半月半月

2023年11月25日

11月のシャンパーニュ講座では英仏の泡もの利き比べを交えながら

 2018年、2019年と2年続きのシャンパーニュツアーの後、
 英国産スパークリングワインの現状を視察したく思い、
 2020年11月に英仏研修ツアーを計画しましたが・・・
 コロナ禍で延期を余儀なくされてしまい、しばし、我慢の日々!
 2023年11月、その夢を実現することができました。

 訪問順に、
 英国はガズボーン、ハンブルドン&老舗ワイン商BB&R、
 シャンパーニュはゴッセ、ボランジェ&ドゥ・ヴノージュ
 11月の講座では、帰朝報告を兼ねて、
 ガズボーン、ゴッセ、ボランジェ、ドゥ・ヴノージュのアイテムにフォーカス

  供出は左から右へ

 トゥール・エッフェルで乾杯
 メゾンではルイ15世にお迎えしていただき[わーい(嬉しい顔)]

        1889年パリ万博でスポンサーに名を連ねたドゥ・ヴノージュ
        2019年にエッフェル塔竣工130周年を記念して、
        限定発売したスペシャル・キュヴェ

        2019年の発売に続き、2023年10月1日に再入荷
        これも、即完売になったようです。 
        講座用に揃えることができて、ホント安堵

      #1:ドゥ・ヴノージュ プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV
      生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
      ぶどう品種:PN、CH、M 各3分の1ずつ
      デゴルジュマン:2019年1月
      ドザージュ:6g/L
      価格:16,500円
      輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
トゥール・エッフェルの名称はパリ市との合意のもと商標登録済。2019年1月のデゴルジュマンから4年経過したシャンパーニュ。白い花やアカシア、柑橘果実の内果皮似のビター感の後、グラス内の温度変化でまるみとクリーミーさ。瓶熟による旨味、口中スムース。和食で合わせるなら茶碗蒸し


 第2フライトは英仏の泡比較
 シャンパーニュで最古の歴史を有すメゾン
 エントランスにはメゾンを立ち上げた創始者の蝋人形

 ナタリーさん(前列右)の細やかな対応は素晴しく感謝で一杯です!
 シェフ・ド・カーヴのオディロンさんは我らと入れ違いで日本滞在中
 (前列右から2人目)ガブリエルさんは次期シェフ・ド・カーヴとして彼のもとで修行中

 創業2004年のガズボーン
 イギリス南東部のケント州にあるガズボーン
 ぶどう畑の起源は1410年まで遡ることができます。
 自社畑はケント州とサセックス州にあり、前者は粘土と砂質、後者は石灰質土壌で、
 収穫時期はケント州のほうが2週間ほど早いようです。

     ぶどう畑でウェルカム・スパークリング

   #2:ゴッセ グラン・ブラン・ド・ブランNV
   生産者:ゴッセ(NM)
   ぶどう品種:CH100%/ベースヴィンテージ2018年
   リザーブワイン:10%
   ドザージュ:7g/L
   価格:14,300円
   輸入元:テラヴェール
発酵も熟成もステンレスのみ。PNを重視するメゾンながら、顧客から「ブラン・ド・ブランを造って」との要望があり、それに応えて生産。骨格と厚みのコート・デ・セザンヌ、しなやかさのヴィトリィ・ル・フランンソワのCHを使用。ミネラルのインパクトがあり、凜としたスタイル。ノンマロ由来のフレッシュな酸と凝縮感ある味わい、ドザージュの印象は多くの講座生がガズボーンより多いと推測

   #3:ガズボーン ブラン・ド・ブラン2018
   生産者:ガズボーン/英国
   ぶどう品種:CH100%
   ドザージュ:11.6g/L
   価格:12,650円
   輸入元:BB&R
大部分は温度管理したステンレス、ワインに複雑味を与えるために一部オークの古樽使用。ヴィンテージのみ生産しているワイナリー。白い花、おしろい、レモンやオレンジの皮。ストーンフルーツ、ジンジャー、白胡椒、ヘーゼルナッツ、チョークのニュアンス


 第3フライトはブラン・ド・ノワール比較
 メゾンの要はピノ・ノワール

 11月第3週に来日したシャルルさん
 初来日した新任のシェフ・ド・カーヴ、ドゥ二さん

 #4:ドゥ・ヴノージュ プランス・ブラン・ド・ノワールNV
 生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
 ぶどう品種:PN100%
 ドザージュ:6g/L
 価格:13,200円
発酵も熟成もステンレス、100%MLF実施、モンターニュ・ド・ランスのGC&PCとレ・リセのPN。フランボワーズやカシス、スミレ、果実のコク、温度があがってもぶれないバランスの良さ。レ・リセのPNの軽快で繊細な要素が利いたシャンパーニュ

 #5:ボランジェ PN AYC18 / ピー・エヌ エイ・ワイ・シー18
 生産者:ボランジェ(NM)
 ぶどう品種:PN100%/ベースヴィンテージ2018年
 ドザージュ:少量
 価格:20,900円
 輸入元:WINE TO STYLE
前任のシェフ・ド・カーヴ、故ジル・デコートさんの「ベストなPNを造る」との提案から誕生したキュヴェ。社内でPNを前面に出したシャンパーニュ造りを検討しコンテストを実施。◆PN100%(自社畑80%) ◆テロワールを反映 ◆ヴィンテージの個性。3つの条件を満たしたアイテムとして選ばれたシャンパ-ニュ。
最初にリリースしたテロワールシリーズは『PN VZ15』、2回目も『PN VZ16』、3番目が『PN TX17』で、2015年と2016年の主産地はヴェルズネイ(VZ)、2017年はトーシエール(TX)が中心。今回晴れてアイ主体です。最も古いVTは2009年で、マグナムで保管したリザーヴワインの複雑味の妙が出ています。リッチさとフレッシュさの競合、調和のとれたブラン・ド・ノワール


 ざっくりと訪問メゾンについて書きましたが、
 この後、英国とシャンパーニュの各メゾンで伺った内容をアップしてまいりますので、
 宜しくお願いします半月

2023年10月28日

NHK文化センター青山校の秋季シャンパーニュ講座が始りました!

 10月からの講座スタート
 講座スタッフ手作りの保管用ホルダー


 基本チェック
 ニューフェイスの参加もあったので、第1回目は基本的事項の確認

 3つの業態
 NMは3メゾン、RMとCMは各1メゾンセレクト


 ボトルの容量
 ナビュコドノゾール(20本分)まではよく聞きますが、
 画像にあるメルキゼデック(40本分)を手がけるメゾンは希少


 大容量ボトルの動瓶を見せてくださったミッシェル当主


 NVの変化


 10月にリリースされたコレクション244
 シャンパーニュ講座初のハーフサイズ
 #1:ルイ・ロデレール ブリュット コレクション244 / 375ml
 生産者:ルイ・ロデレール(NM
 ぶどう品種:CH41%、PN33%、M26%
 ベースヴィンテージ:2019年 54%
 リザーブワイン:46%
 パーペチュアル36% (
2012/2013/2014/2015/2016/2017/2018)

 木樽10% (2012/2013/2014/2015/2016/2017/2018)
 MLF:35%
 ドザージュ:7g/L
 価格:5,500円
 輸入元:エノテカ
フレッシュで溌剌。温度変化による香りや味わいからリサーブワインの妙を実感。気候変動を緩和するための最強ツールはブレンドと語る醸造責任者の思いを反映させたアイテム

 味わっておきべきNV

 #2:ブルーノ・パイヤール エクストラ・ブリュット プルミエール・キュヴェ
 生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
 ぶどう品種:PN45%、CH33%、M22%
 ベースヴィンテージ:非公開
 リザーブワイン:35%
 ドザージュ:5.5g/L
 価格:8,580円
 輸入元:ミレジム
3品種のブレンド比率は毎回同じ、ドザージュ量も5.5から6g/Lで統一しているので、メゾンの顔と言われるNVの見本となるスタイル。裏ラベルに記載してあるデゴルジュマンを元にして、デゴ違いを利き比べすることで、瓶内熟成もしっかり学習できます。20世紀に誕生したメゾンですが、当主の才覚と独自性は秀逸、味わう価値のあるメゾン

 生産者組合CMはカステルノーをセレクト
 #3:カステルノー ソレラ・オリジーヌ ES/09
 生産者:カステルノー(CM
 ぶどう品種:CH50%、M35%、PN15%
 ドザージュ:5g/L
 価格:10,450円
 輸入元:ワインエクスペリエンス
昨年11月の講座でフォーカスしたメゾンですが、長い熟成期間によって培われた味わいの深みは素晴らしいです。女性ワインメーカーのエリザベス・サルスレさんの後任として、2021年からカリーヌ・バイユルさんがバトンを継承

 RMはアグラパール
 #4:アグラパール セットクリュ エクストラ・ブリュット
 生産者:アグラパール(RM
 ぶどう品種:CH90%、PN10%
 ドザージュ:6g/L
 価格:12,100円
 輸入元:豊通食料
アグラパールの全アイテムを試飲したのは2013年。昭和女子大カレッジで供出したのですが、講座生から多くの支持を得ていました。今回はレ・セット(7つの)を検証。アヴィズ、オジェ、クラマン、オイリーの4つのGC、ベルジェル・レ・ヴェルチ、アヴネイ・ヴァル・ドール、マルドゥイユの3つのPC、計7クリュのぶどうを使用。切れ感あるミネラル、和の要素を連想させるスパイス

 7月リリースのトップキュヴェ
 #5:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2012
 生産者:テタンジェ(NM
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:9g/L
 価格:36,520円
 輸入元:サッポロビール
好評だった2008年に続く 最新VT。まだまだ若いVT、酸味が綺麗でバランス良好。トップキュヴェのブラン・ド・ブランの中で最も品格あるスタイル。第3週&第4週の講座生を笑顔にさせていたアイテム

 テタンジェのセラーはただいま改修中
 来年6月頃に終了するとのこと。 
 それに付随して、NVのラベルもリニューアル。6月頃リリース予定
 気候変動を考慮し、無駄を省いたシンプルなデザインに変換していく模様

 今月供出した5アイテム


              🍀🍀🍀直近の話題🍀🍀🍀

●来日したペリエ ジュエのセヴリーヌ・フレルソン最高醸造責任者が披露してくれたベル エポックの日本限定ロゼ「フロレサンス」は日本のアネモネにインスパイアされたアイテム

 画像提供:ヴランケンポメリー
●10月19日に行われた「ポメリー・ソムリエコンクール2023」で、ソムリエとしての知識、表現力、サービス技能、提案力等が総合的に問われる厳しい審査をクリアして優勝したのはマンダリン オリエンタル東京の山本麻衣花選手、おめでとうございます!

●10月30日まで伊勢丹でノエルアラモードが開催されていますが、テタンジェは「コント・ド・シャンパーニュ2008&2012」の2ヴィンテージセット、カステルノーは上得意にだけ特別に瓶詰めして出荷している「エノテーク2000」を用意したとの情報
日程が合えば、ノエルアラモードにお出かけくださいませ半月半月半月

2023年09月02日

8月のシャンパーニュ講座はシェフ・ド・カーヴの力量にも注目しながら!

8月は青山校の夏季休業(11日~16日)があったので、シャンパーニュ講座の第3週が第5週に変わりました。講座生の皆さまのご協力に感謝します、ありがとうございました!

 スパークリングワインの市場動向
 出典:メルシャン
 国別輸入数量の推移を見ると、2022年vs2012年では約1.5倍の伸び
 ベスト3はフランス、スペイン、イタリアになっています。


 グラン・メゾンのシェフ・ド・カーヴに愛を込めて
 供出した5アイテム
 #1:ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼ
 #2:パイパー・エドシック ロゼ ソヴァージュ
 #3:マム グラン コルドン ロゼ 
 #4:シャルル・エドシック ロゼ2012
 #5:ゴッセ セレブリス・エクストラ・ブリュット2008




             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第1フライトはロゼ
 左から
 #1:ペリエ ジュエ ブラゾン ロゼ
 生産者:ペリエ ジュエ(NM)
 ぶどう品種:CH25%、PN50%、M25%、赤ワイン14%
 リザーブワイン:最大15%
 ドザージュ:8g/L
 価格:9,890円(税別)
淡オレンジを含んだサーモンピンク、フラワリー&華やかな果実のアロマ、芳醇で品格あるフェミニンな味わい。黒系ぶどうの比率が多いながら、香りや味わいに凜としたシャルドネの存在感

 #2:パイパー・エドシック ロゼ・ソヴァージュ
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN50%、CH25%、M25%、赤ワイン15%
 リザーブワイン:最低25%
 ドザージュ:8g/L
 価格:9,500円(税別)
アセロラカラー、ブラッドオレンジやブラックベリー、ピンクペッパーや甘草、最初から余韻に至るまで香りと味わいに黒系果実のニュアンス、エスニック料理との組み合わせも面白いかも

 #3:マム グラン コルドン ロゼ
 生産者:メゾン マム(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH22%、M18%、赤ワイン12~14%
 リザーブワイン:30%
 ドザージュ:6g/L
 価格:8,160円(税別)
マムの味わいが変わったことを確認したかったので供出。第3週&第4週とも講座生の9割以上が「第1フライトのベスト(3アイテムから1種だけという選択)」として挙手していたことが印象的でした。#1より若干オレンジのトーンが濃い印象。第1アロマのミネラル、フレッシュなベリー系果実、ドライローズ、活き活きした酸味、ふくよかさを感じさせつつエレガントに着地、好印象!


 赤ワインのブレンド比率

 #1~#3の一覧表、たかだが1%の違いでも色調には違いが!
 ペリエ ジュエの要はシャルドネ、パイパー・エドシックはピノ・ノワール
 メゾンのスタイルの違いを色調&味わいから感じ取ることができました。


 ペリエ ジュエ
 photo by Fumiko/2023年4月
 最高醸造責任者に就任後、日本で3回お目にかかる機会がありました。
 毎回、新たな刺激を与えてくださるセヴリーヌ・フレルソンさん! 
 ワイン王国誌用のインタビュー

、テクスチュアに関する言及部分に、
 彼女の繊細さ&発想の妙をお感じいただけると思います。
 シャンパーニュ業界を牽引していく女性醸造家の筆頭だと確信しています!

 プラークへのこだわり


 裏面まで気配りしている双璧は、ペリエ ジュエとポル・ロジェ
 ペリエ ジュエはベル エポックだけでなく、ブラゾン ロゼにも適応[わーい(嬉しい顔)]


 パイパー・エドシック
 photo by Fumiko/2023年7月
 エミリアン・ブティヤさんの生家はシャンパーニュの生産者
 世界各国のワイナリーで研鑽を積み、伝説の醸造家レジス・カミュさんの後任として、
 現在パイパー・エドシックとレアのシェフ・ド・カーヴ。
 ぶどう畑への取り組みにも熱心で、2022年にはシャンパーニ業界初のB-corp

取得

          個性的なロゼ・ソヴァージュ
          以前より色調は若干淡くなっている印象
     ファーストインプレッションには、ピノの果実感とそれに見合う色彩
     肉料理なら口中の脂分を洗い流してくれる赤ワイン的要素のロゼ


       故ローラン・フレネさんを偲んで
       出典:メゾン・マム

メゾン・マムは、8月の講座でフォーカスしたアンリオと関連しています。
アンリオで数多くの受賞歴を誇り、ワインメーカーとしても表彰されてきたフレネさん。彼のロゼに最初にときめいたのはアンリオ・ロゼ2008でした。その時のことは今でもしっかり覚えています

彼は2020年1月にメゾン・マムに加わりました。だいぶ前から、マムの味わいに少し違和感を覚えていたので、フレネさんの参画で、マムの酒質が変わると期待していました。そのような折、今春急逝の報があり、衝撃を受けました。

ワインの味わいと感覚を15年間研究し続けてきた神経科学者ガブリエル・レプゼさんとメゾン・マムのグラン コルドン ステラ(宇宙で賞味できる初のシャンパーニュ)の瓶の技術的課題を解決したデザイナー、オクターブ・ドゴールさんの協力のもと、ワインのアロマのあらゆる側面をあきらかにすることで、メゾン・マムのワインの味わいをより深いものにする取り組みに着手していたフレネさん。優れた技量が遺憾なく発揮されたはずと思うので、本当に残念です。



IMG_5868.jpg
 マム・ロゼのプラークはレオナールフジタのバラでした。
 もちろん、歴史ある“赤いたすき”も好きですが、
 フジタのバラのほうがもっと好き、回帰することはないのでしょうか、ね


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第2フライトは必須のグレート・ヴィンテージ
 #4:シャルル・エドシック ロゼ2012   7月10日発売
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN62%、CH38%、赤ワイン9%
 ドザージュ:9g/L
 価格:26,400円(税別)
ラベルと同じ赤銅色の色調、熟した白桃やプラム、ローストしたアロマ、蜂蜜や黒糖のニュアンスもあり、中盤から広がる酸味とクリーミーな食感、すべての面でバランスの良さを漂わせているロゼ


 #5:ゴッセ セレブリス・エクストラ・ブリュット2008
 生産者:ゴッセ(NM)
 ぶどう品種:CH43%、PN57%
 ドザージュ:3g/L
 価格:34,000円(税別)
 輸入元:テラヴェール
シャンパーニュ業界のなかで、当初からノン・マロを貫いている歴史あるメゾン。リンゴ酸を生かした造り。2008年ヴィンテージはフレッシュな酸味と長い熟成による複雑味を備えた究極のスタイル。色調は光沢ある黄金色、蜜を含んだリンゴ、ヘーゼルナッツやアーモンド、モカや焙煎香、クリームブリュレ、旨味、層になって広がる様々な要素、一貫したトーンで継続していく石清水のような酸味、今後10年、20年後の瓶熟に期待。出会えたことに感謝の1本


 出典:日本リカー

シャルル・エドシックのシェフ・ド・カーヴだったシリル・ブランさんは2023年3月1日付で、新任のエリース・ロスフェルド女史にバトンタッチ。コロナ渦中だったことで、お目にかかることができかったことがとても残念でした。
2015年にシャルル・エドシックに就任した折、両親が3代続くワイン生産者、ネゴシアン&樽製造者で、幼い頃からぶどう畑で過ごしていたこと。アイ村にある我が家は小規模生産なので、大きな規模のメゾンで働きたいと思っていて、種々の品種や種々のクリュが扱えることは魅力、と語っていました。
ブランさんはヴーヴ・クリコに15年以上従事し、特にロゼの手腕は絶妙でした。そんなブランさんが手がけたシャルル・エドシック ロゼ2012はぶどうの凝縮感、綺麗な酸味、バランスの良さが秀でていて、さすがの味わいでした。今後はイタリアの名門フェッラーリで活躍なさるとのことなので、シャンパーニュに拮抗するスプマンテの動向から目が離せません。

 photo by Fumiko / 2022年1月

コロナ禍突入直前に醸造責任者のオディロン・ド・ヴァリーヌさんと東京でお目にかかることができました。「メゾンが大事にしていることは“フレッシュさ”と“深み”です」と語っていましたが、リンゴ酸を生かし、ノン・マロで長い期間、澱と接触させておくことで、ゴッセならではのスタイルが完成しています。2008年ラバーの私および講座生にとって、印象深いアイテムになりました。ちなみにセレブリスはブリュットもロゼも同じ価格。後日、セレブリス・ロゼ2008を探求したいと思っています。


     [NEW]秋季講座募集開始
    第3週

第4週

の告知です!
    満席でも多少の枠は考えますので、キャンセル待ちにご登録くださいませ。
    ワクワク感のある時間を楽しんでいただきたいと思っています。
    お待ちしています半月半月半月

2023年07月09日

伝統あるメゾンの血筋を受け継いでいるシャンパーニュメゾン『ヴィルジニー T. 』

         21世紀に誕生したメゾン
 
茅場町Le temps vole

の占部オーナーシェフからマーカムインターナショナル(株)

を紹介していただき、6月のシャンパーニュ講座の候補として『ヴィルジニー T. ブリュット』を事前テイスティング。2、3日かけて、香り&味わいをチェックしました。
初日には黒ぶどう主体(PN70%)のニュアンス、2日目はミネラル感が顕著で、白ぶどうシャルドネの要素の出方も面白い発見でした。それは・・・
飲み慣れたテタンジェの雰囲気をそこはかとなく感じさせるもので、思わず、醸造担当者のDNAが反映している?! と思った次第です。


 パイパー・エドシック × テタンジェ クリックで拡大 
 参考画像:マーカムインターナショナル(株)

パイパー・エドシックは黒ぶどうのPN、テタンジェは白ぶどうのCHを要にしているメゾン。2008年にヴィルジニー T.を立ち上げたマダム・ヴィルジニー・テタンジェの家系をみると、父親はテタンジェの社長を長年務めたクロード・テタンジェ氏、母親はパイパー・エドシックのオーナー一族だったマダム・キャサリン・デ・スアレス・ダウランで、由緒あるメゾンの血筋を引いていることがわかりました。

マダム・ヴィルジニーは1986年にテタンジェに入社し、2006年父親の引退に伴い自らも退職。テタンジェ在職中は経営者のひとりとして従事し、カリフォルニアのドメーヌ・カーネロスの展開にも尽力しました。退社後はテロワールを重視したシャンパーニュ造りの道に進むことを決意。現在は息子にすべてを任せたいということで、シェフ・ド・カーブの職を委ねましたが、アッサンブラージュ等は親子で行っています。


  参考画像:マーカムインターナショナル(株)

ヴィルジニー T. のネゴシアンとしての拠点はヴェルジィ村(自社畑1㌶)で、現在はシルリィ村でシャンパーニュを醸造しています。2024年にはセラーをヴェルゼネ村に移転予定なので、拠点も同村になります。ヴェルゼネ村とルーヴォワ村にも計2㌶の自社畑を所有し、契約農家は長年の付き合いのある5軒(約10㌶分)から供給を受けています。年間生産量は8万本以下。

シェフ・ド・カーヴに関しては、マーカムインターナショナル(株)の紙浦泰宏社長から「メゾン創業当初はヴィルジニー・テタンジェでしたが、今は、2015年からメゾンに参画した息子フェルディナンド・プガーチです」との返信を頂戴しました。



 ヴィルジニー T. にフォーカス
 
 ということで、6月はヴィルジニー T. の5アイテムを選びました。
 リザーブワインはステンレスタンクで保存していて、通常は10~15%程度。
 ヴィンテージ、ブラン・ド・ブラン、ブラン・ド・ノワールに関しては、
 木樽でストックしているものも使っています。

 #1~#4の使用品種は、
 PN70%、CH20%、ムニエ10%とすべて同率、違いはドザージュ量のみ
 #1:ヴィルジニー T. ブリュット
 #2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
 #3:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
 #4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
 #5:ヴィルジニー T. ロゼ

 
 ラベルとプラークの配色にも気配りを感じます。


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第1フライト

 #1:ヴィルジニー T. ブリュット
 生産者:ヴィルジニ・・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:7.5g/L
 価格:10,000円(税別)
 マダム・ヴィルジニーのDNAを象徴していると感じたアイテム!
 グラン・クリュとプルミエ・クリュのPNを中心に15村からなるキュヴェを調合
 ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟5年以上、100%MLF。
 黒ぶどう主体の果実の厚み、酸味は軽快、中盤以降スレンダー。
 2008年創業なので、リザーブワインが潤沢になれば、味わいにも変化が出ると予想

 #2:ヴィルジニー T. エクストラ ブリュット
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:4g/L
 価格:12,000円(税別)
 #1より1年長い瓶熟、スタイルはピュアでフレッシュ、活き活きとしてクリーミー
 気泡快活、果実風味、口中ドライながら、旨味があり、中盤からの広がり好印象

 特別供出:モンテス・スパークリング エンジェル・ブリュット
 生産国:チリ DOアコンカグア・ヴァレー
 ぶどう品種:PN70%、CH30%

 3ボトル

 3アイテムともPN70%なので、色調には類似点も!


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第2フライトは2009年ヴィンテージのドザージュ違い

 #4:ヴィルジニー T. ミレジム2009 ブリュット ナチュール
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:0g/L
 価格:23,000円(税別)
 #4および#5の製法は同じ。ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF
 ローストやブリオッシュのアロマ、ぶどう本来の熟度由来の厚み
 口中クリーミー、熟成による複雑味が余韻とともに広がる印象

 #5:ヴィルジニー T. ミレジム2009 エクストラ ドライ
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN70%、CH20%、M10%
 ドザージュ:12g/L
 価格:18,000円(税別)
 ステンレスタンクで6ヶ月、瓶熟成10年間、100%MLF、果実味&酸味のバランス良好
 超10gのドザージュを感じさせない味わい。近年ドザージュ減量傾向ですが、
 糖分の多いシャンパーニュには、長い瓶熟により、メイラード反応が出てきます。
 クリーム・ブリュレやカラメルのニュアンス、#5にその要素を感じました。


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第3フライトはロゼ 

 特別供出:バルディビエソ エクラ ブリュット・ロゼ
 生産国:チリ
 製法:シャルマ製法
 ぶどう品種:サンソー90%、PG10%
 ドザージュ:10g/L
 日本未輸入/参考出品

 #6:ヴィルジニー T. ロゼ
 生産者:ヴィルジニー・T(NM)
 ぶどう品種:PN55%、CH35%、M10%
 ドザージュ:7g/L
 価格:13,000円(税別)
 2012年にボトリング、ブージィ村のPNとCHを使用。発酵・熟成はステンレスタンク、
 100%MLF。要はミネラル感、第3週&第4週とも女子たちから支持を得ていたアイテム


               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



6月の講座ではチリ取材(5月20日~6月2日)で試飲してきたスパークリングワインの中から2アイテムを選び、講座生の皆さんにお土産の泡ものとして楽しんでいただきました。
 
ビーニャ・バルディビエソ

は南米で最初にスパークリングワインを手がけた家族経営のワイナリーで、チリ国内でのシェアも高く、カリテ・プリな泡(ワインも)の生産者として人気があります。チリの南部イタタ・ヴァレーのサンソーとピノ・グリを使ったエクラ・ロゼ。製法はシャルマ法(二次発酵はステンレスタンク)。最初にペトロール香(オイルに似た香り)を感じましたが、空気との触れあいでスイカやザクロ、優しい甘さと柑橘系果実似の酸味、親しみやすい印象のロゼ。


 
World's Best Vineyards 2022

の第3位モンテスが誇る伝統製法によるエンジェル・ブリュット。アウレリオ・モンテス Jr.に「シャンパーニュ講座を担当しています」と話したら 「講座で飲み比べて」ということで持たせてくださったスパークリングワイン。
第4週ではシャンパーニュと利き違える講座生もいました。酒質が綺麗で、供出温度やグラスの形状によっては、さらにシャンパーニュと混乱させる実力ある泡もの半月

🎆 World's Best Vineyards 2023の発表は2023年7月12日です!
https://www.worldsbestvineyards.com/

2023年05月19日

来日したアドリアン・ムフラールMGが新生アヤラのスタィルを語る / 5月の講座はアヤラとポル・ロジェの利き比べ

    リニューアル発売のアヤラ
    アドリアン・ムフラール マネージング・デイレクターが来日し、
    リニューアルしたアヤラの魅力を語りました!


 2019年11月撮影 
 シャンパーニュ研修ツアーでアヤラを訪問、素敵なおもてなしをしていただきました!



               o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 アヤラの変革
 左から
 (1)アヤラ ブリュット マジュール
 (2)アヤラ ブリュット・ナチュール
 (3)アヤラ ロゼ マジュール
 (4)アヤラ ブラン・ド・ブラン2016


 アヤラと塩の「ミネラリティ」を体感するテイスティング
 各アイテムにあわせて4種の塩が登場

 #1:香川/てしま天日塩ファーム

× ブリュット マジュール
 海のお塩 / 香川と繋いで中継、門脇湖さんが塩の生成工程や夏しおや冬しおについて解説
 顆粒は大きめで旨味のある塩
 #2:沖縄/ぬちまーす

× ブリュット・ナチュール
 海のお塩 / ピュアなシャンパーニュと“素”で勝負していたお塩
 #3:ネパール/ヒマラヤ × ロゼ マジュール
 岩塩 / 色で合わせるマリアージュ、個人的に一番納得できた組み合わせ
 #4:フランス/ゲランド × ブラン・ド・ブラン2016
 海のお塩 / 品格ある組み合わせ


 アヤラについて
 エドモンド・ダヤラが1860年にアイ村に創業
 160年の歴史を有すメゾンでシャルドネのピュアさを表現


 製品から企業の社会的責任に至るまでの配慮


 ブリュット マジュールの10年間の進化
 シャルドネの比率は55%、70の区画、120の様々な容器
 リザーブワインの比率が20%から43%まで増えたことに[目]注目


 アヤラの変革のポイントについて語るアドリアンさん


 ロゼはアイ村のピノ・ノワールを6%使用



              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



5月の講座ではアヤラとポル・ロジェを比較
シャンパーニュメゾンのなかで、ブリュットとノン・ドゼに関して、異なる対応をしているジョセフ・ペリエ、アヤラ、ポル・ロジェ。ジェセフ・ペリエは秋期講座でフォーカスしました。

       ブリュットとノン・ドゼは熟成期間に3年間の差があり、
       ぶどう品種のブレンド比率も異なります。

       ノン・ドゼは2020年に市場デビュー!


    アヤラのスタイル
   左から、
   ブリュット マジュール、ブリュット・ナチュール、ロゼ マジュール
   3アイテムのベースヴィンテージは2019年
   #1と#2は使用する品種のブレンド&ベースワインは同じ。違いは糖分の添加分

   #1:ブリュット・マジュール
   ぶどう品種:CH55%、PN30%、M15%
   ドザージュ:6g/L
   価格:8,200円(税別)
   #2:ブリュット・ナチュール
   ぶどう品種:CH55%、PN30%、M15%
   ドザージュ:0g/L
   価格:8,800円(税別)
   #3:ロゼ マジュール
   ぶどう品種:CH51%、PN39%、M10%
   ドザージュ:6g/L
   価格:10,000円(税別)

 裏ラベルに詳細なデータを記載、変革のひとつです!

 

     ポル・ロジェのスタイル

構想に10年以上かけ、2007年に誕生したピュア。ブリュットより、さらにピュア(純粋)なキュヴェを使っています。その理由は糖分添加をしていないシャンパーニュなので、純度が高くピュアであることが必要だからです。

#4:ポル・ロジュ ブリュット・レゼルヴNV
ぶどう品種:CH、PN、M 各3分の1
ドザージュ:8g/L
価格:8,200円(税別)
#5:ポル・ロジェ ピュアNV
ぶどう品種:CH、PN、M 各3分の1
ドザージュ:0g/L
価格:11,500円(税別)
#6:ポル・ロジェ ロゼ・ヴィンテージ2015
ぶどう品種:PN65%、CH35%
ドザージュ:8g/L
価格:14,200円(税別)


 当日のラインナップ
 供出は左から右へ、各2アイテムずつ比較しました。


 プラークにもメゾンの特徴が出ています。



     ロゼの比較ではヒマラヤの岩塩を合わせて
      ポル・ロジェ(右)は赤ワインを15%ブレンドしているので深い色調
      加えてヴィンテージならではの骨格もありました。

      #3:アヤラ ロゼ マジュール
      ぶどう品種:CH51%、PN39%、M10%
      ドザージュ:6g/L
      価格:10,000円(税別)
      #6:ポル・ロジェ ロゼ・ヴィンテージ2015
      ぶどう品種:PN65%、CH35%
      ドザージュ:8g/L
      価格:14,200円(税別)


 甘さも感じる岩塩
 シャルドネ主体のロゼと、両者の共通項ミネラルが相乗し、素直に溶け合いました。 
 10日の講座生13名(1名欠席)中、11名がアヤラ派
 10日に参加したhakoさん

がブログにリポートしてくれたのでリンクしておきます。

 17日は13名中、10名がアヤラ派
 アヤラのロゼとヒマラヤのピンク塩の相性に講座生の多くが賛同[わーい(嬉しい顔)]
 三国ワイン

の須佐敏郎氏にご尽力いただき「塩チャレンジ」ができました。
 ありがとうございました!!

 引き続き、宜しくお願いいたします

2023年05月03日

春期シャンパーニュ講座スタート、自分好みのメゾン探し

       NHK文化センター青山校の春期シャンパーニュ講座開始
       出典:Drinks International

毎年Drinks Internationalが発表している『The World's Most Admired Champange Brands』のトップ5を講座で比較試飲しています。2023年は前回7位だったビルカール・サルモンが5位に入り、4位だったポル・ロジェがダウン。

 順位は左から右に1位~5位
 5メゾンのなかで、クリュッグとシャルル・エドシックは女性シェフ・ド・カーヴ

 供出は左から右の順でブラインドテイスティング


ステンレスタンクのみ、発酵・熟成ともに樽使用、ステンレスや木樽でストックしているリザーヴワインを使用等、メゾンの個性が出ているので、講座生の皆さんには、改めて、自分好みのメゾンを確認していただいています。シャンパーニュ界のトップ5、さすが安定しています。


 5アイテム同時にテイスティング
 1位から順にメゾンおよびアイテムの特徴を解説して、じっくり利き酒

 #1: ルイ・ロデレール コレクション243
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH42%、PN40%、M18%
 ドザージュ:8g/L
 価格:9,000円(税別)
 輸入元:エノテカ
自社畑240㌶を所有し、必要とするぶどうの75~80%は自社でまかなっています。メゾンの顔は毎回ベースヴィンテージとリザーヴワイン(ステンレスと木樽)の比率を変えてリリース。コレクション243のベースワインは2018年で比率は31%。ステンレスを使ったパーペチュアル・リザーヴは31% (2012、2013、2014、2015、2016、2017) および大樽熟成10% (2009、2011、2013、2014、2015、2016、2017)、ともにソレラシステム。MLF26%。2018年の収穫は8月27日からスタート、完熟した果実のベースヴィンテージが芯となり、パーペチュアル・リザーヴ由来の溌溂感、大樽熟成由来の奥行きを備えた味わい


 #2: シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴ
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:CH、PN、M 各3 分の1
 ドザージュ:11g/L
 価格:9,500円(税別)
 輸入元:日本リカー
エリーズ・ロスフェルト女史が今年の3月にシェフ・ド・カーヴに就任。前任者シリル・ブラン氏が来日できないまま交代になってしまったことはとても残念です。評価が上がっているメゾンだけに、ロスフェルド女史の手腕に期待しています。
ステンレスタンクのみの造り手。ベースヴィンテージは2017年を60%使い、リザーブワインは10年以上のワインが40%。第3週の講座生4人がシャルルだと見抜いたことは素晴らしいことでした。樽を使っていると勘違いした講座生もいましたが、多くのシャンパーニュ愛好家が間違える、その点こそ、シャルルの技の凄さ!

 #3: クリュッグ グランド キュヴェ 170エディション
 生産者:クリュッグ(NM)
 ぶどう品種:PN51%、CH38%、M11%
 ドザージュ:非公開
 価格:39,600円(税別)
 輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ
1843年ヨーゼフ・クリュッグによって創業。現在のシェフ・ド・カーヴはジュリー・カヴィル女史。グランド・キュヴェは2011年からiD番号で詳細が検索可能。現行アイテムは昨年と同じ170エディションでした。最古のヴィンテージは1998年、最も若いヴィンテージは2014年、12年間の異なる195種類のリザーブワインをブレンドしたマルチ・ヴィンテージ。昨年の試飲を思い出しながら味わうと、熟成のニュアンスは深まり、酸味は若干強まっている印象。第4週の講座生の半数が「好み」だと回答


 #4:ビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴ
 生産者:ビルカール・サルモン(NM)
 ぶどう品種:M40%、CH30%、PN30%
 ドザージュ:7~8g/L
 価格:10,000円(税別)
 輸入元:JALUX
1818年創業のメゾン、家族経営を貫き、中規模生産(年間200万本)で、今以上には増やさない主義。2019年1月に7代目のマチュー・ローラン=ビルカールがCEOに就任。同メゾンは2018年に第4位にランキングされて以来のベスト5入り!
ムニエを信頼しているメゾンの思いを感じるノン・ヴィンテージ。収穫したぶどうは10度で保ち、コールド・スタビライゼーション(タンク内の温度を14度にして25~30日かけて静置)することで、結果的に、アロマはしっかり残り、不純物は沈殿してしまうので、フィルター掛けも不要になるビルカールスタイル。柑橘系果実や白い花のアロマ、塩味のニュアンス、まるみのある味わい、品格あるアイテム。


 #5:ボランジェ スペシャル・キュヴェ
 生産者:ボランジェ(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH25%、M15%
 ドザージュ:8~9g/L
 価格:10,500円(税別)
 輸入元:WINE TO STYLE
自社畑は179㌶、生産するアイテムは最低でも50%、ものによっては100%自社畑のぶどうを使用。作柄が難しい年でもヴィンテージ・シャンパーニュをリリースできるのは自社畑の果たす役割大。スペシャル・キュヴェのベースヴィンテージは2017年、リザーヴワインはマグナムボトル&コルク栓(アグラフ使用)で5~12年寝かせて熟成させ、5~10%の割合でブレンド。フレッシュ感を備えつつ、コルク栓による熟成が醸し出す複雑味と骨格、全体のバランス良好



 ボトルの色もチェック
 ラベルの画像を撮っていてボトルの色の反射(ラベル画像の左下)があったので、
 光線の遮断率についても再確認しました。
 #2、#3、#5はVert CIVCを使い、#1、#4はAmbreやNoir


 コルクのしぼみ具合でボトル内の味わいを予測


 #1、#3、#5は天然コルク
 #2と#4はDIAMのスパークリング用コルク
 TCA(ブショネの原因となるトリクロロアニソール)を除去したコルク


 5月の講座は訳ありで、第2週と第3週が講座日になり、
 講座生の皆さまには、ご面倒をおかけしますが、
 何卒宜しくお願いいたします!

2023年03月02日

地球環境、次世代への継承を重視するビオディナミ農法の先駆者メゾン・フルーリー

   宇宙飛行士!
   (C)Champagme Fleury

 2月28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が行ってきた宇宙飛行士候補者選抜で、
 諏訪理氏と米田あゆさんの2名が決定した、との報道がありました。
 NHKの「密着! 宇宙飛行士選抜試験」が興味深い内容だったので、
 結果発表がとても楽しみでした、おめでとうございます半月
 向井千秋さん、山崎直子さんに続く女性飛行士の米田さんの洞察力に大いに期待です!

 2月のシャンパーニ講座ではフルーリー

を取り上げました。
 HPにはジャン・ピエール・フルーリー氏の「宇宙飛行士になりたかった」とのイラストが!
 2000年代初頭、私が訪問した折には、「天文学者になるのが夢だった」と語り
「シャンパーニュ造りに導入しているビオディナミと繋がっている」と力説していました。

  1895年創業のシャンパーニュ・メゾン
  (C)Champagme Fleury

 コート・デ・バール地区クルトゥロン村にあるフルーリー
 初代エミール・フルーリーの時代、フィロキセラで壊滅状態になったぶどう畑に、
 接ぎ木したピノ・ノワールをシャンパーニュ地方で初めて植樹
 他のどのメゾンよりピノ・ノワールへの思いが強いと実感!

 1970年から3代目ジャン・ピエール氏は有機栽培を取り入れ、
 1989年にシャンパーニュ地方初ビオとなるビオディナミの“デメテール”認証を取得
 2008年からエルヴェ・ジェスタン

氏のコンサルタントを受け、さらなる改革を実践

 画像のCOURTERON上を走る赤い線は、KIMMERIDGIEN(キメリジャン)
 約1億5,000万年前のJURASSIQUE(ジュラ紀)に遡る土壌です。
 周囲にはTRIACE(三畳紀)、CRETACE(白亜紀) 、PALEOGENE(古第三紀)の地層が!


        出典:武田弘先生作成の地質表
     参考:ソムリエ協会機関誌No.81『ワイン畑の土質』をご担当くださった
     鉱物学の大家武田弘先生作成の地質時代と地層名の一覧


 2月の講座に供出した5アイテム

 フルーリーでは主要3品種(シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ)の他に、
 希少なピノ・ブランとピノ・グリの計5種類のぶどうを栽培しているので、
 今回は秀逸な白ぶどうにもフォーカス

 ラベルもプラークもモダンにチェンジ!



画像はジャン・ピエール氏とビオディナミの調剤作りに用いる道具
彼が父親からメゾンを引き継いだ時、農薬まみれの畑に衝撃を受け、健全な土壌造りを決断。1970年には除草剤、化学薬品の使用を廃止し、試行錯誤を繰り返しながら、天体の動きを重視するビオディナミも導入。この農法との繋がりは、自らの夢だった天文学と共通する点も多く「これが自分の生きる道になった」と語っていたジャン・ピエールさんの笑顔が印象に残っています。

IMG_6358.jpg
 微生物によって活性化したぶどう畑はフカフカ
 訪問時は雨降りだったので畑にはお借りした長靴で行きましたが、
 柔らかな土が靴にこびりついて大変!


  第1フライト
  #1:ブラン・ド・ノワール ブリュットNV
  ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
  ベースヴィンテージ:2018年62% /リザーヴワイン38%
  デゴルジュマン:2022年5月
  ドザージュ:4.7g/L
  価格:8,000円(税別)
極僅かに淡ピンクを帯びた色調、気泡活発、ストーンフルーツ、熟れた果実や砂糖漬けの果実、ミネラル、軽いビター感、中盤から酸の広がり、味わいに厚味、喉ごしスムーズ


    #2:セパージュ・ブラン2010 エクストラ・ブリュット
    ぶどう品種:シャルドネ100%
    デゴルジュマン:2021年5月
    ドザージュ:4g/L
    価格:12,000円(税別)
黄色を含んだベージュ、柑橘系果実、カリン、蜂蜜、バター、ブリオッシュ、ロースト、白コショウ、果皮由来のフェノール、中盤以降酸の広がり、グラス内の温度が上がっても綺麗な酸は余韻となって上品に着地


  第2フライト
 #3:ノート・ブランシュ2014 ブリュット・ナチュール
 ぶどう品種:ピノ・ブラン100% 樹齢25年
 デゴルジュマン:2021年2月
 ドザージュ:0g/L
 価格:12,000円(税別)
 #4:ヴァリエーション2015 ブリュット・ナチュール SO2無添加
 ぶどう品種:ピノ・グリ100% 2010年に植樹 
 デゴルジュマン:2021年5月
 ドザージュ:0g/L
 価格:18,000円(税別)
#3#4はノン・ドゼ、ともに白い花のイメージ、ぶどうの熟度を感じさせる味わい。#3はキレ感、ピュア、チャーミングで塩味やアカシア。#4はフラワリーなアロマ、酸味は柔らか、軽いビター感、緊張感のあるアイテム

 #5:ロベール・フルーリー2005 エクストラ・ブリュット
 ぶどう品種:ピノ・ノワール35%、シャルドネ25%、ピノ・ブラン28%、ムニエ12%
 デゴルジュマン:2017年10月
 ドザージュ:2.8g/L
 価格:32,000円(税別)
深い黄金色、ゆっくりと空気と触れあってきたニュアンス(シェリー的)、香りは黒糖、蜂蜜、エスニックフルーツ、ナッツ、ココア、白コショウ、口中ではクリームブリュレ、ミネラル、果実のコンポート、層になって広がる旨味、長い余韻。講座生からの人気No.1



 NHK文化センター青山校がスタートした2016年4月に取り上げたのがフルーリー
 約7年振りに特化しましたが、スタイルやドザージュ量にも変化を感じました。
 凄く良くなっています、講座生からも「変化を感じる意見」が出ていました。
 現在は4代目のジャン・セバスチャン・フルーリー氏が父親の意思を継ぎ、
 シャンパーニュ造りに励んでいます!

 フルーリーについてのお問い合わせはヴァン シュール ヴァン(担当:清水さん)迄
 今回も大畑澄子店長には沢山お世話になりました、ありがとうございました!

 〒105ー0001 東京都港区虎ノ門1ー7ー6 電話03ー3580ー6578
 URL: http://vsv.co.jp/


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

     春期シャンパン講座の募集が始まりました!
     春講座も2クラス体制で進めさせていただきます

 [NEW]オーダーメイドなシャンパンレッスン ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
 開催6回/毎水曜日/19時~21時
 ◆第3週はコチラ

から
 ◆第4週はコチラ

から
 シャンパンラバーさんの参加をお待ちしております半月 

 ◆NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
 受付時間
 月曜日~金曜日 9:30~18:00
 土曜 9:30~17:30
 日曜 9:30~15:00 

2023年01月27日

ハイライトは初リリースのアビス・ロゼ2018 ~ルクレール・ブリアンの世界へ~

          シャンパーニュ講座の幕開けは海中熟成ロゼ
        昨年末、日本初上陸した希少アイテム『アビス・ロゼ2018』

 シャンパーニュ講座を少しだけご紹介
 NHK文化センター青山校の教室
 コロナ禍以降、ひとりひとテーブル、2回(第3週・第4週の水曜日)に分けて開催


 グラスはリーデル・ジャパンさんからレンタル
 アビス・ロゼ2018の特徴を明確につかむことができました!


 供出した5アイテム
 昨年末、輸入元テラヴェールさんでルクレール・ブリアンの新VT全キュヴェを試飲
 その中から、これだけは味わいたいというアイテムをセレクトしました。

 すべてブラインド
 青山校のスタッフが手作りしてくださった愛を感じるタグ[わーい(嬉しい顔)]
 前半50分で、
 第1フライトNo.1&No.2、第2フライトNo.3&No.4、第3フライトNo.5に分けて供出
 メゾンについては一切触れず、メゾンが取り組んでいるビオディナミのみ解説
 各アイテムのぶどう品種&発酵・熟成(No.5だけは非公開)&ドザージュを公表


                  o○.。o○.。o○.

 
  ルクレール・ブリアンについて
 資料提供:テラヴェール


 参考画像:テラヴェール
 ルクレール・ブリアン

の醸造家エルヴェ・ジェスタンさん

 参考画像:テラヴェール
 2022年に年間の最優秀ワイナリーを表彰する『ブランド・オフ・ザ・イヤー』を受賞
 式典ではマクロン大統領が授与を行いました。


                o○.。o○.。o○.


  第1フライト
  2アイテムとも3品種使用、リザーヴワインは極少量の2%
  ベースヴィンテージ&デゴルジュマン&ドザージュは異なる
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 シャンパーニュの集大成を目指しトライアルを実践しているアイテム
 エクストラブリットのベースヴィンテージは2014年、ドザージュ量は2g/L
 第3週と第4週とでは僅かながらボトル差があり、第4週のほうが若干酸化熟成した印象
 いずれも豊潤でヘーゼルナッツやスパイスの風味、複雑味も感じました。
 講座時はメゾン記載の数値をお知らせしましたが、ここでは裏ラベルの数値を記載

 参考画像:テラヴェール
 ステンレスタンクや木樽、ウッフ、アンフォラ🏺等 さまざまなタイプの容器を使用


 ブリュットのベースヴィンテージは2018年
 フレッシュで柑橘果実やストーンフルーツ等の果実、酸味とのバランスも良好


  第2フライト
  2アイテムとも品種はシャルドネ100%、発酵&醸造は同じ、SO2無添加、ノン・ドゼ
  ヴィンテージ&デゴルジュマンは異なる
 グラン・ブランの初リリースは2012年VT
 当時はGCのクラマンのシャルドネのみ、ネーミングも違っていた由
 2013年ヴィンテージから3つのグラン・クリュ畑のぶどうをブレンド  
 息が長く、エネルギーを感じるシャンパーニュ
 グラス内の変化も魅力で、時間の経過で土壌由来のミネラル、塩味が増してくる印象


 2014は熟成感あり
 旨味、様々な要素が輪のように広がり、時との対話が楽しめるシャンパーニュ
 今飲んで素直に美味

 第3フライト
 ブルターニュ地域圏のウェサン島で10ヶ月海中熟成させたシャンパーニュ
 アビス・ロゼを沈めた位置は北緯48度28分、西経5度03分です。
 初リリース、日本入荷分は90本半月

 ぶどう品種はシャルドネ85%、ピノ・ノワール15%

        2019年5月の講座で取り上げたアビス

なぜ海中 2019年5月に質問
来日時、ジェスタンさんに「なぜ、海中熟成させたのか」と伺ってみました。
彼は「ボトルを沈めたブルターニュの海は2つの海流が交差している為、渦を巻いています。これはビオディナミの調合を攪拌させる(ディナミゼーション)のと同じ条件になります。水深60mの場所はシャンパーニュの気圧(6気圧)とバランスが取れるので、シャンパンをストレスの無い状態で熟成させることができます」とおっしゃっていました。さらに、エルヴェさんの測定によると、アビスは通常の熟成シャンパンより、エネルギー量が30%増になっているとのことでした。

加えて講座でアビスを出すにあたり、ご丁寧なお手紙を頂戴しました。
そこには以下のような記述がありました。

24歳の時に初めて技術的なワイン造りを始めたものの、3〜4年後には行き詰まりを感じ、それを打開するには自然と密接に繋がった作業をすることだと確信。でも、このアプローチに関する情報や書籍は何もなかったので、すべてを自分で考案せざるを得ない状況で、何年もかかりました。
ボトルを沈めた場所はフランスのブルターニュ地方、生まれ故郷です。生きているワインとこの環境間の“共鳴”はとても強く、シャンパーニュ地方のチョークは何百万年も前の海底の堆積物から形成されており、ぶどうの根はこのチョーク質を求めて地中深く根を広げていきます。アビスはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3品種を均等に使ったノン・ドゼ。テイスティングの最中は考えることをやめ、ワインのエネルギーを感じ取る為に、感情のおもむくままに味わうことが大事



 Don't think, Feelで!
 ジェスタンさんが言及しているエネルギーを感じ取るために瞑想状態で試飲
 シャンパーニュを1分間口中に含み、舌の上で転がしながらゆっくり味わう 
 より集中できるように部屋を暗くして、感じるままに・・・
 ブルース・リーの名言 Don't think, Feel/考えるな、感じるんだ、です。

ブラインドテイスティングの間、講座生の皆さんにはメゾン名は公表していません。
このロゼを体験した第3週のHakoさん

は「宇宙を感じた」、Ayanoさんは「エネルギーを」。第4週のYamashitaさんは「海中にいるような気持ちに」、Harumiさんは「凄いエネルギー」、他の皆さんからも、エネルギー、穏やかで優しい気持ちになる、味わいがスムース、滑らかな等・・・

ジェスタンさんが造りに求めていた「水圧と気圧の相殺」+「ディナミゼーション同様の海流の回転」、これらの効果が生み出した絶妙な熟成シャンパーニュだと実感しました。

私の場合は、第3週では暗黒の中で、何か強い力で中心部に引っ張られていくような状態になり、ロゼを口に含んでゆっくりと転がしていると、まろやかさ、シームレスさ、心地良さ。その後から、ベリー系果実や赤いバラ等の赤系の香りがあふれ出し、凜としたシャルドネの切れ味が、長い余韻となって続いていく印象でした。第4週では、赤系果実や紅バラより、“梅”の要素がより強く出ていて、中盤以降にはきめ細かなタンニンの風味が広がり、第3週とはまた違う熟成感を受けました。
海中での位置が異なることで、ボトルにも少しずつ、違う変化が出るのだと思います。
考えることを自然にストップさせ、感情のままになれる、得も言われぬ気分にさせてくれたロゼ。でも、これは、言葉でなく、試さないとご理解いただけないかも

[NEW]追記 2023年1月28日:海中熟成ワインについてDecanter誌Chris Mercerさんのリポート(2021年4月10日付)

、とても興味ある内容なのでリンクしておきます。
果実やフローラルな香りの強さ、シルクのような滑らかな口当たり、エネルギー等、2回の講座で試して感じた結果と共通していました。


 参考データとして

 エルヴェ・ジェスタンさんの哲学&ビオディナミ関連のブログを添付しておきます!
 参考にしていただけると嬉しいです。
 >>>https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2019-04-30
 >>>https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2019-05-27

2022年11月26日

大手メゾンに対抗し得る逸材『CM生産協同組合のCastelnauカステルノー』

 ずっと気になっていたシャンパーニュメゾン『カステルノー』


       World's Most Admired CHAMPAGNE Brands 2022
      Drinks Internationalが毎年発表している30位までのリストです。
      18位にランクインしているCM/生産協同組合のカステルノー
      2021年は21位、2020年は18位にランキングされています。
      ちなみに、CMで最大の二コラ・フィアットは2022年は23位


  カステルノーの沿革
 ツール・ド・フランスの公式シャンパーニュ
 1916年ワイン商のジャン・ラルマンが創設したシャンパーニュブランド
 2003年以降、ランス・シャンパーニュ協同組合CRVC(1962年設立)が所有/直営 
 現在750を超えるぶどう栽培家、150以上のクリュ、900㌶を所有、年間出荷量80万本


 スタンダードキュヴェで最低6年、ミレジメで10年以上


 セラーマスターはエリザベート・サルスレさん
 2016年にセラーマスター・オブ・ザ・イヤーを受賞
 2021年からは彼女と長年働いてきたカリーヌ・バイユルさんにバトンを委ねています。


  ユニークなニューフェイス
 今年になって2回ほどソレラオリジンを試飲する機会があり、
 酒質の良さにひかれました。加えて、Drinks Internationalのリストの常連で、
 気になっていたメゾンだったことから今回フォーカス
 メゾン側が記載しているように「価格に対して高い品質」を実感、さすがです!

 ブランドの位置付け
 カステルノーが考える位置付け一覧表
 縦軸はアぺリティフからガストロノミー、横軸はお手軽なものから高価格
 カステルノーは自らを🔵の位置にしています。

 表のなかに記載してあるシャンパーニュはすべて講座で検証していますが、
 1つだけ反論したいのがグラン シエクルのポジション
 味わっていただけば、マリアージュの面でも、ここではないと断言できます。
 それを解説していたシーン(受講生のhakoさんが送ってくださった画像、感謝です!)



 第1フライトはスタンダードタイプ
 #1:カステルノー ブリュット レゼルヴ
 生産者:カステルノー(生産協同組合/CM)
 ぶどう品種:CH40%、ムニエ40%、PN20% / リザーヴワイン20%
 ドザージュ:8g/L  
 価格:7,200円(税別)
色調はベージュ、ストーンフルーツ(黄桃やアプリコット)やブリオッシュ、スパイスのアロマ、柑橘系果実の内果皮似の軽いビター感、ミネラル、中盤以降綺麗に広がる酸味、丁寧な造りを感じさせるアイテム

 #2:カステルノー エクストラ・ブリュット
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH45%、ムニエ45%、PN10% / リザーヴワイン20%
 ドザージュ:2g/L   
 価格:8,100円(税別)
カステルノーはこのキュヴェの完成に多くの研究を重ねてきた由。ノン・ドゼの範疇なれどエクストラ・ブリュット表記。黄リンゴやアプリコット、ヘーゼルナッツ、塩味、余韻に続く酸味とドライ感。厳選ぶどう由来の熟度がドザージュ2gとは思えないバランスの良さを生み出しているアイテム



 第2フライト
 
 #3:カステルノー ソレラ オリジン ES-9.0  
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH50%、ムニエ35%、PN15%
 ドザージュ:5g/L    
 価格:9,500円(税別)
2009年から始動したソレラシステムによる新しいキュヴェ。十数年の歳月を経て、このファースト・エディションをリリース。ESは発案者シェフ・ド・カーブのエリザベート・サルスレさんの頭文字。ソレラオリジンに使われているのは2009年VTで、これは「ソレラになる前」のオリジン。セカンド・エディションは2009年と2017年のソレラでリリースされ、ES/9.1になります。白い花、蜂蜜、ミネラル、石灰、まろやか&凛としたイメージ、余韻の切れ感

 #4:カステルノー ブラン・ドゥ・ブラン ミレジメ2007
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ:8g/L
 価格:11,500円(税別)
色調はゴールド、カリンや黄桃、ブリオッシュ、クリームブリュレ、モカ、焙煎香。土壌に由来する火打石のニュアンス、味わいはクリーミー、10年以上の時を経た瓶熟の旨味と醍醐味

  第3フライト
 
 #5:カステルノー ミレジメ2006
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:CH50%、PN30%、ムニエ20%
 ドザージュ:8g/L     
 価格:10,800円(税別)
ひとことで表現するなら“エレガント”、気泡細やか、バター風味のトーストやジンジャーブレッド。酸味、甘味、旨味のハーモニー

 #6:カステルノー ミレジメ2003
 生産者:カステルノー(CM)
 ぶどう品種:PN70%、CH30%
 ドザージュ:8g/L
 価格:12,700円(税別)
この機に及んで2003年ヴィンテージを利き酒できたことはとても貴重でした。シャルドネを多用するカステルノーがピノ・ノワールを7割使って仕上げた異例のシャンパーニュ。色調は黄金色、クリームブリュレ、モカ、ロースト、果実のコンポート、スパイスの要素(ジンジャー)、泡はワインに溶け込みクリーミー。時間&温度変化で口中での厚味、複雑味が増してくるアイテム



第1フライトから、第2、第3と移るにつれ、坂を登っていく印象でした。
各アイテムからシャルドネをベースにしたカステルノーのスタイルが明確に伝わり、グレードがアップしていく感あり。“メゾンの個性を探る”にふさわしい時間になりました。
物価高騰の折、良心的価格で酒質が素晴らしいカステルノーは安心してお薦めできます。
輸入元は元BB&Rで活躍していた田上健一氏が代表を務めるワインエクスペリエンスです。


            o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

  余談ですが・・・
  2009年に昭和女子大カレッジのシャンパン講座で供出した2003 by ボランジェ

2003年のフランスは猛暑で多くの死者が出たのですが、ぶどうにも酷な年でした。
そのような中、自社畑を誇るボランジェでは『2003 by Bollinger』をリリースしていました。ちょうど2009年3月にシャンパーニュ視察

をしていて、自由時間にパリのLAVINIA(今はオンラインのみ)で、このボトルを見かけて気になり~
帰国後、当時の輸入元にお願いし、希少アイテムのボランジェ2003を出すことができました。凄く印象に残ったのでボトルもボックスも大事にキープしていました。
今回11月の講座でカステルノー2003を出したので、久々に取り出して撮影してみましたが、装丁も凄くお洒落だったことに改めて感激!



             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。

    11月第3木曜日に解禁されたボジョレ・ヌーヴォー2022
    モメサンのBNはパープルを帯びたルビー色で、凝縮したベリー系果実
    まるみのある味わいで、好感度100%
    第4週の皆さんと“健康を祝して”乾杯 🍷  
    第3週は解禁前だったので講座ではご披露できずsorry!

    早いもので、来月で2022年の講座も一段落
    たかがシャンパーニュ、されどシャンパーニュ
    本当に奥が深い世界です!

2022年10月29日

5メゾンのシャンパーニュをテイスティング  ~メゾンの個性、酒質をチェック~



 第2フライトからリポート
 容器・熟成へのこだわり
 9月にフォーカスしたRMのタルラン


 酒質の綺麗さはさらに向上し、アイテム数の多くはほぼノン・ドゼ
 10月はタルランの“今”をお伝えしたかったのでアルジリテ

をセレクト

 ぶどう品種はシャルドネ100%/単一畑ノートル・ダム、ドザージュ無
 2015年7月24日瓶詰、デゴルジュマンは手作業で2020年2月10日に実施
 生産本数は281本、価格は38,500円
 フレッシュ&穏やかな酸味、グラス内の温度変化で豊潤さ、旨味、長い余韻

 歴史あるジョージアに敬意を表してラベルにもジョージア語を使用

 アンフォラはジョージアで8000年間使われてきた醸造容器
 ゆえに「シャンパーニュに使ってみたかった」とブノワ当主
 2011年から粘土で素焼きさせた容器でワインを自然発酵させています。


    2014年から伊クレイヴァー社製のセラミック容器導入
   「自然界に存在する鉄やアルミニウムのような金属イオンが移動しない。
    最大の特徴は高温で焼き固めた材質なので、ほとんど酸化することがない」とブノワ


   容器の選択には独自の世界を貫くアンリ・ジロー
  ぶどう品種はピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
  2016年からステンレスタンクを全廃 
  リザーヴワインは50%、1990年からのソレラを使用
  瓶内熟成24~36ヵ月、ドザ-ジュ7g/L、価格は8,250円
  黒系果実、南国果実、スパイス、樽の要素が溶け込みスムーズに馴染んでくる旨味

 ラベルに描かれているアルゴンヌのオーク
 貧しい土壌で育つオークは木目が詰まり硬くて丈夫な木質で区画ごとに異なる。
 アンリ・ジローでは、それを読み取って木樽を構成
 樽内部の焼き具合も細かく指示しています。
 卵型タンクはテラコッタ製


  第1フライトはメゾンの顔のNV
  3アイテムを利き比べ

 色調が一番濃い目で黒ぶどうの比率が高い印象(左) 
 シャルドネの要素を最も感じるアイテム(中央)
 瓶内熟成の印象、温度変化で凝縮感(右)


 デュヴァル・ルロワ ブリュット レゼルヴ
 生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
 ぶどう品種:PN60%、ムニエ30%、CH10% / リザーヴワイン40%
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,651円
 輸入元:セパージュ
 インパクトあるアロマ、フラワリー、柑橘系果実、ストーンフルーツ、安定感ある味わい
 茶碗蒸しに合わせて楽しめるクリーミーな食感! 
 第3週の講座生から一番支持を得ていたアイテム


 ワイ・バイ・ヨシキ × シャンパーニュ ポメリー ブリュット 2022年9月1日発売
 生産者:Y by Yoshiki × CHAMPAGNE POMMERY


 ぶどう品種:CH、PN、ムニエ
 ドザージュ:10g/L 
 価格:18,150円
 販売元:ヴァンクロス
 8月30日のプレス会見の場ではシャンパーニュのテイスティングはなかったので、
 10月の講座で受講生と体験!
 ぶどうのブレンド比率は非公開。アロマ&全体の印象からシャルドネが若干多い⁈
 気泡は細やか、白い花、柑橘果実の内果皮似のビター感、第4週講座生の一番人気 

 ドゥーツ ブリュット クラシック
 生産者:ドゥーツ(NM)
 ぶどう品種:CH35%、PN35%、ムニエ30% / リザーヴワイン50%
 ドザージュ:8~9g/L
 価格:9,900円
 輸入元:ヴィノラム
 ブレンド比率よりぶどうの出処&メゾンの顔と言えるNVを重視
 洋梨、蜂蜜、へーゼルナッツ、バター、凝縮感、余韻は長く酸味を伴い綺麗に着地


 フルラインナップ
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 左から順に供出

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 比較試飲後、思わずクスッとしてしまいました[わーい(嬉しい顔)]


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 醸造責任者の交代
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 2019年のシャンパーニュツアー時、アヤラで再会したキャロリーヌ・ラトリーヴさん
 今秋ドゥーツから届いた収穫情報でラトリーヴさんの移籍を知りました!
 ミシェル・ダヴニュ氏とのご縁もあり、後任者としてヘッドハンティングされた感じ
 ちなみに、ファブリス・ロセCEOも退任なさる由、ドゥーツへの貢献 お疲れ様でした!


IMG_3400 アヤラ.jpg
 輸入元三国ワインから届いた公式リリース 10月26日付
 新セラーマスターとして11月1日からアヤラを率いるのはジュリアン・グー氏
 ジャック・セロス、テタンジェ、アンリ・ジローで研鑽を積み、
 2018年からアヤラに参画し、活動していました。
 アヤラの新しい醸造家の手腕、期待しています半月 


2022年10月04日

春期講座最終回は日々前進の醸造家『タルラン』のブノワ・タルランに注目

 シャンパン講座報告前に、最新情報&講座の要点を 画像はすべて拡大可
 クリストフ・ジュアレス団長から2022年収穫情報が届きました。
 太陽の年と形容できる素晴らしいヴィンテージになりそうです。


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 主要消費国のカテゴリー別比較  2021年度/金額ベース/出典 CIVC
 日本は世界第3位の市場です。
 プレステージを好んでいることがわかります。
 他国と比べ、甘口タイプのシャンパーニュ(全体の11%)の比率が高いです。
 大手メゾンのマーケティングが成功している⁇
 クリコのリッチやポメリーのブルースカイ等がナイトマーケットで大量消費されている!
 シャンパーニュを氷で割って飲む 🤔


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 ここから講座内容をご紹介
 春期講座の〆はタルランのシャンパンに注目しました。
 造っているアイテムのほとんどがノン・ドゼに変わっていたのは、新たな驚き!
 すべてノン・マロ、酒質の綺麗さが、さらにアップしている印象でした。

 いつも迅速にリポートをアップしてくださるブログ仲間のHakoさん


 私がブログを作成している途中に授業風景の写真を送ってくださったので、即、活用。
 授業で使ったパワポの資料が写っているので、それで解説しますね。

上段左 メゾンの歴史は1687年にまでさかのぼることができます。ピエール・マッソンからビオディナミの指導を受け同農法を導入。ドザージュを極力控え、長い熟成を大事にするシャンパーニュメゾン
下段左 タルランが取り組んでいるのが古代品種。2003年から3品種だけを使ったシャンパーニュ生産に取り組み、2014年に完成したアイテムがBAM。15年振りに来日

したブノワが新作を披露してくれたことは懐かしい思い出

上段右 タルランには自根のシャルドネがあり、『ラ・ヴィーニュ・ダンタン』というアイテムを生産しています。広報担当をしているブノワの妹メラニーが、昨年オンラインセミナーでタルランが取り組む温暖化対策

について語りました。
下段右 新しい容器も使用しています。ブノワ曰く「アンフォラはジョージアで8000年間使われてきた容器なので、シャンパーニュに使ってみたかった」ということで、2011年から粘土で素焼きのアンフォラでワインを自然発酵させています。2014年からは伊クレイヴァー社のセラミックタンク(蚕の繭のような形状)を使用していますが、その理由について「自然界に存在する金属イオン(鉄やアルミニウム)が移動せず、高温で焼き固めた素材なので、ほとんど酸化しない」と語っていました。



              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


 左から右の順に供出

 すべて天然コルク、状態は完璧!


 第一フライトは古代品種にフォーカス

 #1:タルラン シャンパーニュ ゼロ ブリュット ナチュレNV
 生産者:タルラン(RM)
 ぶどう品種:CH、PN、ムニエ各32%
 残りの4%はプティ・メリエ、アルバンヌ、ピノ・ブラン
 ドザージュ:0g/L ベースワインは2013年
 価格:8,250円

 #2:タルラン バムBAM NV
 生産者:タルラン(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ブラン25%、アルバンヌ25%、プティ・メリエ50%
 ドザージュ:0g/L 主体となるヴィンテージは2009年、一部2007年をブレンド
 価格:オープン価格/参考上代:24,750円

第3週と第4週で、ボトル内の熟成具合が微妙に異なり、非常に興味深い試飲になりました。#1はタルランの“顔”です。青リンゴ、レモンやマンダリンオレンジ、ハチミツやナッツ。凛とした酸味、温度変化で味わいにふくらみや華やかさ、旨味と心地よい余韻、好感度大!

