2024年12月15日

葡萄酒技術研究会でオレンジワイン『ヴィラソレイヤ』とウルグアイのワインをご紹介

           山梨県の『葡萄酒技術研究会』で講演会

          12日は大事なお役目があり、甲府へ!
          葡萄酒技術研究会後期講演会
          試飲もあり、15分超過(sorry)でしたが、
          無事終了し安堵のワンショット

 左から戸塚昭理事、村上安生理事、青木、松本信彦会長、柳田藤寿副会長、千代美亜子さん
 (Bodega Garzon日本窓口)
 講演会後の懇親会ではウルグアイのボデガ・ガルソンのワインを試飲していただきました。
 日本のワイナリーで活躍なさっているエノログの皆さまに、
 ウルグアイワインの魅力をお伝えすることができました[わーい(嬉しい顔)]

 エノログ認証式、おめでとうございます。
 今日現在で146名になりました!

 藤野エノログ部会長の帰朝報告

 2番目の演目は竹下大学氏の「果実に不可価値を」
 竹下さんは「若年層が果物を食べなくなっている」と語っていましたが、
 果物が大好きな私は「世の中、そのようなことになっているのか」とびっくり

 私のテーマは世界のワイン潮流の最前線
 第一章は気候変動に絡む環境再生型農業やサステイナブル、
 世界の特出すべきワイナリーの今、トップ生産者がトライアル中の新容器等を披露
 第二章では気候変動で一歩リードしているウルグアイとワインも併せてご紹介


 環境再生型農業の第一人者マサイアソン・ワインズのスティーブ&ジルご夫妻
 3月にJETROの招聘で来日なさいました。
 輸入元WTS主催のプレスランチで実践例を解説してくださったので、
 講演会では、それらの中から大事な項目をお伝えしました。

 ジェラール・ベルトランのオレンジワイン
 “ガストロノミックな”と形容したいヴィラソレイヤ2021
 講演中にどうしても試飲したかったワインです!

 22年前からビオディナミを導入、17エステート所有
 計1263㌶が認証を受けているので、世界栽培のビオディナミ生産者。
 ベルトランでは全生産量の40~50%がロゼワインで、
 2024年にロゼのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出されています。

 オレンジワインは3種類の容器(樽、アンフォラ、ワイングローブ)で熟成
 ガラス製アンフォラ=ワイングローブを使うことで綺麗な色調を表現できるとのこと
 ワイン業界で最も新しい容器ワイングローブはトップ生産者からの注目度大
 トライアル中のワイナリーも散見できます。

 ベルトランのヴィラソレイヤ2021はワイングローブを使って仕上げたワインです。
 ゆえに、参加者の皆さまには、百聞は“一飲”に如かず体験をしていただきました。

    上品さを備えたアロマ&味わい

               
              参加者からの感想

■柔らかなタッチでオレンジワインのお手本のようなワインでした。我々のオレンジはちょっと滑らかさにかけますね。品種の違いもあるのでしょうが、やっていることが全く違っていてすごいの一言
■色調を含め、抽出のコントロールが巧みでフェノールも適度。フローラルな香りが特徴の綺麗なワインでした。オレンジをつくろうとすると、抽出が強くなりがちなので、非常に参考になりました。
■第一に非常に綺麗に醸造されている印象を受けました。雑味がなく非常にスムースでマセラシオン後に行うワイングローブでのプレス発酵が絹のようなまろやかさに寄与しているのではないかと思いました。赤い果実にあふれ、飲みごたえのある、本当に綺麗なオレンジワインでした。
■健全で快い複雑な香り、とろりとした味わい、適度な渋味のワインで好感が持てました
■今まで味わったことがないような洋梨、黄桃や白桃などの熟した果実のアロマが華やかで、凝縮した味わいと心地良い酸味のバランスが良く調和し、雑味もなく、とても美味しいワインで驚きました。
■オレンジワインは綺麗さと複雑さを兼ね備えたhigh qualityなワインだと感じました。ぶどう自体の凝縮感が様々な香味成分を抱え込み、特長的でありながらバランスが良い印象。

              
 日本市場におけるオレンジワイン

来日したジェラール・ベルトランの営業部長が「日本は世界屈指のオレンジワイン市場。どのワインショップに行っても10種類程度の品揃えがあります。フランスでは2アイテム程度であり、それも自国産のみ」とおっしゃっていたので「生の声を聞かねば」と思い、渋谷東急百貨店藤巻暁ソムリエに伺ってみました。

藤巻さん曰く「2005年くらいから扱っていますが、当時はオレンジワインという呼称はなく、アンバーでした。現在の取り扱い数は超40アイテム、生産国はフランスとイタリアが双璧で、ジョージア、中国、スイス、オーストリア、チェコ、ルーマニア、スロベニア、日本等。客層はフルーツのオレンジから造るワイン(注:オレンジワインは白ぶどうを使い、赤ワイン製法で造るワイン)だと誤解しているような人たちからワインを数多く体験しているマニアまで様々。オレンジワインにはねっとり感とタンニンの要素があるので、食事と合わせるときはもっぱら肉系。ごま油に塩を混ぜた「ごま塩」でカルビを食してみてください。色彩(ごま油とワインの色の一致)で合わせる組み合わせで、口中では絶妙なバランス。皆さんに是非ともお試しいただきたいマリアージュ」と。


                 🍀🍀🍀

 ウルグアイの豆知識 / データは拡大可
 正式名称はウルグアイ東方共和国
 司馬遼太郎の『坂の上の雲』の名フレーズを使って表現するなら

 ~(ウルグアイという)きわめて小さな国が今、
 (再生可能エネルギー大国として)円熟期を迎えようとしている~🌓 

 再生可能エネルギーはムヒカ大統領の功績
 出典:NHK国際ニュースナビ

 2010年から2015年に大統領だったムヒカさんの素晴らしい偉業
 2022年に来日したルイス・ラカジェ・ボー大統領
 日本とウルグアイは2021年に外交関係樹立100周年を迎えた間柄です。
 天皇陛下との謁見時、
 ボー大統領は「再生可能エネルギー」についての話題を投げかけられたようです。
 ウルグアイでは、水力44%、風力32%、バイオマスによる熱利用18%、
 太陽光と化石燃料各3%の比率になっています。

 そして・・・今
 ウルグアイの次なる目標は“グリーン水素
 これは再生可能得エネルギ-を利用して水を電気分解して生成する水素 
 CO2を出さない環境に優しい水素です、一歩先を行ってますね!


 参考データ:日本の電源構成の再生可能エネルギーは22.9%
 出典:日本経済新聞


 講演会と懇親会の間にボデガ・ガルソンのワイン体験
2024-12-15.png
 オーナーはアルゼンチン出身の経済人アレハンドロ・ブルゲローニさん
 エネルギ-関係の仕事に従事し、フォーブスのランキングでは624位資産49億ドル
 イタリアやカリフォルニア、アルゼンチン等にワイナリーを所有しています。


 ウルグアイの首都はモンテビデオ
 アルゼンチン・メンドーサ、チリ・サンチャゴ、ウルグア・モンテビデオ34度83分、
 南アのケープタウン、豪州のアデレード、NZのオークランド
 世界のワイン産地の緯度は30度ライン


     タナ3アイテム
     左からタナ シングルヴィンヤード、タナレセルバ、タナ・デ・コルテ
     すべて2022年ヴィンテージ

        希少なアイコンワイン
        プティ・クロ タナ2019 ブロック#212
        プティ・クロ アルバリーニョ2023 ブロック#27

         

               参加者からの感想

■全体的に非常に綺麗で、まとまりがあり、ワインごとの特徴をしっかり出しながら、商品構成ができている印象。レセルバ、シングルヴィンヤード ともにアルバリーニョの品種特性がよく出ていて、特に後者は、冷涼なワインの特徴も感じられ、日本でも北のエリアで造るとこのような印象になるのかなと思いました。前者はバランスが素晴らしかったのですが、弊社のワインと共通した香りがあり、アルバリーニョの可能性と自信に繋がりました。
■タナは、マルスラン、CF、PVのブレンドによる厚みの付与もおもしろく、タナ単一であれほどの香りが出ることが素晴らしく、驚きました。弊社でもタナ単一で造っていますが、これほどリッチな果実香はなかなか出ません。その割にタンニン量は過剰でなく、タナという品種だけ聞くと、渋いだけというイメージになりそうですが、綺麗なワインになっていてとても良かったです。いずれのウルグアイワインについても高いレベルで驚きました。
■アルバニーニョは白い花、はちみつ、ライチのような香りとミドルからアフターに果実味を強く感じました。
■タナは、プラムやカシスの香りと非常に力強いタンニン、粘性を感じました。タンニンは、ザラザラ感や乾いた感じではなく、アルコールと調和している印象を受けました。
■アルバリーニョのアロマは少し控え目でしたが、口中での広がりはフルーティで綺麗なワインでした。タナは黒系果実の要素が強く、口中でタンニンは感じますが、エレガントで凝縮感のあるまるいタンニンの味わいが特徴的でした。個人的にはタナ100%ではなくブレンドタイプに好感を持ちました。
■ウルグアイワインは赤・白ともに凝縮感があり、果実品質の高さを感じると共に他国には無いフレーバーやテクスチャーが印象的でした。

                  🍀🍀🍀


      90名余りが集った懇親会
      乾杯シーンのブレ感、結構好きかも。

      同協会の藤野勝久理事がブルゴーニュから持ち帰った
      ニュイ・サン・ジョルジュ2022(ドメーヌR.デュボア&フィス)

 国際エノログ連盟総会@ディジョンに出席した藤野さん
 NSGは懇親会で試飲できました、クラシックスタイルの藤野理事好み。
 赤系果実と綺麗な酸味、包み込んでくれるような味わいが好印象

      懇親会で試飲した安心院葡萄酒工房のシャルドネ2023
      安心院の舛田チーフが持参したアイテム
      樽の要素がまだワインに溶け込んでいない印象でしたが、
      瓶熟の期間を経ることで際立つワインになると感じました。
      日本ワインコンクール2024でグランドゴールド賞
      おめでとうござます!


                  🍀🍀🍀

            
   葡萄酒技術研究会の皆さまに心から感謝しております。
   身に余る光栄な時間になりました。
   ジェラール・ベルトランの『ヴィラソレイヤ2021』をご協賛くださったファインズ
   ボデガ・ガルソンのアルバリーニョ&タナをご協賛くさった日本窓口の千代美亜子様
   希少なアイテムのご提供、本当にありがとうございました。

   新たな感想が届けば、随時、加筆して参ります。

   ご参加くださった皆さまに、1つでも、2つでも、お役に立つことがあれば本望です。
   この場をお借りして、改めて、御礼申し上げます。
   ありがとうございました!
posted by fumiko at 22:32| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月26日

サントリーからの新提案 “香りで選ぶ” ワイン『コルンピオ』4種新発売!

  Enjoy the Aroma / 香りを楽しむ
 まぁ、可愛いパッケージ!
 サントリーの新製品コルンピオ

/スペイン語でブランコの意味
 届いたのはEC限定の製品ハーフボトルECアソートセット

 ブランド担当はおふたりの女性、藤井真代さんと岡野三菜さん
 肩ひじ張らずに“香り”から気軽にワインを選びましょう、がコンセプト!
 私は箱の装丁からラベルに至るまでの行き届いた女子目線に惹かれました。

 【コルンピオ ハーフ アソートセットの商品詳細】 HPより
 ●チリのサンタ カロリーナ社とサントリーとの共同開発商品
 ● 赤ワイン2種、白ワイン2種で各375ml、化粧箱入りアソートセット
 ●「香りの匠」によるぶどうの選定&醸造、品種特性を活かした特徴的な香り
 ●パッケージは印象的かつ心に響く「ブランコのロゴ」で豊かな香りと高揚感を表現
 ●Alc度数:CS/メルロ:13%、カルメネール:13%、CH:13%、SB:12.5%

 開けた瞬間からワクワク感
 公式サイトにある“相性の良い食べ物”を参考にしながら組み合わせに挑戦
 “画像で綴るコルンピオのマリアージュ編”としてまとめてみました。


                 🍀🍀🍀🍀


            カベルネ&メルロは小豆と良い相性
   CSやメルロを利き酒していると、ゆでアズキの香りを感じることがあります。
   いただいたばかりの金沢銘菓「諸江屋」の3種の生らくがんで即、挑戦!
   加賀宝生は羊羹を挟んだ淡い塩あじの落雁
   濃茶落雁は粒あんと抹茶
   万葉の花は粒あん入り和三盆の生落雁

   [NEW]これも合いそう、薬膳効果があるなら、なおさら素敵!
   https://x.com/543life/status/1852228940955636202

 粒あんとの相性良好、濃茶落雁の抹茶(ポリフェノール)とも馴染みました。


 のどらやきより、粒あんのどらやきのほうが合いますね


  ベリー系アロマで口当たりはまろやかでタンニンもソフト
  赤ワインが苦手という方にもお薦め!


               🍀🍀🍀🍀


 女子会でシャルドネとカルメネールにトライ
 フレッシュ&種の大きな果実ピーチのアロマ


       メンバーを驚かせた組み合わせ
      桃屋のごはんですよ[わーい(嬉しい顔)]
      ミシュランシェフのフィリップ・ミルさんから、
      シャンパーニュのブラン・ド・ブランと佃煮の相性の良さは伺っていたので、
      シャンパーニュ講座

でも受講生の皆さんと試してきました。
      シャルドネのワインから“ヨード系アロマ”を感じることがあるので、
      女子会メンバーにもトライしていただきました。
      結果・・・
      予想外の相性に驚き、大いに納得!


       焼き栗も◎、まったり感がイイ感じ


 カルメネールはチョコレート
 モカの香りのカルメネール
 乾燥イチジクや和三盆のプリンにも挑戦


 チリを代表するカルメネール!
 カルメネール好きの青木絶賛のお薦めはチョコレート!


                🍀🍀🍀🍀


   ソーヴィニョン・ブラン探求
   若草色や黄色のラベルから爽やかなイメージが伝わってきます。 


 金沢から上京した仲間との食事会で台湾料理「麗郷」へ。
 お土産として持ち帰ったスペシャリテの「ちまき」と相性チェック


 SBは常温だとアロマのインパクト濃厚
 味わいからもぶどうの凝縮感
 冷蔵庫温度だと和柑橘やシトラス、口中では塩味&酸味、柑橘果実の内果皮似のビター感
 ビター感がちまきの角煮の脂分を流してくれる印象

    ベストマリアージュは・・・
    朋友からいただたスモークチーズ
    ロバート・モンダヴィはSBをフュメ・ブランと呼びましたが、
    ワインにもチーズにもあるフュメ(燻した)感が完璧に釣り合います!

    4アイテムそれぞれに品種特性が出ていて、面白い体験ができました。
    2種の白ワインではシャルドネのまろやかさ、守備範囲の広さが好印象
    2種の赤ワインは、スイーツと合わせて楽しめる点がとても魅力的
    女子たちの集いで、新しい発見をしてもらえるアイテムだと思います。

    スーパー等なら、フルボトル&ハーフボトルを1本単位で購入できます。
    まずは、コルンピオの公式サイトにお立ち寄りいただき、
    気になった1本をお試しくださると嬉しいです!

    【製品についてのお問い合わせ先】
    サントリーお客様センター(ワイン) 電話0120-139-380

              🍀🍀🍀

    私は都知事選以降、「期日前投票」を徹底しています!
    衆院選の投票を済ませて、意志反映させたら、“コルンピオ”でワインブレイク[exclamation]
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月24日

おもしろ体験 ~Vin de TAHITIの“イタリア”という名の品種が気になって~

       21日の第3週シャンパーニュ講座の最後に、
       泡以外のスティルワイン体験[わーい(嬉しい顔)]
       ラベルの絵柄はサンゴ、回りのデザインにもサンゴ

       講座生のY氏が、1月半ば、チリのイースター島にご出張
       渡航ルートが、日本⇔タヒチ⇔イースター島だったので、
       経由地タヒチのワインをお土産に持ち帰ってくださいました。
       ちなみに、所要時間はトランジットを入れて計18時間程とのこと
       私の場合、チリ行きはアメリカやカナダ経由だったので約30時間
       フライト時間、大違い[ふらふら]

        希少な甘口白ワイン
        Vin de TAHITIのMONAMONA

         裏ラベルにある地図を拡大すると・・・

 産地の位置がわかります!

 ぶどう品種の探求
 HPにはマスカット、イタリア、カリニャン・ルージュの表示
 第3週のメンバーから「イタリア種って、何?」の声

 出典:植原葡萄研究所のHP 
 1953年の開設以来、確実な品種と台木による健全な苗木を生産販売している
 山梨県の植原葡萄研究所のHPにイタリア種がありました、さすが!!
 上記(出典:植原葡萄研究所)のようなぶどうでした。


 モナモナのデータ
 生産地域 : フランス領ポリネシア ランギロア環礁
 栽培面積 : 5.6㌶
 ぶどう品種:マスカット、イタリア、カリニャン・ルージュ
 糖度:20g/L

 source :Vin de TAHITI のHP
 サンゴに由来する石灰質土壌

 source :Vin de TAHITI のHP
 熟したぶどうを選別するために手摘み収穫、収穫は5月と12月の年2回  
 ぶどうの樹齢は15~20年、台木無しの自根

 ワイナリーのコメント(要約)
 20gの残糖にもかかわらず、アタックはフレッシュ、しっかりした果実味のアロマ
 カリニャンがワインに骨格と心地良いバランスを与え、
 フルーティーかつミネラル感を伴う余韻
 フルーツとあわせてすぐに飲むことも、2~3年寝かせて飲むこともできる。

 青木私感は・・・
 マスカット種だけでなく、イタリア種にもマスカット系のアロマがあるので、 
 ファーストアタックは素直にマスカット満載、若干ペトロールのニュアンス
 舌の上に糖分のねっとりした感じはありつつ、
 フレッシュな舌触りと南国果実の風味がうまく溶け合い、
 土壌由来のミネラル感が中盤以降続くチャーミングなワイン
 テイスティングして、イメージしたマリアージュが、
 ■ロックアイスを入れてキ~ンと冷やして
 ■完熟したパイナップルとあわせて or パイナップルのアイスキャンデー


イタリア種のさらなる深掘り
南太平洋のタヒチにはなかなか行けません。ゆえに、とても貴重な体験になりました。
ヴァン・ド・タヒチ

は南太平洋のフランス領ポリネシアのツアモツ諸島で造られています。ドミニク・オロワ・エステートはランギロア島にある唯一のワイナリーで、1992年に初めてぶどう樹を植樹。30年以上前に、ドミニク・オロワ氏が、ツアモイ諸島でワインが生産できると信じ、様々な品種にトライし、試行錯誤しながら今に至りました。近年はワイン品評会でも良い評価を得ています。

イタリア種についてネットサーフィンしていて、興味深い記事を発見しました。
山梨県南アルプス市のMなび

に「イタリアという名の欧州種葡萄」の項がありました。
なんと、ぶどう栽培の導入期(明治から大正期まで)に、南アルプス市で生食用に栽培されたぶどう品種のうち、日本古来の「甲州」、米国種の「デラウェア」、欧州種の「イタリア」の3品種が確認できたという記述等があり[exclamation×2]

Y氏のお土産ワインがきっかけで、新鮮な情報を得ることができました。
備忘録にします、ありがとうございました!
気候変動の影響下、海面上昇が取り沙汰されている折なので、
南太平洋の島々に問題が出ないことを願っています。
海水温によるサンゴの害

は気になります。
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月21日

世界同時開催!! BENVENUTO BRUNELLO 2023 ベンヴェヌート・ブルネッロ2023

Consorzio del Vino Brunello di Montalcino 主催 BENVENUTO BRUNELLO 2023 Tokyo
伊モンタルチーノで開催しているベンヴェヌート・ブルネッロは、新しいヴィンテージのブルネッロ・ディ・モンタルチーノと同テロワールのアペラシオン・ワインを国内外に披露するプレヴューイベントです。コロナ禍以降、開催月を変更したことに絡み、2022年に初めて本国を飛び出し、アメリカ(NY、ロサンゼルス)、カナダ(トロント)&英国(ロンドン)で実施。2023年には更に都市を拡大し、11月28日のBRUNELLO DAYに世界6ヵ国東京を含む9都市で同時開催しました。


東京のイベントは招待制で、イタリアワインのスペシャリスト宮嶋勲氏が講師を担当。参加者はセミナー後、着席式でリリース前の2019年ヴィンテージと2018年レゼルヴァの計62アイテム(1種のみ2016年)を体験、日本初の貴重な機会になりました!
全体の内容はワイン王国web

で紹介していますので、ご笑覧いただけると嬉しいです。

少々長めですが、ブログの追記記事も、併せて宜しくお願いします。


 第1部セミナー / photographs by ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン協会
 概論を正味1時間で!

 宮嶋講師の弾丸トークを真剣に拝聴

  総面積は31,200㌶

  収穫風景

 年間の売上は1億8,000万ユーロ。市場の割合は国内30%、国外70%。
 アメリカにおける人気はとても高く、ドイツ、スイスと続きます。
 アメリカでブルネッロ人気に火を付けたのはバンフィ。宮嶋講師いわく、
  「ツアー客はとても多く、彼らにとってモンタルチーノはニースやカンヌと同じ」と。

 木樽での熟成は2年
 収穫後5年目の1月1日にリリース

 会場全景



 【参考資料モンタルチーノの地質 / クリックで拡大可
 出典文献:武田弘『ブドウ畑の自然環境』
 地質学の大家 武田弘先生から伺ったモンタルチーノ情報

 出典文献:武田弘『ブドウ畑の自然環境』
モンタルチーノの北西カスティリオン・デル・ボスコから南東のカステルヌォヴ・デ・ラバーテに分布するのは、白亜紀から始新世(4000万年前)に堆積したもので、その1つがガレストリと呼ばれています。構成しているのは主に粘土、泥岩質粘土および灰色のシルト質粘土(細粒の砂)で、石灰岩を交互に重ねた層を含んでいます。

モンタルチーノ北東のトッレニエーリ付近と南西ポッジョ・アッレ・ムラ付近には中新世(2400万年前)から鮮新世(500万年前)のネオ・オートクトノアスと呼ばれる地質が広く分布し、その多くは粘土と砂岩で、レキ岩と生物起源の石灰岩も含んでいるとのこと。

ワイン王国には、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン協会作成の4区分地図(北西、北東、南東、南西)が載せてあります。見比べていただくことで、より理解しやすかと。


       出典:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン協会
       アルファベット順にワイナリー名が記載してあります。

 出典:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン協会
 地質も参考にしつつ、ワイナリーの位置をチェックするのも一興です。
 私も結構ハマりました[わーい(嬉しい顔)]



 第2部テイスティング/ photographs by FUMIKO
 1フライト25分程度の時間配分でテイスティング
 20点評価で自己採点していたので、
 18点以上で好印象だったワインは末尾に書いておきます。

 全62アイテム

 サービスも完璧

 全体は8フライトで、1フライトにつき8アイテム

 第1フライト

 第2フライト

 第3フライト
 
 第4フライト
 
 第5フライト
 
 第6フライト
 
 第7フライト
aflo_ask_231128_0051.jpg
  画像提供:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノワイン協会
 No.62までが2019年、No.6から2018年のレゼルヴァ、No.20のみ2016年

 ラストの第8フライト
 2018年のレゼルヴァ6アイテム

 

印象に残ったワイン
No.4/ BANFI Brunello di Montalcino2019 Vigna Marrucheto
濃いルビー、黒系果実、アニス、パウダー、黒コショウ、タバコ、骨格と酸味 
No.8/ CANALICCHIO DI SOPPRA Brunello di Montalcino2019 Vigna La Casaccia
熟した果実、甘草、オリエンタルスパイス、バルサミコ、ミネラル、緻密なタンニン
No.25/ CORTONESI Brunello di Montalcino2019 La Mannella
黒系果実、ロースト風味、シダ 甘いスパイス、酸味と渋味のバランス
No.41/ PATRIZIA CENCIONI Brunello di Montalcino2019 Ofelio
深みのあるルビー、フローラル、ハーブやスパイス、Alc由来の甘やかさ、エレガント 
No.52/ TALENTI Brunello di Montalcino2019 Piero
黒系果実、甘草、フェンネル、アーシー、バルサミコ 溌溂としたタンニンと旨味
No.57/ UCCELLIERA Brunello di Montalcino2019
濃いルビー、ベーキングスパイス、ローリエ、塩味、上質なタンニン、バランスの良さ
No.60/ VAL DI SUGA Brunello di Montalcino2019 Poggio al Granchio
赤&黒系果実、熟した果実、茹でた小豆、ミント、アニス、ミネラル、余韻に連なる酸味
No.62/ VOLIERO Brunello di Montalcino2019
果実感と凝縮感、ミント、ローリエ、塩味、上質なタンニン、丁寧さを感じる造り
No.39/ LA SERENA Brunello di Montalcino Riserva2018 Gemini
黒系果実、果実の凝縮感、ダークチョコ、甘草、タバコ、キノコ、エキゾチックスパイス

No.42/
PATRIZIA CENCIONI Brunello di Montalcino Riserva2018“123”
ブラックチェリー、バイオレット、甘草、タバコ、塩味、強過ぎないタッチ

図らずも、2019年&2018年のパトリツィア・チェンツィオーニに高得点を付けていました。北東部に位置し、標高は300~350m、粘土質に砂質、ガレストリが混ざった土壌。起源は1950年で、現在のワイナリーは1989年に現当主が設立。セミナー後、検索したところ、オーナーは女性で、ふたりの娘さんを含め、スタッフのほぼ全員が女性とのことでした。フェミニンな要素を感じて惹かれたかも(笑)


 セミナーが終わって宮嶋勲講師をキャッチ
 大役お疲れ様でした!

 2019年ヴィンテージは、モンタルチーノが誇るグレートヴィンテージ
 どのワイナリーも良い出来でした。
 2018年ヴィンテージは、湿気や雨の影響があったとは言え、供出されたワインは魅力的🍷
 宮嶋講師が「陰影があって、デリケート」とコメントした後、
  「人間でも、ちょっと陰のある人に惹かれちゃうということがあるじゃないですか、
  2018年ヴィンテージはそんなワイン」と、機知に富んだ言い回しをしていました。
  有意義な時間を共有させていただき、ありがとうございました!
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月26日

五感で楽しむPure Chablis ~シャブリとアートが出会うとき~

           
            シャブリワインアートアワード結果発表

シャブリワインアートアワード

とは・・・
シャブリワインを管轄するブルゴーニュ委員会BIVBが日本で初開催したアート公募展
応募資格20歳以上45歳以下で、ワイン好きという条件を満たしているアーティストから、
48作品のエントリーがあり、10作品が最終選考に残りました。
ポール・エスピタリエBIVB/シャブリ会長、橋爪勇介氏、秋山かおり氏、大橋健一MWによる厳正な審査の結果、グランプリと準グランプリ2作品が選ばれました。

 受賞おめでとうございます!
 画像提供:SOPEXA(C) BIVB_yusuke onuma

グランプリは「息吹」谷本めいさん(中央)
準グランプリは「Esprit de Chablis」SAYAKA ASAIさん(左)
準グランプリは「Pureness」URBAN KNITさん(右)


             o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。


 第一部はシャブリセミナー


 講師の大橋健一MWはワインに関わって30年
 多くのワインがあるなかで 、シャブリワインを“ヒーロー中のヒーロー”と形容
 4銘柄の試飲を交え、最新話題からテロワールまでをMWならではの奥深さで解説


              o○.。o○.。o○ .。o○.。o○.。



 第2部はアワードにまつわる審査員対談
 左から
MCを担当していたのはWeb版「美術手帖」編集部の橋爪勇介、STUDIO BYCOLOR代表/デザイナー秋山かおり、大橋健一MW各氏
トークセッションのなかで、審査のポイントについて、秋山さんは■素材の魅力が出ていること。大橋MWは■北のイメージのシャブリは澄んだ空気や張り詰めた硬質感があり、キーワードのピュアが作品に表現されているかどうか、とコメント

     グランプリを獲得した「息吹」
      素材は石灰岩とイエローオニキス
 対談で秋山審査員が「思わず匂いを嗅ぎたくなった」とコメントしていましたが、
 昔は海だったことがわかる土壌の様子が伝わってくる作品でした。

 未踏の地に思いを馳せながら
 
秋山コメントにあった匂いについて、グランプリを受賞した谷本さんに伺ってみました。 
お返事は「石灰岩を彫っていると“石粉”が立ち上がってきます。石灰やミネラルの香りで、それを常に意識しながら作業をしていました。シャブリには行ったことがないので、製作過程でどうして良いかわからなくなったりもしましたが、結果的に、石粉の香りで、シャブリと一体化出来た気がしています」

谷本さんが作業中に感じていた“香り”が、秋山さんにストレートに伝わった印象です。
五感で楽しめるシャブリならではの、ストーリーかも!

未踏の地に思いを馳せながら、作品を完成させた谷本さんの話を聞いていて、
思わず、漫画家池田理代子さんの『ベルサイユのばら』を連想してしまいました。
フランスに行ったことがなかった池田さんは、資料を調べ尽くし、創造力を駆使して、
素晴らしい作品を生み出し、一世を風靡しました。
そんなことを思い出しながら、私のなかで、おふたりが重なりました。


  準グランプリ作品
 ASAIさんの作品の素材は紙と牡蠣の貝殻

 URBAN KNITさんの作品の素材はガラスと燧石

 シャブリに合わせて提供されたアミューズ・ブッシュ


昨年7月はシャブリと音楽の融合

でした。今年はアートとの出会いを通して新たな魅力を発信したシャブリ。視覚・嗅覚・味覚だけでなく、触覚や聴覚=五感すべてで楽しめるワインの魅力に是非触れてください!
さて・・・2024年は、私たちをどのような世界に誘ってくれるのでしょうか。
今からとても楽しみです。


         [NEW]2023年版【数字で読み解くシャブリワイン】
      出典:vins de Bourgogne

      出典:vins de Bourgogne


 【イベント担当窓口】
  ブルゴーニュワイン委員会BIVB 日本事務所 /SOPEXA JAPON
 【関連サイト】https://www.chablis.jp
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月21日

ボジョレー ヌーヴォー2022 プレイバック

 2022年ボジョレー ヌーヴォー(BN)事情
 3年振りに開催されたサントリー株式会社ワインカンパニー主催テイスティングセミナー


 酒販ニュースのデータから
 出典:(C)醸造産業新聞社/酒販ニュース第2139号・2022年11月1日付

醸造産業新聞社が調査した2022年産BN輸入数量は超16万ケース(9リットル換算)で前年比41%減、ピーク時の2005年の97万ケースと比べると約6分の1、10年連続のマイナスとの見通しでした。

 最新の数量
 出典:(C)醸造産業新聞社/酒販ニュース第2147号・2023年1月21日付
 CIF価格 (運賃・保険料込み)

1月21日付の酒販ニュースに、財務省が発表した輸入通関数量をもとに推計した2022年BN航空便の数量が記載されていました。それによると、10・11月にフランスから輸入されたスティルワインの合計は42.7%減の17万7,431ケース。ここにはマコン・ヴィラージュ・ヌーヴォーや他の新酒、見本等が含まれているので、それらを差し引いた16万ケース弱がBN航空便。船便(推計3千ケース)と合わせた総輸入量は前年比42%減の16万3千ケースとのこと。

10・11月のスティルワインの輸入金額は6.2%増の40億4,972万円で、750ml当たりのCIF価格は1,902円(前年は1,027円)。航空運賃高騰や蔵出し価格上昇が影響しています。



 セミナーでは2種のヌーヴォーを試飲
 来日したジョルジュ デュブッフ

のアドリアン デュブッフ ラコンブ取締役
「2022年は太陽に恵まれた究極のヴィンテージ」と語りました。

 赤系果実たっぷりの『ボジョレー ヌーヴォー セレクション・ド・デュブッフ』
 アドリアンさん渾身のアイテム『オレンジ ヌーヴォー セレクション・ド・デュブッフ』

       セミナーのマリアージュタイムには生春巻きや油淋鶏も登場
       心地良いほろ苦さがあるオレンジヌーヴォーはエスニック料理と相性◎


     BNは軽やかでフルーティーな味わいなので、幅広い料理と楽しめます。


 輸入・カジュアルワイン事業部のチョウ・アンジさんとアドリアン取締役


                   🍷🍷🍷🍷



 2022年産ボジョレー ヌーヴォー、ボジョレー ヴィラージュ ヌーヴォー


 両サイドは赤坂柿山のボジョレーおかき

      バジルやチーズ、蜂蜜をつけて食す工夫もされていて、
      気の置けない仲間との集いでは会話が弾みました。


 モメサン

のヴィラージュ・ヌーヴォー“ヴァンダンジュ”は私のお気に入り
 ぶどうの収穫日、生産本数、シリアルナンバーが記載してあるプレミアムヌーヴォー!
 

      朴葉(ほうば)焼きと組み合わせてみましたが、お味噌との相性抜群!


        ジョルデュ デュブッフのボジョレー ヴィラージュ ヌーヴォー
        最高峰の『セレクション プリュス』はラムと合わせてナイス


     美味しいチーズとパンさえあればOK


      シャンパーニュ講座第4週のメンバーと
      紫を帯びた鮮やかなルビー、果実感と爽やかな酸味    
      解禁日を過ぎても皆さんにBNを飲んでいる気配がないので・・・
      11月第4週の講座終了後、一緒に味わいました。
      2022年は出来が良かったので全員から「美味しい」との声が!
      ボジョレー ヌーヴォーをもっと気軽に手にして欲しいのですが、
      物価が高騰しているご時世なのでネックは価格帯[ふらふら]
posted by fumiko at 23:32| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月26日

9月1日発売! チリのアイコンワイン『セーニャ2020』とセカンドワイン『ロカス・デ・セーニャ2020』

     2020年は温暖で早熟なヴィンテージ     
     9月1日に『セーニャ』の新VT2020 が世界市場に向けてリリースされます!
     セカンドワイン『ロカス・デ・セーニャ』もデビューします。

       セーニャ2020
      ぶどう品種:53%カベルネ・ソーヴィニヨン
      25%マルベック、15%カルメネール、7%プティ・ヴェルド
      熟成:22ヵ月(フレンチオーク90%うち新樽78%/フードル樽10%)

2017年にセーニャ

を訪問しましたが、岩を多用した建造物のスケールに感嘆、とても興味惹かれました。2005年からビオディナミを導入し、栽培(ぶどうの熟度)や醸造(新樽率)にその効果が出ています。過去に味わったヴィンテージのなかでマイベストは2018年です。香りを利いて、一口味わった瞬間に恋に堕ちました。チャドウィック当主は「暑い年より、冷涼年のほうが、自分が求めるワインスタイル=フィネス&エレガントさが表現できる」と語っています。

2020年は少し温暖な気候でしたが、フレッシュさとエレガントさをまとったワインスタイルで、ラズベリーやチェリーのアロマ、木目細かいタンニン、酸味の印象を含め、すべてがボルドー的なので、長期熟成の変化を定点観測したいワインだと感じました。最新ヴィンテージをよりおいしく味わうなら、カフェに移し少し空気に触れさせてから!

       ロカス・デ・セーニャ2020
      ぶどう品種:38%マルベック、25%シラー
      15%カベルネ・ソーヴィニヨン、14%グルナッシュ、8%プティ・ヴェルド
      熟成:22ヵ月(フレンチオーク100%うち新樽65%)

ワインのネーミングは岩が多い土壌に由来し、その地質に敬意を払って命名されました。500メートル近い標高のエリアに、大小さまざまな岩が壮観に連なっている景色はとても印象的だったので、ロカスの名に共感できます。

シラーやグルナッシュの果実味やスパイス感がセーニャとは異なる魅力を醸し出しています。ハーブのニュアンスがあり、タンニンはなめらかで、酸味はクリーン、みずみずしさを感じさせるワインです。


  鳥瞰観察
 光沢のあるガーネットに紫色のきらめきを帯びたセーニャ(左)
 明るい赤紫色の色調のロカス・デ・セーニャ


    セーニャとアボカド
    訪問時に、アボカドを栽培していると聞いたので、
    今回、チリの代表的な食材サーモンと合わせた和風サラダに挑戦!



ワイン王国のweb

で、セーニャ2020とロカス・デ・セーニャ2020、および両ワインに合わせたマリアージュについて紹介していますので、お立ち寄りくださると嬉しいです。
宜しくお願いいたします!


              o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


         Beyond Bordeaux Tokyo Tasting 2022
        ボルドー最大手のワイン商CVBG主催の試飲会
        供出されたのは世界のトップワイン52アイテム


 第5フライト(チリ)で、セーニャ2020がお披露目されました!

 ワインメーカーのフランシスコ・ベッティグ氏(右)
 マネージング・ディレクターのフアン・カルロス・パゴラ氏

 新登場のロカス・デ・セーニャ!

      【ワインの問い合わせ先】
      ウィラハン麻未 E-mail:whelehan@gol.com
posted by fumiko at 23:35| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月14日

9月に全世界でリリースされる『クインテッサ2019』は過去最高の仕上がり!

     
   ナパ・ヴァレー ラザフォードにあるクインテッサのヴィンテージを先行試飲
 【Quintessa2019/クインテッサ2019】
  収穫時期:9月18日~10月25日
  醸し期間:果皮と共に平均26日
  オーク樽:フレンチオークの新樽60%
  熟成期間:22カ月
  Alc度数:14.5%
  瓶詰日:2021年7月6日~14日
  ぶどう品種:91%カベルネ・ソーヴィニヨン、4%カベルネ・フラン
        2%メルロ、2%カルメネール、1%プティ・ヴェルド

       赤系果実のアロマ、様々な要素が層になって広がるワイン

ラズベリー、ブルーベリーのような果実、ローストや燻香、グラファイト(筆箱)や杉、リコリスやスパイス、アーシーなニュアンス、品の良い酸味、木目細かでまろやかなタンニン、若干アルコールのインパクトを感じつつも、口中に広がる酸味とタンニンのバランスが良好、安定した味わい。ワイン・エンスージアスト誌は100点評価

2017年ヴィンテージから毎年試飲してきましたが、ブレがなくバランスも素晴らしい2019年! 私は過去最高の仕上がりと感じました。


      Zoomでインタビュー
      photo by Quintessa
      2020年からワイナリーの外部スタッフとしてマーケティングを担当している
      鈴木優子さん(サンノゼ在住)を交えて、
      先行試飲&インタビューをさせていただいています。
     
      今回お話を伺ったのはワインメーカーのレベッカ・ワインバーグさん!
      カリフォルニア大学ディビス校で栽培と醸造学の修士号を取得後、
      2015年からクインテッサに参画し活躍中


レベッカさんが語ったクインテッサと2019年ヴィンテージ
2019年はすべてにおいて理想な要素を備えていたそうです。
テイスティングコメントとして「繊細なニュアンスと深み、長い余韻が楽しめます。花や森、湿った土の香りが複雑に調和し、きめ細かいタンニンと活き活きとした酸があります。透明感と共に緻密さを持つワインです」とレベッカさん

醸造面で、昨年と異なる点は、発酵前にSO2を添加しなかったこと。添加したほうが安心でしたが、収穫したぶどうを見て決断。完成したワインをテイスティングして、判断に間違がなかったと確信したとのことでした。

  2018年ヴィンテージから導入したコンクリートタンク
 温度管理が容易で、味わいもまろやかになる由
「2018年VTの醸造で学んだことを新たにチューニングしている感じ」とレベッカさん


気候変動に絡んだ話題
カリフォルニアでは、再生農法 (有機物を増やし、炭素隔離を促進することで土壌の健全化を再構築する農法)の実践例として不耕起/最小限の耕起、カバークロップ、動物の放牧/共生化等をしています。

 カバークロップ(被覆作物)
 現在3通りの方法で観察を行っています。
 ①すき込む(耕す) ②すき込まない ③折り込んだり、踏み潰す

 レベッカさんがワイン業界に参入した18年前は、夏は乾燥し、冬は多降雨だったので、
 夏は刈り取るように指導を受けていました。 
 近年、冬に雨が降らなくなり、旱魃も続いているため、温暖化対策として、
 3年くらい前から、上記3つの方法のどれがよいか観察中だそうです。
 地中の水分の保持や微生物が生息するヘルシーな土壌形成のために、
 ①のすき込みは、昔ほど行っていない由
 最近の研究では、すき込まないほうが良いとの意見が主流
 ②と③に関しては、地表の温度コントロールに役立つことがわかってきた由
 温暖化対策、SDGsにも関わりがあるので、今後の調査を注視

 羊の放牧
 放牧もカバークロップと同じような効果があるとのこと

 ぶどう品種
 カベルネ・ソーヴィニョンは重要な存在!
 クインテッサとしては、次の50年間を考え、様々なやり方や考え方を取り入れながら、
 気候変動対策をしていくので、そのためにもカベルネは要となる品種

 オゾンガスの活用
 2020年は8月と9月に山火事がありました。
 いつも山火事は10月なので、ぶどうへの影響はなかったのですが、2020年は例外。
 8月の火事はナパを取り囲む森が焼失し、それによって生じた“灰”が、
 太陽光線を遮ってしまったので、日照量が十分に得られませんでした。
 ゆえに、2020年の生産を中止にしたワイナリーも出ています。

 レベッカさんは、2020年を“そのようなヴィンテージ”と捉え、すべてのぶどうを収穫。
 できるだけ良いワインを造ることに専念しました。
 多くは通常通りの醸造を行い、一部だけオゾンガスを充満させたコンテナーに入れて、
 フレッシュさを取り戻す工夫を施しました。

 使用したコンテナーは海運輸送に使うタイプで、
 オゾンガスによって、野菜や果物を新鮮に保つことができるものです。

 「オゾンガスなら鎖状の構造を持つ煙の分子を分解できる」と考えたレベッカさんは、
 コンテナーを活用しました。
 2020年ヴィンテージは収量自体、とても少ないヴィンテージになりますが、
 その成果に期待したいです。

 ビオディナミ農法に関して
IMG_1011.jpg
 クインテッサはデメターの認証を取得しています。
 欧州から始まったビオディナミですが、全てを規定通りに行うのではなく、
 カリフォルニアの気候に即した栽培をしています。
 一例として、シリカはぶどうの成熟に関わる調剤ですが、
 カリフォルニアの日照度は欧州とは違うので、
 年に1度の散布で十分な効果を得ることができます。
 レベッカさんは「ワイナリーに即した方法を取り入れています」と語っていました。


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

 
 photo by Quintessa
 毎回参加してくださる輸出担当ディレクターのディエゴ・ギャレイさん
 前職はセーニャやアルマヴィーヴァでジェネラル・マネージャーを担当、
 日本市場に精通しています。

 8月24日に、CVBG主催『ビヨンド・ボルドー東京2022』が予定されており、
 今回もクインテッサが出展されるので、再度、しっかりテイスティングしてきます。
 ディエゴさんから「白ワイン『イルミネーション』も初出展します」とのお話も!
 とても楽しみです。

 9月からボルドーのネゴシアンを介して販売されるクインテッサの評価、
 大いに期待しています!
 
【関連記事】
 クインテッサ2017年ヴィンテージ


 クインテッサ2018年ヴィンテージ


posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月16日

シャブリの4つのアペラシオンの味わいからインスパイアされた“シャブリ・シンフォニー”

 本邦初のこころみ“シャブリ・シンフォニー”
 ブルゴーニュ地方北部に位置するシャブリ / Chablis
 ひとつの品種シャルドネ、辛口の白ワインに特化したワイン産地
 プティ・シャブリ、シャブリ、シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ・グランクリュ
 4種のアペラシオンが、品種、テロワール、生産者の仕事、醸造方法を明確に反映させ、
 個性あるワインを生み出しています。

 シャブリ・ワインはすべての要素が調和したシンフォニーそのもの
 

 第1部はシャブリ・セミナー@中央棟
 講師は銀座レカンの近藤祐哉ソムリエ

【シャブリ最新データ】
日本は数量、金額ともに世界第3位の市場
2021年の輸出実績は数量237万本(前比11%増)、金額1,998万€(前比1%増)


      数字で読み解くシャブリワイン
      資料提供:Vins de Chablis

     資料提供:Vins de Chablis


 シャブリの土壌は約1億5千年前に形成された地層
 エグラジラ・ヴィルギュラという小さな牡蠣の化石を含んでいます。
 中央にあるキーホルダーはシャブリのキメリジャン、化石を見つけることができます!


 シャブリに合わせたアミューズブッシュ


        左から
        #1:プティ・シャブリ2019(ドメーヌ・ビヨ―・シモン)
        #2:シャブリ・サンマルタン2019(ドメーヌ・ラロシュ)
        #3:シャブリ・プルミエ・クリュ コート・ド・レシェ2019
           (ドメーヌ・ダニエル・ダンプ・エ・フィス)
        #4:シャブリ・グラン・クリュ ヴォーデジール2019
          (ドメーヌ・ジャン=ポール・エ・ブノワ・ドロワン)



 第2部はシャブリ・シンフォニー@講堂

プティ・シャブリ: 軽快かつ溌剌/主たる楽器はヴァイオリン
シャブリ: バランス良好、親しみやすく普遍的/主たる楽器はピアノ
シャブリPC: まるみがあり、深く、しなやか/主たる楽器はクラリネット
シャブリGC: 頂点、深み、輝き/主たる楽器はチェロ


 左から
 銀座レカン料飲総括目マネージャー近藤祐哉氏
 ピアノの佐野隆哉氏、クラリネットの吉田誠氏、チェロの上村文乃氏
 ヴァイオリンの川久保賜紀氏、作曲家の松波匠太郎氏

松波氏は「ワインを嗜むということは、味覚、嗅覚、視覚といった五感を研ぎ澄まし、それらが融合された先の悦びを味わうこと。今回のシャブリ・シンフォニ―は、そこに聴覚をも加え、更なる感覚の高みへと皆さんを誘えるような作品を目指しました」と語っています。


             [NEW]映像と音楽で味わうシャブリ
           (C) Vins de Chablis

         松波匠太郎氏が作曲した『シャブリ・シンフォニー』
 プティ・シャブリ、シャブリ、シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ・グラン・クリュ
          をイメージした楽曲をお楽しみくださいませ!



 セミナー時と同じ4種のシャブリを再度テイスティング

 五感を刺激しながら、シャブリワールドを堪能


 第3部はシャブリとのマリアージュ@食堂
 (手前) 五島イサキのマリネ ×プティ・シャブリ2020(ドメーヌ・セギノ・ボルデ)
 (奥) 茄子のテリーヌ、蝦夷アワビのコンフィ
 シャブリ・サント・クレール ヴィエイユ・ヴィーニュ2020(ジャン=マルク・ブロカール)


      低温調理した仔牛のロースト
     シャブリPC フルショーム2018 (ドメーヌ・ジェラール・デュプレシ)


    ホウボウのポワレ × シャブリGC レクロ2018 (ドメーヌ・ウィリアム・フェーブル)


 米国の建築家フランク・ロイド・ライトが設計した自由学園明日館


 1921年に羽仁もと子・吉一夫妻が自由教育運動を実践する女学校として建設
 コンサート会場になった講堂は1927年にライトの弟子にあたる遠藤新が設計
 国の重要文化財に指定されている建造物で、部材、照明機器等を眺めているだけで、
 懐かしい時代にタイムスリップしたような気分[わーい(嬉しい顔)]
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月21日

ウクライナへの人道支援活動 ~日本ソムリエ協会J.S.A.主催ウクライナワインセミナー~

 ウクライナの国花はひまわり
 
一般社団法人日本ソムリエ協会(以後J.S.A.)は、ウクライナから日本に輸入されているワインを購入し、ワインを通して、同国の経済支援をする活動をしています。


              🔵🟡🔵🟡🔵🟡🔵


       
 東京支部のウクライナワインセミナー@明治記念館
 田崎真也J.S.A.会長
 株式会社ヘルムズ(ウクライナワイン専門店ヴィノ・ピオネール)

の輸入担当ヴァシナ・アンナさん

横浜市とウクライナのオデッサ市が姉妹都市であることから、5月17日に神奈川支部で、翌18日には東京支部でワインセミナーが開催され、両日で約600名が参加しました。

セミナーではヴァシナさんが歴史やワイン産地の気候風土、ぶどう品種等について解説。
合間に田崎会長が注釈を入れる形で進行し、ワインとマリアージュについてもコメント。

ウクライナワインを購入・紹介し、それを試飲した会員がさらに周囲に広めて、ウクライナワインの拡販につなげたい。それが当協会らしく、また、継続的な支援になると思う」と田崎会長


 ウクライナの沿革
img20220520_11262293.jpg




 ウクライナの代表的なお料理
 画像協力:(一社)日本ソムリエ協会 
 ボルシチは同国の自慢料理、ウクライナ人にとってサワークリームは必須食材とのこと

                🔵🟡🔵🟡🔵🟡🔵


                     
 セミナーに登場した6アイテム
 左から右の順で供出ワインのコメントは田崎会長の解説を要約

 #1:シャボー テルティ・クルック2018
 #2:ツルベツコイ ナッドニブリヤンスキ2016
 #3:アッケルマン サぺラヴィ プレミアム2020
 #4:スタホフスキー メルロー“エース”2019
 #5:ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド2018
 #6:チザイ トロイヤンダ・カルパット2017



 左から右の順に#1~#6


 シャボーはオデッサ州最大の村のひとつ。唯一、原産地呼称に認定されている地域
 1,250㌶の畑で30種以上の欧州系品種と在来種を栽培



#1:シャボー テルティ・クルック2018
ぶどう品種:テルティ・クルック
生産者:シャボー
小売価格:3,080円
ウクライナの土着品種テルティ・クルック、“狐の尻尾”を意味するぶどう品種。シャボーは粘土質と砂質土壌で、唯一の原産地呼称を有すエリア。生産者はジャボーにあるシャボーという名のワイナリー。若々しいグリーンを含んだ淡いイエロー、香りにMLF由来のアーモンドパウダーやスモーク。その後から、柑橘系果実のGF、ライム、すだち。ほのかにスイカズラやジャスミン。ハーブや笹の葉のようなグリーンな香り。味わいに柔らかな果実味があり、酸味と調和が取れている。アフターに果実の内果皮似の苦味、塩味やミネラル感。和食なら『鮎の塩焼き』。蓼酢(たでず)は使わず、鮎が淡白な味わいなので、ワインの柔らかい酸と果実味が、自然の素材を引きたててくれるマリアージュ。



#2:ツルベツコイ ナッドニブリヤンスキ2016
ぶどう品種:リースリング
生産者:ツルベツコイ
小売価格:4,400円
緯度で見ると46度くらいに位置しているワイン産地でブルゴーニュとほぼ同緯度。濃いイエロー、トパーズを含んだ色調。シュル・リー2ヶ月、大樽熟成18ヶ月。熟成による複雑味があり、黄色系果実のコンフィ、ハチミツ、花梨ジャム、食用菊、ジャーマンカモミールティー、リンデンティ―、アーモンドパウダー、ペトロール香。酸味と甘味のバランスが良く、ドイツやオーストリアのリースリングに比べると酸はまるいが、余韻にノン・マロ由来の酸の印象。ウクライナの伝統料理『ヴァレーニキ(ラビオリと水餃子に似た料理)』、サワークリームを添えて!



 #3:アッケルマン サペラヴィ プレミアム2020
 ぶどう品種:サペラヴィ
 小売価格:2,200円

サペラヴィはジョージアの土着品種のひとつで、果皮が濃く果汁が赤いのが特徴。酸が強くポリフェノールも多く含有。発酵は26度を超えない状態で醸し、オークの木材(チップではない)を樽に入れてマセレーションしたと思われるワイン。濃紫の色調、香りにココアやチョコレート、ヴァニラ。ブラックベリーやブラックチェリー、カシスに加えて、口中ではラズベリーコンフィのような印象もあり、スワリングすると、シナモン、ナツメグ、丁子、わずかに樹皮や土のニュアンス。果実味と酸味のバランスが良く、タンニンは溶け込み柔らか。余韻にサペラヴィの特徴であるタンニンや酸の強さの片りんが感じられる。料理は赤身の肉やハラミを炭火で焼いて、燻製のようなフレーバーをつけて塩や胡椒で!



 #4:スタホフスキー メルロー“エース”2019
 ぶどう品種:メルロー
 生産者:スタホフスキー
 小売価格:4,290円

北緯48 度の産地、アルザスのストラスブールと同じくらいの緯度。深みのある色調。香りには赤系果実の野イチゴ、レッドチェリ―、ラズベリー、ほのかにカシスやブルーベリー。クローブやシナモン。オードヴィーフランボワーズ似の香りに加え、木樽香が優しく調和し、全体に複雑味を与えている。口中ではフレッシュな酸の印象、中盤以降、樽由来の苦味、タンニン、重厚感が広がる。料理は『ボルシチ』がおすすめ、ビーツの甘味とトマトの酸味を生かした納得できるマリアージュ。



#5:ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド2018
ぶどう品種:ピノ・ノワール
生産者:ツルベツコイ
小売価格:8,470円
32度の発酵温度で18日間マセレーションを行い、12ヶ月樽熟成、その後6ヶ月の瓶熟を経て出荷。ピノ・ノワールにしては濃い色合い。紫色を残し、ほんのりとオレンジを帯びた色調。赤系果実の凝縮感があり、野イチゴ、野バラ、食用バラ、若干ローズヒップ。木樽由来のロースト香、枯葉系の香りもあり、例えるなら紅茶のアッサム。アルコール度数は14%あり、口中にふくよかな香りや果実味が広がる。酸がエレガントで、樽からの苦味が加わり、中盤以降、コクを感じる。18度くらいでエアレーションしてからサービスを! マリアージュは国民食の『サーロ(豚の脂身の塩漬け)』と合わせて。ライ麦パンなら片面だけ少し焼いて、サワーチェリーで作ったあまり甘くないピュレあるいはジャムを塗り、サーロと!



 #6:チザイ トロイヤンダ・カルパット2017
 フィロキセラ禍やゴルバチョフの反アルコールCPでほとんどの畑を消失した時代を経て、
 今世紀にはウクライナ宮殿の外観を模したシャトー・チザイ建設。
 こころが和む甘口ワイン、当日のマイベスト

ぶどう品種:トラミネール
生産者:チザイ
小売価格:3,960円
アルコール度数16度、残糖1㍑中170グラムのワイン。貴腐の要素は感じないので、木成りで11月くらいに遅摘み収穫したワイン(と推測)。テクニカルシートにはトラミナー・ロゼとの表記。トラミナーの別名はサヴァニャン・ブランで、ドイツではトラミナーと呼ばれている。トップ・ノーズにマスカットやトロピカル・フルーツの凝縮感。木樽を使った酸化熟成由来のコリアンダーシードやクミン等のスパイス香があるので、カレー粉を使った料理に合いそうなイメージ。口中ではパッションフルーツのコンフィやドライマスカット、果皮に感じる苦味が深みを与え、酸味と調和して心地良い。余韻はスパイスで締めくくる印象。合わせるならウクライナのデザート『焼きりんご』、日本なら『みたらし団子』

参考(青木): モンペリエ大学で教鞭をとっていたピエール・ガレは、「サヴァニヤンはドイツ、アルザス、ハンガリー、オーストリアでかつて広く栽培されていたトラミナーと同一種で、ゲヴュルツトラミナーはピンク色をしたサヴァニャンの突然変異種であるムスケ」と説いている。/出典『ワイン用葡萄ガイド』byジャンシス・ロビンソン


                           
                🔵🟡🔵🟡🔵🟡🔵

J.S.A.では、全国48支部の例会セミナー後にウクライナワイン試飲会を実施
 すでに43支部の例会セミナーで試飲会を行っており、残り5支部に関しても近々開催予定
支援金額:8,032,200円/ワイン購入先:株式会社ヘルムズ
5月23日(月) Zoomによるウクライナワインセミナー
J.S.A.のHP

もご覧ください。

ウクライナの人々が一日も早く、平和な日常に戻れますように!!
posted by fumiko at 16:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月23日

Hal Caviarで世界を魅了した金子コードが西馬込に『Hal Premium』 をオープン!

医療機器の生産をメインビジネスにする金子コードが、本社がある西馬込にHal Premium

をオープンしました。ショップではHal Caviarを中心に、南アワインDelaire Graff Estate

、英国王室御用達のジンなどを展示しています。
まず、2018年12月に、浜松のHARUNO CAVIAR VALLEYを訪問した時のリポート

をご笑覧いただけましたら幸いです。

 ピュアな味わいが魅力のHal Caviar /ハルキャビア

  塩分2.7%の雪どけ、同3%の春一番
  舌の上でとろける食感


金子コードの哲学
2022年で創業90周年を迎える金子コード
そのハレの年にHal Premium / ハルプレミアムをオープンしました。
同社の基盤は金子智樹社長の祖父が手掛けた電話機のコードですが、1990年代にコードレス電話、2000年代に携帯電話が普及し、先行きに陰りが。そこで新たな転換をはかり、コードの技術を生かし、医療現場で使うカテーテルに着目。これがメインビジネスになっています。

金子ファミリーの哲学は好調さに甘んじることなく、常に新しいものに目を向けていくこと。8年前に着手した新規事業のキャビア養殖は順調で、英国のエリザベス女王にも献上されました。
①現在の事業とは異なる分野、②10年計画で世界一を目指せる、という2つを必須条件に導き出した結論が、静岡県浜松市春野町のHARUNO CAVIAR VALLEYでした。

現在は、日本のキャビア文化を育てながら、世界に発信していますが、ショップでは日本の伝統製品とのコラボや、英国チャールズ皇太子がチャリティー精神のもと設立した『ハイグローブ』のロイヤルグッズ、ワインエキスパートの資格を有する金子社長が英国のチャリ―ティ―で親しくなった南アのドゥレア・グラフ・エステート・ワインの独占輸入・販売をしています。


 ショップを画像で紹介
 ロイヤルウィンザーカップに提供し高評価を受けたテーブルウェア美織Mio


 ガードポロ・クラブ主催のマウントバッテンカップに提供した美織


      和紙や西陣織を活かした和食器


 キャビアが映える食器類


 Hal Caviarと和素材のキャビアグッズ


 ハイグローブセレクション
 英国王室プリンス・オブ・ウェールズ
 チャールズ皇太子が代表を務めるオリジナルブランド

      バッキンガム・パレスブランドの陶器


 エリザベス女王のお気に入りジン
 バッキンガム・パレス・ジンにはパレス庭園のハーブを使用(左)



 ドゥレア・グラフ・エステートの5種をテイスティング
  左から
 #1:Coastal Cuvée Sauvignon Blanc2021/SB92%、SE8%
 #2:Cabernet Franc Rosé2021/CF100%
 #3:Banghoek Reserve Chardonnay2020/CH100%
 #4:Shiraz2019/シラーズ100%
 #5:Botmaskop2018/CS59%、CF20%、PV10%、ME8%、マルベック3%

       マイベストだったシャルドネ
       生育期間を通じて好天が続いた2020
       熟度と酸味のナイスバランス、南国果実、ストーンフルーツ、
       蜂蜜、ミネラル、長い余韻


 右から2つ目のシラーズは10%だけマセラシオン・カルボニック製法を導入
 ステレンボッシュの特定のエリアには紫色の花崗岩があり、シラーズの区画も紫の土壌
 収量は通常より少なめになり、ベリーの濃度はより深くなるとのこと。
 Hal Caviarと合わせて楽しむ価値ありの1本!


 ショップでもネットでも購入可


   ドゥレア・グラフ・エステート× 北埜シェフのオリジナル料理
IMG_6529.jpg
   北埜シェフが今回のランチのために作ったオリジナルメニュー


           ハイグローブ・キュヴェ・コレクション
ロイヤルワラントのローラン・ペリエがグローブのために造ったオリジナルシャンパーニュ


      金子社長に直談判して試飲させていただきました。
      わがままをお聞き入れくださり、ありがとうございました!
      シャンパーニュとHal Caviarはナイスマリアージュでした。

      もうひとつの絶妙な組み合わせがキャビアとジン!
      あと引く美味しさのバッキンガム・パレス・ジン


 4月21日は女王陛下の96歳のお誕生日でしたね。
 長寿の秘訣はこのジンでしょうか! 
 BBCのニュース

で祝賀の様子が報道されていましたが、 
 気品あるエリザベス女王がこれからもお元気でご活躍なさいますように半月

 エリザベス女王が堪能なさったHal Caviarのお話はコチラ






 金子コードの哲学について言及した金子社長、
 HARUNO CAVIAR VALLEYで活躍中の北埜シェフ


Hal Premium
所在地:東京都大田区西馬込2-1-5 金子コード東京本社ビル1階
公式サイト:https://www.halpremium.com/
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月19日

サントリーの“缶で楽しむ新スタイル” ワインカフェ&ノンアルでワインの休日

 週末に "ノンアルでワインの休日"にチャレンジ!
 3月1日全国発売のノンアルでワインの休日

 
 350ml・缶/アルコール度数0.00%、参考価格162円・税込


 ちんげん菜とエリンギのにんにく炒めで相性チェック
 オリーブオイルを使い、味付けは最後に天日塩を軽く振る程度でOK


 赤のノンアルは冷やしてもタンニンを感じさせないので、
 赤ワインの渋味が苦手という方でも受け入れやすい味わい。それにノンアルですし[わーい(嬉しい顔)]
 泡が口中の脂分をさっぱり流してくれる印象、塩との相性も◎


               o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。


1月22日付のブログでサントリーワインインターナショナル(SWI)の2022年事業方針と新製品について2022年は缶ワイン&ノンアルワインに注目

と題して紹介しましたが、2月中旬、新製品見本が届いたので、早速トライしてみました!

  4種のニューフェイス
 左からノンアルでワインの休日 赤・白/ワインソーダ白・赤


 フルーティー&軽快な白のノンアル


 ノンアルでワインの休日のコンセプト
 トップに果実香の広がり
 白は青リンゴや柑橘系果実、南国フルーツ
 赤はカシスやアメリカンチェリー、ベリー系果実


  洋と和が融合したサンドイッチ
 海苔と食べるシーフードサンド


 シーフード、マグロとアボカド、はんぺんと大葉、たまご
 特にワインソーダと大葉との相性が印象的


  寿月堂自慢のサンドイッチ
 ビターなニュアンスのあるこんとび海苔を使っているので、
 味わいに奥行きが出てきますし、食材にはんぺんや和野菜も登場するので思わず笑顔に!
 寿月堂 銀座歌舞伎座店の人気アイテムです。


     サントリーワインカフェ<ワインソーダ>
       2月15日に全国発売したワインソーダ


     350ml・缶/アルコール度数5.5%、参考価格176円・税込


 ワインソーダのコンセプト
img20220217_23125210.jpg


 朋友が作った新鮮野菜
 旧知の友と久々のランチ
 ここ数年 自家農園でさまざまお野菜作りに励んでいるとのことで、
 私は、獲りたての白菜、長ネギ、ほうれん草、ブロッコリーをもらってハッピー!


  鉄は熱いうちに・・・
 1月に紀尾井町ガーデン今半の金子店長から、
 すきやきのわりしたをいただいていたので、夕食のメニューはすき焼きに決定(笑)
 赤のワインソーダとの相性探求をしてみました。
 バランスの良い味わいで醤油系ともすんなり合うワイン。このマリアージュはお薦め!


    ほうれん草のお浸しともナイスでした!

    うち飲みでノンアル、缶ワインをお供にしてくださると嬉しいです🍷🍷🍷
posted by fumiko at 23:55| Comment(2) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年01月15日

2021年のヌーヴォー、マリアージュ散歩

       昨年11月に解禁された日本の新酒&フランス産ヌーヴォー
  規制が続く世の中なので、2020VT

よりは、おとなしくしながら相性をチェック

      2021年11月3日発売の山梨ヌーボー
      サントリーのジャパンプレミアム新酒2021
      フルーティで爽やかな酸味が魅力の甲州
      甘いベリー系の香りと赤系果実たっぷりのマスカット・ベーリーA

 トマト系の料理にも合いますが、秋の味覚“柿”ともナイスマリアージュ

            o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。

昨年は解禁日当日(11月18日)、オンラインでジョルジュ・デュブッフのアドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長からヌーヴォー情報を伺いました。

    ジョルジュ デュブッフ ボジョレ ヌーヴォー2021


   後方にあるのが、
   白ぶどうの旨味とコクがあるオレンジ ヌーヴォー2021
   単一畑ぶどう100%の限定アイテム、シュプレーム デュ デュブッフ2021



     アドリアンさんはとんかつが大好物  
     ということで、今回はカツカレーにしてみました!


 オンライン後、メールでご挨拶しました。
 いつも丁寧なお返事をくださるアドリアンさん

MERCI for attending the Beaujolais event and for writting an article about it.
Indeed I do hope we’ll be able to see eachother again in Japan to raise a glass of Beaujolais together.

 私もリアルな再会を心待ちにしています!


 つきぢ『神楽寿司』の赤酢と合わせて
 2021年のオレンジワインは、
 グルナッシュ・ブラン種とミュスカ種のブレンド  
 赤酢のまぐろヅケと小鯛ともイイ相性


 『曙橋かず』でボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーの利き比べ
 2021年限定発売のボジョレ・ヴィラージュ・ヌーボー(左)
 ジョセフ・ドルーアンのボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー(右)

     双方とも揚げ物にやさしく寄り添ってくれました!
     ブリッジ役は和柑橘

 和食との相性抜群のドルーアン
 茶碗蒸しのお出汁と絶妙だったドルーアン
 過去にもマヨネーズを隠し味にした数の子や豚しゃぶのナンプラータレとも相乗


 チョコと試す価値あり
 photo by Fumiko/2020年12月<
 2020年のヌーヴォーはベリー系の要素たっぷりだったので、“あまおうチョコ”と!

 photo by Fumiko/2022年1月
 2021年は前年より酸味のニュアンスが強かったので、リンゴベースのチョコと!


             o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。
 
 久々の浅草寺詣
IMG_3401.jpg
 暮れのあさくさかんのん、2年ぶり[わーい(嬉しい顔)]


 提灯を真下から撮ると・・・こんな感じ、新たな美を発見


 浅草寺のサイトによると、「観音様を篤く信仰する源頼朝は、
 治承4年(1180)、平家追討の戦陣を進めて、下総から武蔵国へ入ってきたときに、
 浅草寺で勝利を祈願している」との記述がありました。
 NHK大河ドラマファンは、浅草寺もチェックです!

       風情がある五重塔

幼少の頃から、お正月になると、父に連れられて浅草に行くのが、定例行事でした。映画『異人たちとの夏』に出てくる浅草のあの雰囲気、今でもありますよね。
私にとって浅草は、タイムスリップできる空間になっています!
posted by fumiko at 23:32| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月08日

緊急事態宣言解除後、生活に潤いと元気を与えてくれたマリアージュの数々



     創業7周年を迎えたテロワール・カワバタ


     毎年記念月に伺っています。
     今年は記念ディナーの期間を拡大していたので何とか間に合いました。
     ひさびさに登場したスペシャリテ、野菜とズワイ蟹のテリーヌ!

 シェフが真骨頂を発揮する真鯛のパイ包み焼き、雲丹ソース

 7周年おめでとうございます!
 更なるご発展を願っております!!

       オンラインショップで
      コロナ禍を契機と捉え、いくつかのメニューを製品化することに成功
      自家製スモークサーモンは超人気のアイテムですよ。
      私は新顔『牛肉の赤ワイン煮ブルゴーニュ風』に初挑戦してみました。
      「フェットチーネのような太めのパスタを少し柔らかく茹で、
       ソースにからめるのがおすすめ」とのことだったのでトライ!
       キアンテイと合わせてナイスでした。


       ジョエル・ロブションの高丸智天シェフ・ソムリエとの約束を実現
      緊急事態宣言の継続でなが~い待機、やっとお邪魔できました。

     我慢した甲斐がありました、五感を刺激してくれたスペシャリテ

      ハウスシャンパーニュ『ラリエ』

      クリスタル2009とコレクション242を利き比べながら

       ベル エポック ロゼ2002の熟成感、素晴らしい!

 可愛すぎて[わーい(嬉しい顔)]


 ミカエルシェフに代わり、11月から関谷健一朗氏が総料理長

に就任
  おめでとうございます!


 今年3月にオープンしたai'sでワイン仲間aiさんの結婚祝い
 広尾こうもとの杉浦康祐氏が手掛ける新店舗ai's

でワイン仲間を祝福[プレゼント]
 「二十四節気」を念頭におき、メニューの変更は二週間に一度のジャパニーズイタリアン

      シャンパーニュは杉浦さん好みのアンリ・ジローがメイン


  AIさん、末永くお幸せに!!



      日比谷・松本楼で大事なお仲間をおもてなし

      私にとって2001年はとてもとても大事な年
      大切な朋友たちと共に2001年ヴィンテージを抜栓

      黒アワビと海老芋のグラティネ ブールギニヨンと合わせて

    プラネタ サンタ・チェチリア2001
  長崎県産壱岐牛フィレ肉のステーキ ソース マルシャン・ド・ヴァンとの相性完璧




            恒例の“五月の会”は5ヵ月延期で!
       昨年も延期になったのですが、今年は更になが~い延期
       年内に開催できてホント安堵
       北海道産帆立貝の軽いトマトのパスタ
       シャルル・エドシックのロゼと色で合わせるマリアージュ

IMG_2392.jpg
 日比谷・松本楼のスペシャリテは壱岐牛、美味、美味!

 マイ・ブームは渋沢栄一
 松本楼の木製看板は渋沢栄一翁(雅号は青渕)の自筆、大正3年4月にしたためていました!
 なが~く続いている五月の会
 松本楼の小坂社長とよっしーご夫妻、今後とも細く長く、宜しくお願いします!

 明後日は、ドメーヌ・コーセイのエノロゴ
 大尊敬する味さん(メルシャンの元チーフ・ワインメーカー)と6年振りの再会(感涙)
 すご~く楽しみです!!

 コロナ感染者数は劇的に減少していますが、引き続き、
 マスク&手洗い、ソーシャル・ディスタンスは厳守してまいります。
posted by fumiko at 23:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年11月06日

ヴィーニョ・ヴェルデの魅力発信 和食とのマリアージュ&ヴィーニョ・ヴェルデDAY

 島田諒料理長の料理 × ヴィーニョ・ヴェルデ
 会員制ワインバーLa Cave Mを会場に『馳走とりの巣』の島田諒料理長が腕前を披露

 
      揚物盛合
    無花果薄衣揚、胡麻ソース、松茸フライ、栗甘露煮衣薄衣揚、くわいチップス

      参加者をÇa va bien (サバビアン/元気) にしてくれた鯖棒寿司!


 料理長の技をじっくり観察

      サックリした食感が好印象だった甘鯛松笠揚、美味


      鱈白子ポン酢、初めての体験だったのがカメノテ磯煮

    松坂牛のすき焼き

 ヴィーニョ・ノルテ モンジェスはヴィニャオン100%
 ガメイ種に似た味わい!


 炊きあがったばかりの秋刀魚御飯

 秋の味覚を満喫

 供出された8種のワイン


 出張シェフをしてくださった島田料理長と講師の吉田雄太さん
 仕切りはヴィーニョ・ヴェルデワイン委員会日本担当シャルル・デュランさん



 11月2日はヴィーニョ・ヴェルデDAY@TRUNK Hotel
 午前中からのマスタークラスでは9種のワインをテイスティング

 (C)ヴィーニョ・ヴェルデワイン委員会
 ヴィーニョ・ヴェルデのサブリージョンは9つ


 (C)ヴィーニョ・ヴェルデワイン委員会
 主要な白ぶどう品種一覧、栽培面積が一番多いのはロウレイロ
 伝統的なブレンドはロウレイロ60%、アリント20%、トラジャドゥラ20%


   (C)ヴィーニョ・ヴェルデワイン委員会
   主要な黒ぶどう品種一覧、栽培面積が最も多い品種はヴィニャオン
   伝統的なブレンドはヴィニャオン70%、ボラサル30%








      ラストフライトはロゼと泡もの

 講師はヴィーニョ・ヴェルデ日本アンバサダー吉田雄太さん


 20社余が参加したフリーテイスティング
 

 
 ポルトガル専門輸入業者メルカード・ポルトガルの毛利社長と毛利店長・バイヤー


      会場で泡物チェック
 

 

 (C)ヴィーニョ・ヴェルデワイン委員会

 当日のマイベストは・・・
 単一品種の3アイテム、左からアルヴァリーニョ、アリント、ロウレイロ
 インパクトがあり印象に残りましたが未入荷とのこと、残念です!



 ヴィーニョ・ヴェルデSNSプロモーション2021
 インフルエンサーとして同委員会から届いた3種のワインについて3回ツイート!!
 合わせる料理を考えながら~
 ラベルが明確に出ないように撮影には気を遣いながら~

 ✥10月19日

 ✥10月26日はロゼワイン

 ✥11月2日はヴィーニョ・ヴェルデDAYでした!

 コロナ渦中でも順調に伸びているポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ

もご参考に! 
posted by fumiko at 21:57| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年10月13日

コロナ渦中でも順調に伸びているポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ

 11月2日はヴィーニョ ヴェルデ DAY
 1926年に設立されたヴィーニョヴェルデ地方ワイン生産者委員会(CVRVV)
 CVRVVはここ数年日本で様々なプロモーションをしてきました。
 今年は11月2日にヴィーニョ ヴェルデ DAYを実施予定

 
            出典:CVRVV
     ポルトガルの北西部に位置するワイン産地ヴィーニョ・ヴェルデは
      “緑に覆われた土地で造られている”ことに由来するネーミング
   ワインはフレッシュで軽快なタイプからストラクチュアや複雑さを備えたタイプまで

    ▷ぶどう畑面積 16,000㌶
    ▷ぶどう栽培者 16,000
    ▷醸造瓶詰業者 370
    ▷ワインブランド 1,400
    ▷DOヴィーニョ・ヴェルデ認可品種 45
     白ぶどう:アルヴァリーニョ、アリント、ロウレイロ、トラジャドゥーラ等
     黒ぶどう:アルヴァレリャオン、アマラル、ボラサル、イシュパデイロ等


     世界一のワイン消費量国ポルトガル
     出典:酒販ニュース
     2020年ワイン消費量の上位20カ国をみるとポルトガルは11位ですが、
     1人当たりの消費量は51.9㍑、世界一です!


また、EUの統計局であるユーロスタットのデータによると、毎日アルコールを飲む人のシェアが高いのは、
ポルトガル
、スペイン、イタリアで、毎日アルコールを飲む人のシェアが最も高い国はポルトガル20.7%。さらに、飲酒の男女差にフォーカスしたデータをみると、すべてのEU諸国で、男性の方が女性よりも頻繁にアルコールを飲んでおり、毎日飲む人の中で、性別による差が最も開いている国はポルトガルで男性33.4%、女性9.7%
出典:visi-vin news/2021年8月25日付

ヴィーニョ・ヴェルデはコロナ渦中でも順調に伸びています。
2020年の対日輸入量は46,300ケース(9㍑換算)、前年より数量では約5,700ケース(同)増。
ポルトガルワイン・食品の専門輸入業者メルカード・ポルトガル

の毛利健代表に伺ってみたところ、2020年の販売は巣ごもり需要で通販が大きく伸び、前年の売り上げ本数を大きく上回ったとのこと。今年も通販は好調のようです。ただ、世界的なコンテナ不足で輸送が大幅に遅れており、その影響は気になります。

  料理との相性では守備範囲の広さが自慢
 
 今回はヴィーニョ・ヴェルデについて、ざっくりとお伝えしました。
 来週くらいから、twitter等で、その魅力を発信していくつもりです!
posted by fumiko at 23:34| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月12日

クインテッサ先行試飲 ~ワイナリーが追及している理想形のひとつが2018年ヴィンテージ~

          9月発売の『Quintessa 2018』を先行試飲


 ナパ・ヴァレーのラザフォードにあるQuintessa/クインテッサ

           先月半ば、新ヴィンテージ2018が到着
       セラーで十分落ち着かせてからテイスティングできました!


IMG_9435.jpg
  2018年ヴィンテージ(右)/2017年ヴィンテージ
  気候的な違いも比べたかったので、今回は、2アイテムを比較試飲しました。


青木私感:2017年ヴィンテージは、昨年8月に試飲して以来、1年振りでしたが、瓶熟の変化はそれほど感じませんでした。色調は液縁までしっかりと濃い暗赤紫色、香りは黒系果実や黒オリーブやグラファイト。口中ではボリューム感があり、Alcの“存在”も顕著。タンニンはワインに馴染み、木目は細かく穏やか。余韻にAlc由来の甘みと骨太の重厚感。空気との触れ合いで、隠れ気味だった酸味が出てくるのでデキャンターがお薦め。2017年ヴィンテージは温暖なヴィンテージ好きのアメリカ人に好まれるワインスタイルだと思います。

青木私感:2018年ヴィンテージは同じアルコール度数(14.5%)ながら、味わった時の印象はかなり違いました。7月13日に瓶詰したばかりなので、まだまだ赤ちゃん状態。樽の要素もワインには溶け込んでいませんが、果実味、酸味、渋味(タンニン)のバランスが良好で、心地良い余韻の広がりも好印象。ビオディナミ農法の成果、土壌の多様性、なにより冷涼なヴィンテージならではの傑作だと思いました。クインテッサが求めている理想形のひとつと言えるのではないかと、私は思っています。


             8月6日はZoomミーティング
        昨年

に続き、今年も新ヴィンテージの試飲を交えながら、
      エステート・ディレクターのロドリゴ・ソトさんにお話を伺いました。
       1996年から導入してきたビオディナミ農法の認証に関しては、
          「あと数週間以内に受けられる」とのことでした!

 ヴァカ山脈の麓に位置するクインテッサ
IMG_9558.jpg
 ドラゴンレイク、ドラゴンテラスの奥に見えるのがヴァカ山脈

ヴィンテージについて、ロドリゴさんは「ヴァカ山脈の影響を受けています。また、ヴァカ山脈に近いか、ナパ川に近いかによって、土壌構成も異なってくるので、それらも関係してきます。さらに、ワイナリーのあるラザフォードは、ナパ川が一度途切れた曲がった地点なので、発生する霧の関係で冷涼年や温暖年の差が出てきます」と言及

使用するぶどう品種には、独自のこだわりがあり、仏ボルドーから渡来して、チリで花開いた品種カルメネールを使用しています。これは、ワイナリーの創始者アグスティン・ヒュネーウス氏、ロドリゴ・ソトGMがチリ出身であることから、この品種を重用!

img20210812_00432544.jpg
  source:Quintessa

「ヴァカ山脈の麓は白い火山性土壌なので、暑くて乾燥した年にはタンニンがしっかりしたぶどう、寒い年だとチョーキーなニュアンスを感じるぶどうになります。ドラゴンレイクの周りは傾斜があり、石が多いので水捌けも良く、ぶどう樹の根が深く張っているので、ヴィンテージに関係なく、一定した品質のぶどうが穫れます」とロドリゴさん。加えて、ナパ川に近いベンチについては「土壌は黒い粘土質で、ぶどうは柔らかく洗練されているので、ドラゴンレイク周辺の区画から穫れるタンニンしっかり系のぶどうとブレンドすることで全体がソフトになります」

 2017年ヴィンテージについて
  アぺレーション:ナパ・ヴァレー、ラザフォード
  ぶどう品種:92%カベルネ・ソーヴィニヨン、4%メルロー
           3%カルメネール、1%プティ・ヴェルド
  アルコール度数:14.5%
  収穫:2017年9月11日~10月7日
  熟成:22ヶ月、フレンチオーク100%(新樽76%)
  瓶詰:219年7月15日~19日
  生産量:500ケース

  2018年ヴィンテージについて
 「温暖な年より冷涼年のほうがすべてのプロットが完璧なものになる」とロドリゴさん

  アぺレーション:ナパ・ヴァレー、ラザフォード
  ぶどう品種:92%カベルネ・ソーヴィニヨン、2%メルロー
       3%カベルネ・フラン、2%カルメネール、1%プティ・ヴェルド
  アルコール度数:14.5%
  収穫:2018年9月18日~10月25日
  熟成:20ヶ月、フレンチオーク100%(新樽62%)
  瓶詰:219年7月13日
  生産量:500ケース
 
  まろやかなタンニンとソフトでクリーミーなフィニッシュのフル・ボディなワイン
  とても魅力的なフィニッシュ、ビオディナミ農法で栽培されたぶどうのワイン
                     ジェームズ・サックリング/2021年1月/99ポイント

 
変化のひとつがコンクリートタンクの使用

 2018年ヴィンテージから、コンクリートタンク(右側)を使用
 発酵は自生酵母で長い時間をかけて!



 2018年ヴィンテージには黒オリーブやアーシーな要素があるので、
 タプナードとの相性は予想通りでした。チーズやクラッカーに添えて!


気候変動に絡んで
環境変化への対策として、干ばつに強い台木の選択、ぶどう樹の仕立ての間隔をあける、畝の向きを変える等の試みをしていますが、暑い日が多いので、ぶどう畑に霧を散布して温度コントロールできるような工夫もしているそうです。
1ガロンのワインを造るために必要となる水の量は、若樹と古樹では異なり、古樹なら4ガロン程度とのこと。クインテッサは貯水池ドラゴンレイクを有効活用していますが、カリフォルニアでのワイン造りにおいて、今後、水の節約は重要課題になりますね。


2020年ヴィンテージに絡んで
今年もカリフォルニアの森林火災が報道されているので心配です。
Zoomミーティングで、火災のことを質問した折、ロドリゴさんが、「2020年は煙害による汚染 スモークテイントがあったので、コンサルタントのミシェル・ロランの来訪時(25日)、彼とテイスティングをして検証する予定」と語っていました。

スモークテイントの除去は、オゾンを利用しているようです。米国の企業

のサイトに、除去の仕組みの解説がありました。

クインテッサも、同企業と契約していて、スモークテイント対策に取り組んでいます。ワインメーカーで、ロドリゴさんの元で活動中のレベッカ・ワインバーグさんが、2020年ヴィンテージの対策について語っている記事

があったので、併せて載せておきます。
今年の森林火災は、欧州のギリシャやイタリアでも発生しています。甚大な被害が出ないことをこころから願っています!



            .。o○.。o○.。o○.。o○.。o○.。o○

             昨年のBeyond Bordeaux

     ボルドー最大手のネゴシアンCⅤBG主催で行われたBeyond Bordeaux
     昨年はコロナ渦中ゆえ、感染対策を考慮し、午前・午後の2部制で実施。
     1名1テーブルの着席形式で、隣席ともしっかりと距離を置いて行いました。
     ここでは、9月リリース予定の26アイテムを先行試飲しました。

     今年は8月末に行う予定でしたが[NEW]9月末に延期!
     昨年の印象が鮮烈だったので今年も秀逸なワインたちの出会いにワクワク!


       2020年8月撮影  
  
      昨年、クインテッサと同時供出されたのは、
      Beaulieu Vineyard Georges de Latour、Dalla Valle Mayaでした!

    来月開かれるBeyond Bordeaux2021にはクインテッサ2018も登場するので、
    再テイスティングがとてもとても楽しみです。
    改めて、Beyond Bordeauxの報告、いたします!!
    [NEW](追記:2022年8月)Beyond Bordeaux2021




posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月17日

開発技術の解説を交えながらメルシャンのローアル『ボン・ルージュ6%』を紹介

      ローアルコールながら本格的な味わいが楽しめるワイン
     果実味ゆたかでコクがあるボン・ルージュ6%
     中央はリニューアルするAlc10.5%のボン・ルージュ(8月から順次切り替え)
     奥は現行品のボン・ルージュ

 メインターゲットは30~40代の女性
 [NEW]8月31日(火)全国発売
 オープン価格/参考価格は620円+税


 [イベント]9月11日には愛好家向けのオンライン体験会を実施
 応募者の中から400名が参加できる体験会を行います!
 応募期間は7月12日(月)~8月15日(日)
 応募先は https://cp.kirin.jp/join/15345
 ノンアル『モクバル』についてはコチラ

をご覧ください!


 リアルとウェビナーの併催で製品説明会
 コロナ禍で健康への意識向上
 データ提供:メルシャン
 約90%が健康志向が高まったと回答

 データ:メルシャン
 メルシャンのノンアルのカテゴリーは今年1-6月累計で前比132%と好調

 理想のAlc度数は4~6%
 COVID-19まん延後、ローアルコールへの関心度はアップしています。ただ、
 味わいでは、一般的なAlc度数のワインから得られるような満足感が足りないのが実情

 そこで、メルシャンは2つの技術を駆使し、100回以上の試行錯誤を繰り返し、
 Alc6%ながら本格的な味わいのローアルコールワインを造り出すことに成功しました!
 その技術とは・・・
 長年ボン・ルージュで培ってきたポリフェノール抽出技術と、
 飲み手に“本格的な味わい”を感じさせるためのコク付与技術です。


ポリフェノール抽出技術
ポイントは果皮に残っているアントシアンの活用!
赤ワインの成分にはアントシアニン(ぶどうの果皮に多く含まれており、渋味や苦みが穏やか)とタンニン(ぶどうの種子に多く含まれ、渋味や苦みが強い)があるので、果皮や種子を長く漬け込めむことで色も味わいも濃くなり、ポリフェノールも多く抽出できます。とは言え、長時間発酵させると苦みが穏やかなアントシアニンだけでなく、苦みが強いタンニンも増えてしまうので、色は濃くても飲み難いワインになってしまうのが難点です。

メルシャンは、アルコール発酵後でも、アントシアニン(約70%)が果皮に残っていることに着目し、これを抽出する技術を考案しました。アルコール発酵を伴わないポリフェノール抽出技術の確立です。これにより、果皮からのアントシアニンは抽出されても、アルコールによって多く抽出されていたタンニンが比較的少なくなるので、アントシアニンとタンニンのバランスをコントロールすることで、理想的な味わいに近付けることが可能になりました。

コク付与技術
一般的なローアルコールワインは、ワインの使用料を減らし、果汁などで味わい調整をして造ります。軽くて飲みやすいワインになりますが、Alc度数を下げれば、コクは減ります。
メルシャンはポリフェノール抽出技術によって得られた高ポリフェノール原料(ワインと果汁)を使うことで、本格感と飲みやすさのベストバランスを追求。度重なる試作の末、低アルコールながら飲み応えのある『ボン・ルージュ6%』を完成させました。


  色からもわかる味わいの違い
 データ:メルシャン
 左からAlc11~12%、Alc6%、ボン・ルージュ6%
 左のワインをAlc6%に仕上げると色調は淡く(中央)なります。
 右のボン・ルージュは2つの技術により、色調も濃く、コクもあり!

追記:ボン・ルージュ6%の製造方法(手順)について、質問したところ、社外秘ということで回答は得られませんでした。
求める味わいを実現させる為に、ポリフェノール抽出技術・コク付与技術を活用し厳選したワインと果汁をバランスよくブレンドする由。最初のAlc度数も社外秘でしたが、一般的なワインは11~13度程度なので、ボン・ルージュもそのように理解して良いのでは、と思っています。


 
 MCを務めたメルシャンの長尾綾子さん(右)は製品の開発背景を説明
 キリンホールディングスR&D本部 飲料未来研究所の笹子志津代さんは開発技術を解説
 ボン・ルージュ6%の楽しみ方についてはご両人の掛け合いで進行しました。

 マリアージュの提案
 相性について「白カビチーズ、なかでもブリー。乾燥フルーツやアーモンドチョコ、
 エクレアや黒胡椒にも合わせて楽します」と説明があったので、
 私は、ブリーや黒胡椒入りチーズ(アクセントにピンクペッパー)
 沖縄の焼塩とイタリア産オリーブオイルで味付けしたカリフォルニア産アーモンドで、
 マリアージュ探求にトライしてみました。

 守備範囲の広いボン・ルージュ6%の頑張りはお見事!
 肩肘張らないマリアージュが堪能できますよ。

 8月31日の発売をお楽しみに!
 ご興味のある方は、9月11日のメルシャン新製品オンライン体験会に是非ご応募を🍷 🍷 🍷
posted by fumiko at 23:54| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月21日

本日 午前0:00に解禁したブラピのMiraval Rose ミラヴァル・ロゼ2020

                 夏至に解禁
 今日は夏至、一年で昼の時間が最も長くなる日です!
 日本は梅雨の最中なので、夏を意識するには、すこ~しズレがありますが、
 欧州の国々では、夏の到来に歓喜し、プロヴァンス発の『ミラヴァル・ロゼ』も、
 0時を機に新ヴィンテージを解禁しています。


        ミラヴァル・ロゼ2020 税別希望小売価格3,400円
 
 
  
『ミラヴァル・ロゼ』は、サンソー、グルナッシュ、シラー、ロールの4品種を使用し、ぶどう(シラーの一部だけはセニエ)は直接圧搾。温度管理したステンレス・タンク(95%)と樽(5%)で醸造。2020年ヴィンテージについては、フロリアン・ガリーグ アジア・エクスポート・マネージャーのメッセージ(日本語の字幕付)

をご覧ください!

 テイスティングした印象
 オーグラスは香りが開放的=南仏的でgood!

私は2018年ヴィンテージ

2019年ヴィンテージ

について紹介してきましたが、2020年は開栓し、ミラヴァルグラス(リーデル・オーグラス)にワインを注いだ瞬間、ドライローズの香りが鼻腔を心地よく刺激。口中に広がる明確なる塩味、ビター感を伴った酸味(ピンクグレープフルーツの内皮の白い部分を齧った時のニュアンス)、香草やピンクペッパー、きめ細かくて存在感のあるタンニン、溌剌とした酸味が余韻に長く続き、舌の上を奇麗に洗い流してくれる印象で着地!
ガリーグさんが語っている“ポイント”に「激しく同意(ハゲドウ)」の気分でした。

3年間のヴィンテージのなかで、2020年はマイベスト!
マーク・ぺランさんの力量が見事に反映されているワインだと実感しました。
「ロゼなんて飲む気もしない!」な~んて言い切っているワインラバーさんに味わって欲しいです!


南ローヌにタイムスリップ
先日、北ローヌのcave de tainとのウェビナーで、最高区画のエルミトは花崗岩質で、石ころには酸化鉄が含まれているとの話が出ていました。2009年に南ローヌのファミーユ・ペランを訪問した時、アイコンワイン『シャトー・ド・ボーカステル』の畑を見学しました。

 見事な古樹、大小さまざまなガレット
 100万年前、ローヌ河の激しい流れはアルプスの岩を削り、それによって運ばれたきた
 石ころは摩耗してガレットに!

 ボーカステルの畑のガレットは鉄分を含んだオレンジ色!


  マリアージュには3年かけるペラン家
 専属シェフのローラン・デュニックさん(2009年3月撮影)

 ピエール・ガニェールやアラン・サンデランス等の星付きレストランのシェフたちと
 一緒に学んできたデュニックさん。
 料理に香草を活用していました、海老にはローズマリー!

 岩塩を使った豪快な肉料理

IMG_8615.jpg
 無邪気な表情がとっても魅力的だったマーク・ペランさん!

 シャトーヌフ・デュ・パプ シャトー・ボーカステル・ルージュ と最高の相性!

 ミラヴァルの醸造を総括しているマーク・ペランさん
 ブラピからの信頼も絶大です!


 ミラヴァル・ロゼ2020とのマリアージュ探求
 2020年VTを味わった途端、いろいろな料理とのマリアージュが浮かんできました。

 中央がタイ風醤油タレ(ナンプラーベースでみじん切りしたコリアンダーを好みで)
 2018年VTを豚しゃぶで試した折、良い印象だったのがナンプラーとコリアンダー

 そこで、ベトナム料理の厚揚げ、蒸し春巻きに合わせて・・・
 ヌクマム(ベトナムの魚醤)とは△、厚揚げもミラヴァルには少し辛過ぎ(涙)
 コリアンダーは良く合っていました。

 テイスティングしていて即イメージしたスイートチリソースはナイス!

ペラン家では相性探求に3年かけていますが、私は3日かけて、フミコマリアージを完成[わーい(嬉しい顔)]
ミラヴァル・ロゼ2020と料理との相性はワインのこころ

で紹介しています!

『ミラヴァル・ロゼ2020』についてのお問い合わせは(株)ジェロボーム
 電話03-5786-3280
posted by fumiko at 21:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月29日

NYワイン&グレープ財団主催 森覚講師の『NYワインの最新トレンド』テイスティングセミナー

 果敢に攻めるNYワイン
 
 ニューヨークワイン&グレープ財団主催、米国大使館農産物貿易事務所後援による
 テイスティングセミナーが開催されました。
 同財団プロモーションの統一テーマは“BOLDLY, NY. (大胆に、ニューヨーク)
  ~縮小するのではなく、その大胆な精神にスポットライトを当て、
                 ワインの革新、品質、経験の先駆者になる~



 講師はコンラッド東京エグゼクティヴソムリエの森覚さん
 ワインのナビゲーターは森覚ソムリエ
 セッション1のテーマは『NYワインの最新トレンド
 セッション2のそれは『NY州最大のワイン産地フィンガー・レイクスを深堀
 各回とも密を避けた15名限定で実施。



 私は前半の最新トレンドの回に参加させていただきました!


  NYワインの概要
  日本におけるNYワインの第一人者GO-TO WINE

の後藤芳輝代表が全体像を解説

 ✥全米における生産量順位は第3位、全体の3.5%
 ✥7生産地域で11AVA、二大産地はフィンガー・レイクスとロングアイランド
 ✥ワイナリー数は471軒(2020年データ)、その多くは家族経営の小規模ワイナリー
 ✥冬は寒く、夏は温暖な気候

 NYワインが注目されはじめた要因は・・・
 (1)品質の向上
 栽培や醸造技術の向上、NY州とコーネル大学との産業協働、グローバル化による人的交流
 (2)トレンドの変化
 食のライト化 (パワフルよりエレガント)、ミレニアル世代の台頭(格付よりインスタ映え)
 (3)社会環境の変化
 東海岸でも地産地消が普及、サステイナブルな社会への取り組み、温暖化の影響



 NYの二大産地「フィンガー・レイクス」と「ロングアイランド」を比較


フィンガー・レイクスは1829年からワイン造りの歴史あり。寒いエリアであっても、水深のあるフィンガー・レイクスのおかげで水温は安定、ぶどう造りも可能になっています。土壌は頁岩(Shale/けつがん)、ワインはリースリングの評価が高く、赤ワインも果実味のあるタイプが台頭中。

ロングアイランドは海に面している海洋性気候、大西洋に近いのでマイルドな気候。赤ワインが多く、中心となるのはメルローやカベルネ・フラン。白はシャルドネで、リゾート地でもあるので、軽快なタイプ(樽を使わない)が人気、ロゼも好まれています。


 資料:ニューヨークワイン プロフェッショナルガイド
 フィンガー・レイクスは州西部、ロングアイランドはマンハッタンに近い州東部の島


      主要な白ぶどう
     資料:ニューヨークワイン プロフェッショナルガイド
  リースリング以外に、シャルドネ、ゲヴュルツトラミネール、ソーヴィニヨン・ブラン


      主要な黒ぶどう
     資料:ニューヨークワイン プロフェッショナルガイド
  メルロー、カベルネ・フラン以外には、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール



             登場した5ワイナリーについて
     後藤さんは14社のワイナリーから60種のワインを輸入しています。
     今回のセミナーではそれらのなかから、8アイテムが供出されました。

             フィンガー・レイクス  
ドクター・コンスタンティン・フランク/NYワインの礎を築いた生産者
NYワインのパイオニア。ウクライナ出身のフランク博士が興したワイナリー。現在は4代目の才媛メーガン・フランクが仕切っています。
ハーマン・J・ウィーマー
ソムリエから「全米でNO.1のリースリング」との評価を受けているワイナリー。『Wine&Sprits』誌では過去12年間で9回も世界のトップ100ワイナリーに選出されています。
オズモート・ワイン
新進気鋭のワイナリー。NY 出身コーネル大学卒の ベンジャミン・リカルディが設立。NZや豪州でワイン造りを学び、2014年からワイン造りを開始。フィンガー・レイクスで敢えてシャルドネ造りに挑戦しています。
ラモロー・ランディング
70年代にぶどう造りからスタートしたワイナリー。ぶどう栽培に力を入れているので、それがワインの品質に反映しています。

             ロングアイランド 
ウォルファー・エステート
世界有数の避暑地で、夏にはNYのセレブが集まるザ・ハンプトンズにあるワイナリー。NYビジネスで成功を収めたドイツ出身のクリスチャン・ウォルファーが設立。NYのロゼワインの火付け役


 森覚ソムリエによるワインコメント
 白ワインは5アイテム


#1:ドライ・リースリング2018/ドクター・コンスタンティン・フランク
ぶどう品種:リースリング100%/3,500円
#2:ドライ・リースリング2018/ハーマン・J・ウィーマ―
ぶどう品種:リースリング100%/4,200円
#1#2は同じヴィンテージで同じ品種、地域もフィンガー・レイクス。ともに明るい色調のレモンイエロー、若干グリーンのトーンを感じます。#1の方が輝きが強く、香りは酵母由来(シュル・リー)の若干スモーキーで香ばしいニュアンス。スワリングするとレモン、青リンゴ、そこに白い花(菩提樹やカモミール)。果実と花に加えてイーストからの香りが調和しているワインで、スモーキーさのなかにミネラルや湿った石、ほんのりとぺトロールを感じます。最初にインパクトのある酸が広がるタイトなボデイを持ったワインで、中盤から後半に酸と苦みを伴い、全体を引き締めるような印象。後半にはレモンピールや柑橘系の果実の皮を齧った時に感じる苦みを感じ、後半に息の長い酸が続いていくのが特徴です。料理は天婦羅や中華等、脂と良く合いますし、四川料理やベトナム、タイ料理にもお薦めできます。


#2はレモンイエローでも深みがあり、香りは閉じこもった印象で、スワリングすることで香りが出てきます。グラスで供出するより、ある程度の時間をかけてサービスしたいワインです。ミネラルの要素があり、温度を上げるとリンゴ、洋梨、ネクタリン等の果実、澱からのニュアンスも感じます。香りは控えめながら、味わいはしっかり出てきます。#1はアタックに強さを感じますが、#2は最初は穏やかな印象で、酸味・果実味・甘味のバランスが後半から出てくるタイプ。酸は緻密で、口中では縦だけでなく、横にも広がり、口全体を覆ってきます。Alc12%ながら、酸とのバランスがとても良く、中盤からの果実味が後半になって一体となって広がります。造りは全房で仕込み、自然酵母を使用、清澄や濾過はほとんどしていません。
#1 はグラスで(リースリングの特徴が出ているのでわかりやすい)、#2はリースリングに特化した人向きでレベルの高いワインです。料理はホワイトアスパラガスにオランデーズソースや、帆立貝のポワレにバターソース等、フレンチがお薦めできます。



#3:サーモン・ラン・リースリング2019/ドクター・コンスタンティン・フランク
ぶどう品種:シャルドネ51%、リースリング49%/2,800円
ブレンド比率が50%より1%多めと1%少な目の微妙なバランスです。色調は淡いイエロー、清澄や濾過も上手で醸造技術の高さを感じます。シャルドネだけだと抑制された香りになりがちですが、リースリングを合せることでアロマティックに広がります。第1アロマの印象が強く、熟した果実のコンポート、桃やカリン等の黄色い果実のニュアンスが良く出ていますし、ユリやオレンジブロッサム、カモミール、ジャスミン、果実の蜜。香りのまとまりが良く、ピュアで素直です。味わいはアタックがしなやか、全体的に丸いフォルムをもったチャーミングでジューシーなワインと言えます。ステンレスタンクで醸造、残糖は8.4%で、それが果実の香りに溶け込み、単体で飲んでも美味しいワインなので、グラスで出してインパクトを与えることができます。オールマイティーに使えるので、フュージョン系レストランにマッチすると思いますし、カジュアルワインやNYワインの入門編として使えます。今の時期なら鱒料理、瞬間燻製の鱒!


#4:シャルドネ2017 オズモート/オズモート・ワイン
ぶどう品種:シャルドネ100%/4,200円
外観は中程度のレモンイエローで若干グリーンやシルバーのトーン。粘性もしっかりあります。最初に感じるのは香ばしさ(スモーキーさ)で、樽による熟成やシュル・リー由来の複雑な香りを感じます。リンゴ、洋梨、ミネラル、イースト香。味わいには力強さや骨格があり、抑え気味な果実味が旨味を伴って後半に広がってきます。熟成させるとより滑らかなテクスチュアになるワインです。軽くバーナーで炙った山形牛にトマトのジュレに雲丹を乗せた一皿や鉄板焼き(サーロイン)が合います。


#5:シャルドネ2017/ウォルファー・エステート
ぶどう品種:シャルドネ100%/3,700円
黄色がしっかり出ている明るい色調で粘性は中程度からやや強め。香りには桃、カリン、洋梨のような果実。フローラルで若干のホワイトペッパーやイーストのニュアンス、ヨードを感じ、香りにはまとまりがあり、エレガントです。口中で横に広がる果実味があり、カリンののど飴をなめているような印象。集中力があり、果実の旨味(savory)が凝縮しています。みずみずしい“果汁感”があり、後半に甘みと軽い苦みを感じるワインです。料理は仔牛のカツレツ(ウィンナーシュニッツェル)のように脂肪分のあるものや、味わいに厚味を感じるものが合うので、気楽に楽しんで!


【青木の私感】
グラスの拭き上げのせい(だったのか)、#5以外のすべてのグラス(ワイン)に、ロウ似のニオイを感じて、本来の香り&味わいを体験できなかったのが正直な感想です。
森講師が、このワインに対して、ホワイトペッパー、合わせたい料理にウィンナー・シュニッツェルを挙げていましたが、出来の良いシャルドネに顕著なホワイトペッパーのニュアンスやストーンフルーツの要素がある好感度の高いワインだったので、個人的に大好きなオーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナーと若干重なるイメージもあり、仔牛のカツレツ発言にも大いに賛同できました。そのような理由から#5が当日のマイベスト!



 「NYワインは商材として非常に可能性がある」と森講師


 赤ワインは3アイテム

 

#6: T23 カベルネ・フラン2017/ラモロー・ランディング
ぶどう品種:カベルネ・フラン100%/3,800円
外観は明るいラズベリーレッド、若干紫色が入る色調。香りの第一印象は華やかで広がりがあり、砕いたラズベリーやポプリ、セイボリーハーブやグリーンペッパー、白檀のニュアンス。ピュアでエレガント、複雑性を伴う好感度のあるワイン。きれいな酸味と果実味が特徴。中盤から後半にスムーズで緻密なタンニン、Alcをほとんど意識しないで飲み続けることができる味わい。料理の前半から出せるワインで、サーモンや和食にも合わせやすく、金目の煮つけや煮物にも!


#7:カベルネ・フラン2018/ハーマン・J・ウィーマ―
ぶどう品種:カベルネ・フラン100%/5,500円
カベルネ・フランの品種の特徴が良く出ています。外観は#6より濃い目、やや赤みのあるラズベリーレッドで、粘性はありますが、Alc(12.5%)は低め。香りにはラズベリーやストリベリーのような赤系果実、バイオレット、ローズマリー、土っぽさがあり、マッシュルーム(きのこ)の印象も。味わいは#6より力強く、しっかりとした果実味・酸味・渋味があるので、ストラクチュアが感じられます。冷涼気候を反映したカベルネ・フラン。うなぎの蒲焼に山椒をたっぷりかけて食すと良く合います。


#8:カヤ、カベルネ・フラン2016/ウォルファー・エステート
ぶどう品種:カベルネ・フラン80%、メルロー19%、プティ・ヴェルド1%/6,800円
ラストはロングアイランドのワインで、ボルドーのようなストラクチュアがあります。外観は3つのなかで、一番濃く、縁にややオレンジのニュアンスを含む、深みのあるラズベリーレッド。香りに複雑性があり、カシスやワイルドベリーのような赤系から青系果実のニュアンス。香りにはバイオレット、バラ、グリーンペッパー、シナモン、丁子、ナツメグ、ミネラル等の表現力豊かなワイン。味わいは2016年ということもあり、練れてきている印象、滑らかで、タンニンも溶け込み、奥行きを感じます。ボルドーの右岸系の特徴を持ったワインで、今飲んでも美味しいフレンドリーなタイプ。スパイスやハーブを使い、ソースにも時間をかけたフレンチやグルマンな料理がお薦めです。


 ストラクチュアがしっかりとしたタイプのカヤ、カベルネ・フラン2016
 NY ロングアイランドのカベルネ・フランCFを試飲したのは初めて!
 数年くらい前から、国際的にも評価が高いアルゼンチンのカベルネ・フランに注目し、
 いろいろ試してきたので、両国のCFを利き比べたい気分になりました。

 当日のフルラインナップ


 テイスティングは上段左から右へ、下段左から右へ


[NEW]セミナーの仕切り役をなさった(株)ワイン・エブリィ・シーンの武田俊子代表から許可をいただきましたのでセッション1の動画

をリンクさせていただきました!!


   最後は映画とワインで
   出典:Champagne images et imaginaire/Hazan

初めて“ロングアイランド”という地名を意識したのは、オードリー・ヘプバーンの映画『麗しのサブリナ』でした。当地の大富裕ララビー家の兄弟とお抱え運転手の娘サブリナとの恋を描いた作品は古き良き時代のアメリカを感じるお洒落な映画で、ここに登場していたのはシャンパン。微かに星が見えるので、モエ・エ・シャンドンだと思います。
リメイクされた映画『サブリナ』に出てくるのも、やはりシャンパン。この時はクリュッグで、パーティーで惜しげもなく供出されていたのがとても印象的でした。

今世紀製作するならスティルワインが出てきても良さそう、果敢に攻めるNYワインかな[わーい(嬉しい顔)]
posted by fumiko at 17:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月01日

クチーナ チロレーゼ『三輪亭』&資生堂パーラー『ザ・ハラジュク』で南チロルのワイン『バロン・ロンゴ』の相性探求

2月にワインのこころでイタリア南チロルのバロン・ロンゴ

の白ワインを紹介しました。
そのなかで、日本で唯一の南チロル料理専門店三輪亭の三輪学オーナーシェフと、日本で最もバロン・ロンゴのワインに精通している資生堂パーラー ザ・ハラジュク店長の本多康志ソムリエについて触れました。そこで今回は、バロン・ロンゴのさらなる魅力を探るため、両店を訪問し、バロン・ロンゴの実践編をしてきました。

以下、三輪さんと本多さんとのバロン・ロンゴ時間のリポート、長文ですが、お付き合いの程、宜しくお願いいたします!


  南チロルの郷土料理に恋した三輪学シェフ
 世田谷線でもSDGs TRAINに乗車!
 三輪亭

は三軒茶屋から世田谷線で山下駅(豪徳寺)下車、徒歩5分程の場所にあります。

 画像データ:三輪亭HPより

三輪シェフが肉料理にのめり込んで研鑽を積んだ場所が、イタリア最北部のアルト・アディジェ(=南チロル)でした。海から離れているので、魚料理はほとんどありません。その代わりに、乳製品や肉の加工品がたくさんあります。シェフは「南チロルの料理はドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアの4か国の影響を受けて成立したと思っています」と語っています。


 前菜の盛り合わせ×ズィッヒルブルク ソラリス2018



“太陽”を意味するソラリスは害虫や耐病に強い交配品種です。
スターターのワインとしてはまさに適役。第一印象はソーヴィニヨン・ブラン似で、白い花や白系果実、味わいには柑橘系果実のニュアンスを感じました。個性の異なる4種の前菜に自然体で寄り添ってくれるワインです。

 ハムとチーズを盛り合わせた“マレンデ”
 南チロルを代表するハムとチーズ×ホーヘンシュタイン ゲヴュルツトラミネール2017



自家製ハムやサラミは三輪シェフの人柄が伝わってくる素直な味わい、丁寧な造りを感じます。南チロルのリストランテ『Pichier ピクレル』でハンシ・バウムガートナー当主(お店は閉め、今はチーズ熟成士として活躍)の最後の教え子だった三輪シェフは、肉料理、加工肉やチーズの指導を受け、その技を東京のお店で披露しています。チロルの思い出のこれらの盛り合わせですが、三輪シェフによると、最初からこのようなスタイルだった訳ではなく、一品一品増やしていって、現在のような形になったとのこと。

マリアージュ的に興味深かったのは、画像右端のブルーチーズ! モスカート、ゲヴュルツトラミネール、ノジオラ(白ぶどう)の搾りかすで熟成させた “ゴールデンゲル”です。合わせたワインが樽使用のゲヴュルツだったので、相乗効果十分、嬉しいマリアージュでした。
そして・・・極め付きのチーズがゴールデンゲルの隣にある“ミワ”です。熟成士ハンシ氏が三輪シェフの結婚式の為に来日した折、持ち帰ったワカメが、彼の創作心に火をつけ、ドイツの『Deichkase (海に囲まれた島の洞くつで熟成させたチーズ)』にワカメを巻いて熟成・完成。三輪亭のスペシャリテで、ハンシ氏と三輪シェフの師弟愛を感じる味わいです。

 ワインはゲヴュルツトラミネール100%

豊潤で、香りには特徴香のライチ、南国フルーツやエキゾチックフルーツ、酸味も程よく、バランスが取れたワイン。バロン・ロンゴは樽使用と樽無使用の2タイプを生産していますが、これは前者。中盤からの酸の広がりは心地良く、余韻も長く残りました。

 木皿に載せた様々な郷土パンの盛り合わせ

私にとって南チロルは未踏の地ですが、隣国のオーストリアは何度か訪問しています。交流会やパーティ会場で良く出てくる加工肉やパンには共通項があり、親近感大!


IMG_3489.jpg
      三輪シェフも気に入っているというゲヴュルツトラミネール
      エスニック料理やパクチーを使ったお料理にも合いますよ!


 赤と白の色どりも綺麗なひとさら
 ビーツのカネーデルリ 白いチーズソース


      食感が嬉しい逸品!
   プチプチ感は大麦、サクサク感はホワイトアスパラ、これぞ大麦のオルツォット
 
 
IMG_3496.jpg
      対馬産猪すね肉のグーラッシュ×フレイドべルク ラグレイン2017


   「ある程度食感を残して仕上げるのがポイント」とシェフ、三輪亭を代表する肉料理

IMG_4934.jpg
 source:(C) Vini Alto Adige

アルト・アディジェはイタリアで最も小さなワイン産地のひとつで、生産比率は赤ワイン38%、白ワイン62%の割合です。ラグレインは赤ワインの品種のなかで3番目で、現地では“ベルベットのスーツを着たアルト・アディジェの貴族”と形容されています。
バロン・ロンゴのフレイドべルク ラグレイン2017は、発酵・熟成とも木樽で行い、フレンチオークの小樽(3分の2)、500㍑の大樽(3分の1)を併用しています。深みのある色調で、形容通りの滑らかな食感。舌の上に広がる旨味が浸み込んだ猪肉の脂分をまるみのあるタンニンが洗い流してくれる印象です。

    
 デザートの逸品
 温かなリコッタチーズのカネーデルリ
 オレンジ色のソースは杏ソース、赤いソースは木いちごソース
 思わず笑顔になってしまうひとさら


IMG_3503.jpg
                 三輪学シェフ

三輪学さんは東京農工大学工学部で物理を専攻し、将来はエンジニアか教育関係の仕事に就こうと考えていましたが、大学在学中に飲食業のアルバイトをしていて、食の世界を“天職”と直感。2年生の時に、62歳という年齢で他界してしまった父親の死に直面し、「自分も短命であるなら、目標に向かって突き進もう。今できることを全力でやろう!」と強く思い、大学に通いながら飲食業に方向転換することを決意します。学業を終え、その後、本格的なイタリアンで働くことになりますが、調理師学校とは無縁の人生だったので、料理修行に関しては0からスタートでした。

三輪シェフとは過去に2度お目にかかっていますが、今回のバロン・ロンゴの件で再訪し、新たな視点でシェフの洞察力、料理への切り込み方を、リサーチすることができました。業界のなかでは異質の理系シェフ、論理的な考え方にも納得できました。

世田谷・豪徳寺の住宅街に位置するクチーナ チロレーゼ『三輪亭』は、日本でオンリーワンの南チロル専門店で、人気のスポットになっています。今回、三輪亭で、3種のワインをテイスティングしましたが、すべて単一ぶどう100%のタイプ。Vini Alto Adigeは、公式サイトで、「自分たちのワインは流行のワインではなく、独自の個性を持ったワイン」と書いています。
三輪シェフのお料理にも、バロン・ロンゴのワインにも、自我を押し付ける要素は皆無。双方に共通する“人間性”もありますが、来る人を優しく迎い入れてくれる安心感があります。その点が、長く人を引き付けている魅力だと感じました。
ワインラバーの皆さんには、三輪亭でバロン・ロングのワインとの相性を愉しんでいただきたいと思っています。


               🍷 🍷 🍷 🍷 🍷


           資生堂パーラー ザ・ハラジュク

での体験

      視覚と味覚で魅了されたお花畑のような創彩
       ワインはシュッターシュタイン ピノ・ビアンコ2018

ワイナリー視察のみならず、Vinitalyの開催時にはブースを訪れ、アントン当主と親しく交流。バロン・ロンゴのワインを数多くテイスティングしている本多康志ソムリエが口開けワインとして薦めてくださったのがピノ・ビアンコでした。

「アルト・アディジェのなかでも南のエリアで産するピノ・ビアンコが好きです。柔らかさがあり、輪郭がはっきりしていない部分が、却って、汎用性が高いと思っています。どのような料理にでも寄り添ってくれるので無理なく合わせられます。また、Alcも低いので、体に負担がかからない “みずみずしさ”があります」と本多ソムリエ。

樽熟成させずにステンレスタンクのみで造られたワインながら、口中では熟したニュアンス。カルパッチョやオリーヴオイルとの馴染み感が好印象。一歩引いた印象で、極めて日本的。気が付かないうちにボトルが空いていた、そんな感じの心地良いワインです!


              本多式抜栓法⁈
      リーべンシュタイン キュヴェ・ブラン2017
      ワインのこころ

で紹介させていただいたアイテムです!

キャップシュールはロウ栓のように見える Shellac(シェラック)というリサイクル可能な素材。私はロウ栓を抜栓するのと同様に、ソムリエナイフをキャップのトップからまっすぐに差し込んで抜きましたが、なんと、本多ソムリエは画像にあるようにキャップシュールに切れ目を入れ、丸ごと抜栓、お見事です!!

      本来のメニューは牡蠣、私は帆立に変更願い!

ワインはシャルドネとピノ・ビアンコのブレンドで、白い花や白系果実や白胡椒、塩味も感じます。クリーミーさと帆立のふっくらした食感が上品なマリアージュになりました。


     ヴェレンベルク カベルネ・ソーヴィニヨン&メルローキュヴェ2017


IMG_3640.jpg
      日本で一番バロン・ロンゴのワインに精通している本多ソムリエ

      ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョン80%、メルロー20%
      樹齢60年、丁寧にプレスして発酵させますが、野生酵母を使用。
      熟成は225㍑のフレンチオーク(樽熟20ヶ月)
      第一香はニューワールド的なニュアンス
      赤系果実のアロマ豊かで、やさしい甘味、樽由来のヴァニラやカカオ
      無駄なパワフルさがなく、良い意味で抑制されたワイン


      JET カップの優勝者の動きは実にスマート



 目からウロコの体験
 ポットで登場したのが資生堂パーラー伝統のコンソメ



 きのこの旨味も


 
バロン・ロンゴの最大の理解者 本多ソムリエが薦める絶品の組み合わせがコレです!
本多さんは「カベルネ主体のワインでもタンニンがシルキー(タンニンが粗いとバランスを崩す)で、コンソメのなかのきのこの良さも引き出してくれる陰影を備えた冷涼感のあるカベルネ・ソーヴィ二ヨンなので、その全体的な繊細さが、余分な脂分がない旨味ベースのコンソメと合せた時に、お肉料理としての満足感を与えることができると思っています」とコメント。
納得のマリアージュ、さすがです!


      フォン・ド・ボーのソース、手前は田舎みそ


 締めのひとさらは・・・カレー
 資生堂パーラーの伝統的な逸品、粘性のあるタイプ!

      付け合わせは福神漬けと自家製のたまねぎの2種
      サラダ油・醤油・酢をマックス12時間かけて仕上げたたまねぎ

       素直に嬉しい季節のいちごパフェ

 ワインは供出順右から
 ✥シュッターシュタイン ピノ・ビアンコ2018
 ✥リーべンシュタイン キュヴェ・ブラン2017
 ✥ヴェレンベルク カベルネ・ソーヴィニヨン&メルローキュヴェ2017


 ワゴンから自由にチョイスできるデザート、私は4種で我慢(笑)


       本多康志店長兼ソムリエ

本多さんは1974 年生まれ。1995 年に専門学校を卒業後、『レストラン ラ・ティグレ』に調理担当として入社。その後、都内レストラン各店勤務を経て、2000 年『資生堂パーラー』に入社。2001年に開業した『レストラン ファロ資生堂』のシェフソムリエとして活躍後、 昨年6月に原宿にオープンした『資生堂パーラー ザ・ハラジュク』の店長に就任、現在に至っています。2009年 日欧商事主催の第3 回JETCUP イタリアワイン・ベスト・ソムリエ・コンクールの優勝者です!


 アントン・ロンゴ男爵に感謝を込めて!
 
 アントン当主からのご丁寧なお手紙とショコラ
 イタリア南チロルの郷土料理に惚れ込み、その味わいを東京で発信している三輪シェフ
 イタリアワインの魅力を多くのワインラバーに発信している本多ソムリエ
 バロン・ロンゴを媒体にして、おふたりから様々な情報を得ることができました。

 アントンさんとは未だ面識がありませんが、本多店長が語る「ニコラス・ケイジ似、
 握手をする時の究極のソフトタッチ」には興味津々です。
 コロナ終息後のお目文字を心待ちにしています。

 アントン・ロンゴ男爵のご配慮に感謝です、ありがとうございました!
 日本でバロン・ロンゴのファンが増えることを願っております!!
posted by fumiko at 23:53| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月30日

今日から全国のコンビニストアで限定発売 メルシャンの人気アイテム「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」290mlボトル缶

  おいしい酸化防止剤無添加ワインのボトル缶新登場  画像は拡大可
 3月30日(火)からシードル/グレープフルーツの290mlボトル缶デビュー!!



 2019年3月に500ml ボトルでリリースされたシードル
 私はセブンイレブンのいちごサンドをお薦めの組み合わせとして紹介しました。
 今回290mlのデビューに際して、再度トライしてみましたが、
 これは安定のマリアージュです!
 シードルは発売から1年で累計販売数量が160万本を突破した超人気のアイテムです。

 フルーツと合わせて

 シードルには程よい甘さがあるので、いちご単独と合わせても楽しめます。
 果肉が柔らかい福岡県のあまおうや佐賀県の白いちごともイイ関係!


IMG

 グレープフルーツは2020年2月にリリースしました。
 和柑橘のお気に入りは日向夏なのですが、グレープフルーツ単独で飲んだ時に感じる
 軽いビターさは日向夏と合わせることで同化し、馴染み合う相性に!
 日向夏は白皮を残してカット、その日の気分でナイフを入れる角度を変えて楽しんで


 いちごのカットにも工夫を凝らして!


IMG_4357.jpg
 上から見るとこんな感じ


 サブレシトロンも入れて撮影、これはグレープフルーツと良い相性


                  製品の詳細
 
      ✥商品名: おいしい酸化防止剤無添加ワイン/シードル・5%
           おいしい酸化防止剤無添加ワイン/グレープフルーツ・4%
      ✥容 量: 290mlボトル缶
      ✥発売日発売地域:2021年3月30日(火)・全国 コンビニストア限定
      ✥価 格: 330円(税別)
      ✥お問い合わせ先:メルシャン お客様相談室 0120-676-757


 [NEW]追記(2021年4月1日) 柑橘類の苦み
IMG_4950.jpg
 出典: NHKためしてガッテン(3月31日放送)

番組でレモンの“苦み”の部分別数値を紹介していました。
和柑橘果実 日向夏の白皮部分にあるライトな苦みが、酸化防止剤無添加ワイン グレープフルーツの苦みと相乗する訳も理解できます!
posted by fumiko at 09:02| Comment(2) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月10日

シャトー・メルシャン新鶴シャルドネと福島県にあるぶどう産地「新鶴」地区との歩み

東日本大震災発生から明日で10年になります。
2011年3月11日14時46分、私は自宅にいたので、テーブルの下に隠れました。ワインセラーやワイン棚は地震の揺れに耐えてくれたのでワインやグラスはすべて無事でした。でも・・・とてつもなく長く感じた“あの瞬間”は忘れられません。

   福島県新鶴地区のシャルドネ 
   新鶴シャルドネ2018


   今回は日本ワイン、福島県にあるぶどう産地「新鶴」をテーマにしました。
   シャトー・メルシャンの新鶴シャルドネは福島県会津美里町の契約栽培畑
   新鶴地区のぶどうを使っています。
  今年は栽培をスタートさせてから45年の節目となりました。


     「新鶴」45年の歩み
      スタート当初は試行錯誤の連続でした。
      今では海外のコンクールでも高評価を受けるまでに成長しています。
      以下は45年間の歩みをまとめた資料 (クリックで拡大) です!

      農家の情熱がブドウを変え、ワインを変えた
      データ提供:メルシャン


      世界に誇れるシャルドネの産地へ
      データ提供:メルシャン


  新鶴産のシャルドネを使ったアイテム
  データ提供:メルシャン



 日本橋にある ふくしま館


 初訪問のアンテナショップ!


      店内奥が酒類コーナー、新鶴シャルドネもありました!
      ※ 許可をもらって画像撮影


  マリアージュを考えながら
 人気ランキングを参考にアイテムを選択
 『いか人参』は昆布入りをセレクト。昆布があることで松前漬け似の食感


  子供から大人まで幅広い層に人気の『ソフト揚げかまぼこ』
  私はさっと湯がいて、ホットプレートでこんがりとした焼き色に仕上げました。
  熱々のかまぼこにレモンを搾って食すと、新鶴シャルドネの酸味とぴったり

 『丸deアーモンド』は新樽由来の要素がアーモンドと重なり好相性

  新鶴シャルドネ2018のテイスティング
 輝きのある淡いイエロー、グレープフルーツやアプリコット
 白い花、軽いタッチの蜜、鉛筆の芯。口中ではヘーゼルナッツ、フェノール
 清涼感のある酸味が最初から最後まで凛として続く、丁寧な造りのシャルドネ
 樽の要素がワインに十分に溶け込んでいない分、樽香が少し強いように感じました。
 もう少し瓶熟させるとバター系に向くと思ったので今回は酸を生かしてレモンを活用。
 上記の『丸deアーモンド』のような木の実等と合わせるとバランス良好。
 熟成した白カビチーズに酸味のある杏ジャム等を添えることも選択肢のひとつ。
 揚げかまぼこはレモンをブリッジ食材にすることで良い相性になりました。


 4年目となる日本ワインへの支援活動
 3月1日から4月30日までの間 全国で実施
 日本ワインの原料ぶどうの各産地の活動を応援するためのドネーション企画 
 対象商品51品の売上1本につき10円を山梨・長野・福島・秋田各県の各機関や行政に贈呈
 企画の詳細や対象商品等についてはコチラ

をご覧ください!


                福島県“三春の滝桜”
        千代田線赤坂駅内の壁面に描かれた壮大な「四季樹木図」
        滝桜をモデルにして日本画家千住博さんが完成させた力作

以前、新聞に「赤坂サカスのシンボルツリーになっている紅枝垂れ桜

は“滝桜”の子孫樹で、ビニールハウスの中で発芽させ、別の桜の枝に接ぎ、孫となる桜を育てる仕事師 宗像宗光さんが丹精込めて生み育てた桜」との記事がありました。
樹齢1000年以上 (推定) の“三春の滝桜”は、日本の三大桜のひとつです。

今年の桜の開花予想も出ていますが、滝桜が今後も末永く、桜ファンに多くの感動を与え続けてくれることを願っています!
私もいつの日か、福島の滝桜をリアルに見たいと思っています!
posted by fumiko at 14:46| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月19日

塩辛でワインの“酸化”具合をチェック!

IMG_2220.jpg

前回のブログでは、農学博士の渡辺正澄先生から伝授されたチョコと赤ワインと塩辛

の関係を報告させていただきました。今回は・・・
塩辛でワインの酸化をチェックする方法、これも渡辺先生直伝です!


15年前、渡辺先生が行っている『ワイン総合研究所』で酒販店主対象の講習に入れていただき、「塩辛体験」をしたのですが、本当に強烈な時間でした。
やり方は、1㎝ほどにカットした塩辛を用意し、グラスに注がれた何種類ものワインを試飲していきます。この時、塩辛を口に含んだら、すぐにワインも口中に入れて合わせます。
「ワインを口にした瞬間、なまぐさ臭が消えればワインは酸化していないと判定できる」と先生。赤&白ともに分析できますが、口中で消える生臭さの速度が“ポイント”です。

還元力のあるワインは魚介類の代表的な臭みトリメチルアミンを消去してしまいます。ゆえに、生臭さの残り方=酸化 という判断ができるとのことでした。

私は後日、ドメーヌ・ペランの『ぺラン・レゼルヴ・ブラン2001』で試してみたのですが、何事もなかったように、一瞬で口中の臭みが消えました。
さすがペラン、還元力のあるワインだと痛感しました!


 2016年にはフィリポナで
 食に精通するシャンパンメゾン、フィリポナ当主お薦めの相性は、
 なんと“フィリポナ ロワイヤル レゼルヴ ノン・ドゼNV(右のボトル)と塩辛”
 シャンパン講座で試してみましたが、講座生も納得の相性でした!


フィリポナではNVにソレラシステムで保存しているリザーヴワインを使っています。大きいものでは2500㍑、画像のフードルは1500㍑。酸化しないようにするために、きっちり収まる様々な容量(228㍑、600㍑)も使用しています。

スペインの酒精強化ワイン。シェリーの製法。3~4層に積み上げられた樽の最上部には一番若いワイン、下部になるにつれて樽内のワインは古くなり、最下部は床(スエロ)近くにあるのでソレラと呼ばれている。シェリーを造る時、ソレラ(最下段)から適量のワインを抜き取り、その空き部分には上部の樽からのワインを補充。順次、上の樽から下の樽に補填していくシステムなので、ソレラの樽には何年にもわたるワインが混在していることになる。


       直近では南チロルの白ワインで

今年2月に塩辛体験したワインは、先日、ワインのこころ

で紹介したイタリアの南チロルにある『バロン・ロンゴ リーベンシュタイン キュヴェ・ブラン2017』でした。2~3日続けて実験してみたのですが、本当にフレッシュ、素晴らしい還元力でした!


生臭さを消すワイン
先生の名著『ワイン常識がガラリと変わる本』にある一節を以下に抜粋させていただきました。わかりやすい説明なので、なまぐさ臭が消える理由がおわかりいただけると思います。

~なまぐさ臭は、微生物の自己消化物だけでなく、樽熟させない白ワインより、樽熟させて樽中から抽出されたポリフェノールなどの渋味によっても消失される。例えば、オーストラリアやブルゴーニュの樽熟をゆっくりさせた白ワインによっても消されやすい。また、樽熟以外でもアルコール発酵時にスキンコンタクトをさせて、果皮や種子から抽出される渋味のある赤ワインはもちろん、白でもスキンコンタクトさせた、つまり、ぶどう果皮と一緒に短期間浸漬発酵させたアルザスやローヌなどの白ワインも、食品のなまぐさ臭を消してくれる。ワイン自身は何もいわないが、これらは、ワイン中の果皮、種子、あるいは樽から抽出されるポリフェノールとの作用で還元消去されるからだ~ 
出典:ワイン常識がガラリと変わる本/154~155ページ

ワイン好きの皆さまが、ためしてガッテンしてくださると、とっても嬉しいです!
posted by fumiko at 23:24| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月09日

バレンタインを前に~チョコとワインと塩辛のマリアージュ~

 【パートⅠ】はお気に入りの組み合わせ


    バニュルス2017を買ってきました!

2015年2月に産経EXのワインのこころ

に“チョコレートと相性抜群のバニュルス”と題する記事を書いてから、しばらく味わう機会がなかったので、久々のテイスティングでした。

IMG_2721.jpg
 シャンパン仲間からいただいたチョコレート、ホワイトカカオ!!

 クリックしてご覧くださいませ!

 シャプティエはワイン業界における点字ラベル導入の先駆者
 2017年ヴィンテージからラベルをリニューアル、名称も“BANYULS RIMAGE”に!
 rimage(リマージュ)はカタルーニャの方言で“ヴィンテージ”の意味です。

 リーデルのヴェリタスグラスでハートを作ってみました[ハートたち(複数ハート)]

        輸入元:日本リカー、容量:500ml、小売価格:2,800円
     
液ふちは赤茶を帯び、中心部はブラックベリー色、Alcとエキス分の高さを感じます。抜栓した瞬間ミントの香り、その後から干しぶどうやドライプルーン、黒系スパイス、カカオ、木の実。口中に含んで転がし、ゆっくり飲み込むと、凝縮感とベタつきのない程良い甘味、柔らかい酸味とタンニン、喉の奥に温かな余韻を残して着地!


 チョコだけでなく、ブルーチーズとの相性もお薦め!


  【パートⅡ】は塩辛を仲間に入れて
  チョコとワインの奥深さを知っていただくための実験開始!

1週間前、渡辺正澄先生から「赤ワインとチョコレートは相性が良く、甘味 (チョコレート)は渋味 (赤ワインの渋味=タンニン=ポリフェノール)を隠します。チョコレートは血管を広げる効果があり、血圧なども下げる。甘味補給で血糖値低下を防ぎ、二日酔い防止の効果もあります」とのメッセージをいただきました。
渡辺先生は『ワインの常識がガラリと変わる本(講談社+α文庫刊)』の著者で農学博士です。料理とワインの権威者なので、私は先生からいろいろな組み合わせを教えていただきました。

今月に入ってから、拙ブログの記事のなかで特にアクセス数が伸びていたチョコとワインと塩辛の意外な関係

、これも先生から受けたレッスンで、2006年2月に書いたものです。


              15年振りにトライ!
      ポルトガルの赤ワイン、アシエンダ・ブランカ2013
      品種はシラー&プティ・シラー、フレンチオークで12ヵ月熟成
 深みのあるガーネット色、黒系果実、ドライフラワー、黒胡椒やエスニックスパイス
 鉛筆の芯、木香、土っぽさ、中程度の酸味、タンニンはスムーズ


さて、チョコとワインと塩辛の実験ですが・・・
チョコをひとかけら口に含み、少しかみ砕いてから、塩辛も一切れ、口中に。双方を合わせた瞬間、塩辛の生臭さがきれいに消えてしまいます。その後、グラスの赤ワインを飲み込むと、今までとは異なる“新しい味覚=第3の味わい”が口中に広がるのがわかります。
ホワイトカカオは、酸とのバランスも良く、全く問題のないマリアージュ。
抹茶ショコラの場合は、ショコラのなかに細かく砕いたヘーゼルナッツやアーモンドが入っていたので、より相性の良さを引き出してくれました。

渡辺先生いわく「チョコやワインに含まれるポリフェノールには“臭みを消し去る働き”があり、さらに、ワインには魚介類の代表的な臭みトリメチルアミンを消去してくれる作用があります」と。これは、百回聞くより、一度、試してみることで理解できます!

   抹茶のポリフェノールと木の実のニュアンスがワインの要素と相乗して納得の相性


      最後はポルトガル風タラのトマトリゾット
      コロナ禍で新しい料理にチャレンジする時間が増えている私 (笑)


   コウケンテツ氏の旅ごはんで紹介していた“ポルトガル風トマトリゾット”

冷ご飯を使い、鱈の出汁(すりおろしニンニクも少々)で作るほったらかし料理は超簡単で美味、私は1ヵ月余りで3回も作ってしまいました。
ポルトガルの料理には同国のワイン、ということで合わせてみたのですが、
粉チーズをブリッジ食材に使うと絶品のマリアージュになり、大いに満足できました!


  現地ではバカリャウとエスプマンテ
  2015年のポルトガル取材で初日に食したのが名物料理のバカリャウ(干し鱈)、美味!

 今までは鍋物に使うだけだった鱈が、
 コウケンテツ氏のリゾットを知ったことで、鱈を見直す良い機会になりました。

                 ☆☆☆☆☆
今回、過去の記事にタイムスリップして、久々にチョコとワインと塩辛のマリアージュに再挑戦することができました。とても面白い実験なので、ワインラバーの皆様には、バレンタインの時だけでなく、思いたったら、即、お試しいただきたいと思っています[わーい(嬉しい顔)]

                  ☆☆☆☆☆
[ぴかぴか(新しい)][NEW]追記(2021年2月19日):長崎大学とネオファーマジャパンは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2を用いて、培養細胞における感染実験を行った結果、5-アミノレブリン酸(5-ALA)の強い感染抑制効果を発見したという研究発表

を掲載していましたので、参考までにリンクしておきます。
農学博士の戸塚昭先生から「赤ワインには5-ALAの含有量が多い」と伺っているので、今後の研究に期待しつつ、COVID-19対策の為に、私は赤ワインを今まで以上に上手に活用したいと思っています!
posted by fumiko at 23:32| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月23日

2021年1月から日本リカーがオーストラリアの名門ペンフォールズの取り扱いを開始!

オーストラリアの代表ブランドペンフォールズ

と聞いて、多くのワイン愛好家がすぐに連想するのは世界的評価の高い“グランジ”だと思います。私もそうです。

グランジを初めてテイスティングしたのはワイン業界に参入してまもなくでした。2回目は、同国の著名ワインライターであるジェラミー・オリバー氏が来日して行ったセミナー、3回目は4代目チーフワインメーカー、ピーター・ゲイゴ氏の来日記念セミナーです。
2006年に3回連続でグランジとゲイゴ氏から伺ったシラー話をまとめてあります。
予備知識としてお役に立つと思います、ご笑覧いただると嬉しいです。
[本]オーストラリアが誇る赤ワイン『グランジ』


[本]伝説的変身を遂げた『グランジ』


[本]
シラー種の起源




    オンラインによるプレス・カンファレンス 画像はすべて拡大可能
2021年1月1日から日本リカーはペンフォールズとパートナーシップを組むことになりました。COVID-19の状況下、自らの存在意義を見出すために、スピード感をもって変革行動をしていくことは大事であり、その行動に繋がるブランドとして相手に選んだのが豪州の名門ペンフォールズです。日本リカーにとって、ルイ・ジャド、パイパー・エドシック&シャルル・エドシックなどのコアブランドとの相乗効果も期待されます。

      オンライン・カンファレンスで『BIN8』を久々にテイスティング

     『The REWARDS of PATIENCE』
     ゲイゴ氏が2006年に来日した時にくださった貴重な記念本!

 オンライン時、現地からメッセージをくださったゲイゴ氏

     日本リカー様経由で、レターも届きました!
     日豪EPAの発令を翌年に控えた2014年に来日していた
ピーター・ゲイゴ


     この時はオーストラリアワインの魅力を伝道していました!


[NEW]追記
Robb Report

が1月22日に、2021年の世界最高のワインと題する記事をアップしていたので追記(25日付)しておきます。
115カ国、19万人以上のワイン専門家と愛好家が参加して、204,675種のワインに対して約300万票を投じました。投票期間の後、それぞれのカテゴリーのトップ100について、マスターオブワインやテイスティングブック専門家等が2度のブラインドテイスティングを行い、結果を出しました。

         画像提供:TWE/日本リカー

ベスト白ワインに選ばれたのは、ペンフォールズのヤッターナ・シャルドネ2018、加えて世界のベストワイナリーにも選ばれていますね。おめでとうございます!
同社のサイトでゲイゴさんが

ヤッターナ シャルドネ2018

について解説していまので、リンクしておきます!

 ワイン・ファースト
  画像提供:TWE/日本リカー

ペンフォールズには赤ワインや白ワイン担当のワインメーカーがいますが、彼らはワインの管理人と呼ばれています。ワインを市場にデビューさせるために厳しいルールが敷かれています。すべてのロットをブラインドテイスティングして、投票で半数以上の点を獲得しないと、特定の銘柄には到達できないというシステムです。それはペンフォールズが確立してきたワインスタイルを忠実に表現していくための徹底したこだわりと言えます。




 画像提供:TWE/日本リカー
 トレジャリー・ワイン・エステーツ(TWE)

のアレックス・ヒルジェネラル・マネージャー
 日本リカーの森裕史社長


 オンライン・カンファレンス中のヒルGMと森社長

 現地からTWEノースアジアビジネスGMのトラヴィス・ブラウン氏が挨拶
「創業177年を迎えたペンフォールズが日本リカーとパートナーシップを組むことになり、プレミアムワインのカテゴリーを構築させていきたい」


 ペンフォールズの沿革 敬称略
 画像提供:TWE/日本リカー

1844年に英国から妻メアリーとともに移住してきた医師クリストファー・ローソン・ペンフォールドが南オーストラリア州アデレードの近郊マギルにヴィンヤードを開園。1931年にグランジの生みの親マックス・シューバートが入社。1951年にグランジ誕生。1959年にはBIN28シラーズのファーストヴィンテージ生産

 画像提供:TWE/日本リカ

1960年にBIN389カベルネ・シラーズ生産。同年グランジの醸造再開。2002年に4代目チーフワインメーカーとしてゲイゴが就任、2013年にはグランジ2008がWAとWSから100ポイント取得。2015年には25回目のワイナリー・オフ・ザ・イヤーに選出され、2019年に創業175周年を迎えました。
ペンフォールズのHPには日本語で沿革&ワイン等に関する詳細な情報が掲載されています。



 ペンフォールズのポートフォリオ
 画像提供:TWE/日本リカー

 資料提供:TWE/日本リカー

ペンフォールズのワインはエントリーレンジから高級ワインまで、一貫したスタイルで、安定性があり、世界中のワイン愛好家から人気を得ています。マックスは初代ワインメーカー マックス・シューバートのオマージュの為にリリースされたワイン、ビン・シリーズは個性あるアイテム。ラグジュアリーやアイコンは収量全体の5%程度の厳選したぶどうを使用、厳格なチェックをしています。




 ワイン愛好家に特にお薦めしたいビン シリーズ
 Batch Identification Numberの頭文字を取ったBIN
 『BIN8』はビン28、ビン128、ビン389の熟成に使用した樽を使い、
 熟成させていることに由来。3つの樽に共通する“”から命名されています。
 味わいスムース、タンニンもソフトで 料理の守備範囲も広く、飲み飽きしないワイン!

 備忘録
 出典:World Wine Catalogue 2000 by Suntory
 ペンフォールズの歴代醸造責任者2代目ドン・ディッター、3代目ジョン・デュヴァル
 初代マックス・シューバート

 
 出典: The Rewards of Patience  
 1951年にリリースされたグランジ、初ヴィンテージのラベルです!
 当時のネーミングは『Grange Hermitage』


IMG_1466.jpg

 ◆製品についての問い合わせ先は日本リカー株式会社 事業部 03-5643-9772
 https://www.nlwine.com/
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月02日

新年はお節とマデイラでマリアージュを堪能!!

  あけましておめでとうございます!
  20歳を迎えたマデイラと!

昨年中は拙ブログにお立ち寄りくださいまして、まことにありがとうございました。
2020年はコロナ禍で前代未聞の事態になり、2021年もしばらくは落ち着かない日々になりそうですが、ワインだけじゃない (Non Solo Vino) 情報発信をして頑張っていきたいと思っています。
引き続き、何卒宜しくお願いいたします!


 守備範囲の広いマデイラ

2018年、マデイラに特化したセミナー

で、スティルワインやスパークリングワインと相性の悪い食材 (塩辛、数の子、納豆巻きetc) にも、堂々と太刀打ちする存在に、感嘆の連続でした。その時から、お節に合わせたいと思っていたので、2021年のお正月は『マルヴァジア コリエイタ2001』で遊んでみました!
主要品種はマルヴァジア100%、コルクを抜いた瞬間から芳醇さが漂ってきます。香りは黒糖、アプリコットやヘーゼルナッツ、胡椒や山椒、木香。口に入れると、甘味、その後から酸味、ロースト風味が広がり、鼻腔にアプリコットを食した時のような香りが残るリッチで凝縮したタイプのマデイラです。
甘口なので、基本的にデザート類と良く合います。


      試して納得!
      黒豆とは甘味が相乗、田作りの苦みはまるく包み込んでくれます。
      貝真砂和え(昆布がブリッジ役)、数の子は全く問題なし
      昆布巻きはヨード感も楽しめます!
      画像にはありませんが、栗きんとんや伊達巻もウェルカム
      今年は、マデイラをもっと身近に感じて頂きたいと思っています!
ラベル:マデイラ お節
posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月18日

日本ワイン&チリワイン× 鮨メニューを最小メンバーで!

 福岡県人会+One/2019年11月29日

福岡出身のメルシャン松尾・藤野両氏&ワイン王国村田編集長、プラスOneは東京生まれの私。今年はコロナ感染拡大で、集合ならず[もうやだ~(悲しい顔)]



そこで村田編集長と相談し、同社から至近距離の場所でミニマムな忘年会。今年の〆はつきぢ神楽寿司の赤酢でリフレッシュできました!

 メンバーは九州組、村田惠子さんと大分県出身の森上久生ソムリエ
  山形県出身のワイン王国大久保絵美さん、それからプラスOne!!

 長崎・五島ワイナリーのスパークリングワインナイアガラ
 前菜は磯つぶ貝、白子焼、新唐墨
 日本ワインに関わるワイン仲間からいただいたナイアガラの泡もの。
 従来のナイアガラとは異なるイメージで、香りは控えめ、酸味は綺麗、塩味の印象も!


 五島ワイナリーの8月23日のツイート
 今年は台風到来間近ということで心配も多かった由


 お造りは、かつお、寒ぶり、平貝
 ライムと一緒に食すとより好感度が増しました!


           大分の安心院葡萄工房のアルバリーニョ
アルバリーニョ.jpg
      大分県にある安心院ワイナリー、森上ソムリエの評価も高いです!
    アルバリーニョはポルトガルの白の主要品種。和柑橘の風味、酸味程よく上品


      きんき塩焼の皮部分のサクサク感と身の部分の柔らかさが好印象


     ビオディナミ農法の導入が早かったコート・デ・バール地区のフルーリー
     ピノ重視のメゾン、BNはピノ・ノワール100%!


 寿司の第1弾は生いくら (下に赤酢のシャリ) 、づけまぐろ、金目鯛炙り
 私はシャンパーニュに合わせていくらを楽しみました。ここで・・・


  森上ソムリエがいくらに合わせて推奨したのがナイアガラ
  これは意外も意外、驚きでした!


          コノスルが誇るピノ、チリ自慢のピノ
     煮物はクエちり蒸し、ポン酢添え
     オシオの酸味とポン酢の酸味の相乗、モミジおろしは必須!
     “休暇”を意味するオシオは時間をかけてゆっくりと味わいたいワイン


  寿司第2弾は大とろ、白海老、うに、かます炙り

神楽寿司の三浦専務に事前にお願いしていたのが、赤酢と絶妙な“炙り”の握り。
今回は日本ワインが主体だったので『シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー シラー2015』を持参。和の清涼感を備えたシラーのスパイス風味、炙りと良く合いました[わーい(嬉しい顔)]


   昨年の12月もシラー
  帰宅後、1年前のワイン王国の忘年会のツイートをチェックしてびっくり!
  様々な種類のお料理とワインが登場し、私は椀子と鴨居寺のシラーの利き比べを満喫。
  1年経過した12月の同時期に、なんと椀子シラーを選んでいた不思議[exclamation×2]
  ちなみに、昨年ドイツのシュペートブルグンダーを薦めてくれたのは森上さん!


       神楽寿司のガリともナイスな相性


                  ☆☆☆
    築地も、他の繁華街同様、時間規制下で、例年のような元気がありません。
 コロナの影響を受けることなく、いつものように健康なエリアに戻ることを願いつつ!!
posted by fumiko at 23:32| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月13日

ボジョレー・ヌーヴォー2020&lt;続編&gt; デュブッフ、モメサン、ドルーアン・・・お薦めメニュー


11月18日深夜、サントリーワインインターナショナル主催で開催されたボジョレー・ヌーヴォーのカウントダウン

で、アドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長が紹介してくれたのがボジョレー・ヌーヴォー(ガメ100%)とオレンジ・ヌーヴォー(グルナッシュ・ブランとシャルドネ)でした。


コロナ禍の厳しい状況下で、ボジョレー地区初のオレンジワインをリリースさせたアドリアンさん。年初に偉大な祖父を失っただけに、彼にとっては感無量だったと思います。解禁イベント時、岩田渉ソムリエはオレンジ・ヌーヴォーのマリアージュについて、「生姜焼きに合わせると、ジンジャーのスパイシーさとワインのほのかなスパイシーな香り、アールグレーのような華やかな香りが一体となって調和します」とコメントしていたので、12月上旬、岩田さんの意見に従い、豚肉と牛肉の2種の生姜焼きを作って合わせてみました。生姜焼きに焦げ目があると香ばしさが増すので、一層オレンジワインの味わいに相乗しました。生姜汁への漬け込み時間が若干長かった牛肉のほうが、相性的に良かったです。

 アドリアンさんの大好物がまい泉のとんかつ!
 ひとくちカツは皮のサックリ感と肉質の柔らかさがとてもイイ感じでした。
 定番のボジョレー・ヌーヴォーとはお薦めの相性です!


アドリアンさんにマリアージュの報告をメールしたところ、迅速なお返事が届きました。
解禁日にもおっしゃっていましたが、「ヌーヴォーを無事日本に届けることができて本当に良かった」と。「東京で、祖父の功績を祝いつつ、皆さんと一緒にグラスを掲げたかった」との記述も!
新酒解禁時のフランスは外出禁止令が出ていたので、アドリアンさんはお家でヌーヴォーを開栓したようですが、「ひとりで解禁するのは奇妙でした」との心情を語っていました。
来年は、例年通り、リアルタイムでカウントダウンできることを願っています!!!


  ナパの知恵とフランス産新酒が融合

(左から)ナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)の小枝絵麻駐日代表、NVV公認アンバサダーの青木&近藤さをりさん、若下静NVVマネージングディレクター、料理研究家の吉田千秋さん


  [NEW]Napa Valley Charity Recipe Book
 
小枝さんと若下さんが関わったレシピブックが11月末に完成しました。
今夏、ナパヴァレーを襲った大規模な火災の救済支援のために作った冊子で、1,000円以上の寄付をしてくださった方に贈呈しています。オリジナルレシピから混ぜるだけの簡単レシピまで豊富な内容で、マリアージュの幅が広がります。
ワインラバー&ナパワインラバーの皆さまからのリアクションをお待ちしています!
詳細につきましてはコチラ

をご覧ください。

 食欲をそそる画像、レシピは日本語と英語併記


  パーティールームを借り切ってマリアージュ探求
IMG_8973.JPG
 画像協力:M. Goto

フード&ワインスペシャリストの小枝さんをリーダーにしたメンバーが、ワインと料理の相性をチェック。お料理担当は小枝さんとアシスタントの吉田さん。日頃はナパワインを飲むことが多い小枝さんと若下さんに、フランス産の新酒を体感して頂きました。

    フォトボックスも活用
    画像協力:M. Goto 
    小枝さんが用意してくれたのがフォトボックス
    物撮りがきれいに仕上がり、ホント感謝です!


 ジョルジュ・デュブッフのオレンジ・ヌーヴォー
Chinese cuisine.jpg
 ほうれん草xo 醤炒、銀杏入りを合せて。
 中盤以降グリワイン似の軽いビター感が銀杏の味わいと好ハーモニー


    帝王へのオマージュワイン『ラ・ロズレー』

故デュブッフさんへの功績に感謝を込めて生産した2020年日本限定発売のボジョレー・ヌーヴォーで、ワイン名は“バラ園”、ぶどうは自社畑100%。
赤系果実の凝縮感、ハーブのニュアンスやスパイシーな要素があり、青椒肉絲に使った黒コショウやシナモンとのバランス良好。口中の脂分を奇麗に洗い流してくれるタンニン効果もあり、美味しいマリアージュになりました。


     秀逸なヴィラージュクラスの2アイテム
IMG_0232.jpg
    ボジョレー、ボジョレは輸入元各社に合わせて表記
    (左から)ボジョレー・ヌーヴォー ラ・ロズレー2020
    モメサン ボジョレヴィラージュ・ヌーヴォー“ヴァンダンジュ”2020
    ジョセフ・ドルーアン ボジョレヴィラージュ・ヌーヴォー2020




輸入元オエノン

扱いのモメサン。毎年、ラベルに収穫日、生産本数、ナンバリングを記載しているヴァンダンジュは同社が誇るプレミアム・ヌーヴォー。私は解禁パーティーで毎年チェックしていますが、今年は特に果実味、酸味、渋味の各要素がきれいに出ていて、それらがバランス良く口中に広がり、余韻も長く好印象。


 解禁日直前に開催される品評会『ル・トロフェ・リヨン・ボジョレ・ヌーヴォー』
 出品された357アイテムのなかから最高賞に選ばれた18点のなかの1本です。
 おめでとうございます!



輸入元三国ワイン

扱いのジョセフ・ドルーアン。丁寧な造りでエレガント、フェミニンなスタイル。メンバーの多くが「ボジョレ・ヌーヴォーのイメージが変わった」とコメント。いつも感じるのは包容力、守備範囲の広さです。マヨネーズであえた数の子やナンプラーのような癖のある食材にも太刀打ちする優れものです!



収穫したての新酒は若々しい紫色をしているので赤キャベツを使い、色で合わせた一皿
(右)グリル菜の花と赤キャベツのアーモンド醤油和え
(左)ビーツとブルーベリーの白和え


 3種のスパイスを豚に合わせて

(左から)
ナッツ、クミン、コリアンダー、ココナッツ等をブレンドした中東のスパイス“デュッカ”
小枝オリジナルのレッドワインスパイスミックス、ライトなワインに合う調味料
ドライトマトと黒にんにくのスパイスはフルボディーの赤ワインに合う調味料


  小枝風 “赤まぐろのたたきクルミコーティング” 
 いずれのヌーヴォーにも寄り添ってくれた逸品、ボジョレーと赤マグロの相性に脱帽

<材料/手順>
赤まぐろ刺身用サク 200g
オイスターソース 60g
にんにくすりおろし 2g
くるみ 50g
オレガノ乾燥 1/2tsp
シナモンパウダー 1/4tsp
ごま油 適量
・・・・・・・・・・・・
1.小さめのボールにオイスターソース、にんにくのすりおろしを合わせ、マグロを10分マリネする
2.フードプロセッサーでくるみ、オレガノ、シナモンを細かくする
3.マグロを2のくるみミックスで全体をコーティング
4.フライパンにごま油を170度に温めて、マグロを加え全体がきつね色になるまで揚げる


 クリスマス[クリスマス]やお正月に、ワインラバーの皆さまにお試し頂ければ本望です[exclamation×2]


あとがき
2000年代初頭、ソムリエ協会の理事だった頃の出来事です。
フランスの某チョコレートメーカーの重鎮が来日し、セミナーを開催しました。セミナー後、「若い赤ワインとチョコレートの相性についてどう思いますか?」と質問したところ、相手はニガ笑いしながら、「フランス人に無理やり梅干しを食べさせるのと同じような感じです」と答えました。相性的に許せないとの意味だった訳ですが、私は若いワインとチョコレートに共通する“ポリフェノール効果”が好きなので面白い組み合わせだと思っていました。その後(2003年)、“料理とワインの相性”セミナーの講師だった渡辺正澄先生に、その時の話をしました。先生は、ポリフェノールに関する私の考えは間違っていないこと、欧州人よりアジア人のほうが味蕾数が多いので、日本人のほうが味覚が鋭いことをご指摘くださり、私は笑顔になれました。

私は、レシピのなかにあるワインとチョコの組み合わせと『Enjoy Napa Valley Wines with Dandelion Chocolate(右の画像)』と題するリーフレットにある相性表に、こころから賛同できます。ここで、さらに・・・梅干しにも言及 (笑)


左の画像は梅干しとワインのマリアージュ!
その昔、六本木『小田島』に伺った時、ムッシュがブルゴーニュのドメーヌ・シャンソンのワイン(シャルドネでもピノでもok)に添えて出してくださったのが、丸ごとの和歌山県産はちみつ南高梅。双方の酸の相性が絶妙でした。ワインと梅干しの組み合わせも好きです。
小枝さんのレシピは “ブリーとはちみつ梅紫蘇のカナッぺ”で、これは、ワイン&梅干し好きさんにお薦めしたいと思います!

  ボージョレ・ヌーヴォー × あまおうのチョコ
 ベリー系の香りをまとったヌーヴォーにはあまおうのチョコ
 ここではアルベール・ビショーをヌーヴォーを合せてみました。
 季節限定品として多くのメーカーがあまおうのチョコをリリースしているので是非!
 口中で渾然一体感が楽しめますよ。
posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月20日

ジョルジュ デュブッフ “ボジョレーヌーヴォー2020” カウントダウン&新酒解禁

  11月第3木曜日はフランス産新酒“ボジョレーヌーヴォー”の解禁日
  画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

  10月18日の23時30分からカウントダウンイベント
  例年はリアル開催なのですが、今年はコロナ禍ゆえ、オンラインで行いました!

 ジョルジュ・デュブッフ&サントリーワインインターナショナル

が提唱するボジョパ

 
画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

東京の会場 (無観客) にはSWIの宮下敏社長とサントリーワインのブランドアンバサダーの岩田渉ソムリエ。仏ボジョレーのアドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長と事前に選ばれたワイン愛好家の皆さんはオンライン形式で参加しました!
時差が8時間あるため、アドリアンさんはワインを開栓できないので、ボトルを持ち上げての乾杯になりました[わーい(嬉しい顔)]

 カウントダウンの前に・・・
 0時までグラスは空の状態(笑)

宮下社長は、「社会的距離を確保しながらの栽培やワインの運搬方法等、様々な懸念事項がありましたが、ひとつずつ課題を克服して今日に至りました。コロナ渦中で大変な年になりましたが、過酷な状況下でもぶどう樹は順調に生育し、素晴らしいワインができました。ヌーヴォーはその年々の特徴を反映させたワインです。2020年らしい楽しみ方をしていただければと思います」と語りました。

 2020年の出来は

「7月は降水量が例年より少なく乾燥し、8月は40度に達するほどの暑い日が続きました。その結果、小ぶりで果皮が濃く、熟度の高い良質のぶどうができました。収穫は8月20日からスタートしましたが、これは2003年以来の早い収穫でした。ブラックチェリーのような完熟した黒い果実の香りにあふれ、芳醇な味わいが心地良い余韻とともに口中に広がります」とアドリアンさん。

栽培や醸造面では、フランス政府の要請で新しいルールを導入しながら行った由。毎年シェアして使いまわしていた道具は、今年はシェアをせず、事務所でも距離を保ち、アルコール消毒剤は随所に設置。マスクの着用も必須。ただ、日本人のようにマスクには慣れていないので、スタッフには徐々に浸透させていったとのこと。現在フランスはロックダウン中で、大人数での集まりは禁止されているため、アドリアンさんは「家族、仲間、同僚と何回かに分けてワインを楽しみたい」と語っていました。

丹精込めて造ったボジョレー ヌーヴォーを無事日本に届けることができて本当に安堵しているご様子でした。祖父から「同じボジョレー ヌーヴォーは二度とない!」と言われ続けてきたなかで、2020年は特にその言葉の意味を強く感じる年になったようです。

 2020年1月に他界したボジョレーの帝王
  画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

 懐かしい笑顔です!
 私は2010年から連続して、SWI主催のカウントダウンに参加させていただきました。
 毎回デュブッフさんとの再会はとても楽しみでした。
 長時間のフライトが困難になり、2年前からはアドリアンさんだけが来日していました。
 カウントダウンを楽しみになさっていたデュブッフさんとの10年間


 ブログにまとめていますので、ご覧いただけると嬉しいです。


             “バラ園”という名のワイン
      偉大な功績を称えるためのオマージュワイン
      2020年のみ日本限定発売
      ボジョレーヌーヴォー2020 ラ・ロズレー
      自社畑の周りに植えられたバラにちなんで命名されました。



             『オレンジ ヌーヴォー』登場
       白ぶどうを赤ワインのように仕込んだワイン
      果実のオレンジから造ったワインではありませ~ん。


 画像提供:サントリーワインインターナショナル(株)/SWI

私は、カウントダウンイベントの前に、アドリアンさんに、「世界的なパンデミックで、ワイン市場が2019年の状態に戻るのは2024年(英国のIWSRの調査)と言われています。スティルワインも前比15%くらいダウンしていているなか、来年以降、メゾンとして、新たな取り込み等、具体的な方策を打ち出していますか?」との質問をさせていただきました。

SWIの担当長門さん経由で19日にお返事が届きました。

アドリアン:今年はお会いできず残念です。ご質問のとおり、ワインビジネスはレストランやバーでの売上が多いため世界的に影響を受けています。また人も会うことができなくなっていることも大きな要因ですし、ワインは人と人をつなげるお酒で、家に一人でいると開ける気分にもならないかと思います。ワインビジネスが通常の状態に戻るのは2024年かは分かりませんが、私としてはそれより早い時期であることを期待しています。

そのような中で、我々が最初にすべきことはぶどうの生産者を守ること。ぶどうの価値を理解し、正しい対価を払い、生活を支え、生産者と共によいワインを造り続けることです。そして弊社の従業員そして各パートナー、例えば日本であればサントリーと共に、手を取り合ってワインビジネスを維持し、発展させていきたいと考えています。

オレンジワインの発売は環境が厳しい中で成遂げたひとつの事例になるかと思います。そして弊社は今後ボジョレー地区のリーダーとしてこの厳しい環境下でもボジョレーワインを発展させていきたいと考えています。

                 ☆☆☆
祖父デュブッフさんのモットーは “イノベーションとチャレンジ”でした。
それをアドリアンさんなりに表現したのがオレンジ ヌーヴォーであり、このワインに祖父の思いが継承されていると感じているようです。
私は、12月初旬に『ラ・ロズレー』と『オレンジ ヌーヴォー』に合うマリアージュ探求をする予定なので、お役に立つリポートがお届けできたら、と思っています。


  岩田ソムリエのコメント
 
カウントダウンイベントでヌーヴォーをテイスティングした岩田ソムリエ
コメントは以下のような感じでした。参考にしていただけましたら幸いです。

ボジョレー ヌーヴォー2020
太陽を感じる温かな味わいがヴィンテージの中に表われています。ブラックベリーやブラックチェリー、黒スグリの香り、甘いスパイス、ラベンダーの華やかなキャラクターがあり、味わいにはもぎたての肉厚なフルーツをかじっているようなジューシーさがあります。新酒ならではのフレッシュな酸味が心地良く広がります。

オレンジ ヌーヴォ―2020
色調はアンバーがかったきれいなオレンジ、香りはビターオレンジやアプリコット、ネクタリンのような黄色やオレンジ色のフルーツに、少しアールグレー似の茶葉のニュアンスも加わり、フレッシュさとともに複雑味も感じます。味わいにはヌーヴォーらしい爽やかな酸味、白桃やネクタリン、果皮や種からくるほのかな苦みもあるので、奥行きや深みが増幅します。ヌーヴォーのカテゴリーの中では飲んでいて充実感や満足感にあふれるようなタイプです。

料理とのマリアージュ
“豚肉”を使ったメニューで、ボジョレー ヌーヴォーには前菜ならサラミ、メインならローストやグリル。とんかつ(ソース)や角煮等の和食にも合います。オレンジ ヌーヴォーには色を意識して、生姜焼きに合わせると、ジンジャーのスパイシーさとワインのほのかなスパイシーな香り、アールグレーのような華やかな香りが一体となって調和します。

                ☆☆☆
コロナ禍で世界中が大混乱していても、自然はコロナに動じることなく、素晴らしい出来のぶどう実をつけました。日本では昔から、初物は縁起がよく、食すと寿命が延びると言われてきました。収穫したてのぶどうから造った新酒は、“旬”の味覚です。
宮下社長のご挨拶にもありましたが、2020年らしい新酒の楽しみ方をして、ワインラバーの皆さまには大いに若返っていただきたいです!
posted by fumiko at 23:32| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月16日

サントリー登美の丘ワイナリーつくり手による新酒トークライブ で 旬を満喫!!


山梨県ワイン酒造組合では、県産の「甲州」と「マスカット・ベーリーA」で造られた新酒ワインの解禁日を毎年11月3日にしています。
サントリーワインインターナショナル(株)は、3日に日本ワインの「ジャパンプレミアム」シリーズの中から、『ジャパンプレミアム甲州新酒2020』と『同マスカット・ベーリーAロゼ新酒2020』を発売しました。例年であれば、ワイナリーで新酒イベントが行われるのですが、今年はCOVID-19により、ワイナリー自体が閉鎖中なので、14日(土曜日)に富士山がきれいに見える『登美の丘ワイナリー』のテラスからオンラインイベントで新酒情報を配信しました!

 MCは大山弘平栽培技師長

一番好きなぶどう品種はマスカット・ベーリーA(MBA)だそうです。MBAの生みの親川上善兵衛さんが興した新潟の岩の原葡萄園で勤務なさっていたこともあるとのこと、納得です!

3人.jpg
 お三方の後方に・・・富士山が見えます!
 大山さん(左)、新酒担当の遠藤さん(中央)、醸造担当の吉野さん(右)

ワイン愛好家向けのオンラインイベントでしたが、同社広報がご連絡くださったので、私も参加させていただきました。


 数量限定新発売の甲州とMBAのロゼ

清涼感のある甲州、超フレッシュで柑橘系の切れ味の良い酸味が口中に広がります。
第一香は「白桃」でした。ライブで、大山さんが、お薦めのマリアージュとして「桃缶の桃」を出していました。そうなんです、今年のジャパンプレミアム甲州からは桃のニュアンスを感じました。

私はすし富のお寿司でマリアージュ探求してみました。特に印象に残ったのは鳥貝と鯵、鯵は生姜がブリッジ食材になってくれました。
ロゼはいくらの醤油漬けがイイ感じ、合わせた後、口中に海苔のヨード感も広がって!

 山梨県産のマスカット・ベーリーA100%のロゼ
 遠藤さんのお薦めはオムライス、トマトケチャップと相性が良いそうです!
 色調は濃いサーモンピンク、豊かなベリー系果実の香りで、程よい酸味があり、 
 ほのかな甘口ですが、べたつき感がないので、味わいは心地よく、とてもチャーミング
 料理と合せても、守備範囲が広そうです!



 大山さんは甲州に「桃」を薦めていたので、私もロゼに合うフルーツを考えてみました。


 柿の天婦羅×ロゼで第3の味
 ロゼとのマリアージュでひらめいたのが秋の味覚 “柿”
 これは色で合わせるマリアージュにもなります。
 柿をそのまま食すのではなく、衣をつけて揚げると・・・
 思わずニッコリの相性、口中で第3の味覚が生まれました!

 柿を短冊切りして、お好み焼きの粉を使って、天婦羅にして、お塩で食すと、
 最初はゆり根と似たような食感で、中盤から治郎柿の甘さがじ~んわり、衣の甘さも◎

 ロゼ単独で味わった時に感じた甘味や酸味は、天婦羅と合せることで、甘さが消えます。
 隠れていたタンニンの存在も感じることができました。
 チャーミングだった子が、しばらく見ない間に、大人びた印象になっていた
 そんな感じです!

 ジャパンプレミアム新酒についてはコチラ

を!

遠藤さんが「最高のでき!」と自賛していた通り、2020年の新酒は本当に良い出来です。
新酒はリリースされた時が飲み頃、今が“旬”なので、出来たてを楽しんでください!!


 [NEW]11月21日(土曜)14時~15時に第2弾のワイン愛好家向けオンラインイベント
   所長が語る登美の丘ワイナリー

を実施します!
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月08日

単発講座報告: オレゴン&ワシントンワインラバーにお薦めしたい7アイテム

 7月に無事開催できた講座報告
 昨年の7月24日~8月2日まではオレゴン&ワシントンの取材でした。
 1年ぶりに、両州の魅力的なワインについてお話する機会を得て、嬉しく思っています!


オレゴン&ワシントンに関する記事はカテゴリーワシントン/オレゴンワイン

にまとめてありますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。ちなみに、今回は7月22日と25日に行った単発講座の総括です。長文になりますが、お付き合い、宜しくお願いします!

ソネ・ブロ仲間のHakoさん

も講座に参加してくださり、早々にブログをアップしてくださいました。いつもながらの迫力あるボトル画像、必見です! ワイン仲間のKodaさん

も丁寧なリポートを書いてくださいました、Thanks!!



 ストーリー性のあるワインたち 
 両州には素晴らしいワインが多いので、7アイテムに絞るのは本当に大変でした。 
 それだけに、今回ご紹介するワインは自信を持ってお薦めできます。

  試飲は左から右の順/photo by Hako


  品種に合わせたグラスを使用
 
 参加者の皆様にはリーデル・ヴェリタス

のオークド・シャルドネ(右)
 同ニューワールド ピノ・ノワール(左)をお持ち帰りいただきました。

 他の5グラスは2018年10月にデビューしたパフォーマンスシリーズ

を使用
 右から2番目&3番目リースリング、4番目カベルネ/メルロ、5番目シラー
 そして、6番目がピノ・ノワール


 ボトルとグラスの組み合わせはこのようになります。



  白ワインは3アイテム

パフォーマンスシリーズは初体験でした。
#1#2にはリースリンググラスを使用しましたが、グラス内部の表面積を拡大させるためにボウル部分の内側に波打つラインが施されています。この効果で香りや味わいをより幅広くキャッチできました。
#3のヴェリタス オークド・シャルドネグラスは、発酵や熟成に樽を使ったシャルドネに最適。シャンパンなら樽使いのメゾンのアイテムやブラン・ド・ブランのミレジメ(ヴィンテージは古いほど良いと思います)にご活用いただけます。


#1:ジ・アイリー・ヴィンヤーズ ピノ・グリ2017
輸入元:ヴィレッジ・セラーズ/小売価格(税別):3,850円/生産量:3,500ケース
ジ・アイリー・ヴィンヤーズは“パパ・ピノ”と呼ばれていた故デヴィッド・レットが設立したワイナリー。1965年にオレゴン州ウィラメット・ヴァレーのダンディ・ヒルズにピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネを植樹。#1はピノ同様、ジ・アイリーのフラッグシップワイン。4つの自社畑のぶどうを使用。ステンレスタンクで自然発酵、タンクで11ヶ月シュル・リーで熟成。エスニックフルーツやパッションフルーツ、白い花(クチナシ)などのアロマ豊かで、中盤からビターな食感。ぶどうの熟度を感じさせるふくらみのある長い余韻


  庄司大輔リーデルブランドアンバサダーのパフォーマンス!
 「グラスの内側にワインの膜を広げることで、より香りが引き出せます」と庄司さん

#2:エロイカ リースリング2018
輸入元:ファインズ/小売価格(税別):4,080円
ワシントン州最大のワイナリー、世界の名醸造家とのコラボの先駆者。ドイツの『ドクター・ローゼン』と組んでリリースした『エロイカ』は同州のみならず、世界から高評価を受けています。色調はグリーンを含んだ淡いイエロー、柑橘系果実、上品な酸味、ミネラル、ほのかな残糖、心地良い余韻。パフォーマンスのリースリンググラスを使うと、音響の良いスピーカーで音楽を聴くのと同様、エロイカの持つ様々な要素が増幅する印象

#3:ウッドワード・キャニオン シャルドネ2018
輸入元:オルカインターナショナル/小売価格(税別):5,900円/生産量:807ケース
ワシントン州ワラ・ワラ・ヴァレーに商業ワイナリーとして2番目に設立されたワイナリー。ワールドクラスのファインワイン。全房プレスでフレンチ・オーク(新樽率20%)で発酵、澱引きもバトナ―ジュもしないで5~6ヶ月間熟成。輝きのあるゴールド、洋梨や黄桃、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、ミネラル、樽由来のロースト香、旨味、豊潤で厚味のある余韻


  秀逸なオレゴンのピノ・ノワール
  
#4:ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン PN ロレーヌ2016
ヴェリタス ニューワールド ピノ・ノワールグラス
輸入元:三国ワイン/小売価格(税別):7,700円/生産量:2,000ケース
ドルーアンのフラッグシップワイン、醸造責任者はドルーアン家の長女ヴェロニクで、彼女の長女の名を冠したワイン。天然酵母、ステンレスタンクで15~16日発酵、熟成はフレンチオーク(新樽率20%以下)、瓶詰後、約20ヶ月熟成。色調は下の文字が読める明るいルビー、アメリカンチェリー、ピンクペッパー、ヴァニラ、口中滑らか、ソフトなタンニン、心地良い味わい。22日&25日とも、女性の参加者からの支持大

1979年に仏ゴーミヨ誌が主催した品評会で3位に入賞し、オレゴンのピノの存在を世界に知らしめたジ・アイリー・ヴィンヤーズの快挙に驚きつつ、審査の結果に納得できなかったドメーヌ・ドルーアンの3代目ロベール・ドルーアンは翌年再度品評会を実施。その結果、1位がドルーアン、2位がジ・アイリーとなり、そこから両者の交流が始まり、オレゴンに可能性を見出したドルーアンは1987年にウィラメット・ヴァレーのダンディ・ヒルズにワイナリーを設立。ブルゴーニュの名門ドルーアンのオレゴン進出は暗中模索状態だったオレゴンの生産者たちに大きな勇気を与えました。


#5:クリストム・ヴィンヤーズ PNアイリーン・ヴィンヤード2017/2016
パフォーマンス ピノ・ノワールグラス
輸入元:中川ワイン/小売価格(税別):9,500円
25日はヴィンテージ違いの2016を供出 
設立は1992年、アイリーンの畑は創業者ポール・ゲリーの妻の名を冠した6㌶の自社畑。標高は210㍍、コロンビア・ヴァレー玄武岩から成る2種の土壌(ウィッツェル、ジョリー)から生まれるぶどうは、夜間に吹き込む冷涼な風の影響を受け、力強いアロマと十分な酸が特徴、ポテンシャルあり

22日に試飲した2017年は48%全房発酵、天然酵母のみ使用、1~7トンの開放発酵タンクで発酵、フレンチオーク(新樽率67%)で18ヶ月熟成。色調は深みを帯びたルビー、赤系・黒系果実の要素はありつつも、第一香はそれではなく、甘草、ハーブ、ミネラル、土のニュアンス。グラス効果で、奥行きのある酸味、余韻の広がりを堪能。

25日に試飲した2016年は50%全房発酵、天然酵母のみ使用、1~7トンの開放発酵タンクで発酵、フレンチオーク(新樽率68%)で18ヶ月熟成。色調は深みを帯びたルビー、果実味と酸味と上質なタンニンのバランス、複雑で重厚感あり。クリストムは男性の参加者からの支持大



 果実味豊かで深く包み込んでくれる印象のドルーアン(右)
 ミネラル、スパイス、複雑味、様々な要素が層を成して広がるクリストム(左)


 ウィラメット・ヴァレーの代表的な土壌
 ジョリーソイルは粘土を多く含む保水性のある赤茶色の土壌@ドルーアン


      クリストムのアイリーン・ヴィンヤード
     エオラ・アミティ・ヒルズの一部に分布しているウィッツェルソイル  
    コロンビア・ヴァレー玄武岩が乾燥した黒い土壌、エネルギー溢れる台地


 参加者を虜にしたワシントン州のシラー
 photo by Hako/Hakoさんが花丸をつけていた3アイテム
 今までシラーを敬遠してきた方たちを洗脳できた感あり\(^-^)/


     ボルドーブレンドの『ファーガソン』

#6: ケイ・ヴィントナーズ ザ・ディール・シラー2016
パフォーマンス シラーグラス     
輸入元:オルカインターナショナル/小売価格(税別):6,000円
カリフォルニアからワラ・ワラに転居したオーナーのチャールズ・スミスはワイン業界に参入する前は、11年間ロックンロールバンドのマネージャーとして活動。ワインはチャールズ・スミスとケイ・ヴィントナーズの2ラベルを生産。このワインは天然酵母で全房発酵、シラー100%、49日間スキンコンタクト、フレンチオークのパンチョン(新樽率35%)で20ヶ月シュル・リー熟成。グラスの底が見えない濃い色調、黒系果実主体、香りに甘やかさと土っぽさ、ロースト風味、黒系スパイス。パフォーマンスのシラーグラスとの相性が良かったようで、中盤からの酸、香りや味わいも層になって広がる印象。参加者に刺激を与えることができたシラー

#7: レコールNo.41 エステート・ファーガソン2016
パフォーマンス カベルネ/メルロ グラス      
輸入元:オルカインターナショナル 小売価格(税別):9,700円/1,320ケース
ワラ・ワラ・ヴァレーの古い校舎をワイナリーに改装し、3番目の商業ワイナリーとしてデビューした『レコール』、オーナーのマーティ・クラブはワシントン州のプレミアムワインのけん引役。2014年に『デキャンター・ワールド・ワイン・アワード』で『エステート・ファーガソン2011』がインターナショナルトロフィーを獲得。ワシントン州を代表するボルドースタイルのワイン
手摘み収穫、1.5トンと5トンのステンレスタンクで発酵、フレンチオーク(新樽率50%)で22ヶ月間熟成、ぶどう品種はCS62%、ME26%、CF6%、Malbec6%のブレンド。色調は濃いガーネット、黒系果実、甘草、タバコ、黒鉛、黒オリーブ、ミネラル、コーヒー、木目細かなタンニン、旨味と重厚さ

  巨大な玄武岩の塊
 『レコール』のファーガソンのぶどう畑
 2千万年前の火山爆発で流出した溶岩が冷え固まってできた玄武岩土壌
 マグネシウムや鉄分が顕著で、ワインには独特の複雑味!


 皆さまに感謝を込めて
 22日ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!

 25日オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会トッド・スティーブンズ日本代表も!
 ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
 リーデルの庄司大輔ブランドアンバサダーにも重ねて御礼申し上げます!


 リーデルの最新グラスはピラミッド型の『ワインウイングス』
 ディスプレイの紫色が鮮烈なイメージです!
 リーデル青山本店

は青山一丁目駅から直結しているので、とても便利。
 ワインラバーの皆さまのお立ち寄りをお待ちしております!
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月23日

オレゴン・ワシントンワイン単発講座、まずはプロローグ!



 4月に開催する予定だった『オレゴン・ワシントンワイン単発講座』
 3ヶ月待って・・・22日に、第1回を無事終了することができました!
 ワインラバーの皆さまとの久々の再会、とっても嬉しく思いました[わーい(嬉しい顔)]


オレゴン・ワシントンワイン単発講座 第1回(22日).jpg
 7種類のワインに合せてグラスを使いわけました!


オレゴン・ワシントンワイン単発講座 7月22日実施.jpg
 
 会場はNHK文化センター青山校と同じビル内にあるリーデル青山本店
 赤と黒で統一されたスタイリッシュな空間、素敵です。
 今講座は2日間の日程にしたので、1テーブル1名着席、ソーシャルディスタンス完璧
 換気、消毒等、リーデル様のご配慮に御礼申し上げます!


 興味深かったオレゴンのピノ比較


 左側のグラスはジョリーソイルのピノ

 右側のグラスはウィッツェルソイルのピノ


コラボ相手 リーデル・ジャパンのブランド・アンバサダー庄司大輔氏から・・・
「皆さんの雰囲気がガラッと変わったのは、ピノ・ノワールの比較試飲からで、それを感じ取った青木さんのギアが入った印象もありました。最後までストーリー性と新たな発見のあるワインセレクトと現地訪問を交えた話に、皆さん、満足なさっていましたね」とのお言葉

  ありがとうございます!
  25日も完璧な着地にしたいです。
  参加してくださった皆さまからのリポートも楽しみにしています。

  今日はひとまず、プロローグということで、ザックリと。
  引き続き、宜しく、お願いいたします。
posted by fumiko at 23:32| Comment(2) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月17日

お待たせしました! 7月開催 ワインで巡る世界ツアー オレゴン&ワシントンワイン単発講座!

[イベント]ワインで巡る世界ツアー ~オレゴン&ワシントンワイン~
4月に予定していたNHK文化センター青山校での単発講座はコロナウイルス禍の余波で「延期」になっていましたが、今回、会場を同じビル内にあるリーデル・ジャパン青山本店に変更して行うことになりました。三密を避けるために、開催日を2日設定して、2回体制にいたします。


オレゴン・ワシントンワインファンの皆さま
3ヶ月間お待たせしてしまい、大変申し訳なく思っております。何卒ご容赦くださいませ。コラボレーションの相方であるリーデル・ジャパンのブランド・アンバサダー庄司大輔氏共々、気合を入れて頑張りますので、何卒宜しくお願いいたします。ご期待くださいませ!

オレゴンの認識を一変させたデイヴィッド・レットが興したジ・アイリー・ヴィンヤーズ 2019年7月撮影


【内容について】
講座の前半は、オレゴン&ワシントン州の概要、歴史、テロワール等について解説。昨年7月に現地を取材し、今年2月に東京で開催された世界初『オレゴン&ワシントン育成プログラム <レベルⅠ>』での認定試験もクリアした青木冨美子が、最新の情報を交えつつ進めてまいります。
後半は白ワイン3アイテム、赤ワイン4アイテムを利き比べます。
テイスティングでは皆さまを庄司大輔ワールドに誘わせていただきます。供出する6品種(リースリング、PG、CH、PN、CS、Sy) 、7種のワインに合うグラスを使いながら、“Non Solo Vino/ワインだけじゃない”世界をご堪能いただきます。
当日使用する<リーデル・ヴェリタス>ピノ・ノワール/シャルドネの2脚に関しては、記念にお持ち帰りいただきますので、ご家庭でご愛用いただけましたら幸いです。
余談ですが、ヴェリタスシリーズは私のお気に入りです!!


【オレゴン・ワシントンワイン単発講座】
日時:7月22日(水) 19時10分~21時10分
日時:7月25日(土) 15時~17時 
参加者: 22日11名 / 25日12名
25日にはトッド・スティーブンズ オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本代表も参加してくださいます。質問もお受けします!!
会場:リーデル・ジャパン青山本店
https://www.riedel.co.jp/shop/aoyama/
参加費(税抜) :14,800円/当日徴収
セミナー料:10,250円(グラス2脚含)、教材費:4,550円(7アイテム)

[ダイヤ]講師全員、マスク&フェースシールド着用で細心の配慮に努めます。
[ダイヤ]ワインのサービスは庄司ブランド・アンバサダーのみが行います。
[ダイヤ]皆さまにはマスク着用をお願いすることになりますが、宜しくお願いいたします。

        クリストム・ヴィンヤーズの玄武岩土壌 2019年7月撮影

      [メール]参加予定の皆さま、2日程の選択を宜しくお願いいたします!!
posted by fumiko at 21:22| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月10日

VINEXPOヴィネクスポの今後の開催予定とヴィネクスポ・パリでの情報を交えて

 VINEXPO 今後の開催予定
 4月末に届いたVINEXPO からのお知らせ
 COVID-19の影響で、開催日時に変更が出ていましたが、以下は現時点での最新情報

 ◆ Shanghai from 21 to 23 October 2020/上海 2020年10月21~23日
 ◆ Paris from 15 to 17 February 2021/パリ 2021年2月15~17日
 ◆ Hong Kong from 23 to 25 February 2021/香港 2021年2月23~25日
 ◆ New York early March 2021/NY 2021年3月初旬 
 ◆ Bordeaux in June 2021/ボルドー 2021年6月
 ◆ Shanghai in October 2021/上海 2021年10月

 日本は2016年11月にVINEXPO TOKYOを開催して以降、完全に蚊帳の外[がく~(落胆した顔)]


 
 2月のヴィネクスポ・パリでのロゼ情報
  (C)The IWSR & Wine Intelligence
 調査対象はそれぞれの国で過去12か月間にロゼワインを飲んだ993人のワインドリンカー

昨年訪問したUSワシントン州やオレゴン州でもロゼは人気で、生産者たちの多くが「動きはとても良い」と語っていました。オレゴン州『イーラス』のワインメーカー、ゲーリー・ホーナーさんは「3年前に3,000ケースからスタートしたのですが、今年(2019年)は3万2,000ケースを早々に完売しました。国内消費が主体で、フロリダやテキサスが快調です。来年(2020年)はさらに伸びると思います」とおっしゃっていましたが、多くのコロナ感染者が出ているUSなので、ワイン全体の動きが気になります。

 (C)The IWSR & Wine Intelligence
 USを例にしてロゼの動向を見ると、顕著なのが若い女性層ですね。

img20200211_12414003.JPG
  (C)The IWSR & Wine Intelligence

今は赤ワインが消費を支配していますが、徐々に白やロゼに浸食されているので、赤のシェアは2023年迄に53%を下回ると予測されています。
予想通りになるか・・・興味津々!


 女性受けしそうなロゼをご紹介
 天使が微笑むシャトー・デクスランの『ウィスパリング・ロゼ2018』

              発酵食品との相性

石川県出身の仲間と試した相性チェックで全員が笑顔になったマリアージュ!
『かぶら寿し』は、塩漬けしたかぶに、塩漬けした鰤をはさみ、米麹で漬け込んで発酵させて作った伝統的な食品。個性的な味わいなので、初めて食べた時(1970年代)は衝撃でしたが、今では、かぶら寿しならではの風味に惹かれています。


     シャトー・デスクラン『ロック・エンジェル』は魚介類と良い相性!



ブラピとアンジーがプロヴァンス地方のワイナリーを購入し、コート・デュ・ローヌ地方の名醸造家マーク・ペランさんとの共同プロジェクトで誕生させた『ミラヴァル』。溌剌とした酸味と南仏独自のガリーグ(ハーブのような香り)のニュアンスが魅力。毎年、夏至に販売を開始しています。



俳優カイル・マクラクランさんは生まれ故郷ワシントン州コロンビア・ヴァレーでワイン造りをしています。『ブラッング ベア ロゼ』は生産量424 ケースの希少ワイン

 スティルワインだけでなくロゼ・シャンパンも

 3月&4月の自粛中に飲んだロゼのなかの一押しは『ドラピエ ロゼ・ド・セニエNV』
 守備範囲の広いアイテムです!



 頑張っている自分へのご褒美に、すこし奮発して『ベル エポック ロゼ』
 いつも通りの日常に、早く戻れますように・・・
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月08日

『世界で最も称賛すべきワインブランド2020』の第1位に選ばれたアルゼンチンの『カテナ』

 Photo by Fumiko/2017年9月撮影
 アルゼンチン⇔チリのフライトではアンデスの雄大な景観を見ることができます。
 LAN航空は乗客のために山頂上で若干速度を下げる気配りも!


  世界で最も称賛すべきワインブランド2020

 カテナから世界中のディストリビューターとzoomで繋がった記念画像が届きました!
 4代目当主ラウラ・カテナさん (2段目右から3人目)
 輸入元ファインズの吉川由紀子社長(下段左から2人目)
 同社 福井英晃氏(上段右から3人目)



世界48ヵ国のワイン専門家が選んだザ・リスト byドリンクスインターナショナル
3月にドイツのプロヴァインで発表される予定でしたが、今年はコロナウイルスの関係で開催が延期になり、このような形での発表になりました。


 アルゼンチン・メンドーサにあるボデガ・カテナ・サパータ
アメリカ大陸の中で最も優れた文明を持つとされるマヤのピラミッドを模したデザイン

 外観だけでなく、内部にもこだわりが

 ラ・ピラミデ畑は標高950m、CS、マルベック、PV、CFを植樹

   カテナを代表する品種マルベック、ラベルにもワイナリーが描かれています。

 南米を代表する料理エンパナーダ

南半球のアルゼンチンは今、収穫シーズンです!
コロナウイルス対策には万全の注意を払い、スタッフはマスクと手袋を着用し、ぶどう畑に出かけているそうです。そのような状況下、第1位を獲得したことは大きな励みになったことと思います。
おめでとうございます!!

日本では家飲みワインの機会が増えています。
エントリーレベルからプレミアムワインまで幅広いレンジを有すカテナはお薦めできるワイナリーです。特にアルゼンチンを代表するマルベックに関してはトップクラスなので、是非お試しを!
[ダイヤ]正規代理店 (株)ファインズ
https://www.fwines.co.jp/lineup/winery/ag_01/
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月02日

恵比寿 和の食『いがらし』で春万菜をテーマにしたマリアージュ

  世田谷観音のソメイヨシノ
 お彼岸明けの24日、徒歩圏内にある世田谷観音へ!
 例年より開花が早かったソメイヨシノに心身ともに癒されました。

 コロナウイルス禍の終息を『夢違観音』に祈願してきました!

 恵比寿 和の食『いがらし』で
 自粛前にお邪魔したのは恵比寿の『いがらし』、5ヵ月ぶりです。
 五十嵐料理長が厳選した春の食材と持ち込みワインとの相性を探求してきました。
 国際ソムリエ協会認定ソムリエの森上久生さんとは久々の会食でした。
 マダム森上を偲びつつ・・・後れ馳せの一周忌もできました!




       森上さんが『いがらし』の料理に合せて選んだロゼの逸品

 従来からのブリュット・ロゼ表示のラベルからチェンジ!


 春万菜をテーマにして
 突き出し、山菜類のお浸し
 こごみ、そら豆、うるい、ぼうふう、タラの芽をだし汁で 仕立てた一皿

 醤油ベースで味付けした白ネギとアオリ烏賊

 五感を刺激したマリアージュ
 旨味を含んだ下味の烏賊を炙ると、香ばしい香りが漂い・・・

 烏賊も思わず飛び上がって(笑)
 森上:メイヤール反応の香りもあるので奥行きと旨みのあるワインしか呼応しません。 
 ガヴィ本来のヨード香が旨みをまとった烏賊と白ネギに良く合っていました。

 前菜、活き車海老 、蒸し鮑、ハマグリの酒蒸し 、菜の花、椎茸ごぼうの酢飯
 森上: 渾然一体となる多様性ある味わい深い一皿にロゼが有効でした!
 ピノの微量でジューシーなタンニンが鮑やハマグリの心地良い味わいを品良くカバー

 風神、雷神のお椀、だし汁は3年以上寝かせた利尻昆布を使用
 ガヴィと合せると、より複雑味が増し、混然一体感、木の芽がアクセントに!

 建仁寺の風神雷神屏風、迫力があります(2018年10月撮影)

 鯛とアオリ烏賊のお造り、雲丹ゼリーは鯛のアラで煮凝りにした一皿。
 ロゼ・ド・セニエとは色で合わせるマリアージュ、口中での余韻も良い感じでした!

 100周年を迎えたラ・スコルカ渾身のボトル

 噛み応えある白身魚と上質の山葵がガヴィの酒質と品良く調和

 雛の風情の八寸、甘鯛の鱗焼き、飯蛸等

 素晴らしい守備範囲のロゼ
 森上: 小松菜の辛子味噌和えにはフルーティーさが寄り添い、甘鯛の松笠焼きには
 懐の広さが相乗

 熊本産赤牛の腿肉炭火焼き、山葵とクリスマス島の塩を添えて

 大分出身の森上さんにとって特性の甘だれ醤油は九州人には納得の味だそうです!
 森上:咀嚼すると赤牛ならではの芳醇な味わいがジワリと口中に広がっていきます。

 可愛い啓翁桜


 炊き合わせ、筍と根三つ葉、タイの子(卵)
 森上: 素材とガヴィの深い味わいが調和し、ぶどうの豊かな資質が寄り添う印象

 土鍋御飯は京都産の筍を贅沢に使って

 
 森上:筍御飯にはかすかに鴨脂も入れてあると思います。ガヴィが良く合っています。


      筍御飯のおにぎりと『いがらし』特製水ようかん

 夏場は青柚子、冬場は黄柚子を使った、みずみずしい食感の水ようかん
 口に含むとふ~んわりと広がる柚子の香りで幸せな気分!
 五十嵐料理長、美味しい時間をありがとうございました。
 森上さん、お気遣い&コメント、ありがとうございました。


 2019年に創業100周年を迎えたラ・スコルカ
 
2018年7月、日欧商事の招聘で、伊ピエモンテ州の名門『ラ・スコルカ』から5代目のキアラ・ソルダーティ女史が初来日しました。その折、プレスランチにお声がけいただきました。ラ・スコルカのネーミングは「Sfurca (注意)」と、以前監視所だった農家の名が由来しています。すべて自社畑(50㌶)、非表記ですがビオディナミ農法を導入、世界50ヶ国に輸出しています。
その席上、「2019年に創業100周年を迎えます」とソルダーティ女史は語っていました。


そして・・・昨年末、『ガヴィ・デイ・ガヴィ[レジスタードトレードマーク]』の100周年記念ボトルが届きました!
『ガヴィ・デイ・ガヴィ[レジスタードトレードマーク]』のぶどう品種はガヴィ・ロヴェレートの丘陵地帯の樹齢60年のコルテーゼ100%、土壌は粘土質。ステンレスタンクで発酵、シュル・リーで7ヶ月間熟成させ、毎年4月に瓶詰しています。若くても10年程熟成させても楽しめるワインで、通常の生産本数は30万本


光沢あるイエロー、フレッシュ感と旨味、ミネラル、白い花、白胡椒、アーモンド、グラス内の温度変化で厚味と複雑味。合わせる食材や調味料によって様々な表情を見せてくれた包容力あるアイテム

イタリアのコロナウイルスの感染者 (4月1日現在)は超10万人になっています。高等衛生研究所(ISS)は31日に「感染者数はピークに達した」と発表していましたが、それが現実であれば良いと思っています。森上さんも3月に予定していたイタリアツアーが1年後に延期になってしまったばかりです。一日も早く以前のような日常生活に戻れることをこころから願っています。

【店舗&輸入元】
恵比寿『いがらし』


日欧商事


テラヴェール



posted by fumiko at 10:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月03日

【ご案内】2020年最初の単発講座はオレゴン&ワシントンワインにフォーカス!

      オレゴン・ワシントンワインの魅力を伝道
      オレゴン州ウィラメット・ヴァレーの『ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン』/ 2019年7月撮影

NHK文化センター青山校の定番シャンパン講座とは異なるイレギュラーな単発講座が『ワインで巡る世界ツアー』です。2018年にスタートし、第1弾はポルトガル領のマデイラ、第2弾はカリフォルニア州のナパ・ヴァレー、第3弾はシャンパンに拮抗する世界のスパークリングワイン、そして今年初となる第4弾はオレゴン・ワシントンに特化します。

昨年7月に両州を視察、今年2月に世界初開催された育成プログラム『Certified Specialist of Pacific Northwest Wines』で、第1回Wine Specialistとして認証されたので、“鉄は熱いうちに打て”ということわざにならって、両州の最新情報を盛り込んで、オレゴン・ワシントンワインの魅力を伝道させていただきます。


ワシントン州AVAレッド・マウンテンから見た日没、見事な景観 / 2019年7月撮影

講座の前半でオレゴン、ワシントン州の概要、歴史、テロワール等について解説させていただきます。後半は白ワイン3アイテム、赤ワイン4アイテムを利き比べます。テイスティングでは、グラスのスペシャリストであるリーデル・ジャパンのブランド・アンバサダー庄司大輔氏とコラボをします。
供出する6品種(リースリング、PG、CH、PN、CS、Sy) に合うグラスを揃え、ワインラバーの皆さまには、“ワインだけじゃない世界”をご堪能いただきます。当日使用する<リーデル・ヴェリタス>ピノ・ノワール/シャルドネ

の2脚はお持ち帰りいただきますので、講座後はご家庭でご愛用くださいませ。
余談ですが、ヴェリタスシリーズは私のお気に入りです!


追記(2020年3月30日)
コロナウイルスの感染拡大を考慮し、4月の単発講座は「延期」にさせていただきます。
新たな開講日が決定次第、ご参加予定の皆様にご連絡させていただきます。
追記(2020年6月17日)
会場をNHK文化センター青山校からリーデル・ジャパン青山店に移して開催します。三密を避け、7月22日と7月25日の2回に分けて行います。当日供出するワインは各回7アイテム×各2本になります。教材費(ワイン代)が若干変わりますので、宜しくお願いいたします。
https://non-solo-vino.blog.ss-blog.jp/2020-06-17



【単発講座】
日時:4月15日(水) 19時~21時
定員:20名  満席ありがとうございました[わーい(嬉しい顔)]
(キャンセル待ち登録可)

会員/受講料:9,966円  教材費:3,500円(税込)
一般/受講料:10,417円  教材費:3,500円(税込)
受講料にはお持ち帰り用グラス2脚を含みます。

[イベント]詳細はNHK文化センター青山校のワインで巡る世界ツアー ~ワインラバーを魅了するオレゴン・ワシントンワイン~

をご覧くださいませ! よろしくお願いいたします。

協力:オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会
posted by fumiko at 10:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月24日

世界初! オレゴン&ワシントンスペシャリスト育成プログラム <レベルⅠ>を受講

 Certified Specialist of Pacific Northwest Wines
(左から)トッド・スティーブンズ オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本事務所代表、ブリー・ストックMW、マリー・チェンバース オレゴンワインボード オペレーション&ファイナンス副社長、ステーヴ・ワーナー ワシントンワイン協会CEO


年初早々、オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本事務所から『日本初公開のスペシャリスト育成プログラム』と題する招待状が届きました。これはオレゴン・ワシントン両州のワインの普及に尽力しているワイン業界のスペシャリストを対象に独自に開発された認定プログラム『Certified Authority of Pacific Northwest Wines』で、世界初の試みとなった今回は、招聘された業界関係者39名(通訳、メディア、全国の小売&飲食業は 同店舗からの複数参加あり)は2月16日(日)・17日(月)の両日、緻密な日程表に沿った講義を受けました。ちなみに日本の後は韓国で行うそうです。

講師は2016年にマスター・オブ・ワインを取得したブリー・ストックMW。彼女はオレゴンワインボード、ワシントンワイン協会のコンサルタントとして、スペシャリスト教育プログラム開発の監修をしています。

第1日目
会場は東京アメリカンクラブ
8時30分に集合した後、参加メンバー全員が簡潔に自己紹介!
初日の午前中はPNW (Pacific Northwest Wines/カリフォルニア州以北の北西部太平洋地域でパシフィック・ノースウェストと呼称される地域) 全体の概要、歴史、気候、地質を聴講後、テイスティング


世界的に見てプレミアムワインの産地は緯度30-50度の間ですが、オレゴンとワシントンは北緯42-48度に位置しています。画像は第1フライト(PN)の試飲前にノース・ウィラメット・ヴァレーのラス土壌、堆積土壌、火山性土壌について解説中のストックMW

オレゴンのAVAダンディ・ヒルズ、赤みを帯びた保水性ある火山性土壌ジョリー・ローム
(2019年7月撮影)

 第1フライト
 オレゴンのピノ・ノワール
 ポンジー、ベルグストロム、ソーコル・ブロッサー



 第2フライト
 シラーにフォーカス
 レ・コール No.41、パワーズ、ケイ・ヴィントナーズ


PNWでは80種以上のぶどうを栽培していますが、その多くは赤ワインに適した品種です。栽培の作付面積順に見ると、CS20%PN17%、CH14%、リースリング11%、メルロー10%シラー8%、PG7%、その他13%


ふ~ランチで小休止


 第3フライト
 午後からはAVAとオレゴン全体の概要、そして・・・ワインの試飲


ジ・アイリー・ヴィンヤーズPG、ベルグストロムCH、ブルックスのリースリング
オレゴン最大のワイン産地はウィラメット・ヴァレーで作付面積が最も多い品種は黒ぶどうのPN。白ぶどう品種にフォーカスするとピノ・グリ、シャルドネ、リースリングの順になります。オレゴンの歴史を語る上で欠かせないジ・アイリー・ヴィンヤーズでは1965年にPNとPGを植樹しています。

 第4フライト
 オレゴン州第2の生産量を誇るA to Z
 ウィラメット・ヴァレーのキング・エステートとブルックス


オレゴン州のワインはアメリカのワイン生産量のわずか1%に過ぎませんが、アメリカ国内でビオディナミの認証を受けているぶどう畑の52%はオレゴン。キング・エステートも然り。2006年にペンシルバニア州の非営利団体が発足させたB-Corp(利益重視でない優良企業)の認証を受けている企業は世界中に2,655ありますが、ワイナリーはわずか19のみ。そのなかの8軒がオレゴンで、A to Zやソーコル・ブロッサー(第1フライトの最右)はその先駆者的存在。

オレゴン州のAVAは19
オレゴン州のAVAウィラメット・ヴァレーのなかには7つのNESTED AVA(ネステッドは1つの大きなAVAの中に、別のAVAが含まれていることを示す非正規の呼称。例としてダンディ・ヒルズ)があり、番号順に②ヤムヒル・カールトン・ディストリクト ③シュヘイラム ④リボン・リッジ ⑤ダンディヒルズ ⑥マックミンヴィル ⑦イオラ・アミティ・ヒルズ ⑧ヴァン・ドゥーザー・コリドー(2019年1月認証)となります。



 第5フライト
 上記のネステッドAVAを代表するピノ・ノワールを探求


(左から)
◍ボーフレール AVAリボン・リッジ
◍ジェイ・クリストファー AVAシュヘイラム・マウンテンズ
◍レゾナンス AVAヤムヒル・カールトン
◍ケリー・フォックス・ワインズ AVAダンディ・ヒルズ
◍ハイランド・エステイツ AVAマックミンヴィル
◍クリストム AVAイオラ・アミティ・ヒルズ

シャンパーニュのアンリオ家が所有する高価なボーフレール、旨み十分のジェイ・クリストファー、「フランスではなくオレゴンらしいピノを造る」と宣言しているルイ・ジャド所有のレゾナンス、故ディヴィッド・レット氏から薫陶を受けた女性ワインメーカーが造るケリー・フォックス、火山性堆積土壌から生まれるハイランド・エステイツ、そして昨年訪問したクリストムでは標高210mのアイリーンの畑から凄いパワーが! 素晴らしいピノ軍団のテイスティングでした。

 香り、味わいだけでなく、色調の違いも魅力

日曜の早朝からディナーまでの間ずっ~と雨、このような東京タワー初めて!


2日目は州境にあるAVAからスタート
最初の授業はオレゴンとワシントンの州境にあるエリアから学習しました。


ワシントン州のAVAは現在14。オレゴンとワシントンで重なるAVAは3つあり、その1つがコロンビア・ゴージ。素晴らしい景観で目の前には雄大なコロンビア川。他の2つはコロンビア・ヴァレーとワラ・ワラ・ヴァレー
(2019年7月撮影)



 第1フライト
 2日目のテイスティングはシャトー・サン・ミッシェルのエロイカからスタート
 ドイツのドクター・ローゼンとのコラボから誕生した秀逸なリースリング!


ワシントン州では70種類以上のぶどうを栽培していますが、主要品種はCS29%、 CH16%リースリング15%、ME14%、シラー9%、その他17%
シャトー・サン・ミッシェル エロイカ/リースリング
ウッドワード・キャニオン/シャルドネ
デリール・セラーズ シャルール・ブラン/SB+セミヨン

 第2フライト
 カベルネとメルローの世界へ


◍クィルシーダ・クリークCS AVAコロンビア・ヴァレー
◍キャンバスバックCS AVAレッド・マウンテン
◍ペッパーブリッジCS AVAワラ・ワラ・ヴァレー
◍シャトー・サン・ミッシェル カヌー・リッジ メルロー AVAホース・ヘブン・ヒルズ
◍ヘッジス・ファミリー ル・メルロー AVAコロンビア・ヴァレー

IMG_1075.jpg
コロンビアヴァレーのなかの最大のAVAはヤキマ・ヴァレー。赤はボルドー品種がメインですが、近年ローヌ品種が人気。ヤキマ・ヴァレーには、ラトルスネーク、レッド・マウンテン、スパイプ・マウンテンの3つのネステッドAVAがあります。

 ワシントン州のロス土壌

ワシントン州の特徴的なラス(一般的な呼称はロス)土壌はとても細かいので、一掴みの砂を振りまくと風に乗って舞った瞬間がキャッチできました。
(2019年7月撮影/ホース・ヘブン・ヒルズ)

 第3フライト
 ボルドースタイルの赤ワイン
 レコールNo.41のファーガソン、デリール・セラーズ、コロンビア・クレスト


◍AVAワラ・ワラ・ヴァレーにあるファーガソンは玄武岩から生み出されるミネラル感や鉄分が顕著
◍2016年VTが25回目の記念年になったデリール・セラーズ、AVAレッド・マウンテンのCS100%
◍AVAはコロンビア・ヴァレー、ワシントン・ワインの父と呼ばれるウォルター・クロール博士の名を冠したオマージュワイン

IMG_1087.jpg
 最後の試飲はワシントン州のボルドータイプの赤ワイン

 生産者はシャトー・サン・ミッシェルの傘下コロンビア・クレスト、パワフル!


 画像提供:オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会
レベルⅠのカリキュラムはすべて終了・・・総括で30問の選択試験
休憩をはさんで結果発表、ドキッ[ふらふら]
全員無事クリア[わーい(嬉しい顔)]


レベルⅠの卒業生には認定証とバッジの授与がありました。
次なるステップはCertified Authority of Pacific Northwest Winesになります。レベルⅠの合格者のみが受講できる2日間のマスターレベルコースで、今の予定では9月頃に開催とのこと。多様な品種を交えたワインテイスティング、オレゴン・ワシントン州のヴィンテージ、微気候、土壌、クローン等についてもさらに掘り下げて学習するようです。レベルⅡに合格すると、PNWのオーソリティーとして認定されるということなので頑張らねば!

 フルメンバーで記念ショット
トッド・ステーブンズ日本事務所代表、ワシントンワイン協会のステーヴ・ワーナーCEO、通訳の村田みづ穂さんも交えて記念ショット。
中身の濃い2日間でした。皆さま、大変お疲れ様でした!

前日の雨降りとは打って変わって綺麗な青空、東京タワーもイイ感じです!

 4月にNHK文化センター青山校でオレゴン・ワシントンにフォーカス

昨年はナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)主催の第1回ナパ公認アンバサダー試験を受けるチャンスをいただき、お陰様でクリアできました。NHK文化センター青山校で特別講座『ワインで巡る世界ツアー』ナパワイン編

を開催し、ご参加くださった皆さまにナパワインの魅力をお伝えすることができました。
今年は4月中旬に“オレゴン・ワシントンワイン”にフォーカスした特別講座を開催し、両州の素晴らしさをご紹介したいと思っています。Non Solo Vino(ワインだけじゃなく)風に、今回はリーデル・グラスを使ってその奥深さをご披露したいと思っています。現在、内容について調整しておりますので、詳細が決まり次第、SNSで発信させていただきます。ご期待くださいませ。

[イベント]ワシントン・オレゴン 2020ワイン エクスペリエンス プロモーションのご案内
オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会では毎年3~4月にワイン愛好家に多種多様なオレゴン州とワシントン州のワインを楽しんでいただくために表記のプロモーションを実施しています。昨年は292店舗が参加しました。開催要項についてはワインのこころにプロモーション要綱

を記載してあります。参加申込の締め切りは2月28日(金)です!
申請を済ませていない小売店&飲食店の皆さまは、急ぎ、奮ってご応募くださいませ!
窓口:オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本事務所
担当:トッド・ステーブンズ代表
Tel: 03-5904-8950/ Fax: 03-6332-9575
Mail: info@washingtonwine.jp
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月21日

ルイ・ジャド 2018 バレルテイスティング 量質ともに良好なヴィンテージ

 日本リカー主催バレルティスティング&セミナー
 恒例のバレルテイスティング、ヴィンテージは2018年

 長年ルイ・ジャドの旗振り役だったオリヴィエ・マスモンデ輸出部長の後任として
 アメリー・サンテュックさんが就任しています。

ブルゴーニュ全体
◆昨年は世界的な需要の高まりで、数量8.8%増、金額10%増
主要な輸出相手国は米国、英国、日本、カナダ、スウェーデン、中国&香港
◆価格の上昇
第159回オスピス・ド・ボーヌ(2019年開催)で22%アップ
前年2,000€だった某メゾンのプイイ・フュイッセは昨年1万€で落札等
◆2020年は米国の関税、ブレグジット、コロナウィルス、中東・香港の情勢等、懸念事項多々

ルイ・ジャドに関する最新情報
◆2019年は過去最高の販売 6,800万€
◆世界126ヶ国に輸出。米国、英国、日本・カナダが上位
◆シャブリに新醸造所を設置し、計7ヵ所になったことで作業がより円滑に!
◆新AOCブルゴーニュ コート ドール2017(赤・白)をリリース 日本のみで販売
◆フランス農水省が管轄しているHVE(環境価値重視)の認証はレベル3
◆キャップシュール部分のロゴ表記やボトルの色変更、赤のGCボトルの軽量化

2019年&2018年のヴィンテージ情報
2019年は収量が過去10年間で最も少ない。全体で50%減、春の霜害(4月4日、14日の2回)の影響、平均収量35hl/ha
2018年は赤・白とも恵まれた収量。冬の間雨が多かったが、水分が土壌に蓄わえられていたことで結果的にぶどう樹が救われた。
冬は多湿だったが、4月から9月は例外的な日差しで良好なヴィンテージに。収穫は8月29日からヴォルネイ、ムルソーのいくつかの早熟な区画から始まった。シャルドネは9月4日からスタートし、健全果で畑では選果の必要はほとんどなく、約2週間で終了。
アメリーさんいわく「ボージョレからシャブリまでのエリアで、ほぼ同時に収穫が始まり、さらにボージョレでは白(通常赤)、コート・ドールでは赤(通常白)から収穫という逆転現象が起きました」

【シャブリ】
穏やかな冬の後、暖かく乾燥した春、ぶどうは熟度も高く健全、収穫は8月31日からで量的にも恵まれ、果実味にあふれ長熟のポテンシャル
【ドメーヌ・フェレ】
1990年以降2番目の暑さ。区画によってぶどうの生育が均一でなかった為、醸造責任者は栽培面積18㌶の畑の収穫を3週間かけて行った。収量は58hl/ha、2011年以来の大収穫。エレガントで果実味豊か
【シャトー・デ・ジャック】
60日間続いた雨の多い冬、芽吹きは4月中旬の10日間、早い開花、7月&8月は乾燥した異常気候、8月30日から収穫、通常は黒ぶどうからスタートするが、2018年は白ぶどうから開始。深い色調、複雑なアロマ、果実味&凝縮感



 セミナーでは2アイテムを試飲
 赤はフルーティ&ジューシー、凝縮感があり、アロマも豊か。基本的に18ヵ月の樽熟成
 白は熟度があり、リッチで豊潤。MLF40% 程度。新樽、1年樽、2年樽を各30%使用
 バレルテイスティングでは赤13種類、白10種類を試飲(セミナーの2アイテム含)

 ヴォルネイ プルミエ・クリュ クロ・ド・ラ・バール
ルイ・ジャドの所有ではないが1980年代から直接耕作している畑。栽培面積1.31㌶で半分は樹齢70年、半分は2011年に植え替えをしたぶどう樹。下の文字が読めるルビー色、スミレやローズのアロマ、タンニンは柔らかで赤・黒系果実の旨み、2018年の特徴が出ている赤ワイン

 フィサン クロ・モロー モノポール
コート・ド・ニュイの北に位置し、12世紀の教会のすぐ下にある畑で1㌶が白ぶどう、0.5㌶が黒ぶどう。標高270~360mで穏やかな東向きの丘陵、石灰岩質主体の若干マールを含む土壌。白い花や果実風味豊かで塩味やフェノール、シルキーでまろやか、好感度〇

 バレルテイスティングのマイベスト
 シャンボール・ミュジニー “レ・ドラゼ” 
 
ガジェ家が所有する東・南東向き畑で土壌は石の多い石灰岩と砂利質。輝きのあるルビー色、心地良いアロマとミネラル、フェミニンなスタイルで和の要素に寄り添う印象

 シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネール
 
グラン・クリュの多い右岸にありながら、凛とした佇まいを見せてくれるプルミエ・クリュ『モンテ・ド・トネール』はシャブリのなかで一番好きなクリュ!
456㍑の大樽とステンレスタンクを併用してシャブリらしい活き活きさを表現。ぶどうの熟度も高く、キンメリジャン由来のミネラル感、柑橘系果実や白コショウのニュアンス

 サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ クロ・デ・ゲット
 
ビオディナミ農法を導入していても、それを大げさに宣伝しないのがルイ・ジャド。このワインはまさに自然体。果実やスパイス、ボリューム感や複雑味、石灰由来の切れ感があり、価格&品質面で〇


ブルゴーニュワインラバーさんが一番気になっているのが価格だと思います。
アメリーさんに伺ったところ、「2018年は量的に潤沢だったので価格は据え置いています。ブルゴーニュ全体を見ると、値上がりしているかもしれませんが、ルイ・ジャドでは変えていません。ただし、2019年は収量が50%減になってしまったので変わります。収量が少なかった地域名は特に」とのお返事でした。

◆製品についてのお問い合わせは日本リカー(株)
電話 03‐5643‐9770
posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月28日

今年上半期の新製品&環境 への取り組み by サントリーワインインターナショナル

先週開催されたサントリーワインインターナショナル(SWI) の2020年事業方針説明会

で、宮下敏社長は「国産カジュアルワイン」の更なる拡大、「輸入戦略ブランド」ポートフォリオの強化等について言及。それに伴い、6月までの上半期にデビューするワインの案内がありました。

 【ドイツ】ロバート・ヴァイル・ジュニアシリーズ

2月4日の立春に、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)とグラウブルグンダー(ピノ・グリ)の2種の白ワイン&シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)の赤ワインを発売、ピノ・グループのぶどうたちです!

1868年、パリのソルボンヌ大学でドイツ学教授をしていたドクター・R・ヴァイルによって、ドイツ・ラインガウ地域のキートリッヒ村に創設された『ロバート・ヴァイル』は、ドイツ皇帝ヴィルヘルムⅡ世やフランツ=ヨーゼフⅠ世に愛されたワインとして知られています。1988年10月には、SWI (当時のサントリー)が経営参画。有機肥料のみを使用、除草剤無使用。ぶどうの特性を生かし、害虫や病気から守っています。加えて、水の節約等、環境への配慮を意識した活動を推進中です。

 【5ヶ国】の厳選ぶどうをブレンドした国産カジュアルワイン

2月18日(火)に発売予定の『5 SELECT Reserve/ ファイブセレクト レゼルブ』
今年の販売目標は10万ケース

同社の国産カジュアルワインの販売推移を見ると10年連続右肩上がりで直近10年間で2.7倍の伸びを示しています。2019年の販売量は超400万ケース、一番の売れ筋は『酸化防止剤無添加』ワインでした。
日欧EPAの発効後、ワインの流入・流出が活発になってきていることから、同社では、国産・輸入双方の魅力を併せ持つ“新ブランド”の開発に注力してきました。結果、チリ、スペイン、イタリア、アルゼンチン、豪州の厳選ぶどうを使用し、国産ならではの技術を駆使した『ファイブセレクト レゼルブ』を生産。マスカット由来のフルーティな香りが印象的な白ワインとソフトで優しい口当たりの赤ワインが完成しました。赤ワインの渋さが苦手という方でも受け入れ可能、国産ワインと輸入ワインの境目に位置するワインです!

 【オーガニックワイン】にフォーカス

20〜50代の女性を中心に飲用意向の強いオーガニックワイン市場。そこで・・・どれを飲んで良いかわからない等の声にお応えてして、欧州各国の主力ブランドから新たなラインナップを発売。2020年オーガニックワイン販売目標は8万ケース(対前比310%)、期待度を感じます!
◆イタリアの『タヴェルネッロ』/3月3日(火)発売 ※業務用
◆スペインの『フレシネオーガニックブリュット』/3月3日(火)発売
◆ドイツの『マドンナオーガニック2019』4月14日(火)発売
◆フランスの『レゾルム ド カンプラス オーガニック』4月14日(火)発売


ヴィクトル・ユゴーやチャールズ・ディケンズらの文豪に愛された『マドンナ』
“リープフラウミルヒ(聖母の乳)”は、元々はヴォルムスの聖母教会で修道僧たちが造っていたワイン名でした。あまりの評判の良さに、模倣するものが次々に現れた為、新しいワイン法で、ライン地方のQbAクラスのワインの名称として規定されることに。これを機に、本家聖母教会のぶどう園の大半を所有していたファルケンベルグ社は自社のリープフラウミルヒを特に“マドンナ”として差別化しました。

程良い甘味と爽やかな酸味のバランスが心地良いので、ワインに親しみはじめたラバーさんたちに飲んでいただきたいと思っています。2年ほど前から、この癒し系の味わいを好む愛好家が増えたようで、マドンナ人気が再燃していました。このマドンナは、ブランド初のオーガニックワインなので、私もテイスティングできる日を待っています。


 夏季限定の和テイストスパークリング

6月30日に和柑橘の柚子とすだちを使った2種のスパークリングワインが登場します。ネーミングは和柑橘を絞った果実感を“雫”、可愛い泡のイメージを“音”と表現した『雫音(しずね)』。SWI によると「和柑橘の香りは出汁との相性が良いので出汁をよく使う和食の味わいに仕上げました」とのこと。販売目標は上質な柚子とすだち次第、味わい深い和の泡ものデビューが楽しみです!


 環境への取り組み

SWIは、今夏頃から順次、『酸化防止剤無添加のおいしいワイン』と『デリカメゾン』等に使用している720ml ペットボトルを再生PET樹脂を原料にしたリサイクルペットボトルに切替、商品ラベルには同社独自の「PET to PET」マークを記載予定。


リサイクルボトルの切替は720mlが対象なので業務用の大容量ペットボトルは除外。720mlは全ペットボトルの98%


キャップシールのミシン目改良は2020年2月から順次切替。ラベルのはがし口の表記改善は2020年中に変更予定 (はがし口表記はラベルの左下の ◁ 部分)

サントリーグループは2019年5月にプラスティック基本方針

を策定し、2030 年までにグローバルで使用するペットボトルの素材を植物由来素材に100%切り替え、化石由来原料の新規利用ゼロの実現を目指しています。
posted by fumiko at 23:24| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月06日

祝 ドン・メルチョー2017年ヴィンテージ&ビニャ・ドン・メルチョー創設

ビニャ・ドン・メルチョーの創設


2020年1月6日、ドン・メルチョー2017が日本市場でリリースされました。
加えて・・・
1987年のファースト・ヴィンテージから30周年を迎えたことを機に、コンチャ・イ・トロ社からドン・メルチョーが独立しました!


深みのある赤紫色、グラス壁面にワインの脚が見えます。


エンリケ・ティラド氏は1993年にコンチャ・イ・トロ社に入社し、1997年からドン・メルチョーのチーフワインメーカーに就任。ビニャ・ドン・メルチョーの創設に伴い、肩書きはゼネラル・マネージャーになりました。ティラド氏のサイン入りワインボックスにも力が入っている感じですね。


ドン・メルチョーのセラー


photo by Fumiko AOKI (2017年9月撮影)
コンチャ・イ・トロ社のワイナリーにはドン・メルチョー専用のセラーがありました!


日本のおせちでビニャ・ドン・メルチョーと2017年VTを祝福

料理協力:Akane Kamagata
お煮しめのゴボウ、れんこん、こんにゃくに七味や柚子胡椒等のお薬味を少し効かせると味わいの幅が広がります。しょうゆやみりんを使った鰤の照り焼きも良い相性



チリに行くと、赤ワインに合わせて、チョコレートがよく出てくるので、ここではグラマシーNYのチョコレートケーキで相性をチェック。ドン・メルチョーから感じるロースト風味や燻したニュアンスはチョコの香りと相乗。空気と触れ合うことでタンニンは滑らかになるので、抜栓直後のほうがタンニンの存在感が楽しめるので良いかも。チリのワイン関係者同様、私も赤ワインとチョコのマリアージュは好きです。

余談: 2016年9月にエンリケ・ティラド氏と元ロオジエの名シェフ、ブルーノ・メナール氏によるコラボレーションセミナーがありました。その折、ドン・メルチョーのアジア アンバサダーの肩書きを持つメナール氏が、「コンチャ・イ・トロでは南米のカカオや世界中のコショウと合わせるコラボを実施しています」と語っていました。
2005年VTとのマリアージュでは、鴨のフィレ肉のローストをあげていましたが、鴨をキャラメリゼした後、コーヒーとカルダモン(隠し味的に)を使い、加えて「経験上、かめびし醤油の古醤油(15年、20年)を少し使うと味が引き立ちます」とコメントしていました。その時に、ドン・メルチョーはカカオや熟成したお醤油と相性が良いことを再確認。


ブルーチーズや冬期楽しめるモンドールは相性的に問題なし。


ドン・メルチョー2017ヴィンテージ

商品名:ドン・メルチョー2017
内容量:750ml
希望小売価格:16,000円(税抜)
出荷開始日:2020年1月6日(月)

ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)98%、カベルネ・フラン(CF)2%
ぶどう畑:D.O.プエンテ・アルト、アルト・マイポ・ヴァレー
収穫:2017年3月22日~4月29日
瓶詰:2018年12月
醸造:フレンチオークで15ヶ月(新樽67%、一空樽33%)
アルコール度数:14.5%
pH:3.62
総酸度:3.41g/L
 
ドン・メルチョーについて
コンチャ・イ・トロ社はチリ最大のワイン生産者で輸出量は国内第1位。ドン・メルチョーは同社の最高級レンジであり、創業者スペインの名門貴族コンチャ家のドン・メルチョーの名を冠しています。チリのカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地マイポ・ヴァレー、プエンテ・アルトのポテンシャルを最大限に表現したチリ最初のアイコンワインです。
海抜650㍍、畑は全部で127㌶、沖積土壌で石灰、粘土、砂質等で構成されています。植樹比率はCS90%、CF7.1%、メルロ(ME)1.9%、プティ・ヴェルド(PV)1%。区画は小さく分けると142、大きく分けると7(区画1~6はCS、7はCF)。ブレンド比率は年によって変わりますが、通常2~9%がCF、残りはCS。7区画のぶどうを使用することで、プエンテ・アルトのテロワールを反映させています。

コメント
深みのある赤紫色、抜栓した瞬間から赤系果実のキャラクター、さくらんぼ、カカオ、杉、ロースト、グラファイト、ミネラル、スパイス(甘草、コショウ)、繊細で滑らかなタンニン、時間の経過でよりまろやかに。口中を洗い流してくれる爽やかな酸味、アルコール度数14.5%でも清涼感があり、長く続く余韻。エレガント系の着地!

◆商品についてのお問い合わせ先
日本リカー株式会社事業部 広報担当:佐々木万理/小池さおり
TEL:03-5643-9772
URL:https://www.nlwine.com

posted by fumiko at 23:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月05日

ボジョレーの帝王ジョルジュ・デュブッフ氏を偲んで

ワイン王国の村田恵子編集長から届いた訃報
本日の午後、「1月4日、ジョルジュ・デュブッフ氏が脳卒中で他界」というお知らせを受けました。享年87歳、心からご冥福を祈っております。

ボジョレーの帝王と称され、2017年の解禁日までは毎年日本でカウントダウンをなさっていたデュブッフ氏。お会いするといつもハグしてくださり、村田編集長と私を交えた3ショット撮りは恒例になっていました。体力的に長時間のフライトが難しくなっていたので、2018年からはお孫さんのアドリアン・デュブッフ・ラコンブ氏だけが来日し、氏の後継者として精力的な活動をしていましたが、私はデュブッフ氏との再会を期待していたのでとても寂しいです。


解禁日、カウントダウンの画像を綴りながら・・・
2010年 輝きにあふれた表情

「ワインは1年に1度しか造れないので、丹念に注意深くの精神を持ち続けることが大事」と語っていたデュブッフ氏。

2011年 カンテサンスで

少し緊張気味の岸田シェフと共にカウントダウン


クリュ・ボジョレーの重要性を説いていたデュブッフ氏
コクのあるソースを使った蝦夷鹿のメニュー、岸田シェフの気合いを感じました!

2012年 アドリアン氏を初めて伴って

風格ある帝王と貴公子然としたアドリアンさん(24歳)、入社して2ヶ月の時です。
収穫に関して、デュブッフ氏から「2012年は私の人生で最も収量が少ない年でした」とのコメントもありました。


2013年 グランドハイアットで華やかに

デュブッフ家のおふたりとサントリーワインインターナショナルの当時の社長櫻井氏(左)と八木前社長(右)と


この時は、サントリーが開発したアプローズ(夢叶うの意味)をプレゼントしてくださいました。

2014年 白金台メゾンカイザーの木村周一郎氏と

招待された数名のプレスとカウントダウン
カウンターの向こうで木村オーナーが料理を陣頭指揮


デュブッフ社のクレマン・ド・ブルゴーニュ、日本未入荷を初披露

帝王自らヌーヴォーをサービスしてくれた2015年

招待者ひとりずつにワインを注いでくだったことが印象に残っています!

2016年からボジョパ!

ゲストは横澤夏子氏。この年からボジョパ(ボジョレーパーティーの略)全開!
サントリーワインインターナショナルの山崎前社長も参加

最後の来日になった2017年

テイスティングの真剣さが伝わってきたワンシーン


この2ショットもこれが最後


日本限定のロゼを初リリース、女子からの注目度が高かったです!

2018年 解禁日翌日のプレスランチ

来日できなかった氏からメッセージがありました。

2018年のボジョレーは特別な年でした.
天候は理想的で、母なる自然の恵みに満ち溢れています.
とてもフルーティで魅力的なワインに仕上がりました.


2019年 赤のスパークリングワインデビュー

昨年はSNSでワインラバーを募集して開催したカウントダウン



アドリアン輸出部長が祖父デュブッフ氏と日本でのカウントダウンに参加して7年が過ぎました。昨年リリースした赤のスパークリングワインはアドリアン氏のお気に入り。赤い実の果実満載、少し甘めですが酸味が甘味をほどよくセーブしてくれるので好感度上々です。

ジョルジュ・デュブッフ氏が、ワイン&ボジョレーに捧げてきた熱い思いは、次世代にきちんと継承されていくと信じています。
温かな思い出をたくさんくださったデュブッフ氏に感謝を込めて!
どうぞやすらかにお眠りください。

現地の記事:https://www.lyonmag.com/article/104990/beaujolais-georges-duboeuf-disparait-a-l-age-de-87-ans
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月31日

2019年に出逢ったお気に入りのワイン、心に残った出来事をプレイバック!

2019年をプレイバック!
今年も素晴らしいワインたちとの出逢い、素敵なワイン生産者&関係者とお目にかかることができました。12ヶ月を振り返って・・・
最も印象的だったのは11月のシャンパーニュ研修ツアーでお招きいただいたアンリオのシャトー・レゼルノワ!!


























風格ある18世紀のシャトー
























ウェルカムシャンパンはなんとキューヴ38でした。


ブラン・ド・ブラン、ミレジメ2008、エメラ2005、そしてロゼ・ミレジメ2012!
各シャンパンに合わせたお料理も素晴らしく、マリアージュ満喫。
ジル・ド・ラルディエール当主の優雅なおもてなしに感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました!

シャンパンのお気に入りは

レア・シャンパーニュのシェフ・ド・カーヴ、レジス・カミュさんが来日した折、参考出品として披露してくださったレア・シャンパーニュ1998マグナム。複雑味があり、層になって広がる香りと味わい、さすがです。


11月のシャンパーニュ研修ツアーでルイ・ロデレールを訪問した時、シェフ・ド・カーヴのジャン・バティスト・レカイヨンさんが特別供出してくださった1997ヴィンテージ!
熟成で本領発揮、それがクリスタル!


ラフィナージュ×ボランジェのコラボレーションに登場したR.D.2004
完成度の高いアイテムでした!

白ワインは・・・

アキコ・フリーマンさん来日のプレスランチで『涼風シャルドネ ロシアン・リヴァー・ヴァレー2017』を和食に合わせて。いつ味わっても魅力的、日本人の感性を刺激する品のある白ワイン

無限の可能性を秘めたぶどう畑

7月に訪問したオレゴン州ウィラメット・ヴァレー、エオラ・アミティ・ヒルズにある『クリストム』、パワーあふれる神秘的なぶどう畑




















シングルヴィンヤードのピノ・ノワールに感嘆!

番外編

メルシャン自慢の『シードル』
ワンコインで購入できるのは魅力、このイチゴサンドとの相性はお薦めです。シードルのリピーターは本当に多いので、未体験の方は是非お試しを!

今年も大変お世話になりました。来年も引き続き、よろしくお願いします。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ!!
posted by fumiko at 23:50| Comment(2) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月19日

シャンパーニュ研修ツアーの前後に行った区民ワイン講座とワイン科学講座



10月26日に開催した区民ワイン講座は世田谷区初の試みでした。
世田谷区民として、地域貢献ができたとすれば、とても嬉しいことです。
ご参加くださった方々の多くはワインの初心者や入門者だったので、できるだけ、わかりやすく、楽しんでいただけるように努めました。


11月16日のワイン科学講座は山梨大学主催だったので、こちらはワイン業界に関わる方々の参加が多かったと思います。

11月4日~10日がシャンパーニュ研修ツアーで、それを挟んでの2講座でした。資料作成に要する時間がかなりタイトでしたが、ひとまずクリアできて、本当にホッとしています。
加えて、この間、ワイン王国12月号(12月5日発売)に掲載するローラン・ペリエのグラン シエクルとボランジェの入稿もありました。帰国後、届いた初校が、とっても綺麗な台割になっていたので満面の笑顔になりました。ワインラバー&シャンパンラバーの皆さまには是非ともご笑覧いただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします!

区民ワイン講座

会場は梅丘パークホール、定員40名でチケットは完売。



シャンパン(6,500円)とプロセッコ(2,600円)の泡ものを比較。シャンパンは私が信頼しているドラピエ、酒質が良くてリーズナブルです。プロセッコは世界で一番飲まれているイタリアのスパークリングワインで、香りから白桃が連想できます。
白はメルシャンの岩出甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ2017(3,200円)、参加者の多くを惹きつけていました。甲州の美味しさにびっくりなさっていた方が多かったように思います、さすがメルシャンさん!
ロゼワインは日本市場でNo.1のチリワイン。ラポストール2016(2,150円)を選びました。色も香りも味わいも魅力あるアイテムです。
赤ワインは南仏のラ・キュベ・ミティーク・ルージュ2016(1,650円)、ジャケットは愛くるしいフクロウ、ジャケ買でもお薦めです。今年発効された日欧EPAの恩恵を受けた価格設定、サッポロビールさんの売れ筋アイテムです。



講座ではワインの分類、醸造法の違い、代表的なぶどう品種、料理との相性、それから・・・グラスをリーデル・ジャパンからレンタルしたので、赤ワインをワイングラスとポリコップで飲み比べていただき、香り&味わいの違いも体感していただきました。
私も楽しかったです、ありがとうございました!

マカロンの差し入れ

大好きなラデュレのマカロン\(^-^ )/
可愛いハロウィンバージョン!

アンケート結果が届いて

主催の世田谷サービス公社が集計したアンケート結果が届きました。
所要があり、閉会15分前に退出なさった方が3名いらっしゃったので、37名の感想でしたが、9割以上が「たいへん良い」だったので、光栄に思います、感謝です!


ワイン科学講座

16日はJRの工事で、東京工業大学がある田町はもろ渦中。でも、聴講生の皆さまは、開始時間には全員着席なさっていました、びっくり。

私の持ち時間は90分。レジュメが42枚だったので、1ページあたり2分計算で、質問時間10分を入れて、時間ぴったり。着地成功、やったー!!

ソノマの最新情報

資料提供:ワイン・イン・スタイル
セミナー当日の朝、ワイン・イン・スタイルのスーパー才女斎藤さんからソノマ情報が届きました。
10月23日に発生したソノマの山火事は11月7日に鎮火しました。85%の収穫が終了していたフランシス・フォード・コッポラ・ワイナリーに関しては、被害はなかった由。でも火はそばまで迫ってきましたし、ソノマ全体としては4つのワイナリーが焼失したとのこと。大きなショックだと推察しています。

2017年の時と同様、水分を含んだぶどう畑が山火事の防火壁になったそうです。2年前の火事は送電線の摩擦が原因で、何ヶ所から一斉に発火したので、今回はその教訓を生かし、計画停電をしました。賛否両論ありましたが、結果的に風速45m/秒の異常な風が吹く中、2017年のような広範囲の火災にならなかったのは、計画停電が効果をもたらしようです。


資料提供:ワイン・イン・スタイル
赤く塗られているところが、今回の火事で焼失した箇所。赤い線は2017年の山火事で被害にあった箇所。最初の予報では海から風が吹くとのことだったので、海に続く、広範囲に避難勧告が出たようですが、実際の風の流れは逆風になった為、焼失範囲が広がりました。

ひとりあたりの消費量

1位はポルトガルの62.1Lですね、日本は3.2L。
ポルトガル話題で言うと、日本で同国のワインはとても好調です。スティルワインの2018年データを見ると、ポルトガルは第10位で、輸入数量は1287KL(前年比124.9%)、けん引役はヴィニョ・ヴェルデで、全体の25%を占めています。

18日に、SOPEXAから『ヴィーニョ・ヴェルデにおける樽発酵と樽熟成』というpdfが届きました。
有効期限:2019/12/18(水) 17:17
【ヴィーニョ・ヴェルデ・ワイン協会】ヴィーニョヴェルデにおける樽発酵と樽熟成に記述したページは以下http://clk.nxlk.jp/Ubu3uvVt 
フレッシュだけじゃないヴィーニョ・ヴェルデ、変化していますね。

最大の関心事は気候変動


スペインのミゲル・トーストさんは2007年にアメリカのアル・ゴア元副大統領の『不都合な真実』を観て以来、温暖化対策に取り組んでいます。ワイン業界の誰よりも熱心です。今年、カリフォルニアのジャクソン・ファミリーとタッグを組みました。

トーレスさんが2013年に来日して発表したデータによると、2100年には海面が0.3~0.5m上昇するとの推測でしたが、先日IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は「今世紀末で、1.1m 上昇する」と発表しています。予想以上に速いスピードで温暖化が進んでいます。

ボルドーの新品種導入

今年6月、ボルドーワイン委員会は気候変動に適応した新たなぶどう品種をAOC規定に導入しました。
赤ワイン用品種はアリナルノア、カステ、マルセラン、トウリガ・ナショナル
白ワイン用品種はアルヴァリーニョ、リリオリラ、プティ・マンサン

7月末のオレゴン・ワシントン取材で、ワシントン州レッド・マウンテンのヘッジス・ファミリー・ワイナリーを訪問した折、数年前からトウリガ・ナショナルを植えて、調査・分析をしていることを聞きました。ヘッジスさんの母方はフランスのシャンパーニュ地方出身、父方はアメリカなので、フランスの動向にはかなり敏感です。

本日(19日)、ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーの試飲会があったので、右岸と左岸の主な生産者に気候変動と新品種に関しての意見を聞いて回りました。殆どが危機感を持っていない、というより、左岸の場合などはカベルネの力を信じ切っている思いを強く感じました。新品種導入に関しては「面白い」との意見がありましたが、「ポルトガルの品種でしょ」的な発言から、グラン・クリュ・ド・ボルドーの誇りを感じました。
今年の夏、最も熱い3日間で、グリーランドの氷河が溶けて失われた量は310億トン、東京ドーム25000杯分との報道があり、気候変動が世界各国に何らかの形で影響を与えていると感じています。
ボルドー委員会が発表したリポートに、「霜・雹・嵐の将来的な予測は不可能」との記載がありましたが、今日、インタビューしたワイナリーのおひとりが「降雨量に変化はないが、昨今、いつ雨が降るかが予測不能」とおっしゃっていました。私はとても気になります!

CIVC本部を訪問して

先週訪問したシャンパーニュ委員会CIVC本部でフィリップ広報部長から最新情報を伺うことができました。
ぶどう樹の高さを変える実験をしています。左が従来の畑(1~1.2m、密植)で、右は2mほどの高さにして、樹の畝間も広く取っています。風通しを良くし、熱い空気がたまらない(温度が上らない)ようにしていますが、ベト病対策にも効果が出ているようです。



オレゴン・ワシントン取材時、「日本はなぜロゼがダメなの」と多くのワイナリーから聞かれました。
家庭でワインを飲む頻度が増え、自己主張しないワインが好まれるようになっているので、ロゼはもう少し伸びると思うのですが・・・私はかなり前から「ロゼと餃子」のマリアージュを薦めています。青い要素を感じるロゼなら、グリーン系の野菜(パクチーも〇)を多めに入れり、なかの具を工夫したり、さらに、ラー油や黒酢の量を加減して、自由な発想で楽しむことができると思っています。区民ワイン講座でもロゼは好評だったので、お試していただけると嬉しいです。


シャンパーニュと白ワインに合うお菓子の差し入れ、ハッピー!



仕切役の柳田藤寿先生から及第点をもらえたので、安堵しています。
この日の後半は、村上安生山梨大学客員教授が「国内ワイン状況と日本ワインについて」というテーマでお話なさいました。後日、山梨大学ワイン科学講座のサイトに会の様子が掲載されるそうです。
4回シリーズの講座なので、次回は12月21日です。会場は今回同様、東京工業大学キャンパスイノベーションセンター。詳細はコチラ

で!

最終回までの成功を願っております。
たくさんの感謝を込めて!
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月22日

ナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)アンバサダー認定試験の嬉しい結果!

10月22日は天皇陛下の即位を国内外に宣言するための厳粛な儀式が執り行われたスペシャルデー。海外からも多くの元首、賓客がお祝いの席にご臨席なさっていらっしゃいました。

N



















このハレの日に、私にも嬉しいお知らせが届きました!
8月中旬、カリフォルニアのナパヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)主催で実施された『NVVアンバサダー認定試験』の結果です。今年初めて行われた試験で、通過者には合格証書と“ピンバッジ”が贈られることになっていました。
オレゴン・ワシントン取材から戻って間もなくの試験だったので、時間が十分取れないなか、頑張った甲斐がありました、心底安堵です。

昨年のエクスペリエンス・ナパヴァレーの同行取材で






















昨年もナパの現地訪問の最終日に試験があり(汗)
何とかクリアできたので、認定書をいただきました!
私は帰国後、NHK文化センター青山校で特別講座カリフォルニア・ナパの魅力

を開催しました。受講生に皆様にも喜んでいただき、とても嬉しく思っています。
来年以降も開催していく予定です!

チーズペアリング ワークショップのポスターも完成























ワークショップでは様々なブリッジ食材を使ってワインとチーズのペアリングに挑戦



























合格証書と一緒に完成したチーズペアリングポスターも届きました。
今秋以降、目にすることも多くなるはずです。
ご家庭で活用できるヒントが盛り込まれていますので、お楽しみに!

ナパヴァレー・ヴィントナーズ日本事務所 小枝絵麻・若下静両代表にこころから御礼申し上げます。初代NVV認定アンバサダーの一員としてナパワインの魅力伝道、頑張ります。
引き続き、よろしくお願いいたします。
ナパヴァレー・ヴィントナーズのオフィシャルサイト
https://napawine.jp/
posted by fumiko at 20:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月11日

百聞は一見に如かずの『クリストム』、必見の土壌、絶対に外せないピノ・ノワール

クリストムからの嬉しいお便り

Tom Gerrie san(left) & Randy Ford san at the Eileen Vineyard
オーナー兼ワイングロワーのトム・ゲリーさんと営業副社長のランディー・フォードさん

一昨日、クリストム

の輸入元中川ワインさんから嬉しいメールが届きました。
営業副社長のランディーさんが、ワイン王国10月号に掲載しているワシントン・オレゴンハーベストツアー2019の記事を素晴らしいと褒めてくださったメールでした。

I have attached a picture of Tom and I picking some of the very last fruit from the the estate, Eileen vineyard! Please share with Ms. Fumiko Aoki if you wish and give her our best regards.
との文面がありましたので、私も添付していただいた画像をブログでシェアすることに!
アップ予定の記事の順序を入れ替えて、今回はクリストムにフォーカスします。

7月の現地訪問では、クリストムのぶどう畑から強烈な印象を受けました。
以下の画像は、すべて拡大して見れるようにしてあります。
青木目線で捉えた躍動感が画像からお伝えできると確信しています!


クリストムの2つの土壌
クリストムの創業は1992年、オレゴン州ウィラメット・ヴァレーのエオラ・アミティ・ヒルズの中央東側に位置するワイナリーです。オーナーのトムさんが車で連れて行ってくれたのは、自社畑で標高の一番高いアイリーン・ヴィンヤード(210m)で、ここには2つの異なるタイプの土壌が存在しています。
余談ですが、我々が訪問する少し前、ピノ・ノワール・セレブレーションが開催されていたので、参加していた200名余りがクリストムを訪れ、ぶどう畑の視察を行ったようです。

1つ目はウィッツェル土壌
1500~2000万年前の火山活動で流れ込んだコロンビア・ヴァレー玄武岩、これはウィッツェルソイルと呼ばれています。オレゴン州ではエオラ・アミティ・ヒルズの一部に少量分布しています。かなり深く掘ってあるので、細かな観察ができます。


乾燥した土壌で、拡大すると白くなった部分が見えますが、これらは風化したものです。
ウィッツェルソイルからできるワインは凝縮感があり、ビッグなスタイルになるとのこと。


固く見える玄武岩、でも、手で簡単に割れます。


火山爆発で流れ込んできた溶岩は冷え固まっていく段階で、棒状の塊になり、それが年月とともに風化していきます。画像にある大きな塊は地中から掘り出されたものです。

2つ目はジョリー土壌

オレゴンの典型的な玄武岩の火山性土壌ジョリー。粘土質で鉄分を含み、保水性があり、色は赤味を帯びています。この土壌からできるワインはミネラル、チェリーや赤系果実のニュアンスがあります。
アイリーン・ヴィンヤード内にある2つの異なる土壌は、それほど遠くない距離にあります。クリストムのワイン造りに重要な役目を果たすぶどう畑から、エネルギーが伝わってきました。

新AVA ヴァン・ドゥーザー・コリドー
今年1月、AVAに認証されたコースタルレンジの切れ目ヴァン・ドゥーザー・コリドーは太平洋からの冷たい風が吹きぬける通り道。夜中の1~3時に風速30mの風が通過するとの話でした。


この画像をLIVEで撮り、ホテルの部屋で確認した時の驚き、すごいパワー!



今年植樹したシャルドネのぶどう樹
クリストムではシャルドネも生産していますが、トムさんは「ピノ・ノワールと同品質のシャルドネの完成を目指しています」と語っていました。昼夜の温度差があり、エオラ・アミティ・ヒルズで最も冷涼なエリアのヴァン・ドゥーザー・コリドーで造るシャルドネは世界レベルのワインになること間違いなし、ワクワクします!

ワイナリーでのテイスティング

サーモンピンク色のエレガントなロゼ(日本未輸入)


ピノ・ノワールの利き比べ



#1:ピノ・グリ エステイト2017
1993年に植樹、自根、一部MLF、塩味、中盤から厚み。「ピノ・グリから感じ取ることができる上質感、それをシャルドネでも表現したい」とトムさん。アイリーン・ヴィンヤードに植樹したシャルドネ、そのスタイルの見本となるピノ・グリ
#2:ヴィオニエ エステイト2018
自社畑、1993年に植樹。収量低め。ステンレスと樽(使用樽)併用。一部MLF。輝きのあるイエロー、クリーンな酸、マイルド
#3:ロゼ・オブ・ピノ・ノワール2018
酸が綺麗で爽快、口中を洗い流してくれるワイン
#4:ピノ・ノワール マウント・ジェファーソン2017
自社畑のぶどう60~65%使用(アイリーン・ヴィンヤードのぶどう25%ブレンド)と買いぶどうをブレンド。天然酵母、47%全房発酵、スパイス、シナモンやカルダモンのニュアンス
#5:ピノ・ノワール アイリーン・ヴィンヤード2016
1997年植樹、ヴァン・ドゥーザー・コリドーの冷涼な風を受けて育ったぶどうはメリハリのある酸味と溌剌とした果実味とのバランス良好、ぶどうが熟すのが一番遅い
#6:ピノ・ノワール ジェシー・ヴィンヤード2016
1994年植樹、ウィッツェル土壌とジョリー土壌が交じる畑、クリストムのなかで一番急斜面。濃い果実の味わい、旨味、複雑味、長い余韻
#7:ピノ・ノワール ルイーズ・ヴィンヤード2016
クリストムがこの土地を所有して一番最初1993年に植え替えをした畑、風の影響を受けない森に囲まれたぶどう畑。熟すのが一番早く力強いワイン


2012年に創始者で父親のポール・ゲリーさんから所有権すべてを受け継いだトムさん
名前に関する情報では、ワイナリー名の『クリストム』は、姉のクリスティ-ンさんとトムさんに由来しています。また、自社畑で男性名が付いているのは唯一ポール・ゲリー・ヴィンヤードだけで、それ以外はすべて女性名になっています。

Wine and Spirits

でTOP100のなかに入っていたクリストム。Wine Spectator ではマウント・ジェファーソン・キュヴェ2017が9 Top-Rated Oregon Pinot Noirs for Fallの1本に選ばれていました。
テイスティングすれば、必ずその魅力にハマるクリストムのワイン
ますます目が離せません。

■製品についてのお問い合わせは(株)中川ワイン
℡03-3631-7979
posted by fumiko at 23:30| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月12日

DELTA礼賛 3月から導入されたエアバス350‐900は超快適!

デルタ航空は成田空港から日米路線を撤退し、2020年3月から羽田空港に集約とのこと。
7月末にシアトル⇔成田便を利用した折、羽田発があれば・・・と思っていたので、私には嬉しいニュース!


シアトル便は3月に導入されたばかりの新機種A350-900



往路はデルタ プレミアム セレクト(プレミアムエコノミー)
その昔、スペイン取材でビジネスクラスを利用したことがありますが、海外取材の場合は基本的にエコノミーなので、今回はとってもラッキー!


シアトルまでの所要時間は約9時間、朝方の到着になるので機内でしっかり寝なければ。
そのための妙薬はシャンパンなのですが・・・


リストのスパークリングワインはイタリアのプロセッコ、数年前から扱っているとのお話でした。世界で一番出荷量の多い泡ものはプロセッコ、航空会社での需要は大きいですね!



離陸後すぐにサービスされるメインデッシュ、私は和食メニューを選択、味付けのバランスがとても良かったです。ビジネスクラス並みに食器も厳選、各人に白いテーブルクロスを敷いてくださることにもびっくり!

2012年秋にシンガポールでシンガポール航空の機内食ブック・ザ・クックについて取材しました。
現地のケータリングセンターで様々な料理、調理過程を視察したのですが、帰国後、和食部門を担当している『菊乃井』の村田吉弘料理長から「地上で食べてちょうど良いと思う味付けより、もう少し加味した塩梅が大事。 機内は湿度も少なく乾燥しているので、五感は鈍くなるため、味覚は地上の時より濃いめを好むようになります。そのための一工夫として“しんみりめ”の味つけが必要」と教えていただきました。その適度な塩梅“しんみりめ”の効いた上質な味わいでした。
ワインも同じで、地上で味わった時に飲み頃のものより、気持ちしっかりしたタイプのほうがおいしく感じるようです。


黒砂糖の和菓子も好印象



サプライズのシャンパン!
担当のパーサーと言葉を交わした時に、ワインの取材でワシントン・オレゴン両州に行くこと、シャンパンのスペシャリストであること等を話しました。「現地に着いたら自分で車を運転しますか?」と聞かれたので、「マイクロバスで移動します」と答えたところ、「それではデルタ ワンで出しているシャンパンを試飲させてあげましょう」とおっしゃってくださり、何と、機内でシャンパン体験をすることに。おかげで爆睡できました \(^o^)/


到着前の食事を前に、あらっ!


朝食はマッシュルームのフリッタータ トマトコンフィとチキンソーセージ
ランソンのシャンパンとシアトル拠点のスターバックスのコーヒー!

シアトル到着は24日朝9時過ぎだったので、なんとも贅沢なアサシャン、パワー充満できました。ありがとうございました!


復路はアップグレードして

帰路もデルタ プレミアム セレクトに再搭乗



トッド・スティーブンズ オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本代表がシアトル空港まで送ってくださったのですが、空港でばったり朋友Maxさんと遭遇なさった由。彼はデルタ航空のパーサーで、私と同じ飛行機に乗務していたことから、デルタ ワンのリストの中から、10日間の取材の労をねぎらう意味で、シャンパンをサービスしてくださいました、ホント感激!


ボトルも見せてくださいました。


洋食メニュー
ベジタリアンメニューのフレッシュモッツレラ入りのラザニア カラブリア風トマトソース


機内でいただいた到着前のお食事はカプレーゼキッシュ アップルウッドでスモークしたヌイスキーズのベーコンとフルーツ



7月、8月のシアトル、ポートランドは湿気もなく、身体に優しい気候でした。
初ワシントン、初オレゴンも取材し甲斐のあるワイン産地でした。

その脚となってくれたデルタ航空の対応は温かく、スーツケースも最優先で、スカイプライオリティコーナーにまとめて揃えておいてくださる気配りは本当に嬉しかったです。
2ヶ月前のオーストリア取材で利用したフランクフルト空港&ルフトハンザ航空の印象がひどかったので、なおさら、デルタ航空の“ホスピタリティの質の良さ”を感じました。マイレージの期限なしというのも魅力です!
8月31日からA330-900neoの機種も導入されるとのことなので、ますます楽しみです。
感謝を込めて、Viva DELTA!
posted by fumiko at 23:39| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月08日

【プロローグ】 オレゴン・ワシントン ハーベストツアー2019の全行程をさらりと振り返って

ワシントン / オレゴンワイン エクスペリエンス プロモーション2019研修ツアー


3月、4月の2ヶ月間、日本各地のレストランや小売店が参加して行われた『ワシントン/オレゴンワイン エクスペリエンス プロモーション2019』
両州のワインの魅力を多くのワインラバーに伝道した受賞者の皆さんは、7月24日~8月2日までの日程で研修ツアーに招待されました。



リーダーはオレゴン・ワシントン協会日本事務所代表のTodd Stevensさん、通訳は村田みづ穂さん。それから、受賞店ドミナス、ホテルローズガーデン新宿、パークハイアット東京、スイスホテル南海大阪鉄板焼みなみ、Vin 樹亭、鷲谷商店・ワインストアワッシーズと幸田株式会社 サチ・インターナショナルの皆さん。
私はワイン雑誌『ワイン王国』の記者として同行させていただきました。ワシントン、オレゴンともに中味の濃いプログラムを組んで素晴らしい対応をしてくださいましたので、そのリポートは同誌に掲載いたします。ご笑覧いただけましたら幸いです。詳細は後日お知らせします。


ここでは、全体の流れをさらりとお伝えします、私の備忘録!
シアトル到着24日のディナーはNine Hats


Long ShadowsのDane Narbaitzさん(右から6人目)、今ツアーの主催者Washington State WineのマーケティングマネージャーDoug Marshallさん(左から5人目)とワシントン州の農産物、総括経理担当のDavid McCalebさん(左から4人目)と一緒の記念ショット

この日は、早朝にシアトルに到着してずっと行動していたので、全員寝ていませんが、みんな元気な笑顔。あっ、ひとり足りない(笑)


さすがアメリカ、ピザの種類も大きさも!

25日ワシントン州ウッディンヴィル

シャトー サン ミッシェルでは世界でオンリーワンのワイン造り。対応してくださったのはエノロジストのHolly M. Wellsさん(最右)


真剣に正確な量を測って



『Fumiko's Blend 2015』はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、マルベック、カベルネ・フランの4種を使用しました。瓶詰のサポートをしてくださった女性から「アーティストシリーズ2014とブレンド比率が近いですね」と言われ、思わずニンマリ。我ながら、おいしいワインが完成したと思っています、誰と飲もうかな(笑)


ランチはパーカーポイント100点を4回ゲットしているクィルシーダ・クリーク。John D.WareさんとAlex Stewart さんを囲んで

お洒落なスポットBellevue Lakehouseで

Betz Family WineryのTim Steinkeさん(私の後方)とDelille CellarsのJay A Soloffさんとの合同テイスティングディナー


26日ワシントン州ヤキマヴァレー

Goose Ridgeでは畑の視察の後、スパークリングワインに特化しているTreveri Cellarsとアイルランドの愛国者の名に由来するOwen Roeを交えてのウォーキングテイスティング


ランチには新鮮な野菜がたっぷり


Goose Ridgeの4代目Taylor Monsonさんが朝摘みした旬のレーニア・チェリーをプレゼントしてくださり、全員狂気乱舞。今の時期にワシントン州に来ることができて最高!
 
シャンパンが登場したHedges

Hedges のChristophe Hedgesさん(左から4人目)の母上はシャンパーニュの出身で同地方に住む朋友と共にシャンパン造りをしているとのこと。今ツアーで初めてシャンパンが登場!


ヘッジスのディナーに合流したのはPowers、Double Canyon、Airfield Estatesの3ワイナリー


通訳は昨年のナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)の研修ツアーの時と同じ村田みづ穂さん。現地の皆さんから深く信頼されています。


27日ワシントン州コロンビアヴァレー/ワラワラヴァレー


当初予定になかったCanoe・Ridgeに。ミズーリ洪水によって形成された玄武岩、それが風化したLoess(ワシントンではレスではなく“ラス”呼称)の土壌と岩石を視察。強風でひも付きの帽子でないと吹き飛んでしまう勢い。


ダグさんが一握りのロスを空中にまいた瞬間のショット、風の強さがわかります。
周辺には風力発電の風車が整然と並んでいて、その光景はホント見事(チリと似た印象)!

コロンビア・クレストでツアー&ランチ

カヌー・リッジとコロンビア・クレストは同グループ。案内をしてくださったVIP対応のMichelle Getchellさんは、ツアーにバレルテイスティングも盛り込んでくれました。

L'Ecole No.41で

1915年に建設された古い校舎がワイナリーになっているレコールの前で全員集合


Woodward Canyonでの合同テイスティングには、L'EcoleとDunham Cellarsが参加


屋外でのアペリティフタイム、大人気だったスペシャルチーズ


主宰のWoodward CanyonのRick Smallさん(前列左から4人目)、2代目Sager Smallさん(前列最左)、L'EcoleのMartin Clubbさん(後列最左)とDunham CellarsのJoanne Dunhamさん(後列左から4人目)
ディナーにはデキャンター誌でインターナショナルトロフィーを受賞したレコール『Estate Ferguson2011』も供出され受賞者の皆さん、大興奮!


28日ワシントン州・オレゴン州コロンビアゴージ

コロンビア川を挟んだワシントン州とオレゴン州からそれぞれ3ワイナリーが合流。自然を謳歌しながらのウォーキングテイスティングを楽しみました。


Anicheの精力的なマダムの手作り


エレガントなピノの造り手Phelps Creek、オーストリアの固有品種グリューナー・フェルトリナーのスパークリングを生産しているSyncline、超100年のジンファンデルの造り手The Pines、ガメ・ノワールが印象的だったIdiot's Grace、そして当日のホストAnicheはボルドー瓶のユニークなスパークリングを生産

ポートランドに移動して
IMG_5614 omise.jpg
Irving Street Kitchenで美味しいフランスパンに出逢えました!


ここからオレゴン編。Antica Terra、Archery Summit、Domaine Verdant、Twill Cellarsの4ワイナリーによるテイスティングディナー!

29日オレゴン州ウィラメット・ヴァレー

A to ZではエグゼクティヴワインメーカーのMichael Daviesさんが終始対応、彼はプレミアムワインのREX HILLも担当


畑で熱のこもった解説をしてくださったKen Wright CellarsのKen Wrightさん(画像中央)


ランチは奥様カレンさんの手作り、大好評でした!

自根のピノ・ノワール!

J Christopherで自根のピノ体験、口中の印象はラウンド!
おもてなしくださったのはKory Sumnerさん

訪問ワイナリーで唯一のソーラーパネル

ワイナリーで消費する電力の30%はソーラーパネルで対応しているというSokol Blosser


料理の彩りも味わいもナイス!


30日オレゴン州ウィラメット・ヴァレー

ErathではGary Hornerさんによるテイスティングセミナーとシャルドネを植樹予定の畑視察


スパークリングワインと言えばアーガイル、ノン・ドゼとドザージュありの比較試飲を体験


ベジタリアン用サンドもあり、気遣いたっぷり、量もたっぷり

フランスの名門がオレゴンに進出

訪問したかったワイナリーのひとつがDomaine Drouhin


オレゴンのレジェンドのコラボ!
The Eyrie VineyardsのJason Lett さん(左から4人目)とDomaine DrouhinのDavid Millmanさん(左から3人目)に突然栽培担当のPhilippe Drouhin さんが加わり、贅沢な時間になりました。



火山性玄武岩探究中の様子を鳥瞰。CristomのEileen Vineyardで解説してくださったTom Gerrieさん(白いポロシャツに帽子の男性)

31日オレゴン州 ロレーン・ヴァレー

オレゴンのピノ・グリの魅力にどっぷりつかりました。
プロのギタリストでもあるJustin Kingさんからスペシャルワインの供出!


Oregon Winegrowers AssociationのTom Danowskiさん(中央)、オレゴンワインボードのBray Margaretさん、Todd さん
お世話になりました!


Tomさんと記念ショット

実はKing Estateの後、南オレゴンへバスで移動してForisに伺う予定でしたが、南オレゴンで発生した山火事のため、中止に。結果、行程変更、ポートランドに戻ることになりました。南オレゴン訪問が実現すれば、ツアー初の出来事になったようです。山火事が大事に至りませぬように!

帰路の機内で

Viva DELTA!
Toddさんの朋友パーサーのMaxさんが乗務していたことで、サプライズ!
シャンパンを飲んで、元気に帰還できました。
現地ワイナリーの皆さんから伺った情報は、ワイン王国誌上でしっかり紹介させていただきます。

関係者の皆さま、貴重な時間をシェアさせていただき、ありがとうございました。それでは!!

■オレゴンワインボード・ワシントンワイン協会日本代表事務所
URL:washingtonwine.jp oregonwine.jp
TEL:03-5904-8950
posted by fumiko at 23:45| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月04日

ワシントン/オレゴンワイン エクスペリエンスの合間にシアトル散策

“2019 ハーベストツアー”のフリータイム

海岸通りの『エリオット・オイスターハウス』で初ランチ


ツアーの主催者ワシントンワイン協会マーケティング・マネージャーのダグさん(最左)と同協会日本代表事務所のトッドさん(最右)と優秀店の皆さんとの顔合わせ。ちなみに、ワシントン州はホップの生産量が全米一なので、ブルワリーも多く、ビール好きには別天地!


牡蠣好きさんたちは大興奮!


牡蠣がダメなので、私はトッドさんお薦めのクラムチャウダーを選択。
長旅のあとのスープは最高!

ランチ後は名所散策

9時頃シアトルに到着したら、同日は終日行動なので、寝る時間はありませ~ん



人気のパイク・プレイス・マーケット


ワシントン州はホップだけでなく、リンゴの生産量も全米一!
ブルーベリーも大粒で実が濃く、佐藤錦似の味わいの旬のレーニア・チェリーにはハマります


新鮮な魚介類、大きなロブスター!


スターバックス創業の地シアトル、1号店の前は長蛇の列


スパークリング&シャンパンともに豊富な品揃え


ロゼワインの陳列スペース

チューインガムの芸術!?

観光客であふれていたガムウォール(使用したガムを張り付けた壁)の通り


インスタ映えするスポット!

シアトル到着日の束の間のフリータイム、五感の刺激になりました!
posted by fumiko at 23:43| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月29日

ワシントン/オレゴンで出逢ったスパークリングワイン

7月24日シアトルに到着後ワシントン州のワイナリー、28日にはポートランドに移動してオレゴンのワイナリーを視察している途中ですが、これまでに対面したスパークリングを少しだけご紹介します。

ワシントンワイン協会のウェルカムアイテム
スパークリングに特化しているトレベリ・セラーズが口開け!
コロンビア・ヴァレーAVAのブラン・ド・ブラン


ドメーヌ・サンミッシェルが手掛ける泡
『エロイカ』で知られるシャトー・サン・ミッシェルのスパークリング部門ドメーヌ・サン・ミッシェルの泡もの。日本未入荷のアイテムがゲットできたのでシャンパン講座生のお土産に(どのアイテムかはまだ秘密)


若者向けの泡カン
これはシャトー・サン・ミッシェルが20代の若者をターゲットにしたカンのスパークリング(未輸入)。個人的にはロゼの酒質のほうが好み!


ワシントン州でシャンパン!
ワシントン州にある1987年創業『ヘッジス・ファミリー・エステート』のオーナー夫人アン・マリーさんはフランス・シャンパーニュ地方トレパイユ出身で、親しいお仲間とシャンパンを生産しています。ディナーにはロゼも登場しましたが、マグナムサイズで出てくる心憎い気遣い。






コロンビア・クレストのブラン・ド・ノワール
ワシントン最大規模のワイナリー。この泡は生産量が少ないのでセラードアだけで販売。同州のピノ・ノワールはそれだけでも珍しいのですが、コロンビア・クレストでは主としてこの泡もののために使っているそうです。


グリュナー・ヴェルトリーナーと対面
5月のオーストリア訪問ではオーストリアの固有品種グリュナ―・ヴェルトリーナーのワインを数多く試飲してきましたが、ワシントン/オレゴンのユニットランチに、大好きなグリュナーの泡が出てきてビックリ。丁寧な造りで白系スパイスの風味もあり、好印象。



ヴィーニョ・ヴェルデを意識したアルバリーニョの泡
ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデを意識して造ったボルドー瓶のスパークリング。3気圧でフレッシュ感を信条にしています。



明日は定評ある泡ものを生産しているアーガイル(輸入元ワイン・イン・スタイル)訪問も予定されているので、残りの日程でさらなる泡ものとの出逢いが、楽しみです。
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月23日

夏至(6月22日)解禁! ブラピ×アンジー×ファミーユ・ペラン共同プロジェクトの『ミラヴァル・ロゼ』

解禁! プロヴァンスのミラヴァル・ロゼ

ミラヴァル・ロゼ2018 税別希望小売価格3,400円(ギフトボックス入は3,600円)
ステュディオ・バイ・ミラヴァル2018 税別希望小売価格2,500円

2012年、ハリウッド・スターのブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーは南仏プロヴァンス地方のワイナリーを購入。コート・デュ・ローヌ地方の名醸造家マーク・ペラン氏と共同プロジェクトをスタートさせ、ワインを生産しています。それがミラヴァル

です。
毎年、夏の到来を祝い、一年で最も日が長い夏至に販売を開始しています。
昨日がその解禁日でした!!

『ミラヴァル・ロゼ2018』は、サンソー、グルナッシュ、シラー、ロールの4品種を使用。ぶどう(シラーの一部だけはセニエ)は直接圧搾。温度管理したステンレス・タンク(95%)と樽(5%)で醸造しています。
今年は新たなロゼ『ステュディオ・バイ・ミラヴァル2018』が仲間入りしました。
1970年にジャズ・ピアニストで作曲家でジャック・ルーシェがオーナーとなり、レコーディング・スタジオを建設し、ピンク・フロイドやスティング等のミュージシャンがレコーディングの為に訪れていた由緒ある場所なので、スタジオをネーミングにしています。
ステュディオ・バイ・ミラヴァルも4品種サンソー、グルナッシュ、ロール、ティブランですが、シラーではなく、もう少し優しい雰囲気のティブランを使っています。地中海の影響(海風)を受けた土壌から収穫されたぶどうならではのユニークさがあります。サンソーとティブランはステンレス・タンク、グルナッシュとロールは一部を卵型のコンクリートタンクを使用。昨日(解禁日)のtwitterのRT

をご覧いただくと、容器の形がわかります。ミラヴァルの新施設も垣間見ることができます。ちなみに、卵の形は中のワインの流動を促し、澱(おり)を自然に撹拌させてくれる利点があります。

マリアージュ編
2種のミラヴァルを豚しゃぶ ひなた

に持ち込ませていただき、マリアージュ体験をしてみました。とんかつの名店『とんかつひなた』がブランド豚を使った豚しゃぶの専門店として、2017年秋に六本木にオープンした同店とは、ワイン界でお世話になっている重鎮の紹介でお邪魔して以来のお付き合いです。



ともに淡いピンクです。ミラヴァルのほうが色調に深みがあり、香りも華やかでベリー系果実と爽やかな酸味、中盤から酸味とミネラルがさらに広がり、まるいタンニンの存在、バランスが良くエレガント、低い温度から供出して、グラス内の温度が15度くらいまで上がっても楽しめる印象。
ステュディオは柑橘系果実や白い花、溌剌とした酸味と、それに続く塩味が心地良く、フレッシュで爽快、飲みやすくチャーミング、夏のテラスで楽しみたいイメージ。
品格があり、重厚さも備えた前者と、カリテ・プリで好感度大の後者。2タイプとも2018年ヴィンテージの良さを実感させてくれます。


茗荷のように香りのあるものはステュディオで!
南仏独自のガリーグ(ハーブのような香り)に通じる要素あり!


昆布だしの旨さを生かしたハモの吸物はミラヴァル


鮎の塩焼きは、そのままで食してミラヴァル、たて酢を使うと酸味の同化でステュディオ


3種のタレは左から塩だれ、タイ風醤油だれ(ナンプラーベース、 みじん切りしたコリアンダーをお好みで)、胡麻だれ。
相性的に、タイ風醤油だれは旨味や醤油に合わせやすいミラヴァル、塩だれはステュディオ。


漢方三元豚のバラ肉、ロース肉と軟白葱の世界を満喫。
ブランド豚の部位によって食感や甘さが違うので、好みのタレで豚しゃぶの奥深さが楽しめます。


何で合わせたら良いか迷った時は、ロゼにフレンドリーな餃子がお薦め!
にんにくは少な目、ラー油とお酢(黒酢でも)は多めにすると、ステュディオの軽快な酸とマッチ。


Muse de Miraval

容量はマグナムサイズのみ、限定生産2,000本
今年初登場した最上級キュヴェ“ミューズ”


WS誌によって、世界で最も優れたロゼに選ばれたミューズ・ド・ミラヴァル2018


カンヌ映画祭で初公開されたミューズ・ド・ミラヴァル2018は、オークションの競売で、2,600€の値がつけられたことで世界で最も高価なロゼになっています。 ペラン氏も、ミューズ・ド・ミラヴァルについて、「単なるミラヴァルではなく、それを超越してミラヴァルの中心に存在するもの」と述べています。この類い稀なロゼ、日本上陸することを期待しつつ・・・

■ミラヴァル・ロゼ&ステュディオ・バイ・ミラヴァルについてのお問い合わせは
ジェロボーム(株)担当:山下、田結(たゆい)/TEL:03-5786-3280
URL:http://www.jeroboam.co.jp
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月07日

【DO ルエダワイン】レストランプロモーション2019を前に〝SANT PAU〟で料理とワインのペアリング

注目 DOルエダと白ぶどう ベルデホ

ルエダワイン原産地呼称統制委員会は、原産地呼称統制(DO)に基付いたDOルエダワインの認知および消費を伸ばすことを目的に、今月、首都圏の10店舗(末尾に掲載)でレストランプロモーション2019を開催。実施店ではルエダのワインを2アイテム以上オンリスト、ワインに合わせたオリジナルメニューを提供しています。

スペインNo.1の白ワイン産地
DOルエダは1980年1月にカスティーリャ・イ・レオン州で初めて原産地認識されました。在来種の白ぶどうVerdejoベルデホの認知度を高め、保護することが目的でした。ベルデホは、verde(緑)の意味を持つアロマティックな品種。ルエダの国内市場で占める割合は40%なので、スペインで最も売れている白ワインはDOルエダということになります。

ワインの産地は700~800m に及ぶ高地に位置しており、大陸性気候下にあります。寒くて長い冬と暑くて乾燥した過酷な状況ですが、ベルデホはそれに適合した品種と言えます。日中と夜間の寒暖差が大きいことは、ぶどうの糖度と酸味のバランスを保つための重要な要素であり、加えて、小石や砂の多い土壌も大事なポイントになっています。
2008年8月以降、赤ワインとロゼワインも生産しており、前者の生産量は極小ですが、テンプラニーリョから造られるロゼはベリー系の香り、柔らかな酸、爽やかな口当たりで近年人気上昇中。

SANT PAUの料理と合わせて

3種のタパス × マルケス・デ・リスカル ブランコ・ソーヴィニヨン2017
タコのブロチェッタ イベリコベジョータのボガディージョ バカラオのコロッケ
 

鮪のタルタル × ホセ・パリエンテ ベルデホ2016
山葵、空豆、鮪のカルド(魚醤)
「ベルデホの柑橘やハーブのニュアンスはオリーブオイルと良く合います」と菊池シェフソムリエ


鮪節で一番だしを取り、そこにスペイン産の魚醤(ぎょしょう)を加えたソースは、目からうろこの体験!


塩漬け真鱈の低温調理 × エルマリノ・リュリトン“クエスタ・デ・オロ” DOルエダ2015
浅利、地中海スープ、根三つ葉、レモンゼリー


仔羊のアサド × ボデガ・ベロンドラーデ ベロンドラーデ・イ・リュリトン2014
ホワイトアスパラガス、卵、パルメザンチーズ、イベリコベジョータの生ハム


山羊の牧草風 × デ ・アルベルト・ドラドN.V.
鬼胡椒、デーツ、蜂蜜
牧草地をイメージした一皿。視覚からはベルデホの持つ爽快感、香りと味わいからはシェリーを彷彿とさせるニュアンスが伝わってきたので、新たな一面、相性を探求する場になりました。


酸化熟成タイプのデ・アルベルト・ドラドN.V.
古くからこの地域で造られていた酒精強化ワイン


16Lのガラス瓶に12Lだけワインを入れ、陽の下に置いて酸化を促し、その後、樽に移してソレラシステムで瓶詰。
初体験! 
香りはフィノタイプのシェリー、味わうと最初と最後の印象はシェリーですが、中盤にライトなタッチ(柑橘系果実やハーブの要素を備えたベルデホならではキャラクター)が口中に。この感じがベルデホで造るドラドの特徴だと思いました。興味惹かれるワイン!



#1:マルケス・デ・リスカル ブランコ・ソーヴィニヨン2017
生産者は老舗ボデガ『リスカル』、ソーヴィニヨン・ブラン100%、6度でサービス。低温でマセラシオン、13~15度で発酵後、シュールリーで熟成。輸入元サッポロビール、参考小売価格2,000円(税抜)。柑橘系果実、アプリコット、ハーブ(フェンネル、ローズマリー)、ミネラル、南国果実の甘やかな香り。「横に広がる酸なので、料理とも合わせやすい」と菊池氏。脂分のある食材(鱈のコロッケ)を合わせると口中をきれいにしてくれる良き相棒

#2:ホセ・パリエンテ ベルデホ 2016
ベルデホ100%。8度でサービス。樹齢30年以上のぶどう樹。8~10度でマセラシオン、ステンレスタンクで低温発酵、シュールリーで熟成、輸入元グルメミートワールド、参考小売価格3,500円(税抜)。“緑”の意味をもつ品種らしく、フェンネルやグリーンアスパラの香り、後味にビター感。和食なら山葵や紫蘇との相性も良いとのこと。供出された一皿のベジタルな要素(空豆やわさび菜)が相性の良さを証明。鮪節と魚醤を使ったソースに旨みを感じた逸品

#3:エルマリノ・リュリトン“クエスタ・デ・オロ”DOルエダ 2015
ベルデホ100%、10度でサービス。12時間浸漬、フレンチオークの新樽で低温発酵、フレンチオーク(3分の1新樽)で12ヵ月樽熟成。輸入元白井松新薬、参考小売価格5,000円(税抜)、グレープフルーツ、干し草、ドライフルーツ、カモミール、「瓶熟成に由来するドライ感、味わいにもしっかりとしたストラクチャーが出始めています。ベルデホは野菜や山のイメージが強いのですが、このワインとあわせることで鱈の香りがうまく調和し、アサリとも合います」と菊池氏。果実だけでなくスパイスや樽の要素を感じるワインで、味わった最後に〝塩味〟も。その塩味がバカラオと重なると、味わいが濃くなる印象。

#4:ボデガ・ベロンドラーデ ベロンドラーデ・イ・リュリトン2014
ベルデホ100%、10度でサービス。樹齢30年のぶどう樹。発酵はフレンチオーク、その後、約10ヵ月熟成(シュールリー)、瓶内熟成6ヵ月。輸入元ミリオン商事、参考小売価格7,300円(税別)。洋梨、スイカズラの花、アプリコット、パイナップル、樽由来のナッツ、アーモンド。完熟させたベルデホを澱と接触させることでリッチさを表現。骨から取った肉汁を煮詰めたスープ、柔らかな肉質とジューシーさを備えた仔羊、手の込んだホワイトスアパラや生ハム、泡状にしたパルメザンチーズベースの付け合わせ等にも工夫が凝らされており、それらが味わいにも反映した“おいしい要素”が詰まった一皿!

#5:デ・アルベルト ドラド N.V.
ベルデホ100%、12度でサービス。平均樹齢56~85年のぶどう樹。生産本数1,000本。16Lのガラス瓶で春から夏までの6ヵ月間、陽に当てて酸化させ、樽に移し2年間のソレラシステム後,瓶詰。古典的なベルデホの製法。Alcは17~18%、輸入元いろはわいん、参考小売価格3,000円(税抜)、黄金色、シェリー似の香り、柑橘果実のコンポート、ドライフルーツ(乾燥した杏)、スパイス(シナモン)、ハーブ(干し草)等、複雑味あり。口中でも最初、中盤、最後と様々な香りと味わい。単体で食べると癖があるシェーブルを、蜂蜜のゼリーをブリッジ食材にして、双方をつないだおいしいマリアージュ。なめらかなタッチのほうれん草のピューレもベルデホの持つ野菜やハーブのニュアンスと相乗◎


造り手次第で表情を変えるベルデホの魅力!


デザートは苺と桜のポストレ


彩り、味わい様々なプティフール


赤木渉料理長とナビゲーターを務めた菊池貴行マネージャー兼シェフソムリエ
菊池氏は4月17日(水)~19日(金)の期間東京ビッグサイトで開催される『ワイン&グルメ』で『DOルエダ ~秘宝が知られてしまう、その前に~』と題した業界向けセミナーを行う予定です。詳しくはコチラ

から!


『SANT PAU』が新天地で新たなスタート

私が初めて訪問したのはオープンした2004年


日本橋時代の懐かしいエントランス

[NEW]サンパウ最新情報
15周年を機に3月28日、平河町に移転しました!
住所:〒102-0093 東京都千代田区平河町2-16-15 ザ・キタノホテル東京2階
電話:03-3511-2881
詳細はコチラ




[イベント]キャンペーン参加店舗
4月5日〜19日
Bikini 東京都港区赤坂5-3-1 赤坂サカス赤坂Bizタワー 1F 03-5114-8500 
Bikini TAPA 東京都渋谷区道玄坂1-12-5 渋谷マークシティレストランアベニュー4F 
03-5784-5500
Bikini PICAR 東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町2F 03-6202-3600
Bikini MEDI 東京都豊島区西池袋1-1-25 レストラン街スパイス14F 03-5956-1800
Bikini SIS 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズウェストウォーク5F 03-5770-5230

4月5日〜30日
バルデエスパーニャ ペロ 東京都中央区銀座6-3-12 03-5537-6091
バルデエスパーニャ ムイ 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルディングTOKIA2F
03-5224-6161

4月8日〜30日
バルデエスパーニャ ムイ 愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1ミッドランドスクエア4F 
052-527-8821

4月5日〜30日
ミガス ミガス 埼玉県越谷市レイクタウン4-2-2 kaze3F 048-940-1663

4月5日〜19日
サルイアモール 東京都渋谷区代官山町12-19 第3横芝ビルB1 03-5428-6488

■プロモーションに関する問い合わせ先は
DOルエダ レストランプロモーション事務局 加藤勝也 090-1607-1281
posted by fumiko at 17:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月15日

YouTube配信! 今夜21時30分から『世界最優秀ソムリエコンクールベルギー大会』決勝

【速報】コンクール結果

優勝

はドイツのMarc Almert選手(27歳)、おめでとうございます!
2位はデンマークのNina Højgaard Jensen選手(26歳)
3位はラトビアのRaimonds Tomsons選手(38歳)


オーストリア・ウィーン大会(1998年)の時の世界最優秀ソムリエ、ドイツのマルクス・デル・モネゴMW(左)から祝福を受けて

森覚選手と岩田渉選手は決勝には進出できませんでしたが、果敢な挑戦、お疲れ様でした!
(一社)日本ソムリエ協会からのプレスリリースによると、岩田選手11位、森選手17位とのこと。
(追記:2019年3月16日&18日)


ベルギーで栄冠を手にするのは
ソムリエの技と知識を競うソムリエ界最大のイベント!
第16回『A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール』がベルギーのアントワープで現在進行中です。同大会は3年に1度開催されており、16回目となる今回は世界63ヶ国から66名(63名&3大陸大会の優勝者3名)が出場。日本からは森覚選手(日本代表)と岩田渉選手(アジア・アセアニア大会優勝者)が3月11日&12日準々決勝に挑戦、準決勝に駒を進めました!

準決勝進出の19名(敬称略、国名アルファベット順)

画像協力:(一社)日本ソムリエ協会広報

■Martin Bruno (Argentina)
■Loïc Avril (Australia)
■Antoine Lehebel (Belgium)
■Pier-Alexis Soulière (Canada)
■Kam Fung Reeze Choi (China)
■Nina Hjgaard Jensen (Denmark/女性)
■David Biraud (France)
■Marc Almert (Germany)
■Julie Dupouy-Young (Ireland/女性)
Satoru Mori (Japan)
Wataru Iwata (Japan)
■Raimonds Tomsons (Latvia)
■Martynas Pravilonis (Lithuania)
■Andrea Martinisi (New Zealand)
■Piotr Pietras (Poland)
■Julia Scavo (Romania/女性)
■Aleksandr Rassadkin (Russia)
■Vuk Vuletic (Serbia)
■Fredrik Lindfors (Sweden)


気になる欧州勢

The Best Sommelier of Europe Vienna 2017で活躍した選手
(左から)3位のビロー選手(フランス)、2位のピエトラス選手(ポーランド)、3位のスカヴォ選手(ルーマニア)、1位のトムソン選手(ラトビア)

2年前にウィーンで開催された『ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクール』の決勝戦を見るチャンスがありました。凄い激戦だったのですが、今回勝ち進んでいる19名のなかに、ウィーンで実力を示した4選手が全員揃っています。

世界チャンピオンになったソムリエには、アルゼンチン大会で優勝したジョン・アルヴィッド・ローゼングレン氏(スウェーデン)、今年1月惜しまれつつ世を去ったジェラール・バッセ氏(英国)、東京大会の覇者パオロ・バッセ氏(スイス)等がいらっしゃいますが、皆さんヨーロッパ最優秀ソムリエコンクールで優勝しており、欧州代表になることは、世界チャンピオンへの登竜門にもなっています。

2017年欧州で優勝したのはラトビアのライモンズ・トムソン選手でした。私にとって印象的だったのはブラインドテイスティングの正確さ、所作のきれいさ、そして耳に残る心地よい声でした!
今朝、ベルギーに同行中の石田博ソムリエ協会副会長のFBに投稿されていた試合の動画を観ました。準決勝に出ていたブラインドの赤ワイン1種を豪州バロッサのCS/シラー。ブラインドワイン3種については、ポルトガルのトニーポート、ベルギーのアベイビール、ポルトガルのマデイラと答えていましたが、日本の岩田選手はWines of Portugal japanese Sommelier of the Yearで見事な洞察力を発揮していたソムリエであり、全日本最優秀ソムリエコンクールでは「よなよなエールビール」まで指摘していたので、おふたりのコメントは重なっているかも・・・な~んて勝手に想像していました。

3 人の女性選手、東京大会やアルゼンチン大会でも健闘しているジュリー・デユプイさん(アイルランド)、欧州では2位だったジュリア・スカヴォさん(ルーマニア)、ジェンセンさん(デンマーク)の躍進にも期待です!

ダヴィッド・ビロー氏(フランス)は欧州大会では最初の課題で、清酒と焼酎を間違えてしまい、いつもの冴えがなかったのですが、ベルギー大会ではリベンジなさるはず。アルゼンチン大会決勝でのローゼングレン氏との丁々発止の姿、再現なるかです。


壮行会での森覚選手と岩田渉選手

石田副会長の動画にあった森選手と岩田選手のサービス(6分)は、森氏はデキャンター前にブショネチェックがなかったような・・・岩田氏は確認用グラスにワインを少量注ぎ、香りを利いてからデキャンタ―に入れてリンスしていました。
また、ベルギーでジョージアワインをどのようにプロモーションするかとの課題(5分)には、おふたりとも歴史、クヴェヴリ、世界遺産、料理、エデュケーション等に無難に言及。森選手には後半笑顔もありました。
余談ですが、今日の午後は世界最古のワイン ジョージアワイン展の記者会見&内覧会があり、ジョージアワインはまさに世界から注目されているホットな存在!!

[イベント]3月15日(金)日本時間21時30分からYouTubeでライブ配信されます。
https://www.youtube.com/watch?v=kOkzefqPcN0&feature=youtu.be

制限時間内で、最高のパフォーマンスを見せてくれるのはどの選手なのか
3年に1度の祭典、格闘技のような勝負の世界を垣間見ていただけましたら幸いです!
今までの流れか考えて、私は今夜の決勝戦は本来の「3名」ではなく、点数接戦で「4名」出場になるような気がしています。日本勢にチャンスがあるかも知れません。
森覚選手と岩田渉選手への応援、よろしくお願いいたします!!
posted by fumiko at 13:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月11日

復興支援のファインズチャリティ試飲会、継続は力なり!

第9回ファインズチャリテイ試飲会


登壇メンバー

(左から)
メゾン&ドメーヌ アンリオのジル ド ラルズィエール社長
ドメーヌ アンヌ・フランソワーズ グロのフランソワパラン先代当主
同上マティアス パラン現当主
クルティエのティモテ シャヴァヌ氏
ファインズの中西卓也代表取締役社長
ソルベニ3-4-3のフィリップ トルシエ当主
(前列)CIVIC FORCEの根木佳織事務局長
ジッラルディのジャコリーノ ジッラルディ当主(兼チェレットCEO)
ジッラルディ&チェレット アンバサダーの林 茂氏
ボデガス プロトスのジョアン カレラス アジア太平洋・中東ディレクター
同上マリレナ ボニーラ ワインメーカー
ハイド ド ヴィレーヌ のジェームス アイアー ゼネラルマネジャー

2011年3月11日に発生した東日本大震災の直後、(株)ファインズが輸入しているワイン生産者たちから、「日本のために協力したい」との申し出があり、スタートしたこのチャリティ試飲会

も9回目を迎えました。

会場内の様子をご紹介
シャンパーニュ アンリオ

チャリティ試飲会への貢献度大のジルドラルズィエール社長


『アンシャンテルール』に代わって登場したプレスティージ キュヴェ『キュヴェ エメラ』

初参加のソルベニ 3-4-3

ボルドーのサン・テミリオンにある『ソルベニ』のオーナーは元サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエ氏


初ヴィンテージは2014年(完売)、最新ヴィンテージは2016年、評価も高いです!

春を楽しむロゼ



ボトルもガラス栓(ヴィノロック)もスタイリッシュだったペイドックのエドニムズロゼ(ジェラール・ベルトラン)

ブルゴーニュとカリフォルニアの融合

イグナシアピノ・ノワールの存在、気になります!

スペインから初参加ボデガス プロトス

ワインメーカーはマレリナ・ボニーラ女史、『プロトス ベルデホ バリカ』の樽使い、好きです!

高評価ワイン

アルゼンチンを代表するワイナリー『カテナ』のマルベック

ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ

A.F.グロの看板ワイン、生産量は約3,000本!

ロック氏を偲んで

昨年11月、56歳で他界したアンリ・フレデリック・ロック氏
ドメーヌ・プリューレ・ロックのニュイ・サン・ジョルジュの試飲コーナー

第1回のチャリティ試飲会に駆けつけてくださったロック氏、懐かしい画像になってしまいました。
https://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2011-07-10

ブルゴーニュ アペラシオン比較

ブシャールP&Fの2016年ヴィンテージで村ごとの味わいを探究


ル・コルトン2016、これも気になったアイテム

有料試飲はボルドーグランヴァンの水平・垂直試飲

水平試飲は3シャトーの2014年ヴィンテージ

今回初の試みブラインドテイスティング

多くのワインラバーが挑戦していました!


300名の入場料、有料試飲代、ブースでの募金等は公益社団法人Civic Force

に全額寄付され、復興支援のために活用されます。
今年は総額2,904,875円、過去最高額になりました。
ご参加&ご協力くださったワインラバーの皆さまに心から御礼申し上げます。
ありがとうございました!!
10回目となる来年も引き続き、よろしくお願いいたします。
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月01日

日欧EPAに絡む一考察 ~スパークリングワインを中心にして~

2月1日午前0時から日欧EPA発効

昨年7月、安倍首相が欧州連合(EU)のトゥスク大統領とユンケル欧州委員長と首相官邸で署名したEPA(経済連携協定)は、同12月に欧州議会でも承認されたので、2019年2月1日から発効。この時点で日本の輸出酒類全品目とEUからの輸入ワインの関税が即時撤廃になります。
開始の時期は輸入元によって異なり、サントリーワインインターナショナルは2月1日の出荷分から、サッポロビール、メルシャン、三国ワイン、アサヒビール、日本リカーは3月1日の出荷分から適用するとのこと。

昨年、サッポロビールが20歳以上の男女約1.3万人に日欧EPA発効と普段のワイン飲用に関するアンケート調査

を実施しました。とても興味深い内容だったので、一部引用させていただきます。


「どの価格帯の欧州ワインを購入・飲用したいか?」との問いに対して、800~1,000円未満が28%、1,000~1,400円未満が27%で、全体の55%が1,000円前後の価格帯に関心を寄せていました(複数回答)


「日欧EPA発効を機に、過去の購入・飲用よりも増やしたいアイテムは?」との質問には、スパークリング(シャンパーニュ含)が46%、ロゼワインが15%という結果(複数回答)でした。

1,000円代のワインに注目
関税撤廃と言っても、輸入元は直近数年にわたる現地蔵出し価格、輸送コスト、資材コストの高騰による原価高の吸収分を考慮し、総合的に勘案して決定しています。ゆえに下げ幅は一律ではなく、欧州ワインのすべての価格を引き下げるものではありません。

ちなみに、日欧EPAのスティルワイン(非発泡)の関税率は価格の15%あるいは1㍑換算で125円(750mlだと93.75円)になります。また、スパークリングは1㍑換算で182円(750mlだと136.5円)です。
ただ、シャンパーニュや高級ワイン(ジョセフ・ドルーアン、ルイ・ジャド、M.シャプティエは注目)は、前述のように、蔵出し価格等の上昇率が、関税撤廃分を上回るので、恩恵はほとんどなさそうです。

該当するスパークリングワイン
今回以下の輸入元様の要のスパークリングワインの価格(税抜)、下げ幅を伺ってみました。

サントリーワインインターナショナル
実施日:2月1日出荷分から
価格改定:参考小売価格の1~11%程度。金額で20~140円
対象商品:スティルワイン、スパークリングワイン22ブランドで適用


スペイン/フレシネ コルドン ネグロ 1,790円→1,680円
フランス/デュック パリ ブリュット 1,110円→1,000円
イタリア/ヴィッラサンディ ブラン・ド・ブラン ブリュット 1,770円→1,640円
イタリア/タヴェルネッロ スプマンテ ビアンコ 1,100円→980円
ポルトガル/マテウスロゼ 1,000円→950円
ドイツ(スティルワイン)/リープフラウミルヒ<マドンナ> 1,310円→1,230円


サッポロビール
実施日:3月1日出荷分から
価格改定:参考小売価格の2~17%
対象商品:フランス、スペイン、イタリア等の一部商品74品目
フランス(スティルワイン)/ラブレ・ロワ ブルゴーニュPN 2,450円→2,350円
フランス(スティルワイン)/ヴィナデイス ラ・キュベ・ミティーク1,800円→1,650円
スペイン(スティルワイン)/マルケス・デ・リスカル リスカル・テンプラニーリョ 1,350円→1,300円
イタリア/キアリ ランブルスコ ロッソ&ビアンコ 900円→800円


フランス/ヴィナデイス ラ・キュベ・ミティーク スパークリング・ブリュット2,000円→1,850円


メルシャン
実施日:3月1日出荷分から
価格改定:参考小売価格の1~20%
対象商品:フランス、スペイン、イタリア等76品目
フランス(スティルワイン)/ドメーヌ・カズ カノン・デュ・マレシャル 1,720円→1,640円 
スペイン(スティルワイン)/ボデガス・フォンタナ メスタ オーガニック 970円→900円 
スペイン/コドーニュ ラ・ロスカ ブリュット 1,040円→930円 
スペイン/コドーニュ バルセロナ1872  1,750円→1,660円 
  

コドーニュの下げ幅3~6%

EPA関連で新製品のスパークリングとロゼが登場します。

2月19日(火)全国発売 デラピエ・ネグラ・ブリュット

890円


2月26日(火)全国発売
メスタ テンプラニーリョ ロゼ オーガニック

970円→3月1日から900円


三国ワイン
実施日:3月1日出荷分から
価格改定:スティルワイン50~100円、スパークリング80~200円、価格改定幅は平均6%
対象商品:フランス、スペイン、イタリアのスティルワイン40品目、スパークリングワイン9品目で計49品目。主要ブランドはジョセフ・ドルーアン、アラン・ブリュモン、ポール・ジャブレ・エネ、クネ、ロジャーグラート
フランス(スティルワイン)/ジョセフ・ドルーアン ラフォーレ ブルゴーニュ CH オープン価格(希望小売価格2,300円→2,200円)
フランス(スティルワイン)/ジョセフ・ドルーアン ラフォーレ ブルゴーニュ PN オープン価格(希望小売価格2,300円→2,200円)
フランス(スティルワイン)/アラン・ブリュモン ガスコーニュ ロゼ 1,400円→1,300円
スペイン(スティルワイン)/クネ ロサード 1,400円→1,300円



スペイン/ロジャーグラート カバ ロゼ・ブリュット2,200円→2,100円
スペイン/ロジャーグラート カバ コーラル ロゼ・ブリュット2,200円→2,100円

アサヒビール
実施日:3月1日出荷分から
価格改定:平均10%、最大で17%
対象商品:フランス、イタリア等40品目
主要ブランドは仏のジネステ、レミー・パニエ、伊のガンチア、ゾーニン、ポルトガルのアヴェレーダ


イタリア ガンチア・アスティ・スプマンテ 1,830円→1,640円

日本リカー
実施日:3月1日出荷分から
価格改定:参考小売価格の4~14%
対象商品:フランス、イタリア、スペインの一部商品22品目
フランス(スティルワイン)/ルイ・ジャド コトー・ブルギニョン ルージュ&ブラン&ロゼ 2,500円→2,200円
フランス(スティルワイン)/M.シャプティエ コート・デュ・ローヌ ルージュ ベルルーシュ&ブラン ベルルーシュ 1,800円→1,700円
スペイン(スティルワイン)/ボデガ・イニエスタ ミヌートス116 ティント 1,300円→1,200円


イタリア/ガヴィット ロスカート プロセッコ エクストラ・ドライ 1,800円→1,700円

まとめとして
関税撤廃の恩恵は1,000円代の価格帯のワインに反映しています。
スパークリングワインは食中酒として使い勝手が良いので参考にして頂けると嬉しいです!
posted by fumiko at 00:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月14日

ルイ・ジャドの2018年プリムール(新酒)をシノワ渋谷店のメイン料理に合せて

全開! ルイ・ジャドのプリムール
IMG_8479.JPG

尊敬する松本信彦エノログがいらっしゃるマンズワイン小諸ワイナリー

を訪問した参加メンバーからのリクエストを受けて、11月末に全員集合!
シノワ渋谷店にルイ・ジャドの新酒2種を持ち込ませていただき、マリアージュ体験をしてきました。
ルイ・ジャドではボージョレ・ヌーヴォーの製法マセラシオン・カルボニックに依らない伝統的な醸造方法による長期熟成可能な高品質のプリムールを生産しています。
#1:ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール 3,500円(税別)
#2:同 ノン・フィルター 3,800円(税別)

2018年ヴィンテージ情報
3月は一時的に冷え込んだ時期があり、発芽は4月半ばで例年より遅いスタートになりました。春は温かったものの、しばしば雷雨の襲来も。当初遅い成長サイクルと収穫予想でしたが、その後、数週間を経て、5月末に最初の開花が始まり、より早い成長パターンに!  7月上旬には房の成長が完了、中旬頃からぶどうの実も色づき始めました。
夏は大変暑く、乾燥気味。7月に少し雷雨が発生しましたが、8月はほとんど雨が降らず、収穫は8月末から9月初めにかけて行われました。
2018年は春の遅霜や大きな雹害がなかったので、ぶどうは健全に育ち、収量&品質ともに申し分のないぶどうが収穫できました!

ホスピタリティ十分なシノワで

最初に登場したのは可愛いグジェール!


前菜3種の盛り合わせに供出された3アイテム、何とも贅沢


メインは全員肉系で決まり!!
仔羊、牛ホホ肉、鴨胸肉、牛みすじを2名ずつがオーダーするという流れに思わず[わーい(嬉しい顔)]
今回のブログでは、参加メンバー(ワインスクールの講師が半数以上)からの相性コメントを載せますね!


仔羊に合わせてシノワが選んでくれたワインはシャトー・テルトル2012

オーストラリア産仔羊のロースト 栃木産舞茸とゴボウのソテ-添え


■ラム肉は噛みしめていく段階でスパイスや塩分の衣がとれ、肉本来の香りや旨味が現れました。その中でも今回はショルダー部分のラムロールとラムラックをごぼうと合わせたもので、ラムロールは仔羊の旨味がプリムールのタンニンと熟成感につつまれて芳醇なハーモニーを奏でていました。シノワのまるで上質なバージンウールのような香りにつつまれて提供されるラムラックは、ノン・フィルターの果実味豊かな香りと交わり、素晴らしい空間を生み出していました。ラムとごぼうにルイ・ジャドのボージョレ・ヌーヴォー・プリムール。大地を感じる最高のマリアージュでした。


国産牛ホホ肉のピノ・ノワール煮込み


■双方ともボージョレのイメージを超える、素晴らしいワインでした。さすがルイ・ジャドが造ると違うんだなと思いました。フィルターありのほうは、香りが華やかでチャーミングな果実味が印象的、酸も綺麗でした。
フィルターなしのほうは、香りは穏やかに感じましたが、口に含むと、ベリーの要素とともに、土や葉など、自然界の滋味深さを感じるような複雑な味わいで、いつまでも飲み続けたいと思いました。余韻も長かったです。牛頬肉のピノ・ノワール煮込みと合わせましたが、フィルターなしのほうが、お肉の旨味をより引き立て、とてもよいマリアージュになっていました。

■シノワが供出してくれたのは『ダヴィド・デュバン モレ・サン・ドニ2015』
しっかりした土の香り、2015ながら落ち着いた果実味の柔らかい味わいが、少し甘めの濃厚なソースを引き立てながらもあっさりといただくことができました。
プリムールのフィルターありの方は、イキイキとした、フレッシュな香りと果実味が、ホロホロに煮込んだ牛肉には「年の差カップル」のような印象になり、鶏肉や豚肉、春菊などとの相性を試してみたくなりました。
一方、ノン・フィルターと合わせると、熟したぶどうをそのまま味わったかのような線の太い、しっかりした果実味と滑らかなタンニン、優しい酸が、少し甘めの濃厚なソースに寄り添い、牛肉とピノ・ノワールソースにはワインの滑らかで明るい味わい、ワインには牛肉とピノ・ノワールソースの粘度のある黒い味わい、と相乗効果を楽しむことができました。

フォアグラ丼には


■フォアグラ丼には『コロンビア・クレスト メルロ』を供出してくださり、甘辛いタレと、濃厚で複雑なベリーの果実味、ロースト香の相性が良かったです。
フォアグラそのものは、レアの状態に仕上げてあったので、特にノン・フィルターと合わせると、しっかりした、でも素直な果実味と、ヌーヴォーならではのフレッシュ感がちょうど良い感じに寄り添っていました。


フランス産鴨胸肉のロースト クランベリー風味のガストリックソース


■じっくりローストされた鴨胸肉は素材の旨みたっぷりでジューシーな食感。甘酸っぱいクランベリーを加えた濃厚なガストリックソースが、美しいロゼ色に仕上がった鴨肉の旨みを引き立ててくれました。
フィルターを使用したもの、ノン・フィルターのもの。両方とも贅沢な果実味としっかりした酸味があり、造り手の技量によるエレガントさとガメイ本来のキュートさが共存していました。ノン・フィルターはさらに豊かな香りと凝縮された細かいタンニンが心地良い上質な味わい。ワインを飲むごとに、口の中に広がる鴨の旨みとクランベリーの風味が一層魅力的なものとなりました。
新酒という枠を超えた品格あるルイ・ジャドのボージョレ・ヴィラージュ・プリムールとメインディッシュの鴨は素晴らしいマリアージュでした。特に懐の深さを感じるノン・フィルターはお気入りのワインです。


ニュージーランド産“牛みすじ”のロースト シャリアピンソース


■牛みすじでシャリアピンソースということだったので、みすじの脂と玉ねぎの甘味で、フィルターありの果実味たっぷりのほうが合うかなと思っていました。実際のお料理は、みすじは脂が少なめで、シャリアピンソースも甘さ控えめ、そこにあらびきの黒胡椒が振られていたので、果実味よりはコクのあるタイプのほうに合うような味付けになっていました。ゆえにフィルターありだと、果実味の部分がちょっと浮いてしまい、味わいも料理に比べて軽くなってしまう印象に。その点、ノン・フィルターは、そのコクの部分が補われて、さらにソースにも醤油的な要素が感じられたので、結構良い相性になっていました。ただ黒胡椒が入ると香りも味わいも若干強くなるので、ノン・フィルターと合わせるなら黒胡椒なしの状態がちょうど良いのではと感じました。

ちなみにシノワが供出してくれたワインは『ドメーヌ・ド・ローラージュ2010』
メルロとカベルネ・フランの熟成からくる柔らかで熟した果実と若干の鉄っぽさ&スパイシーさが、ボージョレ・ヴィラージュ・プリムールよりは合っていると感じました。私感ですが、ノン・フィルターのプリムールをもう少し熟成させたら、ボルドーより合うのではないかとも思いました。

■ソースが少し和風な感じでさっぱりとしていました。フィルターありとは合わないわけではないのですが、アフターにワインの酸味が鼻に抜けるような感覚がありました。一方のノン・フィルターは肉の甘みとワインの旨味が口の中で溶け合い良い相性でした。


フランス産栗のモンブラン


デザートも6皿のなかから各自好みのアイテムをセレクト
栗好きの私はモンブランにしました。
シノワセレクトのワインはハンガリーの『ディズノク トカイ・アスー 5プットニョシュ2008』、ネクタリンや蜂蜜、ロースト感、余韻に軽いビター感。口中に広がる凝縮感とその後に続く酸味。モンブランとは甘さの二重奏になるので、酸味の切れがもう少しあっても良い印象。他メンバーのデザート用に供出されていたソーテルヌ『シャトー・カントグリル2014』のほうが、甘味の軽度と酸味のバランスがモンブラン向きだったかも。


練乳のバニラアイスクリーム 30年熟成ペドロヒメネス(PX)添え
人の花は赤い!
バニラアイスに大好きなPXをかけた逸品にも心惹かれました(笑)




料理に合わせて楽しんだワインたち!
ただし、全員がすべてのアイテムを味わったわけではなく、シノワがメニューに合わせてワインをセレクトして供出。後藤聡オーナーは銀座店だったので、お目にかかれなかったのですが、丹下大輔マネージャーが細やかな気遣いをしてくださり、参加メンバー全員が時間を忘れて、ワインと料理の相性を堪能しました。
ワインのセレクトが素晴らしかったです、ありがとうございました!

■Chinois-shibuya シノワ・シブヤ 
〒150-0042 渋谷区宇田川町28-4 A2 Bldg. 8F
℡03-5457-2412
URL:https://www.chinois.jp/shibuya/
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月17日

18日から期間限定でオープン! 創業100周年を迎えた中島董商店“初”の『nakato café』

キユーピー&アヲハタブランドの中島董商店が展開する『nakato café』

中島董(なかしまとう)商店が大切にしてきた上質でこだわりにある食が体験できる洋食のカフェ
【開催期間】5月18日(金)~6月17日(日) 11:00~23:00
【開催場所】ロイヤルガーデンカフェ青山 https://royal-gardencafe.com/aoyama/ 

nakato caféでは中島董商店の2つの主力ブランド、素材にこだわり手間を惜しまずに丁寧に作った洋食シリーズ『麻布十番シリーズ』、ワインに良く合うおつまみシリーズ『Maison Boireメゾンボワール』を活用したメニューを提供、期間中は週替わりでオリジナルメニューが楽しめます。

プレス内覧会で

17日のプレス内覧説明会で中島周(あまね)取締役社長は「これからもいろいろな形で日本と海外の架け橋になる役割を果たしていきたい」と挨拶しました。

中島董(なかしまとう)商店は創業者中島董一郎の名を冠した会社で、今年2月に100周年を迎えました。会社名をご存じない方でも、キユーピーやアヲハタは聞いたことがあると思います。創業者はこれら2つのブランドを立ち上げた方です!
1912年農商務省による海外実業練習生として欧米に渡った董一郎は、現地で日本食にはない“おいしさ”と“栄養価の高い商品”に衝撃を受け、1916年に帰国後、世界各地の品質の高い商品を日本に紹介して、日本の食文化を向上させることを決意。1918年、缶詰仲次業の中島商店(現在の中島董商店)を創業。その後、食品工業株式会社(現在のキユーピー株式会社)や株式会社旗道園(現在のアヲハタ株式会社)の設立に携わりました。現在 中島董商店は、国内外に関連会社を持ち、ワイン、食品、IT、アセット事業等を展開しています。

ゲストトークは株式会社味の手帖のマッキー牧元氏 

年間600回の外食をしている牧元氏は「レストランは非日常を楽しむ、家庭の食事は日常を楽しむ。少し贅沢なものを買ってきて、そこに自分なりのアイデアをアレンジすることは、“味変(あじへん)”になるので、非日常と日常の間を行くささやかな贅沢になる」とコメント。

試食メニューの「ドライカレーと野菜カレー」を体験

おすすめの食し方として「ドライカレーをご飯の色が変わるまで混ぜ込み、そこに野菜カレーを添えて食べると、さらにおいしさが広がる」と牧元氏。ワインは昨年傘下になった『ワイン・イン・スタイル』扱いのカリフォルニアワイン『ハーンPN』を選んでみました。

開放的なテラスで!

スパークリングワインはヴァンジーニ『ピノ・ネロ スプマンテ エクストラ・ドライNV』


程よい甘さのミューズリーヨーグルトムース&ブルーベリー


ワインはシャンパン『アルフレッド・グラシアン』、同社がNZに所有する『フォリウム・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン』、カリフォルニアの『コッポラ ロッソ&ピアンコ ピノ・グリージョ』等


同社の所在地 麻布十番の名が付いた麻布十番シリーズはこだわりの洋食シリーズ


新緑が映える5月、贅沢な緑の空間で、中島董商店が初めてトライする洋風カフェ『nakato café』


期間限定のこの機会に、是非お立ち寄りください!

■nakato café の詳細は http://www.nakato-finefoods.com/nakatocafe/index.html
■nakato café に関するお問い合わせは(株)中島董商店 経営企画室広報担当 石原様
℡03-3407-7111 
posted by fumiko at 23:23| ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月29日

世界に誇れるワイン造り、国内ワイン消費動向等 ~サントリーワインインターナショナル(株)の事業方針~

2018年度のサントリーワインインターナショナル株式会社(SWI)事業方針

事業方針は山崎雄嗣社長、シャトー・ラグランジュの解説&テイスティングについては渡辺直樹登美の丘ワイナリー長が担当
人事(2018年4月1日付)】山崎雄嗣社長は、サントリー食品インターナショナル株式会社取締役専務執行役員経営戦略・管理本部長、渡辺直樹ワイナリー長は、SWI執行役員・生産研究本部長。



SWIはワインメーカー(日本、フランス、ドイツ)とディストリビューター(日本と中国が中心)としての2面性を有し、国・内外でグローバルな展開をしています。海外グループ会社に記載してあるバリエールはボルドーのネゴシアンとして事業を行っています。


2017年はカテゴリー、エリア別に見て、国内・海外ともに売上高は好調

登美の丘ワイナリーはすべてを自園で完結するシャトータイプ

開園から100年以上の歴史を持つワイナリー
敷地面積は150㌶、栽培面積は25㌶、世界に誇れるワイン造りに励んでいます。
直近では2017年に甲州を増殖し、5年後の2022年までに甲州を5倍に増やす取り組みを実施中。それにより、登美の丘全体の3分の1を甲州にして、テロワールを反映させた最高の甲州造りを目指す。植え付けは25㌶の栽培面積内での作業とのこと。

3月27日新発売『登美 レゼルヴスペシャル2005』

フラッグシップブランドの登美から、数量限定発売した2005年ヴィンテージ
ニュースサイト【ワインのこころ

】で詳細を紹介しています。
ご笑覧いただけましたら幸いです。

長野県の塩尻ワイナリーは生産設備を増強

自社保有ワイナリーは登美の丘(山梨県)、岩の原(新潟県)、塩尻(長野県)にあります。昨年の『日本ワインコンクール』で“金賞を”受賞した塩尻ワイナリーの『塩尻マスカット・ベーリーAミズナラ樽熟成2013』、まるみのある味わい!
[ハートたち(複数ハート)]4月5日数量限定で新発売『塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成2015』
▼サントリー“日本ワイン”についてはコチラ



ミズナラの樽


サントリーはウイスキー用の製樽工場を所有していて、ウイスキーに合うミズナラの樽を作っています。マスカット・ベーリーAがこのミズナラの樽と相性が良いということで、現在、フレンチオーク(容量225L/スギャン・モローをメインに4~5社)だけでなく、ミズナラ樽(容量258L)も使用しています。ただ、ウイスキーが好調なので、樽が思うように回ってこないことが悩みでもあるようです。

ソムリエ協会の機関誌編集長時代、樽についての特集を組み、その折、『樽とオークに魅せられて』の著者加藤定彦さんに樽材について寄稿していただきましたが、「樽はワインやウイスキーに独特の香味をつくるのに必要不可欠なものであり、世界中どこに行ってもオークが使われています。オークとはナラ、カシ類の属を表す英語で、学名はGuercus(クエルクス:ラテン語で「良質の木材」、「美しい樹」という意味)。日本ではミズナラ、カシワまたシラカシ、アラカシなどコナラ属(和名)を言います」とのことでした。


国内ワイン市場推移、ワイン消費動向


2017年の国内ワイン市場は数量ベースで前年比101%、金額ベースでは横ばい状態。
国産のカジュアルワインやチリワインを中心とする低価格ワインの動きが良い分、単価的には若干ダウン傾向。そのようななかで、SWIは数量ベースでは105%と好調な伸びを見せています。

国内のワイン消費動向については■価格帯の2極分化 ■消費者の高齢化を指摘(上表参照)。高価格帯のプレミアムカテゴリー、ファインワイン、シャンパン等が好調な一方で、デイリー、スタンダードカテゴリーの低価格化も進行しています。また、購買層の年齢については、主流となるのが50歳以上で全体の70%を占め、拡大傾向にあるとのこと。今後の消費拡大に向けては、20歳代、30歳代を中心にしたエントリーユーザーへの働きかけが急務との分析で、若年層に好評だった「氷と楽しむ」マーケティング強化や催事でのロゼワイン提案強化等で活性化を図る予定。

シャトー・ラグランジュからバレルサンプル到着


SWIは海外にシャトー・ラグランジュ(フランス)、ロバート・ヴァイル(ドイツ)、シャトー・ベイシュヴェル(仏カステル社と共同経営)、シャトー・ボーモン(仏カステル社と共同経営)の4シャトーを所有しています。

説明会で、ボルドープリムールで好評だった2016年のシャトー・ラグランジュ(94-96WA)のバレルサンプルがふるまわれました。渡辺ワイナリー長は、「開花から70日位までしっかり熟させ、区画も100以上に分けていて、区画内でも熟度によって一番良いタイミングで手摘み収穫をしています。また、区画ごとに小型のタンクを使用しています。凝縮感を大事にしているシャトーで、2016年はそれが見事に表現できたヴィンテージ」と解説。ちなみに、ワインアドヴォケイト(WA)のニール・マーティンは、シャトー・ラグランジュについて「投資家のワインではなく、ワイン愛好家のためのワイン」と形容!

渡辺2014年は8月中頃から収穫が終わる10月にかけて雨が少なく乾燥したヴィンテージ。フレンチオーク21ヶ月(新樽率60%)、濃くて若々しい赤紫色、赤・黒系果実、花のような華やかさ。ハーブ、自然な甘み、タンニンの質感は柔らかく、中盤以降の力強さ、エレガントさ。バランスが取れた気品あるサンジュリアンのワイン。2016年は2014年より、色調に深みがあり、きれいな紫色。熟したぶどうの質感、香りからはカシスのような黒系果実、甘草のようなスパイス、口あたりは柔らかく、緻密。複雑味、凝縮感。数量的には若干減少。

最後にひとこと
サントリーワインインターナショナル(株)の顔として、活躍なさってきた山崎雄嗣社長に心から御礼申し上げます。特にシャンパーニュのローラン・ペリエ社から温かな応援をいただいている私にとって、シャンパーニュ騎士団ガラ・ディナーでの山崎社長の細やかなお気遣いには感謝でいっぱいです。
4月1日からは食品が新たな活躍の場になるわけですが、ワインに関わっていらした3年3ヶ月、本当にお世話になりました。ありがとうございます、さらなるご活躍を願っております!!
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

VINEXPO香港2018 快調なチリワイン&伸び続ける中国市場 from IWSR report

世界のワイン動向と日本のワイン市場

2018年5月29日~31日@香港で開催

VINEXPO ヴィネスクポは英国の調査会社The IWSR(The International Wine and Spirits Research)に依頼して、世界のワイン&スピリッツの状況調査をしています。毎年5年間予測(今回は2016年から2021年)をしていますが、今回はいつにも増して〝China〟連発でした。


ギョーム・ドゥグリーズ ヴィネクスポCEO(専務理事)が解説


まずは世界の動きから
2011年から2021年までのスティルワイン&スパークリングワインに関して大幅な増加はなく、横ばい状態。2013年に中国の低迷で市場が若干落ち込んだものの、現在市場は回復しています。
 
ワイン消費では欧州が57%を占めており、2021年の段階でも最大の市場ですが、その割合は徐々に減少し、今後5年間に毎年1%ずつ減少。その逆がアジア・太平洋地域で今後5年間で毎年2.8%ずつ上昇、米国市場は横ばい。スティルワインで一番伸びているのがプレミアムクラスで、2021年に向けて261~300ケース(9㍑/ケース)、年間18%増の予測

今後の消費のけん引役は中国

中国は2021年までの5年間で3.3%の伸び、3000万ケースまで拡大。米国の成長率は年間1%。中国は2020年には米国に次いで金額ベースで世界第2位に。日本は現在第9位で、2021年にはロシアに抜かれて第10位になるとのこと。多くの市場が成長していくなかで、フランスは縮小を続けるとの分析でした。

輸入トップ5

第1位ドイツ、第2位英国。両国は国内でのワイン生産量が限られているので、消費の多くを輸入に頼っています。第5位の中国は、ここ数年で第4位との予測。中国では国産より輸入ワインを多く消費しています。

ホットなカテゴリーはスパークリングワイン
世界のスパークリングワイン消費量は2016年から2021年で、2億5300万ケースから2億7900万ケースに。泡ものをけん引しているのはイタリアのプロセッコで、5年間で2700万ケースから4000万ケースまで拡大。シャンパンやカバはあまり伸びず、期待できるのはプロセッコやエントリーレベルのスパークリング。

ロゼのシェアは徐々に拡大
5年間で10.1%から10.6%増。数字的には大きくありませんが、ロゼが増えた分、赤ワインが減少傾向。


アジア・太平洋地域の動き
2016年のワイン消費量は2億9200万ケース、2021年は3億2900万ケース。中国は金額ベースでも拡大し、2021年には400億ドルに到達すると分析。
ワインの伸びの要因は・・・
■中国の中産階級の台頭/ワインをtrendyな飲料と考えているので、それが消費につながっている。
■女性層の拡大/ワインをstylishだと思っている。 
■若年層への浸透/伝統的なものより、モダンなものを好む傾向、それがワイン。
■健康志向/中国では酒からワインに移行。
■Eコマースの役割/中国で動きが顕著。 


ひとりあたりの消費量

第1位オーストラリア 28.9㍑、第2位NZ 26.8㍑。第3位 マカオ11.9㍑、第4位 香港5.6㍑、そして、第5位の日本は3.4㍑。中国は第7位でわずか1.4㍑。IWSRは「中国全体では大きな市場だが、ひとりあたりの消費量はまだ少ない。今後伸びていくであろうが、日本の消費量を超えることはない」と。

日本ワイン市場

スティルワインは2015年がピークで、それ以降、年間1.2%で縮小との予想。今後5年間で輸入ワインは約100万ケース減、2021年では2300万ケースになるとのこと。赤ワインは約70%で、ロゼワインは今後5年間で3.8%増の見込み。日本市場は他国と比べて白ワインの割合が多いのが特徴

若い世代は日本酒、焼酎、ビールから他の飲料を好む傾向にあり、RTD(開けてすぐ飲める低アルコール飲料)やワインが好まれています。

スティルワインとスパークリングワインの消費量
2016年にチリワインが輸入量No.1となり、現在に至っていますが、今後5年間で年間平均3.6%増の見込み。オーストラリアは0.7%増、ともにEPA(経済連携協定)の好影響。
スパークリングワインは今後伸びていくカテゴリーであり、日本は世界で最もスパークリングワインの成長が早い市場のひとつ。カバは大幅な伸びを示し、2016年には最大の利益を得ました。この成長は今後5年間にわたり、年平均の成長率8%で推移すると予測。日本ではシャンパンが最も消費されているカテゴリーで、スパークリング全体の15%以上を占めています。カバのシェアは6.7%、プロセッコは3.8%。


2016年のスティルワイン&スパークリングワインの消費量は3930万ケース、2021年は3830万ケースと減少傾向。内訳はスティルワインは3540万ケース(2016年)から3340万ケース(2021年)の減、一方スパークリングワインは390万ケースから490万ケースとなり、25%増の見込み。


チリ産スパークリングワインは16.8%増

日本における スパークリングワインのけん引役はチリ!
フランス、スペイン、イタリア、チリ、オーストラリアのトップ5なかで、 2016年から2021年の5年間の伸びは、フランス、スペイン、イタリアが約2~3%なのに対して、チリは16.8%増の予測。IWSRは、「日本の消費者はチリワインを価格だけでなく、品質面でも認めている。コスパのあるものを求める傾向にあり、チリワインには若さを感じさせるイメージもある」と分析

スピリッツ市場はウイスキーが元気
アジア・太平洋地域ではスコッチウィスキーが最も多く消費されているスピリッツで、輸入量の3分の1近くを占めています。
日本はスコッチウィスキーの消費量が2021年までに9%以上増加して156万ケース予測。また、日本はプレミアウィスキーの主要な生産国のひとつであると同時に米国産ウィスキーの消費国です。2021年までにはアジア・太平洋地域最大の米国産ウィスキー市場になる見込みで、2021年までに10%以上増え、超130万ケースと予測されています。ひとりあたりのスピリッツ消費量は韓国がトップで年間30㍑、日本は10.4㍑。



VINEXPO香港の主賓国はオーストラリア

香港、中国本土で人気のオーストラリアワイン
繁華街コーズウェイベイにあるハイサンプレイスの地下にあるスーパーマ-ケット『ジェイソンズ』で見かけた、中国語で〝奔富〟の意味を持つペンフォールドの陳列、存在感がありました!

ヴィネクスポは業界のプロフェッショナル向けにワイン&スピリッツのイベントを開催しています。既定の5都市(ボルドー、香港、東京、新しくニューヨーク(3月開催)、パリ(2020年1月予定))における展示会。さらに巡回展示会(ヴィネクスポ・エクスプローラー)も運営しており、今年は9月にカリフォルニア・ソノマで開催。VINEXPO香港の公式サイトはコチラ

です。
ラベル:IWSR VINEXPO香港2018
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月11日

ルイ・ジャド オリヴィエ・マスモンデ輸出部長によるブルゴーニュ最新情報と2016バレルテイスティング

ルイ・ジャド バレル・テイスティングのナビゲーターはオリヴィエ・マスモンデ輸出部長

「お気入りワインを赤・白それぞれ選んで」とお願いして、撮影時に持っていただきました。さて、オリヴィエさんが選んだワインは・・・

オリヴィエ・マスモンデさんのバレルテイスティングセミナーに初めて参加したのは2011年(2009年ヴィンテージ)でした。それ以降、毎回お目にかかっています。昨年は1996年にボージョレ地区のシャトー・デ・ジャックを取得して20年という節目を記念してメーカーズディナー

をご一緒にやらせていただきました、感謝!
今年のオリヴィエさんは福岡、大阪、名古屋を巡回して東京に戻られたのですが、途中寒さで風邪気味に。いつものしゃべり過ぎキャラも控え目になっていました。

ルイ・ジャドについて
■所有畑 コート・ドール140㌶、シャトー・デ・ジャック87㌶、ドメーヌ・フェレ18㌶
 自社の所有および100%管理している畑99(そのうちGC12、PC55)
■ワイン造りの哲学は、畑や醸造において最低限の介入、除草剤無使用
■手摘み収穫、赤ワインの発酵期間は長め、99%天然酵母使用(時として発酵しない場合のみ培養酵母)、樽熟成は18ヶ月、新樽率30%、MLFは暑い年は短め(20%程度)、寒い時は長め(80%程度)でヴィンテージに因る。

ブルゴーニュの最新情報
■吉報として、2017年は良年だったので100%完璧な収穫、収量
■ブルゴーニュのグラン・クリュ、プルミエ・クリュは需要は多く、供給は少ない(6年連続の天候不順)
■1年間で15%の円安、2016年ヴィンテージの価格に影響が出ることは必須
■新AOC誕生、ブルゴーニュ コート・ドール(赤・白)/ヴェズレー村名
■新ネゴシアンの台頭
ぶどう畑の価格が高騰し、畑の入手が困難になっている現在、ドメーヌ(自社畑でワインを生産)の80%がネゴシアン(農家からぶどうを買付けてワインを生産)として活動を始めた。2012年から2017年までで新ネゴシアンが23%増。ミクロ・ネゴス(小さな組織のネゴシアン)誕生、著名なドメーヌもネゴスに。

2016年のヴィンテージ情報
12月と1月は暖かな気候、2月と3月は通常の寒さ、4月は3週間早めの生育で最終週に3日間寒波襲来。マイナスの気温になるが、晴天の時にその現象が起きるため、ぶどうの芽は凍ってしまい、翌朝太陽光を受けた芽は、瞬時に焼かれてしまう"黒い霜"状態になり、ブルゴーニュのマルサネからコート・シャロネーズまで被害を受けた。3週間経過して、2度目の新芽が出てきても、50%は葉になる可能性が強いので、実になるのは50%程度。5月と6月は涼しい気候で降雨もあった。シャブリでは雹害。夏は好天で7月、8月、9月は暑く乾燥。ぶどう樹は水不足に。ルイ・ジャドでは9月27日から収穫開始し、10日間で終了。


一番大きな被害を受けたのはサヴィニー・レ・ボーヌで95%減、ペルナン・ヴェルジュレスやシャブリもそれよりは軽いながら害を受けた。


フリーテイスティング前のセミナーではヴィンテージ違いを体験

バレルサンプルは赤ワイン12アイテム、白ワイン10アイテム供出@銀座アイコニック
2016年の白はまろやか&エレガント、MLFは80%。赤ワインはタンニンの存在感あり。

白はボーヌのPC グレーヴ


同社の経営にあたっているガジェ社長が1985年奥様のために購入した畑でビオディナミ農法を導入。“グレーヴ”は砂利まじりの土壌の意味。
#1:ボーヌ プルミエ・クリュ グレーヴ “ル・クロ・ブラン” ドメーヌ・ガジェ2016/#2:同2015
#1は白桃、白胡椒、アーモンド、溌剌とした酸味、ロースト風味、果実と酸味のバランスが好印象。#2には複雑味、厚み、旨味があり、果皮由来の軽いビターが食事に合わせやすいイメージ


2010年に購入した“ル・シャピトル”

ル・シャピトルはコート・ド・ニュイ地区の最北シュノーヴに位置し、畑の中心には修道院があり、僧侶が所有していたスピリチュアルな場所。初ヴィンテージは2011年、生産量は400~500ケース程度。ガジェ家所有の約1.5㌶の畑でラベルに畑名を併記することが許されています。ワインは粘土と泥灰土に由来する豊かな果実味と強すぎない酸が特徴。


#3:ブルゴーニュ ル・シャピトル ドメーヌ・ガジェ2016/#4:同2014

#3は明るいルビー色、スグリや木イチゴのような赤系果実、素直なタンニン。#4は下の文字が読める淡いルビー色、冷涼な気候に由来する酸の存在(最初から最後まで持続)、ミネラル、パウダー的なタンニン、ほんのりレザー、余韻に小さな赤い実。オリヴィエさんは「酸味もあり、ピュアでクリスタルな風味」と表現。
加えて、「マルサネとディジョンの間にあるル・シャピトルを、今、マルサネのプルミエ・クリュにしようという動きがあります。そうなると価格が上がる可能性もあるので、弊社としてはブルゴーニュの地域名のままが好ましいと思っています」と述べていました。

ガメイとは思えないムーラン・ア・ヴァン クロ・ド・ロシュグレ


約8㌶の畑でビオディナミ農法を導入。硬い花崗岩が地表にまで迫っている土壌で古樹。
「ピンク色の花崗岩と石英の土壌で、タンニンが洗練されていてベルべットのような食感」とオリヴィエさん。熟したベリー系果実、バラや牡丹、ザクロ似の酸味、深みがあり、舌の中央にしっかり乗ってくる凝縮感、味わい豊かで2016年のボージョレの出来の良さがわかります。


コルトン・プジェ グラン・クリュ


グラン・クリュでベストだったのはコルトン・プジェ。畑はシャルルマーニュに隣接、白亜質と鉄分を含む泥灰土が交じりあう土壌。赤・黒系果実風味、タンニンが緻密でエレガント。今、飲んでも美味ですが、しっかり熟成させて楽しみたいワイン。

冒頭に書いたオリヴィエさんの当日のベスト赤ワインはジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ クロ・サン・ジャックでした!
「数ヶ月前にテイスティングした時はシャイで閉じていましたが、2ヶ月くらい前にクロ・サン・ジャックらしいスタイルが出てきました。ミネラルは豊か、少しドライなタンニン、2016年はグラン・クリュに匹敵する味わいだと思います」とコメントしていました。


グラス協力はリーデル・ジャパン、ジンファンデル/リースリングを使用


シャブリのお気入りはモンテ・ド・トネール
IMG_1489.JPG

シャブリのグラン・クリュ&プルミエ・クリュのなかで一番好きなモンテ・ド・トネール!
スラン川の右岸に位置し、キメリジャン土壌と南西向き斜面の日照に恵まれた環境が強み。第1印象は石清水を連想させるミネラル&清涼感、グレープフルーツや蜜を含んだリンゴ、スパイス、心地良い長い余韻

白ワインのマイベスト!


ルイ・ジャドのテイスティングは赤ワインから白ワインの順なのですが、今回はサントネー クロ・ド・マルト ブランからスタートしました。美味、何より酸がきれいで、ミネラルや白胡椒、バランスの良さが秀逸。オリヴィエさんのベスト白ワインもサントネーでした!
「コート・ド・ボーヌの南にあり、7㌶の"クロ・ド・マルト"は弊社のモノポール(単独所有畑)で、シャルドネは1㌶(6㌶はピノ・ノワール)のみ。価格&品質が素晴らしく、きれいな酸味と旨味、まるみがあるワイン」とおっしゃっていました。

凛としたミネラル感のピュリニー・モンラッシェ


ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ クロ・ド・ラ・ガレンヌ ドメーヌ・デュック・ド・マジェンタ
所有者はマジェンタ侯爵家で、ルイ・ジャドがすべてを管理しています。日照に恵まれた畑で、高地にあるぶどう樹の樹齢は100年、低地のほうは60年。ガレンヌは栗色のウサギ。白桃、白系スパイス、鉱物的なニュアンス、2016年VTらしい酸の広がり、好みの1本!

2016年ヴィンテージは少量生産&高品質

■シュヴァリエ・モンラッシェ グラン・クリュ レ・ドゥモワゼル 2樽(通常12樽)
■モンラッシュ グラン・クリュ 4樽(通常12樽)
■ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ グラン・クリュ 2樽
■ミュジニー グラン・クリュ 2樽
■ボンヌ・マール グランクリュ 5樽
■クロ・ド・ベーズ グラン・クリュ 7樽
■クロ・ド・ヴージョ グラン・クリュ 15樽
※( )内は通常の生産量

ワインについてのお問い合わせは輸入販売元:日本リカー(株) ℡03-5643-9770
http://www/nlwine.com
posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月21日

ヴィレッジ・セラーズ創業30周年記念:ルーウィンのCH&CSヴァーティカルテイスティング



今年前半にヴィレッジ・セラーズ(以後VC)創業30周年記念として、NZの『フェルトン・ロード』&『ノイドルフ』両醸造家によるランチセミナー

報告をしました。
後半にはオーストラリアのルーウィン・エステート(以後ルーウィン)、チリのコイレ、シャンパーニュのデュヴァル・ルロワの来日があり、セミナーが行われました。ここでは30周年記念の第2弾として、ルーウィンのシャルドネ(CH)とカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)のヴァーティカル・テイスティングの報告をしておきます。


(前列左から)蛯沢登茂子、シモーヌ・ホーガン=ファーロン、VC中村芳子専務の各氏
(後列左から)佐藤陽一、デニス・ホーガン、VCリチャード・コーエン社長の各氏

セミナーのスピーカーはシモーヌ・ホーガン=ファーロン共同最高経営責任者、ルーウィンについて精通しているヴィノテーク誌マネージング・エディター蛯沢登茂子氏、マクシヴァン オーナーソムリエ佐藤陽一氏がコメンテーターを務めました。
なお、ルーウィンの沿革、オールド・ヴィンテージに関しては2016年来日時の記録

を参考になさってくださいませ。
 
アートシリーズのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨン

アートシリーズCH1981は、1982年に英国Decanter誌のブラインド・テイスティングで最高評価を得て、国際的な注目を集めました。(左から)
#1:シャルドネ2000
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク100%、樽熟成11.5ヶ月、最終的に複数の樽をブレンド、コルク栓、Alc14.3%
#2:同2007
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク(新樽100%)、樽熟成11ヶ月、樽を選別し、ブレンド、スクリュー・キャップ(SC)、Alc14.5%
#3:同2013
ぶどう品種:CH100%、手摘み収穫、発酵フレンチオーク(新樽100%)、樽熟成11ヶ月後、低温で清澄、瓶詰、SC、Alc13.5%


CSは2002年から赤ワイン向上プログラムを立ち上げ、アートシリーズCHと同格の質にすべく、すべての面での見直しを実施。2002年以前はユーカリのニュアンスがあったが、新しい取り組み以降、タンニンは柔らかく、熟した果実味が表現できるようになってきた。
#4:カベルネ・ソーヴィニヨン1993
ぶどう品種:CS87.5%、マルベック7%、PV3%、ME2.5%、機械収穫、発酵密閉タンク、樽熟成24.5ヶ月(新樽率30%)、MLF、コルク栓、Alc14.0%
#5:同2003
ぶどう品種:CS87%、マルベック10%、PV3%、機械収穫、密閉した発酵槽で発酵させ、樽熟成23ヶ月、MLF、コルク栓、Alc14.0%
#6:同2013
ぶどう品種:CS96%、マルベック4%、機械収穫、発酵は密閉タンクと開放タンクを併用、樽内MLF、樽熟成23ヶ月(新樽率50%)、SC、Alc13.5%


シャルドネ3ヴィンテージを利く


2000年
シモーヌ:スタイルは基本的には変わらないが、樹齢が古くなってきたので、直近のVTは、酸がしっかりしたものになっている。
佐藤:17年経た熟成感、深みのある色調、パンケーキやワッフル、トーストのような芳ばしい香り、ドライフルーツ的な甘やかな香り、スワリングでアカシアのハチミツ、樹脂や松ヤニ。酸の切れ味の良さやエレガントさは、ヨーロッパとは違ったマーガレット・リヴァーのCHの個性が出ている印象。ブルゴーニュグラスで香りの成分や味わいを感じて欲しい。
蛯沢:ジンジンクローン(ひとつの房に熟した果実と一部結実不良している実が混在したタイプ)は西豪州の検疫機関で増やしていた苗木をデニス氏が入手して栽培に成功したもので、同じクローンでもスワン・ヴァレーに植えると、マーガレット・リヴァーほどうまくいかない。ルーウィンのCHはopulent(華々しい)、エレガントでありながらしっかりとした果実味があり、近年は樹齢の古さやワインメーキングの経験も加わり、シェイプアップしたスタイルになってきた。
2007年
シモーヌ:2000年はMLF(37%)をしているが、2006年以降、MLFはしていない。2005年からはすべてのワインをスクリューキャップに変えた。
佐藤:落ち着きはあるが若々しい緑を残した色調、リンゴの芯の部分の甘さと酸を思わせる香りがあり、最後に清涼感。味わいは、わかりやすく、酸が残っているので、デキャンタ―ジュして温度を上げても面白いし、夏場は冷やし気味にして熟成感のあるCHとしてサービスしてもよい。#1をコルトン・シャルルマーニュとすると、#2はムルソー・ジュヌヴリエール。
2013年(現行VT)
佐藤:若々しい色合いで、果実の熟度、香りに清涼感、粘性もある。舌の中央にバランスよく味が乗ってきて滞在時間も長い。単体で飲んでも良いが、料理と合わせることでより楽しめる。MLFをしていない分、酸がしっかり表現されている。味わいのまとまり、滑らかさ、口中のバランスの良さがポイントになっている。
蛯沢:3つのVTに共通項があり、ルーウィンの品質に圧倒的な安定感がある。


カベルネ・ソーヴィニヨン3ヴィンテージを利く


1993年
佐藤:ひと昔前のルーウィンらしいCS、香りに複雑味があり、タジャスカオリーブのタプナード、木質の香り、果実も若いものから熟したもの、塩つけやジャムまで様々で、それらがスパイスのニュアンスを醸し出している。スパイスを利かせた料理と合わせて。
蛯沢:当時のオーストラリアの人が向いていたのはボルドーだった。使われているホートン・セレクションは南アフリカ経由で伝わってきたボルドー原産のクローンでほぼ西豪州に限定されている。93年の熟成感は懐かしく、アーシー、アニモル的なニュアンス。
2003年
佐藤:外観は落ち着きがあり 縁に若干オレンジの色調。香りのバランスが良く、溶け込んでいて、赤い果実や赤い花の特徴が出ている。丁寧にローストした木香のニュアンスが果実の甘い香りを引き締める役割をしていて、今飲んでおいしいワイン! 香りの方向性と味わいの方向性が同じなので、口中でも同じ印象。アルコールのボリューム感があるので、1時間くらい前に抜栓してサービスしたい。
蛯沢:赤ワイン向上プログラムの効果でフルーツ感が表現されている。新しい時代が始まった印象。
2013年
佐藤:色合いは若々しくチャーミング。グラスの縁に残る色素量も多く、粘性も十分。香りはミルティ―ユ(ブルーベリー)やカシスのような黒系果実、酸を思わせる要素やローストしたニュアンスは果実とともにあり、わかりやすく整った印象。柔らかな甘さがあるので料理に合わせたい。口中に甘味、舌の両側から酸味、細かい渋みが舌の上をふき取ってくれる印象。最後に鼻から抜ける甘い香り、角のとれた細かいタンニンを感じ、赤ワイン向上プログラムの効果が出ている。ただ、ゲストが望むルーウィンの華やかさは少し控えめなので、デキャンタージュして大きめのグラスでサービスを!
蛯沢:オーストラリアのワインの90%以上がSCであり、アートシリーズのような高額なワインもSCを使用している。熟成のスピードはコルクとSCでは違うが、一般的にSCのほうが緩やかと言われているので、その意味では2013年VTはまだまだ、これから長く熟成しそう。綺麗な酸味とシルキーなテクスチュアがある。



ルーウィン ART&WINEディナー

ワインを“アート”と捉え、アートのあるライフスタイルを追求しているルーウィン



アートラベルの発想はモンダヴィとのご縁でつながったロスチャイルド男爵との出会い。
そして・・・デニス氏はシドニー・ノーランとの逸話を紹介。「自分はコマーシャル・アーティストではないのでラベルの絵を頼まれても」と断ってきたノーランが、ルーウィンのワインを味わい、「このワインならラベルを書いても良い」と返事をしてきて完成した初ラベルがスクリーンの画像です!



アートラベルの一番手はリースリングでした。
オーストラリアのアーティスト、ジョン・オルセンに依頼して届いた4枚のラベルを、ルーウィンでは全て使用。1ケースに4絵柄が入っているそうです。アートシリーズは毎年変わりますが、リースリングだけは当初からの4種ラベル


ルーウィン・エステートのブリュット2013 (4,650円)、ぶどう品種はPN66%、CH34%で3年熟成。スマートな印象。野菜類、サーモンと合わせて!




アートシリーズの妹版「プレリュード」と「シブリングス」はリーズナブルな価格で、早くから楽しめるワイン。シブリングスのソーヴィニヨン・ブランはセミヨン(34%)とのブレンド。柑橘系果実、青リンゴ、白桃のニュアンス、ピュアな酸味、口中滑らか



切り分ける前に、オーストラリアのトマホーク肉をプレゼンテーション




アートシリーズのシラーズ2013(4,600円)とシブリングス・シラーズ2014(3,200円)をトマホークと合わせて。前者は凝縮した果実味とローストしたコーヒー豆、後者はジューシーな果実感とエキゾチックスパイス、口中での肉との馴染みはシブリングス・シラーズ! 
お肉もボリューム満点、これでひとり分!




コーエン社長が『グラズマターズ』を初披露。これはレンタルグラスサービス

にも力を入れている同社のニューアイテムで、グラスの洗浄・運搬・保管用ラック。グラスの破損を防ぐために開発を進めてきたもので、商品化のメドも立ったので、近々デビュー予定です。



セラー熟成セレクションについてのお問い合わせはヴィレッジ・セラーズ・ワインクラブ迄
℡:0120-106-876/Fax:0120-288-788

35周年、40周年に向けてのヴィレッジ・セラーズ様の発展を祈願しております!
posted by fumiko at 23:30| Comment(1) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月04日

恒例の新年会&誕生会は『ソルベニ2014』と『シャトー・ラグランジュ2010』で!


今日から仕事はじめですね。
今年もよろしくお願いいたします。

3日はNew Year's Party & Happy Birthday
Ado Akane.jpg
昨日は親愛なるAdo&Akane ご夫妻のお誕生日でした!


今年はガレット・デ・ロワでお祝い


陶製の人形フェーヴを当てたのはAdoさん、王様で良かった!


旧知の金沢メンバーが集まって誕生会プラス新年会をするようになってから何年になるのかなぁ・・・


Akaneさんは何でも器用にこなす才女、特に御節は文句なしの腕前です。加えてAdoさんが作る栗きんとんも絶妙。ということで、私は毎年、ご夫妻にどっぷり甘えております。

ソルベニ2014との相性は

ソルベニは言わずと知れたサッカー元日本代表監督フィリップ・トルシエさんが手掛けているワインで2014年が初ヴィンテージ。メルロ80%とカベルネ・フラン20%のブレンド、新樽率100%
参加メンバーからは「飲みやすい」との意見が多く出ていました。ヨード感のある昆布巻、お出汁で味付けした煮物等と合わせて楽しめました。


ポン酢で食すローストビーフわさび添はソルベニと相性良好、質感でマッチ◎

昨年4月に日本初上陸したソルベニ2014(輸入元徳岡)
来日していたトルシエ監督は東急プラザ銀座店内にある徳岡さんの直販ショップでワインをPRしていました。その時にサインしていただいたボトルを約9ヶ月振りに抜栓。プラム、アメリカンチェリーのような黒系果実、口中滑らか、きめ細かなタンニン、控えめな酸、シームレス、全体的にフェミニンな印象


シャトー・ラグランジュ2010の登場も


Adoさんが用意していたワインのなかにシャトー・ラグランジュ(以後ラグランジュ)がありました。
2010年ヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロ25%、7月と8月(雨量は2ヶ月で30mm)は極度に乾燥していたので、果粒は小粒、果皮は厚めでアントシアンの含有が非常に高いヴィンテージ。ラグランジュでは“偉大なポテンシャルを秘めた正統なメドックスタイル”と形容しています。

7年経過したワインには、まだ十分に赤系果実の要素が残っていました。タンニンはまろやか、酸はワインに溶け込み、エレガントな味わい。小豆っぽさが、黒豆の軽い甘さと旨味と釣りあって好印象。ラグランジュのエレガントさと金箔をまぶした光沢ある黒豆は視覚的にも合っていました。

12月末に届いた椎名敬一副会長からのグリーティングカードに、2017年の作柄についての記述がありましたので、ここで、ご紹介しておきます。

「ボルドーでは<末尾が7の年は不作>とのジンクスがあり、世紀の偉大年1947年を例外に、それ以降繰り返されており、2017年も4月末に、1991年以来26年振りとなる大霜害に遭遇してしまいました。被害の範囲はフランス全土に及び、ボルドーの収量は過去5年平均を35%下回りました。(中略)。品質に関しては、その後の乾燥した暑い夏を経て<7の呪縛>から逃れられたように思います。霜に遭わなかった区画の生育は順調で、収穫は2003年以来の早い開始となりました。ラグランジュではぶどうの着色が始まるヴェレゾン期に、霜害に遭った一株ひと株をスプレーでマーキングして収穫のタイミングを分けるという対応を取りました。9月は気温も上がらず雨がちとなったものの、こうしたきめ細かな対応が功を奏し、良年と言われる2014年を超える可能性は十分あるように思われます」

波乱に満ちた一年だったようですが、リリースを楽しみに待ちたいと思います。


うさぎやのどらやき!

Takafumi&Reikoご夫妻が毎回持参してくださるのが、可愛いイラスト入りの阿佐ヶ谷店バージョン!


私はつぶあん派、うさぎやのどら焼きが大好きです!
いつも行くのは上野店で、手にした時に感じる温かなぬくもりにも癒されます。
紙袋もお気に入りです!
余談ですが、2010年に書いたつぶあん派、こしあん派

話題、甘党の方にはお立ち寄りいただきたい気分です。


金沢のお正月の『紅鯛(べんだい)』のお飾り

普段は西暦で語ることが多いのですが、今年は区切りの良い平成30年!
“平成”の年号も来年には変わってしまうので、名残りを込めて、今年は〝平成〟を大いに使いたいと思います。実り多き一年でありますように!
posted by fumiko at 23:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月22日

ジョルジュ・デュブッフ氏との昼餐会 太陽の恵みを受けた2017年のボジョレ・ヌーヴォー!!

ボジョレの帝王と形容されるジョルジュ・デュブッフ社のデュブッフ代表取締役社長と孫アドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長が来日し、今年も日本でボジョレ・ヌーヴォーの解禁を祝いました。


おふたりは、輸入元サントリーワインインターナショナル(株)主催の解禁イベント『解禁トウディ』に出席し、ゲストの春香クリスティーンさんとパーティに参加した20代、30代の若者たちと一緒にカウント・ダウンを行い、その様子は全国にSNS配信されました。

2017年の作柄状況
デュブッフ:2017年は太陽に恵まれた年でした。6月、7月、8月はボジョレ地区の過去の記録を打ち破る高温(毎日32度から35度の間)が続き、雨が降らなかったので、ぶどうは脱水症状のようになったと思います。結果として、ぶどうは粒が小さく、まんまる。ボジョレで基準にしている収量には達しませんでしたが、その分、品質は上等です。収穫は昨年より15日も早い、8月末からスタートしました。フランス国内・外から2万~2万5千人が作業を行い、ぶどうの健康状態は申し分ないものでした。

ワインは深いルビー、黒に近い色調です。香りは黒系果実のカシスやモカ、口中に入れるとボリューム感があり、豊かな風味、タンニンは優しい形で存在しています。今も美味しいですが、潜在性、ポテンシャルがあります。新酒としてはアルコール度数が少し高いのですが、タンニン、糖分 バランスが取れているので、熟成可能なワインです。例えて言えば、2009年や2015年と似ていると思います。




一方、年齢層が若干高い(笑)プレスメンバーは、解禁翌日、昼餐会という形でデュブッフ氏とお目にかかり、いつもの赤ワインではなく、新登場のボジョレのロゼ・ヌーヴォー『ボジョレ・パーティ2017』で乾杯しました!


(後列)山崎雄嗣社長、ワインのサービスを担当してくださった谷宣英ソムリエ
(前列)ジョルジュ・デュブッフ社長とアドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長


サントリーのリクエストに応えて誕生した飲み飽きしない日本限定ロゼ

昼餐会の冒頭、「市場全体は前年割れですが、弊社は前年並みです。ジョルジュ・デュブッフのブランド力を確信し、心強く思っています」と山崎社長

そのブランド力を最大限に発揮したのが、今年登場した『ボジョレ・パーティ』です。
解禁の6か月前、サントリーから「品質の高いロゼを造って欲しい」とのリクエストがデュブッフ社に届きました。同社には2名のエノログがいるので、彼らとサントリーの新村部長とで何度も話し合いを重ね、畑の段階からぶどう選びに注力、すべての工程でコントロールして、短時間&低温のマセレーションで造りあげました。
ボジョレ・パーティは日本市場だけの限定製品(ロゼのヌーヴォー3,000ケース、うち2,000ケースがボジョレ・パーティ)、日本人好みの色合いになっています。


会場はホテル・ニューオータニ内の上海料理『大観苑』

ウェルカムドリンクはクレマン・ド・ブルゴーニュ

ジョルジュ・デュブッフ社が50年以上前から生産しているクレマン・ド・ブルゴーニュ(ブルゴーニュ地方のスパークリングワイン/3,300円

3年前のボジョレ解禁日

に初めて出会った泡もの(当時未輸入)だったので、とても懐かしく思いました。ピノ・ノワール100%で、ブリオッシュやナッツのニュアンス、あの時の印象そのままの美味しいスパークリング!

デュブッフ氏は「ボジョレの人たちはシャンパンやスパークリングワインはあまり飲みません。それゆえ、泡が大きいと、あれ! と思うので、気泡は細かくなければダメです。ただ、今年はぶどうの収量が少なかったので、思うような量ができないかも知れません」と語っていました。
先日来日していたブルゴーニュワイン委員会の情報によると、ブルゴーニュワインの輸出量は800万本、そのうち4%(32万本)が泡ものとのこと。シャンパンと同じ製法、ぶどう品種も同じなので、私はもっと人気が出て良い泡ものだと思っています。


前菜盛り合わせ


蟹肉入りフカヒレスープ × ロゼ・ボジョレ・パーティ
スープのこってりした味わい、甘さがロゼのなかに隠れていたタンニンと出会い、第3の新たな味わい登場!


利き酒の瞬間のデュブッフ氏


海老と季節野菜の炒めは業務用のボジョレ・プリムール2017と
色調&アロマとも魅力的、力強さとエレガントさが同居、果実味豊か、2年ほど熟成させて楽しめそうです。業務用、家庭用(花柄瓶)の価格は同じ、中味に若干の違いあり。
「プリム―ル(業務用)のほうが食事に合わせられることが多い事情を鑑み、家庭用NVより多少力強さを意識した造りになっています」というのがデュブッフ社の考え方です。


若鶏の揚げ物


真剣な表情の谷ソムリエとデュブッフ氏



スタイリッシュなボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー セレクション プリュス2017 × 牛肉と栗の煮込み
「料理は肉も柔らかいし、味付けもしっかりしているので、ワインの凝縮感と良く合います」とデュブッフ氏
お肉(ブッフ)なので、デュブッフのワインに良く合いました(笑)

セレクション プリュスは2年前に黒地に金字と白字のラベルにチェンジ!
400軒ある生産者のなかで、6~7軒の秀逸な農家のぶどうを選んで造っているデュブッフ最高峰のヌーヴォーです。


鮮魚(めだい)の蒸し料理


杏仁プリン、五目あんかけ塩焼きそば
塩焼きそばは黒酢(熟成させていないタイプ)をたっぷりかけて食すとロゼやボジョレ・ヌーヴォーとイイ相性

クレマン・ド・ブルゴーニュの爽快感、ロゼ・ボジョレ・パーティの包容力、ボジョレ・ヌーヴォーのバランス、ボジョレ・ヌーヴォー・プリュスの上質感と上海料理とは素直に美味しく楽しめました。

輸出国について(ジョルジュ・デュブッフ社の場合)
ボジョレ・ヌーヴォーを入れると
第1位:日本、第2位:米国、第3位:ロシア
ボジョレ・ヌーヴォーを入れないと
第1位:米国、第2:カナダ、第3位:英国、第4位:日本

今年のボジョレ・ヌーヴォーの輸入量は最盛期の半分の量になっていますが、依然として日本は世界第1位の市場。ジュルジュ・デュブッフ社とサントリーワインインターナショナル(株)との付き合いも今年で21年になります。長年、本国フランスではなく、毎年日本で解禁日を祝っているデュブッフ氏にとって、日本がいかに大事な存在かがよくわかります。
ここ数年、私はデュブッフ氏とカウント・ダウンを一緒にしてきましたが、来年もお元気なお姿を見せてくださることを願っています。大変お疲れ様でした!

■ボジョレ・ヌーヴォーについて
詳細 http://www.suntory.co.jp/wine/special/kaikin/
■商品に関するお問い合わせはサントリーお客様センター
℡0120-139-380
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月20日

2017年のボジョレ・ヌーヴォー ~プレス会見からオエノン、メルシャン、日本リカー~

11月第3木曜日解禁ボジョレ・ヌーヴォー2017
ボジョレ・ヌーヴォー(BN)解禁当日の様子はTwitterで発信したので、Blogでは最新データを交えたBNリポートをいたします。

公式ヴィジュアルアートの作者

アーティストはロンドンの美術学校を卒業した1993年生まれのMINAMIさん!
例年、ボジョレワイン委員会は世界共通のポスターを使っていましたが、今年は日本だけのオリジナルアートを採用。120を越える応募者の中からMINAMIさんの作品が選ばれました。カラフルな絵柄と色彩から若さが伝わってきます。

ジャン=マルク・ラフォン会長による記者会見

ボジョレワイン委員会のラフォン会長情報&プレスキット情報

気候
2017年はボジョレ地区だけでなく、フランスの産地全体が乾燥していました。天候不順にも見舞われ、春先には南ボジョレで霜害、夏の初めにはボジョレ・ヴィラージュで雹の嵐がありました。幸いにも、収穫の直前に雨が降り、これにより、大地は元気を取り戻し、果実味とアロマ豊かなぶどうが収穫できました。
輸出量
2016年市場に出荷したBNは2,520万本、うち日本は650万本で世界第1位。輸出相手国は110ヶ国、上位10ヶ国は日本、米国、カナダ、中国(香港含)、ドイツ、ベルギー、ロシア、スイス、オランダ、イタリア。
数量では、2010年~2012年は対前年比10%~18%増、2013年以降は対前年6~10%減と下降気味。金額では2010年から2016年まで前年比6%増で、日本に輸出されているAOCワインの4本に1本がボジョレワイン。今年のデータはまだ出ていませんが、2016年に近い数字になると予想されています。
お祝いと若さ
日本人は旬の食材や伝統を大事にしており、ボジョレ・ヌーヴォーは秋の風物詩のひとつになっています。
今年で誕生から67周年を迎えたBNは、その原点とも言えるお祭り、お祝いの精神に立ち戻り、毎年行ったきたカウント・ダウンをやめて、表参道のCommune2ndで、解禁日当日から3日間のボジョレ祭りを開催(Twitterで発信済)。2017年は若者世代への訴求、若者層を取り込むことに注力しました。



Commune2ndに並んだ約50社、超80アイテムのヌーヴォー



特別ゲストは二代目尾上松也さん

歌舞伎界から新進気鋭の尾上松也さんをお招きしてヌーヴォー談義
2017年のBNを飲んだ感想は「香りと味わいがはっきりしていておいしい」
「スイーツが好きなので、それに合わせて楽しみたいし、大人のたしなみとして、自分の好きな料理に合うワインを知っているとカッコいいのではないかと思っています」とコメント

ボジョレ騎士団も

中世から続く伝統あるボジョレ騎士団の4名が登壇
メンバーのおひとり、SOPEXA JAPONのシャルル・デュラン日本代表(左から2人目)は「ボジョレはお祭りの限定品ヌーヴォーから始まり、格上のクリュ・ボジョレやヴィラージュもありますので、1年中、楽しめます。様々なボジョレを味わっていただきたい」とあいさつ


オエノンホールディングス主催のヌーヴォーコレクション2017@帝国ホテル

合同酒精(株)扱いのモメサン、フレッシュな酸味、赤い果実たっぷり感のヌーヴォー


モメサンのマイ・ベストはボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー“ヴァンダンジュ”2017
果実味、酸味、タンニンともにバランスが良く上質、お薦めの1本!


オエノングループ山信商事(株)が扱うジャン・シャルル・ピヴォーのボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー“ロシュミュール”2017は凝縮感があり、酒質もきれい

料理とのマリアージュ提案も





マイィのシャンパンを生ハムやオードブル類に合わせて


シャンパンとシュリンプカクテル


サン・ヴェランのエレガントな酸が魚介類(海老、帆立、蟹tec)と良い相性


包容力を示したドガヨーロ・ビアンコ
オマール+パッションフルーツ、鮑と雲丹+青のりゼリー、ベーコンの3種をナイス・キャッチ。ヨード風味の青海苔ゼリー◎


ヌーヴォー・コレクションのために、帝国ホテルとコラボして作ったデザート類


美味、個性の違う4種のこはくかん!


ネプチューンラムダークスペリオールで作ったサバラン・オ・フリュイはヴァンダンジュと合わせて◎
ボジョレ・ヌーヴォーのプレス会見時、尾上松也さんが、「スイーツと合わせてヌーヴォーを楽しみたい」と語っていたのを思い出しながらの一皿


メルシャングループ利き酒会@ホテルオークラ東京

アルベール・ビショーのボージョレ・ヌーヴォーでウェルカム。ここではホテルオークラの料理とのマリアージュを楽しみながら・・・


アルベール・ビショーのボージョレ・ヌーヴォー、ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー、イタリアの新酒ヴィノ・ノヴェッロ、メルシャングループ日本リカーが扱うルイ・ジャドのボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー

[プレゼント]アルベール・ビショーボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーは第17回トロフィー・リヨン・ボージョレ・ヌーヴォー2017で金賞を受賞しました!


日本リカー(株)竹内誠代表取締役社長、メルシャン(株)の代野照幸代表取締役社長、同森裕史マーケティング部長の3ショット!

森部長は2017年ヴィンテージについて解説。
竹内社長は「ルイ・ジャドはボージョレ・ヌーヴォーの製法マセラシオン・カルボニックではないので、プリムールと表記してありますが一番早く飲めるボージョレと言えます。製法が違うアルベール・ビショーのヌーヴォーと飲み比べて」と述べ、代野社長は「今年のボージョレ・ヌーヴォーの輸入量は最盛期(2009年)の半分。大人の楽しみ方に移ってきたのかなと思います。日本のワイン市場はこの10年間で1.5倍に拡大しており、その起爆剤となってきたのはヌーヴォーやチリワイン。ワインに関わる皆さまとともにこれからもワイン市場を盛り上げていきたい」と宣言し、乾杯の音頭を執りました。


マイベストはルイ・ジャドのノン・フィルター、ボージョレワインの真髄を感じます。


香港インターナショナルW&Sコンペティションで金賞&ベストワイントロフィ-(フードマッチング部門)を獲得したシャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ロゼ2016と同長野シャルドネ2015、ともにバランス良好!


ヌーヴォーだけじゃない、ニューフェイス、重点商品も供出


新樽由来のコーヒー似の甘い香り、シラーを主体にメルロやジンファンデル、プティ・シラーをブレンド。ロバート・モンダヴィが若者層をターゲットに製品化したアイテム


日本リカーの主要製品ルイ・ジャド、新規のアルザス ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト、パイパー・エドシック


好調なシャンパン、12月は最盛期!
パイパーのコーナーでは小崎静夫営業本部長とブランド担当の中山文子さんが接客

【番外編】

ボージョレ・ヌーヴォー解禁後、ルイ・ジャドのマコン・ヴィラージュ・プリムール(3,500円)と和食との相性をチェック。クリーミーな肝をカワハギの薄造りに包み、ポン酢に浸して食すと、口中渾然一体! マコネ地区の厳選されたぶどうから造った少量生産のルイ・ジャドのプリムールワイン、超お薦めのアイテム

【インフォメーション】
「#ボジョレヌーヴォー」ハッシュタグ・キャンペーン
ボジョレ・ヌーヴォーを楽しんでいるシーンをSNSでシェアしよう!
#ボジョレヌーヴォーを付けて投稿するとボジョレ・ヌーヴォーが当たるチャンス
実施期間:2017年11 月16日~12 月8日
応募条件: #ボジョレヌーヴォー を必ず付けて、飲んでいる様子を投稿
商品:ボジョレワイン 2本セット×10名
詳細はhttp://www.beaujolaisnouveau.jp/

※文中のボジョレ、ボージョレは輸入元の表記に従っています。
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

ワイン業界随一の風流人だったマンズワイン茂木信三郎社長を偲んで

古典にも長けていた茂木社長
昨日、信じたくない知らせが届きました。
尊敬するマンズワインの茂木信三郎社長の訃報です。
享年70歳、年初から治療を受けていた急性白血病による急逝でした。
こころからご冥福をお祈り申し上げます。

茂木社長を偲んで

2014年5月撮影
茂木社長と言われて、すぐに連想するのは、曲水の宴です。
曲水とは、中国周の時代に始まった行事で、〝禊事 みそぎごと〟です。
一年の重要な時期に行われる〝オハライ〟のアトラクションで、本来は盃が自分の前に流れてくるまでに漢詩一遍を作るのですが、日本では和歌が取り込まれたことで、現在では和歌で行われています。
歌を詠む人は〝寄人 よりうど〟と呼ばれて、茂木社長もそのおひとりでした。短冊にしたためる和歌はもちろん自作、歌を詠み終わった寄人は、盃の酒マンズワインロゼ(小諸ロゼ)を飲み干します。茂木社長は本当に平安貴族の衣装がお似合いでした。

講座生とのワイナリー研修で

2012年11月撮影
カレッジの講座生と長野県のマンズワイン小諸ワイナリーを訪問した時は、ウェルカムドリンクとして辰巳琢郎さんがプロデュースした『今様ロゼ』を畑に運んでサービスしてくださいました。晩秋の陽を受けたグラスのなかのロゼ色がキレイで、茂木社長のご配慮に講座生一同、感激!

日本とチリの友好

2014年7月撮影
パトリシオ・トーレス元駐日チリ大使の在任中、マンズワインにお連れしたことがあります。ホスト役は茂木社長でした。キッコーマン時代、米国の現地法人やサンフランシスコ勤務の経験があるので英語はお手のもの。わかりやすい英語で大使に説明なさっていました。

『万酔園』のお茶室で

2014年7月撮影
トーレス元大使に日本の伝統美“茶道”を披露


大使のこころをとらえた『ソラリス信濃リースリング・クリオ・エクストラクション』
この出会いの後、大使公邸の晩餐会では、このワインが大活躍していました。

日本・チリ外交関樹立120周年の年に

2015年10月撮影
折しも、日本・チリ外交関樹立120周年で、来週、チリからエドゥアルド・フレイ・前大統領が来日なさいます。
2年前の来日時に、タイトな日程のなか、フレイ前大統領はトーレス元大使と共にマンズワインにお立ち寄りくださり、立礼でのお抹茶やマンズワインの貴品種を楽しんでくださいました。

1月から入院生活を送っていた茂木社長とは、携帯メールでやり取りができたので、時々、ご様子を伺っていました。4月には移植を受け、7月末には退院できると喜んでいらしたのですが、退院後、再び、病院に戻ることになり・・・
2月17日にこんなメールがありました。
「Ambassador Torres からmailを貰った。なおったらチリに行かねば」

本当に残念でなりません。

茂木社長がお好きだったバッハ無伴奏チェロ組曲
入院中、風流人の茂木社長が唯一、甘えてくださったこと。それはお好きなバッハの無伴奏チェロ組曲のCDのリクエストでした。
「お言葉に甘えることができるなら、バッハ無伴奏チェロを。家にあるロストロポーヴィッチと聞き比べたいので、それ以外を」との返信があり、ヨーヨー・マがお好きだということで、それに決めましたが、第1番のイントロだけで、茂木社長のお人柄を感じることができます。天国でもバッハを聞いていてくださるでしょうか。
いつも、まわりにいる人たちにたくさんの気遣いをなさっていた茂木信三郎社長
どうぞ安らかにお眠りください。

茂木社長の足跡をまとめた素晴らしいインタビューがありましたので、ここにリンクさせていただきます。http://myatlas.goga.jp/?p=457

追記(2017年10月20日):17日のお通夜には、茂木社長の人脈の広さを感じさせる多くの方々が参列なさっていました。
私が茂木信三郎社長に、最後にお届けしたいのは、トーマス・キャンベルの言葉です。

To live in hearts we leave behind, Is not to die
  あとに残る者のこころに生きることができれば死はない

こころからご冥福を祈っております。


通  夜:2017年10月17日(火)18時より
告別式 :2017年10月18日(水)9時30分より
場  所:桐ケ谷斎場
東京都品川区西五反田5-32-20
℡03-3491-0213
喪 主:茂木規久子(きくこ)様 妻
問合せ先はマンズワイン株式会社総務部 ℡0553-44-3427
posted by fumiko at 21:02| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月09日

初の女性チャンピオン誕生! Wines of Portugal Japanese Sommelier of the Year2017 結果報告!

ワインズ・オブ・ポルトガル・ジャパニーズ・ソムリエ・オブ・ザ・イヤー2017公開決勝

主催:ワインズ・オブ・ポルトガル、協力:(一社)日本ソムリエ協会

表彰式では、森覚審査委員長が「ワインズ・オブ・ポルトガル・ジャパニーズ・ソムリエ・オブ・ザ・イヤーは全日本最優秀ソムリエコンクールの前哨戦、登竜門と言えるもので、多くの選手が参加しています。昨年1位と2位になった選手が、全日本のコンクールでも1位と2位になり、非常にレベルの高いコンクールであることがわかります」と挨拶していました。世代的にも若返りを感じるコンクールになっています。

ソムリエ協会のFB

および機関誌で詳細が掲載されると思いますので、ここでは、ポイントと優勝者にフォーカスした部分をリポートさせていただきます。

勝利の女神はコンラッド東京の森本美雪選手に微笑んで


ワインズ・オブ・ポルトガルのヌノ・ヴェイルチーフマーケティングオフィサーから優勝者の名が読み上げられた瞬間の森本選手、おめでとうございます!

フランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス駐日ポルトガル大使も模擬客として初参加

(右から)駐日ポルトガル大使、ヌノ・ヴェイル氏、森本美雪選手、ワイン・オブ・ポルトガルのソニア・ビエイラシニアアジアマネージャー、森覚審査委員長


3回目を迎えたコンクール

会場はホテル雅叙園東京、全国から80名のエントリーがあり、11名が準決勝に進出
7月7日は5名の選手が公開決勝に挑戦しました!

ひとつめの課題は9アイテムのブラインドテイスティング!

(右から)1~9
■3種類ずつ3グループ(1~3、4~6、7~9)に区分されたワインについて比較試飲してコメントする課題(7分)
第1フライトは赤ワインで主体はトウリガ・ナショナル、ブレンドしている品種がそれぞれ違うので味わい、ヴィンテージ、エリアの違い等についても言及できるかどうか。1はアリカンテ・ブーシェをブレンド、ペニンスラ・デ・セトゥーバル、2010/2はアリカンテ・ブーシェ、トウリガ・フランス、シラーをブレンド、アレンテージョ、2011/3はトウリガ・フランカ、ティンタ・ロリスをブレンド、ドウロ、2012。
第2フライトはマデイラのグループ、熟成年数、タイプの違いについて言及できるかどうか。
第3フライトは酒精強化ワイン、7と8は同じ品種でヴィンテージ(2011と2002)違い、9はラジド、ピコ島産



■サービスの問題は2つで、選手はポルトガル料理のレストラン“ソフィア&ヌノ”のシェフ・ソムリエという設定。”ひとつめのテーブル(2名席)では、客からのリクエストにこたえて、ワインリストの中からアペリティフ、併せてそれに合うアペタイザーを提案する。ワインリストの冒頭にあるスパークリングワインはアペリティフ向きではないのでそれを避け、白か赤を選択

■ふたつ目のテーブル4名席では『エスポラン・プライベートセレクション2012』の指定があり、デキャンタージュしてサーブする課題(6分)
底の広いデキャンターには若干水滴が残っているという設定で、リンスしてから作業に入るかどうかもポイントに


■最後は全員同時に、ランサーズ・ロゼを10脚のグラスに均等に注ぎ切る課題(4分)
テイスティンググラス8脚、ボルドーグラス2脚、ルールとして一度注いだグラスに戻るのは禁止


登壇順に

4位だった瀧田昌孝選手(パレスホテル)は、“ソフィア&ヌノ”という店名をきちんと告げてから接客、縦長のデキャンターでリンス作業も実践。「エスポランのプライベートセレクションのラべルはユニークで、ムートン・ロートシルトのように毎年絵柄が変わります」と解説、ワインのサービス中にコンクールデーが7月7日だったので、“七夕”についても触れていました。


5位の吉原隆行選手(レストラン花の木)は底の広いデキャンターを使用、出題者が意図していたリンスも行っていました。赤ワインにお薦めの日本料理はすきやき、醤油との相性の良さを強調

IMG

2位の野坂昭彦選手(ホテルニーオータニ、トゥ-ルダルジャン)のブラインド能力は定評がありますが、第1フライトでは同じ生産者(キンタ・ドス・ロケス)が造る同じエリア(ダォン)のワインで品種違いと回答。第2フライトはマディラのグループ(セルシアル、ブアル、ヴェルデーリョ)であり、また第3フライトは酒精強化ワインで、1はモスカテル・デ・セトゥーバル、生産者は“ジョゼ・マリア・ダ・フォンセカ”と断定、3はラジド(ピコ島)でヴィンテージは2002年と断定、これらはお見事でした。
サービスの食前酒には、ホワイトポートとトニック・ウォーターのカクテル“ポートニック”と“パスティシュ・デ・バカリュ(干し鱈とポテトのコロッケ)”を、課題の赤ワインに合わせる日本料理には「松坂牛も合いますが、日本の魚、まぐろのお寿司」と。

2年前にワインズ・オブ・ポルトガルのお招きで現地訪問した際、ポートのサンデマンでホワイト・ポートは夏に人気があり、ここでロック割りの飲み方を伺いました。干し鱈料理はポルトガルの名物でこれも人気があります。鱈自体はノルウェ-から輸入しているのが実情のようで、現地情報として面白く思いました。

“きらり”と光った森本選手の第3フライト

第2フライトは酒精強化ワインで、1はマデイラ(セルシアル)、2もマディラ(ヴェルデーリョ)、3は「マディラではない」と答えていましたが、レインウォーター(マディラに分類されるのでは?)と回答


第3フライトは酒精強化ワイン”のグループで、1と2がモスカテル・デ・セトゥーバル。1は若いヴィンテージで上質な酸を備え、2は熟成していて味わい深いこと、3に関してはピコ島のラジドと指摘、お見事!


食前酒にはブラセス・クラシコ2011(キンタ・ダ・ムルタ)をセレクト、アリント種が口の中をリフレッシュさせてくれるとコメントし、ホタテのマリネ レモン風味を提案。仮想客のリクエストを反映させたバイ・ザ・グラスで!


ミシュランの星を持つレストランを併設しているエスポランはツーリズムも人気です!
3週間前にポルトガルを訪問した森本さんですが、ツーリズムの来客が予定されていた為、ボデガ見学が叶わなかった話をしながらワインをサービスして、模擬客に親近感を与えていました。
「このワインに合う日本食は?」との質問に対しては、「熟成した和牛、神戸牛のわさび添え」を提案。質の良いタンニンとオークのフレーバーがわさびの要素と相乗してナイス・マリアージュになること、デキャンタージュしたワインが30分から1時間ほどで風味が広がることにも言及。本物の料理の登場を思わず期待したくなる提案だったと思います。


3位の谷川雄作選手(ティエリー・マルクス・ジャパン)はブラインドテイスティングの第2フライトをマディラと推定し、セルシアル、ブアル、ヴェルデーリョと回答。赤ワインにお薦めの和食は和牛や照り焼き(醤油と相性)と述べていました。


ランサーズ・ロゼはコンクールの常連ワイン!


時間内に作業を完了させた森本選手、ボトルも空!


森審査委員長がグラスの量を正確にチェック

結果発表、表彰式

ステージ上には同コンクールの主催者ヌノ・ヴェイルチーフマーケティングオフィサー、ソニア・ビエイラシニアアジアマネージャー、フランシスコ・シャヴィエル・エステヴェス駐日ポルトガル大使、森覚審査委員長
星山厚豪、井黒卓、岩田渉、佐藤陽一各審査員、5名のファイナリスト

エステヴェス駐日ポルトガル大使は「コンクールに参加したのは初めてであり、楽しい経験でした。ポルトガルは歴史あるワイン産地で多くの固有品種があり、ポートやマディラのみならず、近年ではヴィーニョ・ヴェルデも良く知られています。ワイン雑誌でも高い評価を受けており、コスパのあるワインです。今後もプロモーションを続けて行きます。最後にファイナルで健闘した選手の皆さんを讃えたいと思います」と挨拶

続いて、ヴェイル氏から、5位、4位、優勝者、2位、3位の順で発表がありました。


(左から)野坂昭彦、森本美雪、谷川雄作各選手


森審査委員長、ビエイラ氏、谷川選手、駐日ポルトガル大使、森本選手、野坂選手、ヴェイル氏



ポルトガルワインのマスタークラスセミナー

公開決勝の前に、ポルトガルワインのマスタークラスを開催
石田博副会長がMC、岩田渉&井黒卓各氏が先般のポルトガル現地研修での体験を踏まえつつコメント


供出された6アイテムは日本未入荷のグレイテストゴールドのワイン
ワインズ・オブ・ポルトガルが開催しているワイン・コンペティションで、グレイテストゴールド(ゴールドメダルのなかでも特に優れたワイン)に選ばれた十数アイテムのなかの6本。世界各国から招聘された審査員110名(MW、MS、ポルトガルワインの権威、ジャーナリスト等)がエントリーされた1300アイテムからブラインドテイスティングで選んだゴールドメダルが130本あり、そこから、5名の特別審査員(MW、MS、ポルトガルワインの権威)がグレイテストゴールドを選出。現在のポルトガルワインの傾向、風潮が理解できます。

11名から5名に

マスタークラスセミナー終了度、選手が一堂に会し、11名の準決勝進出者からファイナリスト5名の発表。
おめでとうございます!
(左から)
野坂昭彦 ホテルニューオータニ トゥ-ルダルジャン
瀧田昌孝 パレスホテル
谷川雄作 (株)テイエリー・マルクス・ジャパン
吉原隆行 レストラン花の木
森本美雪 コンラッド東京


すべてが終わって


ちょうどこの5月、ウィーンでヨーロッパ最優秀ソムリエコンクールの決勝戦を観戦するチャンスがあり、それを思い返しながら拝見していたのですが、ウィーンでは仮想客&仮想レストランの場面で、優勝したラトビアのトムソンズ選手が、「ようこそ、私のレストランへ。私はこの店(店名をお客様に伝え)のオーナー、トムソンズです」と本当に気持ちの良い挨拶をしてから、爽やかな導入で、仮想客を引き付けていました。その姿が素晴らしく印象深かっただけに、今回、石田実行委員長が挙げていたレストラン名“ソフィア&ヌノ”とポジション“シェフ・ソムリエ”の双方を仮想客に伝えた選手がひとりもいなかったのが少し残念でした。

森審査委員長のコメントにもあったように、昨年と比較して、ブラインド能力が格段に上がっている気がしました。熱き戦いだったと思います、お疲れ様でした!!


関連ページ
Wines of Portugal Japanese Sommelier of the year 2016


温故知新のポルトガル、14ワイナリーのご紹介から


ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクール2017


posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月02日

ヴィレッジ・セラーズ創業30周年記念:NZの『フェルトン・ロード』&『ノイドルフ』両醸造家によるランチセミナー

The Family of Twelve のフェルトン・ロードとノイドルフにフォーカス

フェルトン・ロードのブレア・ウォルターさん(左)とノイドルフのトッド・スティーヴンスさん

ニュージーランドの名門12生産者グループThe Family of Twelve

のセミナー&テイスティングが日本で初開催されました。講師はフェルトン・ロードのブレア・ウォルター、ノイドルフのトッド・スティーヴンス両醸造家。フェルトン・ロードのブレアさんは親日家で今回が6回目の来日、トッドさんは初めての日本訪問でした。The Family of Twelveのセミナーの報告は改めていたします!

輸入元ヴィレッジ・セラーズ(以後VC)にとって、今年は創業30周年の記念年です。
今回は両ワイナリーの醸造家によるプレスランチリポート。2004年と2010年の垂直試飲も盛り込まれていたので、NZワインの熟成具合についても検証できました。

フェルトン・ロード&ブレア・ウォルター
セントラル・オタゴは世界最南端に位置し、標高が高く、昼夜の日較差が大きいエリアで、年間降雨量は350mm。フェルトン・ロードでは2001年からスクリュー・キャップを導入、2010年にデメター認証取得。
ワインメーカーンのブレアさんはリンカーン大学農学部に入学、同大学院での醸造・栽培学修士課程を終了後、海外(豪州、ナパ、オレゴン、ブルゴーニュ)で研鑚を積み、1996年フェルトン・ロードに参画。ランチの席上、「ワイン造りをしていくなかで、質感やのど越し、フレーバー等、ワインの細部に配慮するようになってきました。そのための良き教材が様々な国を訪問し、その国独自の料理とフェルトン・ロードのワインを合せる体験。これにより、自分たちのワインスタイル、大事なポイントを学んでいます」と語っていました。

ノイドルフ&トッド・スティーヴンス
ノイドルフのあるネルソンは南島北西部の端にあるので日照時間はセントラル・オタゴより長い。湿気が多く、降雨量はセントラル・オタゴの3倍。NZのなかでは一番風が弱いエリア。畑はサスティナビリティ栽培、NZのサスティナブル・ヴィティカルチャー・グループ設立メンバー。トッドさんのワイン醸造家としてのキャリアは13年。2008年から2012年の途中までの約5年間、フェルトン・ロードでブレアさんのアシスタントワインメーカーとして従事。その後、ノイドルフのワインメーカーに就任。


輸入元ヴィレッジ・セラーズのリチャード・コーエン社長と中村芳子専務との4ショット

ヨーロッパ最優秀ソムリエコンクール2017の間違い探し問題にも登場
5月にウィーンで行われた表記のコンクールで、フェルトン・ロードに関する問題(3つの中から1つの間違いを探す課題/制限時間30秒)が出ていたので、ブレアさんに画像をお見せしたところ、びっくり&大喜び、なさっていました!
画像はクリックで拡大可






-Felton Road Bannockburn Chardonnay2015, Marlborough(, New Zealand   Central Otago(

The World's Most Admired Wine Brands 2017では13位!

出典:Drinks International
また、フェルトン・ロードは今年3月に、Drinks International が発表した“The World's Most Admired Wine Brand 2017(MW、
ソムリエ、ジャーナリスト200名以上による投票
)”で、ペトリュスやサッシカイヤを抜いて13位にランキングされています。コーエン社長がプレスランチの冒頭、“世界に影響を与えている小さなワイナリー”と形容なさっていましたが、まさに的確な表現!


第1フライトはモダンカビネットスタイルのリースリングvs注目のピノ・グリ

2015フェルトン・ロード・リースリング・バノックバーン (セントラル・オタゴ)
ビオディナミ農法。自生酵母(セラー内に棲みついている酵母)、全房圧搾後、ステンレスタンクに果汁を移し、甘味、酸味をみながらバランスのよい時点で発酵を停止させ、自然の甘味を残したワイン。2015年ヴィンテージの残糖度は74g/L(平均は50~65g/L)、Alc8.5%、生産量600ケース
甘さと、その裏に控えた酸のハーモニーが魅力。ドイツのカビネットタイプのワインで、NZの最南端に位置するセントラル・オタゴならではのリースリング、20年位の熟成にも耐えられる秀逸なワイン。2015年は収穫後半、かなり気温が下がったので酸は高め。今年(2017年)も同じような気候だったようです。

EUの規定ではAlc8.5%以下のワインは輸出できない為、フェルトン・ロードでは改善に向けての働きかけをしている最中とのこと。「その昔、低アルコールのワインは劣悪な年のものが多かったので、それを流通させないための規制で、ドイツやイタリアの寒いエリアに関しては例外措置が取られています」とブレアさん


2013ノイドルフ・ムーテリー・ピノ・グリ(ネルソン)
ノイドルフの拠点 自社畑アッパー・ムーテリー(粘土と砂利の土壌)のピノ・グリ100%。野生酵母、全房圧搾後、67%ステンレスタンク発酵、33%フレンチオークの500Lパンチョン(4~6年使用)、樽熟成6ヶ月、樽メーカーはタラサウド、残糖度5g/L、Alc14%、生産量300~500ケース
ここ数年、NZで人気が出ているピノ・グリ。生産量は第1位のSB、第2位のCHに次ぐ第3位。残糖のあるタイプからドライなタイプまで様々で、エスニック料理と合せることが多いとのこと。

ノイドルフのピノ・グリは白い花、洋梨、白コショウ、中盤から酸味、若干のビター感。「ぶどうのフェノールのバランスを見ながら仕上げていますが、残糖を少し感じる程度の味わい」とトッドさん


先附:才巻海老 炙り帆立 水茄子 茗荷 胡瓜@ コンラッド東京『風花』
ピノ・グリから醸し出される塩味に海老や帆立、ハーブの要素には水茄子や茗荷を合わせて
残糖のあるリースリングは御節料理にお薦めできるアイテム、“弁当”のなかの出汁巻玉子や馬鈴薯酒盗焼きと合わせて

第2フライトはフェルトン・ロードのピノ!

2004フェルトン・ロード ピノ・ノワール・ブロック5(セントラル・オタゴ)(右)
2010同上(左)
ブルック5はワイナリーに隣接しているエルムズ・ヴィンヤード内にあり、土壌は片岩粘土質、砂質レスが混在。自生酵母使用、樽メーカーはダミー。冷涼年の2004年は20%全房、シームレスな果実味とタンニン、スパイス、熟成に由来する旨味&複雑味。良年の2010年は17%全房で22日間発酵、18ヶ月間樽熟成(新樽35%)、ダークチェリー、プラム、ドライローズ、ミネラル、エキゾチックスパイス、タンニンはきめ細かく滑らか、旨味


弁当
(左) 時鮭蚕豆焼 太もずく柑橘和え 出汁巻玉子 鯛木の芽寿司 稚鮎香り揚げ 馬鈴薯酒盗焼 新牛蒡ブルーベリー漬ほか
(右)造り 鰹サラダ仕立て 唐柿豆腐 太刀魚双身揚げ 和牛炭火焼き

エレガントなスタイルの2004年は、和の素材に寄り添い、ピノと日本食の相性の良さを証明してくれました。特筆すべきは、2010年ヴィンテージと食事に添えて出されたお味噌汁。発酵食品のお味噌と2010年の旨味が混然一体となり美味。お味噌との相性はブレアさんも過去何度も感じているとのことでした!

ブレアさんは全房発酵に関して、「セントラル・オタゴの果実味を出すには、全房をしなくても良いと思っています。若い樹や高台で涼しい畑は熟成が遅いので、清涼感が出やすくなるので全房にはしない」とコメント。

第3フライトはノイドルフ自社畑のピノ・ノワール

2004ノイドルフ ムーテリー・ピノ・ノワール(右) 
2010同上(左)
前氷河期にできた堆積土壌の自社畑ムーテリー・ヒルズのぶどう。自然酵母で自然発酵。フレンチ・オークのバリック(40%新樽)で11ヶ月間熟成。2004年は難しい年だったそうですが、13年の熟成を経て、とても良いバランス。赤系果実、ピンクペッパー、なめし皮、果実の凝縮感。2010年はフレンチオークのバリック(30%新樽)で12ヶ月間熟成。清澄、濾過なしで瓶詰、生産量506ケース、ダークチェリー、ドライハーブ、甘草、深みのある味わい、広がりのある長い余韻


塩豚と碓井豆の炊き込み御飯


食事:炊き込み御飯 振り胡麻 留椀 合わせ味噌 香の物 三種盛り
脂分と塩分が凝縮感のある2010年とナイス・マリアージュ!


甘味:抹茶団子二種 季の物


VCが垂直試飲のために用意した2004年と2010年ヴィンテージとの遭遇に大満足なさっていたおふたり。NZではセラーで熟成させることなく、リリースしたら、すぐに飲んでしまうのが飲酒流儀のようなので、古いヴィンテージのテイスティングは日本での感動をさらに盛り上げていたようです。参加者にとってもNZのピノ・ノワールの熟成のポテンシャルを確認する貴重な時間になりました。ヴィレッジ・セラーズのコーエン社長と中村専務に御礼申し上げます。

クリックで拡大可


















[ハートたち(複数ハート)]製品についての問い合わせはヴィレッジ・セラーズ(株) ℡0766-72-8680
URL:http://www.village-cellars.co.jp/winery/
posted by fumiko at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

日本のワイン産業140年!  シャトー・メルシャンの「甲州」3種と新登場「岩崎甲州」


赤紫色の甲州ぶどう

ルーツについては2013年に独立行政法人酒類総合研究所の後藤奈美研究企画知財部門部門長(現 理事長)が日本ブドウ・ワイン学会(ASEV Japan)で行った発表

で詳細がわかります。

5月16日にメルシャン株式会社(以後メルシャン)から4種の甲州ワインがリリースされました。
『シャトー・メルシャン 山梨甲州(参考価格1,830円+税)』、『同甲州グリ・ド・グリ(参考価格2,780円+税)』、『同甲州きいろ香(参考価格2,780円+税)』と、新製品『同岩崎甲州(参考価格3,020円+税)』。ヴィンテージは2016年、先の3つは従来からのアイテムで、岩崎甲州はシャトー・メルシャンの源流つながりの“甲州ぶどう”から造られています。

シャトー・メルシャンの源流『大日本山梨葡萄酒会社』誕生から140年
この画像はクリックで拡大可


日本が誇るシャトー・メルシャン。この源流は日本初の民間ワイン会社『大日本山梨葡萄酒会社』で、明治10年(1877年)、140年前に設立されました!
同社はフランスに高野正誠と土屋龍憲のふたりの青年を派遣。彼らは現地でぶどう栽培と醸造技術を学び、帰国後、本格的なワイン造りを開始しました。新発売の『岩崎甲州』は、ふたりの実家、高野家と土屋家が手掛けるぶどうで造ったワインです。両家は今でも勝沼町岩崎地区でぶどう栽培を行っているので、この記念すべき年に、シャトー・メルシャンの『岩崎甲州』としてデビューすることになりました。

好天に恵まれた2016年
暖冬で、4月の気温は観測史上3番目に高い記録。その後も良い気候で、甲州ぶどうの開花は過去10年で最も早かった昨年と同日。梅雨入り後も晴天で、猛暑は7月中旬まで続いた。収穫は酸の低下を注視し、9月下旬から10月上旬に実施

甲州3種をお寿司に合わせて


甲州ワイン4種が揃ったので、赤酢を使ったお寿司でマリアージュ探求をしてみました。
ただ、甲州きいろ香

だけは、故富永敬俊博士とお約束したことがあり・・・



『きいろ香』の生みの親 富永博士が2008年6月に急逝なさってから、9年経ちましたね。
甲州プロジェクトの第2弾が『きいろ香』でした。私はスタート時から取材してきましたが、きいろ香に関しては「リリースしてすぐに飲むのではなく、少なくとも半年は待ってから」というのが私の持論。博士にも意見を述べ、博士からも「そのほうが望ましい」とのお返事をいただいていたので、リリースして間もない『きいろ香』は今回は外しています。これは半年セラーで寝かせてから、お寿司に合わせてみたいと思っています。 

5年物の赤酢は酸味まろやか、素材の旨味も
相性チェックの場所は、豊洲移転報道の真っ最中の築地。過去にも何度かお邪魔しているつきぢ神楽寿司

で、ここのシャリには若干色が付いています。これはオリジナルの5年物の赤酢を使っているからで、酸味はまろやか、素材の旨味が引き立つ赤シャリです。

発酵&醸造も3種3様
IMG
左から
山梨甲州は9月下旬から10月上旬に収穫した山梨県甲州市、甲府市、韮崎市などの甲州ぶどうを使い、シュール・リー製法で仕上げたワイン。ステンレスタンク主体で発酵、同じくステンレスタンク主体で約5ヶ月間育成。淡い黄色、レモンや和風柑橘系果実、吟醸香、爽やかな酸味、余韻に軽いビター感。素材をそのまま生かした食材がお薦め

岩崎甲州は10月上旬に収穫した勝沼町岩崎地区の甲州ぶどうで、樽で約14日間発酵、オーク樽で約3ヶ月間育成。色調はイエロー、レモンやライム等の柑橘系アロマ、ブリオッシュやイースト香、フレッシュでキレの良い酸味&心地良い渋味、好印象

甲州グリ・ド・グリは10月上旬に収穫した山梨県国中地域主体の甲州ぶどうで、ステンレスタンクおよびオーク樽で約20日間発酵、ステンレスタンクおよびオーク樽で約4ヶ月間育成。最近、メルシャンでは“オレンイワイン”と呼称している由。色調は果皮由来のオレンジ、紅茶(ダージリング)、ドライフラワー、低い温度だと渋みを感じ、徐々に温度変化していくことでマイルドに。旨味&複雑味が魅力。みりんや醤油を生かした料理、炙りもの、山菜や春野菜のように苦みを生かした料理に合せて


大トロ()、しまあじ(
大トロは山梨甲州、しまあじは岩崎甲州、ガリも岩崎甲州で◎
岩崎甲州は酸のメリハリがあり、上品!


鱚変わり揚げ、ずんだあん
脂分があるので、グリ・ド・グリのタンニンが口中を洗い流してくれる印象
青唐辛子の揚げ物は山梨甲州と素直な相性



アスパラすり流し
上部はアスパラガスとトウモロコシ、中段はじゅんさい、エビ、小柱が入った茶碗蒸し仕立て。手の込んだ一品。いろいろな素材が入ったすり流しには包容力のあるグリ・ド・グリが!



左から)赤身、金目鯛炙り、あじ、穴子、玉子
赤身やあじは岩崎甲州、金目鯛の炙りは旨味が凝縮されていて香ばしい風味、岩崎甲州グリ・ド・グリと合わせてナイスマリアージュ! 穴子は深みのあるグリ・ド・グリ

つきぢ神楽寿司では三浦友久専務にお世話になりました。また、マリアージュ探求ではワインサロンフミエール

の友原範士社長と宮川文子主宰にもご同席いただきました。
いつも、ありがとうございます!!!

[ハートたち(複数ハート)]140周年を記念した日本ワインづくり140年の系譜

のサイトで、シャトー・メルシャンの製造部長兼チーフ・ワインメーカーの安藤光弘さんが「甲州」について語っています。このページ全体必見です!
posted by fumiko at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月15日

美食国ペルー発! 南米6ヵ国大使館のコラボレーション〝日本における食の外交〟

食による外交と連携についてのコラボレーション
IMG
在日ペルー大使館主催“食による外交”のイベントにお招きいただきました!

IMG
数年前から、美食ブームが起きているペルー!
同大使館マチュピチュ講堂には、(左から)チリ、ブラジル、メキシコ、ペルー、コロンビア、キューバ各大使館のシェフが一堂に会し、自国の料理を披露してくれました!



イベントは2部構成で、第1部はギジェルモ・ゴンザレス・アリカ氏による基調講演。
ゴンザレス氏は現在、食の外交グローバルセンターの会長として活躍しています。最後の公務はホンジュラスの元ペルー大使でした。ここで氏は、商業的、経済的、文化的関係を促進させることを目的にした〝Gastronomic Diplomacy with cooperation (連携による食の外交) "という方法を開発、発展させました。書籍もその1つです。



上梓した書籍は6冊あり、『ペルー、ホンジュラス、私たちの食卓 食による外交とフュージョン料理』はグルメ2015の大使館部門で賞を獲得。また。オリット・ポラック氏との共著『ドラム缶型グリル料理とバーベキューパーティー』は世界中の料理本のなかから一番優れた本に贈られるグルメ2017のバーベキュー部門で最優秀賞を受賞。受賞は2回目ですが、ちょうど、この週にグルメ2017の受賞式があるとのことでした。
改めまして、おめでとうございます!

講演はスぺイン語で通訳なしでしたが、懇親会でゴンザレス氏にご挨拶した時、「ペルーは美食国として知られており、美食ブームです。今まで1300人のシェフを訓練してきました。食と経済は同じ価値があり、食による連携に力を入れています」と語っていました。

講演を前に、ゴンザレス氏の本のプレゼンテーション映像が披露されました。
ペルー大使館からyoutubeを送っていただいたのでご紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=NF-VOItvS6w&feature=youtu.be
データ協力:在日ペルー大使館


国ごとの飲料も

ピスコサワー、美味!


左上から順に
コロンビアはコーヒー、ペルーはピスコサワー、キューバはモヒート
チリは赤ワイン、メキシコはマルガリータ、ブラジルはカシャッサ(サトウキビ原料の蒸留酒)


第2部はシェフが主役
この日は6カ国の大使館の協力のもと、大使&同夫人もご臨席。料理大使であるシェフたちの料理説明にも力が入っていました。

(登壇順に)ブラジルはヒラタ・マリ シェフ



砂糖、卵黄、すり潰したココナッツから作るキンジン

IMG
ヒラタさんの笑顔とスイーツで来場者は幸せな気分


チリのリカルド ア. ゴンザレス サンチバニエス シェフ

英語でプレゼンしたリカルドシェフ
アジャレス駐日チリ大使に、貴重な機会を与えてくれたことへの感謝も述べていました。


Pastel de Choclo/トウモロコシのケーキ

IMG
最初にコーンの甘さが広がり、読いて様々な味の要素が口中に


日本のメンバーはこのテーブルだけでしたが、光栄にも料理界の大御所江上料理学院の江上栄子院長とご一緒できました。(左から)日本語もお上手なリカルドシェフ、江上院長、駐日チリ大使夫人マリアさん、江上料理学院の上月長子教授、ラテン文化サロンのデレオン礼子さん

コロンビアのレスィエ・デ・ヘスースシェフ

アヒアコは鶏肉やジャガイモを使ったクリームシチュー


スペインの統治以前からルーツがあるとのこと
具だくさん、唐辛子のピリッとした辛さがアクセント


キューバのカミル・オニアシェフは〝古着〟という料理を披露

Rapa Viejaロパビエハ/古着のレシピ


古着のお肉はコンビーフ似とコングリ(豆ごはん)

メキシコのビクトル・バスケスシェフ


Taco de chicharron de pescado/魚の唐揚げのタコス!?

IMG
ボリュームがあり、とても懐かしい味わい

ペルーのウォルター・ラバホス シェフが紹介したのは
MCを担当なさっていたマリオ・ブスタマンテ参事官は「世界で最高のシェフ、ガストン・アクリオ。また、ビルヒリオ・マルティネスはペルー料理を国際的な名声にまで押し上げました」と語っていましたが、前者はドキュメンタリー映画『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』で知られていますし、後者のレストラン、リマにある『セントラル』は、2017年版『世界のトップ50 レストラン』の第5位に選出されています。このほかにも優秀なシェフを輩出しているペルー、今、最も注目度の高い国と言えます!

スペイン、ポルトガル、アフリカ、アラビア、中国、日本の影響を受けているペルーでは、様々なフュージョン料理を作り出していますが、今回紹介された一品には日本の影響が・・・


Tiradito de pescado/魚の薄切


最初に登場したのがティラディート、お刺身は日本、ソースはペルー、仲介役のレモンや唐辛子は絶妙。日系移民が考え出したペルーと日本のフュージョン料理!
 

懇親会場では談笑中のアンドレ・アラーニャ・コヘーア・ド・ラーゴ ブラジル大使やガブリエル・ドゥケ コロンビア大使、主宰のハロルド・W. フォルサイト ペルー大使ご夫妻のお姿が



ペルーの黄鉄鉱!

IMG

ラテンアメリカの多様性と異文化との融合が料理にも反映されていることを実感!
連携による“食の外交”体験、知的でおいしい時間になりました。
posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月03日

来年に向けてカレンダーチェック! 5月最終金曜日はLanguedoc Day!



3年前、アメリカから始まったLanguedoc Day/ラングドック・デー!
中国、カナダ、日本に波及したムーヴメントで、「5月最終週の金曜日には南仏ラングドックのワインを飲んで、SNSで発信しよう!」という日です。


ジャンジャン副会長、モリーヌさん、石田さん

日本での知名度はまだ低いのですが、ラングドックワイン委員会のフレデリック・ジャンジャン副会長とマーケティング部長のクリスチーヌ・B ・モリーヌさんが来日して、その魅力を熱く語りました。


飯塚シェフとジャンジャン副会長

会場はミシュラン2つ星レストランRyuzu/リューズ

、マリアージュについての語りを担当した日本ソムリエ協会の石田副会長と飯塚隆太シェフが、プレスランチ(5月最終金曜日)の3週間前から意見交換して練りあげた構成は素晴らしい印象でした。
当日味わったワインは全8アイテム、同地方のプレミアムワインが厳選されていました。親しみやすくリーズナブルな価格のスパークリングワインと甘口ワインについては、ワインのこころ

で紹介しています。


ラングドック地方の沿革
紀元前600年にギリシャの植民地としてぶどう樹とオリーブが植樹され、2500年以上の歴史を有すエリア。同地方では1531年にリムー近郊の修道院(Saint Hilaire)で、最初のスパークリングワインが開発されています。近年、適切なぶどう品種の選択や技術革新が進み、2007年には地方名のAOCラングドックが誕生。ワインの品質が著しく向上しています。

データで見ると
■ぶどう畑は世界最大235,000㌶(豪州の1.5倍)
■収量1,330万ヘクト㍑(2014年データ) 
■36のAOC(全体の14%)と19のIGT(全体の60%)、地理的表示のないワイン(26%)
売り上げの30~35%をAOCワインが占めています。
■ラングドックAOCの93%がスティルワイン(赤ワイン77%、ロゼワイン13%、白ワイン10%)、5%がスパークリング、2%が甘口ワイン
参考:20~30年前は赤ワインが全体の90%
■フランスのビオのぶどう畑の30%(1,557軒)がラングドック、ここ10年の間でビオの畑は3倍に増加。世界のビオワインの8%は同地方で生産されています。ちなみにビオディナミは全体の5~6%
■日本におけるラングドックワインAOCの出荷量(2015年3月~2016年4月)は、コルビエール、ラングドックの赤、ミネルヴォア、フィトゥー、サン・シニアン、フォジェール、ラングドックの白、その他のラングドックのAOCの順


リューズの料理とのマリア―ジュ
女性醸造家が造るスパークリングワイン


キュヴェ・フランソワーズ (メゾン・アンテッシュ)
AOC ブランケット・ド・リムー/2,390円(税抜)/(株)ディス・エクスポール・ジャポン
ぶどう品種はモーザック90%、シャルドネ5%、シュナン・ブラン5%
アミューズの新玉ねぎのムース、アンチョビのマドレーヌと合せて
モーザックは小さな花をイメージさせるぶどう、フラワリーで口当たりが柔らかいスパークリングと新玉ネギの甘さが良く合いました。

花びら色のロゼワイン


テット・デ・ベリィ・ロゼ(シャトー・ピュエッシュオー)
AOCラングドック・サン・ドレゼリ/6,000円(税抜)/AMIS(株)
ぶどう品種はムールヴェードル90%、グルナッシュ10%
「淡く透き通るような色合い。フレッシュ感があり、香りにも味わいにもきめ細やかさを感じるロゼ。口中を流れるように進み、中盤で濃縮感が出て、余韻で調和(甘味、酸味、渋み、旨味等)が取れている飲み心地の良いワイン。ムールヴェードルはタンニンが強くスパイシーなぶどうなので、それが見事にコントロールできている」と石田さん



グリーンアスパラガスとバイ貝のコンフィをアイヨリソースで
石田さんいわく「春の名残りを楽しんでいただける一皿」
アスパラガスと山菜のほろ苦さがロゼのタンニン分とマッチ!
ニンニクを程よく使ったアイヨリソースをつけて味わうことでよりふくらみが増す印象

しいたけのタルトを赤ワインに合せて

魚沼産八色椎茸をタルト仕立てに ラルドの薄いベールで覆って

カルラン 2014(マ・ジュリアン)
AOCテラス・デュ・ラルザック/7,200円(税抜)/大榮産業(株)
ぶどう品種はグルナッシュ50%、カリニャン30%、サンソー10%、シラー10%。
「香りは自然でゆるやか、繊細で果実の印象の後に土っぽさやスパイスのニュアンスも。ピュアさと複雑さのコントラストがあり、味覚要素(甘味、酸味、渋味等)がすべて一体になっているワイン」と石田さん
スペシャリテの椎茸タルトの上にはラルド、下にも椎茸、干し椎茸、マッシュルームをラルドで炒めた敷物が。ワインを合せるとタンニンがソフトなので、素直に馴染み、豚の香りとラルドの脂分が混然一体となって口中に広がり、椎茸の香り&味わいが長い間続きます、椎茸好きにはたまらないマリア―ジュ!

 
白と赤でスズキとの相性チェック

石川産スズキのポワレ アーティチョークとともに 焦がしバターソースで

ドメーヌ・ド・バロナーク・シャルドネ2014(ドメーヌ・ド・バロナーク)
AOCリムー/6.650円(税抜)/ピーロート・ジャパン(株)
ぶどう品種はシャルドネ100%
シモン 2012 (ドメーヌ・クロ・マリ)
AOC ピク・サン・ルー/6,200円(税抜)/(株)ヴァンパッション
ぶどう品種はシラー50%、グルナッシュ50%
石田さんは「ピク・サン・ルーは冷涼エリア。凝縮感とエレガントさを備え、シラー由来のスパイシーさ、グルナッシュ由来のピュアな果実、口中で活力を感じる印象。タンニンは豊富ながら緻密なので、バターソースの魚料理が合いそうな赤ワイン、ワインが料理をソフトに包み込んでくれそうな相性。白ワインはシャルドネの香りとよく合う」とコメント

個人的には白ワインと合せたほうが素直に楽しめました。赤ワインだと若干生臭みが出てしまう印象。「濃厚なバターソースのスズキには酸味と樽のニュアンスがある白ワインが合いますね」とモリーヌさんも同意見。

解禁されたばかりのジューシーな仔羊はスタークラスの赤ワインで

システロン産仔羊 鞍下肉のロティ 野菜のエチュベを添えて

最近解禁になった贅沢な仔羊、石田さんから「お肉はタイムのフレーバーをつけつつロースト。トマトコンフィとレモンの風味もあるので、合わせるワインは地中海のぶどう品種を使ったものを。トマトの旨味は、シラーやグルナッシュ、ムールヴェードルと良く合います」との説明が。付け合わせの紫人参の歯ごたえがとても良く、旨味があり、気に入りました。




ヴァリニエール(ドメーヌ・レオン・バラル)
AOCフォージェール/7,000円(税抜)/(株)ラシーヌ
ぶどう品種はムールヴェードル80%、シラー20%
「ビオロジックの生産者。シスト土壌由来のエレガンスさ、緻密さを備えたワイン。バランスが良く、全体に調和が取れた印象」

ル・ヴィアラ(ジェラール・ベルトラン))
AOCミネルヴァ・ラ・リグニエール/8460円(税抜)/ピーロート・ジャパン(株)
ぶどう品種はシラー60%、グルナッシュ25%、カリニャン15%
「香りに気品があり、グラン・ヴァンの風格、フレッシュさがありながら深みもあり、味わいには果肉感も。中盤から横方向に広がる印象、旨味のあるワイン」


ジューシーなシステロン産仔羊、絶品!


リーズナブルな癒し系甘口ワイン

ミュスカ・ド・ミルヴァル(ムーラン・ド・ガサック)
AOCミュスカ・ド・ミネルヴォア/2500円(税抜)/(株)フィネス
ぶどう品種はミュスカ・ア・プティ・グラン100%
凝縮感がありながら、べたつかず、心地良い酸味でフィニッシュ



ジャンジャン副会長は奥様フランソワーズさんを伴って来日
ドメーヌ・ジャンジャンはラングドックのなかで一番広い面積を所有し、かつネゴシアンとしても活動しています。「椎茸のタルトと合せた赤ワインや魚に合わせた赤ワインなど、今日は我々が知らなかった発見ができましたし、料理も堪能できました」とおっしゃっていました、飯塚シェフ&石田さん、お見事でした!

食事全般で楽しめるラングドックワイン


食前酒から、最後のデザートまで、食事全般を通して楽しめるラングドックのワイン!
多様性があり、何より、お求めやすい価格帯が多いので、選択肢も広がります。
日本は毎月最終金曜日がプレミアムデーです。

来年の話になりますが・・・
5月のプレミアムデーにはラングドックワインを飲みながら、SNSでワイン発信を多くのワインラバーさんがしてくださることを願っています。

コスパワインの冊子は6月半ばに!

画像協力:ラングドックワイン委員会

今月中旬に、ラングドックワイン委員会が〝50のコスパワイン〟の冊子をリリースします。
『ワイン王国』協力で、(左から)トゥールダルジャンの野坂昭彦ソムリエ、ワインジャーナリストの山本昭彦さん、青木冨美子、アピシウスの情野博之ソムリエ、乃木坂しんの飛田泰秀支配人の5人が100超のワインをブラインドテイステイングしてセレクトした50アイテムです。
冊子が出来ましたら、日々のワイン選びに利用していただきたいと思っています。
窓口はラングドックワイン委員会日本事務局  ℡03-5615-8177
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

■ラングドックワイン委員会 https://www.facebook.com/languedoc.wines.jp/
posted by fumiko at 23:33| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月11日

今年もファインズ主催第7回チャリティ試飲会に温かな支援の輪!

東日本大震災復興を願い海外からの支援の輪
IMG

2011年3月11日に発生した未曾有の東日本大震災の被害状況を憂い、輸入元ファインズ

と繋がる海外のワイン生産者たちから即刻届いた支援の輪。同年7月、ファインズ主催で第1回チャリティ試飲会

が開催されました。チャリティのために来日してくださったワイン生産者&関係者の皆様、素晴らしいワインを供出してくださったワイナリーの皆様。義援金はファインズ様からCivic Forceに全額寄付され、震災の復興支援に活用していただきました。

継続は力なり!
IMG
ファインズの中西卓也社長(前列右)は「今回も多くの方にご賛同いただき、各国から駆けつけた生産者とともに過ごせることを社員一同感謝しております」と挨拶

7回目を迎えたチャリティ試飲会!
テロワールとの出会い ~飽くなき挑戦をする生産者の饗宴~ をテーマに、今年は海外から15名の生産者&関係者が来日しました。3月4日、会場の恵比寿EBis303にはワイン愛好家300名以上が集い、生産者たちと交流しました。先日、ファインズ様から、入場チケット、セミナーチケット、有料試飲などの総額は2,744,500円との報告がありました。これは例年通り、復興支援のため、Civic Forceに全額寄付される予定です。

チャリティ会場から
支援応援に駆けつけてくださったのはフランスからアンリオ、ドメーヌ ブシャールP&F、ウィリアムフェーブル、ドメーヌ アンリ ボワイヨ、ドメーヌ デュ ノゼ、ドメーヌ バロン ド ロートシルト(ラフィット) 。イタリアからはマッツェイ、チェレット。アメリカからハイド ド ヴィレーヌ そしてチリからラポストールです。

有料試飲のアイテムにはアンリオのキュヴェ アンシャンテルール1976も

長熟の極み〝キュヴェ アンシャンテルール1976〟

IMG
シャンパンの状態をチェック中のメゾン エ ドメーヌ アンリオのジル ド ラズィエール社長

ピエモンテ アルバの食文化の伝道師

ジャコリーノジッラルディCEO()とパートナーと林茂さん

林さんは「第7回のテーマはテロワールですが、イタリアでも一番早くからテロワールに注目して実践しているのがピエモンテであり、そのなかでもチェレットは1960年代から良い畑を入手し、周囲にもその考えを伝えていったので、大事なポイントをしっかり押さえています。流行に流されず、伝統的な造りを守っています」と語っていました。

トスカーナの歴史あるワイナリー『マッツェイ』
IMG
自慢の『フォンテルートリ シエピ』を手にする25代目当主のジョヴァンニ マッツェイさんと奥様
私のお薦めはグレーラとピノ・ビアンコから造る『プロセッコ ブリュット ミレジマート2015』

メゾン エ ドメーヌ アンリオの頼りになる東アジア輸出担当西山雅巳さん
IMG
第1回から皆勤で応援して下さっている西山さんはブシャールとウイリアム フェーブルの顔として活躍中

オベール ド ヴィレーヌさんの妹家族が造るエレガントなサンセール
IMG
シリル ド ブノワさんと奥様。DRCのヴィレーヌ当主の甥っ子さんで、オーガニック、ビオディナミを導入中。「来年デメターの認証を受けることができそう」とブノワさん

IMG_4227
ヴィエイユ・ヴィーニュから造るサンセール ブラン シャトー デュ ノゼ2013と同2012

2013年は春が温かく、ぶどうの開花がスムーズだった年。ぶどう自体に凝縮感があります。ミネラル感豊かで凛とした印象、酸のメリハリがあるので、あと2~3年寝かせてから楽しみたいワイン。2012は「温暖な年だったので糖度も上がり、2013より若干Alcも高め(表示は同じでも少数点以下は異なる)。フランスにはもう在庫がありません。久々に飲んでみましたが、今飲み頃です」とブノワさん。果実味豊かで口中での広がりもあるワイン、美味しいです。マリアージュでは2013年はアペリテイフで。2012年は甘味もあるのでチョコレート菓子等のデザートがお薦めとのことでした。

テロワールを表現する完璧主義者
IMG
第1回のチャリーティ試飲会時にも来日して下さったドメーヌ アンリ ボワイヨのボワイヨ当主(右)とクルチエのミシェル・ガイヨさん

ブルゴーニュの雹(ひょう)害話になった時、おふたりは「昨今の雹害は局地的なもので、ポマールやヴォルネイに集中しています。単純に温暖化だけならそうはならない。今、懸念しているのは、ヴォルネイの西側にある丘の後方で自然を破壊する作業が行われていることです。森林を伐採したり、採石場を作る為に、金属性の倉庫を建設し、80㌶あまりの採石場には石が転がっている状態なので、そこに陽が当たり、温まってしまうことで、自然のバランスが崩れています。これはGoogle mapで見ればすぐわかります」と。要チェック項目でした!

IMG
アンリオグループのワインたち

フランスの伝統とチリのテロワールの融合『ラポストール』
IMG
昨年に続き、2度目の参加のシャルル ド ブルネ マルニエ ラポストール当主


近日登場! チャリティ試飲会でお披露目された軽快で爽やかな ル ロゼ2016

世界各地でエレガントなワイン造り
IMG
ドメーヌ バロン ド ロートシルト(DBR)からはミシェル ネグリエ輸出部長とオリヴィエ トレゴワ海外ドメーヌ醸造責任者が来日

DRCのヴィレーヌ当主とのジョイントベンチャー

ハイド ド ヴィレーヌからはゼネラルマネージャーのジェームズ アイアーさんが来日
※DBRとハイド ド ヴィレーヌには立ち寄れませんでした。



中西社長の挨拶のなかに、「リピーターが増えています」とのお言葉がありました。
ファインズチャリティ試飲会には、毎回素晴らしいワインが供出されますので、多くのワイン愛好家から高い評価を得ています。有料試飲には日頃飲めないアイテムが揃います。
第1回チャリティ試飲会のブログリポートにも書きましたが、被災地に向けての支援活動はまだまだ続けていかなければなりません。そのような中で海外から来日するワイン生産者との絆を深めながら開催しているファインズ主催のチャリテイ試飲会はワインを生かした〝実のある〟支援活動だと確信しています。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。
posted by fumiko at 23:30| Comment(3) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月28日

ルイ・ジャド スペシャル メーカーズ ディナー@日比谷松本楼 ~ボージョレの本質はクリュ・ボージョレにあり~

ヌーヴォーだけじゃないボージョレ!

昨秋からの構想を実現させたルイ・ジャド メーカーズ・ディナーが成功裏に終わりました!

ナビゲーターはルイ・ジャド

(輸入元:日本リカー

)の輸出部長オリヴィエ・マスモンデさん、ディナーは主催のワインサロンフミエール

友原範士社長と宮川文子主宰と行いました。
そもそものきっかけはピエール・アンリ ガジェ社長から頂戴した秀逸なボージョレワイン(上記の画像)で、これらはメゾン・ルイ・ジャドが1996年にボージョレ地区のムーラン・ア・ヴァンで最も名声を誇るシャトー・デ・ジャックを入手して20年になる記念の蔵出しワインでした。

日本ではボージョレと言うと、ヌーヴォーが話題になる傾向です。しかしながら、ボージョレは長い歴史を持つワイン産地であり、ガメイ(ガメ)種から最高のクリュ・ボージョレが生産されています。今回はそこにフォーカスしました。開催に至る経過は11月12日付ボージョレ探求

にまとめてありますのでプロローグとしてご笑覧いただけましたら幸いです。

ディナー前の会場で

ディナー会場は日比谷松本楼

3階のボア・ド・ブローニュ
いつもながらの上品なセッティング


供出ワイン8アイテムに合わせたスペシャルなグラスたち、壮観!
ご協賛くださったリーデル・ジャパン(株)

に感謝です!


第1部はワインサロンフミエールの宮川文子主宰がMCを担当。オリヴィエさんはブルゴーニュワインの今と同社を紹介。第2部はクリュ・ボージョレのムーラン・ナ・ヴァンとモルゴンにフォーカス、ハイライトとして今年で20年目のムーラン・ナ・ヴァンのシングルヴィンヤード“クロ・デ・トラン”と“ラ・ロッシュ”の1997年ヴィンテージも披露。それらをオリヴィエさんと紹介させていただきました。


第1部
IMG

供出ワイン(左から3本まで)
■CHAMPAGNE CHARLES HEIDSIECK BRUT RÉSERVE
シャンパーニュ シャルル・エドシック ブリュット レゼルヴ
■2013 Chassagne-Montrachet (Blanc) Louis Jadot
シャサーニュ・モンラッシェ(ブラン) ルイ・ジャド
■2011 Savigny-lès-Beaune La Dominode Domaine Louis Jadot
サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ ラ・ドミノード ドメーヌ・ルイ・ジャド

IMG
フォアグラのムース、コンソメのジュレとレンズ豆のサラダ

IMG
シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエを3分の1ずつブレンドし、10年以上熟成させたリザーヴワインを40%使ったシャルル・エドシック。シャンパンの滑らかさとトロリとした食感のジュレ、シャンパンの味わい深さとフォアグラのムースのこってり感が寄り添った贅沢なマリア―ジュ


オリヴィエさんが語るブルゴーニュ&ルイ・ジャド


ブルゴーニュAOCのワインを分類すると、ピラミッド型のベース部分が21のリージョナブルアぺラシオン(65%)、その上が44の村名アペラシオン(23%)、さらに636のプルミエ・クリュ畑(11%)、そして頂点に32のグラン・クリュ(コート・ドール)と1つのシャブリ(7クリマ)が僅か1%という構成になります。

テロワールを生かす

1826年に初めてボーヌ・クロ・デ・ズルシュールの畑を購入

ルイ・ジャドの創業は1859年です。2009年に150周年を迎えた折、ガジェ社長が来日し、メゾンについて語りました。その時に年表を作成しました。今回のディナーでもオリヴィエさんがメゾンの沿革について解説なさったので、ルイ・ジャド社150年の歩み

をリンクしておきます。

直近の情報(2010年~2017年)では、2012年にワインメーカーがジャック・ラルディエールさんからフレデリック・バルニエさんに交代したこと。自社畑が228㌶(コート・ドール90㌶、ボージョレ80㌶、12グラン・クリュ8㌶、46プルミエ・クリュ50㌶/全体の60%が賄える)に増えていること。加えて、銘醸ワインを42ヴィンテージ造ってきたラルディエールさんは2012年のリタイア後、新天地オレゴンで同社のためにピノ・ノワール造りをしていることが挙げられます。

豊潤なシャサーニュ・モンラッシェ
IMG
白い花やアカシア、白コショウ、口のなかに広がるねっとり感、鼻腔から抜ける軽い樽香と豊潤さ、グラスとの相性も最高、美味!

IMG
長崎県産 平スズキとタルタルとズワイ蟹のブランダード シャルロット仕立て

オリヴィエ:ブルゴーニュならではのミネラル感とエレガントさがあり、私はジェントルマン・ファーマーワインと呼んでいます。とてもよく熟成した長期保存ワインです。手摘みで収穫し、発酵期間は1ヶ月程度、樽熟成18ヶ月(新樽率30%)です。

IMG
セップ茸とグリュエールチーズのタルトレット
白ワインのなかのスパイシーさやマッシュルーム似のニュアンスがセップ茸とナイスマリアージュ

IMG
オリヴィエさんのワインの知識全開、私にとって貴重な時間でした!

IMG
リーデル・ジャパンの庄司大輔シニアグラスエデュケイターが使用中のグラスについて解説。
庄司ヴェリタスシリーズのグラスはボウル部分とステムに繋ぎ目がない作りです。これは溶けたガラス材を引っ張りながら脚を作る引き足と呼ばれるハンドメイドと同じ製法です。

マシンメイドの最新アイテム<ヴェリタス>シリーズは2種用意されました。
■シャンパーニュワイングラスと ■オークシャルドネです。シャンパーニュグラスでは『シャルル・エドシック』の特徴である洋梨の香りをしっかり利き取ることができましたし、シャルドネグラスからは果実の豊潤な香りが漂い、味わう前からときめきを感じました。 赤ワインはセミナー等でよく使われているハンドメイドのリースリンググラスで、黒や赤い果実の風味、中盤以降木目の細かいタンニンと凝縮感、心地よい余韻

IMG

オリヴィエ:サヴィニー・レ・ボーヌ ラ・ドミノードの〝ドミネ〟は古いフランス語で〝支配する〟の意味。他のぶどう畑を支配するような存在だったことから命名されました。多くのサヴィニー・レ・ボーヌは繊細でビロードのようなタッチですが、このワインは繊細ながら力強さも備えているタイプ。20年位保存できる長熟ワインで栽培はビオディナミ。手摘みで発酵期間は28日、18ヶ月樽熟(新樽率30%)、生産量は年間400~500ケースの希少ワインです。

宮川文子MCからオリヴィエさんへ質問
Q:ルイ・ジャドが赤ワインから白ワインの順でテイスティングを行うのはなぜ
A:樽のなかの赤ワインを試す場合にはタンニンや強さがあるので、その後に白を試すことで口中をリフレッシュさせることができます。ゆえに若いワインの時は赤、白の順で行うことが多いです。
:ビオディナミを実践していることを公言しないのは
A:1989年から取り込んでいるので先駆者的存在ですが、言葉で言うより、実行に移すというのがメゾンの信念だからです。また、ビオディナミをマーケティングのツールには使いたくなかったというのが理由です。


IMG
Photo by Ayano
参加者に目からウロコの体験をさせてくださる庄司大輔さん
オリヴィエさんも「今までリーデルグラスのこのような話は聞いたことがない!」と大絶賛


第2部
スタート前に昨年4月にボージョレワイン委員会の広報担当から伺ったデータを

クリュ・ボージョレは2% !?
IMG
資料提供:ボージョレワイン委員会
ボージョレ全体から見た輸入国ナンバー・ワンは日本、2位以降はアメリカ、英国、カナダ

IMG
ボージョレワイン委員会
日本での販売量を見ると、11月第3木曜日解禁のヌーヴォーが圧倒的。クリュ・ボジョレはわずか2%。クリュ・ボージョレは北部を中心とする10の村名ワイン「サン・タムール」、「ジュリエナ」、「シェナ」、「ムーラン・ア・ヴァン」、「フルーリー」、「シルーブル」「モルゴン」、「レニエ」、「ブルイイ」、「コート・ド・ブルイイ」です。

ボージョレのぶどうはガメイ
IMG
資料提供:ボージョレワイン委員会
ガメイはグーエ・ブランとピノ・ノワールの交配で誕生したぶどう


ようこそシャトー・デ・ジャック
17世紀に建立されたシャトー・デ・ジャックをメゾン・ルイ・ジャドが入手したのは1996年のことで、昨年20周年を迎えました。所有する畑はムーラン・ア・ヴァンとモルゴン、醸造責任者はシリル・シルーズさんです。ちなみにボージョレ地区にはシャトーと名の付く建造物が65あります。

IMG

ムーラン・ア・ヴァンは27㌶所有、うち19㌶はシングルヴィンヤード(5つ)
・ラ・ロッシュ・・・花崗岩と石英の土壌でミネラルが強い
・クロ・デュ・グラン・カルクラン・・・砂質と若干の粘土質を含む土壌、マンガンの地層
・クロ・デ・トラン・・・表面に砂質、下層に粘土を含み、若干水分が多い土壌
・シャン・ド・クール・・・砂岩がメイン、若干粘土を含む。母岩はマンガン
・クロ・ド・ロシュグレ・・・標高の高い場所にあり、焼き物に使う土と似た土壌

モルゴンは11㌶、コート・デュ・ピィとロシェ・ノワールがあり、面積は約半々
・コート・デュ・ピィ・・・昔火山だった場所、花崗岩とシスト(結晶片岩)を含む土壌
・ロシェ・ノワール・・・ピィの畑の真下にあり、ピィより標高が低い、土壌は火山岩や黒いシスト

シャトー・デ・ジャックの基本的な栽培・醸造
■すべての畑はサスティナブル、一部ビオディナミ(ロシュグレ畑)導入
■低収量(仕立て方はゴブレとコルドン併用、将来的にはコルドンに移行)
■収穫は100%手摘み&手で選果、ほぼ100%除梗
■天然酵母のみ使用、マセレーションは30日間
■12ヶ月間木樽で熟成

基本的に発酵、醸造等の製法は同じなので、違いは気候とテロワール。ヌーヴォーのようなマセラシオン・カルボニックは行いません。仕立てはゴブレ式がメインですが、雨が多い年には葉の内側にあるぶどうが湿気を帯びて腐るので、近年は風通しが良く、太陽の恩恵を受けやすいコルドン・ド・ロワイヤに移行しています。

IMG
オリヴィエ:ボージョレ地区はブルゴーニュ地方の南に位置しています。ブルゴーニュとボージョレの違いは品種と土壌で、前者はピノ・ノワールとシャルドネで泥灰土壌や石灰質、後者はガメイで花崗岩質です。

上質のガメイを飲んだ時には、その50%はピノ・ノワールのDNAを飲んでいることになります。でもピノ・ノワールは花崗岩土壌が嫌いで、ガメイは石灰質土壌が嫌いなので、ピノはボージョレではうまく育ちません。ボージョレ地区でよく知れられているボージョレ・ヌーヴォーは誕生してわずか50年足らず、ボージョレでは2000年前からワイン造りをしているので、美味しいクリュ・ボージョレを飲んで欲しいと思っています。


IMG
()2002 Moulin-à-Vent Château des Jacques
ムーラン・ア・ヴァン シャトー・デ・ジャック
オリヴィエ:冷涼年、酸が多い年だったので発酵期間を長くしました。緊張感のあるワインで香りから花崗岩が連想できます。小さな赤い果実、コショウ、わずかに樽の香り、目を閉じて飲むとガメイ、ボージョレとは思えません。
このリアルなボージョレの世界にようこそ!

2001 Moulin-à-Vent Champ de Cour Château des Jacques
ムーラン・ア・ヴァン シャン・ド・クール シャトー・デ・ジャック
オリヴィエ:シングルヴィンヤードのシャン・ド・クールのワインです。2002年と同じく冷涼年でしたが、2001年のほうが雨が多く、全体的に軽めのワインが多い年でした。スミレの香りが顕著でビロードのようなタッチ、フローラルなワインです。2ヴィンテージとも醸造方法は同じなので、違いはテロワール。ともにノン・フィルターです。

IMG
)2002年のほうが深みのある色調、共に上質な酸味で口中スムーズ、エレガント

IMG
青森県産メバルのポワレとアンディーブのムニエル 赤ピーマンのクリーとバルサミコ
2006 Morgon Côte du Py Château des Jacques
モルゴン シャトー・デュ・ピィ シャトー・デ・ジャック

オリヴィエ:モルゴンはムーラン・ア・ヴァンより力強いワインです。醸造方法は同じなので違いはテロワール。コート・デュ・ピィは火山だった場所で、黒い花崗岩の土壌です。2006年は暑い年だったので凝縮感があり、黒系果実や種の大きな果実のニュアンスがあります。熟成が早く進んだので10年くらいは楽しめるワインです。


リーデルのブルゴーニュグラスで魅力探求
ピノ・ノワールの血を半分受け継いでいるガメイにはブルゴーニュ型のグラス、ピノ・ノワールグラスで飲むと、ぶどう本来、ワイン本来の姿がキャッチできることがわかりました。

IMG
モルゴン2006にはピノ・ノワールグラスを使いました。庄司さんは参加者にグラスの容量を理解してもらうために、お水を入れた750mlのボトルを用意、そこからピノ・ノワールグラスに水を注いでいくと・・・なんと1本分入りました! 会場からは感嘆の声(笑)

テーブルの上で寝ているグラス!
IMG
ピノ・ノワールグラスは丸みを帯びているので、ワインを適量入れてテーブルの上で寝いてもこぼれません。このゆるやかな曲線が大事な要素です。

庄司:ワインが口中に入ってくる時、私たちは顎を上げる姿勢になるので、舌先にあたった液体は、舌の上を滑り台のように降りてくることになります。口中に入ってきたワインは舌の上に甘みを残しながら、す~っと喉の奥に消え、「美味しい」と感じることができます。このモルゴンはまさしくそれを証明しています。

次に、世界で一番売れている<ヴィノム>シリーズのボルドーグラスに入れ替えて味わってみますと、モルゴンから感じる香りは弱く、一口飲むと酸を感じるので、酸っぱい印象になります。折角の果実味が出てきません。


オリヴィエさん大絶賛のグラスパフォーマンス
IMG
オリヴィエ:ボルドーグラスに入れた途端、モルゴンが閉じてしまいました。ワインが垂直方向に進み、より緊張感のある香りで、タンニンも閉じ気味になりました。これがピノ・ノワールグラスだと花が開くように、花びらの1枚1枚が見えるような印象でした。リーデルグラスのこのような素晴らしいパフォーマンスは初めてなので、若いワインで飲み比べてみたいと思いました。

母なる大地に感謝の1997年ヴィンテージ
IMG
牛ホホ肉のラグー パルマンティエ トリュフ風味 
マッシュルーム入りポテトのピューレ コーティング焼き
1997 Moulin-à-Vent Clos des Thorins Château des Jacques
ムーラン・ア・ヴァン クロ・デ・トラン シャトー・デ・ジャック
1997 Moulin-à-Vent La Roche Château des Jacques
ムーラン・ア・ヴァン ラ・ロッシュ シャトー・デ・ジャック

オリヴィエ:1997年はシャトー・デ・ジャックを入手して2年目の年になるので、2番目のヴィンテージです。寒くて雨が多く、ベト病も広がり、難しい年でした。畑での選別作業も大変で、ぶどうは房ではなく、粒での選別でした。ゆえに収量も少なく40%減。ぶどう本来の果実味、タンニンの抽出に気を遣い、とても苦労しました。
正確には、この9月でちょうど20年になります。20年前に飲んだ時は、今日のように、おいしく飲めるとは夢にも思っていませんでした。母なる自然に感謝、すべての人に感謝したい気持ちです!

IMG
Photo by Ayano
山田宏行シェフとオリヴィエさんのエール交換、マリアージュについては「素晴らしい」と大満足!

IMG
フロマージュブランに爽やかなベリーと苺のスープ
これは1997の上質な酸味と混然一体、シャンパンと苺の組み合わせよりお薦めです!
ベリー系果実の要素を持つガメイ、このぶどうの上品な熟成具合とデザートは最高でした。

グラスのスワリング話
IMG
Photo by Tomohara

オリヴィエ:ジョルジュ・ブラン(ミシュラン3ッ星レストラン)で仕事をしていた時、同じワインをサービスしているのに、顧客が異なる意見を言うので不思議に思っていました。ある時、右利きと左利きではグラスの回転が違うことに気がつきました。兄弟に左利きがいたことで、それが役にたちました。それからはソムリエたちに、顧客が右利きか左利きか、注意するように言っていました。

地球の自転と同じ方向(時計回りと反対/左から右への回転)に回すと、香りのスぺクトルをあがるのでポジティブな要素を立ち上がらせることになり、フルーティさが出てきます。自転と反対(右回り)だと、香りのスペクトルを壊すことになるので、土の持ち味、要素が出てきます。双方は補完する形で存在するので、両方することで、ワインを理解する力が向上します。これは何回も何回も行っているうちに、ある日、そうか!と理解できます。


感謝を込めて
IMG
Photo by Matsumotoro
松本楼の小坂文乃副社長とオリヴィエさんとの3ショット

シャトー・デ・ジャックを飲む前にオリヴィエさんが語ったことは
今日は皆さんに時を経たワインをお楽しみいただきました。これらは大事な方々とわかち合いたいと思って取っておいたワインです。通常はフランスから出ることがないワインです。ピノ・ノワールとガメイの大きな違いは、飲んだ時に哲学的な思いをもたらすのがピノで、飲んだ時に自然と微笑みが出てくるのがガメイ、ガメイは友人と楽しんで欲しいワインです。このような古いワインが好きだと思ったらこれからも飲み続けてください。


IMG
左から)友原範士社長、宮川文子主宰、小坂文乃副社長、内野和弘副支店長、高橋修ソムリエ

ご協賛くださったメゾン・ルイ・ジャド、日本リカー両社に心から御礼申しあげます。3時間強の大半を熱い語りで盛り上げてくださったオリヴィエ・モスモンデさんに感謝します。
お忙しいなか駆けつけ、ご挨拶くださった岡本恭典東日本営業本部長、同席くださった池田憲昭支店長、佐々木様万理、通訳の井村悦子様、本当にありがとうございました。

小坂文乃副社長、山田宏行シェフ、高橋修ソムリエをはじめとする松本楼の皆々さま、お世話になりました。今回は600脚のグラスもあり、洗浄・拭き上げでは、いつも以上にお手間をおかけしました。本当にお疲れ様でした。ありがとうございます!
オリヴィエさんを感嘆させたリーデル・ジャパンの庄司シニアグラスエデュケイター、ありがとうございました!

ワインサロンフミエールの友原範士社長、宮川文子主宰
昨秋からの企画の遂行とご協力に感謝しています、ありがとうございました!
ご参加くださったワインラバーの皆さま、お付き合いいただき、ありがとうございました!!
滅多に出逢うことができない時を経たガメイの凄さを感じていただけましたら嬉しく思います。

アカデミー賞の授賞式のような挨拶になっておりますが、心から深く感謝しています!
そして、これからもシャトー・デ・ジャックをよろしくお願いいたします。
posted by fumiko at 17:17| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月20日

成熟した日本市場のための見本市『VINEXPO TOKYO2016』

VINEXPO JAPAN2014からVINEXPO TOKYO2016へ

ギヨーム・ドゥグリーズCEOとグザヴィエ・ド・エザギール会長()(2014年1月撮影)

2014年11月1日と2日、VINEXPO NIPPON2014 ヴィネクスポ・ニッポン

が開催されました。
日本市場で活動する業界関係者のために考案された見本市だったのですが、プレス会見で「なぜ日本?」との質問が出ました。

エザギール会長は「日本に戻る感じです。2000年と2002年に東京でヴィネクスポを行いました。その後、ロケーションが良く、誰でも知っている国際都市香港(98年、2004年~)で開催していますが、我々にとっては日本がキーであり、洗練されたワイン市場であることを高く評価していることから決定しました」と回答。11月には予定通り、2日間の日程で催事を実施、主催側は「成功裏に終わった!」とのコメントを発表し、2年毎に実施との取り決めから、次回開催は2016年ということになりました。
そして・・・昨年11月15日と16日、ザ・プリンスタワー東京で、JAPANからTOKYOに改名した『VINEXPO TOKYO2016』が行われました。

来場者・出展者から高評価を受けたVINEXPO TOKYO2016

画像提供:VINEXPO TOKYO

600を超えるワイン&スピリッツ

長旅をしなくても世界のワイン&スピリッツのトレンドをひとめで見渡せる見本市
2000平方メートルの展示スペースに12か国数百のワイン産地から600を超えるワイン&スピリッツのブランドが一堂に会しました。

ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー テイスティング2013ヴィンテージ

併催の『ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー』
毎年恒例の来日試飲会、今回は2013年ヴィンテージでした!


ポムロール地区シャトー・クリネのオーナー一族ラボルド家のロナンさん
2003年に支配人に就任して以降、土壌分析に力を入れ、畑に適したぶどうを選択。メルローを多く植樹。ロナンさんは「メルローにとっては普通年のヴィンテージ、ゆえに例年よりボリューム感には欠けますが、早めに飲んで楽しんで。2013年は4000ケース(12本入)で約20%の減でしたが、その程度で良かった」とコメント
2016年は暑い年、春先には雨が多かったのですが土壌が水分を吸収、ドライな夏に耐え、ぶどうは綺麗に熟し、果実味も豊か、期待に応えられるヴィンテージとのことでした。


メドック地区サン・ジュリアン村シャトー・ラグランジュの椎名敬一副会長
「開花期(6月の途中まで)が寒くて例年より10日以上遅れ、その後、夏は暑くなったので、ある程度熟成は進みました。ただ、雨のなかでの収穫だったので気を遣いました。2013年は全体の20%減。タンニンは分厚くなく、未熟でもないので、若いうちからバランスが取れたワインです。長熟タイプではありませんが10年くらい熟成させられます」と椎名副会長
私はラグランジュ独自の清涼感が和の素材をうまく引き立ててくれると思っています!


ソーテルヌ地区のシャトー・ド・ファルグ!
2013年の甘口ワインは全体的に上質でリッチ


2つのシャンパンセミナー

ランソンのシェフ・ド・カーヴ(最高醸造責任者) エルヴェ・ダンタンさんがニューフェイスを紹介
2月28日に日本デビューする600本限定発売の『クロ・ランソン2006』、本邦初のお披露目!


ダンタンさんはメゾンの顔NV『ブラックラベル・ブリュットNV』、長期熟成タイプの『エクストラ・エイジ・ブラン・ド・ブラン』、そして『クロ・ランソン2006』の3アイテムを解説。MLFを行わないランソンは長い瓶熟を取ることでシャンパン本来のスタイルを表現しています。


ギヨーム・ドゥグリーズCEOとジョン・アルヴィット・ローゼングレンソムリエ

2016年世界最優秀ソムリエコンクールアルゼンチン大会の覇者スウェーデン代表のジョン・アルヴィット・ローゼングレンさんが初来日。冒頭、CEOからの質問に答え、「シャンパンはコンクールに於いて大事な位置にあり、同大会ではマグナムサイズを15脚のグラスに均等にサービスする課題がありました。今日のように皆さんの前で話ができるのも、実はシャンパンにたくさんのお金をつぎ込んで勉強してきたからです」と笑顔で語っていました。

セミナーはローゼングレンさんに、シャンパンメゾンのボランジェやローラン・ペリエグループでの勤務経験があるCEOが質問を投げかける形で進行。4種の異なるシャンパン、ノン・ドゼの 『ルイ・ロデレール ブリュット・ナチュール フィリップ・スタルクモデル2009』、白ぶどう100%の『バロン・ド・ロスチャイルド ブラン・ド・ブランNV』、大容量&3品種ブレンドの『シャンパーニュ・コレ マグナム』、黒ぶどう100%の『マイィ ブラン・ド・ノワールNV』をテイスティングしながら、各メゾンの特徴、供出温度、大容量ボトルでの熟成、料理との相性等について言及しました。

受講者からの質問を聞いていて、シャンパンに精通している方々が多いと感じました。そのような意味から、マスタークラスと銘打ったセミナーで、ローゼングレン世界最優秀ソムリエが講師だっただけに、もう少し切り込んだ内容でも良かったのではないかと思いました。

ローゼングレン&AWMB会長とのオーストリアワインセミナー

画像提供:VINEXPO TOKYO


ローゼングレンさんの解説と、世界中を飛び回り、オーストリアワインの伝道に余念がないヴィリー・クリンガー会長の高度なフォローによる中身の濃いセミナーでした。


最初に供出されたフレッド・ロイマーのゼクト“ブリュット・ロゼNV”はフレッシュ&爽快、シトラス系果実やミネラル感があり、とても可愛い泡もの(ツヴァイゲルト58%、PN35%、CH7%)、同国の新しいスパークリングとして注目できそうです。


最後はヴァインリーダーが造る味わい豊かなアイスヴァイン、リースリングの魅力全開!
今回のセミナーでは、ツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ、ザンクト・ラウレント、ピノ・ノワールのワインも紹介、白ワインだけでないオーストリアの今を伝えました!


現地オーストリアでもセミナー、イベント等のオーガナイズが完璧なAWMBなので、90分間で11アイテムをスムーズに紹介する展開もお見事、敬意を表します!


セミナー終了後、ローゼングレン世界最優秀ソムリエにポーズを取っていただきました!


コマンドリ―・デュ・ボンタン・メドック&グラーヴ・ソーテルヌ&バルザック・ガラ・ディナー

会場のザ・プリンスタワー東京からグランドハイアット東京に移動してガラ・ディナー


光栄なるお招き! 
ヴィネクスポ東京の開催を祝い、15日の夜に行われたディナーの招待状


画像提供:VINEXPO TOKYO

ボンタン騎士団の授与式メンバーにシャトー・ラグランジュの椎名副会長発見!
栄えある受章者のなかには中田英寿さん、加茂文彦ソムリエ、信国武洋ソムリエのお姿も


カクテルレセプションではクロ・フロリデンヌ白2012、シャトー・クレマン・ピション2009、シャトー・レ・ジュスティス2008がサービスされました。


私はネゴシアン『ユリゼ・カザボン』のテーブルで、ジョージ・クルーニ似の紳士フランソワ・ドゥグア社長(私の左隣)からのお招きでした。ウィラハン麻未さん(私の右隣)のおかげです!


ディナーにはシャトー・ラトゥール・マルティヤック白2012、シャトー・タルボ2005、シャトー・スミス・オー・ラフィット2003、シャトー・ギロー2008が登場


私のお席に立ち寄ってくださったスミス・オー・ラフィットのコマーシャル・ディレクター ルドヴィック・フラディンさん、3日連続でお会いできてラッキー!


各ブースで

シャンパン・マイィのブースではジャン・フランソワ・プレオ社長が対応
『レ・エシャンソン2006』は同メゾンの最高級レンジPN75%とCH25%のブレンドでドザージュは6g/L、凛としたスタイルです。セミナーにもマイィのブラン・ド・ノワールが出ていましたが生地の綺麗さはホント秀逸


新参のシャンパンメゾン『ジーパー』のブースでヴィネクスポ東京のゲスト『神の雫』の著者亜樹直(樹林伸さんと姉のゆう子さん)さんと遭遇。ジーパーという名でシャンパン製造を始めたのは1949年からで、現オーナーはニコラ・デュボワさん(画像最左)です。


淡いバラ色のロゼ、グランドキュヴェ・ロゼはCH88%、PN12%のブレンドで、ドザージュは6g/L。ここでボトルの形状にご注目!

ミシェル・レイビエと同じ瓶形

ジーパーのボトルを見ていて、「似てる!」と思い、「シャトー・コス・デストゥルネルがシャンパーニュ地方で造る『ミシェル・レイビエ』と同じような瓶形ですね」と質問してみたところ、これがビンゴでした!
「ジーパーを入手したのは2009年で、レイビエグループと提携してメゾンを運営しています」とニコラさん。ボトルの首が短く細いのが特徴。これは酸素に触れる面積が狭いので酸化し難いという利点があるようです。


南アフリカ共和国のユニワインズのダッシュボッシュはマスカット・オブ・アレキサンドリア100%の酒精強化ワイン、樹齢100年超えのぶどう樹で生産量は2500本のみ。これは2年前に現地訪問した時に一目惚れならぬ、一飲して惚れ込んだ甘露なワインです。


世界に向けて発信著しいギリシャ、多くのワインが並べられ、ワイン関係者の関心を集めていました。セミナーではギリシャ初のマスター・オブ・ワインのコンスタンティノス・ラザラキスMWが、〝アシルティコ〟について語ったようです。


画像提供:VINEXPO TOKYO


南東ヨーロッパにある小国モルドバ。西はルーマニア、北・東・南はウクライナの国境に接しています。今回初参加のNOVW(モルドバ共和国ブドウの木とアインの国営機関)のブースでテイスティング!
114,000㌶の畑から1億1千万㍑のワインを生産しており、主要産地はヴァリュール・ルイ・トライアン、ステファン・ヴォーダン、コードルの3ヶ所で90%の生産量を締め、世界50ヶ国以上に輸出、ぶどう品種は欧州系品種73%、コーカサスの品種17%、土着品種10%


モルドバのスパークリング初体験。シャトー・ヴァルテリのスプマンテ・クラシコの品種はCH100%、白い花や柑橘系果実のニュアンス、上を目指して頑張っている泡ものという印象、今後のさらなる向上に期待!

ヴィネクスポ東京への期待

2013年からヴィネクスポCEOとして活躍しているギヨーム・ドゥグリーズさん

ヴィネクスポ東京は、日本市場のニーズに合わせた特別仕様なので、ボルドーや香港に於けるヴィネクスポとは異なります。前者は日本というひとつの国の市場にワイン&スピリッツを紹介する場であり、後者は各国の生産者と出会うために世界中からバイヤーが訪れる場になっています。

開催後、ドゥグリーズCEOはプレスリリースで、「ヴィネクスポ・ブランドが一市場の持つ特別な需要に応えるノウハウがあることを明確にしました。今回の来場者数は2014年の33%増と大幅に伸びており、日本における今後のヴィネクスポ・イベントの基盤を築いたと言えます」とコメントし、それを証明していました。

今回、ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドーとの併催やプロだけでなく、ワイン愛好家に門戸を広げことが来場者増につながったと思っていますが、2年後も、東京に居ながらにして、世界のより多くのワイン&スピリッツのトレンドが見渡せる場になることを期待したいです!
posted by fumiko at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月07日

第2弾 お正月にお薦めのボージョレ・ヌーヴォー


昨日、〝ワインのこころFB版”で、ワシントン州のスパークリングワインをご紹介しました。その折、毎年1月3日に行っている新年会&お誕生日のお祝い会について触れたのですが、5年前のブログを見て、思わずニッコリ。同じボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーを取り上げていたからです。
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2012-01-03

2016年VTの秀逸なボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー
IMG
季節もののモンドールやローストビーフとナイス・マリア―ジュ

IMG
メゾン・ジョセフ・ドルーアンのボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ヴィエイユ・ヴィ―ニュ2016
ルイ・ジャドのボージョレ・ヴィラージュ・プリムール ノン・フィルター2016(

ドルーアンは若さを感じる赤紫色、ブラインドで飲んでもガメ種とわかるボージョレの特徴が出たスタイル。赤系&黒系果実(ラズベリー、ブラックカラント等)、古樹由来のミネラル、滑らかな酸、シームレスなタンニン、持続性のある味わい。
ルイ・ジャドは深く濃いルビー、黒系果実(ブラックベリー、ブラックカラント等)、重厚感があり、木目細かいながらタンニンの存在感あり、滑らかで旨味を感じる味わい

ドルーアンのヌーヴォーをかぶら寿司とあわせて
IMG
今年はドルーアンとかぶら寿司(白かぶら&ブリを糀で漬け込んだ発酵食品)との相性を診たのですが、馴染み感が好印象。ワインもかぶら寿司もともに発酵物なので相性を一層引き立てていました。生臭みを感じさせないところが素晴らしいです。 5年前の数の子もそうでした。

余談ですが、2年連続で、解禁日にドルーアンの定番ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーがANA国際線(一部路線で)ファーストクラス、ビジネスクラスでふるまわれています。

酉ラベルのエトカルタ
IMG
今年のエトカルタは酉ヴァージョン
蟹と合せると、すんなり合いすぎて、すいすい飲める感じ(笑)
ルイ・ジャドとドルーアンのボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー、エトカルタはお正月用ワインとしてお薦めできます!

ヌーヴォー解禁日を振り返って
IMG
メルシャン&日本リカーの合同試飲会で特別供出されたルイ・ジャドの『ムーラン・ア・ヴァン シャトー・デ・ジャック1996』

クリュ・ボージョレの花形、長熟ワインとして知られていますが、20年の熟成を経たワインは滑らかで、酸とタンニンのバランスがよく、エレガント。ガメを超えたガメです。

IMG
ホテル・オークラのローストビーフと合わせて
ホースラディッシュのスパイシーさを仲介役にすることで絶妙な相性、美味でした!

〝トロフィー・リヨン・ボージョレ・ヌーヴォー〟で金賞ゲット
IMG
左から#1『ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー』、#2『ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー・シャトー・ド・ヴァレンヌ』、#3『ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー・デュ・ボワ・デ・シェーヌ』

アルベール・ビショー(輸入元メルシャン)はフランス・リヨンで開催されたボージョレ・ヌーヴォー唯一の公式コンクール『トロフィー・リヨン・ボージョレ・ヌーヴォー』で、3アイテム金賞受賞!
#1は明るいルビー色、ラズベリーやブラックベリーを連想させるかぐわしい香り、フレッシュな果実味にあふれ、フルーティーで滑らか、親しみやすいタイプ
#2は、ブラックチェリーやスミレのような香り、中盤からは上品な酸も。凝縮感のある果実味と厚み、バランスが良く、#1より大人びたタイプ
#3は赤系・黒系果実のフルーツバスケット、ラズベリー、ブラックベリー、ブラックカラント、香りにも味わいにもフルーツの要素満載、軽快さとボリューム感が共存したタイプ
2016年のボージョレ・ヌーヴォーはどれも果実味にあふれた飲みやすいタイプでした!

御礼とご報告
来月23日にルイ・ジャドのオリヴィエ・マスモンデ輸出部長をお招きしてスペシャル・メーカーズ・ディナーを開催いたします。本日、一斉告知で募集を行いましたところ、おかげ様で即日満席となりました。ありがとうございます!
ワインのこころFBのイベントコーナに詳細を載せております。
https://www.facebook.com/heartofwinefumiko/
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月17日

第1弾報告、2016年のボジョレーヌーヴォー! 帝王デュブッフさん&横澤夏子嬢でカウントダウン!

2016年ボジョレーヌーヴォー

解禁!

IMG
ボジョレーの帝王ジョルジュ・デュブッフ社長と孫のアドリアン・デュブッフ・ラコンブ輸出部長
今年のスペシャルゲストはブレイク中の横澤夏子嬢

〝ボジョパ〟で市場を活性化!
IMG
サントリー ワイン インターナショナル(株)とジョルジュ・デュブッフ社が契約締結して20年、記念年です!

ボジョパのコンセプトは〝今年のモノを今年のうちに楽しみ尽くす〟

山崎雄嗣社長によると、今年のジョルジュ・デュブッフ社のBNの輸入量は9%増で好調とのこと。
また、ボジョパについては、「ボジョレーヌーヴォー未体験の20~30代、昔ヌーヴォーを楽しんでいた40~50代をターゲットに、今年の流行モノは今年のうちに楽しみ尽くすBNパーティーを〝ボジョパ〟と名付け、今年からハロウィンとクリスマスの間の新たな催事として提案することで市場を活性化させたい」と語りました。


今年流行したものやマイブームを持ち寄って話題を提起
2016年はちぎりパンやブーケサラダなど

カウントダウンのステージで

23時45分頃、アドリアンさんにエスコートされて登場した横澤夏子さん
身長172㎝のレディには198㎝のアドリアンさんの背丈が丁度良かったようで、目に星が!
アメリカから取り寄せたというきらきらヒールでドレスアップした姿をPRしました。

IMG_
00:00、ヌーヴォー解禁!
「右手でキャップのミシン目の下を握り、左手でボトルの底を回してください」とアドリアンさんからワインの開け方について指導を受けた横澤さん。ワインを上手に開栓していました。「カチッという音がこんなに気持ちがいいんだって思いました」とコメント。その後、「ワインが似合うオンナになりたい」とも。

赤い果実のバスケット、おいしいヌーヴォー!

今年の作柄についてデュブッフさんは「信じられない年、素晴らしい年」と表現。
デュブッフ:6月、7月、そして8月第2週までは天候が芳しくなかったのですが、8月15日から好天になり、9月は50年来なかった高温(32度)にも恵まれました。夏の最後の暑さがぶどうを熟させました。収穫を開始した9月15日からの3週間は一滴の雨も降らず好天気。ボジョレーには珍しい暑さで、素晴らしいヴィンテージになりました。

深く美しい赤い色、香りは黒いさくらんぼと良く熟れたイチゴ、すこし潰れかけているイチゴ、スグリやバイオレットの香りもあります。
口に含むとゆったりとした広がりがあります。この豊かさは我々が期待していたものではなかったのですが、時間の経過でそれが現れてきました。風味豊かでまろやか、シルキー、そして誰にでも喜んでいただける寛容なワインです。アドバイスとして冷蔵庫には入れないで、15~18度で味わって!

2016トロフィー・リヨン・ボジョレー金賞受賞!!

リヨンで開催されたボジョレーコンクールで3アイテムが金賞に輝きました。
ボジョレ―ヌーヴォー2,460円ボジョレー・ヴィラージュヌーヴォー2,760円ボジョレー・ヴィラージュ プリムール2,460円/業務用


スタイリッシュなラベル、チーズに合うボジョレーも!

肩ひじ張らずに楽しめるのがボジョレーヌーヴォーです。
市場を見ると、価格帯も1,000円以下から4000円代まで様々。そのようななかで、デュブッフさんのヌーヴォーは味わい&価格ともにお薦めできます。気の置けない仲間たちとのパーティーやご家庭の団欒、どのようなシチュエーションでもOKなので、お楽しみいただければ嬉しいです!

製品についてのお問い合わせは
サントリーワインインターナショナル(ワイン) ℡0120-139-380
ボジョレーボージョレ表記は輸入元各社の表示に合わせています。
posted by fumiko at 15:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月12日

ボージョレ・ヌーヴォー解禁前にボジョレー探求 ~シャトー・デ・ジャックを中心に~

Non Solo Nouveau
11月第3木曜日、17日はボージョレ・ヌーヴォー(BN)の解禁日です!
今年の収穫は9月20日頃から始まり、遅いエリアでは10月第1週目に完了。熟度も十分、凝縮感あるぶどうとのことなので、2016ヴィンテージ(VT)はフレッシュな赤い果実を思わせるアロマ豊かなワインが期待できそうです。17日0時からのカウントダウンパーティーや解禁パーティーがあるので、後日、旬の味を報告いたします。

ボージョレ・ヌーヴォーの国別構成比(2015年
資料提供:キリン、メルシャン

BNのボリュームは世界的に縮小傾向のようですが、そのようななかで日本は全体の5割強を占めています。今年のBN予定輸入量(日本の主要38社計)は前年比99%ですが、メルシャンは100%前年同です。

ヌーヴォーとは違うクリュ・ボージョレにフォーカス
IMG

ブルゴーニュの名門ルイ・ジャド

(輸入元:日本リカー/キリングループ)のピエール・アンリ ガジェ社長から丁重なるお手紙とともに秀逸なボージョレワインが届きました! 同社が1996年にボージョレ地区のムーラン・ア・ヴァンで最も名声を誇るシャトー・デ・ジャックを入手し、ワイン生産のエリアを拡大して20年。それを記念した蔵出しワインでした。
そこで、解禁日を前にヌーヴォーじゃないボージョレの魅力について触れてみたいと思います。

瀟洒なたたずまいのシャトー・デ・ジャック

1996年にムーラン・ナ・ヴァン(27㌶)、2001年にはモルゴンのベルビュー(35㌶)を購入、現在、トータルで80㌶以上の畑を所有しています。

ムーラン・ナ・ヴァン、モルゴンとは
ボージョレの主要品種はガメイ(ガメ)種です。土壌は様々で、より上質なワインが造られる北部地域は花崗岩質の片岩、東部と南部は砂質主体。ボージョレ地区のAOCは格上順にクリュ・ボージョレ、ボージョレ・ヴィラージュ、ボージョレ・シュペリュール、ボージョレと呼ばれています。
クリュ・ボージョレ:北部を中心とする10の村名ワイン
「サン・タムール」、「ジュリエナ」、「シェナ」、「ムーラン・ナ・ヴァン」、「フルーリー」、「シルーブル」「モルゴン」、「レニエ」、「ブルイイ」、「コート・ド・ブルイイ」
ボージョレ・ヴィラージュ:39村がこの名称を名乗る権利を有します。
ボージョレ・シュペリュール:ボージョレより、アルコール度数が0.5%高
ボージョレ:ボージョレ全域で造られるワイン

シャトー・デ・ジャックの基本的な栽培・醸造
■すべての畑はサスティナブル、一部ビオディナミ(ロシュグレ畑)導入
■低収量(仕立て方はゴブレとコルドン併用、将来的にはコルドンに移行)
■収穫は100%手摘み&手で選果、ほぼ100%除梗
■天然酵母のみ使用、マセレーションは30日間
■12ヶ月間木樽で熟成

ちなみに、その年に穫れたばかりのぶどうから造るボージョレ・ヌーヴォーはマセラシオン・カルボニクと言って、ぶどう果房を破砕しないで炭酸ガス中に数日間浸漬しておく製法、フレッシュ&フルーティが身上

木箱には1997年VTも

クリュ・ボージョレのなかで最も長熟なムーラン・ナ・ヴァンとモルゴン


コルクは長く、密度も十分

第1フライトはムーラン・ナ・ヴァン
今回ワインサロンフミエール

の友原範士オーナーと宮川文子主宰にお声掛けして一緒にテイスティングをしました。


#1:シャトー・デ・ジャック ムーラン・ナ・ヴァン シャン・ド・クール2009
単一畑、表土は砂質がメインで6~7%の粘土質を含む。母岩はマンガン、約2㌶。
ラズベリーやフランボワーズのような赤系果実、甘草、ロースト、ミネラル、中盤以降広がる酸味、ボージョレの王ムーラン・ナ・ヴァンらしい肉厚なワイン
#2:同ムーラン・ナ・ヴァン クロ・デ・トラン2002
4つのなかで色調が一番淡く、2000年VTより熟成が早く進んでいるのかしら、と思っていたのですが、香りを利いて・・・ブショネ(#4と同じ畑で比較を楽しみにしていたのですが叶わず、残念。

#3:同ムーラン・ナ・ヴァン2000
フルーリーとシェナの間、ムーラン・ナ・ヴァンにあるロマネッシュ村のシャトー・デ・ジャックから収穫されたぶどうを使用。約19.5㌶の5つのクロを含む27㌶の畑
熟成による色調の変化、粘性中程度、香りは閉じ気味、煮詰めた果実、干しイチジク、ドライリーフ、ブラックペッパー、酸味とタンニンのバランス&余韻
#4:同ムーラン・ナ・ヴァン クロ・デ・トラン1997
単一畑、表面に砂質、下層に粘土質を含む厚めの土壌。約3㌶
アンズのコンフィ、紅茶、スー・ボワ、ミネラル、旨味、余韻に長く残る落ち着いた果実味と酸味

4グラスを上から見ると

色調の変化が良くわかります

第2フライトはモルゴン

#5:シャトー・デ・ジャック モルゴン2005
畑はヴィリエ・モルゴン村上部の丘の上にあり、南と南東側を向いた斜面に広がっています。
果実のふくらみ、バイオレット、ブラックペッパー、ミネラル、ロースト、まろやかなタンニン、


#6:同モルゴン コート・デュ・ピィ2004
モルゴンの小高い丘にあり、古い火山の上に位置する、花崗岩とシストを含む土壌
ザクロ、みかんの皮、ピンクペッパー、ミント、タバコ、ミネラル、枯葉、旨味、シームレス


シャトー・デ・ジャックのモルゴンは濃いルビー
コート・デュ・ピィはオレンジを含んだルビー

包容力あるコート・デュ・ピィ2004

6本のなかのマイベスト、一番魅了されたのがコート・デュ・ピィでした!
熟成具合が素晴らしく、落ち着いた果実味、上品な酸味、タンニンはシルクのようにスムーズ、スパイス(黒コショウ、山椒)、全体のバランスが良く、ブルゴーニュのピノ・ノワール的なニュアンスも。フードフレンドリーでスパイシーな風味が、山椒や七味を使った食材とも好相性


サーモンとアボカドのサラダは若いヴィンテージに合わせて
塩、コショウ、オリーブオイル、ヴィネガー、香草等をアレンジすることで組み合わせの幅も広がります。


コート・デュ・ピィのスパイス風味には山椒で味付けしたお稲荷さんがナイス! 赤梅も〇
たれを使った焼き鳥や照焼きはBNの定番ですが、七味を使うとクリュ・ボージョレ向き


ハロウィン(10月下旬)の時期に試飲したので、かぼちゃパイを用意
パイ生地のバター風味とパイの中のかぼちゃポタージュのこってりした甘さがムーラン・ナ・ヴァン2000、同1997やモルゴン・コート・デュ・ピィ2004の複雑味と〇


来春ワインサロン『フミエール』主催の〝シャトーデ・ジャックでワイン・レッスン〟を
熟成を経たガメイ種のポテンシャル、ブルゴーニュワインを彷彿とさせるシャトー・デ・ジャックを体感したわけですが、我々3人が5種(#2除く)のワインを試飲して受けた印象を〝簡潔〟に表現するなら、#1は果実味、力強さ、#3はスパイス、バランス、#4は旨味、熟成感、#5は厚み、上質なタンニン、#6は緻密さ、包容力です。

そこで、これらの魅力をお伝えすべく、来春桜の頃、シャトー・デ・ジャックに特化した特別講座を開催することに決めました。軽快さが売りのBNと、木樽で6~12ヶ月熟成させてからデビューする格上のクリュ・ボージョレ。それらの味わい、奥行きにフォーカスしたいと思っています。詳細は当方とフミエールのSNSを通して発信いたしますので、宜しくお願いいたします!

番外編トライアル

テイスティング翌日、コート・デュ・ピィをボルドーグラスとブルゴーニュグラスで比較してみました。
ボルドーグラス(奥)だとタンニンの存在を明確に感じます。タンニンは木目細かく、ワインは緻密でボリューム感があります。CS好きはボルドーグラスのほうが嬉しいかも。ブルゴーニュグラス(手前)だとワイン全体が穏やかで、中盤以降エレガントな酸味と心地良い余韻が広がり楽しめました。この印象はガメイではなく、きわめてピノ・ノワール的です。

その昔、昭和女子大学のオープン・カレッジでシャトー・デ・ジャックを取り上げたことがあります。講座生のなかに徹底したガメイ嫌いのY君がいました。でも、ブラインドによる比較試飲で、その底力に脱帽。彼のワイン感を変えた唯一のガメイ種のワインになりました。


人気のアイテム、ルイ・ジャドのノン・フィルターのボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー
2015年11月19日撮影

17日には多くの〝ボージョレ・ヌーヴォー〟が並びます。デパートや大手ワインショップ等では試飲もできますので、是非、旬の味をチェックなさってみてください。

シャトー・デ・ジャックのお問い合わせは日本リカー ℡03--5643-9772
posted by fumiko at 23:23| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月30日

和の素材との相性を楽しみながらペルーワインをダブル探求!

ペルーワインにまつわるエトセトラ
28日はペルー共和国の独立記念日でした!
本国では6月に行われた大統領選で勝利したペドロ・クチンスキ氏の就任式もありましたね。
3年前チリで、独立記念日直前まで取材をしていたことがあるのですが、その時、中南米の方々は、クリスマスと同じくらい独立記念日を重視していることを学びました。
祝 ペルーの独立記念日!!




今月、エラルド・エスカラ ペルー駐日大使のご配慮で、ペルーワインを試飲するチャンスに恵まれました。テイスティングしたのは、ペルー最古のワイナリーで在日ペルー大使館公認ワインとして知られているTacama、1880年創業サンティアゴ・ケイローロのアイコンIntipalka、1897年創業のTaberneroの3ワイナリーの、ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、カベルネやメルロー、シラーやマルべック、タナ等を使った16アイテムです。


ペルーはエクアドル、コロンビア、ブラジル、ボリビア、チリの5カ国と国境を接し、西側は太平洋に面しています。地図にicaと表したイカ州はペルー最大のワイン産地。5郡(チンチャ、ナスカ、パルパ、ピスコ、イカ)に分かれていて、イカとその周辺は伝統的な蒸留酒ピスコの原産地としても知られています。イカ州の大半は乾燥地帯ですが、ワイン造りではアンデスからの雪解水が地下水として流れてくるのでそれを利用しています。

地図は画像をクリックすると拡大します
IMG_2475 Peru of map.jpg
IMG

16種のペルーワイン
大使館でのサプライズテイスティングから4日後に、私の元に16本のワインが届きました。
チリ、アルゼンチンワインと比べると、日本での侵透率はまだまだのペルーワイン。そこで、ワインサロン『フミエール』の友原範士校長と宮川文子主任講師にお声をかけ、食との相性をチェックしながら、再テイスティングすることにしました。

後列左から
白ワイン
#1:タカマ ブランコ・デ・ブランコス2013
SB37%、ヴィオニエ29%、CH34%
発酵も熟成もステンレス、洋梨、かりん、トロピカルフルーツ、ミネラル、余韻は中程度、SBのビター感とヴィオニエの白い花のニュアンスとCHのナッティさ。3品種の特徴が生かされたワイン
#2:タベルネーロ ブランコ・デ・ブランコス2014
CH、シュナン・ブラン、SB
濃いイエロー、エスニック(ハーブ)、お香、トロピカルフルーツ、凛とした酸、ミディアムボディ
#3:タカマ グラン・ブランコ2013
シュナン・ブラン、SB、CH
イエローカラー、お香、黄金糖、中盤から広がる酸と厚み
#4:タカマ ドナ・アナ シャルドネ2014
明るいゴールド、蜂蜜、 ナッツ、パパイア、樽香、バランス良好、「味わいしっかり、シンプルでありながらエレガント」と宮川講師
#5:インティパルカ シャルドネ2012
黄金色、ネクタリン、洋梨、ナッツ、ミネラル、白コショウ、まろやかな酸、軽いタンニン、クリーミー
#6:インティパルカ ソーヴィニヨン・ブラン2014
淡いイエローグリーン、ライム、グレープフルーツ、白桃、ミネラル、口中をリフレッシュさせる酸

私的感想:赤ワインより白ワインの方が完成度が高いと思いました。大使館では白ワインをサービスするまで少し時間がかかったのですが、グラス内の温度変化でも、ブレ感は少なかった印象。加えて、自宅での再検証後、飲み残しのワインを3人で分け、翌日以降もワインの味わい等、変化をチェックしました。私の手元に残っていた#1#6は雑味も出ず、適度なコンディションを維持。2,000円以下という価格から考えて、ペルーワインの実力を示せるアイテムだと思います。

前列左から
赤ワイン
#7:タカマ グラン・ティント2013
マルベック、PV、タナ
ペルーワインのエントリーレベル
#8:タベルネーロ グラン・ティント・フィナ・レゼルバ2013 
マルベック、メルロー
ブラックベリー、プラム、シダー、清涼感のある酸、「第一アロマからインパクトあり」と宮川講師
#9:タカマ セレクション・エスペシアル2013
タナ、PV
酸味と果実味の重なり、黒コショウ、甘草、ソフトなタンニン、熟成したクロミエ(白カビ)にも!
#10:タベルネーロ カベルネ・ソーヴィニヨン2013 
CS100%
色調はガーネット、熟したイチゴやカシス、ブルーベリー、ロースト、ミント、ドライイチジクと!

『インティパルカ』は2009年にデビューしたシグネチャーワイン。イタリア移民ケイローロ・ファミリーが1880年に立ち上げた『サンティアゴ・ケイローロ』の最新ブランド、ラベルもスタイリッシュ。大使館でのテイスティング時、輸入元さんから「ワインメーカーはフランス人」との情報
#11:インティパルカ タナ2012
タナ100%
グラスを透かして下の字が読めないダークカラー、ベリー系果実、アーシー、ソフトなタンニン
#12:インティパルカ マルベック2013
マルベック100%
深みのあるルビーガーネット、カシス、ブラックチェリー、心地良い果実味、Alc由来の甘さと酸味
#13:インティパルカ シラー2012
シラー100%
木いちご、ブラックオリーブ、スパイス、ハーブ、木香、木目細かいタンニン
#14:インティパルカ カベルネ・ソーヴィニヨン シラー2011 レゼルバ
CS、シラー
ブラックベリー、カシス、チョコ、黒コショウ、ミント、ほどよい酸味、無難にまとまったスタイル
#15:タカマ ドン・マニュエル タナ2013
タナ100%
ブラックチェリー、フルーツジャム、アーシー、パワフル、のどの奥に広がるAlc感(14.5%)、旨味
ロゼワイン
#16:タカマ ロゼ セミセコ・ドゥルセ・ナテュラル2013

私的感想:国際品種を数多く栽培しているペルー。個人的にはペルーのタナに興味がありましたが、わずか2回の試飲では全体像はつかめません。仏語のタンニンに由来する“タナ”は深い色調とタンニンを備えています。近年、このぶどうから造るワインをソフトに仕上げるため、発酵過程また貯蔵過程でワインに微量の酸素を補給するミクロヴィラージュが開発され活用されています。ペルーのワイン造りでは導入されているのか? 今回試飲したタナでタンニンが強すぎるというタイプはありませんでした。さて?

マリア―ジュを中心に
さわやかな印象の白ワイン

左はタカマ、右はタベルネーロ
前者はぶどう樹の植樹が1540年という歴史あるペルー最大のワイナリーで、本拠地はリマから300km南下したイカ・バレーにあります。後者は1897年創業でリマから200kmほど南下したシンチャ・バレー(イカ州)にあり、生産量の85%を輸出しています。

#1を試飲して、そのミネラル感から、てんぷら&塩を連想(レモンでもOK)。レンコンのてんぷらに塩をつけて食すと、混然一体感が広がりました!

白ワインと食材の仲介役として便利なのが塩とレモン。相性チェックをする前に・・・・塩を一口舐めて#1を試すと、ワインがお水のような状態ですんなりと入ってきます(相性が事前に察知できます)。次にレモンを舐めてワインを試すと、やはり素直な印象。実際に合わせた相性も事前チェック通りでした。

#2の場合は、塩を舐めてからワインを味わうと、#1の時の感じた素直さより、もう少し重厚な味わい。ゆえに料理も少し厚みのあるほうがお薦め。余韻に残るシュナン・ブランのビター感から、グリーンアスパラの揚げ物を連想。ちなみにペルーはアスパラガスの輸出量が世界一とか。チーズなら熟成したカマンベール&ドライフルーツ添で!

IMG
大使公邸のディナーでサービスされた『セビチェ』

IMG_3494.JPG
ライムのような酸を感じさせるセビチェには断然#6がお薦め(画像最右
インティパルカは古代インカ帝国の言語で〝太陽の谷〟を意味しています。サンティアゴ・ケイローロのワイナリーは海岸線から60km内陸に位置し、標高は500m以上、ぶどうにとって大事な昼夜の日較差(20度)もあります。

IMG
これは自家製セビチェ、私は香草(コリアンダー)を多く使います。#6にはハーブのニュアンスもあるので相性良好、前述のてんぷら&塩にも合っていました!

赤ワインにはマスタードや山椒を仲介役に
IMG
赤ワインと食との仲介で役に立つのがマスタード
ここでもマスタードの酸のおかげで、赤ワインはハムとナイスコンビネーション


ペルー大使館公式赤ワインはタカマのセレクション・エスペシアル(トップ画像9番目のワイン)
プティ・ヴェルド&タナのブレンド、酸を感じる黒系果実、ローリエ、黒コショウ、木目細かいタンニン、小売価格2040円、リーズナブルなワイン

ペルー自慢のロモサルタード
IMG
大使公邸ディナーのメインはペルー自慢のロモサルタード(牛肉と玉ねぎ、トマトを炒めた料理。付け合わせはライスとポテト)とセレクション・エスペシアル2013

土用の丑の日に
IMG
大使館での試飲時にもお話したのですが、タナやシラー、マルベックと合わせて楽しめる〝うなぎの蒲焼〟。土っぽさやスパイシーさを備えたワインには、年代を経たうなぎのたれと山椒を使った蒲焼が最適。目黒不動にある『にしむら』のうなぎを友原社長と宮川講師にお出しして、タカマ・ドン・マニュエルやインティパルカの#12マルべックや#13シラーとの相性を診断。山椒効果は絶大で、マリア―ジュは成功でした。

今日は土用の丑の日! 
フジテレビのお昼のニュースでも『にしむら』が取材されていました。次回、うなぎの蒲焼を食べる時は、山椒を用意して、ぺルーワインにトライなさってみてくださ~い

感謝を込めて
IMG
大使館から届いた記念画像
今回ペルーのワインについて調べる良い機会になりました。
エラルド・エスカラ駐日ペルー大使に、こころから御礼申しあげます。ありがとうございました!

■ペルーワインの輸入元
Tacama:キョウダイジャパン
Intipalka&Tabernero:ジーアンドシーコーポレーション
posted by fumiko at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月23日

スタートから早10年! 徳岡主催『2015年産ボルドープリムールワイン試飲会 』

2015年はファンタスティック・イヤー
IMG
ジェームス・サックリングは2015年ヴィンテージを「ファンタステック・イヤー」と評価

プリムールワインの取り扱いには十分な神経を使わなければなりません。徳岡(株)ではシャトーの協力を得て、最新の輸送と細心の管理のもと、日本初のプリムールワイン試飲会をスタートさせ、今に至っています。

IMG
左から
バロン・フィリップ・ロートシルト コマーシャル・ディレクター エルワン・ル・ブロゼックさん(左岸
株式会社徳岡の徳岡豐裕代表取締役会長
ヴィニョーブル・クレマン・ファヤ ジェネラル・マネージャー ジャン・ミルティ・ローランさん(右岸

プリムールワインの試飲会を日本で開始して10回目
その先駆者、株式会社徳岡の徳岡豐裕代表取締役会長は「11年前、ボルドー地方以外ではプリムールワインの試飲は出来ませんでした。ただネゴシアンでは出来たので、ジャン・リュック・テュニュヴァンやグランヴァンの担当者に相談。隔月でボルドーを訪問して各シャトーを巡り、1年かけた交渉の末、41の銘柄が集まり、東京と大阪での試飲会開催が叶いました。プリムールワインは弊社の専売商品ではないので、必ずしも売り上げに結びつくとは言えません。日本にプリムールワインの文化、ボルドーのワイン文化を定着させたいという思いで行ったことですが、その意味では成果があったと自負しています。回を重ねて今年は54銘柄まで拡大しました」と述懐


2015年ヴィンテージと左岸と右岸について
2015年は2005年、2009年、2010年に匹敵するグレートヴィンテージと言われ、赤ワイン、白ワイン、甘口ワインともに良好。右岸、マルゴー、ぺサック・レオニャンが特に良いようです。

IMG

ブロゼックさんが左岸について解説ワインは左から4 本目まで
夏の平均気温は高く、7月にはこの30年間で最も高い温度を記録、8月も乾燥した気候が続いた。暑さと乾燥はぶどう樹のストレスになったが、ぶどうはゆっくりと生育、例年に比べると実は小粒。8月末から9月に降雨で潤う。当初の予定を上回る収量。特徴的だったのは収穫期の長さ、ポイヤックでは9月14日から10月6日まで

#1:エール・ダルジャン(白)
1991年に初リリース、畑はムートンの畑のド真ん中。生産本数は極少量。ブレンド比率はSB55%、SE43%、ミュスカデル2%。醸造&熟成には樽を使用、MLF15%実施。瓶詰めは6月半ばに終了。香りのインパクト大、豊かで魅力的、白桃、パイナップル、マンゴー等の果実、クリーミー、旨味、グラス内の温度変化でより豊潤、バランス良く上品。Jサックリング96-97 、デキャンター91

#2:シャトー・ダルマイヤック
何度かの改名の末、1988年からはシャトー・ダルマイヤックに。ブレンド比率はCS60%、ME29%、CF9%、 PV2% 。ガーネット色、フルーティ、果実のニュアンス、控え目な樽香(新樽率は30%)、甘草、ロースト、ヴァニラ、素直で美味しい味わい、万人受けするワイン

#3:シャトー・クレール・ミロン
川に近いので海風の影響を受け、フレッシュなワインができる。粘土質土壌にはMEが多い。ブレンド比率はCS51%、ME34%、CF13% 、PV1% 、カルメネール1%。ボルドー全体のカルメネールの栽培面積は6㌶、うち0.6㌶がクレール・ミロンの畑にあり、1945年から植えていた古樹。カルメネール由来のタンニンは優しく、密度の濃いねっとりした果実味。ダークチョコレート、ドライフラワー、スパイス、甘草、ミント、上質な酸味、

#4:パストゥレイユ・ド・クレール・ミロン2009
業務用限定ワイン、シャトー・クレール・ミロンのセカンド(CS50%、ME36%、CF11%、PV2%、カルメネール1%)。2009年が初ヴィンテージ。ネーミングの由来は中世の頃にあった踊りの名前(羊飼いの女性&騎士)、市場に出した段階ですでに飲みやすいワインというコンセプトに沿い、果実と酸のバランスも良く、シルキー
 
ローランさんが右岸について解説ワインは最右と隣の2本
左岸とさほど変わらず、8月の降雨はメドックの北部ほど多くはなかった。サン・テミリオンは粘土質が多く、粘土質土壌には保水効果があるので、右岸には良かった。石灰岩質はCF に適しており、CFの比率の多いシャトーは成功した。2015年は日照をたっぷり受けたヴィンテージ。9月の収穫期は長かったものの、夜、温度が下がったので、ぶどうには好影響を与えた。猛暑だった2003年と比べると、日照時間は同程度でも、夜の温度に違いがあるので、ワインのフレッシュさと酸味に違いがある。2015年は若くても熟成しても楽しめるワイン

#5:シャトー・クレマン・ピション
14世紀からのシャトー。1976年から現オーナー、クレマン・ファヤが所有、60㌶のうち25㌶(現在は苗木の植え替えで実質20㌶)がぶどう畑。ブレンド比率はME85%、CS10%、CF5%。収穫期間は長くて9月21日から10月7日。新樽率40%。フレッシュさ、控えめな木香、ロースト、メルロー由来の果実感とまるみ

#6:シャトー・ラ・ドミニク
シャトーはサン・テミリオンの北西に位置し、シュヴァル・ブラン、フィジャックを左手に、レヴァンジル、ラ・コンセイヤントをポムロール側に臨む好立地。サン・テミリオンのなかでは最大の29㌶(うち23㌶がぶどう畑/サン・テミリオンの畑の平均は7.5㌶)、土壌は3タイプ(粘土質と砂利質CS、青い粘土質ME、一部CF、粘土石灰質CF)、2013年に施設改装、22の新しいタンクを導入。 ブレンド比率はME85%、CF13%、CS2%。新樽率60%。深い色調、粘性もあり、フレッシュでアロマティック、ブラックチョコレート、バニラ、スパイス、タンニンなめらか、中盤から余韻に続く酸味

 
第2部にはトルシエ監督のソル・ベーニも登場
IMG
左から)
クロ・レオ/カレオ・フランスのオーナー篠原麗雄さん
2000年からシャトー・ヴァランドローで働いていた篠原さんは2002年にサン・テミリオン、カスティヨン・コート・ド・ボルドーに0.83㌶の畑を購入してワイン造りを開始

ソル・ベーニのオーナー フィリップ・トルシエさん
元サッカー日本代表監督、2014年にサンテミリオンの郊外に1.1㌶の畑を購入、醸造はミッシェル・ロランの元で働いていたルドウィッグ・バネロンが担当。2015年に同地区の石灰質土壌の畑も購入。ワイン名は30年前初めての海外遠征をしたコートジボワールのトレーニング・グランド名、数多くの名選手を生んだ場所。奥様はボルドー出身

クロワ・ド・ラブリのオーナー、ピエール・クーデュリさん
1990年代にジャン・リュック・テュニュヴァンさんと同時期に設立されたガレージワインの1つ。奥様はワインメーカー。サン・テミリオングランクリュの3種の異なるテロワールを生かしたワイン造り、少量生産


#1:クロ・レオ
2002年にカスティヨン・コート・ド・ボルドーに家付きの畑を購入。サン・テミリオンには砂(軽くてフルーティ)、砂利(熟した果実)、粘土石灰(ストラクチュアと酸味)のテロワールがあり、粘土質の多い土壌にメルロー、石灰質の多い土壌にカベルネ・フランを植えています。篠原さんは酸味のあるしっかりしたワインが好み。畑は北向き斜面の粘土質土壌で、他より日照度が少ない分、きれいな酸を備えた、しっかりしたワインができます。いつも収穫は他のエリアより3週間くらい遅く、ぶどうが完熟するまで待つとのこと。ブレンド比率はME80%、CF20%。新樽20~30%、2015年ヴィンテージは右岸と左岸の南部が良好。「2002年からワイン生産を開始して以降、2015年がすべてにおいてベスト。クロ・レオは3000本、ワンランク上のキュヴェ・レスは900本。樽香の出具合を考慮して、2012年ヴィンテージからボルドー樽225Lではなく、ブルゴーニュ樽350Lに変えました」と篠原さん。フルーティで黒系果実のブラックベリーやカシスのニュアンス、酸味が一本芯になった骨格のあるワインスタイル

#2: シャトー・クロワ・ド・ラブリ
1㌶、ME100%、石灰粘土質、モラス(粘土と岩のような土壌)、鉄分が入った土壌が混在、樹齢50年、新樽100%、ポムロールに似た土壌、凝縮したフェミニンなスタイル、まろやかでセクシー、余韻も長い

#3: レ・オー・ド・クロワ・ド・ラブリ
1.5㌶、ブレンド比率はME80%、CF20%、砂利と砂と石灰質の土壌、樹齢は25年、醸造はタンク(MLFも)で行い、12~14か月熟成、新樽率50%、香り豊潤、ミネラル、フレッシュなタンニン

#4:シャペル・ド・ラブリ
1.5㌶、ブレンド比率はME90%、CF9.9%+CS0.1% 。 表土に大きな石、その下は石灰粘土、砂利は全くない土壌、4列だけCSを植樹。メルローの樹齢は60年で土壌はぺトリュスと同じ青色粘土。乾燥すると粘土が固まり、馬でも耕作が大変、香りの特徴は甘草、MLFは新樽内で行い、樽熟成は14~16カ月、ワインはフレッシュ感と力強さの共存

ワイン造りのスタイルはフレッシュ、フィネス、エレガンス。サン・テミリオン・グランクリュの4㌶弱の畑を所有、耕作は馬を使い、リュット・レゾネを実践。ブルゴ-ニュ的スタイルで、3つの異なるテロワールの区画から、3つの異なるワインを生産

#5:ソル・ベニ
トルシエさんの哲学は「皆と共有すること、サッカーもワインも同じ」。2年前にサン・テミリオンに1㌶の畑を購入、小さな醸造所も造り、ブティックワイナリー的なワイン造りを実践。環境にも配慮。ワイン醸造は専門家が10日おきに来て管理。アルコール発酵後はすべて新樽を使用、ぶどうの樹齢40~60年、ブレンド比率はME80%、CF20%。3列だけCSを植樹。2014年が初ヴィンテージで今年末にリリース予定。昨年サン・テミリオンに新たなぶどう畑を購入したのでニューフェイスの生産も開始。深みのある濃い色調、メルロー由来の豊潤で厚みのある味わい、酸味のニュアンスもあり、バランスが取れたまるいワイン、ミッシェル・ロランスタイル

プリムールテイスティング会場で
IMG
篠原さんのブースで徳岡会長もテイスティング

IMG
ジェームス・サックリングが100点をつけたリッチで華やかなシャトー・カノン2015


IMG
人気のスミス・オー・ラフィット、2015年ヴィンテージからシックなラベルにチェンジ

IMG
会場には50アイテム以上の錚々たるワインが

IMG
ワインの即売会も

IMG
トルシエさんとボトルを一緒に撮りたくて、順番待ちをしていたことがラッキーだったようで、
「ボトルにサインをしてあげよう」と言ってスタッフに白マジックを依頼。サインボトルをいただく展開
 
IMG
頼りになるSOPEXAの佐藤さんが撮ってくれた記念ショット!



プリムールワイン受付中

ボルドーの街は格調があってきれい!


[バー] (株)徳岡ボルドープリムールワイン購入の流れ
販売期間:2016年6月28日~9月30日
引渡期間:2018年春~秋の予定
詳細は>>>http://www.bon-repas.jp/primeur/nagare.asp
posted by fumiko at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月10日

第6回ファインズ チャリティ試飲会、テーマはサステイナブルなワイン造り

ファインズ主催東日本大震災支援チャリティ試飲会
4月23日に行われたチャリティ試飲会の総額は2,594,983円で、募金箱および有料試飲の代金724,983円は熊本地震の支援に。入場券および有料セミナーの代金1,870,000円は当初の予定どおり東北復興支援のためにCivic Forceに寄付されました。ありがとうございました!!
4月28日ファインズ発表

来日したワイン生産者&関係者

(左から)西山雅巳氏、ジル ド ラルズィエール社長、ヴィルジニー・ジョリー女史、ロベルタ・チェレット・ブレンギーニ女史、デイヴィッド・ローゼンタール氏(ワシントン州サン・ミッシェル・ワイン・エステートの白ワイン醸造責任者)、クリスティーネ・サース当主夫人、小熊節子女史(ニコライホーフ)、クリストフ・ペロ・ミノ当主、シャルル・ド・ブルネ・マルニエ・ラポストールCEO、ピエール・アラン・ケロール氏(ペロ・ミノ)  バンジャマン・フレッス氏(ラポストール ブランド・アンバサダー)、中西卓也ファインズ社長


2011年からスタートしたチャリティ試飲会

も今年で6回目、年々素晴らしい支援の輪が広がっています。今回は世界遺産&自然との共存~サステイナブル(持続可能)なワイン造り~をテーマにして行われました。
ユネスコには1031件(2015年12月現在)の世界遺産登録があります。ファインズのファインワインのなかで世界遺産に登録されているエリア(シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ロワール渓谷、ヴァッハウ渓谷、ピエモンテ)から代表的な生産者が、また自然に寄り添い継続的な発展を目指すワイン造りを行っている生産者も来日しました。


シャンパーニュ&ブルゴーニュから、メゾン&ドメーヌ・アンリオ社のジル・ド・ラルズィエール社長。2015年から故ジョセフ・アンリオ氏(ラルズィエールさんは故アンリオ氏の甥)に代わり、実質アンリオファミリーグループのトップとして活躍。当日の花形〝キュヴェ・アンシャンテルール2000(参考価格23,000円)〟は酸味フレッシュ、香りと味わいに熟成感、長熟のアンリオスタイル


シャブリ&ブルゴーニュから、メゾン&ドメーヌ・アンリオ社東アジア輸出担当の西山雅巳氏。ブシャールP&Fとウィリアム・フェーブルで畑・醸造の研修を経て、ブシャールチームに参画、現職に至る。西山氏が手にするボーヌ・グレーヴ・ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェズュ2013はいつ飲んでも期待を裏切らない逸品


ブルゴーニュから、ドメーヌ・ペロ・ミノのクリストフ・ペロ・ミノ当主。お隣はネゴシアンのピエール・アラン・ケロール氏。ペロ・ミノ氏は1993年にドメーヌを継承、当初、力強かったワインも近年はテロワールを反映させたスタイルに。繊細でエレガントなピノ・ノワールは魅力です。2011年ヴィンテージからワインのイメージに合わせてラベルもチェンジ

ペロ・ミノは1973年に設立されたモレ・サン・ドニを拠点とするドメーヌで10haの畑を所有。5代目のペロ・ミノ氏が求めるスタイルは、繊細で上品でのど越しが良く、自然に体に入ってくるワイン


ペロ・ミノのセミナーから

2つのGC、マゾワイエール・シャンベルタンとシャルム・シャンベルタンを比較。左手前から1~4の順にマゾワイエール2013、シャルム2013、同2012、同2004

これらのGCは隣同士です。AOCの規定でシャルム・シャンベルタンはシャルム・シャンベルタンしか名乗れませんが、シャルムの下にあるマゾワイエール・シャンベルタンはマゾワイエールでもシャルムでもどちらでも可能。ただ、発音しやすく、知名度のあるシャルムを名乗る生産者が多いようです。


魅力的だったマゾワイエール・シャンベルタン2013(参考価格42,700円)
2013年は冷涼年、フレッシュでしっかりした酸味と赤系果実の凝縮感。マゾワイエールの深み、シャルムの上品さ。2012年は太陽良好年 2013より酸は控えめ、華やかな果実味、黒系果実や熟した果実をプレスした時の甘い香り、2004年は2005年の陰に隠れていたヴィンテージながら現段階でベストな味わい、果実の旨味


ロワール渓谷から、クレ・ド・セランのヴィルジニー・ジョリーさん
言わずと知れたビオディナミの旗頭ニコラ・ジュリーさんの愛娘、2002年の収穫からワイン造りに携わり、今はジョリ-さんの意思を受け継ぎ、ドメーヌの顔として活躍中。来年の秋頃(10月初旬)ニコラ・ジョリー氏がルネッサンス・デ・アペラシオンで来日する由


クロ・ド・ラ・クレ・ド・セランの3ヴィンテージ(2014、2013、2012)の人気投票では2012のシールが最多。ヴィルジニー女史いわく「2014年と2012年は香りも開いていて飲みやすくてわかりやすいヴィンテージ。2013年はボトリティスの影響を受けた他の2つとは異なるヴィンテージ。シャイで少し閉じているが凝縮感と複雑味がある」


「ワインは呼吸しているので抜栓しても1週間くらいは平気」を持論とするニコラ・ジョリー氏得意の実験で、3日前に抜栓したクロ・ド・ラ・クレ・ド・セラン2013と当日開けた同2013を比較。ポテンシャルがある2013年ヴィンテージがマイベストだったので、ここでのポイントは、3日前のワインのなめらかさ。ボトリティス由来の蜜的要素もあり好印象でした。10年くらい前のクロ・ド・ラ・クレ・ド・セランにはあまり感激がなかったのですが、酒質がもとに戻ってきた感あり。ヴィルジニー女史の貢献度かも

ラポストール.jpg
チリ・ラポストールから、同家の7代目のシャルル・ド・ブルネ・マニエラ・ラポストールCEO。
グラン・マルニエの創業者のひ孫である両親が1994年にチリにラポストールを設立。事業を継承したラポストール氏は2013年にCEOに就任。ファインズでは今年1月から販売を開始しています。
手にしているのは、ラポストールSBと同家最高のアイテム『クロ・アパルタ(カルメネール66%、メルロ-19%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%)』、クロ・アパルタの畑には1915年~20年に植樹した自根のぶどう樹も


私の一押し、セビーチェに合わせたラポストールのソーヴィニヨン・ブラン2014
コリアンダーは必須、レモンではなく、ライムのほうがSBとの相性良好

アレクサンドラ2007.jpg
ラポストールCEOがプライベートセラーから持参したこの日だけの逸品
キュヴェ・アレクサンドルのカベルネ・ソーヴィニヨン2007はきめ細かいタンニン、程よい厚みの酸、溶け込んだ樽のニュアンス、すべてにバランスが取れていました。
さすがキュヴェ・アレクサンドル!


ピエモンテ、アルバの食文化の伝道者チェレットから、現CEOブルーノ・チェレット氏の長女ロベルタ・チェレット・ブレンギーニ女史。ワイナリーの施設はすべてISOを取得済。単一畑のバローロ、バルバレスコの畑は2010年よりビオディナミ農法を実践中。手にしているワインはバローロ・ブルナーテ2011

※サンミッシェル・ワイン・エステーツは時間不足でブースに立ち寄れませんでした。
ご容赦願います。


供出されたワインたちと、ファインズ手製のコメントボード


昨年11月ヴァッハウ訪問以来の再会、大好きなニコライホーフのクリスティーネ・サース当主夫人
サース夫人が手にしているワインは私の一押し『イム・ヴァインゲビルゲ・グリュナー・フェルトリーナー・フェーダーシュピール2013』、切れの良い酸と舌の上に心地良く残るミネラル感、わさびやホースラデッシュとも良く合います。


チャリティ試飲会の前日に、ニコライホーフファンのためのワインメーカーズディナーが青山のポルトゥスで開催され、20名ほどのファンがサーフ夫人を独占しました。当日はヴァッハウから持参したビオディナミの調剤も披露されました。

IMG_1040.JPG
ニコライホーフのアプリコットジャム、一度食べたら忘れられない味、素晴らしいです!
次回のブログで、メーカーズディナーをリポートいたします!
posted by fumiko at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月07日

カセラ社とサッポロビールがデイリーワインとファインワインの2ジャンルを強化




5月17日にピーター・レーマン新発売

バロッサ・ヴァレーの多くの栽培農家からの人望もあつく、ワイン造りでも優れた業績を遺したピーター・レーマンさんは2013年6月28日に逝去。カセラ・ファミリー・ブランズ(以後カセラ社)は2014年ピーター・レーマン・ワインズを買収しました。これはカセラ社にとってポートフォリオ構築のための重要なステップです。


ジョン・カセラ社長とサッポロビール(株)時松浩取締役常務執行役員営業本部長@オーストラリア大使館

時松氏は、「イエローテイルを扱って一昨年で10年になりました。新たな取り組みとして、豪州ワインの良さを伝えるためにポートフォリオを充実させることがひとつのテーマになっていたので、ピーター・レーマンを取り扱えることは非常に喜ばしいことです」と。続けて、「国産ワイン、輸入ワインというくくりではなく、デイリーワイン、ファインワインの両ジャンルをバランス良く成長させていきます。イエローテイルの販売計画は本年度は18万ケース、2020年には30万ケース。ファインワインのピーター・レーマンは国内での販売を強化していきます」と述べました。

ジョン・カセラ社長は「弊社のワイン造りのルーツはイタリアにあります。現在、家族経営のワイナリーとして第3位を誇っています。1969年に設立し、従業員数は約900名、イエローテイルは世界で最も良く知られた豪州のブランドとして成長しました。ピーター・レーマンを傘下におさめたということは会社の規模を大きくするということではなく、世界中のパートナーの皆さんと共に豪州を代表するワイナリーのパイオニアとして活動、展開していきたいと思っています。JAEPAに関しては今まで競合していた国々に負けない形で日本の皆さんに貢献できるようになったと思っています」とあいさつ

カセラ社のジェームズ・ウィルソン アジアパシフィック新興国輸出マネージャーは、「イエローテイルは現在、50カ国以上に1200万ケースを販売しており、生産量は豪州ワイン全体の12%を占めています。カラフルで楽しく飲みやすいのがイエローテイルであり、アメリカにおいては輸入ワインブランド&オーストラリアワインブランドとしてNo.1、カナダではイエローテイルシラーズがNo.1シラーズになっています。日本でもオーストラリアワインブランドとしてNo.1を誇っています。また、ピーター・レーマンは2014年からカセラ社のブランドのひとつとして紹介しています。ピーター・レ―マンがあるバロッサ・ヴァレーは世界でも最高品質のワインの産地として知られています。1842年からの古い歴史があり、世界最古のシラーズもあります。サッポロビール社が扱うピーター・レーマンは4つのシリーズで、エントリーレベルのアート‘n’ ソウル、赤品種のブレンドタイプの“グランシーズ”、“ポートレート・シリーズ”、そして最高峰の“ストーウェル”です」と解説。
取扱いワインの詳細は“コチラ




イエローテイルとピーター・レーマンのラインアップ


値頃感(800~1000円代)のあるイエローテイル
3月1日~5月31日まで[イエローテイル]“イロイロタノシイ自由旅当たる!

”のキャンペーン実施中。200万円相当の豪州旅行を狙ってみてはいかがですか


豪州の食材を使ったランチ
オーストラリア大使公邸で行う食事会はもっぱら着席ですが、大使館で行うイベントで着席式ランチは珍しいことです。それだけに両社の気合の入り方が違うと感じました。


鮑のヴァプール 燻製仕上げ ホワイトアスパラのムース添え × イエローテイル バブルス・ロゼの相性〇


タスマニア産サーモンの低温調理 菜の花のソース 蜂蜜と胡椒の香り × ピーター・レーマン エデンヴァレー・リースリング・ポートレート
リースリングの香りより、イエローテイルのバブルス・ロゼの控えめな香りのほうがサーモンに合わせやすく、バブルスとサーモンのピンクを同色で合わせるマリア―ジュで◎、泡ロゼの方が全体的に無難でした。



オーストラリア産ラムラックのグリル 赤ワインとマスタードのソース × ピーター・レーマン バロッサ・グランシーズ・レッド


ピーター・レーマンのトップレンジ ストーンウェル・シラーズ


Photo by Fumiko (2006年撮影)
ピーター・レーマンの契約畑の1855年植樹のシラーズ、豪州の秘宝です!


オーストラリア産クリームチーズを使ったレアチーズケーキ 苺のコンポート添え × ピーター・レ―マン スパークリング・ブラック・クイーン・シラーズ(サッポルビール未取扱品
タンニンやさしく、口当たり滑らか
ワインの赤系果実のニュアンスと苺の濃厚な味わいのバランス〇


最後にお薦めのマリア―ジュを!

Photo by Fumiko (2007年撮影)
2007年にカセラ社をお訪ねした時、当時の輸出部長がお気に入りの『ハリーズ・シンガポール・クラブ』で、スタンダードからトップレンジまでの3種類のイエローテイル・シラーズに、ホット(中辛から超激辛まで)な味付けのカニを合せる試みをしてくださいました。
一番相性の良かったのが、スタンダードなイエローテイル(残糖8~10g)。飲んだ時に果実の甘みがあり、タンニンも少なく、酸も低いので、辛いカニと合せた時に、口中でのおさまりがすごく良いのです。その時、輸出部長が「一見簡単そうな、シラーズの、この味わいのバランスこそ、実はとても難しい技なのです」と語っていたのが印象的でした。
激辛のカニが入手できないときは、麻婆豆腐や、エスニック料理でも問題なく楽しめますので、Tryを!!

JAEPA効果は
オーストラリア大使館参事官(商務)のジュリアン・メリマンさんは、「JAEPA のおかげで、オーストラリアの食品やワイン、教育分野等に対する注目が集まっています。同時にシドニー便(羽田発のメリット大)やメルボルン便も増えたことで、観光客が多くなっています。訪豪の目的は自然観光や動物と親しむこともそうなのですが、おいしい料理やワインを楽しむことを目的にして出かける人が増えています。それらの部分とJAEPAとオーストラリアへの注目が重なって良い効果が出ていると思っています。観光の伸びの数値は、この1年で16~18%くらいです」とコメント。

余談ですが・・・

現在、カセラ社ではのパッケージの変更を行っているところです。以前のエデンヴァレー・リースリングは女性の絵柄で、世界最優秀ソムリエのアンドレアス・ラーションさんが「僕はこの子に恋してるんだ」と言っていたことを、カセラ社長に伝えました。「そこまで言ってくれるなら、女の子を呼び戻さなくてはいけませんね」とカセラ社長からユニークなリアクションが。今後のラベルチェンジも楽しみにしています。
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月07日

祝! 大橋健一MWは日本と世界の酒類界をつなぐBig Bridge!


日本の酒類業界から、ワイン界最高峰の称号マスター・オブ・ワイン(MW)の認定者が誕生しました。栃木県にある酒類専門店『山仁酒店』の大橋健一社長です。おめでとうございます!
9年かけて、その難関を突破した大橋MWの祝賀会が、1月28日、ホテルニューオータニで開催されました。祝賀会の概要とマスター・ワインについては2月4日付のワインのこころ

で触れておりますので、プロローグとしてお目通しいただけましたら幸いです。


共同記者会見で

祝賀会の前に行われた囲み取材で、大橋MWは「日本にMWがいなかったため、合格(9月7日)してから仕事の依頼が劇的に増えています。私の今後のビジョンとしては、より良いマーケットを日本に作ろうと思っていながら後手に回っていた海外の生産者や、日本の酒類(ワイン、日本酒、梅酒等)の輸出で攻めあぐねていた造り手を支援して世界で成功をおさめられるように、その一助になれたらと思っています」と語りました。

〝たかがワイン〟の言葉に救われて
「試験勉強で煮詰まった時は」との質問に、「自分の力ではどうしても動かせないことがあり、解決策が正直見出せなかったことも苦しみでした。救いは人の存在で、自分を支援してくれる人がいるというだけで確実に救われました」と述べ、続けて、「マスターワイン協会に加入申請をすると、必ず家庭教師(MW所持者)がつきます。私の場合は、日本(現在は豪州シドニー在)に住んでいたネッド グッドウィンMWで、彼から「本当にMWになりたければ絶対に合格させてやる。私がマシーンになる」と言ってもらった言葉は大きかったです。また、ファイナルの論文で家庭教師役のキャシー ヴァンジルMW(南ア)は私のために毎日多くの時間を割いてくれました」と述懐しました。


ファイナルステージでは机から離れない日が10か月続いたという大橋MW。座右の銘は〝たかがワイン〟。同じMWで2010年の世界最優秀ソムリエのジェラール・バッセ(英国)が優勝のインタビュー記事で語っていた言葉とのことでした。
それは・・・同コンクールで決勝まで進めなかったブルガリア代表との会話で、彼から「バッセさん、頑張って!」と言われ、バッセMWは「実力が発揮できないかも」と心情を暴露。その時、ブルガリア代表から「たかがワインじゃないか!」と言われたそうです。ジェラール・バッセMWは瞬時に「そうだ! ワインがなくても死にゃしない」と気持ちが吹っ切れ、 その年のコンクールで見事優勝への道をつき進みます。
大橋MWは、うさぎがブランコに乗っているファンシーな絵に〝たかがワイン〟と書いて、落ち込みそうになった時はその絵を見てリラックスしていたそうです。合格までの険しい道のり、そのプレッシャーをはねのけるためのワンシーンが伝わってきました。本当にお疲れ様でした!


認定祝賀会で

来賓代表の中原広国税庁長官は祝辞で、日本でもワイン市場が拡大しており、クール・ジャパンの推進の一環として日本酒、焼酎、日本のウイスキー、ビールなど日本産酒類の輸出振興を今後一段と進めていきたいので、内外のワインと日本酒の両方に精通し、海外に深いネットワークを有している大橋MWには大いにご期待したいと述べました。


中原長官を含む来賓4名と17名の発起人が登壇し、大橋MWを中央にして鏡開き


乾杯の音頭は17名の発起人にも名を連ねている日本ソムリエ協会の岡昌治会長


乾杯はシャルル・エドシック!


記念画像は大橋健一MW(前列中央)を囲んで


MWが関わるワインたち

日本には多くのMWが関わるワインがたくさん輸入されています 認定祝賀会では、ネッド・グッドウィンMWがアンバサダーを務めるシャンパーニュのシャルル・エドシック、大橋MWと親しいサム・ハロップMWのニュージーランドワイン、セダリオン・シャルドネ、マイケル・ブラコヴィッチMWが手掛けるクメウ・リヴァーのヴィレッジ・ピノ・グリなど、17アイテムが供出されました。「これからMWが関わったワインを意識していただき、日本が世界において、ワインや他の酒類で、本当に洗練された国のひとつであると言えるように私も頑張りたい」と大橋MW


唯一のシャンパンとして華を添えていたシャルル・エドシック

会場では力強い家庭教師ネッド グッドウィンや、座右の銘のジェラール・バッセ、サム・ハロップ等、先輩のMWからのお祝いメッセージが映像で紹介されました。

いくつかの節目

「マスターワインになれました。トライアルの時間が長かったのでようやく受験は終わりましたという安堵の気持ちを皆様にお伝えさせていただきます」と大橋MW

大橋MW: 現在24か国340名のMWが世界各国で活躍していますが、今、思うといくつかの節目がありました。マスターワイン協会に加入したいという願書を出してから、ずっと支援してくれたのがネッド グッドウィンMW(現在シドニー在)で、彼が家庭教師としてついてくれたことが一つの節目でした。英語が得意でない私が合格できたのは、ネッド グッドウィンMWが日本語を聞けて話せたからで、取違いされそうなニュアンスの違いを日本語で説明してもらえたことは本当に幸せな立場でした。さらにその次に最終段階に入った時、リサーチペーパーでも英語がネック。ここではキャシー ヴァンジルMWが本当に親身になって、私を支えてくれたのが2つ目の節目でした。

MWになって、まだ4か月しか経ていませんが、私を取り巻く環境が変わったと実感しています。どこに行っても、「MWを受けたいのだけど、どうすればよいか?」、「WSETの教育機関のデイプロマを取りたいのだけど何かアドヴァイスをしてもらえないか?」との質問が多く、私が今までMWの先輩方にしてきたことをされる立場になっています。
今後のビジョンとしては、日本にMWがいなかったことで、日本市場に入り込めずにいた海外の生産者や、国際的な戦術を組めずにいた国内の酒類の造り手に、どういう戦術で攻めればサクセスストーリーを築きあげることができるかをアドヴァイスさせていただき、皆さんに貢献できればと思っています。


大橋MWは世界的に通じる学術論文達成にために多くの方々のサポートがあったことに言及し、さらに、「本日、会場にお集まりくださった皆さまも、大きな日本というチームの一員であると思っています」との言葉で感謝を表現していました。その言葉を受けて、800名が集う会場から大きな拍手が!


良き姉御キャシー ヴァンジルMWも応援に

歴史の産物、南アの歴史あるヴァン・ド・コンスタンス

を大橋MWに贈呈

大橋MWを支えてきた功労者キャシー ヴァンジルMWが南アから認定祝賀会に駆けつけてくれました。
「MWは厳しく長い旅です。最初に難しいテイスティング試験があり、そのあと、5つのユニットから構成されている学科試験、そして最後の難関リサーチペーパーでは1万字を超える論文を書かねばなりません。大橋MWの場合は、さらに英語という高いハードルがありました。リサーチペーパーの作成では日に何十通もメールのやりとりをしました。彼には誰にも負けないワインへの情熱があります」と同志&良き姉御として健闘を称えました。




マスターワイン協会のロゴと大橋MWのネーム入りのコルクプレート
「大橋」の名前の通りに、生涯かけて大きな橋になりたいと強調していた大橋MWの、今後ますますのご活躍に期待しています。日本の酒類界の新たな一歩です!
ラベル:大橋健一MW
posted by fumiko at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月03日

好調 チリワイン、2015年のワイン輸入量ナンバーワン!!

財務省発表(1月28日付)の2015年貿易統計によると、日本へのワイン輸入量(スティルワイン)ナンバーワンはチリでした! 年明け第一弾のワインのこころ

で、「2016年は日本とチリに注目」と書きましたが、拮抗していたフランスを抜いてチリが正式に首位の座に。
おめでとうございます!!


出典:産経EX/貿易統計による容量2㍑以下のワイン

チリは5159万㍑(前比18.1%増)、フランスは5151万㍑(前比▲2.8%減)
記事中のメルシャンデータには「ぶどう酒(2㍑以上150㍑未満)」も加算されているので、若干数字の差があります。

数量ベースの引導役は100万ケース超、コスパワインのアルパカ

でした。
金額ベースでみると、チリは193億円、フランスは505億円(出典:WANDSデータ)なので、今後の展開としては、中・高価格帯へのシフト、世界のトップワインと比肩するチリワインをハイエンドの消費者に浸透させていくことが必要です。2007年に締結した日・チリ経済連携協定(EPA/12 年間で段階的関税撤廃)の恩恵もあるので、チリワインラバーの皆さまが、普段飲んでいるワインよりワンランク上のクラスを選んでいただくことで、新たな広がりにつながると確信しています。


大手ワインメーカーの動き
IMG
ラポストールのダラメル(参考上代1,500円)はエントリーレンジの飲みやすいクラス

サントリーのファインワイン部門ファインズがチリの名門ラポストール

の正規代理店になりました。1月5日から発売を開始していますが、世界に先駆けての新ラベルにもご注目ください。毎年3月にファインズが行っているチャリティ試飲会にはラポストールのシャルル・ド・ブルネ・マルニエ・ラポストールCEOも参加予定なので、詳細が決まり次第、お知らせします。


チリを代表するカルメネール(ラペル・ヴァレー)、赤系果実、若干のスパイシーさ、なめらかな口当たり。がんもどきのタレに生姜を使ったことでスパイシーさの相乗効果が出てナイスマリア―ジュ!
参考上代2,150円


創始者の名を関したキュヴェ・アレクサンドル シャルドネ(カサブランカ・ヴァレー)、フランス育ちを感じるエレガントなチリワイン。口中に残るふぐの揚げ物の脂分をきれいに流してくれる清涼感のある酸味と樽に由来する丸みのある味わいが絶妙。かわはぎの薄造りに添えたキモ醤油には樽の風味が良く合っていました。応用範囲の広いお薦めの1本(参考上代3,540円)

日本リカー(メルシャングループ)自慢の最高傑作コンチャ・イ・トロ

コンチャ・イ・トロ

のブランドのひとつ『マルケス・デ・カーサ・コンチャ』のワインメーカー、マルセロ・パパ(スペイン語で〝パパ〟はポテトの意味とのこと)さんが来日してホテルニューオータニの『ザ・スカイ』でワインメーカーズディナーを開催した折、同席させていただきました。写真はパパさんと谷宣英エグゼクティヴソムリエ

テイスティングワインはコンチャ・イ・トログループの6アイテム

(左から)
#1:マルケス・デ・カーサ・コンチャ シャルドネ2013
冷涼エリアのリマリ・ヴァレー。白い花やグレープフルーツ、石灰由来のミネラルを感じるスタイル
#2:同ソーヴィニヨン・ブラン2014
レイダ・ヴァレー(赤い粘土質)、「セビーチェに合うよ」とパパさん、柑橘系果実のライムやグレープフルート、切れの良い酸、力強さも感じるワイン
#3:同カベルネ・ソーヴィニヨン2013
カベルネ・ソーヴィニヨンの最適地マイポ・ヴァレー、「シャルドネの産地リマリ・ヴァレーから40km離れています」とパパさん。マイポはアンデス山脈に近く、高日照度で、砂や岩の多い土壌。カベルネ・フランとプティ・ヴェルドを若干ブレンドしたワインで、深赤色、果実(ブラックチェリーやカシス)豊か、鉛筆芯、骨格あり
#4:同カルメネール2012
カチャポアル・ヴァレー、チリではカルメネールをメルローと間違えていた時代があり、マルケス・デ・カーサ・コンチャでは1995年からカルメネール単一でワインを生産し始めたとのこと。深紅色、Alc14%、プラムやダークチョコレート、黒こしょう、口中に果実感が広がった後、心地よいタンニン、余韻に甘やかさ

#5:コンチャ・イ・トロ カッシェロ・デル・ディアブロ レイエンダ2012(未輸入品
#6:コンチャ・イ・トロ ドン・メルチョー2010


#5は日本未輸入なので私も初めて試飲しました。
カッシェロ・デル・ディアブロのトップレンジ。「エレガント&フレッシュなワインを目指しています」とパパさん。そのお言葉通り、上品で魅力的! グラスの底が見えない深みのあるルビー色、プラムやブラックチェリー、ヴァニラ、焙煎風味。2012年ヴィンテージからバローロ(5000㍑)樽も使用。「なぜバローロか」というと、パパさんの祖母がピエモンテ出身で、彼自体、ピエモンテやブルゴーニュのワインがとてもお好きとのこと。ワインスタイルとして、その一端をバローロ樽で表現したい由。これが伝説の悪魔のセラー

です!

メルシャンでは、昨年チリワインの価格帯別戦略が功を奏し、26%増(市場は19%増)になったのを受け、2016年は『カッシェロ・デル・ディアブロ』にフォーカス。販売目標を52%増の10万ケースに設定、期待のほどがわかります!

#6のドン・メルチョーですが、2014年10月に醸造責任者エンリケ・ティラドさんが来日して実施したセミナーをブログにまとめました。光栄にもそのリポートをチリの同社がpdf

にして、ツイッターでも発信してくれました。区画ごとの徹底した調査がよくわかります。
チリを代表するアイコンワイン、カベルネ・ソーヴィニヨン97%&カベルネ・フラン3%のブレンド。Alc14.5% 、ミネラル、上質なタンニン、ココアニュアンス、パワー&複雑味。ワインスぺクテーター2014年ベスト100の9位


秀逸なカベルネ・ソーヴィニヨンの産地プエンテ・アルト
コンチャ・イ・トロの優れたワインを造りだすぶどう畑!
マイポ・ヴァレーは海から80~90km離れた場所で、標高は700m。昼と夜の差(20度)が大きいので、凝縮感がある、上質な酸を備えたぶどうが収穫できます。プエンテ・アルトは、マイポ川によってアンデス山脈から運ばれてきた石や砂が多い貧しい堆積土壌。写真では#6ドン・メルチョーがマイポ川の左側、#5レイエンダはマイポ川の右側にあります。この2つの畑は2kmしか離れていません。

IMG
画面クリックで拡大

Almaviva1998
チリのプレミアムワインのさきがけ『アルマヴィヴァ』はコンチャ・イ・トロとバロン・フィリップ・ロートシルトのジョイントベンチャーで誕生したワインです。『アルマヴィヴァ1998』でチリワイン首位のお祝いしました。Congratulations!!

製品についてのお問い合わせ
ラポストール:(株)ファインズ ℡03-6732-8602
マルケス・デ・カーサ・コンチャ/ドン・メルチョー:日本リカー(株) ℡03-5643-9772 
カッシェロ・デル・ディアブロ:(株)キリン・コーポレートコミュニケーション部(メルシャンワインの窓口) ℡03-6837-7028
posted by fumiko at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月08日

Rediscover BORDEAUX  ボルドーと和食を科学する

2016年は〝和食〟、そしてボルドーからスタート!

ボルドーと和食を科学する

来日した(左から)CIVBのベルナール・ファルジュ会長、国際広報担当セシル・ア、マーケティング・ディレクターのフランソワ・ジュモ各位

ボルドーワイン委員会(CIVB)はボルドーワインの生産者と販売者の集合体で、ボルドーワインの販売マーケットの分析、品質向上のための研究、国内外の広報など、ボルドーワインに関する経済、技術、販促面での活動を展開しています。日本語の公式ホームページ

も整っています。

冒頭、7500の生産者と300のネゴシアンを代表して来日したファルジュ会長は「2015年は素晴らしいヴィンテージなのでクレマンから白、ロゼ、赤まで期待できます。また、2016年には大きなイベントが2つあり、6月1日にオープンするワイン博物館ではワインの文明を紹介。新しいテクノロジーに触れるチャンス、ワインの世界をグローバルに知る機会になります。また、同月に4日間の日程で開催されるワイン祭りは10回目になりますが、50万人の来場者が予定されています」と躍動中のボルドーを紹介しました。
詳細はhttp://www.laciteduvin.com/accueil.htmlで!


第一部では4種の料理と4種のワインを合わせて
昨秋開催された『ボルドーと和食を科学する』は2部構成で、第一部は京都『木乃婦』の3代目髙橋拓児さんがマリアージュのポイント&料理デモンストレーションを担当。第2部はボルドーのブドウ栽培・ワイン醸造研究所の醸造学博士で〝マダム・ヴァン・ブラン〟と呼ばれているヴァレリー・ラヴィーニュ=クリュエジュさんが髙橋講師とトークディスカッションを行いました。

脳が感知する香りと味覚の関係

というタイトルで、ワインのこころに要点をまとめましたので、導入部としてご覧ください。

人間は香りを味として認識
京都大学大学院農学研究科および長谷川香料と共に香り&味の研究を進めている髙橋拓児さんは今セミナーで、「最新の研究の結果、人間は香りを味として認識している」と言及。ゆえに、香りを分析して、好ましい香りを集め、それらを合わせていくことで〝おいしいと感じさせる〟ことができるので、料理人にとっては、香りのコントロールが重要であると述べました。

#1: AOC Bordeaux ×和梨、巨峰、柿、西瓜の奈良漬の白和え
Château Belle–Garde Bordeaux Blanc(さわやかな白)

髙橋:和食に合わせやすいエレガントな白ワイン。優しい草の香り、わずかに柑橘、和梨、熟れていないアプリコットの香り。和風柑橘は今の時期で言えば青ゆず、すだち、かぼすがあります。ここでは、はなやかではなく、やや内向的な香りの果実で、和梨、巨峰、柿、西瓜を使って合わせてみました。

#2: AOC Cadillac×鯖寿司海苔包み
Château Lagrange CadillacSweet (甘めの白)



海苔の巻き方を指導中の講師

髙橋:関西では寿司飯に多くの砂糖を使うので、ドライな白ワインを合わせると酸を強く感じます。料理とワインの糖度バランスは、ほぼ同等か、かすかにワインのほうが甘さを抑え気味のほうが良いです。そこで甘口ワインを選びました。次に香りですが、鯖のもつ金属臭はエステル香(セメダイン似)をまとっているワインと相性が良いので、ここではソーテルヌと合わせます。また、ワインにヨード香があるので海苔を巻いて。わさびの香気成分がエステル香と似ているので、たっぷりつけて食べてください!

日本人の出汁好き分析
日本人は何故かつお&昆布出汁が好きなのか。
髙橋さんは「共同で研究を進めている長谷川香料と、36リットルの一番出汁を5㏄に濃縮し、ガスクロマトグラフィー(香り分析器)で分析したところ、ヨード香、わかめ、海草系の香り、キャラメル香、洋ナシ、柿、ムスク、伽羅(お香)、ラクトン(乳製品の香り=母乳似)、動物臭(毛の薄い動物、=飼い猫や飼い犬似)等が検出でき、その結果、出汁には安堵感や安心感に通じる香り、人間にとって懐かしい香りがあることがわかりました」と語りました。
 

#3: AOC Puisseguin-Saint-Emillion×金目鯛の煮付け
Château Fongaban Puisseguin-Saint-Emillion(重厚な赤)
髙橋:赤ワインと料理を合せる時には「ソース」を考えます。一例は「醤油」、醸造工程がワインと似ています。醤油のアミノ酸量にも注視すべきです。
薄口醤油は塩分が多いので発酵が抑えられ、香気成分はシンプル。濃口醤油は塩分が少ない分、発酵が進むので、いろいろな酵母が関与して特有の香気があります。たまり醤油はたんぱく質が多く、アミノ酸が増えるので、香気成分はさらに複雑になります。そこで、香りが単調な赤ワインは薄口、ミデイアムボディは濃口、フルボディはたまり醤油、これが組み合わせの王道です。

酸を好む魚、好まない魚
髙橋:料理に赤ワインを入れる場合、「酸」が入るので、主たる素材が酸を好むか、好まないかを見極わめることが大事です。金目鯛は酸を好まない魚です。まぐろの漬けですが、赤身はもともと酸を持っているので、赤ワインを入れると相乗効果で伸びが出て、味わいに広がりが出ます。

寿司飯の効果
髙橋:口内調理(素材単独でその味が強い場合、ご飯を食べることでそれを緩和させる働き)では、おかずがあって、ご飯があって、それらを口のなかで混ぜるとおいしくなります。さらに寿司飯を緩和剤にした場合は、まぐろの塩分の強いものと寿司飯を合わせた段階で、素材自体を違う味に変化させ、マイルドにしてくれます。ワインのタンニンもまぐろの味わいと酸味を合せることで、ワインが勝ってしまう部分を、寿司飯があることで緩和してくれます。

#4: AOCPessac-Leognan×マグロづけの握り
Château Haut-Vigneau(重厚な赤)
IMG
髙橋:まぐろの漬けに、たまり醤油20cc、赤ワインを2cc入れることで香りを引っ張っています。例えば、たまり醤油や白醤油等のいくつかの醤油をブレンドしてワインに合せる醤油を造り、いためた野菜も用意して、その時にワインからシャンピニオンの香りがするなら、野菜のなかにシャンピニオンを入れれば、より料理と相性が良くなります。香り成分のなかに味わいをイメージさせるものがあれば、それを足すことで確実にボルドーの赤ワインに合うと思います。


IMG_
髙橋拓児さんとヴァレリー・ラヴィーニュ=クリュエジュさん



第ニ部にはヴァレリーさん登場
IMG
ヴァレリー・ラヴィーニュ=クリュエジさんはソーヴィニヨン・ブラン(SB)に関して次のようにコメント
ヴァレリー:髙橋さんが「SBが和食に合う」と発言していたのは嬉しいことです。ボルドーで行っている香りの研究では日本人の故富永敬俊博士が尽力してくださいました。
ボルドーの白の主要品種であるSBはぶどうの実を吐き出したり、飲み込んだりした後に、香りが爆発的に出てくるので、SBを噛んだ時に、醸造家にはワインの状態が予想できます。
髙橋さんはSBを「べジタル」と表現していましたが、確かにトマトの葉のような香りがあります。高貴さには欠ける香りかもしれませんが、柑橘類やトロピカルな香りと共に、これはSBの複雑味のひとつになっています。
ボルドーの白ぶどうは3品種あり、主たるものはSBと セミヨン(SE)で、セミヨンは豊潤ですが、奥手で香りも酸も控えめです。3番目がミュスカデル(ML)です。土壌による違いで味わいも異なり、栽培場所によって個性が出ます。SB100%がないわけではありませんが、SEとの比率次第で多様なスタイルになります。


第1部の相性に関してヴァレリーさんは「私はフランス人だから」と前置きした上で、以下のように語りました。
ヴァレリー:一番目はSBを使ったワインでしたが、相性では不一致、酸を強く感じました。(※筆者もこの意見に同意)
髙橋さんは、日本では料理は料理で完成し、ワインは脇にあるわけではないが、サポート的な存在であり、料理とワインがすべて合って完璧な形と述べていました。香りの点ではそうかもしれませんが、フランスでは、〝料理がワインの価値を引き立て、ワインが料理の価値を引き立て、2つが相乗効果を出していきます。それは香りと味わいの両方でお互いの良さを引き立て合う存在〟なのです。今日はボルドーの赤も和食に合うということで、面白い経験をさせてもらいました。

2種のテイスティングワイン
#5:AOC Entre-Deux-Mers/Château Bonnet Blanc2014(さわやかな白)
ぶどう品種:SB60%、SE35%、ML5%
年間100万本、ステンレスタンクで発酵、醸造、
ヴァレリー:2014年は夏が涼しかったので酸味もアロマも豊か。SBは香りがもろいので、暑い夏には不向き。凝縮感があり、香りの主体は柑橘類の果皮やGFで、複雑味もあります。口中で新鮮味と果実感が長く残り、1杯飲んで次にまた飲みたくなる印象。良くできた白ワイン。

#6:AOC Bordeaux/Baron de Lestac Bordeaux Blanc 2013(コクのユ対ある白)
ぶどう品種:SB70%、SE30%
ヴァレリー:ネゴシアン(ワイン商)のブランドワイン。一部樽で熟成、樽由来のタンニン、豊潤なスタイル、時間の経過で香りの変化を感じます。

セミナー後、会長に伺った印象は
来日2回目のファルジュ会長は今回のマリア―ジュがお気に召したようです。特に2番目の鯖は、わさびをたっぷり入れ、海苔を巻いた試みが新鮮な印象だった由。「人間は1日に3回食事をするので〝食〟は、身近なテーマであり、どれだけでも語れるので可能性を感じます」とおっしゃっていました。


【日本での窓口・問い合わせ先】
SOPEXA JAPON 担当:鈴木 / 吉岡
Tel: 03-5789-0083 Fax: 03-5789-0087
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-12-8 3F
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月17日

ワイン造り6000年の歴史を有するレバノン ~シャトー・ミュザールの魅力を探る~

シャトー・ミュザールの沿革

画像協力:(C)シャトー・ミュザール

レバノンは南北約200km、東西約50kmの小さな国です。シャトー・ミュザール

は1930年、ガストン・ホシャールによって、シリアに接するアンチ・レバノン山脈とレバノン山脈の間のベッカー・ヴァレーに設立されました。現在のワイナリーはベイルートの隣、ガジィールに位置し、創設時に建てた施設(今は畑だけ)から40Km離れた所に移動しています。自社畑は180㌶、ミュザールという名は地名Mzarに由来。気候は大陸性で、標高は900㍍。最も高いところは3000㍍あるので、海や砂漠からの影響を遮ってくれます。

シャトー・ミュザール流テイスティングはロゼ、赤、白の順
IMG
12月初旬、4日間の日程で3代目マーク・ホシャールさんが来日。プレス3者とのアットホームな会で6種類のワインをテイスティング。薬膳中華に合わせて相性チェックしました。

基本的に白もロゼも赤ワインと同じ温度で供出。天然酵母を使い、清澄もろ過もしていないワインなので、ワイナリー側はダブルデキャンターを薦めています。

シャトー・ミュザールでは赤、白、ロゼを生産。テイスティングはロゼ、赤、白の順です。
白ワインは開くのに一番時間がかかるからなのですが、その理由は■1000年以上にわたり、レバノンで栽培されてきた土着の2品種(オバイデ、メルワー)であり、■フィロキセラ(19世紀欧州のぶどう畑を壊滅状態にさせたぶどう害虫で、畑は荒廃。その救済策はアメリカ系台木にヴィテイス・ヴィニフェラ種を接木する)の害を受けていない自根なので、パワーがあるからです。ぶどう樹の樹齢は50年~180年とのこと。ちなみに黒ぶどうの樹齢は60~70年、セカンドワインに使うぶどう樹は15年から60年になります。

昨年開催したセミナーで、2代目のセルジュさんは「赤ワイン用のぶどう樹はフランスから運び、植樹したもので、自根ではありません。たかだか100年程しか経過していないので、白ワインのほうが数倍スケールが大きいのです。収穫時期も黒ぶどうは9月、白ぶどうは10月で、オバイデやメルワーはゆっくりと熟します」と語っていました。



ホタテ貝柱と押し豆腐ちウニの柚子風味和えにシャトー・ミュザールのロゼ2008を合わせました。ロゼは土着品種のオバイデ55~65%、メルワー30~40%にサンソーを5%ブレンド。暑い日にガンガンに冷やして飲むロゼではなく、食事と合わせて楽しむ正統派。柚子とロゼの酸味がフレッシュさを際立たせ、石灰土壌由来のミネラル感、塩味が料理を引き立てていました。


菊芋の甘酢ソース、紅玉リンゴとチコリとタコのサラダ、天草大王のやわらか蒸し 北京風ピリ辛胡麻ソース。ホワイト2006はリンゴの酸と良く合い、1999は万能タイプ!
マークさんお薦めの1999に合う組み合わせは、「チーズ、フォアグラ、白身肉、甲殻類」とのこと


赤のシャトーもの『シャトー・ミュザール・レッド』はカベルネ、サンソー、カリニャン。セカンドの『ホシャ―ル・ペール・エ・フィス・レッド』にはカベルネ、サンソー、グルナッシュをブレンドしていますが、マークさんは「男性的なカベルネは骨格、カリニャンやグルナッシュは筋肉、女性的なサンソーはそれらをコーティングするスキン」とコメント

マークさんに「シャトーものにはカリニャンを使っていますが、グルナッシュよりカリニャンのほうが勝れているからですか?」と質問したところ、「単体で飲んで良くなくても、ブレンドすることで大きく変わることがあります。シャトー・ミュザールではブレンド後のハーモニーを大事にしています。ゆえにカリニャンが勝れているからということではなく、〝ベストなバランス〟を生み出すための方策です」とのお返事でした。

カベルネやローヌ系品種の導入のきっかっけは祖父がレオヴィル・バルトンと親しく、そこからカベルネを譲り受けた由。祖父は1963年に薬学を学ぶために渡仏。レバノンはボルドーより暑いので、カベルネだけでなく、ローヌ品種のカリニャンやグルナッシュも持ち込んだそうです。

シャトー・ミュザール・レッドのスタイルは3品種を3分の1ずつ使うのが黄金比率。これは2代目セルジュさんが1959年にワイナリーを引きついで、17年かけて出した結果で、1977年ヴィンテージから実践しています。
ワインは品種ごとに発酵させますが、セメントタンクで1年、その後、木樽(新樽率は白20%、赤14%)で1年、ブレンドして再度セメントタンクに戻して1年、通算3年かけた後、瓶熟5年、出荷というパターンです。

Dieu vin 神のワイン!

シャトー・ミュザール・レッド1991をテイスティングしている時に、マークさんが2日前にパリに住むレバノン人からもらったというメールを披露してくれました。メールの主は過去に飲んでインパクトを受けたベガ・シシリア1989、オーパス・ワン1990、リッジ・モンテベッロ1999、ミュザール1991を挙げた後、ミュザール1991については「dieu vin(神のワイン)」と表現。私もその形容には同意です!

良い意味で飲み手を混乱させる白ワイン
ホワイト1999は最初にシェリーのような酸化したニュアンスがあり、スワリングでバターやはちみつの要素が。グラス内での変化が顕著。口中なめらかでスムース、終始フレッシュさを持続しています。「ミュザールの白は、熟成により、マディラやジュラ地方のヴァン・ジョーヌ、さらに進むとウイスキー似の印象も」とマークさん。良い意味で飲み手を混乱させるワインです!
 
同時に供出されたシャトー・ミュザール・ホワイト2006はフラワリー、果実味、酸味豊かでハーブのニュアンスも。本領発揮までもう少し時間を要するワインです。バランスが良く、理想的な熟成状態にある1999を味わった後、2006に戻ると、若さゆえのシンプルさがよくわかります。熟成が楽しみなワインです。


レンコン・大根・クコの実・鶏肉の煮込みスープにシャトー・ミュザール1999を合わせて
シャトー・ミュザール・ホワイトの使用品種オバイデとメルワーについてワインのこころで紹介しました。葉の形状による分析は20~30年前に行い、判定結果が出ていますが、DNA鑑定はぶどうの根を提出しなければならず、検疫の煩雑さからまだ実施はしていません。



白菜と挽き肉の中華風豆乳リゾット/イチゴをのせた杏仁豆腐
胃腸の働きを促進してくれる優しい食感、白1999と合わせて


2代目セルジュ・ホシャールさんを偲んで


昨年2月にアメリカンクラブで行ったセミナーで
輸入元ジェロボームの招聘で来日したホシャール家2代目セルジュ・ホシャール(中央)さん&マークさん。同年12月31日、不慮の事故で帰らぬ人となったセルジュさんはシャトー・ミュザールのワインスタイルを確立した偉大な方でした。間もなく一周忌、こころからご冥福をお祈りいたします。

参加者からの質問にユニークな切り口で返答していたセルジュさん
〝ワインメーカーにとっての仕事はワインを造ることではなく、どのようなワインを造りたいかを見つけること〟、〝ワインは口の中で感じた味わいではなく、飲んだ後の余韻の長さが大事、ワインこそ、記憶につながる飲み物〟という言葉は、彼らしいお言葉。私のなかに刷り込まれています。


15年ほど前に2代目セルジュさんが、世界のソムリエやジャーナリストを招いて行った1959年から1981年までの垂直試飲で、「古いヴィンテージを若いヴィンテージ、若いヴィンテージを古いヴィンテージと判断する人が多かった」とマークさん。続けて、「15年から40年位の熟成期間でアロマは変化しますが、色調はほとんど変わりません。今、1959年を味わったらbabyワインと思うかもしれません」と語っていましたが、シャトー・ミュザールの摩訶不思議な点は、熟成を経れば経るほど若返っていく印象です。ブラピが演じた映画『ベンジャミン・バトン』のような若返り、そんな形容ができるワインだと思いました。

2010年からシャトー・ミュザールで活躍しているマークさん
シャトーの後継者としてますますの飛躍を期待しています。
シャトー・ミュザールに関する問合わせはジェロボーム℡03-5786-3280まで
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月08日

シャトー・アンジェリュス オーナー就任30周年記念テイスティング&ランチ

シャトー経営とワイン造りの両立
1988年から交流がある田崎真也さんとシャトー・アンジェリュス(以後アンジェリュス)のユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレ当主。ユベールさんは4年ぶりの来日でした。11月26日、つきぢ田村で行ったプレスセミナー&ランチでは、1985年ヴィンテージからワイン造りに携わってきたユベールさんから、記念すべき30回目の2014年ヴィンテージについての話がありました。


落ち着いたたたずまい
一歩なかに入ると心地良いお香、なんとエレベーター上部には可愛い匂い袋が!


ふくろうの存在感、雰囲気あるお部屋


アンジェリュスのアイコンは鐘、26ヵ月かけたリニューアルも完了

ボルドー右岸サン・テミリオンに位置するシャトー・アンジェリュス。1985年当時の格付けはグラン・クリュ・クラッセ、1996年にプルミエ・グラン・クリュ・クラッセBになり、2012年に晴れてプルミエ・グラン・クリュ・クラッセA に昇格しました。
シャトーはブアール家が1782年から経営に携わっていて、当主のユベールさんは7代目。経営面だけでなく、ボルドー大学でエミール・ペイノー教授を師として醸造学を学びました。2012年に娘のステファニーさんが8代目を継承、活動しています。


2014年は〝アンディアン〟と命名

ユベール:シャトー経営をしながら家族でワイン造りをしているのはボルドーでも少なく、特にAのなかで家族一丸となって行っているところは非常に少ないです。30回目の2014年はまだ樽の中なので、試飲することはできませんが、日本で30周年を祝いたいと思っています。アンジェリュスの各収穫年にはそれぞれに、その年を象徴する名が付いています。2014年はインデアンサマーの暑い年だったので、〝アンディアン〟と命名しました。

供出された2007年はチャーム、2009年はバロック、2010年は豊潤、2012は一番。収穫年の特徴やその年そのものを表した〝簡潔表現〟です!


第1フライトは2012ヴィンテージの2アイテム

左から#1#2を比較
ユベール:2012年は涼しい気候で、8月下旬から天候は回復、9月は好天に恵まれた。凝縮した感じではなく、エレガント。バランスが良く調和しています。

#1:フルール・ド・ブアール2012 (ME85%、CF+CS15%)
ユベールさんが1998年に購入したラランド・ド・ポムロールのシャトー。現在、息子のマチューさんが醸造を、長女コラリーさんがセールス&PRを担当。醸造施設がモダンで100%グラビティーシステム。醸造タンクはユベールさんが考案したオリジナルで、逆三角形で上からつるしたような形状、上部の液面が広く、段々と先細りになっていることでゆっくりと抽出できるとのこと。砂利質の上に粘土が広がる典型的な土壌なので、ワインはなめらかでタンニンも繊細、チャーミング。リーズナブルなのでレストランで活用を!

#2:ル・カリヨン・ダンジェリュス2012(ME55%、CF35%、CS10%)
アンジェリュスのセカンドワイン。1987年から生産。カベルネの比率が高いので骨格しっかり。グラン・ヴァンより早めに楽しめます。生産量の比率はVTによっても異なりますが20~40%、樹齢が古いのでグラン・ヴァンに回る確率が高いとか。2012年は難しい年だったのでセカンドは30%。ちなみに2015年は80%がグラン・ヴァン、20%がセカンド

第2フライトはエレガントな2012&骨格のある2010

左から)3番目がアンジェリュス2012、同2010

グラン・ヴァン2012は昇格年であり、ステファニーさんが8代目に就任した年であり、26か月かけたイノベーションが終わった年でもあります。、加えて、シャトー創業230年の記念年です。それゆえにボトルには21.7金を使っています。シャトー・ムートン・ロートシルト2000も同じように金を使っていますが、アンジェリュスボトルは文字を刻って、そこに金を流し込み、熱をかけて固めた技術的にも時間的にも手間がかかったスペシャルボトルです。

#3:シャトー・アンジェリュス2012 (ME55%、CF45%)
ユベール:ワインは豊潤でタンニンなめらか、カシミアの感触、長い余韻。カベルネ・フランの樹齢は50~80年。カベルネ・フランは昔から使っていましたが、メルロと一緒に収穫したり、収穫するタイミングが早すぎたりしていたので、私の代になってカベルネ・フラン単独で収穫するようにしています。30年来、マサル・セレクション(青木 注:集団選抜/畑から優秀な株を複数選び、補木をとって苗をつくり、もとの畑に戻す方法)で行い、子供たち次世代に繋いでいくよう努めています。

#4:シャトー・アンジェリュス2010(ME55%、CF45%)
ユベール:グレートVT、気候的にも恵まれ、すべてが良いタイミングで終了しました。長期熟成型のワイン。2012年に比べると、もう少し待たないと飲み頃はこないと思いますが、現段階でも酸があり、バランスが取れています。


濃くて深みのある2012年ヴィンテージ


2012を初テイスティング!


昨年の8月、PR担当マネージャーのボング・グルラ・トラムさんが来日して行ったシャトー・アンジェリュス2012のお披露目会

。シャトーやワインについての説明を載せています。ご参考になれば幸いです。


ランチでは3アイテムを

凛として


毎回感心しております、田村隆さんのメニュー

会場には前日(25日)の日本代表選考会

で優勝した森 覚ソムリエ、同アジア・アセアニア代表の石田博ソムリエ、エスキスの若林英司ソムリエ等、日本を代表するソムリエ諸氏が! 私のお隣はアジア・アセアニア大会に出場したトゥールダルジャンの野坂昭彦ソムリエ、目の前にはアピシウスの情野博之ソムリエがいらっしゃいました。


フルール・ド・ブアール2010をサービス


前菜には#5のフルール・ド・ブアール
野坂ソムリエは相性について「柔らかいテクスチュアで、カシスやプラムのような濃密さ、スパイスや複雑さがある香り、メルロ由来の味わいで余韻も素晴らしい。前菜との相性で違和感がなかったのがサーロインのニンニク巻で、シューシーな肉の旨みと、口当たりの柔らかい赤ワインが合っていました。もろみ豆腐との組み合わせは複雑な香りやソルティなテイストが面白く、鶏チーズ焼きも違和感がなかったです」とコメント
 

造り替りは豪華な伊勢海老、海胆(ウニ)焼き ブロッコリー
#6:シャトー・アンジェリュス2007(ME62%、CF38%)と合わせて

海胆とのマリージュでは生臭さもなく好印象。ユベールさんの簡潔表現〝チャーム〟の通り、2007年VTには柔らかさやふくよかさが備わっています。酸との相性に関して、「海胆にレモンを加えることで酸が旨みを引き出してくれます」と森ソムリエがコメントしていました。2007年にはフレッシュさもありました。


温物は南瓜万頭、鶏丸、モッツアレラチーズ、べっ甲あん


#7:シャトー・アンジェリュス2009 (ME60%、CF40%)


焼物は本鮪大トロ 炭火焼 炒め玉葱、しし唐、みぞれ酢を2009と合わせて

相性について、森ソムリエは「まぐろの脂の部分の芳醇な味わいと炭火焼の香ばしさが熟成したワインの香ばしさと良く合い、玉ねぎが入ることで土っぽさが加わりました。また、ししとうはベジタルなアクセントで、フレッシュな印象を与えていました。ただ、個人的にはみぞれ酢(大根のソース)を使うなら2007年のほうが合うと感じました」と。また、発展的な意見として「2009年VTにはエキゾチックとかオリエンタルという印象があるとユベールさんがおっしゃっていたので、ワインが好きな人に出すのであれば、カレーパウダーやお塩、モミジおろしの活用も。カレーパウダーの風味は2009年のオリエンタルスパイスの香りに似ています」。


刻みべったら、昆布
香物 ワイン楽京
止 焼き鱈子、茶漬、三葉 のり 山葵

情野ソムリエが、フルール・ド・ブアール2010と昆布との相性をおっしゃっていたのでトライ。昆布のヨード感が2010と合わせてナイス、納得できました。情野さん的には「アンジェリュスの2009には前菜に登場していたもろみ豆腐や渋皮栗が合いますね」と


ブアールさんと愛妻エマニュエルさん


当日の供出ワイン (左から) #1~#7

日本代表選考会でも出題されたアンジェリュス

11月25日に行われた日本代表選考会の第3ステージ
映像の問題にアンジェリュスも出ていました。

ユベールさんからのメッセージ
ユベール:今後は日本市場に焦点を絞っていく方針です。日本は成熟した市場であり、ワイン愛好家も多いです。ソムリエの質も高く、伝統を育み、繊細さや正確さを緻密に詰めていく点はアンジェリュスの哲学と合致しています。日本語表示もあるWEBもリニューアルしました。

ということなので、シャトー・アンジェリュス

のサイトをリンクしておきます。是非、チェックなさってください。

今週木曜日(10日)刊の〝ワインのこころ〟では、ユベールさんが語ってくださった007『スペクター』とシャトー・アンジェリュスについてまとめています。
[るんるん]追記(2015年12月10日) 007『スぺクター』に登場するシャトー・アンジェリュス



アンジェリュスにブログをアップした報告かたがた、聞き損なってしまった「なぜ2005年ヴィンテージ(VT)を選択したのか」についてもメールに書いて送りました。昨夜、PR担当マネージャーのボングさんから以下のお返事が!
The Broccoli/Wilson family has very high end tastes and wished to have one of the most spectacular and finest vintages produced.
The choice has therefore been 2005.
最も人を惹きつける素晴らしいVTのひとつだからというのがその理由のようですが、ユベールさんが今まで造ってきた30VT(30番目は樽の中)のなかでも、2005年は〝伝説のVT〟と呼ばれているワインのひとつ。
超一流を好むジェームズ・ボンドにぴったりです!

posted by fumiko at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月21日

濃密でエレガントな2015年産ボジョレー・ヌーヴォー

18日のシャンパン編講座の後は、ボジョレー・ヌーヴォー(BN)のカウント・ダウンへ!
今年の会場は渋谷・宮益バール&ダイン、主催は輸入元のサントリーワインインターナショナル


一代でBNを世界的に知らしめた〝ボジョレーの帝王〟ジョルジュ・デュブッフさんが来日して、日本でお祝いをしています。デュブッフさんは今年82歳! 
毎年ヌーヴォーの解禁日にデュブッフさんと再会できることを楽しみにしている私です。

ワイン造りの人生のなかで記憶に残る最高のヴィンテージ
.jpg

2015年ヴィンテージ(VT)について、「早い収穫(8月24日開始)で、夏の記録的な日照度と少ない降雨で完璧なぶどうが穫れました。完璧さはいつもとは違うワン・ランクの上の最高のものです」とデュブッフさんがコメントしていたので、0時が楽しみ・・・

.jpg
カウント・ダウン用の時計も準備完了!

.jpg

山崎雄嗣代表取締役社長の発案で、今回はパリのテロ犠牲者を思い、黙禱からスタート
「会の開催について再検討しましたが、普段の暮らしを止めるべきではない。また素晴らしい出来のBNを楽しむことはフランスを応援することにもつながると考え、予定通り、皆さんとBNの解禁を祝いたいと思います。そのような主旨なので、後ほど杯をあげさせていただきますが、乾杯ではなく〝献杯〟で」とあいさつ。
ちなみにデュブッフのBNは前年を7%上回る78,000ケースの注文を受け、すでに出荷を完了しました。

jpg
19日0時に開栓! 
ジョルジュ・デュブッフさん(右)と輸出部長のアドリアン・デュブッフ・ラコンブさん


.jpg
愛すべきBNを手に笑顔のデュブッフさん

デュブッフさんは「ぶどうは黒い色で、小さくまるくふっくらとしていました。最高に素晴らしいVTです。毎年毎日多くの分析、試飲を重ね、BN、BVNを造り上げています。2015年は私の人生のなかで最高の部類に入ります。ガーネットがかった深い色、香りはカシス、ブラックベリー、ブルーベリーのような黒い果実、口に入れるとまろやかで風味豊か、リッチで広がりがあり、滑らかでシルキーです。後味が素晴らしく残り、食欲をそそるワインです。2015年VTの質は今までになかった印象で、私は頂上に到達したと感じています」はコメントしていましたが、帝王の言葉は、そのまま、グラスのなかのワインに反映していると感じました。

jpg
『リヨン・ボジョレー・ヌーヴォー ワインコンクール2015』で最高金賞を受賞したBVN

jpg
マイベストはBVNセレクション・プリュス、深みがあり、バランス良!
『リヨン・ボジョレー・ヌーヴォー ワインコンクール2015』で金賞受賞ワイン

.jpg
お孫さんのアドリアンさんとは数回お目にかかっていますが、今年は一段と成長した感じ!


オエノングループのボジョレ・ヌーヴォー・コレクション
IMG
昨年に続き、会場は帝国ホテル
ロビーには素敵な秋の花々、風情があります!

.jpg
全ラインナップ!

jpg
収穫日9月1日を記載した『モメサン・ボジョレ・ヌーヴォー〝ヴァンダンジュ〟(3,500円税別)』
同社のトップレンジ、シリアルナンバー付の限定品、お薦めです!


.jpg
笑顔での接客、好印象

pg
やや甘口のスパークリング
ワイン入門者に馴染んでもらえる味わい『レッド・フィズ・ヌーヴォー』

jpg
豊かな果実味、ガメ種の特徴を反映したドミニク・ローランのBVN


.jpg
帝国ホテル自慢の料理と合わせて


ドミニク・ローランが手掛けるクレマン・ド・ブルゴーニュ(3,000円税別)
10月のシャンパン講座で供出したばかり、樽の使い方絶妙な泡もの、魚介類に合わせて


日比谷を抜けてメルシャン・日本リカー合同利き酒会へ
.jpg
この時期の銀座・日比谷界隈はイルミネーションも魅力

jpg
ボージョレを中心にしたメルシャン

、日本リカー、ヴィノスやまざきのラインナップ@品川プリンスホテル

jpg
インタヴューを受ける横山清メルシャン株式会社代表取締役社長・CEO


横山社長は冒頭のあいさつで、「今年のBNは暑い夏のお陰で良いものができました。数量的には昔のような大きなボリュームではなくなっていますが、日本市場にとってBNはワインに親しんでもらうための大事なイベントです。ワイン市場全体を見ると5年連続伸びていますが、過去2年は過去最高を達成しています。ワイン市場はまだ伸びると見込んでいます。

弊社はほぼ前年並みです。特筆すべき点はチリワインの伸びで、いまや輸入ワインNo1の地位になるかもしれないという勢いです。弊社ではコンチャ・イ・トロのフロンテラやサンライズが順調で、日本ワインも消費者に評価され伸びています」とトータルに言及しました。
なお、今回の利き酒会で、横山社長はテロの被害を受けたフランスに弔意を表し、テロに屈しない同国の勇気をたたえ、一緒に応援して行こうという意味を込めて〝Vive la France(フランス万歳)!〟を唱和し、杯をあげました。


jpg
『リヨン・ボジョレー・ヌーヴォー ワインコンクール2015』で金賞を受賞した凝縮感のあるアルべール・ビショーの『ボージョレ・ヴィラージュ シャトー・ド・ヴァレンヌ(3,400円税別)』


jpg
マイベストはルイ・ジャドの『ボージョレ・ヴィラージュ プリムール・ノンフィルター(3,800円税別)』
フィルターでろ過しないで瓶詰め、ぶどうの旨味を生かしたスタイル

素敵なクリスマスリースのプレゼント
jpg
シャンパン講座を受講中の素敵なメンバーから手作りのクリスマスリースのプレゼントが!私をイメージして作ってくださったとのお言葉に感激!
カウントダウンでサントリーから頂戴したジョルジュ・デュブッフのBNと合わせて記念画像、ゆりさん、ありがとうございました!!

日本は3連休なので、休暇中にボジョレー・ヌーヴォーを楽しむ方もいらっしゃると思います。
おすすめのボジョレー・ヌーヴォーが何らかのヒントになれば幸いです。
このブログでは輸入元による「ボジョレー」、「ボジョレ」、「ボージョレ」の3表記で記述しています
posted by fumiko at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月04日

~序章~ 南アフリカワイン探究と3年に一度開催の展示会『Cape Wine2015』

jpg
私にとって初めての南アフリカ取材、直行便はないので、エミレーツの真夜中(0:30)羽田発ドバイ経由ケープタウン行きで向かいました。


WOSA(南アフリカワイン協会)から、9月15日~17日に開催する『Cape Wine2015』@ケープタウンとその前後に行うイベントへの招待が届いたのが5月末。内容盛りだくさんで、そのなかから興味惹かれる対象を選んで自分スタイルの予定表ができました。WOSAにはアジア、カナダ&USA、ドイツ等、各エリア担当がいます。才女ばかりなので、すべてに安心できました。

20時間超のフライトでケープタウンへ
jpg
羽田からドバイまで約11時間


ドバイからケープタウンまで約10時間、トランジットは2時間。
ドバイでの動きもスムースだったので通勤電車気分、思っていたより疲れていない自分に安堵

ケープタウンにあるGold Restaurant

でアフリカを味わう

.jpg
ジャンベ大好き、本場の音に感激!

.jpg
激しい踊りでも頭上のカゴは全然動きません~フェイスペイントにも注目

IMGjpg
南アフリカ風ドーナツと胡麻団子風メニュー、味覚的になじめたのは胡麻タイプ

IMG.jpg
ユニークなジャンベの山、実は我が家にもジャンべが!

ウォーターフロントのヴィクトリア・ワーフ・ショッピングセンターで
jpg
ショッピングセンターのテラスからの眺め
飲食店街にあるはずの中華料理店がない! ホテルのそばの中華店も閉鎖、中国資本の撤退!?

.jpg
ワインの品揃えは豊富

IMG.jpg
キラキラボトル、イタリアのボッテガも並んでいました。

Hike up Table Mountain
.jpg
Cape Wine 2015が終わった翌日はテーブルマウンテンに。ケーブルカーで山頂に行く予定が・・・ムムム、風の影響で運行ならず。テーブルマウンテン国立公園のなかの植物園を散策、ここには世界中の花があるそうです!

jpg
自然の景観にぴったりの吊り橋

新参者のゼブラが

ドバイ国際空港の広さ、解放感、イイですね。

jpg
1週間の日程無事完了、帰路

.jpg

.jpg
南アフリカでゼブラと対面したかったのですが、ご縁がなくて・・・
ということで、ゼブラ好きの私が我が家のゼブラコレクションに加えたのが紙粘土のこの子
可愛い新参者!

IMG
10月1日付のワインのこころ

で、南アが誇るぶどう品種ピノタージュと素晴らしい生産者カノンコップについて紹介しました。
この序章のあとは現地のワイン情報を発信していきます。
posted by fumiko at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月05日

Asia Wine Trophy2015@ Daejeon と韓流おもてなしの4日間

アジアワイントロフィーには世界29ヶ国から3663のエントリー
IMG_3805jpg
8月29日から9月1日まで韓国のテジョンでAsia Wine Trophy 2015(AWT)

が開催されました。AWTはアジア最大の出展数を誇る品評会で、3回目となる今回は世界29ヶ国から3663のエントリーがありました。

韓流おもてなしのウェルカムディナー
IMG_3663jpg
品評会前夜の懇親会のワインたち

IMG_3664.jpg
お寿司も!

IMG_3665jpg
ワインライタ―のデニス・ギャスティン(豪)さんとも再会!

.jpg
美しい韓国舞踊

.jpg
クジャクのような

.jpg
初めて試飲した韓国のロゼワインはマスカット・ベイリーAとキャンベル・アーリーのブレンド


20ヶ国117名の審査員が一同に会して
.jpg
国旗の掲揚も

.jpg
審査手順説明後、各グループごとに審査開始

.jpg
丁寧なサービス

.jpg.jpg
午前中のフライト後、ランチタイム
ご飯をスープに入れて食べるGal Bi Tangで、カルビはあのカルビ、タングはスープの意味


コンフェランスでは中国ワインやモルドバワインセミナーも
jpg
変化著しい中国ワイン

.jpg
ワイン造りの歴史があるモルドバワインに興味津々


.jpg
空気が澄んでいるので夜景も一段ときれい!

jpg
日本人メンバーとの打ち上げ時、韓国のフレンドリーな仲間からシャンパンの差し入れが


テジョン市あげての素敵なアトラクション
.jpg
テジョン・エキスポ科学公園にあるシンボルタワー

.jpg
AWTのために用意された花火のような噴水

.jpg
色彩、仕掛けもお見事

jpg
日本人メンバーとの打ち上げ時、韓国のフレンドリーな仲間からシャンパンの差し入れが!

感謝を込めて
終日拘束されず、4日間(1日50~60)で約200アイテムの試飲は集中力維持の点でGood

IMG_9264_edited-4.jpg

.jpg
私のグループはドイツ人2名(リーダー含)と韓国人3名の計6名

.jpg
AWTの受賞ワインには上記のロゴが添付されています。

[プレゼント]ワインのこころでも紹介しました。
http://www.sankei.com/life/news/150910/lif1509100017-n1.html

このブログは南アフリカから戻って、韓国での出来事を思い出しながら再作成しました。
理由は・・・ソネ・ブロ開始以来、初のアンビリーバブル状態!
9月14日に南アでテタンジェの記事をアップしたら、5日付の韓国記事が突然消え、その本文部分にテタンジェの記事が入ってしまったからです。
不思議なことに、韓国の記事をアップした5日にさかのぼって記事を作成したら、「閲覧数」、「いいね!」の数は残っていて、きちんと表示されています。なぜ、このような事態になったのか・・・わかりません。
ソネ・ブロ内の画像とtwitterが記憶の助っ人役をしてくれました、Twitter! Love!!
posted by fumiko at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月15日

Portugal Wine Renaissance


(C) Wines of Portugal
ヨーロッパ南西の端、大西洋に面した位置にあるポルトガル。歴史あるワイン産地が、変化のうねりのなかにいます。ただし、ポルトガルは国際品種にフォーカスしていくのではなく、土地の個性を反映した固有品種(250種以上)を使ったワイン造りに注力しているのが興味深い点です。

今回のポルトガル取材ではドウロ川上流にあるポルト&ドウロ、そこからダン(地図はダォン表記)、さらにバイラーダ。リスボンに戻って、注目の産地アレンテージョに。1週間で連泊なしの日程でした!

到着日はバカリャウとエスプマンテ
jpg
到着日、宿泊先のホテル『テアトロ』で、ワインズ・オブ・ポルトガルのエリア・マネージャー、フィリパ・アヌンシアソさんと待ち合わせ。ポルトの中心街にあるこのホテルは1859年には劇場でしたが、2010年にホテルとして再生しました。

IMG_1836.JPG
ホテル内のレストラン『パルコ』では、ウェルカム・ドリンクがエスプマンテ(ポルトガルの瓶内二次発酵のスパークリングワイン)。ポルトガルで最初に飲むワインが泡ものだったので大いに癒されました。

2本ともぶどう品種は小粒で果皮が厚い黒ぶどうのBaga(バガ)100%、バガは初めての体験でした! 産地はバイラーダ(ダンと大西洋岸の間にある農業地帯)。左の(1)マルケス・デ・マリアルヴァ2011は口開けにピッタリのブラン・ド・ノワール。爽快でオイリーな味わい。(2)キンタ・ド・オルティガウン2011は(1)より色も濃く、ドライな口当たり、若干埃っぽいニュアンス。

IMG
ポルトガルの名物料理バカリャウ(干し鱈)
「ポルトガルは魚がとても大事です。鱈はノルウェーから輸入しています」とフィリパさん。口中をきれいに洗い流してくれる酸が好印象の(1)にバカリャウは良く合っていました。
フィリパさんから、「ワイン市場として大事な国は、アメリカ、カナダ、日本」とのお話も伺いました。

取材1日目はポートの故郷から
jpg
英国人が愛して世界に広めた酒精強化ワイン
ドウロ川沿岸には日本でも良く知られたシッパー(商社)名が

.jpg
ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤのポート・ロッジの前を航行する観光船

IMG
ポートの取材は1790年創業のサンデマンでした。同社はポルトガル(ポート)とスペイン(シェリー)でワインを生産しています。黒マントと幅広帽子のアイコン〝ドン〟は、ポルトガルの名門コインブラ大学の制服の〝黒いマント〟と、スペイン・アンダルシアの〝ソンブレロ〟を表現したキャラクターです。


現当主7代目はきりりとした紳士ジョージ T.D. サンデマンさん

2001年9月11日、私はスペイン・へレスのサンデマンを取材中でした。その時届いたニュースがアメリカの同時多発テロ。翌日厳戒態勢の空港から無事帰路につくことができましたが、サンデマンさんは同年同日、ドウロでアメリカからの来訪者の接客をなさっていた由。3人のお子さんはNYに滞在中だったそうで、「とても心配した」とおっしゃっていました。私にとってスペインのサンデマンは忘れられない場所になっています。


このボックス・ボイテルの瓶型に見覚えはありませんか? 
ポルトガルを代表するベストセラーワイン 微発泡の『マテウス・ロゼ(ドザージュ14g/L)』です。昔より、甘さは控えめになっています。生みの親は同国のトップリーダー ソグラペ社で秀逸な企業を傘下におさめています。サンデマンも2002年からソグラペ・グループの一員です。

IMG
サンデマンが数世代にわたって収集した英国におけるボトルの一部、形状の変遷がわかります。玉ねぎ型から、現在のような瓶型になったことで、横積みも可能になりました。


ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのサンデマン・セラーは1811年に初代が入手しました。
635㍑の樽は約5900貯蔵されているそうです。


床には石ではなく、伝統的な木片のブロックが。樽や桶を作る時の廃材利用

IMG
ドウロ川の氾濫でセラー内に浸水した日時が石壁に記されていました。

IMG
ヴィンテージポートの瓶熟庫の平均温度は16度、湿度は70度、最古のヴィンテージは1870年産です。歴史あるセラーの雰囲気はCask33のyoutubeでタイムスリップできます。


ポートワインの基本
ポートワインのべースとなるワインはドウロ渓谷のワイナリーで醸造、酒精強化させ、その後、ドウロ地方で熟成させるか、あるいはドウロ川河口のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアのロッジに運ばれ、熟成させます。ぶどう品種はトウリガ・ナショナル、トウリガ・フランカ、ティンタ・ロリス、ティンタ・バローカ、ティント・カンなど。
ルビー・ポートとトウニー・ポートに2分でき、ルビー系は若々しいルビー、良年のみのヴィンテージ、樽熟が長いレイト・ボトルド・ヴィンテージ(LBV)。トウニー系は褐色(トウニー)のポートで、樽熟により、色素が落ち、茶系になってくるので、そのように呼ばれています。


画像左からホワイト・ポート(マルヴァジア・フィナ、ヴィオシーニョ、グヴェイオなどのぶどうを使い、平均3年熟成)、ルビー・ポート、ヴィンテージ・ポート2000(ボトルの底に滓が沈殿するのでデキャンターが必要)、レイト・ボトルド・ヴィンテージ2010


トウニー10年、同20年、同30年、ゆったりとした時間の流れを感じます。英国紳士のイメージ!

マリアージュで
IMG
赤系果実&ショコラをLBV2010に合わせて楽しめました!
再訪してサンデマンのマディラも味わってみたいと思っています。

細やかなおもてなしのサンデマン当主、広報担当役員のイネスさんの迅速な対応にこころから感謝しております。ありがとうございました!




Information
お立ち寄りくださった皆さまのお蔭で、400万PV(2015年8月12日付)をクリアいたしました。感謝です[わーい(嬉しい顔)]

IMG
お祝いにいただいたショコラはAOKIつながり・・・美味でした♪

IMG
人生もこんな感じにカラフルに生きたいです!
posted by fumiko at 20:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月17日

日本で飲もう最高のワイン2015 表彰式&テイスティングパーティー@椿山荘

日本で飲もう最高のワイン(Best Available wines in Japan)2015
IMGIMG
5回目を迎え、今年は冊子もできました!

IMG
7月13日@椿山荘で開催された公開テイスティングには600名の参加があり、大盛況

表彰式で
IMG
主催者代表 藤田観光(株)の瀬川章社長(後列・左)、柳田藤寿審査員長(後列・左から4人目)、来賓『神の雫』の作者亜樹直さん(後列・左から3人目)を交えて、カテゴリー別ベストワインと国産ベストワイン(白、赤、甲州、マスカット・ベ-リーA)の各受賞者の皆さん

瀬川社長は冒頭のあいさつで 「弊社は11月7日で、創立60周年を迎えますが、その年にこの品評会も5回目を迎えることができました。第1回目のエントリー数は159本で、テイスティングパーティーの参加者は185名でした。今回は196本で600名、大きく拡大してきました。来年はさらにパワーアップして開催していきたいと思います」と述べました。

来賓の亜樹直さんは「最初に伺ったのは第2回目からですが、今日はもの凄い熱気ですね。ここでは飲んだことがないワインを飲めるのが楽しいです。5周年目の記念で抽選会もあるとのことなので、神の雫の第1巻のサイン本も用意してきました」と嬉しいあいさつ

柳田藤寿審査員長は「第2、3回は参加者が300名程度だったので、今回は倍になっています。出展ワインは年々質が上がっています。今、日本ワインの消費量は35万klで過去最高、ワインブームです。皆さんにはワインを味わって、良さを感じて欲しいです。毎年審査員も募集しています」と熱いメッセージを発信しました。


プラチナメダルから選ばれたベストワイン5アイテム
IMG
ベスト白(辛口)
ワインメーカーズ・ノート・シャルドネ2013(アンドリュー・ピース/豪州/GRN(株)1382円(税込)

IMG
ベスト白(中辛口)
コノスル・シングルヴィンヤード リースリング2013(ヴィーニャ・コノスル)/チリ/スマイル2106円(税込)

IMG
ベスト白(甘口)
マルターディンガー ムスカテラー・カビネット2012(ベルンハルト フーバー)/ドイツ/ヘレンベルガー・ホーフ 4860円(税込)

IMG
ベスト赤(ミディアムボディ)
ロバート・モンダヴィ ウッドブリッジカベルネソーヴィニヨン2013(ロバート・モンダヴィ)/アメリカ/メルシャン(株)1220円(税込)

IMG
ベスト赤(フルボディ)
ハーツ・バーン リザーヴ シラーズ(ハーツ・バーン ワインズ)/豪州/わいん蔵・南十字星 3900円(税込)

ベストワイン(ライトボディ)は該当なし

国産ベストワイン
IMG
国産(白/ 辛口)
肥後白椿 デラウェア/ デラウェア100%/ 熊本県/ 熊本ワイン(株) 1543円(税込)

IMG
国産(赤 / ミディアムボディ) およびベストマスカット・ベーリーA ダブル受賞です!
南陽ワイン2013/ マスカット・ベーリーA100%/ 山形県/ (有)佐藤ぶどう酒 1642円(税込)

IMG
ベスト甲州(辛口)
ロリアン セラーマスター甲州2014/ 甲州100%/ 山梨県/ 白百合醸造(株) 1697円(税込)


プラチナメダルの癒し系甘口
IMG_9037 .jpg
日本が誇る長野県産甘口ワイン。マンズワイン(株)の『ソラリス信濃リースリング・クリオ・エクストラクション2014』は国・内外の品評会で高評価、お薦めです!


プラチナのピノ・ノワールにフォーカス
IMG
アメリカ(カリフォルニア)のロシアンリバーの『アーサー ピノ・ノワール ロシアンリバー2013』、旨味があり、上品なセンス。輸入元アーサーセラーズ ワインブティック代表の桃井隆宏代表によると、アキコ・フリーマンさんが指導を受けていたエド・カーツマンさんがコンサルタントとのこと。「なるほど」の感あり、イイですよ!

IMG
アメリカ(カリフォルニア)、バイロン(輸入元ファインズ)の『サンタバーバラ ピノ・ノワール2012』、新世界のピノのイメージ、赤系果実たっぷり、きれいな酸、凝縮感のあるワイン


IMG
ワインライフ(株)は同品評会で毎回高評価を得ていますが、第5回のプラチナメダルはサンタリタヒルズの『シャトー・イガイタカハ コドウ(鼓動) ピノ・ノワール サンタリタヒルズ2013』
グラスに注がれてすぐにスパイス、ブラックオリーブ、グラックチェリー、シダ等のニュアンス、味わいは重厚で複雑。時間の経過でまろやかさが。ピノですがデキャンターでの一工夫も楽しいかも。長熟のピノ・ノワール!


愛好家からはプラチナ評価のレバノンワイン
IMG
シャトー・クーリ『サンフォニー2006』はシラー25%、CS25%、CF25%、メルロー25%のブレンド。専門家評価はシルバー、飲み手の好みがはっきり分かれるワイン

コストパフォーマンス最高のチリ『コンチャ・イ・トロ』
SBIMG
ゴールドメダル以上を受賞した1500円以下のワインが受賞できるコスパワイン
月によってはフランスを抜くこともあるチリワイン。低価格ワインから高級ワインまで幅広さが自慢です。名門コンチャ・イ・トロ、『フロンテラ ソーヴィニヨン・ブラン』は842円(税込)


マイベストはムスカテラー カビネット
IMG
一度テイステングをしてから最後に再度トライ。優しく包み込んでくれるようなドイツの甘口ワイン。お節の黒豆や数の子(挑戦させてみたいです!)との相性を診てみたくなりました!
余談ですが、フーバーが造るシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)は秀逸ですよ

ゴールドメダルでの好みは
IMG
アメリカ(ワシントン州)、『エロイカ リースリング2013』は極めてエレガント、いつ飲んでも裏切られることがない酒質の上質感が好きです。



今回のテイスティングパーティーでは受賞ワイン

157本が並べられました。ブログでは一部しか紹介できておりませんので、是非、リストのチェック、よろしくお願いします。

参加者の皆さまは料理を楽しみながら、ワインを試飲なさっていました。満足顔の方が多くいらっしゃったので、成功裏に終わったと思っています。

私は第1回から第3回まで審査に関わらせていただき、1年のお休み後、今年再度審査を担当させていただきました。『日本で飲もう最高のワイン』の審査が好きな理由は、初日に全アイテムをテイスティングして評価できることです。そして、2日目に基準点以上のワインを再テイスティングして受賞ワインを決定します。瀬川社長がおっしゃっていたように、来年は、よりパワーアップしていくと確信しています。
ワインラバーの皆さまの注目度がさらに増大することをこころから願っています。

『日本で飲もう最高のワイン2015』の主催者瀬川社長はじめ、スタッフの皆さま、柳田審査員長、有坂アドバイザー&岡コーディネーター、専門審査員の皆さま、大変お世話になりました。
ありがとうございました!!
posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月06日

温故知新のポルトガル、14ワイナリーのご紹介から

Wines of Portugal

のお招きで、6月28日から7月5日(戻り)までポルトガルワインの取材をしてきました。日中は35度前後、1日だけ40度超えもあり、暑々でしたが、ドライな空気と青空は心地良く、しばし、梅雨時の日本を忘れることができました。ポルトガルの皆さんのフレンドリーさも心に深く残りました。 oburigada(オブリガーダ) 、ありがとう!

初日29日はポートの名門『サンデマン』から
jpg
ポート・ロッジが並ぶヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤからドウロ川の対岸オポルトを臨む光景

jpg
サンデマンは2002年にソグラペ(ボックスボイテル型のマテウス・ロゼで有名)の傘下に

IMG_8469
接客してくださった長身の紳士サンデマンの7代目ジョージ T. D.サンデマン取締役


ドウロの『オルタ・オゾリオ・ワインズ』ではハウスヴィンテージポート1930が登場
JPG
ファミリー経営のオルタ・オゾリオ・ワインズは日本でのインポーターを探しています。
同社の看板ワイン、中央の『アチャド2012(トウリガ・フランカ70%、ソウサン20%、トウリガ・ナショナル10%)』はSAKURA2015でGoldメダルを受賞。明日7日開催予定のポルトガルワイン試飲会@八芳園には顧問のジョアンさん(後列左)も参加します。

現地でのディナーでは、ジョゼ取締役会長(前列中央)の誕生年1930年のポート(画像左)も登場、ボトルから85年の歴史を感じました!
ワインズ・オブ・ポルトガルのエリアマネージャー、チャーミングなフィリパ・アヌンシアソさん(右)


30日は作家壇一雄が愛したダン地域
IMG_8555
『ヴィーニョス・デ・ダレイ』のジョゼ&カルロス親子

IMG_8584
ジョゼさんの名を冠したトップレンジ『ジョゼ(右端)』はスパイシーで凝縮感のあるワイン


コンクリート・ラガール(ポルトガル独自の発酵用容器、上部表面は常時オープン)
「仕込み時、ラガールのなかで仲間と踊ったり、歌ったりして、ぶどうを足で踏み、色を出していきます」とカルロスさん


『マグナム・ヴィーニョス』は3人の仲間で立ち上げた3ブランド
IMG
訪問したワイナリーのなかで、発酵用の樽庫の温度・湿度が高く、汗だく。
それがワイン造りの流儀とのことでしたが。


国際コンクールでも高評価の『キンタ・ドス・ロケス』
IMG
何度も日本に来日している当主ローレンソさんと妻マリア・ルイーザさん。気品のある母上は82歳とか。輸入元は木下インターナショナル


訪問3日目は元気パワーのオーナー、カルロスさんの『カンポラルゴ』
IMG
カルロスさん自慢のワイナリーは2004年秋に完成、スパークリングから気になるプティ・ヴェルドまでをテイスティング


ファミリー経営の『カーザ・サントス・リマ』は40か国以上に輸出IMG
中央は管理者のジョゼさん、マーケティングのサルバドールさん(左)。明日八芳園で行われる試飲会にはディレクターのリカルドさん(画像右)も出席なさるそうです!

IMG
2時間で醸造所視察、画像のワインを全テイスティング。ユニークなラベル、多彩なアイテム!


『コンパニーア・ダス・キンタス』のエコ対策

コルクの国ポルトガルで初めて見たビー・ワックス(ミツバチのオイル)のコルク!
「ソフトな触感はシリコン仕上げのように固くなく、自然に優しい」とシニア・ワインメーカーのフレデリコさん

自然に配慮したワイナリー&ミシュランガイドにも載っているレストラン
/
『エスポラン』(三国ワイン扱い)で12年活躍している女性醸造家サンドラさん
『モンテ・ヴェーリョ』の赤も白も20種(主要は3~4)のぶどうを使ったワイン。フードフレンドリーでとても良いです。サンドラさんは8月にはママに \(^o^)/
併設のレストランでは25歳のシェフが腕を奮っています。供出されたオリーブオイルやパンにもこだわりがあり好感度大。リスボンから車で1時間足らずの超おすすめワイナリー! 

IMG_8745
エコシステムを利用した改装したばかりの醸造所には大理石のラガールが。石の冷たさがワインの発酵にはとてもよいとのこと。


ワイナリー内にはクラシックカーの展示『モンテ・ダ・ラバスケイラ』
IMG
『モンテ・ダ・ラバスケイラ レゼルバ・レッド2012』はSAKURA2015でシルバーを受賞、輸入元は荒井商事。トレード・マネージャーのフランシスコさんの案内で、コルク樫や工程途中のコルクを見学できました。


国・内外のコンクールで受賞実績あるワイナリー
IMG.jpg
『アントニオ・マヌエル・ランカ・エルダデ・グランデ』では、低価格レンジのワインの質感にびっくり
高級レンジはバランスが良く、オリーブオイルも気に入りました!


スパのあるホテル建設の着工もまじかな『アシエンダ・ブランカ』
IMG
ワインメーカーのリカルドさん
今年で6年勤務の32歳で、それ以前は豪州やNZでワイン造りを体験


IMG
エステート・マネージャーのヘレナさんの車でぶどう畑を視察

新装したばかりのワイナリー『エルメリンダ・フレイタス』
IMG
「女系家族なんです」と後継者のジョアナさん(
ワインの説明はクオリティー・マネージャーのアナさん
シャンパン製法のスパークリングにも力を入れています。


最後の晩餐はスパークリング・ワインから
IMG_8927
最終日のディナーはリスボンから車で2時間弱の所にあるレストラン『ヴィクター・カルロ』へ。大西洋を眺めながらのお洒落な空間で、『ルソヴィニィ』の輸出担当マネージャー、ヌーノ・フェルナンデスさんと5種のワインをテイスティング


暑くてもネクタイ着用のビトーさんIMG
空港でのお迎えから最終日まで丁寧な接客マナーで対応してくれたビトーさん
ドウロからダン、バイラーダ、セトゥーバル、アレンテージョ、リスボンと連日移動移動の長旅でしたが、体への負担がなかったのはベンツのシートを含むすべてが快適だったからだと思います。


ワインズ・オブ・ポルトガルに感謝を込めて

Photo by Filipa san

『エスポラン』からもらった麦わら帽子着用での2ショット
今回のプレスツアーはワインジャ-ナリストの山本昭彦さんと私の2名で、ワインズ・オブ・ポルトガルのフィリパさん(日本、カナダ、米国担当)がすべてをコーディネートしてくださいました。
細やかなご配慮、ありがとうございました!


5日間で14ワイナリーの関係者とお目にかかりました。
これから、新聞、ワイン情報誌、ブログ等に詳細をまとめていきます。アルコール強化ワイン(ポートやマディラ)の印象が強かったポルトガルですが、近年、大きく変化しています。スティルワインの素晴らしさをお伝えしなければ! 
明日は現地でお会いしたワイン関係者数名と再会できそうです!
posted by fumiko at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月05日

プロローグ ~変化するドイツ、若手の台頭にフォーカス~

IMG_7924.jpg
ロゴにある13色のぶどうはドイツの13限定生産地を表現しています。

IMG_9893 .jpg
4月下旬からドイツワインインスティテュート(DWI) のプレスツアーで、PfalzファルツとBadenバーデンへ!
2日に無事帰還しましたが、渡独前のリポート積み残しもあり、連休中は残務整理状態
ブログにお立ち寄りくださった皆さま、の~んびり、お付き合いいただけましたら幸いです。
来週の産経EXからドイツ報告をアップしていきますので、今回は取材の流れをさらりと

.jpg
初日はマインツで開催されていたVDPのワイン展示会へ
VDPはドイツ・プレディカーツワイン生産者協会のことで、会員はドイツのワイン法よりも厳格な規定に従ってワインを生産。会員になっている醸造所は定期的にチェックを受けています。

今回はドイツで頑張る若い世代にフォーカス、そのひとつがジェネレーションリースリング


IMG_7918 .jpg
ドイツ全州が対象、組織名はリースリングでも栽培品種はリースリング、シュペートブルグンダー、ヴァイスブルグンダー等のドイツ品種、国際品種のCHやSB等にも取り組んでいます。参加資格は35歳以下。
10年前、英国でのプレゼンからスタートし、その後、ストックホルム、オスロ、NY、日本でも実施。発足当時50~60名だった会員も現在では400名。活動の中心はドイツで、年間6回ほど国内でのプレゼンを行っているそうです。ファルツで出会った若い醸造家たちからドイツの〝新たなうねり〟を感じました。

IMG_7910.jpg
ジェネレーションピノ

はジェネレーションリースリングに触発され、バーデンで結成された団体。参加資格は40歳以下。栽培品種はピノ系のピノ・ノワール(ドイツではシュペートブルグンダー)、ピノ・ブラン(ヴァイスブルグンダー)、ピノ・グリ(グラウブルグンダー)、シャルドネやオクセロワ等


食の話題では
IMG_7822 .jpg
今が旬のホワイトアスパラガス、大好きです!
訪問先のランチあるいはディナーの必須アイテムでした、ラッキー

.jpg
[プレゼント]gillmanさんのリクエストにお応えして、ホワイトアスパラガスのスープもアップ! 
私は到着日のディナーで飲んで、大いに癒されました。

IMG_7867 .jpg
ドイツではホワイトアスパラとシルヴァーナーの組み合わせが定番。滞在中、そのマリアージュは体験できなかったのですが、バーデンの『ティーエイジ ドリームズ』でご馳走になった〝ホワイトアスパラのスープ〟と〝バルサミコで和えたサラダ仕立てのホワイトアスパラ〟に合わせたグートエーデル2012がナイスな相性。ジェネレーションピノのメンバーであるワインメーカーのフェリックス・シェラーさん一押しのマリアージュに私も激同でした!

グートエーデルは隣国スイスではシャスラ。個人的にオーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナーとスイスのシャスラは和食に合うと言い続けてきているので、今回、バーデンで味わったグートエーデルも、もちろん、和食と相性が良いと実感しました!

.jpg
初見、グートエーデルの新葉
他の品種と違い茶色っぽいのが特徴とのこと

IMG_7827jpg
蛇足ですが、アスパラと並ぶ定番はイチゴ、甘みがあり美味

.jpg
抜けるような青空のもと、バーデンのぶどう畑はとても健康的

.jpg
ドイツの空気感が画像を通してお伝えできれば嬉しいです。
では!!
posted by fumiko at 22:23| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月02日

ファインズ主催 東関東大震災復興支援チャリティ試飲会がらみの3日間

今回で5回目となるチャリティ試飲会のタイトルは 伝統を綴る ~巨匠たちの共演~ 名目通りの素晴らしい方々が来日しました!

東関東大震災復興支援の収益金は2,401,000円
チャリティ試飲会

の入場料(チケット)、有料試飲、有料セミナーの収益金は2,401,000円となりました。全額Civic Forceに寄付され、東関東大震災の復興支援に活用されます。(ファインズ様からの報告)

1日目は得意先向けの試飲会@ 青山ダイヤモンドホール
.jpg
ファインズの中西社長(前列最右)と来日メンバー

.jpgIMG_8945 .jpg
(左)アンリオ社のトマ・アンリオ社長も来日
キュヴェプレステージのアンシシャンテルール1998

は抜群の旨さ、後ろ髪惹かれる味わい!
(右)私のお気に入り『Cask23』のワイナリー、カリフォルニアのスタッグス・リープ・ワイン・セラーズからは醸造責任者マーカス・ノタロさん

IMG_8916.jpg
ボルドー右岸からの初挑戦、フレンドリーで飲み飽きしない赤ワイン!

IMG_8947.jpg
レ ペルゴーレ トルテ2011(参考上代15,000円・税抜)の扱いも始まるのですね
ラベルも含めてとても好きです!

試飲会内のセミナーはクリストフ・サランCEOが講師
ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(DBR:ラフィットグループ)について
1200㌶の畑を所有、年間1200万本の高級ワインを生産・販売。自社生産の樽工場で2000以上の樽を生産。世界80社に輸出(日本はサントリー、ファインズ)、日本はトップ10の1つ。
沿革は1868年ジェームス・マイヤー・ロートシルトがシャトーを取得。以降5世代にわたって継承。偉大なワインを造るには〝時間が必要〟、一世代25年としても100年以上の歴史があり、ぶどう畑の樹齢も同様に時を重ねています。それが今のラフットの基盤になっています。

ラフィットグループ発展の第一段階:ボルドーの格付シャトー
IMG.jpg
ボルドーにあるシャトーで、醸造責任者はシャルル・シュヴァリエさん
■1868年 シャトー・ラフィット・ロートシルト
■1962年 シャトー・デュアール・ミロン (ラフィットに隣接)
■1984年 甘口のソーテルヌが好きだっのでシャトー・リューセックを購入
■1990年 ワインの幅を広げる意味でボルドー右岸(ポムロ-ル)のシャトー・レヴァンジルを購入

発展の第二段階:ボルドー以外の地でのワイン造りの開始
IMG_7375 .jpg
ドメーヌと呼んでいる第2グループで、醸造責任者はエリック・コレールさん
■1988年 ヴィーニャ・ロス・ヴァスコス(チリ)  
チリ・サンチャゴの南西コルチャグアヴァレーに600㌶の土地を所有。当初は木桶(ラウリ)でのワイン造りでしたが、それを廃止、近代的なワイン産地になるようなアドヴァイスを行っていきました。

■1998年 ボデガス・カロ(アルゼンチン) 
カテナ家とラフィットのジョイントヴェンチャー。カテナのオーナーは「アルゼンチンで最高のCSを造りたい」と主張。サランCEOは「アルゼンチンで最高のマルベックを造りたい」と主張。結果、2つの文化、2つの家系、2つのぶどう品種を融合したカロが誕生

■2000年 ドメーヌ・ド・オーシエール(仏コルビエール、ラングドック)
ローマ時代からワイン造りを行っていた土地、コンセプトはニューワールドのワインを旧ワールドで造る。シラーを使ったワイン造りが1つの目的。2001年にすべてのぶどう樹を植え替え、2004年に再植樹。ワインは3分の2がAC、3分に1がヴァンドペイドック

■2008年 DBR-CITIC Wine Estate (中国・山東省) 
深部までのボーリング調査で土壌分析を行い、適地適種としてカベルネ・ソーヴィニヨンとシラーを選択。2009年に初植樹、2013年初収穫、2014年にも収穫できましたが、醸造施設も十分整っていないので、ラフィットのエレガンスを表現するには至っていない由。近年、マルスラン(グルナッシュ・ノワール×CS)も植樹、現在進行中のプロジェクト。中国では投資のためだったワイン買いも、昨今では飲むためのワインに変化しているようで、サランさんは「真の消費者を得ており、ワイン教育も盛んで、それは20年前の日本のようです」と語っていました。

2014年に日本のサントリー山梨の登美の丘ワイナリーとラフィットとのジョイントで、デュオダミ(ボルドーブレンド)を発売、年間1200本の希少ワイン
 
第3段階はボルドーコレクションの生産
IMG_7377.jpg
1955年に生産開始、醸造責任者はディアンヌ・フラマン女史、コンセプトは日常楽しめるワイン
ラフィットの目指すエレガントなスタイルを4つのアペラシオン(ボルドールージュ、ブラン、メドック、ポーイヤック)で表現。女性醸造家ならではのエレガントなスタイル。「上の画像にある7本を毎日1本ずつ飲めばちょうど一週間です」とサランさん

IMG_8925 .jpg
#1:プライベート リザーブ サン テミリオン2012/4,250円
しなやかで繊細、口当たりが優しく、万人に好まれる味わい
ぶどう品種:ME80% CF20% ※CS(骨格の元になる品種)を使わない点が特徴
#2:シャトー・オーシェール2011/3,020円
南仏特有の種々なハーブの香り、深みのある味わい、ラフィットの品格も備えたワイン
ぶどう品種:シラー66%、ムールヴェードル10%、グルナッシュ14%、カリニャン10%
#3:ル・ディスト・ロス・ヴァスコス2012/5,000円
果実味とスパイシーさ、CS由来のタンニンの存在感、複雑味、ポテンシャルあり
ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン85%、カルムネール10%、シラー5%
#4:カロ2010/5,800円
マルベックにCSをブレンドすることで骨格が加わる印象、フルボディ、力強いタンニン
ぶどう品種:マルベック60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%
#5:カリュアド・ド・ラフィット・ロートシルト2009/31,000円
若いとなかなか本領を発揮できないラフィットと違い、カリュアドだと若くても飲みやすく、偉大なヴィンテージ09のポテンシャルを十分に感じ取ることができます。ワインを飲みこんだ後の口中に残る余韻が魅力。

IMG.jpg
ラフィットのセカンドワイン。複雑味があり、長く続く余韻、気になるワインですが、価格も!
ぶどう品種はCS51%、ME42%、CF5% 、PV2%、新樽率10%、18か月間熟成


2日目はサランCEOとのプレスランチ@飛雁閣
IMG_8973.jpg
DBRが世界展開しているワインと中華のマリアージュ

エリック・ド・ロスチャイルド男爵のもと、フランス・ボルドーのシャトーのみならず、世界に向けて幅広い事業発展を推進している立役者、DBR社長&CEOのクリストフ・サランさんは「DBRへの入社年で、サントリーGと提携を結んだ1985年はとても大事な年です」とコメント

印象的だったのは「ジャーナリストから、ラフィットで何を変えましたかと良く聞かれますが、私は何も変えていません。ラフィットによって私が変えられました、より良い人間に。ラフィットは特別な場所、人間を変えることができる偉大な場所です」という言葉でした。

IMG_7265jpg
3種の前菜は南仏のオーシエール・ブラン2013(シャルドネ100%)と合わせて

IMG_7267 jpg
シャトー・ラフィットでは白ワインを生産していないので、食事の口開けによくこのシャルドネを使うとのこと。果実味と微妙な樽使いのニュアンスが効いた品のある味わいです。シャルドネにもかかわらずボルドーの瓶型を使っている理由は「ブルゴーニュに敬意を払っていることと、ボルドーで造るシャルドネなので、ブルゴーニュとは違うという意味を込めて」とサランさん

IMG_7273 .jpg
気仙沼産 吉切鮫フカヒレの姿煮

IMG_7277.jpg
天然エビのグリーンソース

IMGjpg
出来が良かったカリニャンをシャトー・オーシエール2011(12年、13年には未使用)には10%だけ使っています。土壌分析でも適種であり、ワインに長い余韻をもたらすことから使うことに決めた由

.jpg
千葉産 黒アワビのオイスターソース煮

.jpg
骨付き仔羊のスパイス焼き&ロス ヴァスコス カルメネールグラン レゼルブ2012
2012年が初ヴィンテージのワイン、スパイシーな香りとスパイスの効いたお肉との相性◎

IMG_7283 .jpg
卵白と金華ハムのチャーハン

IMG_7284 jpg
凝縮した味わいのデザート

IMG_8979 .jpg
#1:オーシエール・ブラン2013
ぶどう品種:シャルドネ100%
#2:プライベート・リザーブ・サンテミリオン2012
ぶどう品種:メルロ80%、カベルネ・フラン20%
#3:シャトー・オーシーエール2011
ぶどう品種:シラー66%、ムールヴェードル10%、グルナッシュ14%、カリニャン10%
#4:ロスヴァスコス カルメネール グランド レゼルブ2012
ぶどう品種:カルメネール100%
#5:カロ2010
ぶどう品種:マルベック60%、CS40 %


3日目はワイン愛好家向けチャリテイ試飲会
IMG_7351.jpg
壇上には錚々たる供出ワインが並んでいました。

IMG_7346.jpg
当日のサプライズは前夜から取り組んだというサランCEOによる日本語のあいさつ、来日者の気持ちが伝わってきました。1日目のメンバーに加え、ドメーヌ・プリューレ・ロックのアンリ・フレデリック・ロック当主(左から3人目)とドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのコマーシャル・デイレクターのジャン・リュック・ペパンさんも参加!

永遠を追求したシャンパン『キューヴ38』
IMG_7332 .jpg
6月中旬発売予定の『キューヴ38』とトマ社長
ラベルはアルミ仕様、ボトルにはT09(ティラージュ2009年)の記載も

私は2日間だけ取材の予定でしたが、前代未聞の『キューヴ38』に会いたくてチャリティ試飲会に
テイスティングはこの日しかできないという話だったので、私は『ワインのこころ』の画像用にマイ・シャンパングラスを持参してお邪魔してきました。トマさんが手にしているグラスがそれで、本日刊の産経EXで比類なきシャンパン『キューヴ38』

のタイトルで紹介しています。

『キューヴ38(容量467ヘクトリットル)』と呼ばれるステンレスタンクにはコート・デ・ブランのグラン・クリュ100%(メニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィズ、シュイィ)のシャルドネのリザーヴワインが入っています。このタンクのワインはキューヴ38以外に、NVのブリュットやブラン・ド・ブランの味わいの補正にも使うので、使った分(液体を抜いた分)タンクのなかには隙間ができます。その隙間を埋めるために、翌年の新しいワインを継ぎ足ていきます。毎年同じことが繰り返されるので、この手順はシェリー製法の〝ソレラ〟と同じです。

『キューヴ38』のタンクから2007年に1000本分(マグナム)だけワインを抜き出し、2009年に瓶内二次発酵のためのティラージュ(酵母と糖分を加える作業)を行い、5年の熟成を経て、完成させたのが、今回リリースされたシャンパン『キューヴ38』、25年の集大成

ドザージュ量は3.5g/L、ヴァーティカルのワインの層が微妙に絡み合い、ぶどうのポテンシャル、複雑味を感じます。トマさんは「信じられないほど若い、オールヴィンテージ由来のエネルギーもある」と述べていましたが、新鮮さと上質なシャルドネだけが表現できる品の良さ、土壌由来のミネラル感があります。インタビューの中で2回ほど「This is the DNA of Henrio Family.」を強調していましたが、親から子に引き継がれたキューヴ38は、アンリオスタイルの極み、フレッシュ&エレガンスを表現しています。

今後、毎年1000本ずつ生産予定とのことですが、ソレラなので、ベースになるキュヴェは毎年異なります。エンドレス・・・〝永遠の追求〟という形容にふさわしい、贅沢に時間をかけた比類なきシャンパンです。

IMG_7356 .jpg
コント・ジョリュジュ・ド・ヴォギュエのペパンさんは当日の供出ワインから「『ミュズニー2012』がベスト」と。中西社長はボンヌマール2012。ミュズニーの気品と余韻の長さ、至福に時間でした!

IMG_7348 .jpg
カリフォルニアのボンテッラからは醸造責任者のボブ・ブルーさんが来日!

IMG_7358 .jpg
事前のチケット購入で参加したのは300名

IMG_7361 .jpg
会場はワインラバーさんたちの熱気に包まれて

支援のために来日なさった素晴らしいメンバーによる、素晴らしい供出ワインの数々
支援+自分の楽しみ=一石二鳥の試飲会は参加する価値大だと思います。
今年参加できなかった愛好家の皆さま
来年も素敵なメンバーが来日すると思いますので、ご参加くださいませ。
posted by fumiko at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月30日

Chile Food & Wine2014 でNon Solo VinoなChileを披露!

3日前、so-netブログ事務局から、11月≪後半≫のブログリポートが送られてきました。
これはひと月を前・後編に分け、ブログのアクセス状況と閲覧数の多かった過去3か月のベスト3を集計しています。ここ数か月、第1位

の座に君臨しているのが〝ボージョレ・ヌーヴォー2013 とシャトー・ラグランジュ30周年記念テイスティング〟、昨年のヌーヴォーの記事なので閲覧の中心はラグランジュ? 第2位

はチリワインの『Silencio シレンシオ』〟、これは先月発売されたワインだったので検索でヒットしていたのでしょう。そして、第3位

は大好きなシャンパン。東福寺でのベル・エポック・ロゼ2005 スペシャル・エディション!

さて、ここでチリ話題に戻って・・・今年も右肩上がり、好調でした。11月中旬に開催されたChile Food & Wine2014@八芳園のイベントも盛況で、Non Solo Vinoな(ワインだけじゃない)チリを披露していました。
会場では豚肉、海産物、オリーブオイル、サーモン、ドライフルーツ、ナッツ&ワインの展示があり、豚肉、サーモン&ドライフルーツ、ワイン3部門のセミナーも開催されました

Non Solo Vinoなチリ
.jpg
左から)パトリシオ・トーレス駐日チリ共和国全権大使、今年5月上海に新設されたワインズ・オブ・チリ・アジアの代表に任命されたフリオ・アロンソさん。ヘルマン・ベックさんの後任として今年7月に赴任したProChile局長のミカエル・マスカルさん


トーレス大使は、チリと日本の友好は1899年、明治天皇に最初の大使が拝謁した時からで輸出の要は硝石だったこと、当時の日本にはまだ15名の大使しかいなかったことについて触れた後、「現在、チリから日本への輸出額はEU28か国のうちの24か国を上回る金額になっていますし、対チリの海外投資のトップは日本で、日本からは84に及ぶ企業がチリに進出しています。チリは日本の主要な供給国として常に安全で高い技術を導入し、生産にあたっています。そのような品質に対する長年の努力がワイン、豚肉等、食品に反映しています」とあいさつ

ミカエル・マスカル局長は、「豊かな自然、安全性、栄養価の高い食料を提供できるチリは現在、60か国以上の国々と自由貿易協定(FTA/EPA)を締結しており、食料の安全指数はラテンアメリカでトップ」であることを強調

フリオ・アロンソさんが アジア代表を務めるワインズ・オブ・チリには90のワイナリーが所属し、ボトルワインの輸出の90%を占めています。拠点は英国、米国、カナダ、ブラジルと上海を加え、5か所になりました。セミナーではチリのワイン産地と供出された5アイテムの沿革を担当

セミナーの講師(上記画像中央)はロオジエの中本聡文シェフソムリエ。フレンチレストランのロオジエでは、スクリュー・キャップ仕様のワインをメインに高品質のワインをグラスワインで提供しているそうです。そのなかにはチリのリースリング(貴腐)も。フォアグラとの相性が絶妙なので、お客さまには味わいだけでなく、価格面(@900)でもご満足いただいているとのこと

セミナーに登場したチリのプレミアムワイン
IMG.jpg
(右から供出順)  
#1エラスリス

 ドン・マキシミアーノ・ファウンダーズ・リザーヴ2011
産地:アコンカグア・ヴァレー、ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)78%、カルメネール10%、プティ・ヴェルド(PV)7%、シラー5%、輸入元:ヴァンパッション
中本(要約):ヴァニラやバルサミコの香り、ビター系チョコ(甘苦い)、口中では芳香性豊かで、すべてがエレガント。特出すべきは魅力的な酸、タンニンはこれ以上きめ細かいものはないと感じるくらい素晴らしい

#2コンチャ・イ・トロ

 ドン・メルチョー2009
産地:マイポ・ヴァレー、ぶどう品種:CS96%、カベルネ・フラン(CF)4%、輸入元:日本リカー
10月に醸造責任者のエンリケ・ティラドさんが来日して行ったセミナーをブログにアップしました。光栄にもその箇所をコンチャ・イ・トロ社がpdf

にしてくださいましたのでリンクしておきます。ドン・メルチョ―のワイン造りの〝本質〟がご理解いただけるはずです。

中本:凝縮した黒系果実、スイカズラのように酸味を伴う果実を連想。ドン対決の#1#2の違いは、前者はしなやかで女性的、後者はアタックの強さ、酸とタンニン、渋味が骨格をなしているので、しっかりした男性的なイメージ。土っぽさや森の香りからウナギのかば焼きと合わせたい

#3:マテテック EQシラー

2012
産地:サン・アントニオ・ヴァレー、ぶどう品種:シラー100%、輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
中本:金属っぽい(=動物っぽい)香り、シラーというとブラックぺッパーを連想することが多いが、このシラーはそれとは違うスパイスの香り、カレーのフレーバー、その中心となるクミンのニュアンス、新樽由来のヴァニラ。サン・アントニオ・ヴァレー(レイダ)は太平洋に近いので海からの影響を受ける。このワインの場合はその影響は酸味に出ている。アタック豊かなワインはボディも豊か。とは言え口中に含むと酸のインパクトがあるのでアタックの強さは緩和され、さらに後半はタンニン(隠れていたものが盛り上がってくるように)出てくるので、一般的なボリューム感のあるワインとは違う世界を感じさせてくれるワイン。味わう時に、海岸エリアのワインであることを感じて欲しい

#4:コイレ ロヤール・カルメネール

2011
産地:コルチャグア・ヴァレー、ぶどう品種:カルメネール85%、PV9%、マルベック6%、輸入元:ヴィレッジ・セラーズ
中本:カルメネールの特徴は香り&味わいともに香草&薬草の心地良い苦み。山側の涼しいエリアを選んで栽培したぶどうであることを感じるのは酸味であり、その特徴が出ている。ミドルパレットはスマートで、酸とタンニンとボディが品良く備わっている。繊細なスタイルのチリワインが増えてくると実感させてくれるのがコイレ

#5:ベンティスケーロ ベルティセ2008
産地:コルチャグア・ヴァレー、ぶどう品種:シラー、カルメネール、輸入元:アルカン
中本:フルボディながら酸味がワインをぐっと引き締めている印象のセクシーなワイン。香りにはスミレや熟成のニュアンスもあり、口中に訴えかけてくる豊かさと洗練さを併せ持つワイン

IMG_9269jpg
産地の位置も確認できるように地図も載せておきますね。
#1:アコンカグア・ヴァレー #2:マイポ・ヴァレー #3:サン・アントニオ・ヴァレー #4:コルチャグア・ヴァレー #5コルチャグア・ヴァレー


チリ原産食品展示会で
IMG_6607 .jpgIMG.jpg
ブッフェではチリ産の豊富な食材を使った一品が


アルカン、サントリー、キッコーマン、メルシャン、三菱食品等、約30余りの企業が出展


サンチャゴのエキストラバージンオイルは今まさに我が家で使用中、親しみやすい味わい!
豊富なアイテムの詳細は輸入元ケータック・プランナーズのサイト

で!


素直でソフトな食感のボガリスのエキストラヴァージンオリーブオイル
輸入元は鹿児島県のランドスコープ

IMG_6176.JPG
チリでは珍しいルーサンヌ(ルイス・フェルペ・エドワーズ)、納得の品質&価格、鍋にお薦め!


EQシラーから感じるスパイス風味は豚肉のカレーとナイスマリアージュ


チリのダンス風景、右端に可愛い坊やがいます!


注目の産地リマリ・ヴァレー
11月のセミナーには登場しなかったエリアですが、今、注目されているのがリマリ・ヴァレーなので、少し触れておきます。昨年9月、Tabali タバリ

を訪問しました。リマリのエリアには今後ますます熱い視線が注がれることと思います。リマリ川の流域に石灰質の堆積土壌が分布していて、産出されるワインはミネラル分が豊か。チリの他の産地とは異なる個性があります。


冒頭の地図の一番上にあるリマリ・ヴァレーは、サンチャゴから約400kmのところにあります。リマリをさらに北上するとアタカマ砂漠なので、車窓から見える風景はサボテン!


群生する生サボテンと綺麗な花を初めて見ました、美しい!


タバリの本拠地から車で30分ほどのところにあるTALINAY(タリネイ)・ヴィンヤードにはシャルドネやピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブラン、シラー等が植樹されています。

IMG_9067.jpg
タバリでは2006年から地質学のプロに依頼して調査を行っていました。タリネイの土壌が石灰質


うすめた塩酸(1~5%)で石灰土壌のチェック、気泡(炭酸ガス)が発生します。


現地では本拠地タバリ(太平洋から29km/粘土と砂質)と第2の拠点タリネイ・ヴィンヤード(太平洋から12km/石灰質)のワインをテイスティングしました。この時の好印象はシラー、アイコンワインの『ぺイヤン』も100%シラーです。これはフレンチオークの新樽90%、3空樽10%を使用、18ヶ月の樽熟、スモーキー&スパイシーで綺麗な酸味と力強さを備えた赤ワインです。


今年の11月下旬、タバリのチーフ・ワインメーカーのフェリペ・ミュラーさんと欧州&アジア担当ブランドマネージャーのクリスチャン・ゴッチさんが来日した折、東京で再会。我がオフィスで初来日のフェリペ・さんからレクチャーを受けながら、クリスチャンさん(左)と7アイテムを試飲しました。


タバリの最新情報としては、2010年に購入したリマリ・ヴァレーの『Rio Hurtado リオ・ウルタド』(3つめの拠点)からマルベック2013年ヴィンテージを今年初リリースしました。リオ・ウルタドは標高約2000㍍で、アルゼンチンからは30kmの距離、畑は11haで、マルベック、シラー、カリニャン、グルナッシュ、ムールヴェードル等の地中海品種やカルメネールを植えています。

私にとって待ち遠しいのが、2016年の中ごろにデビューする予定のタバリ初のスパークリングワインです。タリネイ・ヴィンヤードのシャルドネとピノ・ノワールの2品種を使ったシャンパン製法のタイプです。シャンパンがお好きなフェリペさんいわく 「チリで石灰質土壌から穫れるシャルドネとピノはタバリだけ」とのこと。2年後が楽しみです!


7種のなかの好みは、左から2本目のソーヴィニヨン・ブラン『Taliny2013 』、フランス的な要素を持つタイプで、柑橘系果実やハーブ、綺麗な酸、塩気のニュアンスも。
そのお隣りのシャルドネ『Tabali Reserva Especial2013』はフードフレンドリーなタイプ。クリスチャンさんの奥さんは30分で飲んでしまうとか(笑)、口中なめらかで飲みやすさが売りですね。18か月熟成のコンテと合わせて相性◎
そして一番右のシラー主体『Tabali Reserva Especial2011』、できればカラフェに移して飲むほうが底力が実感できます。ビターチョコのニュアンスがあるのでチョコ系のデザートにも。スパイシーさは山椒を使ったウナギのかば焼きと。鶏の照り焼にも合いそうです。
タリネイ・ヴィンヤードのワインは、最初に石灰土壌由来の固さを感じ、その後、時間の経過でどんどん変化していく感じです。

テイスティング後、シラー好きの私に、ラベル一杯に温かなメッセージを書いて『ペイヤン2010』をプレゼントしてくださったフェリペさん!   「5年後に飲んで」とおっしゃっていたので、セラーでゆっくり寝かせておきます。
2009ヴィンテージはワインスペクテーターから90点をゲット、2010ヴィンテージはチリ国内で高ポイントを得ています。

フェリペさんはブルゴーニュ品種のシャルドネやピノ・ノワール、それとシラーがお好きとのこと。「赤ならシャンボール・ミュジニーが好みですが、それを模倣するのではなく、求めているのはタバリスタイル」とおっしゃっていました。タバリのワインはやまやオンラインショップ(ワインのページでタバリで検索)で購入できますので、一度、覗いてみてください。

年内のブログはひとまず今日で〆。2015年はもうすこし、頻繁にアップできれば・・・と思っています。引き続き、よろしくお願いいたします。

皆さま、どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。
posted by fumiko at 23:02| Comment(4) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月19日

P&Gのオトナスクエア ~ワインの豆知識、クリスマス&お正月のお薦めワイン~

IMG_6747.jpg
本日アップの、P&G webマガジンオトナスクエア

のお知らせです。
今回、このサイトに、知っていて損がない〝ワインの豆知識〟や〝クリスマスとお正月に楽しむワイン〟についての情報を載せているので、ご案内させていただきます。

.jpg
お薦めはシャンパン2アイテム、白ワインと赤ワイン各1アイテム
ワインに合う料理の画像も綺麗に撮れましたので、ワインラバーさんの五感を刺激できれば幸いです。ワイングラスは各アイテムに合わせて選んでいます。ローラン・ペリエ(左)のロゼ・シャンパンはフルート型ではなく、ブルゴーニュ型グラスのほうが、香りも味わいもより広がります。

jpg
ロゼ・シャンパンにはベリー系果実とのマリアージュも!

.jpg
チーズについてはスペース的に書き込めなかったので、このイメージ画像で!

IMG_6737 .jpg
立派なズワイガニでした。このところの悪天候でカニ漁に影響が出ているようです。

.jpg
12月18日付の産経EXワインのこころ

でご紹介したエトカルタの特別版金ひつじラベル2013
予想以上の包容力。まず、その実力に驚かされます。小売価格2,300円(税別)も魅力です。
今年は銀ひつじラベルもゲットしたので、お正月に相性探究をしてみたいと思っています。

素敵なクリスマスパーティー、新年のパーティーになりますように・・・
posted by fumiko at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月08日

夢の一夜〝ベージュ アラン・デュカス東京〟10周年記念ガラ・ディナー

IMG_6876.jpg
12月4日に10周年を迎えた銀座〝べージュ アラン・デュカス東京〟
一夜限りの超スペシャルなガラ・ディナーで、素敵な時間を共有させていただきました!

シャネル(株)のリシャール・コラス社長は開会時のあいさつで「あっという間の10年でした」とおっしゃっていました。

ベージュを立ち上げることが決まった時、コラス社長の頭の中には、シャネルのブティックと創業者ココ・シャネルの精神を生かした文化的な空間とゆっくり過ごすことができる最上階のレストラン構想があったようです。その後、パリの三つ星レストランを全部視察し、アラン・デュカス氏の人となりに触れ合うことになります。

「彼の価値観、言葉、考え方は、われわれシャネルと同じでした。職人の技を尊敬し、最良の材料を求め、伝統を守りながら新しいものを追求する点です。それで〝この人だ〟 と思いました。そこから長い歩みが続いていますが、一緒に仕事をしながら、もう1つ、幸せに思っていることがあります。アランは職人として最高の技術を持ちながら、人間としても最高のこころを持っているので、ビジネスパートナーというだけでなく、非常に深い友人になりました。本日、皆さまと一緒に過ごせることは私にとっていろいろな意味でユニークな瞬間になります。また、日々頑張っているスタッフと過ごせることも、私のこころにいつまでも残ります。皆さまのこころにも残ることができれば、私もアランも嬉しいです」とコラス社長は述べていましたが、その丁寧な日本語のあいさつはホスピタリティにあふれ、素敵でした。

IMG_6937.jpg
アラン・デュカス氏(右から3人目)、小島景総料理長(右隣)、ジャン・フィリップ・デルマス氏(左から2人目)

続いて、「〝卓越〟をめざしつつ10年間積み重ねてきました。今後さらに発展させていきたいです。銀座のド真ん中で小島景総料理長が素晴らしい食材を生かしたフランス料理を作っていますが、コラス社長に私の仕事を評価してもらいとても嬉しいです。10年経ちましたがこれからますます質の良いレストランをめざし、上を目指します。皆さまがいらっしゃることで対話ができ、このレストランができていると思っています」とアラン・デュカス氏

4日は料理だけでなく、10周年を記念するのにふさわしい秀逸なワインが準備されていました。
グループ・アラン・デュカスのワイン買付責任者で、デュカス氏とは20年来の付き合いになるジェラール・マルジョン氏がワインについて解説。今回のテーマ〝卓越〟に合わせ、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・ラ・ミッション・オーブリオンに決めたこと、ボルドーからの直送であり、サービスにあたり、ワインはダブルデキャンタージュをしていること。因みに同席していたシャトー・オー・ブリオンのジャン・フィリップ・デルマス支配人は当日の12時に到着し、翌日には帰るというハード・スケジュールで、〝この一夜への熱き思い〟をしっかり感じました。

アラン・デュカスとシャネルとの素晴らしいコラボレーションIMG_6880 .jpg
エレガンスを究めた空間での特別な時間

IMG_6881.jpg
オマール海老の、ビスクソース

 .jpg
シャンパーニュはペリエ・ジュエ協賛の『ベル・エポック2004』をマグナムサイズ(1500ml)で
太陽に恵まれた2004年は同メゾンのエルヴェ・デシャン シェフ・ド・カーヴ納得のヴィンテージ
3週間前から最適な状態でキープされていたシャンパンは供出温度も完璧
マグナムの醍醐味が実感できました!

IMG_6882 .jpg
ボタン海老とアワビのフォンダン
IMG_6883  .jpg
ブイヤべースのジュレ キャビア
最高の食材がお皿の上で見事な展開をみせていました。ボタン海老、アワビ、キャビアの競演

jpg
栗のラヴィオリ、白トリュフ ヴルーテ仕立て
運ばれてくる途中からトリュフの香りに包まれて

IMG_6898.jpg
クエのオーブン焼き、アンティチョークと黒トリュフ

IMG_6906 .jpg
松坂牛ヒレ肉と黒トリュフ、冬野菜

.jpg
シャトー・オー・ブリオン2004
ベージュの創業2004年に合わせてヴィンテージ!

IMG_6917 .jpg
リンゴのオーブン焼き、ポワールウイリアムスのソルベ

.jpg
蔵出の極み、シャトー・オー・ブリオン1998
まだ若い印象、底力を感じます。今後10年~20 年先の記念イベントで供出されても十分なポテンシャルを備えているワイン

IMG_6918.jpg
クロッカン ショコラ、ジャンドゥジャとレモン
ショコラの甘さと中に入っているレモンの酸味が白ワインやシャンパンと合わせて楽しめた一品

IMG_6935 .jpg
供出順は左から

IMG_695.jpg
今まで体験したディナーのなかで今回ほど〝供出温度が絶妙〟と感じたことはありませんでした。
ワインは生き物、それをいかに美味しく味わわせるか。さらに美味しく味わわせるか。
プロの力量を感じたひとときでした!

IMG_6908.jpg
右から2つ目は#2(白)シャトー・ミッション・オー・ブリオン2009、お隣は#3(白)シャトー・オー・ブリオン2009
ともにソーヴィニヨン・ブランとセミヨンの混醸、年間500ケースしかない希少ワイン。育ちの良さを感じさせるチャーミングレディの#2と樽のニュアンスがあり、レディとしてのたしなみを身に付けた女性を感じさせる#3。対比も面白く、舌の上に広がるオマール海老のソースと#3の樽のニュアンスがとても心地よく楽しめました。

IMG_6921 .jpg
最後にスタッフの紹介がありました。お疲れ様でした!

.jpg
ペリエ・ジュエ『ベル・エポック2004』のサービスを受ける輸入元ペルノ・リカール・ジャパン(PRJ)の代表取締役ティム・ペック氏
今回は光栄にもPRJにお声掛けいただき、ティム社長の臨席で京都・東福寺以来のシャンパン談義ができました。夢の一夜の素晴らしい饗宴に参加させていただき、ありがとうございました!

.jpg
夜も更けて・・・帰路の銀座

IMG_6943 (2)  .jpg
一夜明けて・・・昨夜の饗宴の余韻が朝方までしっかり残っていました。
最高の食材、最高の技の味わい、至福の一皿、ベストな状態のワイン
それらが輪のように、波のように私の五感を刺激し続けていたことは、新たな感激でした。
さらに、いただいた箱を開けて思わず微笑みが!
ベージュ アラン・デュカス東京のさらなる発展をこころから願っております!

残り少ない2014年を悔いなく過ごせそうです。
多くの感謝を込めて
posted by fumiko at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月05日

日豪経済連携の弾みは豪州の伝説のワイン〝GRANGE グランジ〟から

IMG_6656.JPG
入口に飾られた〝BIN407〟と〝グランジ〟の3リットルボトル

豪州ペンフォールズ

の醸造総責任者ピーター・ゲイゴ氏が8年ぶりに来日し、アイコン〝グランジ〟の新ヴィンテージ2010年を含む同社自慢のワインと和食とのユニークなメーカーズランチを行いました。

オーストラリアの代表的ぶどう品種と言えばシラーズです。まずは、以前ゲイゴ氏が来日した折、語っていたシラーズ(シラー)の起源

から始めましょう

IMG_6820 .jpg
テーブル上には番号プレート付のワイングラスが!

IMG_6624.JPG
ペンフォールズでは「(1)グランジのように複数の畑のぶどうをブレンドするタイプ (2)RWTのように単一畑から造るタイプ (3)テロワール(場所、土壌、文化等)を反映し、そのワインを飲んだらそのエリアが理解できるタイプ、の3つがあります」とゲイゴ氏

ウェルカムドリンクはBIN51、 エデン・ヴァレー リースリング2014
1990年から造られているワイン。冷涼なエリア・ヴァレー産、(2)のタイプになります。ライムや白い花のアロマ、果実味豊かでキレの良い酸が特徴。エレガントさがあり、好みの味です!

続いては#1のヤッターナ シャルドネ2012。〝ヤッターナ〟はアボリジニ語で「少しずつ少しずつ」の意味。忍耐強く前進するペンフォールズの姿勢を象徴する言葉でもあります。グランジと同じ(1)のタイプで、タスマニア(ダーヴェント・ヴァレーとコーラル・ヴァレー)、ヘンティ(ヴィクトリア)、アデレード・ヒルズの産地のCHをブレンド。初ヴィンテージは1995年(1998年リリース)、白桃、グレープフルーツ、ナッツ、口中クリーミー、乳酸のなめらかさ。若干樽香のニュアンス。今飲んでも、何年寝かせて飲んでも美味(2015年~2024年)

#2:カリムナBIN28 シラーズ2012
BIN28は1959年初リリース、その後毎年生産しています。祖父母や両親が代々飲み継いできたワイン。 リリースしてすぐ飲んでもOK、20年~30年後でも楽しめます。

#3:BIN407 カベルネ・ソーヴィニヨン2012
BIN407はカベルネ・ソーヴィニヨン100%で初ヴィンテージは1990年(1993年リリース)、複数の産地からのぶどうをブレンドした(1)のタイプ。ゲイゴ氏いわく「カベルネのお手本ともいえる品種の特徴を明確にもつワイン」、チョコレートやスモーキーさ、黒系果実やナツメ、無花果などのニュアンス

#4:BIN389 カベルネ シラーズ2012
「カベルネとブレンドして一番合うのはシラーズ」とゲイゴ氏。1960年に初めて造られたワイン。グランジに使う樽を使用しています。比率はカベルネ54%、シラーズ46%、〝ベビーグランジ〟の異名あり

#5:セント・アンリ シラーズ2011
ペンフォールズ2011年産赤ワインを代表するワイン、1950年代から造られていました。シラーズ100%、グラスの底が見えない深みのある色、ブラックぺッパー、グリーンオリーヴのニュアンス。和食と合わせた時に包容力があると感じました。

#6:RWT バロッサ・ヴァレー シラーズ2012
フランス以外のワインでノーベル賞のパーティーで供出された名誉なワイン!
RWTはRed Winemaking Trialの頭文字、今ではもうトライアルではなく、グランジの対極を行くワイン。(2)のタイプで産地はバロッサ・ヴァレー

グランジ2001年と2010年について
#7:グランジ2010
#8:グランジ2001

IMG_6629.JPG
ゲイゴ氏は「オークを感じたいと思ってグランジを飲んだ人はがっかりするでしょう。アルコール分が強いと思って飲んだ人も同様です。また、凝縮したワインと思って飲んだ人もがっかりすると思います。グランジは〝バランスの良さ〟が要のワインで、リリース直後に飲んでもOKですし、半世紀後でも素晴らしい味わいだと思います」とコメント。海外で行ったテイスティングでは1965年までさかのぼったそうですが、欧州のメデイアからは1965年と2010年の評判が良かったとのこと。

2008年ヴィンテージはアドヴォケイトとワイン・スペクテーターの両誌から100点をゲットしているので、「2010年は、その後をしっかりついでいかなければならなかった」とゲイゴ氏

2008年は温かな気候で、3月を思い起こすと、35度以上の日が16日、38度以上の日が12日間あった由。グランジには最適な畑のぶどうを使っているので選果も厳しくチェックしています。

2010年はマギル・エステートでの収穫が2月5日。暑さが到達する1か月前に収穫が終了し、ぶどうの状態も良好。バロッサ・ヴァレーのぶどうは、マギル・エステートで摘んだ後、1週間~1週間半後に摘むのが恒例。古樹で低収量のぶどう、2010年はすべての面で順調だったそうです。

気候に変動については 「ペンフォールズは170年間、このような気候と共存して戦ってきました。南オーストラリアは乾燥地帯であり冬に雨が降ります。暑い年は南の産地のぶどう、寒い年は北のぶどうを選択するということを行い、柔軟性のある選択をしています。グランジはハウススタイルに合わせた造りをしており、同じものは2つとありません。2001年は温かい夏で1920年以来の暑夏と言われていますが、マクラーレン・ヴェールの1月の気温は1915年以来一番暑かった年。2010年は赤い果実のニュアンスがありますが、2001年はリコリスやプルーン」とゲイゴ氏


ペンフォールズのワイン&和食
IMG_6824 (2) .jpg
先付:丹波栗葛豆腐
酒煎り鮑、栗煎餅、木の芽、軸防風 八丁味噌の上澄み餡

IMG_6826 (2).jpg
御椀:皮剥ぎ肝入り京味噌仕立て 
つくね芋かるかん、柿色白玉、皮剥葛叩き 鮑茸 芋蕪 紅葉麩 松葉柚子

味噌(八丁味噌、京味噌),とシャルドネは発酵品としての共通項があり、相乗する印象

 
IMG_6827 (2) jpg
造り:近海本鮪 鯛の昆布みせ
花穂 紅蓼 葉防風 山葵 土佐醤油
鮪の脂ののり(わさびを添えて)、昆布のミネラル感がリースリングと上品な相性

IMG_6831 (2) .jpg
焼物:海老芋子 鰤利休焼き
零余子抹茶揚げ 黒皮茸伽羅煮 はじかみ
利休焼のロースト風味と樽のニュアンス、ブリの脂感をシャルドネと
グランジを除く赤ワイン5アイテムのなかではシラー100%のセント・ヘンリーの余韻の甘さが利休焼きのほんのり甘い要素と相まって

忍耐力で突き進んできたグランジ
8年前の来日時にまとめた伝説的な変身を遂げたグランジ

です。
このなかで、2001年ヴィンテージが話題になっていることもあり、帰国したゲイゴ氏に「なぜ、2001年ヴィンテージを選んだのですか」との質問メールをしてみました。併せて、2001年のぶどう比率も再確認しました。

これらの質問に対して、ゲイゴ氏は「2001年はバロッサ・ヴァレーのなかの単一区画からのぶどうをブレンドしたもので、このタイプはとても少ないものの一つです。新リリースの2010年ヴィンテージはバロッサ・ヴァレー、クレア・ヴァレー、アデレード・ヒルズ、マクラーレン・ヴェイルとマギル・エステートのぶどうをブレンドしているので、コントラストの点、さらにグランジ・スタイルを示す素晴らしいヴィンテージとして選んでみました」と回答。

ブレンド比率に関して、ゲイゴ氏は「Yes, I can confirm that the 2001 Grange is 99% Shiraz, 1% Cabernet Sauvignon」と書いています。ちなみにシラーズ100%のヴィンテージは1951、1952、1963、1999と2000になります。
.
IMG_6837 (2) .jpg
〝グランジ2010〟のぶどう比率はシラーズ96%、カベルネ・ソーヴィニヨン4%。1951年に試験的に造られて以来、毎年生産されています。複数の地区のぶどうをブレンドして造る、同社の哲学を力強く表現しているワイン。アメリカンオークの新樽100%で17か月熟成。飲み頃は2018年~2060年

IMG_6856 (2).jpg
煮物:黒毛和牛すきやき煮
白葱 福岡ローマ菊菜 椎茸 焼き豆腐 黒七味の香り
和牛の食感、料理全体とあわせるにはグランジがもう少し熟成していたほうが良いと感じました。黒七味のスパイスも使っていますが、和牛ではなく、オージービーフのほうが合っていたかも

この後は、秋の名残の松茸御飯、滑子と葱の赤出汁、香のもの。
水菓子は雲海特製冷し白玉汁と抹茶のアイスクリームで〆となりました。

IMG_6861 (2)2.jpg
来賓のブルース・ミラー駐日オーストラリア大使(左)、ペンフォールド社の顔ピーター・ゲイゴ醸造総責任者

現在、日本国内のワイン販売数量は3500万ケースありますが、オーストラリアワインの数量は90万ケース、市場シェアは約4%です。オーストラリア国内での品質チェックはとても厳しいので、輸入されているワインは安全で、ぶれがありません。簡単なウチ飲みワインから超高級なワインまで、幅広いタイプのワインを選ぶことができます。その為の潤滑油になるJAEPAが来年発効されます。消費者のワイン購買力をそそる協定なので、ワイン好きさんには注目していただきたいと思っています。

12月4日刊〝ワインのこころ〟にもお立ち寄りくださいませ
http://www.sankei.com/life/news/141204/lif1412040025-n1.html


[黒ハート]日豪経済連携協定(JAEPA)は2015年に発効開始
7 年間にわたり、十数回の締結交渉を続けてきた日本とオーストラリア。今春、両国間で合意に至ったJAEPAが、いよいよ、2015年からスタートします。この合意のもと、日本に輸入されるオーストラリアワインは現行15%の関税率から、毎年減税され、協定発効から一定期間*を経て、完全撤廃されることになります。

主な対象品目と関税撤廃までの期間は以下の通り
■ぶどう酒(150 L 超、容器入り、バルクワイン) ・・・協定発効後、即時撤廃
■酒精強化ワイン(2L 以下の容器入り)・・・5 年間で撤廃
■スパークリングワイン・・・7年間で撤廃
■ぶどう酒(2L 以下の容器入り) ・・・7 年間で撤廃
■ぶどう酒(2L 超 150L 以下容器入り) ・・・7年間で撤廃

EPAに関しては日智(日本とチリ)間が先輩格です。チリワインは右肩上がりで、素晴らしい成長を遂げています。輸入通関量では第1位のフランスを追い抜く月もあり、来年以降も伸びが期待できます。あとに続く、日本とオーストラリア間のEPA効果にも期待したいと思います。

ペンフォールズに関するお問い合わせは(株)ファインズまで 電話03-6732-8600
URL:http://www.fwines.co.jp/company/

posted by fumiko at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月22日

ボジョレー・ヌーヴォーカウントダウン with ムッシュ・ジョルジュ・デュブッフ!

2014年のヌーヴォーは魅力的なワイン

11月19日の深夜からミスター・ボジョレーと呼ばれているジョルジュ・デュブッフさんと一緒に恒例のボジョレー・ヌーヴォーのカウントダウン! 今年も再会できて嬉しかったです!!

会場は白金台のブーランジェリーメゾン・カイザー

で、今回はオーナーの木村周一郎さんとデュブッフさんとのコラボレーションでした。ジョルジュ・デュブッフ社創業50周年の記念年にあたる今年は、初心に戻り、"隠れ家的なビストロで気の置けない仲間と気楽に楽しもう"というコンセプト。極少人数のプライベートなパーティーのノリだったので、プレスもワイン誌4社と私を含めた5メンバーのみ、とてもアットホームなカウントダウンになりました。


前菜とクレマン・ド・ブルゴーニュで残り時間を過ごしながら


(左から)前菜3品
●カカオのパンに鴨のロース、赤玉葱のチャッネ、オレンジのジュースでマリネした人参を乗せて 
●塩味プリンの白トリュフ風味 
●ワンタン皮のライム風味甘エビとアボカド乗せ


デュブッフさんが造っているスパークリング『クレマン・ド・ブルゴーニュNV』はピノ・ノワール100%。繊細な気泡はワインに溶け込み、フラワリーで味わい滑らか、温度が上がると、さらにふくらみが出ていい感じでした。

IMG_6257 jpg
このスパークリングは日本未輸入。料理界の巨匠ポール・ボキューズさんお気に入りでパーティーや結婚式で活用されているとのこと。ボキューズさんから、「パリでグラン・シェフたちの集会があるので行かないか」と誘われたデュブッフさん。現地にはシャンパン・メゾンの人たちがいて、30種ほどのシャンパンがブラインド・テイスティングされていました。そこで№1だったワインがデュブッフさんのクレマン・ド・ブルゴーニュだった由。ボキューズさんが仕掛けたようですが、バランスが取れた好印象の泡ものだと感じました。デュブッフさんに「このスパークリング、とてもイイですね」と褒めた後に話を伺ったので、私は余計に嬉しく思いました。

2014年の収穫情報
デュブッフ:春は理想的な条件だったので、開花が早く進みました。7月と8月の3 週目までは 悪天候。8月の最終週から9月第4週まで好天に恵まれ、この50年間の中でも誇れる気候になりました。9月8日(昨年は28日)から収穫開始、良く熟したぶどうが穫れました。色調は深いルビー、香りはフローラル、イチゴやカシス、ブルーベリー、ボディとストラクチュアがあり、口に入れて最初に感じるのはまるみとボリューム感。木目が細かく、バランスが取れた潜在力のあるワインです。3 週間に7500種類のサンプルを試飲し、さらに7~8回ほど試飲を繰り返し、各国の嗜好に合せてブレンドしました。

 

カウントダウン前、(中央)輸入元の櫻井鋼サントリーワインインターナショナル(株)代表取締役社長が「ボジョレー・ヌーヴォーはいろいろな形で浸透してきましたが、今や”量より質”という流れになりつつあると感じています。昔はお祭り騒ぎをしていたヌーヴォーですが、今年は原点に立ち戻り、デュブッフさんのワインを理解してくださっている皆さんと祝いたいと思っています」とあいさつ

ヌーヴォーとパン・オ・ボジョレーのコラボ

おなじみの時計、皆で声を合わせてカウントダウン!


11月第3木曜日、20日の0時!!
コルク仕様の料飲店向けボジョレー・ヌーヴォーを抜栓


デュブッフさん自らが全員にサービスしてくれました、乾杯!!


IMG_6273 .jpg
普段は解禁日から売り出すパン・オ・ボジョレー
今回は特別に0時に焼き上げました、素敵!


デュブッフのワインとイタリア産サラミを使ったパン・オ・ボジョレー
外側はパリッ、内側はふんわりでサラミの塩味がヌーヴォーを引き立て美味美味!


2014年のヌーヴォーの味わいは
デュブッフ:色調は深いルビー、ボリューム感と広がりがあり、チャーミング。プリムールとして食欲をそそります。あまり冷やさず、17~19度で味わって! 太陽の恵みを受けた2014年は、食事と共に楽しめ、様々なアロマも楽しめるワインです。リヨンのワインコンクールには30 のワインをエントリーし、うち 20 が金・銀・銅賞を受賞しました。秀逸年の2009年、2011年と比較しても遜色ない味わいです。

『ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー』はフルーティーで、黒い果実(カシスやブラックベリー)やスミレのニュアンス、フィネスとエレガンスを備えています。『ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー セレクション・プリュス』は今飲んでも美味しいのですが、1年から3年後でも十分楽しめます。


目の前には雛鳥の丸焼きが


トリュフごはん詰めの雛鳥
日本米とトリュフとバターとしょうゆが絶妙。お米の食感としっかりとした味わいの『ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー・セレクション・プリュス』は良く合います!
雛鳥料理はメゾン・カイザーのクリスマス限定テイクアウト製品になりますので、来月要チェック


2000年にパリから戻り、白金台に店舗開店をした木村代表、今回はマカロンをプレゼントしてくれました。デュブッフさんが手にしているのは50周年記念ボトル(日本未輸入)で、クリュ・ボジョレーのムーラン・ナ・ヴァン2009、しっかり熟成させられるワインです。

50周年を振り返って

デュブッフさんは昨年80歳を迎えました。昨年のカウントダウン

で、サントリーが開発したアプローズを80本の花束にしてお祝いしました。今年は創業50周年、ワイン造りの歴史を感じます。
 
ヌーヴォーをスターダムに押し上げた経緯は、まず、フランス市場においては「グラン・シェフと知り合い、応援してもらったことが大きかった」とデュブッフさん。ポール・ボキューズやトロワグロ、ルノートル等、シェフたちがワインリストに載せてくれたことで多くの人に知られるようになっていきます。海外へはアメリカにボルドーワインを知らしめたアレクシス・リシーヌの協力を得て、アメリカ市場の開拓に着手。彼はデュブッフさんを〝ミスター・ボジョレー〟と呼んでいました。また、輸出に関してポール・ボキューズはフランス語を使うアフリカの国々にデュブッフさんを紹介、日本では『れんが屋』を経営していた時に協力を仰いだようです。
さらにショー・ビジネスとのコラボレーション。11 月15 日が解禁日だった時には、150 台のトラックを連ね、F1のレーサーやハリウッドスターが先導することもあったようです。今に至るまでにいろいろありました。

2014年のボジョレー・ヌーヴォーをテイスティングして、素直においしいと感じました。例年のお気に入り『セレクション・プリュス』に至っては新酒というより、クリュ・ボジョレーに近く、凝縮感とパワーがありました。
デュブッフさんはその理由について「太陽がぶどうを成熟させたから」と語っていましたが、2014年は素晴らしい気候だったので、クリュ・ボジョレーのリリースについても大いに期待して待ちたいと思います。

櫻井鋼社長、横江博和専務、新村部長、綾木様、西崎様、古川様およびサントリーの皆さま
メゾン・カイザーの木村周一郎社長はじめ、皆さま、大変お世話になりました!
posted by fumiko at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月01日

ワークショップ@八芳園 ~アルザスワインと世界の料理との相性~

アルザスワインはガストロノミー(美食の)ワイン
本邦初!
アルザスワインと世界5ヶ国(日本、フランス、ベトナム、タイ、中国)の代表的な料理との多様性を探るプレス向けセミナーがありました。ナビゲーターはアルザスワイン委員会(CIVA)のティエリー・フリッチュ講師です。

ティエリーさんは14年ほど前から日本でアルザスワインの伝道を行っていますが、今回、CIVAと欧州連合(EU)主催、SOPEXA JAPON(フランス食品振興会)運営のもと、世界各地で普及活動をして得たマリアージュの成果の一部を披露してくれました。淡白な味わいの料理だけでなく、肉類や味の濃い料理と合わせても魅力を増すアルザスワインを、ティエリー講師は〝ガストロノミー(美食の)ワイン〟と述べています。

IMG_4753 jpg
アルザスは白のイメージ、生産されるワインの約9割は白ワイン、主要品種は7つ!
白ワイン用の品種リースリングピノ・ブランゲヴルツトラミネールピノ・グリミュスカシルヴァネールと唯一の赤ワイン用品種ピノ・ノワール


セミナーではアルザスワイン&ローヌワインを各6種類テイスティング
.jpg
午前10時から行われたアルザス&ローヌワインセミナーでは各6アイテムを試飲
ティエリー講師はアルザスワインの特徴としてアロマと酸味の豊かさ、MLFをしないことを強調


IMG_5192_edited-1.jpg
資料提供:CIVA
果皮の色にも注目、アルザスの主要7品種


IMG_.jpg
資料提供:CIVA
土壌の個性を反映しているアルザスワイン
最左の花崗岩&片麻岩はエレガント、最右の火山性の堆積岩はヨードのニュアンス


ワークショップではアルザスワインと5ヵ国の料理を合わせて
IMG_5188 .jpg
ワークショップのティエリー・フリッチュ講師

IMG_5153 .jpg
白ぶどう6品種の爽やかさとストラクチュアの関係を図で表すと、の解説中!
料理とワインの相性に関する講師の持論
■対照性のマリアージュ・・・ワインと料理が各素材の個性を保ちながら補完性を生み出す
■融和性のマリアージュ・・・同じレベルの風味、同じレベルの複雑さ、同じタイプのストラクチュア


一覧表に添って多様性をチェック!.jpg
※青字をクリックすると各生産者のサイトにリンクしますがヴィンテージ
、価格は異なる場合あり


#1:AOCアルザス・グラン・クリュフランクシュタイン リースリング

2012 ドミニク・エ・ジュリアン・フレイ 価格:4925円(税込) 輸入元ヴィントナーズ
花崗岩を含む砂質土壌、輝きのある淡いイエロー、アロマ&酸味豊か、ミネラル、スモーキー、ハーブ、エレガントでバランス◎、包容力のあるワイン、ビオディナミ

#2:AOCアルザスピノ・ブラン

2012 ファッフェンハイム 価格:1944円(税込) 輸入元:サッポロビール
泥灰土壌、クリーンな淡いイエロー、フレッシュ&アロマ豊か、リンゴ、白桃、白い花、余韻は短め。「ワインがシンプルなら料理もシンプルなタイプで! その場合、塩やレモンをアクセントに」と講師

#3:AOCアルザス リースリング

・ヘレンヴェッグ・ド・テュルクハイム2010 ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト 価格:5184円(税込) 輸入元:ラック・コーポレーション
花崗岩土壌と黒い雲母の表土、テュルハルクは〝火の土〟という意味を持つ南から南東向きの温かい畑。しっかりした酸味、ミネラル、残糖はワインに溶け込み、口中でのバランス良し、エレガントで複雑味あり、ビオディナミ


IMG_5157 (2).jpg
#4:AOCアルザスピノ・ノワール

クロ・ド・ラ・ファイユ ドメーヌ・アルベール・マン 価格:6372円(税込) 輸入元:モトックス
当日供出された唯一の赤ワイン、砂質・石灰質土壌で日照度高い、低収量、赤系果実(カシス、野イチゴ、ブラックベリー)、滑らかでシルキーなタンニン、ビオディナミ、「アルザスらしくないピノ・ノワール。ブルゴーニュ的」とティエリー講師

#5:AOCクレマン・ダルザス

グラン・ミレジム2010 ルネ・ミュレ 価格:4500円(税込) 輸入元:(株)オルヴォー
輝きのあるゴールデンカラー、気泡は細やかでクリーミー、柑橘系果実、ドライフルーツ、ヘーゼルナッツ、アフターに軽いビター感、ぶどう品種はシャルドネ&リースリング、ドザージュ0g/L、一次発酵は228Lの木樽で熟成は樽で36ヶ月、ビオディナミ、「アルザスでも入手が難しいアイテム、供出されたことに感謝」と講師

#6:AOCアルザス ゲヴルツトラミネール

2012 ドメーヌ・アンドレ・ステンツ 価格:3780円(税込) 輸入元:ル・ヴァン・ナチュール(株)
粘土石灰土壌、ゲヴルツトラミネールの特徴香のライチが顕著、オレンジ、カリン、クチナシ、白コショウ、オイリーさ、アフターに若干のビター感、残糖26.7g/L、ビオロジック

[るんるん]追記:ラングドック試飲展示会でル・ヴァン・ナチュールのデュマ・フランソワ社長とお目にかかりました。デュマさんおすすめのマリアージュは「レモンのコンポートとゲヴルツ」とのこと。甘く仕上げたレモンの酸味を生かした風味がアロマ豊かなゲヴルツとナイスな相性になるそうです!

#7:AOCアルザス ピノ・グリ

オライン2012 エミール・ベイエ 価格:4428円(税込) 輸入元:(株)フィラディス
第三紀のレキ岩と泥灰土壌 (石灰が少なく、砂岩が多い土質) 、比較的涼しい畑の斜面上部や北斜面に植樹したPG、黄桃、アプリコット、ハチミツ、キノコ、オイリーさ、残糖18g/L、ビオロジック、「力強さがあるワインなので、料理にも力強さを求める」と講師

#8:AOCアルザス・ピノ・グリ・レゼルヴ2004 ドメーヌ・ヴァンサン・フライト 価格:3307円(税込) 輸入元:カーヴかない屋
10年経過したワインながらまだ若さあり。柑橘系果実のシロップ漬け、オイリーでスモーキー、完熟ぶどう由来のパワー、タンニンのニュアンスも。ストラクチュアがあるバランスの取れたワイン

第一フライトは和食
基本は上表の組み合わせで、刺身盛り合わせには#1、海鮮チャーハンには#8といった具合ですが、アルザスワインの多様性を探る意味で、全てのお皿に全てのワインを合わせてトライ!

IMG_5163 jpg
鯛とカンパチの刺身盛り合わせ(ワサビ、スダチ添え)は#1と素直なマリアージュ。ワインの酸味が和風柑橘のスダチの酸と相乗、同じレベルの風味で〇、#2は刺身単独だとワインのほうが強い印象なのですが、ワサビを使うとアクセントになり、バランスがよくなりました。#5のクレマン・ダルザスは無難に合わせられる便利な1本

IMG_5167 .jpg
野菜と鱧の天ぷら(抹茶塩添え)
#2は淡白な鱧やシシトウの天ぷらに抹茶塩をつなぎ役にして


第二フライトはベトナムとタイ
IMG_5171 .jpg
生春巻きと#5のクレマン・ダルザス
生春巻きの香草の香りが泡ものを飲んだ後、鼻孔に抜け、フレッシュさがよみがえる印象。丁寧に造られたクレマン・ダルザスなので食材に対してかなりの包容力があると感じました。

IMG_5174 .jpg
トムヤムクンスープは#1#8#4も!
ティエリー講師は「フランス人は辛みが苦手」と語っていましたが、講師のおすすめは#6。登場したスープは通常のものより辛さ控え目だったので、激辛なら完全に#6のゲヴルツ! 30gほどの糖分と辛い食材の対極の組み合わせです。この味わいだと#1#8が同タイプのストラクチャアで良いバランス。個人的には#4の丸いタンニンとの相性が好きでした。

第三フライトはフレンチ
IMG_5178 .jpg
海の幸のテリーヌ(ホタテとフェタチーズ)と#3、ともにクリーミーな食感、口中で双方が溶け合う感じ、同じ風味のレベル、文句なしの相性です。#1のリースリングでも〇

IMG_5180 .jpg
牛肉の赤ワイン煮込みは赤ワインの#4 、ベースになった赤ワインが同じワインならさらに馴染むはず。泡効果で口中をフレッシュにしてくれるクレマン・ダルザスや白ワインながらタンニン分が舌を洗い流してくれる印象の#8でもマリアージュが楽しめました。

第四フライトは中華
IMG_5183 .jpg
四川麻婆豆腐(右)と海鮮チャーハン
「私は大丈夫ですが、フランス人はあまり豆腐を好みません」と講師。ここでは若いピノ・グリとオールド・ヴィンテージのピノ・グリ2種で相性をチェック。料理が個性的で重厚だと、ワインも個性があってしっかりしたタイプを。四川の辛み、どっしりした味わいの麻婆豆腐には#8が同じレベルの複雑さで対抗していました◎

海鮮チャーハンはご飯の甘さと魚介の旨みからくる甘さが、#6のゲヴルツトラミナールと同レベルの風味。双方の〝甘さ〟のバランスが良かったと思います。


IMG_5189 .jpg
アルザスの主要品種リースリング、ピノ・ブラン、ゲヴルツトラミネール、ピノ・グリ、ピノ・ノワールと泡もクレマン・ダルザスは1つの料理だけでなく、2品、3品と組み合わせて楽しむことができることがわかりました。冒頭にも書いたように淡白な料理から激辛、濃厚な味わいの料理に至るまで。

ティエリー講師は「来年はミュスカ等も試しましょう」と語っていましたが、美食のワインで、ラベル表記もぶどう品種名でわかりやすい〝アルザスワインの魅力〟を今後もお伝えしていきたいと思っています。
posted by fumiko at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする