2022年11月03日

11月18日公開!! 含蓄ある言葉と不屈の精神にあふれた『戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン』

 映画『 戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン


 映画のメイン画像に登場しているのはレバノンの国旗
 中央には高潔さと不滅を表すレバノン杉が描かれています。
 
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  (C)ユナイテッドピープル


 原題:WINE and WAR
 監督:マーク・ジョンストン、マーク・ライアン
 脚本 : マーク・ジョンストン、マーク・ライアン、マイケル・カラム
 プロデューサー:マーク・ジョンストン
 製作総指揮:セルジュ・ドゥ・ブストロス、フィリップ・マスード
 撮影:マーク・ライアン
 音楽:カリム・ドウアイディー
 出演:セルジュ・ホシャール、マイケル・カラム、マイケル・ブロードベント
 ジャンシス・ロビンソン、ミシェル・ドゥ・ブストロス、サンドロ&カリム・サーデ他
 配給:ユナイテッドピープル
 95分/アメリカ/2020年/ドキュメンタリー

お問い合わせ先】
 配給・宣伝:ユナイテッドピープル/関根健次 Tel.090-8833-6669
 Email: pr@unitedpeople.jp
 文中敬称略


 11月18日からアップリンク吉祥寺で全国順次ロードショー
 🎬予告編 https://www.youtube.com/watch?v=xGZqj1U1Sqk


著者マイケル・カラムとワイン生産者セルジュ・ホシャールの会話 
マイケル・カラム(画像/右)の著作『レバノンのワイン(原題:Wines of Lebanon)』に触発された映画監督のマーク・ジョンストンとマーク・ライアンは中東レバノン各地のワイン生産者たちに話を聴くために現地に向かう。そこでマイケル・カラムと出会い、3人チームになる。カラムは他のインタビューで、「この映画は2013年から2018年の間に製作された」と答えている。映画の主役的存在シャトー・ミュザールの2代目セルジュ・ホシャール当主(画像/左)は2014年12月末に死去したので、彼へのオマージュ映画でもあると感じた。
カラムの問いかけにホシャールが返した言葉が・・・印象深かった!

  (C)ユナイテッドピープル

        私は7歳の時、両親にこう尋ねた。
       「なぜ僕の許可なく、産んだの? 呼びもせずに」と。

       「お前だとは知らなかった」と両親は言った。

        私は自分の意に反して、生かされたわけだ。
        そして、その人生は75年も続いている。


        ワインに戦争の有無は関係ない!
        人間が戦っていても、酵母はワインを造る。
        収穫時期にワイナリーに来た。

        最初に到着したぶどうを食べてみたらおいしかった。
        2日後、ぶどうが輝きだし、泡を吹き始めた。
        何事かと思ったよ。

        それがワインと生命の奇跡だと知り、
        私は人生を信じるようになったんだ。
         出典 / 戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン



  静寂と戦時下のはざまで
 (C)ユナイテッドピープル
 紀元前2世紀、フェニキア人(古代レバノン人)によってワインが世界にもたらされた。
 貿易商人、ワイン商人のフェニキア人、彼らの功績である。

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 (C)ユナイテッドピープル
 ベイルート港では2,700トンの化学物質が爆発し、首都が破壊され、数百人が死亡、
 数千人が負傷するという痛手を受けたが、彼らは苦難を乗り越えようと努力している。


 貴重な時間を共有できたことに感謝
 シャトー・ミュザール
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 photo by Fumiko/2014年2月@東京アメリカンクラブ 
 ホシャール当主と2010年からワイナリーに参画した3代目のマーク

 ワインメーカーにとっての仕事はワインを造ることではなく、
 どのようなワインを造りたいかを見つけること
 ワインは口の中で感じた味わいではなく、
 飲んだ後の余韻の長さが大事
 ワインこそ、記憶につながる飲み物

 と語っていたホシャール当主
 この時の言葉も深いです!!


 (C)ユナイテッドピープル
 シャトー・ミュザールの2代目セルジュ・ホシャール
 1975年から1990年にかけての内戦をものともせずレバノンワインを世界に売り込み、
「レバノンワインの父」と呼ばれた。
 1984年英国デキャンタ誌でマン・オブ・ザ・イヤー受賞
 2014年12月末 不慮の事故で他界

 photo by Fumiko/2015年12月@南青山Essence
 2014年から1年後の再会、かなり大人びた印象
 レバノンでのワイン造りの大変さも伝わってきた。
 彼が語った内容はブログ

にまとめてあるのでご参考までに!


 ドメーヌ・ド・バージュラス(シリア)とシャトー・マーシャス
 photo by Fumiko/2019年6月@コンラッド東京“風花”
 いまでやの招聘で2016年以来2度目の来日をしたサーデ家のサンドロ・サーデ
 サーデ家はキリスト教徒(正教会)でレバノンとシリアの二重国籍を取得している。
 2003年にシリア、2005年にレバノンにぶどう樹を植樹

 (C)ユナイテッドピープル
 サンドロ&カリム・サーデ 
 シリア内戦の最中でもワインを造り続けた。
 2020年8月のベイルート大爆発では辛くも死を免れた。
 そのニュースは世界に報道された。


 世界的なワインジャーナリスト ジャンシス・ロビンソンMW
 photo by Fumiko/2010年2月@銀座アルジェントASO
 Koshu of Japanの招聘で来日セミナーを行ったジャンシス・ロビンソンMW
 2000年の来日時、ジャンシスは自分の人生を変えたワインについて言及した。
 そのワインはレストランで飲んだ『シャンボール・ミュジニー レ・ザムルーズ1959』
 彼女にとってのワインとは「背後にある歴史や地理、審美学、形態学すべてを含め、
 それぞれの個性を味わいとる知性の喜び」と述べていた。

 (C)ユナイテッドピープル 
 レバノン内戦の初期に、シャトー・ミュザールを訪問
 ホシャール家との信頼関係は篤い。
 映画ではホシャール当主の直球勝負でない受け答えやお茶目な一面について語った。


映画公開記念イベント
9月末、配給会社ユナイテッドピープル主催で公開記念ローンチワインパーティが開催された。ニダル・ヤヒヤー駐日レバノン共和国特命全権大使ご臨席のもと、同国の代表的な料理や輸入元ジェロボーム、いまでや、ヴァンドリーヴのワインが披露された。

 シャトー・ミュザール/輸入元ジェロボーム

 タブレ(パセリのサラダ)やキッベ(ひき肉のスナック)


          o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

冒頭に紹介した3人は、レバノン、フランス、アメリカ、イギリスを訪問し、35人のワインメーカー、4人の考古学者、7人のワイン評論家や小説家、そして修道士にインタビューしている。そのなかには、過激派組織ISISとシリア内戦という不安定な情勢下で生活し、活動しているワイナリーの当主たちもいた。地球上で最も古いワイン産地のひとつであるレバノンでは、どんな状況下でワインを造っているのか、どんな思いでワイン造りをしているのか、その答えは映画のなかにあり、観る者の感性に訴えかけてくる。

         戦地でできたワインほど強いワインはない。
         命と再生の産物だからだ。
              マサヤのサミー・ゴスンの言葉から抜粋


      戦地のヴィテイス Vitis=命の樹=ぶどう樹に人生を懸ける人々
      これは、琴線に触れるドキュメンタリー映画だ!
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2020年12月03日

イタリアン・バレンタインの発表会から、映画とオペラ話題にジャンプ!

 道化師 (台本・作曲 ルッジェーロ・レオンカヴァッロ)

ワインのこころ

に紹介した来年2月の『TIMELORD 美音と美食の夕べ ~オペラとともにイタリアン・バレンタイン~ @リストランテ・ヒロ チェントロ 丸の内』には、オペラ歌手の樋口達哉さんのCD『あこがれ』に収録してあるオペラ楽曲を使用するので、樋口さんもプレス発表会に同席し、“オペラの楽しみ方”について説明してくださいました。コロナ禍で、10月に予定していた『道化師』の公演が2022年1月に延期になってしまったことにも触れていました。

オペラ道化師!!!
私にとっての『道化師』は、10月に90歳で他界した名優ショーン・コネリーがアカデミー助演男優賞を受賞したブライアン・デ・パルマ監督の映画『アンタッチャブル』と深く結びついています。


 アンタッチャブル(左から)のウォーレス、ネス、マローン&ストーンの4人

『アンタッチャブル』は禁酒法時代のシカゴを牛耳っていたマフィアの長アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)逮捕のために奮闘する酒類取締局の捜査官エリオット・ネス(ケビン・コスナー)、ベテラン警官ジム・マローン(ショーン・コネリー)、新人警官で射撃の名手ジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)、そして税理士オスカー・ウォーレス(チャールズ・マーティン・スミス)の戦いを描いた作品。音楽は7月に逝去したエンニオ・モリコーネでした。

映画の中盤、マローンはカポネの部下の襲撃により、無数の銃弾を受けて絶命するのですが、その時に流れているのが、道化師の“衣装をつけろ”!


カポネの有罪が確定したことを確認したネスが、ストーンに別れの挨拶をして、シカゴを去るラストのシーン。新人だったケビン・コスナーとアンディ・ガルシアはこの映画の後、輝かしいスターの道を歩きはじめます。
私はストーンの拳銃の腕前が遺憾なく発揮されるシカゴのユニオン・ステーションの“乳母車のシーン”がとっても気に入っています。必見のワン・シーンです!


アンタッチャブルが製作されたのは1987年、それから31年経過して・・・雰囲気あるおじさまになっていたアンディ・ガルシア!
2018年製作の『マンマ・ミーア ヒア・ウィー・ゴー』ではシェールとABBAの『悲しきフェルナンド』をデュエットしているので、思わず笑顔に!


 シェールの最新CD ABBAのカバーアルバム『Dancing Queen』

映画の終盤から登場するシェ―ル、その存在感はさすが!
私は、即、CDを買っちゃいました。もともと ABBAの曲は好きなのですが、シェールの『Fernando』は聞く価値大です!!!


 大好きな映画『月の輝く夜に』にはオペラ『ラ・ボエーム』が
 メトロポリタン歌劇場の噴水の前で待ち合わせ

ワインと映画がぴったり合っている秀作です。
奇しくもノーマン・ジュイソン監督の『月の輝く夜に』も1987年製作で、シェールはこの作品でアカデミー主演女優賞をゲットしています。

メトロポリタン歌劇場で上演されていたのは『ラ・ボーエム(台本 G・ジャコーザ&L・イルリカ / 作曲 ジャコモ・プッチーニ)』で、映画の冒頭、オペラ用の大道具を積んだトラック(側面にはメトロポリタンオペラの印字)と仕事場に向かうシェールが横断歩道で交差するシーンも効果的で、ここでは“オペラ”が重要なキーになっています。加えて、歌劇場の天井に飾られているロブマイヤーのシャンデリアも登場していてウキウキします。映画&シャンパン&オペラ好きには超お薦めです!

 おいしい空間“イタリアン・バレンタイン”
 プレス発表時の試食メニューの前菜
 鮮魚のペッシェクルード カルパッチョ仕立て
 高知県産フルーツトマトとフィノッキオのサラダ

 プレス発表時の試食メニューの前菜
 フォアグラと2年熟成芋ロースト 
 ポルチーニ茸クレマとソースマデール
 フリウリ産のオレンジワインとフォアグラのロースト風味はナイスハーモニー

 フランチャコルタ、白はソアヴェとオレンジワイン、赤はアマローネ

 イタリアン・バレンタインの主催者TIMELORDが輸入している機器
 イタリア製チャリオ社の2ウェイ・ブックシェルフスピーカーとパトス社のアンプ

  ご縁の連鎖
 ステレオサウンドの原田知幸社長、オペラ歌手 テノールの樋口達哉さんと

プレス発表会は完全予約の2部制だったので、私は16時からの第1部に出席しました。密を避け、4名席のテーブルに2名ずつ着席する形になっていました。ご一緒させていただいたのは、オーディオ・デジタルAV専門誌の制作・出版・販売を手掛けるステレオサウンドの原田知幸社長でした。日頃何かとお世話になっている『ワイン王国』の親会社で、12月5日発売の120号誌上で、私はシャンパーニュ特集のテイスターとして登場させていただいていることもあり、あまりの奇遇にびっくり!