#2のBAMは、第3週の時には、余韻が、ほんの少し短く感じたので、シャンパーニュの主要3品種の#1と利き比べると、若干の違いを受けましたが、第4週では、瓶内熟成が本当に素晴らしく、「これがブノワの求めているBAM!」と感じました。開発当時から「口中でバンと弾けるような感じなのでバム」と語っていたブノワ。2014年に初めてテイスティングした時には、確かに“弾け感”がありました。でも、今回は落ち着いたニュアンスで、破裂感はおさまっていました。彼ならではの古代品種のシャンパーニュ






 第二フライトはミレジメ


#3:タルラン ミレジメ ラ ルテシエン ブリュット ナチュレ2005
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH80%、PN20%、
ドザージュ:0g/L
価格:14,300円
気泡は細やか、柑橘系果実、ストーンフルーツ、フレッシュバター、ナッツ、ブリオッシュ、ミネラル、豊潤で深みがあり(第3週より第4週の時のほうが熟成感あり)、バランスの取れたシャンパーニュ

#4:タルラン ヴィニ―ニュ ドール ブリュット ナチュレ2004
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:ムニエ100%
ドザージュ:0g/L
価格:20,900円
マルヌ独特の粘土石灰質土壌(スパルナシアン)から造られるムニエ100%。一瞬で飲み手を魅了する熟成感、アロマは南国果実、ミネラル、黒糖、スパイスなど様々。力強く、複雑味があり、余韻も長く、バランス良好。第3週で圧倒的な支持を得ていたアイテム


#5:タルラン ミレジメ レタンスロント ブリュット ナチュレ2002
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH57%、PN29%、ムニエ14%
ドザージュ:0g/L
価格:28,600円
気泡はワインに溶け込み、クリーミー。レタンスロント=花火と命名されたシャンパーニュも20年の歳月を経て、まるみを帯びた印象に。ロースト風味、ビター感、石灰由来のミネラルと酸味の広がり、コクがあり、穏やかに長く続く余韻








            o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。



 「醸造作業の75%は圧搾にかかっている」と語るブノワ
 コカールは2007年から使っています。
 直近の圧搾画像(右)を送ってもらったところ、
 Tシャツに書いてある文字が気になったので質問してみました。


 お返事は・・・#シャンパーニュに氷を入れるな!
 
 Tシャツは2017年に作ったそうです。
 現在のメンバーは16メゾンで、アグラパールやシャルトーニュ等、
 優秀な若手の生産者が参加しています。
 シャンパーニュは土壌+ワイン何よりテロワールが大事と考えるメンバー

 大手メゾンのマーケティングとヴィニュロンの行動
 かい離、隔たりがありますね!!

製品についてのお問い合わせは株式会社八田/電話03‐3762‐3121
ラベル:bam タルラン

2022年09月03日

8月8日リリースの希少アイテムを交え、2ヶ月連続秀逸なブラン・ド・ブラン探求

 8月の暑さを吹き飛ばしてくれたアイテム


 第1フライト
 樹齢の古さ&酒質の良さのド・スーザとシャルル・エドシック生誕200年記念ボトル

 #1:ド・スーザ ブリュット・トラディション
 生産者:ド・スーザ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ムニエ10%
 ドザージュ:7g/L
 デゴルジュマン:2021年2月2日
 価格:9,570円
 輸入元:wine to style

 1999年からビオディナミを導入しているド・スーザ
 デゴルジュマンは年・月・日まで記載



    #2:シャルル・エドシック200thアニバーサリー・エディションBOX入り
      2022年8月8日出荷開始/限定発売
      生産者:シャルル・エドシック(NM)
      ぶどう品種:ピノ・ノワール40%、シャルドネ40%、ムニエ20%
      ベースヴィンテージ2017年
      リザーヴワインの比率は50%(一部の熟成期間は超20年)以上
      ドザージュ:11g/L
      価格:11,000円
      輸入元:日本リカー


      2種の利き比べ

#1:色調はベージュ。熟した果実、ロースト香、クリームブリュレ似のアロマ、中盤からの味わいに甘味、蜂蜜やキャラメル、丁寧な造りを感じさせるシャンパーニュ
#2:#1よりイエローのニュアンスがあり、気泡の連なりが綺麗。爽快で溌剌とした酸味、アプリコットやマンゴー、ミネラル、塩味、フレッシュさと豊かさ併せ持つ味わい。
ステンレスタンクのみのメゾン『シャルル・エドシック』ですが、このエディションでは、醸造にステンレスタンク、熟成に5~10%のオーク樽を使用


       第2フライト
       第1フライトに供出したメゾンのトップ・キュヴェ
       味わっておくべき価値大のブラン・ド・ブラン

 #3:ド・スーザ キュヴェ・ミコリーズ ブリュット ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ
   生産者:ド・スーザ(NM)
   ぶどう品種:シャルドネ100%      
   ドザージュ:3g/L
   価格:16,500円
   輸入元:wine to style

   
     #4:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2011
      画像提供:テタンジェ/サッポロビール
      生産者:テタンジェ(NM)
      ぶどう品種:シャルドネ100%
      ドザージュ:9g/L
      価格:33,000円
      輸入元:サッポロビール

   #5:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール2004
   生産者:シャルル・エドシック(NM)
   ぶどう品種:シャルドネ100%
   ドザージュ:9g/L
   価格:36,300円
   輸入元:日本リカー


 3種の利き比べ
 
#3:ミコリーズは“菌根”の意味。複数のグラン・クリュ(馬で耕作。土壌に空気を含ませることでミコリーズを大事にする)の区画のシャルドネから造るシャンパーニュ。輝きのあるイエローゴールド、ロースト、ヘーゼルナッツ、ミネラル、軽いビター感、旨味、滋味深い味わい
#4:使用するワインのうち5%はオークの新樽(毎年3分の1を交換)で4ヵ月熟成。金色を帯びた麦わら色。白い花や果実、マンダリンオレンジ、メレンゲ、スパイス、口中まろやか、2008VTの硬質なイメージとは対極、現段階で味わっても飲みやすく素直、クリーミー
#5:素晴らしい熟成具合。長熟を旨とするシャルルのトップ・キュヴェ。バター、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ブリオッシュのアロマ。味わいには柑橘果実、石灰由来のミネラル、酸味と旨味のナイスバランス、心地良く上品な余韻。第3週&第4週ともに講座生のこころをとらえていたアイテム。6月に最新ヴィンテージ2007年がリリースされました。




 個性あふれるプラーク

      photo by Fumiko/2015年11月撮影
      シャルル・エドシックの歴史あるクレイエール

 ブラン・デ・ミレネールの白いBOX(右端)は上記のクレイエールを形にしています。
 今回はグラスとボトルを同時撮影できました!


        o○.。o○.。o○.。インフォメーションo○.。o○.。o○.。


      9月下旬シャンパン・チャーリー発売
      熟成を重ねたリザーヴワインが約80%
      ベースワイン(2016年収穫)20%
      使用ぶどう品種はPN48%、CH52%

      プレス会見で試飲したシャンパン・チャーリー
      黄金色、ストーンフルーツのアロマ
      ミネラル感にあふれ、凛としたスタイル、あと引く味わい
      もう1度、会いたいシャンパン・チャーリー!



[NEW](追記:2022年9月4日)シャンパーニュ業界初の快挙
jancisrobinson.comで、パイパー・エドシック、レア、シャルル・エドシックを総括する
EPIグループがB-Corp取得

とのニュースを発信していたので、リンクしておきます。
Bコーポ/Bコーポレーションは、2006年にペンシルバニアの非営利団体B Labラボが発足させた国際認証です。環境や地域のコミュニティ、雇用等に関する取り組みで、一定基準を満たした企業に与えられます。利益重視ではなく、良い会社としての認証となるものです。日本の食品業界では、ダノンとネスプレッソの2社のみが取得しています。
EPIグループは今春、スペインのファミリア・トーレスとカリフォルニアのジャクソン・ファミリー・ワインズが立ち上げたIWCAにも参画。気候変動、温暖化対策に力を入れています。シャルル=カミーユ・エドシック生誕200年の記念にふさわしい嬉しいニュース[わーい(嬉しい顔)]


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


     秋講座(2022年10月~2023年3月)募集開始
 
    詳細は第3週

半月第4週

半月
    コロナ禍の閉塞感を払拭させ、皆さまの五感を刺激すべく頑張ります。
    気軽にアクセスしてください。どうぞ宜しくお願いいたします m(_ _)m

    NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
    受付時間は月曜~金曜 9:30~18:00 (土曜~17:30、日曜~15:00) 

2022年08月03日

盛夏にフォーカスしたフレッシュで清涼感あるブラン・ド・ブラン

 #1:R & L ルグラ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット GC
 #2:ランソン ブラン・ド・ブラン
 #3:ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン
 #4:ランソン ノーブル・キュヴェ・ブラン・ド・ブラン ブリュット2002
 #5: ビルカール・サルモン ルイ・サルモン2008


 第1フライトは3種の利き比べ
 

 #1:R & L ルグラ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュットGC
 生産者:R&L ルグラ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:4g/L以下
 価格:9,724円
 輸入元:BB&R

 2016年に産経EXに連載していた「ワインのこころ」でルグラを紹介
 長年、生産量の大半をフランス国内の星付レストランに納めており、
 国外に出る機会がなかったことから、プロのためのシャンパーニュと呼ばれていました。

 #2:ランソン ブラン・ド・ブラン
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:7g/L
 価格:14,113円
 輸入元:アサヒビール

 #3:ビルカール・サルモン ブラン・ド・ブラン
 生産者:ビルカール・サルモン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%      
 ドザージュ:7~8g/L
 価格:15,070円
 輸入元:JALUX


 左から#1~#3

#1はコート・デ・ブランのシュイィのぶどうのまるみとフィネスが表現されたシャンパーニュ。ピュアでスマート、溌剌さと切れ感、レッドボトムにも注目!

#2はオジェ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ、ヴェルトゥス、トレペイユ、モンギュー等、グラン・クリュGCとプルミエ・クリュPCのぶどうを70%使い、20年以上オーク樽で熟成させたGCとPCのコレクションの中からセレクトしたリザーヴワインを40%使用。2013年にシェフ・ド・カーブとして着任したエルヴェ・ダンタンさんが手掛けたアイテム。グリーンを帯びた黄金色、ライムやレモン、青リンゴや洋なし、アニスシード、ミネラル、軽いビター感、芯の通った酸味、口中を洗い流してくれる印象

#3はアヴィーズ、シュイィ、クラマン、ル・メニル・シュル、オジェの4村のぶどうを使用。リザーヴワインは33~40%。色調は若干淡いゴールド。白い花、ホワイトバター、南国果実、アーモンドやヘーゼルナッツ、エレガントでバランス良好


  第2フライトはトップ・キュヴェ

 #4:ランソン ノーブル・キュヴェ・ブラン・ド・ブラン ブリュット2002
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:6g/L
 価格:20,900円
 輸入元:アサヒビール

 #5: ビルカール・サルモン ルイ・サルモン2008 5月19日出荷開始
 生産者:ビルカール・サルモン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:6~7g/L
 価格:39,600円
 輸入元:JALUX

 左から#4#5

#4はアヴィーズ、ル・メニル・シュル・オジェ、クラマン、オジェ4村のシャルドネを使用。20年経過しているにも関わらず、色調からも香りからもゆるやかな酸化を感じさせない“若さ”があり、まさにノン・マロならではのアイテム。驚くほどフレッシュ。酸味もあるので、まだ、瓶熟が期待できそう (とは言え、すでに完売の由) 。白い花や白桃、アカシア、アーモンドやヘーゼルナッツ、ロースト香、きれいな酒質

#5はシュイィ40%、クラマン33%、ル・メニル・シュル・オジェ20%、アヴィーズ7%のクリュのぶどうを使用。色調は黄金色で気泡は持続性があり繊細。黄色系果実、洋なし、杉、チョーキーなニュアンス。口中クリーミー、味わいの特徴はシュイィに由来する“塩味”、柑橘系果実、アーモンドビスケット、白胡椒。凛とした酸味を伴って続く長い余韻。
ビルカール・サルモンのオンラインセミナーに登場したブラン・ド・ブラン2種

についてはブログにまとめてありますので載せておきます。


 限定キュヴェ『クロ・サンティレール』
 画像提供:JALUX
 ビルカール・サルモンのフラッグシップ『クロ・サンティレール』のぶどう畑
 メゾンの裏手にある約1㌶の畑で栽培しているのはピノ・ノワール
 ビオディナミ農法を導入していますが、敢えてラベルには記載していません。


      2008年ヴィンテージラバーにお薦めしたいルイ・サルモン
      ビルカール・サルモンの3大キュヴェ
      キュヴェ・エルザベス・サルモン・ブリュット・ロゼ
      キュヴェ・二コラ・フランソワ・ブリュット
      そして・・・ルイ・サルモン ブラン・ド・ブラン

  アントワン当主が語ったオンラインセミナー

の内容はワイン王国webをご覧ください。


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


  御礼、感謝を込めて!
 

 8月31日にジョエル・ロブションで行うシャンパーニュ特別ディナー

は、
 満席 (現在キャンセル待ち) になっております。
 ありがとうございました!
 高丸智天シェフソムリエから既に完璧なメニューが届いておりますので、
 ご参加予定の皆さま、大いにご期待くださいませ。
 密を避け、感染対策には今まで以上に気を配ってまいりますので、
 何卒宜しくお願いいたします。

 NHK文化センター青山校は8月11日~16日まで夏期休業
 第3週のシャンパーニュ講座は休み明けの17日、第4週は24日になります。
 良き夏休みを 半月 半月 半月 

2022年06月25日

第3回シャンパーニュ講座は樽発酵、樽熟成、ノン・マロを貫くアルフレッド グラシアン!

      徹底した造りにこだわるメゾン
      エペルネにあるアルフレッド グラシアン。現在はヘンケルの傘下

 1864年から150年以上続くシャンパーニュメゾン


 シェフ・ド・カーブはジェジェ家が務め伝統を継承しています。4代目二コラ氏は、
 2018年にギド・アシェット誌から“最優秀シャンパーニュ・メーカー”に選出されました。


 シャンパーニュ講座ではNVからプレステージまでにフォーカス
 左から右の順に
 #1:アルフレッド グラシアン ブリュットNV
 #2:同ナチュールNV
 #3:同ブラン・ド・ブラン2015
 #4:同ブリュット ミレジメ2008
 #5:同キュヴェ パラディ ブリュット2013


     第1フライトはノン・ヴィンテージ比較
     #1:アルフレッド グラシアン ブリュットNV
     生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
     ぶどう品種:CH54% PN24% M22%  
     ドザージュ量:9g/L、リザーヴワイン約40%
     価格:8,250円

     #2:アルフレッド グラシアン ナチュールNV
     生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
     ぶどう品種:CH50% PN25% M25%
     ドザージュ量:0g/L、リザーヴワイン約40%
     価格:8,470円

#1#2も使用品種の比率はほぼ同じ。ともにソレラシステムで継ぎ足しながらキープしているリザーヴワインを約40%ブレンドしています。#1は果実感と親しみやすさにあふれ、ナッツや香ばしさ、旨味のあるバランスの良いスタイル。#2は、第1香は控えめ、ぶどうの熟度&酒質の良さを感じさせるドライでスマートな味わい、樽使いに優れたノン・マロ&ノン・ドゼのスタイル。いずれも上質、興味深い比較試飲でした。


 第2フライトはヴィンテージ比較

 #3:アルフレッド グラシアン ブリュット ブラン・ド・ブラン グランクリュ2015          
 生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH100%
 ドザージュ量:6g/L
 価格:11,000円

 #4:アルフレッド グラシアン ブリュット ミレジメ2008           
 生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH56% M23% PN21%
 ドザージュ:8g/L
 価格:17,600円

 #5:アルフレッド グラシアン キュヴェ パラディ ブリュット2013 
 生産者:アルフレッド グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH65% PN35%
 ドザージュ:8g/L
 価格:22,000円

ブログ仲間Hakoさん

が書いていた「2008年ヴィンテージにフォーカスした時」のブログをチェックしてみました。アルフレッド・グラシアンが第3週&第4週の講座生から受けが良かったことも思い出しました[わーい(嬉しい顔)]

2021年9月は「シャルドネはル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、シュイィ、クラマン、オジェ等、ピノ・ノワールはブージー、アンボネー、キュミエール等、ムニエはルイユ、ダムリー等のクリュ。樽発酵、樽熟成でMLFは一切しないメゾン。シャブリエンヌから古樽を購入、瓶内熟成96~108ヵ月間。5アイテムのなかで唯一の樽使い。インパクトのある熟成香、スパイス、樹脂(若干のセメダインっぽさ)、シャープな酸、厚味と旨味のナイスバランス」と記述していました。今回またまた講座生からの受けもよく、私の“ベスト1”でもありました。熟成具合が素晴らしいので、2008年VTラバーさんにはお薦めしたいです!

#3のブラン・ド・ブランは気泡活発、柑橘果実やミネラル、上品な酸味、切れ感のある味わい。#5はメゾンのトップキュヴェ、造りの丁寧さが伝わってきます。シャンパーニュの古酒に感じるモカや焙煎香があり、時間の経過で複雑味やふくらみ。樽によるゆっくりとした酸化熟成の旨味を感じ、アルフレッド グラシアンのスタイルここにありの印象。4代目の二コラ氏の技量、さすが!


 7月からはボランジェの扱いも!
 アルフレッド グラシアンの輸入元はwine to style (nakatoとwine in styleが併合)
 wine to style

はボランジェ社と国内での独占販売契約を締結。
 7月から販売を開始します!


      photo by Hako

   先程ご紹介したHakoさんのブログには、ボトルの表・裏が載っています。
   裏ラベルには デゴルジュマンの年月も記載してあるので、大事な記録になります。
   紫色のラベルとBOXが映えた画像、ナイスです!

2022年05月27日

5月のシャンパーニュ講座は5アイテム同時供出

 World's Most Admired Champagne Brands 2022の上位5位までの比較試飲
 左から右の順
 *シャルル・エドシック
 *ポル・ロジェ
 *ボランジェ
 *クリュッグ
 *ルイ・ロデレール

       2022年のThe List
      Drinks Internationalが毎年刊行しているリスト
      信頼できるデータとして参考にすることが多いです。
      30位までには⁈と思うメゾンもあり、100%同意していませんが、
      9割以上のメゾンはブレがないと思っています。
      今月は1位から5位までのメゾンのアイテムを同時供出で利き比べました。


 いずれも素晴らしいシャンパーニュ

 プラークも個性にあふれて


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 今回と同様のブラインドテイスティングを2年前に行いました。
 コロナ禍の余波で、4月から9月まで休講となってしまい、
 私も講座生の皆さんも我慢するしかなかったのですが、
 万全な対策を取って、意を決して番外編

を開講。
 お力を貸してくださったのが日比谷 松本楼の小坂文乃社長でした。

 右から順に供出、5アイテムはすべてマグナム

        2022年とメゾンの顔ぶれは同じ、順位には違いあり

 2020年当時のデータとテイスティングコメント


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 現在講座は2クラスに分かれているので、シャンパーニュはレギュラーサイズで供出

 #1:シャルル・エドシック ブリュット レゼルヴ
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:CH PN M 各1/3ずつ 
 ドザージュ量:11g/L
 価格:9,350円
 輸入元:日本リカー
創業1851年、自社畑 非公開、シェフ・ド・カーブはシリル・ブラン
ぶどう品種:PN、CH、M各3分の1。ステンレスのみ使用。ベースワインは2017年/60%、リザーヴワイン40%は平均10年以上のVT、デゴルジュマン 2020年、ドザージュ11g/L
気泡細やか、フレッシュ感と力強さ、中盤から酸味、まるみとスマートさ、程よいバランス


 #2:ポル・ロジェ ブリュット レゼルヴ
 生産者:ポル・ロジェ(NM)
 ぶどう品種:PN CH M 各33%
 ドザージュ量:8g/L
 価格8,250円
 輸入元:ジェロボーム
創業1849 年、自社畑90㌶、シェフ・ド・カーブはダミアン・カンブル
ぶどう品種:PN、CH、M各3分の1。ステンレスのみ使用。ベースワインは2016年、リザーヴワインは2015、2014、2013の直近3年分、比率は25%程度。ドザージュ8g/L
果実味豊か、フレッシュ感と旨味、ステンレス使いのメゾンならではのフィネス、安定した味わい


 
 #3~#5

         #3:ボランジェ ラ・グランダネ2014
          2022年4月末リリース


 ボランジェならではの底力を感じる2014年ヴィンテージ
 生産者:ボランジェ(NM)
 ぶどう品種:PN61%、CH39%
 ドザージュ量:8g/L
 価格:29,700円
 輸入元:アルカン インポーター契約は6月末迄、寂しいです[もうやだ~(悲しい顔)]
創業1829 年、自社160㌶、シェフ・ド・カーブはジル・デコート
ぶどう品種:PN61%、CH39%。2014年のヴィンテージ・シャンパーニュ。19のクリュのぶどうで、グラン・クリュ79%、プルミエ・クリュ21%の割合、ドザージュ8g/L
発売されたばかりのトップキュヴェ。難しい2014年を手中におさめたシャンパーニュ。ボランジェの徹底したシャンパーニュ造りを感じさせる逸品。層を成して広がる複雑味、上質な酸味、シャンパーニュラバーには是非とも試していただきたいアイテム


 #4:クリュッグ グランド キュヴェ170           
 iDナンバーで検索するとボトルについての詳細がわかります。

 生産者:クリュッグ(NM)
 ぶどう品種:PN51%、CH38%、M11%
 ドザージュ:非公開
 価格:38,170円
 輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ
創業1843年、シェフ・ド・カーブはジュリー・カヴィル
ぶどう品種:PN51%、CH38%、M31%。最も古いワインは1998年、最も若いワインは2014年。12年間の異なる195種類のワインをブレンド、マルチ・ヴィンテージ。
黄色系果実、ミネラル、味わいの豊かさ、第4週の講座生から一番支持を得ていたアイテム

 #5:ルイ・ロデレール コレクション242
 2021年10月1日に登場したコレクション242



 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH42%、PN36%、M22%
 ドザージュ:8g/L
 価格:8,250円
 輸入元:エノテカ
創業1776年、自社畑240㌶、シェフ・ド・カーブはジャン・バティスト・レカイヨン。
ぶどう品種:CH42、PN36、M22%。ベースワインは2017年/56%、リザーヴワインはパーペチュアル・リザーヴ34%(2012、2013、2014、2015、2016)および大樽熟成10%(2009、2011、2013、2014、2015、2016)、ドザージュ8g/L、マルチ・ヴィンテージ。フレッシュ感と豊潤さ、熟した果実、塩味、中盤から酸味、後味に軽いビター感、シルキーでソフト


 比較し甲斐のある5アイテムでした。
 好みのメゾン探しには最適
 確たる道しるべになる秀逸なお薦めのシャンパーニュ半月半月半月 

 ブログ仲間のHakoさんの気合のこもったリポート

もご覧くださいませ!

2022年05月04日

春期NHK文化センター青山校のシャンパーニュ講座がスタートしました!

 2012年ヴィンテージにフォーカス
 #1:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ミレジメ2012
 #2:ブルーノ・パイヤール エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン2012
 #3:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 #4:ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン2012
 #5:ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム2012 草間彌生



 色調だけでBdeBかBrutかを見極めるのはなかなか[ふらふら]


         きっかけを作ってくれたアンリオのミレジメ2012
      新ヴィンテージの発売にからみ、ファインズさんから届いた2012を、
      即、テイスティング&リポート


      アンリオらしい丁寧な造り。何より、ピュアな果実味が魅力的
      温度変化で厚味、様々なニュアンスを感じ、
      食とのマリアージュでも守備範囲が広く素晴らしかったので、
      アンリオと比肩しうる2012年VTのアイテムを選択しました!

アンリオ

のジル・ド・ラルズィエールCEOにもリポートを読んでいただきました。
Many thanks for your very kind note about our Millésime 2012. It is a beautiful wine and as I could read your notes on it, I think you perfectly captured its qualities.
とのお返事があり、2012VTの素晴らしさを共有できて嬉しく思っています!



 鯛、クレソン、葉&茎を利用したセロリ、カラフルミニトマト
 柚子味噌とオリーブオイルでさらっと味付け、仕上げに白胡麻をまぶして完成!
 和柑橘や和風調味料との相性が素晴らしいシャンパーニュ

 2012年ヴィンテージについて
 データ提供:ファインズ
 年初から7月半ばまでは悪天候
 7月半ば~9月半ばまでは降雨もなく酷暑
 9月半ば、収穫期は好天
 劇的な気候の変化がコントラストを生み、全ての要素に調和をもたらしたヴィンテージ


 講座の第1フライトは白ぶどう100%のブラン・ド・ブラン
 #1:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ミレジメ2012
 生産者:ドゥラモット(NM)
 ぶどう品種:CH100%
       GCのル・メニル、アヴィーズ、オジェ、クラマン、オワリー、シュイィ 
 ドザージュ量:6.5g/L
 価格:12,000円(税別)

完売した2008年に次ぐヴィンテージ。繊細で輝きのある気泡。レモンやGFのような柑橘系果実、白い花、石灰由来のミネラル、#2と利き比べると軽快。クリーミー、切れの良さ。きりりとした酸を伴いながら着地

 日本人画家菅原健彦さんが描いた桜のラベル
 #2:ブルーノ・パイヤール エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン2012
 生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
 ぶどう品種:CH100%/GCのオジェ、ル・メニル
 ドザージュ量:3g/L
 価格14,000円(税別)
 輸入元:ミレジム

ぶどうの20%を使い古した小型のオーク樽で醸造。ブルーノ・パイヤールさんは「デゴルジュマンは外科手術と同じなので、シャンパーニュが回復するまで時間をかけることが必要」というのが持論。ゆえに、デゴの後、18ヶ月かけて落ち着かせてから市場にリリースしています。ちなみに他のメゾンは大体6ヶ月程度。
輝きのあるゴールド、グラス上部から見る泡沫活発、白桃やアプリコット、GF、白い花や蜂蜜、ブリオッシュ。酸味のメリハリ、果実の風味、かすかな塩味、きれいな酒質、ミネラルと旨味、余韻はドライで無駄のない印象


デゴルジュマンを施した年月が、#1は2019年6月、#2は2019年4月。ぶどう畑はともにGCのみ。同ヴィンテージなので、容器、醸造、ドザージュの違いを知ることで、メゾンのスタイルがよくわかりました!



 第2フライトはブリュット3種
 #3:アンリオ ブリュット ミレジメ2012
 生産者:アンリオ(NM)
 ぶどう品種:CH54%、PN46%
 ドザージュ量:6g/L
 価格:14,000円(税別)
 輸入元:ファインズ

グラン・クリュとプルミエ・クリュのぶどうを使用。コード・デ・ブランはシュイィ、アヴィーズ。モンターニュ・ド・ランスはトレパイユ、マイィ、ヴェルズネー、アヴネー。フローラル&様々な果実の香り、ミネラル、切れ感があり、バランス良好、エレガント。冷涼年に感じるミネラルやヨード感。一方で、口中に広がる甘やかさ、スパイスやコーヒーのアロマは暑い年に由来する要素。劇的な変化をもたらした2012年ヴィンテージならではの特徴が表現されたアイテム


 #4:ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ブラン2012
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:PN55% M25% CH20%
 ドザージュ:0g/L
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:エノテカ

ビオディナミ100%のキュミエール村のぶどう(PN、CH、M)を同時収穫して仕込み、15%のみ木樽を使用して発酵。ノン・ドゼ、ノン・マロの純なシャンパーニュ。
醸造責任者のレカイヨンさんに「ドザージュをしていないシャンパーニュは糖分添加したシャンパーニュより、熟成が早まると思うのですが」と質問したことがあります。その時、「通常の温度(セラー温度10度)より、低い温度で保存すると、熟成は緩やかに進むので、温度への配慮を」とのお返事をいただきました。温度管理も反映しているシャンパーニュ


ルイ・ロデレールは、2012年ヴィンテージを ①緻密、②洗練、③優しい泡、の3単語で形容。色調はグリーンがかった黄金色、熟成香が際立ち、ミネラル、熟した果実、ヘーゼルナッツ、白胡椒の要素。中盤以降軽いビター感、フレッシュ、ドライでありながら豊潤。第3週・第4週ともに一番人気だったアイテム


 #5:ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム2012 草間彌生
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM)
 ぶどう品種:PN90% CH10% 
 ドザージュ:6g/L
 価格:23,400円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ

27歳で未亡人となり、亡き夫のシャンパーニュメゾンを大成させたマダム・クリコ&28歳で生まれ育った日本を離れて渡米し、世界的名声を収めたマダム・ヤヨイ。二人のマダムのコラボレーション。
ピノ・ノワールはアイ、ヴェルズネー、ヴェルジー、アンボネイ、ブージー、シャルドネはアヴィーズ、メニル・シュル・オジェを使用。

ブラインドで、グラスの色だけを見て、「白ぶどうのほうが多い?」と迷っていた講座生も・・・
その答えが覆されたのは、グラス内の温度変化。最初に白い花のアロマが広がり、その後、ストーンフルーツ(白桃やネクタリンやカリン等)、新鮮なアーモンド、ジンジャーの要素。口中では心地よいミネラル感、ドライアプリコット、蜂蜜、柑橘果実の内果皮似のビター感。中盤から厚味、ふくらみ。

私たちの黒ぶどうは、最高の白ワインをもたらします」 マダム・クリコ 1825年


 最初は円筒形のコルクたち
 瓶口に圧縮したコルクの下半分を挿入することで、長い熟成を経てキノコ型に変形

 
 王冠(プラーク)にはメゾンの個性が反映しています!


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 最新情報 by シャンパーニュ委員会CIVC
 名称保護・価値向上を管轄する部門のディレクター、エゴロフさん
 2020年に就任した方で、“シャンパーニュの今”をテーマに解説
 本国からの来日は3年ぶりでした!
 2021年の出荷数量は3億2,000万本(前年比31%増)
 金額では57億€(前年比36%)


 2021年の輸出数量ランキングTOP10
 出典:CIVC
 数量ベースで1位は米国、2位は英国、日本は3位


 日本向け輸出量・金額の推移
 出典:CIVC
 2021年は1,380万本、3億5,400万€
 数量ではコロナ禍以前の2018年とほぼ同等
 金額では過去最高の売上を誇った2019年の数字に近い躍進


 会見の後、3種のシャンパーニュ登場!

 
 ランチのお弁当はHinokiの藤田社長が担当



     サービスされた3アイテム
     心地よい日差しのもとでワンショット 
     一瞬ですが、コロナの喧騒を忘れることができました半月

 シャンパーニュ委員会は今年もシャンパーニュデイを開催します。詳細はコチラ

から!
 どのメゾンのシャンパーニュで乾杯しましょうか[わーい(嬉しい顔)]

2022年03月26日

桜の開花予想にワクワク、5種のロゼ・シャンパーニュ探求もワクワク

シャンパーニュ最古のメゾン ルイナール


その魅力については2016年にippin

でも紹介させていただきました。

NHK文化センター青山校の3月講座はルイナール、ヴーヴ・クリコ、ドラピエにフォーカスしました。要のメゾンはルイナール!
古文書の調査を進めていた同メゾンが、2011年に発見した文献は、シャンパーニュ業界のロゼ造りの歴史を覆す結果に[exclamation×2] そこには「1764年3月14日、120本のシャンパーニュを出荷。その中には60本の『ウイユ・ド・ペルドリ(山うずらの目)』があった」との記述があり、「ロゼ・シャンパーニュ最古の造り手は1818年にブレンド法を用いたヴーヴ・クリコ」という従来からの定説を塗りかえました。

 シャンパーニュラバー訪問必須のメゾン
  (C) photo by Fumiko AOKI
 古代の白亜質の石切り場跡クレイエール、25m、35m、40mの深さがあります。


 上半期最後はロゼの競演
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 左から
 #1:ルイナール ロゼNV
 #2:ヴーヴ・クリコ ロゼNV
 #3:ドラピエ ロゼ・ナチュールNV 
 #4:ヴーヴ・クリコ ヴィンテージロゼ2012
 #5:ドン・ルイナール ロゼ2007




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 色合いの微妙な違いにも魅せられて


 第1フライト
 #1:ルイナール ロゼNV
 生産者:ルイナール(NM)
 ぶどう品種:CH45% PN55%、赤ワインを18%ブレンド
 ドザージュ量:8g/L
 価格:10,900円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
ゴールデンオレンジカラー、気泡は持続性があり細やか、香りはチェリーやラズベリー、金柑やアプリコット、白桃、味わいはピュアでフレッシュ、綺麗な酸味とスマートに続く余韻

 #2:ヴーヴ・クリコ ロゼNV
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM)
 ぶどう品種:PN50~55% CH28~33% ムニエ15~20% 赤ワインを12%ブレンド
 ドザージュ量:10g/L
 価格:8,200円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
サンセットカラー、ムニエ由来のフラワリーな要素と溌剌感、ラズベリー、ブラックベリー、チェリーやアプリコット、バターやブリオッシュ、口中ではブラッドオレンジやマンダリンオレンジ、中盤から酸味が広がり、味わいスムーズ、満開の桜に似合うロゼ

 #3:ドラピエ ロゼ・ナチュールNV 
 生産者:ドラピエ(NM)
 ぶどう品種:PN100% セニエ製法
 ドザージュ量:0g/L
 価格:7,800円(税別)
 輸入元:テラヴェール
供出した5アイテムの中で唯一のセニエ製法。10度以下だと香りは閉じ気味、温度の変化で本領発揮。画像からもわかるようにオレンジを帯びた濃い色調、ストロベリーやラズベリーの香り、レモンやマンダリンオレンジの風味、白コショウ、ドザージュは0なので、口中ではドライながら、良質なピノ・ノワールの熟度が全体をバランス良くまとめている印象。第4週の講座生から高い支持を得ていたロゼ


 地平線に沈む夕日を連想させるオレンジ色

 第2フライト
 #4:ヴーヴ・クリコ ヴィンテージロゼ2012
 生産者:ヴーヴ・クリコ(NM)
 ぶどう品種:PN51% CH34% ムニエ15%、 ブジー産のPNを13%ブレンド
 ドザージュ:8g/L
 価格:10,800円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
深みのある銅色、果実味豊かでベリー系果実が嗅覚を支配、ドライローズ、緻密なタンニン、クリーミーな食感、フレッシュさを伴って広がる余韻、酒質の綺麗なロゼ!

 #5:ドン・ルイナール ロゼ2007
 生産者:ルイナール(NM)
 ぶどう品種:CH80% PN 20%
 ドザージュ:5g/L
 価格:34、200円(税別)
 輸入元:モエ・ヘネシー・ディアジオ
コート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスのシャルドネとアイ村のピノ・ノワールを使用。20%ブレンドした赤ワインのトーンを感じる赤銅色、酸を含んだ柑橘系果実、ピンクペッパー、アールグレー、ココア、焙煎香があり、口中ではブラッドオレンジの甘さ、ピンクグレープフルーツの内果皮似の軽いビター感、シャルドネを芯にしたエレガントなスタイルで、時間の経過で様々なニュアンスを感じさせる秀逸なロゼ、飲む価値ありの1本!

ヴーヴ・クリコはPNをメインにしたメゾンであり、赤系果実の宝庫のような香りは魅力。ルイナールはシャルドネ重視のメゾンらしい品格を備え、石灰由来のミネラルと酸味の綺麗さは見事。両メゾンの個性が楽しめました。

      copper/銅色という表現が合いますね


 来週早々には東京の桜も満開!

4月からのオーダーメイドなシャンパンレッスン<第3週>

&<第4週>

ともキャンセル待ちになっています。ご参加くださるシャンパンラバーの皆さまには心から感謝しております。
秀逸なシャンパーニュたちとの出会いをお楽しみに!

2022年03月01日

2月の講座は秀逸なピノ・ノワールの産地アンボネー村にフォーカス!

 シャンパーニュ講座のラインナップ
 2フライトに分けて供出

 シャンパーニュの味わいにも反映しているコルクの締まり具合


 黒ぶどう100%と黒ぶどう主体のアイテム


  新装した教室、密を避けた空間
 第4週クラスの内部、1テーブル1名席。お部屋の奥には使いやすい水場も!

 シャンパーニュ地方のグラン・クリュ
 地図の出典は(C)酒販ニュース
 ブログの村表記は日本ソムリエ協会の教本に合わせていますが、
 各アイテムについては輸入元の表示に統一しています。

 今回注目したアンボネーはモンターニュ・ド・ランスの南部に位置する村で、
 主として南向き斜面、ピノ・ノワール中心、原酒は酸が高く、しっかりとした骨格が特徴

 第1フライトはブラン・ド・ノワール
 お間違えのないように!
 #1は2013年ヴィンテージ
 #2はノン・ヴィンテージ
 ボトル上の2021デゴルジュマンをした年

 #1:スゴンデ・シモン キュヴェ・ル・ヴィラージュ GCブリュット2013
 生産者:スゴンデ・シモン(RM)/1866年創業
 ドザージュ:6g/L
 ぶどう品種:PN100%(ブラン・ド・ノワール) 
 ドザージュ:6g/L
 価格:13,500円(税別)
 輸入元:ヌーヴェル・セレクション
所有する6㌶の畑はすべてアンボネイ村にあり、キュヴェ・ル・ヴィラージュは0.089㌶のモノポール畑「ル・ヴィラージュ」に植樹された樹齢約50年のPNから、傑出した年に限り、年間300本だけ限定生産されるスペシャルアイテム。フルーティで、時間が経過してもそれが持続。香りにはリンゴ、カリン、ナッツ、甘草。若干の塩味とフェノール、中盤から酸味の広がり

 #2:エリック・ロデズ GCアンボネイ ブラン・ド・ノワールNV
 生産者:エリック・ロデズ(RM)/1900年創業
 ぶどう品種:PN100% (ブラン・ド・ノワール) 
 ドザージュ:4g/L、 デゴルジュマン:2021年
 価格:11,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
自社畑6㌶、収穫したぶどうは古い小樽を中心に新樽、大樽、ステンレスタンク等を組み合わせて醸し、当主は大手メゾン(クリュッグの元チーフ・エノロジスト)で身につけたアッサンブラージュや樽使いの技術にも長けている。#1と利き比べるとドザージュ量の違い明確、極めてドライ。10度以下の供出では香り控えめ、グラス内の温度が上がると、マンダリンオレンジ、ナッツ、ミネラル、スパイス。酸味がきれいでふくらみもあり、口中スムーズ

 第2フライトはピノ主体のブレンドタイプ
 #32013年ヴィンテージ、#52006年ヴィンテージ
 #4はノン・ヴィンテージで、ボトルにある2020はデゴルジュマンをした年
 #2#4は輸入元ヴァンパッションによる表示なので、収穫年と混同なさらないように!


 #3:アンリ・ビリオGCアンボネイ・ブリュット・ミレジメ2014
 生産者:アンリ・ビリオ・フィス(RM)/1930年創業
 ぶどう品種:PN75%、CH25%
 ドザージュ:8~9g/L、デゴルジュマン:2020年10月12日
 価格:10,000円(税別)
 輸入元:豊通食料
自社畑4.7㌶、アンボネイ村の中央に位置するメゾン。年間出荷量は3.5~4万本、その多くがイギリスの特定の愛好家に販売され在庫が尽きてしまうとの情報も。醸造面では、すべてノンマロ、リザーヴワインは常に50%と多め。気泡細やか、オレンジや金柑、金木犀、スパイス、余韻に酸の印象

 #4:エグリ・ウーリエ GC トラディション・ブリュットNV
 生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/1930年創業
 ぶどう品種:PN70%、CH30%
 ドザージュ:3g/L、デゴルジュマン:2020年10月
 価格:14,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
自社畑12㌶、年間出荷量は10万本、トラディション・ブリュットはアンボネイの南向きの穏やかな斜面に植樹された樹齢40年のPNを中心に、東向きのCHをブレンド。全体の50%を樽発酵&樽熟成 (12 ヵ月)、51ヵ月の瓶熟成。リザーヴワインは50%以上使用。第4週の講座では、すべてのアイテムに関して、口中に含んだら、20秒以上、舌の上で転がし、その後、飲み込んでから鼻腔で感じる香りや余韻の長さをチェックしてもらいました。口中の存在感と余韻の長さが際立っていたエグリ・ウーリエ、納得できる結果に!

[いす]私が同メゾンを初訪問したのは2009年のことでした。当時連載していたasahi.com

に、フランソワさんのコメントを載せているので、ご参考までに!

 #5:アンドレ・ボーフォールGC アンボネイ・ミレジメ2006
 生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)/1969年創業
 ぶどう品種:PN80%、CH20%
 ドザージュ:8g/L
 価格:17,000円(税別)
 輸入元:テラヴェール
自社畑は非公開、年間の生産量2,500c/s、ミレジメに関しては、ひとつの原酒から、ドザージュ少なめのブリュットタイプとドザージュ多めのドゥミ・セックの2種類を生産。第一香はシェリー似、黒糖、果実の甘露煮、ココア、香ばしさ。口中クリーミーで味わいはほろ苦さと旨味のハーモニー。思わず、クリーム・ブリュレを連想、滋味あふれるシャンパーニュ

[いす]受講生のhakoさん

がマップを入れたレポをアップしてくれました。アンボネーの位置が良くわかります。

 
  おいしいスプリングカラー
 少しずつ春めいてきましたね。
 先日、高野のフルーツチョコをいただきました。
 可愛いいパッケージは我が家のパステル調の花たちに映えて[わーい(嬉しい顔)]


       [NEW]春期のオーダーメイドなシャンパンレッスン募集開始
     第3週講座


     第4週講座


2022年01月28日

温暖化とシャンパーニュ地方の関係を探りつつ、コトー・シャンプノワにフォーカス

 2022年初のシャンパーニュ講座は非発泡性ワインからスタート
 左から順に
 #1:ドゥ・ヴノージュ コトー・シャンプノワ・ルージュ ラ・フォレ2018
 #2:アンリ・ジロー コトー・シャンプノワ ルージュ2016
 #3:ボランジェ ラ・コート・オー・ザンファン2016
 #4:アンリ・ジロー ロゼ ダム・ジャンヌNV
 #5:ドゥ・ヴノージュ プランス・ロゼNV


             シャンパーニュ地方の土壌 拡大可
       データ提供:CIVC日本事務局



            シャンパーニュ地方の気候 拡大可
     出典:CIVC

2019年11月にシャンパーニュ委員会本部を訪問してフィリップ・ウィブロット広報部長から伺ったところによると、同地方の平均温度は10度ですが、1961~90年までの約30年間で1.1度上昇しており、直近30年間を見ると、収穫の時期は18日早まっているとのこと。1㍑あたりの総酸度は1.3%減少し、アルコール度数は0.7%高くなっています。

ルイ・ロデレールでは15年間の長期プロジェクトの末に、2021年7月、コトー・シャンプノワのルージュとブランを発売。同9月には、シャルル・エドシックもコトー・シャンプノワ アンボネー・ルージュ

をリリースしました。気候変動の好影響下、シャンパーニュ地方ではぶどうの熟度が上がり、シャルル・エドシックのようにスティルワインだけのぶどう畑を確保する動きが出ています。



           第1フライトは3種のコトー・シャンプノワ

  講座ではアイ村とレ・リセ村に注目しました!
  地図を拡大していただくと、色別で土壌が記載されているので、
  イメージがおわかりいただけると思います。
  アイは白亜質、硬質と軟質の石灰質、石灰砂質、泥灰質 (粘土石灰質)
  レ・リセは泥灰質とキンメリジャン(シャブリと同じ、大小の貝化石が含まれた堅い石灰質土壌)


#1:ドゥ・ヴノージュ コトー・シャンプノワ・ルージュ ラ・フォレ2018 2021年3月発売
生産者:ドゥ・ヴノ―ジュ(NM)
ぶどう品種:PN100% シャンパーニュ地方南部の単一畑レ・リセ産のぶどう
1973年~1977年に植樹、土壌は粘土石灰質とキンメリジャン
醸造:ステンレスタンクで発酵、フレンチオークで6ヵ月熟成
生産量:1,000本
価格:12,000円(税別)
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
3つのなかで唯一2018年ヴィンテージだったので、#2や#3と比べると、若さを感じさせる紫色が顕著。フレンッシュで、香りにはレッドチェリーやラズベリー様な赤い果実、甘草や丁子。心地良い酸味と程よいタンニンが、ウフ・マヨネーズと合わせて楽しめそう!


#2:アンリ・ジロー コトー・シャンプノワ ルージュ2016
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN100% アイ村の自社畑のぶどう
醸造:オークの新樽15ヵ月熟成
価格:28,000円(税別)
輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン
下の文字が透けて見える淡めのルビー色、レッドチェリー、ザクロ、新樽からくるロースト香やヴァニラ、口中スムーズ、凝縮したぶどう由来の厚味が魅力。樽使いの上手さを感じさせる1本。第3週クラスの講座生から人気が高かったアイテム

#3:ボランジェ ラ・コート・オー・ザンファン2016
生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:PN100%、アイ村にある4㌶の単一自社畑のぶどう
醸造:3分の1全房発酵、オークの小樽で8ヵ月熟成
価格:16,000円(税別)
輸入元:アルカン
“子供の丘”という名の畑で、急斜面ゆえ、体が小さな子供しか入ることができなかったとのいわれあり。秀逸年しか生産しない希少ワイン。ボランジェのラ・グランダネ・ロゼ(5%程度)に使う赤ワインとしても知られている。深みのあるルビー色、ブラックベリーやブルーベリー、ピンクペッパー、甘草、ルバーブ、酸味は程よく、まるいタンニン。第一香は閉じ気味、グラス内の温度変化で、様々な要素が層を成して広がるワイン、存在感大!



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 ヴィンテージや土壌の違いが色調や香りに反映


      第2フライトはロゼ比較

   #4:アンリ・ジロー ロゼ ダム・ジャンヌNV
   生産者:アンリ・ジロー(NM)
   ぶどう品種:PN90%、CH10% 赤ワイン6%ブレンド/樹齢超70年
   醸造:ピノ&シャルドネとも発酵・熟成にアンフォラを使用
   ドザージュ:7g/L
   価格:11,000円(税別)
   輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン

PN(90%)のぶどう畑は丘の上。CH(10%)の畑は丘を下ったマルヌ川に近い場所に位置し、南向きで日照が良く、川から涼しい風が吹き、朝晩の温度差があるので、酸のノリも良く、特に天候に恵まれた年のぶどうは秀逸。発酵も醸造もすべてアンフォラ(2018年頃まで樽使用)。セバスチャン・ル・ゴルヴェ氏は、卵型テラコッタタンクを使うのはマイクロオキシデーションの作用による味の複雑性と澱の自然回遊によるふくよかさを生み出す為で、アンフォラによって生み出される繊細な味わいと香りがロゼに相応しいと判断した由。オレンジ色を含んだ淡いサーモンピンク、気泡細やか、控え目ながらオレンジの様なアロマ、口中の泡のアタックや酸味はソフト、タンニンに由来するかすかなほろ苦さ、時間経過で広がるふくらみ。


   #5:ドゥ・ヴノ―ジュ プランス・ロゼNV
   生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
   ぶどう品種:PN100%
    モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ&プルミエ・クリュおよびレ・リセ産
   醸造:ステンレスタンクで発酵・熟成、100%MLF
   ドザージュ:6g/L
   価格:12,000円(税別)
   輸入元:ヴィレッジ・セラーズ

プランス独自のカラフェ型ボトルなのでブラインド供出では瓶型をごまかすのに一苦労。ドゥ・ヴノ―ジュは発酵も熟成もステンレスタンクのみ。サーモンピンクに若干オレンジのトーン、赤系果実のイチゴやクランべリー、シトラス、中盤以降に感じるビターさからブラッドオレンジを連想。口に含むとフレッシュな溌剌感、塩味、酸味のバランス良好、素直に楽しめるロゼ。第4週クラスの講座生から人気が高かったアイテム


    2種ともブレンドタイプのロゼ
    赤ワインの酒質向上が、そのままロゼの味わいに出ています!


 樽材にこだわるアンリ・ジローらしい木箱


 ボランジェのラ・グランダネ・ロゼに使われているラ・コート・オー・ザンファン


 絶妙なマリアージュをご紹介
 2020年10月@帝国ホテルのメインダイニング『レ・セゾン』
 ティエリー・ヴォワザンシェフが披露してくれた組み合わせ

黒トリュフをまとわせた比内地鶏卵には、ブルーベリー等の果実を加えた濃厚なソース(ピノ・ノワールを使用)が添えられており、卵にナイフを入れると、濃黄のとろとろの卵黄が流れ出し、舌の上を卵のねっとり感が! コトー・シャンプノワ・ルージュを口に含むと、今度はさっぱり感が口中を支配。本来なら卵と相性の良くないはずの赤ワインPNが素晴らしい調和を見せてくれました。


 『ラフィナージュ』のオーナーシェフ高良康之シェフお薦めのマリアージュ
 ランド産仔鳩のロースト、赤ワインソース × ラ・コート・オーザンファン


 [exclamation×2]インフォメーション[exclamation×2]
 2021年のシャンパーニュ総出荷量は3億2,200万本、対前年比32%増[グッド(上向き矢印)]
 データ提供:CIVC日本事務局


【醸造容器の違いがワインに与える影響】
ワイン醸造に樽以外の容器が使われている昨今、容器がワインに与える影響について、チリとスペインの研究者グループが、ソーヴィニヨン・ブランを使って、円筒型ステンレスタンク・卵型ポリエチレンタンク・卵型コンクリートタンク・粘土製アンフォラの4容器で発酵・熟成させた研究結果を発表しました。原文は IVES Technical review vine&wineに掲載された”Impact of type of winemaking vessel on the chemical composition of Sauvignon blanc wines”
安田まりさんが、サイトに掲載している和訳

の転載許可をくださったので貼り付けます。
講座に登場したアンリ・ジローのロゼがアンフォラ容器だったので、タイムリーな話題になりました。


【ボトルの色と遮光率の関係】
第3週の回を受講してくださっているブログ仲間のhakoさん

はいつも迅速なリポートをしてくださいます。今回、逆光で撮影した画像が、ボトルと太陽の光との関係を説明するのにちょうど良い教材なのでお借りしました。濃アンバーやCIVC推奨の深緑ボトルは遮光率が高いので、保存に重要な役割をしています。

 画像提供:hakoさん

  データ提供:シャンパンメゾン ティエノー

2021年12月31日

50年の歳月を経てリリースされた『Piper-Heidsieck Hors-Série パイパー・エドシック オール・セリィ1971』

 希少なアイテムを堪能
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 左から順に
 #1:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール2006  
 #2:パイパー・エドシック

オール・セリィ1971
 #3:ポル・ロジェ リッチNV
 #4:マム アイス・エクストラNV
 #5:パイパー・エドシック シュブリームNV

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 カラフルなキャップシュール



 パイパーとシャルルの関係は⁈
 シャンパーニュのパイパー・エドシックとシャルル・エドシックは、
 フランスのラグジュアリーブランド企業EPIグループの傘下で、同グループには、
 高級靴で有名なJ.M.Westonや、子供服Bonpointなどが名を連ねています。

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 シャンパン業界の3つのエドシック、両メゾンの繋がりは無しです。
 シャンパーニュ講座用に作成したパワポを添付しておきます。

 シェフ・ド・カーヴを見ると・・・
 シャルルの現シェフ・ド・カーヴは4代目シリル・ブランさん
 2代目はレジス・カミュさんでした。
 パイパーの現シェフ・ド・カーヴは3代目エミリアン・ブティヤさん
 2代目はレジス・カミュさんでした。

 両メゾンの多大なる貢献者レジスさんは本日/12月31日付で引退なさいました。
 まだまだ、ご活躍できる卓越した才能の持ち主です。
 コロナ渦中、来日もままならずだったので、本当に残念です。
 来年1月にオンラインによる引退式が予定されているので、その日にご挨拶いたします。
 素晴らしいお仕事の数々、こころに残るシャンパーニュたちと出逢えて幸せでした。
 お疲れ様でした!


 オンラインでシェフ・ド・カーヴから解説していただいた2アイテム
 10月27日にブティヤさんと『オール・セリィ1971』を試飲
 ブティヤさんのバースディ・ヴィンテージでもあります!
 ちなみに、カミュさん引退後は、彼がレアのシェフ・ド・カーヴを兼任なさる由

 11月22日にシリル・ブランさんが『ブラン・デ・ミレネール2006』について解説


 第1フライトはブラン・デ・ミレネール2006とオール・セリィ1971
 長い熟成状態を感じさせるコルクの締まり具合

 #1:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール2006  2021年12月1日発売
 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 デゴルジュマン:2019年3月
 ドザージュ:7g/L
 価格:36,300円(税込)
 輸入元:日本リカー

グリーンを帯びた黄金色、気泡は繊細で活発、ブラッドオレンジやグレープフルーツの様な柑橘系果実、アプリコットやフレッシュなパイナップルの香り、ぴ~んと張り詰めた石灰質のカーヴを感じさせるミネラル感、白胡椒、特徴的とも言える塩味、ローストのニュアンス、軽いビター感、上品に広がる心地良い余韻、今後の熟成が楽しみ!


 #2:パイパー・エドシック オール・セリィ1971 2021年10月27日出荷開始
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 生産本数2021本、日本への入荷本数300本
 収穫:1971年9月
 ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
 ブレンド:1972年3月、GCとPCの12村のぶどう
 ボトリング:1972年7月26日~30日
 デゴルジュマン:2021年2月/ノン・マロ(非MLF)
 ドザージュ:10g/L
 価格:71,500円(税込)
 輸入元:日本リカー

オール・セリィは号外・番外編の意味。1970年代のシェフ・ド・カーヴ、クロード・ドゥミエールさん(現在92歳)が手掛けたシャンパーニュ(メゾンの創始者フローレンス・ルイ・エドシックへのオマージュとして生産していた『キュヴェ・フローレンス』)。50年間カーヴで静かに寝ていたシャンパーニュを起こして澱を抜いたのが今年の2月、人間なら大手術です。門出のリキュールには2019年収穫のシャルドネ(ノン・マロ)を使用。その後、6ヶ月以上シャンパーニュを静養させ、今秋日本に上陸しました。

黄金色、気泡はワインに溶け込み、舌触りはクリーミー。第一香はシェリーの様な酸化のニュアンス、その後、鼻腔を軽くなでるように、黒糖、ドライアプリコット、焙煎コーヒー、ロースト香、果実の甘露煮、エスニックスパイスが広がり、口に含んで目を閉じて10秒以上シャンパーニュを転がしてみると、口中の温度で複雑味が増し、香りの変化が層をなしてくる魅力。半世紀の時を経た逸品、50年という時を感じさせないフレッシュ感(ノン・マロ効果)は素晴らしい!


  色調、気泡の状態にも差があり、貴重なアイテムでした!

     1983年、1985年、1990年、1995年、2004年に継ぐ2006年
     メゾン史上、5番目のヴィンテージになります。
     2002年と1989年に匹敵する成熟度で、質・量ともに豊かな年
     シリル・ブランさんは「1995年に似ている」と述べていました。


 コート・デ・ブランの4つのGCと1つのPCのシャルドネを使用

 GCはアヴィーズ、クラマン、オジェ&ル・メニル・シュール・オジェ
 PCはヴェルテュ、ここは年によって出来が違うので、その特質を生かして使用


    パイパー・エドシック オール・セリィのコンセプトは
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   他に類するものがない独立性、少量生産、卓越性があり模範となりうるスタイル


 ラベルにはシリアルナンバーを印字、講座で供出したのは823、831
 木箱には国内の森から採取された硬いオーク材を使用
 オークはオール・セリィ同様、50年の樹齢
 色合いや木目がひとつずつ異なっている木製のボックスです。

 メイラード反応/アミノカルボニル反応
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ソムリエ協会機関誌編集長時代、エノログの戸塚昭先生に上記の反応について伺いました。
シャンパーニュの瓶内二次発酵時に発生する香りを経時的に解析した報告はないようですが、各種アミノ酸とグルコースを加熱した時に生成する香りを分析した結果から類推して、シャンパーニュの瓶内二次発酵時に生成するカラメル様、チョコレート様、焙煎コーヒー様の香りは、アミノカルボニ反応によるものと思われるとのことでした。

先生は「近年、辛口ワインが主流で、セックやドゥミ・セックは市場性が低いので、クラシックなタイプのシャンパーニュの風味を楽しみたい者にとっては残念なことで、アミノカルボニル反応に伴って生成すると類推される複雑な風味が減少している」とおっしゃっていましたが、オール・セリィには、その風味がしっかりとあり、古酒の醍醐味を満喫できました。貴重なシャンパーニュでした!



  まぁ、ミラヴァル城
 1971年にエルトン・ジョンが『ロケットマン』をレコーディングしたのが、
 現在ブラピが所有しているシャトーミラヴァル(右/エルヴィル城と記載あり、これはミラヴァル)
 繋がっていますね。

 1970年代にプレイバック
 懐かしい懐かしい曲と出会えるかも・・・
 ジョン・レノンのイマジンは1971年の代表作
 QRコードでお試しください



 第2フライトは3種のドゥミ・セック

 #3:ポル・ロジェ リッチNV
 生産者:ポル・ロジェ(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエ各3分の1ずつ
 最低36ヶ月熟成、
 ドザージュ:34g/L
 価格:7,700円(税込)
 輸入元:ジェロボーム

ポル・ロジェはブリュット・レゼルヴ、ピュア(エクストラ・ブリュット)、リッチの3アイテムとも3品種(PN、CH、M)同率なので、それらを同時に利き比べるチャンスがあれば、メゾンスタイルやドゥミ・セックの甘さの具合が、他のメゾンよりつかみやすいと思います。ドライフルーツや蜜蝋、スパイスの香り、口中クリーミー、余韻にキャラメルのニュアンスとビター感

 #4:マム アイス・エクストラNV
 生産者:メゾン・マム(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール51%、ムニエ34%、シャルドネ15%
 最低20ヶ月熟成、アメリカンオークで熟成させたリザーヴワインを使用
 ドザージュ:35g/L
 価格:8,470円(税込)
 輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン

3つのなかで、一番甘やかでヴァニラビーンズやキャラメルの香り、蜂蜜やアメリカンオーク由来のヴァニラ感、女性の講座生からの受けが良かった印象

 #5:パイパー・エドシック シュブリームNV
 生産者:パイパー・エドシック(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、ムニエ30%、シャルドネ20%
 最低36ヶ月熟成、リザーヴワインは約25%使用
 ドザージュ:35g/L
 価格:7,920円(税込)
 輸入元:日本リカー

ヴァニラやトロピカルフルーツの香り、味わいは凝縮した果実、酸味の印象もあり、全体のバランス良好、第2フライトのマイベスト

 ドゥミ・セックのドザージュ量は32~50g/L
 ノン・ドゼやブリュット全盛の時代なので、講座生の一部から「あまい!」との声が!
 でも、不況時には甘口ワインがよく動きますし、コロナ渦中、ストレスが溜まっている時
 には甘露な存在、癒し効果ありますよ。
 ロックや好きなフルーツを使ったカクテル、甘さを緩和したいなら炭酸を少々加えてもOK
 自由な発想で楽しめます。
 ブルーチーズ、カラメリゼした洋なしなどのデザートや、
 お正月のお節なら、栗きんとんや甘めに味付けした品目とも合わせやすいです。


 ナイスマリアージュだったマムとマアム
 アメリカンオークを使ったリザーヴワインとカントリーマアムのヴァニラ風味が相乗

 慣れ親しんだ6階のお教室とお別れ
 2016年から慣れ親しんできた605教室、603教室の使用は今年で終わり。
 来年からは4階と5階のみになるため、講座生の皆さんと記念ショット[カメラ]
 NHK文化センターは長テーブルに1名着席、マスク&フェイスシールド着用厳守なので、
 コロナに悩まされることなく、無事講座を追えることができました。

 第3週&第4週のクラスに1971年生まれが、それぞれ1名ずついらしたので、
 木箱・ボトル・キャップシュール[プレゼント]


 今年もブログにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。
 オリンピックが終わったので、
 来年からワインアカデミー@ホテルオークラの担当講座も再開します。 
 シャンパン講座と併せて頑張りますので、引き続き、宜しくお願いします。

 どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ[わーい(嬉しい顔)]

2021年12月17日

ローラン・ペリエのメゾンスタイルが顕著な『ブラン・ド・ブラン ブリュット・ナチュール』

 シャルドネを要とするメゾン『ローラン・ペリエ』 
 トゥール・シュール・マルヌにあるローラン・ペリエ/LPの庭に広がるシャルドネ畑


 供出した5アイテム
 LPが満を持してリリースした『ブラン・ド・ブラン ブリュット・ナチュール』(中央)



 第1フライト
 
 

 #1:ローラン・ペリエ ラ・キュベNV
 生産者:ローラン・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ50~55%、ピノ・ノワール30~35%、ムニエ15~20%
 ドザージュ: 8~10g/L
 価格:7.020円(税別)
 輸入元:サントリーワインインターナショナル(株)

メゾンの定番だった『ブリュット L・P』を刷新して、2017年にデビューさせたアイテム。シェフ・ド・カーヴのミシェル・フォコネさんが15年の構想を経てリリースさせたLP自慢のNV。シャルドネの比率は、ブリュットL・Pより5%アップさせ、シャルドネを重視するスタイルを明確に表現。気泡は細やか、香りは柑橘果実や白い花、果実の凝縮感、白胡椒、GFの内果皮似の軽いビター感、ミネラル、フレッシュでバランス良好


 #2:ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブランNV
 生産者:ドゥラモット(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:非公開
 価格:8,500円(税別)
 輸入元:(株)ラック・コーポレーション

ローラン・ペリエ傘下のサロンとドゥラモットはシャルドネ100%の素晴らしいシャンパンを生み出しています。コート・デ・ブランのグランクリュのみから造られた#2は、#3と比べてより色白。フローラルな香り、石灰由来のミネラル感、塩味、ビスケット、軽いビター感、口中クリーミー、全体にまるい印象


 #3:ローラン・ペリエ ブラン・ド・ブラン ブリュット・ナチュールNV 【限定発売】
 生産者:ローラン・ペリエ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:0g/L
 価格:14,720円(税別)
 輸入元:サントリーワインインターナショナル(株)

ノン・ドゼの先駆者LPは1981年に『ウルトラ・ブリュット(ドザージュ0g/L)』をリリースしていますが、新発売の#3はそのスタイルを継承、加えてメゾンが重視するシャルドネ100%。
ラ・キュベ、ブラン・ド・ブラン、グラン・シエクルと連続して3アイテムを味わうと、“フレッシュネス、フィネス、エレガンス”をしっかりと感じます。



 第2フライト
 第2フライトは、10月に続き、マルチ・ヴィンテージ・シャンパーニュにフォーカス


 
 #4:ランソン エクストラ・エイジ ブリュット
 生産者:ランソン(NM)
 ブレンド年は2000年、2002年、2004年の3ヴィンテージ
 ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
 ドザージュ:9g/L
 価格:11,500円(税別)
 輸入元:アサヒビール(株)

ランソン社の創業250年目にリリースされたプレミアム・シャンパン『エクストラ・エイジ』。ピノとシャルドネを使い、3ヴィンテージをブレンドしたタイプなので、スタイルはローラン・ペリエのグラン・シエクルと同じ。ここでは2000年、2002年、2004年をブレンドしています。2種を利き比べると、ランソンはノン・マロなので酸味はキープされつつ、熟成感がある印象。気泡はワインに溶け込んでスムース、カリンや黄桃、ロースト香、燻したニュアンス、上質な酸味、軽いほろ苦さを伴って広がる余韻


 #5:ローラン・ペリエ グラン・シエクル No.24
 生産者:ローラン・ペリエ(NM)
 ブレンド年は2004年、2006年、2007年の3ヴィンテージ
 ぶどう品種:シャルドネ約55%、ピノ・ノワール約45%
 ドザージュ:約7g/L
 価格:24,020円(税別)
 輸入元:サントリーワインインターナショナル(株)

トップキュヴェながら、収穫年を記載したシャンパーニュではなく、秀逸な3ヴィンテージをブレンドしたマルチ・ヴィンテージ。グラス上部から見た泡沫は活発、凝縮した果実味、ミネラル、口中を洗い流してくれるようなピュアな酸味。2004VTのストラクチュア、2006VTのフィネスとエレガンス、一番多く使われている若い2007VTがしっかりした酸味を構成し、素晴らしい調和を奏でています。


 銀座レカンの近藤佑哉シェフソムリエが語ったグラン・シエクル
  ワイン王国1月号(2021年12月3日発売)誌上でインタビューさせていただきました!


      大事なワイン仲間との集いには必須のアイテム@日比谷・松本楼


       No.24は今まさに飲み頃
       グラン シエクルのNo.1~25までのヴィンテージ構成はコチラ

でご確認を!
       No25は2022年に日本上陸する予定です。


12月の講座ではシャンパーニュの熟成の凄さを感じていただこうと思っています。
今年の締めくくりにふさわしいアイテムです半月半月半月

2021年12月12日

シャンパン講座下半期の初回はルイ・ロデレール『コレクション242』をメインにして

 ルイ・ロデレールが35年振りに刷新したスタンダード・キュヴェ『コレクション242』
   2021年10月1日全国発売

 規則的で繊細な泡沫


 10月は2メゾンにフォーカス
 第1フライトはルイ・ロデレール、第2フライトはジャクソン半月半月半月


 9月に開催されたプレス向けオンラインテイスティングセミナー
 画像提供:エノテカ株式会社
 ジャン・バティスト・レカイヨン醸造責任者兼副社長は、「ブリュット・プルミエを、
 2年瓶熟させるとコレクション242に近い味わいになる」と語っていました。
 10月のシャンパン講座では9月に伺った内容を基本にしつつ、新旧を利き比べました。


 温暖化を逆手に取った発想
 左がブリュット・プルミエ、右がニューフェイスのコレクション242


  本題に入る前に少しだけ寄り道 レカイヨンさんの凄さを感じたアイテム

上の画像は日本醸造協会のセミナーのために作成した「世界のワイン最前線」の一部です。シャンパーニュの紹介で、ルイ・ロデレールの『ブリュット・ナチュール フィリップ・スタルク』についてまとめたものなのですが、2019年にメゾンを訪問した折、レカイヨンさんは「気候変動の影響を考え、ぶどう樹の仕立て方や、新しいぶどう品種に取り組むこともひとつの選択肢ですが、シャンパーニュ地方の“シャンパンという飲み物”のアイデンティティをきちんと表現することが大事であり、温暖化だからこそ造ることができたアイテム」と語っていました。

キュミエール村の健全果を使った『ブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルク2006年と2009年』、『ブリュット・ナチュール・ロゼのフィリップ・スタルク2012』の3ヴィンテージが製品化されていますが、“極めて自然に近い造り、ノン・ドゼでノン・マロ”がコンセプトです! 畑は10㌶、3区画あり、南向きで黒い粘土質土壌にはピノ・ワール、南向きで標高が高く、微量の石灰質含む粘土質土壌にはシャルドネ、西向きの黒い粘土質土壌にはムニエを栽培しており、収穫はオーストリアのウィ―ンで造るゲミシュター・サッツと同じで、3品種同時に行い、醸造も同時にしています。

新アイテムが誕生したのは、ビオディナミの導入により、糖度の高いぶどうが収穫できるようになったことがきっかけです。今回リリースされた『コレクション』も同じ発想です。

温暖化の影響と2000年以降、オーガニックやビオディナミ栽培に転換したことで、ぶどうの熟度が格段に上がり、安定的に高品質なぶどうが収穫できるようになったことが、「コレクション」の誕生に繋がりました。


  コレクション242はブレンドの芸術性を尊重
 データ:エノテカ株式会社

1986年に発売されてから根強い人気を誇っていたブリュット・プルミエは、ハウススタイルの一貫性を重視したタイプでしたが、コレクションは、毎年ナンバリングを施し、その年の作柄やブレンドごとの創造性・芸術性を尊重しています。複数年のリザーヴワインに、その年に収穫したぶどうを使用したベースワインをブレンドして完成させたシャンパンで、リザーヴワインは大樽で熟成させたタイプと、2012年から毎年継ぎ足しステンレスタンクで熟成させた(=パーペチュアル・リザーヴワイン)タイプの2種類を使っています。“242”という数字は創業から数えて何回目の収穫かを表しています。
“永続的な”を意味する言葉で、シェリーのソレラシステムのように毎年継ぎ足し熟成させるリザーヴワイン

コレクションには契約農家のぶどうを20~30%使用していますが、収量などの要因から、年によって若干比率は変動します。ただ、最良の区画を選んでいるので大きな変化はありません。現在、区画については適切かどうか試行錯誤中とのことでした。


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 アプリで裏ラベルのQRコードを読み取れば詳細が得られます。


 #1:ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV 2021年9月30日終売
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH40%、PN42%、M18%
 ベースワイン2016年
 メゾンの241回目の収穫:2016年9月15日~10月1日
 リザーヴワイン:大樽熟成9%使用/2011、2012、2013、2014、2015
 デゴルジュマン:2019年12月
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,200円(税別)
 輸入元:エノテカ

 #2:ルイ・ロデレール コレクション242  2021年10月1日発売
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:CH42%、PN36%、M22%
 収穫は2017年8月31日~9月9日
 ベースワインは2017年、56%使用
 リザーヴワイン:大樽熟成10%使用(品種、畑ごと)
         2009、2011、2013、2014、2015、2016
 パーペチュアル・リザーヴワイン:ステンレスタ熟成34%使用
         2012、2013、2014、2015、2016
 MLF:34%実施
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,500円(税別)
 輸入元:エノテカ

第3週と第4週の講座生の好みを聞いたところ、第3週は半々、第4週は3対7という結果でした。#1はレストランでも、グラスワインとして重宝されていただけあって、バランスが良く安定した味わい。第3週にはそんなブリュット・プルミエの酒質を記憶している面々が多かったように思います。温度が上がっても絶対にブレない点は本当に素晴らしいです。
#1は白系果実、石灰由来のフレッシュ感、ヘーゼルナッツ、心地良い塩味、すぐに飲んでも、熟成させてから楽しんでも楽しめるアイテムでマリアージュでも包容力あり。#2は豊潤な果実感、リンゴや黄桃、酸味、ミネラル、後味に軽いビター感、リザーヴワイン由来の複雑味を感じますし、口中クリーミー、バランス良好

 ジャクソンのワインスタイル
 自社畑28㌶+契約畑7㌶でトータル35㌶
 マルチ・ヴィンテージの先駆者的存在ジャクソン
 2000年にキュヴェ728(ベースワイン2000年)をリリース
 メゾンの一貫したスタイルを表現したNVではなく、収穫年の個性を体現したNV
 キュヴェ740からは、収量を約16%削減、リザーヴワインも全体の20%のみにして、
 収穫年の特徴をより明確化。100%樽発酵&樽熟成、ノン・フィルター、清澄処理もなし


 裏ラベルに詳細情報を記載


 #3:ジャクソン キュヴェ744 2021年6月発売
 生産者:ジャクソン(NM)
 ぶどう品種:CH50%、PN25%、M25%
 ベースワインは2016年
 55%(アイ、ディジー、オーヴィレイ村)、45%(アヴィズ、オワリー村)
 リザーヴワインは20%使用
 743、742、741、739、738、737、736等、過去に造られた700番シリーズのワインをブレンド
 デゴルジュマン:2020年11月
 ドザージュ:0.75g/L
 価格:11,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
 メゾンのコピーは「ピノ・ノワールの傑作年と言われる2016年をベースにした自信作」
 気泡は活発、ぶどうの熟度を感じさせる蜂蜜や甘露さ、ナッツ、スモーキーさ

 #4:ジャクソン キュヴェ738 デゴルジュマン・タルディフ 2020年11月発売
 生産者:ジャクソン(NM)
 ぶどう品種:CH61%、PN18%、M21%
 ベースワインは2010年、67%
 リザーヴワイン:2009年のディジーのCH11%/2008年のアヴィズのCH3.4%
         キュヴェ735を13.8%、キュヴェ736を2.4%、キュヴェ737を2.4%
 デゴルジュマン:2019年6月
 ドザージュ:0.75g/L
 価格:22,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
 気泡はワインに溶け込み、香りはシェリー似、ミネラル、塩味、焙煎香、ミント

 #5:ジャクソン ジャクソン キュヴェ736 デゴルジュマン・タルディフ  2017年11月発売
 生産者:ジャクソン(NM)
 ぶどう品種:CH53%、PN29%、M18%
 ベースワインは2008年、66.3%
 リザーヴワイン:2007年のCH26.3%/2006年のPN2.9%/キュヴェ735を4.5 %
 デゴルジュマン:2016年11月
 ドザージュ:1.5g/L
 価格:22,000円(税別)
 輸入元:ヴァンパッション
 ロースト香、りんごタルト、旨味、ビター感、3グラスの中で余韻は一番長め

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ジャクソンは収穫年の個性を尊重するスタイルですが、正直言って難しかったです。2008年VTが好きで、講座でもプライべートでもいろいろ体験していますが、キュヴェ736 (2008年VTがベースワイン) からVTを感じ取るには[ふらふら]
一方、ルイ・ロデレールは、メゾンの一貫性を尊重したブリュット・プルミエの進化系の要素があるので、今まで、体験してきたNVの味わいをグラスの中に感じ取ることができました。レカイヨンさんのお言葉に従い、ブリュット・プルミエを最低2年瓶熟させ、コレクションと比較試飲してみようと思っています。今後リリースされるコレクション243、コレクション244・・・がどんな感じなのか、とても楽しみです!

11月は、10月の講座に関連したアイテムを取り入れてみました。早めにまとめます!!

2021年09月24日

上半期最終講座は9月に日本上陸したばかりのレア2008を含む“2008年”にフォーカス!

  日本での発売は9月1日
  レジス・カミュ シェフ・ド・カーヴが“無限”と表現した2008年ヴィンテージ



[NEW]レア・シャンパーニュにからむ素敵な話題
9月30日の開館を前に、米 ロサンゼルス『アカデミー映画博物館』では、25日にオープニングガラ、28日オープニングナイトイベント、29日プレミアナイトイヴェントを行いますが、その折、アカデミー賞のシャンパンスポンサーであるパイパー・エドシックの『レア・ロゼ2007』と『レア2006』がサービスされるとのこと。WS誌

(9月15日付)の記事には、ブノワ・コラールCEOの談話も掲載されています。
華やかな場がとても良く合うレア・シャンパーニュなので、トム・ハンクスや往年の女優ソフィア・ローレンも大満足するはずです。

レア・ロゼのファーストヴィンテージは2007年、わずか1,500本の希少アイテムです。2016年9月に来日なさったブノワ・コラールCEOのインタビュー

で、最高醸造責任者のカミュさんが「なぜレア・ロゼを造ったのか」を伺いました。カミュさんが“太陽の恵み”と表現したレア2006については、コチラ

で!



 9月15日&22日の講座リポート
 お気に入りのヴィンテージで半年間の〆を

 #1:ローラン・ペリエ ブリュット・ミレジメ2008
 #2:アンリオ ブリュット・ミレジメ2008
 #3:アルフレッド・グラシアン ブリュット・ミレジメ2008
 #4:シャルル・エドシック ブリュット・ヴィンテージ2008
 #5:レア2008


     上半期を少しだけプレイバック
     リリース直後から高評価を得ているエリザベス・サルモン・ロゼ2008
       
      上半期(4~9月)は4月の第4週と5月・6月が休講に[もうやだ~(悲しい顔)]
      でも、4月テタンジェのコント・ド・シャンパーニュBdeB2008
      7月ビルカール・サルモン エルザベス・サルモン・ロゼ2008
      8月ドゥヴォー D ミレジメ2008
      開講できた各回でとびきりの2008年をお出しすることができました。
      どれも素晴らしく印象的でした!

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  ドゥヴォー 2008/コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン 2008

         2019年9月に供出した2008年ヴィンテージ
2008年は穏やかで雨の多い冬、気温差が激しい春の後、強烈な暑さと涼しさが交互に到来。夏は例外的に涼しく、わずかな日照でありながら、乾燥した気候のもとで、ぶどうはゆっくりと熟成。寒暖の差により、凝縮感のある風味とフレッシュな酸を備えた果実が収穫できた。2008年はシャンパーニュにとって特別なヴィンテージ

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 講座で初めて2008年に特化したのは2年前の9月でした。
 2回目の挑戦となる今回は、以下の順で供出


   9月の講座に登場したシャンパン
   ローラン・ペリエ ブリュット・ミレジメ2008
   生産者:ローラン・ペリエ(NM)
   ぶどう品種:CH約50%、PN約50%
   ドザージュ:10g/L
   価格:10,500円(税別)
   輸入元:サントリーワインインターナショナル

シャルドネはシュイィ、クラマン、アヴィーズ、ル・メニル・シュル・オジェ。ピノ・ノワールはアイ、ヴェルズネー、トゥール・シュル・マルヌ、ルーヴォア、ブージーのクリュ。一点集中の持続性ある気泡の連なり、香りは白い花や白桃、洋なし、ミネラル。溌剌とした綺麗な酸、ビターオレンジやアプリコット似の香りと味わい。フレッシュ、フィネス、エレガンスをコンセプトにしたローラン・ペリエらしいスタイル


 アンリオ ブリュット・ミレジメ2008
 生産者:アンリオ(NM)
 ぶどう品種:CH50%、PN50%
 ドザージュ:6g/L
 価格:11,800円(税別)
 輸入元:ファインズ

アンリオ200周年の記念すべきヴィンテージ。約10のプルミエクリュとグランクリュのぶどうを使用。#1とほぼ同じブレンド比率ですが、前者は白系主体、アンリオはそれより若干黄色を連想させる果実で、グレープフルーツや黄桃。アカシア、ミネラル、シルキーな食感、口中を洗い流してくれるような酸が好印象


 アルフレッド・グラシアン ブリュット・ミレジメ2008
  第3週&第4週ともに人気が高かったグラシアン/昨年12月に発売

 生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
 ぶどう品種:CH主体、PN、M(非公開)  ※2004VTはCH64%、PN25%、M11%
 ドザージュ:7g/L
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:nakato

シャルドネはル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、シュイィ、クラマン、オジェ等、ピノ・ノワールはブージー、アンボネー、キュミエール等、ムニエはルイユ、ダムリー等のクリュ。樽発酵、樽熟成でMLFは一切しないメゾン。シャブリエンヌから古樽を購入、瓶内熟成96~108ヵ月間。5アイテムのなかで唯一の樽使い。インパクトのある熟成香、スパイス、樹脂(若干のセメダインっぽさ)、シャープな酸、厚味と旨味のナイスバランス

 シャルル・エドシックブリュット・ヴィンテージ2008
 2019年11月に発売したシャルル・エドシック

 生産者:シャルル・エドシック(NM)
 ぶどう品種:PN60%、CH4
 ドザージュ:8g/L   デゴルジュマン:2019 年
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:日本リカー

10のグランクリュとプルミエクリュのぶどうを使用/オジェ、シュイィ、ヴェルテュ、キュイ、ヴェルズー、アイ、リュド、アンボネー、トージェール、アヴネのクリュ。繊細で規則正しい気泡、柑橘系果実、#3の後に味わうと、酸味にまるみを感じ、全体に程よいバランス。ドライフルーツ、ロースト風味、モカ、ミネラル、塩味、余韻にビターなニュアンス


     余韻の長さも際立つレア2008
     生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
     ぶどう品種:CH70%、PN30%
     ドザージュ:9.5g/L
     価格:25,000円(税別)
     輸入元:日本リカー

6月にZoom

で2008年VTのお披露目をしてくださぅたカミュさん。コメント中、“トニック”という表現を使っていたのですが、今回改めて試飲して、それが認識できました。日本で言うなら、“柚子”とのこと!  他の4アイテムよりも明らかに長い余韻。グラス内の温度変化で様々な表情を見せてくれたレア。私がコメントを書くのは野暮なので、カミュさんの熱のこもったお言葉を是非ご覧くださいませ。レア2008の熟成のポテンシャルは2040年~45年です!

 コルクの熟成具合で、味わいがイメージできます!
 アルフレッド・グラシアンとレア、コルクと味わい=人気の高さに比例していたかも(笑)

 下半期も、ソーシャルディスタンスを厳守し、第3週&第4週の2クラス制

で行います。
 検温、手洗い、マスク&フェイスシールド着用、会話を控える、を徹底してまいります。
 引き続き、何卒宜しくお願いいたします!

2021年09月10日

再々延期で数カ月間 青山校のセラーで微睡んで(まどろんで)いたシャンパンたち

  無病息災を願う重陽の節句
  9月9日でしたね!

当たり前の日常が戻ることを願い、感染対策には十分に留意しつつ、コロナ終息を願っている私ですが、つい先日、「まがりなりにもコロナ収束」なる発言をしたマスク姿が全く様にならない某大臣にはあきれました[がく~(落胆した顔)]
そんな状況下、12日を期限にしていた緊急事態宣言が今月末まで延長になりました。


  再々延期になっていた講座
  今週 待機状態だった講座を実施することができました。

 4月下旬に緊急事態宣言が発令され、4月28日に行う予定だった第4週クラスが休講に!
 翌月に延期したものの、5月も宣言下で開講ままならず、6月30日に再々延期
 そして・・・今月8日、無事開催
 青山校のワインセラーで、の~んびり微睡んでいたシャンパンたちと再会できました!

     注目のアイテム
     4月の講座で供出したかったのがコレです!
     テタンジェが満を持してリリースしたトップ・キュヴェ
     コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008(2020年10月リリース)


 グラスにもフォーカス半月
 右は講座で使用しているリーデルのリースリンググラス
 左は2021年3月24日にリーデル・ジャパンから発売されたドンペリニヨングラス


 ドン・ペリニヨン2010(2020年10月上旬リリース)をオリジナルグラスでチェック。これは、
 リシャール・ジェフロワ前最高醸造責任者とリーデルとのコラボで開発されたグラス


 5アイテムの選択理由
 ドリンクス・インターナショナル2021のリストからメゾンを選択
 ドン・ペリニヨンが2ランクアップして6位、テタンジェは1ランクアップして8位
 16もアップしたモエとポメリーの実力を再確認したくて、これら“5アイテム”を選択



 第1フライトでトップ・キュヴェを比較
 #1:ドン・ペリニヨン ヴィンテージ2010
 生産者:ドン・ペリニヨン(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール/比率非公開
 価格:25,900円(税別)
 輸入元:MHDモエヘネシー ディアジオ

LVMHは世界売上ランキング第1位!
ドンペリは飲んだことがなくても名前だけは知っているという方は多いですよね。

2010年は寒い冬の後、春と夏の初めは涼しく乾燥した気候になり、8月と9月は降雨量も多く、湿度も高め。ボトリティス(灰色かび病)が発生し、ピノ・ノワールには影響が出ましたが、コート・デ・ブランのシャルドネの出来は素晴らしく「過去30年で最高」との評価も

9年間にわたる熟成期間を経て、調和の取れた第1のプレニチュード(熟成のピーク)に達しているシャンパンは、#2と比べて若干濃いゴールド。黄色い花や果実、マンゴー、ブリオッシュ、ナッツやカカオ似の香ばしさ。酸味は#2よりソフト。中盤以降広がるビター感。グラス内の温度が上がるにつれて、ロースト香が際立ち、旨味と重厚感を伴ってフィニッシュ。
ドンペリニヨンングラス(DP)で試すと、先のグラスで感じた個々の要素が、まとまり感を持って舌に乗ってくる印象。ゆえにビター感も抑えられ、素直に楽しめる気がしました(第3週講座で体験)

2021年5月、シャンパーニュ地方で、女性だけのグループ“La Transmission Femmes en Champagne”のお披露目があり、その折にも、DPを試してみました。ブログの後半に、番外編グラスに関する一考察

と題した一文があるので参考にしていただけましたら幸いです。


日本で最もドンペリに精通しているワインジャーナリスト柳忠之さんは、2010のリリース直前、ヴァンサン・シャプロン最高醸造責任者とZoomで意見交換しています。
「糖度は過去10年で3番目に高く、酸度は2008年に次いで2番目に高い、素晴らしくバランスの優れたヴィンテージになった」とシャプロンさんは語っていたとのこと。まさに、テタンジェのコント・ド・シャンパーニュBdeB2008と利き比べるには最適でした!!!


 右がコント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008
 シャルドネ100%とは思えないほどの深みのある色調

 #2:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2008
 生産者:テタンジェ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ100%
 ドザージュ:9g/L
 価格:30,000円(税別)
 輸入元:サッポロビール

2008年ヴィンテージとの最初の出会いは、輸入元サッポロビール招聘によるお披露目会でした。2020年10月27日のことです。和紙デザイナーの堀木エリ子さんとのコラボレーション

で、その時はバカラのシャンパーニュグラスでサービスされました。奇しくも、その翌日、ワイン王国のシャンパーニュ特集120号のため、同社にお邪魔した折、コント・ド・シャンパーニュBdeB2008がリストにあったので、再度試すことができました。3回目は年が明けて、4月のシャンパン講座第3週。そして4回目は今月8日の第4週のクラスでした。この間に、テタンジェの実力をじっくり観察することができました。

1回目、2回目はデビューしたばかりの赤ちゃん状態でしたが、2008年ヴィンテージならではの“酸の存在感”は秀逸! シャンパンを構成している各要素は落ち着いていませんでしたが、多大なポテンシャルを感じました。半年経過して3回目にチャレンジ。この時は豊潤な果実味、凛としたミネラル感、層になって広がる旨味、フェノール由来のビターなニュアンス(これは時間の経過でワインに溶け込みスムーズに)に魅了されました。そして今回、第4週の講座メンバーとテイスティングした感想は、チボー4世ゆかりのシャルドネをメゾンの要にしているテタンジェの最高傑作の1つと確信しました。格調あるミネラル感、一本芯の通った上質な酸味、和食と合わせて楽しみたい塩味、すべてにおいて品格をまとった趣き。DPで試すと、凛とした酸味はまるくなり、果実の要素を顕著に感じます。


 第2フライト/メゾンの顔NVから個性を読み取る
 #3:モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアルNV
 生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール、ムニエ(各30~40%)、シャルドネ(20~30%)
 ドザージュ:9g/L
 価格:6,500円(税別)
 輸入元:MHDモエヘネシー ディアジオ

#1との共通項は、香ばしさ、余韻に残るホロ苦さ。発酵・醸造はステンレスのみ、リザーヴワインは20~30%使用、24ヵ月瓶内熟成、飲む時はキリリと冷やして!


 #4:ポメリー ブリュット・ロワイヤルNV
 生産者:ポメリー(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ34%、ピノ・ノワール33%、ムニエ33%
 ドザージュ:9~9.9g/L
 価格:6,800円(税別)
 輸入元:ヴランケン ポメリー

軽快でクリーミー、ストーンフルーツ(種の大きな果実)のニュアンス、果実味とフレッシュな酸味のナイスバランス。全体的にまるみがあり、黒ぶどう由来の旨味、酒質も良好。当日は女性講座生からの人気も高く、好感度がアップした印象。2017年から 最高醸造責任者が変わったことも要因!?


 中央がポメリー、3つのなかでは一番濃い色調、黒ぶどうの要素も感じます。

 #5:テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV
 生産者:テタンジェ(NM)
 ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール+ムニエ60%
 ドザージュ:9g/L
 価格:6,908円(税別)
 輸入元:サッポロビール

#2との共通項は、石灰由来のピュアなミネラル、綺麗な酸味、若干のビター感。バランスが良く、スマートでエレガントな印象。美的センスのあるヴィタリー・テタンジェ女史が5代目当主になったのでシャンパン業界を大いに刺激して欲しい気分です!


               o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

           [NEW]シャンパーニュ地方の2021年の収穫情報
  出典:シャンパーニュ委員会日本事務局


          o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 今月で上半期の講座が終了します。私の大好きなヴィンテージを揃えて、
 第3週&第4週の皆さんをお迎えしたいと思っていますo○.。

2021年09月01日

NHK文化センター青山校 2021年秋期(10月~3月)シャンパン講座の募集開始です!

     [NEW]シャンパン講座@NHK文化センター青山校
     秋期も従来通り、感染対策には十分な配慮をしてまいります。
     1テーブル1名席 
     マスク&フェイスシールド着用 

 グラスは消毒の必要を考え、リーデル青山本店からレンタル


 オーダーメイドなシャンパンレッスン<第3週> ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
 開催6回/毎水曜日 /19時~21時
 ◍10月20日
 ◍11月17日 
 ◍12月15日 
 ◍1月19日 
 ◍2月16日 
 ◍3月16日 
 講座の詳細はコチラ

ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]

 オーダーメイドなシャンパンレッスン<第4週> ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
 開催6回/毎水曜日 /19時~21時
 ◍10月27日
 ◍11月24日 
 ◍12月22日 
 ◍1月26日 
 ◍2月23日 
 ◍3月23日 
 講座の詳細はコチラ

ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]

 NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
 受付時間は月曜~金曜 9:30~18:00 (土曜~17:30、日曜~15:00) 


 [NEW]ホテルオークラワインアカデミー秋期講座
 オリンピックも終わったので、いつものクラスに戻ります[わーい(嬉しい顔)]
 新たな話題も盛り込んで、実のある時間にしたいと思っています。
 第32期のスケジュールはコチラ

から

 引き続き、宜しくお願いいたします半月半月半月

2021年08月27日

名醸造家 M.シャプティエが惚れ込んだシャンパンメゾン『ドゥヴォー』の魅力全開

        コート・デ・バール地区最大の協同組合ドゥヴォー
    1846年にジュール&オーガスト・ドゥヴォー兄弟がエペルネにメゾンを設立
    3世代にわたり、精力的な活動を続けていましたが、
    いずれの代も、残された未亡人(Veuve ヴーヴ)が活躍!
    1987年、ジャンポル・オーギュスト・ドゥヴォーに跡継ぎがいなかった為、
    協同組合ユニオン・オーボワーズ
    現グループ・ヴィニコール・シャンパーニュ・ドゥヴォーにブランドを譲渡


 画像提供:国分グループ本社(株)
 ドゥヴォー

の拠点はコート・デ・バール地区バール・シュル・セーヌ、栽培面積は850㌶


  トップキュヴェ『ステノペ』のフォイルのトップ部分
  ステノペはコート・デュ・ローヌ地方のM.シャプティエとのコラボシャンパーニュ
  両社はレ・リセー村に畑を共同購入して、プロジェクトを開始しました!


                ピンホールカメラ
            ステノペは“ピンホールカメラ”の意味
 そのこころは・・・毎年のヴィンテージを表現する特別なキュヴェ“Cuvée Spéciale”


 シャンパーニュのラインナップ
 この他に「コトー・シャンプノワ」も生産しています。
 輸入元国分グループ本社(株)

からご尽力いただき、ドゥヴォーを徹底探求できました。
 講座後の質問にも迅速にご対応いただき感謝しております、ありがとうございました!

 上質なミネラルの洗礼を受け、コロナ渦中、心身ともに浄化された気分です[わーい(嬉しい顔)]


 第1フライトはトップレンジからスタート
 #1:ドゥヴォー ステノペ2011/生産量6,387本
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:非公開
 ドザージュ:非公開
 価格:33,000円(税別)

ステノペ2011は昨年10月、ワイン王国No120の特集『シャンパーニュへの旅』のテイスターとして参加した時に試飲しました。品種やドザージュは非公開なので推測するしかなかったのですが、2011年はシャルドネのできが良かったので、ピノを重視するドゥヴォーでも、このVTは白ぶどうの比率が多いのでは・・・と思いました。
あれから、10カ月余りが過ぎて再試飲したステノペは瓶熟の状態も良好、ミネラル感が際立ち、シャプティエ好みと再認識しました。

香りのインパクト大! 熟した黄桃やアプリコット、ドライフルーツ、果実のコンポート、ヘーゼルナッツやアーモンド、香ばしさと最初から最後まで一貫して続くミネラル感、そしてビターな印象も。グラス内の温度変化(冷蔵庫温度8度から16度位まで)を1時間以上かけてチェック。層になって広がる様々な香りと味わい、気泡が落着いてきた後半は上質な白ワインのイメージ、酒質が本当に綺麗です!


 #2:ドゥヴォー D ミレジメ2008
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN50%、CH50%
 ドザージュ:約6g/L
 価格:13,000円(税別)

#1より少しだけ濃い色調、気泡は繊細で緻密、凛としたミネラル、蜂蜜や蜜を含んだ花の香り、ロースト香やスパイス。2008年ならではの酸味の存在も好印象。バランスが良く、今飲んでも、十数年後に飲んでも楽しめるお薦めのアイテム。第3週&第4週の講座生から圧倒的な支持を得ていたのが#2でした。



2009年3月、ザ・ペニンシュラ東京『ヘイフンテラス』でシャプティエ独占インタビューのチャンスがありました。彼は自他ともに認めるシャンパーニュラバーであり、本拠地タン・エルミタージュのメゾンには、お気に入りのシャンパンがストックされています。ヘイフンテラスの時はテタンジェ『コント・ド・シャンパーニュ』(当時の輸入元は日本リカー)が供出されました。そんなシャプティエが「コラボ相手に何故ドゥヴォーを選んだのか?」、その答えが今講座で理解できました。
1991年から自社畑にビオディナミを導入し、テロワール重視の醸造家として名を馳せるシャプティエと、コート・デ・バールのテロワールをメゾンの誇りとし、それを製品に反映させているドゥヴォー、必然的な繋がりですね!



 第2フライトはコート・デ・バールのPNにフォーカス
 #3:ドゥヴォー ロゼ・デ・リセー2014新製品
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN100%/コート・デ・バール地区レ・リセー村
 小容量のステンレスタンクで発酵、その後MLF
 25%のぶどうは足踏みでプレスし、短時間のマセラシオン
 価格:9,000円(税別)

ルビーやグリオットチェリーのような赤ワインに近い色調。香りは軽快、赤系果実が詰まったバスケット、ピンクペッパーや甘草。タンニンは柔らか、酸味は穏やか、ミネラル感もあり、舌触りはソフト。

  リセー村にある自社畑の厳選した区画の樹齢15~45年のピノ・ノワールを使用。
 生産量が少ない希少アイテム、これは913番目のボトル


 #4:ドゥヴォー クール・デ・バールNV
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN100%/コート・デ・バール地区
 (20年にわたり環境に配慮した畑のぶどう、オーガニックの区画も含む)
 リザーヴワイン:オークの大樽で熟成させたものを20%使用
 ドザージュ:8g/L
 価格: 9,000円(税別)

色調はベージュを帯びたゴールド、フレッシュ感があり、最初に口中に泡の刺激、気泡自体はワインに馴染みスムーズ。第一印象は黒ぶどう由来の力強さ、果実の旨味と厚味、木の実や香ばしさ。中盤から終盤にかけてビター感。コート・デ・バール地区最大のメゾンの自負を感じさせるアイテム

 レ・リセー村の自社畑のピノ・ノワールの味わいを確認。
 ロゼ・デ・リセーとブラン・ド・ノワールの両ピノ・ノワールを利き酒できたことで、
 ドゥヴォー好みの黒ぶどうが見えました。豊潤かつエレガントなスタイル!


 第3フライトはコレクションDシリーズ
 メゾンのこだわりが凝縮しているコレクションDシリーズ
 ソレラシステムで保管しているリザーブワイン(1995年~2011年)を使用
参考ドゥヴォーは1992年からリザーヴワイン用に10基のフードルを導入。うち1つは2002年からソレラシステムに使用、毎年30%を入れ替え、継ぎ足ししている。この他、1995年からステンレスタンクでもソレラシステムを採用


 #5:ドゥヴォー キュヴェD
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN55%、CH45%
 発酵:ステンレスタンクとシャンパーニュ産の樽25%(うち10%は300㍑で8~9ヵ月)
 ドザージュ:約7g/L
 価格:9,000円(税別)

色調はゴールドイエロー、白い花や白胡椒、ブリオッシュの香り、ふくらみのある味わいで舌触りはきめ細かくクリーミー。シェフ・ド・カーヴ 一押しのマリアージュは夏に搾乳したコンテ!


 #6:ドゥヴォー ウルトラD
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN55%、CH45%
 リザーヴワインの比率は35%、一部MLF
 ドザージュ:約3g/L(エキストラ・ブリュット)
 価格:10,000円(税別)

色調はゴールドイエロー、快活でフレッシュ、白い花、ミネラル、塩味、ヨード、香ばしさと若干ビターなニュアンス。キュヴェDにはコンテがお薦めとのことなので、私的にはヨードの要素に相乗させるべく、フルムダンベールに海苔を巻いてチャレンジしたい気分!


 #7:ドゥヴォー D ロゼ
 生産者:ドゥヴォー(CM)
 ぶどう品種:PN55%、CH45% /うちPNを10%ブレンド
 ステンレス製の大樽でアルコール発酵させた後、一部MLF
 ドザージュ:約6g/L
 価格:11,000円(税込)

色調はアプリコットサーモンピンク、芳醇でフルーティー、ラズベリーやアプリコット、全体にまるみがあり、酸味も強すぎることなく素直な印象、ロゼを飲み慣れていない人にも薦めやすいアイテム


 
 第3フライトはすべてぶどう品種(PN55%、CH45%)の比率は同じ
 講座生を惑わせていたのが、#5#6のドザージュ量4gの違いでした。
 シャンパンを飲み慣れている人ほど、キュヴェDのほうをドライと感じたようです。

 ワイン王国誌上に、ドゥヴォーの現地取材をしたボーヌ在住の熊田有希子さんが、
「ドゥヴォーは所有畑850㌶のうち、選別された100㌶をコレクション用の畑にしている。
 メゾンには数多くの選択肢があり、様々なテクニックを組み合わせることで、幅広く、
 複雑なアロマを生み出し、清涼感と熟成感のバランスを保っている」と書いています。

 キュヴェDは、10%の樽発酵を行い、5年以上の長熟でも、清涼感を損なわないように、
 倉庫の温度を12度に設定し、MLFをさせないようにしているとの記述もありました。
 MLFのかけ方も微妙に異なるDシリーズ、その塩梅が講座生を混乱させたようです。

 前述の熊田女史が「ぶどう品種や樹齢を料理でいう素材に例えるなら、
 ドゥヴォーは無限のレシピを持っているといえよう」とコメントしているように、
 メゾン勤続30年のシェフ・ド・カーヴ、ミッシェル・パリゾさんが、
 メゾンの顔“Dシリーズ”に並々ならぬ愛を注いでいることがよくわかりました。
 ここは講座生と研修ツアーで訪問してみたいメゾンです!!


 点字導入の先駆者シャプティエ
 1995年から点字ラベルを採用したM.シャプティエ
 友人に盲目の音楽家がいらしたことがきっかけだったと伺いました。
 ステノペは白と黒を基調にしたスタイリッシュなパッケージ、点字表記わかりますね
 このボトルは限定生産6387本中1646番目になります。
 今期参加のブログ仲間Hakoさんのリポート

もご覧ください!


 ドゥヴォーに関するお問い合わせは国分グループ本社 (株)03-3276-4125 (代表)


           .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○


 味覚受容体TAS2R38とコロナウイルスの関係
 
8月18日、ちょうど第3週のシャンパーニュ講座直前に、ワイン専門商社(株)Firadisからワインのスーパー・テイスターとコロナウイルス耐性

(記事の内容はFiradisの翻案であり、文責はすべて同社に帰属)と題する興味深いワインニュースが届きました。
「苦みを知覚する受容体TAS2R38が活発化すると、繊毛の動きや粘液の分泌が増加し、さらには、一酸化窒素を放出するので、コロナウイルスを発症させるスパイクタンパク質の活動を抑える働きがある。ゆえに敏感な味覚を持つスーパー・テイスターはTAS2R38の働きで、コロナウイルスに対する自然耐性がある」との内容でした。
さてさて、皆さまは、コーヒーやブロッコリー、ピノ・ブランを口にした時、苦みをしっかりキャッチできていますか?


NHK文化文化センター青山校の秋期講座の募集開始は9月1日からです。
感染対策には、今まで以上の配慮をしながら、2クラス体制で進めてまいります。
10月からのシャンパーニュ講座も、引き続き、宜しくお願いいたします!!

2021年07月30日

飲み手を魅了するビルカール・サルモンの『エリザベス・サルモン・ブリュット・ロゼ2008』

 感染対策を徹底し、第3週クラス(2ヶ月振り)と第4週クラス(3ヶ月振り)の皆さんと再会!
 4月から決めていたアイテムを無事供出することができました。



 




 
第1フライトは3メゾンのノン・ヴィンテージ

 左から順に#1、#2、#3
 #1:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ロゼNV
 ぶどう品種:CH25%、PN&ムニエ75%/自社畑キュミエールのPN約12%ブレンド
 ドザージュ:7g/L
 価格:9,000円(税別)
 輸入元:JALUX

女性醸造家ナタリー・ラプレイジュさんの心意気とソフトなトーンを醸し出すキュミエールのPNが相乗したロゼ。色調はサーモンオレンジ、フラワリーでフレッシュ。ドライローズやバイオレット、チェリーや木イチゴ、終盤に軽いタンニン、綺麗な酸味とミネラルのバランス良好


 #2:二コラ・フィアット ロゼ・ファースト・ブルーム・オブ“SAKURA” 
 ぶどう品種:PN45%、CH10%、ムニエ45%/PNを約16%ブレンド
 ドザージュ:8.5~9g/L
 価格:7,150円(税別)
 輸入元:日本酒類販売

春の桜というより、夏の夕焼けや夕陽の色調。テラスで涼風を受けながら楽しみたいロゼ・シャンパン。黒ぶどうの比率が90%、約16%のPNをブレンドしたロゼは、3つのなかで色調も鮮やか、味わいにも黒ぶどうの要素十分、中盤から酸の広がり。


 #3:ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼNV
 ぶどう品種:CH40% PN30%、ムニエ30%/PNを10%以下ブレンド
 ドザージュ:9g/L
 価格:12,000円(税別)
 輸入元:JALUX

ビルカール・サルモンの特徴のひとつが際立つアロマ。その訳について、6代目アントワン・ローラン・ビルカールさんは「1952年に私の祖父が北部フランスのビール工場(現在施設は無し)で行っていた製法を導入したことがきっかけです。収穫したぶどうは10度で保ち、コールド・スタビライゼーション(タンク内の温度を14度にして25~30日かけて静置)することで、結果的に、アロマはしっかり残り、不純物は沈殿してしまうので、フィルター掛けも不要になります」と解説してくれました。

5アイテムをすべてブラインドでテイスティングしましたが、凛としたアロマは、ビルカール・サルモンの存在感を明確に主張。1954年にリリースされて以来、パリで人気のシャンパーニュ・ロゼになっています。いつ味わっても裏切られることのないスタイル!


 第2フライトは2008年ヴィンテージ比較
 左が#4、右が#5

 82の協同組合が結集する二コラ・フィアット
img20210726_17263521.jpg
 データ提供:日本酒類販売


 #4:二コラ・フィアット パルム・ドール ロゼ・インテンス2008
 ぶどう品種:PN100%/ブジィ村とコート・デ・バールのレ・リセ村
 ドザージュ:6g/L
 価格:25,000円(税別)
 輸入元:日本酒類販売

5アイテムのなかで唯一セニエ製法で造られたロゼ。時間の経過で紹興酒似の香り、スパイスやアーシーなニュアンス。7月28日の第4週クラスが土用の丑の日だったこともあり、私は食とのマリアージュで、うなぎの蒲焼 × かねいちの山椒をイメージしました!

産経EXに「ワインのこころ」を連載していた2015年当時、担当記者だった塩塚夢さんが、お裾分けしてくれたのが石臼で曳いた山椒

でした。袋を開けた瞬間、柚子のような和柑橘の香りが漂い、それはそれは素晴らしく、夢さんが表現した「体の中まで浄化されるような気持ち」になりました。今回は、その山椒を思い出しながら、色調の濃いロゼをテイスティングしました。



 4月23日一斉販売を開始したエリザベス・サルモン・ブリュット・ロゼ2008
 エリザベス・サルモンに使用するピノ・ノワール
 フィリポナの銘醸地『クロ・デ・ゴワセ(“重労働”の意味)』
 45度の急斜面のぶどう畑 


 ヴァロフロワ(左の画像/赤の丸印)のPNは樹齢75年
 クロ・デ・ゴワセの上部に位置する畑
 エリザベス・サルモンに必要なPNは力強さではなく、エレガントさ

 #5:ビルカール・サルモン エリザベス・サルモン・ブリュット・ロゼ2008 
 ぶどう品種:PN55%、CH45%/ヴァロフロワのPNを9%ブレンド
 ドザージュ:7g/L
 価格:39,000円(税別)
 輸入元:JALUX

メゾンの創始者のひとりエリザベス・サルモンへのオマージュとして造られたシャンパン。初めてPNの比率のほうが多くなったヴィンテージであり、CHは10~15年使用した樽で熟成させたものを17%使用。また750mlとマグナム1500mlを同時に発売。これらは2008年VTだけに試みた取り組み。

色調は明るい銅色(copper color)、ブラッドオレンジ、熟した黄桃や黄りんご、野生の木イチゴ、白胡椒、石灰土壌由来の切れ感、ミネラル、そして2008年VTならでの綺麗な酸味(MLFは少しだけ実施)と長い余韻!



 2008VTから銘柄名はキュヴェ・エリザベス・サルモンから、エリザベス・サルモンに!
 初ヴィンテージの1988年から最新の2008年まで全部で14ヴィンテージあり、
 内訳は1988、89、 90、91、95、96、97、98、99、2000、02、06、07、08
 今後、09、10をリリース予定(入荷時期は未定)


半月8月5日発売の『ワイン王国』にビルカール・サルモンのアントワンさんへのウェビナーでのインタビューが掲載される予定です。エリザベス・サルモン・ブリュット・ロゼに特化した質問でまとめてありますので、ご笑覧いただけると嬉しいです!

半月ビルカール・サルモン&ジョセフ・ペリエについてのお問い合わせ先
株式会社JALUXワイン部 電話03‐6367‐8756



             .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○

             [NEW]シャンパーニュ騎士団の新役員
 画像提供:シャンパーニュ騎士団

ブルーノ・パイヤール団長(左から2人目)の後任は二コラ・フィアットのクリストフ・ジュアレスCEO(左から3人目)、任期は2021年からの3年間です。
新メンバーのシャンパーニュ騎士団、今後の活躍に期待です!
シャンパーニュの錚々たるメンバーが一堂に会した叙任式の模様はコチラ

で!

半月シャンパーニュ騎士団のクリストフ・ジュアレス団長からのサマーメッセージ
(2021年7月30日受信)
2021年上半期のシャンパーニュ出荷量は、昨年の同時期と比べて50%増、2019年より5%増、2018年より14%増と前向きに推移
2021年の収量は1㌶あたり10,000kgとの取り決め
参考(青木記載):2020年は8,000kg/㌶、2019年は10,200kg/㌶
ロシアの新法に絡む地理的表示の件はいまだ決着せず
シャンパーニュ騎士団としては平和的な合意が下されることを願っている由

2021年04月06日

3月の最終講座は2020年に創業260年を迎えたランソンにフォーカス!

 3月の講座のフルメンバー
 左から供出順

 左から供出順

今回のポイントはノン・マロ
ノン・マロとはマロラクティック発酵をしないことです。マロラクティック発酵=MLF (Malo-lactic fermentation)は、主発酵後、ワイン中に含まれるリンゴ酸 (Malic acid)が、乳酸菌の働きによって乳酸 (Lactic acid) に変化する現象で、
★赤ワインや酸度の高い白ワインの酸度を下げる
★複雑味が増し、豊潤な香味を形成
★雑菌汚染の防止
の効果があります。

赤ワインはMLFを起こさせるのが一般的ですが、白ワインは求めている酒質によって異なります。行う場合はリンゴ酸の減り具合を分析しながら進めていきます。

MLFをしないメゾンの双璧 ゴッセとランソン
★リンゴ酸はぶどう本来の自然な酸であり、熟成させることで長い余韻と深みが出る。
★ぶどうに含まれるリンゴ酸は3~5g/L、MLFをすることで1g/L以下に減少。
上記の考え方から、2メゾンはノン・マロを貫いています。ちなみにゴッセでは一次発酵後、ワインを10度以下に冷却することでMLF発酵を抑えています。


第一フライト
今のランソンは、ノン・マロ=酸が強くて疲れる、というイメージから脱却した印象で、馴染みやすさが加わりました。講座で両メゾンの比較をするのは2016年秋以来になりますが、ランソンは2013年にエルヴェ・ダンタン氏が新しいシェフ・ド・カーヴに就任してから、頑固なイメージが払しょくされたように感じます。

第一フライトではメゾンの顔 NVを比較しました。
★ランソンのブラックラベルは15~20%の比率でMLFを施しています。
★ゴッセのエクストラ・ブリュットは熟成期間が36ヶ月と短いのでMLFを実施しているので、今回比較用に選んだのはグランド・レゼルヴ・ブリュットNV。


    #1:ランソン ブラックラベル・ブリュットNV
    生産者:ランソン(NM)
    ぶどう品種:PN 50%、CH 35%、M 15% / リザーヴワイン 35%
    ドザージュ:8g/L
    デゴルジュマン:2019年10月7日
    価格:6,000円(税別 / 輸入元:アサヒビール
    フレッシュ&フルーティ、白い花、レモンやGF等の柑橘系果実
    青リンゴ、中盤から酸の広がり、ドライな切れ味、果実の甘やかさ

    #2:ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV
    生産者:ゴッセ(NM)
    ぶどう品種:PN 45%、CH 45%、M 10%
    ドザージュ:7g/L
    価格:8,400円(税別 / 輸入元:テラヴェール
    #1より香りの立ち方は大人しい、柑橘系果実、白桃、すもも、はちみつ
    ミネラル、溌剌感のある酸味が余韻にも長く広がる。


 第二フライトはランソンの3ヴィンテージ

 #3:ランソン ゴールドラベル・ヴィンテージ・ブリュット2009
 生産者:ランソン(NM)  
 ぶどう品種:PN 53%、CH 47%
 ドザージュ:7g/L
 デゴルジュマン:2017年2月21日
 価格:9,060円(税別)
 フレッシュ&力強さ、黄リンゴ、アプリコット、砂糖漬けの果実、ローストしたコーヒー
 ミネラル 旨味、エレガントな酸味、バランス良好

 ランス市内にあるクロ・ランソン

周囲を壁で囲まれた1haの小さな畑。クロ・ランソンはランソンが生産している単一ぶどう畑のシャルドネ100%のシャンパンで樹齢は20~50年。アルゴンヌの森から切り出したオークの樽で熟成


 

 #4:クロ・ランソン2007/ 生産量約8,000本
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:CH 100%
 ドザージュ:3g/L未満
 デゴルジュマン:2016年7月
 価格:30,000円(税別)
 白桃、アプリコット、フレッシュバター、ブリオッシュ、クルミ
 凛とした酸、口中クリーミー、中盤から余韻に樽のニュアンス

クロ・ランソンは『ワイン王国』のシャンパーニュ特集でテイスティングした時、興味引かれたアイテムだったので、講座で供出することに。長熟タイプのシャンパーニュで、今後の熟成の変化には大いに期待できる、お薦めの1本🍾


 クロ・ランソンの裏ラベル
 ランソンはすべてのボトルの裏ラベルにデゴルジュマンの年月を記載しています。

 
 #5:ランソン ノーブル・キュヴェ・ヴィンテージ・ブリュット2002
 生産者:ランソン(NM)
 ぶどう品種:CH 70%、PN 30%
 ドザージュ:6g/L
 デゴルジュマン:2017年7月
 価格:16,000円(税別)
 焼きりんご、洋梨、スパイス、ミネラル、軽いビター感、複雑味、酸味と甘味のバランス


 変化するランソン
 シェフ・ド・カーヴのエルヴェ・ダンタンさんが語っていた“3つのF
 FreshnessFruitnessFinesse
 ランソンが求めているワインのスタイルです。


 昨年ランソンは創業260周年を迎えました。
 コロナ渦中でイベントを縮小せざるを得ない状況でしたが、2019年1月に社長に就任した
 フランソワ・ヴァン・アール氏の陣頭指揮のもと、新たな船出をしました。
 ワイン誌のインタビューに対して、アール社長は「アイテム数を15から10に絞り込む」
 と語っていました。


             ☆☆☆☆☆☆☆☆

 2020年のシャンパーニュ出荷量
 総出荷量は 2億4,400 万本(前年比-17.9%) 、42億700万ユーロ(-16.7%)
 フランス国内の消費は1億1,320万本(-19.9%) 、16億4,100万ユーロ(-17.9%)

 source:CIVC
 画像の左は数量 / 右は金額。
 輸出相手国で、
 数量ベースでは第1位がイギリス2,130 万本(-21.1%)
 第2位はアメリカ で2,080 万本(-19%)
 逆に、金額ベースでは第1位がアメリカ5億190万ユーロ (-24.5%)
 第2位はイギリス 3億3,820万ユーロ (-21.5%)
 日本は数量・金額ともに第3位で1,080万本(-24.4%) と 2億7,080万ユーロ(-23.6%)
 第4位のドイツはNVの需要が多いので、日本と比べて数量は僅差でも金額では大きな差


 source:CIVC
 コロナ渦中でお祝いのお酒シャンパニュは苦戦しました。
 2019年は1,430万本まで伸びていた日本も2020年は1,080万本にとどまりました。

 source:IWSR
 英国の調査会社IWSRは2019年の水準に戻るのは2024年と予測

 ロゼやプレスティージュが人気の日本市場
 source:CIVC
 日本市場ではノン・ドゼも高人気


               ☆☆☆☆☆☆☆☆

 春期シャンパーニュ講座開始
 4月からスタートする春講座にご参加くださる皆さま
 今期も三密を避け、第3週

第4週

の2クラスで行いますので、お付き合いの程、
 何卒宜しくお願いいたします半月半月半月

2021年03月05日

2021年春のシャンパン講座募集開始 併せて 日本酒話題も!

 
 春期シャンパン講座の募集が始まりました!

 春講座も三密を避けた2クラス体制で進めさせていただきます。
 ◆1テーブル1名席 
 ◆マスク&フェイスシールド着用
 ◆グラスは要消毒のため、リーデル本店からレンタル


 オーダーメイドなシャンパンレッスン  ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
 開催6回/毎水曜日/19時~21時
 [NEW]現行クラス(第4週)
 ◍4月28日
 ◍5月26日 
 ◍6月23日 
 ◍7月28日 
 ◍8月25日 
 ◍9月22日 
 詳細はコチラ

から

 [NEW]増設クラス(第3週)
 ◍4月21日
 ◍5月19日 
 ◍6月16日 
 ◍7月21日 
 ◍8月18日 
 ◍9月15日 
 詳細はコチラ

から

 ◆NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
 受付時間
 月曜日~金曜日 9:30~18:00
 土曜 9:30~17:30
 日曜 9:30~15:00 
 [わーい(嬉しい顔)]早々のリアクションに感謝です、ありがとうございました半月 


 
   World's Most Admired Champagne2021 by Drinks International


       拡大してご覧ください

       シャンパーニュに関して、この評価だけは信頼しています。
       昨年に続き、ルイ・ロデレールが堂々の1位、おめでとうございます。
       ジャン・バティスト・レカイヨン最高醸造責任者の凄さは実感しています。
       ポル・ロジェはワンランクアップですね!
       講座で造りのこだわりについて何度もお話しているドラピエとフィリポナ
       再エントリーされたことは本当に嬉しいです。


 
     日本酒話題にちょっと寄り道

春講座に、尊敬する君嶋哲至社長の日本酒講座美酒探求 ~日本酒を極める~

が登場していたので、少しだけ“日本酒話題”に寄り道!
君嶋さんとは『日本で飲もう最高のワイン』の専門審査員でもご一緒していますが、多趣味の方で、ロックバンドのギタリストとしても活躍しています。日本における日本酒の達人。新講座が早々にキャンセル待ちになったことは、200%頷けます🍶 


日本酒に馴染みのない方でも、“夏子の酒の蔵元”と聞けば、おわかりになるのでは、と思っていますが、私が尊敬している、もうおひとかたが、新潟県長岡市にある久須美酒造

の久須美賢和社長です。昨年2月の蔵元視察

で、多くのことを学ばせていただきました。


  日本文化への回帰を予感してデビューした300ml
 2009年には『コピリンコ・こぴりんこ』、2011年には『夏子物語』が登場!

 ひらがなは女紋、カタカナは男紋。細部へのこだわりが見事な2バージョン

『コピリンコ・こぴりんこ』は発酵学者・文筆家 小泉武夫氏の著書に再三登場する“飲酒時の擬態語”に由来するネーミングの純米吟醸で、ラベルには氏の名文が載っています。

IMG_3607.jpg
 ラベルには現会長の“酒蔵の四季”と題した四詩が!

吟醸酒『夏子物語・酒蔵の四季』にはコミック『夏子の酒』のモデル六代目(現会長)の酒蔵の四季(春・夏・秋・冬)の詩が掲載されています。

 2021年にKIYOIZUMI 「YUKI」が仲間入り
 内田百閒翁の孫娘内田ミネさんの英訳がラベルに!

40年程前、各地蔵元の後継者250人余が集ったセミナーの折、今は亡き永六輔氏が、ご教示くださった「日本酒は、土地の米と水と人情と自然が醸す風」を英訳したものだそうです。幅広い人脈をお持ちの久須美社長がカナダ在住の内田ミネさんに白羽の矢を立て完成させた逸品『YUKI』。聞くところによれば、ミネさんは百閒翁譲りの自他ともに認める大酒豪とのこと、まさしくビンゴの人材ですね。
ボトルの緩衝材もお洒落で可愛いですよ!

 焼き鳥は醤油ダレでも塩でもお好みで❢

コロナ渦中ですが、スティルワイン、スパークリングワイン、シャンパン、そして日本酒が日常の潤いになれば嬉しいです!

2021年02月25日

2月のシャンパン講座はブラン・ド・ノワールを中心にして

 今月も開始時間を30分前倒しにして開催しました。
 時間変更に協力してくださった講座生の皆様にお礼申し上げます!!
 
 左から順に/#3のみブラン・ド・ブラン
 #1:ボーモン・デ・クレイエール
 #2:フィリポナ
 #3:ピエール・ペテルス
 #4:ドラピエ
 #5:ボランジェ


  シャンパーニュ地方の規定品種
  7品種のうち、黒ぶどう2種、白ぶどう5品種


  ブラン・ド・ノワールは4アイテム



  テイスティングした5アイテムは・・・

  左から順に供出
#1:ボーモン・デ・クレイエール フルール・ド・ムニエ ブリュット・ナチュール
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(CM)
ぶどう品種:ムニエ100%
ヴィンテージ:2012
ドザージュ:0g/L    デゴルジュマン:2019年3月
価格:8,300円(税別)
輸入元:モトックス
ボーモン・デ・クレイエールの拠点マルドゥイユ村はムニエにとって最高のテロワールが発揮できるエリアであり、ムニエは組合員が深い愛情を注いでいる品種。さらに、同メゾンの酒質の良さを実感させるのが「クール・ド・キュヴェ=キュヴェの真髄」
繊細で規則的な気泡、4つのBdeNの中で一番濃い目の色調。果実味に富み、蜜や黒糖、果実の砂糖漬け似の芳醇な香り、ピュアで心地良い酸味、バランスの取れた味わい。講座生数名から「今までのイメージが払拭された」とのコメントあり!

   (C)モトックス

#2:フィリポナ ブラン・ド・ノワール
生産者:フィリポナ(NM) 生産量40,793本
ぶどう品種:PN 100%
ヴィンテージ:2012
ドザージュ:4.5g/L    デゴルジュマン:2019年11月
価格:12,000円(税別)
輸入元:富士インダストリーズ ワイン事業部
深みのある黄金色、グラス上部から見た泡沫は細やかで活発。ストーンフルーツ、蜂蜜、クルミ、丁子、ミネラル、ロースト風味、フェノール、木樽のニュアンス、横に広がる酸味、重厚感


 #3:ピエール・ペテルス キュヴェ・ド・レゼルヴ BdeB グラン・クリュNV
 1種類だけブラン・ド・ブラン!
 生産者:ピエール・ペテルス(RM)
 ぶどう品種:CH 100% ル・メニル・シュール・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ
 ドザージュ:6~7g/L
 価格:7,200円(税別)
 輸入元:nakato
 
 中央のグラスは白ぶどう100%、他の4グラスの色と比べると色白
 先月フォーカスしたピエール・ペテルスの代表アイテム。
 ペテルス当主曰く「塩味」と表現するシャンパン。
 凛としたスタイル。4種のブラン・ド・ノワールと比べると、口中での酸味の広がりは直線的。土壌由来のミネラル。
 ゆっくりと長く続く余韻。



#4:ドラピエ ブリュット・ナチュール “サン・スフル”NV
生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:PN 100%
リザーヴワインは使用せず、単一ヴィンテージで生産、SO2完全無添加
ドザージュ:0g/L
価格:7,500円(税別)
輸入元:テラヴェ―ル
サン・スフルを完成させるまでに15年の歳月を要したミッシェル当主渾身の作品。NVと言えども、リザーヴワインは一切使わず、単一ヴィンテージのみで生産。ベースワインは2014年。ぶどう本来の味わいを感じるアイテム。SO2無添加のシャンパンでは断トツ。
繊細な気泡、香りは閉じ気味、グラス内の温度の上昇で赤系果実の要素、蜂蜜、ミネラル、口中ではドライながら熟したぶどうの旨味、フェノール、ソフトな酸味、自然体で素直な印象


 #5:ボランジェ PN VZ15
 生産者:ボランジェ(NM)
 ぶどう品種:PN 100% 主産地はヴェルズネ、その他アイ、ブジー、トーシエール
 ベースワイン:主要ヴィンテージは2015年のマルチヴィンテージ
 リザーヴワイン:一番古いヴィンテージは2009年
 ドザージュ:7g/L    デゴルジュマン:2019年11月
 価格:16,000円(税別)
 輸入元:アルカン
 

昨年9月、日本市場にデビューした<PNコレクション>。第1弾のぶどうの産地はヴェルズネ主体、ベースワインは2015年を要に、秀逸なリザーヴワイン(最古のものは2009年)をブレンドさせたマルチヴィンテージ。毎年エディションごとに異なるテロワールを反映させたPN100%のアイテムをリリースしていくとのこと、楽しみです!
熟した果実、焼き菓子、香ばしい風味、樽香、口中では熟成感と温度変化で複雑味、骨太でバランスの取れた味わい、酸を伴ったふくらみのある余韻。PNにかけるボランジェの心意気が伝わってくるアイテム



                  ☆☆☆☆☆

IMG_3253.jpg
            6階にも体温測定器が設置されました。
         講座生の皆様、入室前のチェック、宜しくお願いいたします。

 来月から上半期(4月~9月)の募集も始まります!
 密を避け、引き続き「2クラス体制」での開催になります。
 シャンパンラバーの皆様の参加をお待ちしています。
 どうぞ宜しくお願いいたします半月

2021年01月29日

ブラピのフルール・ド・ミラヴァル・ロゼをメインにして秀逸なロゼ探求!

 
 五感を刺激する4種のロゼ 

 1月の講座は、緊急事態宣言の発令を受け、時間を変更(18時30分~20時)して実施。
 新しい年にふさわしいロゼ色のシャンパンで、気分をリフレッシュ!
 20日【増設】&27日【現行】両クラスの皆さんにパワーアップしていただきました[わーい(嬉しい顔)]

 
 左から順に

 #1:ルイ・ロデレール ロゼ2013
 生産者:ルイ・ロデレール(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール63%、シャルドネ37%
 ドザージュ:9g/L
 価格:10,000円(税別)

 #2:ポル・ロジェ ロゼ2012
 生産者:ポル・ロジェ(NM)
 ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、赤ワインPN15%ブレンド
 ドザージュ:8g/L
 価格:13,000円(税別)

 #3:ピエール・ペテルス キュヴェ“ロゼ フォール アルバンヌ”ロゼNV
 生産者:ピエール・ペテルス(RM
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ムニエ40%
 ドザージュ:7~8g/L
 価格:9,000円(税別)

 #4:フルール・ド・ミラヴァル・ロゼNV
 生産者:ロドルフ・ペテルス(NM
 ぶどう品種:シャルドネ75%、ピノ・ノワール25%(ヴェルテュ)PNは購入ぶどう
 リザーブワイン:2007年~ソレラシステムで保存
 ドザージュ:4.5g/L
 価格:60,000円(税別)


  各メゾンの関連性

 ◆フルール・ド・ミラヴァル・ロゼはシャンパーニュ地方ピエール・ペテルスの当主
 ロドルフ・ペテルスとコート・デュ・ローヌ地方のマーク・ペランが手がけるシャンパン
 ◆発酵に関してピエール・ペテルスはポル・ロジェ同様、ステンレスタンクを使用
 ◆ピエール・ペテルス、ルイ・ロデレールのぶどう栽培はマサル・セレクションであり、
 醸造面ではオークの木樽を使用

 アルファベット順に各アイテムのポイントを列記
IMG_1789.jpg


  ブラインドで同時に供出
 左から右の順に供出

  #1:ルイ・ロデレール ロゼ2013
 細やかな気泡がおわかりいただけると思います!
 4アイテムのなかで最も泡沫が活発、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー
 ロゼは色を保つ為に極力SO2の使用を抑えているので、ジェティングはしています。
 (クリスタルのロゼも同じ)
 醸造責任者レカイヨン氏は収穫年やぶどうの状態によってMLFの有無を決めていますが、
 ヴィンテージものにはしない方針なので、このロゼはノン・マロだと思います。

凛としたスタイル、際立つミネラル感、酸味の綺麗さ、中盤以降の豊潤さ、タンニンの要素も感じられ、木樽(20%程度)効果によるスモーキーさ、面になって広がる余韻も魅力、お薦めのロゼ(ルイ・ロデレールのロゼはヴィンテージのみ)


#2:ポル・ロジェ ロゼ2012
シャンパン女子が好むロゼカラー、赤胴色のロゼ・シャンパン。果実感にあふれ、香り華やか。味わいにもラズベリーやレッドカラントのような赤系果実のニュアンスがあり、ピンクのスパイスも。2012年のヴィンテージ(冷涼年)らしいスマートさがあり、酸味フレッシュ。果実味と酸味のバランスがとても良く、素直においしいロゼ・シャンパン

 
 ピノ・ノワールを15%添加しているポル・ロジェ(左から2番目)は色調も鮮やか!

#3:ピエール・ペテルス キュヴェ“ロゼ フォール アルバンヌ” ロゼNV
ピエール・ペテルスはRMレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まで自社で行う生産者)であり、ムニエの畑は所有していません。なぜ造れるか・・・ムニエの生産者とペテルスのシャルドネを物々交換しているからだそうです。ロゼワインがあまり好きではなかったペテルス氏なのですが、このムニエと出会ったことで考えが変わったとのこと。愛娘アルバンヌちゃん誕生と重なるような出来事だったので、ロゼのネーミングはアルバンヌ!

フラワリーな要素を備えたムニエと硬質で切れ感のあるル・メニルのシャルドネのコンビネーション。ムニエの色素抽出はセニエ。「畑にはマサル・セレクションで増やしたシャルドネが50種類以上存在しているので、複雑味のあるシャンパンを生み出すことができる」とペテルス当主の言葉通り、口中にシャンパンを含み、しばらく転がしていると様々な旨味が広がり、果実のおいしさが実感できるチャーミングなロゼ。


 #4:フルール・ド・ミラヴァル・ロゼNV

  白の矢印部分 NM672-001の表記


ベースワインは2016年、発酵にはステンレスタンクを使用、デゴルジュマンは2020年6月、総生産量は20,000本、日本入荷量は360本の希少アイテム!

フレッシュな酸味を備えた柑橘系果実や種の大きなストーンフルーツ(アプリコットやネクタリン)、白胡椒のニュアンス。塩味があり、中盤以降軽いビター感。ソレラで保存していたリザーブワイン由来の厚味がじんわりと広がり、ペテルスならではのシャルドネの旨さを感じます。高級感のあるギフトボックスや特殊な色付ボトルを愛でる時間を含めて(笑) ゆったりとした気分で時間をかけて楽しみたいロゼ・シャンパン!

昨年12月、輸入元ジェロボーム本社でフルール・ド・ミラヴァルをテイスティングするチャンスがありました。ロゼ・シャンパン誕生の経過、ピエール・ペテルスとの関わり、2種のグラスを使って利き酒したフルール・ド・ミラヴァルについてはブログ

で紹介させていただきました。ご一読いただけると嬉しいです!

希少なロゼを講座用に2本確保してくださったジェロボーム

様に、深く感謝しております。
私&シャンパン講座生にとって、貴重な時間になりました。
ありがとうございました!!


               ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


             シャンパーニュ騎士団からの最新情報
2021年7月、騎士団の新団長に就任なさったのは二コラ・フィアットのクリストフ・ジュアレスCEO。2018年から団長職を務めていたのはブルーノ・パイヤール氏なのですが、昨年はコロナ禍で、日本で秋に開催する予定だった騎士団イベントは中止。お目にかかることができませんでした。
お疲れ様でした!
シャンパーニュ騎士団から届いた新団長就任のYouTube

をリンクしておきます!
(2021年7月12日追記)

歴代の団長を振り返ってみると・・・
私がシュヴァリエの称号をいただいた2009年はピエール・エマニュエル・テタンジェ氏、2012年のオフィシエ時はミシェル・ドラピエ氏。2014年ドゥーツ(ファブリス・ロセ氏)、2016年ビルカール・サルモン(アントワン・ビルカール・サルモン氏)、2018年ブルーノ・パイヤール(ブルーノ・パイヤール氏)、そして新団長のクリストフ・ジュアレス氏と続きます。
シャンパーニュ業界では優秀な女性の台頭が目立っているので、次期団長には、そろそろ女性当主の登場があっても良い頃かと、思っています。シャンパーニュ騎士団から届いた動画を見ると、大好きなローラン・ペリエのアレクサンドラさんが役員に就任なさっている感じなので、今後が楽しみです!


1月26日にブルーノ・パイヤール氏からサイン入り公式概算のシャンパーニュ出荷量が届きました。今までは、シャンパーニュ委員会(CIVC)が発信していたので、これは前代未聞。コロナ禍中ゆえの行動だったのではないかと思っています。パイヤール氏は、「2020年は多くの消費チャンスが失われ、出荷量は2億4,500万本、18%弱の減少になった。唯一の喜ばしい出来事は2020年が素晴らしい収穫年だった」と書いていました。ぶどう樹はコロナに負けず、たくましさを示してくれたようです!


  以下の表は昨年10月にシャンパン講座の為に作成したパワポの一部です。
 
 お祝いのお酒の代名詞シャンパンはコロナ禍で打撃を受け、2020年の出荷量は30%減と
 の予測が出ていたのですが、最終的に、パイヤール氏から届いた上記の一覧(最下段右端)
 にあるように、17.7%の減で収まりました。


 [NEW]CIVCから届いた2020年のシャンパーニュ出荷状況(1月28日付) 
 メゾン代表バリエール&ヴィニュロン代表トゥヴァール両会長による表明は以下の通り

 2020年は不明瞭な情勢下で主要な売り場の閉鎖やイベントの中止など、
 柔軟かつ迅速な対応に迫られシャンパーニュにとっても試練の年となった。
 上半期に30%弱にまで落ち込んだ出荷量は年末には持ち返し、最終的には18%減。
 売上高は約40億€となり、この1年で約10億€の損失が見込まれている。
 新型コロナウィルスの危機に直面する以前より及び腰となりつつあったフランス市場は、
 出荷量20%減と続落。輸出国トップ3の米国は20%減、イギリス20%減、日本28%減
 ベルギー5%減、ドイツ15%減、スイス9%減、オーストラリアは14%増と大幅に伸長。
 収量は8,000kg/haおよびリザーブワインは400kg/haとする。

 シャンパーニュは、独自の「シャンパーニュの持続可能なブドウ栽培」認証を採用し、
 2025年までに除草剤をゼロ、2030 年までに100%環境認証という目標を設定。
 価値向上及び環境保全対策を20年以上にわたり推進しています。
 担当:シャンパーニュ委員会日本事務局 笹本由香理コミニュケーションマネージャー

2020年12月23日

2020年のシャンパン講座【現行&増設】2クラス終了しました、2021年に再会!

 正しく恐れて、きちんと防ぐ

コロナ禍で上半期(4~9月)休講になっていた講座は、三密を避け、2クラス(各11名)体制にしたことで、下半期(10月~) から無事開講できるようになりました。12月の講座も滞りなく終了し、ホッとしてます。

講座時は各自マスク必須、試飲時は青山校から配布されたフェイスシールドを着用、1テーブルひとり着席で距離を取って…
コロナをやみくも怖がるのではなく、何をすれば良いか、わかってきたので、“正しく恐れて、きちんと防ぐ”を徹底しました。結果、私も講座生もコロナとは無縁で、年末を迎えることができました!


テイスティンググラスは消毒の必要があるので、今期から同ビル内にあるリーデル・ジャパン様からレンタルしています。


 シャンパン&醸造家にフォーカス
 ワイン王国120号/2021年1月号

今回、醸造家にフォーカスしようと思ったのは、ワイン王国のシャンパーニュ特集がきっかけでした。4人のテイスターのひとりとして私は参加したのですが、その折、23種のシャンパンをテイスティングしました。なかで断トツの存在感を示していたのが、ドン ペリニヨンプレニチュード2 2002 でした[exclamation]
そこで…卓越したドンペリの醸造家リシャール・ジェフロワさんと、彼に比肩し、かつ2002年ヴィンテージも生産している方を探しました。それが、レア・シャンパーニュのレジス・カミュさんです。20世紀最も受賞歴が多かった名醸造家です。第2フライトの利き比べで、おふたりのスタイルの違いが良くわかりました。

 

  左から
  #1:シャルル・エドシック ブリュット ヴィンテージ 2006
  #2:レア・シャンパーニュ 2006
  #3:ドン ペリニヨン プレニチュード2 2002
  #4:レア・シャンパーニュ 2002


   メゾンについて 
   シャルル・エドシックパイパー・エドシックを所有しているのは、フランスの
  ラグジュアリーブランド企業EPIグループです。

   シャルル・エドシックの歴代シェフ・ド・カーヴ
  
  上段が4代目(2015~)シリル・ブランさん
  中段左が初代(1976~2002)ダニエル・チボーさん
  中段右が3代目(2011~2014)ティエリー・ロゼさん
  下段が2代目(2002~2011)レジス・カミュさん
  2002年からパイパー・エドシックのシェフ・ド・カーヴに就任


  シャルル・エドシック2006 vs レア・シャンパーニュ2006
  冬はとても寒く、雪が多かった。春は比較的暖かかったが、雨が多かった。夏は暑く、頻繁に雨が降った。
  収穫の2週間前から好天になり、レジス・カミュさん曰く「“太陽の恵み”と表現できるヴィンテージ」


  #1:シャルル・エドシック ブリュット ヴィンテージ 2006
  生産者:シャルル・エドシック(NM)
  ぶどう品種:ピノ・ノワール59%、シャルドネ41%
  ドザージュ:10g/L
  価格:13,000円(税別)
  輸入元:日本リカー
  #2:レア・シャンパーニュ 2006
  生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
  ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
  ドザージュ:9.5g/L
  価格:25,000円(税別)
  輸入元:日本リカー


第1フライトは、レジス・カミュさんの造りのスタイルを知る良いチャンスになりました。歴代の表にあるように、シャルル・エドシックの2代目シェフ・ド・カーヴはカミュさんです。2002年から2011年まで在籍なさっていたので、#1の2006年ヴィンテージは彼の作になります。ジャスミンやアカシア、種の大きな果実(アプリコット、黄桃、ネクタリン)、ローストしたヘーゼルナッツ、白コショウ。フレッシュバターや塩味、クリーミーでまるみのある味わい。質&量ともに素晴らしかった2006年にはシャルドネ由来の豊潤さとピノ由来の赤い果実のアロマが備わっています。

一方のレア・シャンパーニュは#1よりスマート。はちみつ、へーゼルナッツ、ヨード、ミネラル、ピュアで上質な酸味が中盤以降舌の両サイドをなでるように広がり、フィニッシュ。2018年3月からパイパー・エドシックのトップ・キュヴェだったレア・シャンパーニュは独立したブランドになりましたが、1976年の初ヴィンテージからカミュさんのなかには、“レア・シャンパーニュはレア・シャンパーニュ(フレッシュさを備え、デリケートで繊細で複雑)”という徹底した思いがあったことを感じました。


  現シェフ・ド・カーヴのシリル・ブランさん

家系はアイ村で3代続くワイン醸造家・ワイン商人。ヴーヴ・クリコのワインメーカーとして超15年勤務した後、2015年5月がらシャルルのシェフ・ド・カーヴに就任。メゾンの精神と卓越性を永続させ、活発なコミュニケーションにより、透明性を高め、メゾンのスタイルと評判をさらに確立していくことを目標に活動中。


  レア・シャンパーニュのレジス・カミュさん
カミュさん.jpg

1954年フランス北部エーヌ県(ベルギーに隣接)生まれ。生物学と生化学を履修後、ワイン造りの魅力に惹かれ、ランスで醸造学を修得、1988年にエノロジスト地域組合の会長に就任し6年間従事。1994年にパイパー・エドシックに入社、2002年にシェフ・ド・カーヴに就任。2018年3月からレア・シャンパーニュ専任のシェフ・ド・カーヴ。IWCのスパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを2004年から通算8回受賞、数多くの受賞歴を誇る醸造家
参考:レジス・カミュさんが語ったヴィンテージ、レア・シャンパーニュ




 ドン ペリニョン P2 2002 vs レア・シャンパーニュ2002
 8月は全体的に雨が多く、9月は時に激しい雷雨に見舞われたが、気候的には恵まれた。
 レジス・カミュさん曰く「“豊かさ”と表現できる年で、質も量も自然が我々に寛大だったヴィンテージ」


  #3:ドン ペリニヨン プレニチュード2 2002
  生産者:ドン・ペリニヨン(NM)
  ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ 非公開
  ドザージュ:非公開
  価格:56,800円(税別)
  輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ
  #4:レア・シャンパーニュ 2002
  生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
  ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
  ドザージュ:9.5g/L
  価格:25,000円(税別)
  輸入元・日本リカー


ジェフロワさんと親しいワインジャーナリストの柳忠之さんから、「ジェフロワさんが意図するP1とは“完璧なハーモニー”、P2は“エネルギーの最高潮”」と伺いました。ワイン王国の時も、シャンパン講座の時も、香りのインパクト、熟成感、複雑味、余韻の広がりは他を圧するパワーにあふれていたので「おっしゃる通り」との思いを強くしました。

片や、レア・シャンパーニュは花の香りからスタートし、カミュさんが強調するスパイス(エスニックスパイス)、ロースト風味と時間の経過と共に様々な要素が層を成して広がってきます。P2と比べると、繊細でエレガント、フェミニンです。
1年前の12月にも体験していますが、加齢するにつれ、若さが増していて、びっくり。グラス内の温度が上がっても、最初に受けたフレッシュさは最後まで持続していました。

受講生から、「レジスさんは謙虚で寡黙。レア・シャンパーニュも最初はおとなしい印象ですが、時間と共に内に秘めたる凄さを感じさせ、心底納得という感じです」とのコメントを頂戴しました。
私も同感です! カミュさんは饒舌ではありませんが、シャンパーニュを語る時は情熱的で丁寧、レア・シャンパーニュの味わいにその人となりを思わず重ねてしまいました。

  ドン ペリニヨンに輝きを添えた醸造家リシャール・ジェフロワさん
  Photo by Tadayuki YANAGI

1954年シャンパーニュ生まれ。1982年に医学博士号を取得し、ランスの国立醸造学校に入学。84年に卒業しカリフォルニアのドメーヌ・シャンドンで勤務。1990年にドン ペリニヨンの最高醸造責任者に就任し、28年間、素晴らしい活躍でワイン業界を牽引。リタイア後、富山県で日本酒『IWA 5』をリリース。2019年1月からドン ペリニヨンの醸造責任者にはヴァンサン・シャプロンさん(右)が就任。

  歳月を感じさせる締まり具合

              オーヴィレーヌ修道院
       エペルネから車で10分程の場所にあるオーヴィレーヌ修道院
     ドン ペリニヨンが使っていた醸造の器具等もあり、歴史を体感できる場所!

 ドン ペリニョンの直筆
  Photo by Fumiko(2004年3月)
  丁寧で几帳面な性格を感じます!



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  銀職人さん手作りのティアラはボトルから外して使えます!

  講座生の皆様、お疲れ様でした。
  2021年の1月は20日【増設クラス】、27日【現行クラス】になります。
  シャンパン講座の番外編は16日に行いますので笑顔の再会を楽しみにしております。
  どうぞ、良い年をお迎えくださいませ!!

2020年11月25日

11月はビルカール・サルモンにフォーカス、緻密な『キュヴェ 二コラ・フランソワ2006』

  マレイユ・シュル・アイ村のビルカール・サルモン

1818年二コラ・フランソワ=ビルカールとエリザベス・サルモンの結婚によって誕生したメゾン。家族経営を貫き、2018年に創業200周年を祝いました。6代目のフランソワ・ローラン=ビルカール氏(CEO)と弟のアントワン・ローラン=ビルカール氏(ゼネラルディレクター)の後継者として、2019年1月、7代目のCEOにマチュ―・ローラン=ビルカール氏が就任、メゾンに新たな血が加わりました。ビルカール・サルモンは何より、伝統の尊重・品質への追及を重視しています。


ビルカール・サルモンのシャンパン造りには、ビール醸造をしていた兄弟の母方の祖父の知恵が生かされています。醸造責任者のフランソワ・ドゥミ氏は30年以上にわたって活躍してきましたが、2005年にフロラン・ニース氏にバトンを委ねました。ドゥニ・ブレ氏はぶどう園のディレクターで、各区画を厳しく管理しています。ヴィンテージ・シャンパンには、樽を使用したキュヴェが使われており、その技術は (樽使いの上手な) アルフレッド・グラシアンの元で修行した同氏がメゾンに参画し、樽醸造プロジェクトの監督を務めていることで、その技が遺憾なく発揮されています。
トップレンジの『クロ・サン・ティレール』は、究極のオーク樽100%のキュヴェで、1995年が初ヴィンテージ。メゾンの裏にある1㌶の畑のピノ・ノワールから造られたブラン・ド・ノワールは高評価を受けています。高額ですが、見つけたら買いのシャンパンです!


      第1フライト

      #1:ブリュット・ナチュールNV 10月発売
      生産者:ビルカール・サルモン(NM)
      ぶどう品種:ムニエ40%、ピノ・ノワール30%、シャルドネ30%
      ドザージュ:0g/L
      リザーヴワイン:49%
      瓶内熟成:48ヶ月
      価格:8,500円(税別)

      #2:ブリュット・スーボワNV
      生産者:ビルカール・サルモン(NM)
      ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ 各3分の1ずつ
      ドザージュ:7g/L
      リザーヴワイン:30~35%
      瓶内熟成:6~7年
      価格:13,000円(税別)



#1
ベージュを帯びた色調、フローラルで清涼感のある香り、GFのような柑橘系果実、ブリオッシュ、ノン・ドゼ由来のキレ感(8度くらいだとそれが明確)があり、グラスの温度が上がるに連れて、ふくらみが増し、大人びた切れ感に。酸味は縦に伸びる印象。和の素材(白身魚の刺身やテンプラ等)に合わせたい酒質上質なシャンパン!
参考:ワインのこころで紹介したブリュット・ナチュールの記述はコチラ


#2
木樽(オークのバリック)で醸造を行う独自のアイテム。新樽は使わず、フレッシュさを保つ為に3~4年使用したブルゴーニュ樽を使って仕上げたスーボワはブリュット・ナチュールより色調が若干濃い目。気泡は繊細でリズミカル、生バター、ドライフルーツの香り、サン富士の蜜(みつ)のニュアンス、横に広がる優しい酸味、中盤からまるみのある味わい、クリーミーで澱由来の旨味の広がり


     第2フライト

      #3:ヴィンテージ・ブリュット2008
      生産者:ビルカール・サルモン(NM)
      ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
      ドザージュ:3g/L
      瓶内熟成:8~9年
      価格:14,000円(税別)

      #4:キュヴェ ニコラ・フランソワ ブリュット2006
      生産者:ビルカール・サルモン(NM)
      ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
      樽発酵:20%
      ドザージュ:6g/L
      瓶内熟成:10年
      価格:28,000円(税別)



#3
淡く輝くゴールド、気泡は繊細、熟した果実、マドレーヌ菓子、蜂蜜、余韻に広がる若干のビター感と2008年ならでは芯のある酸味

#4
1964年、メゾンの創始者二コラ・フランソワ=ビルカールへのオマージュとして誕生させたキュヴェ。輝きのあるゴールド、ストーンフルーツ、ローストしたナッツやクルミ、茶葉の香り、果実の砂糖漬けや焼き菓子、果実味と酸味の絶妙なバランスは好印象

               第3フライトはロゼ

         #5:ブリュット・ロゼNV
         生産者:ビルカール・サルモン(NM)
         ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、ムニエ30%
         ドザージュ:9g/L
         リザーヴワイン:40%
         瓶内熟成:36ヶ月以上
         価格:12,000円(税別)

#5
きれいなサーモンピンク、細やかな気泡、 (ブルーベリーやラズベリーのような)赤系果実、オレンジの皮、ピンクペッパー、微かな塩味と上質な酸味、エレガントで飲み飽きしない魅力的なロゼ


 ラインナップ
  左から右の順(すべて税別)
 #1:ブリュット・ナチュールNV  
 #2:ブリュット・スーボワNV  
 #3:ヴィンテージ・ブリュット2008 
 #4:キュヴェ ニコラ・フランソワ ブリュット2006 
 #5:ブリュット・ロゼNV 

 [ダイヤ]製品についてのお問い合わせは
 輸入元は(株)JALUX ワイン部/Tel 03-6367-8756

2020年11月07日

1月16日新春番外編『NHK文化センター青山校シャンパン講座』@日比谷・松本楼

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    半年休講になっていたシャンパン講座が開講できて本当にホッとしています!
    今は、三密を避けた厳重体制なので、講座生の皆さまは通常の半数の人数
    ゆえに【現行クラス】と【増設クラス】の2講座(各10~11名)で対応しています。
    残念なのは、絶対にマグナムサイズが出せないことです[もうやだ~(悲しい顔)]

    そこで・・・オーダーメイドの講座なので受講生の皆さまと意見交換
    結果 来年早々、第2弾“番外編”を開催することにしました!
    供出するのは、ミレジメのマグナム5アイテム、すでに確定しました。



 [イベント]番外編シャンパン講座


    日時2021年1月16日(土) 14時~16時


    会場:日比谷・松本楼
    料金:12,500円 (税・サービス込) /当日徴収
        オードブル or チーズ、パン含む
    定員:22名 満席御礼 ありがとうございました!


  開催に関しては、十分な配慮をいたします。
  ★密にならない座席配置
  ★講師はマスク&フェースシールド着用
  ★シャンパンのサービスは高橋ソムリエ+精鋭スタッフ

  参加予定の皆さま
  安心・安全のため、状況に応じたマスク着用をお願いすることになります。
  ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

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 第1弾の番外編講座

はこんな感じでした、お楽しみに[わーい(嬉しい顔)]


    新着情報 エペルネのペリエ ジュエが『シャトー・ペリエ』をオープン
        エミール・ガレのランプ

2018年に訪問した折、7代目シェフ・ド・カーヴのエルヴェ・デシャンさんに「エミール・ガレのオリジナル ベル・エポックボトルが置いてないのはなぜですか?」と質問した時、「今、美術館を建設するための工事をしているので、別の場所に保管してある」とのお答えがありました。

その美術館はすでに完成し、今春、オープンする予定でした。でも、COVID-19の拡大で、延期になり、今月(2020年11月)オープンすることになったようです!
[NEW]追記:フランスのロックダウン(2020年11月)により、開館は来年に延期との連絡がありました。「お楽しみはコロナ後」ということで、今は気長に待ちたいと思います。

輸入元ペルノ・リカール・ジャパン、マーケティング本部の湯川伸之ブランドマネージャーに確認したところ、
(1) 正式名は「シャトー・ペリエ」
(2) フランス最大級の考古学のコレクションを誇る美術館 約80,000点
(3) シャンパーニュの歴史に関するコレクション 約6,000点
(4) 一般の方も見学可能
との回答をいただきました、素敵です!!

元々は、メゾン創業者の息子で最高醸造責任者だったシャルル・ペリエが所有していたシャトーです。1930年にエペルネの町に譲渡されていましたが、約30年前から居住者不在となり、4年前からリノベーションすることになりました。そして今回、「シャンパーニュと考古学の美術館」としてオープンすることが決まりました。公式な画像が届きましたら、追加しますね。

本来なら、今週はシャンパーニュツアー中だったので、来年に延期したツアーで、お邪魔したいと思っています。シャンパンラバーの皆さまも是非訪問なさってみてください!!

2020年10月22日

半年ぶりに再開したNHK文化センターのシャンパン講座、2クラスにわけてGo!!!

 シャンパンで笑顔の再会!

 コロナ禍で4月から9月まで休講になっていたシャンパン講座再開
 講座生の皆さんと笑顔の再会ができました[わーい(嬉しい顔)]
 今期 (10月~3月) は密を避け、【現行クラス】と【増設クラス】に分けて開講
 10月14日と21日は、醸造の違いを利き比べていただくため、2メゾンにフォーカス


 講座で使うグラスは、消毒の必要もあり、リーデル本店からレンタル
 香り&味わいの面からも好評でした!

   11月に訪問予定だった2メゾン
   ジル・ドゥ・バスティエール社長


 セバスチャン・ル・ゴルヴェ醸造責任者


                第1フライト
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     9月に日本上陸したメッセージ・オン・ア・ボトル



#1:プランス メッセージ・オン・ア・ボトル エクストラ・ブリュット
生産者:ドゥ・ヴノージュ
ぶどう品種:PN35%、CH35%、M30%
ドザージュ:4g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元: ヴィレッジ・セラーズ
ドゥ・ヴノージュの造りのスタイルはステンレスタンクで発酵・醸造。#1はプランスシリーズの3品種ブレンドタイプ、ドザージュ量4g/Lのエクストラ・ブリュット。48ヶ月以上瓶熟させていることでオリ由来の旨味が、糖分添加の少ない酒質に反映し、味わいにふくらみ感が出ていて好印象。
1858年オランダ王室オラニエ公 (王大使) へのオマージュとして造られた“キュヴェ・ド・プランス”に由来するNVプレスティージュ

 #2:エスプリ・ナチュール
 アルゴンヌ産木樽、テラコッタ製卵型タンク

生産者:アンリ・ジロー
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:7,000円(税別)
輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン
木樽のみで発酵・熟成。50%のリザーブワイン(1990年からのソレラ)をブレンド。3アイテムの中で一番濃い目、輝きのあるゴールドカラー。香り華やか、爽快感もあり、味わいふくよか。南国フルーツ、ミネラル、スパイス(生姜、白胡椒等)、パンデピス、ビスケット、アーモンド、ナッツ

#3:プランス ブラン・ド・ブラン
生産者:ドゥ・ヴノ―ジュ
ぶどう品種:CH100%/ベースワイン2015年/リザーブワイン2014年20%
ドザージュ:6g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
白ぶどう100%で造るブラン・ド・ブラン。色調は淡いイエロー。フローラルで白い花のイメージ、石灰由来のミネラル。酸はシャープで、舌の両サイドを軽く刺激する溌剌感(リンゴ酸)、余韻に広がるビターなニュアンス



               第2フライト
        6月25日発売のオマージュ・オー・ピノ・ノワール



#4:オマージュ・オー・ピノ・ノワール
生産者:アンリ・ジロー
ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:7g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン
アンリ・ジローのニューフェイス。アイ村産のピノ100%、黒ぶどうだけで造るブラン・ド・ノワール。リザーブワイン40%。2~3年使用したオークの小樽で10~12ヶ月熟成させてから、さらに6ヶ月間熟成させ、その後、36ヶ月余りの瓶熟。濃い目のイエロー、果実味豊かで、蜂蜜や黒糖、ミネラル、ロースト風味、温度の変化で香りにも味わいにもふくよかさが広がるので、ピノ・ノワールグラスで楽しむのも一興。

#5:プランス ブラン・ド・ノワール
生産者:ドゥ・ヴノ―ジュ
ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:6g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
#4と同じブラン・ド・ノワール。発酵も熟成もステンレスという点に加え、フレッシュでエレガントなヴェルズイのピノ80%と軽快かつ繊細なレ・リセのピノ20%を使っていることもあり、#4を男性的と表現するなら、こちらは女性的なイメージ。赤い果実、柑橘果実、果実の甘さと酸味のバランスが良く、講座生のコメントも上々。私もプランスシリーズでは、このブラン・ド・ノワールが好きです!

        #6:フュ・ド・シェーヌ マルチヴィンテージ

        生産者:アンリ・ジロー
        ぶどう品種:PN80%、CH20%
        ドザージュ:7g/ L
        価格:29,000円(税別)
        輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン

アイ村のピノとシャルドネを使用。アルゴンヌ産の樫の木から造られた樽で発酵、長期熟成 (80%新樽)。リザーブワイン30%。色調は光沢あるゴールド、気泡はワインに溶け込み口中スムーズ。厚味があり、酸味は凛としていて、長期熟成が期待できる印象。熟した黄桃、ドライフルーツ、果実の砂糖漬け、ナッツ、塩味、ロースト風味


 オリジナルのデグラフェール
 アンリ・ジロー・ジャパンの佐藤ジェネラルマネージャーからの[プレゼント]
 フュ・ド・シェーヌの栓はアグラフ(ホチキスの意味)
 それを開けるためのオリジナルオープナーがデグラフェール


 シャルドネの畑は

14日の講座時、「シャルドネの畑はどこにあるのですか?」との質問がありました。
セバスチャンさんが来日した2年前に、メニューの裏に書いていただいた地図があることを思い出したので、載せておきます。アンリ・ジローの拠点アイ村にある畑で、丘を下ったマルヌ川に近いエリアにシャルドネを植えています。南向きで日照が良く、川から涼しい風が吹き、朝晩 寒暖差があるので、酸の乗りも良く、特に天候に恵まれた年のぶどうは素晴らしいとのことです。ピノ・ノワールの畑は丘の上に位置しています。


 アンリ・ジロー自慢のピノ・ノワール畑


 三密を避けて
  事務局から配布されたフェースシールド、講座時、要着用なので、お忘れなく!

2020年09月01日

追加情報 秋期『オーダーメイドなシャンパンレッスン』 増設クラスのお知らせ!

  秋期シャンパン講座増設

8月20日(木)から募集を開始した秋期講座は、三密を避け、安心して参加いただく為に、
◆1テーブル1名席 
◆マスク&フェイスシールド着用
◆グラスは要消毒のため、リーデル本店からレンタル
を徹底することにしています。
それで、今回は全体の流れを見て、2講座開設することになりました

追記: 現行&増設クラスとも満席になりました、ありがとうございます[わーい(嬉しい顔)]

現行クラス

は基本的に第4週水曜日
[NEW]増設 オーダーメイドなシャンパンレッスン  ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
開催6回/毎水曜日(基本的に第3週)/19時~21時 
◍10月14日(第2週) 
◍11月18日 
◍12月16日 
◍1月20日 
◍2月17日 
◍3月17日 
詳細はコチラ

から

◆NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
受付時間は月曜日~金曜日 9:30~20:00 (土曜~17:30、日曜~16:00) 


        
      [NEW]ブラピのロゼ・シャンパーニュ『フルール・ド・ミラヴァル

       発売日:2020年12月1日(火)
       使用ぶどう:シャルドネ75%、ピノ・ノワール25%
       希望小売価格:60,000円 (税別)
       総生産量:20,000本  日本への入荷数非公開
       輸入元:ジェロボーム 電話03‐5786‐3280


         本日公開されたプレスリリース  クリックで拡大

シャンパンメゾン ピエール・ペテルス

はコート・デ・ブランのメニル・シュル・オジェ村を拠点にしているレコルタン・マニピュランRM(ぶどう栽培から瓶詰まですべて自社で行うメゾン)で、栽培しているのは白ぶどうのシャルドネのみ、ブラン・ド・ブランの秀逸な造り手として知られています。

ロゼ・シャンパーニュに関しては、2009年にロドルフ・ペテルス当主の愛娘アルバンヌの名を冠したアイテムを初めて発売しました。ロゼに使っているピノ・ムニエは親戚が生産しているぶどうと、自分が造っているシャルドネを“物々交換 (ここがポイント、購入ではなく交換)”していると、当主自ら語っていました。RMは購入ぶどうが使えないからです。

今回発表されたブラピの『フルール・ド・ミラヴァル』には、25%のピノ・ノワールが使われています。黒ぶどうを栽培していないペテルスが、どこのピノを使用しているのか・・・疑問でした。
購入ぶどうを使っているなら、ネゴシアン・マニピュランNMになりますし、厳格な規制でシャンパーニュを統制しているCIVC(シャンパーニュ委員会)が認可しないはずです。

輸入元ジェロボーム様によると、プレスリリースに記載してある事柄以外は、非公開とのことだったので、CIVCに伺ってみました。
その結果、わかったことは、ピエール・ペテルスは従来通りRMですが、ブラピのシャンパンは、NM (ナンバーはNM-672-001 / 表ラベルの下部に記載義務あり) として登録されているとのこと。プレスリリースにあるメゾンが、当主のロドルフ・ペテルスになっているので、ピエール・ペテルスがメゾンNMとして設立した別ブランドという体裁を取ったようです。これで、ピノの件、納得できました。

2018年の9月、シャンパン講座でピエール・ペテルスにフォーカス

しました。その時に、リザーヴワイン(1988年からソレラでストック)だけで造った『キュヴェ レゼルヴ ウブリエ ブラン・ド・ブラン』を体験しました。20年以上にわたるワインの複雑味は素晴らしいものでした!
フルール・ド・ミラヴァルに使っているシャルドネは、メゾンの核を成すソレラによるものだと思いますし、ピノ・ノワールはセニエで色を抽出しています。ミラヴァル・コンビ&ペテルスのコラボがどのようなロゼ・シャンパーニュを造り出したのか、すごく興味ひかれます!

2020年08月20日

NHK文化センター青山校 秋期(10月~3月)シャンパン講座、本日から募集開始です!

[NEW]シャンパン講座@NHK文化センター青山校


お待たせしました!
春期はコロナ禍で、全講座が休講になっておりましたが、秋期は感染対策に配慮しながら再開することが決まりました。半年振りになるのでとても嬉しいです!
◆1テーブル1名席 
◆マスク&フェイスシールド着用 
◆グラスに関してはリーデル青山本店からのレンタル ( リーデル レストラン リースリング)
使用グラスは消毒の必要があるので、今期は安心・安全を考え、レンタルすることになりました。ゆえにグラス洗浄の手間が省けます。

コロナ渦中、蓄えてきたエネルギーを発散すべく、参加者の皆様を大いに刺激したいと考えています。
引き続き、お付き合いのほど、宜しくお願いいたします。

オーダーメイドなシャンパンレッスン  ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
開催6回/毎水曜日 (基本的に第4週) /19時~21時
満席、ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]
◍10月21日(第3週) 
◍11月25日 
◍12月23日 
◍1月27日 
◍2月24日 
◍3月24日 
講座の詳細はコチラ



[NEW]追記:秋期講座増設クラス
開催6回/毎水曜日(基本的に第3週)/19時~21時 
満席、ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]
◍10月14日(第2週) 
◍11月18日 
◍12月16日 
◍1月20日 
◍2月17日 
◍3月17日 
講座の詳細はコチラ

から

QRコードからアクセス

◆NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
受付時間は月曜日~金曜日 9:30~18:00 (土曜~17:30、日曜~15:00) 


追記: 2020年シャンパーニュの最新状況 by シャンパーニュ委員会日本事務局
お祝いの象徴ともいえるシャンパーニュにとって、COVID-19が及ぼした影響は甚大で、出荷量が激減しています。そのようななか、今年の収穫量について、ぶどう栽培家とメゾンは8,000㎏/㌶(=2億3,000万本分)にすることで合意しました。
ぶどうの作柄は干ばつにより比較的少量ですが品質は良好。収穫は8月17日から始まりました。これは過去10年の平均より2週間早いと言えます。手摘み収穫が義務付けられていて、毎年約10万人の季節労働者を必要としているシャンパーニュなので、コロナ禍中における健康管理の対応が当面の課題。
https://twitter.com/Champagne/status/1295698246841569280

2020年08月01日

シャンパン講座番外編@日比谷松本楼で久々に楽しいひとときを満喫!


コロナの余波で、NHK文化センターのシャンパン講座は、上半期(4月~9月)すべて休講。そこで、巣ごもり状態で、シャンパンを飲む機会が減ってしまった講座生の皆様を刺激すべく、番外編

を企画、実行しました。
サポートくださったのは日比谷・松本楼の小坂文乃社長です!


 都会のオアシス日比谷公園
 樹々の緑、噴水はいつもと同じたたずまい


             会場はボア・ド・ブローニュ
           公園内にある日比谷松本楼の3階で


 三密対策完璧
 お席は向かい合わせではなく並列、隣席との距離にも気配りしていただき感謝!


 フラワーアレンジメントには文乃社長のセンスを感じます、素敵!


 シャンパン講座のためのスペシャルな飾りつけ


      最新情報を交えながら
      photo by Ayano セミナー前半は最新の話題とシャンパーニュ概論

 VINEXPO発のスパークリング情報
 出典: IWSR / VINEXPO

7月2日に VINEXPO がウェビナーを開催したので参加しました。番外編ではその折の泡もの動向についてお伝えさせていただきました。 2019年のけん引役はプロセッコ、ノン・アルコールは16.8%と最大の増加を記録。COVID-19によるオントレードの不振や年末に向けて第2波への懸念もあり2020年の消費は15%減の見込み。とは言え、市場は今後5年間でパンデミックで喪失した消費を回復と予想

 日本人は高価なシャンパンがお好き
 出典:CIVC

シャンパーニュの輸出相手国を見ると、日本は数量&金額ともに第3位に位置していますが、金額面では、プレステージシャンパンの比率(33%)が多く、NVが多い第4位のドイツと比べると面白い対比になります。さらに日本は、ドザージュ量の少ないタイプも人気です。

 後半は待望のブラインドテイスティング
  右~左の順に供出/すべてフルート型グラスで統一
  まずは、ヒントなしで、5グラスを試飲していただきました。


       ドリンクス・インターナショナル2020
       クリックで拡大

番外編のために用意したのは、英国の飲料専門誌ドリンクス・インターナショナルの『World's Most Admired CHAMPAGE Brands 2020』のベスト5のシャンパン。毎年 同誌のランキングを注視していますが、ブレがない点を信頼しています。
750mlを2本だと、熟成具合に差が出ることがあるので、理想形のサイズ、マグナムにしました。メゾンの順位は1位からルイ・ロデレール、シャルル・エドシック、ポル・ロジェ、ボランジェ、クリュッグとなっています。
参考:2019年は1位ポル・ロジェから順にクリュッグ、ルイ・ロデレール、シャルル・エドシック、ボランジェ

 5メゾンについての解説

皆様に各メゾンの造りの特徴と現行マグナムのデータをお伝えしてから、5グラスを再度試飲していただき、どのグラスがどのメゾンに該当するか、“シャンパン神経衰弱”をしていただきました。

 5アイテムの供出順は
  右から左の順でサービスしました。

#1: 3位 ポル・ロジェ ブリュット・レゼルヴ/ 税別価格 16,500円/輸入元 ジェロボーム
創業1849 年、自社畑90㌶、シェフ・ド・カーブはダミアン・カンブル
ぶどう品種:PN、CH、M各3分の1。ステンレスのみ使用。ベースワインは2014主体、2013、2012、2011を使用。リザーヴワインは直近3年、比率は25%程度。熟成期間は最低4年、MLF実施、ドザージュ量8~9g/L
5アイテムの中で一番果実味があり、フレッシュ感と旨み、余韻の広がり、バランス秀逸、素直に美味

#2: 2位 シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴ/ 同 20,000円/同 日本リカー
創業1851年、自社畑45㌶、シェフ・ド・カーブはシリル・ブラン
ぶどう品種:PN、CH、M各3分の1。ステンレスのみ使用。ベースワイン60%は2013、リザーヴワイン40%は平均10年以上のVT、レギュラーとマグナムの熟成期間は若干異なる。デゴルジュマン 2018年、ドザージュ量11g/L
参考: 現行レギュラーサイズのベースワインは2014、デゴルジュマンは2019年
#1と比較すると大人びた印象、酸味とミネラル、ヘーゼルナッツ、ドライフルーツ、時間の経過で重厚さ

#3: 5位 クリュッグ グランド・キュヴェ #163/ 同 67,000円/同 モエヘネシーディアジオ
創業1843年、シェフ・ド・カーブはジュリー・カヴィル
ぶどう品種:PN37、CH32、M31。ベースワインは2007年主体(73%)、最も古いのは1990~最も若いのは2007。リザーヴワインは11の異なるVTの145のワインを使用。2011年から裏ラベルに6桁のクリュッグiDが印字されているので入力すればボトル情報がわかるシステム
色調は一番濃いイエロー、他の4アイテムとは異なるアロマ、ロースト香、コーヒー、スパイス、アプリコット似の酸味、ふくらみのある余韻。コルクの締まり具合から熟成の長さが理解できる。

#4: 4位 ボランジェ スペシャル・キュヴェ/ 同 19,000円/同 アルカン
創業1829 年、自社160㌶、シェフ・ド・カーブはジル・デコート
ぶどう品種:PN60、CH25、M15。ベースワインは2015主体、6種以上の異なるVTを使用。リザーヴワインはさらに古いワイン(5~15年のマルチVT)、マグナムボトルで保存。レギュラーとマグナムの熟成期間は澱引きや作業により若干異なる、MLF実施、ドザージュ量8~9g/L
気泡繊細、口中滑らか、フレッシュ感と複雑味、ミネラル、クルミ、ヘーゼルナッツ、スパイス、バランス良好

#5: 1位 ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエ/ 同16,000円/同 エノテカ
創業1776年、自社畑240㌶、シェフ・ド・カーブはジャン・バティスト・レカイヨン
ぶどう品種:約PN40、CH40、M20。ベースワインは2014、2015、2016。リザーヴワインの比率はVTによって25~30%、現行NVは35%。大樽で保存。レギュラーもマグナムも熟成期間は3年、MLFはベースのVTに依るが非公開事項、ドザージュ量9g/L
#1と同じく淡いイエロー、塩味、透明感のある酸味、中盤以降広がる清涼感と旨み、木樽のニュアンス(リザーヴワイン由来)、長い余韻


  山田シェフ自慢のオードブル

(上段左から時計回りに)
a:ノルウェーサーモンのミキュイ ヴェルジュ風、ライムの香り
b:フォアグラとルバーブのコンフィチュール、バニュルスワインゼリー
c:穴子とからすみのロール巻き バルサミコ風味
:高知四万十川 天然鮎の蓼焼きとなすのマリネ
e:八丈島 海風きのこ(しいたけ、きくらげ)のグレックマリネ(中央)

 マリアージュ体験

aのサーモンやの鮎やマリネはポル・ロジェ
bのフォアグラはシャルル、ボランジェ、ルイ・ロデレール
cの脂分と酸味はルイ・ロデレール
eのきのこやきくらげは樽使いのクリュッグやボランジェ
eのマリネはルイ・ロデレール
aのサーモンの下のライムはポル・ロジェ
bのフォアグラに添えてあったほおずきはシャルル
それぞれの食材の要素や調理によって醸し出される味わいに合せて、各シャンパンを合せて楽しみました。ご馳走様でした!!


 5メゾン正解したお三方!
  photo by Ayano

参加メンバー24名中、全問正解だったのは、秋山さん、吉田さん&吉井君
データを参考にしながら推測してくださったと思いますが、各メゾンの個性を理解してくださっていたお三方はさすがです! 

          私からのささやかなプレゼント

7月はアカデミー賞を受賞したコッポラ監督の映画『地獄の黙示録』に絡むワインの記事を、月刊HiVi誌に書いたところだったので、全問正解者には、アカデミー賞繋がりのアイテム、受賞式でふるまわれているパイパー・エドシックのシネマ・エディションをプレゼントしようと決めてました。おしゃれな限定ボトルです。

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  photo by Ayano

最終的にじゃんけんで勝者になった吉井君。彼は私と文乃さんとのご縁を繋いでくれた張本人。いろいろな意味で嬉しくなりました、おめでとうございます!

 マスク着用で全員集合

ガイドラインを遵守して開催した番外編講座!
マスクをしていても、口元はハッピースマイル
皆さんの目も笑っているのがわかります[わーい(嬉しい顔)]

コロナ禍中ゆえに、気をつけなければならない事柄は多かったのですが、この3ヶ月で、注意すべきことがかなりわかってきたので、それらを徹底することで、束の間の息抜きはできると思っています。
ご参加くださった皆様に心から感謝するとともに、素晴らしいサポートをしてくださった松本楼の小坂文乃社長、サービスの高橋ソムリエ、スタッフの皆々様、本当にありがとうございました。

全員が手にしているグラスの中身は、ドリンクス・インターナショナル2019で首位だったポル・ロジェ、文乃さんからのお心尽くしでした、ご馳走様でした!

 5月の会のメンバーで
 10年以上続いている5月の会、朋友吉井君と愛妻利恵さん、文乃さんがメンバー

 元気が出るイエローで〆

酒質の素晴らしいシャンパンで五感を刺激することができて、とても嬉しく思いました!
NHK文化センター青山校のシャンパン講座下半期(10月~3月)は開講できる予定なので、これからも奥深いシャンパンの世界を探求していきたいと思っています。
引き続き、何卒宜しくお願いいたします。
皆様、くれぐれもご自愛くださいませ!!

2020年03月29日

下半期最終講座は秀逸なピノ・ムニエの造り手『ジョゼ・ミシェル』の7アイテムを探求

 下半期はレコルタン・マニピュラン(RM)で〆

NHK文化センター青山校は15日まで休講措置を取っていましたが、それ以降は開講となったので、下半期最後となる25日のシャンパン講座は予定通り実施できました。事前に講座生の皆さんに体調のチェックをお願いし、教室では、座席の配置、換気、サービス面ではボトルの扱い等、今まで経験したことのない気配りを徹底。無事に終了することができてこころから安堵しています。

 供出アイテムを鳥瞰

 #1:ジョゼ・ミシェル ブリュット・トラディションNV
 #2:ジョゼ・ミシェル ブリュット・ピノ・ムニエNV
 #3:ジョゼ・ミシェル ブリュット・ロゼNV マグナム
 #4:ジョゼ・ミシェル ブリュット・グランド・ヴィンテージ2011
 #5:ジョゼ・ミシェル ブリュット・スペシャル・クラブ2012
 #6:ジョゼ・ミシェル ブリュット・スペシャル・クラブ2013 マグナム
 #7:ジョゼ・ミシェル ラ・キュヴェ・デユ・ペール・ウダール


           1847年創業のメゾン『ジョゼ・ミシェル』
       画像提供:ラシーヌ

1月に来日したシャンパンメゾン『ゴッセ

』のシェフ・ド・カーヴのオディロンさんに、「今まで味わったなかで、最も印象的だったシャンパンは?」と質問してみました。その折、「ジョゼ・ミシェル・エ・フィスの1923年VT (ムニエ100%、ノン・マロ、デゴルジュマン1926年、試飲年1993年) との回答だったので、久々にRMのメゾンに注目してみました。日本では (株) ラシーヌが扱っています。

  画像提供:ラシーヌ

シャンパーニュ地方のムッスイ村に位置する『ジョゼ・ミシェル・エ・フィス』は初代ポール・ミシェル(1860~1936)が1912年にぶどうを収穫して最初の瓶詰を実施。2代目レイモン・ミシェ(1902~1971)は醸造方法を開発しシャンパーニュの生産量を増大させました。現当主ジョゼ・ミシェル(1955~現在)はシャンパーニュ造りにおいて3品種を適合させた品質に注力しました。次期当主の息子ブルーノは1980年からメゾンに参画し、初代から培ってきたノウハウを伝承し、ワイン醸造の責任者としてメゾンをサポートしています。

 画像提供:ラシーヌ

自社畑は21㌶で、栽培品種はピノ・ムニエ10㌶、シャルドネ8㌶、ピノ・ノワール3㌶。平均樹齢は30年で区画によっては超50年。土壌は粘土石灰質、栽培はビオロジック、HVE (環境価値基準) 取得。醸造は木樽およびステンレスタンクを用いた伝統的製法。年間生産本数9万本。



  第1フライトはNV比較

 #1:ブリュット・トラディションNV
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ70%、シャルドネ30%
 ドザージュ:9g/L
 価格:4,900円(税別)
 淡いイエロー、柑橘系果実のアロマ、ジンジャー、GFの内果皮似のビター感、塩味、クリーミー、樹齢1970年代

 #2:ブリュット・ピノ・ムニエNV
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
 ドザージュ:10g/L
 価格:5,200円(税別)
 黒ぶどうの果皮由来の色調、フレッシュ&フローラル&フルーティー(夏みかん)、第1フライトの一番人気

 #3:ブリュット・ロゼNV マグナム
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール50%/セニエ方式
 ドザージュ:9g/L
 価格:13,000円(税別)
 オレンジを含むロゼ色、アセロラ、ピンクペッパー、ロースト、スパイス、若干のタンニン、樹齢1982年
 料理のイメージとしては牛フィレを塩で調理、舌の上に広がる脂分を洗い流してくれるタンニンが魅力!

 


 第2フライトはヴィンテージ
 #4:ブリュット・グランド・ヴィンテージ2011
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ムニエ40%
 ドザージュ:8g/L
 価格:7,000円(税別)
 気泡繊細&活発、果実の豊潤さ、りんご、GF、ミネラル、中盤以降の酸味の広がり、酒質良好

スペシャル・クラブとは
シャンパーニュ地方の旧家出身のワイン醸造家12名が1971年に設立した『クラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュ』は自分たちが造る上級キュヴェを通じて、シャンパーニュの独創性を表現しています。特別なワイン=素晴らしいヴィンテージ造りを旨とし、定められた醸造憲章に従い、特別のボトルに瓶詰めしてリリースしていますが、エノロジスト等の専門家による官能検査に合格したシャンパーニュだけが『スペシャル・クラブ』として認められています。当初12名からスタートした同クラブには、ジョゼ・ミシェル、ポール・バラ、ピエール・ジモネ、ジャニソン・バラドン他、現在32名が加盟しています。


 #5:ブリュット・スペシャル・クラブ2012
 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ムニエ40% 
 ドザージュ:8g/L
 価格:8,800円(税別)
 イエロー、ストーンフルーツ、りんご、白い花、ミネラル、安定した酸の広がり、熟成感、樹齢1920年代

 #6:ブリュット・スペシャル・クラブ2013 マグナム
 良年だけ造られるスペシャル・クラブ、独自のオリジナルボトルでリリース!

 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ムニエ40% 
 ドザージュ:8g/L
 価格:17,200円(税別)
 メゾンのフラッグシップをマグナムで! イエローベージュ、第2フライトの中では一番香り控え目
 穏やかな酸化のニュアンス、アカシア、白カビチーズ、パンデピス、木樽の軽いビター感、広がりのある味わい

  第3フライト
  #7:ラ・キュヴェ・デユ・ペール・ウダール ブリュット・アッサンブラージュ
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 生産者:ジョゼ・ミシェル・エ・フィス(RM)
 ぶどう品種:ピノ・ムニエ40%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ20%
 ブレンドVT:1971、1975、1982、1984、2011の5ヴィンテージ
 ドザージュ:4g/L デゴルジュマン:2014年3月12日
 価格:12,200円(税別)
 黄金色、クルミ、杏や黄桃のコンフィ、蜂蜜、ロースト、焙煎香、スパイス、温度変化で複雑味、クリーミー

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  製品についてのお問い合わせは(株)ラシーヌ/Tel 03-6261-5125

2020年03月07日

2月のシャンパン講座、ハイライトはゴッセ究極の『セレブリス セレブリッシム1995』

  ゴッセの魅力全開!!

今年最初の取材メゾンはゴッセでした。
1月に来日した醸造責任者のオディロン・ド・ヴァリーヌさんと輸出担当マネージャーのカリナさんが語ってくださった内容はオディロン・ド・ヴァリーヌ醸造責任者が語ったシャンパーニュ『ゴッセ』の魅力

にまとめてあります。


        出典:テラヴェール(拡大可)


 シャンパン講座では5アイテムを供出

新型コロナウイルスのワクチンや検査キット等の安心情報が無い状況下なので、2月の講座は半数くらい欠席かしら・・・と危惧していたのですが、シャンパンラバーの皆さま(仕事の都合で1名欠席)と笑顔で再会できました。ありがとうございます!
2月26日に行った回ではオディロンさんから伺った超フレッシュな情報と今まで知られていなかったゴッセのこだわりについて講座生の皆さんにお伝えしました。

ゴッセのシャンパンのなかで、MLFをしているアイテムが1つだけあります。それは『エクストラ・ブリュット(最低36ヵ月の瓶内熟成)』で、理由は“リンゴ酸を生かすためには長熟させることが肝要”なので熟成36ヵ月では、それが表現できないという考えだからです。リザーヴワインに関しては14年前は16%、近年は8~12%なので、他のメゾンと比べて圧倒的に少ないのが特徴。あくまでスパイス的、穴埋め的に使用しています。ドザージュ量は温暖化の影響で近年減少傾向になっています。

  第1フライト



#1:ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV マグナム
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、シャルドネ45%、ムニエ10%
ドザージュ:7g/L
価格:18,000円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、アンボネー、ル・メニル・シュル・オジェ。色調はレモンイエロー、白桃、スモモ、柑橘系果実のアロマ、ロースト風味、ふくらみのある余韻と綺麗な酸味

#2:ゴッセ グラン・ブラン.・ド・ブラン・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
価格:11,000円(税別)
主要生産村GCはアヴィズ、シュイイ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、トゥール・シュル・マルヌ。「コート・デ・ブランのシャルドネの繊細さとモンターニュ・ド・ランスの骨格をブレンドすることでゴッセ独自のブラン・ド・ブランに仕上げています」とオディロンさん。白い花、アプリコット、スモモ、かりん、柑橘系果実のアロマ、グレープフルーツの内果皮(軽いビターさ)、ミネラル、#1より口中すっきり、エレガント

#3:ゴッセ グラン・ロゼ・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%、ブレンド用赤ワイン8%
ドザージュ:8g/L
価格:9,800円(税別)
主要生産村GCはアンボネー、ブージー、ヴェルズネー、アヴィズ、シュイイで、ブレンド用の赤ワインはブージー、アンボネー。色調はオレンジ色を含んだサーモンピンク、木苺のようなフレッシュさ、バラ、コンフィや熟したイチゴ、スパイス、若干のタンニン、全体を引き締める爽やかな酸味

 第2フライト



#4:ゴッセ グラン・ミレジム・ブリュット2006
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール56%、シャルドネ44%
ドザージュ:6g/L
価格:9,800円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、ルーボワ、アンボネー、アヴィズ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ。「2006年は良質のピノ・ノワールに恵まれたので、熟度の高いピノ由来の豊かな果実味と長期の瓶熟による凝縮感を楽しんで欲しい」とオディロン氏。イエローゴールド、気泡はワインに溶け込み口中クリーミー、蜜を含んだりんご、洋梨、スモモ、プラム、焙煎香、アールグレー、余韻に持続性のある酸味

#5:ゴッセ セレブリス“セレブリッシム1995
生産者:ゴッセ(NM)/生産量1,000本
ぶどう品種:ピノ・ノワール54%、シャルドネ46%
ドザージュ:8.5g/L
価格:70,000円(税別)
主要生産村GCはアイ、ブージー、ヴェルズネー、アンボネー、アヴィズ、クラマン、ル・メニル・シュル・オジェ。10年間シュル・リー、その後澱抜きをしてさらに10年以上熟成させた特別なアイテム。かりん、アカシア、ハーブやスパイス、バルサミコ、クルミ、層になって広がる長い余韻。フレッシュかつ時間の経過で複雑味と旨み。ゴッセが求めるスタイルを表現した逸品。

  新潟の食用菊を使った押しずしとのマリアージュ

講座の前日、酒類界の重鎮 戸塚昭先生の引率で親しいワイン仲間と新潟の久須美酒造

を訪問してきました。久須美社長自らご案内くださった日本酒造りとその後のフレンチとのマリアージュランチは本当に素晴らしい体験でした。これらのリポートは改めてブログにアップいたします!

新潟はおいしい食材にあふれています。
帰路、久須美社長に「新潟ならではのお土産を探しています。明日のシャンパン講座で楽しめるものはないですか?」と相談してみました。そこで、揃えたくださったのが、ホテルニューオータニ長岡 胡蝶の菊鮭寿し

、お米も銀鮭も食用菊もすべてが新潟県産の特産品です、素敵!

講座ではおいしい時間になりました。
多くの講座生を納得させたマリアージュは菊鮭寿しとロゼ! 鮭のピンクとはもちろん色でも良く合いますが、お寿司のハーブ系要素、程良い塩味、すし酢等がリンゴ酸を生かしたシャンパンとバランスが良く、何より、赤ワインに由来するタンニンが口中を綺麗に洗い流してくれました。さすがロゼのスペシャリストを自負するゴッセ。久須美社長のお気遣いにも改めて感謝いたします!!
菊鮭寿し誕生の由来は、2011年11月に日経新聞に掲載されていた食用菊の押し寿し開発ニューオータニ長岡

をご覧くださいませ。人気の限定製品なので売り切れてしまうこともありますが、シャンパンと楽しめる新潟県のお土産としてお薦めできます。

 一期一会のアイテム『セレブリッシム1995』

ゴッセがメゾン初のアイテムとしてリリースさせたセレブリッシムについて、ワインのこころ

で紹介していますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。セレブリッシムの次なる登場がいつになるのか、どのヴィンテージになるのか、今の段階では未定なので、この1995年を見つけたら買いですよ!!

[ダイヤ]製品についてのお問合わせはテラヴェール(株) TEL 03- 3588-2415

2020年02月19日

本日からNHKカルチャー春講座『オーダーメイドなシャンパンレッスン』募集開始

[NEW]シャンパン講座@NHK文化センター青山校


2月19日から春講座の募集が始まりました!!
オーダーメイドなシャンパンレッスン

 ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 
開催日時
◍4月22日 休講
◍5月27日 休講
◍6月24日 休講
◍7月29日 休講 
◍8月26日 休講
◍9月30日 休講
追記(2020年6月12日) 飲食を伴う講座は9月まで休講と決まり、とても残念です[もうやだ~(悲しい顔)]
下半期10月から気分を変えてGo!!


ありがとうございます!
キャンセル待ちになりました[わーい(嬉しい顔)]

QRコードでNHKカルチャーにアクセス
WEBでのお申込みなら春のHP入会金半額キャンペーン実施中(4/28迄)
詳しくは事務局にお問い合わせください。









◆NHK文化センター青山校 電話 03-3475-1151
受付時間は月曜日~金曜日 9:30~20:00 (土曜~17:30、日曜~16:00)

2020年01月23日

今年の初講座は “真っ白な気分” でブラン・ド・ブランを堪能

シャンパン講座は白=シャルドネからスタート

昨年12月、講座生の皆さんから、リクエストされたアンリオの『キューヴ38』
オーダーメイドなシャンパンレッスンにふさわしい豪華なアイテム
アンリオ話題として、4月1日に新セラーマスターとしてアリス・テティエンヌ女史が就任します!


photo by Fumiko (2019年11月)
467hlの大容量タンク (名称: キューヴ38)は1990年以降のリザーヴワインが継ぎ足されています。

アンリオが所有する18世紀のシャトー

photo by Fumiko (2019年11月)
コート・デ・ブランのピエリー村にあるシャトー・レゼルノワは1771年にルイ15世の顧問兼財務大臣アーノルド・デラプラスが購入したシャトーとして知られています。


photo by Fumiko (2019年11月)
完璧なシンメトリーのフランス式庭園
建物の正面には村々やぶどう畑、後方にはバラやシャクヤクが植えてある庭園が見えます。



 第1フライトはシャンパンvsカリフォルニア

第1フライトは(左から)#1#2#3
第2フライトは#4

 複雑味を備えたピエール・ぺテルス

#1:キュヴェ・ド・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ マグナム
生産者:ピエール・ペテルス

(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6~7g/L
価格:17,000円(税別)
輸入元:(株) nakato
ポテンシャルの高さを示すメゾンの顔、酵母、ブリオッシュ、バター、蜂蜜等、様々な要素が広がり、口中なめらか、果実味と厚味、時間の経過で香りや味わいに重厚さが増す印象。長い余韻。ブルゴーニュ型のグラスで試したい気分! 10名の講座生が支持。

[NEW]講座用のアイテムを注文した、まさにその日のワインスペクテイター誌に興味ひかれる記事が載っていました。マーク・ぺラン氏がコンサルタントをしているブラピとアンジーのミラヴァルが次なるチャレンジとしてプレミアムなロゼシャンパン

を造るという内容です。動画でもペラン氏は「ロゼだけに特化する」と語っています。

相手方のシャンパンメゾンはピエール・ペテルス、講座で取り上げたメゾンです。当主の3代目ロドルフ・ペテルス氏とロゼ・シャンパン造りに着手しているようです。ペテルス氏は4年前、故ポール・ポンタリエ氏の息子ティボー・ポンタリエ氏とのコラボ

で、蛸の絵柄のシャンパンをリリースしたことがあります。
ピエール・ペテルスはシャルドネのメゾン。もちろんロゼも造っていますが、以前の来日で、「黒ぶどうは親戚から購入している」と語っていました(メゾンの形態はRM/本来購入ぶどうがある場合はNMですが、ロドルフ氏は「親戚のぶどうなので」ということでRMとのこと)
シャンパーニュ表示をする場合、製法や品種等、細かな規定があります。シャンパーニュ委員会 (CIVC) は厳しいチェックをしているので、ロゼ造りのための黒ぶどうの“入手ルート”も含めて、どのような成り行きになるのか、注目していたいと思います。


 ル・メニル・シュル・オジェの切れ感ドゥラモット

#2:ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン マグナム
生産者:ドゥラモット(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
価格:19,800円(税込)
輸入元:ラック・コーポレーション
気泡は繊細、淡いイエローで、石灰由来のミネラル、果実味、柑橘果実の内果皮似のビター感、時間の経過で香りに変化(他とは異なる香り)、5名の講座生が支持。


 ホワイトハウスで重用されているシュラムスバーグ

#3:シュラムスバーグ ブラン・ド・ブラン ノース・コースト2015 マグナム
生産者:シュラムスバーグ
原産地呼称:ノース・コースト/ナパ・ヴァレー
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:10g/L
価格:12,500円(税別)
輸入元:ワイン・イン・スタイル
シュラムスバーグのベストセラー、冷涼なエリアのシャルドネを厳選。甘さを予感させる香り、白い花、青リンゴ、アプリコット、真っ先に来るのは酸味でフレッシュさと果実味が後に続く。余韻は中程度。8名の講座生が支持。来日時のリポート

もご笑覧いただけましたら幸いです。


グラス、左から #1~#3
ドゥラモットが一番淡く、シュラムスバーグは25%の樽発酵が反映した若干濃い色調



#4:キューヴ38 5th Edition
日本先行販売の第5版
1990年から2011年までの22年分のリザーヴワインを2013年に瓶詰めし、約6年瓶熟

生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
4つのグラン・クリュ(シュイイ、アヴィズ、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ)
ドザージュ:3.5~3.9g/L
価格:105,000 円(税別)
輸入元:ファインズ
昨年11月のメゾン訪問で味わった第3版はクリスピーでいまだシャープな印象でしたが、ニューフェイス第5版のほうがソフトで丸みのある味わい、その違いがとても面白いと思いました。
色調はベージュのトーンを含む淡い黄金色、気泡はワインに溶け込み、口にした瞬間のインパクトは魅力。口中クリーミー、フレッシュバター、白い花、ミネラル、酸味のバランス、層になって広がるフレッシュさと旨み、余韻に軽いビター感。
講座生の皆さんをハッピーにしてくれたキューヴ38に感謝!


photo by Fumiko (2019年11月)
カーヴで瓶熟中のキューヴ38、毎年1,000本のみの希少アイテム

[イベント]ファインズ主催東関東大震災チャリティ試飲会が2月29日(土)13時30分~開催されます。ただいまチケット販売中です。詳細は https://www.fwines.co.jp/blog/2020/000259.html
今年は10回目となります。引き続き、応援よろしくお願いいたします。

2019年12月20日

2019年の締めは トゥール・エッフェル、レア・シャンパーニュ そして ブリュット・ナチュール・ロゼ!! プラス シャンパーニュ・ツアーのご案内

2019年に出会った秀逸なシャンパンたち

(左から) #1~ #5

今年もシャンパーニュ地方から素晴らしい方々が来日しました。11月初旬に行ったシャンパーニュ研修ツアーでは錚々たる皆様とお目にかかり、最新のお話を伺うことができました。そのような状況のなか、NHK文化センター青山校のシャンパン講座の一年の締めくくりとなる今回は、
#1ドゥ・ヴノーニュ プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV
#2レア・シャンパーニュ2006
#3レア・シャンパーニュ2002
#4レア・ロゼ2007
#5ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ロゼ フィリップ・スタルク2012
をテイスティングしました。

第1フライト
 
6月に来日したジル・ドゥ・ラ・バスティエール社長によってお披露目されたトゥール・エッフェル



#1:プランス・ブリュット・トゥール・エッフェルNV
ドゥ・ヴノージュからの協賛 感謝!
生産者:ドゥ・ヴノージュ

(NM)
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ各1/3ずつ
ドザージュ:6g/L
価格:15,000円(税別)
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
1889年のパリ万博の為に建てられたエッフェル塔完成から今年でちょうど130年。ベースワインは2013年、3品種を均等に使い、バランス良く仕上げたシャンパン。気泡繊細、柑橘系果実や青りんご、種の大きな洋梨やカリン、甘やかな蜜のニュアンス、酸味はソフトで、中盤以降グレープフルーツ似の内果皮のビター感。塩味、万人受けする飲みやすさ。ジルさんは「酸化が緩やかに進むボトル」とおっしゃっていましたが、酸がまるい印象だったのは瓶型の影響!?

10月のシャンパーニュ騎士団ドゥ・ヴノージュのブースで

ジルさんと輸入元Vのコーエン社長&中村専務、ワイン仲間の文乃さんとKodaさんと一緒。
私は来年の11月、ドゥ・ヴノージュにお邪魔してきます!

第2フライト

10月に来日したレア・シャンパーニュ

のシェフ・ド・カーヴ、レジス・カミュさん



#2:レア・シャンパーニュ2006
生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
ドザージュ:9.5g/L
価格:25,000円(税別)
輸入元:日本リカー
輝きのあるゴールド、香りは華やか、最初から開いていて、カリン、ジャスミン、カカオ、ドライアプリコット、味わいは豊潤でなめらか、中盤からの酸味と旨味、長い余韻、心惹かれるアイテム。仔牛のフィレ肉とラングスティーヌがお薦めのようです!



#3:レア・シャンパーニュ2002
生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
ドザージュ:9.5g/L
価格:25,000円(税別)
輸入元:日本リカー
少しマットなレモンイエロー、2006と比較すると“大人”びた印象、果実と酸味がバランス良く溶け合い、熟成による様様な要素(八角、ジンジャー、ジャスミン、クミン等)が魅力。カミュさんがおっしゃるように、食事に合わせて楽しみたいヴィンテージ。キャビアや帆立のカルパッチョ、鴨フォアグラのグリーンカレーがお薦めのようですが、確かに、試してみたくなります!!


個性の違いが楽しめた贅沢な比較試飲
「レストランで飲むなら2002年、カクテルパーティーで飲むなら2006年」とカミュさん。
講座生に好みのヴィンテージを聞いてみたところ、17対5(全員で23名、1名は遅れての参加だったのでカウントせず)で2002年好きが多かったです。私は若いヴィンテージながら酸のピュアさや燻し系のニュアンス、クリーミーさを備えた2006年が好きでした。

第3フライト


#4:レア・ロゼ2007
生産者:レア・シャンパーニュ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ56%、ピノ・ノワール44%、レ・リセの赤ワインをブレンド
ドザージュ:10~11g/L
価格:60,000 円(税別)
輸入元:日本リカー

グラスに注がれた瞬間からベリー系果実のバスケット(ストロベリー、野イチゴ、ラズベリー)、ハーブやエスニックスパイス、厚みがありながら、シームレス(継ぎ目がなくスムース)な味わい、肉厚、ボリューム感あり。メイン料理、ソースで工夫するより、スパイスに配慮した肉系がお薦め!


オレンジ色を含む濃いピンク、インパクトあり!


#5:ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール・ロゼ フィリップ・スタルク2012
Iizuka氏からの協賛、ありがとうございました!  


生産者:ルイ・ロデレール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール55%、シャルドネ20%、ムニエ25%
ドザージュ:0g/L
価格:15,000 円(税別)
輸入元:エノテカ
オーストリアのウィーンで造るゲミシュター・サッツと同じ製法(すべての品種を同時に収獲して同時に仕込む)。レカイヨンさんは「5日間、温度を8度に保ちながらロゼ色を抽出しました。ルイ・ロデレールのシャンパンは若すぎると言われることが多いのですが、このシャンパンは今飲んで十分に楽しめます」とおっしゃっていました。目を瞑って味わうとぶどうの糖分の豊かさ、酸味の綺麗さが印象に残ります。黒いグラスで試飲すると、「ロゼ」とは思わないかも。溌剌感と軽快さと優しさのあるシャンパン、気品もあります!


鮮やかなオレンジ色のレア・ロゼと淡いさくら色のノン・ドゼ

11月6日にルイ・ロデレール本社訪問

シェフ・ド・カーヴのジャン・バティスト・レカイヨンさん



力強い解説でした。
ノン・ドゼのアイテムは、気候変動や地球温暖化を正面から見据えて、考え出されました。ビオディナミ農法で、ぶどうはキュミエール産の完璧な健全果を使用。畑は10㌶、3区画されており、ピノ・ノワール(南向き/黒い粘土質)、シャルドネ(南向きで標高が高い/微量の石灰質含)、ムニエ(西向き/黒い粘土質)。収穫は3品種同時に行い、醸造も同時。それによりテロワールを反映させています。
「暑い年はフィネスが足りなくなるので、それを考えて“酸味”には気を遣っています。2012年は暑い年でした。このロゼは最初に果実味を感じます。それは日照からくるもので、酸味は土壌(黒い粘土質)の冷たさに由来しています。ドザージュをしたシャンパンなら、10度くらいで保存しておけば良いのですが、ノン・ドゼはそれよりも熟成が早いので、5~6度で保存するほうが良いと思います」とレカイヨンさん。

“手をかけず、極めて自然に近い造り(ノン・ドゼ、ノン・マロ)”をコンセプトにした特別なアイテム『ブリュット・ナチュール』。折しも、本日(20日)、ノーベル化学賞を受賞なさった吉野彰さんが日本記者クラブで会見を行い、環境問題に触れ、「絶好のビジネスチャンスでもあるので、攻めの姿勢でいかなければならない」と語っていましたが、これって、温暖化を好機と捉えて、ノン・ドゼを完成させたレカイヨンさんの考えと繋がりますよね。吉野先生もレカイヨンさんも大尊敬!

可愛いショコラのプレゼント

アラン・デュカスのショコラのプレゼントで幸せなひととき、ご馳走様でした。

[NEW]嬉しいお知らせ!


8月からJTBグランドツアー様と詰めてきた春のシャンパーニュとパリ 7日間

が発表されました。大好きなローラン・ペリエとペリエ ジュエの両メゾンにお願いして、素晴らしい時間を共有させていただくことになりました。世界遺産に登録されて以降、シャンパーニュ地方は世界中からの訪問者が増えているので、人気のグラン・メゾンは予定がびっしり、本当に大変だと思います。わがままを聞いてくださったことにこころから感謝しています。


エッフェル塔のイルミネーション、美しいです。
シャンパーニュ地方の名門メゾンとパリのツアー、どうぞよろしくお願いいたします!!

2019年12月01日

訪問メゾンの顔NVをマグナムで比較テイスティング

11月27日のシャンパン講座

先月訪問したメゾンのNVをマグナムで比較試飲しました。
各メゾンでの様子は後日リポートします。

6メゾンをプレイバック



(供出順に左から)
#1:マイィ ブリュット・レゼルヴ
#2:ルイ・ロデレール ブリュット プルミエ 
#3:アンリオ ブリュット スーヴェラン
#4:アヤラ ブリュット マジュール
#5:ボランジェ スぺシャル・キュヴェ
#6:ジョセフ・ペリエ キュヴェ ロワイヤル ブリュット ロゼ

第1フライト
#1:マイィ ブリュット・レゼルヴ

ジャン・フランソワ・プレオ社長

生産者:マイィ(CM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:7~8g/L
約10年分にわたるリザーヴワイン(樽熟成、タンク熟成)30~40%、
価格:14,000円(税別)
輸入元:合同酒精
年間販売量約50万本の生産協同組合(CM)で畑はGCのマイィのみ、ぶどうはピノ・ノワールとシャルドネのみ。25の家族(86名の農家)が加盟。気泡穏やか、豊かな果実香とシームレスな食感、リザーヴワインに由来する味わい深さ、酸味が綺麗で全体のバランス良好。

#2:ルイ・ロデレール ブリュットプルミエ 

シェフ・ド・カーヴのジャン・バティスト・レカイヨン氏

生産者:ルイ・ロデレール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各40%、ムニエ20%
ドザージュ:9g/L
価格:16,000円(税別)
輸入元:エノテカ
淡いゴールド、繊細な気泡、塩味、清涼感と複雑味(リザーヴワイン由来)、最後まで続く酸味(ノン・マロ)


アプリで詳細情報をチェック!

#3:アンリオ ブリュット スーヴェラン

ジル・ド・ラルズィエール当主

生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種: シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ムニエ5%
ドザージュ:8g/L未満
リザーヴワイン30%(約25のクリュ、キューヴ38のリザーヴワインを若干使用)
価格:14,300円(税別)
輸入元:ファインズ
メゾンのコンセプトは“精確さとバランス”
細やかな気泡、凛とした酸味、果実(洋梨、青リンゴ)、熟成感と温度変化で層になって広がる旨さ

#4:アヤラ ブリュット マジュール

シェフ・ド・カーヴはキャロリーヌ・ラドリヴ女史


アドリアン・ムーフラール社長と通訳の岡田稔氏

生産者:アヤラ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール67%、シャルドネ26%、ムニエ7%
ドザージュ:7g/ L
価格:16.000円(税別)
輸入元:アルカン
2005年にボランジェ傘下になったアヤラ。発酵&醸造はステンレスタンクのみ。要のぶどう品種はシャルドネ。第一フライトの中で最も香りが開いていたアイテム、白い花、柑橘系果実、ミネラル、飲み込んだ後の柔らかさ、フェミニン。

#5:ボランジェ スぺシャル・キュヴェ

生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ムニエ15%
ドザージュ:8~9g/L
リザーヴワインは5~15年のマルチヴィンテージ(マグナムボトルで保存)
価格:19,000円(税別)
輸入元:アルカン
第1フライトの締めを務めるに相応しいアイテム。グラス上部の泡沫活発、口中で感じる気泡はソフト。フレッシュさを備えつつ、味わいは果実の厚みとふくらみ、長い余韻。

第2フライト
#6:ジョセフ・ペリエ キュヴェ ロワイヤル ブリュット ロゼ

オットー・プシュヴィラ取締役、ベンジャミン・フルモン次期当主、ジャン・クロード・フルモン現当主


2017年にシェフ・ド・カーヴに就任したナタリー・ラプレイユ女史

生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%、キュミエール・ルージュ約12%
ドザージュ:7g/L
価格:16,000 円(税別)
輸入元:JALUX
2025年に200周年を迎えるにあたり、シャロン・アン・シャンパーニュのメゾン&カーヴ(全長3km、2~300万本貯蔵)を改装中。年間生産量75万本、気泡はワインに溶け込み、色調は綺麗なサーモンピンクに加えて若干のアセロラカラー、赤系果実、バイオレット、甘草、上品な酸味と全体を引き締める軽いタンニン

  
ロゼはデザートと合わせて!
視覚でも楽しめたマリア―ジュ


お土産のビスキュイ・ド・シャンパーニュはまずロゼから!
講座生の皆様から好評でした\(^-^)/


今回比較試飲できなかったのがアンセルム・セロス氏のシャンパン
これは・・・講座生の皆さま各人の予算でよろしくお願いします(笑)


[NEW]Information!!
12月4~9日に恒例のノエル・アラモード@新宿伊勢丹が開催されます。
シャンパンラバーさんには魅力ある内容だと思いますのでお知らせしておきます!
https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku/event_calendar/noel.html

2019年11月24日

シャンパーニュ講座の下期スタート、第1回は『ロベール・モンキュイ』

シャンパン講座下期開始

第1回は10月最終週の30日でした。その5日後からシャンパーニュ研修ツアー

に突入したので、アップが大幅に遅れてしまいました。すみません m(_ _)m

ル・メニル・シュール・オジェ村の『ロベール・モンキュイ』
1889年設立のメゾンです。
当初はぶどう栽培農家で、長年にわたり、ビルカール・サルモンやルイ・ロデレールにぶどうを供給していました。創始者アレックス・モンキュイの孫ロベールが1928年からシャンパーニュ造りに着手し、2000年からはロベールの孫の5代目ピエール・アミエが栽培醸造を仕切っています。
所有する畑はすべてがコート・デ・ブランの聖地ル・メニル・シュール・オジェで、区画ごとにわけた細かな醸造を行っています。

以前はステンレスタンクのみを使用していました。試行錯誤を重ねて、近年、樽も導入。バリックや大樽を併用することで、従来からのピュアさに加え、味わいに深みと複雑味のあるスタイルに変化しています。
今秋、Wine & Spiritsの『2019 Top 100 Wineries』に選ばれました。
今まで単独のアイテムにフォーカスすることはあっても、メゾンに特化することはなかったので、この機会に改めて検証させていただきました。ちなみにシャンパーニュで選ばれていたのはボランジェ、ブルーノ・パイヤール、クリュッグ、ルイ・ロデレールとロベール・モンキュイです。

第1フライト
ロベール・モンキュイはシャルドネ100%なので、このフライトでは、シャルドネ重視のメゾン『ローラン・ペリエ』の顔となるアイテム『ラ キュベ』を比較の相手に選びました。


#1:ローラン・ペリエ ラ キュベ
生産者:ローラン・ペリエ (NM)
ぶどう品種:シャルドネ50~55%、ピノ・ノワール30~35%、ムニエ15~20%
樽で熟成させたリザーヴワイン:20~30%
ドザージュ:8~10g/L
価格:7,000円(税別)
2017年に『ブリュットL・P』をリニューアルして誕生させたのが『ラ キュベ』
ブレンドするクリュは100以上、シャルドネの比率は5%アップし、熟成期間も1年増えて4年に。より複雑味が増しました。フレッシュで、白い花や白桃、透明感のある酸味、蜂蜜、ミネラル感、クリーミーで旨味があり、バランスが良くエレガント、長い余韻。

#2:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン
レ・グラン・ブラン エクストラ・ブリュットGC
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:ル・メニル・シュール・オジェを主体にオジェのシャルドネをブレンド
デゴルジュマン:2019年1月
樽で醸造したリザーヴワインを20%使用
ドザージュ:3g/L
価格:6,500円(税別)
チョーク質由来のミネラルが特徴、切れ感のある酸味、泡の刺激、蜂蜜、果実の旨味、若干のビター感

#3:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン
レゼルヴ ペルペテュエル エクストラ・ブリュットGC
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:ル・メニル・シュール・オジェ産のシャルドネ100%
デゴルジュマン:2018年12月6日
ドザージュ:3g/L
価格:7,500円(税別)
ル・メニル・シュール・オジェのぶどうについて、ローラン・ペリエのシェフ・ド・カーヴのミシェル・フォコネ氏から「ル・メニル・シュール・オジェのシャルドネはミネラルと酸味が強く、長い余韻が特徴。時間が経過してもなかなか香りが立たず、シャンパンのブレンドに使っても年月が経たないと膨らんでこない。その存在感は圧倒的。ゆえにメニルにシャンパンを入れると良いヴィンテージものができそうという気になる」との説明を受けたことがあります。

#3は2006年以来継ぎ足しているリザーヴワインがベースのワインで、60ヶ月以上の瓶熟成を経て出荷されます。グラス表面から見る泡沫は極めて繊細で活発、石灰質のニュアンスがあり、最初にミネラル感、白い花、グレープフルーツ、中盤から綺麗な酸味が広がり、熟成感と複雑味を備えたロベール・モンキュイのなかでは骨太なイメージのアイテム。

第2フライトはモノ・セパージュ、モノ・クリュ比較

#4:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン
   ブリュット・ミレジメ GC2012
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:ル・メニル・シュール・オジェ産の樹齢50年のシャルドネ100%
デゴルジュマン:2017年5月4日
ドザージュ:3g/L
価格:13,000円(税別)
カリンやアカシア、低いドザージュ量ながらぶどうの熟度を感じる味わい、上質なミネラル感、持続性のある酸味、長い余韻、味わい&価格的にお薦め!

#5:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン

左から#4~#6

ヴォゼミュー エクストラ・ブリュットGC 2011
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:単一畑ヴォゼミュー産シャルドネ100%
デゴルジュマン:2017年12月20日
ドザージュ:4g/L
価格:17,000円(税別)
#6の単一畑シェティヨンと対をなすアイテムで、石灰より、粘土の割合が多い土壌。ノン・マロ。グラス上部からの泡沫活発、オイリー、複雑味、軽いビター感、芯のあるスタイル。


裏ラベルにはヴィンテージ2011年、デゴルジュマンの年月日2017年12月20日、ドザージュ量 4g/Lの表示あり。デゴルジュマンに関して、年月日まで記載するメゾンは少ない。

#6:ロベール・モンキュイ ブラン・ド・ブラン 
レ・シェティヨン エクストラ・ブリュットGC 2012
生産者:ロベール・モンキュイ(RM)
ぶどう品種:単一畑シェティヨン産シャルドネ100%
デゴルジュマン:2018年1月29日
ドザージュ:2.25g/L
価格:20,000円(税別)
気泡はワインに溶け込み、触感クリーミー、香りは控え目(低温では閉じ気味)、ノン・マロで、シェティヨン産のぶどうが持つ際立つ酸味を生かしたシャンパン。酸の存在感は見事、ピュアな酒質、熟成によるロースト感、バルーン型のグラスで、低温からスタートして、温度をあげて楽しみたいアイテム。



今週水曜日に行うシャンパン講座では、先日訪問したばかりの7メゾンのうち、6メゾンのシャンパンをマグナムサイズで揃えたので、じっくり利き比べてみたいと思っています。
講座生の皆さま、どうぞ、お楽しみに!

[NEW]
シャンパーニュ地方は1961年~1990年間の約30年間で平均と比べて気温が約1.1度上昇し、収穫は18日早まっています。総酸度は1.3g/L減、アルコール度数は0.7%上っています。
11月5日にシャンパーニュ委員会本部にお邪魔した折、フィリップ広報部長から伺ったCIVCの温暖化対策や気候変動への取り組み等の情報が発信(11月16日付)されていたので、添付しておきます。
https://www.champagne.fr/assets/files/dossier_presse/dossier-climat-change-adaptation-june-2019.pdf

2019年09月26日

上期の最終講座はヴランケン・ポメリー・モノポールグループにフォーカス!

[NEW]シャンパーニュ速報
CIVC日本事務局から今年の収穫状況についての報告が届きました。
以下、記載いたします!

昨年に続いて素晴らしい収穫
◍地球温暖化はシャンパーニュ地方に好影響をもたらしていますが、ここ30年間で 平均気温は1.1 度上昇しています。今年は春に霜害があり、ぶどうの芽の一部を失いました。6月と7月は猛暑で収量の10%以上にあたるぶどうが焼けてしまうという事態になりました。また、7月25日には42.9度という高温を記録しましたが、8月と9月は、日中は温暖、夜は冷涼な気候に恵まれたので、ぶどうは完璧な熟度を備え、酸と糖のバランスも良く、アロマの凝縮度の高い果汁が取れました。昨年に続き、今年も素晴らしいミレジメが期待できそうです。

◍9月2日、オーブからスタートした収穫は、まもなく終わります。
収量は区画ごとに差があります。シャンパーニュ地方では、平均1万kg /ha以上の収量を達成しなければなりませんが、昨年は近年稀に見る収量を記録し、「リザーブワイン」 (気候変動による不作の年に補うことができる補充用ワイン)をしっかり確保できているので、今年は栽培農家とメゾン共々、収穫は平静に進みました。2019年ヴィンテージのリリースを楽しみに待ちたいと思います。


ヴランケン・ポメリー・モノポールグループの競演

上期の〆は、講座生の皆さんに日頃のテイスティング能力を十分に発揮していただきたくて、4ブランドを比較試飲しました。ヴランケン・ポメリー・モノポールグループの製品は世界87ヶ国で流通しており、シャンパーニュ市場では世界第2位に位置しています。同グループではポメリー、エドシック・モノポール、ドゥモアゼル&ディアマンの4ブランドを管轄しています。

第1フライトはディアマンvsエドシック・モノポール

グループの創始者兼オーナーのポール・フランソワ・ヴランケン氏の情熱そのものと言えるのがディアマン。トップ画面(最左)でボトル全体がおわかりいただけると思いますが、ダイヤモンドのカットをイメージしたデザインになっています。


#1:ディアマン ブリュットNV
生産者:ディアマン(NM)
ぶどう品種:CH50%、PN50%
ドザージュ:10~11g/L
価格:8,500円(税別)
淡いイエロー、気泡は活発&繊細、白い花、洋梨、石灰のニュアンス、フレッシュバター、塩味、若干のビター感、口中スムース、最後まで残る酸味

起源は1777年のエドシック・モノポール

ドイツ人羊毛商フロレンツ・ルードウイッヒ・エドシックがシャンパーニュ地方ランス在住の同業者ニコラ・ペルトワの愛娘と結婚したことがきっかけで、1785年から織物とワインの事業を開始。
1916年、スウェーデン沖で沈没した『ジョンコッピング号』が1998年に引き上げられた際、船内から2400本のエドシック・モノポールが発見され、海底にあったシャンパンは82年の時を経て日の目を見ることに。抜栓したエドシック・モノポールは果実味もあり、若々しい状態を保っていた由。同メゾンの顔と言えるアイテムは『ブルー・トップ』の名を持ち、ブローシャーもブルー。これらは海底を表現するブルーと関連!?


#2:エドシック・モノポール ゴールド・トップ・ブリュット・ミレジメ2007
生産者:エドシック・モノポール(NM)
ぶどう品種:CH35% PN35% M30%
ドザージュ:10~11g/L
価格:9,500円 (税別)
輝きのある黄金色、細やかで滑らかな気泡、蜜を含んだリンゴ(サンフジ)、黒砂糖、ドライフルーツ、アーモンド、中盤から酸味、黒ぶどうに由来する濃い旨味、余韻に続く、綺麗な酸味。


黒ぶどうの比率が多いエドシック・モノポ-ル(右)
講座生から支持を得ていたアイテムで、味わいと価格両面からも好評

第2フライトはドゥモアゼルvs ルイーズ・ポメリー

同グループが“エレガンスとフェミニン”をコンセプトにして1985年からリリースしているプレミアムブランド。ドゥモアゼルはフランス語で“トンボの意味”


#3:ヴランケン・ドゥモアゼル ラ・パリジェンヌ・ミレジメ2008
生産者:ドゥモアゼル(NM)
ぶどう品種:CH80% PN20%
ドザージュ:10~11g/L
価格:16,000円(税別)
フレッシュ&エレガンス。香り豊潤、オレンジ、サンフジ、アカシア、ナッツ、ミネラル、焙煎香やコーヒー、様々な要素が広がり、口中シームレス。2008年ヴィンテージならではの酸味が中盤以降続き、甘やかさも。
当日のマイベスト&講座生の人気No1。2008年ヴィンテージで16,000円はお薦め!


#4:ポメリー キュヴェルイーズ2004
生産者:ポメリー(NM)
ぶどう品種:CH65%、PN35%/GCアヴィーズ、クラマン、アイ村のぶどう
ドザージュ:5~6g/L
価格:23,500円(税別)
カーブはガロ・ロマン期の遺産。白亜質で平均温度10度、その規模は全長18km、地下30m。2015年世界遺産に指定。ぶどう4,000kg のうち、一番搾りだけ使う。最初に出てくる自然流下分(250㍑)は使わず、ハートの部分1800㍑だけを使用。ポメリーのトップキュヴェ!
グラス表面の泡沫活発、気泡繊細。ミネラル、ピンクグレープフルーツ(果実の内果皮)、ブリオッシュ、ドライアプリコット、時間の経過でロースト感、長い余韻


ともにベージュ色を帯びたゴールド、泡沫も細かく、比較し甲斐のあるアイテム!


第3フライトはポメリーのロゼ


#5:ポメリー ブリュット ロゼNV
生産者:ポメリー(NM)
ぶどう品種: CH、PN、M 各1/3  赤ワイン(ブジー産PN)7%添加
ドザージュ:10g/L
価格:8,100円 (税別)
色調はソメイヨシノ似の淡いピンク色。軽快さを感じさせるロゼで野いちごやピンクペッパー、ミネラル。今年Decanterで95点を獲得したロゼだけに、シャンパン女子たちからの受けも良く、「色調も可愛くて好き」との意見が多く出ていました。同時に、「ラベルのピンク(濃い桃色)をもう少し淡くしたほうが良い」との意見もありました。


Rose Terrace Party "The Art of Rose"@ベージュ アラン・デュカス東京

ヴランケン ポメリー ジャパン(株)主催のロゼテイスティング
4種のアイテムが登場しました。(左から)
◍ Pink Flamingo Rosé Sparkling 2,500円(税別)
◍ Pink Flamingo Gris 2,200円(税別)
◍ Vérité du Terroir Rosé 2,800円(税別)
◍ La Chapelle Gordonne Rosé 3,600円(税別)


グルナッシュ・グリとグルナッシュ・ノワールから造るピンク・フラミンゴ・ロゼ
色で合わせるマリアージュ、相方はサーモンと新ジャガイモ


地鶏のソテー、プロバンス風野菜のティアン


可愛いカカオのサブレとマンゴーの胡椒風味


2002年から2017年までの間で全世界のロゼワインの消費量は30%の伸びを示しています。ただ、日本でロゼワインの占める割合はわずか3%のみ。
世界で主流のロゼは辛口タイプであり、脂分との相性も良いので、私は中華料理、特に「餃子にロゼを合わせて」をお薦めしています。冬場に向けては、鍋物での活用を!

■製品についてのお問い合わせはヴランケン ポメリー ジャパン(株)
℡03‐6205-8913
URL: http://www.vranken-japan.co.jp

2019年09月04日

猛暑払拭、8月の講座は今世紀最高のヴィンテージ2008年にフォーカス!

2008年は絶対に外せないヴィンテージ

2種類のロゼを加えた全6アイテム+お土産スパークリング!


コルクの状態も健全


[NEW]パイパー・エドシックのシェフ・ド・カーブにエミリアン・ブティヤ氏が就任
輸入元日本リカー(株)の招聘で、7月中旬に初来日したブティヤ氏は新シェフ・ド・カーブとしてワイン造りの哲学、ぶどう栽培の哲学を語りました。



シャンパーニュ地方生まれ。モンペリエ農業大学 ワイン学・農学エンジニアのダブル学位を取得(2002-2009)後、シャトー・マルゴーとローヌのドメーヌ・ラ・ソリチュードで修行し、NZやチリ、南アフリカや北米等のワイナリーで研鑚を積み、シャンパーニュ地方のキャティアと系列のアルマン・ド・ブリニャックのシェフ・ド・カーブ(2013~2018)を務め、2018年から現職。
挨拶で「小さい頃、親と一緒に何度か訪ねたことのあるパイパー・エドシックですが、そのメゾンのシェフ・ド・カーブになることが決まり、前任者のレジス・カミユ氏の培ってきた伝統とスタイルを継続させていきたい」と語り、品質への妥協は一切なし、 サステイナブル農法の実践etcについても強調していました。

畑ロボットの導入


パイパー・エドシックではシャンパーニュ業界でいち早く、100%自動電動の畑ロボットを導入。天井に施してあるソーラーパネルで得た電力で動きます!
ロボットを取り入れることで、栽培チームの畑での時間が短縮でき、より重要な作業に専念できる。畑の農薬を最小限に抑え、オペレーションコストも削減できるというメリットあり


供出された3アイテムは、左からエッセンシエルNV、新発売ヴィンテージ2012、ヴィンテージ2008
シャンパン愛好家には魅力的すぎる2008年!!
この時点で、「8月の講座では2008年にフォーカスしよう!」と決めました。ということで・・・


21世紀のスペシャルヴィンテージに特化したシャンパン講座
第1フライト

左からパイパー・エドシック、ドゥラモット、ランソン、ユレ・フレール
すべてブラインドで供出。今回のきっかけを作ってくれたパイパーが#1 です!


唯一のブラン・ド・ブラン、4つ並べてみると色調の違いがわかりますね。

受講生Kodaさんがご自身のFB

に早々にアップしてくださった各ワインのコメント、詳細にまとめていただきありがとうございます。リンクさせていただきます! 
シャンパンラバーさんには私のページと併せてご覧いただけましたら幸いです。


2008年ヴィンテージは
冬は温暖で、春はとても寒く降雨が続きました。6月の開花時に、凍てつく寒さに見舞われますが、中旬から気候が好天。ぶどうの生育は順調に進み、8月は素晴らしい天候に。9月上旬は若干曇りがちでしたが、糖分と酸味が十分に備わった健全なぶどうが収穫できました。昨年2018年も同様に秀逸な年と言われています。両年を比べると2008年のほうが酸味が勝っているとの評価が出ています。

#1:パイパー・エドシック ブリュット ヴィンテージ2008
生産者:パイパー・エドシック(NM)
ぶどう品種:CH52% PN48%
ドザージュ:9.5g/L
価格:9,000円(税別)
ひとことで表現するなら“バランス”
4つのなかで一番ドザージュ量が多く、単独で飲んだ時にホッとする糖分量だと感じました。ちなみに、パイパー・エドシックの現行ヴィンテージ2012はブレンド比率がPN52%、CH48%で2008とは真逆。ドザージュ量も10g/Lになっています。
2008年のほうが酸味がしっかり残った年だったのに、「0.5g/L」少ないことについて質問したところ、ブティヤ氏は「2008年は2012年より4年長く熟成させているのでクリーミーになっているから若干少な目。最初はもう少し多かったです」と回答。当初リリースさせた時のドザージュ量は11g/L位だったようです。

#2:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ブリュット2008
生産者:ドゥラモット(NM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:6g/L
価格:12,000円 (税別)
ひとことで表現するなら“ミネラル”
コート・デ・ブランの最高の区画ル・メニル・シュール・オジェのシャープな酸とピュアな味わいが10年以上経過して本領を発揮、秀逸年だからこその奥行き、深みのある味わいを感じます。デゴルジュマンは2017年の7月から9月にかけて実施しています。今飲んで美味しいシャンパン!

#3:ランソン ゴールドラベル ヴィンテージ ブリュット2008
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN53% CH47%
ドザージュ:7g/L
価格:9,060円(税別)
ひとことで表現するなら“旨味”
4つの中で唯一のノン・マロ。香りに豊潤さがあり、口中にワインを含むと、MLFをしていないランソン独自の活き活きとした酸味が広がり、同時にぶどうの熟度も実感。泡もワインに溶け込んで滑らか。長い瓶内熟成により生み出された果実味、フレッシュさ、力強さが詰まったランソンならではのアイテム

#4:ユレ・フレール キュヴェ・テール・ナタル2008
生産者:ユレ・フレール(RM)
ぶどう品種: CH40% PN35% M25%
ドザージュ:2.5g/L
価格:8,800円(税別)
ひとことで表現するなら“熟成感”
2年前に来日したモンターニュ・ド・ランスにあるリュード村のユレ・フレール

、シャンパン業界の次世代を担うおひとりだと確信しています。たかが1g/L、されど1g/L、ドザージュへの徹底した取り組み、リザーブワインもしかり、その姿勢が素晴らしいです。一番若い造り手なれど、手掛けたシャンパンは4つの中で一番時を感じる熟成具合。際立つ第2アロマ! 瓶熟期間は少なくとも120ヶ月。

第2フライトはロゼ

#5:ヴーヴ・クリコ ヴィンテージ ロゼ2008
生産者:ヴ―ヴ・クリコ(NM)
ぶどう品種:PN61% CH34% M5% 赤ワイン14%(ブジー)添加
ドザージュ:8g/L
価格:11,000円 (税別)
ひとことで表現するなら“ポテンシャル”
2000年代に入ってからは2002年、2004年に次ぐヴィンテージ。メゾン初のヴィンテージ1810年から数えると65番目のヴィンテージ。深みのある色調がヴ―ヴ・クリコのロゼらしさ。アリエとヴォ―ジュの森で育った木樽で熟成させた赤ワインが5%ブレンドされているところが複雑さの秘密!


色調の違いもロゼ探究の魅力


ヴ―ヴ・クリコのピノ・ノワールは特別な区画!?、色調の濃さが特出

#6:アンリオ ロゼ ミレジム ブリュット2008

生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:PN55% CH45% 赤ワイン10%(モンターニュ・ド・ランス)添加
ドザージュ:7g/L未満
価格:13,200円(税別)
ひとことで表現するなら“エレガンス”
2018年3月に講座で紹介したアンリオ・ロゼ 2008

、このヴィンテージにはずっと惹かれています。輸入元ファインズさんからは「完売で在庫なし」との情報。もしサイトで見つけたら是非!
アンリオのロゼは色で決めるのでななく、黒いグラスに入れたワインの“香り”でロゼ造りを決めているのですが、色調もきれい。

番外編はお土産スパークリングとドライジンジャー

#7:ドメーヌ・サン・ミッシェル ラックス2014日本未入荷
生産者:ドメーヌ・サン・ミッシェル
AVA地区:コロンビア・ヴァレー
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:50ドル
定番のアイテムはファインズさんが輸入していますが、LUXEの扱いはないようです。
錚々たる役者さんたちの熱演の後で、“白い妖精”として登場するのは気苦労も多かったはず、な~んて、舞台にあがる役者さんを見る気持ちで、このボトルを観察しておりました。
その心配も、マリアージュさせることで解決!
シャルドネと生姜の相性の面白さを体感できました。#2のドゥラモットと組み合わせても楽しめました。


シアトルにあるパイク・プレイス・マーケットで見つけたドライジンジャー
ドメーヌ・サン・ミッシェルのハーブ系の要素と相乗して◎

春期講座も残すところ、あと1回!
10月からのシャンパン講座もお陰様でキャンセル待ち、皆さまのご期待に応えるべく頑張ります。
11月には現地研修ツアーがあるのでワクワクです。
引き続き、よろしくお願いいたします。

2019年07月24日

セバスチャン・ル・ゴルヴェ醸造責任者が語ったアンリ・ジローの世界をシャンパーニュ講座で!

シャンパーニュメゾン『アンリ・ジロー』
ルイ13世の統治下の1625年、創業者フランソワ・エマールがアイ村の畑を入手したことから始まりました。現在8㌶の自社畑を有し、年間生産量は約25万本程度ですが、世界中のシャンパンラバーを魅了しています。アルゴンヌの森に惚れこみ、容器の選択には独自の世界を貫き、シャンパーニュ地方が長年培ってきたドザージュをも尊重しているメゾンです。


アイ村出身の醸造責任者



アンリ・ジローの12代目クロード・ジロー当主の次女と結婚したセバスチャン・ル・ゴルヴェさんは、アイ村生まれで、前職は建築家。2000年からメゾンで働き始め、シャンパーニュ造りの手ほどきは義父とワイン醸造家Georges Hardy氏のおふたりから受けました。醸造学校とは無縁の経歴ですが、当主から絶大な信用を得て、今では醸造責任者として活躍しています。ちなみにアンリ・ジローでは2016年からステンレスタンクを全廃しています。


セバスチャンさんは「アイ村は南向きで陽のあたりが良いので、コート・ロティのようです」と形容していました。「地表の20cm下には200 m の石灰土壌が広がっています」との解説では図を描いて!


ラベルに描かれたオークは携帯画像にある6mの樹がモデル


プレスランチョンの口開けはエスプリ・ナチュール
ピノ・ノワール80%(40%はアイ村、それ以外はモンターニュ・ド・ランス)とシャルドネ20%で、ドザージュ7g/L、リザーブワインを1990年からのソレラを50%使用していますが、メゾンでは“perpetual 永遠の”と形容していました。保存用の容器90hlを3個使っている由。


ファアグラのソテー フルーツキャラメリゼ バルサミコヴィネガーと合わせて
ひとさらのなかに、脂分、果実味、酸味がバランスよく同居しており、エスプリ・ナチュールの豊かなまるさと良い相性。


フュ・ド・シェーヌ MV(マルチヴィンテージ)13
アイ村のぶどうを100%使用、「MV13」とはベースワインが2013年という意味
コルクはアグラフ(ホチキスの意味)


アルゴンヌの森の樫の木樽で発酵させてから1年間の樽熟成(85 %が新樽)、リザーブワインは30%、こちらの保存用のタンクは60hlで6個使っているとのこと。
ドライフルーツ、果実のコンフィ、温度変化を楽しみたいアイテム


ホタテ貝のソテー トリュフクリームソース

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黒毛和牛 A4ステーキ 焼き野菜


アルゴンヌの森の話
この森のオークは、16世紀、帆船に使われていたそうです。土壌が貧しいので木はゆっくりと成長し、それにより、木目が詰まった硬くで丈夫な木質になるとのこと。区画ごとに異なるテロワールを読み取って木樽を構成させていますし、樽内部の焼き加減についても自ら、指示している由。「外科医のように、手術中の患者の容態を見ながら行います。最初は白松の香り、次はパンデピス、さらにバター香からブリオッシュ、そして最後がグリオット・タルト。この香りになればそこが終着点です」と。このように表現した醸造家は初めてです!


5月25日に発売された『アルゴンヌ2011』は2002年、2004年、2008年に次ぐヴィンテージです。ボトルのラベルデザインはドイツ人の金細工師ウヴェ・シェファーさん。

「2011年はカビに悩まされた厳しい年だったが、それだけにぶどうを厳選。テロワールを反映した素晴らしいシャンパーニュが完成した」とセバスチャンさん。

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リリースして間がないヴィンテージに敬意を表し、30分程前にデキャンターに移して

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(左から供出順に)
#1:エスプリ・ナチュール@7,000(税抜)
#2:フェ・ド・シェーヌ マルチ・ヴィンテージ MV13@26,000(税抜)
#3:アルゴンヌ2011@70,000(税抜)
6月5日に数量限定ギフトBOX・専用オープナー付@75,000(税抜)を発売

至福の味わいラタフィア
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ランチ後、サービスされたのがソレラ・ラタフィア・シャンプノワ
果汁にブランデーを添加した酒精強化で、アンリ・ジローがこだわるアルゴンヌ産オークの小樽に入れソレラ(1990~2013)で熟成、ラベルにも表記されています。濃密度、至福の味わい!


セバスチャンさん 、アンリ・ジローの佐藤GM (後列右から3人目)を交え、全員で「G」サインで記念ショット。


7月のシャンパン講座で4アイテムにフォーカス
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第1フライトはメゾンの顔を容量違いで
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#1:アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール 750ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20% / リザーブワイン50%
ドザージュ:7g/L
価格:7,560円(税込)
白桃や洋梨に加え黒系果実プラムの存在感も。気泡の刺激あり、時間の経過で様々な要素、口中ドライ、柑橘果実のビターな印象、スパイス
裏ラベルにあるQR コードでデータが読み取れます。


エスプリ・ナチュールに使うアルゴンヌ製木樽とテラコッタ製卵型タンク

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#2:アンリ・ジロー エスプリ・ナチュール 1500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:17,280円(税込)
フレッシュ感とまるみのある味わいが絡み合い、大容量の醍醐味を実感。フルーツの旨味、スパイス(白胡椒)、心地よい余韻

#3:アンリ・ジロー オマージュ 750ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20% / リザーブワイン40%
ドザージュ:7g/L
価格:10,800円(税込)
創始者フランソワ・エマールへのオマージュアイテム。木樽とホウロウ引きした鉄製小型タンクで発酵。香り華やかな、溌剌とした気泡、1よりこなれた印象で果実味と酸味のバランスがナイス!

#4:アンリ・ジロー オマージュ 1500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN80%、CH20%
ドザージュ:7g/L
価格:22,680円(税込)
熟した果実、フレッシュさがあり、ミネラルと酸味が魅力、まるくて厚味もあり、第1フライトでの一番人気

エスプリ・ナチュールとオマージュの大きな違いは酸味。酸に弱いラバーさんには馴染みやすいタイプ。オマージュはシャンパンを飲みこなしているラバーさんのお気に入りになるはずです。

第2フライトは樽100%
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#5:アンリ・ジロー コード・ノワール
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN100%(土着品種プティ・ドレ)
ドザージュ:7g/L
価格:19,440円(税込)

アルゴンヌ産のオークの小樽で発酵、12ヵ月の熟成後、瓶熟。5種のシャンパンのなかで一番色調が深く、熟成香、アカシアの密、コンポートした果実があり、旨み、ミネラル、温度変化でスカイスの風味も。当日のマイベスト!!

第3フライトは酒精強化ワイン
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#6:アンリ・ジロー ソレラ・ラタファイア・シャンプノワ 500ml
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH30%
価格:7,560円(税込)
セバスチャンさん来日の折、デザートと一緒に楽しんだアイテム。以前とはボトルの形状だけでなく、フィーヌ・ド・シャンパーニュの仕入れ先もアイ村つながり、Jean Goyandになりました。
一日の締めくくりのお酒として、食後にゆったりとした気分で味わいたいお薦めです!!
※輸入元:アンリ・ジロー・ジャパン TEL: 03- 5777-2639

2019年06月29日

『ドゥーツ』のフィネスと複雑味にフォーカス&コート・ド・セザンヌのニューフェイス『L.B.N.』

シャンパーニュ研修ツアーで訪問したドゥーツ

昨年11月、アイ村が本拠地のドゥーツ

を訪問してきました。
自社畑は45㌶、30の契約農家(アイ村から30km以内)と密接に繋がっていて、ぶどう畑の管理にも目を通しています。年間の生産量は200万本(1996年当時は100万本)、ステンレスタンクのみ使用、生産するアイテムは11ありますが、ドュミ・セックや最新アイテム『オマージュ・ア・ウィリアム・ドゥーツ』等は希少生産


中庭のエンジェル


ドゥーツ4代目の広報担当重役ジャン・マルク・ラリエール・ドゥーツ氏と輸出担当エリザベートさんの解説を聞きながら伝統ある居間でテイスティング


シャンパーニュ地方の伝統的な圧搾機


プレスした果汁のキュヴェ(一番搾り)とタイユ(2番搾り)の容器
ドゥーツではキュヴェしか使いませんが、タイユに関しては1と2に分けています。


画像のステンレスタンクは200基ほどあり、区画や品種ごとに細かく分けて仕込んでいます。


1959年から生産を開始したウィリアム・ドゥーツ、カーブ内でまどろんでいるのは1999年VT


カーブからの長い階段を登っていくと・・・


屋敷の優雅な居間に到達!


メゾンの看板『ブリュット クラシック』、『アムール・ド・ドゥーツ2009(シャルドネ100%)』、『ウィリアム・ドゥーツ2007(ピノ・ノワール55%、シャルドネ40%、ムニエ5%)』を堪能


6月のシャンパン講座でドゥーツにフォーカス

#1:ドゥーツ ブリュット クラシックNV
#2:同ブリュット ヴィンテージ2012
#3:同ブリュット ロゼ“SAKURA”
#4:エル・ビー・エム(L.B.N)テンダー ロゼNV
#5:ドゥーツ アムール・ド・ドゥーツ ロゼ2009



第1フライトではドゥーツNVとVTを比較

ドゥーツが重要視しているメゾンの顔『グリュット・クラシック』、90程のキュヴェを使用、ドザージュ量は8~9g/L。マルクさんいわく「ブレンドの比率より、ぶどうの出処が重要」と。

#1:ドゥーツ ブリュット クラシックNV
生産者:ドゥーツ(NM)
ぶどう品種:CH、PN、M 各3分の1(マルヌ地区の上質クリュのぶどう)
ベースワインは2015年、リザーブワイン(2013年と2014年)40~45%
ドザージュ:8~9g/L
価格:7,500円(税別)
輸入元:ヴィノラム
気泡は極めて元気、フレッシュでフルーティ、富士リンゴ(蜜をたっぷり含んだ)、洋梨、柑橘果実、白い花、パンやブリッシュ、軽いビター感、調和が取れたアイテム

#2:ドゥーツ ブリュット ヴィンテージ2012
生産者:ドゥーツ
ぶどう品種:PN約75%(アイ、ブージー、ヴェルズネイ)、CH約20%(アヴィズ)、M約5%(ピエリー)
ドザージュ:8~9g/L
価格:10,000円(税別)
輸入元:ヴィノラム
色調は#1より少し濃い目(ピノの比率)、繊細な気泡、香りに#1と共通する白い花(クチナシ)、リンゴのコンポート、蜂蜜、ビスケット、ナッツ、ミネラル、酸のメリハリがあり、熟成による様々な要素と広がりが魅力

講座生の好みは?
フレッシュでクリアな印象の#1が4名。熟成感があって、飲み重ねる度に様々な要素が広がる#2が15名。(欠席者3名)

第2フライトはロゼ探究

(左から)#3、#4、#5
講座生の好みは?
色調は6名、6名、7名という結果、僅差でした。味わいは0名、5名、14名でアムール・ド・ドゥーツ圧勝。 #4は泡の刺激がソフトな分、泡に弱い方たちにも楽しんでいただけるアイテムだと思いました。
 
#3:ドゥーツ ブリュット ロゼ“SAKURA”
生産者:ドゥーツ
ぶどう品種:PN100%(モンターニュ・ド・ランスのGC、PC)、アイ村の古樹の小区域とムルテのぶどうから造られた赤ワイン8%ブレンド
価格:10,000円(税別)
輸入元:ヴィノラム
定番のロゼと中味は同じ、桜をイメージさせたエディション。さくら色、木目の細かい気泡、チェリーやザクロ、ミネラル、シャープな酸が中盤から余韻に広がり、タンニンのニュアンスも。

#4:エル・ビー・エヌ(L.B.N) テンダー ロゼ
生産者:エル・ビー・エヌ(CM)
ぶどう品種:CH66%、PN16%、赤ワイン18%ブレンド 、リザーブワイン15~20%
ドザージュ:約9g/L
価格:8,300円(税別)
輸入元:グランクリュ・ワインカンパニー
サーモンオレンジ、イチゴやラズベリー等の赤系果実の甘味(マセラシオン・カルボニックに由来)、#1に比べると酸はマイルド、口中での泡の刺激もまろやか、全体に優しい印象

#5:ドゥーツ アムール・ド・ドゥーツ ロゼ2009
ぶどう品種:PN55%(アイ、ヴェルズネイ、ブージー)、CH45%(アヴィーズ、シュイィ、ヴァレ=マルムリー)。マレイユ=シュル=アイの古樹から造られた赤ワインをブレンド
価格:35,000円(税別)
輸入元:ヴィノラム
サーモンピンク、気泡は繊細、3アイテムのなかで香り控えめ、ミネラル豊か、野イチゴ、スグリ等の赤系果実、白胡椒、口中クリーミー、複雑味、ふくらみ、長い余韻


5月半ばに日本上陸したばかりのテンダー ロゼ


#2 はコート・ド・セザンヌに位置するル・ブルン・ド・ヌヴィル(L.B.N.)

は渋谷康弘氏がワイン産地に赴き、現地で買い付けたファインワインセレクションのアイテム。
同メゾンは1963年創業のCM(生産協同組合)で、当初26名からスタートして、今では170名が加盟。ぶどう畑の面積150㌶、年間35万本生産しています。30年以上にわたってセザンヌの起伏のある石灰質の斜面にシャルドネがほぼ独占的に植えられ、現在は全体の88%を占めています。黒ぶどうのピノ・ノワールは11%、ムニエはわずか1%に過ぎません。そのシャルドネはL.B.N.の本質であるブラン・ド・ブランの基本的なスタイルを形成しています。講座ではロゼにフォーカスしたのでテンダー ロゼを選択しました。

当日のハイライト『アムール・ド・ドゥ-ツ ロゼ』

ビジュアルでも味わいでも魅力的、甲殻類や神戸ビーフ、仔羊を上質な塩で!

女子ごころを刺激するペンダント

ドゥ-ツのシャンパンはお洒落心満載。
シャンパンのフォイルを外すと、コルクの上に天使のペンダント。以前、ルイ・ロデレールを訪問した折、対応してくださったVIP対応の女性が、このペンダントをしていました。ドゥーツはルイ・ロデレールグループなので納得!

■ドゥーツについてのお問い合わせはヴィノラム ℡03-3562-1616
URL:https://www.vinorum.jp/
■L.B.N.についてのお問い合わせは
URL:https://www.cork-wf.com/
ラベル:ドゥーツ

2019年05月26日

シャンパン講座でエルヴェ・ジェスタンの泡の世界 ~ハイライトは海中で熟成させたAbyss体験~

先月はシャンパーニュ地方のビオディナミの大家エルヴェ・ジェスタンさんのシャンパンにフォーカスしました。メゾンはシャトーダヴィズ

です。きっかけは輸入元アズマコーポレーションが企画したエルヴェ・ジェスタン来日ランチセミナーでした。そこでお目にかかることができました。

昨秋『ルクレール・ブリアン』の輸入元テラヴェールの招聘で来日していたジェスタンさんとすれ違いになってしまった私としては、今春、お会いできて本当に嬉しかったです!!

エルヴェ・ジェスタンの世界を『ルクレール・ブリアン』で!

左から供出順に#1~#5

そして・・・今回、シャンパン講座でエルヴェさん渾身の『ルクレール・ブリアン』を供出することができました。テラヴェールの久保さんの計らいで待望の海中熟成シャンパン『Abyss アビス』も揃えることができました、光栄です!



ルクレール・ブリアンは1872年にキュミエールに設立されました。1955年から4代目のベルトランさんが有機栽培を取り入れ、5代目で息子のパスカルさんはシュタイナーの理論をワイン造りに反映させ、1985年にビオディナミを導入しました。2010年、パスカルさんが急逝したことで、ワイナリーの存続が立ち行かなくなり、醸造家のエルヴェ・ジェスタンさん、元モエ・エ・シャンドンのディレクター、フレデリック・デメットさん&アメリカ人の出資者に権利が譲渡され、彼らがメゾンを運営することに。2012年からエルヴェさんをメインにしたルクレール・ブリアンがスタートしました。




第1フライト
#1:ルクレール・ブリアン ブリュット・レゼルヴNV
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:PN40%、M40%、CH20%
ドザージュ:4g/L
価格:8,000円(税別)
収穫は2014年、瓶詰めは2015年7月、デゴ ルジュマンは2018年12月。輝きのあるストローイエロー、グリーンアップル、レモン、アプリコット、白桃、ブラッドオレンジ、フレッシュアーモンド、甘草、アニスや丁子のニュアンスも。

#2:ルクレール・ブリアン ブリュット・ミレジム2010
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:PN40%、CH40%、M20%
ドザージュ:4g/L
価格:9,200円(税別)
第1フライトの2アイテムは品種の構成もドザージュ量もすべて同じ。
収穫は2010年、瓶詰めは2011年7月、デゴルジュマンは2018年1月。#1より淡い色調、若干グリーンのトーンを含んだペイルイエロー、香りは閉じ気味でしたが温度変化で本領発揮。梨、カリン、アカシア、ヘーゼルナッツ、八角、石灰由来のミネラル感、味わいに奥行きがあり、長い余韻。

第2フライト

#3:ルクレール・ブリアン ブリュット・ロゼNV
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:CH95%、PN5%(樽で熟成)
ドザージュ:4.5g/L
価格:8,400円(税別)
収穫は2016年、瓶詰は2017年7月、デゴルジュマンは2019年1月。深みのあるサーモンピンク、ラズベリー、いちご、ピンクグレープフルーツ、青梅、ドライな印象、中盤以降酸のインパクト。

第3フライト
#4:ルクレール・ブリアン レ・バス・プリエール2014
生産者:ルクレール・ブリアン
ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:2g/L
価格:24,000円(税別)
収穫は2014年、瓶詰めは2015 年7月、発酵も醸造もオーク樽、デゴルジュマンは2018年8月。ペイルイエロー、フレッシュ&リッチ、黄桃、ネクタリン、ブリオッシュ、はちみつ、カルダモン、ソフトスパイス、厚味と塩味と果実味のバランス◎、口中で細く長く広がり、最後にタンニンのニュアンス。


なぜ海中で??
春の来日時、エルヴェさんに「なぜ、海中熟成させたのか」と質問してみました。
彼は「ボトルを沈めたブルターニュの海は2つの海流が交差している為、渦を巻いています。これはビオディナミの調合を攪拌させるのと同じ条件になります。水深60mの場所はシャンパーニュの気圧(6気圧)とバランスが取れるので、シャンパンをストレスの無い状態で熟成させることができます」とおっしゃっていました。さらに、エルヴェさんの測定によると、アビスは通常の熟成シャンパンより、エネルギー量が30%増になっているとのことでした。


ビオディナミ農法についての話を初めて伺ったのは、伝道師として知られているニコラ・ジョリさんでした。現代社会では、電磁波等、エネルギーの伝達を阻害する媒体が多く、具体的には携帯電話やワインセラーの電気の害について言及していました。エルヴェさんも同様で、電磁波や磁場がワインに及ぼす影響で、本来のエネルギーが弱まってしまうと語っていました。
そのような経過があったので、今回供出した5アイテムは、今までとは違った意味でワクワク感があり、なかでも希少アイテムのレ・バス・プリエール1900本とアビス98本には興味惹かれました。

#5:ルクレール・ブリアン アビス2013

ぶどう品種:CH、PN、Mを各3分の1ずつ
ドザージュ:0g/L
価格:30,000円(税別)
2017年6月から2018年6月までの1年間海中熟成させたアイテム、温度変化が年間を通してゆっくり、前述したように水圧と気圧のバランスが良いことで、ワインのストレスはほとんどないと考えられています。 輝きのあるゴールド、最初の印象は#4より香りや味わいとも穏やか、ノン・ドゼながら甘みもあり、中盤からの存在感にびっくり。海と一体化したようなミネラル感、まだまだ若さがあり、飲み終わった後、不思議な感覚になりました!

エルヴェさんからのメッセージ

講座開催週の月曜日、エルヴェさんからメッセージが届きました。

24歳の時に初めて技術的なワイン造りを始めたものの、3〜4年後には行き詰まりを感じ、それを打開するには自然と密接に繋がった作業をすることだと確信。でも、このアプローチに関する情報や書籍は何もなかったので、すべてを自分で考案せざるを得ない状況で、何年もかかったそうです。
海中熟成のシャンパーニュ、アビス造りはこのような経緯が背景にあります。

ボトルを沈めた場所はフランスのブルターニュ地方。エルヴェさんの生まれ故郷です。生きているワインとこの環境間の“共鳴”はとても強く、シャンパーニュ地方のチョークは何百万年も前の海底の堆積物から形成されており、ぶどうの根はこのチョーク質を求めて地中深く根を広げていきます。アビスはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3品種を均等に使ったノン・ドゼ。テイスティングの最中は考えることをやめ、ワインのエネルギーを感じ取る為に、感情のおもむくままに味わうことが大事だと記されていました。

Don't think, Feel!!


エルヴェさんが言及していたエネルギーを感じ取る為に、ワインを口に含んでからしばらくの間、目を閉じて、アビスからの語りかけを待つことにしました。

助走はきわめて物静か、しばらくして、アビスのなかの要素(果実やスパイスのみならず、熟成による香りと味わいの変化) がじわじわと舌の上に広がり、横に広がる重厚感があり、余韻がきわめて長い!
アビスを味わうには、ブルース・リーの名言 Don't think, Feel が最も適切な言葉だと思いました。本当に面白い体験でした。
96本しかないアイテムですが、チャンスがあれば、再挑戦してみたいです。エルヴェさんの素晴らしいお気遣いにも感謝です。ありがとうございました!
■輸入元:テラヴェール
URL:https://terravert.co.jp/winery/france/champagne/leclerc-briant/ 

2019年04月30日

ビオディナミの大家エルヴェ・ジェスタンが仕切るシャンパン『シャトーダヴィズ』

エルヴェ・ジェスタン氏来日に伴うランチミーティング@モナリザ丸の内

(左から)シャトーダヴィズ

の広報担当ペギー・ファロナ・バトゥー女史、エルヴェ・ジェスタン氏、モナリザ丸の内

の河野透オーナーシェフ
供出アイテムはグラン・クリュ ブラン・ド・ブラン エクストラ ブリュット2012(左)とフォリアージュ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット2011


シャトーダヴィズについて
2010年にシャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区のGCアヴィズ村に設立されたメゾン(NM)で、5名で運営。フォリアージュ(“葉っぱ”の意味)はシャトーアヴィズの弟分的位置付け。ぶどう栽培、ワイン醸造まですべての監修を行っているのはエルヴェ・ジェスタン氏。シャトーダヴィズの共同出資者のひとりでもあります。ビオディナミ農法&シャンパン造りに精通し、多くのメゾンでコンサルタントをしていたことで知られています。1982年から2006年までは『デュヴァル=ルロワ』の醸造責任者、ルイ・ロデレールでも活躍しました。ちなみに、シャンパーニュ地方におけるオーガニックの栽培面積は約0.01%、オーガニック生産者とビオディナミ生産者数の比率は 127 / 30の割合になっています。

栽培と醸造に関して
■ステンレスタンクと樽で発酵
■MLFは樽内で行うが、基本的に自然の成り行き
■門出のリキュールに使う蔗糖はオーガニック栽培のサトウキビ

シャトーダヴィズのこだわり
■自社ぶどうはシャルドネ。買付ぶどうはオーガ二ック栽培をしている生産者のものを使用
■NVは単一年。個性を明確に表現する意味でヴァン・ド・レゼルヴは使用せず
■ヴィンテージ・シャンパンは良い年だけ生産

シャンパーニュ地方でシャトー名を冠するメゾンは3つだけ
「カーヴの前にまとまった区画の畑があることが条件」とジェスタン氏。シャンパーニュではChateau d'Avize(コート・デ・ブラン)、Chateau de Bligny(コート・デ・バール)、Chateau de Boursault(エペルネ)


自然を尊び、キャップシュールは蝶々の絵柄



ジェスタン氏はボトルとグラスの“共鳴”を測っています。そのための機器が手にしているLecher Antenna(1950年代にドイツの物理学者が開発したもので、建築やセラピー等でも利用)
追記:2019年5月2日:オーストリア生まれのErnst Lecher エルンスト・レッヒャー(1861- 1925)が考案したアンテナなので、カタカナ表記はレッヒャー・アンテナにしておきます。


「アンテナのはね返りでワインのエネルギーの数値を測定し、それによってシャンパン自体がどのグラスに入りたいかを見ています。2012年ヴィンテージは丸い形状のグラス(下部にある画像のふっくらしたタイプ)を選びました」とコメント。ドザージュ量もこのアンテナを使って決めているそうです。


丸の内モナリザの料理に合わせて



アミューズ・ブーシュはトマト味のキッシュ、上に乗っているのはおかひじき
左のグラスが2012年ヴィンテージ、右は2011年ヴィンテージ


アスパラガスのフェットチーネ
こだわり卵のカルボナーラ仕立て


温泉卵のねっとり感を2012年のきれいな酸が洗い流してくれて口中爽快


春キャベツで包んだ鴨モモ肉のコンフィ ビガラードソース


表情がなんとも可愛い!


どの食器もパステルカラーでとっても優しいイメージ、河野オーナーシェフ好みなのでしょうね。
ジェスタン氏自慢の2012年はアミューズ・ブーシュからデザートまでに寄り添ってナイスマリアージュ


参加者全員で記念ショット


ジェスタン氏のビオディナミ考
アルコールに否定的だったルドルフ・シュタイナー
ジェスタン氏はランチ時、「シュタイナーは農業やぶどう栽培については触れていますが、ワイン醸造については触れていません。彼はインド哲学に傾倒していたので、ワインについて考える事をしなかったのではないかと思っています」と述べました。
それに関連して思い出したことがあります。
2004年、ビオディナミの教祖と言われていたニコラ・ジョリー氏が来日した時のことです。私はどうしてもジョリー氏に聞きたいことがあったので、次にような質問をしました。

青木:ルドルフ・シュタイナーはタバコとアルコール、とりわけアブサンが人体に与えるものは害であると説いています。アルコールに対して否定的だったシュタイナーが提唱するビオディナミ農法によってぶどう栽培をしていることについてあなたはどのように考えているのですか?

ニコラ・ジョリー:私はシュタイナーの農業を自分なりに解釈し、いつも自分に問いかけながら仕事をしています。それを実践の場に持ってこなければなりません。シュタイナーは何ひとつとして禁じることはしていません。誤解して欲しくないのですが、ワインだけが唯一のアルコールではないのです。タバコもアルコールも、どれだけ摂取するかが問題なのです。全ては量と質の問題になります。人工的に造られたワインはとても危険であり、ビオディナミで造られた正しいワインを飲むのであれば健康に問題は生じません。シュタイナーの考えは農業と土地と太陽を結びつけることにあります。土に命を与えるため、ビオディナミの調剤を散布し、土を肥沃にします。それによってその土地に育つぶどう樹は太陽エネルギーを受けやすくなり、伸びて行きます。ぶどう樹は土と太陽を結ぶ媒体になるので、ビオディナミで育てられたぶどう樹は、ワインの中に自分を十分に表現できるのです。本物のぶどう樹によって造られた“本物のワイン”です。
出典:日本ソムリエ協会機関誌No77 10頁/リポート青木冨美子

ジェスタン氏は“アルコール(狭義のワイン)”造りに関して、「ワインは嗜好品なので、あってもなくても良いものですが、皆がワインを飲むということはそこに良い影響がなければなりません」と述べ、25年以上にわたり、考えていることが、「飲み手が酔わずに、体に悪影響を及ぼすことなく、メッセージを伝えることができるワイン造りです」と語りました。

そして、一例として挙げていたのが調剤のカモミールです。
「カモミールにはワインのなかの良くない要素(=アルコールの悪い影響)を取り除いてくれる効果があります。(自然界から採取された)硫黄の効果を高め、ワインをきれいにする効果もあります」と解説、これは抽出して使うようです。
ジェスタン氏が言うように、シュタイナーがワイン醸造については触れていないとするなら、氏が語っていたことはほとんどオリジナルになると思います。ランチ中も、「生きているワイン、飲み手に特別の感情をいだかせるワイン、エネルギーのあるワインを造りたい」と再三語っていたので、ビオディナミの指導者、大家として、今後さらに独自の醸造スタイルを築きあげてくださると確信しています。

ニコライホフのワインにある“核”


ジェスタン氏は江本勝氏の『水の記憶』についても触れていました。これは愛情あふれる言葉と罵倒するような言葉を浴びせた水を、顕微鏡で見ると、前者は綺麗な結晶になり、後者はいびつになるというお話。ゆえに、ジェスタン氏は醸造所内では、きたない言葉を使わないようにしていると語っていました。

これを聞いて思い出したのが、チリの名門モンテスの樽貯蔵庫です。ここではいつもグレゴリオ賛歌を流しています。ワイナリーサイドでも効果はあると思っているようです。

そして・・・結晶に関しては、私自身、江本氏の本を読んでいないので、意見を言える立場にはありませんが、2006年にビオディナミの造り手、尊敬するオーストリアの『ニコライホフ』の当主夫人クリスティーネ・サース氏が来日して行ったセミナーで、1滴のワインのなかに存在する“核の結晶”を見せてもらったことがあります。上記の左の画像がそれで、ニコライホフのビオディナミの畑のぶどう(グリューナーフェルトリーナー)から造ったワイン1滴を顕微鏡で見た“核”です。右は農薬を使ったワインだそうで、核はありません。
出典:日本ソムリエ協会機関誌No95 53頁/リポート青木冨美子

折しも5月にニコライホフ訪問を予定しているので、ワイン1滴のなかで証明できる“結晶”の話をもう1度、伺ってみたいと思っています。



「桜の季節に訪日したかったので、アズマコーポレーション

のお陰で実現して嬉しい」とジェスタン氏。次回の来日は日本で行われるラグビーワールドカップの観戦も兼ねて、のようです。


[NEW]4月のシャンパーニュ講座はジェスタン氏絡みのアイテム
NHK文化センター青山校の上期講座(4月~9月)スタート、第1回目でフォリアージュを取り上げました。



第1フライトはデュヴァル=ルロワとルイ・ロデレールを交えて
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#1:デュヴァル=ルロワ フルール・ド・シャンパーニュ 1er ブリュットNV
生産者:デュヴァル=ルロワ
ぶどう品種:CH70%、PN30%
ドザージュ:8g/L
価格:7,500円(税別)
輸入元:アイコニック ワイン ジャパン
1911年から生産しているアイテム。ステンレスタンク内で発酵・醸造。最低30ヶ月瓶熟成。MLF有。フレッシュ、“フルール”の名の通りフラワリー、泡の食感滑らか、中盤から余韻まで優しい酸味が続き、果実の余韻も重なってフェミニンな印象
ジェスタン氏がデュヴァル=ルロワ在籍中に完成させたビオディナミ農法による『オーセンティス(“正真正銘”の意味)』のキュミエールとトレパイユは現在生産していません。新製品プレシャス・パーセル・シリーズのキュミエール(有機栽培によるピノ・ノワール100%)がそれに当たります。

#2:ルイ・ロデレール ブリュット プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール
ぶどう品種:PN40%、CH40%、M20%
ドザージュ:9g/L
価格:7,200円(税別)
輸入元:エノテカ
気泡の木目も細かく活発、香りは#1より華やか 、酸のニュアンス(ノン・マロ)、グレープフルーツ、白桃、ミネラル、アカシア、味わいに厚みがあり、余韻も長め。
ビオディナミへの取り組みは十数年前からで、すべての作業はカレンダーにそって実施。クリスタル(2020年に100%の予定)とブリュット・ナチュール・フィリップ・スタルクモデルにはビオディナミのぶどうを使用。ルイ・ロデレールのシャンパンの気圧は5気圧(平均5.2気圧)で、ブラン・ド・ブランは4気圧になっています。

#3:フォリアージュ キュヴェ・エクストラ・ブリュットNV
生産者:レ・シャンパーニュ・デュ・シャトーダヴィズ
ぶどう品種:CH40%、PN30%、M30%
ドザージュ:5g/L
価格:8,900円(税別)
輸入元:アズマコーポレーション
ヴィンテージ表記なしですがベースは2010年産ワインで、NVであってもリザーヴワインは一切使いません。3アイテムのなかで一番濃いめの色調、フレッシュな酸味、メロン、ドライフルーツ、燻したニュアンス、クリームブリュレ、ぶどうの熟度を感じる味わい。



第2フライトではヴィンテージ比較


#4:フォリアージュ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン エクストラ・ブリュット2012
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4.0g/L
価格:25,000円(税別)
2012年はジェスタン氏渾身の1本。カーヴ前の畑のぶどうを完成したカーヴで仕込んだもので、同メゾンの2番目のヴィンテージ、講座で用意したシャトーダヴィズの4アイテムのなかで一番存在感あり。ガス圧6.8。ピュアで、筋の通った酸も魅力。旨味があり、グラス内の温度があがってもブレることのない安定感

#5:フォリアージュ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン ブリュット2011
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4.1g/ L
価格:9,240円(税別)
カーヴ前の畑のぶどうを使い、別の施設で仕込んだファーストヴィンテージ。伝統的な垂直式圧搾機で圧搾、自然に清澄、ステンレスタンクと樽で発酵、澱の上で9ヶ月寝かせ、36ヶ月熟成、ガス圧6.2 。フレッシュ、白い花、ミネラル、ロースト、シルキー、果実味と酸味のバランス



コトー・シャンプノワも供出


#6:フォリアージュ コトー・シャンプノワ・ブラン2014
ぶどう品種:CH100%
価格:12,000円(税別)
非発泡性ワイン。生産量590本、22ヶ月澱の上で樽熟成、ノンフィルターで瓶詰め、良年のみ生産。淡いイエロー、フレッシュ、火打石、石灰由来の香り、柑橘系果実に加え、アーモンドやナッツ、味わいにグレープフルーツの内果皮似のビター感、口中シームレス


どのボトルも状態が良く、嬉しく思いました。4月から青山校にもワイン用セラーが常設されたのでより安心です! 来月も引き続き、ジェスタン・シャンパンの探究をする予定でおります。
講座生の皆さま、4月に体験したシャンパンの味わいを覚えておいてくださいませ!

[イベント]6月19日に開催するシャンパーニュに拮抗するスパークリングワイン探究

 
ただ今受付中です、残席数名になりました。
皆さまのご参加、お待ちしております!!

2019年03月31日

下期最終回はトップキュヴェのシャンパンを国産のHal Caviarに合わせて

素敵なチャンスをいただいて

(左から)
ベル エポック2007、同2004、ブラン・デ・ミレネール1995
プレスティージ・ロゼ2002、グラン サンドレ・ロゼ2010、ラ・グランダネ・ロゼ2007

第1フライトは昨秋の研修ツアーで訪問したメゾンのアイテム


#1:ペリエ ジュエ ベルエポック2007
生産者:ペリエ ジュエ(NM)
ぶどう品種:CH50%、PN45%、M5%
輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン(株)
活き活きした酸、西洋サンザシ、洋梨、シトラス、柑橘果実の内果皮似のビター感、芳醇、滑らか

#2:ペリエ ジュエ ベル エポック2004
生産者:ペリエ ジュエ(NM)
ぶどう品種:CH50%、PN45% 、M5%
輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン(株)
#1と共通の白い花の要素、ナッツ、トースト、アカシア、ビターな印象、フェミニンなスタイル

#3:シャルル エドシック ブラン・デ・ミレネール1995
生産者:シャルル・エドシック(NM)
ぶどう品種:CH100%
輸入元:日本リカー(株)
20年以上の熟成を経たブラン・ド・ブラン、ナッツ、アーモンド、カラメル、果実のコンポート、ミネラル、酸味はまだフレッシュ、シームレス、エレガントな余韻


熟成具合の違いをチェック!

第2フライトはロゼで


#4:タルラン プレスティージ ロゼ2003
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:CH88% 、赤ワイン12%(PN)
輸入元:(株)八田 /11,200円+税
サーモンピンクにオレンジを含んだ色調、気泡穏やか、口中滑らか、アタックは優しくまるみあり、赤系果実、シトラス、ハーブ、土壌由来のミネラル、酸味と果実味のバランス良

#5:ドラピエ グラン サンドレ ロゼ2010
生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:PN92%、CH8%
輸入元:テラヴェール(株) /14,800円+税
色調は夕陽のオレンジ、気泡は極めて繊細、赤系果実、マンダリン、ブラッドオレンジ、ミネラル、スパイス、旨味、バランス良好、ピュアな酒質

#6:ボランジェ ラ・グランダネ ロゼ2007 マグナムサイズ
生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:PN68%、CH32%、赤ワイン5%(ラ・コート・オーザンファン/PN100%)
輸入元:(株)アルカン
サーモンピンク、気泡も酸も活き活き(大容量由来)、食感滑らか、柑橘系果実、ミネラル、中盤ビター(タンニン)、長い余韻、今後の熟成が楽しみ!


色調の違いにも趣きがあって


ボランジェだけはマグナムサイズ!
綺麗なサーモンピンク、気泡は繊細&活発


第3フライトでは国産キャビア『Hal Caviar』と合せて


昨年12月、浜松・春野町にあるHaruno Caviar Valleyを訪問し、チョウザメの養殖視察、キャビア作りを体験してきたので、最終回では講座生と贅沢な相性探求をしてみました!
水質の綺麗な場所で育てられているチョウザメの様子や名前の由来、チョウザメとシャーク(鮫)の違い等はHaruno Caviar Valleyのリポート

をご笑覧いただけましたら幸いです。


当日はHal Caviarのアンバサダー、ウィラハン・マミさんにサポートいただきました。


シャンパンに合せたのは『春一番(使用ソルトは非公開、塩分濃度3%)』


第1フライトで好評だったのは#2のベル エポック2004
フレッシュ感のあるベル エポック2007やシャルドネ100%で凛としたスタイルのブラン・デ・ミレネール1995より、熟成が程よく進んでいる2004年のほうが合わせた時のバランスが良く、スムースに繋がりました。



第2フライトで供出した#4のタルラン・プレスティージ・ロゼ2003は昨年の訪問時に作った世界でひとつだけのオリジナルキャビア

(イタリア・シチリアのフラミンゴソルトを使用、塩分2.7%)と合わせて良い印象だったので、アイテムに加えました。

過去何度かの体験で、Hal Caviarはピノ・ノワールとの相性がとても良いと感じていました。そこで、第3フライトでは、ピノを大事にしているドラピエと2月の講座でフォーカスしたアイ村の雄ボランジェを選択。ピノの比率92%のドラピエ、同比率68%のボランジェがやはり優位で、特にボランジェは男性陣から圧倒的な支持を得ていました。


K女史から差し入れしていただいた『俺のBakery 銀座の食パン香』
中洞(なかほら)牧場の牛乳をふんだんに使った、ほんのり甘い、ふわふわのパン
とても美味でした、ご馳走様でした!
重ねて、ベル エポック2004&2007、ブラン・デ・ミレネール1995、ラ・グランダネ・ロゼ2007の供出も本当にありがとうございました!

講座生の皆さまに感謝を込めて!

当日は2名欠席だったので総勢25名(Nさんが写っていない!)
10月~3月までの6回で様々な体験、贅沢な時間を過ごすことができました。
4月からの上期講座

もお陰様でキャンセル待ちになっています。
新規参入の講座生もいらっしゃいますので、お目にかかるのを楽しみにしております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

最後に・・・
Hal Caviarの親会社金子コード(株)の事業統括本部食品部の中村秀憲部長から「桜の開花と共にHal caviarのシーズンも終わりを告げます。来シーズンはさらにパワーアップしたHal caviarを皆さまにご案内できるようにスタッフ一同取り組んでまいります」とのメッセージを頂戴いたしました。
人気で品薄のため、星付きレストランでの扱いがメインになっているHal Caviarを講座で供出できたことは本当にラッキーでした。
中村部長とウィラハン・マミさんに心から御礼申し上げます。
ありがとうございました!

2019年03月02日

【シャンパン講座】樽使いの名門ボランジェ&アヤラにフォーカス!


今年もきれいに咲きました!
気持ちを癒してくれる目黒不動周辺の河津桜



2月末に行ったシャンパン講座では2メゾンの比較をしました。
1829年創業のBollinger/ボランジェ

と、2005年にボランジェ傘下になったAyala/アヤラ



【ボランジェ】
海軍の軍人アタナス・ド・ヴィレルモン提督(ぶどう畑の所有者)、提督のかつての同僚ポール・ルノダン(セラーマスター)、ヴュルテンベルク王国エルヴァンゲン生まれのジャック・ボランジェ(ワイン販売担当)の3人が1829年に創業したメゾン。当初、ドイツ語読みのボリンガーと呼ばれていましたが、ジャック・ボランジェが提督の娘と結婚したことを機に、名称をフランス語読みの「ボランジェ」に変更。1884年にはヴィクトリア女王からロイヤルワラント(英国王室御用達)を授与されました。
1941年、夫ジャック・ボランジの死により、マダムボランジェがメゾンを継承し、1941年~71年までの30年わたり、同社を発展させます。イギリス市場での成功に加え、国際市場、特にアメリカでの人気に拍車がかかりました。1992年には、自ら『ボランジェ憲章』を作り、シャンパンの品質の憲章にも関わっています。

【アヤラ】
外交官の息子エドモンド・ド・アヤラが1860年に設立したメゾン。フランスでは1882年グランド・マルク組合の創立メンバーになり、英国ではエドモンドの兄弟が上流階級にメゾンを紹介していったことで1980年には王室ご用達になりました。20世紀には100万本の生産量を誇るファミリー企業でしたが2005年からボランジェに経営を委譲。ただし、メゾンはファミリー企業としての形態をそのまま維持。甘口主流(70g/L)の時代、英国市場にブリュットのカテゴリーにあたるタイプ(ドザージュ量を20g以下におさえたドライなタイプ)を輸出し、ブリュットタイプの先駆けに。拠点はボランジェと同じアイ村に位置し、男性的なイメージのボランジェと対極のフェミニンでエレガントなスタイル。担い手は女性セラーマスターのカロリーヌ・ラトリヴさん!

2メゾンの特徴
ともにアイ村に位置し、家族経営
ワイン醸造・・・ボランジェは樽(古いものは100年)、アヤラはステンレス(新鮮さを重視する為小容量)
メイン品種・・・ボランジェはピノ・ノワール、アヤラはシャルドネ


第1フライトは両メゾンの顔

#1:アヤラ ブリュット・ナチュール
生産者:アヤラ(NM)
ぶどう品種:PN40%、CH40%、M20%、瓶内熟成4年
ドザージュ:0g/L
価格:7,560円
輝きのあるイエロー、No2より気泡は控えめ、青リンゴ、グレープフルーツ、ミネラル、豊かな酸味、ドライな味わいと凝縮感のあるぶどうの旨さ、余韻にビター感、シャープな印象

#2:ボランジェ スペシャル・キュヴェ
生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:PN60%、CH25%、M15%、リザーブワイン(5~15年のマルチヴィンテージ/マグナムで保存)
ドザージュ:8~9g/L
価格: 9,180円
1911年に誕生したボランジェの顔!
英語のスペシャルとフランス語のキュヴェが合体したネーミング。色調イエロー、繊細な気泡、白桃、洋梨、焼リンゴ、ナッツ、ブリオッシュ、ミネラル、スパイス、複雑味と旨味、長い余韻

第2フライトはロゼ比較

#3:アヤラ ロゼ・マジュール
生産者:アヤラ(NM)
ぶどう品種:CH50%、PN40% (6%のPN/赤ワイン分含)、M10%、瓶内熟成3年
ドザージュ:7g/L
価格: 8,640円
明るいサーモンピンク、イチゴ、ラズベリー、蜂蜜、タンニンのニュアンス、後半にきれいな酸の広がり。色調は女子講座生に人気でした!

#4:ボランジェ ロゼ
生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:PN62%、CH24%、M14% 赤ワイン5~6%添加
ドザージュ:7~8g/L
価格: 10,800円
ラ・グランダネ・ロゼ発売から30年を経て誕生したアイテム。「スペシャル・キュヴェを父に、赤ワインを母に生まれた子」とメゾンが表現するロゼは、赤ワインを5~6%ブレンドしていますが、アイ村ではなく、ヴェルズネー村のピノ・ノワール主体。淡いさくら色、ミネラル、香ばしさ、層になって広がる旨さ、バランス良好

利き比べてみると、前者は色も味わいもチャーミング、後者は色、味わいともに落ち着いた印象で重厚かつエレガント。大ぶりのブルゴーニュグラスで試したい気分になりました!


第3フライトはヴィンテージ比較


#5:アヤラ ヴィンテージ2007
生産者:アヤラ(NM)
ぶどう品種:CH80%、PN20%
価格:10,260円
気泡の快活さ、柑橘系果実やストーンフルーツ、砂糖漬けのレモン、ブリオッシュ、最初に甘さ、酸味が続き、最後にミネラル感。「ビスキュイ・ド・シャンパーニュ似のニュアンス」と講座生!

#6:ボランジェ ラ・グランダネ2007

生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH30%
ドザージュ:7~8g/L、
価格:20,000円
No5より色調は濃く、ゴールド。リズミカルに連なる気泡、ミネラル、ジンジャーブレッド、焙煎香、ヘーゼルナッツ、パンデピス。上質な酸と旨味。今飲んで美味しいシャンパン。難しい2007年でもヴィンテージが造れるのは、ボランジェの自社畑の多さ(全体の60%を賄うことが可能)ゆえ。グランダネ(偉大な年)の名にふさわしいアイテム

番外編はアヤラ要の品種!

#7:アヤラ ブラン・ド・ブラン2012
生産者:アヤラ(NM)
ぶどう品種:CH100%(畑はシュイィ、ル・メニル・シュル・オジェ)
ドザージュ:6g/L
価格:10,800円
昨年10月にリリース。平均6年間の熟成。気泡は繊細、輝きのあるイエロー、レモン、白桃、蜂蜜、柑橘果実の内香皮似のビター感、フレッシュさとエレガンス。ホタテのソテーや魚介類等に合わせて

昨年11月にはお披露目会も

昨秋の発売記念のお披露目会@ロウリーズ・ザ・プライムリブ赤坂


アヤラのGMアンドリアンさん(左)と昨年9月にアンバサダーに就任したニキータさんと

製品についてのお問い合わせは(株)アルカン
〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1丁目5番6号
℡03-3664-6551(代)
https://www.arcane.co.jp/wine/


[ハートたち(複数ハート)]インフォメーション
上期(4月~9月)講座の募集がスタートしました、皆さまのご参加、お待ちしています!!
[わーい(嬉しい顔)]追記(2019年3月10日)満席御礼 ありがとうございました!

詳細は NHK文化センター青山校シャンパン講座


2019年02月23日

オーダーメイドなシャンパンレッスン 春講座の募集開始

2月22日から募集が始まりました


今日はすこし春めいた気配ですね。
NHK文化センターも春講座の募集を開始しました!!
オーダーメイドなシャンパンレッスン

 ~各メゾンの奥深さを愉しもう~ 

青山教室だけのアイテムセレクトにもこだわっています。
シャンパンラバーの皆さま
ご参加、お待ちしております[わーい(嬉しい顔)]

NHK文化センター青山教室
〒107-8601
東京都港区南青山1-1-1
新青山ビル西館4F

2019年01月26日

ヴィレッジ・セラーズの新規シャンパンメゾン『ドゥ・ヴノージュ』にフォーカス!!

今年最初のシャンパン講座は、受講生の皆さまにお年玉!!


昨年12月からヴィレッジ・セラーズ

(VC)が輸入を開始したde Venoge ドゥ・ヴノージュ

にフォーカスしました! 
VC様からのサポートで、贅沢なヴィンテージを揃えることができました。歌舞伎『三人吉三』の名セリフにあやかって「春から縁起がいいわぇ」と言いたい気分です。

メゾンの沿革
スイス人アンリ・マルク・ドゥ・ヴノージュが1837年にエペルネに創業した『ドゥ・ヴノージュ』はスイス・レマン湖に流れ込むヴノージュ川に由来しており、ラベルにも川が描かれています。
2代目ジョセフ・ドゥ・ヴノージュが1851年にリリースしたメゾンの顔『コルドン・ブルー』には、シャンパーニュ地方で初めてイラスト付きラベルを使用しました。また、ドゥ・ヴノージュ家は代々商才に長けており、ジョセフの息子ガエタンは海外、特にアメリカ市場への販路を拡大させました。現在生産しているコルドン・ブルーのラインはブリュット、エクストラ・ブリュット、ロゼ、ドミ・セック、ブラン・ド・ノワールの5アイテム。
オランダ王室オラニエ公へのオマージュアイテムとして1864年に造られた『プランス』は、エクストラ・ブリュット、ロゼ、ブラン・ド・ノワール、ブラン・ド・ブランの4アイテムあります。
透明のカラフェ型ボトルに入ったトップキュヴェ『ルイ15世』は1728年5月25日シャンパンの瓶詰めを許可したフランス王ルイ15世を記念したアイテムで、最高の年にのみ生産、ブリュットとロゼがあります。
発酵・醸造ともステンレスタンク、MLFは実施。少量生産を保ち、年間100万本以下。1998年からボワゼル・シャノワーヌ・シャンパーニュ・グループの傘下になっています。



第1フライトはメゾンの顔コルドン・ブルー

#1:ドゥ・ヴノージュ コルドン・ブルー ブリュットNV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN50%、M25%、CH25%
ドザージュ:6.1g/L、瓶内熟成:36ヶ月
価格:6,800円 (税抜)
気泡細やか、酸を予感させる香りのインパクト、青リンゴ、レモンやグレープフルーツ、ソフトで口中滑らか、柑橘果実の内果皮似のビター感、中盤以降綺麗に伸びる酸の余韻

#2:ドゥ・ヴノージュ ブラン・ド・ノワール NV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%)
ドザージュ:6.0g/L、瓶内熟成:48ヶ月
価格: 12,000円
#1同様の気泡の繊細さ、色調は若干濃い目、フランボワーズやカシス、赤リンゴ、スミレ、果実の厚みとコク、生地がきれいでバランス良し、講座生からの支持大


第2フライトはロゼ比較

#3:ドゥ・ヴノージュ コルドン・ブルー ブリュット・ロゼ NV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN60%、M20%、CH20%
ドザージュ:7.8g/L、瓶内熟成:36ヶ月
価格: 8,400円
やさしいサーモンピンク、赤リンゴ、スミレ、綿菓子(講座生の意見)、余韻に切れの良い酸味とまろやかさ、軽いビター感、赤系果実のデザートと合せて

#4:ドゥ・ヴノージュ プランス・ロゼ NV
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN100%(ヴェルズネイ80%、レ・リセ20%、レ・リセのPN6%ブレンド)
ベースワイン2013年、リザーヴワイン2012年
デゴルジュマン:2019年1月
ドザージュ:6g/L、瓶内熟成:48ヶ月
価格: 12,000円
#3より淡い色調で、香り閉じ気味、赤系果実(イチゴ、グロゼイユ)、若干のタンニン、ぶどうの熟度を感じる味わい&クリーミー、温度変化を楽しみたいアイテム


コルドン・ブルーの裏ラベルにはデゴルジュマンとドザージュ量を記載
デゴルジュマンは2018年2月/ドザージュ量は7.8g/L

お気に入りのヴィンテージ比較1996vs2008

透明ボトルなので色調の違いがよくわかります。リリースして間がない2008年(左)は淡いイエロー。1996年のコルクは時の経過を感じさせる締まり具合!

#5:ルイ15世 2008
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN50%(ヴェルズネイ41.5%、ブージー8.5%)
CH50%(アヴィズ20%、クラマン15%、メニル・シュル・オジェ15%)
ドザージュ:6g/L、瓶内熟成:120ヶ月
デゴルジュマン:2018年
価格:45,000円
2008年ヴィンテージはメゾン初のノン・マロ(非MLF)
今後造るものはすべてノン・マロになります。
今世紀の秀逸なヴィンテージ、酸味の豊かさを残して通常よりもさらに長熟なシャンパンを目指そうとの気合が伝わってきます。フレッシュ感と2008年らしい厚み、複雑味もあり、5年間隔で定点観測すれば面白いかも。ただ、2008年ヴィンテージはトップメゾンがこぞって生産しているだけに、この金額(45,000円)で、クリスタル(35、000円)やウィンストン・チャーチル(32,000円)、ドン・ペリニョン等と渡り合っていけるのか少し気になります。シャンパーニュ愛好家にドゥ・ヴノージュがどの程度まで浸透しているか・・・
まずは、メゾンのスタイルを知っていただくためにも、しなやかでスリムな印象のコルドン・ブルーを一度お試しいただきたいと思っています。

#6:ルイ15世 1996
生産者:ドゥ・ヴノージュ(NM)
ぶどう品種:PN50%(ヴェルズネイ、アンボネイ、マイィ、ブージー)
CH50%(アヴィズ、クラマン、オジェ、シュイィ)
ドザージュ:6g/L、瓶内熟成:120ヶ月
デゴルジュマン:2018年
価格:38,000円
色調はゴールド、古酒由来の香りと味わい、焙煎香、ココア、ブリオッシュ、焦がしバター、エスニックスパイス、白胡椒、リンゴのコンポート、アプリコット似の酸味、泡はワインに溶け込みクリーミー、シームレス、タンニンの存在感もあり、熟成を経た複雑な味わい、鼻腔から抜ける香りに果実味。96にしては全体的に優しい印象、派手さはなく、丁寧な造りの溌剌さとスリム感のあるスタイル



ルイ15世の2008年の泡沫、とてもとても元気!


ドゥ・ヴノージュ初体験の受講生が多かったので、年明けのアイテムとして新鮮味がありました!
下半期の講座もあと2回。3月の内容は決めているので、2月は久々に講座生の皆さんからのリクエストを募ろうと思っています。引き続き、ワクワク感のある2時間にいたします!

■ドゥ・ヴノージュについてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ株式会社
℡0766-72-8680

2018年11月25日

アンリオ『アンシャンテルール2000』は買いのアイテム、続くニューフェイスは『エメラ2005』

10月講座は、シャンパン研修ツアーの直前に開催したので、アップが前後逆になってしまいました。素晴らしかった『アンリオ』をリポートしておきます。
長熟を旨とするメゾンの最高峰は『キュヴェ アンシャンテルール』。2000年が最後のヴィンテージ(VT)となり、新たに登場したのが『キュヴェ エメラ2005』です!

6種類のテイスティング

(左から)
#1:ブリュット スーヴェランNV
#2:ブラン・ド・ブランNV
#3:ブリュット ミレジメ 2008
#4:ブリュット ミレジメ2006
#5:キュヴェ エメラ2005
#6:キュヴェ アンシャンテルール2000

第1フライト

#1:ブリュット スーヴェランNV
生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:CH50% PN45% M5%
グランクリュとプルミエクリュのぶどうを3分の2以上使用
リザーヴ比率30%(約25のクリュ、キューヴ38のリザーヴワインを若干使用)
瓶内熟成3年以上
ドザージュ:8g/L未満
価格:6,900円 (税別)
メゾンの顔、コンセプトは“精確さとバランス”
明るい麦わら色、フレッシュてピュア、洋梨、青りんご、アプリコット的な酸味、バランス

#2:ブラン・ド・ブランNV
生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:CH100%
グランクリュとプルミエクリュのぶどうを70ー80%使用
リザーヴ比率40%(キューヴ38のリザーヴワインを若干ブレンド)
瓶内熟成 4ー5年
ドザージュ:8g/L未満
価格: 8,500円(税別)
アンリオのスタイルの要はシャルドネ。メゾンを象徴するアイテム、グラス壁面の粘性、石灰土壌由来のミネラル、白い花、グレープフルーツの内果皮似のビター感、白桃、アカシア、ブリオッシュやバターの風味、心地よい余韻

第2フライト

#3:ブリュット ミレジメ 2008
生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:CH50% PN50%
10のプルミエクリュとグランクリュをアッサンブラージュ
瓶内熟成8年以上
ドザージュ:6g/L以上
参考出品 / 参考価格:11,800円(税別)
1808年創業のアンリオの200周年記念のVT、今世紀のグレートヴィンテージ。
柑橘系果実、黄色系果実、アプリコット、ミネラル、凛とした酸味と精密さ、ロースト風味、ポテンシャル大。23名中8名が支持。

#4:ブリュット ミレジメ2006  
生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:CH50% PN50%
グランクリュとプルミエクリュを100%使用
瓶内熟成8年以上
ドザージュ:6g/L以上
価格: 10,800円(税別)
第1香に熟成のニュアンス、甘味があり、ストーンフルーツ(種の大きな果実 / 黄桃、アプリコット、ネクタリン)、泡はワインに溶け込み口中まろやか、ミネラル、滑らかでフェミニン。23名中15名が支持。

第3フライト
2アイテムとも、グランクリュ100%。コート・デ・ブランはシュイイ、アヴィーズ、メニュ・シュル・オジェ、北部モンターニュ・ド・ランスはマイイ、ヴェルジ、ヴェルズネーのぶどうを使用、比率はCHとPN各50%。12年以上の熟成


#5:キュヴェ エメラ2005
生産者:アンリオ(NM)
ぶどう品種:CH50% PN50%
ドザージュ:5g/L
価格: 25,400円(税別)
エメラはギリシャ神話の光の女神に因んで命名、唯一無二のヴィンテージのみ生産。23名中12名が支持。

#6:キュヴェ アンシャンテルール2000
生産者:アンリオ (NM)
ぶどう品種:CH50% PN50%
ドザージュ:8g/L
価23,000円(税別)
アンシャンテルールとはカーヴでワインが発酵するのを見守る職人を意味しています。23名中11名が支持。私もアンシャンテルールの熟成状態が好みでした!

ニューフェイス『エメラ』

コンセプトは“匠の技と光”
アンシャンテルールを継承したスタイル、フレッシュさと趣きのナイスバランス。煮詰めた柑橘類、レモンキャンディ、キャラメル、クリームブリュレ、モカ、蜂蜜、長い余韻と旨味

見つけたら買いの『アンシャンテルール2000』

コンセプトは“複雑味と匠の技”
フレッシュな酸と熟成感が同居、、ビーチ、カリン、アプリコット、ロースト風味、シームレス、層になって広がる複雑味

1778年建設のレゼルノワ

参考協力:(株)ファインズ

1778年建築のレゾルノワはコート・デ・ブランの入口ピエリー村にあるフランス式庭園を構えたアンリオの迎賓館。ラベルに配しているオレンジ色は、レゾルノワのレンガをモチーフにしています。

■製品についての問い合わせは(株)ファインズ
URL:http://www.fwines.co.jp/lineup/winery/fr_champagne02/
℡03-6732-8602

2018年09月28日

春講座最終回はル・メニルのきら星メゾン『ピエール・ぺテルス』にフォーカス!

春講座(4月から9月)の〆で取り上げたのはピエール・ぺテルス!!
シャルドネの聖地コート・デ・ブランの中心部に位置するル・メニル・シュル・オジェ村にあり、6世代にわたってペテルス家によって引き継がれているメゾンです。

ロドルフ・ペテルスさんが当主になったのは2007年。エノロジスト・ワインメーカーとして活躍しているペテルスさんは国内だけでなく、海外からも高い評価を受けています。
2012年の来日時、初めてお目にかかりました。その直後、シャンパン講座@昭和女子大カレッジでフォーカス。昨年の11月に来日なさった時は時間が合わず、セミナーに参加できませんでしたが、この数年間で、“気になる”新顔が登場していました。

7月のnakato泡試飲会で一飲惚れした『ウブリエ ブラン・ド・ブラン』


キュヴェ レゼルヴ ウブリエ ブラン・ド・ブラン』がそれです。
シャルドネ100%、ドザージュ4.5g/L、畑はル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィズ、クラマン等、グラン・クリュの56区画。世界のトップレストラン向けに生産した特別なキュヴェで、1988年からソレラ方式(1988年から毎年新しいワインが継ぎ足されていますので、30年にわたるワインが入っています)で保存しているリザーヴワイン100%のシャンパン。保存はステンレスタンク、セメントタンク、オークの大樽(フードル)の3容器で行っています。7月のnakato泡試飲会で体験し強く惹かれました!


天使の羽根をイメージさせる可愛いミュズレ!

講座では2アイテムずつ利き比べ

発酵・熟成の容器の違い(樽、ステンレス)、糖分添加の違い(ドザージュ有無・)、MLFの有・無、リザーヴワインの保存容器等を探究


第1フライトは樽発酵・樽熟成のアルフレッド・グラシアン

メゾンの特徴
62%がGC&PC畑、樽発酵・樽熟成、非MLF(ノン・マロ)、ヴァン・ド・レゼルヴの比率は少な目、保管はステンレスタンク、1997年からソレラ方式を導入

#1:アルフレッド・グラシアン ブリュット
生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
ぶどう品種:シャルドネ46%、ムニエ30%、PN24%(約30村のぶどうをブレンド)
ドザージュ:10~11g/L / ヴァン・ド・レゼルヴ 約15%
価格:7,500円
#2:アルフレッド・グラシアン ブリュット・ナチュール
生産者:アルフレッド・グラシアン(NM)
ぶどう品種:シャルドネ46 % ムニエ30% PN24%(約30村のぶどうをブレンド)
ドザージュ:0g/L / ヴァン・ド・レゼルヴ 約15%
価格:7,700円


左が第1フライト           右が第2フライト


第2フライトはピエール・ペテルス

メゾンの特徴
1930年、現当主の祖父ピエール・ペテルスが、ル・メニルの卓越したクリュ『レ・シェティヨン』畑を購入。全部で2.5haで3区画。自社畑は18haで、9割がGCでル・メニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマンに位置しています。MLFは60~80%、年によって異なります。

マサル・セレクション(畑から優秀な株を複数選び、穂木を取って苗を作り、もとの畑に戻す方法)を導入。これを行うには、クローン苗を使っていない畑を選ばなければなりません。超50年の樹齢のぶどう樹であれば、様様な株が混在しているので、樹にウイルスがいないことを確認して苗を作ることができます。ペテルスでは65%がマサル・セレクション。レ・シェテイヨンの区画は100%、樹齢は47年~70年。マサル・セレクションを行っているのはシャンパーニュ地方全体の10%以下。


#3:キュヴェ エキストラ・ブリュット ブラン・ド・ブランGC
生産者:ピエール・ペテルス(RM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:2g/L
価格: 7,500円
#4:キュヴェ レセルヴ ウブリエ ブラン・ド・ブランGC
生産者:ピエール・ペテルス(RM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4.5g/L
価格: 12,000円

第3フライトは2010年ヴィンテージ比較



#5:キュヴェ ミレジメ レスプリ ブラン・ド・ブランGC 2010
生産者:ピエール・ペテルス(RM)
ぶどう品種:CH100%(グラン・クリュのなかの最優良畑のぶどうのみ使用)
ドザージュ:3.5~5.0g/L
価格: 11,000円
#6:キュヴェ スペシャル レ・シェティヨン ブリュット ブラン・ド・ブランGC 2010
生産者:ピエール・ペテルス(RM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:3g/L
価格:18,000円
レ・シェティヨンは表土がほとんどなく、すぐに石灰質土壌が広がっています。西から冷たい雨や風が吹き込んできても、3区画は南東向きなので地形的に守られている由。代々引き継がれてきた知識とマサル・セレクションによって増やした45種以上のシャルドネがあり、それらが複雑味のあるシャンパンを生み出しています。


供出した6アイテム
最右のレ・シェティヨンのコルクの締まり具合、とても良い感じでした。
開けた瞬間、甘いクリームの香りが広がって、うっとり


ここで面白い情報を

Pont des Arts(ポン・デ・ザール)とペテルスのコラボレーション


(C) Pont des Arts
ティボー・ポンテリエ、ロドルフ・ペテルス当主、アルチュール・ド・ビルパン

ウブリエを試飲していて、はたと気付いたことがあります。
2年前、ピーロート・ジャパンの招聘で、ポン・デ・ザールの共同代表であるティボー・ポンタリエさんが来日しました。ポン・デ・ザールとは、食とアートの融合をコンセプトにした組織で、シャトー・マルゴーの総支配人だったポール・ポンタリエさんの息子ティボー・ポンタリエさんと元フランス首相ドミニク・ド・ビルパンの息子アルチュール・ド・ビルパンさんが興した会社です。

初対面で私はティボーさんに「シャンパンの伝道師です」と自己紹介しました。
その時、「まだ内密ですが」という前置きで、「近々シャンパンをリリースする予定です。何年にもわたるヴィンテージから成るものです」という話を聞かせてくれました。「どこのメゾンですか?」と質問したところ、「コート・デ・ブランにあるピエール・ペテルスです」との答えが返ってきました。

ティボーさんが見せてくれた“タコ”のラベル

(C) Pont des Arts

ティボーさんが「ラベルの画像があるので、お見せしましょう」と言って携帯にあった絵柄を見せてくれました。シャンパンのエレガントなイメージとはちょっと異なり、少し違和感のある印象でした。ポン・デ・ザールでは、すべてのワインをアーティストに依頼しています。この作者はスペイン・マヨルカ島出身のミケロ・バルセロさんで、直近ではシャトー・ムートン・ロートシルト2012のラベルを描いています。

講座終了後、google検索をしていて、引っかかったのがこのサイト

です。

サイト内には、タコは8つの手足を持つので、シャンパーニュで認可されているぶどう品種(シャルドネ、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ノワール、ムニエ、ピノ・ノワール・プレコス)を隠喩(あるものを別のものに例える語法)したものと・・・でも、でも、ピノ・ノワール・プレコス(Pinot Noir Précoce)はシノニムなので、シャンパーニュで認められている品種ではありません。現在の既定品種は「7」つだけ、ゆえに、ここだけ残念! タコでなかった方が良かったかも。

ウブリエはポン・デ・ザールでは『Réserve Privée Blanc de Blancs』名でリリースされているようです。
This Réserve Perpétuelle Blancs de Blancs consists exclusively of Chardonnay from Grand Cru villages of Champagne. A seamless cuvée of more than 20 vintages
との記述があるので間違いないと思います。

フルーティでフローラル、香りは柑橘系果実、ストーンフルーツ、ヘーゼルナッツ、アカシア、サフラン、味覚はグレープフルーツやスモモ、ミックススパイス、燻したアーモンド、 クリーミーでしなやか、ミネラル感があり、バランスが良く、複雑さと優雅さを感じます。
ピエール・ペテルスのシャンパンの酒質は本当に素晴らしいです!!

アルフレッド・グラシアン&ピエール・ペテルスに関するお問い合わせは
(株)nakato ワイン事業部 ℡:03-3405-4222
ワインリストは>>>http://nakato.jp/wine

2018年08月24日

ぶどう栽培農家の心意気を感じるメゾン『マイィ グラン・クリュ』 刷新した3アイテムにもフォーカス!

協同組合マイィ グラン・クリュの底力

photo by Fumiko, 2010年訪問 
36年の歳月をかけ、組合員全員で掘削して完成させたセラー
壁の掘り跡を見ていると当時の彼らの熱い想いが伝わってきてじんわりと涙が・・・

創業は1929年! 
世界恐慌の年で、シャンパーニュ業界もご多聞にもれず、厳しい状況下にありました。そのようななか、大手メゾンに負けない高品質のシャンパンを造りあげようと栽培農家たちが結束して興したメゾンがMailly マイィ社

で、協同組合(Coopérative de Manipulation 略CM)として独自の道を歩んでいます。

年間販売数量は50万本、比率は国内40%、海外60%で現在35ヶ国以上に輸出しています。全70㌶のぶどう畑はすべてグラン・クリュ(特級畑)マイィ村に位置し、それらは現在25家族(1929年から86のぶどう栽培者)の自社畑で、品種はピノ・ノワールとシャルドネのみ栽培しています。
ちなみに英国最古のワイン&スピリッツ商BB&Rでは『ベリーズ・ユナイテッド・キングダム・キュヴェ グランクリュ マイィ』、『ベリーズ・ユナイテッド・キングダム・キュヴェ グランクリュ マイィ』というオリジナルラベルを販売しています。マイィはマスターワインMWを多く抱えるBB&Rが認めるシャンパンメゾンと言えます!


photo by Fumiko, 2010年訪問
発酵は区画、品種ごとに小容量のステンレスタンクで


photo by Fumiko, 2010年訪問
リザーブワインはシャトー・マルゴーの使用樽で保存

シャンパーニュからの最新情報
今年は8月20日から収穫を開始し、最終収穫開始日は9月1日になります。
マイィ・シャンパーニュのエリアはピノ・ノワールもシャルドネも8月27日からです。CIVC(シャンパーニュ委員会)によると、ぶどうは高品質、収量も潤沢。今年は過去15年のなかで、8月中に収穫を開始した5番目のヴィンテージとのことでした。

20年以上にわたり、マイィの醸造責任者として高評価を得ていたエルヴェ・ダンタンさん(2013年からランソン)が映っているので、5年以上前の制作になると思いますが、マイィ社の収穫風景Harvest, the birth of a vintageの動画

を添えておきますので、ご覧くださいませ。

2013年からマイィの醸造責任者に就任したセバスティアン・モンキュイさんはシャンパーニュ地方コート・デ・ブランのベルジェール=レ=ヴェルテュ生まれで、ご実家はぶどう栽培農家。1996年ランス大学で醸造学の学位を取得。1997年から2009年までエペルネのシャトー・マラコフで生産部長。2009年から2013年までエノリア・コンセイユ・シャンパーニュ(ぶどう栽培者に助言を与える機関)で研究室長を歴任し、2013年からエルヴェ・ダンタンさんの後任として活躍中。


NHK文化センター青山校ではリニューアルした3アイテムを加えて
マイィ・グラン・クリュの6アイテム

第1フライトは同品種、同比率、ドザージュ違い




#1:マイィ ブリュット・レゼルブ グラン・クリュNV
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:9g/L
価格:6,500円(税別)
淡いイエロー、レモンやグレープフルーツ、白桃、白い花、フレッシュバター、ブリオッシュ、切れがあり美味

#2:マイィ エクストラ・ブリュット・ミレジメ2011 グラン・クリュ 7月17日発売
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:0g/L
価格:7,300円(税別)
ゴールデンカラー、#1より控えめな香り、洋梨、マンダリンオレンジ、熟した果実のニュアンス、アーモンド、ヘーゼルナッツ、口中クリーミー、喉の奥に旨味、ぶどうの熟度を感じるアイテム、お薦め!

#3:マイィ レ・エシャンソン2007
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%
ドザージュ:6g/L
価格:19,260円(税別)
落ち着いたベージュカラー、泡沫元気、香りに熟成感、黄色系果実、リンゴのコンポート、蜂蜜、ココア、ロースト感、シームレス、複雑味があり、余韻の最後に塩味

リニューアルしたエクストラ・ブリュット

リニューアル化により、裏ラベルにあるQRコードから、様々な情報を読みとることができるようになりました。

第2フライトはロゼ


#4:マイィ ロゼ・ド・マイィ グラン・クリュ 8月7日発売
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドザージュ:8g/L
価格:8,100円(税別)
リニューアル発売したアイテム。従来のロゼ・ブリュットを『ロゼ・ド・マイィ』に変更。ピノ・ノワールをセミエで仕込み、シャルドネをブレンドして造ったロゼ。可愛いサーモンピンク、レッドカラント、ラズベリー、ピンクペッパー、講座生いわくトマト、ミネラル、中盤以降酸の広がり、軽快でバランスの良さを感じさせるロゼ


第3フライトにマイィ究極のピノ・ノワールを


#5:マイィ ブラン・ド・ピノ・ノワール グラン・クリュ 9月上旬発売
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8g/L
価格:7,800円(税別)/ 協賛
5月に来日したジャン=フランソワ・プレオ経営責任者は、マイィのプレスセミナーで、「今回ブラン・ド・ノワールを『ブラン・ド・ピノ・ノワール』に変更したのは、使用ぶどう品種がピノ・ノワール100%であることをよりわかりやすくアピールしたかった為」とコメントしていました。
深みのある黄金色、マンゴー、黄リンゴ、栗、スミレ、スパイス、ピンクグレープフルーツの内果皮似のビター感、酸味のまるさと黒ぶどうに由来する力強さ


2アイテムとも泡沫は活発、リズミカルで細やかな気泡

35のリュー・ディ

上記の地図にある35の小区画(リュー・ディ)の各々の特徴を示すため、35区画のワインを 小ステンレスタンクで別々に発酵させます。タンクには区画名、ぶどう品種名が明記されており、最終的に最適な組み合わせの区画のワインをブレンドしています。
  
マイィのトップキュヴェ『ラントンポレル』


#6:マイィ キュヴェ・ラントンポレル2011
生産者:マイィ
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:8g/L
価格:13,000円(税別)
リニューアル前のアイテムの裏ラベルにはQRコードの記載はありません。
色調はゴールデンカラー、洋梨、アプリコット、すもも、石灰由来の酸味、ミネラル、ブリオッシュ、余韻に若干のビター感、複雑味と旨味、長い余韻


フェルミエのラングルと合わせて

素晴らしい熟成具合の #3 との相性に多くの票が集まりましたが、外皮とのマリアージュを推す声も多々。マイィ自慢の#5との組み合わせも楽しめました!


サプライヤーとして活動

画像提供:合同酒精株式会社
ポルシェのサプラーヤー、2016年にはUEFA EURO(欧州サッカー選手権)のパートナーに


[電話]マイィ・グラン・クリュのお問い合わせは合同酒精株式会社営業本部営業企画部
ワイングループ 03-3575-2724まで


[イベント]8月22日からNHK文化センター青山校の秋講座の受付を開始しました。
“オーダーメイドのシャンパンレッスン

”への参加をお待ちしております!!

2018年08月22日

NHK文化センター青山校〝オーダーメイドなシャンパンレッスン〟 秋講座募集開始!!

本日22日から秋講座(10月~3月)の募集を開始しました!


【案内】
講 座 名:オーダーメイドなシャンパンレッスン ~ 各メゾンの奥深さを愉しもう ~
開催日時:10月31日、11月21日、12月19日、1月23日、2月27日、3月27日
毎水曜日 19:00~21:00 
[NEW]詳細・お申込みはNHK文化センター青山校の秋講座募集のURL

からよろしくお願いいたします。シャンパンラバーさんの参加をお待ちしております!!
満席御礼、ありがとうございました!

2018年08月10日

NHK文化センターのシャンパン講座でマムRSRVとガズボーンの競演

7月最終週のシャンパン講座!
今回はシャンパンと英国産スパークリングワインを比較試飲しました。揃えたのは創業1827年の名門『G.H.Mumm マム』と2004年に誕生した『Gusborne ガズボーン』。ひとつ前のブログにガズボーンのリポート

を載せていますが、その折、体験したブラン・ド・ブラン(BdeB)とロゼをセレクトしました。G.H.マムはディデイエ・マリオッティ最高醸造者が来日して披露してくださったRSRVシリーズ

のブラン・ド・ブランとロゼです。

供出した7アイテム

(供出順に左から)
#1:マム グラン コルドンNV
#2:ガズボーン ブラン・ド・ブラン2013
#3:マム RSRV ブラン・ド・ブラン2012
#4:マム RSRV ブラン・ド・ノワール2008
#5:マム グラン コルドン ロゼNV
#6:ガズボーン ロゼ2013
#7:マム RSRV ロゼフジタ


第1フライトのメインはブラン・ド・ブラン

#1:マム グラン コルドンNV
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、シャルドネ30%、ムニエ25%、瓶熟20ヶ月
ドザージュ:8g/L
価格:6,150円(税別)
赤いリボンの『コルドン・ルージュ』が世界的デザイナー、ロス・ラブグローブの手によって革新的なデザインにチェンジ、ボトルは視覚&触覚で楽しめます。ネーミングも『マム グラン コルドン』になりました。大容量ボトルで飲めば魅力はさらに倍増!
黒系ぶどうを感じる色調、 フレッシュさが信条、種子の大きな果実(桃や杏)、トロピカルフルーツ、イースト、柑橘系果実の酸味、口中で果実味、チョーク、余韻に軽いビター感、バランス良好

#2:ガズボーン ブラン・ド・ブラン2013
生産者:ガズボーン・エステイト(英国)
ぶどう品種:シャルドネ100%、瓶熟36ヶ月以上
デゴルジュマン:2017年1月31日
ドザージュ:9g/L
価格:9,008円
サイモン・フィールドMWは2010年ヴィンテージ(VT)を試飲した特に「タルト・タタン、アーモンド、バターを塗ったトーストの風味を感じる」とコメントしていましたが、熟成したガズボーンのBdeBからは蜂蜜やバター、キャラメルやヘーゼルナッツのようなニュアンスを感じます。
最新VTの2013は輝きのある黄金色、フレッシュで溌剌、白系果実や白い花、塩味、ビスケット、口中クリーミー、冷涼年だった2013年は最初から最後まで続く凛とした“酸”が印象的。
講座生いわく「とうもろこしのニュアンス」と。5月のプレスランチで、ホワイトアスパラガスと合わせて絶妙だったBdeB、確かに白色系野菜や黄色系野菜に通じる要素あり


(左から順に)#1~#4
#1(黒ぶどうの比率70%)、#2(白ぶどう100%)、#3(白ぶどう100%)、#4(黒ぶどう100%)の色調の微妙な変化がわかります。

RSRVとはメゾン マムが代々守り続けているスタイルを具現化した最高峰のシャンパーニュ
■使用するぶどうはグラン・クリュのみ
■特別なキュヴェであることを示す裏ラベルのボトリングとデゴルジュマンの年月、ロットナンバー
■ドザージュ量はすべて6g/L

#3:マム RSRV ブラン・ド・ブラン2012
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:シャルドネ100%(クラマンGC)
瓶詰日:2013年2月
デゴルジュマン:2017年2月
ドザージュ:6g/L
価格:9,500円(税別)
気泡は細やか、香り控えめ(グラス内の温度の変化でふくらみ)、白い花、レモン、アカシア、トロピカルフルーツ、アーモンド、口中で香りが広がり、綺麗な酸の余韻、梅酒似のニュアンス、マムが誇るGCクラマン(白亜の意)の畑に由来するミネラル感、お薦めの料理は甲殻類!

#4:マム RSRV ブラン・ド・ノワール2008
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%(ヴェルズネイGC)
瓶詰日:2009年6月
デゴルジュマン:2016年11月
ドザージュ:6g/L
価格:12,700円(税別)
2008年は糖分、酸味等において卓越したヴィンテージ。濃い目のベージュ、グラス表面の泡沫元気。第1香はおとなしめ、ブリオッシュ、スモークのアロマ、中盤から酸の広がり、野菜の旨味似のニュアンス、 ロースト、コーヒー、 乳酸、熟成したコンテチーズ、白身魚や白身肉に合わせて!


第2フライトはロゼの競演

#5:マム グラン コルドン ロゼNV 2018年6月22日発売
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ22%、ムニエ18%、瓶熟24ヶ月
ドザージュ:6g/L
価格:7,400円(税別)
触って斬新、透明なボトルに“赤いたすき”のグラン コルドン ロゼ。透明感のあるオレンジ色、ストロベリーやさくらんぼのアロマ、ピンクグレープフルーツの味わいと内果皮似のビター感、ピンクペッパー、ミネラル感のあるフィニッシュ、エスニック料理や中華料理(餃子)等と合せて。


(左から順に)#5~#7
マムの最高醸造責任者ディデイエさんは「私にとってロゼは夏のイメージです。#5は日中、#7は夏でも空がピンクやオレンジに変わる夕暮れ時」と語っています。コルシカ島生まれのディデイエさんらしい表現。中央はガズボーンのロゼ、やさしいサーモンピンク色! 

#6:ガズボーン・ ロゼ2013
生産者:ガズボーン・エステイト(英国)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、瓶j熟28ヶ月以上
デゴルジュマン:2016年5月20日
ドザージュ:8.2g/L
価格:8,284円
きれいなサーモンピンク色、気泡繊細、香りにも味わいにも赤系果実(イチゴやレッドカラント)のニュアンス、ミネラル感、塩味、#2同様、メリハリのある酸味

#7:マム RSRV ロゼ フジタ 2018年4月17日発売
生産者:G.H.マム
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
瓶詰日:2013年7月
デゴルジュマン:2016年7月
ドザージュ:6g/L
価格:12,700円(税別)
#5よりわずかに濃い目のオレンジ(夕焼け色)、ブリオッシュ、焼菓子、ベリー系果実のアロマ、ブラッドオレンジ、スパイス、サーモンマリネのように色で合わせるマリアージュがお薦め


裏ラベルの瓶詰め表示:2013年7月/デゴルジュマンの表示:2016年7月

レオナール・フジタ没50年のイベント

映画『Foujita』でレオナール・フジタを演じたオダギリジョー

没後50年 藤田嗣治展
Foujita:A Retrospective - Commemorating the 50th Anniversary of Death


2018年7月31日(火)~10月8日(月・祝)@東京都美術館


■輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン ℡03-5802-2671
■輸入元:BB&R ℡03-3518-6730

8月のシャンパン講座にはまたまたスペシャルなアイテムを用意しましたので、お楽しみに!

2018年08月05日

目が離せない英国産スパークリング、来日した『ガズボーン』のローラ・リースMSとマリア―ジュ

英国産スパークリングワイン『ガズボーン』
私は2015年に昭和女子大オープンカレッジでBB&R

扱いのガズボーン(英国 ケント州)、キャメル・ヴァリー(同 コーンウォール州)、リッジヴュー(同 サセックス州)の3ワイナリーにフォーカスしました。その折、ガズボーンはブラン・ド・ブラン(BdeB)2010を選択、シャンパン『ドゥラモットBdeB2004』とのブラインド対決にしたのですが、講座生の好みは15対3、ガズボーンが優位でした!


来日したガズボーンのアンバサダー、ローラ・リースMSは、同国で、ローマ時代のぶどう畑の痕跡が発見されていることから、「英国でのワイン造りはローマ時代から」と語っていました。
ローマ人(ローマ帝国)は侵略したグレート・ブリテン島をブリタニアと呼んでいたようで、飲料文化(海外編)には「B.C.58年のジュリアス・シーザーのガリア征服戦によりワインはガリア(今のフランス、北イタリア)、ゲルマニア(ドイツ地方のライン川まで)、イベリア半島沿岸部、ブリタニア(イギリス)等を支配下におさめていき、その駐屯地には兵士の飲料用ワインを送り込み、ぶどう畑の開拓も行った」との記述がありました。

20世紀、英国でワイン造りが脚光を浴びるのはハンプシャー州ハンブルドンで商業用のぶどう園が開かれた1950年代のこと。本格的に始動するのは1980年、1990年代。1988年創業のナイティンバーは英国で初めてシャンパーニュ用の3品種シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエを植樹。1992年ヴィンテージのプルミエ・キュヴェがインターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション(IWSC)で金賞を受賞し、英国産スパークリングの秀逸さを世界に示しました。


古くて新しいガズボーン
イギリス南東部ケント州アップルドアにあるガズボーンのぶどう畑の起源は1410年まで遡ることができます。創業は2004年で、2010年にリリースしたブリュット・リザーヴ2006がファーストヴィンテージになります。2013年から既に3回、IWSCでEnglish Wine Produce of the Yearを受賞しています。
自社畑は90㌶、内訳はケント州が60㌶(20㌶は2004年から2007年までに植樹、2014年に植樹した残りの40㌶はまだワインには未使用)、サセックス州は30㌶で、2014年に植樹。
ケント州の土壌は粘土と砂質、サセックス州は石灰質土壌で、収穫時期はケント州より2週間ほど遅いとのこと。
リースさんは「ワイン産地は標高が低く、なだらかな斜面で、海から離れていない場所。シャンパーニュ地方より、北に位置するので、酸味を保つことができ、ハングタイムが長いので、フェノールの熟度もあがります」とコメント。スパークリングワイン造りでは土壌、区画、品種ごとに収穫し、80~100のキュヴェをブレンドしています。



ガズボーンの名はグース(ガチョウ)、ボーン(小川の意味)に由来、ボトルネック部分にガチョウがいます!
#1:ブリュット・レゼルヴ2013 6,670円(税別)
ぶどう品種:ピ二・ノワール55%、ムニエ27%、シャルドネ18%、
ドザージュ:9g/L
ケント州アップルドアにある南向きの畑、粘土質・砂質ローム土壌、ステンレスタンクで発酵、MLF100%、瓶熟28ヶ月以上、フレッシュ感、芯のある酸味、柑橘系果実、白桃、ブリオッシュ、シナモン、ミネラル

#2:ロゼ2013 7,670円(税別)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8.2g/L
ケント州アップルドアにある南向きの畑、粘土質・砂質ローム土壌、ステンレスタンクで発酵、MLF100% 、瓶熟28ヶ月以上、サーモンピンクの色調、香りは赤系果実のニュアンス、#1よりソフトな酸、ミネラル、クリーミーで可愛い印象

#3:ブラン・ド・ブラン2013 8,340円(税別)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:9g/L
ケント州アップルドアにある南向きの畑、粘土質・砂質ローム土壌、ステンレスタンクで発酵、MLF100%、瓶熟36ヶ月以上、冷涼年、安定した気候、フレッシュ、白い花、白桃、アンズ、ミネラル、若干のビター感

#4:ブラン・ド・ブラン2012 参考商品
ドザージュ量12g/L、2012年は難しい年とのことでしたが、デキャンター誌のTOP75に選ばれています。「大変な年だったにも関わらず、ここまでのワインが造れたことが自信につながりました」とリースさん。注がれた当初は香り控えめ、果実味と中盤から余韻に続くきれいな酸味、バランス良好、今飲んで美味しいワイン

#5:ブラン・ド・ブラン2010 参考商品
ドザージュ量9g/L、2013年に似た冷涼年、熟成を感じる色調、気泡はワインに溶け込みスムース、ドライフルーツ(無花果)、ヘーゼルナッツ、アカシア、複雑味とまるみ

#6:ピノ・ノワール ブート・ヒル・ヴィンヤード2015 5,170円(税別)
夏にグリーンハーベストを実施、2009年から少量生産、気になるアイテム



画像提供:BB&R
ケント州の位置は地図下方、右側の大きなぶどうが目印


広尾のランベリー岸本直人シェフのメニューに合わせて

クレメ・ダンジュ 熊本県クレームソワニエ 梅とビーツ
"酸"の存在が明確、泡ものの酸と梅の酸、同じく双方のクリーミーな食感が◎


お洒落なしつらい~長野県天竜川の稚鮎 蓼とアヴォガドのディップ~


柑橘果実の内果皮似のビター感と稚鮎のソフトな苦みにディップのクリーミーさが相乗


北海道富良野より ホワイトアスパラガスのポシェ トマトのムース、美味!


(左から)ブラン・ド・ブラン2013、同2012、同2010
ホワイトアスパラガスの程よい柔らかさと歯ごたえの良さ
ブラン・ド・ブランとの相性では2012年が好み



山形産もち豚を2種の調理法で、ロティとプレゼ(蒸し焼き) アメリカンチェリーのポワレ
ブラン・ド・ブラン2010年の熟成感と豚のロティの相性〇




明るいルビー色、アメリカンチェリー、ラズベリー、ストロベリー、赤いバラ、ヴァニラ、胡椒、ミネラル、グラファイト、芯のある酸味、タンニンはまろやか、豊潤で心地良い余韻。ボランジェのコート・オー・ザンファン似の趣き


英国のワイン団体WineGB
「今春、Wines of Great Britain(WineGB)が誕生しました」とリースさん
従来からあった2つのワイン団体United Kingdom Vineyards Association(UKVA) とEnglish Wine Produces(EWP) が合併。両団体のリソースやスキル、専門知識が集約されて、英国のぶどう栽培やワインメーカーを代表する新たな団体WineGB

がスタートすることになりました。

英国におけるワインデータ
英国のぶどう栽培面積は、現在約2,500㌶、約700(うち約540は商業用)のワイナリーがあり、2017年は500万本のボトルを生産しました。
スパークリングワインが全体の68%、スティルワインが32%で、栽培しているぶどう品種の71.2%はシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ、残りの28.8%は他の品種(セイヴァルブラン、ミュラー・トウルガウ、バッカスetc)です。
地球温暖化の好影響もあり、ここ50年間で劇的な変化を遂げている英国には、シャンパンメゾンのテタンジェがケント州、ポメリーがハンプシャー州に進出しており、「今後も海外からの参入が見込まれる」とWineGBは推測しています。
泡好きには目が離せない状況になっています!


■製品についてのお問い合わせはBB&R ℡03-3518-6730

2018年06月30日

デュヴァル=ルロワのジュリアン来日!! プレスランチセミナー&シャンパン講座でプレシャス・パーセルにフォーカス

【第1部】デュヴァル=ルロワプレスランチセミナー@アルカナ東京

シャンパーニュ デュヴァル=ルロワから6代目で専務取締役のジュリアン・デュヴァル=ルロワさんが来日して、メゾンのポリシーを具現化したキュヴェ『プレシャス・パーセル・シリーズ』をテーマにプレスランチセミナー@アルカナ東京を開催しました。
同メゾンは環境に配慮したワイン造りにいち早く特化し、社会・文化活動への積極的なサポートなど、常に業界をリードする先駆的な活動を続けています。

クロ・デ・ブーヴリーのシャンパンとぶどう畑


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photo by Fumiko

選び抜かれたプレシャス・パーセル・シリーズ

(左から右に)
#1:クロ・デ・ブーヴリー2006
同じ場所、同じ製法、同じ品種なので、違いは気候のみ。気候の変化がワインに与えた影響を素直に表現したアイテム
#2:プティ・メリエ2007
忘れられたぶどう品種の復活
#3:キュミエール2005
有機栽培によるピュアなピノ・ノワール
#4:ブジー2005
シャルドネの対極にあるぶどう品種


グラスは右から左の順に#1~#4


#2のプティ・メリエはシャンパーニュ地方のマイナーな白ぶどう品種で、デュヴァル=ルロワでは「酸味の強さが特徴で、ルバーブのアロマがアルコール発酵によって白イラクサの香りになる」と表現しています。野菜のニュアンスがあるので、ここでは白とグリーンのアスパラガスに合わせて相性を楽しみました。


200度のオーブンで焼いた温野菜の甘味、旨味が10年以上の熟成を経たアイテムと相乗

最新アイテム『エクストラ・ブリュット』

2年前にデビューしたエクストラ・ブリュット・プレスティージュ・プルミエ・クリュNV
ラベルには独立系家族経営メゾンであることが表現されています。


ぶどう品種はプルミエ・クリュ(一級畑)とグラン・クリュ(特級畑)のシャルドネ65%とピノ・ノワール35%を使用、ドザージュは5g/L以下、リザーブワインは40~50%


【第2部】NHK文化センター青山校シャンパン講座
第1フライトでハプニング

6月27日の講座で、ナパからの帰国時に購入したカリフォルニアのドメーヌ・シャンドン・ロゼ(未入荷)とエクストラ・ブリュット・プレスティージュ・プルミエ・クリュNVをブラインドで供出したところ、思わぬハプニングが!

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本来ならこのような比較試飲でしたが、あらら、色調が違い過ぎて・・・そこで全員で色違いのロゼをテイスティングすることに

#1:シャンドン・ロゼNV

生産者:ドメーヌ・シャンドン(米国/1973年創業)
ぶどう品種:CH、PN、M
価格:23ドル
サーモンピンク(左側)のほうはルビーグレープフルーツを彷彿とさせる香りや酸味、味わいにも内果皮由来の軽いビター感があり、フレッシュで溌剌さのあるタイプ。片や濃い方(右側)は香り華やか、ベリー系果実のような甘やかさ、種の大きな果実(スモモやアンズ)、香り同様、味わいにもキャンディ似の甘いニュアンスがあり軽いタンニンがアクセントのチャーミングなタイプ。講座生の好みは約半々に分かれました。私はサーモンピンク派!
酒質自体問題ないので、カリテプリなアイテムと言えますが、何故ここまでの色の差が出たのか。考えられる原因を調べています。

【追記(7月3日付)】ロゼの色の違いについて、松本信彦日本エノログ連盟会長に伺いました。
「ボトル内の酸素の含有量の違いが色調の変化に繋がったと考えられる」とのことで、ボトル内の酸素が微量といえども、淡い色のほうより多かったことで酸化が進み、色の違いに出たようです。



#2:エクストラ・ブリュット・プレスティージュ・プルミエ・クリュNV
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生産者:デュヴァル=ルロワ(NM)
ぶどう品種:CH65%、PN35%
ドザージュ:5g/L未満
価格:8,800円
初めてラベルに「エクストラ・ブリュット」と表記したアイテム。デュヴァル=ルロワでは以前からドザージュが少なめでも「ブリュット」と記載していたので、とても斬新。キュヴェの綺麗さ、ぶどうの質の良さを感じさせるアイテム、マダム・キャロルのお気に入り

第2フライトはパーセル・コレクション
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(左から右に)
供出順はジュリアンさんとのプレスランチセミナーの時の#2と#3を変更

#3:クロ・デ・ブーヴリー2006
生産者: デュヴァル=ルロワ(NM)
ぶどう品種:CH100% プルミエ・クリュ (メゾンの要クロ・デ・ブーヴリー)
ドザージュ:エクストラ・ブリュット
生産本数:15,888本
価格: 15,600円
マダム・キャロルを象徴するシャンパン
2002年から生産。シャルドネ100%(平均樹齢50~60年)、土壌は白亜質石灰層と一部火打石が混在。「火打ち石土壌の特徴はユーカリやミントのニュアンス」とジュリアンさん。オークの小樽&伝統的な大樽で熟成。毎年生産しているアイテムで、メゾンの研究材料の役目も兼ねています。
気泡細やか、白い花やおしろい花、洋梨やレモンのアロマ、石灰由来のミネラル、アカシア、黄金飴、口中ではぴ~んと張った矢のようなイメージ。長い余韻。2006年らしい果実の豊かさを感じるアイテム

#4:キュミエール2005
生産者: デュヴァル=ルロワ(NM)
ぶどう品種:PN100% プルミエ・クリュ (ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区キュミエール)
ドザージュ:ブリュット
生産本数:5,648本
価格: 15,600円
ジュリアン・デュヴァル=ルロワ(長男)を象徴するシャンパン
オーガニック100%、オーガニック栽培はぶどう畑全体の2%のみ。石灰質の粘土層、オークの小樽で熟成。
以前はオーサンティス(フランス語で“正真正銘”の意味)・キュミエールという名でリリースしていた製品。私が初めてキュミエールを試飲したのは2012年で、2003年ヴィンテージでした。2003年は極寒、猛暑、雹(ひょう)、霰(あられ)の凄い気候だったのですが、そのような状況下でもワインは奥行があり、本当に豊潤で感嘆しました! それ以来、ずっと気になっているアイテムです。
色調はゴールド、ドライフルーツやナッツのアロマ、ドライフラワー、チーズの外皮、スパイス、旨味、凝縮感

#5:プティ・メリエ2007
生産者: デュヴァル=ルロワ(NM)
ぶどう品種:プティ・メリエ100%(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区ヴァントゥイユ/購入ぶどう)
ドザージュ:エクストラ・ブリュット
生産本数:988本
価格: 18,000円
シャルル・デュヴァル=ルロワ(次男/マーケティング担当)を象徴するシャンパン
個性的なシャンパンを好む愛好家向け、希少品種プティ・メリエ100%で特徴は酸味の強さ。粘土質土壌、オークの小樽で熟成。4つの中で一番淡いイエローカラー、黄色系果実レモンやカリン、芯の通った酸味、温度変化で酸の鋭さにまるみ、余韻にビター感

#6:ブジー2005
生産者: デュヴァル=ルロワ(NM)
ぶどう品種:PN100% グラン・クリュ(モンターニュ・ド・ランス地区ブジー)
ドザージュ:無
生産本数:3,258本
価格: 15,600円
ルイ・デュヴァル=ルロワ(三男/広報担当)を象徴するシャンパン
オーガニック栽培のピノ・ノワール100%、土壌は粘土質石灰土壌、オークの小樽で熟成
色調は黄金色、ブリオッシュやビスケットのアロマ、白カビチーズ、ヘーゼルナッツ、スパイス、ミネラル、ストラクチュア&力強さ。以前はオーサンティ・ブジー・グラン・クリュという名でリリースしていた製品


[わーい(嬉しい顔)]感謝を込めて!
講座生大満足の時間になりました。
貴重な機会を与えてくださったコーエン社長&中村専務にこころから御礼申し上げます。様々な機会でデュヴァル=ルロワのシャンパンを供出させていただくことができたことを光栄に思っています。本当にありがとうございました。

希少なシェーブル

素敵な差し入れ、今牧場の良質な山羊ミルクから作った季節限定の茶臼岳のシェーブル!


私はシェーブル特有の臭みが苦手なのですが、これは別格、クリーミーな食感でエレガント!
M女史のご配慮に感謝、感謝です。

【お知らせ】
輸入元ヴィレッジ・セラーズでのデュヴァル=ルロワ扱いは本日6月30日迄となります。
新規輸入元はIconic Wine Japan

2018年06月04日

6月に創業200周年を迎えるビルカール・サルモンにフォーカス!

6月になりました!
1818年創業のシャンパンメゾン『ビルカール・サルモン

』では、今月、本拠地マレイユ・シュール・アイ村で200周年の祝賀会を行います。
その時に、お披露目されるのが、200周年記念ボトル。ぶどう品種はピノ・ノワール92%、シャルドネ4%、ムニエ4%で、2012年、2008年、2006年、少量2001年をブレンドしています。容量は1,500mlのマグナムと3,000ml のジェロボアムで、マグナムの生産量は創業年と同じ1,818本、希少アイテムです。



シャンパン講座で、200周年のマグナムサイズを供出したいと思ったのですが・・・・なんと24万円(税別)とのことで、う~ん、断念。 その代わりに、看板アイテムの『ブリュット・レゼルヴ』のマグナムに登場してもらいました。ちなみに記念ボトルのジェロボアムは49万円(税別)!

あじわいの違い、熟成具合等
第1フライト
#1:ブリュット レゼルヴNV 750ml
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:M40% CH30% PN30%
ドザージュ:7~8g/L
価格:7,500円
第1フライトのなかでは色調濃い目、気泡細やか、白い花、洋梨、最初に酸味、中盤以降、その酸がきれいに伸び口中を洗い流す印象

#2:ブリュット・レゼルヴNV 1500ml (株)JALUX協賛
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:M40% CH30% PN30%
ドザージュ:7~8g/L
価格: 16,000円
色調は淡く、持続性のある気泡の連なり、白い花、レモンライム、ミツロウ、舌先に軽い泡の刺激、その後スムース、柑橘果実の内果皮似のビター感、フレッシュ感とバランスの良さ


輸入元(株)JALUXが作った立派なブローシャー!

#3:エクストラ・ブリュットNV 750ml
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:M40% CH33% PN25%
ドザージュ:0g/L
価格: 8,000円
瓶熟期間を1年長くしたことで、味わいに膨らみ、淡いイエロー、グラス表面の泡沫活発、3つのなかでは香り控えめ、ミネラル、ブリオッシュ、ノン・ドゼながら豊潤、余韻の広がり、旨味、第1フライトのマイベスト

同アイテムのヴィンテージ違い、3ヴィンテージの違い
第2フライト




ヴィンテージものは色調も濃く複雑味も増して

#4:ヴィンテージ2007
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:PN75% CH25%
ドザージュ:4g/L
価格: 12,000円
色調ゴールド、気泡繊細&クリーミー、蜜を含んだリンゴ、生バター、マドレーヌ、イースト、軽いビター感、複雑味、旨味

#5:ヴィンテージ2006
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:PN75% CH25%
ドザージュ:1g以下/L
価格: 12,000円
ドザージュを1 g以下に抑え、古樽を20%使って熟成させたスタイル、キュヴェのピュアさと独特の厚みを実感、色調ゴールド、黄リンゴ、カリン、マーマレード、ブリオッシュ、シャープな酸、余韻に旨味

#6:キュヴェ ニコラ・フランソワ・ビルカール2002
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:CH40% PN60%
ドザージュ:5~6g/L
価格:28,000円
ピノ・ノワールの一部を樽発酵させた重厚感あるスタイル、色調ゴールド、気泡繊細、種子の大きな果実(白桃、アンズ、プラム)、オレンジピール、ミネラル、焼き菓子、上質な酸を伴った長い余韻


信頼性のおける『WORLD'S Most Admired CHAMPAGNE Brands 2018』でビルカール・サルモンは1ランク上って4位に。


次の100年に向けての決断は、「これ以上数量は増やさない」と語っていた6代目ゼネラル・ディレクターのアントワン・ローラン=ビルカール氏。品質重視のメゾンです!


ワイン王国誌上でも紹介

200周年イベントを前に来日したビルカール氏のプレスランチの様子はワイン王国最新号(No105)で紹介しています!

■ビルカール・サルモンについてのお問い合わせは(株)JALUX ℡03-6367-8756

2018年04月28日

上半期(4月~9月)シャンパン講座 第1回は初心に戻って3メゾンにフォーカス!

3メゾンを違いを見ながら

NHK文化センター青山校のシャンパン講座


キャッチ・コピーは“各メゾンの奥深さを愉しもう”です。
初回ということで、今回は3つのシャンパンハウスを取り上げて、メゾンの顔といわれる「ノン・ヴィンテージ」と、メゾンが総力をあげてつくり出す「キュヴェ・プレスティージ」を探求してみました。
すべてブラインドで行い、第1フライトと第2フライトの共通項を感じ取り、対になるメゾンを探し出していただく形にしました。ポイントはぶどう品種、MLF(マロラクティック発酵)の有無、容器(ステンレス、樽)等

第1フライト



#1:モエ・エ・シャンドン モエ・アンペリアルNV
生産者:モエ・エ・シャンドン
ぶどう品種:ピノ・ノワール、ムニエ(各30~40%)シャルドネ(20~30%)
ドザージュ:9g/L
価格:6,300円(税別)
輸入元:MHDモエ ヘネシー ディアジオ
1743年、クロード・モエがエペルネに設立。言わずと知れた世界最大シェアを誇るメゾン。モエ・エ・シャンドン社は1987年、LVMHモエ ヘネシー・ルイ・ヴィトングループの傘下に。2015年、歴史的建造物の迎賓館“オランジェリー”がユネスコ世界遺産登録。全長28mの地下セラーも世界遺産。
モエ・アンペリアルは主要3品種(ピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネ)を使用、100種類以上のベースワインをブレンド、発酵・熟成はステンレスタンク。24ヶ月瓶熟。色調は淡いゴールド、フルーティ&フローラル、白い花や白桃のような白系イメージ、レモングラス、後半まで続く程よい酸味、軽いビター感、ライトで飲みやすく万人受けするアイテム

#2:ランソン ブラック・ラベル・ブリュットNV
生産者:ランソン
ぶどう品種:ピノ・ノワール50% シャルドネ35% ムニエ15%
ドザージュ:9g/L
デゴルジュマン:2017年3月
価格:6,000円(税別)
輸入元:アサヒビール
ランスの行政長官フランソワ・ドゥラモットが1760年に設立。ランソンはMLFをしないことで、きりりとしたリンゴ酸を残し、フレッシュで果実味を生かしたスタイルを守り続けています。
MLFとは、主発酵後、ワイン中に含まれるリンゴ酸が、乳酸菌の働きで乳酸に変化する現象
ブラックラベルも3品種を使用、リザーブワイン15~30%、最低3年瓶熟(長く熟成させることで非MLFの良さを発揮)、透明感のある麦わら色、ライムやレモン、青リンゴ、トースト、グレープフルーツの内果皮似のビター感、ミネラル、舌を洗い流す爽快感(ラムネのような)、上質な酸の余韻、特に梅雨時におすすめしたいアイテム

#3:アルフレッド・グラシアン ブリュットNV
生産者:アルフレッド・グラシアン
ぶどう品種:シャルドネ46% ムニエ30% ピノ・ノワール24%
ドザージュ:10~11g/L
価格:7,500円(税別)
輸入元:中島董商店
1864年、アルフレッド・グラシアンがエペルネに設立したメゾン。醸造責任者は1905年以来、ジェジェ家が担当しており、現在は4世代目のニコラ氏。すべてのベースワインを樽で発酵・熟成させるのが特徴。樽はシャブリの生産者から5年以上使用した旧樽(228L)を購入。非MLF(ノン・マロ)、リザーブワインは少なめで15%(前年のワイン)程度。3年以上瓶熟。繊細な気泡、豊かな果実味&シャープな酸味、酒質が良く、樽使い絶妙、複雑味と酸の広がり好印象、グラス内の温度変化で旨味も。講座生の半数以上が支持!


第2フライト



#4:モエ・エ・シャンドン ドン ペリニヨン2009

生産者: モエ・エ・シャンドン
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール(比率非公開)
価格:23,100円(税別)
飲んだことがなくても名前は聞いたことがあるという知名度の高いシャンパン。ぶどう栽培やブレンド等、シャンパン製法の礎を築いたオーヴィレール大修道院の修道士ドン・ピエール・ペリニヨンの名に由来。ぶどうはグラン・クリュ(特級のぶどう畑)とプルミエ・クリュ(一級のぶどう畑)のものを使用。色調は3つの中で一番淡く、グレープフルーツ、白桃、ホワイトパウダー、カマンべール、ブリオッシュ、バニラ、スパイスのニュアンス、ソフトで優しい酸、シームレスでまろやかなテクスチュア

#5:ランソン ノーブル・キュヴェ ヴィンテージ・ブラン・ド・ブラン2000
生産者:ランソン
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:10g/L
価格:19,000円(税別)
グラン・クリュのぶどう(シュイイ、クラマン、アヴィーズ、メニル)。ブラン・ド・ブランながら色調は一番濃く、ゴールド、18年の熟成を感じさせないフレッシュな酸と、時を経た複雑な香りが同居。カリン、アプリコット、黄桃、アカシア、ミネラル、アーモンド、ヨーグルトやウォッシュ系チーズ。口中では極めて爽快、クリーミーで、余韻まで持続するきれいな酸味。第2フライトの人気No.1アイテム、エレガント!

#6:アルフレッド・グラシアン キュヴェ・パラディ・ブリュット2007
生産者:アルフレッド・グラシアン
ぶどう品種:シャルドネ65% ピノ・ノワール35%
ドザージュ:9~10g/L
価格:20,000円(税別)
3つのなかで香りは控えめ、温度の変化で徐々に芳醇に。マンゴー、ナッツ、栗の内側の薄皮似のビター感、泡は溶け込んでなめらか、時間の経過でぶどうの熟度由来の甘味とノン・マロ由来の酸味がナイスバランス、重厚感のあるスタイル、鼻腔から抜ける香りに樽のニュアンス



メゾンの顔と言われるNVシャンパンは、3品種を使ったものが多いので、飲んでいて、ほっとするスタイルだといつも感じます。微妙な違い探しでは、若い番号(1~3)から順に試飲して、その後、逆(3~1)に試すことで、何らかのピントが得られたのではないか・・・と思っています。
ランソンとアルフレッド・グラシアンはノン・マロで、メリハリのある酸が特徴的ですが、グラシアンの場合はそこに樽の要素が入るので、酸の強さも若干緩和されていたように感じました。
3メゾン6本ともワインの状態がとても良かったので、どれも美味で、講座生の皆さまにもご満足いただけたと思っています、お疲れ様でした!

5月の講座用アイテムの手配は、連休前に完了したので、気分的にホッとしている私です。
次回も大いにご期待くださいませ!!

2018年03月16日

後期講座の〆はロゼ・シャンパン@NHK文化センター青山校/New! シャンパーニュ出荷量が世界第3位に躍進!

[ハートたち(複数ハート)]速報(2018年3月20日付) 2017年日本向けシャンパーニュ出荷量が世界第3位に躍進しました。詳細はブログの最後に追記しましたので、ご覧いただけると嬉しいです。






ボトル、グラス、キャップシュールはすべて(左から)#1~#5

#1:ボランジェ ブリュット・ロゼNV
生産者:ボランジェ/1829年創業
ぶどう品種:PN62% CH24% M14% 赤ワイン5~6%
醸造方法:ブレンド
ドザージュ:7~8g/L
価格:10,000円(税別)
輸入元:アルカン
樽使いの名手ボランジェ、使用樽のみを使い、古くて100年余りの古樽もあり。拠点がアイ村のボランジェですが、ブレンドする赤ワイン(新樽100%)は力強いアイ村産ではなく、ヴェルズネイ産が中心。黒ぶどうの比率が多いロゼ。気泡活発、口中での第1印象ビター、空気と馴染むことでワインに溶け込みまろやかに。ワイルドベリー、スパイス、シロップ、カラメル、ナッツ、長熟タイプ

#2:ローラン・ペリエ ロゼNV
生産者:ローラン・ペリエ/1812年創業
ぶどう品種:PN100%
醸造方法:セニエ
価格:14,700円(税別)
輸入元:サントリーワインインターナショナル
ひときわ鮮やかな赤に近いロゼ、マセラシオンは48時間から最大72時間。ブラックベリー、ブラッドオレンジ、アールグレイ、スパイス、ドライローズ。あまおうとの相性では講座生からの人気No.1

インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2016で金賞&トロフィーをW受賞
#3:アンリオ ブリュット・ロゼ ミレジメ2008
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2017年3月アンリオファミリーグループのジル・ド・ラルズィエール社長が来日して行ったプレスランチ@アピシウスで、初お披露目された2008年ヴィンテージ!

生産者:アンリオ/1808年創業
ぶどう品種:PN55% CH45% 赤ワイン13~16%
醸造方法:ブレンド
グラン・クリュのマイィ、プルミエ・クリュのマルイユ・シュル・アイ、ヴェルテュ、アヴネイ・ヴァルドールを中心にした約10の畑のぶどうを使用。6年の熟成を経てリリース。味わい第一のアンリオなので最終的なブレンドは黒いグラスを使って決定。
ドザージュ:7g/L未満
価格:13,200円(税別)
輸入元:ファインズ
来日したジル社長からロゼに関して次のような話がありました。
「1988年、1989年、1990年と3VT続けて、マグナムのデザイナーボトルを造ったところ、大きな反響があったので、その後、2003年、2005年&2008年のロゼ(750ml)を生産するに至りました」と。
サーモンピンク、グラス表面の泡沫細やか&活発、白い花、ビスケット、ブリオッシュ、ロースト、ミネラル、滋味、バランス、タンニン、口中で旨味が広がり、その滞在時間が長い!

#4:ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼNV
生産者:ビルカール・サルモン/1818年創業
ぶどう品種:CH60%、PN20%、M20%、赤ワイン10%以下
醸造方法:ブレンド
ドザージュ:9g/L
価格:12,000円(税別)
輸入元:JALUX
今年創業200周年を迎えたビルカール・サルモンのフラッグ・シップ。桜の時期に同化する優しいサーモンピンク。ブレンドしている赤ワインはマレイユ・シュル・アイとアンボネイの両村のぶどう。フランボワーズ、ブラッドオレンジ、ダマスクローズ、蜂蜜、ナッツ、ミネラル、酸の余韻、フェミニンな印象

#5:エグリ・ウーリエ グラン・クリュ ブリュット・ロゼNV
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/1930年創業
ぶどう品種:PN65%、CH35%、 赤ワイン5%
醸造方法:ブレンド
ドザージュ:2g/ L
デゴルジュマン:2017年1月
価格:15,000円(税別)
輸入元:ヴァン・パッション
新樽の名手、ベースワインは2011年60%、2010年リザーヴワイン20%+2009年リザーヴワイン20%、100%樽使用、ノン・マロ、サーモンピンクにオニオンカラー含、ドライフルーツ、ヴァニラ、ミネラル、ナッツ、ロースト風味、樽のニュアンス、果実の旨味、酸の余韻、なかでは男性的


今回、講座生に〝色の好み〟のベスト1、〝香りの好み〟のベスト1、〝好み〟のベスト1を伺ってみたのですが、#3が三冠。
いずれも素晴らしいメゾンですが、満を持して生産したアンリオのロゼがダントツの人気。気品ある色合い、複雑味と長い余韻。IWCでの高評価に心から納得できるシャンパンでした、お薦め!

一期(イチゴ)一会なマリアージュ

あまおうを5種のロゼに合わせて


アピシウス体験では、とちおとめのタルトと合わせて


tenki.jp によると、「桜前線は3月16日に高知からスタートし、17日に熊本と高知、18日には宮崎、和歌山で開花。東京と横浜は週明けの20日、大阪では21日に開花の便りが届く見込み」とのこと。どうぞ華やかなロゼ・シャンパン持参で、今年の桜を謳歌なさってくださいませ。

28日の単発講座マディラワインに参加予定の皆さま
準備快調です。青山でお待ちしております、お楽しみに!


【速報】2017年日本向けシャンパーニュ出荷量が世界第3位に躍進!
2017年のシャンパーニュ総出荷数量は3億731万本(前比0.4%増)、金額で48億7,372万ユーロ(前比3.5%増)と過去最高の記録になりました。フランス国内の消費は約21億ユーロと停滞したのですが、輸出金額は約28億ユーロ(前比6.6%増)と好調、過去12年でシャンパーニュの出荷金額は10億ユーロ伸びています。2016年と比較して、さらに上級キュヴェの伸びが顕著です。

輸出金額で見ると、世界第1位はアメリカ(5億8,580万ユーロ/前比8.5%増)、第2位の英国は金額(前比5.7%減)、数量(前比11%減)と低迷傾向。逆に金額3億672万ユーロ(前比21.3%増)・数量1,287万本(前比17.6%増)ともに躍進したのが日本。ここ2年ほど金額ではドイツを抜いて第3位に位置していましたが、2017年は数量でもドイツを抜き、堂々の第3位、力強い伸びを示しています。第4位のドイツは金額では前比1.7%増、数量では前比0.8%減で、日本はドイツの減少にも助けられた形です。

フランスを除く、EU諸国は金額前比3.9%増、数量前比0.5%減。スカンジナビア諸国は金額前比9%増。
アジア諸国は元気! 金額(前比19.2%)、数量(前比15.5%増)となり、中国、台湾、香港を合わせた金額は、前比26.7%。韓国は年間消費本数が100万本を超え、金額でも前比39.5%増となりました。
オセアニア諸国はオーストラリアが金額(前比23%増)、ニュージーランドは金額(前比12.9%増)と続伸。

シャンパーニュ出荷数量トップ10は
第1位:英国(2,776万本)、第2位:アメリカ(2,309万本)、第3位:日本(1,287万本)、第4位:ドイツ(1,228万本)、第5位:イタリア、第6位:ベルギー、第7位:オーストラリア、第8位:スイス、第9位:スペイン、第10位:カナダ
出典:シャンパーニュ委員会日本事務局
日本の躍進はとても嬉しいことです!!

2018年03月10日

2月のシャンパン講座はブラン・ド・ブランとブラン・ド・ノワールにフォーカス

シャンパンと比肩しうるスパークリングワイン

私が惚れこんで選んだアイテムはイタリアの名門フェッラーリ


シャンパンの場数を踏んでいる講座生もかなり混乱、企ては成功した感じです(笑)



(左から順に)
#1:ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン2007
#2:ジュリオ・フェッラーリ リゼルヴァ・デル・フォンダトーレ2006
#3:アグラパール ブラン・ド・ブラン〝ミネラル〟エクストラ・ブリュット グラン・クリュ2010
#4:フェッラーリ ペルレ・ネロ・リゼルヴァ2008
#5:エグリ・ウーリエ グラン・クリュ ブラン・ド・ノワール  ヴィエイユ・ヴィーニュNV

第1フライトはシャルドネに特化

#1:ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン2007
生産者:ドゥラモット
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:10,000円(税別)
輸入元:ラック・コーポレーション
#2:ジュリオ・フェッラーリ リゼルヴァ・デル・フォンダトーレ2006
生産者:ジュリオ・フェッラーリ トレントDOC
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:3g/L(追記)
価格:18,000円(税別)
輸入元:日欧商事(JET)
#3:アグラパール ブラン・ド・ブラン〝ミネラル〟エクストラ・ブリュット グラン・クリュ2010
生産者:アグラパール
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L
デゴルジュマン:2016年11月
価格:15,000円(税別)
輸入元:豊通食料

フランスから持ち込んだシャルドネで初スプマンテを生産

創始者ジュリオ・フェッラーリの名を冠した最高級キュヴェ。
ジュリオ・フェッラーリはメトッド・クラシコ製法をイタリアで初めて導入したパイオニアのひとりというだけでなく、フランスから持ち込んだシャルドネを用いて初めてスプマンテを造った生産者


#1:淡いイエロー、白い花、青リンゴ、ハーブ、白胡椒、蜂蜜、味わいに柑橘果実の内果皮、石清水を連想させるキレの良さ、エレガント、素直に美味しいシャンパン
#2:グラス上部から見た泡沫元気、香りは甘やか、白い花、蜂蜜、ヘーゼルナッツ、アーモンド、白胡椒、温度が上がるにつれて糖分の印象、余韻の中間点で甘味、酸味
#3:1894年創業、本拠地はアヴィズ、当主はテロワール至上主義のパスカル・アグラパール氏。天然酵母使用、醸造とヴァン・ド・レゼルヴの保存には樽を使用。
アヴィズとクラマンの特に石灰質が強い区画のぶどうを使い、ミネラル、フィネスを表現。MLF有、清澄もフィルターもなし。気泡繊細、香り華やか、凛としたミネラル感、蜂蜜、パイナップル、ヨーグルト、ハーブ、レザー、旨味、口中を酸味が刺激して、唾液を促す印象。余韻に膨らみ。

★講座生の一番人気はアグラパール、2位のフェッラーリとは3票差。フェッラーリの酒質の良さ、酵母の印象、切れの良さから講座生はだいぶ迷っていました。的確にシャンパンを聞き分ける講座生から「#2はシャンパンではないと思う」との発言があり、いつもながらの利き酒能力に感嘆。3アイテムともグラス内の温度が上がってもブレもなく凛としていました。フェッラーリは他の2つより、若干ドザージュが多め? その分、温度の上昇で糖分が際立つ印象。

(追記)日欧商事様に問い合わせをしていたドザージュ量がわかりました。ピノ・ネロは十分に納得できる数字(2.5g/L)でしたが、シャルドネの3g/Lにはびっくりでした。最後の糖分の印象はぶどうの熟度由来なのか。勉強になりました!


ピノ・ノワールとグーエ・ブランの交配によって生まれた高貴品種シャルドネ
カリフォルニア大学デービス校の遺伝学者キャロル・メレディス博士とフランスの研究者による分析で、グーエ・ブラン(フランスの農家が自家用に栽培していた品種)と2000年以上の歴史を有すピノ・ノワールが交配してシャルドネ、ガメ・ノワール、ムロン・ド・ブルゴーニュ等が誕生したことが判明。余談ですが、黒ぶどうの代表格カベルネ・ソーヴィニヨンはカベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの交配種です。


第2フライトはピノ・ノワール

#4:フェッラーリ ペルレ・ネロ・リゼルヴァ2008
生産者: フェッラーリ
ぶどう品種:ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100% トレントDOC
ドザージュ:2.5g/L(追記)
価格:11,000円(税別)
輸入元:日欧商事(JET)
#5: エグリ・ウーリエ グラン・クリュ ブラン・ド・ノワール ヴィエイユ・ヴィーニュ NV
生産者:エグリ・ウーリエ
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:2g/L
デゴルジュマン:2017年5月
価格:25,000円(税別)
輸入元:ヴァン・パッション

フェッラーリのピノ・ネロvsエグリ・ウーリエのピノ・ノワール

左がフェッラーリ、右がエグリ・ウーリエ

#4:色調はベージュ、香りに熟成したニュアンス、口中で果実風味、フラワリー(ドライローズ)、余韻に残る軽いビター感は食事に合わせて楽しめる要因、余韻に旨味
#5:気泡細やか、連なり整然。黒ぶどうを連想させる色調。ブラッドオレンジ、各要素が層になって広がる面白さ、きれいな酸味、旨味、厚味、樽発酵・樽熟成100%

★5票差でエグリ・ウーリエのほうが優勢でしたが、第1フライトで利き分けていた講座生が「シャンパン!」と言い切っていたのがフェッラーリだったので、私の企ては一応成功したような・・・
フェッラーリは昭和女子大学カレッジの時にも何度か供出しましたが、今回はトップキュヴェだけに、まさしく、フェッラーリのハイ・クオリティーな走行感を満喫することができました。


今月の講座は3月14日、ロゼ色のシャンパンでお花見気分の先取りを!

フェッラーリ製品は日欧商事サイトで http://www.jetlc.co.jp/item/

2018年02月22日

NHK文化センター青山校 シャンパン講座&単発講座(マディラワイン)のご案内

NHK文化センター青山校 春講座(4月~9月)募集開始

21日(水)からシャンパン講座の募集が始まりました。
シャンパンラバーさんのお陰で快調な動き、ありがとうございました!

[わーい(嬉しい顔)]新講座 ワインで巡る世界ツアー〝マディラワイン〟


今年からスタートした単発講座、初回はマディラワインです。
今や郷土の英雄になっているのがサッカーのロナウド選手、マディラ島のご出身です。

講座前半でポルトガル&マディラワインについての基礎知識、後半のテイスティングでは芳醇な2アイテムと主要白ぶどう4種類(セルシアル、ヴェルデーニョ、ブアル、マルヴァジア)の各10年熟成タイプを利き比べながら、その奥深さを体感していただきます。
マディラ島およびワインの魅力はゲストナビゲーター、マディラのスペシャリストである輸入元木下インターナショナル(株)マーケティング本部の館農俊則次長が誘います。



当日は料理との相性チェック(塩辛も?)、特製マディラケーキもお試しいただきます。
普段、味わう機会の少ないマディラをお楽しみいただければ嬉しいです!

日時:3月28日(水) 19時~21時
定員:20名 満席ありがとうございます!
会員/受講料:4,492円、教材費:2,700円(税込) 
一般(入会不要)/受講料:5,173円、教材費:2,700円(税込)
詳細はNHK文化センター青山校 ポルトガル編 もっと身近にマディラワインを!


青山校でお目にかかりましょう!

2018年01月26日

トロワのシャンパンメゾン『ジャック・ラセーニュ』のクロ・サン・ソフィーと繋がる山梨・勝沼ヒストリー

『ジャック・ラセーニュ』のエマニュエル・ラセーニュ当主来日で初体験

昨夏の初来日でお披露目されたジャック・ラセーニュのシャンパン
エマニュエルさんは2代目。父親が生地シャンパーニュ地方オーブ県トロワ(パリの南東約150km) の西にあるモングー村にコート・デ・ブランと同じ石灰質土壌が隆起したシャンパン造りに格好の畑を見つけ、メゾン(ネゴシアン・マニュピラン)を立ち上げます。ゼロからのスタートでした。
シャンパーニュ地方の南に位置するトロワは、エペルネやランスより糖度が1~2度高く、ミネラル感にあふれるぶどうが収穫でき、9000万年前の魚介類が堆積するチョーク質土壌から生まれるシャンパンにはヨード香、塩味があるのが特徴です。

シャンパン講座で5アイテムをテイスティング

(左から)
#1:コトー・シャンプノワ・ブラン2010
ぶどう品種:シャルドネ100%
生産本数:1,600本
価格:11,000円(税別)

#2:ブラン・ド・ブラン レ・ヴィーニュ・デュ・モングゥNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
デゴルジュマン:2016年6月
ドザージュ:0g/L
価格:7,500円(税別)

#3:ル・コテNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
デゴルジュマン:2016年3月
ドザージュ:0g/L
価格:11,000円(税別)

#4:ラ・コリーヌ・アンスピレNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:0g/L
価格:13,500円(税別)

#5:クロ・サン・ソフィー2010
ぶどう品種:シャルドネ100% (ぶどう樹は1968年から1975年に植樹)
ドザージュ:0g/L
生産本数:2,900本
価格:25,000円(税別)




#1はシャンパーニュ地方のスティルワイン。ブルゴーニュ樽(ピエス/228L)で発酵させてから、22ヶ月の樽熟成。1968年に植樹したぶどうで良年のみ生産。グレープフルーツや柚子似の和風柑橘果実、ナッツ、バター、蜂蜜、オリーブ、木香のニュアンス、溌剌としたピュアな酸味は舌の両側ではなく舌先に乗ってくる印象、余韻に膨らみ、旨味。


#5はフラッグシップ 『クロ・サン・ソフィー』で、2010年が初ヴィンテージ。サン・トーバン07に使ったピエス(228L)46%、マコン・ソリュトレ04に使った500Lの木樽25%、サヴァニャン97に使用した木樽11%、コニャック76に使った木樽18%を各6ヶ月発酵・熟成後、ステンレスタンクでブレンドして、さらに2ヶ月熟成させて瓶詰、瓶内2次発酵で瓶熟。気泡繊細、第1香には木香、カルダモン、黄桃、アンズ、アカシアの蜂蜜、酸味はスマートでシームレス、ドライでボリューム感あり、余韻の甘やかさが魅力!


左は#1のコトー・シャンプノワ・ブラン2010
右は#5のクロ・サン・ソフィー2010


(左から)#2#3#4


#2:2014年27%、2013年38%(うち18%はピエスで1年間熟成)2012年35%がベース、ステンレスタンクで発酵・熟成で瓶熟。グラス表面の泡沫も活発。第1香は控えめ、白い花、レモングラス、柑橘果実の内果皮似の軽いビター感、清涼感のある酸味、時間の経過で酸はより心地よくソフトに。素直に楽しめるシャンパン。

#3:2012年90%(うち78%はステンレスタンク、12%はピエスを使用)、10%は2009、2006、2004、2002の瓶詰してある4ヴィンテージ・シャンパンをブレンドして瓶熟。気泡は静か、香り華やか、口中クリーミー。黄色い花、アカシアの蜂蜜、木香、ナッツ、ミネラル、塩味、口中に広がる厚み、熟成感、バランス良好。マイベスト!

#4:2012年78%、2011年11%、2010年11%をピエスで発酵・熟成後、瓶詰し瓶熟。気泡はワインに溶け込み、樽のニュアンス、ミネラル、蜂蜜、旨味、複雑味、中盤以降長く続く酸の余韻、3アイテムの中での講座生人気No.1シャンパン!



トロワの農芸家シャルル・バルテ繋がりのクロ・サン・ソフィー
昨年の来日時、エマニュエル・ラセーニュ当主と輸入元クロスロードの有馬基さんは、勝沼のメルシャンワイン資料館を訪問しました。ここにはフランスワイン『クロ・サン・ソフィー』が展示してあります。
クロ・サン・ソフィーというのは、明治10年に勝沼の2名の若者、高野正誠(まさなり)と土屋龍憲がぶどう栽培と醸造技術を学ぶために渡仏していた折、滞在していた地トロワ市モングー村の農業試験場の農園名で、この試験場でトロワ出身の著名な農学者&園芸家シャルル・バルテが陣頭指揮を執っていました。
クロ・サン・ソフィーのぶどう畑の現オーナーは、子供服で有名なプティ・バトー一族で、今回登場したシャンパン『クロ・サン・ソフィー』はエマニュエルさんとのコラボレーションによって誕生したものです。

日本のワイン造りにおいて重要なつながりを持つトロワ&勝沼ヒストリーは、KIRINの『歴史人物伝』で詳しく紹介されています。以下、サイトをリンクしておきます。
折しも今年は明治150年、時代的にも非常に興味深いことです!

フランスへ留学して本場の知識を持ち帰った高野正誠と土屋龍憲
http://www.kirin.co.jp/entertainment/museum/person/wine/06.html
政府のブドウ栽培を主導した前田正名と、陰で支えたシャルル・バルテ
http://www.kirin.co.jp/entertainment/museum/person/wine/07.html


製品についてのお問い合わせは(有)クロスロード ℡03-3352-0911

2017年12月23日

&lt;追記&gt; フィリポナのシャンパンスタイル ~ロワイヤル・レゼルヴに使うソレラシステムのリザーヴワイン~

12月21日にアップしたシャンパン講座フィリポナ編

に、同メゾンならではの取り組みを追記しておきます。過去何回か、メゾンの顔『ロワイヤル・レゼルヴ』については当主から伺っていましたが、2タイプのリザーヴワインのことは初耳でした!

シャルル・フィリポナ当主のテイスティングセミナー

16代目のシャルル・フィリポナ当主

フィリポナはシャンパーニュ地方マレイユ・シュル・アイ村にあり、自社畑は17ha、契約農家等の畑を入れると75haになります。ピノ・ノワール主体のメゾンで、ムニエはNV以外には使わない主義。近年さらに減らす傾向にあります。
13アイテムを生産しており、日本の輸入元は富士インダストリーズ


「フィリポナはレストランで重用されているシャンパンで、フランスの星付レストラン300のうち、150以上で扱いがあります。“ぶどうそのもの”の存在、果実の凝縮感とフレッシュさ(酸化のニュアンスがなく、ピュアであること)を感じていただきたいと思っています」と当主は語っていました。

メゾンの顔NVと主体となるピノ・ノワールを中心にして

(左から) #1~#4
#1:ロワイヤル・レゼルヴ ノン・ドゼNV
#2:同ブリュットNV
#3:ブラン・ド・ノワール2009
#4:マレイユ・シュル・アイ2006

ノン・ヴィンテージ(NV)に使うリザーヴワイン


ロワイヤル・レゼルヴ(価格7,000円・税別) のぶどう品種はピノ・ノワール65%、ムニエ5%、シャルドネ30%で、現行のベースワインは2012年。双方の違いはドザージュ量で、#1は8g/L、#2は糖分添加ゼロのノン・ドゼです。
#1は食事に合わせて楽しむタイプ、白い花、フレッシュな白桃や洋梨、ヨード風味があるので甲殻類に合います。#2はレセプション等、テーブルから離れた用途で楽しんで。#1より熟した香りで、黄桃や黄リンゴ、アプリコット、バターソースを使った料理に合います。当主のお勧めは「イカの塩辛」、何と、これが合うのです!

2つのソレラシステム

リザーヴワインを保管している1500㍑のフードル(画像協力:フィリポナ)

フィリポナではNVにソレラシステムで保存しているリザーヴワインを使っています。
ひとつはNo1と呼ばれるもので、1946年からのワインが入っています。第2次世界大戦後、物資難を乗り切る方策として、先代たちが考え出したそうです。そして、もうひとつが2012年からスタートさせたNo2です。
スペインの酒精強化ワイン、シェリーの製法で、3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古く、最下部は床(スエロ)近くにあるのでソレラと呼ばれていて、一番古いワインが入っている。シェリーを造る時、ソレラから適量のワインを抜き取り、抜き取った部分には上部の樽からワインを補充。さらに、その樽の空き部分にはその上の樽から補充していくというシステム。ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。

「古いワインに新しいワインを加えると、ワインは若返ります。それは熟成感と新しさを備えたワイン造りに打ってつけです」と当主。フィリポナでは、ざっくり言って、70%がその年のワイン、残り30%がリザーヴワインで、その20%はNo1から、10%はNo2から抜き取って使用しています。結果、当主が求める奥行きと若さを備えたスタイルが完成します。
 
今回、富士インダストリーズ経由で、リザーヴワインの容器画像を送っていただきました。
大きいものでは2500㍑、画像のフードルは1500㍑。酸化しないようにするために、きっちり収まる様々な容量(228㍑、600㍑)も使用しています。


ブラン・ド・ノワール・ブリュット2009

ぶどう品種:PN100%
ドザージュ:4.5g/L
価格:10,000円(税別)
「2009年は暑い年で、特徴としては核のある果実(さくらんぼ等)、このシャンパンは変化の過程にあるので、カカオや燻製香、グリル、トーストのニュアンスがあります」と当主。グラン・クリュGCとプルミエ・クリュPC(モンターニュ・ド・ランスとマレイユ・シュル・アイの自社畑)のぶどうのみ使用、深みのある黄金色、ローリエ、丁子等のスパイス、ミネラル、蜂蜜

マレイユ・シュル・アイ2006

ぶどう品種:100%
ドザージュ:4.25g/L
デゴルジュマン:2014年9月
生産本数:2,304本
価格:27,000円(税別)
フィリポナ当主は「表土は粘土なので、ワインにまるみがあり、イチゴタルト、バター、クリームを感じます」と語っていましたが、1935年に取得した銘醸畑『クロ・デ・ゴワセ』の一部を含む、丘の頂上部分にあたります。一部樽発酵、非MLF(ノン・マロ)。果実本来の旨味、ミネラル、重厚感、長い余韻


“永遠の命”のシャンパン
リザーヴワインをソレラシステムで保存しているメゾンはほかにもいくつかありますが、レコルタン・マニピュラン(RM)のユレ・フレールではソレラシステムのリザーヴワインだけで『メモワール(2500本/年)』を造っています。保存はフードル(5000L)。最古のVTが1982年で、それが現在まで続いています。

大手メゾン アンリオの『キューヴ38』もリザーヴワインだけのシャンパンで、一番古いヴィンテージは1990年。467ヘクトリットルの大容量タンク(名称キューヴ38)に新しいワインを継ぎ足し、毎年約3%だけ抜き取って、キューヴ38を生産(1,000本前後/年、マグナム)しています。

フィリポナがNVに活用しているリザーヴワインは1946年から始めたので、シャンパーニュ地方では一番古いソレラ。70年以上の時を経たワインが僅かながらでも入っていると考えると、ソレラシステムはまさに若返りの玉手箱。永遠の命、ロマンを感じます。

2017年12月21日

凝縮感&フレッシュ感を大事にしている『フィリポナ』の蔵出シャンパンの底力!

2017年のラストレッスンはフィリポナ

photo by Fumiko (2007年12月)
今日のニュースに南米コロンビアの首都ボゴタのイルミネーションSLが登場、綺麗でした。2007年にひろしまドリミネーションで見た電車に似ていました!



昨日の講座にはサンタさんの来訪があり、シャンパンに合うショコラベースのクグロフ・オ・ルヴァンを差し入れてくれました。とても美味、ご馳走様!

待望のヴィンテージシャンパン到着

(左から)
#1:フィリポナ レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット 2002
#2:フィリポナ レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット 2002
#3:フィリポナ レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット 1999
#4:フィリポナ シュブリム・レゼルヴ・セック 2005
#1~#3 は8月に輸入元富士インダストリーズ様に発注していたシャンパン!
11月半ばに日本上陸、検品等すべてが終わり、今月の講座で対面できました\(^o^)/


左から順に若干ですが色調に変化あり

第1フライトは2002&1999
フィリポナの蔵出バックヴィンテージ
同ヴィンテージでデゴルジュマン違いという貴重な体験

グラン・クリュGC、プルミエ・クリュPCのぶどうを使用。一番搾りのみ使用。ピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランスおよびマレイユ・シュル・アイの自社畑。シャルドネはコート・デ・ブラン。マロラクティック発酵(MLF)は一部のキュヴェのみ実施。MLFをしないキュヴェは木樽熟成。#1と#2のラベルには“L.V.(Long Vieillissement(長期熟成)”表示


レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット 2002
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
デゴルジュマン:2015年3月
ドザージュ:4.5g/L
価格:28,000円(税別)
3つのなかで一番果実味豊か、柑橘系果実、種の大きな果実(白桃、アンズ)、蜜を含んだリンゴ、ブリオッシュ、酵母との接触由来の旨味、凝縮感&フレッシュ感、バランスの良い熟成具合、ポテンシャルあり


レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット2002
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
デゴルジュマン:2013年11月
ドザージュ:4.5g/L
価格:28,000円(税別)
香り閉じ気味、最初に還元臭、時間の経過でナッツ、ブリオッシュ、パン・デピス、酸のニュアンス、甘味が溶け込んだ味わい(ドライな印象)、軽いビター感、ミネラル、中盤以降に広がる重厚感


コルクの違いも! 左は2002年ヴィンテージ、右が1999年ヴィンテージ


レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット 1999
生産者: フィリポナ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
デゴルジュマン:2006年10月
ドザージュ:4.5g/L
価格:28.000円(税別)
深みのある黄金色、繊細な泡沫、熟成によるアロマの宝庫、黄桃、黄リンゴ、カリン、果実のコンポート、蜂蜜、ナッツ、白胡椒、ピンクペッパ―、漬物臭、焙煎香。複雑味があり、バランスが良く、今、飲んで美味しいシャンパン。ラングルと共通する熟成香があったので、「一番合うのでは」と思ったのですが、ナイスマリア―ジュは#1でした。果実風味とフレッシュな口当たりがラングルと合って・・・これは予想外!
ショコラベースのクグロフ・オ・ルヴァンは第1フライトのシャンパンたちとも寄り添っていました。双方のポリフェノール、ケーキのなかのナッツ類が仲介役。好みは#3との相性。


3アイテムの比較はとてもとても興味深いものでした。
#1、#2は同ヴィンテージながら、デゴルジュマンをした年月が約17ヶ月違うだけで、色調は若干、香りや味わいにはかなりの違いがありました。特に#2は“酸味”がクリア。「デゴルジュマンをしたら瓶内熟成はしない」と言い切る生産者もいますが、フィリポナ当主は「瓶内熟成する」とのお考えです。私も当主の意見に賛成!

第2フライトは甘口タイプ

フィリポナ シュブリム・レゼルヴ・セック 2005
生産者:フィリポナ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
デゴルジュマン:2006年8月
ドザージュ:30g/L
価格:10,000円(税別)
GC、PCのぶどう主体、一番搾りのみ使用。樽を使うキュヴェと使わないキュヴェを併用、一部MLF実施。見た目通りの澄んだ色調と果実由来のピュアな味わい、軽いビター感、余韻に残る上品な酸味


セックの糖分は17~32g/L


シャンパーニュ地方のチーズ、信頼おけるフェルミエ扱いのラングルと合わせて!
程よい酸味と甘味が熟成感のあるチーズの滑らかさと相乗してナイス
もちろん、クグロフにも良く合いました。幸せな笑顔になれるマリアージュでした!

ラベル裏面の表記
デゴルジュマンの日付表示は画像をクリックすると良くわかります(拡大)
















製品についてのお問い合わせは輸入元:富士インダストリーズ株式会社 03-3539―5415

[リボン]
シャルル・フィリポナ当主が来日して行ったテイステイングセミナーで、メゾンの顔『ロワイヤル・レゼルヴ・ブリュットNV』に使うリザーヴワインについて語っていました。現在、2つのソレラ製法でリザーヴワインをキープしています。ひとつは1946年からのもの。もう1つは2012年からスタートさせたもので、ロワイヤル・レゼルヴには、これら2つを使っています。
今、フィリポナに確認していることがあり、お返事を待っているところなので、回答が届き次第、ブログに追記いたします。フィリポナのシャンパンスタイルの要になる話なので、どうぞ、お楽しみに

2017年12月17日

NHK文化センターのシャンパン講座、11月はドラピエの蔵出アイテム!


1152年にサン・ベルナール修道士が造ったカーヴ
シャンパーニュの南端、オーヴ県ウルヴィル村にあるドラピエのシャンパンはここで静かに眠っています!


12月20日は年内最後のシャンパンレッスン日!
8月から心待ちしていた某メゾンの蔵出しシャンパンが先月入港し、検品作業も無事終わったようなので、12月の講座で供出することにしました。
どのメゾンの、どのアイテムかは当日のお楽しみ。

で・・・その前に、先月の講座報告をしておきます。
11月も素敵なラインアップになりました。

(左から)
#1:ドラピエ ブリュット・ナチュールNV
#3:ドラピエ ブリュlット・ナチュール・サン・スフルNV
#4:ドラピエ グラン・サンドレ2008
#5:ドラピエ カルト・ドール ブリュット・ミレジメ2002 
#6:ドラピエ 同1979

テラヴェール主催で、シャンパーニュ上級キュヴェだけの試飲会があり、13生産者の魅力的なアイテムを試すことができました。定員限定で着席でテイスティングできるシステムだったので、じっくり集中してチェック。そして、そこで選んだメゾンがドラピエでした!
講座の要だったカルト・ドールのブリュット・ミレジメ2002と同1979は冒頭のカーヴから運んできた蔵出し。講座生も大満足、比較し甲斐がありました。


ドラピエ5アイテムに、第1フライトの#2にはゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV

第1フライト

(左から)#1~#3
#1と#3はピノ・ノワール100%なので、#2のブレンドタイプより色調は濃いめ

#1ドラピエ ブリュット・ナチュールNV
生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%(南向き斜面上部の完熟ぶどう
ドザージュ:0g/L(ノン・ドゼで最終的な残糖分は3g/L以下)
価格:7,200円(税別)

一番搾りのみ使用、低温で2週間のアルコール発酵後、MLF、ステンレスタンクで醸造、その段階でのSO2添加は無し、3種のリザーヴワイン使用。瓶詰時に極少量のSO2(40~45mg/L)を加え、ノン・フィルターで瓶詰。約3年の瓶熟後リリース。グラス表面の泡沫活発、酸味フレッシュ、中盤からソフトな印象。石灰由来のミネラル、バランスの良い1本


#2ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュットNV
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール42%、シャルドネ43%、ムニエ15%
ドザージュ:8g/L、MLF無(ノン・マロラクティック)

価格:7,800円(税別)

品種、村ごとにわけてプレス。18度で約15日間のアルコール発酵(ステンレスタンク)、最低48ヶ月の瓶熟。気泡繊細、果実、ハーブ、タルト、ナッツ、ミネラル、口中の唾液を促すキリリとした酸、厚みと酸の余韻。
「リンゴ酸はぶどうが本来持っている自然な酸。熟成させることで、長い余韻と厚みを与えてくれる」とゴッセ当主。通常ぶどうに含まれるリンゴ酸は3~5g/L、マロラクティック発酵を行うことで、リンゴ酸は1g/L以下にまで減少してしまうとのこと。ゴッセはこのリンゴ酸を大事にしているメゾン


#3ドラピエ ブリュット・ナチュール・サン・スフルNV(SO2完全無添加)
生産者: ドラピエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:7.500円(税別)

2007年にデビューしたアイテム。ウルヴィル村を主としたジュラ紀に由来する土壌。低温で2週間のアルコール発酵後、MLF。ステンレスタンクで醸造、その際、一切のSO2を添加しないので、リザーヴワインも使用せず。ノン・フィルターで、約3年の瓶熟後リリース。#1同様、繊細な気泡、香りは控え目、白系のイメージ(白い花、白桃)、土壌由来のミネラル感、ピュア、口中ソフト、優しい着地、余韻に旨味。リリース後1年、2年経過した場合どのような瓶内変化をするのか、興味惹かれる1本


第2フライト

(左から)#4~#6

#4ドラピエ グラン・サンドレ(Sendree)2008
生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール55%、シャルドネ45%
デゴルジュマン:2016年9月
ドザージュ:5.5g/L
価格:16,500円(税別)

ウルヴィル村の単一区画。ワイン名は1838年に同村に被害を及ぼした大火で焼灰に覆われた区画に由来。土地登記簿上の綴りに誤植があり、Cendre(灰)が「S」表記に。区画一帯は浅瀬だったので、海中生物の死骸が多く堆積している“クライヨ”土壌。2008年は最良年、ぶどうの酸味は高く、ポテンシャルあり。32%フードル樽、68%ステンレスタンクで9ヶ月熟成。6年以上の瓶熟後にリリース。レモンイエロー、酸味溌剌、香りにはリンゴ、レモン、アプリコット、ナッツ、ハチミツのニュアンス、若干のビター感、シャルドネのエレガントさとピノ・ノワールのボリューム感


[ハートたち(複数ハート)]#5#6は蔵出し古酒。カルト・ドールは通常NVですが、良年にのみ例外的にミレジメを醸造、数量限定でフランス国内の主要レストランだけに出荷。デゴルジュマンは基本的に注文が入ってから当主自ら手作業で行いリリース

#5ドラピエ カルト・ドール ブリュット・ミレジメ2002

生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ15%、ムニエ5%
デゴルジュマン:2015年5月
ドザージュ: 9g/L
価格:14,000円(税別)

2002年は2000年代の最良年、ドラピエ自慢のピノ・ノワール主体。150ヶ月以上の瓶内熟成。色調はベージュ、気泡繊細、香りは黄桃、マロン、アカシア、クッキー、口中クリーミー、綺麗な酸、旨味、余韻に軽いビター感、厚みのある余韻


#6ドラピエ カルト・ドール ブリュット・ミレジメ1979 

生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:ムニエ55%、ピノ・ノワール35%、シャルドネ10%
デゴルジュマン:2017年5月
ドザージュ:6g/L
価格:32,800円(税別)

1979年はシャルドネ早熟、ピノ・ノワールとムニエは晩熟の年で、最も質の高かったピノ・ムニエを多く使用。色調は黄金色からオニオンスキン、香りは酸化したニュアンスで紹興酒やアモンティリャード、木香、軽い漬物臭、みたらし団子、焙煎香、マッシュルーム、ドライフルーツ、プルーン、黒糖、複雑味があり、アプリコット的な酸の余韻は長く上品。お勧めは鍋ものでポン酢を使って


[ハートたち(複数ハート)]覚書
ゴッセはMLFをしない(ノン・マロ)メゾンの双璧(もう1つはランソン)
但し、生産ラインのなかの『エクセレンス・ブリュット』だけはMLFをしています。理由は熟成期間(30ヶ月)です。「ぶどうが本来持っているリンゴ酸は長期瓶内熟成によって可能になる」というのがゴッセの考え方なので、エクセレンスの30ヶ月という瓶内熟成はノン・マロにするには短いとの判断

ドラピエのSO2無添加の『ブリュット・ナチュール・サン・スフル』ですが、2009年に同メゾンを訪問した折、当主が「完成させるまでに何年も何年も試行錯誤を繰り返しました。ぶどうもぶどう畑もすべてにおいて完璧でないと造れないシャンパンなので」と苦労を語っていました。サン・スフルはドラピエあってのシャンパン、こころからそう思っています。素晴らしいです!!


今年も残り約2週間あまり!
20日は講座生の皆さんと有意義な時間を過ごしたいと思っています[わーい(嬉しい顔)]
宜しくお願いいたします。

■ドラピエ&ゴッセについてのお問い合わせはテラヴェール(株) ℡03-3568-2415

2017年10月28日

2017年下半期の初回はニューアイテム“MYCORHIZE”を加えたRMの『ド・スーザ』

NHK文化センター青山校

の下半期(10月~3月)講座開始です。
第1回は1999年からビオデイナミを導入しているレコルタン・マニピュランのド・スーザを取り上げました。今回は2015年にデビューした新顔“キュヴェ・ミコリーズ”も揃えてのテイスティング。ド・スーザでは全アイテムの裏ラベルに「瓶詰め年月日」、「デゴルジュマン(澱抜き)年月日」を記載しています。



左から#1~ #6 の順


左から3番目と1番右がキュヴェ・デ・コダリー
コルクの状態から熟成具合が予想できました!


第1フライト
#1:ド・スーザ ブリュット・トラディションNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:CH50% 、PN40%、M10%
リザーヴワイン:2011VTが70%、2010VT&2009VTが30%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2016年4月12 日
生産本数:35,000本
価格:7,400円
メゾンからのひとことは“伝統と調和”
輝きのあるイエロー、気泡細やか、柑橘系果実、洋梨、アカシア、熟したリンゴ、中盤以降酸の余韻、バランスの取れたシャンパン

第2フライト
#2:ド・スーザ
レゼルヴ ブラン・ド・ブラン(B deB) グラン・クリュNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:CH100%(アヴィズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイイ)
リザーヴワイン:2009VTが70%、2008VT&2009VTが30%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2015年12月9日
生産本数:40,000本
価格: 9,000円
メゾンからのひとことは“ミネラリティ、塩味”
ホーロー加工の鉄製のキューヴタンクで発酵、樽熟成させたワイン85%、樽熟成15%をブレンド
色調ゴールド、気泡は#1同様繊細、口中での泡の食感スムース、蜜を含んだリンゴ、ヘーゼルナッツ、ヴァニラ、柑橘果実の白皮似のビター感、余韻に塩味

#3:ド・スーザ
キュヴェ・デ・コダリー エキストラ ブリュット ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV

生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:CH100%(アヴィズ)
リザーヴワイン:2009VTが50%、1995VT~2008VTが50%
ドザージュ:5g/L
デゴルジュマン:2015年1月12日
価格: 15,000円
メゾンからのひとことは“存在感のある引き締まった余韻(コダリー)”
コダリーは余韻の長さを示す単位
樹齢50~100年のぶどう、樽発酵と樽熟成(新樽率15%)

自然酵母を使い、バトナージュをしっかり行うことで旨味を抽出。1995年からのリザーヴワイン由来の複雑味、土壌由来のミネラル感、厚みのある余韻、後味に塩味

第3フライト

2014年11月に来日してミコリーズ(菌根”の意味)を紹介したオーナー、エリックさん
“菌根”は地表と地中を繋ぐ大事な鍵であり、その存在があることで根は豊かになり、ぶどうの熟度も増すとのこと

#4:ド・スーザ キュヴェ・ミコリーズNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:CH100% (2010年のぶどうを使用)
ドザージュ:3g/L
デゴルジュマン:2015年7月16日
生産本数1,212本
価格:12,000円
ビオディナミで栽培をしているド・スーザの複数のグラン・クリュ(3年前から馬で耕し、土壌に空気を含ませることでミコリーズを大事にしている)区画のシャルドネで造ったシャンパン
自然酵母を使用、フレンチオーク(225L)で醸造。第2フライトのブラン・ド・ブランと共通する香り&味わい。
輝きのあるイエローゴールド、へーゼナッツ、ミネラル、口中スムース、旨味、鼻腔に抜ける果実感

第4フライト

#5:ド・スーザ ブリュット・ロゼ
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:CH90%、PN(アイ村)10%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2014年10月28日
生産本数:7,000本
価格:8,800円
メゾンからのひとことは“フレッシュ感”
セニエ製法。ベースは2010年VT、3年使用した樽で醸造。色調アセロラ、オニオンスキン、赤系果実、アプリコット、余韻に広がるエレガントな酸味。世界最終ソムリエのアンドレアス・ラーソンさんは「脂分の多いマグロや大トロ、サーモンやうなぎ等(2009年来日時)」との相性を推奨

#6:ド・スーザ キュヴェ・デ・コダリー ロゼ グラン・クリュNV

生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:CH90%(アヴィズ 2004年VT)、PN10%(アイ 2003年VT)
ドザージュ:3~4g/L
デゴルジュマン:2013年9月13日
生産本数:2,000本
価格:24,000円
メゾンからのひとことは“要素と構成”
樽発酵、樽熟成。ピノ・ノワールは樹齢50年で、開放型の大樽で発酵させ、小樽に移し、1年熟成。熟度の高いぶどうから造っているので、ドザージュ量は少なめ。
色調はオレンジを含むサーモンピンク、ヴァニラ、スパイス、リコリス、飲むたびに感じるのは漢方薬的なニュアンス、口中シームレス、軽いタンニン、複雑味、ネーミング通りの長い余韻、応用範囲の広いシャンパン


■製品についてのお問い合わせは(株)nakato ワイン営業部 ℡03-3405-4222

今期は新規の講座生を交えた24名でスタートしています。
皆さんにシャンパンの魅力をたっぷり感じていただきたいと思っています。来月以降もスペシャルアイテムを取り入れながら楽しんでまいりますので、引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

ラベル:ド・スーザ

2017年09月29日

上半期のシャンパン講座の〆、秀逸シャルル・エドシック、ビルカール、ルイ・ロデレールのロゼ!

上半期最後のシャンパン講座はロゼにフォーカス
今月は半月以上、海外(チリ・アルゼンチン)だったので、現地でお土産のスパークリングを探す予定でした。アルゼンチンのルティーニ、カイケンの泡ものはとても魅力的。タイミング的に持ち帰ることができなかったので、今回はトロント・ピアソン国際空港で見つけたカナダ産のロゼ・スパークリングに決めました。


ルティーニ(アルゼンチン)のロゼ・スパークリング


カイケン(アルゼンチン)のロゼ・スパークリング
12月に日本上陸するので、これは入荷次第、講座で出したいと思っています。

今月のシャンパン講座で

9月27日の講座ではチリとカナダのスパークリングを交えた8アイテム

第1フライト
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#1:モエ・エ・シャンドン アンペリアル・ロゼNV
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール40~50%、ムニエ20~30%、シャルドネ10~20%
ドザージュ:9g/L
価格:7,250円(税別)
アセロラカラー、フルーティ、赤系果実、野イチゴ、ラズベリー、余韻にビター感

#2:ヴ―ヴ・クリコ ヴィンテージ・ロゼ2008
生産者: ヴ―ヴ・クリコ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ33%、ムニエ7%
       赤ワイン14%(ブージーのPN)
価格:8,000円(税別)
オニオンカラー(オレンジ含)、柑橘果実(レモン)、スパイス(白コショウ)、ブリオッシュ、タンニン由来のビター感、余韻に広がる酸味

#3:シャルル・エドシック ロゼNV
生産者:シャルル・エドシック(NM)
ぶどう品種:白ワイン95%(ベースとなる白ワインを100とした場合、80%がPN、PM、CH各3分の1でVTは2008年、残り20%はPN、CH半々で平均5年のリザーヴワイン)、赤ワイン5%(レ・リセのPN)をブレンド
ドザージュ:11g/L
価格:9,500円(税別)
美しいサーモンピンク、長い熟成によるクリーミーで滑らかな泡の食触、酸味は上品でまろやか、ピュアなミネラル感、余韻のまとまり、バランス良好、第1フライトで人気No1(22名中16名)

第1フライトでヴ―ヴ・クリコとシャルル・エドシックを並べたのは、シャルルの醸造責任者シリル・ブランさんの前職場がヴ-ヴだったので、シャンパンスタイルに共通項があるかをチェック
2008年は秀逸なVT、シャルルはNVながら、共通点はエレガンス

#4:サンタ・ディグナ エステラード・ブリュット・ロゼNV
生産者:ミゲール・トーレス(チリ)
ぶどう品種:パイス100%
価格:2,200円(税別)


チリのスパークリングワイン@ミゲール・トーレス

定評あるロゼ・スパークリング
現地チリのミゲール・トーレスで#4を含む3種を体験。酒質が良く、お薦めのアイテム、いずれもエノテカで販売中。
第1フライトの3つのシャンパンを試飲した後に味わうと、パイス100%なので、明らかに異なる味わい。色調は淡いピンク、気泡活発、レモンやGF等の柑橘果実、白桃、ライチ、白い花、メリハリのある酸味、余韻に軽いビター感、カリテプリなアイテム、温度が上がってもブレない酒質〇


第2フライト
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#5:ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼNV
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%
ドザージュ:~8g/L
価格:12,000円(税別)
サーモンピンク、気泡滑らか、フラワリー、果実味、旨味、ビター感、エレガント、おいしいロゼ

#6:ドラモット ブリュット・ロゼNV
生産者:ドラモット(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20% 
価格:10,000円(税別)
アセロラカラー、グラス上部の泡沫細やか、ベリー系果実、芯のある酸味、軽いビター感、余韻の広がり、3アイテムのなかでは骨格を感じるタイプ

#7:ルイ・ロデレール ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ2011
生産者:ルイ・ロデレール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール63%、シャルドネ37% 
ドザージュ:9g/L
価格:10,000円(税別)
輝きのあるピンクカラー、果実味、ミネラル、レモンクッキー、酸味と旨味、余韻に続く酸(非MLF)、凛としたシャンパンスタイル、グラン・メゾンの風格



お土産編

ドザージュにアイスワインを使っている点がカナダならでは!

#8:ペラー・エステイト アイス・キュベ・ロゼNV
生産者:ペラー・エステイト(カナダ)
ぶどう品種はピノ・ノワール70%、シャルドネ26.5%で、赤ワイン(ガメイ・ノワール)3.5%を添加。糖分調整にヴィダルのアイスワイン(100ml)を使用したユニークなロゼ、価格CAD $35.75
淡いさくら色、気泡繊細、白桃、蜂蜜、ナッツ、芳醇な甘さ、甘味と酸味のバランス、癒し系タイプ


お土産のロゼ・スパークリングに合わせてアーモンドタルトを準備


アーモンド、カシューナッツ等の味わいがシャルル、ルイ・ロデレールとナイスハーモニー


[ハートたち(複数ハート)]
NHK文化センター青山校シャンパン講座

10月からの講座もお陰様でキャンセル待ちになりました、ありがとうございます!
入手困難な日本初上陸シャンパンや、同VTでデゴルジュマン違い(いずれもマグナム)のシャンパンを既に発注済。ご参加くださる受講生の皆さまにはご満足いただける内容になると確信しております。
引き続き、宜しくお願いいたします
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1097319.html

2017年08月25日

8月講座のメゾンはテタンジェ、コント・ド・シャンパーニュBdeB2006 のマグナムも!

テタンジェのシャンパンを飲む時は“フルートグラス”で

サッポルビールがテタンジェ

の正規代理店になったのが2015年9月1日、まもなく2年になります。今年の販売目標は20万本とのことでした。



先月来日したクロヴィス・テタンジェ輸出部長はソムリエールとのランチで意見交換。
ブリュット・レゼルヴについて「メゾンの顔であり、ラグジュアリーなアイテムです。シャルドネが基調のシャンパンですが、シンプルゆえに仕上げるために複雑な工程(ブレンドするクリュは40~45)を経ています。何かひとつがとび抜けることなく、全体にバランスが取れていて、いつどこで飲んでも安定しています」とコメント。
当日は時差の関係で、体調がいまひとつでしたが、シャンパン好きの女子たちに囲まれて、彼ご自慢のシャンパンを飲んでいるうちに、いつの間にか元気になっていました(笑)

NHKのシャンパン講座では3本柱にフォーカス

(左から供出順)#1~#6
サッポロビールが日本市場で特に力を入れているのが、『ブリュット レゼルヴNV』、『プレスティージュ ロゼNV』&『コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン』です。
8月の講座では、それらの容量違いも取り入れながらメゾンのスタイルを探求しました。

第1フライト
2014年のノーベル賞の晩餐会で使用されたアイテム

#1:テタンジェ ブリュット レゼルヴNV
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール+ムニエ60%、ベースワインは2013年
リザーヴワイン:2010年~2012年の3年分
ドザージュ:9g/L
価格:6,700円(税別)
#2:同NV  マグナム
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール+ムニエ60%
ドザージュ:9g/L
価格:15,000円(税別)
#1はベージュを帯びたイエロー、柑橘系果実、白い花(アカシア)や白桃、甘さを予感させる芳醇なアロマ、余韻に軽いビター感。#2(マグナム)は若干淡いイエロー、最初にミネラル感、ブリオッシュ、スパイス、エレガントな酸味、余韻に続く酸の存在感

第2フライト
■コント・ド・シャンパーニュはエリゼ宮殿におけるフランス政府主催の晩餐会用公式シャンパンに採用されています。
■2005年に米国系投資グループにテタンジェが買収され、紆余曲折の後、権利を取り戻し、経営権を引き継いだのがピエール・エマニュエル・テタンジェさん。社長に就任した2006年は新生テタンジェの年になるのでメゾンにとって大事なヴィンテージです!




#3:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ2006
生産者: テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%、フレンチオーク新樽5%使用(毎年3分の1を新樽に交換)
ドザージュ:9g/L
価格:22,000円(税別)
#4:同2006 マグナム
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:49,000円(税別)
ともに輝きのあるイエローでマグナムの方がより若さを感じさせる淡い色調、気泡は繊細。#3はフレッシュな果実味、ブリオッシュ、凛としたミネラル感、ほろ苦さとオークのニュアンス。#4はレモンイエロー、若干の還元臭、スワリングで砂糖漬け果実、ココアニュアンス、白コショウ、ミネラル、口中フレッシュかつ厚み、バランスが良く、#2のマグナム以上に酸を中心にした長い余韻、入手できればお薦め!


コント・ド・シャンパーニュ マグナムのコルクはレギュラーボトルよりかなり大きめのサイズ。他メゾンはほとんど大きさが同じです。酸化対策(細い首、口径の狭さ、コルクの長さ)への配慮も感じました。

第3フライト



#5:プレスティージュ・ロゼ
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ30%、ピノ・ノワール+ムニエ70%、ピノ・ノワール(モンターニュ・ド・ランス/レ・リセイ)15%添加
ドザージュ:9g/L
価格:9,000円(税別)
#6:同ノクターン スリーヴァー ロゼNV  セック(やや辛口)
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ30%、ピノ・ノワール+ムニエ70%、ピノ・ノワール12%添加
ドザージュ:17.5g/L  
価格:9,800円(税別)
ともにオレンジ色を帯びた色調で、ノクターンの方が赤ワイン(PN)の添加量が少ない割に濃い目。#5は赤系果実(野イチゴ、ラズベリー)、バラ、スパイス、紅茶、トースト、ミネラル、中盤以降に感じるかすかなタンニン、食中酒としてもお薦め。#6は気泡滑らか、果実がより熟したニュアンス、赤系果実、紅茶、タンニンの印象は甘味に緩和され、全体がまるい印象。スイーツと合せて、特にショコラ!


ノクターンには、紫色のラベルの『ノクターン(8,000円)』、スリーヴァーの『ノクターン(8,000円)』&スリーヴァー・ロゼの『ノクターン(9,800円)』の3タイプがあり、スリーヴァーは数量限定。
テタンジェのすべてのアイテムについてのお問い合わせはサッポロビール(株)お客様センター ℡0120-207800

[ハートたち(複数ハート)]インフォメーション
NHK文化センター青山校の秋講座(10月~3月)の講座生募集中、シャンパン講座は残席わずかです!皆さまの参加をお待ちしています。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1097319.html

2017年07月21日

シャンパン講座のハイライトはローラン・ペリエ『キュヴェ アレクサンドラ・ロゼ2004』

今月のNHKシャンパン講座

青山校に供出した超エレガントなロゼ

フォーカスしたメゾンはローラン・ペリエ!
長年、同メゾンの顔として愛飲されてきたブリュットL・Pが、装い・中味ともにリニューアル新発売!それがラ キュベ

(画像最左)で、4月にフランスでリリースされ、6月に日本デビューしました。


ブリュット ミレジメ2007(左から3本目)は今秋リリース予定

第1フライトはラ キュベとノン・ドゼのウルトラ ブリュット
ローラン・ペリエの創業は1812年、#1のラ キュベはミシェル・フォコネ醸造責任者が15年の構想を経て実現させた逸品!#2のウルトラ ブリュットはドザージュ・ゼロのアイテム、ブリュット・ナチュールのカテゴリーでは先駆者的存在で1981年に誕生。


#1:ローラン・ペリエ ラ キュベNV
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50~55%、ピノ・ノワール30~35%、ムニエ15~20%
リザーヴワイン:20~30%
ドザージュ:8~10g/L
価格:7,340円
一番搾り(キュヴェ)のみ使用。ブレンドするクリュの数は100以上。シャルドネのブレンド比率は従来より5%アップ、熟成期間4年。明るいイエロー、気泡は繊細、白い花、白桃、GFの内果皮、白コショウ、ミネラル、ナッツ、切れの良い酸味、ピュアで甘やかな印象

#2:ローラン・ペリエ ウルトラ ブリュットNV
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ55%、ピノ・ノワール45%
ドザージュ:0g/L
価格:12,900円
糖度が高く、酸味が低いぶどうを厳選、熟成期間は最低6年。色調は透明感のあるイエローゴールド、気泡細やか、口中クリーミー、バター、ブリオッシュ、サワークリーム、ミネラル、軽いビター感、ドライな食感と余韻に完熟ぶどう由来の豊潤さ

第2フライトはヴィンテージ、容量違い

2007年ヴィンテージのラベルは楕円形に、後方の1999年ヴィンテージは旧ラベル


#3:ローラン・ペリエ ブリュット ミレジメ2007 参考出品
生産者: ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
現行のミレジメ2006はCH、PN各50%、上代10,800円
フレッシュネス、フィネス、エレガンスが表現されたLPスタイル、泡立ちは活発で豊か、洋梨、白桃、ブリオッシュ、ヨーグルト、厚みがあり、瓶熟の変化に期待。リリースが楽しみ!

#4:ローラン・ペリエ ブリュット ミレジメ1999 マグナム
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ52%、ピノ・ノワール48%
価格:24,840円
フォコネさんいわく「1999年はエレガントなヴィンテージ」と。
輝きのあるイエローゴールド、気泡はワインに溶け込み滑らか、シームレス、酸を予感させる香り、リンゴのコンポート、ミネラル、ヘーゼルナッツ、アーモンド、大容量ならではのフレッシュ感に加え、甘味と酸味と旨味のナイス・バランス

第3フライトは2種のロゼ

#5:ローラン・ペリエ ロゼNV
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
価格:14,700円
セニエ法、マセラシオンは48時間から最大72時間。熟成期間は最低5年。オレンジカラー、溌剌とした気泡、ブラッドオレンジ、ブラックベリー、バラの花、紅茶、スパイス、タンニン、守備範囲の広いロゼ

#6:ローラン・ペリエ アレクサンドラ ロゼ2004
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
価格:75,600円
ピノ・ノワールをマセラシオンしている間に、シャルドネを加えて造るスタイル。熟成期間約10年。オレンジ色を帯びたサーモンピンク、微細な泡沫、気泡はワインに溶け込み滑らか。赤系果実のコンポート、オレンジピール、ピンクペッパー、ハーブ、ミネラル、果実味と酸味のバランス、複雑味のある味わい


#5ロゼNVの力強さ、#6アレクサンドラはエレガント

1987年のファーストリリースから7つ目のヴィンテージ『アレクサンドラ ロゼ2004』

シャルドネはル・メニル・シュール・オジェ、アヴィーズ、クラマン。ピノ・ノワールはヴェルズネー、ブージー、アンボネイのグラン・クリュのぶどうを使用


(左から)
ラ キュベNV、 ウルトラ ブリュットNV、ブリュット ミレジメ2007、同1999(マグナム)、ロゼNV、アレクサンドラ ロゼ2004


photo by Fumiko (2014年3月)
グラン・シエクルテイスティング中のミシェル・フォコネ醸造責任者


各アイテムごとのブロッシャー、メゾンとしての意気込みを感じます。
フォコネさんとグラン・シエクルにフォーカスしていたVIGNERON誌


photo by Ayano
これからもローラン・ペリエの魅力を伝道していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。サントリーワインインターナショナル(株)および阪本さんに改めて御礼申しあげます!

関連ページ
■ローラン・ペリエ200周年記念ディナー
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2013-01-03
■シャンパン×和食 ローラン・ペリエ昼餐会
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2017-06-06
■ロイヤルウエディングでも活躍したローラン・ペリエ(ippin)
https://ippin.gnavi.co.jp/article-3233/

2017年07月06日

シャンパン講座でフォーカスしたポル・ロジェとJ.M.ラブリュイエール

6月最終週の水曜日はNHK文化センターのシャンパン講座でした!

輸入元ジェロボームの主要株主でもある『ポル・ロジェ』
1849年アイ村の公証人の息子ポル・ロジェによって設立されたメゾンで、1851年に現在の拠点エペルネに移動。自社畑は90㌶(生産量の55%を賄う)、年間生産量約180万本、900万本分を貯蔵


ジェロボームが満を持して取扱いを開始したシャンパン・メゾン『J.M.ラブリュイエール』
ブルゴーニュの名門『ドメーヌ・ジャック・プリウール(DJP)』が2012年にRM『クリスチャン・ブザン』を買収したメゾンで、モンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ、ヴェルズネーが拠点。上記の3アイテムは5月中旬から日本での販売を開始しました。


醸造担当は、1997年にワイン雑誌『レヴュー・ド・ヴァン・ド・フランス』で女性初のベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたナディーヌ・ギュブラン女史。とっても素敵なマダムで、ギュブランさんは本家DJPの醸造も担当しています。


第1フライトはNVのスタイル
#1:J.M.ラブリュイエール プロローグNV 完売
生産者:J.M.ラブリュイエール(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
デゴルジュマン:2016年5月
ドザージュ:4.8g/L
価格:7,000円(税別)
ベースワインは2012年でリザーブワインとして2011年を使用。プロローグの最大の特徴は門出のリキュールとして、DJPで使っていた樽で保存していたワイン(5%以下)を使っていることです。同メゾンは基本的に発酵も醸造もステンレスタンクですが、プロローグの場合、この“5%のワイン”が、味わいに深みを与えています。ピノ主体なので#2より濃い色調、芯のある酸味、赤いリンゴ、黄桃、ネクタリン、ブリオッシュ、余韻に軽いビター感

#2:ポル・ロジェ ブリュット・レゼルヴNV
生産者:ポル・ロジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール33%、シャルドネ33%、ムニエ33%
ドザージュ:9g/L
価格:7,000円(税別)
ポル・ロジェの造りの基本は発酵&醸造ともステンレスタンク。30のクリュのブレンド、瓶熟42~54ヶ月、他メゾンと比べて長い熟成期間。リザーブワインは25%程度使用。柑橘系果実GF、洋梨、花の蜜、ブリオッシュ、ナッツ、ミネラル、スパイス、バランス良好

第2フライトはブラン・ド・ブラン
#3:J.M.ラブリュイエール パージュ・ブランシュNV
生産者: J.M.ラブリュイエール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
デゴルジュマン:2016年5月
ドザージュ:3.2g/L
価格:10,000円(税別)
2012年がベース、2011年をリザーヴワインに使用。石灰質の多いヴェルズネーの土壌から収穫したシャルドネ100%、気泡穏やか、白桃、蜂蜜、バター、ミネラル、焙煎香、中盤から酸のニュアンス、土壌由来のビター感、余韻の旨味。来日したギュブラン女史は「最後に感じるかすかな塩味が特徴」と。

#4:ポル・ロジェ ブラン・ド・ブラン ヴィンテージ2008
生産者:ポル・ロジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:7g/L
価格:13,000円(税別)
ポル・ロジェ家4代目のクリスチャン・ド・ビリー発案のアイテム、デビュー当時のネーミングは“ブラン・ド・シャルドネ”。4代目はロゼの誕生にも関与。グラン・クリュ(ワリー、アヴィズ、オジェ、ル・メニル、クラマン)のシャルドネをブレンド。瓶熟8年、グラス上部から見た泡沫は細やか、2008年は秀逸なヴィンテージ、フレッシュ&溌剌感&繊細、白い花、蜂蜜、土壌由来のミネラル感、長い余韻

第3フライトはロゼで

#5:J.M.ラブリュイエール アントロジー・ロゼNV
生産者:J.M.ラブリュイエール (RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30% / ピノ・ノワール(ブジー)8%
ドザージュ:6.4g/L
価格:8,000円(税別)
#1と同じブレンド比率、サーモンピンク、グレープフルーツ、ストロベリー、カシス、ピンクペッパー、紅茶に通じる軽いビター感

#6:ポル・ロジェ ロゼ・ヴィンテージ2008
生産者:ポル・ロジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ35%、赤ワイン(ブジー、アンボネ、キュミエール)を15%ブレンド
ドザージュ:8g/L
価格:13,000円(税別)
ポル・ロジェが“官能、優美”と形容するロゼ、瓶熟は7年、オレンジを含んだサーモンピンク、上品な酸味、赤系果実、エキゾチック・スパイス、かすかにローストした蜜、ミネラル

第4フライトはウィンストン・チャーチルを特別供出

講座生を大満足させたキュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル2004


シャンパーニュ地方のチーズ『シャウルス』と納得のマリア―ジュ

#7:ポル・ロジェ キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル
生産者:ポル・ロジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ 
ドザージュ:8g/L
価格30,000円(税別)
ポル・ロジェの最高傑作“力強さ、洗練さ”、瓶熟10年、ブレンド比率は門外不出。深みのあるイエロー、気泡繊細、カリンのコンポート、アカシアの蜂蜜、スパイス、気泡はワインに溶け込み、重厚感のある味わい(ピノ・ノワールの比率が多い印象)、口中クリーミー、長い余韻
■製品についてのお問い合わせはジェロボーム株式会社℡03-5786-3280

講座生の皆さんへ
今回の講座では、想定外の量でご迷惑をおかけしました m(_ _)m
ウィンストン・チャーチル2004は後引く味わいでした。皆さんがシャンパンを口にした瞬間の“静寂”が、その素晴らしさを物語っていました。今月19日も皆さんを幸せな気分にさせる逸品を登場させますので、お楽しみに!

2017年06月11日

(株)徳岡扱いの新メゾン『カナール・デュシェーヌ』から醸造長初来日&5月のシャンパン講座



シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区リュード村が拠点の『カナール・デュシェーヌ』


樽職人のヴィクトル・カナールとぶどう農家の娘レオニー・デュシェーヌの結婚により誕生したメゾンです。19世紀、ロシア皇帝ニコライ2世から品質を認められ、オフィシャルシャンパンに。その縁で、エンブレムには同王朝の紋章“双頭の鷲と冠”が使われています。4月27日から(株)徳岡さんが新規代理店として、6アイテム(全部で10アイテム生産)の輸入を開始しました。

ティエノーとカナール・デュシェーヌの醸造長

日本初来日、初アジアのローラン・フェデウさん

4月26日、シャンパン講座でティエノー

を取り上げました。
翌27日、徳岡様から「カナール・デュシェーヌのお披露目プレスランチ」にお招きいただいていたので、出かけたのですが、そこで、シェフ・ド・カーヴのローラン・フェデウさんとお目にかかり、何と、ローランさんがティエノーのシェフ・ド・カーヴをしている、という話を聞いて、びっくり!

1985年に創業したシャンパン・メゾン『ティエノー』で、シェフ・ド・カーヴとして活躍していたローランさんは、2003年に、アラン・ティエノー社長がカナール・デュシェーヌを買収したのを機に、両メゾンの醸造を担当することになりました。

略歴は、スペインのカタルーニャ州に隣接する南仏のアリエージュ県出身、パリでマイクロ化学、ランスで醸造学を学び、その後、1年間モエ・エ・シャンドンの研究所に勤務。2年間アフリカのチャドでボランティアとして数学と物理学の講師を受け持ち、帰国後、南仏に戻り、1985年からティエノーに所属、シェフ・ド・カーヴとして今に至るとのこと。



プレスランチではカナール・デュシェーヌの5アイテムをNOBU TOKYO

の和食と合わせて。
野菜の海苔巻 ごま味噌ソース、焼き帆立 ハラベーニョサルサ、マツヒサ風シュリンプ キャビア添えには、『キュヴェ・レオニー ブリュット』のマグナムサイズ。しなやかな口たりと上質なミネラル感は、帆立や甲殻類と文句なしの相性、ナイス・バランス。

メゾンの顔キュヴェ・ レオニー ブリュット


リザーブ・ワインの使用率は約30%、瓶熟に36ケ月かけているシャンパンです。
2003年にティエノーがオーナーになってから誕生させた新アイテムで、ゼロからの発想、“レストランのため”に考案されました。ローランさんが好むピノ・ノワールを50%使っており、そのこころは「ピノ・ノワールというと力強さを連想する向きもありますが、私が求めるピノのスタイルはフィネス&エレガンス」と。

オーガニックの『パーセル181』


ティエノーもカナール・デュシュエーヌも基本的には発酵&熟成ともステンレスタンクです。そのなかで、カナール・デュシェーヌ唯一の樽使用が『パーセル181 エクストラ ブリュット』

ワインは「181」という区画から命名しました。
シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ムニエ10%のブレンドで、シャルドネの一部に関しては樽発酵(300Lの古樽)。「樽を使う目的は若干のスパイス効果」とローランさん。
シャルドネの供給源はコート・ド・セザンヌ地区にある3軒のオーガニック栽培農家と、ティエノーがヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のヴェルヌイユ(7㌶/3年前にオーガニックの認証取得)に所有している181区画で、年間生産量は70,000本。2010年から手がけてきたシャンパンで、当初は3軒のオーガニックぶどうだけを使用していましたが、3年前にヴェルヌイユの畑が認証を受けたことで、ネーミングを変更しました。

フェミニンな『キュヴェ・レオニー ブリュット・ロゼ』
 
ユニークな組み合わせ!
一皿のなかに仔羊のロースト 甘酢辛子みそソース、山菜の天麩羅 × ブリュット・ロゼと合わせて

ピノ・ノワール50%、ムニエ25%、シャルドネ25%に、コート・デ・バール地区リセ村のピノ・ノワールを約10%ブレンド。ローランさんは「ベリーの風味を備えたエレガントなロゼ。タンニンを感じさせないロゼを目指しています」と述べていました。

メゾン創設100周年記念の『シャルル7世 ブラン・ド・ブラン』
100年戦争で勝利したシャルル7世の名を冠したシャンパン
ラベル上部には“百合(LYS)”、ラベル下部には“シャルル7世 1494年ランスにて戴冠”の文字が記されています。


3種のSUSHI
いか&うに 塩&レモン甘/海老タルタル キャビア/真鯛 フレッシュトリュフ&オリーブオイル&セサミオイル


カナール・デュシェーヌの歴代のシェフ・ド・カーヴが集合した折、「かつてはブラン・ド・ブランがあったのに、今は何故ないのか」という話題になり、生産することになったというアイテム。メゾンの創設100周年記念のプレスティージュ・シャンパンで、グラン・クリュとプルミエ・クリュ(アヴィズやトレパイユ等)のシャルドネを使用。
フレッシュかつ趣のあるタイプ、香りはピュアでエレガント、クリーミーな舌触り。

ティエノーのヴィンテージ・シャンパン、ブラン・ド・ブランの『スタニスラス』と『オー・ガマン』と、どう違うかについては、「シャルル7世は若いうちに楽しむシャンパン。ティエノーの2アイテムは長熟タイプなので、10年、20年の歳月をかける醍醐味がある」と語っていました。

ボトルの色について


シャルル7世のボトルが冊子(アンバー)と実際(グリーン)とでは異なる色合いだったので、遮光率に関して質問してみました。プレスランチを仕切っていたティエノー ボルドー シャンパーニュのジェレミ・ルメグ日本担当輸出マネージャーから後日届いたお返事によると、シャルル7世は現在、Vert CIVC(シャンパーニュ委員会の名が付いたグリーン)を使っているとのこと。ロゼ・シャンパンはやはり透明瓶が目立ちますが、一般的にはアンバーかCIVCグリーン。黒色は100%、薬瓶での使用が多いアンバーは99%の遮光率。CIVCグリーンは若干下がりますが、見た目はきれいですよね。

ナイジェリアからのリクエスト!



ピーチジュレとロゼ・シャンパンのムース × シャルル7世 スムース・ロゼ

カナール・デュシェーヌにとっての大きな市場の1つがアフリカのナイジュリアなのですが、現地の顧客からの、「甘口のロゼがあれば・・・」とのリクエストがきっかけで誕生したロゼ!
赤い果実満載、冷やして飲んで程よい甘さ(ドザージュ量20g/L)、べタつかず、気分をほんわかさせれくれる可愛いロゼ・シャンパン。生産本数は10,000本弱で日本へは200本程の希少ワイン!



シャンパン講座で即、反映

プレスランチでテイスティングしたのは左のオーセンティック ブリュットを除く5アイテムでした。

お披露目ランチから1ヶ月後、5月24日のNHK文化センター青山校でのシャンパン講座で全6アイテムを準備。希少アイテムのシャルル7世スムース・ロゼもあったので、嬉しい時間を過ごすことができました。

カナール・デュシェーヌの造りをおさらいすると、基本的にはステンレスタンクを使用、MLF(マロラクティック発酵)有、リザーヴワインはどのキュヴェにも30%程度使用

オーストリアのスパークリングも仲間入り

右から2本目はオーストリア・ヴァッハウにあるニコライホーフの『ツヴァイゲルト・ロゼ2013』、日本未入荷のスパークリングワインを講座生に体験してもらいました!

第1フライトの3アイテムは
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#1:カナール・デュシェーヌ オーセンティック・ブリュット
生産者:カナール・デュシェーヌ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ35%、シャルドネ20% 
ドザージュ:9g/L
瓶熟:30ヶ月
価格:6,000円(税別)
ペールイエロー、白い花、レモン、グレープフルーツの白い皮、青リンゴ、口中を洗い流すきれいな酸味

#2:カナール・デュシェーヌ キュヴェ・レオニー・ブリュット
生産者:カナール・デュシェーヌ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、ムニエ25%、シャルドネ25% 
ドザージュ:約10g/L
瓶熟:36ヶ月
価格:6,000円(税別)
#1と似た色調、香りはよりインパクトがあり、カリン、熟した白桃や黄桃。パイナップ、ブリオッシュ、スパイス、ミネラル、上品な酸味、フードフレンドリーな1本

#3:カナール・デュシェーヌ パーセル181 エクストラ・ブリュット
生産者:カナール・デュシェーヌ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ムニエ10%
※シャルドネの一部は樽発酵
ドザージュ:約4~5g/L
瓶熟:約48ヶ月
価格:8,000円(税別)
3つのなかで色調は淡め、細やかな気泡、、レモン、プラム、ハーブ、白コショウ、ピュアで柔らかな印象、第1フライトで講座生の一番人気アイテム



第2フライト
#4:カナール・デュシェーヌ シャルル7世 ブラン・ド・ブラン ブリュット
生産者:カナール・デュシェーヌ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:約8g/L
瓶熟:約48ヶ月
価格:10,000円(税別)
気泡はワインに溶け込み、静のイメージ、青リンゴ、洋梨、ミント、ハーブ、舌触りはクリーミー&ねっとり感 全体のバランス良好

第3フライト


#5:ニコライホーフ ツヴァイゲルト・ロゼ2013
生産者:ニコライホーフ/オーストリア・ヴァッハウ
ぶどう品種:ツヴァイゲルト100%
ドザージュ:8g/L
特別出品/日本未輸入
オーストリアのトップワイナリー『ニコライホーフ』が手掛けるスパークリング
現地取材から持ち帰り、飛び入り参加させたアイテム。赤銅色、気泡の触感はクリーミー、凝縮したぶどう由来の旨味、まるいタンニン、余韻に続くビター感、時間の経過で黒糖のニュアンス。色調や香りからシャンパーニュでないことは一目瞭然ですが、ヴァッハウで育ったツヴァイゲルトのミネラル感や冴えのある酸味、渋味の印象は心地よく快適!

#6:カナール・デュシェーヌ キュヴェ・レオニー ブリュット・ロゼ
生産者:カナール・デュシェーヌ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、ムニエ25%、シャルドネ25%
コート・デ・バール地区リセ村のPNを約10%ブレンド
ドザージュ:約9g/L
瓶熟:36ヶ月
価格:8,000円(税別)
桜色、気泡繊細、リセのピノ由来の優しいタッチ、ブリッオッシュ、エレガントな酸味、ソフトなタンニン

第4フライト
#7:カナール・デュシェーヌ シャルル7世 スムース・ロゼ
生産者:カナール・デュシェーヌ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ59%、ピノ・ノワール21%、ムニエ20%
コート・デ・バール・リセ村のPNを約10%ブレンド
ドザージュ:20g/L
瓶熟:約36ヶ月
価格:10,000円(税別)
30種のキュヴェをブレンドして仕上げた魅力的なロゼ。上品なサーモンピンク、繊細な気泡、ベリー系果実の香り、ドライアプリコット、クリームブリュレ、クリーミーで滑らか、講座生の評価◎

そして・・・最後には


講座生のKodaさんがニコライホーフの逸品グリューナー フェルトリーナー ホワイトラベル(画像の最右)を差し入れてくださったので、この日は2種のオーストリアワインが満喫できました。講座生のなかには、オーストリアワイン未体験の方もいらっしゃったので、素敵なサプライズでした。Kodaさん、お気遣い、ありがとうございました!


カナール・デュシェーヌ&ティエノーのシェフ・ド・カーヴ、ローラン・フェドウさんとお目にかかれて光栄でした。今回は(株)徳岡の安武様、清水様、森様、そしてティエノー ボルドー シャンパーニュのルメグ日本担当輸出マネージャーに大変お世話になりました。心から御礼申し上げます、ありがとうございました!
■製品についてのお問い合わせは(株)徳岡 ℡03-5436-7501(東京)
■徳岡 東急プラザ銀座店 http://ginza.tokuoka.co.jp/


講座生の皆さま
6月のシャンパン講座は最終週の28日です。
期待にお応えできる2メゾンの競演になりますので、今月もお楽しみに!

2017年04月29日

NHK文化センター青山校 春期シャンパン講座の初回はティエノー!

1985年創業のシャンパンメゾン『ティエノー』
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髙島屋さんの看板シャンパンティエノー

は20世紀に誕生したメゾンです。同社が2012年に扱いを開始した時に、昭和女子大オープンカレッジの講座で披露しました。アラン・ティエノー当主は、ぶどう仲買人だった経歴を生かし、良質なぶどう栽培家とのルートを活用して、グレードの高いシャンパン造りを成功させています。


ティエノーにフォーカスするのは5年ぶりです!

第1フライトはブリュットとロゼ
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#1:ティエノー ブリュット
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:シャルドネ45%、ピノ・ノワール35%、ムニエ20% 
熟成期間:3年
ドザージュ:~9g/L以下
価格:6,500円(税別)/グッドリブ(髙島屋)
輝きのあるイエロー、気泡活発、レモンやグレープフルーツ、洋梨、蜂蜜、バランス良好

#2:ティエノー ロゼ
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%(うち、古樹のアイ村産赤ワイン7%)、シャルドネ35%、ムニエ20%、
熟成期間:2~3年
ドザージュ:~10g/L以下
価格:8,500円(税別)/グッドリブ(髙島屋)
サーモンピンク、気泡繊細、イチゴやラズベリー、グレープフルーツの白い皮、#1と同じように軽快&フルーティ、酸味のメリハリあり、アフターに軽いビター感


3品種のブレンド比率は似ています。ロゼはアイ村のPNを7%加えていますが、2アイテムを飲み比べてみるとメゾンが求めているスタイルがわかります。エレガントで整った印象。


第2フライト

#3:ティエノー ヴィンテージ2008

生産者:ティエノー(NM)

ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール各50%、熟成期間:7年
ドザージュ:~8g/L以下

価格:10,000円(税別)/グッドリブ(髙島屋)

グレート・ヴィンテージ。淡いイエロー、白い花、白コショウ(CH由来)、黄色系柑橘果実、ミネラル、程よい酸味、旨味、厚みのある味わい、口中クリーミー、長い余韻、ポテンシャルあり、長熟タイプのシャンパン


#4:ティエノー ヴィンテージ2006

生産者:ティエノー(NM)

ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール各50%、熟成期間:7年
ドザージュ:~8.5g/L以下

価格:10,000円(税別)/グッドリブ(髙島屋)

気泡繊細、熟成香、熟した白桃、ドライフルーツ、ブリオッシュ、ミネラル、果実味と酸味のバランス


第3フライト

#5:キュヴェ・アラン・ティエノー2002

生産者:ティエノー(NM)

ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%、熟成期間:10年

ドザージュ:~9g/L以下

価格:20,000円(税別)/グッドリブ(髙島屋)

スペシャル年の2002、グレート・ヴィンテージ。黄金色からベージュ、気泡はワインに溶け込み、ソフトでまるみがあり、今飲んでおいしい1本。アロマ豊か、ナッツやスパイス、ミネラル、講座生からの反応大


#6:ティエノー ラ・ヴィーニュ・オー・ガマン1999

生産者:ティエノー(NM)

ぶどう品種:シャルドネ100%(アヴィズの古樹)、熟成期間:10年
ドザージュ:8g/L

価格:28,000円(税別)/グッドリブ(髙島屋)

色調はイエロー、白い花、熟した洋梨、マンゴー、フレッシュバター、ミネラル、焙煎香、旨味、軽いビター感



トップ・キュヴェはブラン・ド・ブラン『ラ・・ヴィーニュ・オー・ガマン』

4,000本しか生産していないスペシャルキュヴェ


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オー・ガマン(右)は18年の経過でもまだフレッシュ

色調にも白ぶどう由来の要素を感じます。



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2014年3月にメゾンを訪問した折、焼きたての御海苔をお土産にしたのですが、ご子息でゼネラルマネージャーのスタニスラスさんは自分でお寿司を作る方だったので、ぴったりのアイテムになりました。


今回の講座で初めてティエノーを体験した参加者からは、「エレガントな味わいのシャンパン」との感想をいただき、過去の講座で何アイテムか体験しているメンバーからは「以前より、さらに良くなっている印象」と言われ、嬉しく思いました。


ティエノー・ブリュットの赤いラベルは、アカデミー賞のレッドカーペットに良く似合うので、2013年と2014年の2年間公式シャンパンとして愛飲されていました(今はパイパー・エドシック)。これはアカデミーのウルフギャング・パック シェフ(アカデミー賞授賞式後のパーティーのケータリング総責任者を歴任)と交流があったので、お声がかかったようです。ティエノーは料理界の巨匠ポール・ボキューズからも太鼓判を押されているシャンパンなので、品質の良さは実証済みです。味わったことがないシャンパンラバーさんには是非1度、お試しいただきたいと思っています。

ラベル:ティエノー

2017年03月28日

冬講座の〆はポル・ロジェ、アンリオ、ドラピエのマグナムで!

NHK文化センター青山校の冬講座最終回は素敵なメゾンのマグナム
時間を大事にしているポル・ロジェ、アンリオ&ドラピエ!
NVのシャンパンでも長い熟成期間を誇るメゾンです。
それらのマグナムなので大いに期待していました。

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左から
ポル・ロジェ2006、アンリオ2000、ドラピエ1998&1995

第1フライト
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#1ポル・ロジェ ブリュット・ヴィンテージ2006
生産者:ポル・ロジェ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方エペルネ
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%(20のグラン・クリュとプルミエ・クリュのぶどうを使用
ドザージュ:9g/L
価格:26,000円(税別)/ジェロボーム

2006年は幸いにも春に霜害が発生しなかったので、ぶどう樹の成長も、6月の開花も順調に進みました。8月は涼しく湿っていましたが、9月は温暖だったので、ぶどうの房も粒も非常に健全で、良い状態で収穫できました。
若干ベージュを含んだ色調、気泡は規則正しく繊細、グラス表面の泡沫は活発。白い花、柑橘果実、フレッシュバター、蜂蜜、ミネラル、口中ではスムーズ&クリーミー、アフターに軽いビター感、ドザージュの糖分もワインに溶け込み、品の良い甘やかさ、時間の経過で味わいに広がり、バランス良好。
聴覚を大事にしている講座生(外科医)が、#1の奏でる音を、雪がしんしんと降っている情景に例えていましたが、まさに言い得て妙! 極小の気泡が舌の上に広がる様子がイメージできました。

#2アンリオ ミレジメ2000
生産者:アンリオ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方ランス
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール各50%
ドザージュ:7g/L未満
価格:27,600円(税別)/ファインズ

2000年は温暖な気候からスタートし、6月初旬に満開。7月激しい雷雨に見舞われましたが、8月は好天、収穫期まで順調に推移。ピノは力強さとまろやかさ、シャルドネは豊かな香りと爽やかさを備え、多収量&高品質。
輝きのあるイエロー、気泡細やかで視覚的にもワインに溶け込んでいる印象、熟成によるアロマ豊か、カリン、果実のコンポート、バター、ナッツ、ブリオッシュ、ミネラル、モカ、口中滑らかで旨味、複雑味、エレガント

ポル・ロジェの#1はピノ・ノワールとシャルドネのみを使用。アンリオはムニエを使わないメゾンなので、 #2も2品種のみ。ブレンド比率もドザ―ジュ量も近値だったので比較試飲にはナイスなアイテムになりました。

第2フライトの前に・・・
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ドラピエのみが造るメルキゼデック

Photo by Fumiko (2010年)
1152年のサン・べナール修道士が造ったワイン熟成庫、歴史の重さを感じます!
ボトルはこの地下セラーで一度も外気に触れることなく、長期間静かに瓶内熟成され、出荷前にデゴルジュマンが行われています。


Photo by Fumiko (2010年)
ミッシェル・ドラピエ社長自ら見せてくださった動瓶作業


Photo by Fumiko (2010年)
アンドレ・ドラピエ前当主の横のボトルの大きさにびっくり!
シャンパンメゾンのなかで唯一30㍑(40本分)の“メルキゼデック”を生産しているドラピエ

シャンパンボトルの容量
カール188ml    ドゥミ375ml    ブテイユ750ml    マグナム1,500ml(2本分)
ジェロボアム3,000ml(4本分)     レオボアム4,500ml(6本分)
マチュザレム6,000ml(8本分)     サルマナザーム9,000ml(12本分)
バルタザール12,000ml(16本分)   ナビュコドノゾール15,000ml(20本分)
サロモン18,000ml(24本分)      プリマ27,000ml(36本分)


第2フライト
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カルト・ドールの初リリースは1952年

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(左から)カルト・ドール1998、同1995

#3ドラピエ カルト・ドール1998
生産者:ドラピエ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ムニエ3%
価格:30,000円(税別)/テラヴェール

紆余曲折の多かった年、収穫は好天下で行われ、ぶどうの成熟も上々。オレンジ色を含むゴールド、気泡は列をなして連なり、スピード感あり。若干酸化のニュアンス、黒蜜、ドライフルーツ、カリン、アーモンド、スパイス、タンニン、軽いビター感、黒ぶどう由来の重心が低いスタイル

#4ドラピエ カルト・ドール1995
生産者:ドラピエ(NM)
拠点:シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ムニエ3%
価格:32,000円(税別)/テラヴェール

春先に冬のような冷え込みがあり開花は若干遅れ気味。その後は一転して非常に暑い夏を迎え、理想的気候に。『ギッド・アシェット2012』でクール・ド・クール獲得。「調和のとれた熟成からくる蜂蜜や果物のコンフィ。力強いが軽やかで、驚くほど長い余韻。食中にぴったりのシャンパーニュ(ギッド・アシェット)」、『ベタンヌ・ドゥソーブ・ガイド2012版』で17/20 (テラヴェール情報
輝きのあるゴールド、熟成状態の良さを予感させる若々しい色調。気泡はゆっくり繊細。洋梨、マロン、ナッツ、乾燥イチジク、スパイス、バランスの良い酸味、リキュール的なニュアンス、豊潤で複雑、まろやかな印象でフィニッシュ。数年後に再会したいと思ったマグナム!

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コルクの背くらべ、ドラピエ1995がイイ感じで味わいにも反映していました!

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普段はフランスパンだけですが、「〆にはやっぱりチーズ」ということで、フェルミエで購入したシャンパーニ地方の白カビチーズ〝シャウルス〟を用意しました。4アイテムともに魅力的でしたが、口中で渾然一体、全員を感嘆させたのはドラピエ1995。22年の底力を感じました[わーい(嬉しい顔)]

4月からの春講座

もお陰様でキャンセル待ちになりました。
先程、第1回目の授業にお出しするメゾンも決めました。受講生の皆さまに驚きと喜びをお届けしたいと思っています。引き続き、宜しくお願いいたします。

2017年03月06日

2月のNHKシャンパン講座は次世代を担う人気のメゾン『ベレッシュ・エ・フィス』に注目!

モンターニュ・ド・ランスのリュード村にあるレコルタン・マニピュラン(RM)べレッシュ・エ・フィス
年間生産本数はわずか85,000本、人気のメゾンなので入手も難しくなってきています。今回は年に1回の上級キュヴェの入荷時期にあわせて5アイテムを揃えることができました!

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供出したのは6アイテム、若手醸造家のリーダー的存在タルランのブノワ(12代目)さんの『ゼロ・ブリュット・ナチュール』(左から3番目)を用意してベレッシュと比較

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コルクの並び順は左から2番目がタルラン、3番目がベレッシュ


1847年創業のベレッシュ・エ・フィス

現当主は5代目のラファエル・ベレッシュさん(右)
伝統と革新を融合させ、テロワールの表現を主眼にしています。2004年からビオロジック(一部ビオディナミ)を導入、天然酵母による発酵、基本的にノン・マロスタイル、定番のブリュット・レゼルヴ以外は王冠ではなく、コルクで瓶内熟成。白ワイン用の樽はピエール・イヴ・コラン・モレから譲り受けたもの、赤ワイン(コト―・シャンプノワ)とロゼ((カンパニア・レメンシス)にはDRCからの古樽を使用


拠点はリュード村、所有畑は9.3㌶
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左上から時計回りに
オルム、シニー・レ・ローズ、リュード、トレパイユ、マルイユ・ル・ポールの各産地


一級畑リュード村、マサル・セレクションによる栽培
マサル・セレクションはマス・セレクション、集団選抜と呼ばれるもので、畑から優秀な株を複数選び、補木を取って苗木をつくり、元の畑に戻す方法。代々引き継がれてきた自分の畑で、時間をかけて優秀な株を選抜し、それを苗木として使用するので、テロワールに即したものと言える。苗木はクローン苗が一般的になる前に植樹された畑の株でなければならない。株は例えば、果実の豊かさ、果皮の厚み、果粒の大きさ、香りや酸の強弱等、これらが混在することで、複雑味のある表現ができる

第1フライト  
#1:べレッシュ カンパニア・レメンシス・ロゼ・エキストラ・ブリュットNV
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ベースワインは2012年ヴィンテージ

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生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、PM10%、赤ワイン5%ブレンド
ドザージュ:3g/L 
デゴルジュマン:2016年3月
価格:12,000円(税別)
5%ブレンドしている赤ワインはオルム産のピノ・ノワールとムニエ。発酵とブレンド用の赤ワイン(コト―・シャンプノワ)にはDRCの古樽を使用。サーモンピンクの色調、気泡は活発で繊細、ドライローズ、柑橘果実の皮やすもものニュアンス、ミネラル、最初に泡の食感、その後に続く凛とした酸味と綺麗な酒質が好印象

第2フライト
#2#3の比較。ブレンド比率(3品種を3分の1ずつブレンド)は同じ、ともにノン・マロ、違いはドザージュ量とデゴルジュマンの実施年月

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#2:ベレッシュ ブリュット・レゼルヴNV
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:PN、CH、PM 各3分の1/ベースワイン2013年&2014年
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2016年9月
価格:7,000円(税別)

#3:タルラン ゼロ・ブリュット・ナチュールNV
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:PN、CH、PM 各3分の1
ドザージュ:0g/L
デゴルジュマン:2015年10月
価格:7,500円(税別)
ベレッシュの#2 は樽60%とホーロータンク40%で醸造、土壌由来のミネラル感、ロースト風味。タルランの#3は、グレープフルーツや夏ミカンの皮、果実味、フラッシュバター、ミネラル、ぶどう本来の凝縮感。タルランの方がデゴルジュ後の期間が約1年程長かったこともあり、すべての要素が溶け込んだ印象でバランス良好

#4:ベレッシュ レ・ボー・ルガール・シャルドネNV
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:CH100%/2012VT(表示していません
ドザージュ:3g/L
デゴルジュマン:2016年3月
価格:11,000円(税別)
リュード村の石灰が多い土壌。当主の曽祖父が1902年に植樹して以降、マサル・セレクションによる苗木からのぶどうを使用。気泡活発、持続性あり、おしろい、白い花、ミネラル、ナッティ、蜂蜜、ロースト風味

第3フライト
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#5:ベレッシュ ル・クラン・プルミエ・クリュ・エキストラ・ブリュット2008
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:CH55%、PN40%、PM5%
デゴルジュマン:2015年11月
ドザージュ3g/L
リュード村の2区画のブレンド。1969年から1973年に植樹されたヴィエイユ・ヴィーニュの区画。樽発酵、バトナージュは行わず、ノンフィルターで瓶詰め。濃いベージュ色、リンゴのコンポート、カリン、カラメル、甘味と酸味のナイスバランス、温度変化によってグラス内で旨味&複雑味、当日のマイベスト、講座生の人気アイテム

#6:ベレッシュ ルフレ・ダンタン・エキストラ・ブリュットNV
生産者:ベレッシュ(RM)
ぶどう品種:PN、CH、PM 各3分の1
1985年以降のリザーヴワイン3分の2、2011年VT(3品種同量)
ドザージュ:6g/L
デゴルジュマン:2016年4月
価格:17,000円(税別)
先祖へのオマージュとして毎年リリースされるフラッグシップのシャンパン。1985年から600㍑の木樽を使い、ソレラシステムでストックしてきたリザーヴワインを3分の2引き抜き、そこに2011年ヴィンテージ(3品種同率)をブレンド。1年樽熟成させ、その後、瓶詰めして36ヶ月熟成させてから市場へ。深みのある黄金色、気泡元気で繊細、ココア、エキゾチックアロマ、塩味、旨味。酸味は極めてまるく、後に続く余韻もまるい。


裏ラベル表記について

両メゾンとも、裏ラベルにデゴルジュマンの日付&ドザージュ量を明記しています。これは#5のル・クランです。
このような表記のシャンパンは、デゴルジュマンの違うボトルを飲み比べることで、瓶内熟成の変化を知ることが出来ます。購入して少なくとも半年(1年ならさらに良い)我慢している間に、次の新しいボトルが発売されますので、裏ラベルにあるデゴルジュマンの年月を確認して比較試飲することをお薦めします。べレッシュもタルランもスタンダードなNV(3品種同率)が一番わかりやすい。

製品についてのお問い合せは豊通食料(株)℡03-4306-8539


講座生の皆さま
ブログに記載したドザージュ等の数字は各ボトルの裏ラベルを確認して書いております。配布資料と若干の違いがありますので、ご確認いただけましたら幸いです。今月は冬講座最後の回になります、お楽しみに!

2016年12月25日

2016年はロゼ・シャンパンで〆@ NHK文化センター青山校

微妙な色の違いが魅力
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年内最後の授業はロゼ・シャンパンにフォーカス!
講座生からのリクエストを反映した6アイテムに特別供出を加えた全7アイテムの利き比べ

第1フライトはステンレス主体のメゾン
MLFをしないゴッセ、シャルル・エドシックやポル・ロジェのようにステンレスタンク100%のメゾン、樽使いでも新樽の使用率が多いエグリ・ウーリエ、テラコッタを使っているアンリ・ジロー等、メゾンの個性を理解するのに十分なブラインド・テイスティングになりました。

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左から#1~#4

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#1:ゴッセ・グラン・ロゼ・ブリュットNV
生産者: ゴッセ
ぶどう品種:ピノ・ノワール42%(ブレンド用の赤ワイン7%含)、シャルドネ58%
ブジー、アンボネイのPN
ドザージュ:9g/L/非MLF/最低36ヶ月の瓶内熟成
価格: 12,000円/テラヴェール
色調はオレンジを含むサーモンピンク、木イチゴ、マンダリンオレンジ、ミネラル、口中クリーミー、中盤以降の酸の広がり。3年以上の長い瓶熟が非MLFであることを感じさせない絶妙のバランス。時間の経過で本領発揮

#2:マイィ・グラン・クリュ ロゼ・ブリュットNV
生産者:マイィ
ぶどう品種: ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドザージュ: 8g/L
価格: 価格8,400円/合同酒精
古樹のピノ・ノワール90%はセニエ製法。セラーマスターいわく「シャルドネを10%ブレンドすることで、輝きが増し、バランスが良くなる」
色調は#1に類似、若干淡色、グラス表面の泡沫快活、レッド・カラント、ラズベリー、ストロベリー、ドライローズ、フレッシュな酸と果実味の調和、余韻に軽いタンニン、丁寧な造りを感じさせるシャンパン(ボトル差があったので講座生の印象に若干バラツキあり

#3:シャルル・エドシック ロゼ・ヴィンテージ2006
生産者:シャルル・エドシック
ぶどう品種: シャルドネ+ピノ・ノワール90%、赤ワイン10%添加
レ・リセ、モンターニュ・ド・ランスのPN
ドザージュ:9g/L
価格: 13,000 円(税別)/日本リカー
色調はサーモンピンク、気泡細やか、GF、マンダリンオレンジ、ヘーゼルナッツ、アプリコット似の酸味、口中滑らか、豊潤、旨味と長い余韻。レ・リセの主張しすぎないPNが醸し出すエレガントさ。長い瓶熟を大事にしているメゾン。2006年は昨春リリ―スしたばかりですが、2~3年後に次のヴィンテージ2005年が登場予定

#4:ポル・ロジェ ブリュット・ロゼ2008
生産者: ポル・ロジェ
ぶどう品種: ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、赤ワイン15%添加
ブジー、アンボネイ、キュミエールのPN
ドザージュ:8g/L
価格: 13,000円(税別)/ジェロボーム
ノワイエル前社長は「ポル・ロジェが目指すロゼは色調が美しいこと」と語っていましたが、4グラスのなかで、一番鮮やかな赤を含むロゼ。ノワイエルさんは「ロゼシャンパン愛好家の主流は女性なので、何よりフルーティさを大事にしています」ともおっしゃっていました。
持続性のある気泡、レッド・カラント、ラズベリー、ブルーベリー等の赤系果実、GFやカリンのニュアンも。中盤以降、軽いビター感。気泡はワインに溶け込みクリーミー、エレガントなスタイル

第2フライトは樽使いのメゾン
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(左から)#5~ #7

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#5:アンリ・ジロー ロゼ・ダム・ジャンヌNV
生産者:アンリ・ジロー
ぶどう品種:アンリ・ジロー オマージュのキュヴェ(ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%)主体
瓶詰直前に赤ワイン6%添加
アイのPN(樹齢70年)
ドザージュ: 7g/L
価格: 11,000円(税別)/KFW アンリ・ジロー/24ヶ月の瓶内熟成

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出典:KFW アンリ・ジロー(株)のHP

今年の7月1日にデビューしたニューフェイス。アルゴンヌ産のオーク樽で発酵させ、テラコッタのタンクで1年間熟成。その後、2年間の瓶熟。サンザシ、アカシア、ライチ、エスニックスパイス、若干のビター感とタンニン、ボディ感。ただ今、輸入元を介して質問中。■テラコッタの素材■内部のコーティング■酸素の入り方は木樽と比較した場合どの程度、の3つです。お返事が届くのは1月中旬頃になりそうですが、わかり次第、追記します。

#6:エグリ・ウーリエ グラン・クリュ ブリュット・ロゼNV
生産者:エグリ・ウーリエ
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、赤ワインを5%添加
エグリ・ウーリエのコトーシャンプノワ2009(PN)
ドザージュ:4~5g/非MLF
価格:15,000円(税別)/ヴァンパッション、サンリバティー
エグリ・ウーリエを訪問して、コト―シャンプノワを試飲した時、その美味しさに感激しました。様々な赤い果実と綺麗な酸を備えた豊潤な赤ワイン。その旨味が最大限に生かされたロゼ・シャンパン。樽のニュアンスはありながら、樽香はワインに溶け込み、味わい豊か。ミネラル、若干のタンニン、長い余韻(1本がブショネ・泣、大好きなエグリ・ウーリエだけに残念

#7:ボランジェ グラン ダネ ロゼ2005
生産者:ボランジェ
ぶどう品種:ピノ・ノワール(アイ、ヴェルズネイ)72%、シャルドネ(アヴィズ、シュイィ、メニル・シュル・オジェ)28%、赤ワイン5%添加
コート・オー・ザンファンの区画のPN
ドザージュ:6 g/L
価格:22,000円(税別)/アルカン
特別供出してくださった加藤女史に全員を代表して、こころから御礼申し上げます!!

オレンジ色を帯びたサーモン、活発な泡沫、ブリオッシュ、オレンジの皮やGFの内側の白皮、パン・デピス(ジンジャーやシナモン)、蜂蜜。コート・オーザンファンの赤ワインに由来する赤い果実のバスケットやエレガントな酸が魅力。コク、旨味、複雑味を感じさせるシャンパン

ボランジェのコマーシャル・ディレクターのギーさんは「2005年はクラシックなヴィンテージ」と語っていました。難しい年だったようですが、秀逸なVTが造れた理由はボランジェの自社畑(約70%)の多さ。来日時にギーさんが語った情報

をリンクしておきます。購入時のヒントにしていただければ幸いです。


セニエとは
セニエは、黒ぶどうを破砕して、発酵させる前に果汁を引き抜き、薄いピンク色の果汁を発酵させる製法で、色調は淡いピンク。フリーランジュース(一番搾り)に近いニュアンスです。

講座生からセニエについて質問されたので、以前メルシャンの安蔵光弘チーフワインメーカーからいただいた説明をご参考までに記しておきます。
「フランス語でフリーラン・ジュースは、“ジュ・ド・グット”と言います。グットは“雫”という意味で、セニエのことをエグタージュ(〝雫を取り除く〟の意)とも呼びます。ぶどうを潰したあと、破砕機やタンクに入れておくと、下から雫のように果汁が垂れてきます。清酒のしぼり方の〝雫取り〟と同じような感じです。醸しをしていない(発酵前の果汁)ので、色は少ししかついていません。セニエの由来は医学用語の“瀉血(しゃけつ)で、ピンクの色合いと血がぽたぽた垂れてくるイメージが瀉血を連想させたのだと思います」

講座生の皆さま、お疲れまでした!
2017年1月の講座はご期待のクリスタルワールドを満喫していただきます。お楽しみに!

4月から上半期の講座が始まります。2月頃には募集案内が公表されますので、講座に興味をお持ちのシャンパンラバーさん、よろしくお願いいたします[黒ハート]

2016年12月08日

注目の生産者 若手の気鋭ユレ・フレールのフランソワ・ユレ来日、セミナー&シャンパン講座



10月末、モンターニュ・ド・ランスの東、リュード村に位置する『ユレ・フレール』から4年ぶりにフランソワ・ユレ当主が来日しました。シャンパン界の次世代を担う30代です!
輸入元テラヴェール主催の特別セミナーで、フランソワさんは「家族経営の若いメゾンで弟と切り盛りしています。祖母がシャンパン造りを始め、父親が跡を継いだ1970年代から現在のようになりました」とあいさつ。
ユレ・フレールは3年前、昭和女子大カレッジのシャンパン講座で4アイテム出したことがありますが、今回気鋭のフランソワさんから直接お話を伺い、興味ひかれることが多々あったので、「これは是非講座で反映させねば」と決断。ということで、まずは当主のセミナー、その後に11月のシャンパン講座の様子をまとめます。

北向きの畑のメリット
ユレ・フレールの所有畑は10ha、年間8500本を生産しています。メゾンの業態はNMですが、相続によって叔父たちに分与された畑の管理はフランソワさんが行っているので実質的にはRM
フランソワ:モンターニュ・ド・ランスにある畑は北向きです。ぶどうはゆっくり熟すので、シャンパンにフレッシュさをもたらし、粘土を多く含む土壌は、ぶどうに厚みと豊かさを与えてくれます。

メゾンのこだわりは4つ
■除草剤は使わない・・・根が地中深く伸びる、奥深さが出る
■区画ごと(現在47)に分けて仕込む ・・ブレンド時に個性(テロワール)を表現できる
■長い瓶熟期間
■リザーヴワインはソレラシステムで保存


カナダのモントリール、アメリカ訪問後、日本にいらしたフランソワさん

第1フライトでは1g違いのドザージュの利きわけ

左から#1~#4
#1はインヴィタシオン・ブリュットNV(現行のシャンパン/ベースワインは2011年/デゴルジュマンは2016年1月)、他の3グラス(#2~#4) は今回のセミナーの為に用意されたシャンパンでベースワインは2012年。ドザージュ量は順不同で5g、6g、7g。 1g違いを利きわける訓練!

正解は、#2=7g、#3=5g、#4=6gでした!
#2のみ正解だった私、#3を6gと答えてしまったので全問正解ならず(悔)


フランソワ:ドザージュはシャンパン造りの最後の締めであり、すべてが決まる大事な作業。わずか1gの違いですが、香りと味に明確に現れます。ごくまれに色に出ることがありますが、基本的には色は影響しないと思っています。

私は#3の香りが好みでした。味わいについても豊かな印象を受けました。フランソワさんは2012年ベースのインヴィタシオン・ブリュットNVのドザージュ量も6g/Lにしましたが、7gや5gを選ばなかったのは?
  
フランソワ:インヴィタシオン(ピノ・ムニエ45%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ15%、リザーヴワインはソレラシステムで保存しているワインを約30%使用、最低36ヶ月熟成)の味わいを決める時は弟とふたりで、10度に保った部屋で、ドザージュ違いを6種類ブラインドで試して決めます。このシャンパンはメゾンの顔なので、ユレ・フレールのスタイルが表現できるドザージュ量にしています。その意味から言うと、7gは繊細さに欠ける印象。5gは私が好む香りなのですが、アフターに軽いえぐみが出ます。ゆえに全体のバランスが一番良い6gにしました。香りは7gのものからは青リンゴ、6gのほうはもう少し熟したニュアンスがあります。ちなみに2012年は少収量とはいえ良年で、十分な酸を備えたエネルギーにあふれた年でした。2012年のような年が毎年続くと嬉しいです。一方、2011年はやや難しい年で、今はまだ少し閉じています。

〝予想していなかった〟という名のブラン・ド・ブラン

イナタンデュ・ブラン・ド・ブラン・エクストラ・ブリュット2011(デゴルジュマン2016年6月)、同2010(デゴルジュマン2015年4月

フランソワ:ドザージュは3g/L、60ヶ月瓶内熟成、区画、醸造方法すべて同じなので、違いはヴィンテージのみ。イナタンデュは〝予想していなかった〟という意味で、その訳は通常ブラン・ド・ブランはコート・デ・ブランのシャルドネを使うことが多いのですが、このブラン・ド・ブランは100%モンターニュ・ド・ランス産。それゆえ、このエリアのブラン・ド・ブランは〝想像していたものと違うのでないですか〟との思いを込めて命名しました。
2011年は温かな年で、シャンパンは若干閉じ気味。開くまでもう少し時間が必要だと感じます。2010年は平均的な年で、収穫前に腐敗香が出たので、選果に時間をかけた分、最終的に質の良いものになりました。今飲むと、2つのヴィンテージの〝酸の質〟の違いを感じます。2010年は調和が取れています。2011年は酸がまっすぐなので、熟成を重ねていくことで旨味が出てくると思います。

冒頭の画像中央は『アンスタンタネ・エクストラ・ブリュット2008』
フランソワ:品種の比率はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが3分の1ずつ。ドザージュ量は3.5g/Lのエクストラ・ブリュット、瓶内熟成は7年(80ヶ月以上)。毎年生産しているのは、その年の気候&個性を反映したキュヴェを造ることが目的です。2008年は9月の収穫時は冷涼でしたが、快晴、乾燥していて、日較差もあったので、ぶどうは時間をかけて熟し、上質な酸を備えたぶどうになりました。2008年は秀逸なヴィンテージです。参考上代7,800円


良年だけ造る『キュヴェ・テール・ナタル2002』



フランソワ:ヴィンテージは2002年。良年だけ造るキュヴェで、次のヴィンテージは2008年。ドザージュ量は3g/L、40~50年の古樹から凝縮感のあるぶどうが穫れますが、最低でも120ヶ月(10年)の熟成に耐えうるぶどうでなければなりません。.
香りと味わいにギャップがあるところが気に入っています。香りを利くとかなり熟した感じですが、10年以上経ていながら、味にはフラッシュさがあり、酸がしっかり残っています。キュヴェ・テール・ナタルは食事とあわせて飲んで頂きたいシャンパンなので、カモ料理をお薦めしたいです!


『メモワール』はソレラシステムのリザーヴワインだけで生産!

1982年から2012年(30VT分)までのリザーヴワインで造ったシャンパンで、毎年2500本のみ生産。リザーヴワインをソレラシステムで保存しているメゾンはいくつかあります。ユレ・フレールではソレラシステムのリザーヴワインだけでシャンパンを造り、最古のVTが1982年。アンリオでもリザーヴワインだけの『キューヴ38』を発売していますが、一番古いヴィンテージは1990年なので、シャンパーニュ地方では、この1982年が一番古いと思います。

メモワールの初リリースは2013年で、この時は1982年から2009年までのリザーヴワインが使われていました。メゾンの歴史が詰まったメモワールは、フードル(5000L)で保存しています。ドザージュ量は2g/L、毎年NVのインヴィタシオン用に木樽から3分の1のリザーヴワインを使い、使ったら最新VTのワインを継ぎ足していくので、現在フードルのなかには、1982年から2015年までのVTが入っています。来年になると2016年が新しく加わります。30VT以上のワインがマルチで蓄えられているわけです。

「フードルで造ることを大事にしています。常に満杯(NV用のリザーヴワインを抜いたら3時間以内に補充)にしておくようにしていますが、木目からの微妙な酸化はあります。それはシャンパンの育成のための良い酸化だと思っています。食事と合せて欲しいので、トリュフのリゾットと楽しんで!」とフランソワさん

最後のシャンパンは『キャトル・エレマン・ピノ・ムニエ2012』
冒頭の画像の最後がキャトル・エレマン・ピノ・ムニエで、これは4つの要素にこだわったアイテムです。
一ヴィンテージ(現行は2012年)、一区画(リュード村のラ・グロス・ピエール/非常に石灰質の多い土壌)、一品種(ピノ・ムニエ)、そして最後の要素は〝造り手ユレ・フレール〟

木樽(600L)で発酵、瓶内熟成にコルクを使用(滑らかなテクスチュアが得られる)、非MLF、石灰質土壌由来のピュアで繊細な味わい、1600本のみ、参考上代12,800円

フランソワさんの大叔父が植樹しました。「ムニエは早熟なので、霜の被害にあいやすく、そのため、冷涼なエリアに植えることによって、ゆっくり熟成させ、結果的に霜害にあわなくて済んだ」と。昔の人の知恵が生きています!

テラヴェールでのセミナー中、外から17時を知らせる音楽(夕焼け小焼け)が聞こえてきた時、話をストップし、「この音楽は何?」と真顔で聞いていたフランソワさん。
シャンパン界の精鋭には、とても不気味な音楽に聞こえたようで、「これは怖いでしょう」と言っていたのが、とても可愛らしく思いました(笑) 今後の活躍に大いに期待したいです!
貴重な機会をくださったテラヴェールの久保様、磯部様にも御礼申し上げます。



NHK文化センター青山校のシャンパン講座で再現

コルクの状態も完璧、抜栓した途端、甘やかな香りが

第1フライトにはドラピエも登場させて

左から順に
第1フライトのドラピエ カルト・ドール ブリュットNV、インヴィタシオン・ブリュットNV
第2フライトのイナタンデュ・ブラン・ド・ブラン2011、同2010

黒ぶどうの比率の多い2アイテム

#1:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ピノ・ムニエ3%、ドザージュ9g/L、赤リンゴ、グレープフルーツ、オレンジピール、白コショウ、芯の通った酸、旨味、バランス良好。参考上代6,600円
#2:ピノ・ムニエ45%、ピノ・ノワール40%、シャルドネ15%、ドザージュ6g/L、#1より淡色、グレープフルーツ、トロピカルフルーツ、ナッツ、ミネラル、リザーヴワインに由来する熟成したニュアンス。甘味と酸味のバランスが良く、膨らみあり、参考上代6,600円

第2フライトはモンターニュ・ド・ランスのブラン・ド・ブラン
フランソワさんが語っていた時間を要する2011と飲み頃の2010の比較試飲、ドザージュ量は3g/L、瓶内熟成期間は48~60ヶ月


#3:泡のあるブルゴーニュワインのイメージ、白い花、アカシア、まろやかで芳醇、余韻に若干のビター感、味わいは#4よりドライな印象、参考上代7,600円
#4:極細な気泡、グレープフルーツの白皮、石灰由来のきりりとした酸、ミネラル、香ばしさ、時間の経過でコンポート、講座生から味噌ダレとの声も、参考上代6,800円

シャンパン講座で供出したフルラインナップ

講座でお出ししたラインアップ!


第3フライトはメモワールとキュヴェ・テール・ナタル2002


#5:メモワール(1982年~2012年までのリザーヴワインから成るシャンパン)、瓶内熟成期間24ヶ月、ドザージュ2g/L、#6より淡めの色調、気泡は細やか、最初に泡の刺激があり、その後クリーミー、若々しい酸、バター、白カビ、旨味、参考上代9,800円
#6:キュヴェ・テール・ナタル2002(シャルドネ40%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ25%)、輝くゴールド、気泡は繊細&発剌、アプリコットを連想させる酸味、ナッツ、ドライマンゴー、スパイス、焙煎香、講座生から〝もろみ〟との声。余韻に軽いビター感、素直に美味しいシャンパン、参考上代14,600円

講座後はエグリ・ウーリエで

講座終了後、表参道で有志メンバーと遅いディナー
選んだアイテムはエグリ・ウーリエ、いつ飲んでも安定したバランスが魅力!

NHK文化センター青山校シャンパン講座の皆さま
今月フォーカスするロゼ・シャンパンは皆さまからのリクエストにお応えして6アイテム決めました。
今年最後の講座、どうぞ、お楽しみに!

2016年10月30日

10月のシャンパン講座はゴッセのワインスタイルにフォーカス!


10月はハロウィンカラー、オレンジが良く似合います!

ノン・マロの双璧探求、先月はランソン

、今月はゴッセ

ゴッセはシャンパーニュ最古のメゾンで、アイ村の村長、ワイン醸造家ピエール・ゴッセによって1584年に設立されました。17代続く家族経営で、主としてグラン・クリュ、プルミエ・クリュのぶどうを使用(95%格付け)、MLFを行わないメゾンとして知られています。2016年から醸造責任者を務めるのはオディロン・ド・ヴァリーヌ氏。前醸造長ジャン・ピエール・マレネ氏(5月逝去)と10年以上シャンパン造りを共にし、彼の理念を受け継いでいます。「我々のシャンパンは長期にわたる瓶内熟成が必要、シャープで質の高いリンゴ酸は若いうちはやや攻撃的だが、瓶熟させるとそれは旨味に変化する」と語っています。


(左から)#1~#6


コルクの締まり具合にも注目!

第1フライト

#1:ゴッセ エクセレンス・ブリュット
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:PN45%、CH36%、PM19% アイ、アヴィーズ等グラン・クリュを含む複数のクリュ
ドザージュ:約11g/L、瓶熟:30ヶ月、MLF有、価格7,400円
ノン・マロの元祖ゴッセのアイテムのなかでエントリーレンジのエクセレンスだけはMLFをしています。ノン・マロには長い熟成期間が必要であり、エクセレンスは瓶熟が30ヶ月と短いのでMLFを行うことで味わいのバランスを取っているそうです。気泡元気、フレッシュ、青リンゴ、洋梨、ブリオッシュ、焼き菓子、余韻にグレープフルーツ(GF)似のビター感

#2:ポル・ロジェ ブリュット・レゼルヴ
生産者:ポル・ロジェ(NM)
ぶどう品種:PN、CH、PM各33%
ドザージュ:9g/L、瓶熟:最低36ヶ月、MLF有、価格7,000円
グラスシャンパンとして人気が高く、ブレンド比率が3品種同率でわかりやすいという点から#1の比較対象にポル・ロジェ(1849年創業、家族経営のシャンパンハウス)NVを選んでみました。口にした瞬間〝癒される〟印象! 
色調は淡イエロー、洋梨、マンゴー、オレンジ、ブリオッシュ、蜂蜜、まろやかな酸、心地良い余韻

#3:ゴッセ グランド・レゼルヴ・ブリュット(右のグラス

生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:PN42%、CH43%、PM15% アイ、アンボネイ等グラン・クリュのぶどう主体
ドザージュ:約8g/L、瓶熟:48ヶ月、MLF無、価格9,400円
ゴッセの顔、〝調和〟がキーワード。約25村(グラン・クリュ、プルミエ・クリュが中心)のぶどうを使用、現行キュヴェは2010年がベースで2009年と2008年をブレンド。香り閉じ気味。レモン、GF、ミネラル、先の2アイテムより酸は溌剌、フレッシュ、長く続く酸の余韻。キーワード通り、バランス良好!

第2フライト
#4:ゴッセ グラン・ミレジム2004
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:PN45%、CH55% アイ、ブージー、メニル・シュル・オジェ等グラン・クリュのぶどう主体、ドザージュ:約8g/L、瓶熟:84ヶ月、MLF無、価格13,000円
〝豊かさ〟がキーワード。気泡繊細、ナッツ、ブリオッシュ、ドライイチジク、ロースト香、カモミール、リンゴの砂糖漬け、酸味が口中を洗い流し、次にまた飲みたくなる味わい。

#5:ゴッセ セレブリス エクストラ・ブリュット2002
生産者:ゴッセ(NM)
ぶどう品種:PN48%、CH52%、 アイ、ブージー、クラマン等グラン・クリュのぶどう主体
ドザージュ:約5g/L、瓶熟:10年間、MLF無、価格24000円
ゴッセのアイコン、〝長期熟成〟がキーワード。ベージュ+黄金色、ミネラル、アーモンド、ココア、アンズタルト、マーマレード、ドザージュ量の少なさを感じさせない甘やかさとエレガントな酸の秀逸なバランス。

#6:ゴッセ キャーンザン・ド・カーヴ・ア・ミニマ・ブリュット(右のグラス)

生産者:ゴッセ(NM)/日本への入荷は限定600本 
ぶどう品種:CH60%、PM40% 
ドザージュ:7g/L、瓶熟:15年間、MLF無、価格18,000円

前醸造長マレネ氏が1999 年にボトリングして15 年以上熟成させたスペシャル・キュヴェ
グラン・クリュのアイ、アンボネイ主体のピノ・ノワールと、グラン・クリュのメニル・シュール・オジェ、クラマンのシャルドネを使用。マレイ氏は「ノン・マロラクティック発酵のおかげで15 年間の長い熟成を経てもなお、若々しさを保っており、熟成によって複雑さとエレガントさが加わった理想的なバランス」と語っていたようです。ちなみに同キュヴェには1990年代の〝3ヴィンテージ(非公表)〟が使われています。

黄金色、視覚的には気泡はワインに溶け込み、口中滑らか。こなれた酸、ミネラル、古酒由来のカカオや焙煎香、カリンの砂糖漬け、ミツロウ、豊潤で長く続く余韻。時間の経過とともにグラス内の変化、複雑味かつ旨味の醍醐味。ノン・マロに賭けた故マレイ氏の想いが詰まった1本。

NHK文化センター青山校のシャンパン講座では、〝この空間〟ならではのスペシャルなアイテムを楽しんでいただきたいと思っています。今回はノン・マロラクティック+長期熟成のメゾン『ゴッセ』を満喫することができました。入荷量が少なかった『キャーンザン・ド・カーヴ・ア・ミニマ・ブリュット』も供出できたので、講座生も笑顔、笑顔。輸入元テラヴェールの磯部様、久保様の迅速な対応に改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました!

製品についてのお問い合わせ
■ゴッセはテラヴェール ℡ 03-3568-2415
■ポル・ロジェはジェロボーム ℡03-03-5786-3280

2016年10月19日

上半期最後のシャンパン講座はランソンのトップレンジとフィリポナの極少アイテム!

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NHK文化センターの上半期、9月最終週のシャンパン講座は素晴らしい時間になりました!

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ランソンはエクストラ・エイジとノーブル・キュヴェ、フィリポナは今秋デビューしたレ・サントル

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コルクの背比べ、メゾンの気合いがわかるので好きです!

9月にフォーカスしたメインメゾンはMLF(マロラクティック発酵)をしない『ランソン』
最高醸造責任者は長老ジャン・ポール・ガンドンさんの後を継いだエルヴェ・ダンタンさんです。1991年からマイィのワインメーカーとして22年間活躍。2013年からランソンの醸造チームに属し、現職に至っています。ダンタンさん就任後、一部報道で「ランソンはMLFを行うようになった」との情報が流れていましたが誤報です。ランソンは今もMLFを行っていません。

第1フライトはランソンのスタイル探求
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左から#1~#3

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MLFとは、主発酵後、ワイン中に含まれるリンゴ酸が、乳酸菌の働きで乳酸に変化する現象です。この時、微量の炭酸ガスを発生します。この変化で(1)ワインの酸味はまろやかになり、(2)酒質に複雑味が増し、豊潤な香味を形成、(3)微生物学的にも安定します。
ランソンの場合は、MLFを行わないことで、リンゴ酸の爽快な酸味を残し、フレッシュで果実味を生かしたシャンパンのスタイルを守り続けています。

#1:ランソン・ブラックラベル・ブリュットNV
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN50%、CH35%、PM15%(リザーブワイン15~30%)
クリュ:50~60ヶ所
ドザージュ:9g/L、デゴルジュマン:2015年9月、最低3年熟成、価格:5,500円(税別)
ランソンの顔、黒ぶどうの比率(65%)が多いので、3グラスのなかでは一番ベージュ色が強め。気泡の連なりも活発。フレッシュ&フルーティ、柑橘系果実(レモン、GF)、青リンゴ、ブリオッシュ、ミネラル、最初に切れの良い酸、その後に心地良く広がる酸、余韻に軽いビター感、バランス良好

#2#3エクストラ・エイジはランソン創業250周年を記念して発売されたプレミアム・シャンパンで、特徴は3ヴィンテージのブレンド、ゆえに表記はNVです。
#2:ランソン・エクストラ・エイジ・ブリュット
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:PN60%、CH40%
ブレンド:2000年、2002年、2004年の3ヴィンテージ
クリュ:PNヴェルズネイ、ブージー/CHシュイイ、アヴィズ、オジェ、ヴェルテュ 
ドザージュ:9g/L、最低5年熟成、価格:10,310円(税別)
淡いイエロー、気泡繊細、ヘーゼルナッツ、ビスケット、蜂蜜、鉱物的なニュアンス、口中に厚み、複雑味、旨味、ブラックラベルよりまるい酸味、バランスの良い味わい

#3:ランソン・エクストラ・エイジ・ブラン・ド・ブラン
生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:CH100%
ブレンド:2003年、2004年、2005年の3ヴィンテージ
クリュ:CHアヴィズ、クラマン、オワリー、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、
ドザージュ:9g/L、最低5年熟成、価格:13,500円(税別)
グラス表面の泡沫パワフル、白い花、白桃、洋梨、シャープな酸、旨味、ミネラル感、エレガントなスタイル。ちなみに第1フライトで一番人気だったのは、このブラン・ド・ブラン!

第2フライトはノン・マロの極上品比較
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(左から) #4~#6


ノーブル・キュヴェは〝ノーブル(気品ある)〟をテーマに造られたランソンの最高級品。醸造や熟成でもノーブルがキーワードのようです。


#4:ランソン・ノーブル・キュヴェ・ヴィンテージ・ブリュット2000

生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:シャルドネ70.5%、ピノ・ノワール29.5%
ドザージュ:10g/L
最低5年熟成
価格:14,250円(税別)

美しい黄金色、黄リンゴ、洋梨、ミネラル、酸味と甘味のバランスが程よく、複雑味があり、余韻に残る酸が綺麗。


#5:ランソン・ノーブル・キュヴェ・ブラン・ド・ブラン2000

生産者:ランソン(NM)
ぶどう品種:CH100%
グラン・クリュ:アヴィズ、クラマン
ドザージュ:10g/L
最低5年熟成
価格:16,700円(税別)

緑がかったイエロー、繊細な気泡の連なり、黄色い花、カリン、アカシア、洋梨、中盤から酸味のインパクト


#6:フィリポナ・レ・サントル2006

生産者:フィリッポ(NM)
ぶどう品種:PN70%、CH30%  生産本数:2065本(うち日本入荷60本)
残糖:4.5g/L
デゴルジュマン:2015年10月
最低9年熟成
価格:60,000円(税別)

フランボワーズ、赤いリンゴの皮、ブリオッシュ、木香、蜂蜜、ミネラル、ふくよかで厚みのある余韻。
「赤い実の果実を感じるはずです」とフィリポナさんがおっしゃっていた通り、フランボワーズのジャムやスピリッツを彷彿とさせる香りがあります。6月のテイスティング時より、今回の方が断然落ち着いていて味わい深くて良かったです、さすがフィリポナ!



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レ・サントルとの出会いはフィリポナさんが6月に来日して行ったプレスランチ

でした。「今秋発売予定」とのことで、その日はフランスから大事に持参なさった2本がサービスされました。


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シャンパーニュ地方の心臓部アイ村の東隣マルイユ・シュル・アイ村に位置するフィリポナが満を持して生産した超スペシャルアイテム〝レ・サントル〟。 同メゾンが所有する単一畑クロ・デ・ゴワセのなかには14のプロットがあり、その中心は最も勾配がキツイ45度。その部分の区画「グラン・サントル」と「プティ・サントル」から穫れたピノ・ノワールを70%。そして、グラン・サントルの右隣にある区画「ジョリヴェ・ブラン」のシャルドネを30%使った贅沢なブレンド。エクストラ・ブリュットでドザージュ量は4.5g/L、MLFは行っていません。


製品についてのお問い合わせ

■ランソンはアサヒビールお客様相談室 ℡0120-011-121

■フィリポナは富士インダストリーズ ワイン事業部 FICワイン ℡03-3539-5415


講座の〆はHappy Birthday!

カンさんと井戸さんの誕生日をみんなでお祝い!



ベリー系果実とナイスマリアージュだったレ・サントル2006!


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上半期の記念ショット、シャンパン・スマイルです!

お陰様で、10月からの下半期も満席でスタートすることができます。
来週授業で使うシャンパンの発注も完了しました!

受講生の皆さま、今月から半年間のお付き合い、何卒よろしくお願いいたします。

2016年09月07日

NHK文化センター青山校の8月講座はオーダーメイドで完結


後期募集(10~3月)も満席になりました。参加予定の皆さま、ありがとうございます!

前期(4~9月)は今月でひと区切り。タイミング良く、超レアなアイテムが日本上陸したようなので、現在画策しております(講座生の皆様には中旬頃、事務連絡をいたします

8月の講座は受講生からスパークリングワインのリクエストを募り、候補を決めました。なかなか面白い結果になったと思っています。

第1フライトはゼクト、カバ、シャンパーニュ
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#1:リースリング ゼクト ブリュット2012
生産者:ヨーゼフ・ビファー(ドイツ)
ぶどう品種:リースリング100%(ファルツ産)
残糖:7.96g/L
価格:3,400円(税込) 輸入元:(株)徳岡
徳岡会長の実娘ドイツ在住の史子さんが造るリースリング100%のゼクト.b.A.。昨年のドイツ訪問

でお目にかかりました。生産しているワインの8割はゼクト(ドイツ産の発泡性ワイン)、#1は36カ月の瓶内熟成、気泡は繊細、グラスを上から見た時の泡沫は活発、柑橘系果実、果実内側の白皮のビター感、ブリオッシュ、ぺトロール香、中盤以降キレの良い酸、余韻に残る甘味。産経EXのワインのこころに書いたように、史子さんのスパークリングは「和食に合わせて」がコンセプトなので、お惣菜にも寄り添ってくれるタイプ。徳岡直販のボンルパ

で購入可

#2:〝トレス・ルストロス〟 グラン・レセルバ ブリュット・ナチュール2007
生産者:グラモナ(スペイン)
ぶどう品種:チャレロ70% マカベオ30%
瓶内二次発酵後、滓との期間は89ヵ月(7年以上)ドザージュ:0g/L
価格:7,000円(税別) 輸入元:(有)金井事務所
大好きなカバの生産者グラモナ、長い熟成期間を誇り、カバの主要3品種のうち、「パレリャーダ」は使わない主義のメゾンです。明るい麦わら色、緑がかった黄色、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー、ドライフルーツ、イチジク、トースト、燻製香、バター、ミネラル、上品で長い余韻。講座生がシャンパンと間違うほどの洗練された味わい。グラモナが好きな理由は、CAVAと感じさせない香りやエレガントさ。気品のあるスパークリングです!

#3:テタンジェ ブリュット・レゼルヴ
モントルー・ジャズフェスティバル50周年記念スリーヴァーボトル
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:CH40% PN+PM60%/瓶熟最低3年間
ドザージュ:8~9g/L
価格:7,000円(税別)/日本での販売は1万本 輸入元:サッポロビール
輝きを帯びた黄金色、気泡は細やか。フレッシュで酸が芯になっている印象。白い花、柑橘系果実、バニラ、ブリオッシュ、軽快な味わいのニュアンスがジャズの軽快さと合うかも

ジャズ好きの方は要チェック
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7月26日に発売したばかりのテタンジェ ブリュット・レゼルヴ モントルー・ジャズフェスティバル50周年記念スリーヴァ―ボトル、キャップシュールには〝50〟の文字
本日(7日)のサッポロビール試飲会で、テタンジェセミナーが開催されますが、講師は当主エマニュエルさん。モントルーボトルの話も出ると思います。スイス、日本、英国の3か国限定


第2フライトは世界のブラン・ド・ブラン競演
ブラン・ド・ブランのリクエストが多かったので、「それでは」ということで世界の秀逸なシャルドネにフォーカス

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#4:クレマン・デュ・ジュラ ブリュット ミレジメ2009
生産者:グラン(フランス・ジュラ)
ぶどう品種:CH100%
価格:3,300円(税別) 輸入元:ラック・コーポレーション
ジュラ地方で17世紀末からぶどう栽培に携わってきたファミリー。フラワリー、青リンゴ、蜂蜜、甘酒、発酵物(お味噌、漬物)似の香り、ブリオッシュ、余韻は中程度、コンテチーズとのマリア―ジュを連想

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色白な日本産と英国産!

#5:安心院(あじむ)スパークリングワイン2014
生産者:安心院葡萄酒工房(日本)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:3g/L(エクストラ・ブリュット)
価格:3,437円(税込) 輸入元:三和酒類(株)
今年の日本ワインコンクール(JWC)のスパークリング部門で金・部門最高賞を受賞した日本を代表する瓶内2次発酵のスパクーリング。ドザージュは少量ながら、ぶどう本来の甘みを感じるバランスの良い1本。色調は6本の中で一番淡く、白い花、洋梨、ライチ、和風柑橘、カマンベール、味わいは甘やか、グラス内の温度変化で、果物のコンポートのニュアンスも

#6:ガズボーン・エステイト ブラン・ド・ブラン2010

出典:BB&R
生産者:ガズボーン(イギリス・ケント州)
ぶどう品種:CH100%
価格:7,560円(税別) 輸入元:BB&R
ケント州は地図下方、右側の大きなぶどうのところです。2010年にデビューヴィンテージの2006年をリリース後、高評価を得た英国のなかでも最もエキサイティングな生産者。サイモン・フィールドMWは「タルト・タタン、アーモンド、バターを塗ったトーストの風味を感じ、澱の上で熟成させたことが良いニュアンスを与えている」とコメントしています。6つの中では淡いイエロー。元気な泡沫、白い花、サン富士、ヘーゼルナッツ、アーモンド、酸味はシャープ、旨味があり、余韻も長い。

#7:フェッラーリ ペルレ・ミレジム2008
<生産者:ファッラーリ(イタリア・トレンティーノ・アルト・アディジェ州)
ぶどう品種:CH100%
価格:5,900円(税別) 輸入元:日欧商事
1902年創業のフェッラーリは仏モンペリエとシャンパーニュ地方で栽培を学んだ初代ジュリオ・フェッラーリがトレントに立ちあげたワイナリー。瓶内2次発酵によるスプマンテの先駆者、シャルドネ(CH)を重視。輝きのある麦わら色、気泡は細やか、黄桃やカリンのような種の大きな果実、スイートアーモンド、ミネラル。きれいな酸、口中でリンゴ似の甘み、余韻に軽いビター感。上質なスプマンテ!


#8:ドン・ルイナール ブラン・ド・ブラン ブリュット2004
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コルクの締まり方からも熟成具合が伝わってきました。


生産者:ルイナール(NM)
ぶどう品種:CH100%
価格:25,000円(税別) 輸入元:MHDモエ・ヘネシー ディアジオ
1729年創業のルイナール、古代ローマ人が遺した2世紀の白亜質のクレイエールは地下25m、35m、40mの深さがあり、ドン・ルイナールは一番深いところで熟成させています。絶え間なく連なる繊細な気泡、熟成による変化と複雑味、ブリオッシュ、トースト、スモーキーさ、焼き菓子、白亜質由来のミネラル、口中を洗い流してくれる酸味。ルイナールのシャルドネの個性を完璧に表現したスタイル、素晴らしい!

#9:べラヴィスタ フランチャコルタ サテン2010
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生産者:ベラヴィスタ(イタリア・ロンバルディア州)
ぶどう品種:CH100%
価格:9,000円(税別) 輸入元:エノテカ
1976年創業のベラヴィスタはフランチャコルタのなかでもトップクラスの生産者。講座生からのリクエストの1本。所有する畑は200㌶、使用ぶどうはすべて自社畑というのが強み。色調はゴールドを帯びた淡いイエロー。気泡の連なりは美しく、香り華やか。白桃、ナッツ、アカシア、ロースト香、オリエンタルスパイス、ドライレーズン、口中ではクリーミー。ドザージュ後の馴染み方がまだ十分ではなかった印象


世界のスパークリングワインの質が向上しています。シャンパンと拮抗する泡ものも登場しています。消費者にとっては選択肢の幅が広がっているので、泡ものライフの楽しみが増えますね。Enjoy!!

2016年08月06日

7月のシャンパン講座は130家族が結集したシャスネ・ダルス&自然派を謳うアンドレ・ボーフォール

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ひまわりが映える季節!
7月最終週に開催したNHK文化センター青山校のシャンパン講座では2メゾンにフォーカス

25名から発足していまや130ファミリー
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(左から)#1~#6
今春のプレス会見で、シャンパーニュ委員会のティボー・ルマイヨ―広報部長は、「日本はシャンパーニュ地方から遠く離れているにも関わらず、ベルギーと並んで世界一シャンパンの取扱い数が多い国」と述べていました。確かに豊富な品揃えの日本市場。昨今、さらに新顔が増えている気がします。その1つが、1956年創業の協同組合シャスネ・ダルス

。最大手ニコラ・フィアットに次ぐ組合員数を誇っています。#2~#5

もう1つはアンドレ・ボーフォール

。これは新顔ということではなく、輸入元ル・ヴァン・ナチュールからお薦めいただいたので2種揃えることに。私にとっては初対面のメゾンでした。 #1#6 

第1フライト
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#1:アンドレ・ボーフォール ポリジー・ブリュット・レゼルヴNV
生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)
ぶどう品種:PN80%(ポリジー産)、CH20%
SO2合計:56mg/L
残糖:8.55g/L
デゴルジュマン:2015年6月
価格:8,000円(税別)

モンターニュ・ド・ランス地区アンボネイ村が拠点。1969年、当主だったジャック・ボーフォール(定年を迎え、現在は息子リオルさんが代表/フランスの相続の問題でRMからNM表記に変わりましたが実質自社の7㌶の畑のぶどうのみを使用)は農薬によって強度のアレルギーに。それがきっかけで1971年から一切の農薬、除草剤、殺虫剤を非使用。有機栽培で活用されているコンフュージョン・セクシュエル(フェロモンカプセルによる産卵抑制)もボルドー液(これは年による)も使わず、現在全くSO2を使わない醸造を実験中。年間の生産量は3万本

色調はゴールド、気泡は穏やかなれど口中では泡の刺激あり。鋭角的な酸、アンズ、キノコ、しょうゆ似の発酵臭。余韻にも酸が続くので、イメージしたのは漬けたてのピクルス。シャンパンだけ味わうより、酸味のあるピクルスのような食材と合せることでアタックを滑らかに。輸入元は「ベースワインは2011年が主体、例年に比べるとかなり酸味が強く、柑橘系の味わいがくっきりしているヴィンテージ」と

#2:シャスネ・ダルス キュベ・プルミエール・ブリュットNV
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:PN60%、CH40%
ドザージュ:9g/L
価格:6,000円(税別)
シャスネ・ダルスの本拠地はシャンパーニュ地方の南端コート・デ・バール地区バール・シュル・セーヌ村にあり、年間の生産量は150万本。ベースワインは2010年、8年分のリザーブワインを30%使用。レモンイエロー、気泡の連なり元気。サンふじ、黄桃、アカシア、ナッツ、ブリオッシュ、口中クリーミー、余韻に軽いビター感


第2フライト
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#3:シャスネ・ダルス キュべ・ブラン・ド・ブラン ブリュット・ミレジメ2005
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:9g/L
価格:8,000円(税別)
最低でも9年熟成させているアイテム、ゴールデンカラー、香り豊潤、グレープフルーツ、洋梨、カマンベールや乳酸似の香り、ヴァニラ、ミネラル、アロマ豊かでバランス良好

#4:シャスネ・ダルス キュベ・ピノブラン エクストラ・ブリュット2006
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:ピノ・ブラン100%
ドザージュ:3g/L
価格:10,000円(税別)
シャンパーニュの規定7品種のなかのピノ・ブランだけを使ったアイテム。白い花、スパイス(アニス)、アカシア、細身の印象からグラス内の温度変化で若干ふっくら系に。ピノ・ブランは栽培が難しく、病害虫からのダメージも受けやすいので、シャンパーニュ地方ではマイナーな品種。シャスネ・ダルスでは1950年代後半からPBを植樹、ブラン・ド・ブランにブレンドして使っていたものを、2004年から単独で生産を開始。畑の広さは約2㌶、生産量は6~7千本

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第3フライト
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MOF(フランス国家最優秀職人)を保有するショコラティエ、パスカル・カフェさんとのコラボシャンパン、それを証明するボトルネックのマーク

#5:シャスネ・ダルス キュベ・ロゼ・ブリュットNV
生産者:シャスネ・ダルス(CM)
ぶどう品種:PN65%、CH35%
リザーヴワイン:30%
ドザージュ:9g/L
価格:7,500円(税別)

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サーモンピンク、カシス、ストロベリー、ミネラル、ピンクペッパー、ソフトな酸、エレガント。シャスネ・ダルスのピノは重すぎず軽すぎず、それを生かした万人に薦めやすいロゼ。今講座での一番人気


同メゾンのディレクター、トマ・レクレールさんが来日した折、いくつかの料理にあわせて4アイテムを試しました。じわっと脂分がひろがる腿肉のコンフィは、口中をリフレッシュしてくれるピノ・ブランとの相性〇

第4フライト
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#6:アンドレ・ボーフォール アンボネ・ブリュット・グランクリュ1996
生産者:アンドレ・ボーフォール(NM)
ぶどう品種:PN(アンボネイ産)80%、CH20%
SO2合計:29mg/L
残糖:11.80g/L
デゴルジュマン:2015年4月
価格:30,000円(税別)
マットなトーンの黄金色。ドライフルーツ(マンゴー、パイナップル)、ロースト香、#1よりは勢い控えめな酸。1996ヴィンテージ(VT)好きなので、同VTをテイスティングする機会は多く、直近では、テタンジェ・コント・ド・シャンパーニュ、デュヴァル=ルロワ ファム(マグナム)、アンリオ アンシャンテルール(マグナム)を試していますが、それらには溌剌とした酸味&ミネラル感(時に蜂蜜、焙煎香、ヘーゼルナッツ)がありました。今回、#6からその共通項を見つけるのは難しかったです。

アンドレ・ボーフォールは基本的にPN80%、CH20%の比率のブレンドで、#6のピノはアンボネイ産。ゆるやかな南東向き斜面から収穫されるピノは高い酸味、日照度もあるので果実味も豊か。チョーク質土壌由来のミネラル感も備えているはずですが、それが反映されていたのか

ちなみに4月の講座ではフルーリーを取り上げ、最後に『ブリュット ミレジメ1990(PN100%)』を供出しました。この時の香りの印象は紹興酒そのもの。古酒由来のココア、焙煎香、ドライレーズンやスパイスのニュアンスがありましたが、シャンパンの状態として頂点を過ぎた印象。ただ、当日用意した鹿のソーセージとの相性が素晴らしく、単独で飲んだ時の酸化した印象は見事に消え、口中でのジビエと一体感から底力を感じました。フルーリーもアンドレ・ボーフォールもビオディナミ農法を導入しており、今回試飲して、この2本の熟成の仕方はとても似ていると思いました。

講座直後から、#6の表現に悩んでいた私にタイムリーな救世主が! 
ジャンシス・ロビンソンMWの直近の2つのコラムがヒントをくれました。
・1996のシャンパーニュ、その泡は健在か?(2016年7月16日付)
・硫黄を減らすということ(2016年7月23日付)
ジャンシス・ロビンソンMWの記事の公式日本語版を発信している小原陽子さんのページをシェアさせていただきながら、今回の体験について改めて追記したいと思っています。


製品の問い合わせ先
シャスネ・ダルス:伏見ワインビジネスコンサルティング ℡045-771ー4587
アンドレ・ボーフォール:ル・ヴァン・ナチュール℡03-6804-9616