2016年03月27日

昭和女子大オープンカレッジ閉校! 講師冥利のファイナル・レッスン!


fumi(23)の日のファイナル・レッスン!
今月31日で、さきがけ的存在だった昭和女子大学オープンカレッジが閉校に。私の講座も23日が最後になりました。

「最終回にはクリュッグを出してください」との声が多かったので、実現させましたが、当たり前は嫌いなので、今回はマグナムで用意しました。もう1本は希少シャンパンのアラン・ロベール。輸入元の(株)八田・城野社長にお願いして、特別供出していただきました。ヴィンテージは1990、思い入れのあるヴィンテージです。


クリュッグと比較したのはボランジェR.D.(Récemment Dégorgé/デゴルジュマンしたばかりの意味)2002。クリュックとボランジェは樽使いの双璧であり、007の最新『スペクター』にも登場しているアイテムなので、その話題性も含め、さらにはマグマムという贅沢さも加えて。

中央のレギュラ―サイズは、前座として登場させたタルランのトラデション・ブリュットNV。
輸入元の城野社長いわく「すごいスターたちが揃っているのだから、前座は必要だよ(笑)」ということで決定!

アラン・ロベールと比較したのは、長熟シャンパンの雄アンリオのアンシャンテルール1996(私の大好きなヴィンテージ)。アンリオはシャルドネを重視するメゾンであり、シャルドネだけのメゾン、アラン・ロベールの古酒との比較に興味がありました。


(左から
第1フライト 
#1:タルラン トラディション・ブリュットNV 750ml
生産者:タルラン(RM/輸入元:八田)
ぶどう品種:PN56% CH5%  PM39%/ドザージュ:6g/L 
デゴルジュマン:2014年2月
価格:オープン価格
輝きのあるイエロー、白い花、チョーク由来のミネラル、グレープフルーツや和風柑橘(イヨカン)、味わいにも柑橘果実(内側の白い皮)、ソフトなビター感、中盤から広がるきれいな酸味、バランスの取れたシャンパン

第2フライト

#2:ボランジェ アール・ディーR.D.1500ml
生産者:ボランジェ(NM/輸入元:アルカン)
ぶどう品種:PM60% CH40%/ドザージュ:3g/L
価格:80,000円(税別)
マダム・ボランジェが考案してリリースした1952年ヴィンテージから数えて24本目。通常はピノの比率が多いボランジェですが、2002年はシャルドネの出来が良かったので、60対40。フレッシュ感と同時に、口中にしばらく含んでから味わうとふくらみとまるみがより際立ち、そのあとに心地良い酸味。ナッツ、蜂蜜、エスニックノーズ、クリュッグはフェミニン、ボランジェは男性的な印象

#3:クリュッグ グランド・キュヴェ 1500ml
生産者:クリュッグ(NM/輸入元:MHDモエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:CH、PN、PM /ドザージュ:非公開
価格:59,000円(税別)
10の収穫年、約120種類のワインのなかから厳選(なかには15年を経たワインもあり)し、それらをブレンドしたマルチ・ヴィンテージ。グラス表面の泡沫は活発、フルーツゼリーやドライフルーツ、パンやへーゼルナッツ、アーモンド、品よくまとまった味わい

第3フライト

#4:アンリオ アンシャンテルール1996  1500ml
生産者:アンリオ(NM/輸入元:ファインズ)
ぶどう品種:CH50% PN50%/ドザージュ:10g/L
価格:59,000円(税別)
20歳を迎えたヴィンテージ、まだ若さを感じるイエロー、ピュアなミネラル感、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、ジンジャー、アンリオの神髄の〝酸〟はフレッシュ、(あと20年以上熟成可能)、旨味、長く続く余韻

#5:アラン・ロベール メニル・レゼルヴ(シャルドネ)1990  1500ml
生産者:アラン・ロベール(RM/輸入元:八田)
ぶどう品種:CH100%
特別供出:100,000円/現在在庫無
アラン・ロベールとの出会いは2006年に行った2006年度ベスト・ワン・シャンパン

で、超リッチなYUTAKAさんが1本提供してくださったことがきっかけ。16年の熟成を経たアラン・ロベールは手間暇かけた逸品で、きらりと光る存在でした。

そして2008年4月、大容量ボトルでの熟成を学習するために選んだのがポル・ロジェで、その時にトップ・キュヴェのサー・ウインストン・チャーチル1996と比べたのがアラン・ロベール・メニル・レゼルヴ1990。デゴルジュマン(澱引き)は2007年12月上旬でした。 注文を受けてからデゴルジュマンすることでシャンパンにフレッシュさを与え、また長期間澱と一緒にしておくことで複雑さと旨みを引き出す。この対極がアラン・ロベールの特徴、ボランジェR.D.と同じ考え方ですが、出荷するまでには1年以上の期間を取っています。

奇しくも8年経過して対面したアラン・ロベール。とにかく美味! 今まで多くのシャンパンを味わってきましたが、これは究極の1本だと思います、マイ・ベストです!
黄金色、香りは複雑、柑橘のグレープフルーツ、熟したカリン、熟成を経て生じるヘーゼルナッツやマッシュルーム、極上のシャルドネから感じる蜂蜜、ねっとりした黄桃のネクター、余韻も長く、後ろ髪惹かれました。
入手困難になってしまったので、飲むチャンスはなかなかないと思いますが、手に入ったら絶対に時間をかけて味わうべきシャンパンです。その時はハンドメイドのブルゴーニュグラスで!
講座生の満足そうな表情、アラン・ロベールに恋をして目が星になっている人もいました(笑)

特別参加の講座生から超スペシャルなロゼ・マグナム

#6:ルイナール ドン・ルイナール ロゼ1996  
生産者:ルイナール(NM/輸入元:MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:CH85%、PN15%、赤ワイン(ブージー)20%添加
私の最後の授業に、ということで資産家のMakiko女史が提供してくださったのが、大好きなルイナールの、それもドン・ルイナール・ロゼ1996!! 
何と言って良いやら、本当にありがとうございました!
提供者のスーパー才女は私の好きなヴィンテージ、尊敬するメゾン等、何もかも読まれている感じです。

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Photo by Fumiko (2015年11月撮影)
シャンパーニュ最古のクレイエール(シャンパンのセラーとして使われているローマ時代のチョークの採掘跡)を所有しているのがルイナールとシャルル・エドシックです。
ルイナールには地下25m、35m、40mの深さのカーヴがあり、長熟のドン・ルイナールは一番深いところで眠っています。

グラスに耳を近付けると、規則正しいリズムで泡のささやきが聞こえてきます。瓶熟の長さを感じさせる気泡は極めて繊細。舌の上に広がるシャンパンはワインに溶け込んでクリーミー。泡の存在が聴覚と味覚で異なる絶妙さです! ゴールドを含んだピンク、赤胴色。赤系果実や種の大きな果実(アプリコットや黄桃)、ブラッドオレンジ、ミネラル、タンニン由来のビター感、甘草のニュアンスも。ドン・ルイナールの傑作


メンバーのあたたかな気遣いに触れて

カレッジとの付き合いは、2001年秋期からでした。ワインの資格取得講座としてスタートして、2002年4月からワイン・レッスンのコースになりました。第1期生のよっしーは私の大切なワイン仲間になり、今期もご夫妻で参加してくれました。また、1期生のメンバーのひとりが毎回のワインリストとワインの画像を撮影し、プレゼントしてくれた2冊のファイルは大事な記念になっています。皆さんの温かさを実感したカレッジでした。


男性陣からはきれいな花束が!
『映画とワイン』の授業もありました。その時に参加してくださった、えめぞーさんとugeさんも今期参加してくれました。えめぞーさんの結婚式にも参列させていただき、Y家が約30年間保管していたテタンジェのナビュコドノゾ-ル(20本分)を抜栓して、ご相伴させていただく機会を得ました。

IMG
女子陣からはおいしいケーキのプレゼント!
シャンパン大好きな女子たちは、私の大いなる癒しでした。
NHK文化センター青山でも、よろしくです!


コアなメンバーと2次会で!

世田谷活性化の一環だったカレッジ、15年が過ぎました。いろいろなことがありましたが、ワインを生業にしていて、本当に良かったと思っています。
長い間、大変お世話になりました!

4月から、NHK文化センター青山校

で、〝オーダーメイドなシャンパン・レッスン〟をスタートさせます。おかげさまですでに満席状態ですが、10月の募集の折に、チェックいただけましたら幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。たくさんの感謝を込めて!
posted by fumiko at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月22日

冬期講座初回はシャンパーニュの熟成具合をチェック!

講座生からのリクエストにお応えして

昭和女子大学のオープンカレッジは、その道の先駆者的存在でしたが、3月閉校なので今期講座(1~3月)が最後です。〝オーダーメイド〟と形容している講座なので、皆さんからのリクエストはできるだけ反映させています。
昨年12月は「マグナム」ということで、大容量ボトル4本(上記画像)の競演になりました。すべてのボトルの状態はとても良く、果実、花、スパイス、ブリオッシュ、ロースト・・・etc、さまざまなニュアンスがあり、フレッシュで活き活きした酸を持ち合わせているシャンパンに、講座生は満足していました。


コルクの長さがダントツに長かったのが、ローラン・ペリエのグラン・シ、エクル。故ベルナール・ド・ノナンクール会長とシェフ・ド・カーブのミシェル・フォコネさんの徹底したこだわりを感じました。


1月のリクエストは熟成具合
デゴルジュマン(滓抜き)を明記してあるメゾンにフォーカスしました。


供出したのは9アイテム、左から順に#1から#9


3メゾンのシャンパンは丁寧さを感じさせるキュヴェ


コルクのしまり具合も良好

第1フライトはブルーノ・パイヤール
設立:1981年、ぶどう畑:32㌶、年間生産本数:約480,000本、輸入元:ミレジム

ブルーノ・パイヤールの新ラベル()は7月中旬くらいから日本市場に流通しています。
輸入元ミレジムさん情報では、「昨年5月29日に現地から連絡があり、オフィシャルになりました」とのことでした。

1975年に仲買人として独立したパイヤールさんは28歳でメゾンを興します。一家はぶどう栽培と仲買をしていたので、シャンパーニュ地方のことは熟知しており、どこに行けば最高のぶどうが穫れるかもわかっていました。そのパイヤールさんがシャンパンメゾンのオーナーになって実行したのが、デゴルジュマン表記です。

メゾンの顔NVに使うぶどう品種とドザージュ量はいつも同じ。ゆえにデゴルジュマンの年月をみれば、瓶内変化、熟成の変化を理解することができます。素晴らしいことです!

#1:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年5月
価格:6,500円(税別)
GF、レモンバーム、白い花、アーモンド、軽いビター感(柑橘果実の内側の白い皮を口にした時の印象)、フレッシュで、心地よい酸味

#2:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年2月
価格:6,500円(税別)
抜栓した時のコルク良好、その時点で香りが広がり、飲む前からインパクトあり。夏ミカン、熟したマンゴー、黄桃、スパイス(白胡椒)、ミネラル、3つのなかで最も酸味のキレが良く、今後の熟成の可能性にも期待(#1#2 はベースワインのヴィンテージが違う可能性あり)

#3:ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM)
品種:ピノ・ノワール45%、ムニエ22%、シャルドネ33%のブレンド
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2012年7月
価格:6,500円(税別)
#1に感じたビターさはワインに完全に溶け込み、口中なめらか。ナッツ、ビスケット、ハチミツ、ミネラル、旨味、酸もソフト、複雑味あり


昨年12月に倉庫にあるボトルのデゴルジュマンの年月を調べて頂き、上記3種を選択
3本並べて気が付いたこと、それは1つ目が年月の表示の仕方、2つ目がブリュット(12g/L以下)からエクストラ・ブリュット(0~6g/L)への記載変更でした。ブルーノ・パイヤールのドザージュ量は6g/Lだったので、ブリュットでもエクストラ・ブリュットでも、どちらの表記でも良いのですが、一応、規定通りです。

過去データをチェックして、パイヤールのドザージュ量が変わっていたことがわかりました。2011年の講座時は8~9g/L、これはブリュットの範囲内。新ラベル時から6g/L、エクストラ・ブリュットになったのですね。http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-04-18

第1フライトの3アイテムともきれいな麦わら色で気泡も細やか。個人的には滓抜きから3年以上経過した#3が好み。さえぎるものなしのバランスの良さは講座生からの受けも良かったです。


第2フライトはニコラ・マイヤール


創業:1753年、ぶどう畑:16㌶、年間生産本数:150,000本、輸入元:豊通食料
マイヤールさんは2012年の来日時、カレッジで特別講座

をしてくれました。自根の『レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ』は希少ワイン、見つけたら買いです!

#4:ニコラ・マイヤール プラティーヌ プルミエ・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2015年1月
価格:6,500円(税別)
第1フライトより濃いめの色調。繊細で持続性のある気泡、口中クリーミー、洋梨やかりん、凛とした酸

#5:ニコラ・マイヤール プラティーヌ プルミエ・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:8g/L、デゴルジュマン:2014年9月
価格:6,500円(税別)
色調はイエロー、香りは甘やか、ナッツやヴァニラ、栗やロースト、スパイス、上品な酸

リザーブワイン(樽でキープ)の使用率45%、MLFは行わないスタイル、4カ月違いのデゴルジュマンにもかかわらず、〝酸〟〝香り〟に熟成による変化が出ています。洗練されたシャンパン!


第3フライトはアグラパール


設立:1894年、ぶどう畑:12㌶、年間生産本数:約90,000本、輸入元:豊通食料
秀逸なブラン・ド・ブラン、また土着品種に取り組む注目の生産者

#6:アグラパール ブラン・ド・ブラン・テロワールNV
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L、デゴルジュマン:2015年6月(瓶詰2012年5月、2010年+2011年)
価格:9,500円(税別)
色調はイエロー、フレッシュで甘さを予感させる香り、かりん、ハチミツ、ミネラル、バランスのとれたスタイル

#7:アグラパール ブラン・ド・ブラン・テロワールNV 
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L、デゴルジュマン:2014年12月(瓶詰2011年5月、2009年+2010年)
価格:9,500円(税別)
細やかな気泡、シャルドネ由来の凝縮したハチミツ、焙煎コーヒー、旨味、ミネラル、和食に合わせて。世界のメディアから注目されているアグラパール、その味わいに魅了された講座生が多かったのは嬉しいことでした。


第4フライトはマイヤールのロゼ 
ピノもシャルドネもブージー産、1㌶の畑を所有。「以前はセニエ法で生産していましたが、味わいが鈍くなりがちで、エレガンスと安定感に欠けるので」という理由から、ブレンド法に変更しています。


#8:ニコラ・マイヤール ブリュット・ロゼ グラン・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:7g/L、デゴルジュマン:2015年1月
価格:7,500円(税別)
サーモンピンク、赤系果実(スグリ、ラズベリー)、ソフトな酸、ミネラル、若干のビター感、余韻に甘やかさ

#9:ニコラ・マイヤール ブリュット・ロゼ グラン・クリュNV
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:6g/L、デゴルジュマン:2014年1月
価格:7,500円(税別)
サーモンピンク+イエロー、香り閉じ気味、クリーミー、ロースト、果実のコンポート、#8で感じたビターさもワインに溶け込んでなめらか

今回のテイステイングで、デゴルジュマンして日が浅いボトルと年数を置いたボトルでは各要素の馴染み方に差があることがしっかりわかりました。

講座生の皆さん、2月&3月のレッスンも楽しみながらいたしましょう。
リクエストがありましたら、早めにご一報ください。
引き続き、よろしく、です。
posted by fumiko at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月12日

カウントダウンの気分になってきたカレッジのシャンパン講座

昭和女子大学オープンカレッジ(三軒茶屋)の講座も12月16日の回を終えると残り3回。冬期講座(2016年1月~3月)を残すのみとなりました。
お陰様で、今月4日に受付を開始した冬期分は早々に満席となり、定員超で実施することにしました。講座スタート当初に参加してくださった古参メンバーとも再会できそうです、懐かしいです!
アップが遅れていた10月、11月分のデータを載せておきます。

10月はクレマン・ド・ブルゴーニュも入れて

シャンパンは4メゾン、NVと上級アイテムを比較

第1フライト
#1:ドミニク・ローラン クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュットNV
生産者:ドミニク・ローラン(輸入元:山信商事)
ぶどう品種:アリゴテ、CH 、PN
ドザージュ:約4g/L
2010年に日本上陸したスパークリング。白桃や洋梨、ミネラル、穏やかな酸、フードフレンドリー


11月のボジョレ・ヌーヴォーの解禁日にオエノングループの試飲会場で魚介類と合わせて体験。ドミニク・ローランの樽使の上手さ、これは値頃感あり(3000円・税別)

#2:ポル・ロジェ ブリュット レゼルヴ
生産者:(NM/輸入元:ジェロボーム)
ぶどう品種:CH、PN、PM各3分の1
ドザージュ:8~9g/L
リザーヴワインの比率25%で、ベースのヴィンテージから〝3つ前の年までさかのぼったワイン〟をリザーヴワインに使用。香りは華やか、リンゴやグレープフルーツ、ミネラル、細く長く続く余韻。アペリティフ、和食や甲殻類に合わせて楽しめる万能タイプ!

第2フライト
#3:デュヴァル=ルロワ デザイン・パリNV
生産者:(NM/輸入元:ヴィレッジ・セラーズ)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、PM10%
ドザージュ:8g/L
お洒落なデザインボトル、親しみやすく、クリーミーな味わい。ムースや茶碗蒸しにお薦め!

#4:エドシック・モノポール シルヴァー・トップ ブリュト
生産者:(NM/輸入元:ヴランケン ポメリー・ジャパン)
ぶどう品種:PN70%、CH20%、PM10% 
ドザージュ:12g/L 
エドシックの本家、白い花や白桃、若干のビター感、シャンパンメゾンのなかでは多めのドザージュ量なので、低めの温度でサービスしたほうが全体にまとまる印象

#5:フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ・ブリュット
生産者:(NM/輸入元:富士インダストリーズ)
ぶどう品種:PN65%、CH30%、PM5%
デゴルジュマン:2015年1月
ドザージュ:8g/L
ミネラル、ハチミツやロースト、軽いビター感、中盤以降も舌の上に残る綺麗な酸、長い余韻

第3フライト
#6:エドシック・モノポール・ゴールドトップ2007
生産者:(NM/輸入元:ヴランケン ポメリー・ジャパン)
ぶどう品種:CH35%、PN35%、PM30%
ドザージュ:12g/ L
フレッシュさと熟成感の共存、ブリオッシュ、焙煎香、温度が上がった時のバランスが少し気になりました。

#7:フィリポナ グラン・ブラン ブリュット2006
生産者:(NM/輸入元:富士インダストリーズ)
ぶどう品種:CH100%  
デゴルジュマン:2014年10月
ドザージュ:4.25g/L 
深みのある黄色、気泡はワインに溶け込みクリーミー。アカシア、ヘーゼルナッツ、ドザージュ量少なめ。ぶどう本来の旨みや生地の良さを感じる味わい、熟成による変化&バランス良好

#8:デュヴァル=ルロワ ファム・ド・シャンパーニュGC2000
生産者:(NM/輸入元:ヴィレッジ・セラーズ)
ぶどう品種:PN5%、CH95%
ドザージュ:4.5g/L
デュヴァル・ルロワのトップ・キュヴェ。初リリースは1990年、続いて95年、96年、2000年(2012年から販売)。オーク樽で熟成したワイン(25%)をブレンド。樽由来の重厚感、エレガントでしなやかな


11月講座ではスペシャルなロゼ・シャンパン登場

第1フライト

#1:ビルカール・サルモン ブリュット ロゼ
生産者:ビルカール・サルモン(NM/輸入元:JAL)
ぶどう品種:CH50%、PN40%、PM10%
参考価格:12,000円(税別)
ブレンドによるロゼ、綺麗なサーモンピンク、溌剌とした酸、ミネラル感、バランスの良さは絶品

#2:ド・スーザ ブリュット ロゼ
生産者:ド・スーザ(RM/輸入元:中島董商店)
ぶどう品種:CH92%、PN8%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2012年4月20日
参考価格:8,800円(税別)
セニエによるロゼ、アセロラ色、樽香、ミネラル感、メリハリのある酸、タンニンの要素、存在感あるロゼ、#1は女性的、#2は男性的。
世界最優秀ソムリエのアンドレアス・ラーソンさんはこのロゼについて、「シャルドネの繊細さとピノ由来の赤い果実のアロマが表現されたシャンパン。脂分の多いマグロや大トロ、サーモンやウナギ等」と表現

第2フライト

講座生にも人気のキャップシュール

#3:ルイ・ロデレール ブリュット ヴィンテージ2008
生産者:ルイ・ロデレール(NM/輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:PN70%、CH30%
参考価格:10,000円(税別)
本来はロゼの予定だったアイテム(12月にロゼを供出予定
2008年の〝しっかりとした酸〟が骨格をなしているシャンパン、口中なめらか、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、余韻の長さ、冷蔵庫温度より少し高めにして!

#4:ペリエ ジュエ ベル エポック エディション オータム2005
生産者:ペリエ・ジュエ(NM/輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン)
ぶどう品種:CH43%、PN50%、PM5%
参考価格:50,000円(税別)
日本先行発売のロゼ! ベル エポックの新アイテムエディション オータム2005


ブレンドによるロゼ、オレンジを含む色調、秋の果物(柿、ザクロ、マロン)、ソフトな酸、#2に共通するタンニンも。複雑さと余韻の広がりが魅力

12月は4本のマグナムで

来週16日は、講座生からのリクエストを反映させ、供出するのはマグナム4本。大容量だけの特化は今までになかったことです。「ローラン・ぺリエのグラン・シエクルを」というリクエストも叶えました。2015年の素敵な〆にしたいと思っています。
講座生の皆さま、よろしくお願いします!

[本]新刊紹介
シャンパン仲間の扇谷まどかさんから、素敵な新書が届いたので紹介させていただきます。
12月8日刊の『2000円のワインでもソムリエと会話がはずむ本』です。
共著: 扇谷まどか / 手尾広遠
定価:1400円+税
発売元:(株)秀和システム
お薦めしたいポイントは3つ
■1月第1週から12月第5週までの〝今週のワイン〟は頼りになる助っ人
■ワインにまつわるウンチク、ストーリーは、ワインと友達になる一番の近道
■掲載ワインはプロの試飲あっての結果なので、何より安心
2000円のシャンパンはありませんが、本書には1000円台、2000円台のリーブナブルなアイテム満載。〝ワインを身近に〟、そのツールとしてお役立ていただければ幸いです!
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月01日

第一弾 粋な男にすすめたいシャルル・エドシック、その人生は〝シャンパン・チャーリー〟で!

十数年ぶりの日本上陸 シャルル・エドシック
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カレッジの夏期最後は9月1日に日本デビューしたシャルル・エドシック

にフォーカスしました。
9日にはシェフ・ド・カーブのシリル・ブランさんが来日、プレスランチでお目にかかれそうですし、11月にはメゾンを訪問予定なので、ワクワクしています。

3つのエドシック
シャンパン界には、エドシック・モノポール、パイパー・エドシック&シャルル・エドシックの3つのエドシックがあります。本家は1785年創業のモノポー・エドシック、1785年創業のパイパー・エドシックは分家、シャルル・エドシックは1851年にシャルル=カミーユ・エドシックと妻の弟エルネス・アンリオ(1976年に故ジョセフ・アンリオがシャルル・エドシックを買収しましたが、彼はエルネス・アンリオの子孫)が興しました。
2011年からパイパー・エドシックとシャルル・エドシックはフランスのラグジュアリーグランドの集合体EPIグループの傘下になっています。

パイパー・エドシックの醸造責任者であるレジス・カミュさんが2002年にシェフ・ド・カーヴに任命され、その後、2012年にティエリー・ロゼさんが後任者に。残念なことに昨年10月、彼が逝去したため、現在シリル・ブランさんがシェフ・ド・カーヴとして活躍中です。

9月30日のシャンパン講座は〝シャンパン・チャーリー〟の映像を横目で観ながら進めてみました。ちなみに、Charles は英語でチャールズ。アメリカではチャーリーの愛称で親しまれ、イギリスではシャンパン・チャーリーのタイトルのミュージカルが大人気になりました。

第1フライトではパイパーとシャルルの比較
.jpg
#1:シャルル・エドシック ブリュット・レゼルヴNV
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH、PN、PM 各3分の1
ドザージュ:11g/L 
価格:7,500円(税別)
シャルル・エドシックは60の区画、リザーヴワインは平均10年以上、それを40%使用、36か月以上の熟成、ドザージュ後は半年から1年休ませてから出荷が基本。時間を大事にしているメゾンです。何度か飲んで、ナッツやコンポートのニュアンスが特徴だと思いました。ミネラル、ハニー、中盤以降の酸の余韻、若干のビター感(温度の変化でビター感も溶け込んで変化)、程よいバランスの重厚感が魅力。ここまで書くと、「樽使用?」とお思いでしょうが、樽は使用していません。

#2:パイパー・エドシック エッセンシャル・ブリュットNV
生産者:パイパー・エドシック(NM/輸入元:レミー・コアントロー・ジャパン)
ぶどう品種:PN55~60%、PM20 ~25%、CH10~15 %
ドザージュ:7g/L
価格:6,000円(税別)
色調は#1より淡く、味わいはフレッシュで果実味豊か、特に柑橘系果実の要素を感じます。口中での広がりも余韻も#1と比べるとライトです。

講座生の好みは14対4(1名欠席)という結果になりました。いつも適切なコメントをしているシャンパン女史は「シャルル・エドシックは秋に飲みたいシャンパン」と表現。昨日の気候がチャーリーに味方したようです。

第2フライト&第3フライト
jpg.jpg
#3:シャルル・エドシック ブリュット・ヴィンテージ2005
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH50%、PN50%
ドザージュ:9g/L  
価格:12,000円(税別)
果実味、ミネラル、木の実のニュアンス、クリーミー、余韻に広がる酸味と旨味
気品があり、美味です!

#4:シャルル・エドシック ブラン・デ・ミレネール1995
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH100% 
ドザージュ:9g/L 
価格:24,000円(税別)

#5:シャルル・エドシック ロゼ・ヴィンテージ2006
生産者:シャルル・エドシック(NM/輸入元:日本リカー)
ぶどう品種:CH、PM、赤ワイン10%添加
ドザージュ:9g/L 
価格:13,000円(税別)
色調は綺麗なサーモンピンク、邪魔するものがなにもない素直で上品な味わい。講座の前日のメルシャン&日本リカーの合同試飲会でロゼNVを試飲しましたが、生地の綺麗さ&ぶどうの選択はヴィンテージのほうが数段上の印象。3500円違い(ロゼNVは9,500円)なら、私はヴィンテージ2006を薦めます!

[リボン]追記(2015年10月9日付):醸造責任者のシリル・ブランさんによると、2006年ヴィンテージは今年に春にリースしたばかり。これから2~3年後に、次のヴィンテージとして2005年をリリースするとのこと。

20年の時を経た1995年ヴィンテージ
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古酒の醍醐味、ココアやほっこりした栗(講座生の意見)、旨味、気泡はワインに溶け込み、口中クリーミー、いまだフレッシュさ(酸味)も備えているこだわりの1本。冷やし過ぎないで供出したいです。

時間を大事にしているアンリオのトップキュヴェ『アンシャンテルール』でも2000年、ブルーノ・パイヤールの『NPU』でも1999年。市場を見まわして1995年ヴィンテージが最新というのはシャルル・エドシックぐらいではないでしょうか。


ダンディーな男のためのシャンパーニュ
テレビ映画『シャンパン・チャーリー』から抜粋
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粋な紳士だったと言われているシャルル=カミーユ・エドシック
主役は彼がメゾンを興した年齢と同じ29歳の時のヒュー・グラントです。全編、華やかな衣装で、「チャーリーって、こんなにおしゃれだったんだ」と思うことしきり。シャンパーニュのぶどう畑や調合風景、カーブ内の温度があがり、二次発酵の気圧に耐えきれずにボトルが破損等、映画からシャンパーニュ地方の雰囲気を味わうことができます。


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映画の冒頭シーンです。1836年ロシア・サンクトペテルブルグの宮殿でニコライ一世に自らのシャンパンを献上したシャルル・アンリ・エドシック(シャルルの父)。ニコライ一世は部下にサーベルを所望し、チャーリーにボトルを高く掲げさせて、シャンパンサブラージュをします。ナポレオンの流儀を見たことがある皇帝はその作法を〝ロシアン・メソッド〟と呼んでいました。


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皇帝のサーベルはチャーリーの持つボトルの首元に見事タッチ
※映画にはいくつか時代考証が気になる箇所があります。これもその1つで、チャーリーの生まれは1822年なので映画が明記している1836年なら14歳。でも映画では6歳!

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アメリカでシャンパンのセールスに大成功しているチャーリー
紳士&淑女の前でシャンパンのお披露目をする彼はバトラー将軍のサーベルで〝ロシアン・メソッド〟。字幕なしですが、youtubeで〝Champagne Charles〟で検索すれば鑑賞できます。

さて、輸入元 日本リカーのシャルル・エドシックへの賛辞がコピーから伝わってきます。
ダンディーな男のためのシャンパーニュ

、これは味わえば誰もが納得、私もそう思います!

問合わせ先:日本リカー株式会社/ 03-5643-9770

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2015年08月03日

シャンパン編講座で実力発揮の英国産スパークリングワイン!

先週行ったシャンパン編講座
今まで何度か英国産スパークリングを取り上げていますが、品質向上、改めて実感しました!

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画像クリックで拡大




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夏期講座の初回は全部で10アイテム、4フライトにわけてブラインドテイスティング
(すべて瓶内二次発酵)
右端のコルクは・・・ポルトガルのお土産ワイン、特別供出!

第1フライト 
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#1:ベリーズ・ユナイテッド・キングダム キュヴェGC マイィ2005 
生産者:マイィ(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%  シャルドネ25%
輸入元:BB&R
シャンパンメゾン『マイィ』のBB&R向けラベル、雰囲気があってイイですね

#2:ラングロワ=シャトー クレマン・ド・ロワール レゼルヴ2007
生産者:ラングロワ=シャトー

 (フランス・ロワール)
ぶどう品種:シュナン・ブラン60%、シャルドネ20%、カベルネ・フラン20%
ドザージュ11g/L
輸入元:アルカン
ラングロワ=シャトーはシャンパンのボランジェ傘下です。ピュアでチャーミングな泡もの。
主要品種はロワールのシュナン・ブラン、グラスから色の違いを感じ取ることができます。
〝夏の夕暮れ、テラスで〟がピッタリ!

#3:ボッシェンダル グラン・クヴェ ブリュット2009
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資料提供:三国ワイン

生産者:ボッシェンダル(南アフリカ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール51%、シャルドネ49%
ドザージュ8g/L
輸入元:三国ワイン
参考商品(日本未輸入)
先日、三国ワイン主催で南アワインセミナーがありました。ワインメーカーはスパークリングと白ワイン担当のリゼル・ガーベルさん。シャンパーニュ地方で3年間醸造を学び、1995年から本国でワイン造りに関わっています。泡のスペシャリストであるリゼルさんが造ったグラン・クヴェ ブリュット2009は、アモリム・トロフィー(同じヴィンテージにおける南ア最高のスパークリングワイン)を受賞しています。テイスティング時、熟成のバランスがとても良かったので、同社にお願いして2本調達していただきました。

全てのフライトにシャンパンを入れています。難しいフライトだったと思います。この回(計19名)の結果は15、2、2。1929年に創業したマイィ(協同組合)の酒質は、とてもきれい。ミネラルも際立っています!
個人的には#3がもう少し伸びると思ったのですが、温度が上がってからの糖分のなじみ方にシャンパンとの違いが出た感じです。
9月中旬から南ア取材なので、現地の泡もの探究、しっかりしてきます!


第2フライト 
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#4:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン ブリュット2004
生産者:ドゥラモット(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:シャルドネ100%
輸入元:ラック・コーポレーション
2004年は今、飲んで美味しい泡、とてもエレガントです!

#5:ガズボーン・エステート ブラン・ド・ブラン2010

資料提供:BB&R

生産者:ガズボーン・エステート(英国・ケント州)
ぶどう品種:シャルドネ100%
輸入元:BB&R
価格:7800円(税込)
ケント州は地図下方、右側の大きなぶどうの位置にあります。ガズボーンは2010年にデビューヴィンテージの2006年をリリースしてすぐに高評価を得た英国のなかでも最もエキサイティングな生産者。サイモン・フィールドMWは「タルト・タタン、アーモンド、バターを塗ったトーストの風味を感じ、澱の上で熟成させたことが良いニュアンスを与えている」とコメントしています。3対15(1名早退で計18名)で英国産優位のフライトになりました。講座生からは「クッキー、複雑味、旨味」等のコメント

第3 フライト 
#6:ドラピエ ブリュット・ナチュール ピノ・ノワール
生産者:ドラピエ(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
輸入元:テラヴェール
安定した実力派ドラピエ、果実のニュアンス、ドライローズ、心地よい酸味、生地の良さ、味わいに厚みあり

#7:キャメル・ヴァリー ピノ・ノワール ブリュット
生産者:キャメル・ヴァリー(英国・コーンウォール州)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
輸入元:BB&R
価格:6380円(税込)
コーンウォール州は前掲の地図下方、左側の大きなぶどうの位置です。
1989年、元パイロットのボブ・リンドと妻アニーが8000本のぶどう樹を植樹したところからスタート。現在は2代目のサム・リンドがワイン醸造を担当、2008年のIWC、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードの金賞等、多くの受賞歴がその実力を証明!

このフライトは僅差、8対10!
シャンパンでは滅多にブレないラバーさんが、このフライトは完全に外していました。
キャメル・ヴァリー、恐るべし


第4 フライト 
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#8:ディエボルト・ヴァロワ ブリュット ロゼNV
生産者:ディエボロ・ヴァロワ(フランス・シャンパーニュ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール63% シャルドネ27%、ムニエ10%
ドザージュ:7g/ L
輸入元:豊通食料
一番新しいキュヴェ。ロゼ専用のベースワインにブジー産の赤ワインをブレンドしたロゼ。初リリースの2011年に米専門誌『ワイン&スピリッツ』で94点、Best Buyの高評価。キレの良い酸、ミネラル

#9:キンタ・ドス・ロケス ロゼ2010

資料提供:ワインズ・オブ・ポルトガル

生産者:キンタ・ドス・ロケス

(ポルトガル・ダン)
ぶどう品種:アルフロシェイロ・プレト65%、トウリガ・ナショナル35%
輸入元:木下インターナショナル
取材で出かけたポルトガルではスパークリング探究もできました。これはダンで高品質なワインを生産しているキンタ・ドス・ロケスの泡もの。色調はきわめて赤に近いロゼ、赤系果実たっぷり!

#10:ヴィクトリア・ロゼ リッジヴュー2009
生産者:リッジヴュー(英国・サセックス州)
ぶどう品種:ムニエ63% ピノ・ノワール37%
輸入元:BB&R
価格:4860円(税込)
英国のスパークリングの素晴らしさを知らしめたサセックス州!
リッジヴューは1994年創業、1996年以降、その実力は数々の国内外のメダルやトロフィーが証明しています。ピノ100%、セニエ法で醸造。オニオンスキン、柑橘系果実、ブリオッシュ

最後のフライトも英国産リッジヴューが15票を獲得して圧勝、価格的にも納得できます!


最後は赤ワインで〆IMG
ポルトガルのお気入りの赤ワインを講座生と共に楽しみました。
EUからの資金援助もあり、醸造所を新設して自社ラベルでのワイン造りをする生産者が増えています。『オルタ・オゾリオ・ワインズ』は2012年に市場デビュー。このワインは樹齢の古いポルトガルの固有品種(トウリガ・フランカ、トウリガ・ナショナル等)を使っています。今年のSakura Award でダブルゴールドを受賞


[黒ハート]information
シャンパーニュ騎士団OCC情報

からの情報
ここ1カ月、OCCからメールが頻繁に送られてきました。海外での叙任式リポートです。
7月中は、アメリカのサンフランシスコ、ロスアンゼルスへ。その後、アジアに移動してマカオ、香港。6月に欧州で行った式典は、1日の英国・旧王立海軍大学、6月6日のオーストリア・ウィーン大学、6月12日は北野武氏のランス・トー宮殿。ユネスコの世界遺産登録も載っています。騎士団の人徳者フィリップ・コートさんの訃報もありました。本日届いた上半期の行事ですべてがわかります。そして・・・下半期の予定をみると、11月27日は日本での叙任式、書いてありますね



2016年4月からNHK文化センター青山校でシャンパン講座を継続
昭和女子大学カレッジのサイトでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、カレッジの先駆者的存在だった同校は来年3月で閉校になります。私は2001年4月から講師をさせていただいておりますが、世田谷区の活性化の思いもあるので、寂しいです。
お蔭さまで講座生から人気の高い講座だったことから、カレッジ事務局の尽力で、4月からNHK文化センター青山校でシャンパン講座を継続することが正式に決まりました。

今は夏期! 
今後の募集は秋期と冬期の2回だけになりますので、閉校前に是非カレッジにいらしてください。
世田谷の活性化の為にも!
posted by fumiko at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月19日

特別講座『ウチ飲みワイン・レッスン』では11種のワインに7種の料理を合わせて

ウチ飲みワイン・レッスンで日本ワイン健闘
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4月8日、カレッジの特別講座で青木冨美子のウチ飲みワイン・レッスン

を行いました。
第2弾となる今回は料理研究家笹島ゆり

さんに協力してもらえることになったので、何回かの意見交換を重ね、メニューを完成させました。参加者の皆さんには料理とワインの相性診断を楽しんでいただけたと思っています。

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笹島ゆりさん作成オリジナル弁当
(左から時計回りに)
黒酢の酢豚、ソラマメとペコリーノのポルペッティーニ、絹サヤのパルミジャーノ・レッジャーノ和え (黒酢/レモン)、桜エビごはん(グリーンアスパラ添え)、焼き餃子、ポテト・サラダ、和風タラトゥイユ

皆さんからのアンケート結果を含めた当日の概要を16日付の産経EXワインのこころでウチ飲み講座で大好評 ロゼ&餃子

と題して紹介しました。

ワインの選択は各社の試飲会、生産者来日等で実際にテイスティングをして印象に残ったものを選んでいます。値ごろ感があっておいしいもの、注目すべきもの、ストーリー性のあるものが中心です。印はゆりさんセレクトワインです。

第1フライト 白ワインブラインド
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左から
#1:レ ロッシュ ノワール ミュスカデ・ セーヴル・エ・メーヌ シュール・リー2013/仏ロワール/ミュスカデ100%/輸入元:三国ワイン/販売価格1512円
三国ワインの試飲会で私の足を止めた1本。素直で飲みやすく、何より酵母由来の旨味があり、レモンや塩を使った料理(和食も)に合わせたいと思いました。同社の担当者から「2014年のロワールワインコンクールで金賞をゲットしています」と伺い、まさに今回のテーマに合うワインだと思い決めました。

#2:シャトー・メルシャン山梨勝沼甲州2013/日本・山梨県/甲州100%/輸入元:メルシャン/オープン価格(希望価格1580円+税)
4グラス中、一番淡く、透明に近い色調。瓶詰め直前まで貯蔵タンク中で滓(リー)と接触させ育成させているので、口中に含んでいるとじんわりと旨味が広がってきます。余韻に残る軽いビター感が「食事と合わせたい」という気持ちにさせてくれます。絹サヤとパルミジャーノ和えと絶妙の相性、和風ラタトゥイユや桜エビのご飯にも寄り添っておりました。焼鳥、お薦めします!

香港インターナショナルワイン&スピリッツコンペティションで金賞を獲得した優れもの。http://www.kirin.co.jp/company/news/2013/1121_02.html   
生駒元さんの写真は青木撮影です!

#3:シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2013/日本・長野県/ソーヴィニヨン・ブラン100%/輸入元:メルシャン/オープン価格(希望価格3000円+税)
日本が誇る長野県のマリコ・ヴィンヤード、そこで造られるソーヴィニヨン・ブラン(SB)はピュアできれい。私は過去何度かイベントで使わせていただいています。桜エビご飯に添えた「アスパラ」とSBの相性は◎、供出温度は冷蔵庫温度7~8度よりもうすこし高めで!
受賞歴は>>>http://www.chateaumercian.com/brand/award.html

#4:クズマーノ アンジンベ(I.G.T.)2013/伊シチリア/インソリア70%、CH30%/輸入元:フードライナー/販売価格2100円+税
白ワインの中で、唯一、樽使いのワイン。イタリアの固有品種インソリアが主体、白い花や白桃、ナッツのニュアンス、ほどよい口当たり

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第2フライト ロゼ
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#5:シャトー・デ・ヴァンティニエール コート・ド・プロヴァンス ロゼ2013/仏コート・デ・プロヴァンス/サンソー50%、グルナッシュ40%、シラー10%/輸入元:アズマコーポレーション/販売価格2480円+税
ポテンシャルがあり、マイベスト5に入るロゼ。3月のワインのこころで紀州の香山椒との相性を書きましたが、包容力があります。「ロゼは食事に合わない」とおっしゃる方に是非お試しいただきたい1本です。
「プロヴァンス・ロゼ2013」と紀州の香山椒
http://www.sankei.com/life/news/150319/lif1503190014-n1.html

#6:メディテラネ トリエンヌ ロゼ (ヴァン・ド・ペイ)2012/仏プロヴァンス/サンソー主体/輸入元:ラックコーポレーション/販売価格2160円
ワイン通垂涎の『ロマネ・コンティ』、そのオーナーのヴィレーヌさんとブルゴーニュのドメーヌ・デュジャックとのジョイントベンチャーで誕生した南仏のロゼ。古樹のサンソーから収穫したぶどうを主体にしたワインは安定した品質でロゼが得意でない方にも親しんでいただけるはずです。

#7:ロゼ・ド・ジスクール2013/仏ボルドー/CS、メルロ/輸入元:ファインズ/販売価格2160円
ジスクールは1330年代にさかのぼることができる歴史あるメドックのシャトーです。ロゼブームを作ったのは赤ワインの産地ボルドー。もともとは自家用に生産していたロゼ(少生産)を販売するようになったことがきっかけです。ボルドーの著名な生産者が造ることでも話題になりました。フレッシュな果実味と果皮や種由来のしっかりした味わいが魅力です。
 
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第3フライト 赤ワイン
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上から見ることで色の違いが判別しやすいです。右から2番目のピノ・ノワールが一番淡い色調

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赤ワインはボルドー品種とブルゴーニュ品種

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#8:レ・ロゾー サン・テミリオン セレクテッド・バイ・クリスチャン・ムエックス2012/仏サンテミリオン/メルロ、カベルネ・フラン/輸入元:エノテカ/販売価格2800円+税
3月に来日していたムエックスさんの取材で心に残った1本。右岸の名醸ワイン『ペトリュス』を育て上げた人物が普段自宅で飲んでいるのがこのレ・ロゾー。メルロの果実味、中盤から広がる酸味、樽由来のココア、ビターさ、Alcが13.5%という点も気に入りました。

#9:CHピュイグロー2011/仏コート・ド・ボルドー/メルロ60% カベルネ・フラン25%、CS10%、マルベック 5%/輸入元:モトックス/販売価格2600円+税
『ル・パン』のティエポン家が造るワイン、黒系果実の凝縮感とブレンドによる複雑味

#10:ノリア ピノ・ノワールサンジョコモ・ヴィンヤード2012/米国ソノマ・コースト/PN100%/輸入元:中川ワイン販売/販売価格5600円+税
カリフォルニアワインの試飲会、中川ワイン販売のブースで日本人醸造家中村倫久さんにご挨拶させていただきました。サンフランシスコのホテル日航に赴任し、現地でカリフォルニアワインに魅了された彼は醸造家を目指して退職。UCデービス校で学びながらナパのワイナリーで働き、卒業後は著名な醸造家のもとで多くを体験

中村さんの原点ともいえるワインはエシェゾー。「16年目、父の容体が悪化し、病院に駆けつけました。幸いなことに一命は取り留めたので、家族一同ホッとしました。その後、レストランで父の病状回復を祝い、ワインで祝杯をあげました。そのお店で飲んだエシェゾーがこころに深く残りました。ドメーヌやヴィンテージは覚えていませんが、そのエシェゾーの味わいがワインの原点です」とのお話を伺いました。
『ノリア(スペイン語で水車の意味)』、造りのコンセプトは日本食に合うワイン。アルコール度数は14.2%ですが、口中ではそれが気にならず、心に優しく浸透してくる味わい

#11:スタッグス リープ ワインセラーズハンズ・オブ・タイム2012/米国ナパ・ヴァレー/CS57% 、メルロ43%/輸入元:ファインズ/販売価格5800円+税
3月にファインズ主催の試飲会でスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ(SLWC)の醸造責任者マーカス・ノタロさんとお目にかかりました。私は同ワイナリーのトップキュヴェ『CASK23』が大好きなので、初めて『ハンズ・オブ・タイム』を味わい、SLWCスタイルを感じて嬉しくなりました。

SLWCは1976年のパリ対決で、赤ワインの第1位に輝いたワイナリー。世界を驚愕させたワイン界の出来事を参加者の皆さんに再確認でお伝えしたかったので、このワインを選びました。
SLWCの敷地内に2003年、歴代の栽培家、醸造家(ポール・ホブスやマイケル・シラッチ等)が集合、彼らによって作成されたのがハンズ・オブ・タイムで、ライムストーンの飾り板には彼らの手形が並んでいます。

その名を冠するワインは2008年に初めてリリースされ、2012年ヴィンテージ(VT)が5番目になります。今回初めて日本で紹介されました。プラムやダークチェリー、きめ細かいタンニンと口中に温かく広がる余韻、造りの丁寧さを感じます。

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この講座は募集開始1日で満席になりました。参加者の皆さんには熱心に聞いていただき、感謝しています。加えて、笹島ゆりさんのサポートがなければ成功しえなかった講座なので、改めてゆりさんに「ありがとう!」と言いたいです。
年内、もう1度アンコールで、ボルドー&ブルゴーニュ以外の品種も加え、開催したいと思っています。お心にお留めおきいただけると嬉しいです。
たくさんの感謝を込めて!!

posted by fumiko at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月26日

醸造家ジャン・フィリップ・ムーランさんが手掛ける2メゾンを探究

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冬期講座の最終回(3月18日)はジャン・フィリップ・ムーランさんのシャンパンに注目してみました。メインのメゾンはコート・デ・ブランに拠点を置くポール・グール(輸入元・オーバーシーズ)で、このメゾンはCM(生産共同組合)、組合員が栽培したぶどうでシャンパンを造り、組合のブランドとして出荷しています。
1876年ヴェルテュの村長だったポール・グールは同村を取り囲むぶどう畑に誇りを持ち、地元のワイン醸造家と親しく関わっていました。時を経て、1984年、ヴェルテュの精神を反映する彼に敬意を込め、ワイン醸造業者が自分たちのシャンパンにポール・グールと命名、メゾンが誕生します。自社畑は120㌶、シャルドネ85%、ピノ・ノワール15%の割合で、ぶどう畑の多くはヴェルテュにあります。2年前からサステイナブル農法も導入。ちなみにCMの最大手はニコラ・フィアット、ボーモン・ド・クレイエール、マイィなどが知られています。

ロゼはポール・グールとバロン・ド・ロートシルトを比較
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フルラインナップ、ロゼは2種でメゾン比較

第一フライトは基本的スタイル
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#1:ポール・グール ブリュット・レゼルヴ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH50%、PN50%/ドザージュ:8~9g/L 
価格:6,000円(税別)
ベージュ系の色調、グレープフルーツ、カリン、滑らかでクリーミー、素直で優しい印象
#2:ポール・グール ブラン・ド・ブラン 1er クリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH100% /ドザージュ:8~9g/L
価格:8,000円(税別)
レモンイエロー、白い花や柑橘系果実(ライム、レモン、グレープフルーツ)、切れがあり、中盤から酸の印象

第二フライトは第一フライトの上級クラス
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#3:ポール・グール ミレジム2005 1er クリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH100%/ドザージュ:7g/L
価格:10,000円(税別)
レモンイエロー、#2との共通項を感じる味わい、リンゴのコンフィ、ブリオッシュ、酸が強すぎず弱すぎのバランス〇、ミネラル、骨格があり、かつ滑らか
#4:ポール・グール キュヴェ・レディ2004 1er クリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH85%、PN15% /ドザージュ:7g/L 
価格:18,000円(税別)
熟成期間8年以上、黄金色、果物のコンフィ、ミネラル、ヘーゼルナッツ、気泡はワインに溶け込みクリーミー


キュヴェ・レディのコルク
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抜栓していてキュヴェ・レディで手が止まりました。ナチュラルコルクの中の圧搾コルク
トップ・キュヴェなのになぜ? DIAMの商標はなかったのですが、その可能性が高そう。ということで、醸造責任者ムーランさんに質問しています。お返事が届き次第、書き込みます。


第三フライトはロゼで
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#5:バロン・ド・ロスチャイルド ロゼNV
生産者:バロン・ド・ロスチャイルド(NM/輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:CH85%、PN12%、PM3% /ドザージュ:6 g/L
ベースワイン2009、熟成期間4年、赤ワインはヴェルズネイとヴェルテュ(古樹)
価格:10,000円(税別)


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昨年11月1日&2日に行われたVINEXPO NIPPONで来日していたジャン・フィリップ・ムーランさん。バロン・ド・ロスチャイルドのシェフ・ド・カーブ/ワインメーカーとして活躍しています。記念画像撮影時、ロゼを持ってくださったのは「日本の女性はロゼ・シャンパンがお好きなようなので」という理由から。
#5は赤ワインをブレンドして造るロゼ・シャンパン、赤ワインの添加量は15%、ベースワインは2009年VT、品種はシャルドネ85%、ピノ・ノワール12%、ピノ・ムニエ3%。シャルドネの比率高めで、生き生きした酸味を生かすため、熟成期間は4年。ドザージュは6g/L、ピノ・ノワールはヴェルズネイとヴェルテュ(古樹)。サーモンピンク色で.スグリやラズベリーのような赤い果実のニュアンス、ひとことで表現するならエレガント!

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3つの男爵家のジョイントベンチャーによって誕生した『バロン・ド・ロスチャイルド』
2003年、3家の構想からスタートし、2年かけて、ぶどうや施設の確保を行い、2007年に公式プロジェクトを発表、2009年に3アイテムのシャンパンがリリースされました。事務所はランス、醸造所はヴェルチュ(コート・デ・ブラン地区)にあります。シャンパンのスタイルは、シャルドネ高比率、ぶどうの大半はグラン・クリュ、一番搾りのみ、リザーヴワイン40%使用、ドザージュは5~7g/L、 デゴルジュマン後は6か月間休息、最低4年間の熟成後出荷を大事にしています。
 
#6:ポール・グール ブリュット・ロゼ 1erクリュ
生産者:ポール・グール
ぶどう品種:CH85%、PN15% /ドザージュ:8~9g/ L
価格:7,000円(税別)
同じ醸造家ながら、ポール・グールではピノ・ムニエは使わず、シャルドネとピノ・ノワールだけ。ヴェルテュの赤ワイン(PN)を15%ブレンドしています。熟成期間は36~42か月、サーモン色+オニオンスキン、キャンディやイチゴジャム、中盤以降広がるシャープな酸、ボリューム感、タンニン由来のビター感、ひとことで表現するとソバージュ

当日の参加は19名(1名欠)で、ロゼの好みは#5が11名、#6は8名でした。#6は食前酒より、メイン料理(肉系)のほうが良さそうです。
マイベストは#3の2006年ヴィンテージ、上品なシャルドネの質感があり、ハチミツやミネラル、エスニックなニュアンスも良かったです。
ポール・グールについてのお問い合わせはオーバーシーズまで ℡03-5779-7545
バロン・ド・ロスチャイルドはエノテカのサイト

で!

[黒ハート]カレッジの春期(4月~6月)シャンパン編講座で残2名募集中です。詳細は以下のURL

で!
追記(3月27日):ありがとうございました、満席になりました! より気合を入れて頑張ります!!
posted by fumiko at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月19日

シャンパン講座では容量違いのロゼ・シャンパンを交えながら

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今日は春節(旧正月)に合わせて水仙

昨日は盛りだくさんのイベントがあり、慌ただしい1日でしたが、私の〆は冬期シャンパン講座!
今回は容量違いと春を感じるロゼの比較をしました。
講座生の皆さんには重いボトルの醍醐味を味わっていただきました。

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左から供出順に
#1:ドラピエ カルト・ドール ブリュットNV(750ml)
生産者:ドラピエ(NM)/輸入元:テラヴェール
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ7%、ピノ・ムニエ3%
ドザージュ:9g/L
#2:ドラピエ カルト・ドール ブリュットNV (1500ml)
#1はフレッシュ、青リンゴや柑橘系果実、1本芯のある酸が特徴、口中まろやか、バランス良。#2は最初から香り華やか、ブリッシュやコンフィ、アカシア。泡の刺激は少なく、香りに熟成したニュアンスを感じさせながら味わいはフレッシュ。
ドラピエは値頃感があり、ブレないシャンパンだと思います。


#3:ドラピエ ブリュット・ナチュール・ロゼNV
生産者:ドラピエ(NM)/輸入元:テラヴェール
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
製法:セニエ
ドザージュ:0g/L
生地の綺麗さ(搾汁の丁寧さ)が印象的、ミネラル、ノン・ドゼでもドライ感はなく、#1に通じる芯のある酸
#4:ピオロ キュヴェ・ロゼNV
生産者:、ピオロ・ペール・エ・フィス

(RM)/アズマコーポレーション
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
製法:セニエ
ドザージュ:6g/L
ロゼで価格が4,880円は魅力、赤い果実たっぷり、ルンルン弾んでいる女子のイメージ!
#5:エグリ・ウーリエ グランクリュ・ロゼ ブリュットNV(750ml)
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/ヴァンパッション
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%
製法:ブレンド(赤ワイン5%)
ドザージュ:4~5g/L
#6:エグリ・ウーリエ グランクリュ・ロゼ ブリュットNV(1500ml)


#7:エグリ・ウーリエ タラフィア・ド・シャンパーニュ (700ml)
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)/サンリバティー
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
昨夜のように寒い日に飲むと癒されます

第1フライトは容量違い
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第1フライトではドラピエのカルト・ドールを容量違いで比較試飲

第2フライトではロゼ&マグナムボトルも入れて
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#3#4はコート・デ・バールの生産者、ともにピノ・ノワール100%

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微妙な色の違いは上から見るとわかりやすいです。
深みのあるロゼにオレンジ色を帯びた#3 、深みのあるロゼに赤色を含んだ#4
エグリ・ウーリエは玉葱の皮の色で、#6マグナムボトルのほうが若干色調淡め

エグリ・ウーリエを訪問した時、フランソワさんが語っていたシャンパン造りへのこだわり。新樽を使う理由や長い熟成期間等についてまとめてあります。
>>>http://www.asahi.com/food/column/champagne/TKY200906190298.html

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エグリ・ウーリエの裏ラベルにはデゴルジュマンの日付が記載されています。#5は2013年10月、#6は2012年7月、澱との接触時間の長さも確認できます。レギュラーサイズは市場での回転が早いので、マグナムと比べて味わいフレッシュ。両ボトルを比較することで〝樽のニュアンスの違い〟もわかります。大容量のほうが全体的に落ちついていて、温度変化で、香りにも味わいにも複雑味が出てくるところも素晴らしいです。

ドラピエ訪問時、デゴルジュマンを手でなさっていたミシェル社長の画像がありますので、ご参考までに。>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2010-09-16

第3フライトは酒精強化のラタフィア・ド・シャンパーニュ
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最後にお出ししたのは、エグリ・ウーリエのラタフィア・ド・シャンパーニュ
ぶどう果汁(PN100%)にアルコール(ブランデー)を添加した酒精強化ワインで、ブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方で造られています。2011年産がベースで2年間樽熟成させ、2014年に瓶詰。淡いオレンジ色、軽すぎず重すぎずの甘さと舌触り、酸味程よく、心地良い余韻。チーズ風味の焼菓子に合わせて、つかの間の小休止。ラタフィア・ド・シャンパーニュは食前酒として飲まれていますが、講座ではすべてのシャンパンを利き酒してから味わいました。


グラスの泡について
講座後、グラスの泡について質問がありましたので、以前書いた記事を抜粋しておきます。

ワインライター&翻訳家として活躍中の立花峰夫さんが上梓した『シャンパン 泡の科学』(白水社)に「シャンパンの泡の生成は、グラス内に付着している不純物、大雑把に言って紙や布からはがれ落ちた繊維がきっかけであり、こうした繊維は空気中を漂っているものがグラス中に入ってくることもあれば、洗浄後の拭きあげの際に付着することもある」という記述がありました。で・・・グラスの内壁に何も付着していない完璧にきれいなグラスならどうかというと、シャンパンの泡はたたないそうです。

本を書いたのはジェラール・リジェ=べレールさん。シャンパーニュ地方のランス大学で物理学を専攻している助教授で、泡に魅了された泡の研究者です。シャンパンの大手メゾン『モエ・エ・シャンドン』社の研究部門のコンサルタントもなさっていた方のようです。

リーデル・ジャパン(株)のチーフワイングラスエデュケーターの庄司大輔さんにシャンパングラスの泡立ちについて伺ってみました。 「グラス内側の表面に、ほこりやふきんの糸くずなどが残ってしまうと、その場所からも泡が立ってしまうので、全体として散漫な泡立ちになりやすいようです。ワイングラスメーカー各社のシャンパンフルートでは、その原理を逆手に取り、ボウルの底に傷をつけ、その傷からまとまった泡立ちを促進させる方法を取っています。弊社の場合、ヴィノム、ヴィノム・エクストリーム、オヴァチュア・シリーズなどがそうです。また、ボウルの底を鋭角にすぼめることで泡立ちを促進する方法、これは弊社のグレープ、ヴィティス・シリーズがそうなのですが、この2つの方法による泡立ちのコントロールが主流です」と

さらに、「 手作りグラスのソムリエシリーズの場合、フルートグラスには“傷”がないため、お客さまから、泡が立たないと言われることがあります。その際は、(1) ハンドメイドのため、あえて傷をつけていないこと、(2)上質なシャンパン用グラスのため、泡立ち以上に、ぶどう本来の味わいやシャンパーニュ特有の香り、味わいに集中していただくようにお話しています」と説明してくださいました。出典:asahi.com by Fumiko AOKI 2008年2月19日付

たかが泡、されど泡、です!
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2015年01月30日

ボワゼル180周年祝賀ディナー&シャンパン編冬期講座に供出したス・ボワ1990

1834年創業のシャンパンハウスボワゼル

は昨年180周年を迎えました。

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ス・ボワ1990、ボワゼルのシャンパン哲学のひとつが長い熟成期間

典型的な家族経営で、当主は5代目のマダム・エヴリーヌ・ロック=ボワゼル。記念ディナーは輸入元ピーロート・ジャパン主催で銀座エスキス

で行われました。レセプションで3アイテム、ディナーで5アイテムのシャンパンが登場、なかでもキュヴェ・ス・ボワ1990は圧倒的な存在感を示していました!

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B1のフロアにはセラーの写真やシャンパンが並べられ、マダム自らがウェルカムシャンパンのロゼをサービス。ブラン・ドゥ・ブランとブラン・ドゥ・ノワールも堪能できました。ちなみにボワゼルのセラーには創業当時のシャンパンが11本残っているとのこと、飲みたいです!

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親からメゾンを引き継いだ時、結婚したばかりで考古学専攻の学生だったというエヴリーヌさん。醸造やマーケティング等を学んでいくなかで、自分を突き動かしていたのはシャンパンへの強い情熱だったと語っていました。ご主人は地質学者の息子でぶどうの買い付けと醸造の監督を担当しています。

ボワゼルは、数年前に自社畑(7㌶)を購入しましたが、ぶどうに関しては長年の付き合いのある栽培農家に委ねています。使用するぶどうはプルミエクリュとグランクリュのみで徹底しています。

我が国との関わりは15年ほど前からで、マダムは日本文化や庭園、お茶に興味を惹かれているようです。お茶は玉露がお好きとか。180周年記念の喜びを述べた後、「エレガンス、フィネス、デリケートさに注目していますが、これらはすべてシャンパンに備わっています」とあいさつ

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エスキスのいつもながらの細かい気遣い

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ディナーではピーロート・ジャパン手配のアイシュを使用。ドイツのグラスメーカーです。

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本来のメニューは牡蠣と馬刺しのコンポジション、牡蠣が苦手な私はいくらバージョンで、ミレジメ2002(CH35%、PN55%、PM10%、ドザージュ8g/L)との相性をチェック
ミレジメはその年の個性とボワゼルのスタイルを表現した1本、スマートな酸味、種の大きな果実(桃や杏)、ブりオッシュ、ヘーゼルナッツのニュアンス、魚卵系と合わせても生臭さを感じさせない点が魅力

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鱈白子のブリュロン、ポワブルベール風味はジュワイヨ・ドゥ・フランス2000(CH40%、PN60%、ドザージュ7g/L)と合わせて
白子のとろける感触とシャンパンのクリーミーさがナイスバランス!

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伊勢海老のポッシェ、黒カルダモンのナージュは同社が誇るトップキュヴェ、ス・ボワ2000(CH40%、PN50%、PM10%、ドザージュ5g/L)と
醸造に古いシャンパーニュとブルゴーニュの205L樽を使うのがス・ボワの特徴。複雑味があり、時間経過で楽しさがより広がる1本

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ヴォースーラメールのロースト、白トリュフとセージのアンサンブルとス・ボワ1990(CH48%、PN52%、ドザージュ8g/L)
「樽を使うとシャルドネがよりクリアになり、その場合、グランクリュのシャルドネが最適です」とマダム。フレッシュでありながらリッチ、相反する魅力を備えているのがス・ボワ、コーヒーや焙煎香、アカシアの要素も。

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180周年を祝うにふさわしい贅沢ス・ボワ2000(右)と同1990(左)の比較試飲

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モワルーマルメロとババ、ヴェルジョワーズのアイスクリーム、オレンジのサバイヨンとジョワイヨ・ドゥ・フランス ロゼ2004(CH34%、PN64%、10%は赤ワインを添加、ドザージュ4.5g/L)
ドザージュ控えめなジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼの繊細な酸がオレンジのサバイヨンの酸とうまく絡み合い、デザート全体に甘さを見事にコントロールしていました。
料理とのマリアージュに関しては、エスキスのベカ シェフや若林ソムリエたちが事前にシャンパンを味見して、それに合う料理について意見交換をなさった由。その成果をしっかり感じました。素晴らしいです。

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リオネル・ベカ シェフ・エグゼクティブは「ス・ボワに驚きを感じました。エレガントでエキサイティング。このように複雑で深みのあるブリュットは今までになかったです」とコメント

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ディナーが終わった後のマダム・エグリーヌ、お疲れ様でした!

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(右からj順に)
ブリュット・ミレジメ2002、ジョワイヨ・ドゥ・フランス2000、キュヴェ・ス・ボワ2000、キュヴェ・ス・ボワ1990&ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2004


今年最初のシャンパン編講座はボワゼル
毎年、年初にはスペシャルなシャンパンを用意するようにしています。今回は講座生のためにス・ボワ1990を含む5アイテムを用意しました! 

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(左から順に)
ブラン・ドゥ・ブラン、ブラン・ドゥ・ノワール、ブリュット・ミレジメ1996、ジョワイヨ・ドゥ・フランス1996、キュヴェ・ス・ボワ1990

第1フライトは白ぶどうvs黒ぶどう
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#1:ブラン・ドゥ・ブランNV
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:8g/L
価格:10,800円(税込)/日本橋三越で購入可
コート・デ・ブランのグランクリュ3村、シュイィ(フラワリーさ)、メニル・シュル・オジェ(ミネラル)、クラマン(力強さとエレガンス)とプルミエクリュのヴェルテュ(果実味)を備えたシャルドネ100%のシャンパン、瓶熟4年、輝きのある黄金色、柑橘系果実、しっかりした酸の印象(ぶどうのポテンシャル)、軽いビター感、アペリティフに最適。#2のブラン・ドゥ・ノワールより色調が濃いのは熟成期間の違い(1年長い)

#2ボワゼル ブラン・ドゥ・ノワールNV
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8g/L
価格:9,720円(税込)/ディーン&デルーカ品川店で購入可
瓶熟3年、香り控えめ、気泡溌剌、口中で黒ぶどう由来の重厚さ、バランスが良く、余韻に酸の広がりと膨らみ、好感度◎

第2フライトはヴィンテージ比較
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#3:ブラン・ドゥ・ブラン・ミレジメ1996
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:8g/L
価格:11,470円(税込)/同社webで購入可
96VTのコレクターにお薦めしたいアイテム、酸化熟成のニュアンス、焙煎香が大いに魅力、アカシアやグリルしたアーモンド、エレガントな酸味、クリーミーな食感、口中に広がる旨味

#4:ジョワイヨ・ドゥ・フランス1996
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール60%
ドザージュ:7g/L
価格:16,900円(税込)/同社webで購入可
酸化熟成のニュアンス、綺麗なゴールデンイエロー、ミネラル、黄色系で種の大きな果実(黄桃、杏、カリン)、第2フライトのなかで一番重厚感あり、中盤から酸味の広がり(96の酸の高さ)、黒糖、コーヒー

#5:キュヴェ・ス・ボワ1990
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ48%、ピノ・ノワール52%
ドザージュ:8g/L
価格:39,960円(税込)
シャルドネはシュイィ、メニル・シュル・オジェ、ヴェルテュ。ピノ・ノワールはアイ、マイィ、マレイユ・シュル・アイのぶどうを使用。酸化熟成のニュアンス、気泡はワインに溶け込み、口中滑らか。香りは閉じ気味、時間の経過で複雑味が増し、余韻に広がる旨味。カラメル、マロングラッセ、ヘーゼルナッツ。フレッシュでありながら熟成感を備えた1本。例えると泡のない熟成した白ワイン!

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5アイテムの色調の違いがよくわかります。

今年初の講座で、20世紀の秀逸なヴィンテージ(VT)1996年の2アイテムと1990年VTを揃えることができて幸せでした。予算が許せばス・ボワの2000年VTも比べたかったです。シャンパンの古酒との出逢いは最高! 講座生も大満足でした。ピーロート・ジャパンのウィラハン麻未さんのご手配に改めて感謝します!
先ごろ同社のサイトが綺麗にリニューアルしました。
シャンパンだけでなく、ワイン全般を是非チェックなさってみてください。>>>http://www.pieroth.jp/
ラベル:ボワゼル
posted by fumiko at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月20日

今年最後のオーダーメイドのシャンパン編は講座生からのリクエスト反映編

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カレッジ・シャンパン編にご参加くださった講座生に一年間の感謝を込めて!!


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今月は講座生の皆さんからのリクエストをもとにアイテムを選びました!

第1フライト
シャンパンの基本3品種シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエをベースにした4アイテム
シャンパン以外、国産2アイテム、英国のスパークリング1アイテムのリクエストがあったので、その中から英国のナイティンバーを選びました。#1#2はピノ・ノワール主体だったことで、講座生の皆さんは色調の違いによる分析ができたようです。

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供出順は左から

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#1:アンリ・ジロー ブリュット・エスプリ
生産者:アンリ・ジロー(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
価格7,000円(税別)

#2:ガティノワ グラン・クリュ・アイ・トラディシオン・ブリュット
生産者:ガティノワ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
価格:6,300円(税別)

#3:ナイティンバー2008
生産者:ナイティンバー(英国)/ スパークリングワイン 
ぶどう品種:シャルドネ55%、ピノ・ノワール26%、ピノ・ムニエ19%
価格:5,000円(税別)
輸入元がエノテカさんになって初めての扱い。ボトルの首回りのラベルとキャップシュールの色(空色)が変わりました。このフライトで講座生に「好みのアイテム」を聞いたところ、23名中11名がナイティンバーに挙手! シャンパンラバーを完全に惑わすことができました。私としては「やったー」の感ありですが、その胸中は実は複雑(笑)

#4:ピエール・ミニョン ブリュット・プレスティージュ
生産者:ピエール・ミニョン(NM) 
ぶどう品種:ピノ・ムニエ55%、シャルドネ35%、ピノ・ノワール10%
ドザージュ:1.2g/L
価格:7,500円(税別)
リクエストにお応えしたアイテムで君嶋屋さんから納入。ミネラル感やブリオッシュ、ナッツのニュアンス。熟成香もあり、シャンパン本来の味わいを感じるシャンパン

第2フライト 
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#5:エグリ・ウーリエ プルミエ・クリュ・ヴィーニュ・ド・ヴリニィ・ブリュット
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100 %
価格:9,000円(税別)

#6:アグラパール コンプランテ エキストラ・ブリュット グラン・クリュ
生産者:アグラパール(RM)
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエの6品種(規定7品種のうち、ピノ・グリのみ未使用)
ドザージュ:5g/L
価格:10,000円(税別)

今回一番リクエストが多かったメゾンが『エグリ・ウーリエ』と『アグラパール』
前者はピノ・ムニエ100%、この品種を使ったアイテムではトップクラスだと思います。後者は輸入元・豊通食料さんに無理をお願いしました。シャンパンの規定7品種のうち、6品種を使ったアイテムです。講座生の半数以上が未体験だったので、豊通食料さんにはホント感謝です、ありがとうございました!

第3フライト 
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#7;マイィ ブリュット・ロゼ
生産者:マイィ(CM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドサージュ::8g/L
価格:7500円(税別)

#8:ルイナール・ロゼ
生産者:ルイナール(NM)
ぶどう品種:シャルドネ45%、ピノ・ノワール55%
価格:8,800円(税別)

講座生からのリクエストを反映した2アイテム。1929年創業のマイィと1729年創業のルイナール。奇しくも200年の差があるメゾン

マイィ、ルイナールともピノ・ムニエは使いません。前者はセニエ法で、サーモンピンクから玉ねぎの皮色、酸が綺麗、ミネラル感もあり、余韻も長め。後者は赤ワインをブレンドしたタイプで、アセロラの色調。以前より、赤味が少し強くなった気がします。タネの大きな太陽プラムやアプリコット等の酸を連想、バランスの取れた味わいでエレガント。果実のケーキに2種のロゼは良く合いました。クリスマスパーティーを予定なさっている方のヒントになれば幸いです。


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フルーツとシャンパンの相性を確認してもらいたかったので、今回は高野のケーキにしました。
教室にはたくさんの笑顔があったので、ご満足いただけたものと思っています。お疲れ様でした!

2015年も話題性のある素敵なシャンパンをご紹介してまいります。
引き続き、よろしくお願いします。


[黒ハート]来年の1月から始まる冬期講座の参加者募集中です。残数あと1名!!
2015年、カレッジ@三軒茶屋でお会いしましょう!! 
詳細はコチラ

で!
posted by fumiko at 23:23| Comment(4) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月15日

アカデミー賞公式シャンパン『ティエノー』と余韻の『ド・スーザ』を秋期講座で

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2014年も残りわずか。今年のシャンパン編講座は17日が最終日になるので、少し早目のクリスマス気分で〆たいと思っています。11月の講座では来日した『ティエノー』と『ド・スーザ』の2メゾンを利き比べました。
ティエノーは2年前の講座で初挑戦
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2012-10-19-1
ド・スーザのエリックさんとは5年振りの対面
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2009-11-16

まずティエノーの新アイテム2種をご紹介
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この日早朝東京に到着、翌日は大阪、その後、香港3日、シンガポール3日のハードスケジュール

ティエノーには今年の3月にお邪魔したのですが、10月に輸入元・髙島屋さんの招聘でオーナーのご子息、ティエノー・ボルドー・シャンパーニュ(グループ名)のゼネラルマネージャーのスタニスラスさんが来日、表参道の『モザイク』で再会できました!

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ウサギのパテ

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タラと海老のアメリケーヌソース

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新発売のクリスマス用クラシックロゼフラワーボトル(9,405円・税込)、限定360本
パテや甲殻類と合わせて、クリスマスのローストチキンもOK!

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もう1点、t コレクションの『キュベ・アラン・ティエノー1995』。セパージュはCH60%とPN40%のブレンド。本来は自宅消費用としてキープしていたもので、素晴らしい年だけ特別に供出。95年は500本のみ世界に向けてリリース。日本では限定160本を髙島屋さんで販売(27,000円・税込)。若さと複雑味を備えたシャンパン!

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白トリュフとジロール茸を添えたホロホロ鶏のローストと。
トリュフやジロール茸の土っぽさとの相性◎

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現地訪問では光栄にもティエノーの創業者アランさん(左)のご自宅にお招きいただきました。
お土産に持参したお海苔はスタニスラスさんお得意のお寿司作りで活用してもらえました!
[プレゼント]ティエノーのシャンパンは髙島屋さんのオンラインショップ

で購入できます!

カレッジ(11月)での第1フライト 
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左から順に
アカデミー賞公式シャンパン クラシック・ブリュット
#1:ティエノー クラシック・ブリュットNV
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:シャルドネ45%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ20%
リザーヴワイン:35% ドザージュ:7~8g/L
価格:7,020円(税込)

昨年2月24日にハリウッドで行われたアカデミー賞の授賞式で公式シャンパンとして披露されました。前年まではモエ社のシャンパンが使われていましたが、昨年からティエノー社のブランドカラー〝赤いラベル〟のブリュットにチェンジ。レセプションでは#1のブリュットが、授賞式後のパーティーではロゼとヴィンテージ2005年が振る舞われました。

昨年、今年と2年連続で使われているティエノーのシャンパン
ティエノー・ボルドー・シャンパーニュUSAのペルチュローヴィリュニューヴ・フランソワ代表取締役社長は「家庭的なメゾンであるティエノーが、映画芸術科学アカデミーの一流イベントに選ばれてとても光栄です。第85回(昨年)に参加したゲストたちから好評を得たことで、映画芸術科学アカデミーは我々のシャンパンを採用することに決めたのです」とコメントしています。
フランソワ社長はアカデミーのウルフギャング・パック シェフ(アカデミー賞授賞式後のパーティーのケータリング総責任者を歴任)と交流があることで、お声がかかったようです。丁寧に造られた感のあるティエノーはまさに〝百聞は一飲に如かず〟。料理界の巨匠ポール・ボキュースのコンテスト『ボキュースドール』でも使われているシャンパンなので、その質の良さは実証済み

〝余韻〟のド・スーザ、シャンパン造りの特色は
■繊細でミネラルのある土壌 
■生きた土壌を造り出すビオディナミ農法(1999年~) 
■深く根を張った高樹齢のぶどう樹
50年~70年の樹齢樹は地中深く根を伸ばし、結果、熟した質の高いぶどうを生産

#2:ド・スーザ ブリュット トラディションNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10% 
リザーヴワイン 2007年=70%、2006・2005年=30% ドザージュ:6~7g/L
価格:7,992円(税込)
ひとことで表現するなら〝伝統と調和〟4分の3以上が樹齢40年以上

#3:ド・スーザ ブリュット ロゼNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%   表記はないが2008年VT
ドザージュ:6~7g/L
価格:9,504円(税込)
ひとことで表現するなら〝フレッシュ感〟

#4:ティエノー クラシック・ロゼ フラワーボトルNV
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:シャルドネ35%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ20%
赤ワイン(アイ村)7%、リザーヴワイン:35% ドザージュ:7~8g/L
価格:9,504円(税込)
中身はティエノーの通常のロゼと同じセパージュ、ベースワインは2009年ヴィンテージ。アランさんの愛娘ギャランスさん(マーケティングディレクター)が桜などの和の花をイメージしてデザインしたアイスジャケット入りロゼ。高島屋オリジナル限定ボトル

カレッジ(11月)での第2フライト 
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左から順に
#5:ド・スーザ ブリュット・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
リザーヴワイン:2007=70%、2006&2005=30%(木樽でキープ)
ドザージュ:6~7g/L
価格:9,720円(税込)
ひとことで表現するなら〝ミネラリティと塩気〟

#6:ティエノー キュヴェ・スタニスラス2004
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:7~8g/L
価格:21,600円(税込)
スタニスラスさんの名がついたシャルドネ(クラマン、アヴィーズ、メニル、シュイイ)100%
黄金糖、ハチミツ、スモーキー、余韻は甘やかでエレガント

#7:・スーザ キュヴェ・デ・コダリー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
生産者:ド・スーザ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%(50~100年の古樹のぶどうのみ)
リザーヴワイン:1995~2004=50%、2005=50%
ドザージュ:3.5g/L
価格:16,200円(税込)
ミネラル、綺麗な酸味、口中滑らか、クリーミー、余韻を意味する〝コダリー〟らしさを発揮
ひとことで表現するなら、そのまま〝存在感のある余韻(コダリー)〟

#8:ティエノー キュヴェ・ガランス2002
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:7~8g/L
価格:21,600円(税込)
グラスの中央から連なる繊細な気泡、ふくよかでなめらか、スムース、バランスの良さ



最新情報 ド・スーザから2015年にデビューする『MYCORHIZE』
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ミクリーズを手にド・スーザの当主エリックさん(2014年11月4日来日)

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2015年にデビューするミクリーズは〝菌根〟の意味、ビオディナミ農法で造る生きた土壌の反映。複数のグランクリュの区画から穫れたシャルドネ100%、耕作は土に優しい馬を利用

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ド・スーザの裏ラベルにはデゴルジュマン(滓抜き)の年・月・日まで記載しています。通常、年・月まで表示するメゾンは見かけますが「日」まで書いているところはまだ少数
「デゴルジュマンをしてからボトルは1年休ませる」とエリック当主

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参考出品のキュヴェ・デ・コダリー ミレジメ・グラン・クリュ2005(左)と同2006

ともにドザージュ量は2~3g/L、熟成も期待できるヴィンテージ。その年に応じて生産される極希少品。2005年はまるみや柔らかさがある味わい。2006年は酸味に特徴があり、ミネラルやボデイあり。「シャンパンはワイングラスで飲んで! ピノ・ノワール型だと最後に残る香りが違います」とエリック当主

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11月の講座で供出したロゼNV(左)とキュヴェ・デ・コダリー・ロゼ グランクリュNV

コダリー・ロゼはシャルドネ90%(アヴィーズ)、ピノ・ノワール10%(アイ)、ヴァン・ド・レゼルヴは2004(CH)、2003(PN)、ドザージュ3~4g/L、価格25,929円(税込)、生産量は2000本、ひとことで言うなら〝要素と構成〟、コダリーの特徴である完熟したぶどう由来の凝縮感やミネラル感、酸味のニュアンス、まろやかでしっかりとした構成力あり

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ド・スーザのお問い合わせは株式会社中島董商店まで
〒106-0045 東京都港区麻布十番1-5-30 十番董友ビル4F
TEL  (03)3405-4222 


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2014年10月07日

シャンパン編講座で健闘したカリフォルニアのスパークリングワイン!

本日、ワインインスティテュート日本事務所主催の『カリフォルニアワイン グランド テイスティング in Tokyo』がありました。先月現地訪問した折にお目にかかった方々とも嬉しい再会ができました。10月はカリフォルニア取材のホットな情報をブログで紹介していきたいと思っています。

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まずは夏期講座の最終回(9月24日実施)で、カリフォルニアからお土産として買ってきたスパークリングワインと、シャンパンメゾンがカリフォルニアで生産している泡もの&本家のシャンパンを含む8アイテムをブラインドテイスティングしたので、その結果をお伝えします。


第1フライトは5アイテム

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#1:ドメーヌ・カーネロス  ブリュット・ヴィンテージ2009
生産者:ドメーヌ・カーネロス
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
価格:3,000円(税別)
1987年ナパヴァレーの南カーネロスにシャンパンメゾンのテタンジェが設立。本家と同じ品種、同じ製法(シャンパン製法)で生産。輝きがある、わずかにゴールドを帯びたイエロー、#2のシャンパンより色調濃いめ(日照度高い)。気泡は溶け込み、口中なめらか。シャルドネを重視するテタンジェらしい白い花のニュアンス、グレープフルーツ、ヘーゼルナッツ、アフターに軽いビター感と残糖感(温度経過で馴染む印象)、シャンパン好きの講座生が好んでいた1本


#2: テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール+ピノ・ムニエ60%、シャルドネ40%
価格:6,500円(税別)
1734年創業のシャンパンメゾン、色調や白い花のイメージは#1と類似。柑橘系果実(GF、レモン)やブリオッシュ、ミネラル感、#1よりドライでクリーンな酸味が印象的、バランス良


#3:レティシアNV 
生産者:レティシア
ぶどう品種:ピノ・ノワール55%、シャルドネ36%、ピノ・ブラン9%
価格:25ドル
セントラル・コースト、アロヨ・グランデ・ヴァレーAVA。1982年に最初のぶどうを植樹、CHやPN等のシャンパンの主要品種以外の規定品種ピノ・ブランを使用したタイプ。フレッシュで気泡も元気、華やかな香り、切れ味のよい酸味、アフターに若干のビター感、若々しいスパークリング


#4:ロデレール・エステート カルテット・ブリュットNV
生産者:ロデレール・エステート
ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
価格:3,500円(税別)
1981年にノース・コーストアンダーソンヴァレーのシャンパンマメゾンンの『ルイ・ロデレール』が設立。ドメーヌ・カーネロス同様、本家と同じ品種、同じ製法で生産。他のアイテムより、ロースト風味があり、フラワリーで香草のニュアンスも。気泡はソフトで味わいなめらか、余韻に残糖感

#5:ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール40%、シャルドネ40%、ピノ・ムニエ20%
価格:6,800円(税別)
新ラベル! 1776年創業のシャンパンメゾン、色調はイエローベージュ、気泡は第1フライト中、一番力強く元気。グレープフルーツやカリン、ミネラル、重厚感(リザーヴワイン由来)、香りと味わいのバランス良好

同日の第1フライトの一番人気は#3、これは素直に嬉しかったです、お土産の泡だったので(笑)


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日本未輸入の『レティシアNV』はサンフランシスコのダウンタウンにある『 ナパ・ヴァレー・ワイナリー・エクスチェンジ(NVWE)

で購入


第2フライトはブラン・ド・ブラン
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第2フライトは#6~ #8 (右から3番目から最右まで) の3アイテム
コルクの長さでも#4のロデレール・エステート(米)と#7のシュラムスバーグ(米)が健闘!


第2フライトはブラン・ド・ブラン
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#6:ドゥラモット ブラン・ド・ブラン2002
生産者:ドゥラモット(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
参考価格:10,000円(税別)
1760年の創業のシャンパンメゾン。泡立ちは静かで泡はワインに溶け込んでいる印象、見た目通り、口中滑らか、白カビチーズ、ハチミツ、ミネラル、軽いビター感

#7:シュラムスバーグ ブラン・ド・ブラン2011
生産者:シュラムスバーグ
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:4,700円(税別)
1862年ドイツ人のヤコブシュラムによって設立されたメゾン。2002年の訪問時、ワイナリーの歴史と先人の思いが伝わってくる人手によるカーブに感激。『1972年ニクソン&周恩来の会議』に供出され話題に。B de B にはNVとヴィンテージ物がありますが購入するならヴィンテージ物を!  柑橘系果実(GFやレモン)、ミネラル、バタートースト、バランス良

#8:テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン・ブリュット2004
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:22,000円(税別)
2934年。コルクが意外と短かかったことに今回気付いた次第。コルクのしぼみ方で瓶内の熟成具合が読み取れる状態で、微量な空気との接触で変化を重ねた印象、気泡は繊細、香りはドライアプリコット、ドライフラワー、ヘーゼルナッツ、ハチミツ、白コショウ、ハーブ等、複雑味があり、エレガントな酸の余韻

第2フライトでの講座生の人気度は#7#8が同率でトップ、カリフォルニアの泡もの、大健闘!


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クリーミーな食感のスパークリングはクリームチーズの滑らかさともよく合います


お陰様で秋期講座のシャンパン編も定員を超える参加となりました。ありがとうございます!

シャンパンメゾン『タルラン』からブノワ・タルラン次期当主が来日することになり、11月20日(木)に日比谷・松本楼で、ブノワさんとコラボをすることになりました。詳細は決まり次第、Twitterとfacebookでお知らせします。私の年内最後のシャンパンイベントになりますので、シャンパン好きの皆さまにご都合をつけていただけると嬉しいです。引き続き、よろしくお願いいたします。


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2014年08月27日

ブルーノ・パイヤールのトップキュヴェ『N.P.U.1999』は2020年が飲み頃!

シャンパンメゾン『ブルーノ・パイヤール』のオーナー、ブルーノ・パイヤールさんは尊敬する人のひとりです。その理由は2011年4月のシャンパン講座

にも書きましたが、彼が先駆けたデゴルジュマン表記によって、シャンパンの瓶内熟成の具合がとても理解しやすくなったからです。
今月はそのブルーノ・パイヤールのシャンパンを久々に取り上げました!

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供出アイテムは左から#1~#5

第1フライトはデゴルジュマン違い
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#1:ブルーノ・パイヤール ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM/輸入元:ミレジム)
ぶどう品種:PN45% CH33%  PM22%/ドザージュ:6g/L 
デゴルジュマン:2013年11月
価格:6,500円(税別)

#2:ブルーノ・パイヤール ブリュット・プルミエール・キュヴェNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM/輸入元:ミレジム)
ぶどう品種:PN45% CH33%  PM22%/ドザージュ:6g/L 
デゴルジュマン:2013年7月

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麦藁色とゴールドを含む色調の違い
#1はフレッシュで白い花、青リンゴ、GF、白カビ(カマンベール)、アンズ、ハーブ等の香り、若干の泡の刺激。溌剌さ、軽いビター感
#2は、より熟成したニュアンスがあり、ミネラル、ハチミツ、イースト、ブリオッシュ、熟した果実(マンゴー、無花果)等の香り、口中ではなめらかでクリーミー、酸はソフト

4ヶ月違いのデゴルジュマン(滓抜き)で、瓶内変化をどこまで感じ取れるか、とても興味あるものでした。同じ品種構成、同ドザージュ量のパイヤールでなければ、この微妙な変化はつかみとれません。
22名の講座生に「どちらが好み」か聞いてみたところ、#1は7名、#2は15名という結果でした。

第2 フライトではブラン・ド・ブラン比較
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#3:ブリュット・ブラン・ドゥ・ブラン レゼルヴェ・プリヴェ グラン・クリュNV
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM/輸入元:ミレジム)
ぶどう品種:CH100% /ドザージュ:5g/L 
デゴルジュマン:2012年11月
価格:10,000円(税別)
グランクリュ畑のシャルドネ(オジェ40%、メニル40%、残り20%がアヴィーズ、クラマン、シュイイ)、熟成期間はデゴルジュマン前4年、デゴルジュマン後1年。香りはレモン、GF、ビスケット、スモーク、ナッツ。石灰由来のキレの良い酸味、舌先に残る甘い食感、バランスが良く、余韻も長い

#4:ブリュット・ブラン・ドゥ・ブラン2004
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM/輸入元:ミレジム)
ぶどう品種:CH100% /ドザージュ:5g/L 
デゴルジュマン:2013年4月
価格:14,000円(税別)
アーティストラベルで2004年VTの作者は中国のチェン・ジアン・ホン。テーマは「子ども時代の夢」、生産本数13515本。鮮やかなゴールド、柑橘系果実、アーモンド、ブリオッシュ、黄金糖、白コショウ、ロースト香、口中で泡の感触なめらか、繊細さと重厚さを併せ持つ印象

第3フライトではN.P.U.1999
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#5:1999 N.P.U, /Nec Plus Ultra 
生産者:ブルーノ・パイヤール(NM/輸入元:ミレジム)
ぶどう品種:CH&PN 各50%(ブージー、ヴェルズネー、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェのGC)
ドザージュ:4g/L
デゴルジュマン:2012年1月
価格:33,500円(税別)

初ヴィンテージは1990、続く1995、1996、 そして1999は4番目のVT。第一次発酵は100%小樽で10ヶ月。2000年7月にベストな42樽(21樽はCH、21樽はPN)を選別し、ブレンド。第二次発酵は室温10.5度のセラーで。デゴルジュマン後の回復期間を含めて、12年以上の歳月をかけています。ドザージュ後1年間はセラーで安定させます。
生産本数は11508本(750ml)、508本(1500ml) すべてナンバリング記載

黄金色、気泡は持続性があり、きわめて繊細。圧巻のミネラル、カリン、ハチミツ、ドライフルーツ、トロピカルフルーツ、アーモンド、白コショウ等、時間の経過で変化するアロマ。講座生のグラスが早々とカラになる別格の味わい! ワインスペクテーター誌では93点評価、「2020年が飲み頃」との予想。

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ドライフルーツのニュアンスを感じたので、合わせてみました。期待通りのナイスマリアージュ

ブルーノ・パイヤールでは第一次発酵で20%樽、残りはステンレスタンクで醸造(N.P.U.を除くすべてのワインに関して)。またNVについては1985年~前年までのリザーヴワインを35~50%使用しています。
数が少ないN.P.U.ですが、もしゲットできたら、東京オリンピックの年までセラーで寝かせ、テレビで競技を観戦しながら味わうというのもイイと思います。

次回9月は講座生からのリクエストに応えてシャンパンセレクトを・・・ご期待ください!
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2014年08月19日

ボーモン・デ・クレイエールのピュアさの秘密はクール・ド・キュヴェ@ カレッジシャンパン講座

蒸し暑さが続く今の時期、泡ものは心を和ませてくれますね。
今月最終週に行うシャンパン編講座のアイテム決めも無事完了しました。
講座生皆さまは27日の講座を楽しみにしていてください!!

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過去のシャンパン講座リポートのアップが遅れてしまいご容赦 m(_ _)m

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CM(協同組合) のボーモン・デ・クレイエール

をメインにした回では、第3フライトで同メゾンのブラン・ド・ブランとアグラパールのブラン・ド・ブラン2種とを対比してみました。

第1フライト 
#1:ボーモン・グランド・レゼルヴ ブリュットNV
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(CM/輸入元:モトックス)
ぶどう品種:PM60% CH25%  PN15%/ドザージュ:9g/L 
価格:4,800円
柑橘系果実の風味やミネラル感にあふれたフルーティなシャンパン、ピュアで爽やか

#2:ボーモン・フルール・ド・プレスティージュ2004
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(同)
ぶどう品種:CH50% PN40% PM10%/ドザージュ:9g/L
価格:5,600円
繊細で持続性のある気泡、口中での泡の食感なめらか、ブリオッシュ、ヘーゼルナッツ、ミネラル

第1フライトの2グラス、左から順に#1#2、第2フライトの2グラス、左から3番目#3#4
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第2フライト
#3:ボーモン・フルール・ド・ムニエ ブリュット・ナチュール2008
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(同)
ぶどう品種:PM100%/ドザージュ:0g/L
価格:7,000円
華やかなアロマ、白桃やプラム等のタネの大きな果実のイメージ、ドザージュ0ながら、果実由来の甘味と2008年VTの特徴である酸味とのナイスバランス。ノン・ドゼが苦手な人でも楽しめるシャンパン ◎

#4:ボーモン・ノスタルジー2002
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(同)
ぶどう品種:CH65% PN30% PM5%/ドザージュ:8g/L 
価格:11,000円
前出3アイテムと異なる木のニュアンス、バター、ハチミツ、ビター感、中盤から広がる酸味

第3フライトではシャルドネ比較
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左から順に
#5:ブラン・ド・ブラン テロワール グラン・クリュNV
生産者:アグラパール(RM/輸入元:豊通食料)
ぶどう品種:CH100%/ドザージュ:5 g/L
価格:8,000円
GCのアヴィズ村、オジェ村、クラマン村、オワリィ村のCH。ミネラル感とエレガントな酸の調和、果実の凝縮感、長い余韻。

#6:ボーモン・ブラン・ド・ブラン ブリュット2004
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(CM/輸入元:モトックス)
ぶどう品種:CH100%/ドザージュ:9g/ L
価格:6,000円
白い花、蜜を含んだサンふじ、ピュアでスマートな酸、軽いビター感、中盤から果実の旨味

#7:ブラン・ド・ブラン ミネラル エクストラ・ブリュット グラン・クリュ2007
生産者:アグラパール(RM/輸入元:豊通食料)
ぶどう品種:CH100% /ドザージュ:5 g/ L
価格:14,000円
GCのアヴィズ村(ステンレスタンク醸造)とクラマン村(樽熟成)のブレンド。石灰由来の硬質で締まった味わい。ワイン名の通り、ミネラル感たっぷりのシャンパン。魅力的!


〝クール・ド・キュヴェ〟を育むメゾン
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モトックス本社での試飲会で最高醸造責任者のオリヴィエ・ピアッツァさんとお目にかかりました。
「クール・ド・キュヴェを使うことで、フレッシュでピュアなシャンパンができる」とオリヴィエさん

最大の特徴
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種と果皮の間にある最高の果汁(クール・ド・キュヴェ)こそ、ボーモン・デ・クレイエールのシャンパン造りの要。これは長年の研究により、同メゾンが開発した設備によってのみ得られる〝純度の高い果汁〟です。

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シャンパンの圧搾は時間をかけて羽のように軽く~ボーモン・デ・クレイエールでは一番搾りと呼ばれるテート・ド・キュヴェ(2050L)のうちの1025Lが〝クール・ド・キュヴェ〟

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次回のシャンパーニュ訪問で一番見たいのが、ハートのキュヴェを造るこの設備!
中央の画像にご注目ください。手前のバットの透明に近い色合いが〝クール・ド・キュヴェ〟
右の画像のグラスの色の違いにもご注目! 
同メゾンではすべてのラインナップにクール・ド・キュヴェを使っているそうです。
ボーモン・デ・クレイエールに共通する〝ピュアさ〟これがキーポイントですね!


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2014年05月17日

春期はべリー・ブラザーズ&ラッドとルラージュ・プジョーのブラン・ド・ブランから!

春期第1回目の講座は以前から気になっていた輸入元ベリー・ブラザーズ&ラッド(BB&R)

に注目、1698年にロンドンのセント・ジェームス街3番地に創業した歴史あるワイン商です。日本支社ができて今年で5年目になります。今回は同社扱いのシャンパンのなかからブラン・ド・ブランに特化してみました。

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4月の講座で供出した全アイテム

第1フライト
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#1:R&L ルグラ ブラン・ド・ブラン
生産者:R&L ルグラ(NM/輸入元:ベリー・ブラザーズ&ラッド BB&R)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:7g/L 
コート・デ・ブランのシュイイ村が拠点。パリ『トゥールダルジャン』のハウスシャンパンに選ばれたこともあるメゾン。外観は若々しい淡いイエロー、白い花、柑橘系果実、中盤以降、口中にソフトな酸味、チャーミングなシャンパン

#2ルラージュ・プジョー

ブラン・ド・ブラン
生産者:ルラージュ・プジョー(RM/輸入元:The Opener
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:7g/L
モンターニュ・ド・ランスのヴリニ村が拠点。ドミニク・ルラージュ’(夫)とドミニク・プジョー(妻)から命名したメゾン。30年以上の古樹のぶどうを使用。3グラスのなかで気泡の連なりが一番活発、透明感のあるイエロー、レモンやグレープフルーツ、豊かなミネラル感、アカシアのハチミツ、吟醸香似のアロマ、酸味の広がりと余韻に残る若干のビター感、リザ-ヴワインに由来する重厚感(20%程度使用)、第1フライトで一番人気。Sakura Wine Awardではゴールド受賞

#3:R&L ルグラ キュヴェ・プレジデンス ヴィエイユ・ヴィーニュ2004
生産者:R&L ルグラ
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L
シュイイの40年以上の古樹のぶどうを使用、第一香は控えめ、温度の変化で複雑味のある香りに。GF、カリン、ブリオッシュ、ミネラル、ハチミツ、エレガントなスタイル、長い余韻◎

第2フライト
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贅沢な2000年と1996年の比較試飲。サン・ヴァンサンの名はヴィニュロンの守護聖人に由来
#4:R&L ルグラ サン・ヴァンサン2000
生産者:R&L ルグラ
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:4g/L 
ゴールドを含むイエロー、若々しさと重厚さを併せもったシャンパン、柑橘系果実(レモンやGF)、ミネラル感、木樽の風味、ハチミツ、黄金糖、長い余韻

#5:R&L ルグラ キュヴェ・エクセプショネル サン・ヴァンサン1996
生産者:R&L ルグラ
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:4g/L
シュイイ村の古樹からのワインをセレクト。最高の年のみに生産したキュヴェ。46年間で生産したヴィンテージはわずか20で、1964年以降は、69年、71年、73年、76年、81年、83年、88年、90年、96年&2000年。ゴールドのカラー、古酒の醍醐味の焙煎香、ココアのニュアンが顕著、飲み手を誘い込む魅力的なアロマ、世紀のヴィンテージ1996の良さが楽しめる1本


第3フライトはビスキュイ・ド・シャンパーニュとロゼで
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#6:R&L ルグラ ロゼ
生産者:R&L ルグラ
ぶどう品種:シャルドネ85%、ピノ・ノワール15%(アイ&アンボネイ)
ドザージュ:7g/ L
シャンパーニュ土産のミニサイズのビスキュイに合わせてロゼを。美しいサーモンピンクにオレンジを含んだ色調、爽快な酸味とミネラルが口中に広がるビスキュイの甘やかさを洗い流す印象、このさっぱり感が好き!

ルラージュ・プジョー訪問から
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3月のシャンパーニュ訪問時、タルランの朝倉真名美さんの紹介でお邪魔することになったメゾン『ルラージュ・プジョー』。今春開催のSakura Wine Award でゴールドををゲットした話は聞いていたので、Awardの冊子を持参。ムッシュ・ドミニクとマダム・ドミニクさんの満面の笑みを撮影してみました

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祖父の代からのクラシック・カーで畑を案内してくださいました。ワイナリー・ドッグも一緒!
当主ドミニクさんは7代目、昨年から後継者であるご長男が参入し、長女も米国向けの販売をサポート

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自社畑9ha、4年前からオーガニック栽培に取り組み、2013年からビオディナミを導入
今年の冬は雪が降らなかったので、「土が水分を求めています」とドミニクさん

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ピノ・ムニエのヴァン・クレールを試飲。一番古い樹は1936年に植樹、ムニエへの想いは強い

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DIAM栓を昨秋から採用、今年2回目の使用になりますが、DIAMを使ったシャンパンは現在セラーで瓶熟中


ご夫妻は昨年のノエル・ア・ラ・モード@伊勢丹で初来日。輸入元The Openerの扇谷まどか代表がオーガナイズしたワインメーカーズディナーも好評だったようで、今秋の再来日を心待ちにしているご様子でした。素朴で純なお人柄、それがしっかりシャンパンに反映していると感じました。新世代のメゾン参入で勢いを増してきたルラージュ・プジョーのますますの飛躍を願っています!
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2014年04月26日

マスカット・ベーリーAに特化した第3弾『あっぱれ! 日本ワイン! 』

4月20日、新宿御苑@JIPさんで、カレッジの課外講座『あっぱれ! 日本ワイン!』を行いました。
同講座は2012年にスタートしたので3回目になります!
今回は日本の固有品種マスカット・ベーリーA (MBA)にフォーカスしてみました。

第一部 Muscat Baily A マスカット・ベーリーA
text by Maki Oka

3つのキーポイント
(1)「日本のぶどうとワインの父」川上善兵衛が生んだ交配品種のひとつ
(2)ベーリー(Bailey) × マスカット・ハンブルグ(Muscat Hamburg) から生まれた品種
(3)甲州に続いて、2013 年に O.I.V. に登録
International Organization of Vine and Wine(国際ブドウ・ワイン機構)

川上善兵衛は、新潟県高田の大地主の家に生まれましたが、貧しい農民たちのためにぶどう栽培とワイン醸造を始めました。私財を投げ打って畑を広げ、日本の気候風土に適したぶどう品種の開発を目指して、約1万種の交雑品種の中からマスカット・ベーリーAをはじめ22品種の優良品種を世に送り出しました。
ワインの醸造にも工夫をこらし、今日の日本のワインづくりの基盤をつくり、「日本のワインぶどうの父」と称されるようになったのです。

1890(明治23)年、弱冠22歳の善兵衛は、自家の庭園をこわして畑を作り、『岩の原葡萄園』を開設しました。1922(大正7)年からは10,311 種の交雑を実施しています。1926(大正11)年には、メンデルの遺伝法をぶどうに応用して、そしてついに、昭和2年、マスカット・ベーリーA他、優良品種を誕生させます。


第一部の講師は昨年からタッグを組ませていただいているコーディネーターの岡真木さん

今日、日本のぶどう収穫量は、年間約21万トン(農水省統計2006年度/ これ以降のデータは無)。第1位の巨峰は、川上善兵衛がアメリカから初輸入したキャンベル・アーリー(第5位)を使った改良品種で、第3位のピオーネは巨峰を使った掛け合わせであることを考えると、上位5位までのぶどう品種のうち4つは善兵衛と関係があることがわかります。


品種収穫量(t)/シェア(%)
巨峰/66,900/32
デラウエア/40,300/19
ピオーネ/23,000/11
マスカット・ベーリーA/11,700/6
キャンベル・アーリー/ 11,400/5
その他/56,500/27
計209,800/100
計113,000/54
出典:農林水産省時計 ぶどう品種別収穫量(2006年度)

ナイアガラを初めて輸入したのも善兵衛です。
現在、日本で収穫されているぶどうの約60種が、善兵衛と関わりがあります。日本のぶどう・ワインづくりにおいて、いかに川上善兵衛が重要な人物であるかがおわかりいただけると思います。

マスカット・ベーリーAの表記
O.I.V.でデータベースに登録されるのは「Muscat Bailey」という英文表記だけですが、日本国内で使用するSynonym(同意語・同義語の意味)として、4種の表記が申請されています。
マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A)
マスカット・ベイリーA(Muscat BaileyA)
マスカット・ベーリA  (Muscat Bailey A)
マスカット・ベリーA  (Muscat Bailey A)

上記の中でベリー(Berry)は明らかな誤記ですが、多くのワインの表記が〝ベリー〟になっていることと、混乱は避けるという意味で、この4つの表記が申請されています。しかし、今後は徐々に修正が行われていくものと考えます。

5種のマスカット・ベーリーAをブラインドで試飲
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#1:蔵王スター 赤 タケダワイナリー・山形
山形県産マスカット・ベリーA 100%の軽やかで清々しい酸味の効いた赤ワイン。赤い果実を思わせるチャーミングな香りと、引き締まった酸、穏やかなタンニンが爽やかで心地よく、ぶどう本来の味わいが楽しめます。

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ゆかりのおにぎりとピッタリ! ご飯にオリーブオイルとレモン果汁を効かせ、ゆかりを混ぜただけのシンプルなもの。赤ワインと一緒にご飯も食べられますね。

#2:深雪花 赤  岩の原葡萄園・新潟
マスカット・ベーリーAを主体にメルローやブラック・クイーンをわずかにブレンドした赤。果皮や種からの香味成分がしっかりと抽出されていて、樽に寝かせたことも相まって、やさしいふくらみのある味わいが楽しめます。ブレンドの良さがうまく表現された赤です。タンニンが穏やかで、丸みのある味わいなので、どんな料理にもよく合いますが、例えば、焼きアスパラや煮ゴボウ、タコとアボカド+特製ドレッシング掛けにイケますね。

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■チャーシュー /タコ糸で縛った豚肩ロースをベーリーA、醤油、蜂蜜、香味野菜で4時間煮込んだ一品 
■鴨フィレ肉の中華味噌和え/ローストして冷ました鴨フィレ肉をスライスし、サッと茹でたパプリカと中華味噌(甜麺醤、豆板醤、煮切った酒)で和えた一品
■焼きアスパラと煮ゴボウ/一度茹でたアスパラを香ばしくオリーブオイルでソテー。ゴボウはカツオ出汁に醤油を入れ炊いた一品
■牡蠣の山椒煮/牡蠣を醤油、酒、みりん、有馬山椒で煮たもの。人参は一番出汁に酒、塩で煮た一品 ←sorry~牡蠣がダメな私には代替え食材の帆立で(青木)
■タコとアボカド/大きめにカットしたボイルタコとアボカドを合わせ、オリジナルドレッシングで

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参加者を魅了した岡講師のオリジナルドレッシング(オリーブオイル、醤油、レモン汁、ワサビ)

#3:ヘリテージ 2011 岩の原葡萄園・新潟
樽の香りと複雑で奥深い香りが立ちあがってきます。何かが違うぞ!・・・と思わせるワインです。良く熟したぶどうを収穫できた年と聞いていますので、フレンチオークの新樽100%使用の15ヶ月熟成という条件にも負けずに存在感を醸し出しています。グラスの中で徐々に変化していく様子をみると、次第に風味の調和がとれ、全体がまとまってくるのがわかります。素性の良さとでもいうワインづくりの背景が伺えます。しっかりした味わいの牡蠣の山椒煮にも◎

#4:フジクレール マスカット・ベーリーA 樽熟成 2012 フジッコワイナリー・山梨
山梨県産マスカット・ベーリーAのワイン。ひとことで言えばバランスのとれたワイン。フレンチオークの小樽で熟成させていますが、樽が前面に出ずに、イチゴのようなかすかに甘い香りと、樽の要素がバランスよく溶け合って飲みやすいワインに仕上がっています。鴨フィレ肉と楽しめました。

#5:シャンテ Y・A ますかっと・ベリーA Y3 キューブ 2011 ダイヤモンド酒造・山梨
つくり手の熱い気持ちが感じられるワイン。とにかく、ぶどうの可能性に賭けていることは、2軒の契約農家のぶどうのみしか使わないことからもわかります。Y3キューブは、醸造家の雨宮吉男さんと、契約栽培農家のふたりの名前に“Yが付く事から、Y3と命名。力と複雑さも兼ね備えているので、じっくり煮込んだチャーシューと楽しめました。

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お陰様で定員を超える参加がありましたが、そのなかには東京農大の応用生物科学部醸造科学科の東和男講師もいらっしゃいました。ワインに関するご意見も伺うことができました、光栄です!
ちなみに先生は農大オープンカレッジの食育講座

でご活躍中です。ご興味のあるかたは是非チェックなさってくださいませ。

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甲州でもマスカット・ベーリーAでも、日本のぶどう栽培・ワインづくりを間近に見て学べることは、自然の世界と本当のワインづくりを改めて見直す良い機会になるのではないでしょうか。
あっぱれ!日本ワイン!

第一部のワインに関しましては、岩の原葡萄園の坂田敏社長からヘリテージをご協賛いただきました。貴重なアイテムをありがとうございました。岡 真木



第二部 Sparkling Wine 泡の世界
text by Fumiko Aoki

ワインの分類
(1)スティルワイン(非発泡性ワイン)      例:赤、白、ロゼ
(2)スパークリングワイン(発泡性ワイン)    例:シャンパン、カバ
(3)フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン) 例:シェリー、ポート
(4)フレーバードワイン(香付けワイン)     例:ベルモット、サングリア

また、スパークリングワインは製法によって以下のように分類できます。
(1)瓶内二次発酵(シャンパン方式)
(2)キュヴェ・クローズ(シャルマ)法
(3)炭酸ガス注入法

甘辛表示
(1)エクストラ・ブリュット 0~6g/リットル
(2)ブリュット        12g/リットル以下
(3)エクストラ・ドライ   12~17g/リットル
(4)セック          17~32g/リットル
(5)ドミ・セック       32~50g/リットル
(6)ドゥー          50g~/リットル
※ 3g/L以下、あるいは全く加糖をしていないワインには〝ブリュット・ナチュール〟〝ドザージュ・ゼロ〟の表示ができます。

泡部門は全部で7アイテム用意しました。
参加者の皆さんには第一部でMBAの特徴を十分にご理解いただいたので、即、MBA100%の2アイテムを供出。スティルワインの時と比べて泡があることで印象がどう違うかを確かめながらテイスティングしました。

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第一フライト
2011年に岩の原葡萄園を訪問しましたが、解説してくださった坂田社長の熱い語りはとても強烈で思わず目がウルウル。その時のリポートは上・下2回にわけ、ワインのこころに載せました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111208/trd11120814160013-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111215/trd11121514410015-n1.htm

#1:穂坂のあわ ロゼ2012 シャトー・メルシャン(山梨)
製法:炭酸ガス注入方式/品種:マスカット・ベリーA 100%
炭酸ガス注入タイプ。メルシャンでは「あわ」シリーズ完成までに様々なトライアルを行ってきました。世界の主要なスパークリング(シャンパン含)を集め、泡を取り去って、ベースとなる原酒を分析。いかに〝泡持ちの良いスパークリング〟を造るか徹底研究してきました。その成果が出ている『穂坂のあわ』
ベリー系の果実味にあふれ、クリーミーで心地良い食感があります。程よい酸味と香草のニュアンスがハーブのマリネに良く合いますし、青系野菜のアスパラガスとの相性は◎

#2:岩の原スパークリングワインロゼ マスカット・ベーリーA 岩の原葡萄園(新潟)
製法・瓶内ニ次発酵(シャンパン方式)/品種:マスカット・ベーリーA 100%
岩の原葡萄園のMBAは水分が少なく羊羹状の果肉に特徴があり、それが山梨のMBAの溌剌とした若々しい印象とはひと味違う大人びた風情になっています。きめ細かいタンニン(渋み)があり、それがあることで、料理も連想できます。口中に残る脂分を洗い流してくれるので、鰯のバリティーヌにも合いますし、日本的な凛とした酸味はがんもどきとプティトマトのピクルスにも合わせて楽しめました。

第二フライト
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#3:ロゼサクラ にごりスパークリング フジッコワイナリー(山梨)
製法・瓶内ニ次発酵(シャンパン方式)/品種:甲州 94%、シャルドネ+ベリーA+アリカント6%
ロゼ色はベリーAを2~3%使用

皆さんを笑顔にさせたサーモンピンクの可愛い泡、サイズはハーフ(375ml/1143円)です。
開栓前は透明なピンク色、王冠を開けるとボトル内の八重桜が瓶の口もとに上がってきます。あらら・・・ワインも白濁しています。

フジッコワイナリーの独自の技術によって誕生したワイン。発酵を途中でストップさせ、瞬間熱湯処理させることで甘口状態をキープしています。シャンパン方式の泡ものですが、瞬間熱湯は世界でも同ワイナリーだけのオリジナル製法。白濁が起きたのは瓶底にあった澱(酵母の死骸)が開栓(瓶内のガス圧により)で舞い上がったものです。視覚的(色の変化やきれいさ)&味覚的魅力で会場を賑わせていました。


第三フライト
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ここでは日本ワイン2本とスペインとフランス(ロワール)産各1本ずつの計4本を比較試飲

ブラインド供出は以下の順
#4:スパークリング今様2013 マンズワイン(山梨)
製法:キュヴェ・クローズ(シャルマ)方式/品種:山梨県産甲州73%、岩手県産ヤマブドウ27%
辰巳琢郎さんプロデュ―スのワインです。2012年の3月11日に新発売した泡もので、今年で3回目のリリース。これは2次発酵を大きなタンクで行うシャルマ法。古来より自生しているヤマブドウとシルクロードを経由して日本にたどり着いた甲州に思いを馳せながら、私がリクエストさせていただいた〝サーモンと菜の花のロール〟と合わせて。隠し味に使った和からしが良き仲介役をしていました。


#5:セグラヴューダス ブルート・ロゼ(スペイン)
製法・瓶内ニ次発酵(シャンパン方式)/品種:トレパット90%、ガルナッチャ10%
スペインのカバ、シャンパンと同じ製法です。トレパットはロゼ・カバに使用が認められており、ワインに果実味や新鮮さ、アロマや繊細さを与えます。一方のガルナッチャはロゼに深みのある味わいをもたらしています。#4の今様を飲んで、ベリー系果実の香りが口中から鼻孔にかけて残っているときに、#5を味わうと、爽快なミネラル感が口中に残ったベリー系果実の香りを払しょくしてくれる爽快感あり。料理全般との相性良。

#6:安心院(あじむ)スパークリングワイン ロゼ 安心院葡萄酒工房(大分)
製法・瓶内ニ次発酵(シャンパン方式)/品種:安心院産カベルネ・ソーヴィニヨン72%、安心院産メルロー28%
安心院と書いてAzimu(あじむ)です。同ワイナリーの泡との出合いは山梨で行われた国産ワインコンクールの公開テイスティング会場でした。ブリュットが金賞を受賞した2~3年前の話ですが、それ以降、安心院さんの泡はコスパも良いので、私のなかで、「日本産スパークリングのベスト1」になっています。ドザージュ量は公表していませんが、ブリュット既定の範囲内。日本的な清楚な酸がイイ感じです。脂分が残る料理に合わせていただくと口中をきれいに洗い流してくれる泡です。食中酒向けのロゼ・スパークリングと言えます。

#7:ラングロワ クレマン・ド・ロワール ロゼ ブリュット(フランス)
製法・瓶内ニ次発酵(シャンパン方式)/品種:カベルネ・フラン100%
世界遺産ロワール地方の歴史あるワイナリー、ラングロワ・シャトーはシャンパンメゾンの名門『ボランジェ』の傘下。赤系果実をイメージさせるロゼで、中盤以降、石灰粘土由来のキレの良い酸が口中に長く残ります。先日、ロワールワイン委員会の役員が来日してセミナーを開催していましたが、馴染み深い食材が多いロワール地方のワインは日本人の味覚に良く合います。カベルネ・フランはソーヴィニヨンほどタンニンも強くなく、マイルドな口当りが特徴。大山鶏のハムと竹の子に使っていた出汁や山椒と相性良〇


スパークリングに合わせた料理
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■花わさびとホタテの和えもの
茹でて冷水におとし、水気をきった花わさびを3cm幅に切る。同様にサッと茹で、冷水におとしたホタテを1/6カットし、花わさびと合わせ、塩で調味
■鰯のバロティーヌ
イワシとホタテ、卵をフードプロセッサにかけ、調味したものを、円柱状になるようラップとアルミホイルで包み、湯煎焼きに。冷まして、2cm幅にカットし、粉をして両面バターで焼く
■大山鷄のハムと竹の子
野菜の出汁に山椒と酒、塩をいれ、60℃にしムネ肉に火を通し、残った汁で竹の子を煮た一皿
■サーモンと菜の花のロール
ノルウェーサーモンをマリネする。スライスし、内側に和からしをぬり、茹でた菜の花を巻いて
■がんもどきとプチトマトのピクルス
水気をきり、裏ごした豆腐に、出汁でふくめた野菜、卵、大和芋を合わせ、調味、丸い形状にして揚げる

ブラインドテイスティングのあとで
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スペシャルゲストはマンズワインの茂木信三郎社長でした。
春にリリースした『今様』はドザージュ量が微妙に変化しています。初回は8g/L、2回目は3g/L、そして今回は0g/Lなのですが、実質的にはワイン内に糖分が3g/L程度あるとのこと。ラベルの色も毎回変化し、今年は軽快さを感じる黄色、〝暖色(ピンクや黄色)〟のパワーを再認識

もう1点、茂木社長が手にしているのは白ワイングラスなのですが、〝今様〟をシャンパングラスと白ワイングラスの2脚を使ってチェックしていただきました。#4は甲州ワインがベースなので、白ワイングラスで飲むことで泡ワインのまろやかな舌触り、酸味の繊細さが実感できます。茂木社長も白ワイングラスでの『今様』の味わいを認めてくださいました。

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ご参加くださった総勢32名の皆さんに心から御礼を申し上げます。
有志のみの画像ですが、講師にとって皆さんの素敵な笑顔は何よりの贈り物です。
終会後、皆さんから日本ワインの進化、MBAへの再認識等に触れたメールをいただきました。
微力ですが、変化している日本ワインの〝今〟をお伝えしていければ本望です。


第二部のワインに関しまして、岩の原葡萄園の坂田敏社長から『岩の原スパークリングマスカット・ベーリーA』、マンズワインの茂木信三郎社長から『今様2013』、三菱食品から『セグラヴーダスブルート・ロゼ 』をご協賛いただきました。ありがとうございました。青木冨美子

JIPの一ノ瀬社長にはいつも寛大なお気遣いをいただいております。遠藤店長、島崎シェフ、丸山様、青山様、スタッフの皆さん、お世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします。
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2014年03月20日

3月のシャンパン講座はSakuraの開花を待ちながら6種のロゼと癒し系ブリュットで

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19日はお花見に楽しみたいロゼ・シャンパンにフォーカス
講座生の皆さんにもワクワク感を味わっていただきました。

第1フライトはNVで
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#1:ラルマンディエ・ベルニエ ロゼ・ド・セニエ プルミエ・クリュNV
生産者:ラルマンディエ・ベルニエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
価格:9200円(税別)
2月に供出したメゾン『ラルマンディエ・ベルニエ』のロゼです!
マセレーション(セニエ)、赤い果実たっぷりの印象、まるいタンニン、熟したぶどうの旨さがドザージュ3g/Lを意識させない絶妙な仕上がり、余韻の軽快さは岩清水のニュアンス。赤に近いロゼ・シャンパンの双璧はパイパー・エドシックのソバージュと#1なのでは・・・

#2ドラピエ ロゼ・ブリュット・ナチュールNV
生産者:ドラピエ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
価格:5800円(税別)
マセレーション(セニエ)、オニオンスキン、3つのなかで香りのインパクトが一番強く、ソフトなビター感=ピンクグレープフルーツのニュアンス、ドライフラワー、蜂蜜、ハーブ、酸味は穏やか、ピュアな味わいのシャンパン

#3:ドゥーツ ロゼ・ブリュットNV
生産者:ドゥーツ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
価格:9500円(税別)
アッサンブラージュ、サーモンピンク、赤ワインはシェフ・ド・カーヴが造ったものを使用、香りは#2より控えめ、エレガント、キュヴェのワインの出来の良さを感じさせるバランス、際立つ気品。第1フライトの一番人気アイテム

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#4のコルクのしまり具合がイイ感じ
複雑味のある味わいで、時間の経過でよりふくらみが出てきたように思います。

第2フライトは2004年ヴィンテージで
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#4:ヴ―ヴ・クリコ・ポンサルダン ヴィンテージ・ロゼ2004
生産者:ヴ―ヴ・クリコ・ポンサルダン(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエ
価格:10500円(税別)
アッサンブラージュ、活発な気泡、泡そのものはワインに溶け込んで口中まろやか。ベリー系果実、黄桃、ブリオッシュ、バター等、時間の経過で様々な味と香りの変化が!

#5:ボーモン・デ・クレイエール フルール・ド・ロゼ ブリュット・ミレジム2004
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(CM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ30%、ピノ・ムニエ10 %
価格:6000円(税別)
アッサンブラージュ、協同組合(CM)のシャンパン、赤ワインのブレンド比率は10~15%。オレンジ色を含んだオニオンスキン、果実味、ミネラル感、中盤以降広がってくるきれいな酸味、〝チャーミング〟なワインです。2004年VTで6000円価格は超おすすめ

#6:ボランジェ ラ・グランダネ・ロゼ2004
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ボランジェは2008年から全ボトルをスタイリッシュな鶴首のスリムな瓶系に変えています。化粧箱も!2004年のラ・グランダネ(右)と2002年のボトルの違い、おわかりいただけますか?

生産者:ボランジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%
価格:22000円(税別)
アッサンブラージュ、2012年にギイ・ド・リヴォワール輸出部長が来日してコメントしたラ・グランダネ2004年は、ブレンド比率ピノ・ノワール3分の2、シャルドネ3分の1。コート・オー・ザンファンの同じVTの赤ワインを5%~7%使用、16のクリュ(グラン・クリュ89%、プルミエ・クリュ11%)使用。 輝きのある銅に似た色調、果実味、樽由来のスモーキーな香り、力強さとエレガントさ

ボランジェのロゼ、ミレジメのスタイルの基本は ■ リッチすぎるものは造らない、■ ブレンドする赤ワインが力強いタイプなのでシャンパン自体に凝縮感がある、■ 赤ワインの比率を多くしない(5~7%)とのこと。
Bodyがあり、なんとも品の良いバランス、低温から少し温度が上がった段階までの変化を楽しみたいシャンパンです。

第3フライトは特別仕立ての癒し系シャンパン
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#7:テタンジェ セック・ノクターン スリーヴァーNV
生産者:テタンジェ(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ
ドサージュ::17.5g/L
価格:9000円(税別)/1800本限定(2013年11月1日発売)
昨秋、日本リカーさんの試飲会に登場したお洒落なボトルノクターン スリーヴァーNV


少し甘味のある味わいなので、リラックスタイムにこころおきなく楽しめます。冬期最後の回に数量限定のシャンパンを講座生の皆さんに試飲してもらうことができてホント良かったです。

インフォメーション
ただいま、昭和女子大学オープンカレッジでは春期講座生を募集中です!
シャンパン編はあと4名、泡好きの皆さまの参加をお待ちしています。
詳細は>>>http://openc1.swu.ac.jp/

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2014年03月01日

2月のシャンパン編講座 ~シャルドネとピノ・ムニエを中心に~

2月26日開催の講座では7アイテムをテイスティング。内訳はブラン・ド・ブラン3本、ピノ・ムニエ3本、それから過去に1回だけ供出したことがあるコトー・シャンプノワ1本でした。
今回は携帯での撮影分を使っているので従来よりキレのない画像になっています、ご容赦くださいませm(_ _)m


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(左から3本)ラルマンディエ・ベルニエ、クリストフ・ミニョン、タルラン、エグリ・ウーリエ
&(ラルマンディエ・ベルニエの)コトー・シャンプノワ、全メゾンともレコルタン・マニピュラン


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(左の画像) 第1フライトはラルマンディエ・ベルニエの3アイテム。1970年創業の若いメゾン、コート・デ・ブランにPCヴェルテュ、GCクラマン、シュイイ、オジェ、アヴィーズを含む16ヘクタールを所有、ビオデイナミ農法を実践
(右の画像) 第2フライトは秀逸なピノ・ムニエ3アイテム

第1フライトはブラン・ド・ブラン
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一番右の2005年ヴィンテージのコルクのしまり具合から熟成感が読み取れます。

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左から
#1:ラルマンディエ・ベルニエ ラティテュード・ヴェルテュ ブラン・ド・ブラン
生産者:ラルマンディエ・ベルニエ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:4g/L
価格:6,800円(税抜/木下インターナショナル)
緯度線上の畑のぶどうを使ったという意味で〝ラティテュード(緯度)〟と命名された新アイテム
外観はきらきらと輝き、若さを感じさせるシャンパン。白い花、アカシアの蜂蜜、程よい酸味、余韻に軽いビター感、シャルドネ種由来の繊細さが細く長く持続!

#2:同上 ロンジテュード プルミエ・クリュ ブラン・ド・ブラン
生産者:ラルマンディエ・ベルニエ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:4g/L
価格:7,000円(同)
畑が南北に連なる位置を経度(ロンジテュード)と表現。アヴィーズ、クラマン、オジェ、ヴェルチュの畑から収穫したぶどうのみ使用、#1より色調は濃く、香りは大人しい、中盤以降、口中に広がる甘味、酸味がきれい

#3:同上 ヴィエーユ・ヴィーニュ・ド・クラマン グラン・クリュ2005
生産者:ラルマンディエ・ベルニエ(RM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:2g/L
価格:11,500円(同)
クラマン村のぶどう100%使用。気泡の連なりは繊細で規則的、サクランボの蜂蜜、ナッツ、スパイス、旨味、黄金糖を口にした時のようなニュアンス、バランス良


第2フライトはピノ・ムニエにフォーカス
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コルクの開き具合が一番広がっていた右のエグリ・ウーリエ、味わいも若々しい

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左から
#5:クリストフ・ミニョン エクストラ・ブリュット
1986年創業、マルヌ渓谷のフェスタニー村に自社社畑6.5haを所有、ビオディナミ農法を実践
生産者:クリストフ・ミニョン(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:3g/L (ラベルの裏には6g/L表記
価格:6,800円(税抜/木下インターナショナル)
気泡元気、アーモンドやアカシアのハチミツ、酸味のきれはソフトでドライな印象、飲み飽きしないスタイル

#6:タルラン ラ・ヴィーニュ・ドール2002
1687年創業、キュヴェのきれいさでは定評があるメゾン。土壌についての研究も長い歴史あり
生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:ピニ・ムニエ100%
ドザージュ:4g/L
価格:10,000円(税抜/八田、豊通食料)
細やかな気泡、非MLF、フラワリー、、種の大きな果実を連想、樽のニュアンス、ミネラル、旨味、エクストラ・ドライでありながら、ぶどうの糖分を感じさせるバランスの良いシャンパン

#7:エグリ・ウーリエ プルミエ・クリュ レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニー
1930年創業、新樽を使って仕込むのが特徴、MLFを行うかどうかはヴィンテージ次第
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)
ぶどう品種:ピニ・ムニエ100%
価格:8,000円(税抜/ヴァンパッション、サンリバティー)
デゴルジュマンは2013年7月、瓶熟期間36か月を証明するような元気な気泡、フレッシュさがあり、ミネラル、アカシアのハチミツのニュアンス、長い余韻。すんなり飲めますが、その奥に力強さをも感じさせる1本

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#7:ラルマンディエ・ベルニエ コトー・シャンプノワ・ヴェルテュ・ルージュ2007
生産者:ラルマンディエ・ベルニエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
価格:8,000円(税抜/木下インターナショナル)
講座ではボランジェ社が造るコート・オー・ザンファン(PN100%)に継ぐ、2番目の登場となったラルマンディエ・ベルニエのコトー・シャンプノワ。ヴェルテュのぶどうを使用、落ち着いた色調、赤系果実(木イチゴ、サクランボ等)、ドライフラワー、口中に広がるねっとり感、酸味&タンニンもソフト
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2014年01月26日

シャンパン編の講座生大満足のベル・エポック垂直試飲

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創業から203年目のペリエ・ジュエ。ヴィクトリア女王、ナポレオン三世、レオポルド一世、そしてモナコ王妃グレース・ケリーに愛されたシャンパン! 新年初の講座は新しい時代の幕明けにふさわしい『ベル・エポック』の3VTを揃え、垂直試飲をメインに進めました。


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エミール・ガレが描いたアネモネの絵柄の空ボトルも人気で、講座生にとってはお年玉のようなベル・エポックだったようです!


第1フライトでは品種の比率にフォーカス
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シャンパンの魅力の1つ、各メゾンの個性が出たキャップシュール

NVの比較ではブラインドで3品種(CH、PN、PM)を使っている2タイプの利き分け、2品種(CH、PN)を使っている2タイプのうち、どちらが黒ぶどう主体か、白ぶどう主体かを利き分け

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#1:カナール・デゥシェーヌ キュヴェ・レオニー
生産者:カナール・デゥシェーヌ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ25%、ピノ・ノワール50%、ピノ・ムニエ25%
価格:6000円(税別)/輸入元:ユニオンリカーズ
ヴィクトル・カナールとレオニー・デゥシェーヌの結婚を機にスタートしたメゾン。1868年に双方の名を取って『カナール・デゥシェーヌ』と命名。ロシア皇帝ニコライ2世の宮廷でも愛飲されていた由(輸入元データから)
きめ細かい気泡の連なり、白い花、穫りたての果実、爽やかな酸味、3品種使いのバランスの良さ(リザーヴワイン20%使用)、ドザージュ量10g/L、時間の経過でミルキーのような香り(MLF由来?)

#2:ペリエ・ジュエ グラン・ブリュット
生産者:ペリエ・ジュエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ20%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ40%
価格:8200円(税別)/輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン(PRJ)
2011年のメゾン訪問時、最高醸造責任者のエルヴェさんはグラン・ブリュットについて 「イギリス市場に向けてリリースした辛口タイプで、それ以前は甘口タイプのシャンパンが主流でした。NVはいつも同じスタイルで安定した味わいであることが大事です。攻撃的でない泡の感触と穏やかな酸、3年間オリと接触させているので、オリに由来するビスキュイやバターの要素、白い花、パイナップルやグレープフルーツの要素。フレッシュで親しみやすいシャンパンなので、アペリティフや魚介類と合わせて」とおっしゃっていました。
講座でも、白い花や切れの良い酸、余韻に軽いビター感があり、和食と合わせたい1本だと思いました。

#3:ヴランケン・ドゥモアゼル ドゥモアゼル・プレミアム・キュヴェ ブリュット
生産者:ヴランケン・ドゥモアゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%
価格:6250円(税別)/輸入元:ヴランケン・ポメリー・ジャパン
1976年、ベルギー出身のポール・フランソワ・ヴランケンによって設立されたメゾン。講座で初おめもじのシャンパンで、4つのなかでは一番色白、外観からもCH主体の印象、フレッシュな果実風味、端正な酸と優しい甘さ(ドザージュ12g/L)のバランス良好、白身魚や帆立のソテーに合わせて楽しめそうです。

#4:ニコラ・マイヤール ブリュット プラティーヌ プルミエ・クリュ
生産者:ニコラ・マイヤール(NM)
ぶどう品種:シャルドネ20%、ピノ・ノワール80%
価格:5500円(税別)/輸入元:豊通食料
シャンパンの次世代を担うひとり。2003年に26歳で父親の跡を継いで以来精力的に改革を行っています。4つのグラスのなかでPNの比率が一番多く、口中での厚み(リザーヴワイン30~40%使用)あり、色調も他のグラスよりかすかに濃いめ。ミネラル感、エレガントな酸味、なによりピュアさが魅力! 第1フライトでの一番人気


第2フライトはベル・エポック2006、2004、2002の垂直試飲
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キャップシュールは左から2002、2004、2006ですが、絵柄&色調が微妙に変化

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グラスは左から2006、2004、2002。第1フライトと比較すると、2006年に若干グリーンイエローの要素がありますが、3グラス全体ゴールドを帯びています。

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#5:ペリエ・ジュエ ベル・エポック2006
生産者:ペリエ・ジュエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ピニ・ムニエ5%
価格:19200円(税別)/輸入元:PRJ
昨年の10月にリリースされたばかりです。昨11月にエルヴェさんが来日して、2006年VTについてコメントしてくださったので拙ブログ

をリンクしておきます。他の2アイテムと比べ、若干グリーンを含んだゴールデンカラーで、酸味はフレッシュ、温度の変化で凝縮感を感じました。さらなる熟成が楽しみです。

#6:ペリエ・ジュエ ベル・エポック2004
生産者:ペリエ・ジュエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ピニ・ムニエ5%
価格:19200円(税別)/輸入元:PRJ
2011年12月のメゾン訪問時、エルヴェさんは「素晴らしいヴィンテージです。6年間瓶熟成させたシャンパンでシャルドネのエレガントさを重視しています。CH50%、PN45%、PM(エペルネの北にある古い自社畑ディジィ産)5%のブレンド、フェミニンで複雑、ミネラリーで上品な酸と長い余韻。パワフルさと余韻はPN(マイィ、ヴェルズネー、ヴェルジ)に由来、シーフードだけでなく、ドライフルーツやアーモンドのニュアンスがあるのでクリームソース系の料理にも会います」とコメントしていました。

気泡細やか、白い花、ミネラル、ナッツ、ヴァニラ、スパイス(白コショウ)のニュアンス、この先10年以上熟成可能なポテンシャルあるシャンパンです!

#7:ペリエ・ジュエ ベル・エポック2002
生産者:ペリエ・ジュエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール45%、ピニ・ムニエ5%
価格:18000円(税別)/輸入元:PRJ
講座生の一番人気のVTが2002でした。飲んで美味しい状態、蜂蜜やヴァニラ、ロースト風味等、複雑味があり、泡はワインに溶け込んできわめてまろやか、スムース。中盤以降、口中にシャルドネ由来のエレガントな酸味が残るバランスの良いシャンパンでした!

ちなみに、第1フライトの#2とベル・エポックの共通香を利き分けてくれた講座生が3~4名おりました。素晴らしい集中力でした。


[ハートたち(複数ハート)]新刊紹介
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お世話になっている俳優の辰巳琢郎さんと横浜君嶋屋四代目の君嶋哲至さん共著の『ゼロから始めるワイン入門』が上梓されました。発行は(株)KADOKAWA、定価は本体1300円(税別)

〝はじめに〟で辰巳さんは「だいたいワインなんて、そんなにエライものでも、恐縮しなければばらないものでもありません。世界で一番単純なお酒、そう把握しておきましょう」とコメント。また、〝おわりに〟で、君嶋さんは「ワインは神秘的で、大きな魅力にあふれていますが、基本的なちょっとした知識さえあれば、もっと身近になり、もっと気楽に楽しめるようになります」と述べています。ワインの達人のおふたりが強調している〝肩肘張らないワインの基本〟が全ぺージ通して、わかりやすく記述されています。

構成は第1章:いまさら聞けないワインの疑問 第2章:これで安心! ワインマナー基本のキ 第3章:〝通〟になる!大人のワイン術、パラパラめくってその日の気分でどこから読み進んでも大丈夫。ワインビギナーさんが安心して読める1冊です。
参考文献に拙著『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社版)』を使ってくださった由、辰巳さん&君嶋さん、ありがとうございました!!
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2013年12月21日

2013年のシャンパン編講座はロゼで〆ました!

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今月の18日は講座生から「ロゼを!」とのリクエストがあったので、6種揃えた〆の講座に!
具体的な要望アイテムはビルカール・サルモンとガティノワ。第1フライトと第2フライトにわけて、品種構成、ドザージュ量等をみながら探求しました。

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第1フライト
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3アイテムともシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種を使用
#1:アヤラ ロゼ マジュール
生産者:アヤラ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ村
品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ10%、マルイユ・シュル・アイ村のPN9%
ドザージュ:7.5g/L 
価格:7,000円(税別)
第1フライトのなかで一番フレッシュな印象のロゼ、ラズベリーやストロベリーのニュアンス、きれいな酸味、若干のビター感、余韻はやさしくバランス良好、親しみやすいタイプ。ロゼ・マジュールにはノン・ドザージュのタイプもあり

#2:ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼ
生産者:ビルカール・サルモン(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区マルイユ・シュル・アイ村
品種:シャルドネ55%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ10%
ドザージュ:~8g/L
価格:11,000円(同)
サーモンピンク~オレンジの色調、ベースワインは2008年産、フレッシュな柑橘系果実(GFやレモン)や赤系果実(ラズベリー)、ミネラル感、上品でバランスの良いロゼ・シャンパン

#3:フィリポナ レゼルヴ・ロゼ ブリュット
生産者:フィリポナ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区マルイユ・シュル・アイ村
品種:ピノ・ノワール50~60%、シャルドネ25~30%、ピノ・ムニエ15~20%
ドザージュ:9g/L
価格:8,000円(同)
玉葱の皮の色を含むサーモンピンク。香り華やか、ピンク・グレープフルーツのニュアンス(酸味とビター感)、口中に広がる厚み(リザーブワイン効果)が魅力。熟成感があり、6アイテムのなかで一番落ち着いた印象


第2フライト
シャルドネとピノノワールだけのタイプ、ドザージュは8~9g/L
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#4:デュヴァル・ルロワ フルール・ド・シャンパーニュ プルミエ・クリュ
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:9g/L
価格:6,600円(同)
セニエのロゼ・シャンパンを得意とするデュヴァル・ルロワ。色調は玉葱の皮色に近いサーモンピンク。気泡は繊細、ミネラル感、ストロベリーやラズベリー、中盤以降、シャルドネ由来の酸とピノ由来のソフトなタンニン、口中に広がる旨味。同メゾンがあるヴェルテュ村は、鳥瞰すると〝ハートの形〟に見える由、それゆえ、ボトルにも王冠にも〝ハート〟がポイントとして使われています。

#5:マイィ ブリュット・ロゼ
生産者:マイィ(CM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区マイィ村
品種:ピノ・ノワール90%、シャルドネ10%
ドザージュ:8g/L
価格:7,500円(同)
生産協同組合(CM)で81名の栽培農家が加盟。シャンパンに使うぶどうはピノ・ノワールとシャルドネのみ。北側斜面でじっくり生育したマイィ村のぶどうの個性を反映=時間の経過とともに本領発揮してくるシャンパン。製法は#4同様セニエ。ミネラル感、最初に感じる若干のビターさが空気と触れ合うことで徐々に滑らかに。口中側面に上品な酸味の余韻、女性的な印象のシャンパン

#6:ガティノワ グラン・クリュ・ロゼ
生産者:ガティノワ(RM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ村
品種:ピノ・ノワール95%、シャルドネ5%  アイ村のPN7%ブレンド
ドザージュ:8g/L
価格:8,000円(同)
樹齢60年の古樹を含むアイ村の赤ワイン(コトー・シャンプノワ/ピノ・ノワール種)をブレンドしたロゼ・シャンパン。きれいに連なる気泡は勢い良く元気で、香りのインパクト大。さらに赤ワイン由来のタンニンも。気泡が消え去ったら赤ワインの印象! アペリティフより食中酒としておすすめ

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3種のベリー(ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー)を、アカシアの蜂蜜や生クリームが入ったロールケーキと合わせて
 
少し早目のクリスマスの気分で、3種のベリーを6種のロゼと合わせてみましたが、(ロゼ・シャンパンには赤系果実の要素があるものの)、各ベリー単独では、心ときめくまでには至りませんでした。日本のあまおうのように果肉が柔らかくて甘いストロベリーのほうが合いますね。用意できれば仲介役に上質の生クリームを添えて!

今年3月カレッジでテイスティングした可愛いロゼシャンパンたちも
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#1:モエ・エ・シャンドン アンペリアル・ロゼNV 
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
品種:ピノ・ノワール40~50%、ピノ・ムニエ20~30%、シャルドネ10~20%
ドザージュ:9g/L
#2:マム ロゼNV
生産者:マム(NM)
品種:ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ18%、シャルドネ22% 
ドザージュ:6g/L
#3:アンリオ ロゼ・ブリュットNV
生産者:アンリオ(NM)
品種:ピノ・ノワール 約3分の2、シャルドネ 約3分の1
ドザージュ:10g/L以下
#4:ゴッセ グラン・ロゼNV
生産者:ゴッセ(NM)
品種:ピノ・ノワール35%、シャルドネ58% 7%赤ワイン(アンボネ、ブジー産のPN)
ドザージュ:5g/L
#5:ドラモット ブルュット・ロゼNV
生産者:ドラモット(NM)
品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20 %
ドザージュ: 非公表
#6:ローランペリエ キュヴェ・ロゼ ブリュットNV
生産者:ローランペリエ(NM)
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:非公表


クリスマスも間近です!
お仲間との集いやお正月に楽しむロゼ・シャンパン選びのお役に立てば幸いです!

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2013年12月06日

11月のシャンパン編講座はピエール・ジェルベにフォーカス

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左から
#1:ロリジナル・エキストラ・ブリュット(ピエール・ジェルベ)
#2:オーセンティス プティ・メリエ2005(デュヴァル・ルロワ)
#3:フランチャコルタ・ドサッジョ・ゼロ “ネロ”2008 (イタリア/アンドレア・アリチ)
#4:ロダス・ブリュット・ナチュール(ピエール・ジェルベ)  
#5:キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット(ピエール・ジェルベ)
#6:ブリュット・デザイン・パリ2006(デュヴァル・ルロワ)

11月のシャンパン編講座では、シャンパ―ニュ地方の規定7品種のなかのピノ・ブランとプティ・メリエに注目。第1フライトでは、同地方の若手の精鋭ピエール・ジェルベのピノ・ブランと若手ソムリエの育成に注力するデュヴァル・ルロワのプティ・メリエの比較をしてみました。

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左2グラスはブラン・ド・ブラン(白ぶどう100%)、中央の2グラスはブラン・ド・ノワール(黒ぶどう100%)。微妙な色調の違いがお伝えできれば嬉しいのですが

シャンパンの生地が命のピエール・ジェルベ
シャンパーニュ南部の産地コート・デ・バール地区セル・シュール・ウルス村で4代続く家族経営のメゾン。ピノ・ノワールの多い産地ながら、同メゾンでは伝統的に白ぶどうの比率が高く、ピノ・ブランを4.5ha植樹。粘土石灰質の土壌の斜面に自社畑18.5haを所有、平均樹齢は30年超、100年樹齢の古樹もあります。

同メゾンは親子で仕切っていますが、メインは23歳のオーレリアン・ジェルベ。オーレリアンは「シャンパンになる前の段階のワイン造りをしっかりと学びたかった」という理由で、ボーヌにある醸造学校へ。同時期、一流ドメーヌの跡継ぎグロ・フレール・エ・スール、アルヌー・ラショー、ジャン・グリヴォーが仲間だった由。ピエール・ジェルベの将来を担うオーレリアンの手腕に期待!

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シャンパーニュ地方の規定品種ピノ・プラン、プティ・メリエ、アルバンヌ  画像協力:タルラン

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第1フライト
#1:ロリジナル・エキストラ・ブリュット
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ブラン100%
ドザージュ:5~6g/L 
価格:9000円(豊通食料)
10月に行われた豊通食料さんの試飲会で、気になったのがこのシャンパン。ブラン・ド・ブランでも#1はピノ・ブラン100%、従来のブラン・ド・ブランとは似て非なる印象なれど、なぜか惹かれる味わい。果実の豊潤さ、ハーブ、アカシアの蜂蜜のニュアンス(マイルド)、全体的にシャルドネよりも繊細なイメージ、切れの良さとふくよかさを備えたワイン

#2:オーセンティス プティ・メリエ2005
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:プティ・メリエ100% 
価格:12000円(ヴィレッジ・セラーズ)
988本の少量生産。このプティ・メリエは若手ソムリエの育成に力を入れているルロワ女史が研修用に使うことが多く、市場での流通は少ないシャンパン。緑のニュアンスを含んだ#1のピノ・ブランと比べると、色調は濃く、金色を帯びたイエローカラーで、香り華やか。フェンネル、黄桃、かりん、熟成感がありながら酸味はフレッシュ、余韻に軽いビター感。ブラン・ド・ノワールを飲んだ時のような骨格を感じさせるワイン。デュヴァル・ルロワのプティ・メリエは今回を含めて2度目なので、ぶどうの個性を探るにはもう少し回数が必要

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第2フライト
#3:フランチャコルタ・ドサッジョ・ゼロ “ネロ”2008
生産者:アンドレ・アリチ
産地:イタリア・フランチャコルタ地区グッサーゴ村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:8600円(テラヴェール)
11月にフランチャコルタ協会日本事務局が開設され、イタリア大使館でお披露目のセミナー&試飲会が行われました。その折、テラヴェールさんから説明を受け、即、採用したくなったのが、この泡ものでした。ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100%のブラン・ド・ノワールで、ドザージュはゼロ。
アンドレア・アリチの栽培地は標高400m、元々は赤のスティルワインの産地でしたが、フランチャコルタ生産へ。グッサーゴの土壌は石灰質で、年間通じて冷涼なエリア。ミネラル感が豊かで、塩気のニュアンスを感じます。デゴルジュマンに対する考え方は、「デゴ後1年間は瓶熟させる」を徹底しています。これはブルーノ・パイヤールの考え方と同じで、シャンパンにとってデゴルジュマンは外科手術と同じで、「回復までには時間が必要」ということで、1年間瓶熟期間として休ませているようです。気泡も元気、ぶどうの本来の旨味、ミネラル感が特筆していて、講座生の支持も高かったフランチャコルタでした。

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アンドレア・アリチは地図で言うと、右側の石灰質土壌のエリアになります。

#4:ロダス・ブリュット・ナチュール
※ヴィンテージの表記はないのですが、ベースは2010年単一年産
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:6500円(豊通食料)
オーレリアンが手掛けた新キュヴェ、樹齢50年のピノ・ノワールから造られたプラン・ド・ノワール。ドザージュはゼロ。醸造時のSO2無添加、土壌は粘土石灰質。上品な酸味、ミネラル感豊かで、口中ドライな印象、中盤以降広がるまろやかさ&豊潤さが魅力

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第3フライト
#5:キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ25%、ピノ・ブラン25%
ドザージュ:7~8g/L
価格:5000円(豊通食料)
シャンパンの代表品種ピノ・ノワールとシャルドネに、ピエール・ジェルベがこだわるピノ・ブランを使ったシャンパン。ピノ・ブランをブレンドすることで、若々しく、チャーミングな印象に。柑橘類を連想させる繊細な酸、青りんごやグレープフルーツ、スパイシー(白コショウ)、余韻に残るビター感、食前酒に!

#6:ブリュット・デザイン・パリ2006
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
価格:7000円 (ヴィレッジ・セラーズ)
アメリカの人気画家リロイ・ニーマンが「art de vivre」というパリの街を表現したボトルで、従来からのNV(ピノ・ノワール70%、シャルドネ20%、ピノ・ムニエ10%)とは別バージョンのヴィンテージシャンパン。直近のヴィンテージは2006年で、ぶどう品種は約10の区画のピノとシャルドネのみを使用。ライチ、黄桃、ナッツ、ビスケット、若干ソルティなニュアンス、口中での気泡なめらかで上品、バランスが取れたシャンパン、クリスマスにお薦めしたい1本、NVと使い分けを楽しんで!

12月の講座はロゼに特化してみますので、講座生の皆さま、お楽しみに!

[るんるん]来年のシャンパン編冬期講座

の募集が始まりました。
2014年も引き続き、シャンパンの魅力を探究してまいりますので、よろしくお願いします!
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2013年10月13日

9月のシャンパン編講座、まずは第1部の南米帰朝報告スパークリングワインから

ピラミッドを模した形はキャップシュールにもIMG_8871   .jpg
アルゼンチン・メンドーサにある『カテナ・サパータ』のワイナリーは、アメリカ大陸の文明の中で最も優れていたといわれているマヤのピラミッドを模したデザイン、左右対称のシンメトリーなので安定感があります。

カテナ・サパータについては産経EXで、マルベックの素晴らしさを紹介しました。
>>>http://sankei.jp.msn.com/life/news/131003/trd13100313000005-n1.htm



毎年、秋は素敵な取材がたくさんあって、ブログでの報告がなかなか追いつかない状況です。
今はチリ・アルゼンチンの取材を軸に、大事なワイン情報も挿入しながら進めていますので、お付き合い、よろしくお願いします。

さて、今回はカテナ・サパータの『Saint Felicien サン・フェリシアン』報告を、急ぎアップします。
長期出張から戻られた同ワイナリーのワインメーカー、パブロさんから、昨日、お礼メールが届いたのですが、追伸に・・・!!!
PS: how was the sparkling lesson?? How about Saint Felicien sparkling you and your class have tasted?   Pablo Sánchez

あらら ◎_◎;
「サン・フェリシアンは、カレッジの講座で講座生と試します」とお知らせしておいたので、その結果を待っていたのかなパブロさんは・・・これはきちんと報告せねば!  
ということで、まずは9月25日シャンパン講座の第1部だけアップしておきます。

9月は、第1部と第2部に分け、前者は帰朝報告も兼ねて、アルゼンチンから持ち帰ったスパークリングとチリのスパークリング4アイテムを比較。後者はシャンパーニュのグラン・クリュのエリア(アイ村、クラマン村、ヴェルジー村etc)にフォーカスして7アイテムを比較しました。

第1部はチリとアルゼンチン
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右にあるキャップシュールがカテナ・サパータ、ピラミッドです

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左から
#1:ミゲル・トーレス サンタ・ディグナ エステラード・ロゼ/1848円
生産者:ミゲル・トーレス(チリ)
品種:パイス100%(マウレヴァレー)/ドザージュ:8g:/L
瓶内2次発酵、今年1月に行われたチリ最大のワイン品評会『アニュアル・ワイン・オブ・チリ・アワード』のスパークリング部門で優勝している評価の高い泡もの。優勝は昨年に続いて2度目

#2:コノスル ブリュット/1575円
生産者:コノスル(チリ)
品種:シャルドネ93%、ピノ・ノワール7%(ビオビオ・ヴァレー)/ドザージュ9g/L
シャルマ法、白い花やフレッシュな果実の香り、気軽に楽しめる可愛いタイプ

#3:バルディビエソ エクストラ・ブリュット/1680円
生産者:バルディビエソ(チリ)
品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール30%(クリコ・ヴァレー)/ドザージュ:6g/L
瓶内2次発酵、4本のなかで一番シャンパンに近いタイプ、ミネラル感と口中での切れ味が魅力

#4:カテナ・ザパタ サン・フェリシアン(未入荷)
生産者:カテナ・ザパータ(アルゼンチン) 
品種:シャルドネ、ピノ・ノワール
カテナ・サパータが国内向けに販売している泡もの、月と色っぽい女性のラベルが目を引きます

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アルゼンチンではホテルのそばのワインショップSol & Vino

に立ち寄りました。店主デイビッドさんに、「スパークリングワインに興味があるので撮影しても良いですか」と許可をもらって撮った1枚がこれで、Saint-Felicienも並んでいました。

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#1:当日の一番人気。上品なサーモンピンク、素直な味わい、果実の風味と酸味のバランスが良く、料理の守備範囲も広い。まぐろ丼(ワサビ添)はおすすめの一皿

#2:唯一のシャルマ法だったので、他と比べ、気泡の印象が若干弱め、フレッシュで軽快、アペリティフで楽しめる万人向きの飲みやすいタイプ。

#3:チリを代表するスパークリングワイン、味わいにもその自信を感じます。気泡細やか、きれいな酸、、講座生のなかには根強いバルディビエソファンもいました!

#4:ゴールドの色調、ブリオッシュ、オリエンタルスパイス、果実のコンポート、口中での酸味のインパクトは大きく、舌の上の感触はドライ、余韻に軽いビター感、温度が上がるとボリューム感増、4つのなかで一番個性的、エスニック料理との組み合わせがイメージできました

日本で購入できるアラモス エクストラ・ブリュット
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カテナのワイナリーで試飲した画像左の『アラモス』は国内および輸出向けのアイテム
日本ではファインズ

さんが輸入しています。製法は瓶内2次発酵、使用品種はシャルドネとピノ・ノワール各50%。ミネラル感、酸味のメリハリがあるので、生の白身魚にレモンや和風柑橘を添えて、あるいはタコシャブにもみじおろしとポン酢添えで。1000円台(1974円)で買えるのが何と言っても嬉しいです。

アルゼンチンで試飲したスパークリングのなかでは、カイケン・スパークリング・ブリュットとノートン・ロゼが印象的だったので、これらは後日、ワイナリー訪問報告で!
ラベル:Catena Zapata
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2013年08月25日

7月のシャンパン編講座、いずれも素晴らしく・・・

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左から順に#1~#6
今週の水曜日は8月のシャンパン編講座なので、その前に先月の講座のリポートをアップしておきます。この回では3メゾンのNV とトップキュヴェの利き比べをしました。

第1フライト 
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#1ポル・ロジェ ブリュットNV
生産者:ポル・ロジェ(輸入元:ジェロボーム)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ各3分の1ずつ
価格:6,500円
#2シャンドン・ブリュット・サマーボトルNV
生産者:ドメーヌ・シャンドン(輸入元:MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%
価格:2,300円
#3ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール(輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:シャルドネ34%、ピノ・ノワール56%、ピノ・ムニエ10%
価格:6,300円

中央の#2はモエ・エ・シャンドン社が豪州にたちあげたドメーヌ・シャンドンの夏限定のオシャレなサマーボトル!果実味豊かで、フレッシュ、シャルドネの比率6割を反映した色白スパークリング、3脚並べると色調の違いがよくわかります。余韻は軽め、野外パーティーでのウェルカムドリンクにぴったりです。
#1のミネラル感、綺麗な酸味。青りんご、グレープフルーツ、アプリコットのような種の大きな果実のニュアンス。第1フライトの一番人気でした。#3は、いつも通りのバランス良い味わい。余韻に広がる旨み、かすかに感じる樽由来の木香の風味、イイ感じです。

第2フライト
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第2フライトは風格あるトップキュヴェの利き比べ

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#4クリスタル ブリュット2005
生産者:ルイ・ロデレール(輸入元:エノテカ)
ぶどう品種:シャルドネ45%、ピノ・ノワール55%
価格:25,200円
#5ドン ペリニヨン2003
生産者:モエ・エ・シャンドン(輸入元:MHD モエ・ヘネシー・ディアジオ)
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール(比率非公開)
価格:21,000円
#6サー・ウィンストン・チャーチル ブリュット1999
生産者:ポル・ロジェ(輸入元:ジェロボーム)
ぶどう品種:品種非公開
価格:23,100円

ヴィンテージの若い順に供出しました。中央#5がキュヴェ・ドン・ペリニヨンですが、色調のニュアンスが#2と似ていました。比率は非公開ですが、品種はシャルドネとピノ・ノワールなので、シャルドネの比率のほうが多いのかも。ヘーゼルナッツやクルミ、ロースト香やコーヒーの焙煎香、口中の印象は滑らか。#4 はクリスタル、フレッシュ感と熟成感を併せ持ち、白い花、柑橘系果実、樽の風味、 酸味のバランスも良く、旨味あり。#6のサー・ウィンストン・チャーチルは最新ヴィンテージの2000年がすでにリリースされていますが、熟成感もチェックしたかったので、1999年ヴィンテージを選びました。カリンや黄桃等の黄色系果実、ドライフルーツ、ハチミツ、アフターの軽いビター感。好みの調査で一番人気になったウィンストン・チャーチル、熟成したシャンパンの美味しさはひと味違いました。今、飲み頃です。

8月の講座では講座生の皆さんからリクエストを伺い、タイトル通りのオーダーメイドな回にしています。全部で9アイテムですが、さてさて、どのような結果になるでしょうか・・・私も楽しみです!
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2013年07月04日

待った甲斐がありました! シャンパンメゾン『アグラパール・エ・フィス』

アグラパール・エ・フィス

のアイテムが揃いました!
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ワイン評論家やワイン専門誌から高評価を受けているアグラパールの当主パスカルさん
画像協力:豊通食料

1894年創業、現当主の4代目パスカルさんの曽祖父が興したメゾン。シャルドネの中心産地コート・デ・ブランのアヴィズ村を拠点とし、オジェ、クラマン、オイリーなどに60区画の畑を所有。自社畑は約10ヘクタール、年間の総生産量は9万本。『Guide des meilleurs vins de France 2013』で3つ星に昇格。卓越した醸造家パスカルさんのシャンパンは世界から引く手あまたです。

そのようなわけで、全アイテムを一度に揃えるのはなかなか難しく、輸入元・豊通食料(株)の担当小永井氏に「入荷したら連絡をください」とお願いしていました。それが叶えられたのが先月の講座です!

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待った甲斐があった『アグラパール』

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準備段階で・・・フォイルを外すと、あらら~彩も鮮やかなキャップシュールが! 
 

第1フライト
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左から#1、#2、#3の順で、キャツプの色は黒、赤、緑

第1フライト 
#1:セット・クリュ・ブリュット
生産者:アグラパール(RM/輸入元:豊通食料)
ぶどう品種:シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%
ドザージュ:7g/L / 瓶詰2011年5月/ デゴルジュマン2012年12月
メゾンの看板シャンパンNVのレ・セット(7つの)・クリュ。アヴィズ、オジェ、クラマン、オイリー、ベルジェル・レ・ヴェルチ、アヴネイ・ヴァル・ドール、マルドゥイユの7クリュで、以前はシャルドネ100%でしたが、現在はピノを10%ブレンドしたタイプになっています。基本となる25%の樽使いが絶妙で、2年分のキュヴェ、3年間の瓶熟成で旨味が表現されています。在庫あり。

すべてのラベルの裏貼りに、瓶詰年月とデゴルジュマン年月が記載してありました。シャンパンメゾンでこれらを併記しているところは他にはないと思います。

#2:コンプランテ・エキストラ・ブリュット グラン・クリュ
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエ
ドザージュ:5g/L/ 瓶詰2008年5月/ デゴルジュマン2013年1月
シャンパンの主要3品種に、シャンパーニュ地方で認められているピノ・ブラン、アルバンヌ、プティ・メリエを使用。オーストリア・ウイーンで行われているゲミシューター・サッツ”と同じ混植混醸ワイン(複数の品種を同じ畑に植え、同時に収穫し、熟成させたワイン)がコンプランテ。アヴィズ村の単一区画ラ・フォッセという20アールの畑産で、2003年に植えた若樹主体。「テロワールは品種を超える」と考えるパスカルさんの思いを表現したアイテム。年内分の入荷60本

第2フライト
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ラベルの絵柄の“差し色”と同色に統一しているキャップシュール(王冠部分)

ぶろぐ2.jpg.jpg

#3:ブラン・ド・ブラン テロワール エキストラ・ブリュット グラン・クリュ
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L / 瓶詰2009年5月/ デゴルジュマン2012年8月
デゴルジュマン:2011年8月1日
アヴィズ、オジェ、クラマン、オイリーの4グランクリュのぶどうを使用。25%樽醸造、4年間の瓶熟、口中に優しく染みわたるミネラル感、酸は極めて穏やかで上品。

#4:ブラン・ド・ブラン ミネラル エキストラ・ブリュット グラン・クリュ2006
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L 瓶詰2007年5月/ デゴルジュマン2012年12月
アヴィズ村(ステンレスタンク醸造)とクラマン村(樽醸造)のブレンド。ネクタリンや黄桃のような種の大きな果実のニュアンスがあり、際立つミネラル感は最高! Bodyがありながら繊細で奥ゆかしさあり。一番好きなアイテム!

#5:ブラン・ド・ブラン アヴィゾワーズ エキストラ・ブリュット グラン・クリュ2006
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:5g/L 瓶詰2007年5月/ デゴルジュマン2012年12月
アヴィズ村の樹齢50年の古樹2区画のぶどう。100%樽発酵・熟成。瓶熟の間は王冠ではなくコルクを使用。アヴィズの粘土質土壌を評して、「骨太で力強い」と表現されますが、その特徴が出ているのが#5だと感じました。ミネラル豊かで、ハチミツや南国果実のニュアンス、複雑味があり、余韻も長め。ガッツリ系で肉料理と合わせて!

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キャップは#4、#5、#6で、青、グレー、シルバーの順

第3フライト
#6:ブラン・ド・ブラン ヴェニュス ブリュット・ナチュール グラン・クリュ2006
生産者:同上
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:0g/ L/ 瓶詰2007年5月/ デゴルジュマン2012年12月
アヴィズ村にある単一畑ラ・フォッセ産、樹齢54年、糖分添加ゼロ以外は、#5と製法、瓶熟の間のコルク使用は同じ。ナッツや胡桃、舌の上に広がるねっとりしたハチミツのニュアンス、ロースト香、余韻に樽に由来するビター感、長い余韻。ぶどうそのものの旨味と甘さが感じられる逸品

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画像協力:豊通食料

ヴェニュスは画像左側に見える今は亡き白馬の名に由来しています。

ドザージュが少ないのに、口中でじわ~っと広がるナチュラルな甘さは魅力でした。ミネラル感、穏やかな酸味(基本的にMLFは行っています)、エレガントさは秀逸。

アヴィズには同じRMの、ジャック・セロスやド・スーザがありますが、三者三様の感あり。3メゾンとも樽を使いますし、自然のリズムに合わせた農法で、共通点も多いのですが、アグラパールはひと味違うメゾンで、非常に興味惹かれました。

豊通食料様でも、全アイテムをこのように並べて試飲することはなかなかないとのこと。価値ある講座ができましたことに感謝しております。ありがとうございました。
入荷状況は、#3のテロワールと#4のミネラルは9月予定、その他のキュヴェは年内分は終わりとのことでしたが、詳細についてのお問い合わせは豊通食料(株)迄/03-4306-8539
ラベル:アグラパール
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2013年05月22日

5月のシャンパン講座はアヴィズが拠点のミッシェル・ゴネ!

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画像協力:日智トレーディング
5月の講座は秀逸なブラン・ド・ブランの造り手ミッシェル・ゴネにフォーカス!

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画像協力:日智トレーディング
メゾンの本拠地はコート・デ・ブランのアヴィズ村、これはメゾン北側の景観です。

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画像協力:日智トレーディング
傾斜角度(5~25%)のぶどう畑で収穫作業。ミッシェル・ゴネはシャルドネ80%、ピノ・ノワール20%を栽培していますが、ピノ・ムニエは栽培していません。

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ロゼはフルーリー

のロゼ・ド・セニエ(左から2本目)を仲間に入れて比較してみました。

(左から)
#1ブリュット・ロゼNV
#2フルーリー ロゼ・ド・セニエNV
#3ブラン・ド・ブラン グランクリュ
#4ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジム2002
#5キュベ・プレスティージ ブラン・ド・ブラン グランクリュ1998
#6ミッシェル・ゴネ フュ・ド・シェーヌNV

第1フライトは2種のロゼ比較
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#1:ミッシェル・ゴネ ブリュット・ロゼNV
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:10g/L
価格:7500円(税込)
セニエのあと、同エリアで収穫した赤ワイン(PN)をブレンドしたロゼ。色調は玉葱の皮の色、気泡は細やかで元気。オレンジやネクタリン、ドライフルーツ、舌の上に広がるねっとり感、#2よりやわらかな印象のタンニン、まるくソフトな余韻。講座生からの評判が良かった1本◎

#2:フルーリー ロゼ・ド・セニエNV
生産者:フルーリー(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区クルトゥロン村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:7.35g/L 
価格:8000円(税込)

冒頭のシャンパーニュの地図で見ると右下の位置がコート・デ・バール(Côte des Bar)です。
ピノ・ノワールのぶどう樹の平均樹齢は25年、セニエ法で造られています。気泡の刺激は#1より強め。深みのあるオレンジの色調と同色のオレンジやアプリコット、ピンクグレープフルーツのニュアンス。軽いタンニン、フルーリーらしいしっかりしたミネラル感。ただ、今回のフルーリーは今までと比べて、少し落ち着きがなかったように感じました。講座開始5日前に通関したようなので、たぶんその影響が出ていたのだと思います。

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講座前日に大好きなサース夫人から大好きなアプリコットジャムが届きました。
私はニコライホーフ

のアンズジャムは世界一だと思っています! これをひとり占めしては罰があたる(笑)と思い、講座生の皆さんにも楽しんでいただくことにしました。ジャムはロゼの色調と完全に同化。ロゼシャンパンには確実にアンズのニュアンスがあります。素敵な相性! 講座生の皆さんの幸せなそうなお顔・・・サース夫人には心から感謝です!

第2フライト&第3フライトは
気泡がワインに溶け込み、口中で受ける印象はとてもソフトなシャンパンです!

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グラスは左から#3#4#5#6の順。#5 に関しては他のグラスの半量

#3:ミッシェル・ゴネ ブラン・ド・ブラン グランクリュ
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100% 
ドザージュ:6g/L 
価格:7100円(税込)

#4:同ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジム2002
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
価格:9100円(税込)

#5:同キュベ・プレスティージ ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジム1998
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:3g/L
価格:11450円(税込)
カリンや黄桃のイメージ、若干酸化したニュアンスがあり、シェリーを連想。口中ドライ、粘性もあり、余韻も長め。すでにリリースされている2002年ヴィンテージはノン・ドザージュ(0g/L)
ちなみに、ブショネのグラスはほこり臭さ、雑味とエグミ、果実味がない状態

#6:フュ・ド・シェーヌNV
生産者:ミッシェル・ゴネ(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区アヴィズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:4g/L
価格:15600円(税込)
口金部分は麻糸を束ねた昔風のスタイル。ヘーゼルナッツや胡桃、ハチミツ、重厚感。中盤以降にビターな印象、シェリー的な要素あり

当初、第2フライトで3アイテムを比較して、第3フライトでトップキュヴェをじっくり観察する予定でしたが、#5のうちの1本がブショネで・・・1998ヴィンテージだっただけに凄く残念(泣)

講座生のなかにブショネ初体験者が半数ほどおりました。そこで2つのグラスを使い、健全なグラスとブショネのグラスを同時にテイスティング、違いを感じてもらうことにしました。悪名高きTCAの害を受けると、高貴なワインもこのようになるというサンプルを前にしたレッスンになりました。
また、講座生の皆さまには、栓にからむこのブログで復習願います! 
>>> http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-09-20

ペインテイングボトルについて

画像協力:日智トレーディング

今講座では日智トレーディング扱いの9アイテム中5アイテムを学習しました。
同メゾンのハイレンジに“ペインテイングボトル”がありますので、最後にご紹介しておきますね。
これは現オーナーのソフィー女史自らが1本ずつ手書きしているアイテムで、注文を受けてから作業を開始しているものです。画像からその様子がおわかりいただけますよね。
日智トレーディングの猪原敬子取締役も「注文したシャンパンが届いて、その箱を開ける瞬間、どのような絵柄かなと思うとワクワクします!」とおっしゃっていました。

記念日用に使うスペシャルなシャンパンをお探しのシャンパンラバーさんにはおすすめです!
製品についてのお問い合わせは日智トレーディングの岩崎夕鶴子さんまで/072-681-8624
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2013年05月09日

 あっぱれ日本ワイン! 世界のカベルネvs日本のカベルネ

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バラがきれいな季節、まさに5月の薔薇ですね!
5日にアップしたあっぱれ日本ワイン

のPartⅡをお届けします。

PartⅠアップ後、嬉しいメールをたくさんいただきました。ご参加くださった皆さまにはタイムスリップしていただけたようです。「目の前にあの時のワインはないものの、楽しかった時間を思い出しています」との内容が多かったのは講師冥利に尽きます。
では、当日のイスラエル、日本、チリ

のワイナリー巡りから!


イスラエル・ゴラン高原のゴラン・ハイツ・ワイナリー
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(C)Photo by Tadayuki YANAGI
レバノンとの国境近くにある醸造所の遺跡

昨年、ゴラン・ハイツ・ワイナリー、ブランドネーム『Yardenヤルデン』のヴィクター・ショーンフェルド醸造家が来日したあと、データ収集をしていたのですが、その折、ワイン・ジャーナリストの柳忠之さんからいただいたのがこの画像です。柳さんがイスラエル取材をなさった時のものです。

ここ数日来、イスラエルのシリア空爆のニュースが流れています。ヴィクター・ショーンフェルドさんは「紛争が続いているのはエルサレムやテルアビブのほうなので基本的には平和なエリア」とおっしゃっていました。

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(C)Photo by Tadayuki YANAGI
ゴラン・ハイツ・ワイナリーの壮観な樽熟庫

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(C)画像協力:ミレジム
ゴラン・ハイツ・ワイナリーの整然としたセラー

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(C)画像協力:ミレジム
ゴラン・ハイツ・ワイナリーは1983年創設の比較的新しいワイナリー
栽培面積600ha、イスラエル全土では3番目の規模で年間500~600万本のワインを生産、プレミアムワインが中心。国内向け75 ~80%、輸出向けが20~25%。ゴラン高原は主に100~200万年前の火山性土壌で、水はけに優れています。
ぶどう畑の標高は400~1200m、ガリヤ湾に近いエリアからヘルモン山の麓まで広がる農場でぶどうを栽培、品種は20種以上でメインはカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)とシャルドネ。年間を通して、畑内にある情報収集基地で気象観測やぶどうの出来具合を徹底管理しています。

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シングルヴィンヤードのエル・ロム畑から生産される『エル・ロム2009』
生産量は36樽のみ(日本入荷本数60本)
エル・ロムの栽培面積は80ha、うち20haにCSを栽培。標高1000~1100mの畑に15区画(平均0.5ha)が点在し、各区画の最高のぶどうを使用。バレルトライアルにも長けているので、各区画のぶどうに合った樽を選択して使用している由

「白ぶどうを栽培するのと同じくらいの高度なので、CSの栽培地としては冷涼です。そのため、ぶどうの房にしっかりと陽が当たるようにキャノピーマネジメントに気を配っています。青っぽさが出ないように」とヴィクターさん

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ヴィクターさんの来日時@ホテル西洋銀座『レペトワ』にて(2013年1月16日撮影)
エル・ロム2009に合わせたのは牛フィレ肉のポワレ 温野菜とのコンチェルト 牛蒡の香るマディラ酒のソース。ワインの持つ濃厚なプラム、煙草や甘草のニュアンスとマディラ酒のソースは絶妙!!

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ゴラン・ハイツ・ワイナリーは2008年にワイン・スペクテーターの年間トップ100に選出され、2011年にはボルドーのシタデル・デュ・ヴァンで最優秀特別賞を受賞。そして2012年、『ワイン・エンスージアスト』誌のワイン・スター・アワードで新世界のべストワイナリーに選ばれました。
イスラエルのワイナリー初の快挙です!
「潜在能力は計り知れません」と喜びを語っていたヴィクターさん
来日した10日後にNYで受賞式があったようです。おめでとうございました!!


チリのミゲル・トーレス・チリ
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画像協力:三国ワイン
1979年にスペインからチリに進出したトーレス社はワイン醸造で初めてステンレスタンクを導入。以後、トーレス社長の先見の明と革新的な取り組みはチリのみならず、世界のワイン界をリードし続けています。

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画像協力:三国ワイン
チリはフィロキセラ(ぶどう害虫)禍を免れた国
フランスから運ばれてきたプレ・フィロキセラのぶどう樹が存在しているワイン王国です

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画像協力:三国ワイン
クリコ・ヴァレーのモリナ サン・フランシスコ ノテル・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨン
平均樹齢100年の樹々たちの貫禄!

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左から
男優をイメージして、それぞれのワインを表現すると・・・エル・ロム2009はナイスルッキングな男子、福山雅治かな。ソラリス信州東山CS2009は梨園の御曹司タイプ、猿之助路線ではなく、勘九郎や菊之助で。そして、マンソ・デ・ヴェラスコ2009はパワーを備えた男子、『ラストサムライ』で勝元を演じた渡辺謙、てな感じです。

ちなみにマンソ・デ・ヴェラスコ

という名はチリの統治者に由来しているそうで、彼は戦いの場でも勇敢な人物だった由。気は優しくて力持ち、ワインはまさにそのイメージでした。

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1941年バルセロナ生まれのミゲル・トーレス社長。20年前に地元で日本語を3年間学び、その後も学習は続けていらしたようです。2月の来日記念プレスディナー@サン・パウでは、9割以上を日本語で対応! 輸出相手国の言語をマスターする必要性を感じているので、英語、仏語、ドイツ語、中国語、ロシア語にも力を入れています。

スペインを本拠地とするトーレス社は、チリにはミゲル・トーレス・チリ、カリフォルニアにはマリマー・トーレスを立ち上げ、デイリーワインからプレミアムワインまで生産しています。
トーレス社長は様々な表彰を受けています。英デキャンター誌の「マン・オブ・ザ・イヤー2005」にも選ばれました。近年、特に力を入れているのが環境への取り組みで、この分野でも先駆者的役割を果たしています。これについてはワインのこころ

でも紹介していますが、来日セミナーで語っていた内容はとても濃いものでした。後日、永久保存版になるリポートをアップします。お楽しみに!

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スペインで生産しているマスラ・プラナ

もカベルネ・ソーヴィニヨン100%、魅力あるワインです! 
実は『あっぱれ日本ワイン』の候補ワインの1つに考えていたのですが、現行ヴィンテージが2008年だったので断念。2009年がリリースされるのはもう少し先になります。



ここから、マンズワインとソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨンです!

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2013年05月05日

第2弾 あっぱれ! 日本ワイン! ~日本ワインの実力を体感しよう~  PartⅠ

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昨年

に引き続き、新宿御苑にある
日本ワインバー『JIP』でカレッジの課外講座

を行いました。
今回は甲州とカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)にフォーカスしてみました。

第1部は甲州から
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画像協力:JIP

岡講師 by AOKI.jpg
第1部『甲州』を担当してくださったのはスーパー才女のコーディネーター岡 真木(おかまき)さん
岡講師は山梨県の牧丘(まきおか)のご出身。まきおかのおかまきさん、なんというゴロの良さ!!

IMG_6927 (2) JIP開会前 青木撮影.jpg
JIPさんは甲州の比較試飲5アイテム、最後にお出しする甘口の甲州ぷらす赤ワイン5アイテムの計11グラスがすべてテーブルに並ぶようにセッテイングしてくださいました。嬉しいご配慮!

岡講師による甲州ぶどうの解説
甲州 カベルネ メルロ.jpg
(左から)メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、甲州
甲州は、グレーがかったピンク色の厚い皮の大きめの果粒の品種です。

日本のぶどう生産の第1位は巨峰、2位がデラウエア、以下ピオーネ、キャンベル・アーリー、ナイアガラ、マスカット・ベーリーA、スチューベンと続き、第8位に甲州が登場。全体のわずか2%程度です。

甲州ぶどう(以後甲州)は1300年以上の歴史があるとされる日本固有のぶどうで、かつてはその多くが生食用として広く栽培されてきました。2004年、カリフォルニア大学デイヴィス校のDNA鑑定で、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンと同様のワイン用ぶどう(ヴィティス・ヴィニフェラ)であることがわかりました。また、2010年には世界ぶどう・ワイン国際機構(O.I.V.)に正式登録されています。

「アルコール度数が低く、香りは控えめ、味わいは平板で渋味もあり、時として甘味が強すぎる」など、ネガティヴに言われた時期もあった甲州ですが、“高品質なワインを造りたい” という造り手の熱い気持ちと努力・英知が実を結び、いまでは素晴らしいワインを生み出しています。栽培方法や収穫時期の研究や改善、収量制限やキャノピー・マネジメントなどの技術革新、国内外の専門家による醸造技術の向上、3MHの発見、食との相性研究、行政のサポートなど、数多くの努力が重ねられてきました。

その結果、甲州ワインは、繊細さ、透明感、柑橘系の爽やかな香りを備えた個性あるワインへと成長していきました。繊細な風味によって和食を中心にした食事に合わせやすく、また、シュル・リー製法や樽の使い方の工夫などによって産み出された辛口の甲州ワインも高い評価を得ています。ぶどう本来の甘さを残した心地よい味わいのワインから辛口ワインに至るまで、多様な個性を楽しむことができるようになりました。

それぞれに個性ある5アイテムの甲州をブラインドで
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甲州の解説後は、左から5番目までをブラインドで比較試飲。ひとくちに甲州ワインといっても様々なスタイルがあることがわかります。 text by Maki OKA (#1~#5 、#11)

#1:アマリージョ 甲州・辛口 2011/ダイヤモンド酒造
近在の農家が集まって自分たちの飲み用ワインを醸造したのが始まりのワイナリー。Amarillo(アマリージョ)は「黄色」という意味。完熟の甲州ぶどうを低温で発酵後、約5ヶ月間のシュールリー製法を用いたワインで、すっきりとした辛口が楽しめます。三代目の雨宮さんはとても熱い方!

#2:ルバイヤート甲州シュールリー2012/丸藤葡萄酒工業
甲州シュル・リーと言えばルバイヤート! と言われるくらい知られているワイン。創業以来、独自のポリシーを持って、栽培とワイン造りに取り組んでいる大村社長。地元勝沼だけで栽培されたぶどうのみを使用し、生産量は追わず品質を常に目指しています。甲州らしいドライさ、柑橘系の香りと爽やかな酸味、ほのかに感じる苦味が調和して爽快です。

#3:グリド甲州2011/ 中央葡萄酒
シュル・リー製法を使い、ステンレスタンクで発酵・貯蔵されたワイン。2011年からよりドライな味わいに変えたとのことで、キレの良い酸味を備えたすっきりした口当たりの心地よいワインです。三澤社長の指揮の下、ワイナリー一丸となって世界の甲州へと歩みを進めています。勝沼町産甲州種を主体に使い、どんな料理にも合う、親しみやすい味わい。ほどよいコクも楽しめます。グリとは、甲州ぶどうの果皮の色を表わすピンクがかったグレーの仏語Grisからの命名です。

#4:キャネー甲州 祝村川窪2011/金井醸造
低温発酵を進め、長い醸し期間を経て仕込まれたワイン。青りんごを思わせるような清々しい香りとほどよい酸味のキレのある味わい。天然酵母で約6か月間の発酵後、密閉ステンレスタンクで熟成させ、ろ過は最小限にとどめています。金井氏は、フランス・ロワールのクーレ・ド・セランにならってビオディナミ農法(化学合成材を使用せず、天体の動きも顧慮した農法)の考え方を取り入れ、ぶどうの身になって考える栽培法から生まれる生命力あふれるワインを造り続けています。

#5:アルガブランカ・イセハラ2011/勝沼醸造
アルガブランドは、“世界に通ずる日本のワイン造り”というコンセプトのもとで生まれたワインです。「イセハラ」とは、笛吹市の地名「伊勢原」からとった名前で、この単一畑から収穫された甲州種のみを原料に醸造しています。香りが華やかで、爽やかな酸味と微妙な甘さが調和した心地よいふくらみを感じるワインです。独自の醸造法の開発や固定観念にとらわれない取り組みなど、有賀社長の挑戦は続きます。

記載する順序が少し違うのですが、最後の第3部で甲州遅摘みを供出しましたので、岡講師コメントも載せておきます。
#11:甲州遅摘み2011/イケダワイナリー
甲州を遅摘みして、熟したぶどうを使って造った優しい甘さと爽やかな酸味のワイン。発酵は樽の中で。熟成はステンレスタンクで行い、微妙な複雑さとフレッシュで華やかな香りと味わいが楽しめます。「自分のワインを造りたい」と、長年の夢を叶えた池田氏。1995年設立という勝沼でも最も新しいワイナリーの1つで、丁寧なワイン造りが光っています。

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画像協力:JIP
遠藤シェフと意見交換を重ね、2度の試食会をして完成した一皿
(左から)■筍と菜の花のお浸し ■鯛(塩麹)のカルパッチョ(スダチ添え) ■肉じゃがコロッケ ■豚のオーブン焼きと塩ゆで豚の薄切り/調味料は醤油・わさび・マスタード

豚の2品は興味深かったです。これは2回にわたる試食会のやり取りのなかで、岡講師の「同じ素材でも調理の仕方を変えたものが出せないか」との提案を受けたものです。各料理に合わせる調味料次第で味わいにも幅が出てくるので、それを生かすために考えた一品。外側がカリカリでなかはジューシーな豚肉と豚の脂分が甲州のキレの良さと良く合い、とても美味。会場には甲州ワイン未体験者が2名ほどいらっしゃいましたが、初体験の甲州と食とのマリアージュに納得していただけたようです。

岡講師からは「甲州のかすかな渋味が表れている#2#3には筍や菜の花。塩麹&鯛のカルパッチョにはキレの良い#2#4。コクのある味わいの肉じゃがコロッケ、豚肉には#4#5が合わせやすかった」との感想をいただきました。

岡講師からワインラバーさんへの提案
■ワインを学習する時はラベルを見ているだけではなく、地図を手元において!  
■ワインを飲んで分析(白い花、グレープフルーツetc)したら、最後に必ず表現をまとめる。たとえば酸味があって引き締まったワインというように。 
「これらはワインを学習する上でとても大切なポイントです」と岡講師。加えて 「ワインは誰と飲むか、誰と楽しむかもとても大事」とおっしゃっていました。確かに、たとえ安価でも気の置けない仲間や好きな相手と飲むと、ワインの印象、美味しさの印象も違ってきます。「こころから楽しんで飲む」が基本ですね!
ということで、岡真木講師のウイットあふれる内容のレッスンも滞りなく終了しました。
ありがとうございました!


では第2部に入ります!
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2013年04月27日

4月の講座はシャンパンとヴァン・ムスーの利きわけと『ユレ・フレール』にフォーカス

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第1フライトは#1~#4、第2フライトは#5~#8

オープンカレッジの春期講座“青木冨美子のオーダーメイドなシャンパン講座”開始です!
“オーダーメイド”という形容がついているのは、講座生からのリクエストには可能な限り応えていくようにしているからです。今月は、「たまにはシャンパン以外の泡ものを入れてみませんか」との要望があったので、即、実践することにしました。

第1フライト クレマン・ド・ロワールとクレマン・ド・ブルゴーニュを入れて
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第1フライトは左から順に
#1:フルーリー ブリュット(ブラン・ド・ノワール) 
生産者:フルーリー P&F
産地:シャンパーニュ地方
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8.65g/ L
小売価格:5200円(虎の門ヴァン・シュル・ヴァン)
シャンパーニュ地方で一番最初にビオディナミを導入したフルーリーが造るブラン・ド・ノワール。気泡は極めて細やか、ピュアなミネラル感、黒ぶどう由来の重厚で複雑なアロマ、中盤以降口中に広がる旨味、パリで開催された国内有機栽培ワイン大会2009でゴールドメダル受賞

#2クレマン・ド・ロワール ブリュット・ロゼ


生産者:ラングロワ・シャトー
産地:ロワール地方
品種:カベルネ・フラン100%
ドザージュ:15g/L
小売価格:2500円(ラックコーポレーション)
シャンパンメゾンのボランジェ社の傘下のラングロワ・シャトー、ロワール産のスパークリングワイン、カベルネ・フラン100%のロゼ。フレッシュ&フルーティー、赤い果実のニュアンス、後味に軽いビター感、中華や赤系果実のデザートに合わせて

#3:クレマン・ド・ブルゴーニュ ブリュット・ロゼ
生産者:アミオ・ギイ・エ・フィス
産地:ブルゴーニュ地方
品種:ピノ・ノワール100% 
ドザージュ:11.24g/L
小売価格:3000円(ラックコーポレーション)
ブルゴーニュ産のスパークリングワイン。自社畑の若樹から造られるクレマン・ロゼで、同社では瓶詰→瓶内二次発酵以降は、クレマンの専門業者に委託。気泡繊細、ミネラル、酸味、甘味のバランス良好、「シャンパンは高いので」という方にお勧めしたい1本

#4ブリュット ロゼ・ド・セニエ


生産者:クリストフ・ミニョン
産地:シャンパーニュ地方
品種:ピノ・ムニエ100% 
ドザージュ:6g/L
小売価格:7500円(木下インターナショナル)
赤に近い深みのある色調、気泡はワインに溶け込み、口中での印象はソフト、南国の赤い花やベリー系果実のニュアンス、余韻に若干の渋み(タンニン)、気泡やタンニンの残り方が従来のロゼ・ド・セニエとは異なり、赤のスパークリングワイン的イメージ

参考:気泡とタンニンの関係
シャンパンのように瓶内2次発酵を行うものは、酵母の澱と長期間接触しているため、たんぱく質がワインに豊富に溶け出します。たんぱく質は界面活性作用(石鹸はこの作用を持つため、泡立ちます)を持つため、泡のもちが良くなります。一方、赤ワインはタンニンなどのポリフェノールを多く含むため、ワイン中のたんぱく質がタンニン分に結合し、そのため、ワイン中に界面活性作用を持つ“たんぱく質”が少なくなるので、泡もちは白ワインほど長くありません。


第2フライト メゾン『ユレ・フレール』の当主は新進気鋭の34歳
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モンターニュ・ド・ランスの東に位置するリュード村、この地で3代続くメゾン。当主は34歳のフランソワ・ユレで、2008年からメゾンを継承。祖父逝去後の相続で、名義が父親と2人の兄弟に分けられたため、畑のぶどうは書類上、他から購入するという形になってしまうので、家族経営ながら、ネゴシアン・マニピュラン(NM)。現在、一部にビオディナミを導入。リザーヴ・ワインはソレラシステム、大樽で保存、1982年から続く30ヴィンテージが含まれています。注目していきたいメゾン

#5:ユレ・フルール ブラン・ド・ブラン・リナタンデュ2005
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:6g/L
小売価格:7600円(テラヴェール)
ブラン・ド・ブランはMLFを行わず、酸の特長を生かしたスタイル、柑橘系果実、余韻にはGFの内側の白皮似のビター感

#6:ユレ・フルール ブリュット・レゼルヴ ランピタシオンNV
品種:ピノ・ムニエ50% ピノ・ノワール35%、シャルドネ15%、リザーヴ・ワイン約30%使用
ドザージュ:9g/L
小売価格:6000円(テラヴェール)
メゾンの顔NV、ミネラル感、上品な酸、時間の経過で加わる香りの複雑さ、口中に広がる厚み。「リザーヴ・ワインはベースワインに欠けている要素を補い、シャンパンをバランス良く仕上げることができる」とフランソワ・ユレ当社

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現行4アイテム、好評ならロゼも日本上陸する予定とのこと

#7:ユル・フルール ブリュット・セレクション・ランスタンタネ2005
品種:ピノ・ノワール35% ピノ・ムニエ30% シャルドネ35%
ドザージュ:9g/L
小売価格:7600円(テラヴェール)
表土は粘土を多く含み、その下には白亜質土壌、土壌由来の硬質なミネラル感、焼きたてのパン、ブリオッシュ、凝縮感のある味わい

#8:ユレ・フルール キュヴェ・テール・ナタル1999
品種:ピノ・ノワール30% ピノ・ムニエ30% シャルドネ40%
ドザージュ:5g/L
小売価格:14000円(テラヴェール)
10年間の瓶内熟成のトップキュヴェ、細やかな気泡、口当たり滑らか、ナッツ、ヴァニラ、砂糖漬け果実、余韻の甘味と旨味、バランスの良いシャンパン

[リボン]2012年のシャンパーニュ出荷総計(出典:C.I.V.C.日本事務所)情報
シャンパーニュの輸入量は900万本を超え、2007年の最高記録に迫っています。スランス本国、米国、英国などが前比割れしているなか、日本と豪州だけがプラスで、日本は4位に浮上。その理由の1つが、ロイヤル・ウェディング効果。供出されたポル・ロジェとローラン・ペリエの日本への輸入量も増えているようです。
第1位:英国、第2位:米国、第3位:ドイツ、第4位:日本、第5位:ベルギー、第6位:イタリア、第7位:豪州、第8位:スイス、第9位:スペイン、第10位:スウェーデン
ちなみに中国は12位、香港は14位、ロシアは16位、ブラジルは20位、インドは30位でした。
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2013年02月24日

2月のシャンパン編リポート、シャンパンと映画仲間の小林史高氏の想い出を添えて

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2月20日のシャンパン編講座では、白ぶどう、黒ぶどう、ブレンドの3タイプと、前月に続いて、シャンパンの古酒を体験しました。

第1フライト
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#1:ルイナール ブラン・ド・ブランNV
生産者:ルイナール(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区ランス
品種:シャルドネ100%
色調は淡いイエロー、石灰由来のミネラル感の素晴らしさ、ピュアな酸、グレープフルーツの内側の白皮似の軽いビターさ、極上のブラン・ド・ブラン
ルイナールの特徴は■熟成期間が長い、■ピノ・ムニエは使わない

#2:ドゥーツ ブリュット・クラシックNV
生産者:ドゥーツ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ
品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ 各3分の1
透明感のある淡いベージュ、いつ飲んでも安定したバランスの良さ、シャンパーニュの心臓といわれるアイ村が拠点。シャンパンメゾンの顔NVの質を落とさないように、“まずはNVありき”がポリシー、NVは全体の85%を占めています

#3:アンリ・ジロー コード・ノワールNV
生産者:アンリ・ジロー(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区アイ
品種:ピノ・ノワール100% 
気泡繊細、黒ぶどう由来の色調&香り、インパクト大、洋梨や白桃、樽由来の風味、ヴァニラ、蜜のニュアンス、やさしい酸、旨味&凝縮感、定評あるブラン・ド・ノワール

2009年の3月3日、日本で初めて『アンリ・ジロー』のセミナーが開かれました。ソムリエ協会の機関誌編集長をしていた関係で、私は小林史高氏にリポートを依頼しました。彼がクロード・ジロー12代目当主の来日をとても楽しみにしていたからです。その記事は、私が編集長を交代した2009年5月刊のNo108 に掲載してあります。

あれから4年の歳月が過ぎました。奇しくも、来月の3日は、50歳という若さで急逝した小林史高氏のお別れ会です。昨秋、くも膜下出血を発症し、術後、順調に回復していたはずだったのですが、1月27日急変し、帰らぬ人となりました。ワイン界は本当に大事な逸材を失いました。

私はシャンパンで、特に『映画とワイン』の分野では、小林先生からはたくさんのサポートをいただきました。彼にはたくさんの教え子がいます。多くの生徒たちから慕われていた小林先生、その痛手は大きいです。小林氏がA・シンガーさんと実践していたワイン講座のシャンパン編をリンクさせていただきます。先日、シンガーさんは「ご遺族とお話して、youtubeは残すことにしました」とおっしゃっていました。
http://www.youtube.com/watch?v=icuSyOaIi3Y

ワインに人生をかけた小林史高先生のご冥福をこころからお祈りいたします

【お別れ会】3月3日(日)午後1時~6時@アクティー目黒内集会所(品川・上大崎2-24 アクティー目黒/目黒駅西口徒歩2分)。実弟大仁郎氏から「都合の良い時間に平服にてお越しくださ。午後1~3時は 混雑が予想されますのでその際はご了承ください。会費2000円につきまして釣銭のないよう配慮願いします。故人の意志により、御香典、御供花、御供物は固くご辞退申し上げます」との伝言です。

第2フライト
先月の講座ではカルト・ドールのNVと1976VT(PN90% PM3% CH7%)の2種を比較しました。その余韻を思い出していただきながら、今回は2000年代の秀逸なVT2002年、偉大な1995年、1993年の3アイテムを比較。ブレンド比率はほとんど同じなので、講座生の皆さんには余韻の広がりに集中していただきました。

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左から2002年、1995年、1993年

#5:ドラピエ カルト・ドール2002
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール85% ピノ・ムニエ5% シャルドネ10%
デゴルジュマン:2008年12月
気泡元気、グラス全体から伝わってくるミネラル感、カリンや黄リンゴのニュアンス、口中ドライ、温度の変化で香り&味わいに複雑味、ポテンシャルの高さを感じさせるヴィンテージ

#5:ドラピエ カルト・ドール1995
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
デゴルジュマン:2012年5月
規則正しい気泡の連なり、凝縮した香り、豊かな酸味、果実のコンフィ、キャラメル香、ロースト香、スパイス、口中に広がる長い余韻、長熟なヴィンテージ

#6:ドラピエ カルト・ドール1993
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
デゴルジュマン:2011年6月
深みのあるゴールド、気泡はワインに溶け込み、なめらか、中盤以降にライトな酸味、ミネラル感が広がり、そのあと、余韻がぼんやりとフェードアウト
ワインを口中に含んで、10秒間静かに瞑想。若さとポテンシャルを感じさせる2002年、ふくらみのある1995年の後で、93年を試すと、その差がよくわかります。ヴィンテージによる違いはとても興味深いものでした。

シャンパンを介して広がったワインの輪に感謝しながら・・・
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2013年01月30日

2013年1月のシャンパン編 ~人気の定番はマグナムで、ぷらす76年ヴィンテージ探求も~

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冬期講座第1回開始です!
今回はとってもフレッシュな仲間が5人もいらっしゃるので、入門編とシニア編の2本立てで楽しんでいただけるような工夫をしています。まず人気の定番シャンパンをマグナムで味わっていただくことからはじめました。いつもはレギュラーサイズで飲んでいるシャンパンも、う~ん、マグナムで飲むと、おだやかさを感じます。

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コルクの状態も完璧、ブショネチェックもOKです!

第1フライトはマグナムで
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#1:モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアル ゴールドボトル
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区エペルネ
品種:ピノ・ノワール30~40%、ピノ・ムニエ30~40%、シャルドネ20~30%
香りには熟成のニュアンスがあり、バターやブリオッシュ、蜜を感じさせる白い花、口中での印象は素直でなめらか、余韻に軽いビター感、万人受けするシャンパン

#2:タルラン トラディショナル ブリュットNV
生産者:タルラン(RM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区ウイィ
品種:ピノ・ノワール58%、ピノ・ムニエ37%、シャルドネ5% 
黒ぶどうの比率が多い割に色調は淡くクリーン(ぶどうを最大限にやさしく扱うタルランの圧搾機のメリットが出ている印象)。香りは閉じ気味で徐々に心を開いてくるタイプ、果実の凝縮感やミネラル感 温度の変化で味わいに厚み(黒ぶどうに由来する)が出てくるところが最大の魅力

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気泡は活発かつ繊細、カーブ内での熟成を感じます

#3:ルイ・ロデレール ブリュット・プルミエNV
生産者:ルイ・ロデレール(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区ランス
品種:ピノ・ノワール56%、ピノ・ムニエ10%、シャルドネ34%
4つのなかで一番酸味がクリアで、男性的なタイプ。木樽でストックしているリザーヴワインの絶妙さがブリュット・プルミエの強み。旨味、力強さ、余韻の長さが印象的

#4:テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV
生産者:テタンジェ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区ランス
品種:ピノ・ノワール+ピノ・ムニエ60%、シャルドネ40%
香りに熟成感あり、酸のソフトさ、バランスの良さ、ミネラル感、エレガントさは秀逸。「レギュラーサイズで飲むより、マグナムのほうが酸味の感じ方が優しい」とシニア組の面々。シャルドネの比率が一番多いのがテタンジェなのですが、大容量ボトルでのゆっくりとした熟成が顕著に出ていました。23名中11名で一番人気

第2フライト
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シャンパンはドラピエです。ともに750mlですが、ボトルの大きさに違いを感じるのは、CO2対策による軽量化が反映しているのかも知れません。講座生のなかに76年ヴィンテージの2名のレディたちがいらっしゃったので、記念に少量残ったシャンパンをボトルとともにプレゼント、喜んでいただきました!!

#5:ドラピエ カルト・ドール ブリュットNV
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
ドザージュ:9g/L
溌剌&チャーミング、柑橘系果実のニュアンス、酸味上品、味わいにグレープフルーツの内側の白皮を連想させる軽いビター感

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若々しいNVのシャンパンと30年以上の時を経たヴィンテージ・シャンパン(右)

#6:ドラピエ カルト・ドール1976
生産者:ドラピエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル
品種:ピノ・ノワール90% ピノ・ムニエ3% シャルドネ7%
ドザージュ:5g/L
若干酸化のニュアンス、シェリーのアモンティリャードやオロロソ似の甘くて奥深い香り、キャラメル香、ロースト香、ココア、口中ではドライレーズン、黒砂糖、中盤以降酸味の広がり、心地良く続く余韻

76年は春から収穫期にかけては気温も高く、記録的に早い開花だったので、収穫もとても早かった由、乾燥した気候のおかげできわめて素晴らしいヴィンテージと言われています。この76年も古酒の良さを遺憾なく発揮していました。こだわりのドラピエ、ミシェルさんらしさを感じました。

次回は2月20日です。講座生の皆さまとの再会を楽しみにしております!!!
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2012年12月26日

年内最後のシャンパン編はロゼ三昧! ~ニコラ・フィアット3種からアンリオ・ミレジメ1989 by アンヌ-レーヌ・サクリストまで~

今年最後のシャンパン編は7アイテムのロゼに注目してみました。

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正面から見たラベル、鏡に映すと本来の姿に・・・

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コルクは短め。ワインの熟成具合は長熟に強いアンリオらしさが出ていてとても良好!

このシャンパンですが。。。太っ腹の講座生Makiko女史からの差し入れで、参加者一同大感激。それも11月8日に限定発売されたばかりの『アンリオ ロゼ・ミレジメ1989 by アンヌ-ローレ・サクリスト』なんですから、ホント、感謝。これは秀逸なロゼ3アイテム同時発売だったようで、その情報はyomiuri onlineでも紹介されています。

ニコラ・フィアットをメインに、2004年VTにも注目
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左から供出順に
第1フライト:ニコラ・フィアットNV、ジョセフ・ペリエ02 、ポル・ロジェ04 、ニコラ・フィアット04
第2フライト:ニコラ・フィアット パルム・ドール04、アンリオ1989
第3フライト:デュヴァル・ルロワNV

青木私感:リンゴの画像を撮りそこなったのですが、ロゼのなかの微妙なタンニンの差を感じていただくために、リンゴを一切れずつ用意しました。シャンパンだと気泡と独自の酸味があることで、スティルワインのロゼの場合より、タンニンは緩和される傾向にあると感じました。ということは、泡効果で、マイナス面が強く出ない分、食との相性もスティルワインの時より合わせやすく、シャンパンがオールマイティーといわれる理由もわかります。

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第1フライトは
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#1:ニコラ・フィアット ブリュット・ロゼNV
生産者:ニコラ・フィアット(CM/生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ30%、シャルドネ10%
ドザージュ:10g/L
価格:6200円(税抜)
リンゴをかじりながら。。。では一番素直な相性。抵抗感なし。7アイテム中、最もライト、若干オレンジ色を含むサーモンピンク、クリーミーな味わい、万人に受け入れられるタイプ

#2:ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロゼ・ヴィンテージ2002
生産者:ジョセフ・ペリエ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エシャロン・アン・シャンパーニュ
品種:ピノ・ノワール75%、ピノ・ムニエ5%、シャルドネ20% 
キュミエールの赤ワイン12%
ドザージュ:8.5g/L 
価格:10000円(税抜)
ノーベル賞のディナーでジョセフ・ペリエのブラン・ド・ブランNVがサービスされていたので、同メゾンの名前を覚えている方も多いかと思います。実は#2もMakiko女史の提供。オレンジがかったロゼ、気泡溌剌、ミネラル感、ベリー系果実やプルーンのニュアンス、7アイテムのなかで一番タンニンを感じたのが#2でしたが、リンゴをかじった時にはシャンパンの酸味が調和してソフトな印象に。意外性あり

モンドールと合わせて人気が高かったのがジョセフ・ペリエでした。講座生から、「最初は#6で温度があがると#2。モンドールのエピセア(もみの木)の香りが外皮にあるのでそれが香っている間は#6との熟成感とあいまって◎。芯の白い部分は#2」との回答が。単独で飲んだ時と食と合わせた時の変化が明確に出ていたシャンパンでした。

#3:ポル・ロジェ ブリュット・ロゼ2004
生産者:ポル・ロジェ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、シャンパーニュ産ピノ・ノワール15%添加
ドザージュ:9g/L
価格:12000円(税抜)
色調は一番濃いめ、深みのあるサーモンピンク、ポル・ロジェスタイルの特長ピュアなミネラル感、ブラッド・オレンジ、レッドベリー、ラズベリーのニュアンス、余韻も長くバランスの良いロゼ。ラズベリーケーキと相性良し

講座生からも「ワインに感じるラズベリー感がぴったり」、「#3に一番ベリー系を感じ、ケーキの甘酸っぱい果実と調和していました」との意見あり

#4:ニコラ・フィアット キュヴェ225 ロゼ2004
生産者:ニコラ・フィアット(CM/生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール55%、シャルドネ45%
ドザージュ:7.5g/L
価格:10500円(税抜)
バリック樽(225L)で熟成させたワインを使用。フライト中、気泡は一番活発、赤系果実、スパイス、ビター感、口中に広がる旨味、パワーあり。

第2フライトでパルム・ドールのロゼとアンリオ
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#5:ニコラ・フィアット パルム・ドール ロゼ2004
生産者:ニコラ・フィアット(CM/生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール100%(ブージィ、リセイ)
ドザージュ:7.5g/L
価格:25000円(税抜)
目を瞑って飲めば赤ワインと思うほどのインパクト。セニエによる抽出、赤に近いロゼ、ミネラル感、香草、スパイシーさ、口中なめらか、アフターライト、食中酒で楽しみたいロゼ、肉系もお薦め

#6:アンリオ・ロゼ ミレジメ1989 by アンヌ-レーヌ・サクリスト
生産者:アンリオ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ランス
容量:1500ml
品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2006年
価格: オープン価格(参考価格32000円・税抜)
第1印象は上品な酸味、時間の経過で複雑さ、リンゴをかじるとワインのなかの酸との相性きわめて良好、包容力あり。和食に合わせたいタイプ。マグナムでの熟成ならまだまだ寝かせておきたいヴィンテージ
Makiko女史、貴重なシャンパンを、ましてやマグナムのシャンパン、ありがとうございました!

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ロゼシャンパンに合わせてラズベリーのケーキを調達
モンドールはセレブなY君からの差し入れ、美味!

第3フライトはデザート用の新顔ロゼ!
5月末に来日していたデュヴァル・ルロワ女史はシャンパンに合う料理の数々を1冊の本にまとめていますし、優秀なパティシエを選ぶコンクールも実施しています。そんな女史が「デザートに合うシャンパンを出しますよ」と言っていたのがコレ、見た目もかわいいです

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#7:デュヴァル・ルロワ・レディ・ロゼ・セックNV
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ヴェルテュ
容量:375ml
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:25g/L  (参考:セックは17~35g/L)
価格:5000円(税抜)
デュヴァル・ルロワらしい“きれいな生地”を感じさせる1本、野生イチゴの風味、余韻は軽めでドザージュ25gといっても酸味があるので全体のバランス良



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2012年11月27日

11月カレッジシャンパン編講座 ~2002年ヴィンテージを比較して~

昭和女子大学オープンカレッジの講座のタイトルは“オーダーメイド”なシャンパン講座です。
これは講座生からリクエストがあれば、そして講座内容に見合うものであれば、「お応えしますよ~」という意味を込め、このように形容しています。今回は、「某NMの2002が素晴らしいので・・・」という声が出たので、それを反映。全6本の供出、リクエスト以外の5本は青木セレクトで、比較試飲を愉しみました。

2002年の気候をみると
春は暖かく乾燥して霜のない陽気、夏は乾燥した好天、時々降雨、9月は全体的に乾燥気味、途中激しい降雨あり。その後の強風により、ぶどうの房は乾燥、健全に成長。バランスが良く、1990年以来の高水準

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用意したのは上記のシャンパンです。

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6アイテム同時供出、微妙な色調の違いを感じてください。

テイスティング中のヒントとして、講座生には以下の内容の「プリント」を配布
ピノ・ノワールの比率の少ない順に並べた一覧で、参考としてドザージュ量も記載しておきました。
■品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール26%、ピノ・ムニエ23%、 ドザージュ:5.5g/L 
■品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%、ドザージュ:9~10g/L
■品種:ピノ・ノワール53%、シャルドネ47%、ドザージュ:9~10g/L
■品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%、ドザージュ:8g/L
■品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%、ドザージュ:5g/L
■品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%、ドザージュ:6.5g/L
この表はピノ・ノワールの比率の順なので、#5 #2#1#3#6#4ということになります。

2002年のヴィンテージシャンパンを比較して
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冒頭の画像にある順序でブラインドテイスティングしました。コルクの状態もご参考に!
#1:ランソン ゴールド・ラベル ブリュット・ヴィンテージ
生産者:ランソン(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ランス
品種:ピノ・ノワール53%、シャルドネ47%
ドザージュ:9~10g/L、MLFをしていないメゾン
柑橘系の香り、シダの要素も。ピノ・ノワール由来の力強さ、旨味もあり、余韻に酸の印象

#2:ボーモン・デ・クレイエール 
フルール・ド・プレスティージュ ブリュット・ミレジメ
生産者:ボーモン・デ・クレイエール(CM / 生産協同組合)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10% 
ドザージュ:9~10g/L
香り軽やか、青リンゴ、ミネラル感、6つのなかでは一番ソフトでライトな印象

#3:ポル・ロジェ ブリュット・ヴィンテージ
生産者:ポル・ロジェ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:8g/L
香り甘やか、ミネラル感、余韻に軽いビター感、飲みこんだ後、丸くて角がない印象、バランス良

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#4:アヤラ ブリュット・ミレジム
生産者:アヤラ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方アイ
品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
ドザージュ:6.5g/L
ミネラル感、蜜を含んだリンゴ、6つのなかで一番酸味の印象あり、口中にピノ由来のふくらみ

#5:モエ・エ・シャンドン グラン・ヴィンテージ
生産者:モエ・エ・シャンドン(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方エペルネ
品種:シャルドネ51%、ピノ・ノワール26%、ピノ・ムニエ23%
ドザージュ:5.5g/L、デゴルジュマンは2009年11月(表記はしていません)
6つのなかで気泡が一番元気で色調は一番淡め、コルクの状態は開き気味ながら若干の熟成香あり(デゴルジュマンから3年経過)、ロースト香(#5の香りを好む講座生多)、長い余韻

#6:フィリポナ レゼルヴ・ミレジメ・ブリュット
生産者:フィリポナ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方マレイユ・シュール・アイ
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
ドザージュ:5g/L
気泡元気で連なり綺麗、色調濃く、アロマ豊か、ナッツやヴァニラ、ドライフルーツ、舌の上に広がる旨味

講座の参加者は23名、挙手の結果、一番人気だったのは10名に支持された#6のフィリポナでした。講座前のチェックで、コルクのしまり具合が2本とも均一で、抜栓した段階から熟成香を感じさせていたのはフィリポナとランソン。フィリポナはデゴルジュマン(澱抜き)の日付をラベルの裏に明記しています。今回のボトルは2009年3月。すでに3年以上経過しています。その影響で最初から、さまざまなアロマを表現してくるフィリポナに「なるほど」と感じました。

講座生からリクエストされた銘柄は、今回1番人気にならなかったので、これはリベンジの機会を考えることにしましょうか。どのシャンパンも魅力的なので、1つだけに挙手というのは酷な話かもしれません。なにとぞご容赦!

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同じシャンパンながら、なぜかキャップシュールの色は赤&緑でした。輸入元の富士インダスリーズの松田氏に伺ったところ、「フィリポナでは約10種類くらい使っていて赤、緑のほか、金色、白色もあるようです。Clos des Goisses は常に黒で”Clos des Goisses”と記されています。どのアイテムにどの色を使うか決まっていないらしいのですが、一番多く使っているのは緑のようです」と。色は開けての“お楽しみ”かもしれません。

早いもので、来月はもう12月!
今年最後の講座ではロゼシャンパンで華やかに〆たいと思っています!!
ちなみに冬期講座(1月~)の申し込みは会員が11月28日(水)、一般受付が12月4日(火)になります。
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2012年10月19日

20世紀に誕生したシャンパンメゾン『ティエノー』の特筆できるクリーミーな味わい

シャンパン編も秋期に入りました。17日はシャンパン界のニューフェイス『ティエノー』にフォーカス
高島屋さんが初導入したシャンパンで、小売面では同社のみの販売になります。

20世紀に誕生したメゾン
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テイスティングしたのは5アイテム。トップキュヴェのラ・ヴィーニュ・オー・ガマンは予算上、断念しましたが、秀逸なヴィンテージ比較(2004、2002、1996)ができました。

メゾン・ティエノーの本拠地はランス市内にあり、自宅兼カーブを備えています。また、車(高速利用)で20分位行った場所テシーに最新設備の醸造所を構えており、ここに事務所があります。オーナーのアラン・ティエノーさんの祖父はシャンパンのボトル製造に従事していた方で、父親はシャンパンハウスのマネージャ―だった由。アラン当主は銀行家のかたわら、事業を拡大。シャンパンハウスを1985年に立ち上げました。
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抜栓の折、感心したのはコルクのすぼまり方です、しっかりとした熟成を感じさせてくれました

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講座生AZUMAさんから北海道の人気のパン屋さん、忍路(おしょろ)エグヴィヴのパン(左)の差し入れが!パン生地に酸味があるので、#3のスタニスラスや#4のガランスと楽しめました。

第1フライトはロゼとブリュットでメゾンの個性を探る
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#1:ティエノー クラシック ロゼ
ぶどう品種:シャルドネ35%、ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ20%
赤ワイン(アイ村産)7%使用
ドザージュ量:10g/L
熟成期間:2~3年
年間生産量:50,000本
価格:8,500円(税別)
綺麗なサーモンピンク、気泡はワインに溶け込み、さえぎるものなしの滑らかな舌触り、キレの良い酸の印象、後半に感じる軽いビターさ、ライトで素直な余韻

#2:ティエノー クラシック ブリュットミレジメ2004
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%
ドザージュ量:8.5g/L
熟成期間:6年
年間生産量:14,000本
価格:10,000円(税別)
淡いイエロー、気泡は繊細で、#1同様、口中滑らか。柑橘系果実の香り、白い花、グレープフルーツの内側の白皮に感じるエグミ感、フレッシュでありながら熟成したニュアンスもあり、口中でのふくらみは心地良く、余韻も長い

第2フライトではヴィンテージを比較
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#3:ティエノー キュヴェ・スタニスラス ミレジメ2004 
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ量:9g/L
熟成期間:6年
年間生産量:7,000本
価格:20,000円(税別)
アラン当主がご子息スタニスラスさんのために造ったシャルドネ100%のシャンパン。蜂蜜やヘーゼルナッツのニュアンス、口中に広がるエレガントな酸、ぶどうの凝縮感が伝わってくる味わい。2004年VTの力強さもあり、一番印象に残ったシャンパン

#4:ティエノー キュヴェ ・ガランス ミレジメ2002
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ量:10g/L
熟成期間:8年
年間生産量:4,000本
価格:20,000円(税別)
アラン当主が愛娘ガランスさんのために造ったピノ・ノワール100%のシャンパン。黒ぶどう由来の厚み、アフターのビター感。ブラン・ド・ノワールのふくらみのなかに、2002年VTに由来する優しいニュアンスがあり、バランス良し。第2フライトのなかで一番人気だったのがコレ

#5:ティエノー グラン・キュヴェ アラン・ティエノー ミレジメ1996
ぶどう品種:シャルドネ60 %、ピノ・ノワール40 %
ドザージュ量:9g/L
熟成期間:10年
年間生産量:25,000本
価格:20,000円(税別)
当主の名前を冠したCHとPNのブレンドタイプ。若さと熟成感が一体化した複雑味のある味わい、温度変化を楽しみたいシャンパン、1996VTの底力を感じさせてくれる1本!


5アイテムの共通項は、長い熟成を感じさせる繊細な気泡、口中での滑らかさ。どれもクリーミーな味わいです。これはお見事!そして、きれいな酸味。冷蔵庫温度7度くらいから試して、温度変化による香り&味わいを楽しんでいただきたいシャンパンたちです。
高島屋さん自慢のシャンパン『ティエノー』は、同社のオンラインストアで購入できます。
>>>http://www.takashimaya.co.jp/shopping/food/0400003300/
ラベル:ティエノー
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2012年10月05日

夏期講座〆のシャンパン編はMLFをしない2メゾン

9月末に開催した夏期講座の最終回(3回目)はマロラクティック(MLF)発酵をしていない2メゾンを探究してみました。ボワゼル・シャノワーヌ・シャンパーニュグループに属しているランソン

ベスラ・ド・ベルフォン

で、輸入元は前者がアサヒビール、後者がリード・オフ・ジャパンです。
ワイン中に含まれるリンゴ酸が乳酸菌の働きで乳酸に変化する現象、これにより酒質がまろやかになる

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ブリュット、ブラン・ド・ブラン、ロゼの3スタイルの競演!

第1フライトのランソンは250周年記念ボトルで
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#1:ベスラ・ド・ベルフォン キュヴェ・デ・モワン ブリュット
生産者:ベスラ・ド・ベラフォン
ぶどう品種:シャルドネ35% ピノ・ノワール20% ピノ・ムニエ45%
価格:6563円

#2:ランソン エクストラ・エイジ ブリュット
生産者:ランソン
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:9~10g/L
クリュ:ヴェルズネイ、ブージィ、シュイイ、アヴィーズ、オジェ、ヴェルチュ
価格: オープン価格

#1輝きのあるベージュ、香りには柑橘系果実や青リンゴ、中盤以降、焼き栗に似たニュアンスも。メリハリの効いた酸味とアフターに感じるエグミ感が特徴。#2は若々しいイエローの色と対照的に香りには皮革やふかし芋のようなニュアンスあり、キリリとした酸味でありながら、口中では強すぎず、全体とのバランス良し。ランソンの創業250年を記念してリリースされたボトルで、現行は1999年、2002年、2003年の3ヴィンテージをブレンド(2011年以降の製造分については使用VTが変わる可能性あり)。ローラン・ペリエのグランシエクルと同スタイル。6本中、一番印象に残ったアイテム

第2フライトはシャルドネの比較
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#3:ベスラ・ド・ベルフォン キュヴェ・デ・モワン ブロン・ド・ブロン
生産者:ベスラ・ド・ベルフォン
ぶどう品種:シャルドネ100%
価格:12075円

#4:ランソン ノーブル・キュヴェ・ヴィンテージ ブラン・ド・ブラン1999
生産者:ランソン
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:9~10g/L
グランクリュ:アヴィーズ、クラマン、シュイイ、オジェ
熟成:最低5年
価格:オープン価格

#3ベルフォンはブロン・ド・ブロン呼称。第1フライトとは逆に淡いイエロー、ブリオッシュやロースト香、蜂蜜のニュアンス。MLFをしていないのに酸味やさしく、ドザージュ量(非公開)。バランスが良く、アフターに感じる軽いエグミ感は#1 と共通。#4は白い花の香りと黄色系果実のイメージ、完熟ぶどうの旨さを感じさせる味わい、おだやかな雰囲気かつ個性ある酸味

第3フライトはロゼで
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#5:ランソン ノーブル・キュヴェ ロゼ・ブリュット
生産者:ランソン
ぶどう品種:シャルドネ62% ピノ・ノワール38%
ドザージュ:9~10g/ L
グランクリュ:アヴィーズ、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、クラマン、シュイイ、ヴェルズネイ、ブージー
価格:オープン価格

#6:ベスラ・ド・ベルフォン キュヴェ・デ・モワン ロゼ・ブリュット
生産者:ベスラ・ド・ベルフォン
ぶどう品種:シャルドネ30% ピノ・ノワール30% ピノ・ムニエ40%
価格:9135円

#5サーモンピンク色、ベリー系果実、ドライフラワーを連想させる香り、イキイキした酸味、清涼感と凝縮感のバランス、ランソンが目指すフレッシュ&力強さのサンプル! #6深みのあるオレンジを含むローズ色、イチゴやオレンジピール、砂糖漬けのお菓子、時間の経過でスパイスな要素も加わり、アロマが広がっていく印象

MLFをしていないシャンパンに合わせやすいのがピクルス。この日はハーブに漬けこんだピクルスで相性を試してみました。ここでのポイントはハーブ由来のビター感。ロゼに含まれるタンニン分が力を発揮していました。半数以上の講座生が「合う!」と判定を下したのが#5のランソン ノーブル・キュヴェ ロゼ・ブリュット! このレンジは同メゾンのトップキュヴェですが、メインのお肉系に合わせても問題なく楽しめるタイプだと思いました。20年以上前のランソンと現在のランソン、酒質が大きく変化した気がしています。

サントリー登美の丘ワイナリーから戻って
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当日は午前中から山梨のサントリー登美の丘ワイナリーでの取材でした。主な日程終了後、プレスメンバーより1台早い電車で帰路へ。現地で購入してきた可愛い信玄桃のお菓子! 講座生に喜んでいただけた感じ(笑)、雰囲気ある梱包、なかなかイイですよね

さてさて、お陰様で秋期講座も早々に満席になりました。こころから御礼申し上げます。
いまは10月から12月までの3回分のシャンパンを楽しみながらセレクトしているところです。
参加予定の皆さま、どうぞ楽しみにお待ちください♪
posted by fumiko at 22:23| Comment(2) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月04日

新ラベルにも注目! 8月のシャンパン編はローラン・ペリエのマグナムサイズで!

8月最終週のシャンパン編講座では・・・
暑さを吹き飛ばすためにもシャンパンのサイズは大きくなくっちゃ!
ということで、マグナムに特化してみました。

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フォーカスしたメゾンはローラン・ペリエ

(LP)、グループでみると業界4位です。
2009年の訪問リポートをご一読いただくと、LPの全体像が見えると思います。http://www.asahi.com/food/column/champagne/TKY200905190257.html
マグナムが並ぶと壮観、ボリューム感があっていいですよね

第1フライトは容量違いのロゼで
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別室で2種のグラスを準備して供出、並べてみると明らかに色調に違いが出ています。左から、
#1:ローラン・ペリエ ロゼ
生産者:ローラン・ペリエ(NM)  容量:750ml
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
#2:ローラン・ペリエ ロゼ
生産者:ローラン・ペリエ(NM)  容量:1500ml マグナム(現地からの取り寄せ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%

ぶどうはアンボネー、ブージー、ルーボワ、トゥール・シュル・マルヌなど10のクリュのものを使用。ロゼの色はマセラシオン(ぶどうの果皮を果汁に接触させる)のコントロールで抽出
#1は濃いめのサーモンピンクでバランス良し。今飲んで本当に美味しいと感じるシャンパン。
#2はオレンジ色を帯びたロゼ色、この色調がLPロゼの瓶詰め当初の色だと思います。フレッシュ、かつ、凝縮した果実の旨味。2つの色調の違いは熟成具合の差、大容量ボトル内での熟成が穏やかに進んでいることを示しています。当日の参加者は私を含め24名、香り&味わいの好みは6名vs18名(マグナム)という結果でした。レギュラーサイズはチャーミングで、マグナムサイズだと、そこに複雑さが加わってきます。

[リボン]8月30日の産経EX【ワインのこころ】は大容量ボトルについて触れました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120830/trd12083015410008-n1.htm

第2フライトは久々のグラン・シエクル
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ローラン・ペリエ ミレジメの最新ヴィンテージは2002年(画像中央/現地からの取り寄せ)
2002年からラベルがチェンジしています。
今年は同社創業200周年目なので、まさに新しいスタートです。

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ワインの供出順は左から順に#3ミレジメ2002、#4ミレジメ1999、#5グラン・シエクル

#3:ミレジメ2002
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%
シャルドネはアヴィズ、クラマン、オジェ、メニル・シュル・オジェ、シュイイ/ピノ・ノワールはブージー、マイィ、アンボネー、ヴェルジー、アイ、ヴェルズネーのクリュのぶどうを使用
2003年の1月、2002年のキュヴェを試飲した醸造責任者のフォコネさんは「シャルドネにはフレッシュさ、強固さ、魅力的なレモンの香り(LPの特長の1つ)があり、ピノ・ノワールには熟した果実のアロマを伴った力強さがある」ことを確信して、ミレジメを造ることを決定。ポテンシャルがあり、余韻も長いミレジメ。右隣の1999年より色調も濃く、レモンやグレープフルーツ等のかんきつ類、白い花や蜂蜜のニュアンスがあり、綺麗な酸味とボディのふくらみが秀逸。長期熟成が期待できるシャンパンだと思います。

#4:ミレジメ1999
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ52%、ピノ・ノワール48%
シャルドネはメニル、クラマン、オジェ、シュイイ/ピノ・ノワールはヴェルジー、ヴェルズネー、アンボネー、トゥール・シュル・マルヌのクリュのぶどうを使用
2002年と若干ブレンド比率が異なります。第3アロマに由来する様々な香りが特徴、LPの要素の1つ白い花の香り、大きな種の果実類(白桃や杏)のニュアンス、ミネラル感、余韻の旨味、バランスの良いヴィンテージ

#5:グラン・シエクル(使用3ミレジメは非公表
生産者:ローラン・ペリエ(NM)
ぶどう品種:シャルドネ約55%、ピノ・ノワール約45%
シャルドネはアヴィズ、クラマン、シュイイ、メニル・シュル・オジェ/ピノ・ノワールはアンボネー、ヴェルズネー、マィイのぶどうを使用
抜栓した時にコルクはしっかりしまっていたので、その瞬間からボトル内部の熟成具合が伝わってきました。ロースト香、モカ、大きな種でもこちらはカリン的、酸味&旨味、マグナムならではの贅沢な逸品でした!

[かわいい]今日(4日)からカレッジ秋期講座の一般受付開始です、満席御礼ヽ(^-^ )
フォーカスしたい素晴らしい候補メゾンのチェックも快調に進めています。シャンパンラバーさんの満足度200%超の内容になるように頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします! 
http://openc1.swu.ac.jp

[かわいい]新刊紹介 『愚者の説法 賢者のぼやき
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文芸ジャーナリストの重金敦之先生が送ってくださった新刊(定価1800円+税)
版元 左右社のHPで連載していたネッセイ(ネット上のエッセイを意味する先生の造語)と、
「週刊朝日」に寄稿した書評などを加えた1冊で、平成の御意見番の軽快な辛辣さが魅力
食の分野でも造詣が深い先生なので、食にまつわる話題も豊富
左右社のHP

の右上段に連載中の『オンとオフの真ん真ん中』あり
重金敦之氏の切れ味良い文体をぜひともチェックなさってください!
posted by fumiko at 13:02| Comment(7) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月04日

ニコラ・マイヤール来日特別講座@オープンカレッジ

いかに良いワインを造るか、いかにテロワールを表現するか
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7月中旬、メゾン・ニコラ・マイヤールの当主ニコラ・マイヤールさんが来日しました。輸入元の豊通食料さんのご協力で日程を調整していただき、オープンカレッジで特別講座を行うことができました。ニコラ・マイヤールのシャンパンは2月の講座で取り上げたので、本当に贅沢な仕上げになりました。2月のリポートはコチラ

です。

ニコラ・マイヤールの概要
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モンターニュ・ド・ランスに3つの畑(グランクリュのブジー、プルミエクリュのヴィレール・アルラン、プルミエクリュのエキュイユ)を所有。「ブジーは粘土質、粘土石灰質なので力強いワインになり、ヴィレール・アルランは熟成させるのにちょうど良いワインになります。また、砂質土壌のエキュイユはメゾンの本拠地であり、フルーティーさが表現できます」とマイヤールさん 
栽培面積は16ヘクタール(比率は30%CH、55%PN、15%PM)、完全な有機栽培ではありませんが、自然に関与する形で行っています。ニコラ・マイヤールさんがメゾンに参入した2003年に醸造所の設備を重力利用のグラヴィティシステムに。小樽の導入(3年前からルロワの古樽使用)、区画毎・品種毎の仕込み。醸造面ではMLF一部実施。40%はオーク樽で熟成。リザーヴワインとして保存しているのは生産量の70%

テイスティングワインは全部で7アイテム (左から順に)IMG_3607 .jpg
第1フライト
No1: ブリュット プラティーヌ プルミエ クリュ
ぶどう品種: PN80%、CH20%、ドザージュ:8g/L、デゴルジュマン:2011年11月
No2:エキストラ ブリュット プラティーヌ プルミエ クリュ
ぶどう品種:PN80%、CH20%、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2012年1月

マイヤールNo1No2のブレンド比率は同じです。樽で保管しているリザーブワインを45%使用することで、複雑味が出てきます。No1は瓶熟2年半、気泡は軽め、上品かつエレガントで洋梨やオレンジ、甘草やヴァニラのニュアンスがあります。中盤以降ボリューム感が広がり、最後はライトに終わるのでアペリティフにおすすめしたいシャンパンです。No2は瓶熟期間は5年。基本的にはNo1と同じ香りがあり、ミネラル感も感じます。アペリティフやシーフードで楽しめます。 

自根について
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エキュイユの砂質土壌の畑にある自根のピノ・ノワールから『レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ』を造っています。フィロキセラは砂地では生息できないので、1973年に彼の父親が植樹したものです。ぶどう樹の出生について、「エキュイユにあったことはわかっていますが、詳細は不明です」とマイヤールさん。当初、自根のピノ・ノワールから収穫したワインはNVにブレンドしていたそうですが、マイヤールさんがメゾンを引き継いだ2003年に初めてヴィンテージものをリリース、それがNo5のラインです。

マイヤールさんいわく「地中から2メートルまでは砂質でも、その下に粘土があればフィロキセラにやられる可能性があるので、リスクはあります」と。講座生から「地中探索で調べられないのですか」との質問には、「経費が膨大になるので、なかなかできません」と答えていました。

ピノ・ノワールの樹齢は30年、マサル・セレクションを行っています。また今回ニコラ・マイヤールが行っている新たなやり方も伺いました。それは接木したぶどう樹の上に土をかけて埋め、根が出てから切り離し、苗を増やす方法で、これはフィロキセラ以前、畑でぶどう樹の枝を土に埋め、根が出てから切り離す取り木(プロヴィナージュ)の変形です。

一番最後にマイヤールさんの画像があります。彼の右上部に、41Bという台木があり、その字の上に小山のように盛り上がった絵があるのがおわかりいただけますよね。それが増やし方の解説です。

マサル(massal集団の)・セレクションは畑から優秀な株を複数選び、穂木をとって苗をつくり、もとの畑に戻す方法。マサル・セレクションを行うにはクローン苗を使っていない畑を選ばなければならない。

自根のシャンパンを利く
接木と自根については、拙オフィシャルサイト『プロの流儀』の【栽培】の項をクリックしていただけば、安蔵光弘醸造家のわかりやすい解説が載っています。
>>>http://www.non-solo-vino.net/style.html

第2フライト
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左から3、4、5の順、3と4は白ぶどうのみ、シャルドネ100%で、5は黒ぶどうのみ、ピノ・ノワール100%、色の違いがわかりますね

No3:2004 レ・シャイヨ・ジリ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:CH100%、MLF無、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2011年4月
No4 :(タルラン)2000 ラ・ヴィーニュ・ダンタン
ぶどう品種:CH100%(自根)、MLF無、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2010年3月
No5:2005 レ・フラン・ド・ピエ エキストラ・ブリュット・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:PN100%(自根)、MLF無、ドザージュ:2g/L、デゴルジュマン:2011年4月

マイヤールNo3~No5とも木樽熟成、MLF無、ドザージュ2g/Lという点が共通しています。これらは食事に合わせて楽しみたいワインです。
No.3にはパンを焼いたような香ばしさとミネラル感があり、力強さと酸が備わったシャンパンです。料理も同じように力強さがあるものが合います。
No4他メゾン/タルラン)のミツのような香りに驚きました。古典的なシャルドネでNo3 よりも柔らかく、落ち着いた味わいです。まろやかでありながらボリューム感もあり、余韻はソフトに広がっていきます。上記2つのシャルドネはコート・デ・ブランの典型的なシャルドネとは異なります。シャンパンから感じるエスプリが似ています。
No5 からはオレンジやアーモンド、スパイスの香りを感じます。口中では繊細でシルクのような食感、優しい味わいです。料理は繊細なソースの魚料理が合うと思います。

私的感想:今講座の柱になるフライトで、とても興味深いものでした。No3は近代的なスタイル、今の時代に合ったシャルドネで、メリハリのある酸が特徴的でした。No4は酸味もやさしく、シャンパン全体がまろやか、酸も楕円形に近いニュアンスで口中に広がる印象でした。No5も穏やか、全体を優しく包み込む印象。No4No5の優しい円熟味が自根由来と感じている私ですが、まだまだ探究が必要だと感じています。

 
第3フライト
No6:2005 ブリュット・ミレジメ・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:PN50%、CH50%、デゴルジュマン:2012年1月
No7:1995 プレステ―ジ・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:PN50%、CH50%、デゴルジュマン:2010年12月

マイヤールNo6は個人的にも好きなシャンパンです。柑橘系果実やバターのニュアンスがあり、柔らかくてエレガントです。第1フライトと第2フライトを総括したようなスタイルだと思います。
No7は父親の代のシャンパンで、モカやタバコ、熟成した香りと味わいがあります。1995年はとても良いヴィンテージでした。あと10年位経過しても全然問題なく楽しめますし、酸は今よりもワインに溶け込んでいるはずです。

私的感想No7 は古酒の醍醐味ともいえるコーヒーやモカのニュアンスがあり、第3アロマに由来する様々な熟成香が時間の経過とともに楽しめました。No6は供出されたマイヤールさんの6アイテム中、一番気に入りました。フレッシュ感が好印象でバランスが良く、マイヤールスタイルが表現されています。

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2003年に父親のミシェルさんからメゾンを引き継いだ1977年生まれのニコラ・マイヤールさん
昨年暮れにお子さんも誕生し、お仕事も家庭も順風満帆のご様子でした。
今回2度目の来日で、明日(特別講座の翌日)は山梨のワイナリー訪問とのことでした。
お忙しいなか、お時間を割いていただき、ありがとうございました。
豊通食料の小永井さんにも御礼申し上げます!
posted by fumiko at 23:32| Comment(5) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月04日

6月のシャンパン編はアンリオにフォーカス!

春期講座の最終回(6月)はアンシャンテルール1998をリリースしたアンリオにフォーカスしてみました。今年からメゾン&ドメーヌアンリオ アンバサダー制度がスタートし、6月中旬から初代大使の大越基裕ソムリエはフランス入りしていた由。現地で見聞した情報はファインズさんがfacebookで随時発信していくそうです。

シャンパン編でアンリオにフォーカスするのは2009年1月以来になりますが、前回は古酒の醍醐味を実感することができました。過去ブログに創業200周年を祝う夕べも挿入してありますで、アンリオの凄さの一端がおわかりいただけると思います。

レギュラーサイズとマグナムサイズの比較試飲で
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画像左から順に第1フライト~第3フライトに分けてアイテムを供出

アンリオの個性&特徴
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自社畑:27ha、栽培品種:ピノ・ノワールとシャルドネ
ピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランスの北側、北向きの斜面の畑で栽培。シャルドネはアンリオにとっての要シュイイを中心に、石灰質土壌の、特に涼しい区画で栽培。主な4つの畑の特長は、
マイィ(北向き)グレープフルーツなどの柑橘系果実を思わせるニュアンス、フレッシュでフルーティーな味わい、長期熟成のポテンシャルを表現できる畑
ヴェルズネイ(東向き)西からの厳しい風から守られた土地で、リッチで複雑、長い余韻。アンリオのシャンパンの骨格を形成するのに欠かせない要素を備えた畑
シュイィ(北向き)酸とミネラル感、長期熟成に耐える驚くべき余韻をもたらす真骨頂の畑、アンリオの歴史上重要な畑
アヴィーズ(東向き)エスニックなニュアンス、酸味豊かなレモンの香り、フィネスと骨格と力強さが表現できる畑

第1フライト
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#1:アンリオ ブリュット スーヴェラン
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
価格:6100円(税抜)
過去にいくつかのメゾンの“容量違い”を試してきましたが、レギュラーサイズは流通面での回転が早いので、フレッシュな状態のものが多いようです。#1も同様で、グレープフルーツ等の柑橘系果実、キレの良いミネラル感、メゾンの顔らしいバランスの良さ

#2:同 
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ  
価格:13000円(税抜)
講座生23名中19名が「好み」と答えていた1本。熟成による香りの変化が顕著。色調は若々しいものの全体の印象はなめらかでグレープフルーツやハチミツ、ロースト香、口中全体に広がる旨味

講座終了後、ファインズさんに#2のデゴルジュマン時期について質問してみました。「2008年3月に輸入されたもので、デコルジュマンは2007年中頃だと思われます」との回答。#1のラベルと比較してみればわかりますが、これは旧ラベル。マグナムに関しては旧ラベルでの対応になっているようです。マグナムサイズで熟成させたシャンパンの瓶内での変化、落ち着きを知るのには良いサンプルだったと思います。

第2フライト
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#3:アンリオ  ブラン・ド・ブラン
主にコート・デ・ブランのシャルドネ(メニル・シュル・オジェ、アヴィズ、シュイイ、ヴェルチュ、モンテギュ、トレパイユ、エペルネ、ヴィトリー地区)を使用
品種:シャルドネ100%
価格:7500円(税抜)
『レカン』のお料理(ホワイトアスパラガスとズワイ蟹、キャビア添え)とこのブラン・ド・ブランを合わせた時に、大越アンバサダーは双方に共通する“酸の同調”について語っていましたが、口中で早い段階から広がってくる酸味がアンリオの個性ですね。レモンを使うと良く合います。

#4:同
品種:シャルドネ100%
価格:15400円(税別)
芳醇な香り、ぶどうの生地の良さと酸味のメリハリ感、なめらかでボディがあり、心地良く続く余韻が魅力

第3フライト
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#5:アンリオ キュべ・アンシャンテルール1998
モンターニュ・ド・ランス(マイイ、ヴェルジ、ヴェルズネイ)、コート・デ・ブラン(メニル・シュル・オジェ、アヴィズ、シュイイ)のぶどうを使用
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%
価格:23000円(税抜)
完熟した果実の香り、柑橘系コンフィの風味、ナッツやハチミツ、モカのニュアンス、余韻に感じる軽いビター感

#6:アンリオ キュべ・アンシャンテルール1995
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%
価格:23000円(税別)
素晴らしいの一言! 長期熟成を経たアンリオの姿、ここにあり! 2009年にテイスティングした時にもナッツの風味やロースト香を感じましたが、3年を経て、より複雑味、旨味が増していました。

番外編南フランスのジェルブレと合わせて
講座生の皆さんに、つかの間、マリア―ジュの協力をしていただきました。
アペリティフの日@東京会場のブースで、大塚製薬(株)扱いの栄養食品ブランド、南仏の『ジェルブレ』と出会ったことから、シャンパン講座で試してみることに。この日はシャンパーニュ地方のチーズ『ラングル』と、ジェルブレにつけて楽しめる(であろうと)マスカルポーネも揃えてのチャレンジです。

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フランス語のジャーム(胚芽)とブレ(小麦)からなるジェルブレ

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左から順に(1)全粒粉 (2)レーズン (3)ハチミツ&セサミ (4)イチジク&ブラン (5)レーズン&ヘーゼルナッツの5種類を準備

ジェルブレ単独の味わいに対しては(1)香ばしさ (2)レーズンの旨味 (3)サクサク感 (4)イチジクの甘味 (5)しっとり感 という評価があり、■朝食で食べたい ■牛乳やカフェオレと一緒に ■小麦の風味が良い等の意見が出ていました。

シャンパンとの相性では、個人的には(5)のレーズン&ヘーゼルナッツにマスカルポーネをつけて#6のアンシャンテルール1995と合わせたものが好みでした。なんとも贅沢な組み合わせです。講座生の皆さんからも(5)レーズン&ヘーゼルナッツと#2#6 の組み合わせが良いとの回答が多く、(1)の全粒粉と#2、(2)レーズンと#4、(3)ハチミツ&セサミと#2#4、(4)イチジク&ブランと#6あたりに好意的な評価が出ていました。マグナムサイズや熟成を経たシャンパンの包容力を感じた実験になりました。

ジェルブレを朝食でいただくならカフェオーレで、夕方のアペリティフの時間なら、チーズを添えて(マスカルポーネはイイですよ)スティルワインやスパークリングワインで楽しめます。(2)のレーズンはロゼワインで試したいと思いました。いろいろな組み合わせが連想できますし、オレンジ色のパッケージも元気カラーで、健康食品のジェルブレに良く似合っていると思います。
大塚製薬(株)ニュートラシューティカルズ事業部のNishikawaさん、貴重なサンプル、ありがとうございました!

7月のシャンパン講座では定番の回に加えて、franc de pied(自根)のピノ・ノワールから素晴らしいシャンパンを造っているニコラ・マイヤールさんをお迎えしてのシャンパン編特別講座がありますし、7月12日には某有名メゾン主催で素敵なアイテム発表もあるので、中味の濃いシャンパンライフを満喫できそうです。リポートを楽しみにしていてください!
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2012年05月31日

新登場の『ゾエミ・ド・スーザ』と本家『ド・スーザ』を比較しながら

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5月のシャンパン編では、エペルネの南部コート・デ・ブランのアヴィーズを本拠地にしているレコルタン・マニピュラン(RM)の『ド・スーザ(当主エリック・ド・スーザ)』と、エリック当主が妻のミシェルさんとともにはじめた『ゾエミ・ド・スーザ』を比較試飲してみました。

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“ゾエミ”というのは、エリックさんのお母様(祖母ではなく)の名前で、「女性らしさを感じる美しいシャンパーニュを造り出したい」というコンセプトから誕生しました。醸造責任者はエリックさんですが、副醸造責任者はご夫妻の愛娘シャルロット・ド・スーザさん。OIVマスター修士課程を修めた才女が手掛ける、“女性らしさ”を前面に打ち出したシャンパンです。

第1フライトと第2フライトでは
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第1フライト 
(1)(左から2本目)ゾエミ・ド・スーザ ブリュット メルヴェイユ ~美しさ~
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%
発酵:ステンレス /熟成:ステンレス /ヴァン・ド・レゼルヴ:30%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2011年6月10日
価格:6000円

(2)(最左)ド・スーザ ブリュット・トラディションNV
ぶどう品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10% 
栽培:4分の3以上が樹齢40年超の古樹。ヴァン・ド・レゼルヴ:20%
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2010年1月19日
価格:6800円

香り、味わいに関してはデゴルジュマンの期間の違いが明確に出ていた比較になりました。(1)ライム、GF、青リンゴ等のニュアンス、口中に広がる柑橘系果実内皮のエグミ感、直線的な酸、(2)ナッツやブリオッシュ、旨味、丸みを帯びたやさしい酸。~美しさ~には若さがあるので、初夏の昼下がりや海辺で喉を潤すイメージ!

第2フライト
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右側(上)の画像、左から順に
(3)ゾエミ・ド・スーザ ロゼ・ブリュット ディスタンゲ ~気品~
ぶどう品種:シャルドネ90%、ピノ・ノワール10%
発酵:CHステンレス、PN樽 /熟成:CHステンレス、 PN樽 /ヴァン・ド・レゼルヴ:30%
製法:アッサンブラージュ
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2012年1月8日
価格:7000円

(4)ド・スーザ ブリュット・ロゼNV
ぶどう品種:シャルドネ92%、ピノ・ノワール8%
ヴァン・ド・レゼルヴ:10%
製法:セニエ法
ドザージュ:7g/L
デゴルジュマン:2010年3月10日
価格:8000円

(3)はアッサンブラージュで(4)はセニエで造ったロゼ。~気品~の出荷がデゴルジュマン後、半年経過していないのが少し気になりました。澱抜き後、4カ月程度だと瓶内が落ち着かないからです。(3)は(1)同様の若々しいロゼシャンパンで、香りは赤いバラやドライフラワー、キャンディボックス、アセロラ、味わいにはミネラル感と、中盤以降、柑橘系果実内皮のようなエグミ感あり。願わくばデゴルジュマンから半年以上経過した~気品~を試飲したいと思いました。一方の(4)は、第2アロマに由来する複雑な要素が広がり、タンニンも感じるキレの良い味わい。大人の雰囲気があります。

講座生のisoisoさんが「リンゴをかじりながら、試飲すると、タンニンの違いがわかりますね」と発言していましたが、以前ベリンジャーのペアリングで体験したリンゴをかじる方法を応用すると、2種のロゼのタンニンの違いが良くわかるはずです。タンニン自体は(4)のほうが多いです。~気品~は肉料理でも赤い果実のソースを使った一皿に!

拮抗する香り、味わい
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第3フライト
画像は左から(供出順)
(5)ド・スーザ レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:7g/ L 
デゴルジュマン:2010年3月22日
価格:8000円

(6)ゾエミ・ド・スーザ ブリュット プレシューズ グラン・クリュ
ブラン・ド・ブラン ~才女~
ぶどう品種:シャルドネ100%
栽培:ビオディナミ
発酵:ステンレス /熟成:ステンレス 熟成期間24ヶ月 /ヴァン・ド・レゼルヴ:40%(3ヴィンテージ)
ドザージュ:7g/L 
デゴルジュマン:2010年4月14日
価格:7000円

第3フライトはデゴルジュマンの差がなかったので、ナイスな比較対象になりました。ともにグラン・クリュであり、糖分添加量も同じ。本家(5)にはナッツやエスニックスパイスの香りがあり、軽いエグミとそれを包み込む旨味もあって、バランスの良さを感じます。(6)~才女~は講座生からの受けが良く、「フレッシュなのに、それなりに経験を積んだ女性みたい」とのコメントもありました。それに関しては、ゾエミ・ド・スーザから「プレシューズ~才女~には、ヴァン・ド・レゼルヴが多いことに加え、それらをバリックで熟成させたグラン・クリュのシャルドネを使っているので、より重厚感が出ています」との回答でした。

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~才女~には素材の新鮮さ、旨さを生かした刺身が良く合います。

第4フライト
右側(上)の画像、左から順に
(7)ド・スーザ キュヴェ・デ・ コダリー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:3.5g/L
デゴルジュマン:2010年1月22日
価格:13000円
「尾」、「余韻の長さを示す単位」のこと

(8)ゾエミ・ド・スーザ ブリュット デジラブル グラン・クリュ
ブラン・ド・ブラン ~魅惑~
ぶどう品種:シャルドネ100%
栽培:ビオディナミ 50年以上の古樹のみ使用
発酵:樽 /熟成:樽(15%新樽) 熟成期間36ヶ月 /ヴァン・ド・レゼルヴ:50%(ソレラシステムでキープした12ヴィンテージ、最古のワインは1995年)
ドザージュ:5~6g/L
デゴルジュマン:表記なし 
価格:10000円

(7)は本家のフラッグシップです。香り、味わいともに複雑味があり、(2)に感じたような大人の雰囲気があります。旨味も十分感じます。私の納得のシャンパンは(8)のゾエミ・ド・スーザ~魅惑~ (7)とはニュアンスの異なるレモンピールやGFの柑橘系要素があり、泡もワインに溶け込み、口中とてもクリーミー、こちらもヴァン・ド・レゼルヴ効果なのでしょう、厚みが十分にあり、バランス良し。余韻の軽い抜け方が好きでした。

ゾエミ・ド・スーザのヴァン・ド・レゼルヴについて
輸入元の三国ワイン様経由で、ヴァン・ド・レゼルヴを保存している容器について質問してみました。回答では大樽、小樽、一部はステンレスタンクを使用。PNは大樽(フードル)で。グラン・クリュのCHは小樽(バリック)で。グラン・クリュ とプルミエ・クリュの2種はステンレスでキープしているとのこと

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天ぷらにレモンや塩、お抹茶+塩を添えていただくのもおすすめ!

ゾエミ・ド・スーザに関するお問合せは三国ワイン(株) 電話03-5542-3941
営業企画部 広報担当:田結(たゆい)さんまで
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2012年04月23日

自根シリーズの最後はシャルトーニュ・タイエ『レ・バール エクストラ・ブリュットNV』で!

オープンカレッジの春期講座シャンパン編が始まりました。
4月は“自根(franc de pied)シリーズ”、メゾンは『シャルトーニュ・タイエ』です。
ぶどう品種はピノ・ムニエ!

昨年末に訪問した『タルラン』のブノワさんから教えていただいた情報をもとに、
『シャルトーニュ・タイエ』のアレクサンドル・シャルトーニュさんにメールをしました。
「1月にタルランの自根のシャルドネ

、2月にニコラ・マイヤールの自根のピノ・ノワール

を取り上げてきました。今回はあなたが造っているピノ・ムニエを是非とも準備したい」と。
私の持論 「できる男は返信が早い(笑)」、即お返事がきました。
フランスにも在庫がほとんどないなか、アレクサンドルさんと輸入元の(株)フィラディスの間中さんの尽力で、無理が叶いました。本当に特別供出の貴重なシャンパンです。

シャンパン名は『レ・バール エクストラ・ブリュットNV』
尊敬するワインジャーナリストの柳忠之さんが『ワイナート65号』に訪問記事を載せています。

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春期講座の第1回目のフルメンバー!

第1フライト
『シャルトーニュ・タイエ』のNVとミレジムを比較してみました。
本拠地はランスの北西7km、サン・ティエリー丘陵の標高120mに位置するメルフィにあります。1683年からぶどう栽培を、1960年代からシャンパン造りを開始した小規模の家族経営のレコルタン・マニピュラン(RM)です。
#1:キュヴェ・サン・タンヌ ブリュット
生産者:シャルトーニュ・タイエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール47%、シャルドネ39%、ピノ・ムニエ14%
ドザージュ:4.5g/L
デゴルジュマン:2011年12月
価格:5200円
#2:ブリュット・ミレジム2002
生産者:上同(RM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ドザージュ:6g/L
デゴルジュマン:2011年2月
価格:7800円

左から、#1#2の順。2本とも繊細でリズミカルな気泡。#1は香り華やか、フレッシュ感があり、青リンゴやグレープフルーツGFのような果実味。余韻にGFの内側の白皮を食べたときに感じる軽い渋み。素直で溌剌としたスタイルです。#2はぶどうの凝縮感、ミネラル感、ボディのふくらみがあり、おすすめのおいしいシャンパン。2ボトルとも酸の印象が際立っており、#1はメリハリ感、#2はよりピュアで鋭角的。ここで感じた酸の印象が、第2フライトで同メゾンを利き取る何らかのヒントになるのでは、と思いましたが。さて、第2フライトでいかなる結果が出るか・・・

第2フライトでとりあげた秀逸なピノ・ムニエ100%のシャンパン
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#3:クリストフ・ミニョン エクストラ・ブリュット
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http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-08-15-1
生産者:クリストフ・ミニョン(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:3g/L
デゴルジュマン:2011年8月1日
価格:6300円
レモンやGF、白い花、ブリオッシュ、ミネラル感があり、口中に残る最後の軽いビター感が#1と似ています。チャーミングで軽快、万人に好かれるシャンパン。ピノ・ムニエに関して“フラワリー”というのが私にとっての1つの判断基準です。5アイテムの香りを利いて、それをしっかり感じたのがクリストフ・ミニョンと#5のシャルトーニュ・タイエ。講座生への質問「香りが華やかで花のようなニュアンスを感じるものは」で、挙手が一番多かったのはやはり#5、以下 #3 #4#6 は同数で、#7 はゼロ

#4:タルラン ラ・ヴィーニュ・ドール2002
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生産者:タルラン(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100% /スパルナシアン(粘土石灰質)土壌
ドザージュ:4g/L
デゴルジュマン:2010年6月22日
価格:10500円
ピュアで凛としたシャンパン。花のような香りだけでなく、香草やハーブ的なニュアンスもあり、口中での旨味や上品な酸、余韻のビター感、いいですよね。「酸を一番感じるのは」の質問に、約半数がタルランに手を挙げていました。ブノワさんは「酸味と渋味を楽しんで」とおっしゃっていますが、デゴルジュマンをして約2年弱。昨年暮現地で、そして今年1月講座で試飲した時より、酸味がワインに溶け込んでいる印象を受けました。ちなみに講座生の酸の感じ方は挙手の多い順に#4#7#3#5は同数、#6でした。

#5:シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・レ・バール
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生産者:シャルトーニュ・タイエ(RM) 特別出品
ぶどう品種:自根のピノ・ムニエ100%/ チョーク・砂質土壌
ドザージュ:ノン・ドゼ 
デゴルジュマン:2011年4月
若手のホープ、アレクサンドル・シャルトーニュさんを表現しているような元気な気泡、ピノ・ムニエらしいフラワリーで華やかな香り、トロピカルフルーツやキレのある酸、歯茎に残るごく微量のビター感。砂質育ちの自根ぶどうの「酸」の特徴は、粘土石灰質やチョーク質にはない、細身ながらも骨が少し太いという印象です。5つのシャンパンのなかで酸のインパクトがありながらも、口中で太めの酸を感じたのがレ・バールでした。ドザージュをしていないので、酸味ははっきりしていますが、口のなかでの広がりはきわめてクリーミー、丸みがあります。それを#5のなかから利き取り、感じ取ることができるか・・・というより、私のその説明が講座生に伝わるかかどうかのほうが気になりましたが、結果、ここ1年ほどでテイスティング能力に磨きがかかってきたkanさんと初参加のAさんがしっかり当ててくれました。ぶどうの樹齢は50年。NV表記ながら2006年収穫のぶどうだけを使用した数量限定の希少シャンパンです。

自根(franc de pied)でもタルランやニコラ・マイヤールは「砂質のみ」で、シャルトーニュ・タイエは「石灰混じりの砂質」土壌です。ピノ・ムニエの樹を植えたのはアレクサンドルさんの曽祖父・母だそうで、「石灰を含んでいてもベースは砂質なのでフィロキセラの害はない」と判断して植えたということでした。

#6:フランソワ・べデル  アントル・シエル・エ・テール
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生産者:フランソワ・べデル(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:8g/ L 
価格:8300円
収穫年の表記はないのですが2002年産100%、他の4つと明らかに異なる香りで、一番控えめながら、花だけでなく、果実、野菜、鉱物、スパイス等の様々なニュアンスがあり、酵母由来の旨味、複雑味、太くて長~く広がる余韻、一味違う大人の印象。今回講座生に聞いた「香り」、「酸味」、「タンニン」の3項目すべてにおいて一番挙手が少なかったのがベデルですが、1つの要素が際立つというわけでもなく、自己主張するわけでもなく、でも上品に立ち位置を決めている、そのような表現が似合いそうな1本でした。

#7:エグリ・ウーリエ レ・ヴィーニュ・ド・ブリニー プルミエ・クリュ
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http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2009-07-19-1
生産者:エグリ・ウーリエ(RM)
ぶどう品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:非公表 (多くても5g/L位までの予想)
デゴルジュマン:2010年10月 
価格:7300円
いつ飲んでも「いいなぁ!」と感じるシャンパン。厚みがあり、蜂蜜のような甘味と舌の上に広がって余韻を残しながら消えていく酸がホントきれい。新樽由来のタンニン分は感じますが、樽使いの凄さは秀逸。講座生への質問「口中でタンニンを一番感じたのは」でも、予想通り、エグリ・ウーリエが圧倒的でした。洗練されたタンニンなので、味のバランスを邪魔することなく、むしろ食事と合わせていただくと、より旨さが広がるという印象を受けます。2番目に多かったのが、シャルトーニュ・タイエ(タイエのタンニンはウーリエとは質の違うタンニン/探究する価値あり)で、以下#4#6#3

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お気に入りを1つを選んで、と言われてもとても簡単に答えられない、素晴らしいピノ・ムニエでした。各グラスそれぞれに趣きがあり、大いに魅了されました! 「人生の最後に飲むシャンパンは」などという質問を良く聞きますが、シャンパンの魅力を知れば知るほど、私はその質問に到底答えられないことを実感しています。
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2012年04月18日

ウチ飲みワインのすすめ@昭和女子大学オープンカレッジ

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春期特別講座『ウチ飲みワインのすすめ

』も無事に終了! 
定員以上の皆さまに受講いただき、感謝にたえません、ありがとうございました!
今回は11アイテムのワインをご用意しましたが、食との相性で面白い実験をしました。

ラッキーにも、講座3日前に受講したサッポロビール主催『ベリンジャー・フードペアリングセミナー』が、有意義かつすぐに応用できる内容だったので、「ウチ飲みワインのすすめ」に参加してくださるワインラバーさんには是非とも体験していただこう! と思い、早速取り入れました。
まずは、内容充実のフードペアリングセミナーからお伝えしますね。

ナパの老舗ワイナリー『ベリンジャー』が開発したプログラム

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当日テーブルの上に用意されていたワインは5アイテムで、左から(1)ホワイト・ジンファンデル2010、(2)シャルドネ2010、(3)エステート・シャルドネ2010、(4)カベルネ・ソーヴィニヨン2009、(5)エステート・カベルネ・ソーヴィニヨン2009。ポリコップのなかには醤油と旨味水(味の素を水で溶かしたもの)、お皿の上にはリンゴ、木綿豆腐(わさび付)、シャケ、ステーキ、レモン、お塩

講師はべリンジャーワイナリーを傘下にもつトレジャリーワインエステーツ社の古本龍彦さん。長年ベリンジャーを担当なさっていたファインワインアンバサダーで、ワインと食事のペアリングの研究家として活躍中です。

ベリンジャーは1876年創業の老舗ワイナリー。禁酒法時代にもミサ用のワイン造っていたので、その歴史は136年に及びます。同社ではワインと料理の相性を研究し、『フード・ペアリング』という独自の理論を完成していますが、それは「ワインの味をできるだけそのままに保つワインと料理のおいしい組み合わせの探求」です。

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ベリンジャーが開発した塩味・酸味・旨味・甘味の一覧表 (C)Jerry Confort

第1フライトは、上記5アイテムのワインを試飲し、続けてリンゴとレモンで相性をみていきます。レモンはどのワインをもマイルドにしてくれる優れもの。リンゴと(5)の相性は最悪、口のなかは渋み&苦みの大洪水! 

第2フライトではテキーラを飲む要領で、手の甲にレモン汁を2~3滴たらし、そこに1つまみの塩を加え、タンニンの強い(5)と合わせると、あらら~大洪水だったはずの口中がさっぱり!
古本講師いわく「樽のタンニンが苦みを増大させるのですが、レモンと塩によって味わいが緩和されます」と。それからリンゴにレモン汁を振り、塩をつけて食べるとワインもリンゴも美味に。
“ワインの味も変化せず、リンゴも美味しくなる”、これがべリンjジャーが考えるペアリングの基本理論です。

第3フライトでは樽の要素のある(3)と旨味水(だしの味、素材が持っている味)を合わせて。旨味水を口に含み、ワインを飲んでみると微量のアンバランス感はあるものの、嫌な印象ではありません。古本講師が「この組み合わせを許せると思う人?」の問いに挙手したのは私を含め32名、「許せない」と答えた人は22名。古本講師の「器の狭さを試しました」との冗談めかしのひとことがありましたが、味覚に対する反応はまさに様々です。私には許せる範囲ですけどね、この組み合わせは。

第4フライトは(3)とシャケを合わせて。最初はそのまま、後半はレモンと塩で。生臭さvsすっきり!
第5フライトは(5)とステーキ。最初はそのまま、後半はレモンと塩。物足りなさvs旨さ、歴然です!

1時間の短いセミナーでしたが、貴重な体験になりました。古本講師、ありがとうございました。
また(C)の表の許可もありがとうございました!
続きを読む
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2012年03月16日

カレッジ課外講座『あっぱれ! 日本! ~日本ワインの実力を体感しよう~』@JIP

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お世話になっているお花屋さんに頼んでいた岩手県のお花。11日に届いたのは雫石産のラナンキュラスでした。色とりどりできれいです。花言葉も 魅力的、晴れやかな魅力、光輝を放つ”など、元気が出る言葉ばかり・・・被災地の早期復興への思いを込め、ご参加くださった皆さまに1本ずつ手渡しさせていただきました。みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために!!

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今年初の課外講座の会場は新宿御苑にある日本ワインを中心としたワインバーJIP

さん

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満員御礼!!
まずはカレッジ事務局の担当Suzukiさんからあっぱれ! 日本!

開会のごあいさつ。
第2部担当のTaste_and_funの沼田実

代表と一緒です。
画像:JIP提供

第1部:日本と海外のワインの比較
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第1部では、世界ワインに匹敵する力を持つ日本ワインを参加者の皆さまに体感していただくことが目的でした。白ワインは欧州系品種のソーヴィニヨン・ブラン、赤ワインはメルローに決めました。上部にあるラベルは シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤードのソーヴィニヨン・ブラン2010です。ブラインドで供出した【白ワインの部】で、半数の方が「一番好き!」と答えていたワインです。メルシャンさんからの特別供出のため、ボトル画像がないので、ラベルでご確認ください。
画像:JIP提供/メルシャン提供

ソーヴィニヨン・ブランについて
産  地:フランスのボルドー地方とロワール地方が主要エリア
栽培適地:比較的冷涼な気候から温暖な気候に順応、石灰質土壌
特  徴
■青草、柑橘類、ハーブ類の香り、時として燻製香。さわやかな酸味
■ボルドー地方ではセミヨンとブレンドするが、メドック地区では辛口に、ソーテルヌ地区では甘口に仕上げる
■ロワール地方のロワール上流域にあるサンセールは下流に向かって左岸、プイィ・シュール・ロワールは右岸に位置し、ともに芳香があり、酸がきれいなワインを産する

ソーヴィニヨン・ブランの香りの特徴
2008年6月に急逝なさった富永敬俊博士はSBの香りの第一人者でした。ボルドー第二大学醸造学部では白ワインの大家ドゥニ・デュブルデュー教授に師事していました。博士は「SBのワインは非常に特徴的な香りを放ち、しばしばグレープフルーツ、パッション・フルーツ等の果実、カシスの芽と呼ばれる個性的な香りにたとえられます」と述べています。カシスの芽とは、発情期の雄ネコの尿の臭いと類似しています。これらの香りはSBの品種香を担う重要なものです。

日本の固有品種甲州ぶどうのなかにグレープフルーツの香り(SBから見出された香りと同じ)があることがわかり、シャトー・メルシャンの甲州きいろ香の成果につながっていきました。以下の原稿は博士とやりとりした最後の記録です。http://www.non-solo-vino.net/kiro2.pdf

【白ワインの部】 解説順
マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2010
プレスセミナーとカレッジの課外研修で、2回新装したワイナリー

を訪問し、その折、試飲して大いに心ひかれたワインです。味村興成ワインメーカーからミシェル・ベタンヌさんから高評価を受けたことをお聞きしました。素晴らしいことです。2010年ヴィンテージはすでに完売。購入は同社のサイトの「ワイン好き」、ワイナリーでの販売のみ。次ヴィンテージがリリースされたら是非ともゲットなさってください。

1999年、メルシャンはぶどう畑を開拓し、自社栽培を行う計画を始動。選ばれた場所は長野県上田市にあるマリコ(椀子)ヴィンヤードで、以前は桑や薬用ニンジンを栽培していました。畑名は6世紀後半、同エリアに欽明天皇の皇子『椀子皇子』の領地があったことに由来。2003年から6年かけて開墾し、2009年現在20haの植栽が完了、ソーヴィニヨンブランのほか、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シラーのほか、試験品種も栽培。標高は650m、土壌は強粘土質(含礫)で、丸子町誌によると日照時間は2728時間(長野県下最長を記録)、降雨量は870mm(25年間の平均/長野県下で最小雨地帯)との記録があります。

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事務所側から見た畑の景観 画像:メルシャン提供

シャトー・ド・トラシィ2010
昨年7月にアルカンの招聘で来日したシャトー・ド・トラシィ

のアンリ・ダセイ伯爵は浮世離れした雰囲気の方で、とてもチャーミングでした。1ケ月ほど前、桐島洋子先生の森羅塾でフライデーナイトパーティーをしたのですが、その時、同ワインほか8種類を持ち込みました。先生手作りの「鶏肉団子鍋」とシャトー・ド・トラシィが抜群の相性で、アルコールにあまり強くない桐島先生のグラスが空になっていました。肉団子に入れた大葉等の種々な香草効果がソーヴィニヨン・ブランの品種の個性(青草やハーブ等の香り)としっかりマッチしたようです。

1580年から4世紀にわたりプイィ・フュメでぶどう栽培を受け継いでいるシャトー・ド・トラシィ。現在A・デストゥイト・ダサイ伯爵夫人が所有し、南西を向いた畑の面積は25ha、最もすぐれたワインを産するキメリジャンの石灰質土壌に覆われています。

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シレックス土壌(火打石)に由来するのはダイナミックでストレートな酒質! 画像:アルカン提供

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キメリジャン土壌からはミネラル感とクリーミーさが!
ロワール地方のキメリジャンには、シャブリのような牡蠣殻は多く含まれていません。
画像:アルカン提供

クラウディー・ベイ2011
チーフ・ワインメーカーのケヴィン・ジャッドさんとは3回ほどお目にかかりました。写真の腕はプロ級です。ニュージーランド(NZ)のソーヴィニヨン・ブラン(SB)を「世界一」と評したのはイギリスのワイン評論家ヒュー・ジョンソンさんですが、SBが好きでないジャンシス・ロビンソンMWもNZのものは褒めていますよね。

クラウディー・ベイは豪州・西オーストラリアの『ケープ・メンテル』のデヴィッド・ホーネンさんがNZのマールボロに興したワイナリーです。1983年西オーストリアのパースでワイン会議があり、NZのワイン生産者6名が参加しました。会議終了後、彼らは持参したSBをお土産として置いて帰ります。そのワインを飲んで非常に感銘を受けたホーネンさんは翌年NZを訪れ、その潜在力を実感。1985年に待望のワイナリーを設立しています。

ワイラウ川が氾濫して濁るところから命名されたのがクラウディー・ベイ、名前の由来です。日較差(昼と夜との温度差)があるので、完熟した、きれいな酸のあるぶどうができます。土壌は広大な沖積土で、質の良い純粋な雪解け水が大いに役立っています。白ワインの生産量が多いNZでは世界で一番スクリュー・キャップ(SC)の導入率が高く、このワインも2002年からSCになりました。

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画像:MHD モエ ヘネシー ディアジオ 提供


一番人気だった日本ワイン!
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ぶどう品種の個性および日本、フランス、NZの順で説明させていただいた後はブラインドでテイスティング。皆さんの真剣なお顔。試飲のあと、「お気に入りのワインを1つだけ選んで」という質問をしたところ、16名がマリコ・ヴィンヤードに挙手、テーマにピッタリの反応ヽ( ´¬`)ノ   画像:JIP提供

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ワインに合わせたひとさら。SBには左側のサーモンとアスパラガスを合わせていただきました。最初はそのままで食し、次にレモンを使い、マリアージュのチェック。レモンの酸が料理の味わいを引き締め、ワインとの相性は一層良くなりました。アスパラガスは最高の相性です!

メルロ―について
産  地:フランス・ボルドー地方の右岸サンテミリオン地区とポムロール地区が主要エリア
栽培適地:温暖な気候に向くが、寒冷地でも比較的収量が多い、保水性のある粘土質土壌
特  徴
■ボルドー地方メドック地区の主要品種カベルネ・ソーヴィニヨンよりも大粒で早熟
■果皮が濃いので、色調に深みがあり、果実味、アルコール分とも豊か
■カベルネよりタンニン(渋み)がソフトなので飲みやすく、人気も高い

【赤ワインの部】
桔梗ケ原メルロ―
桔梗ケ原でのドラスティックな変化は50年になってからです。林農園(五一ワイン)林五一氏の栽培実績を見て、同地区におけるメルローの将来性と適応性を察知したメルシャンが地元の農家によびかけ、結束。農家の説得にあたった故浅井昭吾(麻井宇介)先生の努力が実を結び、桔梗ケ原のメルローは国内外のワインコンクールで高評価を受けるようになっています。ちなみに#5#6とも昨年の『国産ワインコンクール2011』の銀賞受賞ワインです。

シャトー・メルシャン 長野メルロー2009
桔梗ヶ原地区は長野県塩尻市に位置しています。1976年にメルロ―を植樹。現在、垣根式栽培と棚式栽培を取り入れています。前者のぶどうは力強く凝縮感があり、後者は落ち着きのある複雑味のある味わいになる由、それらの味わいをうまく取り入れて完成させたのが、フラッグシップの『シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロ―』です。『長野メルロー』は桔梗ヶ原地区89%、上田市9%、北信地区2%のメルローを使い、各地区の個性をうまく表現しています。

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長野・桔梗ヶ原の棚式のメルロ―畑 画像:メルシャン提供

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長野・桔梗ヶ原の垣根式のメルロ―畑 画像:メルシャン提供

井筒ワインNAC メルロ―【樽熟】2009
2年前の課外研修で講座生とお邪魔させていただきました。昨年の『国産ワインコンクール』ではNACメルロ―【樽熟】のその格上ワインNAC【樽熟/スープリーム】が、欧州系品種・赤部門で金賞受賞。前者と後者の違いはメルローの栽培地区ごとのブレンド比率だけ。新樽の使用率はスープリームが100%(熟成17か月)、樽熟のほうが67%(18か月)。ぶどうの栽培は棚式100%。樽由来の甘やかな優しさを感じるワインです。NACは田中康夫前知事の時代から始まったNagano Appellation Control 長野県原産地呼称管理委員会の略。

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井筒ワインの棚式のメルロ―畑  画像:JIP提供

ポムロール クリスチャン・ムエックス2009
2003年にメルシャンの故関根彰先生とご一緒にシャトー・ペトリュスを訪問し、土壌への関心がより深まりました。畑を一見しただけで、ぶどう樹の本数を的確に当てる関根先生にも驚きました。
2007年に来日したご子息のエドワール・ムエックスさんが熱く語っていた「ジャン=ピエール・ムエックス(JPM)のジェネリックワインへの取り組み」がセレクトしたポイントになりました。「ジェネリックワインは良い意味でワインの基本、飲むためのワインであり、飲み物としてのワインという意味で重要な位置にあると考えています」とのコメントです。きわめて質の良いメルローの生産者であり、メルロ―に関しては当代一なので、ワインラバーさんにはどんどん飲んで頂きたい1本だと思っています。

メルロ―はボルドーの右岸サンテミリオンやポムロールの主要品種です。これらのエリアはいまでは有名な産地ですが、JPMの創始者ジャン=ピエールさんが家族を伴い、1929年にサンテミリオンに移り住んだ頃はまだ知名度のない所でした。JPMは1937年にネゴシアン業を確立します。次にワインの質を左右する栽培の重要性を感じたジャン=ピエールさんは1950年代にChトロタノワ他4つのシャトーを買収。さらに1962年ペトリュスのオーナーであるマダム・ルバーからぶどう畑に半分を買い取り、1969年に残りの50%も買収し、100%ペトリュスのオーナーに。無名だったワイン産地が大きく変化していきます。

鉱物学の大御所武田弘先生は「シャトー・ぺトリュスはボルドーで最も高価なワインを産するぶどう畑で、ぶどう樹は古いイール川の段丘に植えられているが、この層はわずか30センチの厚さしかなく、根が伸びる深さを抑制する粘土質の下層土壌からなっている。この土壌は、品質を高めるため、生産量を制約する役割があり、下層の青色をしたチョコレート状の土壌は、一部分、台地の地形変化と下部にあるフロンサック・モラセットから来たものと考えられている」と記述しています。出典:ブドウ畑の自然環境

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ワイン愛好家垂涎の赤ワイン、シャトー・ぺトリュスのメルロー畑 画像:日本リカー提供

【赤ワインの部】でも、「お気に入りのワインを1つだけ選んで」という質問をしました。顔ぶれにずれはありましたが、16名が支持していた#6のシャトー・メルシャン 長野メルロー2009! 口中滑らかで若干の樽由来の要素が残る心地良さ。メルシャンの藤野部長が「2009年の長野メルロ―は会心の出来!」とおっしゃっていた意味がよくわかりました。

試飲後はひとさら料理の右側にあるマグロ赤身でマリアージュ体験。わさび、柚子胡椒を使ってのチェックもしていただきました。

ブラインドテイスティング  (供出順 各3アイテム/マリコSBはボトルなし)
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#1フランス/シャトー・ド・トラシィ2010 
Alc13.6%、協賛:アルカン、3780円
青草、カシスの芽、グレープフルーツ、白桃、ミネラル感、上質な酸、鍋物(ポン酢)に合わせて!

#2日本/シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2010 
Alc13.1%、生産本数:1185本、特別出品:メルシャン、3180円
3つの中で酸味が一番ソフト、バランス良、樽貯蔵したワインのブレンドによる複雑味&奥行
飲む1時間前の抜栓がおすすめ、レモン効果が最も出ていたワイン

#3ニュージーランド/クラウディー・ベイ2011  
Alc13.5%、輸入元:MHDモエ ヘネシー ディアジオ、3360円
グレープフルーツ、パッションフルーツ、アプリコット、エレガントな酸と長い余韻、美味!!

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#4ポムロール クリスチャン・ムエックス2009 
メルロ―80%+CF20%、Alc13%、輸入元:日本リカー、3700円
舌の上をなぞるドライなタンニン、酸とアルコールのバランス、ヒレ肉や熟成した白カビチーズと
厚みがあり、時間の経過で、まろやかに変化する上質なタンニンが魅力

#5井筒ワイン NACメルロ―【樽熟】2009
メルロ―100%、Alc13%、生産本数:4719本、生産者:井筒ワイン、3588円
黒い果実の風味、キメ細かなタンニン、クリーミー、ミルキー、シルキーな舌触り

#6シャトー・メルシャン 長野メルロー2009
3つのなかで一番淡い色調、凝縮した果実味、心地よい酸と旨味、飲んでおいしいワイン
メルロ―100%、Alc:13%、生産者:メルシャン、3150円

6種類のワインはすべて3000円台です。アルコール度数も食事に合わせて疲れない13%台という点が自分でも気に入っています。どのワインも高品質で、甲乙つけがたい大好きなワインたち。それだけに第1部に関しては、タイトル通り、日本ワインの実力を皆さまに体感していただけたようなので本当に嬉しいです。
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2012年03月06日

オープンカレッジ春期講座、ウチ飲みワインのすすめ!

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少しずつ、春の気配を感じますね。
今日から、昭和女子大学オープンカレッジ春期講座の一般受付が始まりました!
http://www.non-solo-vino.net/topics36.html

今期は定期の『オーダーメイドなシャンパン講座 ~各メゾンの奥深さを愉しもう~』と、
特別講座『青木冨美子のウチ飲みワインのすすめ』です。
嬉しいことに、シャンパン編はすでにキャンセル待ち! 
シャンパンラバーの期待を感じます。ありがとうございます\(^_^ )/

ウチ飲みワインのすすめは4月14日(土)15時~17時です。
値ごろ感があって美味しいワインをお探しの方に、是非とも、ご参加いただきたいと思っています。
10アイテムくらいお出ししたい気分です!
今まで、スクール体験がなかった皆様、カレッジのある世田谷周辺の皆様、それから・・・ツイッターやソネ・ブロでおつきあいくださっている皆様~よろしくお願いいたします。
posted by fumiko at 10:23| Comment(2) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月26日

新星ニコラ・マイヤールの技量&砂質土壌で育つ自根のブラン・ド・ノワール!

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2月のメインメゾンは輸入元:豊通食料(株)さん扱いのNicolas Maillart ニコラ・マイヤール


この情報はTarlant タルラン

の当主ブノワ・タルランさんからいただきました。タルランでは自根のシャルドネから『ラ・ヴィーニュ・ダンタン』を造っていますが、タルランと同じく、砂質の土壌で、自根のぶどう樹を育てているのがニコラ・マイヤール。ここではピノ・ノワールから貴重なブラン・ド・ノワールを造っています。

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これが自根のブラン・ド・ノワール『Les Francs de Pied レフラン ド ピエ』です。

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フィロキセラに強い砂質土壌育ち! 画像協力:豊通食料

豊通食料の小永井さんから「小樽発酵&熟成でMLFは行わず、ノン・フィルター、モノ・セパージュ、モノ・クリュ、単一年です。以前、マイヤール本人が現在シャンパーニュ全体でヴィーニュ・フランセーズ(自根)を造っているのは、他にボランジェ、あとタルランくらいだと思うと語っていました」との情報もいただき、2月の講座で待望のシャンパンと対面することができました。
小永井さんの迅速な対応に心から感謝しております!

第1フライト
ニコラ・マイヤールは1720年代からぶどう栽培醸造家として続いてきたドメーヌです。2003年から9代目当主のニコラ・マイヤール35歳がドメーヌを引き継いでいます。モンターニュ・ド・ランスの3つの村にある自社畑は平均樹齢30年以上であり、リュット・レゾネで作業を行っています。2007年度版の『ル・クラスマン』には注目すべきドメーヌとして掲載されています。若き有望な醸造家マイヤールさんの技量、素晴らしいです!

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#1:ニコラ・マイヤール プラティーヌ1erクリュ
生産者:ニコラ・マイヤール
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区
品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20% / 平均36か月瓶熟成
デゴルジュマン:2011年5月  / ドザージュ:7g/L  / ヴァン・ド・レゼルヴ40%使用
シソ梅、黄色系果実(GFやカリン)、軽いビター感、ミネラル、生地がピュア、万人受けのする1本

#2:同 ブリュット・ミレジメ 1erクリュ2005
生産者:ニコラ・マイヤール  
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区
品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%  
デゴルジュマン:2011年6月  / ドザージュ:5g/L
ヘーゼルナッツ、ドライフルーツ、クリームブリュレ、複雑味のある香りと味わい、お気に入り!

#3:同 レ・シャイヨ・ジリ エキストラ・ブリュット・1erクリュ2004
生産者:ニコラ・マイヤール
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区
品種:シャルドネ100%  
デゴルジュマン:2011年4月  /  ドザージュ:2g/L
淡い金色、クチナシ、スパイス、3アイテムのなかで最も酸の切れとミネラル感あり

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#4:同 グランクリュ ブジー ブリュット・ロゼ 
生産者:ニコラ・マイヤール
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区
品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%  
デゴルジュマン:2011年4月  /  ドザージュ:7g/L
サーモンピンク、気泡はワインに溶け込み滑らか、スミレやバラ、軽くソフトなタンニン

第2フライト
個人的に大好きなブラン・ド・ノワール、4アイテムは甲乙つけがたい味わいです。
今回注目したのは土壌と自根&台木
「酸」、「ミネラル」、「余韻の印象」に注意しながら試飲してみました。

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左から#5~#8の順で供出

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グラスに注がれた色調の違いもチェック

#5:フルーリー ブラン・ド・ノワール ブリュットNV
生産者:フルーリー    
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区クロトゥロン村
品種:ピノ・ノワール100%   
ドザージュ:9~10g/L / 土壌:粘土石灰質土壌
1895年創業のメゾン、初代エミール・フルーリーの時代にフィロキセラで壊滅したぶどう畑にピノ・ノワールを植樹。1989年にはビオディナミのデメテール認証を受けています。栽培品種全体の90%はピノ・ノワール
熟成による多様な香り、ミネラル感、余韻に石灰を感じる切れの良い酸

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ニコラ・マイヤールのエキュィユの区画の土壌 画像協力:豊通食料

#6:ニコラ・マイヤール レ・フラン・ド・ピエ ブリュット・1erクリュ 2005
生産者:ニコラ・マイヤール
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地区
品種:ピノ・ノワール100%(自根)  
デゴルジュマン:2011年4月  / 土壌:砂質土壌
樽由来の濃い黄色、甘さを予感させる香り、蜂蜜、甘露煮、中盤以降広がるまろやかさ。酸味、軽いビター感、旨味がまとまり、それらが一点に集中して消えていく印象。
他のアイテムより、酸の切れはソフト

#7:ドラピエ ブリュット・ナチュールNV
生産者:ドラピエ
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区ウルヴィル村
品種:ピノ・ノワール100%  
ドザージュ:ゼロ  / 土壌:石灰質土壌 
フィロキセラ禍以降、いち早くピノ・ノワールを植樹したメゾン。ウルヴィル村(南向き斜面上部の畑)を中心とするジュラ紀由来の石灰土壌。第一印象はドザージュゼロでありながら、口中に広がる“ぶどうの旨み”。石灰由来の酸の切れ。極薄の桃色、赤系果実、白桃&洋梨、生姜菓子、ミネラル感とバランスの良さは秀逸

#8:マイィ ブラン・ド・ノワール
生産者:マイィ
産地:フランス・シャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地方
品種:ピノ・ノワール100%  
ドザージュ:8g/L  /  土壌:白亜質土壌
マイィ社は1929年創業の協同組合でメンバーは現在81名。使用するぶどうはグラン・クリュのマイィ村の2種類ピノ・ノワール&シャルドネのみ。樽はシャトー・マルゴーの白(パヴィヨン・ブラン)に使用したものを利用。
4アイテムのなかで一番酸のメリハリがあり、余韻にもきれいな酸が長く続く。厳選ぶどうの凝縮感、ミネラル感、均整がとれた上質な1本。

現在、最も興味を惹かれているのが自根のピノ・ムニエ! これもブノワさんからいただいた情報なのですが、もう少しデータを揃えてから、チャレンジしてみたいと思っています。

[ぴかぴか(新しい)]7月21日13時~ニコラ・マイヤールさんの特別講座が実現することになりました。シャンパン好きの皆さんに生産者の生の声をお伝えできますし、2月の講座の集大成になります!
posted by fumiko at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月22日

メインメゾンは『ジャン・ヴェッセル』、製法違いのロゼにもフォーカス!

先週半ばは風邪気味でトーンダウ~ン、少しだけおとなしくしていました。
ブログの更新もスローになっております┌(_ _)┐

今日は今年2回目のカレッジ・シャンパン編講座です。
講座生の皆さま、スペシャルな回になりますので、全員出席でよろしくお願いします!
積み残しになっていた12月の講座のまとめも後れ馳せながら・・・

RM (レコルタン・マニピュラン)のジャン・ヴェッセル 
モンターニュ・ド・ランス地区ブジィー村、その近郊のロッシュ・シュル・ウルス、ロゼで有名なリセィに面しているバルセカナ村にぶどう畑全15haを所有。内訳はピノ・ノワール90%、シャルドネ10%です。
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大榮産業扱いのジャン・ヴェッセル、今回は6アイテム試飲しました。

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#1:エクストラ・ブリュットNV
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
甘辛度:エクストラ・ブリュット(0g/L)/ 瓶熟最低3年
キレが良く、ドザージュゼロながら、ぶどうの旨味が詰まった味わいなので、パワーあり

#2:キュヴェ・プレステージュ・ミレジメ2001
ぶどう品種:ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%
甘辛度:ブリュット(7g/ L)/ 瓶熟最低8年
カリン、ロースト香、蜂蜜、キャラメル、ドライアプリコット等、多様な香り。味わい深い1本

製法の違うロゼに注目 
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#3#4はメインメゾンのジャン・ヴェッセル(RM)、#5はルイ・ロデレール(NM)で比較
#3:ウィユ・ドゥ・ペルドリNV(直接圧搾法)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
甘辛度:ブリュット(6g/ L)/ 瓶熟最低3年
淡いさくら色、柑橘系果実、野イチゴ、ミネラル、グレープフルーツ内の白皮に似たビター感

#4:ブリュット・ロゼ・ドゥ・セニエNV(セニエ法)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
甘辛度:ブリュット(9g/L) / 瓶熟最低3年
赤に近いロゼ、ベリー系の凝縮した香り、甘草、中盤以降、タンニンの広がり、パワーあり。上記2種は同生産者の製法違いのロゼ。色、香り、味わいの変化も顕著で、これはおすすめしたい試飲です!

#5:ブリュット・ロゼ・ヴィンテージ2006
生産者:ルイ・ロデレール(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール66%、シャルドネ34%
甘辛度:ブリュット/ 瓶熟4年
スキンコンタクトでピノ・ノワールから色素を抽出、その後、シャルドネを加えるユニークな製法
ルイ・ロデレールのロゼはヴィンテージのみ
フレッシュなアロマ、赤系果実やスパイシーさ、複雑味のある味わい

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#6:ル・プティ・クロ1998
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
甘辛度:エクストラ・ブリュット(4g/ L) / 瓶熟最低10年
ドライな口当たり、温度変化で蜂蜜、黄金糖、古酒やフュメっぽいニュアンス

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#7:ドゥミ・セック・ロゼ・フリアンディーズNV
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
甘辛度:ドゥミ・セック(32g/ L) / 瓶熟最低3年
赤い果実たっぷり感、酸味と甘さのバランスよし、焼き菓子やショコラとの相性◎

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講座生のHashikawaさんが、シャンパンに合わせて、サーモンのテリーヌをご持参くださいました。なめらかでスムース、美味、美味! きれいに盛り付けていただいたので、記念ショット!
私のフランス土産、チーズとエディアールのクッキーも相性が良かったようで安心しました、ルン
posted by fumiko at 17:17| Comment(4) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月11日

シャンパンメゾン『ピエール・ぺテルス』の美味しさの秘密はマス・セレクションにあり!

近年高い評価を受けているメゾンの1つが『ピエール・ペテルス』です。11月のなかば、シャンパン編講座で同メゾンを取り上げたのですが、タイミングよく、輸入元の中島董商店さんの招聘で、当主のロドルフ・ペテルスさんが初来日していたこともあり、セミナーでは貴重なお話をたくさん伺うことができました。まずは、ロドルフさんが語っていた内容を、まとめておきます。

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ワインやシャンパーニュのコンサルタントをしていたロドルフさんは2007年当主に

ピエール・ペテルスの沿革 
1858年、ガスパール・ペテルスがル・メニルにぶどう畑を所有するドゥエ女史と結婚、約2haからぶどう栽培を開始します。初ヴィンテージは1919年で、当時の当主はカミーユ・ぺテルス。初めて自分の名をシャンパンに冠して販売しました。

1930年、ピエール・ペテルス(祖父)は、ル・メニルの卓越したクリュ『レ・シェティヨン』を購入。全部で2.5ha、ここには3区画あります。ピエール・ペテルスは1946年に自分の名前で最初のヴィンテージシャンパン(1944年)をリリースしますが、この時点で、今までの『カミーユ・ペテルス』から『ピエール・ぺテルス』にメゾン名を変更。
自社畑は18haあり、9割がGCグランクリュで、ル・メニル・シュール・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマンに位置しています。現当主はロドルフさんで、彼の父フランソワ・ペテルスはヴーヴ・クリコの元醸造長ジャック・ペテルスの実弟です。

マス・セレクションを行っているのはシャンパーニュ地方全体の10%以下
マス・セレクション=マサルMassal(集団の)・セレクションは、畑から優秀な株を複数選び、穂木を取って苗を作り、もとの畑に戻す方法です。これを行うには、クローン苗を使っていない畑を選ばなければなりません。以前、ワインメーカーの安蔵光弘さんから、「クローン苗が一般的になる前に植えられた、50年を超える樹齢のぶどう樹であれば、様様な株が混在しているので、樹にウイルスがいないことを確認して苗を作ることができます」と教えていただきました。ペテルスでは65%がマス・セレクション。レ・シェテイヨンの区画は100%がそれで、樹齢は47年~70年です。

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参考:昨年12月に訪問したスペインのトマス・クシネでもマス・セレクションを行っていました。ペンキやリボンで優秀な株の幹に印をつけます。ここでは赤いリボンが目印。冬に枝を採取し、それを研究所に預けて、苗を作ってもらっているそうです。

ピエール・ペテルスには「マス・セレクションで増やした50種類以上のシャルドネがあり、それらが複雑味のあるシャンパンを生み出します」とロドルフさんは強調していました。フラッグシップシャンパンの『レ・シェティヨン』は100%マス・セレクションのぶどう樹から造られていますが、それを表現するのはテロワール(土壌、微気候、人間)! 
(1)表土がほとんどなく、すぐに石灰質土壌が広がっている。(2)西から冷たい雨や風が吹き込んでくるが、この3区画は南東向きなので地形的に守られている。(3)世代に引き継がれてきた知識とマス・セレクションによるぶどう樹に蓄えられた味わいの結晶
これら3つがテロワールとロドルフさんは語っていました。

マス・セレクションで増やされたシャルドネは様様なタイプが混在しているため、栽培には手間がかかります。ペテルス家は、この方法を続けていくことでメゾン代々のメモリーを伝承しています。

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テロワールを色で表す
ロドルフさんが考える4つのグランクリュの色のイメージは、
ル・メニル・シュル・オジェ:グレー。石や石灰、牡蠣殻のニュアンス、フルオーシャンフレーバー、ミネラルを感じるイメージ
オジェ:ホワイト。軽快でエレガントなニュアンスを備えつつ、シトラス、白い花、ホワイトピール、白い果実、完熟した洋ナシなどのイメージ
アヴィーズ:オレンジ。グレープ・フルーツや熟したマンダリンオレンジ。他の畑よりミネラルは少ないものの、フルボディーのシャルドネのイメージ
クラマン:ブラウン。若いうちはフレッシュでクリーミー。熟すとシナモンやドライフラワー、ナッツ、ブラックティー、森の下草のイメージ

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セミナーでは7アイテムをテイステイング

第1フライト  
#1:キュヴェ・ド・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グランクリュ
ぶどう品種:シャルドネ(CH)100%
ドザージュ:6~7g/L 
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
#2:キュヴェ・ド・ラ・ぺルル ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ6~78g/L 
ぶどう畑:GC特級畑90%(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)+セザンヌ10%

#1のべースワインは08年で、優良な15ヴィンテージをブレンド、ヴァン・ド・レゼルヴを40%使用 #2はセザンヌのシャルドネをブレンドしたタイプでガス圧が少し低めの4.5kg/cm、優しい印象

第2フライト
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#3:キュヴェ・エキストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン 
ぶどう品種:CH100% 
ドザージュ:2g/L 
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ)
#4:キュヴェ・ミレジメ・レスプリ2005 ブラン・ド・ブラン 
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:4~4.5g/L
ぶどう畑:すべてGC特級畑(ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ) 

前述したように、ロドルフさんは“4つの色の感じ方”で、#3#4を分けています。 #3のエキストラ・ブリュットは白のイメージでエレガント、オイスター、ライム、レモン、塩味であり、#4のレスプリはオレンジやブラウンで、クリスマススタイル(シナモンの砂糖漬け、キャンディードロップ)だそうです。また、ぺテルスのシャンパンはテイスティングの最後に必ず、塩味やライムのニュアンスがあり、アフターにはチョーク質特有の固さがぐっと広がるので、「それを感じて欲しい」と。

第3フライト
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#5:キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン”2002 ブラン・ド・ブラン 
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:5~6g/L
ぶどう畑:GCル・メニルの単一畑のなかの最高のレ・シェティヨン
#6:※キュヴェ・スペシャル“レ・シェティヨン”2000 ブラン・ド・ブラン※参考出品(非売品)
ぶどう品種:CH100%
ドザージュ:5~6g/L
ぶどう畑:GCル・メニルの単一畑のなかの最高のレ・シェティヨン

熟成の度合いは違いますが、ベースの味わいには熟した果実、アーモンド、ヘーゼルナッツ、サフランのニュアンス。#5はチョーク質土壌由来のミネラル感と切れ味の良さがあり、#6には黄金糖、砂糖菓子、複雑味と旨味
 
第4フライト
#7:キュヴェ“ロゼ・フォー・アルバンヌ”シャンパーニュ・ロゼ
ぶどう品種:CH60% ピノ・ムニエ40%
ドザージュ:7~8g/L
ぶどう畑:ル・メニルのシャルドネとセニエ製法のピノ・ムニエをブレンド
硬質なシャルドネと見事に調和する「セニエ法のピノ・ムニエを発見」とのことでした。

ピエール・ペテルスはRMレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まで自社で行う生産者)であり、ピノ・ムニエの畑は所有していません。なぜ造れるか・・・ピノ・ムニエの生産者とペテルスのシャルドネを物々交換しているからです。ロゼワインが好きではなかったロドルフさんですが、このピノ・ムニエと出会ったことで考えが変わったそうです。それはまさに愛娘アルバンヌちゃんの誕生を表すかのような出来事だったので、ロゼシャンパンの名をアルバンヌにしています。

シャンパーニュ地方のグランクリュのなかで、私はクラマンが一番好きです。ロドルフさんが表現していた色の区別も、大いに納得できます! クラマンは単一で造っても魅力的なシャンパンになりますよね。

最後に、ピエール・ペテルスは秀逸かつ値ごろ感のあるシャンパンメゾンですが、特に注目していただきたいのがマグナムサイズ! 冒頭の画像でロドルフさんが手にしているものです。私はシャンパンはマグナムサイズで味わうのが最高と思っていますが、このマグナムは特別、わけありのシャンパン! その理由は・・・

輸入元:中島董商店(電話:03-3405-4222)
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2012年01月28日

シャンパンメゾンの『タルラン』を中心に土壌の違い、自根vs台木育ちの違いをチェック!

昭和女子大学オープンカレッジの今年初のシャンパン編講座で、過去になかった取り組みをしてみました。産経EXのワインのこころに書いた砂質土壌で育つ自根の希少シャンパン『ラ・ヴィ―ニュ・ダンタン』と、台木で育つ石灰質土壌とチョーク質土壌のシャンパンとの比較試飲です。講座生の皆さんにフィロキセラ禍以前のワインの味わいを体験していただく良いチャンスになりました。

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タルランのシャンパンは4アイテム用意しました

第1フライトはノン・ドザージュで3品種を使ったタイプ
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#1:タルラン ゼロ ブリュット・ナチュールNV
生産者:タルラン
産地:フランス・シャンパーニュ地方ウイィ村
品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ すべて3分の1ずつ
ドザージュ:0g/L
デゴルジュマン:2011年1月
価格:5460円
■タルランが目指すシャンパン造りはノン・ドザージュ(ドザージュ糖分添加をしないタイプ)、ぶどうの素直な味わいをそのままシャンパンに表現することです。そのためには地中からのエキスを吸い上げたぶどうを優しくプレスして、きれいな果汁を取ることが重要になってきます。温度管理可能なステンレスタンクと、樽を使って一次発酵をさせた、その年のワインをベース(2006年)にして、そこに樽熟成のリザーヴワインを40~45%使い、ブレンド後、二次発酵させます。

#2:アヤラ ブリュット・ナチュールNV
生産者:アヤラ   
産地:フランス・シャンパーニュ地方アイ村
品種:ピノ・ノワール38%、シャルドネ35%、ピノ・ムニエ27%
ドザージュ:0g/L
価格:5250円
■ボランジェの傘下アヤラも切れの良い味わいのシャンパンを造っています。ベースワインは2008年で、ステンレスタンクでストックしているリザーヴワイン(2006年と2007年)を使っています。糖分添加は無ですが、1リットル中、2~3gの残糖があります。

2アイテムとも気泡は繊細、2008年をベースにしている#2のほうが淡いイエロー、若さを感じる色調です。タルランは口中で樽由来のリザーヴワインのコクがあり、逆にアヤラは口中ですっきりとした切れ味があり、ミネラル感豊か、微少な残糖感が全体をバランスよく引き立てています。

第2フライトはピノ・ムニエ100%とオマージュ・ワイン
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#3:タルラン ラ・ヴィーニュ・ドール2002
生産者:タルラン     土壌:スパルナシアン(粘土石灰質)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ウイィ村
品種:ピノ・ムニエ100%
ドザージュ:4g/L
デゴルジュマン:2010年6月22日
価格:11025円
■タルランが位置するヴァレ・ド・ラ・マルヌ特有のスパルナシアン粘土石灰質土壌で育まれてきたピノ・ムニエから生まれたシャンパンで、ぶどう樹は51年の樹齢。ソフトでなめらかな口当たり、中盤以降の酸味の広がりと若干のビター感が魅力

#4:タルラン キュヴェ・ルイ1998
生産者:タルラン     土壌:チョーク質
産地:フランス・シャンパーニュ地方ウイィ村
品種:シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%
ドザージュ:3g/L
デゴルジュマン:2009年3月
価格:7875円
■第一印象は心地よいロースト香、蜂蜜や黄金糖のニュアンス、すっきり感(酸の印象)がありながら、重厚さ(糖分とミネラルに由来)もあり、余韻も長い。ルイ・タルラン(1750ー1806)に対するオマージュのシャンパン、上質!

第3フライトは当日のハイライト、自根と台木の違いをチェック
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#5:ランスロ・ロワイエ ブリュット・ミレジメ2004
生産者:ランスロ・ロワイエ 土壌:石灰質
産地:フランス・シャンパーニュ地方クラマン村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:非公開
価格:7350円
■第一印象は石灰質土壌からくるミネラル感、香りはブリオッシュやヴァニラ、蜂蜜、皮革、アフターに軽いビター感。口あたりはなめらかで上質。私が感じているコート・デ・ブランのグランクリュ畑クラマンは、スリムな印象がありながら、芯が太いシャルドネのイメージなので個人的にも好きな味わい。

#6:タルラン ラ・ヴィーニュ・ダンタン2000
生産者:タルラン  土壌:砂質/franc de pied(自根)
産地:フランス・シャンパーニュ地方ウイィ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:2g/L
デゴルジュマン:2010年3月1日
協賛:(株)八田
■3アイテムの中で一番濃い黄金色(発酵も熟成も樽使用)、ミネラルは泡に溶け込んでいる印象。人間に例えると・・・初対面ではソフトなイメージを与えるのですが、会話をしていくにつれ、内に秘めた経験を静かに語ってくれる人。女性なら肉感的な雰囲気を漂わせているものの、決してグラマーなタイプではない、そんな感じです。余韻にゆっくり広がるミネラルと酸が印象的でした。

#7:ド・スーザ キュヴェ・デ・コダリー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュNV
生産者:ド・スーザ      土壌:チョーク質
産地:フランス・シャンパーニュ地方アヴィーズ村
品種:シャルドネ100%
ドザージュ:3.5g/L 
価格:13650円
■3アイテムの中で一番切れが良く、口に含んだ瞬間、チョーク質の特徴を感じます。魅力的なシャンパン! アヴィーズ村の南向きから南東向きの斜面で穫れたシャルドネは十分に熟し、ぶどう本来の旨みがあります。樹齢は50年以上、樽発酵、樽熟成ながら、樽のニュアンスを感じさせないのは、ぶどうのポテンシャルが相当高いのだと思います。リザーヴワインは50%(2004年50%+1995年~2003年50%)を使用

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この日のスペシャルとして考えていたのが、和食とのマリア―ジュ!
超新鮮なひらめを、目白『太古八』さんに用意していただきました。
薄口しょうゆ、わさびを使わず、そのまま食してみると、口のなかでほんわかと甘みが広がって

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供出シャンパンは全7アイテム、贅沢なテイスティングでした

「ひらめとシャンパン」のマリア―ジュで、講座生の一番人気は#2のアヤラと#7のド・スーザ。
ひらめに何もつけないで合わせた時の、この2アイテムは抜群でした。また、薄口しょうゆとわさびを使って食した場合、#7はわさびが甘く感じるくらいの絶妙なマリア―ジュになりました。チョーク質土壌を感じさせる凛とした切れ味がポイントだったと思います。

そして、とても興味深かったのが、ひらめと自根の『ラ・ヴィ―ニュ・ダンタン』との相性です。
ひらめと合わせると、試飲した時には現れてこなかった“線の太さ”を感じ、より複雑になって終盤を迎える味わいになります。今までのシャンパンとは違う“幅広さ”を感じました。この感じが、自根の特徴なのかと、判断しておりますが・・・マリア―ジュでは、薄口しょうゆとわさびをつけても、ダンタンのほうがインパクト大、ひらめが負けています。それをもとにして考えてみると、和の素材で合わせるなら、特上の塩やだし汁を使った料理のほうが楽しめそうです。むしろフレンチで、クリームソースやバター系の料理と合わせてみたいと感じました。『バベットの晩餐会』に登場する「ウズラのパイ包み」なども合わせたい一皿です!

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2011年10月15日

剣持マスターソムリエとのコラボ ~カタルーニャ料理とワインのマリアージュ@BIKINI~

2006年12月『エリゼ宮の食卓の再現ディナー』@恵比寿ジョエル・ロブション&2009年9月『オーストリア140周年友好記念イヴェント』@浅草一直で、トップソムリエならではの見事なおもてなし術を見せてくださった剣持春夫マスターソムリエ! その剣持氏と初めてセミナー付きのコラボレーションを行いました。『カタルーニャ料理とワインのマリアージュ』です。剣持ソムリエ熟考の組み合わせはとてもniceでした! ご家庭でも是非是非、応用なさってくださ~い!

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詳細なレジュメ、これは永久保存版
表紙にはカラーのスペイン地図、裏面には立体的なスペインの地図が添付してあります!

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開始30分前の会場BIKINI@赤坂サカスで準備中の江副シェフと久保さん

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参加者は31名、カウンター席、長テーブル席、奥のテーブル席をフル活用させていただきました!

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料理:ピンチョス&タパス 6種盛り合わせ
ワイン(CAVA)は#1「コードニュのクラシコ・ブリュット」、爽やかな口当たり、会の幕開けにぴったり。ピンチョスは串にさしたお料理、タパスは小皿料理のこと。右端にあるイベリコハムとチーズのホットサンドがカタルーニャ語でBIKINIです。

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ワインはDOラ・マンチャの#2「エルカビオ・ブランコ2010」
ぶどう品種はアイレン90%、ソーヴィニヨン・ブラン10%
 
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ワインはDOリアス・バイシャスの#3「ナモリオ2010」
剣持ソムリエいわく「ナモリオはfall in love(恋に落ちる)の意味を持つ」とか。
そのわけはアルバリーニョの素晴らしい味わいに由来しているそうです

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左から
A:黒胡椒の効いたマグロのたたき、アリオリとサルピチャーダソース
B:イベリコ豚のテリーヌ ドライフルーツ・ブランデーの香り
C:ニンニクでマリネした魚介と茸 “アヒュージョ”

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#2A#3B#4Cの組み合わせが基本ですが、白2本&赤1本を同時にお出しして各料理との相性をより自由に楽しんでいただきました。

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ワインはDOリオハの#4「ムガ・レセルバ2006」
使用ぶどう品種はテンプラニーリョ70%、ガルナッチャ20%、マスエロ&グラシアーノ各5%
ボデガス・ムガは国際品種は使わず(栽培もしない)、ステンレスタンクも使いません。樽はすべて自社製、年間200個の発酵槽、1400個の樽を生産しています。赤ワインはノン・フィルター、清澄作業には卵白を使用、卵は年間7万個。余談ですが、黄身はパン屋さんに売っているそうです。

Aのマグロのたたき、Bのイベリコ豚、ドライフルーツをムガと合わせると、旨味が広がり、渾然一体の相性。ムガの守備範囲の広さを実感しました。程よいタンニンが口中の脂分をきれいに洗い流してくれる心地良さあり。ここでは大振りのグラスを使いました。

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豚ばら肉のコンフィターダ(低温にして煮込むコンフィ) 野菜の煮込み、ジャガイモのピュレと
ワインはDOリオハの#5「マルケス・デ・リスカル ティント・レセルバ1964」

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伝統的なリオハスタイル、主要品種のテンプラニーリョは酸化酵素を持たないので、60年代でも若々しい色調。剣持ソムリエは「オールド・ヴィンテージなので、あまり大きなグラスを使わず、スワリングも控えめに!」とアドヴァイス。1964年のリスカルからはアプリコットやタバコのようなニュアンスを感じました。

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スパイシーなパエリア、ヴァレンシア風
フォン・ド・ボーと赤ワインとゴボウ(色付け)が隠し味、食感が良くてしっかりした味わいのパエリア
ワインはDOコステルス・デル・セグレの#6「タラルン2008」
タラルン2008は日本初上陸! 生産者のラウル・ボベさんはコステルス・デル・セグレを「背骨とBodyがしっかりしていて、酸があり、長熟でミネラル感豊かなワインが造れる場所」とおっしゃっていましたが、酸がきれいで、余韻が長いワインです。今回は輸入元ワイナリー和泉屋の新井社長から超特別価格で仕入れさせていただきました!

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ボベさんの来日時、「タラルン2008」に惹かれ、この会で供出したいと思っていたので私は大満足。会場の皆様からも「スペインのシラー」、高い評価でした!

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ナビゲーター役の剣持春夫マスターソムリエ(左)
特別ゲスト、ワイナリー和泉屋の新井治彦社長からのサプライズ!(右)
ラウル・ペレスの『ウルトレイア・サン・ジャック2009(DOビエルソ、メンシア100%)』の特別プレゼント。ワイナートの主筆をしていた田中克幸さんも絶賛したワインです。思いがけないプレゼントに当選者は大喜び!

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ワインはDOモンティーリャ・モリレスの酒精強化をしていないペドロ・ヒメネス(PX)100%のスティルワイン。Alcは17度、甘口タイプの#7「オールド・ポーター」
口中ではベタベタ感はなく、甘味の後ろに酸がおとなしく隠れている印象です

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スペインのフレーバードワイン「サングリア」の炭酸ガス割り&スパイスで香り付けした2種のアイスクリーム

前半30分の講義のあと、食べて、飲んでのマリアージュ体験、あっという間の2時間半でした。
スペインらしい盛り上がりで会を無事に終わらせることができたのも、剣持春夫マスターソムリエやBIKINIの小川慶祐エリアマネージャー、江副大二郎シェフ、スタッフのサポートのおかげです。
ありがとうございました!
ご参加くださいました皆様にも感謝しております、ありがとうございました!!
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2011年07月16日

世界のスパークリングワイン編の初回は10アイテム!

泡でも、とりあえずビールのノリではなく、何はともあれスパークリングワインのノリで!
新規のメンバーさんを加えた夏期スパークリング編、全6時間の初回はフランスを中心にした泡ものワールド。供出は奥左から右へ、手前左から右へ、の順
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事務局にお願いしてひとり10脚のグラスを用意
すべて飲みきると、フルボトル未満ハーフボトル以上(625ml)
完飲なさった方、もちろんいらっしゃいました!

第1フライト
クレマンを5種類利き比べ

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#1:クレマン・ド・ブルゴーニュ
生産者:レ・ヴィニュロン・ド・オート・ブルゴーニュ   
産地:フランス・ブルゴーニュ
品種:ピノ・ノワール&シャルドネ、Alc:12%
ドザージュ:8g/L
36名の組合員が手がける協同組合のクレマン。素直でクリーミー、飲みやすく、泡の刺激もソフト

#2:クレマン・ダルザス・エクストラ・ブリュット2005
生産者:クリスチャン・ビネール
産地:フランス・アルザス
品種:オーセロワ55%、リースリング25%、ピノ・グリ20%、alc:12%
ドザージュ:ノン・ドゼ、 デゴルジュマン:2008年11月24日
いつも利き慣れている香りとは異質、8度くらい(冷蔵庫温度)で試飲すると、ぶどうの果皮からくるえぐみ感が口中に広がり、バランス的に気になったのですが、30~40分の経過で大変身! 黄金色の色調と同色のマンゴーやかりんのシロップ漬、リンゴのコンポート、はちみつのニュアンス。第1フライトの個性派ナンバーワン!

#3:クレマン・デュ・ジュラ2007
生産者:フィリップ・ミシェル     
産地:フランス・ジュラ
品種:シャルドネ100%、Alc:12%
気泡細やか、ミネラル感豊か、のど越し爽やかで真夏の飲料として最適
上代2300円(税込)が最大の売りかも

#4:クレマン・ド・リムー ブラン・ド・ブラン2009
生産者:エシュ・エ・パニエ
産地:フランス・ラングドック ルーション(リムー)
品種:シャルドネ70%、シュナン・ブラン20%、モーザック10%、Alc:12%
ドザージュ:9g/L
グリーン色を含む透明に近いイエロー、ドライフラワー、ネクタリン、トースト香、舌先に気泡の刺激

#5:クレマン・ド・ロワール・カドリーユ2002
生産者:ラングロワ・シャトー     
産地:フランス・ロワール
品種:シュナン・ブラン50%、シャルドネ30%、カベルネ・フラン15%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%、Alc:12.5%
白ぶどうの繊細さと黒ぶどう由来の奥行きある味わいが魅力。シャンパンメゾンボランジェの傘下で、#5はラングロワ・シャトーのトップ・レンジ。「毎日がシャンパン!」というわけにはいかない時のおすすめ、上代3200円!

フランス・シャンパーニュ地方以外の発泡性ワイン、シャンパーニュ同様の製法(瓶内2次発酵)で造るタイプ

第2フライト
「シャンパ―ニュと同質、それ以上」を合言葉に精進している生産者の泡もの、本家シャンパンメゾンが海外進出して生産している泡もの、シャンパンメゾン2社を含めた5アイテムの比較試飲

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#6:マキシアム・ブリュット
生産者:フェッラーリ        
産地:イタリア・トレントDOC
品種:シャルドネ100%、Alc:12.5%
創始者が唱える「シャンパーニュを超えるスプマンテを」の意志の元、スタートしたイタリアの名門フェッラーリ。どのレンジも高品質で期待を裏切らない味わい。イタリアン、フレンチ、和食まで守備範囲は広い

#7:エステート・カルテット・ブリュット
生産者:ロデレール・エステート
産地:アメリカ・カリフォルニア アンダーソン・ヴァレー
品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%、Alc:12%
シャンパンと間違えやすい1本、ルイ・ロデレールの泡もの造りへのこだわり、技の素晴らしさを再認識。我が家の定番スパークリング、上代2800円!

#8:ブリュット・プルミエ
生産者:ルイ・ロデレール    
産地:フランス・シャンパーニュ地方
品種:シャルドネ34%、ピノ・ノワール56%、ピノ・ムニエ10% Alc:12%
低温で試飲すると、上品な酸や穏やかなイメージから女性的な印象を受けますが、温度が上がるにつれて複雑味や凝縮感が出てくるので、男性的なイメージに変わります。木樽でストックしているリザーブワインの絶妙な配分、それがルイ・ロデレールのNVたるゆえんでしょう。

#9::ナイティンバー・クラシック・キュヴェ1997
生産者:ナイティンバー・ヴィンヤード    
産地:イギリス・
品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール&ピノ・ムニエ各20%、Alc:12%
英国産スパークリングワインのさきがけ。抜栓したコルクのしぼみ方で14年の歳月を感じます。
色調は濃い黄金色、カラメル、アカシア、ロースト香、シガーの要素、香りに複雑味あり
口中に含んで中盤から後半にかけて酸の余韻
英国ブームのさなかでもあり、英国王室でもスパークリングワイン造りに着手しはじめたので、講座生に体験させたかった1本。ただ上代11000円という金額と味わいを考えると悩むところです。カレッジでは過去2回ナイティンバー(シャルドネ1996、クラシック・ブレンド・ブリュット2001)を供出していますが、今回の金額は破格、教材でなければ購入できません。

#10::ボランジェ・スペシャル・キュヴェ
生産者:ボランジェ    
産地:フランス・シャンパーニュ地方  
品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ15%、Alc:12%
ドザージュ:7~9g/L
バランスの良さはさすが。本講座の〆の1本にふさわしい存在感がありました。

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同メゾンの顔 『スペシャル・キュヴェ』のリザーブワインはマグナムボトルで熟成させているのが特徴。これにより厚みと風格が備わります。栓は天然コルクでアグラフ(ホチキスの意味)で固定しています。

シャンパーニュ地方のチーズ『シャウルス』を味わいながら
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8月、9月でできるだけ多くの世界の泡もの探検をしていただきます。
どのような構成にするか、今、楽しみながら悩んでいますので、乞う、ご期待!

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2011年06月21日

6月のシャンパン編はグランクリュ畑のブラン・ド・ブラン7アイテム!

6月はジューン・ブライド、純白のドレス! ワインなら白ワインのイメージです。
そこで今月はブラン・ド・ブランに注目してみました。

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グラン・クリュ(GC)畑のぶどうを使っている7メゾン
抜栓後のチェックで感じた第1印象を花嫁のイメージに例えてみると、それぞれ甲乙つけがたく
#1:笑顔がチャーミングな可憐なタイプ
#2:凛としたキャリアタイプ
#3:ちょっぴりグラマーな聞き上手タイプ
#4:エキゾチックな顔立ちのスレンダータイプ
#5:育ちの良さを感じさせる令嬢タイプ
#6:白いブーケが似合うスタイル抜群の色白美人
#7:包容力のある姐御肌タイプ

テリーヌとあわせながら
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折角のチャンスなので、シャンパンとの相性もチェック!
サーモンと帆立のテリーヌをそのままでいただくパターンとレモンを搾っていただくパターンで比較

コート・デ・ブランに関するいくつかの情報IMG_9966.JPG
シャルドネの産地コート・デ・ブランのGC畑
12:オイリィ 13:シュイイ 14:クラマン 15:アヴィーズ 16:オジェ 17:ル・メニル・シュル・オジェ
骨格と果実の強弱はほぼ一致=17:メニル>15:アヴィーズ>16:オジェ>14:クラマン

クラマン:畑は丘中腹にあり、優しい朝日がしっかりあたる。風がよく吹き、畑を洗っている。骨格・果実ともこの地域で最も繊細
アヴィーズ:丘の麓の平坦な場所に畑が集中している。風がなく、暑い。土壌も肥えていて粘土が厚い。ぶどうは骨格がはっきりとして果実味も強い
オジェ:ぶどうの質はちょうどクレマンとアヴィーズの中間
ル・メニル・シュル・オジェ:高温になりやすく、日照が強い。同地域で最もパワフル。ぶどうは骨格がしっかりとしており、強いミネラル感を持つ
     文字データ&見取り図 出典:酒販ニュース(2007年11月11日 第1615号)

■2006年、ディディエ・デュポン社長(サロン社&ドゥラモット社)が語った3つのGC畑の違い
ル・メニル・シュル・オジェ:一番遅摘み、一番酸味のあるぶどう、長熟タイプ、熟成のポテンシャルがある
オジェ:ル・メニル・シュル・オジェより2~3日前に収穫、比較すると糖度も1~2度高い
アヴィーズ:糖分と酸味のバランスが良い。重厚感があるので、ワインの骨組を作るにはとても重要なキャラクター

■2009年、ローラン・ペリエ本社でヴァン・クレール(シャンパンのベースになるワイン)の利き酒
ミッシェル・フォコネ醸造長が語った3つのGC畑の違い
ル・メニル・シュル・オジェ:ミネラルとシトラス
オジェ:フルーティーさとデリケートなフィネス
クラマン:硬質さとパイナップルのような風味

上記を意識しながら単独クリュ&複数クリュを味わう
第1フライトは2アイテム
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#1:NVブリュット・ブランド・ブラン・グラン・クリュ キュヴェ・ド・レゼルヴ
業態:RM/ 生産者:ピエール・ペテルス/輸入元:中島董商店
GC畑:ル・メニル・シュル・オジェ、アヴィーズ、クラマン、オジェ
ドザージュ:6~7g/L/平均樹齢35年で65年を超える古樹あり/瓶熟成32ヶ月以上

2006年からジャック・ペテルス(当主ロドルフ・ペテルスの叔父でヴーヴ・クリコの元醸造長)がブレンディングに関与。ヴァン・ド・レゼルヴは14ヴィンテージ以上をブレンドし、ソレラ・システムの要領で保管。#1は淡いイエローでかすかにグリーンを感じる色調、第一香はとても素直、くちなし似の白い花やおしろい花の香り、ブリオッシュやバター、口中でも果実味豊かでふくよか。テリーヌとの相性ではレモンを搾ることでより一層うまさが増す印象。万人から好かれるシャンパン、サービス温度は8度くらいで。

2009年11月の講座で同メゾンの『キュヴェ・スペシャル・レ・シェティヨン・ブリュット ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ』を出したことがあります。複雑味と清楚さを併せ持つシャンパンで、もう1度逢ってみたいと思っています!
#4と同じ中島董商店様扱いです。

#2:NV グラン・クリュ・ル・メニル・シュル・オジェ・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン
業態:SR/生産者:ギィ・シャルルマーニュ/輸入元:ヴァンパッション
GC畑:ル・メニル・シュル・オジェ
ドザージュ:10g/L/36ヶ月瓶熟

抜栓した瞬間熟成感のある香りが~コルクの状態と繊細で細やかな泡から長い熟成期間が理解できます。黄色の柑橘系果実、ミネラル、チョーク、ハーブ、香り全体から酸を予感させる印象、温度が上がり、スワリングではちみつの要素、泡がなければ上質の白ワイン! テリーヌとの相性は一番印象的、レモンなしの場合はシャンパンの酸がサーモンや帆立を引き立て、一方レモンを搾ると、テリーヌの中に入っている香草類(セルフィーュ、ミント、シブレット)の香り&味わいが俄然引き立ち、面白さ倍増。きりりとした感じ、イイですよ!

講座生に聞いた「今日の気分ではどちらがお好み?」の回答はなんと半々でした!

第2フライトは3アイテム
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#3:NV グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン キュヴェ・ド・ラ・ターブル・ロンド
業態:RM/生産者:ランスロ・ピエンヌ/輸入元:ザヴァイン
GC畑:クラマン
ドザージュ:7g/L/ベースワインは2005年で2004年+2002年を約30%使用/30ヶ月の瓶熟

ちょっぴりグラマーに感じたのはタルの要素。ヴァン・ド・レゼルヴの一部をタルで保管と思ったのですが、発酵・醸造にもタルは使っている由、上手なタル使いでシャンパンのボディにふくらみを与えています。色調も3つの中では一番深みあり。カラメルソースやトロピカルフルーツ等の甘さ、香ばしいロースト香、アファターに感じるビター感、シャンパン全体に厚みを感じました。

#4:NV レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ
業態:RM/生産者: ド・スーザ/ 輸入元:中島董商店
GC畑:アヴィーズ、クラマン、オジェ、ル・メニル・シュル・オジェ、シュイイ/農法:ビオディナミ
ドザージュ:6~7g/ L

2009年11月時は日本未入荷だったのですね。樹齢は20~50年で自然酵母を使用。世界最優秀ソムリエのアンドレアス・ラーソンさんがコメントした「ピュアで、澱からの旨味とクルミ、へーゼルナッツのニュアンス。上質なピュリニー・モンラッシェのようなイメージ。牡蠣やオマール海老、蟹などと合わせて」をそのまま載せます(笑)。もう1点、ド・スーザのシャンパンにはスパイスや干草のような薬草系の香りを感じるんです。それがエキゾチックな印象に!

#5:NV キュヴェ・スペシャル・ブリュット
業態:NM/生産者:ミラン/輸入元:ヴィノスやまざき
GC畑:オジェ
ドザージュ:6g/L/瓶熟成3年

当初はクリュッグ、ヴーヴ・クリコ、ポル・ロジェ等にぶどうの売却、および、これらのグラン・メゾンのためのぶどう圧搾作業等も請け負っていた高品質のシャルドネ造りの秀逸なメゾン。#5は3つの中では一番淡くグリーンを含む色調。ベースワインが2006年&2007年ということで色からだけでなく味わいにもフレッシュさあり。エクストラ・ブリュットでドザージュは6gですが、それを感じさせない糖分バランス。ディディエ社長が語っていた「オジェのぶどうの糖分はル・メニル・シュル・オジェより1~2度高い」を実証するかのような厳選ぶどう由来の甘さがあり、味わいはすっきりソフト、木の皮のニュアンス、リッチなミネラル感。ヴィノスやまざきの直営ワインショップで!

テリーヌはブラン・ド・ブランの本領発揮、3アイテムともレモンあり・なし好相性、#4はレモンを使うことでより複雑味が増す印象

第3フライトはヴィンテージ
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#6:ブリュット・ミレジム2006
業態:RM/生産者:フランク・ボンヴィル/輸入元:ディオニー
GC畑:アヴィーズ70%、オジェ30%
ドザージュ:10.83g/L/デゴルジュマン:2010年9月/樹齢:40年

特筆すべきは2010年ノーベル賞の晩餐会でサービスされたシャンパンということ。第一印象は白い花! ローラン・ペリエと共通するフィネス、エレガンスを感じたのは発酵・醸造にステンレスを使用しているから。ミネラル、塩気、1本芯が通ったイメージで、どこまでも凛とした印象。ドザージュ量が11g近いのにそれを感じさせないバランスの良さ。7アイテムの中でからすみとの相性は一番!

#7:ヴィエーユ・ヴィーニュ・ド・クラマン グラン・クリュ2005
業態:RM/生産者:ラルマンディエ・ベルニエ/輸入元:木下インターナショナル
GC畑:クラマン/農法:ビオディナミ
ドザージュ:2g/L/樹齢48年~70年の古樹(ヴィエイユ・ヴィーニュ)のぶどうを使用

クラマンの良さを見事に表現したシャンパン! 硬質なミネラルと南国風果実を連想させる味わいは、ローラン・ペリエのフォコネ醸造長が表現したニュアンスそのもの。ドザージュ量は2g/Lにもかかわらず、シャンパンの中に感じる上品な甘さ、#7にはぶどうそのものの力を感じます。テリーヌはレモンあり・なしでもあいましたが、難しいからすみにも上手に対応していたのはお見事。
超おすすめの1本です。

余談ですが、フランスでのヴァン・クレール体験以降、自分の好みは「クラマン」と思うことがしばしばあります。マム社のマム・ド・クラマン・グラン・クリュは前から好きですが、今回も#3のランスロ・ピエンヌ、#7のラルマンディエ・ベルニエの単独クラマンに惹かれました。『Classementクラスマン』のべタンヌさんもクラマン好きなのでは・・・な~んて内心思っています。

Urabeシェフのオリジナルテリーヌ
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南仏のレストランで働いていたシェフ、カレッジOBの彼は現在再渡仏のための準備をすすめています。ブラン・ド・ブランシャンパーニュのマリアージュ教材用に今回特製テリーヌの作成を依頼したのですが、本当に中味の濃い学習ができました、ありがとうございました!

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シチリア産カラスミはシェフの差し入れ、ご馳走様でした!

各インポーターの皆様、お忙し中、貴重な情報提供、ありがとうございました。
シャンパン需要の伸びをこころから願っております。
posted by fumiko at 22:03| Comment(7) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月05日

春期講座の2回目は『クロ・デ・ゴワセ』を含むフィリポナ6アイテムにフォーカス

明日6日からオープンカレッジの7月開講夏期講座の一般受付が始まります。
ひとりでも多くの泡好きさんを増やしたいので、今回は「シャンパン編(マスターコース)」と「スパークリング編(ベーシックコース)」の2講座を考えています。電力不足の影響もあり、暑さ対策も考えなければならない時期なので、“泡でスカッと爽快に”決めてみたいと思います。

また、10月からの秋期課外講座では剣持春夫マスターソムリエとの話題満載スペインに特化したコラボレーション@赤坂サカス「ビキニ」を計画しています。ワインに関してはいつも通りのサプライズもあります。こちらは募集開始までまだ3ヶ月程ありますので、気長にお待ちくださ~い。

さて春期講座の第2回シャンパン講座では新輸入元FICwine扱いの名門フィリポナの6アイテムにフォーカスしてみました。詳細なテクニカルデータもいただきましたので記載しておきます。

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講座では左から2本ずつ、第1フライト、第2フライト、第3フライトの順で供出

第1フライト
(1) ロワイヤル レゼルヴ ノン・ドゼNV
デゴルジュマン:2008年10 月
ドザージュ:0g/L MLFしていません
ぶどう品種:PN40~50% CH30~35% PM15~25% リザーブワイン25~40%

(2)ロワイヤル レゼルヴ ブリュットNV
デゴルジュマン:2008年9月
ドザージュ:8~9g/L MLFしていません
ぶどう品種:PN40~50% CH30~35% PM15~25% リザーブワイン25~40%

シャンパン・メゾンにおけるノン・ドゼの造り方には2種類あります。
フィリポナやアヤラのように基本的にNVにドザージュ添加をしないで造るスタイルとポル・ロジェのようにノン・ドゼ用のぶどうをセレクトして造るスタイルです。レゼルヴには『クロ・デ・ゴワセ』で収穫されたワインが少量加えられているせいか、バランスの良さは秀逸。グラス内の温度が上がっても安定している状態は見事。ノン・ドゼを味わった時に生地の良さを実感しました。

第2フライト
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(3)レゼルヴ ロゼ ブリュットNV
デゴルジュマン:2007年9月
ドザージュ:9g/L MLFしています
ぶどう品種:PN40~50% CH30~35% PM15~25% リザーブワイン25~40%

(4)キューヴェ1522 プルミエ クリュ ロゼ2002 エクストラ・ブリュット
デゴルジュマン:2009年7月
ドザージュ:4g/L  MLFしていません
ぶどう品種:PN54%(アイ村GC)、8%(マレイユ・シュール・アイ村PC)
CH38%(コート・デ・ブランGC)

(3)は講座後、思わず注文してしまったロゼ。なめらかでバランス良し、酸がきれい。
(4)に表示してある1522年はフィリポナ家がシャンパーニュ地方のアイ村に定住した年にちなんで命名。50%のワインは樽熟成を行い、MLFをしていない&ドザージュ量4g/Lにより、口中ではかなりドライな印象

第3フライト
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フィリポナ社は単一畑「クロ・デ・ゴワセ(ゴワセは重労働の意味)」を1935年に独占所有(2007年3月訪問)

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目の前はマルヌ川、畑にはシャルドネとピノ・ノワールが植えられています。この斜面はシャルドネ側
当日はあいにくの雨降りでしたが、降雨のよる土砂の流出を防ぐため、畑の表面には樹くずがまかれています。最上部にのぼると息切れしそうになりますよ!

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(5)レゼルヴ ミレジメ ブリュット2000
デゴルジュマン:2008年6月 
ドザージュ:5g/L MLFしています
ぶどう品種:PN70%(アイ村GC&マレイユ・シュール・アイ村PC)
CH30%(コート・デ・ブランGC)

(6)クロ・デ・ゴワセ2000 
年間平均生産量 15,000本~20,000本の稀少シャンパン
デゴルジュマン:2008年8月
ドザージュ:4g/L  MLFしていません
ぶどう品種:クロ・デ・ゴワセ畑のぶどう モノポール(単一畑)
PN70%は斜面45度の真南向きの畑(3.5ha)
CH30% は斜面35度の南南東向き畑(2ha)

4年前の訪問時、フィリポナ社長は「太陽の光を受けたマルヌ川からの反射熱のおかげで、クロ・デ・ゴワセは他の畑より5~6日早くぶどうが収穫できます」とおっしゃっていました。
供出温度が8度程度だと酸の印象がはっきりしていてフレッシュさを感じますが、温度が上がる(10~12度)ことによってミネラル感、複雑味が広がり、様々な変化が楽しめるシャンパン。10年間の熟成による気泡も細やか。

メゾン・フィリポナの特徴
■フィリポナではシャルドネ100%のグラン・ブランとシュプリム以外は、ピノ・ノワールのブレンド比率が高いので、ボディしっかり、味わい深いワインスタイルになっています。
■収穫されたぶどうは発酵の後、7~10年寝かせたワイン(木樽で約80%MLF、残り20%はステンレスタンクで発酵させたワイン)をブレンドして、フィリポナスタイルを表現しています。
■ボトルにデゴルジュマンの年月を表示してます。
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2011年05月23日

オープンカレッジ “シャンパーニュの夕べ”の究極はブリュットとスイーツ!

昭和女子大学オープンカレッジ課外講座@アグネスホテルの“シャンパーニュの夕べ”、無事終了!
2009年にローラン・ペリエ社からシュヴァリエ・ドゥ・シャンパーニュを同期受章した千賀みどり専務とのコラボになるので、シャンパーニュだけに特化した内容にしました。
募集開始3日でキャンセル待ちになった講座なので自ずと力が入ります。

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いつもは結婚式に使われているアグネスホール、お洒落な空間です!
定員増で総数40名
5名掛け8テーブルのセッティング、スペシャル企画のため、大型スクリーンの準備も!

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今回は輸入元様4社からシャンパンをご協賛いただきました。

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ドゥラモット・ブリュット・ロゼNV(輸入元:ラック・コーポレーション)
1760年創業のドゥラモットはル・メニル・シュル・オジェに本拠地を構えています。生産しているのはブリュットNV,ブラン・ド・ブランNV,ブラン・ド・ブランのミレジム、そしてロゼNVの4アイテムのみ。シャルドネを重視したスタイルで、デュポン社長が所有するサロンのメゾンと並んでいます。

映画『K20』のサロン1937裏話
金城武主演の『K20』にサロンの昔のラベルが出ていて、ずっと気になっていました。ご同席いただいていた海老原部長に早速質問を。「映画には1937年ヴィンテージが出ていました。監督が大のサロン好きだったことからリクエストをいただき、時代背景が1949年なので、その当時流通している(であろう)ヴィンテージとして1937年に決めたようです。シャンパンの中味はドゥラモットを使っていました」と。思いがけない映画の裏話でした。

シャンパンと料理のマリアージュ
さて、ここからはシャンパンと料理&スイーツの相性リポートです。5月10日、アグネスホテルに伺い、大河原総料理長の説明を聞きながら千賀専務と一緒にシャンパーニュの夕べ用の試食をしてきました。21日のマリアージュを完璧な形にするための大事なリハーサル。本番はどうだったのか・・・今からお伝えいたしますね

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石川産フルティカトマトのムース、メープルクリーム、トマトのパウンドケーキを添えて

総料理長のドゥラモットの印象はまず「イチゴ」。フルティカトマトを使い、トマトの甘さとシャンパンと同じ色調を料理に取り入れることで、ヴィジュアル的にもインパクトのある逸品ができました。
リハーサル時感じたトマトの香りもソフトになり、口中なめらかで渾然一体の組み合わせに。参加者からも高い評価をいただきました。

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カナダ産オマール海老のガレット、熊本産車海老のカダイフ包み、京北産小かぶと春豆
那須高原古代米と山城産うすいえんどう豆の餡
  
総料理長がドゥラモットに感じた要素の2つ目は「お米」、那須高原の古代米が出てきました。2種類の海老を使ったお料理なので、ここからはローラン・ペリエのロゼもお出しすることにしました。車海老のカダイフ包み(一番上の衣をまとった海老)は口中に広がる脂分をきれいに洗い流す感のあるローラン・ペリエとぴったり! 噛み込むと甘さが出てくる野菜や古代米にはドゥラモットの繊細な甘さが合っていました。

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ローラン・ペリエ・キュヴェ・ロゼ・ブリュット(輸入元:サントリーワインインターナショナル)
ローラン・ペリエの創業は1812年なので来年は記念すべき200周年です!

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函館産アイナメのムニエル、淡路島産春きゃべつ、香川産ホワイトアスパラのグラティネ

総料理長は「ローラン・ペリエに脂やまるみの要素を感じたので料理のポイントとして脂分のあるアイナメやポークを材料に選びました」とおっしゃっていたのですが、口中に広がる脂分や舌の上に広がるもったりした感じを一瞬できれいに消し去るローラン・ペリエは流石!

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青梅産東京ナチュラルポークフィレ肉のソテー、大田原産グリーンアスパラガスと編笠茸、生湯葉
イベリコ豚バラ肉のそば粉クレープ包み、
淡路島産葉付きたまねぎ、帯広産メークイン、那須高原菜の花

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テタンジェ・ブリュット・レゼルブNV(輸入元:日本リカー)
1934年創業の伝統あるメゾン。古代ローマ人たちが遺した石切り場をカーブとして使っていますが、その光景は圧巻。死ぬまでに見ておくべき価値のあるカーブです。

映画『ニキータ』に登場するシャンパン
映画『ニキータ』は警官殺しの罪で終身禁固刑を宣告されていた女殺し屋のお話で、ここに2種類にシャンパンが出てきます。最初の1本は上司とおしゃれなレストランに行く場面で、収穫年を表記したミレジメ、ワンランク上のシャンパンです。そしてもう1本、今度はニキータの新居を上司ボブが訪問する場面で、バラの花束とシャンパンを持参。今回供出されているブリュットNVがまさにこれで、気取らず気楽にいただけるタイプです。映画の中でもデザートと合わせて飲んでいました。通常スイーツは甘いタイプのシャンパンと合わせることが多いのですが、シャンパーニュの夕べではあえてスイーツとブリュットの組み合わせに挑戦してみました!

テタンジェにあわせて総料理長が考えたスイーツ、それは総料理長がテタンジェの中に感じた「ハーブや優しい酸味」に合わせて木の芽と日向夏の食材をセレクトしています!

リハーサル時、「日向夏にもう少しメリハリ感を与えて欲しい」と総料理長に依願しました。結果、21日は供出直前に新鮮な日向夏のジュースを絞り、アクセントとして果皮を添えてくださったことで全体が締まり、最高の出来に!

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木の芽のババロワ、日向夏のジュレ&テタンジェ ブリュット・レゼルヴNV

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アンリオ・ブリュット・スーヴェラン(輸入元:ファインズ)
1808年創業の家族経営のメゾン、シャルドネの名畑を所有しているアンリオでは他のメゾンよりシャルドネの比率が多い。シャンパン造りにはシャルドネとピノ・ノワールしか使わず、シャンパンの命である“酸のきれいさ”には定評あり。

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アグネスホテルに隣接する『ル・コワンヴェール』は2月11日に公開した映画『ル・コアンドル』のスイーツを担当したお店で、すべては上霜考ニパティシエの指揮下によるものです。21日に特別供出したのは当イヴェントの目玉「ブリュットに合うスイーツ」をテーマに進めてきた企画です。
アンリオ・ブリュットのために考案されたケーキ名は「タンドレス(優しさ、思いやりの意味)」

上質感に溢れた5層からなるスタイルで中心にはイチゴのジュレが! 
上から順にテリーヌショコラ、ジュリフィフレーズ、ガナッシュフレーズ、グラサーフレーズ、下層部がブラケットショコラで、フレーズにはわずかにローズマリーを利かせています。アンリオのブリュットのフレッシュな酸、温度が上がるとブリオッシュやアーモンドのニュアンスも感じます。スイーツとあわせることで、チョコの甘さとイチゴのジュレの酸味が絶妙なバランス、飲み手は幸せ、口中で渾然一体!

アンリオのために生まれた『タンドレス』は21日が初めてのお披露目でした。
このタンドレスは今秋にル・コワンヴェールでデヴューいたします。是非ご賞味ください

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ミニティアラは千賀みどり専務の私物
ロイヤルウエディングをイメージさせるお洒落でかわいいディスプレイ

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4月29日ロイヤルウエディングの晩餐会に登場したのがマグナムサイズのローラン・ペリエ・キュヴェ・ロゼ、晩餐会ではデザートの時に供出されました。

当日はお集まりくださった皆様にウィリアム王子とキャサリン妃の気分になっていただきたくて、サプライズ企画! マグナムボトルでシャンパンをサービスさせていただきました。2番目にお出ししたロゼ750mlとマグナムサイズの比較探究です。ボトルの容量違いによる味わいの違いを知っていただければ幸いです。

プリティ・ウーマンのシーンを見ながら
イチゴとシャンパンのマリアージュは視覚的には凄くきれいです。でも相性については疑問が残ります。イチゴとシャンパン(ブリュットの)だけだと後味に苦味が残るのです。特にアメリカのイチゴは日本のあまおうや紅ほっぺなどと違って果皮の厚みも違います。今回ブリュットに合うスイーツということで、アンリオとイチゴ等果実との相性を徹底チェックなさっていた上霜パティシエも、“合わせた時に苦味が出る”とおっしゃっていました。でも、そこに“脂”や“甘味”の要素、たとえば生クリームやストロベリークリームなどが入ると全く印象が違ってきます。合うんです!

会の終盤、日本での公開当時若い女性をとりこにした『プリティー・ウーマン』の中のイチゴとシャンパンのシーンを大型スクリーンで見ながら、「タンドレス」との相性を皆様に診断していただきました。アンリオとの相性、素晴らしかったです。ローラン・ペリエ・ロゼもシャンパンの中にあるソフトなタンニンがショコラに含まれるポリフェノールとの相乗効果で、とても美味でした!

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終会後、大河原総料理長、私、来日中のローラン・ペリエ社輸出部長ジャン・クリスチャン、千賀みどり専務との4ショット、お疲れさまでした!

ご参加くださった皆様、輸入元各社の皆様、アグネスホテルの千賀徹社長はじめ、当日サポートくださいましたスタッフの皆様、そして素敵なスイーツの作者上霜パティシエに心から感謝いたします!!
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2011年05月05日

『デュバル・ルロワ』の新パートナーはヴィレッジ・セラーズ、アイテム数も増えました!

豪州やNZに強いヴィレッジ・セラーズ(株)がシャンパンを扱うことになりました。
メゾンはデュバル・ルロワです!

マダムは常々「語学が出来る“女性”がインポーターだとコミュニケーションが取りやすい」と話していました。ヴィレッジ・セラーズには中村芳子専務がいらっしゃるのでこれはナイスな組み合わせです。さらに、マダムと醸造家サンドリーヌ・ロジェット・ジャルダン女史とは長年の良きコンビ。おふたりで同メゾンを牽引してきた実績があり、女性ならではの感性でボトルやラベルに細かな配慮をしています。
新輸入元になってからアイテム数は全部で7つ。現地でしか飲めなかったシャンパンが輸入されるようになり嬉しい限りです。そのような経過もあって、春期講座ではその中から6アイテムを選んで比較試飲してみました。

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マダム・ルロワの象徴トップキュヴェの『ファム』
2008年の来日時にいただいたサイン本


第1、第2フライトで5アイテムをチェック
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#1:ブリュット・デザイン・パリNV
ぶどう品種:PN70%、PM20%、CH10%  ドザージュ:10g/L
お洒落なエッフェル塔のプリント瓶
香り華やか、グレープフルーツや白い花のニュアンス、万人に好まれるタイプ

#2:オーガニック・ブリュットNV
ぶどう品種:PN100% ドザージュ:8g/L
ベージュ系の色調、気泡細やか、上品な酸、洋梨、ナッツ、焼きたてのパン、ソフトで優しい口当たり
ABマークはアグリキュール・ビオロジック、フランスを中心にした認証機関が許可基準を満たしている有機農産物に限定してマークの使用を許可しています。

#3:オーサンティ・キュミエール2003
ぶどう品種:PN100%  ドザージュ:4.5g/L
持続性のある細かい気泡、蜂蜜、カラメル、タンニン、#2同様のきれいな酸、上質な味わい◎

#4:クロ・デ・ブーヴリー2005
ぶどう品種:CH100% ドザージュ:4g/L
繊細な印象、柑橘系果実、ミネラル、余韻に軽いビター感、温度上昇で蜂蜜、ナッツ、ブリオッシュ

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ビオディナミ農法を導入しているクロ・デ・ブーヴリーのぶどう畑、ゆるやかな斜面

#5:ファム・プレステージ1996
ぶどう品種:CH79% 、PN21% ドザージュ:4.5g/L
黄金色、ミネラル、洋梨、ヨーグルトのニュアンス、フレッシュな酸と複雑味の同居
秀逸な1996年ヴィンテージ!今でも美味、5年後でも充分楽しめる器の大きさあり

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ぶどう畑でうさぎ発見、画像中央部分の畑のず~っと奥に見える“小さな黒い点”がうさぎ!
デュバル・ルロワの環境に関する配慮は素晴らしいです!

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左から右の順でテイスティング

新星ロゼ・ブリュット・プレステージNV登場
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ハートはデュバル・ルロワの目印

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環境に優しいメゾン対決ということで、ド・スーザのロゼと比較してみました。
#6:ロゼ・ブリュット・プレステージNV
ぶどう品種:PN3分の2、CH3分の1の割合  ドザージュ:10g/L  製法:セニエ
アセロラ色、細やかな気泡、青リンゴ、ドライフルーツ、スパイス、酸味豊か、ソフトなタンニン

#7:ド・スーザ ブリュット・ロゼNV(輸入元:中島董商店)
ぶどう品種:CH92%、PN8%   ドザージュ:6~7g/L  生産量:7,000本  製法:セニエ
コート・デ・ブランの特級畑アヴィーズ村の中心にカーブを所有するRMのメゾン
色調はサーモンピンクからアセロラ、木イチゴ、甘草、エスニック香、口中で感じる乳酸とタンニン

商品についてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ(株) 担当:宮さん
電話0766-72-8680  Fax0766- 72-8681
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2011年04月18日

ブルーノ・パイヤールのブリュット・プルミエ・キュヴェで瓶内熟成を体感!

シャンパン製造工程の1つにデゴルジュマン(滓抜き)があります。
ボトルの口元に集められた滓を取り除く作業ですが、20世紀にメゾンを興したブルーノ・パイヤール氏は生産する全アイテムのバックラベルにデゴルジュマンの実施年月を記載しています。

私は2008年3月現地メゾンで、また2008年5月来日時に、デゴルジュマン違いのテイステイングを体験させていただいて以来、その奥深さに魅されております。
パイヤール氏は「デゴルジュマンをすることで酵母の働きは終わります。この作業を行う時、瓶内の炭酸ガスは少し失われ、同時に微量ながら空気が入ります。ドザージュ(糖分添加)が行われ、ここからシャンパンの新しい人生がスタートします」と語っています。

東関東大震災後、延期になっていた冬期シャンパン編の最終回で、このデゴルジュマンの学習をしました。ブルーノ・パイヤールのブリュット・プルミエ・キュヴェNVは「ぶどう品種のブレンド比率(PN45% CH33% PM22%)」、「ドザージュ量」が毎回同じなので、デゴルジュマン違いを比較することで、シャンパンの瓶内変化を理解することができます。今回、ラッキーなことに輸入元ミレジムさんの倉庫にNVのデゴルジュマン違いがありましたので探究することができました!

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左から
#1ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV(750ml)
ぶどう品種:ピノ・ノワール45% シャルドネ33% ピノ・ムニエ22%、ドザージュ8~9g/L
デゴルジュマン:2010年6月
3グラスの中で一番香りが素直、白い花やフレッシュな酸を含む果実(GFやアプリコット)、ハチミツ、ミネラル、木香、余韻に軽いビター感

#2ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV(750ml)
ぶどう品種:同上、ドザージュ:同上
デゴルジュマン:2007年8月

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#3ブルーノ・パイヤール・プルミエ・キュヴェNV (1500ml)
ぶどう品種:同上、ドザージュ:同上
デゴルジュマン:2007年9月

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#2#3は面白い比較でした。デゴルジュマンは2007年の8月と9月なのでその差は1ヶ月
ボトルは750mlと1500mlの容量違い
#2の味わいはまろやかで酸はスムース、 #3は味わいに熟成感があり、酸は溌剌!

容量は大きい方が相対的にボトルネックのところの空気が少ない(750mlのボトルでも1500mlでも空寸はほとんど同じ)ので、ゆっくりと熟成し、マグナムの場合、レギュラーサイズの2倍量の液体が入っているので温度変化をゆっくりと受けることになります。ゆえに液量が多ければ温まるのも遅く、冷めるのも遅いです。

パイヤール氏は瓶内の変化について、「デゴルジュマン後は、5段階の変化をします。生き生きしたフレッシュさがある第1世代、フローラルな第2世代、スパイシーな第3世代、グリル&ロースト要素の第4世代、果実の砂糖漬けの第5世代」と表現していました。

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#2:3つの中で色調は一番濃い目の黄色、#1よりドライで酸はソフト、口当たりはまろやか。
3グラスの中で講座生の一番人気。すべての要素がバランス良く保たれている状態
#3:色調は#2より淡く、気泡の連なりは規則正しく細やかで綺麗。ミネラル感、白カビチーズや白コショウ、酸はまだ溌剌としていて口中でドライな印象、若さと熟成感を共に備えたタイプ
 
#4ブルーノ・パイヤール 1995NPU (750ml)
ぶどう品種:ピノ・ノワール、シャルドネ各50%、ドザージュ:4g/Lまで
デゴルジュマン:2006年10月
気泡は極めて細やか、黄金色、完熟した果実やダシ昆布のニュアンス、オレンジピールの砂糖漬け、ミツロウ、次回チャンスがあれば再会熱望の秀逸な1本!

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NPU(ネック・プリュ・ウルトラはラテン語で“それ以上のものがない、最高峰”の意味)は偉大な年にしか生産しない同メゾンの最高傑作!
総生産量は9393本、バックラベルにナンバリング、1990年が初ヴィンテージで、2番目が1995年ヴィンテージ
(1)グラン・クリュのぶどうだけを使用、ピノ・ノワールはマイイ、ヴェルジー、ブージーで、シャルドネはアヴィズ、ル・メルニ・シュル・オジェ、シュイイ
(2)キュヴェは一番搾りのみ 
(3)1次発酵は200L容量の2年目の樽(新樽は使わない)で10ヶ月 
(4)瓶内熟成は9年以上 
(5)デゴルジュマン後、18ヶ月以上は休ませる
これら(1)~(5)までを完璧にクリアした偉大なヴィンテージシャンパンがNPU


シャンパンラバーさんへ 同メゾンのシャンパンを購入したらすぐには飲まないで、半年~1年間セラーで保存しておいてください。半年後にデゴルジュマン違いの新たなNVを入手し、ストックしておいたシャンパンとの比較試飲を!
これは瓶内熟成の変化を体感する機会になります。tryなさってみてください!
posted by fumiko at 18:08| Comment(6) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月29日

1月の品種別講座では「いくらの醤油漬け」とワインの相性をチェック!

1月もあと2日! 今年はいつも以上に月日の経過が早いような・・・

26日に冬期講座<品種別>の第1回を行いました。ここでは、(鬼が笑うかもしれない)来年のお正月に焦点を当わせて。理由は供出ワイン8本のうちの1本がお正月バージョンの限定生産だったので、在庫があるうちに講座生の皆様に実体験をしていただこうと思ったからです。ここでセレクトしているワインはおせち料理(数の子は除く)に合わせて楽しんでいただけますし、通常の和食とも合わせて楽しめます。

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『いくらの醤油漬け』と文句なしの相性を見せてくれた2本

(左)オーストリア・ヴァッハウ地区/ニコライホーフ 『イムヴァインゲヴィルゲ グリューナー・フェルトリーナー フェダーシュピール2007』 /ぶどう品種:グリューナー・フェルトリーナー(GV)
オーストリアを代表する生産者でビオディナミ農法を導入。同国の固有品種GVやリースリングの秀逸なワインを生産、世界から高い評価を受けています。

(右)ポルトガル・ドウロ地区/ニーポート『エト・カルタ2008』/ぶどう品種:トゥリガ・フランカ、トゥリガ・ナショナル、ティンタ・ロリス(テンプラニーリョ)、ティンタ・アマレーラ、ティンタ・バローサ
『ワイン王国』60号で「“ジャケ買い”が楽しいグッドルキングワイン」として推薦させていただいた1本です。一昨年、初リリースされたワイン(昨年暮に発売された「2008年ヴィンテージ」は2回目)で、実際顔の良いワインなのですが、それだけではなく、味わいと価格の面でも超お薦めなんです!

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SANKEI EXPRESS(EX)に連載中の『ワインのこころ(毎木曜日掲載)』12月30日付の号には、
“新年にお薦めしたい干支の絵柄の「エト・カルタ」”を書いたのですが、その準備のために、私はうなぎ丼(山椒がポイント)、鉄火丼(山葵がポイント)、いくら丼などを作ってワインとの相性をチェックしました。結果、いくらの醤油漬けとのマリアージュが最高で自分でもびっくり! 臭みは全く出ません。また、お正月には仲間とおせち料理と合わせて試してみました。黒豆、田作り、伊達巻、昆布巻きetc問題なし、さらに魚介類との相性も良く、その守備範囲の広さに一同感嘆。それだけの実績を持つワインだけに26日の授業でも講座生全員をしっかりノックダウンさせました(笑)

私は年末にワイナリー和泉屋さんから『エト・カルタ』を30本近く購入したのですが、マリアージュに加え、ラベルに描かれた金のうさぎの可愛らしさも好評でプレゼントした相手先から喜びの声が多々ありました\(^O^)/

今講座で供出したアイテムのメインは日本ワイン。和の食材には国産ワインということで、甲州やマスカット・ベリーAなどの日本原産ぶどうも登場させました。

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左から
#1:ヴィラデスト2008 ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ
玉村豊男氏が長野県東御(とうみ)市で生産しているフラッグシップワイン。生産本数3305本
輝きのあるイエローでハチミツ、ヴァニラやモカの様な香り、シュルリー由来の旨味
余韻に広がる上品な酸

#2:シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2009
昨年、ラベルがまだない状態&11月のカレッジ課外講座の計2回試飲していますが、今回も過去と同じく、柑橘系果実の香り豊かで酸味は上品、バランスが良くピュアなイメージ、好感度100%。#2の購入はメルシャンのサイトあるいはワイナリーの売店のみとなっています。

#3:シャトー・メルシャン きいろ香2009
きいろ香はリリースしてすぐに飲むのではなく、最低でも6ヶ月はおとなしくさせておいてから飲むのが良いと私は思っています。このことを故富永博士に直訴したことがあります。博士は「そうなんだよ!その通りだよ!」とおっしゃっていました。それ以降(2007年)、きいろ香を飲むタイミングを大事にしています。半年以上経過しているきいろ香は白い花、ホワイトパウダー、パッションフルーツ、吟醸香のニュアンス、口中でのバランスは良好。

#4:ニコライホフ イムヴァインゲビルゲ グリューナー・ファルトリーナ フェーダーシュピール2007
スクリュー・キャップ仕様。相性で難しいのは数の子程度、日本酒に合う食材はほとんどOK。グレープフルーツやカリン、白い花、白コショウのニュアンス。超お薦めの1本!

#5:エト・カルタ2008
ポルトガルのワイン造りは大きく変化しています。ポート造りで定評ある生産者たちは現在、伝統を踏まえながらスティルワイン造りに励んでいます。エト・カルタの場合はワインの若々しい酸とミネラル感が和食との相性を引き立て、マリアージュの新たな学習をすることができました。

#6:コンフィアンサ2007
100年以上の樹齢があるカリニェナ100%、2つの異なる畑のぶどうを各50%ずつ使用。
納豆とのマリアージュで登場させたことがあるエスペルトのコンフィアンサ2007
ミネラル感豊かなので納豆だけでなく、和の食材とも合わせて楽しめます。「いくらの醤油漬け」とは単独に飲んだ時はそれほど意識しなかった樽の要素が食物が入ることで口中に凝縮感が広がってきます。#8と同じくAlc13.5%なので、喉の奥に残る温かさ。

#7:シャトー酒折 マスカット・ベリーA 樽熟成2008
フランボワーズ、新樽由来のロースト香、ファンタグレープ香、香りに感じる少しべったりした甘さはワインを口中に含んだ時、口中を綺麗な酸が支配するので印象は良い。

#8:シャトー・メルシャン メリタージュ・ド・城の平2007
メリタージュ(ボルドー系の品種をブレンドしたワイン)でCS82%、ME18%のブレンド、ブラックチェリー、黒胡椒、ヴァニラ。メルロ由来のあまやかさ、カベルネの重厚さがバランス良く調和しています。炭火焼、ローストビーフ等と合わせて。
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2011年01月15日

冬期講座初回のシャンパン編は『ルネ・ラルー1999』との対面から

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ランスにあるノートル=ダム・ド・ラ・ペ礼拝堂(フジタ礼拝堂)
道路をはさんだ向かい側にはシャンパンメゾンの『マム』社があります。
マムの社長だったルネ・ラルーはフジタの良き理解者であり、二人は固い友情で結ばれていました。

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昨年10月25日限定発売した『ルネ・ラルー1999』、マム社最高のプレステージ・キュヴェ

1999年ヴィンテージについて「天気と気温の激変は良質で高い成熟度を持つブドウをもたらした」とマム社。酸は1989年以来最も低いレベルで、1976年に似たヴィンテージと言われています。

昨年10月18日にディディエ・マリオッティ醸造責任者を囲んでのプレスディナーがありました。参加したかったのですが、「映画とワイン」セミナー@ 水戸が同日同時間にあり断念~それゆえ『ルネ・ラルー1999』とは一日でも早く対面したいと思っていました。そして開けるならトップキュヴェにふさわしい時期ということで年初1回目に決定。思っていた通リ素晴らしいシャンパンでした!

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ボーヌにあるチーズショップAlain Hessさんのコンテとシャウルス、やはり美味!
最高のシャンパンには最高のチーズを!
ボーヌ在のジャーナリスト熊田有希子さんの帰省に便乗して持ち帰ってきて頂いたチーズです。
9月のボーヌ訪問でHessさんのチーズに完璧に魅了されてしまった私!!
こんなにおいしいチーズが毎日食べられるならボーヌに住んでも良いなぁ~と思ったほどです。

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第1回講座は量より“質”の内容で迫りました。左から供出順に
#1:ペリエ・ジュエ グラン・ブリュットNV
ぶどう品種:PN40% PM40% CH20%、ドザージュ:9g/L、参考価格(税別)7,800円
#2:マム コルドン・ルージュ・ミレジメ2002
ぶどう品種:PN68% CH32%、ドザージュ:6g/L、参考価格(税別)7,900円
#3:ペリエ・ジュエ ベル・エポック2002
ぶどう品種:PN46% PM4% CH50%、ドザージュ:9g:L、参考価格(税別)19,000円
#4:マム ルネ・ラルー1999
ぶどう品種:PN50% CH50%、ドザージュ:6g/L、参考価格(税別)25,000円

全アイテムの扱いは輸入元:ペルノ・リカール・ジャパン株式会社

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ペリエ・ジュエに共通する香りは白い花&リンゴ、味わい面ではアフターに感じるかすかなビター感、グレープフルーツの内側の白い果肉に感じるニュアンスです。そして言葉をひとつ選んで同メゾンのシャンパンを表現するなら、それは“気品”です!

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長時間元気な気泡を楽しませてくれたのが#2のコルドン・ルージュ・ミレジメ。口中スムースで泡はワインに溶け込んでいる印象、同メゾンの誇りを感じる1本でした。
マムのメゾンを表現すると・・・
映画『カサブランカ』大好き人間なので、“得も言われぬ魅力”、その言葉に尽きます!

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搬送中の温度差が少し影響して、シャウルスは芯ありではなく、トロトロでしたが熟成具合も良く、
うっとり~、特に#4との際立つ相性はカレッジだけの一期一会と表現したくらいでした。
熊ちゃん! 遠路ありがとうございました!!
講座生を大いに刺激・感激させることができて私は大満足で~す(笑)

すべてが素敵なシャンパンでした。飲む相手や場所によってセレクトし甲斐のあるアイテムです。
今回、価格&味わい重視の点からお薦めしたいと思ったのは#2のコルドン・ルージュ2002!
香りの広がり、熟成感由来の複雑さ、温度が変わってからの膨らみ等、魅力たっぷりです。
それで来月2日に予定している私的な会に、このアイテムを仲間入りさせることに決めました。
数合わせの楽しさも添えて・・・
2月2日に2002年ヴィンテージは似合いそう(笑)、気分も弾む嬉しいゾロ目ですしね!

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2010年12月18日

年内最後のシャンパン編講座は10アイテムのテイスティング

今年もまた、オープンカレッジの講座生の皆さんから温かな応援をいただきました!
私のパワー源は各人の素敵な笑顔です、ホント、ありがとうございます!
年内最後の授業は、クリスマス&お正月に役立つ企画で〆ました!

シャンパンメゾンの“顔”NV、お気に入りのメゾンを確認するにはまずNVです。
初心に戻って、もう1度じっくりとNVと対話していただきました。
NV9メゾン&クリスマスにぴったりのキラキラ細工ボトル『パイパーのレア・ヴィンテージ2002』

レア・ヴィンテージ以外は、前回、講座生から「飲みたい&利き比べたいメゾン」を聞き取りしていたので、できるだけ皆さんの意見を反映させるような形でアイテムを揃えることができました。

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こんな顔ぶれです~、10種類のシャンパンを比べるのはホント楽しいです~

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第1フライトは主としてブレンドタイプ、左から
#1:マム・コルドン・ルージュ
ぶどう品種:ピノ・ノワール45%、ピノ・ムニエ25%、シャルドネ30%
爽やかで上品な酸が長く続く、飲みあきしないタイプ
講座でも人気の1本でした!

#2:ロデレール・エステート 
ぶどう品種:シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%
シャンパンのルイ・ロデレール社がカリフォルニアに進出して造るスパークリングワイン
カリテ・プリの1本

#3:・アンリオ・ブリュット・スーヴェラン
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
気泡はワインに溶け込んでおり、酸がフレッシュで生き生きした印象 

#4:ゴッセ エクセレンス ブリュット
ぶどう品種:シャルドネ49%、ピノ・ノワール42%、ピノ・ムニエ9%
MLFをしていないのに酸味は上品で穏やか、バランス良

#5:ヴィルマール・グランド・レゼルヴェ・ブリュット・プルミエ・クリュ
ぶどう品種:ピノ・ノワール70% シャルドネ30%
ゴッセと同じくMLFをしないメゾン、発酵段階で小樽を使用、10ヶ月の樽熟成、口中で樽の印象

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いずれも甲乙つけ難しでしたが、ゴッセのバランス、大人っぽい風格は魅力

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ISOさんが提供してくださった白カビチーズの「クロミエ」、「クリスマスも近いので」と西洋銀座の「シュトーレン」をわざわざ購入し、プレゼントしてくださったYOSHIDAさん、私はチーズ王国の「ラングル」を用意しました。


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2010年12月11日

クリスマスシーズンにお薦めしたい甘口ワイン@オープンカレッジ

1日に2~3件もの中味の濃い取材が続いた11月が終わり、ホッとしています。
今はちょ~ッぴり腑抜け状態で~す。
でも、お伝えしたいことが山ほどあるので、そろそろピッチをあげますね!

12月最初のブログ(といってもすでに11日だぁ~)は、
カレッジの品種別講座の最終回で取り上げたワインについてまとめてみます。
クリスマスシーズンに注目していただきたい
スパークリング&シャンパーニュのロゼと世界の甘口ワインです。

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左から順に
甘口タイプ5アイテム
#1:モスカート・ダスティ2009 (サラッコ) モスカート・ダスティDOCG
ぶどう品種はモスカート・ビアンコ
ワインに慣れていない人でも原料ぶどうがマスカットだとすぐわかります。
Alcは5%、残糖は140g/L、素直な香りと甘さが特徴、氷で割って飲んでも楽しめますよ。

以下4アイテムは後半で!
#2:バニュルス2007 (M・シャプティエ)
#3:ペドロ・ヒメネス サン・エミリオ (エミリオ・ルスタウ) 
#4:ブアル マディラ10年 (ハーベイト)
#5:トゥニー ポート10年 (ニーポート)

スパークリングのロゼ3アイテム
#6:ブリュット・ロゼ (シャンドン) オーストラリア・ヴィクトリア州
#7:ヴーヴ・クリコ ローズラベル (ヴーヴ・クリコ) フランス・シャンパーニュ地方
#8:フェッラーリ マキシアム ロゼ・ブリュット (フェッラーリ) イタリア・トレントDOC

まずは3種類の泡ものロゼからスタート
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#6、#7、#8の順で供出
講座生には
■全てシャンパーニュ方式 
■産出国は豪州、イタリア、フランス 
■1アイテムだけシャンパン

の3点を伝え、ブラインドテイスティングしてもらいました。
結果は#8を「好み」と答えた者が15名中8名、その多くがシャンパンと思っていたようです。
これは過去にも2回ほど経験していることなので、予想通りなのですが、
ぶどうの質の良さ、イースト風味、心地良いミネラル感、余韻の広がり等・・・
「シャンパンを超える泡ものを造る」という創始者の信念に裏打ちされたワインだと思っています。
フェッラーリは私も大好きです。特にペルレはイイですよね!

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ここからは甘口ワインです。クリスマスにお薦めしたいのは、
■バニュルスとショコラ 
■ペドロ・ヒメネスとバニラアイス
の組み合わせです!

講座ではトップスの冬期限定「ショコラ・ノワール」を入手してバニュルスと合わせてみたのですが、これがホント美味、まさに至福の時間になりました。

そして、もう1つのマリアージュは定番、スペイン甘口シェリーのペドロ・ヒメネス(PX)とバニラアイスの組み合わせ。今回は奮発してハーゲンダッツのバニラアイスを購入してしまいました!
講座生の皆さんの幸せそうなお顔、ホント、載せてみたいです。

授業では、左からポート、マディラ、ペドロ・ヒメネス、バニュルスの順で供出。
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#5:トゥニー ポート10年 (ニーポート)
ドウロに関する情報としては、近年、高品質なスティルワインが続々と登場しており、ニーポートも高い評価を受けています。『ワイン王国』最新号60号の特集“最強のプレゼントワイン138本”で「5“ジャケ買い”が楽しいグッドルッキングワイン17本」で、私はニーポートの『エト・カルタ2007』を紹介させていただきました。これがスティルワインです。読者プレゼントの中の1本に入っていますので、チェック、よろしくです。
エトラベルなので、お正月に皆さんでワイワイ騒ぎながら楽しめるワインだと思っています。

#4:ブアル マディラ10年 (ハーベイト)
#3:ペドロ・ヒメネス サン・エミリオ (エミリオ・ルスタウ)
#2:バニュルス2007 (M・シャプティエ)
ぶどう品種はグルナッシュ100%、Alcは16度、ヴァン・ド・ナチュレ
(発酵の途中でアルコールを添加し、それによって発酵がとまるので甘口ワインになります)
若々しい果実味と爽やかな酸味が心地良い赤の甘口ワイン。冷やすことで酸が引き立ち、甘さ控えめに感じます。チョコやローストした印象があるのでショコラとは絶妙の相性、1度お試しいただきたいマリアージュです。
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2010年11月15日

500回目の記念の記事は帝国ホテル『レ・セゾン』の夕べ、思いがけないサプライズもありました!

2010年11月3日に120周年を迎えた帝国ホテル!
光栄なことに13日に、メインダイニング『レ・セゾン』のティエリー・ヴォワザンシェフとコラボレーションさせていただくことができました。
記念すべき500回目の記事は、私にとって“感謝で一杯の出来事”になりました!
(120万アクセスまで、あと269! 明日AMにはクリアかな)
[わーい(嬉しい顔)]備忘録(2010年11月16日9時23分)
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帝国ホテルの“120”周年と同数字、拙ブログも120万アクセスをクリアできました!

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日本の迎賓館として誕生したのが帝国ホテルです。そしてシャンパーニュ地方ランスにあるシャトー・レストラン『レ・クレイエール』も当地の迎賓館として格調ある風情を保っています。ティエリーさんは、ここで17年間活躍した後、レ・セゾンのシェフとして来日しました。レ・セゾンでは「日本人の味覚に無理に合わせることなく、彼が旨とする料理のスタイルを徹底する」ということでスタートし、それは今も続いています。

シャンパーニュ地方出身のティエリーさんと、シャンパン好きの私なので、コラボレーションも“シャンパン”にフォーカスした構成になりました。以下が当日のメニューです!


会の終盤、メニューにはない思いがけないサプライズがあり(涙)、それについては後程

仕事柄、ワイン&料理のマリアージュをすることが多いのですが、また新たな発見がありました。
それはシャンパンを知り尽くしているシェフだからこそできるプロの奥義とでも言いましょうか。口中で味わった時に、直線的広がりではなく、水の中に石を投げ込んだ時に起きる“波紋的広がり”にも似た旨さがあり、加えて、同じお皿の中の素材でも、合わせるシャンパンによって、それぞれ違った“美味しさ”が現れてくる面白さです。


ブイヤベースには日本の食材、山椒が使われていました。
ゴセ・ブラバンが持つスパイスやハーブ的要素と相性良


天然帆立貝のドレにコンソメを注ぎます


香りがふわ~っと広がって


1番目のシャンパンはアイ村が拠点のゴッセ・ブラバン(左)、黒ぶどうの比率(PN70%、PM10%)が高いだけに色調も力強く、味わいにノン・フィルター由来の旨味を感じます。2番目はシャルドネ100%のドゥラモット(右)、帆立貝に合わせて。1と比べると色白・繊細、ミネラル感豊か、時間の経過と共に膨らみが出てきました。これらの2種類は帝国ホテル記念ボトルです。ラベルにある120周年という印字が見えますね

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海老の凝縮感たっぷりの旨味がじわ~っと口中に。ここではリュイナールのロゼと合わせて。赤いフルーツの要素と綺麗な酸を備えたロゼとの相性は文句なしの組み合わせ。海老とロゼの色合いに相性の良さを感じます。

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鴨のロティには鴨の内臓のソースをかけて

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ティエリーシェフがソースをサービスするシーンをキャッチ、ダンディーなシェフです!

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鴨にはシャンパーニュ地方のブーズィ産の赤ワイン(PN100%)コトー・シャンプノワを。
2000年ヴィンテージながら酸味がまだ若々しく、赤い果実のニュアンスもあります。

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供出した4種類のワイン、サービス温度も完璧。
さすが様々なコンクールで優勝者を排出しているレストラン!
参加者から「ドゥラモットいいね」という声が出たので、「1988年からローラン・ペリエ・グループの傘下になり、ローラン・ペリエ社からの資本&技術的サポートの効果は大きい」と説明させていただきました。その折、10月29日に他界なさったローラン・ペリエ社のベルナール・ド・ノナンクール会長の話をしました。私の大好きな『ワインと戦争』の冒頭のシーンを解説しているうちにあらら~目がウルウル、故人を想い思わず泣きそうになっていました(不覚)

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チーズは手前からモン・ドール、マンステール、カマンベール、コンテの4種、美味なアプリコットは人気者!
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ラベル:レ・セゾン
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2010年11月03日

日本全国の納豆ファンの皆様への朗報 ~納豆と赤ワインのマリアージュ~

お待たせしました! ツイッターで予告しておりました納豆と赤ワインのマリアージュ編です!!
これはためしてガッテンしていただけること請け合いです(笑)

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ワイン総合研究所では(1)ワイナリー和泉屋扱いスペイン産カリニャーナ種100%のConfianca2007、我が家では日本ワインの(2)サントリー登美の丘2008(メルロ47% CF31% CS17% PV5%)と合わせてみました。前者は果実味豊かで酸味穏やか、納豆との組み合わせは「若いお嬢さんと楽しむ」感じ!後者はカベルネ由来のハーブ的な要素と上品な酸の印象があるので、(1)より大人びた女性の感じ。ともに口中での違和感は全くありませんでした。


先月の24日(日)、新柏にある『ワイン総合研究所』にお邪魔してきました。
同所は『ワインと料理の相性診断』の著者で農学博士、国際最新ワイン醸造経営協会(INTOS)理事である渡辺正澄先生のワイン教室で、当日はワインアドバイザーコンクールの優勝者小林史高氏や日本全国をくまなく取材している食雑誌のT編集長、調理師学校生、スペインワインでお世話になっている大滝さん等、ワインと料理のマリアージュに関しては一言家のメンバーが集合していました。私はこの日、先生からのお誘いを受けお仲間入りさせていただきました。

18日に行った映画とワインセミナー@水戸の話になり、ご当地に注目が! 
「水戸か~そうだ! 納豆があるから青木さんが興味を持っていた赤ワインと組み合わせてしてみよう」といつもいつも好奇心旺盛な先生のひとことで早速実践編へ。ワクワク

結果、後引く美味しさでした(笑) 
パンやクラッカーにつけていただくと赤ワインの最適なおつまみになります。
このレシピをもとに家で再度実験。その勢いで27日(水)の品種別講座@オープンカレッジで、講座生の皆様にもワインと合わせながら体験していただきました。
18名中1名、「納豆がニガテ」という方がいたのですが、なんとこの方から「美味しい!」という賛辞が。「赤ワインと納豆」と聞いただけで、疑いのまなざしを向ける生徒さんもいたのですが、実験の後には顔つきが変わっておりました

本日、画像撮影しながら再度試してみましたので、ご披露させていただきますね!

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<材料>
納豆1パック(ひきわりでないタイプを)、卵黄、バルサミコ酢、濃口醤油、からし(パックについているもので可)、大葉(カベルネ系は多めに)、あればレモンをひと絞り

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納豆を攪拌し、そのあと「卵黄だけ」を入れて混ぜる。次にバルサミコ酢小さじ1を入れ混ぜ、濃口醤油小さじ1を入れて混ぜる。からしを入れ、レモンをひと絞りして、最後に刻んだ大葉(シソ)を入れて完成!

ポイントは卵黄とバルサミコ酢で納豆をマスキング!
ゆえに必ず上記の手順で行ってください。

以下は先日渡辺先生から届いた情報です!
納豆と赤ワイン(南アのシラ-ズ使用)に合わせるために実験をしました。
すべて納豆の臭味を消しましたが、一番美味しい組合せは(3)でした。
(1)納豆+卵黄+醤油+マスタ-ド
(2)納豆+キューピ-シ-ザ-スサラダドレッシング
(3)納豆+キューピ-シ-ザ-スサラダドレッシング+ブル-・チ-ズ(少々)
(4)納豆+キムチ
こちらもご参考に>>>http://www.non-solo-vino.net/dish.html#1

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2010年10月21日

シャンパン造りの丁寧さはHPにも表れているRM『タルラン』、来日情報は『アルマン・ド・ブリニャク』

秋期シャンパン編も快調にスタートしました。
10月第1回目はRMの『タルラン』に焦点を当てました。

カレッジでシャンパン編を始めてすでに5年以上経過していますが、今回びっくりしたのはHPの内容の濃さでした。仏語&英語があるのは当たり前でも、ドイツ語・スペイン語・オランダ語・ノルウェー語・日本語、そして中国語を含めた8ヶ国語の表示は初めて見ました。ここまで丁寧な説明をしているメゾンはおそらくないのでは。

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講座ではブレンド比率、ドザージュ量、収穫年等の違いから、3つのフライトにわけてブラインドテイスティングを行いました

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ラベルの裏貼にもタルランのこだわりを感じます。デゴルジュマン(滓抜き)の日付がわかると瓶内での熟成具合も理解しやすいのです。ボランジェのR.D.は年・月・日を記載していることで知られていますが、タルランも上級のキュヴェ(ラ・ヴィーニュ・ダンタン)には年・月・日表示をしています、素晴らしいです!
上記の裏ラベルは第1フライトで供出したトラディショナル・ブリュットNV(左)とブリュット・ゼロNV

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(左から)
#1:親しみやすい味わいとバランスの良さが光るトラディショナル・ブリュットNV
#2:ぶどう本来の旨味が伝わってくるブリュット・ゼロNV
#3:綺麗な酸と果実の旨味が魅力のラ・ヴィーニュ・ダンタン
#4:ミネラル感と樽由来のビターさの余韻が大人びた印象のキュヴェ・ルイ
#5:赤系果実のニュアンス、口中に若干のエグミ感が残るロゼNV
#6:様々な果実風味、複雑で包容力豊かなロゼ・プレスティージュ1998
個人的には#1の確かさ、#3の品質、#6の複雑味が好みでした♪


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2010年08月29日

長本和子さんとのコラボは世界のスパークリングワインで楽しむイタリア食材紀行@カシーナ・カナミッラ

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昨日はイタリア食材に精通する長本和子さんがオーナーのリストランテ『カシーナ・カナミッラ』にお邪魔して『世界のスパークリングワインで楽しむイタリア食材紀行』というテーマで課外講座を行いました。

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食材は22種類で、順に野菜系(1ケッパー、2エストラット、3乾燥トマト)、穀物系(4スペルト小麦、5米、6レンズ豆、7エジプト豆、8乾燥ソラマメ、9ポレンタ)、魚系(10ツナの油漬け、11ボッタルガ、12アンチョビ、13ガルム、14バッカラ)、乳製品(15パルミジャーノ・レッジャーノ、16モッツァレッラ、17ゴルゴンゾーラ、18リコッタ)、肉系(19生ハム、20サラミ、21ラルド、22ブレサオラ)、これらを使ったオリジナルアミューズを5種類の泡ものと合わせてみました。

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第1フライトは加工肉類
上部中央から時計まわりにチンタセネーゼのラルド(21ブランド豚の背肉の塩漬け)、自家製生ハム(19富士幻豚を使用)、自家製長野産鹿のブレサオラ(22本来はロンバルディア州で作る馬肉の特産品、今回は鹿肉使用)、自家製富士幻豚サラミ(20)

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第2フライトはチーズを含む料理
中央にスペルト小麦のサラダ(1、3、4)、上部中央から時計まわりにゴルゴンゾーラのムース ドライイチジク添え(17)、パルミジャーノ・レッジャーノ(15)、モッツァレッラ(12)&アンチョビ(16)、ポレンタ(9トウモロコシ粉)&バッカラ(14タラの塩漬け)、古代ローマ風豚肉のロースト(13)、仔牛肉のツナソースかけ(1、10)

スペルト小麦(ファッロ)は皮が薄いので粒で食べることができます。古代ローマでは重要な食物だったそうで、イタリア語で“粉”を意味するファリーナはファッロに、穀類を意味する“チェレアーリ”は農耕の女神、ローマ神話の“チェーレレ”に、そしてオイル(油)は古代ローマ人が使っていたオッリョに由来しているとのこと、奥が深いです。ガルムを使ったローマ風豚肉のローストの味わいに思わずうっとりの私は、ジュリアス・シーザーが食べていたであろう料理の味わいに納得できました、贅沢な美食です。

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1ケッパーは花のつぼみ、そのつぼみを早朝摘み取り塩漬けに。食すと苦いが漬け込むと深い味わいになるケッパー。13 ガルム(古代ローマ人が使っていた魚醤)、3乾燥トマト、2エストラット(トマトベースのお味噌)は各テーブルに置かれ、自由に味見!

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現在では衛生面の関係で使われていないチーズの水切りカゴ(左)とリコッタチーズのカゴ
長本和子講師の解説は本当にわかりやすいです!

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第3フライトは、右が魚介と自家製ボッタルガ(ボラ塩茹)のリゾット(5、11)
左が豆類のミッレコセッデ(2、6、7、8)
6レンズ豆、7エジプト豆は5000年くらい前から食されていた由、ミッレコセッデは多くの豆を使ったお料理。「豆料理は貧しさの象徴でもあった」と長本講師

イタリアは欧州一番のお米の産地であり、98%がジャポニカ米。ただし大きさは日本のお米の約2倍弱。割ってみると白い粉部分があり、リゾットの場合、食感がなければならないのでその芯が大事。

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第4フライトはデザート。右がリコッタのトルテ(18)、カプリ風トルタ

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各テーブルをまわって食材について丁寧に説明する久保木博支配人
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2010年08月26日

ロゼワインをもっと身近に!

3年ほど前からロゼが気になって
2007年春に2種類の素晴らしいロゼワインをテイスティングして以来、ロゼが気になって・・・
その結果まとめたのがasahi.comでの連載『ワインの歳時記』~名醸造家とよばれる男たちが造る気になるロゼワイン~でした。

炎天下、ガンガンに冷やしたロゼを炭酸や氷で割って愉しんだり、中華料理やスパイシーなエスニック料理と合わせて愉しんだり・・・とタンニンのある赤ワインと口当たりの良い白ワインの要素を備えているロゼは応用範囲が広いんですよ。ただ、日本でのロゼ人気は今ひとつ。そこで、ワインを飲み慣れている講座生を洗脳するところからはじめてみました(笑)

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選んだのは全部で8アイテム、第1フライトと第2フライトで各4アイテムずつ供出

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第1フライトは
#1:サンタ・ディグナ カベルネ・ロゼ2010(ミゲル・トーレス)
産地:セントラルヴァレー 品種:CS100% Alc:13.5%
穫りたて新鮮、ベリー系果実と軽めのタンニンが魅力

#2:チプレセット・ロサート2009 I.G.T.(アンティノリ)
産地:トスカーナ地方  品種:サンジョヴェーゼ85%、カナイオロネーロほか15% Alc:11%
ミネラル感豊か、心地良いビター感が食事とあわせやすい印象

#3:ももいろメルロー2009(メルシャン)
産地:山梨県&長野県桔梗ヶ原地区  
品種:メルロー76%、マスカット・ベリーA 24% Alc:12.5%
メルローの骨格とベリーAの果実風味が相まったチャーミングなワイン

#4:ガスコーニュ・ロゼ2008(ドメーヌ・アラン・ブリュモン)
産地:南西地方 品種:タナ50%、メルロー25%、シラー25% Alc:13.5%
第一香にソルビン酸を感じ、以前の印象と少しズレが。
調査の結果、1年前から使用しているとのこと。その使用理由について聞きたい気分。

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#3の『ももいろメルロー』はマスカット・ベリーAの果皮の青っぽさを反映した青みがかったピンク
上から見るととても可愛らしいももいろです

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ロゼワインの比較試飲の醍醐味は色の違いの面白さ、CS100%の#1はホント赤に近い色調

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第2フライトは
#5:ブルゴーニュ・ロゼ2008(ドメーヌ・カミュ)
産地:ブルゴーニュ 品種:ピノ・ノワール100% Alc:12.5%
果実風味と酸がきれいに出ている飲みやすいロゼ

#6:タヴェル・レスピェグル・ロゼ2007(ポール・ジャブレ・エネ)
産地:南部ローヌ  品種:グルナッシュ50%、サンソー40%、シラー10%  Alc:13.5%
セニエ法。グルナッシュの力強さ、アルコールに由来する温かさ、甘さあり

#7:ロザ・ラ・ローズ2005(ミッシェル・ゲラール)
産地:南西地方  品種:カベルネ・フラン90%、タナ10% Alc:13.5%
色調がホント綺麗、柑橘系果実、ドライフラワー、長い余韻

#8:プロヴィダンス・ロゼ2004(プロヴィダンス)
産地:ニュージーランド 品種:カベルネ・フラン85%、メルロー15% Alc:13.5%
稀少ワイン。香りの中に若干、それもほんの少しだけシェリー似の酸化したニュアンス
口中なめらか。軽めのろ過、ぶどうの旨味が口中で広がり、得も言われぬ満足感!
プロヴィダンスは通常SO2を使いませんが、2004年のロゼには試験的に使用

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#7は2005年ですが、本当に美しいオレンジ色を含むロゼ色、凝縮感のある味わいも特出もの

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カベルネ・フラン主体のプロヴィダンス・ロゼは年代を経た貴腐ワインのような褐色に近い色調!

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銀座アスターの2種類の料理と合わせて。ピンクペッパーも用意して相性を確かめました。
エビチリのピリッとした辛さとベースにある豆板醤の旨味がプロヴィダンスと絶妙なハーモニー!

さまざまなぶどう品種、各醸造家こだわりのブレンド比率など、グラスごとに変わる変化が楽しくて、もっと多くの料理と合わせられれば、さらに幸せだったのに~と感じた8月の講座でした。

冒頭でご紹介した『シャトー・レ・トロワ・クロワ・ロゼ・フロンサック』の入荷予定がないということで、コレだけアイテムに入れることができず残念! 機会があれば是非とも再会したいロゼワインです!
posted by fumiko at 23:43| Comment(13) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月17日

シャンパン編ではボランジェのヴィンテージ4アイテムを! ツイッターでボランジェに対するイメージも是非!

1829年はボランジェ社にとって、まさに“グラン・ダネ(偉大な年)”
1829年、シャンパーニュ地方アイ村からボランジェ社の歴史は始まりました。
1941年に経営を引き継いだ偉大なマダム・リリーこと、ジャック・ボランジェ夫人は、従来以上の厳しい品質基準を設けてメゾンを盛り立て、以来、その方針は今日まで守り抜かれています。

環境への配慮を重視する優良企業として政府から高評価(追記:2012年8月3日)
厳しい品質管理で定評あるボランジェ社は2012年5月、フランス経済・財務・産業省から「無形文化財企業(Entreprise du Patrimoine Vivant/EPV)」の認定ラベルを取得。このラベルは優れた工業、手工業のノウハウを持つフランス企業に与えられるもので、樽での醸造、AOCの規定よりも長い熟成期間、トレーサビリティを保証する最先端の装置など、製品造りにかける同社の要求水準の高さが証明されたということになります。

また、フランス農水省が新たに進めている環境保全農業の「環境価値重視(Haute Valeur Environnementale/HVE)」認定も受けました。農業企業では2軒目という早さだそうです。これは環境グルネル(環境問題についての協議会)で制度が提案され、実験段階を経て、2011年6月政令により制度として整えられたもので、生物多様性、施肥、病害虫防除、水の管理の4点について厳しい指標が設けられています。


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同メゾンの顔 『スペシャル・キュヴェ』用のリザーブワインはマグナムボトルで熟成させています。
2007年3月27日に瓶詰した3600本のマグナム

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天然コルクはAgrafe (アグラフ)と呼ばれる留め金で固定しています。
日曜日に放映していたNHKハイビジョン『香りと味の名探偵』の中の世界最優秀ソムリエコンクール準決勝の実技試験の場面にアグラフが出ていましたね。

過去にもボランジェをテーマにしたことはありますが、今回の講座はスペシャルバージョン!
4月に来日したエリア・マネージャーのヴィアネイ・ファーブルさんから受けたシャンパン・セミナーでの体験を、講座生にフィードバックするために企画した内容です。

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第一フライトは左から
#1:マイィ・ブランド・ノワールNV
ぶどう品種:ピノ・ノワール100% ドザージュ:8g/L
前回供出したシャンパンの状態が完璧でなかったためのリベンジ
グラン・クリュ畑マイィの優雅さと奥深さを備えた上質な味わい

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#2:ラ・グランダネ2000
ぶどう品種:ピノ・ノワール63%、シャルドネ37%、ドザージュ7g/L
2000年はボランジェが好む男性的スタイル、コクがあり、完熟した果実やドライフルーツのニュアンス

#3:R.D.1997
ぶどう品種:ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、ドザージュ:3g/L
ワイン名『R.D.』(Récemment Dégorgéレサマン・デゴルジェ/ “最近デゴルジュマンされた”の意味)で、デゴルジュマン(滓抜き)は2008年9月3日。滓抜きしたばかりの溌剌感と熟成による旨味の双方を備えた味わい

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第ニフライトは左が
#4:ラ・グランダネ・ロゼ2002
ぶどう品種:ピノ・ノワール62%、シャルドネ38%、ドザージュ7g/L
ぶどうはグラン・クリュ(82%)、プルミエ・クリュ(18%)のみ。ベースのワインはラ・グランダネで、ラ・コート・オーザンファンを5%添加。赤い果実、スパイシーさ、ミネラル感、力強い酸

#5:ラ・コート・オーザンファン2002
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ラ・グランダネ・ロゼに使われるコトー・シャンプノワ(シャンパーニュ地方で造られる泡のない赤ワイン)で、ワイン名は区画に由来するピノ・ノワール100%のワイン。生産量は4357本!
凝縮感に満ち溢れた秀逸なピノ・ノワール
つい先日、帝国ホテル『レ・セゾン』の蕪木支配人が「まるでロマネ・コンティのような」という表現をしていましたが、確かに納得できます。

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posted by fumiko at 10:23| Comment(6) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月06日

猛暑の泡もの探究は6メゾンのノン・ドザージュで!

暑さ対策は万全ですか? なにより水分を取らないといけませんね。
その水分補給がシャンパンならどうでしょう(笑)
シャンパン編夏期講座第1回はジメジメした夏を払拭したかったこともあり、超ドライなタイプを選んでみました。糖分添加なしのノン・ドザージュ6種類の競演です。

シャンパン造りは、ぶどう収穫→圧搾→1次発酵→ブレンド→瓶詰→瓶内2次発酵→動瓶→滓抜き(デゴルジュマン)→門出のリキュール(ドザージュ)→打栓の順で行うが、ドザージュは滓抜きで目減りしてしまった分を補う目的で、リキュール(シャンパンの原酒に糖分を加えたもの)を添加、味を調整。その程度により、(最辛口)ブリュット・ナチュール、エクストラ・ブリュット、エクストラ・ドライ、ブリュット、セック、ドゥミ・セック、ドゥー(最甘口)に分類

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シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)では糖分量が3g/L以下
もしくは加糖をしていない場合、以下のように表記することもあります。
・Brut nature(ブリュット・ナチュール) 
・Pas dose(パ・ドゼ)
・Dosage zero(ドザージュ・ゼロ)

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私の前に並んでいるグラスと向かい側の席のグラスを対比してみてください
黒ぶどうの比率の高いグラスの色調、左から2番目、4番目、特に6番目にご注目

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上から見た色調、濃淡がわかりますね

シャンパンはブラインドで供出、左からボトルの配列順
#1:ローラン・ペリエ ウルトラ・ブリュットNV
ぶどう品種:CH55%、PN45%
シャンパーニュ地方でいち早くステンレスタンクを導入(1963年)、ビールの生産工程を見て、伝説の人ド・ノナンクール氏はステンレスタンクを使った低温醸造をシャンパン造りに応用。1981年ドザージュをしないシャンパンを発売した時は一大センセーションを巻き起こしました。南向きの厳選した畑のぶどうを使用。ピュアでミネラル感豊か、レモン&GF等柑橘系果実、焼きたてのパン、フレッシュでありながらふくらみあり

#2:ビルカール・サルモン ブリュット・ヴィンテージ2004
ぶどう品種:PN70%、CH30%
2009年10月デビュー。カリンや洋梨などの果実、舌に残るビター感。低い温度(6~8度)より、少し温度を上げて12度前後で味わうことで苦味は緩和される印象。生地にピュアさが足りない?

#3:ポル・ロジェ ピュア(ブリュット・ナチュール)
ぶどう品種:PN33%、PM33%、CH33%
日本でのデビューは2008年年6月1日。ノワイエル社長は来日時、「当初『ブリュット・レゼルヴ』に糖分を添加しない製品を『ピュア』に使用と考えたのですが、酸味も強く、苦味も出てしまうので、一から出直し、再研究。3年間の試行錯誤の末に、アロマ豊かで果実味があり、酸が穏やかで苦味が少ないピュアが誕生しました」とコメント。こだわりの末、生まれたシャンパンだけに、生地のきれいさが光っています。フレッシュな印象から時間の経過で複雑味が広がる味わい、上品でしなやか

#4:マイィ エクストラ・ブリュットNV
ぶどう品種:PN75%、CH25%
グラン・クリュのみのぶどうを使用、糖分ゼロにもかかわらず、ぶどう本来の熟度が伝わってくる上質な味わい。ピュアさが光るタイプ、さすがグラン・クリュ畑のぶどう。昨今、ノン・ドザージュのシャンパンが流行ですが、生地の秀逸さでは群を抜いている印象。

#5:アヤラ ブリュット・ナチュール ゼロ・ドザージュNV
ぶどう品種:PN45%、CH30%、PM25%
ベースワインは2005年ヴィンテージ85%、リザーヴワイン(PNとCH)15%
偉大なボランジェの傘下。定番NV『ブリュット・マジュール』はぶどうの使用比率同じ、ドザージュ7.95g/L。片やゼロ・ドザージュは糖分添加がない分、舌全体に広がるドライさのインパクト大、ミネラル感も際立っています。

#6:ドラピエ ブリュット・ナチュールNV  サンスフル
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、ドザージュ:糖分の添加ゼロ(ぶどう本来の残糖2g/Lあり)
SO2不使用。3年間にわたる失敗の後に生まれたシャンパン。来日したドラピエ氏は「SO2なしのシャンパン造りには健全なぶどう畑、そこから穫れる完熟ぶどうが第1の条件」と語っていました。黄金色、ピノ由来の赤い果実の香り、洋梨や生姜、ドライな印象とスパイシーな余韻

シャンパンと体調のマリアージュも!
体が元気一杯の時はノン・ドザージュは爽快な気分になれます。ただし、“生地のきれいさ”が命だけに、生地が洗練されていないと苦味ばかりが強調されてしまう気がします。

一方、体が暑さによってダメージを受けている場合は、迷わずドザージュありのシャンパンを選びましょう。ドザージュ量10g/L前後のものなら大いに癒してくれるはずです。

料理とワインのマリアージュならぬ、シャンパンと体調のマリアージュも、そろそろ考えてみてもイイかも。では、真夏の夜の素敵なシャンパン・ライフをお楽しみください!!
posted by fumiko at 22:23| Comment(7) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月28日

Mailly(マイィ)の“Le Feu(炎)”から伝わってくる情熱、ロマンス・・・

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缶とラベルに描かれているのはオレンジ色の“炎”、『ル・フ2000』には心惹かれました!

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缶の裏にはアーティスト名が! 彫刻家Florence Valay女史の手によるものです。
『マイィ』はC.M.(Coopertive de Manipulation)と表記される生産協同組合、現在81名が加盟。C.M.表示はカンの中央Brutの下にありますね。
ボトルはAlc.12%の斜め左上に小さな字でC.M.と載っていますが、おわかりになりますか?

5月26日のシャンパン編ではグラン・クリュ、マイィ村にある『マイィ』にフォーカスしました。

第1フライト
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1)ブリュット・レゼルブ ぶどう品種:PN75%、CH25%、ドザージュ:10g/L
2)エクストラ・ブリュット ぶどう品種:同率、ドザージ:0g/L
ここでは、ブレンド比率同じ、ドザージュ有・無の2タイプをチェック。
前者はメゾンの顔です。果実の香り豊かで、特に“リンゴ”。蜜をたっぷり含んだサン富士を連想させます。バランスが良く、万人に好まれるタイプのシャンパンです。
後者は生地がきれい。1)よりベースワインをさらに厳選しているようで、糖分0にもかかわらず、ぶどう本来の熟度があります。ピュアさが光るタイプ。
昨今、ノン・ドザージュタイプのシャンパンが流行ですが、群を抜いている感じがしました。

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2年半熟成させている1) と4年半熟成させている2) ですが、色調は画像でもおわかりのように1) はベージュ色を含み、2)はイエロー。2)はフランスからの入荷時期が1)より最近だったのではと私は推測していますが、フレッシュで若々しさがあり好感がもてました。

『マイィ』はピノ・ノワールとシャルドネの2品種しか使いません。中でもピノ・ノワールへの想いが強いメゾンです。その究極が3)ブラン・ド・ノワール、ピノ・ノワール100%のシャンパン。

今回、講座開始前のシャンパンチェックで・・・ムムム~思わず無言、2本ともブショネだったのです!!
私はあえて第1フライトとして3アイテムを黙って供出しました。心の中では・・・
誰かが3)のワインについて???メッセージを発信してくれることを願っていました。
教室の右側でなにやらゴソゴソ動きあり、中央部でも、そして左側でも・・・ついにisoisoさんから、
「先生~、3番のワイン変です」との声が出ました。
欠陥臭については講座でかなり叩き込んできたので(失礼)、ブショネに気付いてくれたようです。

ブショネはコルク製造業者の怠慢に負うところが大きいのですが、
とは言え、私は楽しみにしていた3)が本来の姿でなかったことが残念で残念で~
3)は素性の良さを感じるシャンパンです。リンゴのコンポートのような凝縮した香りと味わいはブショネを意識しないで試飲する努力をすれば(苦しいですが)伝わってきます。
状態の良い3) はどんなに素敵なシャンパンだったことか~

第2フライト
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4)ル・フ2000 ぶどう品種:PN75%、CH25% ドザージュ:8g/L
5)キュヴェ・ラントンポレル2005 ぶどう品種:PN60%、CH40% ドザージュ:8g/L
6)レ・エシャンソン1998 ぶどう品種:PN75%、CH25% ドザージュ:6g/L
トップキュヴェ3アイテムです。「好みのシャンパンは?」の問いかけに、講座生のひとりが、
「3つ子はどの子も可愛いので、どれも良くて1つを選ぶことはできません~」と回答。
そうですね。グランクリュマイィ村の気合を感じるラインアップでした。

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4)は冒頭に書いた通り、私のお気に入り。ミネラル感もあり、アフターに感じる黄金糖のようなニュアンス、イイ感じです。5)はピノの比率が一番少ないせいか、色調は3つの中では一番淡く、女性的なイメージ。バランスの取れたシャンパンですね。最後の6)は男性的でぶどうのパワーあり。経年変化による味わい&香りは時間とともにどんどん倍増してくる感じで面白かったです。
posted by fumiko at 17:23| Comment(16) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月25日

イタリア20州のうち12州を120分で巡った品種別講座@オープンカレッジ

“世界のワイン比較探究講座”受講の皆さま、お待たせいたしました。
5月19日に開催したイタリアの白ワイン編、画像&データだけアップしておきま~す。
イタリア20州のうち、この日、用意したのは全部で12本!カレッジ開講以来最多の本数でした。
ボトルの確認が十分できなかった方はブログでチェック願います!

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出典:上級ワイン教本(柴田書店)

北部、中央部、南部&島部の3つに大別し、各州のぶどう品種を学習しました。
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北部
1)ロンバルデイア
■ワイン名・生産者:フランチャコルタ・スティレ(コンタディ・カスタルディ)
■ぶどう品種:シャルドネ80%、ピノ・ビアンコ+ピノ・ネロ20%

2)ピエモンテ
■ワイン名・生産者:ロエロ・アルネイス2008(ブルーノ・ジャコーザ)
■ぶどう品種:アルネイス100%

3)ヴェネト
■ワイン名・生産者:ソアヴェ・クラシコ2009(ピエロパン)
■ぶどう品種:ガルガネーガ90%、トレッビアーノ10%

4)フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア
■ワイン名・生産者:トラミネール・アロマティコ2007(イエルマン)
■ぶどう品種:トラミネル100%

5)エミリオ・ロマーニャ
■ワイン名・生産者:アルバーナ・ディ・ロマーニャ ヴィーニャ・ロッカ2008(トレモンティ)
■ぶどう品種:アルバーナ100%

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中部
6)トスカーナ
■ワイン名・生産者:ペルラート・デル・ボコス・ビアンカ2008(トゥアリータ)
■ぶどう品種:トレッビアーノ70%、アンソニカ(別名:インツォリア)30%

7)マルケ
■ワイン名・生産者名:ヴァルディッキオ・イエジ・クラシコ2008(サルタレッリ)
■ぶどう品種:ヴェルディッキオ100%

8)ウンブリア
■ワイン名・生産者:モンテマッジョーレ・オリヴィエート・クラシコ2008(テッラビアンカ)
■ぶどう品種:グレケット主体

9)ラツィオ
■ワイン名・生産者:フラスカティ・スペリオーレ2008(ポッジョ・レ・ヴァルビ)
■ぶどう品種:マルヴァジア70%、トレッビアーノ20%、ソーヴィニヨン・ブラン10%

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南部&島部
10)カンパーニア
ワイン名・生産者:グレコ・ディ・トゥーフォ ボッジ・レアリ2008(グイド・マルセッラ)
ぶどう品種:グレコ・ディ・トゥーフォ100%

11)シチリア
ワイン名・生産者:シチリア・ビアンコ カタラット2008(テルレ・ディ・ジネストラ)
ぶどう品種:カタラット100%

12)サルデーニャ
ワイン名・生産者:ヴェルメンティーノ・カーラ・シレンテ2008(サンターディ)
ぶどう品種:ヴェルメンティーノ100%

政府が公認し、EUが承認したぶどう数415
2008年10月末現在、イタリア政府が公認し、EUが承認しているワイン用ぶどう品種は415もあります。各地域ごとの気候・地形および土壌に最も適したぶどうが選ばれて栽培されています。

今回は“白ぶどう”に焦点を当ててみましたが、どれも食欲をそそるワインたちばかりでしたね。
アルネイスは温度が上がってもヘタらず、脇役専門だったぶどうが今や堂々たる主役を演じている印象。ジャコーザの手腕、お見事です! ピエロパンのソアヴェは私のお気に入りの1本。そして12本の中で値ごろ感ありだったのが、フランチャコルタの1)スティレ(@2,990)と、シチリアの11)カタラット・ビアンコ(@1,900)、おウチご飯にお薦めです!

次回はイタリアの黒ぶどうにフォーカスしてみます。これまた20州の中には素晴らしいワインがたくさんあり過ぎてワイン選びに苦労しそう~。でも皆さんの笑顔が見たいので頑張ります。ご期待アレ♪
それにしても、イタリアワインが教材だと、イタ飯が食べたくなってしまって、ホント、困ります。
Non Solo fumiko~、講座生全員が・・・ですよ(笑)
posted by fumiko at 23:23| Comment(14) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月25日

オリジナル講座 グラスでワイン・レッスン@オープンカレッジ

昨日、春期特別講座“グラスでワイン・レッスン”を行いました。
これは昨年、日本・オーストリア友好年2009にちなんで開催した“本邦初、リーデルグラスによるオーストリアワインだけのグラスセミナー(6月実施)”のアンコール版です。

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ワインは白・赤各3アイテム、ストーリー性のあるものをセレクトしてみました。

(右から左の順に)
試飲コメントは擬人化して表現してみますね、このほうがイメージしやすいと思うので♪
白ワイン
#1:サンセール “コント・ラフォン”ブラン2007(コント・ラフォン)
ぶどう品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
亜麻色の髪を風にまかせながら草原を駆け抜けていくスリムな乙女。走り去った後には爽やかなシトラス系の残り香が・・・。両親に大事に育てられた素直で可愛い女の子。
輸入元:ブリストル・ジャパン

#2:シャブリ レゼルヴ・ド・ヴォードン2008(ジョセフ・ドルーアン)
ぶどう品種:シャルドネ100%
髪はブロンド、透けるような色白の肌のスレンダーガール。上品さとおチャメな面を併せ持つ深窓の令嬢タイプ
輸入元:三国ワイン

#3:オスピス・ド・ボーヌ ムルソー・シャルム2001 キュヴェ・アルベール・グリヴォー(アントナン・ギヨン)
ぶどう品種:シャルドネ100%
少し日焼けした肌、気持ちふくよかな体形。温かくて優しい雰囲気なので男女問わず、誰からでも好かれるタイプ。話題が豊富で会話も弾むので相手に「もう1度逢いたいな~」と思わせてしまう魅力的な女性♪ 私も逢いたいです!!


赤ワイン
#1:ブルゴーニュ・ルージュ2000(ドメーヌ・ルロワ)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
年齢よりも若々しく、人に頼らずマイ・ペースで人生を楽しむタイプ。内に秘めた夢は大きく、それを叶えていくだけのパワーを持つキャリアウーマン
#2:シャンボル・ミュジニー レ・シャルム1989(ルー・デュモン) 
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
過去の様々な経験が素敵な実を結び、対外的にも高い評価を得られるようになったマダム。聞き上手なので相手の気持ちを落ち着かせてしまう、まさしく大人の女!
#3:ピンティア2005(ボデガス・イ・ビニョドス・ピンテイア)
ぶどう品種:ティンタ・デ・トロ100% (テンプラリーニョ)
裕福な財力の元で育った素養豊かな逸材。田園育ちのために都会的センスを磨くためにしばらくは修行の日々。将来が楽しみな筋肉質体形のイケメンさん
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2010年04月17日

第1弾はカレッジ春期講座報告! MLF をしていないシャンパン・メゾンの競演

14日はMLF(Malo-Lactic Fermentationマロラクティック発酵)をしないメゾンを選んで利き比べをしました。
ワイン中に含まれるリンゴ酸(Malic acid)が乳酸菌の働きによって乳酸(Lactic acid)に変化する現象。酸の中でリンゴ酸は最も鋭く、乳酸は温かみがある。

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主要メゾンはパイパー・エドシック
Attention!!
最高醸造責任者のレジス・カミュ氏の来日時、確認したところ、
「現在、MLFをしています」との回答でした(2010年8月15日、青木追記)
#1:ブリュットNV
PN50~60%、PM25~35%、CH15~20%。ドザージュ:11~12g/L
#2:ブリュット・ヴィンテージ2000
PN60%、CH40%、ドザージュ:11~12g/L
#3:ブリュット・ロゼ・ソヴァージュNV
PN50~60%、PM25~35%、CH15~20%、ドザージュ:11~12g/L

ゴッセ 
#4:ブリュット・エクセレンスNV
PN45%、CH42%、PM13%、ドザージュ:8g/L
#5:グラン・ロゼNV
CH56%、PN35%、赤ワイン(ブージー&アンボネー)9%、ドザージュ:11~12g/L

ランソン
#6:ゴールドラベル・ヴィンテージ・ブリュット1998
PN53%、CH47%、ドザージュ:9g/L
#7:ロゼラベル・ブリュットNV
PN53%、CH32%、PM15%、ドザージュ:9g/L

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第1フライトは#4#1の順で試飲、第2フライトはヴィンテージものの#6#2の順で試飲
それぞれをテイスティングした後で、用意しておいたピクルスをかじりながら、各アイテムとの相性をチェックして頂きました。MLFをしていないシャンパンは“酸”を十分に生かしているので、ポン酢やレモン汁等と合わせやすく、生ものとの相性も抜群です。講座でピクルスを使ったのは、酢に漬け込んだ味わいがシャンパンの酸とどう馴染むか、相性を見るにはちょうど良い素材だと考えたからです。

パイパー・エドシックは“軽快でフレッシュ”が身上、ステンレスのみで樽は使用していません。酸味を生かした造りなので、ピクルスを口にすると“同化”して、す~っと馴染んでしまう感じが嬉しいくらいです。#1、#2とも相性は良く、特に後者はピクルスの余韻が甘く感じました。

ランソンの醸造責任者ジャン・ポール・ガンドン氏は30年以上にわたって同メゾンのシャンパンを造り続けています。発酵も醸造もステンレスのみ。「リンゴ酸をそのままキープしながら醸造するのが弊社のスタイル。フルーティー&フレッシュ、力強さが特徴です。酸味の強い果汁なので長熟ワインになり、力強くなるのです」がガンドン氏の持論。そのリンゴ酸効果なのでしょうか、#6、#7ともピクルスの酸と一番良く合っていて、講座生全員大いに納得していていました。ランソンのフルテイスティングに参加すると、口中がリンゴ酸で疲れてしまい、きついなぁと感じることもあったのですが、酸を生かした食材とのマリアージュで楽しむならば絶品、特に白身の刺身や海の幸等の和食にお薦めです♪
 
ゴッセは“ぶどう本来のフレッシュなアロマを生かすためにMLFは一切行いません”が身上のメゾンです。ぶどう自体の甘さ、酸味、旨味を感じる味わいで、#4、#5ともに上質な印象のシャンパンです。同メゾンもステンレス使用なのですが、ピクルスと合わせると、一緒に漬け込んでいたハーブの香りが強調され、パイパーやランソンのような同化状態にはなりませんでした。マリアージュを邪魔しているものとして、#4の余韻に感じるほんのかすかな樽の要素が原因なのかと推測したのですが・・・そこで同社に「樽でキープしているリザーヴワインの使用の有無」を質問してみました。「#1に少量だけ使っています」とのお答えをいただき、納得、その謎が解けました。

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第3フライトでは#7#5#3の順で3種のロゼを利き比べました。
思わず「可愛い~」という声が出たランソンラベル、女性受けしますね
ロゼの色調はラベルを反映しているかのようで、ランソンはサーモンピンク、パイパーは赤に近いロゼ色です。ゴッセのロゼはほのかなオレンジ色を帯びたサーモンピンクで、味わい的にも惹かれました。


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講座の最後は前回のリベンジ!
輸入元テラヴェールから届いた代替シャンパンの登場です。
キュヴェ・シャルル・ドゴール(PN80%、CH20%)はグラスに注いでいる段階から上品な香りが広がり、味わいはミネラル感豊かでまろやか。ドゴール大統領お気に入りの訳がよ~くわかりました。
ドラピエのシャンパンはリーズナブルで、品質が良いというのが最大の魅力です!
隠れた逸材なのでもっと多くの方々に飲んでいただきたいシャンパンだと思っています。

さてさて、講座生の皆様~、2時間で8アイテムのシャンパンワールド
十分にご堪能いただけましたか。


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2010年03月27日

冬期シャンパン講座の〆はメゾン・ドラピエで

ピノ・ノワール本来の純粋さを求めるシャンパン・メゾン『ドラピエ』
講座当日は冬が逆戻りしたような寒さだったのですが、教室内は講座生の熱気でホカホカでした!
このような日は黒ぶどう主体のシャンパンが似合いますよね。〆のメゾンに選んだドラピエはシャンパーニュ地方南端ウルヴィルに本拠地があり、黒ぶどう、特にピノ・ノワールの純粋さを求める生産者。“自然なワイン造り”を旨とする有機栽培を実践しており、どのアイテムも生地がとても綺麗だと感じました。

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第1フライト
#1:ドラピエ カルト・ブランシュ・ブリュット
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、ピノ・ムニエ15%、シャルドネ10%、ドザージュ9g/L
メゾンの顔のNV。黒系ぶどうの比率が多いので食事全般に合わせて楽しめるタイプ

#2:ロベール・モンキュイ グラン・クリュ・メニル・シュル・オジェ ブラン・ブラン
ぶどう品種:シャルドネ100%、ドザージュ:12g/L
メニルに本拠地があるレコルタン・マニピュラン(RM)。生産するキュヴェはすべてメニル村100%で、柑橘系果実の爽やかさを感じさせるテイスト、繊細でスマートな印象。メゾン情報によるとビルカール・サルモンやルイ・ロデレールにぶどうを供給している由

#3:ドラピエ キュベ・キャトゥール・ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:プティ・メリエ、アルヴァンヌ、ブラン・ブライ(ピノ・ブラン)、シャルドネ各25%ずつ
ドザージュ:8g/Lで、25年間オーク樽で寝かせた秘伝の自家製リキュールを添加。丁寧な造りのシャンパンで、秘伝のリキュールが効いています。いつも飲み慣れているシャンパンの味わいと似ているものの、第1香とアフターの余韻が微妙に違う印象。シャンパーニュ地方の白ぶどうの雄シャルドネに古代品種をブレンドしたタイプ。
印の古代品種については以下のブログのピンク字をご参考に
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2009-02-20

#4:ドラピエ ブリュット・ナチュール
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、ドザージュ:糖分の添加なし(ぶどう本来の残糖2g/L含む)
ノン・ドザージュのシャンパンは特に生地が命、これは今まで多くのノン・ドザージュを試飲してきた結論なのですが、その点から言っても当日試飲したドラピエのアイテムの中で一番のお気に入りがコレ。ピノ・ノワールの本領発揮、ピュアな印象です。

特別フライトは
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#5:ドラピエ キュヴェ・シャルル・ド・ゴール2002
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%、ドザージュ:9g/L
フランスの高名な人物シャルル・ド・ゴールの名を冠した逸品。肖像画が描かれたボトルは1990年、彼の兵役50周年の祝典を記念して製造・発売されたそうです。口中をさっぱりさせるミネラル感豊かな味わいは食事にぴったり。

#5に関しては予想外の事態が発生して・・・3年以上にわたるシャンパン編で初めての出来事! できれば出会いたくなかったブショネ(コルク臭)です。供出前に2本を味見して明らかな違いを感じたので、特別フライトとして講座生には各1本ずつを比較試飲してもらいました。ちょうど桜チップで燻したスモークサーモンを用意していたのですが、これが予想以上に役に立って。同じシャンパンなのに、「ブショネだと味覚がここまで違うか」という見事な証明になりました。正常なボトルは黒ぶどうの重厚さとミネラル感が際立っていて旨味があり、サーモンとの相性もグッドでした。一方の欠陥ボトルはまずカビ臭さが前面に出て、味わいは平坦、苦味が際立ち、サーモンも生臭くてたいへん~。

ブショネはワイン界を悩ませている深刻な問題です。何度言っても改善が見られないポルトガルのコルク業者と喧嘩して、ワイン栓をコルクからスクリューキャップに替えた著名生産者が結構います。
ブショネについては>>>http://www.asahi.com/food/column/wine_saijiki/TKY200707240141.html


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2010年03月13日

“和食に合う”をテーマにした品種別講座

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宇治山田駅から名古屋へ。そこから新幹線に乗り換え東京までGo!
途中、青空に浮かぶ可愛い過ぎる雲を発見しました~

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富士山もこの日(10日)は直線的な雲を頭に載せて・・・

ここからは東京編です。到着後、いざカレッジへ。
テーマは和食に合う白ワイン”、ということで8アイテムをセレクト
 
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<第1フライト>
No1:オリビエ・ルフレーヴ シャブリ 1er フルショーム2006
No2:ジャン・コレ シャブリ 1er モンテ・ド・トネル2006
ぶどう品種はともにシャルドネ100%。樽の出方をチェックしながらの利き酒です。
前者はステンレス&樽(新樽なし)、ワインの味わいはとても上品で、フルショームの畑由来のミネラルとパワーを感じます。後者は大樽&小樽(新樽率30%)のスタイル。グラン・クリュ「レ・クロ」の延長上にあるモンテ・ド・トネルは、エレガントでありながらパワフルな味わいがイイですね。2006年ヴィンテージはどちらも素晴らしいと思いました。

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<第2フライト>左から順に
No3:ジョセフ・クローミー タスマニア・リースリング2006(スクリュー・キャップ)
ぶどう品種はリースリング100%、ペトロール香が際立つワイン。和食に合わせる場合、重油っぽいニュアンスがもう少し軽いほうが良いかも。No3に関しては9割以上の生徒が品種を当てていました。ちなみにタスマニアは地球温暖化の好影響下にある注目の産地です。

No4:ヴィエ・ディ・ロマンス デッシミス ピノ・グリージョ2007
ぶどう品種はピノ・グリージョ100%

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シャトー・メルシャン『甲州グリ・ド・グリ』に共通するオレンジがかった色調、果実味豊か、ドライフラワー。ハチミツやベッコウアメを彷彿とさせる味わいで、余韻に軽いビター感あり。

No5:ルシアン・クロシェ サンセール・クロ・デュ・ロワ2006
ぶどう品種はソーヴィニヨン・ブラン100%、柑橘系果実(レモンやグレープフルーツ)や白い花、ハーブ系の香り、酸が綺麗でエレガント。和食とあわせる時にレモンを活用するとより愉しめるワイン

No6:ルバイヤート 甲州シュルリー 勝沼ボトル2008
ぶどう品種は勝沼産甲州ぶどう100%、空気とのふれあいがほとんどない透明に近いワイン。日本酒の吟醸香に似たニュアンス。わさびを使うと、口中でワインの果実味がより膨らむ印象。

No7:ガイヤーホーフ グリューナー・ヴェルトリナー ローゼンシュタイン2008(スクリュー・キャップ)
ぶどう品種はグリューナー・ヴェルトリナー100%、生産者はニコライホーフのサース夫人の実妹イゼル・マイヤー。雨が多い年だったにもかかわらず、果実味のある上質なワイン。ミネラル、白コショウ、ミントの風味。モッツレラとアボガド+わさび+薄口醤油のマリアージュは誰もが認めるおいしさ

No8:シャトー・ル・ピュイ マリー・セシル2002 セミヨン100%(協賛)
ぶどう品種はセミヨン100%、ビオディナミ栽培。SO2無添加。6種類の中では最も色調が濃く(右のグラスの色をチェック願います)、ノン・フィルターによる若干の濁りあり。酸を予感させる香り、口中では香りに感じた酸の印象がそのまま広がり、複雑味もある。時間の経過で味わいの変化が楽しめるワイン。薄口醤油との相性◎

同ワイナリーのフラッグシップ『シャトー・ル・ピュイ(赤)』も和食との相性はグッド。これは昨年3月のブログに載せてありますのでご覧いただけましたら幸いです。
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2009-03-09-1

農薬と火薬の関係
私が初めてシャトー・ル・ピュイのオーナー、ジャン・ピエール・アモロー氏とお目にかかったのは2004年10月でした。その時、ビオディナミを導入するキッカケについて「第1次大戦後、大砲の火薬や砲弾の原材料(兵器の製造には硫黄や銅が不可欠)が余り、メーカーは農薬の肥料に使うことを考えました。化学肥料は1920年代から30年代に出始めましたが、祖父や父を含む何人かは健康を害する恐れのある農薬を拒否しました。土壌の構成や生態系が変わってしまうことを憂いてのことです。それで土壌の活性化に着手することに決めました」と。
農薬と火薬の関係については、ビオディナミ栽培をしているローヌのシャプティエやロワールのニコラ・ジョリも同様に語っています。

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相性実験はすべてのワインをテイステイングした後、“わさび”を仲介役にして行いました。
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カットしたモッツレラチーズとアボガドを用意、薄口醤油で。
(Akikoさ~ん、供出準備のサポートありがとうございました!)
それから、伊勢から持ち帰った新鮮なあわびも!!
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posted by fumiko at 02:23| Comment(3) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月28日

横浜君嶋屋ワールドのシャンパンを学習 ~ピエール・モンキュイ&エリック・タイユ~

はじめに
昨日未明(現地時間27日午前3時半)、南米チリ中部でマグニチュード8.8の大地震が発生しました。震源は中部ビオビオ州の州都コンセプシオン(南部最大の都市)の北北東約115キロの沖合いとのことですが、折りしも、4月14日&15日とチリ・サンチアゴで『世界最優秀ソムリエコンクール』が予定されています。現地のワイン関係者やワイナリーの様子はわかりませんが、被害が少しでも軽いことを願っています。
3年に1度開催される世界最高のソムリエコンクールで、日本からはトゥールダルジャン東京に勤務する森覚(さとる)&谷宣英両ソムリエが出場予定

チリ大地震、最新情報(2010年3月1日付)
チリのTorreon Winery(トレオン ワイナリー)とお取引がある日智トレーディングの猪原敬子様からいただいたメールによりますと・・・
「今回のチリ大地震で現地では甚大な被害を受けている模様です。震源地コンセプシオンはもとよりサンチャゴでもマグニチュ-ド7.8を記録し、空港、高速道路も多くの被害が出ております。
昨夜遅く、トレオン社ハビエル氏から大地震の恐怖と共に「家族は元気」との一報をメールで受け安堵いたしました。マウイバレ-、クリコバレ-などワイナリーの倒壊も数社あるそうです。カチャポワールバレーにありますトレオン・デ・パレデスのワイナリーもダメージを受けているとのこと。また、積み出し港のバルパライソも一部被害が出ているそうです。詳しい情報が入り次第またご連絡させていただきます」とのことでした。電気等のライフラインも途絶えており、被害の大きさが伝わってきます。

なお、㈳日本ソムリエ協会主催の『世界ソムリエコンクール応援・研修ツアー』は参加者の皆さまの身の安全を考えて取りやめになったそうです。このニュースは同協会のHPに掲載されています。

第2回シャンパン編は
講座生から、「アップはまだですかメール」も届いているので、まとめます。
24日は横浜君嶋屋扱いの2メゾンのシャンパン7アイテムを比較学習しました。同店のシャンパンを登場させることになった経緯は・・・スペインレストラン『サンパウ』にいらした森上久生ソムリエとのつながりです。彼は現在君嶋屋経営の西麻布『グットドール・ドゥーゾン(旧グットドール・アッキアーノ)』に移籍、活躍しています。

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左はコート・デ・ブラン地区の『ピエール・モンキュイ』4アイテム、きれいな造りをするRMレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まですべて自社製の小規模生産者)
#1:キュヴェ・ユーグ・ド・クールメ(シャルドネ100%、ドザージュ9g/ L)
#2:キュヴェ・ピエール・モンキュイ・デロス・グラン・クリュ(シャルドネ100%、ドザージュ9g/L)
#3:グラン・クリュ・ミレジメ2002(シャルドネ100%、ドザージュ8g/L)
#4:ブリュット・ロゼ・グラン・クリュ
(メニルのシャルドネ2/3、アンボネイのピノ・ノワール1/3、ドザージュ7g/L)

右はヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区を中心に畑を所有する『エリック・タイユ』3アイテム、マルヌ渓谷の中心に位置するメゾンで、ピノ・ムニエの比率の多いシャンパンを生産、RM。
#5:ブリュット・トラディション(ピノ・ムニエ100%、ドザージュ11/3g/L)
#6:ブリュット・エクセレンス・エキストラ・ブリュット
(ピノ・ムニエ、ピノ・ノワール、シャルドネのブレンドで比率は非公開、ドザージュ3.9g/L)
#7:ブリュット・ロゼ・エクセレンス
(ピノ・ムニエ85%、ピノ・ノワール15%、ドザージュ12.3g/L)

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授業では画像の順に第1フライトとして#5#1#2#3#6を、
第2フライトとして#7#4を試飲しました。

7アイテムの中で一番好みだったのは#3
白い土壌を感じる香り&味わい、口中でもその予想通リ、エレガントで酸も綺麗、ミネラル感も豊か。メニルのテロワール、ポテンシャルを十分に感じることができました。RMでここまでのブラン・ド・ブランは素晴らしいと思います。

ピノ・ムニエ100%の#1は第一香から、ムニエの特徴である花のような香りが広がり、探嗅しやすい、わかりやすいワインだと感じました。だた、2006年7月に試飲したピノ・ムニエ100%のさきがけジェローム・プレヴォーのラ・クロズリー・レ・ベギーヌのデータを思い出しながら試飲した私には、「何かが違う」という気がしました。#7に酢酸に似た香りのニュアンスもあったので、これはエリック・タイユのスタイルなのかも知れません。この点については森上ソムリエのコメントも伺いたいと思います。続きを読む
posted by fumiko at 19:23| Comment(5) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月14日

バレンタイン直前講座ではハートマークの『シャトー・カロン・セギュール』を!

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日付が変わって、今日はバレンタインデー! 
世界的に人気のアイテムと言えば、ボルドー地方メドック地区サン・テステフ村の『シャトー・カロン・セギュール』、ハートマークが目印のワインです!
一緒に写っているのは、花びらが3枚と4枚に分かれるお洒落なバラのチョコ『ソニア ル・ブーケ』、ピンク色のバラが入ったバレンタイン仕様は『メサージュ・ド・ローズ』の人気商品。

10日にカレッジの品種別講座があり、全部で7種類の赤ワインを供出したのですが、今回はバレンタインのことも考えて、カロン・セギュールを用意してみました。

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テーマは“世界の主要黒ぶどう品種”です。
(ワインはすべてブラインドで)左から
#1:クローズ・エルミタージュ レ・ジャレ2006 (ポール・ジャブレ・エネ)
コート・デュ・ローヌ地方、ぶどう品種:シラー100%。黒コショウや甘草(かんぞう)、ロースト香やコーヒーのニュアンス、口中での印象もソフト、喉の奥に温かさが広がり、余韻にアルコール由来の甘さあり

#2:ジュヴレ・シャンベルタン2006(シャトー・デュジャック・フィス・エ・ペール)
ブルゴーニュ地方、ぶどう品種:ピノ・ノワール100%。7つの中で色調が一番淡く、若干オレンジ色、香り華やか、バランスの良い酸味、喉越し滑らか

#3:ムーラン・ナ・ヴァン シャトー・デ・ジャック2005(ルイ・ジャド)
ボージョレ地区ムーラン・ナ・ヴァン村、ぶどう品種:ガメ100%、赤紫色を帯びた色調、粘性も高い。きめ細かなタンニン、長熟に耐える酸味、深みのある味わい。講座生唯一のガメ嫌いさんをも納得させる味わい、さすがルイ・ジャド!!

#4:セレステ2006(ミゲール・トーレス)
カスティーリャ・レオン州リベラ・デル・ドゥエロ地区、ぶどう品種:テンプラニーリョ100%、グラス壁面に残る赤色とゆったりと落ちる涙、粘性高め、黒系果実、ヴァニラ、ロースト香、コーヒー、甘草、時間の経過で香り、味わいの変化が楽しめるお薦めのリーズナブルワイン

#5:キアンティ・クラシコ2006(カステッロ・ディ・アマ)  
トスカーナ州、ぶどう品種:サンジョヴェーゼ、果実味豊かで酸、タンニンのバランス良し。飲むだけでも、食事に合わせても、美味しいワイン。

#6:ソーサル・ジンファンデル2006(ソーサル)
カリフォルニア州ソノマ郡アレキサンダー・ヴァレー、ぶどう品種:ジンファンデル100%、丁寧な造りを感じさせるワイン。ミント、ハーブ、キャンディ、スパイスなどの豊かな香り。ミネラル感もあり、タンニンも滑らかで膨らみのあるワイン。「従来からのジンファンデルのイメージが変わった」という嬉しい声あり

#7:シャトー・カロン・セギュール2006
ボルドー地方メドック地区サン・テステフ村、ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロ40%、綺麗なガーネット色、グラス壁面に残る赤色、粘性も高い、黒系果実、シダや木香、甘草や黒コショウなどのニュアンス、セギュール侯爵の愛がこもったワイン。2006年は重すぎず、軽すぎず。

後半は『ワイナロマ』を使い、香りの訓練も! 選んだのはコショウとピーマン。発売元であるコーケン香料(株)の今井係長から「男性は意外とコショウ&ピーマンを外すことが多いのですよ」というお話を伺っていたので、カベルネ系品種に感じることが多い2種類にしてみたのですが、「なるほど」の結果が! これらに関しては女性のほうが敏感に感じ取っていたように思います。

次回3月10日は「和食に合うワインを」というリクエストが出たので、“食とのマリアージュ”も念頭に入れてアイテムを考えたいと思います。講座生の皆さま、お楽しみに!!
posted by fumiko at 01:23| Comment(7) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月01日

『ディアボロ・ヴァロワ』と『ジャック・セロス』

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今年最初のシャンパン編(1月27日)は、コート・デ・ブラン地区クラマン村に本拠地を置くメゾン
『Diebolt-Valloisディアボロ・ヴァロワ』を取り上げまし
現在輸入されているのは4アイテムです。左から
#1:Tradition Brut NV トラディション・ブリュットNV
 シャルドネ40%、ピノ・ノワール30~40%、ピノ・ムニエ20~30%
#2:Blanc de Blancs NV ブラン・ド・ブランNV
 シャルドネ100%
#4:Grand Cru Cuvee Prestige NV グラン・クリュ キュヴェ・プレスティージュNV
 シャルドネ100%、講座生の一番人気でした!
#5:Fleur de Passion2004 フルール・ド・パッション2004
 シャルドネ100%

秀逸なブラン・ド・ブランを造るメゾンなので
今回対抗させるべく用意したのは『Jacques Selosseジャック・セロス』です!
>>>http://www.asahi.com/food/column/champagne/TKY200906150117.html
#3:Brut Initial Blanc de Blancs NV ブリュット・イニシャル・ブラン・ド・ブランNV
高級な白ワインの印象です。厚みがあって複雑、長~い余韻、良いですね

予想通リ、素晴らしい競演になりました。

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グラスを真横、真上から観察。それぞれの微妙な色調の違いを感じ取ることができます。続きを読む
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2010年01月24日

トゥールダルジャンで体感する知的なワイン・レッスン

気分を落ち着かせてくれる“ブルー”がイメージカラーの『トゥールダルジャン
トゥールダルジャンの前身といえば・・・
ワインと料理が登場する映画の中でも食通大絶賛の名画『バベットの晩餐会』の、あの女料理長バベットが働いていた名店、そう『カフェアングレ』です。

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そのロゴ『CA』が入った食器を使ったテーブルセッティングがトゥールダルジャンのホールに再現されていました。『バベットの晩餐会』再現ディナーを2回(2008年12月、2009年6月)開催したことがある私にとって、これは予想外の出来事、大感激でした!!

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そして映画の時代1880年代から2010年に戻ってみると・・・同店の個室サロンには現代のカフェアングレの今風なお洒落なテーブルセッティングが! 

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ワンランク上質の五感磨き、トゥールダルジャンで体感する知的なワイン・レッスンの開幕です!続きを読む
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2009年10月03日

夏期講座のシャンパン編&品種別講座の最終回を一挙に公開!!

来週からカレッジの秋期講座が始まります。
アップが遅れていた夏期最終のシャンパン編と品種別は、まとめて公開しますね。

まずはシャンパン編、メゾンは『ミッシェル・ゴネ』です。
『映画とワイン』の講座を担当させていただいているホテルオークラのワインアカデミーの責任者、渡部明央ソムリエ絶賛のメゾンだけに、私も興味津津。ブラインドテイスティングでお出ししたのはゴネのシャンパン5アイテムと、オレゴンのスパークリングワインです。

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ミッシェル・ゴネは1802年創業のレコルタン・マニピュラン(ぶどう栽培から瓶詰まですべて自社でまかなう生産者)。ブラン・ド・ブランを得意とするだけあって、コート・デ・ブラン地区のアヴィズ村、オジェ村、ル・メニル・シュル・オジェ村等に全40haのぶどう畑を所有しています。
輸入元は日智トレーディング

アーガイル・ワイナリーは1987年からオレゴンでシャンパーニュ製法のスパークリングを生産しており、すべてがヴィンテージ入り。2000年にはワイン・スペクテイター誌で「オレゴン・プレミア・ワイナリー」に選ばれています。
輸入元はワイン・イン・スタイル

第1フライトは#1:ゴネの『ブリュット レゼルヴNV』と、#2:アーガイル・ワイナリー『ブリュット・ウィラメット・ヴァレー2005』、#3:ゴネの『ブラン・ド・ブラン・グランクリュNV』を比較。ぶどうの比率は順にピノ・ノワール&シャルドネ各50%ずつ、ピノ・ノワール65%、シャルドネ35%、シャルドネ100%

シャンパン編を受講してきたことで味覚が研ぎ澄まされてきた成果なのでしょう、受講生は#1、#3をシャンパン、#1をブレンドと推測していました。シャンパン・メゾンの顔であるNVは、3品種 (CH、PN、PM)、あるいは2品種 (CH、PN) のブレンドが多いので、バランスが良く飲みやすいのが特徴。NVに敏感に反応し、親しみを感じているシャンパン好きが多いので、#1は人気のアイテムになっていました。へーゼルナッツや白桃、バナナのニュアンス、きれいな酸とアフターに感じる甘さは好評でした。

2種類のシャンパンの間に供出した#2は気泡は細かく元気ハツラツ、色調は一番淡く、香りは白い花、おしろい、香草、ドライフルーツなど。他の2種と比べると複雑味が少し違います。ただ、フレッシュでドライ(残糖1.2%)な口当たりは、アペリティフとしてお薦めできる一品。オレゴンのスパークリングワインは今後の注目株です。

#3はゴネの真髄ブラン・ド・ブラン。ブリオッシュ、ハチミツ、ロースト香などさまざまな要素を備えたバランスの良いシャンパンです。

第2フライトでは#4:キュヴェ・プレスティージ・ブラン・ド・ブラン1998、 #5:キュヴェ・プレスティージ・ブラン・ド・ブラン1996、 #6:フュ・ド・シェーヌ( 樽熟成のブラン・ド・ブラン) を比較。

#4は今、まさに飲み頃、とても美味しいシャンパン。前述の渡部ソムリエがゴネを褒める理由がここにあると感じました。
#5は香りのたち方もゆっくりで、酸も豊か。もうしばらく熟成させてから楽しみたいと思わせる味わいです。'96ヴィンテージ、良いですね! 
そして、#6は口金部分を麻糸で束ね、コルクの頭にロウを塗って栓をした同メゾン最高のアイテム。古樽で発酵後、キュヴェの3分の1を樽で9ヶ月熟成させています。
同メゾンのその他のアイテムはすべてステンレスタンクで発酵、リザーブワインもステンレスタンクで保存、すべてのシャンパンにMLFを行っています。
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2009年01月19日

アンリオの『ブリュット・ミレジメ1989』、古酒に感じる焙煎コーヒーの香り

昭和女子大学オープンカレッジが始まりました。シャンパン編からのスタートです。
第1回目のシャンパン・メゾンは熟慮した結果、昨年創業200周年を迎えた『アンリオ』にしました!


左から(1)、(2)、(5)、(4)、(3)の順に並んでいます

テイスティングは以下の順で行いました。
最初はメゾンの顔と言える(1) ブリュット・スーヴェランNV、2番目は(2) ブリュット・ミレジメ1995
3番目は同メゾンのトップキュヴェ、(3) キュヴェ・アンシャンテルール1995
(1)、(2)、(3)の順に味わうと、ワインのベースになっている“生地”の違いがわかります。

(1) 柑橘系果実の風味があり、さわやかでミネラル感豊かな味わい
(2) 甘さを予感させる香りで、甘栗や熟した果実のニュアンス、上品できれいな酸味、余韻も長い
(5) ナッツの風味、ロースト香、重厚で生地の上質感あり、バランス良し

次にメゾン違いの(4) ニコラ・フィアット・パルム・ドール1997を。
ネゴシアン兼醸造業者MN(ネゴシアン・マニピュラン)のアンリオと
シャンパーニュ地方最大の生産協同組合CM(コオペラティヴ・ド・マニピュラン)のニコラ・フィアットの対比は、良年と言われている1995年と1997年のそれぞれの特徴が出ていました。
コクと広がりの1995年、果実味とエレガントさの1997年。ともにさすがトップキュヴェです、温度があがってくるとより一層ふくらみが感じられました。

そして、最後の供出は(3) アンリオのブリュット・ミレジメ1989!
講座生の皆様に新春スペシャルとして、20年経過したシャンパンの古酒を味わっていただきました。
輝きのある金色、キメ細かな気泡が1本筋になり連なっています。
気泡はワインに溶け込み、ドライフルーツやコーヒーのような香りで、味わいはきわめてドライです。
奇麗な酸の存在は見事、まだまだ熟成に耐えられる感じがしました。

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2008年11月08日

山梨野外研修、実りあるものでした!

11月初め、1泊2日の日程で山梨のワイナリー訪問をしてきました。
メンバーはカレッジの「シャンパン編」、「銘醸地編」の有志17名と私、
プラス、今回の宿泊先(株)ヴィンテージ『ヴィンテージゴルフ倶楽部』の参与&シニアソムリエの
小牧康伸さんと同社社長室室長代理の富岡加恵さんの総勢20名。
http://www.d-vintage.com/

壮大、城の平試験農場.JPG
最初の訪問先メルシャンでは親愛なる味さん(味村興成チーフワインメーカー)が案内役! 
到着後、すぐに『メルシャン城の平試験農場』へ。

ラッキーなことに今年最後のカベルネ収穫作業を見ることができました。
Salone『Non Solo Vino』ではありませんが、2日間の訪問では、
“その空間だけで伺えるとっておきのお話がたっぷり”あったので、とてもとても書き切れません!

IMG_6503手摘みで健全香だけを.JPG24年樹齢のCS.JPG
収穫はすべて手摘み、痛んだ房はカット。試験農業の一番古い樹の樹齢は24年!

味さん解説 日本ワインの歴史.JPG
勝沼ワイナリーに戻り、歴史資料館を見学。
明治時代の醸造や山梨県のワインの歴史についてのお話を伺いました。

メルシャンの新兵器!.JPGIMG_6542 2319Lの樽で発酵中のワイン.JPG
窒素ガスを充填する同社の新兵器! 2319リットルの木樽の中には発酵中のワインが

おからと無濾過のマリアージュ.JPG
味さんお薦めの“おからとメルロー&マスカット・ベリーA 無濾過”のマリアージュ、ピッタリでした!
新酒のマスカット・ベリーAはすでに発売されているので、おから、おでん、焼き鳥、かばやき等に合わせて是非。

IMG_6550試飲ワイン.JPGIMG_6555 試飲ワイン.JPG
左からGoodな『勝沼甲州2007』、富永博士の『甲州きいろ香2007』、2005年から「スキンコンタクトのみ」の製法の『甲州グリ・ド・グリ2007』、みりん系と相性の良い『無濾過(業務用)』、世界のワインと勝負できる『桔梗ヶ原メルロー2004』、そして垣根栽培のメルローから造った『桔梗ヶ原メルローVSP 2004(業務用)』。
どれもぶどうの旨みが伝わってくる上質なワインであり、特にVSPは若いながらもバランスが最高、特別供出のワインを堪能しました。

講座生と一緒に味さん&齊藤工場長.JPG
前列中央の味さん(左)と斎藤浩工場長を囲んで、満足気な講座生の皆さん。小牧ソムリエも!
http://www.mercian.co.jp/続きを読む
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2008年07月30日

シャンパンの業態別登録記号CM、MA、RC、SR、RMで復習を

昭和女子大学オープンカレッジの講座では、毎回のワイン画像&ワインリストを受講生の皆さまに配信しています。
2001年開始当時はPCの普及率も低く、受信できない方もいたのでコピーが大活躍していました。
幸い現在では新規のメンバーさんを含め、すべての講座生の皆さま受信OKなので送り甲斐があります。でも・・・ここ2ヶ月ほど配信が大幅に遅れ気味、皆さま~、何卒ご容赦あれ。
その反省も含め、今週はできるだけ早めにたまっている事を片付けたいと思っているところです。

ここからシャンパンのおさらいです。
IMG_3727シャンパン編5本 コピー.JPG
これは6月の最終回でお出しした5種類のノン・ヴィンテージのシャンパンです。左から順に、
ボーモン・デ・クレイエール(CM)、タイユヴァン(MA)、アルロー(RC)、ギィ・シャルルマーニュ(SR)
そして最後、ミュズレ(針金)部分が紐になっているフランソワーズ・ペデル(RM)
シャンパンの銘柄に続くカッコ内のCMやMAは、タイトルに書いた「業態別登録記号」です。続きを読む
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2007年02月01日

第1回目はシャトー・ブラネール・デュクリュの垂直試飲から

今期、「入門編」と「ボルドー編」の2講座からスタートしたオープンカレッジ。
昨日、ボルドー編の第1回授業を行いました。
1998、1999、2000、2003年の4ヴィンテージの垂直試飲(同ワインでヴィンテージ違いを比較)だったのですが、用意したワインはサン・ジュリアンの『シャトー・ブラネール・デュクリュ』、ロアルド・ダールの『味(Taste)』にも登場しているワインです。
『味』はロンドンにあるスコウフィールド家の晩餐の席で繰り広げられる当主とリチャード・プラットという美食家がワインの利き酒をするお話ですが、当主は自分の娘、美食家は家と別荘を賭けるという筋立て。短編で読み易いので、ワインに興味のある方なら是非!

今回、ワインを選ぶにあたっては、昨年8月山本博先生からお誘いいただき参加したメドックの"第2級~第5級までの試飲体験"のデータを参考にしました。
http://blog.so-net.ne.jp/non-solo-vino/2006-08-18
http://blog.so-net.ne.jp/non-solo-vino/2006-08-13-1


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