さらに、原田社長は、樋口達哉さんのCDあこがれ

を同社のサイトで販売なさっていました。これは樋口さんにとっても初耳だったようで、ご縁の連鎖を実感しました。


        ワイン王国120号(12月5日発売)のシャンパーニュ特集

“いつか行きたいシャンパーニュへの旅”で、私は対談と23アイテムのシャンパーニュをテイスティングしています。現地訪問情報がたっぷり記載されていますので、ご笑覧いただけましたら幸いです!
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月18日

地獄の黙示録 ファイナル・カット & ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録

        特集“ファイナル・カット”で始める『地獄の黙示録』
 17日に発売された月刊HiVi8月号

の特集“ファイナル・カット”で始める『地獄の黙示録』


         日本では限定1300本のみ販売のスペシャルワイン

フランシス・フォード・コッポラ監督が映画公開に合わせてリリースしたのが『2017フランシス・フォード・コッポラ ディレクターズ・カット アポカリプス・ナウ(地獄の黙示録) ファイナル・カット カベルネ・ソーヴィニヨン アレキサンダー・ヴァレー(参考小売価格 5,200円)』、日本では1,300本限定の超魅力的なワイン!!
ワインについてはニュースサイトワインのこころ

で紹介させていただきました。コッポラ監督のこだわりのワイン、お薦めです。私も即、注文してしまいました[わーい(嬉しい顔)]


 『地獄の黙示録』が10倍楽しめる『ハート・オブ・ダークネス』

オリジナル版の製作時、極限状態にまで追い込まれていたコッポラ監督
「だれか僕を助けてくれ!と叫んでいるのに誰も助けてくれない。失敗作を撮り続けてどうなる。僕はどうせ破産だ。ダメだと言える勇気が欲しい」と胸中を暴露し、自殺まで考えていた監督を、冷静に見つめ、『地獄の黙示録』のロケ地の記録フィルムを完璧に撮影していたエレノア・コッポラさん。
このドキュメンタリー『ハート・オブ・ダークネス』は、映画『地獄の黙示録 』を理解する上で、絶対に観るべき作品だと思っています。絡んでいた糸がすんなんとほどける気分になりましたし、ベースになった作品のことも理解できました。
今はただ、エレノアさんあってのコッポラ監督、と強く感じています!
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月11日

エレノア・コッポラのドキュメンタリー『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』



 エレノア・コッポラさんとの出会い

(画像中央)2017年6月、初監督作品ボンジュール、アン

のプレス会見のために来日した翌日、コッポラ監督が所有する『フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー』の輸入元ワイン・イン・スタイルさんから、女子8名だけのLady's Night Dinnerにお招きいただき、光栄にもエレノアさんとお目にかかることができました!

(画像右&左)2018年3月、コッポラ家の来日記念パーティにご招待していただき、コッポラ監督&ソフィアさんとの記念画像も[わーい(嬉しい顔)]
エレノアさんはお孫さんとインフルエンザに罹患して、ホテルで休息。2年続けての再会は叶わず、とっても残念でした。


 2018年のパーティの仕切りもワイン・イン・スタイルさん
 ボトルに巻き付けられたラべルデザインが斬新な『ディレクターズ・カット』
 結婚50周年を記念してコッポラ監督がエレノアさんのために造った『エレノア』

 赤のグラスマーカーもおしゃれでした。


 7月17日発売の月刊HiVi

月刊HiVi 8月号の特集『一般教養としての地獄の黙示録』のなかで、映画とワインに特化しているコッポラ監督について書かせていただきました。


2017年の初対面の折、エレノアさんにサインしていただきました。これは私の宝物!
エレノアさんは映画『地獄の黙示録』の撮影記録を綴ったドキュメンタリー『ハート・オブ・ダークネス』でエミー賞を獲得しています。
現在公開中の『地獄の黙示録 ファイナル・カット』を記念して、限定ワイン『2017フランシス・フォード・コッポラ・ディレクターズ・カット アポカリプス・ナウ ファイナル・カット カベルネ・ソーヴィニヨン アレキサンダー・ヴァレー』も発売されました。


  最新のファイナル・カットを観る前に『ハート・オブ・ダークネス』
  時間の経つのも忘れるくらい面白くて、エレノアさんの器の大きさにびっくり!

  (C) ハート・オブ・ダークネス/NBCユニバーサル・エンターテイメント


「借金が必要ならそれも仕方ない。(中略) 最悪の場合でも家と車がなくなるだけで、それが“何”と思った」、「一度意識を失って倒れたことがありました。多分、正気と狂気の境までいったのでしょう。私は恐れを感じつつ、興奮を覚えました。(中略) お金をかけ、危険な精神状態に陥り、家族を引きずりこんだ彼は、極限まで行って乗り越えたのです」等の発言を聞きながら、なんと度量の広い女性なのだろうと思いました、凄すぎ!!

コッポラ監督が「僕は金持ちではないけれど、大胆に金を投じる」と語っていた箇所では、映画に1,600万ドルもの自己資金を投げ出していたことや、2011年にナパに所有する『イングルヌック』の商標権を取得する際、その当時の持ち主ザ・ワイン・カンパニーに莫大な金額(正確な金額は非公表ですが)を支払って、その権利を得た話を、思い出してしまいました。


 映画でワイン・レッスン

映画『地獄の黙示録 ファイナル・カット』の唯一のディナーシーンにボルドー瓶とブルゴ―ニュ瓶の赤ワインが出てきます。
前者はパニエに入っているので、銘柄はわかりませんが、後者はブルゴーニュ地方の名門ブシャール・ペール・エ・フィスのモノポール(単一畑)『ボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ』。“幼子イエスのぶどう畑”という意味を持つワインで、カルメル派の修道女のひとりがルイ14世の誕生を予言したことにより、名付けられたと言われています。
ピノ・ノワール100%、ぶどうの生育が早い畑で、ランファン(幼子)の名前通り、常に若々しさを保ち、長命を誇るワインと言えます。

『ハート・オブ・ダークネス』のなかで、コッポラ監督は「白ワインはよく冷やし、赤は14度に保つ。テーブルに出す1時間から2時間前に栓を抜くように。フランス人も腰をぬかすように細部まで完璧に準備してくれ」とのメッセージをしています。観客にわからないワインの温度や抜栓時間まで、細かい指示を出していたコッポラ監督には脱帽です!

月刊HiViのコッポラ特集、コッポラ・ファンの皆さまに読んでいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします!
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月02日

緑に囲まれた空間での『映画とワイン』構想はチャーチル!!

   評価の高い2015年ヴィンテージ、黒い木箱もスタイリッシュ

輸入元メルシャン主催で、3月に予定していた意見交換会が、コロナウイルスの感染拡大で中止になってしまい、テイスティングするはずだった『ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨン リザーブ2015』が私の元に届いたので、どのように試飲しようか、考えていました。

カリフォルニアワインの底力を世界に知らしめた故ロバート・モンダヴィがほれ込んだ極上畑ト・カロン・ヴィンヤード。画像のボトルは、ト・カロンの畑のぶどう100%で造られた逸品。ギリシャ語の“最も高い質”、“最も高い善”に由来する畑なので、モンダヴィは、“ベスト”という単語で、その素晴らしさを表現していました。


   無事開催できた『五月の会』 

松本楼の小坂文乃社長、よっしーご夫妻との『五月の会』@松本楼ボア・ド・ブローニュ
気の置けないシャンパン仲間との五月会は10年以上続いています。
今年は開催できるか、少し不安でしたが、神様が微笑んでくださったようで・・・緊急事態宣言が5月末に解除されたので久々の再会、とってもハッピー[わーい(嬉しい顔)]

  “長崎県産“壱岐牛と合わせて
 ぶどう品種はCS91%、CF7%、PV2%
 ブラックベリーやブルーベリー、ヴァニラ、ダークチョコ、乾燥ハーブ、スパイス  
 程よい酸味、木目細かいタンニン、重厚感とエレガントさを併せ持つワイン

  
 
松本楼のブランド牛との相性はイメージ通り、噛むほどに旨みが出てくる肉質と好印象
ト・カロンの畑に敬意を表して、緑に囲まれた最高のシチュエーション@ボア・ド・ブローニュで開栓することができて本望でした。いつもよりはお席が離れたランチになりましたが、制約のない日常に戻ることができてホント嬉しく思いました。


 今の時代に必要なのは有能なリーダー

 コロナ禍で、先が見えない不安が広がっています。
 昨今のニュース報道で、うんざりしているのが、アメリカや中国の指導者たちの言動[ちっ(怒った顔)]
 21世紀は真のリーダーの存在無し!

 松本楼では何度か、映画とワインの会をさせていただいているので、
 文乃さんが五月の会の時に「元気が出るイベントを」とおっしゃった瞬間、即反応!
 理想のリーダー像ランキングで常に上位に位置するチャーチルを推薦しました。
 ジャーナリスト、言葉を操る天才、ノーベル文学賞受賞者、絵画の腕前も一流。
 歴史を動かした彼の遺した名言も魅力にあふれています。


 シャンパン業界のシェフ・ド・カーブたちがよく引用しているのがコレです!
   A magnum is the perfect size for two gentlemen over lunch,
         especially if one isn't drinking.
   マグナムサイズはふたりの紳士には最適のサイズである。
           特に、ひとりが飲まないのであれば

        [イベント]チャーチルから学ぶ映画とワインの会
     うまく展開しそうなら、SNSでお知らせしますね。

 オールドマンも賢妻クレメンティーン役のクリスティン・スコット・トーマスも最高!!
 あっ、私はこの名言も好きです!

My most brilliant achievement was my ability to be able to persuade my wife to marry me. / 私の最も輝かしい業績は、妻に私と結婚するように説得させた能力である


  東京のド真ん中のオアシス日比谷公園

噴水は停止中でしたが、子供たちのはしゃぐ姿に、あたり前の日常を感じ幸せな気分!
コロナウイルスの第2波を広げないために、感染予防には引き続き、気をつけます。


[NEW]追記(2020年6月3日) シャンパーニュ委員会から最新情報!
今年は雨が多く(2月は過去最高の湿度)、驚くほど穏やかな冬の到来後、3月23日から4月1日まで、ところどころで氷点下(-7.2℃)を記録。また湿度が非常に低く、霜の被害はごくわずか(30㌶)だったので、ぶどうの芽吹きには影響は出ませんでした。
発芽はシャルドネが4月4日、ピノ・ノワールが4月8日、ムニエが4月9日となり、 気温が非常に高かったので、ぶどうは順調に生育し、4月末の時点で、過去10年の平均より 2週間早まりました。最初の開花は、4月後半でとても早かったのですが、満開になるのは5月27日から31日の見込み。今年の収穫開始は8月末になりそうです。
posted by fumiko at 18:02| Comment(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月01日

ワインアカデミー@ホテルオークラ 今期は2回連続で映画でワイン・レッスン!



ホテルオークラ主催のワインスクール『ワインアカデミー』で、映画とワインの講座を担当しています。4月から始まった第25期生の皆さんとは、今週28日(火)と30日(木)の各講座でお目にかかりました。



講座では名画に登場するシャンパン&ワインを用意しています!
口開けはG.H.マムの『コルドン・ルージュ』
ここでは1939年から34年間にわたって同メゾンの経営で手腕を発揮したルネ・ラルーを紹介。その彼が生涯応援していた芸j術家が藤田嗣治(レオナール・フジタ)でした。
折しも、東京都美術館で藤田嗣治展

が開催されているので、書籍では得られない、実物(本物)の素晴らしさを見ていただきたいとの思いから、皆さんには展覧会行きをおすすめしました。

30日の回に出席なさっていた受講生のおひとりから「昔、フジタの絵を所有していました」とのお話があり・・・一般家庭の温度管理では限界があり、絵画が乾いて傷んでしまう可能性があるという理由から、「泣く泣く絵を手放しました」と。画商から、「このままにしておくと絵の表面にひびが入ってしまう」と忠告されたそうです。
適切な温度と湿度が何より大事ということです。これは楽器でも同じですね。
その方は、「自分の管理でフジタの作品を損ねてしまってはいけない」と考え、「断腸の思いで、画商に委ねる決心をしました」と語っていました。

お話を伺いながら、私は東京都美術館で見たフジタの乳白色の裸婦像の絵画表面の色や艶、微細な色使いが美しく映えていた作品の数々を思い出していました。

藤田嗣治展は、絵画だけでなく、1つずつの額縁も素晴らしく、絵画との一体感が見事です。温度管理の話を伺ったことで、改めて名画を展示している世界の美術館の努力を感じました。
ワインの世界でも温度や湿度は大事ですが、絵画は視覚でチェックできる分、別の気遣いも必要なのですね。


ワインアカデミーでは10月から開講する第26期生募集に際して、9月8日~10月7日までの間の8回だけ体験講座

を予定しています。渡部主任講師による丁寧なレッスンなので、おすすめです。私の講座はエキスパートクラス(最上級)になるので、受講生の皆さんとお会いするのは最後の最後になります。その分、心から楽しんいただける内容になっています!

ホテル・オークラは2019年の秋にThe Okura Tokyo

としてスタートします!
私もその時には、講座で新バージョンを披露したいと思っています。


『ウィンストン・チャーチル(原題:Darkest Hour)』のゲーリー・オールドマンは完璧!


映画に登場したのはチャーチルが愛したポル・ロジェの1928VT、ポル・ロジェではラベルも再現しました!



フランシス・フォード・コッポラ監督の奥様エレノア・コッポラさんの初監督作品『ボンジュール・アン(原題:Paris can wait)』


光栄にもエレノア監督とお話しするチャンスが!

テキスタイルに精通しているエレノア監督ですが、ワインについても相当な知識をおもちです。映画にはエレノアさん好みの自然派ワインが登場。講座ではそれらも揃えたいなぁと、今からワクワクしています。

posted by fumiko at 00:23| 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

3月30日公開!! ウィンストン・チャーチル ~ヒトラーから世界を救った男~ その彼が愛したシャンパン!

ゲイリー・オールドマンのチャーチルに釘付け!
第90回アカデミー賞主演男優賞ゲイリー・オールドマン&メイクアップ賞辻一弘さん、受賞!!
おめでとうございます、とても嬉しいです。オールドマンは『レオン』でのイメージが強烈過ぎ、『裏切りのサーカス』でも馴染めなかったのですが、このウィンストン・チャーチルはすべてに完璧、脱帽です! (2018年3月5日追記)


本年度アカデミー賞最有力!!
第90回アカデミー賞6部門ノミネート!
≪作品賞、主演男優賞、撮影賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞、衣装デザイン賞≫


[コピーライト] 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

ウィンストン・チャーチル ~ ヒトラーから世界を救った男~
監督:ジョー・ライト
脚本・製作:アンソニー・マクカーテン
出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス
原題:DARKEST HOUR 2017 / イギリス
配給:ビターズ・エンド / パルコ
http://www.churchill-movie.jp
[ハートたち(複数ハート)]3月30日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

1940年、ナチス・ドイツの勢力が拡大し、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍が窮地に追い込まれるなか、ヨーロッパの運命は新たな首相として任命されたウィンストン・チャーチルの手に委ねられることに・・・
チャーチル没後、公開された閣議記録によって明らかにされた実話がベースの歴史エンターテイメント!1940年5月の首相就任からダンケルク撤退、6月4日下院での徹底抗戦を宣言した名演説までの27日間の知られざるストーリー、その間の苦悩するチャーチルが見事に描かれています。

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[コピーライト] 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)は首相就任後、家族そろってシャンパンで乾杯! 愛妻クレメンティーン・チャーチル役はクリスティン・スコット・トーマス

過去のアカデミー賞受賞作品とクロスさせながら
ポル・ロジェの輸入元ジェロボームの山下陽子PR&マーケティングディレクターと一緒に試写会にお邪魔してきました。最近、ハリウッド映画より、英国映画ファンになっている私にとって、映画『ウィンストン・チャーチル』は、本当に見ごたえがあり、アカデミー賞受賞の過去の秀作とクロスさせながら楽しむことができました。
ラストの演説シーンは圧巻で、私は完全に1940年の英国の下院にタイムスリップしていた気がします。

第83回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞(コリン・ファース)、オリジナル脚本賞を受賞した『英国王のスピーチ』の主人公はジョージ6世。映画のハイライトは1939年9月3日ドイツに宣戦布告したイギリスで、ジョージ6世が、国民の士気を高めるため、大英帝国全土に向けて緊急ラジオ演説を行う場面です。ここでは国王ジョージ6世がマイクの前で緊張している姿と映画チャーチルのラジオ放送がぴったりとリンクしました。

第87回アカデミー賞脚色賞を受賞した 『イミテーションゲーム / エニグマと天才科学者の秘密』。1939年、ナチスの暗号機エニグマ解読を依頼されたイギリスの天才数学者、暗号解読者のアラン・チューリング(ベネデクト・ガンバーバッチ)。機械には機械で対抗すると決めた彼は解読装置造りを画策し、そのための資金要請をチャーチルに手紙で直訴します。チャーチルから了解を得た彼はコンピューターを完成させ、解読に成功。チャーチルのナチス撲滅作戦の一端を垣間見ている気分でした。

最後は、アメリカ映画。大好きな『カサブランカ』は、第16回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞を受けています。1941年のヴィシー政権下のフランス領モロッコ・カサブランカ。リック(ハンフリー・ボガート)とイルザ(イングリッド・バーグマン)のパリでのシーンはドイツによるパリ陥落前日の話です。

このように、映画『ウィンストン・チャーチル』を主軸に、頭のなかでは、ナチスに抵抗していた市井の人たちの映画をクロスさせながら、チャーチルの苦悩と、その間の動きをじっくり感じる取ることがきました。映画の新たな醍醐味も堪能できました。

それだけに、3月4日(現地時間)アカデミー賞授賞式の結果が、とても楽しみです!


ウィンストン・チャーチルの名を冠した最高傑作のシャンパン


シャンパン講座のリポートやippin

のページで、『ポル・ロジェ』については何度か紹介してきたので、ご存知の方も多いと思いますが、最高傑作『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル』は、チャーチル没後のオマージュ・シャンパンです。
1945年以来、親交があった英国首相チャーチルとポル・ロジェ家。1965年にチャーチルが逝去した後、彼の末娘との話し合いで、1984年6月に『キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル1975』が誕生、リリースされました。お披露目の会場に選ばれたのはチャーチルの生家ブレナム宮殿でした。
複雑味&包容力があるシャンパンなので、チャーチルの男気に通じるものがあります。
尊敬する上司や人生の師に贈呈したいアイテム、違いがわかる男に飲んで欲しいシャンパンです。


ブラン・ド・ブラン2009、ブリュット・ヴィンテージ2008、ウィンストン・チャーチル2002、同2004のコルク

左から2番目のブリュット・ヴィンテージはピノ・ノワール(PN/黒ぶどう)とシャルドネ(CH/白ぶどう)のブレンド(PN60%&CH40%)で、PNに由来する果実の香りとCH由来のシルクのような柔らかさが特徴。チャーチルが好んで飲んでいたのがこのヴィンテージ・シャンパンです。


今年の私のバースデーシャンパンだったポル・ロジェ・ロゼ2008
さくらんぼ、木苺やストロベリー、ピンクパッパ―、柑橘系果実の内果皮似のビター感があり、食中酒から食後のデザートまで楽しめるチャーミングなロゼ!

ポル・ロジェ

についてのお問い合わせはジェロボーム(山下様) 03-5786-3280
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2017年06月19日

7月7日公開!! 大人の女性とシェアしたい映画『ボンジュール、アン』

エレノア・コッポラの長編劇映画初監督作品『ボンジュール、アン』

監督・脚本・製作:エレノア・コッポラ
出演:ダイアン・レイン、アルノー・ヴィアール、アレック・ボールドウィン
原題: PARIS CAN WAIT / 2016年 / アメリカ
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
[黒ハート]7月7日(金) TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー


(C) the photographer Eric Caro

~人生って、まだまだステキ
カンヌからパリへ、おとなの寄り道は、ワインと美食と、こころのさがしもの~ 
『ボンジュール、アン』より

映画プロデューサーの夫マイケル(アレックス・ボールドウィン)とカンヌ映画祭にやって来たアン(ダイアン・レイン)。ふたりはそのままフランスでバカンスを楽しむつもりだったが、新作の撮影のため、急遽ブタペストへ飛ぶことに。耳の不調を感じていたアンは、フライトを取りやめ、夫とは別行動で、友人がいるパリで休息することにする。

アンはパリに戻る夫の仕事仲間、フランス人のジャック(アルノー・ヴィアール)の車に同乗してカンヌからパリまでの7時間予定のドライブに出発するが、料理やワインに精通し、名所・旧跡にも詳しく、機知に富んだ会話で気持ちを和ませる術に長けた彼との予期せぬ寄り道旅行は、アンが忘れていた“自分再発見”の扉を開いて・・・


エレノアさんの知性を感じるシーンがいっぱい
エレノアさんは映画界の巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の妻&監督としての才能を見事に発揮しているソフィア・コッポラさんの母上。今月初旬、映画公開に先駆けて、主役のダイアン・レインさんと一緒に来日していました。

記者会見の翌日、フランシス・フォード・コッポラ ワイナリーのワインを輸入しているワイン・イン・スタイルさんからのお声がけで、エレノアさんと異業種で活躍する女子8名だけのディナーに同席させていただいたのですが、フランスワインに詳しいソムリエール(カルフォルニア在)からアドバイスを受けたこと、資金集めに6年かかったこと等を話してくださいました。
「皆さんのプロフィールは」との問いかけがあったので、「ワインとの関わりはサントリーに在職していたから」との私の返事にエレノアさんは「サントリー! ロスト・イン・トランスレーションに出てきますね」と素早いリアクション。ソフィアさんがアカデミー脚本賞を受賞した映画で、サントリー『響』のCMシーン、とても目立っていました。
ディナー中も終始笑顔で、本当に魅力的だったエレノアさん。人を包み込む素敵なオーラがありました!

その数日後、私は『ボンジュール、アン』の試写会に!
エンドロールが終わり、場内が明るくなる寸前、一瞬、ラベンダーの香りを感じて・・・
ひととき、アンとジャックと一緒に、フランスの美食街道、セザンヌやルノワールの絵の世界を旅していた・・・そんな錯覚に陥ってしまった、とってもおいしい映画でした[レストラン]

『ボンジュール、アン』はエレノアさんの実体験がベースになっているので、カンヌからパリまでのドライブの間、実在のレストランも登場します。テキスタイル(布地、織物)が大好きで、世界中を旅して多くの情報を得ているエレノアさん。
この映画ではアートのプロ、ワインのプロとしての知識もしっかり反映されています。フード・コーディネーターはナパにある『ロバート・シンスキー・ヴィンヤーズ』のマリア・へレム・シンスキーさん

アン&ジャックと一緒に美食散歩
ヴィエンヌではコンドリューとコート・ロティ
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(C) the photographer Eric Caro
お茶目なジャックにアンも満身の笑み
ジャックがセレクトしたのは白はコンドリュー、赤はコート・ロティ!

寄り道ドライブでのアンとジャックの宿泊地はヴィエンヌ
コート・ダジュールとパリの中間、リヨンの南に位置するヴィエンヌには二ツ星『ラ・ピラミッド』があり、スクリーンにも、あのピラミッドの外観が出てきます。このレストランには近隣のぶどう畑から、コンドリューやコート・ロティのあらゆる銘柄のワインが届きますが、実際の撮影場所はここではなく、パリから40kmのところにある閑静なホテル&レストラン 『Les Jardins d’Epicure』
コンドリューはローヌ河の右岸にあり、白ワインだけを生産する栽培地。白ぶどうのヴィオニエを使用、アプリコットやジャスミンのニュアンス。コート・ロティ(“焼けた斜面”の意)はローヌ地方最北に位置する赤ワインの産地、シラー種から造られるワインは濃厚でスパイス風味


大伴家持の和歌も
ヴェズレーに向うドライブの途中で、月を見ながら、アンが口ずさんでいたのは、『万葉集』にある大伴家持の和歌
ふりさけて三日月(みかづき)見れば一目見し人の眉引(まよびき)思ほゆるかも 
When I see the first / New moon, faint in the twilight / I think of the moth eyebrows / Of a girl I saw only once
エレノアさんは万葉集だけでなく、源氏物語や枕草子にも興味をお持ちのはず、凄い!

絵画でも魅力満載、セザンヌの『プロヴァンスの家』、マネの『草上の昼食』、ルノアールの『ブージヴァルのダンス』の原画を彷彿とさせるシーンを挿入させて、登場人物と重なり合う手法も素敵!


ヴェズレーではディディエ・ダグノーの『シレックス2012』

『レスペランス』 参考画像:Relais & Châteaux 2008

ワイン好きなら、気になるワン・シーン
ジャックが「ヴェズレーで最高のレストラン」と言って案内してくれたお店はとてもゴージャス。ディディエ・ダグノーの『プイィ・フュメ シレックス 2012』が登場します!

2012ヴィンテージはフランスのワイン専門誌『ラ・レヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』でロワール・ベスト・ソーヴィニヨンに選ばれた逸品。ピクニックの後、リヨンの市場散策で、ジャックは「僕の好みは“クロタン・ド・シャビニョル”」と語っていますが、まさに、このチーズとシレックスは同郷、とても良い相性です。
ロワールの風雲児と言われ、ロワール地方で最高の白ワインの造り手だったディディエ・ダグノー。2008年、自家用小型飛行機の事故で急逝、享年52歳。ドメーヌは現在息子のルイ・ベンジャミン・ダグノーが継承

ソーヴィニヨン・ブラン100%。シレックス(火打石)土壌由来のあふれるばかりのミネラル感、力強い果実味、存在感のある酸、長い余韻

エレノアさんがイメージしていたレストランは『レスペランス(現在閉鎖中)』だったようです。
“永遠の丘”と形容される世界遺産ヴェズレーにあり、オーナーシェフのマルク・ムノーによって輝かしい時代を刻んでいたホテル&レストラン。ギヨーム・マルトリエとアラン・デュカスが設立した会社が買収したことで、2018年に新装オープン予定です。

さて、映画に出てきたレストランですが、雰囲気があって歴史を感じさせる空間でした。
これはパリの行政控訴院の地下のフリースぺースをレストランに設えて撮影したとのこと。チャンスがあれば行ってみたいです!

スペシャリテとして登場したのは

Nipples of Venus(ヴィーナスの乳首)!
映画『アマディウス』に登場して話題になったお菓子
ディナーの前に、アンが望んで訪問したサント・マドレーヌ大聖堂での出来事が伏線になっているのでは


『ボンジュール、アン』を観終わって、細い糸から1枚の布が織られている印象を受けました。それはエレノアさんがお好きなテキスタイルのようです。1つの出来事には、それに付随する何かがあり、それは「点」ではなく、「面」で広がって・・・。一例ではクロ・タンとシレックスのように、時間差によって織り込まれてく感じ、です。

観る人の感性でどれだけでも面白さが広がる映画『ボンジュール、アン』
“大人の女性”たちとシェアしたい映画『ボンジュール、アン』

最後に・・・
『ボンジュール、アン』のAnne(アン)、『ローマの休日』のAnna(アン)王女
つかの間の体験で、新しい自分を発見していく姿が、私には重なって見えました。
エレノアさんとお会いしたのは試写会前だったので伺えませんでしたが、ネーミングの裏にある意図(糸)を私は感じています(笑)
このページの美食散歩が、映画を観る時の参考になれば本望です!


番外編
エレノアさんとの光栄なるディナーで
ウェルカムワインはソフィア ロゼ モントレー・カウンティ

フルーティで飲みやすい色鮮やかな辛口ロゼ。
ソフィア自身が選んだスタイリッシュなボトルも魅力

メインの仔牛ロースにエレノア レッド・ワイン

エレノアさんの情熱を表現している3つの鍵が〝ワイン、アート、テキスタイル”
ラベルはテキスタイルの本のなかから見つけた模様をヒントにして彼女がデザインしたもので、結婚50年目を記念してコッポラ監督がエレノアさんのために造った数量限定ワイン


エレノアワインにサイン! 
初版本(在庫なし)にもサインをしていただきました。元気が出るメッセージで、“映画とワイン”に関わる作業を続けてきてホント良かったと実感!
『映画でワイン・レッスン(エイ出版)』のイタリア編に、『ゴッドファーザー』や『ソフィア』誕生の経緯を書いていますので、ご笑覧いただけると嬉しいです。電子書籍&プリント・オン・デマンド(POD)で取扱中


エレノアさんからの「しっかりね」というメッセージを感じます!

エレノアさんは気品があり、繊細ながら、限りないパワーを内に秘めている女性でした。同性の先輩として、学ぶこと、感じること多々ありでした。
ワイン・イン・スタイルのマイケル・クーCEO、斎藤美樹ジェネラル・マネージャー、光栄なる時間を共有させていただき、ありがとうございました!
『ボンジュール、アン』の宣伝、樂舎の佐野美加取締役社長には多大なるサポートをいただき、こころから感謝しております。ありがとうございました。

『ボンジュール、アン』にGo、ですね!!
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2016年12月11日

電子書籍、POD(Print on Demand)で 『映画でワイン・レッスン』

私にとっての嬉しい出来事!


枻出版社から上梓した、肩ひじはらないワイン本 『映画でワイン・レッスン』が在庫切れで、関心を持ってくださっていた皆さまにご迷惑をおかけしていました。
現在、拙著の内容をベースにした講座はホテル・オークラの『ワイン・アカデミー』で行っています。また、映画とワインは私のライフワークなので、関連するセミナーも随時遂行しているので、枻出版社のご配慮で、今月1日からPOD(オンデマンドのペーパーバック)、12月9日から電子書籍での発売が決まりました。年内に希望が叶い、とても嬉しいです!

AmazonPODの映画でワイン・レッスン


電子書籍の映画でワイン・レッス




昨日、POD(左側)の見本誌が届き、初めて実物を手にしました。
帯はないのでシンプル、紙質は従来の書籍(右側)と比べ、若干厚めです。

映画を観てからワインを飲むか
ワインを飲んでから映画を観るか
やっぱり、ワインを飲みながら映画を観るのが、最高ですよね!

製品についてのお問い合わせは枻出版社まで ℡03- 3708- 5181
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2016年10月16日

映画でワイン・レッスン 『白い帽子の女』 ~ブラピの遊び心を感じながら~

〝ブラッド・ピット×アンジェリーナ・ジョリー・ピット 10年ぶりの共演作〟
というコピーで公開されている『白い帽子の女』

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時代は1970年代、舞台は南フランス。執筆のために避暑地を訪れたアメリカ人の小説家ローランド(ブラッド・ピット)と妻ヴァネッサ(アンジェリーナ・ジョリー・ピット)。結婚して14年の夫婦。心に痛手を負い、バランスを崩している妻と、困惑しながらも粘り強い愛で彼女を受け止めようとしている夫。折しも隣の部屋には、ふたりとは真逆の、愛を謳歌する新婚カップルが宿泊。関わり合うようになるが・・・

(C)Universal Studios











(c)2015 UNIVERSAL STUDIOS
9月24日(土)よりシネスイッチ銀座、渋谷シネパレスほか公開中
配給:ビターズ・エンド・パルコ
■スタッフ
監督・脚本・製作:アンジェリーナ・ジョリー/製作:ブラッド・ピット/音楽:ガブリエル・ヤレド
■キャスト
ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー・ピット、メラニー・ロラン、メルヴィル・プポー

ブラピとアンジーのワイン『ミラヴァル・ロゼ』の輸入元ジェロボームのご配慮で試写会に出かけました。映画には大手ブランドが衣装、鞄、小道具などをサポートしていますが、ブラピは「映画をミラヴァルのプロモーションにはしたくない」と思っていたようなので、彼らのワインが登場するシーンはありませんでした。でも、ブラピらしい〝遊び心〟を感じるワン・シーンはありました。

画像(クリックで拡大)を見ると、ブラピが手にしているワインは透明に近い輝きのあるイエローで、若いワインであることがわかります。右端のボトルのラベルにはBourgogne(ブルゴーニュ)の表記、ヴィンテージ(VT/収穫年)は1965年、1970年代なので、VTから考えて数年は経過している設定でしょうか。抜栓したコルクは短くて刻印がありません。加えて、ブルゴーニュと明記しながら、ボトルの形状はボルドー型。あきらかにワイン通のブラピ創作ワインだと思います。

ジェフ・ブリッジスがアカデミー賞主演男優賞を受賞した『クレージー・ハート』では、主人公(ブリッジス)がアルコール依存症で、映画のなかではウイスキー『McClureマクルーア』という名が再三、おまけに箱まで登場していたのですが、調べた結果、実在しないウイスキーであることがわかりました。イメージ的にはモルトウイスキーのマッカランを連想しました。依存症という設定だったこともあり、ウイスキーメーカーからは敬遠されたようです。それで敢えて架空のものを作っていました。ちなみにネーミングの由来はディレクターのミドルネームでした!

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さて、前述のミラヴァル

ですが、ブラピとアンジーは南仏コランス村に別荘としてシャトー・ミラヴァルを所有しています。コート・デュ・ローヌ地方にある名門ファミーユ・ボーカステルの醸造家マーク・ペランさんと組んで2012年からワインを生産しています。
プロヴァンス地方は87.5%がロゼ(2013年データ)、ロゼに特化した秀逸な産地です。有機栽培を導入しているミラヴァルからは、ロゼだけでなく、白や赤も登場しています。

映画のラストは、ローランドの小説 『海辺にて(原題:By the Sea)』 が完成し、危機を乗り越えたふたりが車で避暑地を去って行くシーンで終わりましたが、試写会から一夜明けてブラピとアンジーの離婚報道。びっくりでした!
年々評価があがっているミラヴァルなので、今後の所有が気になります。ワインのテイスターとしての才能があり、ワインへの造詣が深いブラピなので、ミラヴァルの価値は十分わかっているはず。引き続き、尊敬するマーク・ペランさんとの2人3脚は続行して欲しいと願っている私です!!
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2015年05月30日

〝ベル エポックを駆け抜けたロートレックの世界への誘い〟で19世紀末にタイムスリップ!

開会前の静寂のなかで
5月22日のイベント

から約1週間が過ぎました。MCに徹していて、十分な写真が揃っていない私のために松本楼様が貴重な画像を送ってくださいました。まとめをアップいたします。100%全力投球できた会、ご参加くださった皆様に感謝を込めて!

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シャンパーニュの芸術品ベル エポック、ボトルのアネモネはエミール・ガレが描いたものです。
ロートレックは母親アデール伯爵夫人が所有していたボルドーのシャトー・マルロメで収穫作業を手伝っていたようです。エミール・ガレもロートレックも同時代の芸術家、寵児でした。

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松本楼でのステージ、完璧に整いました!

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画像協力:松本楼
シャンパンの引き立て役はベル エポックグラス


ロートレックと山田シェフの競演
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モーリス=ジョワイヤンがまとめた『モモの料理本』の改訂版『ロートレックの料理法』
モモはロートレックのペンネーム

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クリックで拡大


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画像協力:松本楼
「ロートレックには面白い表現やエピソードがたくさんあります。一例として、鶏肉の料理を美味しくするために、まずニワトリを小屋から出して、追いかけまわし、恐怖心を与えてから屠殺。そのような状態のまま死ぬと、肉が柔らかくなるからです。彼の料理法は多くは時間をかけて丁寧にゆっくり煮込んで風味を出していますが、遊びごころを持った料理だと思いました」と山田シェフ

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画像協力:松本楼
アミューズはロートレックが命名したユニークな『修道女のおなら(揚げせんべい)』
松本楼オリジナルの『オレンジ風味のアボカド ムースクリームディップ(手前)』の2種をペリエ ジュエ グラン ブリュット(PN40% PM40% CH20%)と合わせて

グラン ブリュットには柑橘果実の内側の白皮のような軽いビター感があるので、ムースにオレンジの皮を細かく刻んでトッピング。相互のビター感がマッチしていました。揚げせんべいの脂分はシャンパンがきれいに洗い流してくれる印象、納得のマリアージュ

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口中に広がるフォアグラの脂分はシャンパンと絶妙
シャンパンのクリーミな味わいとフォアグラのスムースな食感も文句なしの相性

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画像協力:根本友子
鴨モモ肉のコンフィとセップ茸のキッシュ カタロニア風サラダを添えて
シャンパンから感じるマッシュルームのニュアンスが鴨の重厚感とセップ茸とも合って


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プロローグでもご紹介しましたが10年以上経過したベル エポック2004 (CH50% PN45% M5%)の750mlと1500mlをテイスティング。フレッシュ感のあるレギュラ―サイズvs熟成感+若さが十分あるマグナムサイズ


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画像協力:松本楼
ブルゴーニュ風エスカルゴ ココット焼き
ココットの表面のこんがり感とシャンパンのブリオッシュ、ナッツの風味とバランス良好


会場風景はIMG.jpg
画像協力:松本楼
今回、ペルノ・リカール・ジャパン(PRJ)のティム・ペック社長と栗木英一郎部長には大変お世話になりました。心強いサポートに深く感謝しております。ありがとうございました!

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画像協力:松本楼
『ミッドナイト・イン・パリ』でマキシムの優雅な雰囲気を体感、ロートレックとも遭遇!


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画像協力:松本楼
定員を超える皆さまとベル エポック(良き時代)にタイムスリップ


リーデルが満を持して発売したヴェリタス・シリーズ
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画像協力:松本楼
第3世代のグラス、ヴェリタスシリーズは軽くて口当たり良好、シャンパンラバー必携!

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画像協力:松本楼
リーデルの庄司大輔チーフ・ワイングラス・エデュケーターは「ロートレックの時代はクープ型グラス、近年はフルートグラスが主流でした。このヴェリタス・シリーズのグラスはマシンメイドで超軽量、第3世代のワイングラス型シャンパングラスと言えます。このように大人数の場でお披露目するのは本邦初になります。ペリエ ジュエのトップレンジ『ベルエポック』は素晴らしい年にしか生産しない逸品であり、そのシャンパンとのマリアージュになるので、とても光栄に思っています」とあいさつ。

フルートグラスのイメージが強いなかで、そしてフルートグラスには、フルートグラスの良さがあるなかで、〝気品と旨味〟を感じさせてくれるヴェリタス・シリーズのシャンパーニュ・グラスは要チェックのグラスです。
まさに、たかがグラス、されどグラスです!


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画像協力:松本楼
旨味たっぷりのオマール海老  アメリカ風

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画像協力:松本楼
日本の桜にインスパイアされて最高醸造責任者のエルヴェ・デシャンさんが創造した『ベル エポック エディション プルミエール2007』、はこの3月、日本限定でリリースされた希少ロゼシャンパンです。
私の印象は発売当初より、さらに味わい滑らか、エレガントさが増したように感じました。素晴らしい包容力で、オマール海老との相性は、渾然一体でした! 
加えてヴェリタスのシャンパーニュ・グラスとの相性、これは参加者全員同意だと感じています。

庄司さんは「エディション プルミエール2007によってお料理のとマッチングの幅が広かったことが印象的でした。ブレンドの妙でしょうか。特にオマール海老の旨味とソースの旨味、そしてシャンパーニュの旨味の重なり具合が絶妙でした」とコメントしてくださいました。



画像協力:根本友子
壱岐牛のラグーとオニオンのフォンデュ〝ミロトン〟
ロートレック流にじっくり煮込んだ壱岐牛のとろける食感
エディション プルミエールとの相性ナイス


画像協力:根本友子
デザートにはニックネーム〝MOMO〟を入れて


ベルエポックの時代から現代に戻って
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ロートレックが輝いていた時代
 
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ムーラン・ルージュでは最高のフレンチ・カンカンを堪能しました!

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画像協力:松本楼
3時間10分の旅を終え、皆さまをナビゲートをした私に松本楼様から素敵な花束が。
プレゼンターはPRJのティム社長、光栄です!

ご参加くださった皆さまのこころのなかに、ひとつでも思い出深い事柄が残れば嬉しいです。ブログにお立ち寄りくださった皆さまにも22日の臨場感がお伝えできればなお嬉しいです。
改めまして、ティム社長、栗木部長、庄司チーフ・ワイングラス・エデュケーター、松本楼の小坂文乃副社長、山田シェフ、小西ソムリエはじめスタッフの皆さま、ありがとうございました!

今後ともよろしくお願いいたします。
posted by fumiko at 17:17| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月23日

プロローグ 映画とシャンパンのマリアージュ~ロートレックの世界への誘い~

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昨日開催した 映画とシャンパンのマリアージュベル・エポックを駆け抜けたロートレックの世界への誘い

@日比谷・松本楼も無事終わりました。
只今、心地よい疲労感のなかにおります。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!!

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嬉しいことに募集開始1時間で満席になり、キャンセル待ちが数組ありましたが、当日まで1件のキャンセルが出なかったのは感謝に耐えません。同時に皆様の期待を強く感じました。


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開場前のボア・ド・ブロ―ニュ、窓から見える緑も美しいです!


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ロートレックと深いつながりのあるムーラン・ルージュも紹介しました。


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壮観な眺め、当日供出したシャンパン(左から
ペリエ ジュエ グラン ブリュットNV
ペリエ ジュエ ベル エポック2004(750ml)
ペリエ ジュエ ベル エポック2004(1500ml)
ペリエ ジュエ ベル エポック エディション プルミエール2007

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2004年(CH50% PN45% PM5%)VTの2グラス比較は興味深いものでした。750mlは色白で品の良い酸とミネラル感があり、白い花やドライフルーツ、アーモンドのニュアンス。マグナムは黄金色で酸はワインに溶け込みクリーミー。複雑味があり、黄桃やカリン、スパイスの風味も

グラスはリーデルの新アイテムヴェリタス・シリーズ

。リーデル史上最軽量のクリスタル製マシンメイドグラスは口当たりも良く、ペリエ ジュエのトップレンジ『ベル エポック』と超贅沢なシャンパン&グラスのコラボレーションになりました。

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当日のハイライト!
エルヴェ・デシャン最高醸造責任者が〝日本の桜にインスパイアされて創り上げたロゼシャンパン〟です。3月に味わった時より、柔軟なイメージ。これはグラスとの絶妙なバランスが効果的だったと思います。シャンパンは綺麗な酸と赤い果実、舌を洗い流す感触があるので、次にまた、なにかが食べたくなる、そんな印象です。

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画像提供:ペルノ・リカール・ジャパン
2015年3月2日発売の『ベル エポック エディション プルミエール2007』
参考価格:28,000円(税別)、熟成期間:5年、品種:シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%

透明ボトルから透けて見える淡い桜色がとても綺麗、ときめきのシャンパン!

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松本楼

の小坂文乃副社長()、いつも以上の気配りに感激でした!
文乃さんとのご縁を作ってくれた吉井ご夫妻、24日が結婚記念日、おめでとうございます!!
今回私はエルヴェさんがインスパイアされたという桜に同化すべく桜の着物で〆させていただきました。

プロローグのあとで
3時間10分の会のMCは貫徹できましたが、料理とシャンパンの一体写真は撮れずじまい・・・
そのフォローは後日文乃さんから届く予定の写真に期待です。山田シェフが披露してくださった再現メニューが素晴らしく、シャンパンとの相性は絶妙でした。ご参加くださった皆様の表情も弾んでおりました。
料理やシャンパンの画像&コメント等、会のリポートは後日ブログに追記いたします。
お楽しみに!

ご協力・ご協賛くださいましたペルノ・リカール・ジャパンのティム・ペック社長、栗木英一郎部長。リーデル・ジャパンの庄司大輔チーフ・ワイングラス・エデュケーターに心から御礼申し上げます。
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2014年09月26日

27日から公開のドキュタリー映画 『世界一美しいボルドーの秘密』

原題は『Red Obsession』、obsessionは強迫観念とか妄想、執念、憑りつかれる等の意味ですが、邦題は『世界一美しいボルドーの秘密
タイトルから受ける印象はだいぶ違いますが、主役は赤ワイン! 
映画の前半は景観が美しいフランス・ボルドー地方の卓越したシャトーのオーナーや総支配人、醸造家たちが当地の魅力、ワインについて語ります。シャトー・ラトゥ―ルのフレデリック・アンジェラCEOが「特別な土地だと分かって、ますます魅了されている」と述べ、シャトー・ぺトリュスのクリスチャン・ムエックス顧問が「ボルドーに匹敵する産地など、どこにも見当たらない」とコメントしているように。そして、中盤以降は、シャトー・ラフィットやラトゥールを中心とした高級赤ワインを買いあさる〝憑りつかれた人たち=中国の富裕層〟にフォーカスしています。

監督:デヴィッド・ローチ、ワーウィック・ロス/製作:ワーウィック・ロス/製作総指揮:ロバート・コー撮影/:スティーヴ・アーノルド、リー・プルブロック / ナレーション:ラッセル・クロウ
原題:RED OBSESSION /2013年/豪・中国・フランス・イギリス・香港/
公式サイト:http://www.winenohimitsu.com/


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(C) 2012 Lion Rock Films Pty Limited
9月27日 (土) からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開配給:アット エンタテインメント

セラー内でパイプをくゆらせ、6000万ドルに及ぶと言われているラフィットやラトゥ―ルのワインコレクションを満足げに眺める中国有数の実業家ピーター・チェン


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(C) 2012 Lion Rock Films Pty Limited
ドラゴンが目を覚ます時、世界が震える  ナポレオン・ボナパルト

すべては東のドラゴンが目覚めたところからスタート
今月23日に中国の長者番付『胡潤百富』で、アリババグループ創業者のジャック・マー会長が第1位(昨年29位)になったことが報じられていましたが、映画『世界一美しいボルドーの秘密』のなかで、『胡潤百富』の発行人のルパート・フージワーフは中国の億万長者数ついて「現在600人ぐらいで米国の億万長者を抜いた」とコメントしています。中国の富裕層がステイタスを求めて、西洋に目を向けた時、彼らの目に留まったのは歴史と格式を有するフランス・ボルドーの赤ワイン、それも超トップクラスの銘柄でした。

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(C) 2012 Lion Rock Films Pty Limited

香港政府が関税を撤廃した2008年、富裕層の憧れの的、垂涎の赤ワイン、シャトー・ラフィット・ロートシルトは2008年ヴィンテージのボトルに「八」の数字を記載。数秘学を重んじる富裕層を最高に幸せな気分にさせ、シャトーのワインは圧巻の強さで中国市場を席巻。1961年、1982年に続く、グレートヴィンテージ2009年、2010年により、ワインの価格はうなぎのぼり。高騰に次ぐ高騰で、昔からのシャトーの顧客たちは、手が出せない状態になり、ワイン狂騒の外に押し出されていきます。

シャトー・マルゴーのポンタリエ親子
シャトーマルゴー ポンタリエさんと.jpg

昨年、シャトー・マルゴーのポール・ポンタリエ総支配人がサードワイン『マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー2009』のお披露目のために来日した時、「自然環境に合わせ、世代を通じた人間のたゆまぬ努力と意欲がグラン・ヴァンを生み出し、現在のような素晴らしいワインが生産できるようになった。グラン・ヴァンがわかる人たちが形成している市場が常に我々とともにあったことはラッキーだった」と語っていました。

でも、映画のポンタリエ総支配人は、異常な状態に困惑し、ワインを語る時のような冴えがなかったのは彼が正直な人だからこそ。それに反し、同行時は控えめだったご子息(5年前から香港在でシャトー・マルゴーのアジア地区担当)のティボー・ポンタリエさんは水を得た魚のように饒舌で、全盛期のレオナルド・ディカプリオのようなイメージで中国市場を語り、強いインパクトを残しました。ワインには目新しさを覚えず、前の世代ほど関心がないと断言するティボー世代にとって、中国市場がいかに刺激的であるかがわかります。

『映画でワイン・レッスン』するのは、もっぱら美味しい映画のシーンとワインですが、『世界一美しいボルドーの秘密』ではワインではなく、カメラマンのレンズを通して大写しにされる登場人物の表情から心の動きを読み取れるのが面白いと思いました。

作柄が良くなかった2011年ヴィンテージと中国政府の贈答禁止令により、富裕層の動きは鈍り、ワイン狂騒は少し陰りをみせ始めています。公開のタイミングが「なぜ今」という思いがなきにしもあらずですが、ボルドーワインの高騰とそのバブルを引き起こした元凶の中国市場の生の現実を75分の映像でワイン・レッスンできることは間違いありません。
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2013年01月07日

新春特別企画、ワインあてクイズで遊びましょう! 『レ・ミゼラブル』のヒュー・ジャックマンとジャン・バルジャン!

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アカデミー賞のノミネート発表は10日(現地時間)、もうすぐですね!

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ヒュー・ジャックマン ファンの私は、もちろんレ・ミゼラブル

を応援しています。
今週木曜日1月10日刊の産経EX【ワインのこころ】は、ヒュー・ジャックマンが演じたジャン・バルジャンをイメージした赤ワインについて書いています。豪州出身のジャックマンなので、彼には豪州ワインが一番似合うと思っています(私の独断です)

そこで・・・
今日7日(月)から9日(水)24時までを応募期間として、ワインあてクイズをいたします。豪州ワインの日本窓口であるワインオーストラリア日本事務所

の手島代表に相談し、素敵なワインをご協賛いただけることが決まりました。新春ならでは、です。

ツイッター(ひとり1回)で、a:ワイナリー名、b:ワイン名(ヴィンテージは不要)の2つを書いて、ハッシュタグ#aussiewine でご応募ください。当選者3名様(当選者多数の場合は抽選)にワインオーストラリア日本事務所から日本未輸入ワインをプレゼントいたします。

さて、ワインのヒントですが、ジャン・バルジャンが19年間服役したからといって、長いこと寝ていたワインということではありません。ヴィンテージは不要ですし

あくまで、ジャックマンが演じたジャン・バルジャンのイメージです。
(1)服役していたジャン・バルジャンは過酷な状況に耐えた強靭な肉体の持ち主、パワーを連想
(2)釈放後は司教の愛により、“理性”を取り戻し、知的な要素が加わる
(1)と(2)は私が考える「ぶどうのイメージ」、それらが「ワインになった時のイメージ」です。ブレンドですね。

(3)時代背景から考えて、大手=権力を連想してしまうので、選択肢からは外してよいかも
(4)中規模、小規模のワイナリーで、フィジカルな要素を感じさせるところは

な~んて、ここまで書けば・・・2013年、ワイン界のより大きな活性化を願いつつ、ワインラバーの皆さま、豪州ワインファンの皆さまと、ワインクイズが楽しめればとっても嬉しいです。
ワイン名の発表は産経EXの発刊日の10日、サイトにアップされ次第、お知らせします。
皆さまからのご応募、お待ちしております!

[ぴかぴか(新しい)]追記!
ワインオーストラリア日本事務所にツイートでご応募くださった皆さま、ありがとうございました!
厳選なる抽選の結果、3名様に日本未輸入ワインが当たりました。おめでとうございます!!!
詳しくは@apluswines_jpのツイートで!

ブログの続編もご覧ください


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2012年06月12日

 映画とワインの小粋な関係@米子セミナーからパワースポットの出雲大社まで

久しぶりの鳥取&島根でした。
6月5日に(社)日本ソムリエ協会中国支部の例会セミナー@ホテルサンルート米子があり、映画とワインの小粋な関係

というタイトルでお話をさせていただきました。

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セミナー会場に入ると、協会の岸本吉史鳥取地区長のご配慮が!
先月24日に行われたシャンパーニュのオフィシエ叙任式典

の画像を取り込んで、米子セミナーにご参加くださった皆さまにその旨、紹介してくださったのです。本当にありがとうございます!

2つの映画を対比しながら
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シャンパンを含む6アイテムを試飲しながらのワイン・レッスン

(左から供出順に)
第1フライト オペラも大事な要素!
#1:プリティ・ウーマン/モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアル
協賛:MHD ディアジオ モエ ヘネシー
イチゴとシャンパンのシーンに登場しています。アメリカ産のイチゴだと固くて苦みを感じますが、日本のとちおとめやあまおうならうまく合います。映画のオペラシーンは要チェックで、ここでは『椿姫』が使われています。椿姫は高級娼婦、ジュリア・ロバーツ演じるヴィヴィアンは売春婦なのですが、監督の意図は・・・。この映画の3年前に作られた『月の輝く夜に』にもオペラシーンがあり、面白い位に比較できます。今回それをしてみました。
モエ・エ・シャンドンはレストランの定番であり、モエグループは世界№1の輸出量を誇っています!

#2:月の輝く夜に/マム コルドン・ルージュ・ブリュット 
協賛:ペルノ・リカール・ジャパン
最初にハーフサイズが登場します。この時は「スプマンテ」と呼んでいました。フルートグラスにシャンパンを注いで角砂糖を1個入れて~ダブルバブル! シャンパンカクテルの出来上がりです。私の大好きな映画『カサブランカ』にもマムが登場しています、あの名セリフと一緒に! 軽快で爽快な味わいのシャンパンです

第2フライト 同メゾンの格違いのシャンパン登場
#3:ファースト・ワイン・クラブ/ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエ
協賛:エノテカ
仲良し4人組の大学卒業の日、祝杯用に選んだのはブリュット・プルミエ。学生なのでここでは紙コップでしたが、20年後のわけありの再会で、女優になったエリース(ゴールディ・ホーン)の家で乾杯したのはクリスタル、セレブ愛飲のシャンパンです! 2種のランク違いのシャンパンを使う監督には敬意を払います! ブリュット・プルミエは樽でストックしているリザーブ・ワインの使い方が絶妙、奥行きのあるシャンパンです

#4:ニキータ/テタンジェ ブリュット・レゼルヴ 
協賛:日本リカー
裏組織の暗殺者として新たな人生を歩むことになるニキータは女性としてのたしなみや武術の特訓を受けています。入所3年目の誕生日、上司のボブに誘われて初めて外出することに。そこで飲むのは力強さと繊細さを持ち合わせたテタンジェのミレジメ。後半、市井(しせい)の人として愛するマルコと生活しているニキータの新居に叔父さんと称してボブが訪問する場面には格違いのシャンパンと花が登場! 気軽に楽しめるブリュット・レゼルブが使われていました。

第3フライト 米・仏のピノ&試飲シーン
#5:肉体の悪魔/ポマール ドメーヌ・ロブレ・モノ Ier レ・ザルヴレ2008 
一部協賛:飯田
1947年の作品、36歳でこの世を去ったジェラール・フィリップが高校生役を演じています。切手のコレクションを売ってお金を手に入れたフランソワ(J・フィリップ)はマルトと食事に出かけます。そこで注文するのはポマール。年上のマルトは「ワインがコルクくさい」とクレームをつけて・・・。

原作にはこのシーンはありませんし、主人公にもフランソワという名前はついていませんが、古き良き時代のテイスティングシーンとワイン界を混乱させているコルク臭という言葉がこの映画に出ていること自体すごいです。当日のワインはコルク臭とは無縁の赤い果実を彷彿とさせる香りと旨味がたっぷりつまったポマールでした。

#6:サイドウェイ/ヒッチング・ポスト コルク・ダンサー PN サンタ・バーバラ・カウンティ2009 
協賛:ワイン・イン・スタイル
国語教師のマイケルと落ち目の役者ジャックが1週間の予定でサンタ・バーバラでワインツアーを楽しむストーリーで、実在のワイナリーやレストランが登場しています。全編ワイン満載ですが、今回はブエルトンにある『ピッチング・ポスト』にフォーカス。映画にはフラッグシップのハイライナーが出ています。セミナーではコルク・ダンサーを供出。凝縮感があり、果実味豊かなピノでした!

『月の輝く夜に』に出てくるロブマイヤーのシャンデリア
『月の輝く夜に』でアカデミー主演女優賞をゲットしたシェールの変身ぶりにはホント惚れ惚れします。この映画にはオペラ『ラ・ボエーム』が登場します。映画のアクセントになっているので、冒頭シーンから歌劇場でのオペラシーンに至るまでの組み立ては実に見事です!

ロレッタ(シェール)がロニー(ニコラス・ケイジ)と待ち合わせる場所は歌劇場の大噴水の前、その奥にきらびやかなシャンデリアが見えています。劇場内に入ったふたりの頭上で、また、オペラ開始前にもシャンデリアが大写しになります。

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メトロポリタン歌劇場のシャンデリアはロブマイヤーの4代目ハンス・ハラルト・ラートがアメリカからの要請を受けて作りました。制作当時は模型を作るための材料が思うように入手できず、苦労して見つけてきたのがジャガイモとスポーク(自転車の車輪の輪に向かって出ている放射状の棒)

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1966年に歌劇場に無事に納められたシャンデリア、本当にきらびやかです。
ジャガイモとスポークの模型のイメージ、おわかりになりますよね

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セミナー中の私の手の先にあるものは・・・

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オーストリアのロブマイヤー本店で見つけて、思わず購入してしまったイヤー・クリップ。これは歌劇場のシャンデリアをモデルにして作成されたものです。映画とワインにまつわる話題として、当日は身に着けて、お話させていただきました。私の基本Non Solo Vino ! (ワインだけじゃない! )の表現の1つです。ワインをベースにして映画のなかのオペラ、文化、芸術まで幅広い意味での楽しみ方ができれば最高だと思っています。

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セミナーでは皆さまからの感想等も伺いながら進めさせていただきました。

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セミナー後には会場後方にブースを設けての試飲コーナーがありました。ご協賛いただいた日本リカー様は試飲会場にもブースがあり、テタンジェの飾り付けをしていました。ワインクーラーのイラストはシャンパーニュ伯爵(チボー4世)です。テタンジェのプレスティージ『コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン』のボトルネックのラベルにもその姿は印字されていますね。
試飲ブースには、三国ワイン、飯田、フードライナー、サントリー各社様の出展がありました。

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講演が終わってからは女子会のノリになって(笑)
米子は美人が多いのですね、皆さま、本当にありがとうございました!

(社)日本ソムリエ協会中国支部の場合は、岡山県から枝廣副支部長、広島県から増山さんと内田さん、島根県から川中さんといった具合に、支部役員が近県から移動してセミナーをサポートしてくださいました。地元の岸本さんには機器の操作やカメラマン役もお願いしました。支部役員の皆さま、ありがとうございました。
お忙しい折にもかかわらず、セミナーにご参加くださいました皆さま、本当にありがとうございます!

『プース・キャフェ』の坪倉完洋さんには初版本を活用していただいているようで嬉しかったです。
〆のシャンパンを愉しませてくださった『ロコズ・バー』の原ひろこさん~感謝です。
またの再会を楽しみにしています!  皆さまにたくさんの感謝を込めて!


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posted by fumiko at 23:23| Comment(6) | TrackBack(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月30日

シャンパンで粋でおしゃれに『映画でワイン・レッスン』@自由が丘ワインスクール

10月は『映画でワイン・レッスン』するチャンスを2回いただきました。
18日は(社)日本ソムリエ協会関東支部支部主催@水戸で『幸せのレシピ』&『バベットの晩餐会』http://www.non-solo-vino.net/topics25.html

そして昨日29日は@自由が丘ワインスクールで大好きなシャンパンだけをテーマにした4作品を。自由が丘ワインスクールデビューです!

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講座前のお教室、白がベースなので清潔感がありますね。

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1998年に女性誌『エフ』で映画とワインの連載をスタートして、その後、単行本『おいしい映画でワイン・レッスン』を上梓、そして最新の『映画でワイン・レッスン』までの経緯をお話し、皆様には映画の主人公になっていただき、同時進行で、映画に出てくるシャンパンを楽しんでいただきました。

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左から
マム・コルドン・ルージュNV
モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアルNV
ボランジェ・スペシャル・キュヴェNV
ルイ・ロデレール・ブリュット・プリミエNV
ルイ・ロデレール クリスタル2004
クリスタルの2004年ヴィンテージは昨日初めていただきましたが、クリスタル本来の味わいを感じるのはあと2年くらい経ってからのほうがよさそうです。生地は相変わらず綺麗で秀逸、とっても若々しい印象でした。

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セミナー後、昨日サポートいただいたfumi友小林史高先生の愛弟子で私のツイ友神森真理子さんと

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昨日は大好きな映画『月の輝く夜に』も取り上げました。
この映画にはNYのメトロポリタン歌劇場が出てきます。劇場の名物、ロブマイヤーのシャンデリアもしっかり映っています。2005年、私はオーストリア訪問の合間を縫ってロブマイヤーのショップに行き、思わず目に留まった「イヤー・クリップ」を買ってしまったのですが、これがなんとメトロポリタン歌劇場のシャンデリアをベースにした作品だったのです。私の大事な宝ものなのです。昨日はこれをつけてレクチャーを。画像では耳元がよく見えませんけどね、ふふ。

お寒い中、拙講座にご参加くださった皆様に感謝です!
柳田由香校長!同級生の永野寿子先生、小林史高先生、そして『自由が丘ワインセラー事業部』まで車で送ってくださったムッシュ永野、大変お世話になりました!
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2010年10月11日

3つのお知らせ ~御礼、報告、お誘い~

【御礼】
10月18日(月)開催予定の(社)日本ソムリエ協会関東支部主催第5回例会@ホテル・テラス・ザ・ガーデン水戸での「映画の中のワインの秘密~おいしい映画と素敵なワイン~」 はおかげさまで定員に達しました!平日にもかかわらず、ご参加くださる皆さまに心から御礼申し上げます。

関東支部の橋本英明茨城地区長はじめ、勧誘にご尽力くださった清水委員、上田さん、石橋さん、長谷川さん、北さん、ありがとうございました!気合を入れて頑張りますので、ご期待ください。

【報告】
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1回目はランスにあるマムとレオナール・フジタを中心にして

産経新聞が発行しているタブロイド版SANKEI EXPRESS(EX)で、毎週木曜日、ワイン連載『ワインのこころ』を開始しました。ワインの豆知識、簡単コラムです。9月に訪問したシャンパーニュ&ブルゴーニュを中心にまとめています。

EXはオールカラーなので見て綺麗、読みやすいのが特徴。ルビ付き漢字や注目事柄の解説等の配慮があるので、20代~30代からも高い支持を受けています。料理の世界の有名人ケンタロウさんのページと見開きなので、ケンタロウさんの記事のついでにお立ち寄りください

【お誘い】
10月29日(金)19時~21時@自由が丘ワインスクールで開催する“シャンパンで粋におしゃれに「映画でワイン・レッスン」”にいらっしゃいませんか?
大好きな映画と大好きなシャンパンをテーマにして、新しい切り口のワイン世界を堪能していただくつもりです。

マム・コルドン・ルージュ、モエ・エ・シャンドン・ブリュット・アンペリアル、ボランジェ・スペシャル・キュヴェ、ルイ・ロデレール・ブリュット・プルミエ、そして極めつけ、クリスタル! 
これらのシャンパンだけでも、受講料7,980円はアンビリーバブルですよね

「ワインってなんだか難しそう」と感じている方たちにこそ、おいでいただきたいと思っています。よろしくお願いいたします!
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2010年09月29日

映画『約束の葡萄畑 ~あるワイン醸造家の物語~ 』は10月23日から全国順次ロードショー!!

ブルゴーニュ地方が舞台の『約束の葡萄畑 ~あるワイン醸造家の物語~ 』は来月23日からBunkamura ル・シネマを皮切りに全国で順次公開されます。
配給元である東北新社の『約束の葡萄畑』公式サイト
>>>http://www.yakusoku-wine.com/

原作者はニュージーランド(NZ)ウェリントン生まれのエリザベス・ノックス、監督も同じくウェリントン生まれのニキ・カーロ、主人公ソブラン・ジョドーの妻を演じているケイシャ・キャッスル=ヒューズ(豪州生まれ)も4歳からNZに移り住み、現在はカーロ監督と同じ街に住んでいるとのこと!

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©2009 Ascension Film Kortex Acajou Films 配給元:東北新社

NZではブルゴーニュ地方のぶどう畑を再現して収穫シーンも撮影しています。

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©2009 Ascension Film Kortex Acajou Films 配給元:東北新社

試写会で一番印象に残ったシーン!!
土地の権力者ヴリー伯爵没後、同家を継いだ伯爵の姪オーロラ・ド・ヴァルディー男爵夫人が、
醸造責任者になっているソブランからテイスティングのレッスンを受けているところです。
今まで外しまくっていたオーロラが五感でワインを感じ取るシーンはとても官能的でした。

ボルドーワインは知的で、ブルゴーニュは肉感的と表現されることが多いのですが、
ピノ・ノワールにその要素をすご~く感じます。

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マルク・シャガールの絵と同じ白い羽の天使を連想させるXas(ザス)
『ハンニバル・ライジング』で若き日のハンニバル・レクターを演じたギャスパー・ウリエル
顔にかかった血を舌でなめるハンニバル役とは対象的な天使役でした!!

原作『The Vintner's Luck』では、天使ザスと出逢う1808年の項「Vin bourru(new wine)」から、ソブランが死を迎える1863年の項「Vinifie(made into wine)」までの55年間(映画は30年)が描かれています。天使ザスの力を借りながらも至高のワインを造るために苦悩するソブラン、ザスとの愛にも似た感情の交差、ソブランの妻への愛や家族への思い、そしてソブランと男爵夫人との愛・・・。

試写会では、「天使ザスは主人公ソブランの中にいるもうひとりの分身かなぁ」と思っていたのですが、2009年にノックス女史が上梓した『The Angel's Cut』をチェックしてみると、ソブラン没後60年過ぎた1920年代を舞台に、再びザスが登場しているので、羽がなくなった天使は女史にとって小説上の大事なキャラクターなのですね。

カーロ監督はインタビューで天使について、「ソブランの魂であり、彼にインスピレーションを、同時に痛みも与えています。そして最後には心の平和に影響を与えています」と答えています。

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©2009 Ascension Film Kortex Acajou Films 配給元:東北新社

映画に、病害虫がぶどう畑に壊滅的なダメージを与え、そのため大事なぶどう樹を全て焼き払う、というシーンが出てきます。一番悪名高いのは“フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)”で、この虫は19世紀後半、欧州のぶどう畑を荒廃させました。

体長約1ミリのメスで腹部側に吸汁のための針をもち、ぶどうの葉や根を刺して樹液を吸う。根に寄生した虫に刺されると根はコブ状に腫れて腐り、ぶどう樹は5年くらいで枯死。防除はフィロキセラに抵抗性のあるアメリカ系台木を使った接木(出典:ワインの事典)

原作の最終章、エピローグにあたる1997年の項「Chateau Vully l'Ange du Cru Jodeau」で、ガイドがフィロキセラ禍について触れ、「このシャトーでは1870年代にアメリカ系台木で接木した」と説明する個所があるので、ノックス女史の時代考証は正しいです。
ただ、フィロキセラがフランス全土に広がり始めた1863年には主人公のソブランはすでに死去しているので、劇中出てきた病害虫の話がフィロキセラだとしたら時代的にズレが生じます。ここは映画用に作成したのでしょう。

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カーヴが撮影に使われたらしいシャトー・ド・ムルソー(2010年9月10日撮影)

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雰囲気あるたたずまい(2010年9月10日撮影)
9月初旬シャンパーニュ&ブルゴーニュ取材の帰路、シャトー・ド・ムルソーへ。
東北新社からロケーションリストをいただいていたので、同シャトーにアポを取り見学を予定していたのですが、オーナー会社であるパトリアッシュ社の担当と行き違いになり、勝手にカーヴと試飲をすることに~アララ~。

帰国後、輸入元経由で確認したところ、映画撮影をしたという記憶のある方がひとりもいなくて! 日本やNZなどでは「映画に使われた」というと結構大騒ぎになりますが、フランスはそのあたりの反応がとても静か、面白い対比です。

子供から大人までを対象にしたファンタジー色の強い作家エリザベス・ノックスが夢で見た情景をもとに書かれたという『The Vintner's Luck』、それを映画化した『約束の葡萄畑』を私は大人のメルヘンとして楽しませていただきました。
ワインがよりおいしくなる季節です。秋の夜長、“映画とワインの世界”で大いに遊んでくださ~い!!



インフォメーション
(社)日本ソムリエ協会関東支部第5回例会で開催する『映画とワイン』のご案内です!!
テーマ:映画の中のワインの秘密 ~おいしい映画と素敵なワイン~
講 師:青木冨美子 ワインジャーナリスト
日 時:2010年10月18日(月) 18時~21時30分
場 所:ホテル・テラス・ザ・ガーデン水戸 「City Club」
 茨城県水戸市宮町1-7 電話(029)300-2500
会 費:会員無料 賛助会員(3名まで)無料
問合せ
<出欠に関して> 同ソムリエ協会事務局 電話(03)3256-2020
<内容に関して> 関東支部茨城地区長 橋本英明 電話(029)262-3164

セミナー終了後の懇親会には茨城県の橋本知事もご出席くださるとのこと、とても光栄です!
いつも書いていますが、ひとりでも多くのワイン好きさんにご参加いただけましたら幸いです。
特に茨城県、水戸周辺の皆さま~!
映画は『幸せのレシピ』と、もう1本は当日までのお楽しみということで。
官能的なピノ・ノワールですか、ふふ、当然お出しいたします。
よろしくお願いいたします!
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2010年08月11日

公開間近!『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソン主演の『特攻野郎Aチーム The Movie』

8月20日から、“スカッと爽快な気分になれる”映画が公開されます。
映画の名は『特攻野郎Aチーム The Movie』、これは1980年代の人気TVドラマの映画化です。
TV放送をリアルタイムで観ていたメンバーが映画にかかわっており、またハリウッドらしい大掛かりなスケールの展開もあるので、エンターテイメント性十分な痛快活劇に仕上がっています。


[コピーライト]2010 Twentieth Century Fox

8月20日(金)よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
[コピーライト]2010 Twentieth Century Fox
■監督:ジョー・カーナハン ■製作総指揮:トニー・スコット ■製作:リドリー・スコット
■主演:リーアム・ニーソン、ブラッドリー・クーパー、クイントン・ランベイジ・ジャクソン、
シャルト・コプリー

Aチームのリーダー、ハンニバルを演じているのはリーアム・ニーソン。スティーブン・スピルバーグの記念すべきオスカー作品『シンドラーのリスト』のあのシンドラーです。1993年に公開されてから、すでに17年経過したのですね。今回の作品では沈着冷静、頭脳明晰、「作戦は奇をもってよしとすべし」をモットーに奇想天外な作戦を押し進めていくハンニバルを熱演していますが、素敵に年を重ねてきたニーソンにはぴったりの役柄でした。

そうそう、この映画にはワインではなくビール、バドワイザーが登場していますよ!
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2010年05月13日

第3回『映画とワインのマリアージュ』は美食画家ロートレックに迫ってみました!!

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3回目は美食画家 ロートレックの世界を五感で愉しむをテーマに行いました。

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会場はGINZAみつ和、いつもながら見事なテーブルセッティング、豪華なカサブランカ

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友人モーリス-ジョワイアンが1930年にまとめた『モモ氏の料理(モモはロートレックのペンネーム)』を改訂したレシピ本『ロートレックの料理法』から、料理を再現しました。

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川端清生シェフの付箋があるページは、「羊の野外丸焼き」、各ページにはユニークな挿絵が!

母が所有していたシャトー・マルロメ
ボルドーの南東、サンタンドレ・デュ・ボワに位置する歴史あるシャトー・マルロメ
14世紀、ベーアン伯爵ギロー・ド・タストによって建てられた城で、これが現在のシャトー・マルロメです。所有者の中には、あのアンリ・ド・トゥルーズ=ロートレックの母親アデール伯爵夫人の名もあります。1883年にシャトーを購入しています。モンマルトルで仲間と自由奔放に生きていたロートレックですが、母が所有するシャトーでは収穫の時期、農夫たちと一緒に汗を流す日々を送っていました。

2005年からEUROPMURSという不動産関連の企業グループがオーナーで、ディレクターはシャルル・トラヌエズ。その年の11月からは醸造コンサルタントとしてミシェル・ロランとアタナス・ファコレッリを迎えています。

今回の開催にあたり、輸入元(株)アルカンのWATANABEさんを介して、シャトーから情報をいただきました。画像協力もありがとうございます!

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シャトーの樽貯蔵庫にはロートレックの自画像が!
画像協力:シャトー・マルロメ

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シャトーのぶどう畑。カベルネ、メルロ、マルベックを栽培しています。
画像協力:シャトー・マルロメ

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ロートレックの部屋、ピンクがお好き?
画像協力:シャトー・マルロメ

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右の画像は『ムーラン・ルージュのラ・グリュ(1891年製作)』、ムーラン・ルージュの画家と呼ばれるようになった契機の作品。1998年ヴィンテージのラベルに使用されました。

左の画像は『客室番号54号の婦人』(または)『乗客』と題した作品で、1896年の『サロン・ドゥ・サン』の展覧会用ポスター。船旅が好きだったロートレックはある時、乗り合わせた女性に恋をします。声をかけることもできず、ただ見つめているだけ。彼はデッキチェアに座っている客室番号54号の彼女の姿を描くことに専念します。それがこの絵、シャトー・マルロメ1997のラベルに使われています。
画像協力:シャトー・マルロメ

ロートレック狂のDAN分析、実におもしろい
参加者の中に本業はデザイナー、副業はロートレック狂(笑)のDANさんがいました!
ワクワクするようなDAN分析、実におもしろい(容疑者Xの献身の福山雅治風に・笑)

「紺色の線は絵をさかさまにして見てください。うつぼのように見えます」というDAN指示に従い、画像を逆にしています。挿入ミスではありません~。念のため、右に正常な画も載せておきますね♪

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以下、DAN分析、ご覧ください。
* 体は「ハマグリ」
* 髪型は「サザエ」
* デッキチェアーの背もたれは「シロナガスクジラ」
* 手はまるで「イカ」のようですし・・・
* スカートは「タコ」
* 手すりはさしずめ「亀」の甲羅でしょうか?「魚」のオブジェ??
* 錨は「まぐろ」の尾にも見えます。
* 遠景の船は沈みそうなほどのシケ(海が荒れること)の中にあるのに
  この女性は何事も無かったかのようです・・・

声もかけられなかったロートレックの屈折した心境の表れ?
この解釈はどの解説本にも説明にも載っていないようです。
私の妄想でしょうか?  それともただの偶然でしょうか??

いえいえ、DANさん
いたずら心旺盛のロートレックならではのアイデア、私もそう思いますよ♪

「54が競売されています。拡大画像も見ることが出来ます。クリスティーズのアドレス載せておきました」と優しいDANさん! 皆さ~ん、拡大画像で遊んでみてください♪
http://www.christies.com/LotFinder/lot_details.aspx?intObjectID=5230826

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2010年04月03日

ジェフ・ブリッジスがアカデミー賞主演男優賞を手にした『クレイジー・ハート』は6月公開です!!

5度目のノミネートで待望のアカデミー主演男優賞の栄誉に輝いたジェフ・ブリッジス
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[コピーライト]2009 Twentieth Century Fox

かつては一世を風靡したこともある伝説のシンガーソングライターのバッド・ブレイク(J・ブリッジス)は、家族との関係修復もできず、人気者になっている愛弟子トミー・スウィート(コリン・ファレル)には嫉妬し、ウイスキーとタバコ漬けになりながらドサ回りを続けている欠点だらけの男である。50歳を過ぎた体は鈍(なま)り気味で恋には無縁かと思われたが、取材が縁で知り合ったシングルマザーのジーン・クラドック(M・ギレンホール)との出会いによって、ふたりはお互いの寂しさを埋め合うかのようにふれあいを求めて・・・

音楽に通じているブリッジスの歌声が何と言ってもイイんです! ライブシーンで魅せるトミーとの競演も素敵!!アカデミー主題歌賞「The Weary Kind」も取っていますし、ね。

IMG_4161 .JPG
[コピーライト]2009 Twentieth Century Fox
6月12日(土)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画

■スタッフ  
監督・脚本・製作:スコット・クーパー/製作:T・ボーン・バーネット、ロバート・デュバル/音楽:T・ボーン・バーネット
■キャスト  
ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュバル、コリン・ファレル

主人公がアルコール依存症という映画には、ジャック・レモンの『酒とバラの日々』やニコラス・ケイジが主演男優賞を取った『リービングラスベガス』などがあります。『クレージー・ハート』の主人公バッド・ブレイクも同じ病気なのですが、先の2作品との決定的な違いは、依存症を克服して人生の再生を描いたという点です。
この役は加齢したジェフ・ブリッジスだから出来たハマリ役、そう思って観た映画でした!

バッド・ブレイク愛飲のウイスキーは
当然のことながら、ウイスキーを飲むシーンが多く、ボトルや箱にも『McClureマクルーア』の名が!
「聞いたことがないなぁ~」と思いながら帰宅。日本で一番ウイスキーに詳しい洋酒研究家の福西英三先生に電話してみました。先生は「え~、マクルーア。聞いたことがないし、辞典でMからはじまる名前を調べているけどないね~。依存症という設定なので、実在しないウイスキーかも知れないよ。モルトウイスキーのトップであるマッカランをイメージさせる感じだけどね~」とおっしゃっていました。で・・・結果は、先生の答えがピンポ~ンでした!!!

後日、20世紀フォックスから届いた情報で次のようなことがわかりました。
ワイルドターキーやジャックダニエルのように名の通ったウイスキーはバッドのような依存症と関わりあいたくないということで、マクルーアという架空のウィスキーを作ったようです。納得できます。このマクルーアという名はディレクターのスコット・クーパーのミドルネームだったとか。


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2009年08月24日

秋にはナパに行こうかなぁ! ナパを舞台にした映画 『日本版 サイドウェイズ』

IMG_3213サイドウェイズ.jpg
左から上原大介(生瀬勝久)、斉藤道雄(小日向文世)、田中麻有子(鈴木京香)
ミナ・パーカー(菊地凛子) 


大介にテイスティング方法を指導する道雄
目に前にあるワインは'97にイラン人によって創設された『ダリオッシュ・シグネチャー』のカベルネ

サイドウェイズは10月31日(土)より有楽町スバル座ほか 全国ロードショー!
[コピーライト]2009 Twentieth Century Fox and Fuji Television
配給:20世紀フォックス映画


映画にワインが登場する場合、“キラリ”と光る小道具的な扱いが多いのですが、
主人公たち同様に存在感を示していたのが、2004年製作のアメリカ映画『サイドウェイ』

映画はカリフォルニア州セントラル・コーストのサンタ・バーバラを舞台にしたお話で、
作家への夢が捨て切れない中年の国語教師でワインを愛するダメ男マイルス
彼の大学時代の悪友で、逆玉結婚を1週間後に控えた落ち目の俳優ジャック
マイルスが思いを寄せるワイン好きの美人マヤ
ワイナリーで働くシングルマザーでマヤの友人ステファニー
という個性あふれる4人の男女が登場していました。

マイルスがピノ・ノワール好きという設定だったので劇中著名なピノも数多く登場し、
その影響もあって公開後にはサンタ・バーバラのピノが大ブレーク!
加えてオスカー脚本賞受賞という出来事もあり、話題になりました。

その映画をリメイクしたのが、冒頭の画像で紹介した日本版『サイドウェイズ』です。
舞台はカリフォルニア州ノース・コーストにある銘醸地ナパ(ピク二ックのシーンはソノマ)!
歴史あるワイナリーのベリンジャーはじめ、ダリオッシュ、ドメーヌ・シャンドン、カークランド・ランチ・ワイナリー、グロス・ヴィンヤーズ、ニュートン・ヴィンヤードetc、また麻有子が働いているワイナリーとして“蛙の風見鶏”がトレードマークのフロッグス・リープも出てきます。

役柄はマイルス=道雄、ジャック=大介、マヤ=麻有子、ステファニー=パーカーという具合なので、オリジナルを観た方はリメイク版との違いを比較しながら鑑賞すると面白いかも。

銀座『エコール・プランタン』の10月講座では「サイドウェイズ」を取り上げ、オリジナル版&リメイク版に登場するワインを味見しながらカリフォルニアワインを楽しむことにしています。「映画とワイン」に興味のある方は是非ともご参加ください。お待ちしていま~す。
そして・・・11月は、やっぱり映画の舞台になった大好きなナパに行こうかなぁ
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2009年06月07日

アンコールにお応えしての『バベットの晩餐会』再現ディナー、無事終了

アンコールにお応えして開催した『バベットの晩餐会』再現ディナーも無事終了しました。
今回も定員を上回るご参加(38名)をいただき、本当にありがたく思っております。


昨年12月18日のリポートは
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2008-12-31
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2009年02月06日

映画『ベンジャミン・バトン』

明日から話題の映画が公開されますね。
ワーナー映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
2009年2月7日(土)から『丸の内ピカデリー』ほか全国ロードショー

メイン Ben_Daisy 0131.JPG
(c)2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserve 画像転載厳禁

来月中旬発売の某雑誌に掲載する「映画とワインの素敵な関係(仮)」の原稿作業のため、先日『ベンジャミン・バトン』の試写を観たのですが、ワインの箇所・・・やっぱり、ありました! 
即、ワーナー・ブラザース・マーケティング本部からデータをお借りして、ただいま執筆作業をしています。雑誌が出たらブログでお知らせしますね♪

基本的に、映画とワインの原稿を書く場合、原作があれば必ず読むようにしているのですが、今回ほど、ギャップを感じたことはありません。原作者スコット・フィッツジェラルドの作品と、デビッド・フィンチャー監督の作品は似て非なりと思って接するほうが、双方を楽しめるかも。
167分間がとても短く感じるくらいフィンチャー監督が描く“数奇な人生”に浸っていた私ですが、『リバー・ランズ・スルー・イット』や『ジョー・ブラックによろしく』を彷彿とさせるキレイなブラピの登場には、思わずハッ!としたりして!
皆さんがこの映画にどのような印象を受けるのか、楽しみです。

原題:THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
全米公開:2008.12.19
監督:デビッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、タラジ・P・ヘンソン、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・フレミング、イライアス・コーティーズ

ワーナー・ブラザース映画オフィシャルサイト
http://www.warnerbros.jp
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2008年12月31日

2008年締めのブログは華やかに! 講師冥利のお仕事でした!!

今年はかねてからの念願だった『映画でワイン・レッスン』を再デビューさせることができました。それに関連する動きも活発です。その1つが過日アップした『ひとりバベットの味見』報告でしたが、予定通り12月18日に銀座『みつ和』で開催した“映画とワインの夕べ” 『バベットの晩餐会』本番も無事終了いたしました。

その報告を「細かく書いている時間がない~(汗)」とあせっていたところ、素晴らしい救世主が現れました! チーズ界の大御所本間るみ子先生です! 
本間さんには当日特別ゲストとしてご参加いただき、わかりやすいチーズ解説もしていただいたのですが、嬉しいことに『フェルミエ』発行のメル・マガ(658号)に当日の様子を書いてくださっていました!! https://shopping.fermier.fm/diary/diary.php

メル・マガを一読なさってから、メルシャンの斎藤富明氏が撮影してくださった画像をご覧いただければ、おいしい映画『バベットの晩餐会』の再現をご体感いただけるもの、と思っています。
では・・・
IMG_7509みつ和マダム開会の挨拶1.JPG川端シェフからの説明2.JPG
定員24名予定が、『バベットの晩餐会』信奉者が多かったこともあり、お席を広げ40名様の盛会になりました。川端総料理長は100年以上前の料理の文献を丁寧に調べ、臨んでくださいました!

IMG_7521スープ4.JPGIMG_7518デル・デューク3.JPG
“コンソメスープ”にはシェリーのアモンティリャード30年もの、ゴンザレス・ビアスの『デル・デューク』を。渾然一体の味わい、素晴らしいの一言につきます!!

IMG_7525キャビアブリニ6.JPGIMG_7523ヴーヴクリコNV5.JPG
“ロシア産キャビアのドミドフ風ブリニ”はイエロー・ラベルNVと合わせました。ドミドフ風とはネギのすりおろしを加えたものだそうです。続きを読む
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2008年12月06日

映画『バベットの晩餐会』のメニューを再現@銀座『みつ和』で!

『映画でワイン・レッスン』の著者として、願ってもない仕事冥利なチャンスをいただきました。
今月18日、銀座みつ和で、あの『バベットの晩餐会』のワインと料理を再現した素敵な一夜の案内役をするからです。

昨日は、ひとり“バベットの晩餐会”をしてきました。その訳は・・・当日ご参加いただく皆様に、最高のマリアージュを楽しんでいただくための“味見”の予行練習! 至福の時間でした!!
その“一食”のために腕をふるってくださったのは、『みつ和』の総料理長である川端清生氏です。
川端シェフと言えば、2003年度の『ボキューズ・ドール国際料理コンクール』の日本代表! この贅沢さをどう表現すれば良いのでしょうか!

その川端シェフですが、4日にフランス大使公邸で行なわれたシラ国際外食産業見本市2009に向けての決起集会にも、歴代のチャンピオンとして出席なさっていました。

IMG_7432フルメンバー1.JPG
2009年1月24日~28日の間、リヨンでは4つのコンクール『モンディアル・デゥ・パン国際コンクール』、『インターナショナル・カゼウス・アワード』、『クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー』&『ボキューズ・ドール国際料理コンクール』が行なわれます。日本はすべてにおいて上位入賞を狙う実力派揃いです。団長は『Hiramatsu』の平松シェフ。画像は平松氏を囲んだ歴代チャンピオンを含むフルメンバー。
『みつ和』の川端シェフは2列目右から5人目の方です!続きを読む
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2008年11月20日

『映画でワイン・レッスン』 partⅡ ~桐島先生からいただいた“援軍”という言葉~

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10月のSalone『Non Solo Vino』では、ご多忙なお時間を割いて講師役を引き受けてくださった桐島洋子先生。当日は先生から中味の濃いお話をたくさん伺うことができました。粋な女の生き方をしっかり学んだ私です。
その先生に、15日リリースしたばかりの拙著『映画でワイン・レッスン』を読んでいただきたくて、お届けしたところ、先生から温かな直筆の素敵なポストカードを頂戴しました! 感激です!!

嬉しい援軍.JPG
このなかで光っていたのが、“援軍”という言葉!
「(中略)カンバセーション・ピース満載という感じで、そろそろ始まるパーティの季節に絶好の援軍です」と。
嬉しいメッセージでした!
 
今日はフランスの新酒ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。先生が書いてくださったように、これから気のおけない仲間が集まってワインを楽しむシーンも増えてきます。
本書の中に登場する2作品、『タイタニック』は2009年1月24日~2月8日@東京国際フォーラムで。私の大好きな『月の輝く夜に』は今週の22日~29日@ル・テアトル銀座で上演されるとのこと。
『映画でワイン・レッスン』がワインラバー、シネマラバー、そして演劇ファンの皆様の “援軍”になれば、とっても素敵なことだと思っていま~す♪
関連記事:http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2008-11-10-1
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20081121gr04.htm
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2008年11月10日

『映画でワイン・レッスン』、よろしくお願いします!!

今月15日、新刊 『映画でワイン・レッスン』 をエイ出版からリリースします。
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これは絶版になっていた『おいしい映画でワイン・レッスン』を加筆、再編集したもので、
昨年春からホテルオークラの『ワインアカデミー』で、ワイン&映画の講座を担当したことがキッカケで、再デビューが叶った記念すべき書籍です。
ひとりでも多くのワイン好き、映画好きの皆さまに読んでいただきたいと思っています。

IMG_6763白.JPG続きを読む
posted by fumiko at 14:23| Comment(15) | TrackBack(0) | 映画でワイン・レッスン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする