2026年05月09日

250年以上にわたりぶどう栽培を手掛けドイツワインを世界的な成功に導いた老舗ワイナリー『デーンホーフ』


緑がきれい!
ドイツの5月のぶどう畑.jpg

かなり昔になりますが、
取材でドイツを訪ねた時期がちょうど5月初旬
ドイツのぶどう畑の緑がホント鮮やかでした!


ホワイトアスパラ.jpg
加えてもうひとつ、大好きなホワイトアスパラも旬、美味美味


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ドイツのワイン産地
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出典:Deutsches Weininstitut


今回フォーカスするのはナーエ(場所は黒の↑)
オーバーハウゼン村を拠点に18世紀後半からワイン造りをしている名門デーンホーフ

創立者の孫ヘルムートさんがリースリングの素晴らしさを世に知らしめました。
現在は4代目コーネリウス・デーンホーフさんが中心となってワインを生産しています。


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2026年2月に初来日したデーンホーフさん。日本未輸入の希少アイテムを含む10種を利き酒しながら産地と品種の魅力について言及しました。
全体の8割を占める主要品種リースリングは、緻密でクリーンなスタイルなのでスキンコンタクトはしない方針。一方で伝統的に栽培されてきたヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)やピノ・グリはアルコール度数も高めになるので若干スキンコンタクトをしているとのこと

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左から右に①~⑧、⑩、⑨の順で試飲
ディナー会のためのスペシャルワインは④、⑧、⑨、⑩
蔵出し(参考商品)


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料理は六本木「小田島」の小田島大祐さんが担当


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ドイツワインの豆知識
ラベルに記載してある
GG、1Gについて触れておきます。
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データ:ジェロボーム


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デーンホーフMAP
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データ:ジェロボーム


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①ゼクト・ピノ・ブリュット・ハンドゲリュッテルト2015
ピノ・ノワール(独シュぺートブルグンダー)100%
黒ぶどうはピノ・ノワールだけを栽培、全てゼクト用


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プラークに描かれているのはピュピートル(滓下げ台)
台の前で動瓶士が手作業でルミアージュ(動瓶)を実施
ちなみに、ワイン名“ハンドゲリュッテルト”は独語で動瓶の意味


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デーンホーフMAP➎のKLAMM。希少ゼクト、生産本数は約1,600本。1,200㍑の伝統的な大樽1つ分だけ生産。大樽で発酵させ、55~60ヶ月の瓶熟。①は総本数1,492本中9番目で熟成期間は51ヶ月、デゴルジュマンは2020年10月8日。2015年はリッチでパワフルな年だったのでドザージュはゼロ。冷涼年で酸が多い年には若干ドザージュを施す程度。近年、温暖な年が続いているので傾向としてノン・ドゼ。毎年生産しているアイテムで現行ヴィンテージは2021年


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スルメイカ塩辛  海老芋唐揚げ 自家製カラスミのパウダー
小田島流儀の、生の魚介とスパークリングワインの組み合わせ
生臭みが出ないのがポイント
青リンゴや柑橘系果実、ブリオッシュ、約5年の熟成を経た複雑味が魅力


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②ナーエ・リースリング・トロッケン2023 × 百合根茶碗蒸し 蜆餡 生姜 

エントリーレベルのリースリング。ワイナリーの拠点オーバーハウゼン村にある畑で、スレートと火山性の2つの異なる土壌のぶどうをブレンド。スレート土壌はタイトで直線的。火山性土壌はふくよかで滑らか。温暖だった2023年はまるみがあり、こころ惹かれる味わい、残糖は3~4g。茶碗蒸しとは“食感”で合わせるマリアージュ、双方のクリーミーなテクスチュアが相乗。ただ、料理と合わせると酸味を強く感じたので、個人的には“品格あるワインだけ”を味わうほうが好み


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クロイツナッハ・カーレンベルク・リースリング・トロッケン
③エアステ・ラーゲ2023 ④同2015
低温蒸し蛸 佐賀県産ホワイトアスパラ ライムの香り

デーンホーフMAPの➑KAHLENBERG、“裸の山”の意のカーレンベルクはローム土壌。2023年も2015年も温暖な気候なれど、2015年のほうが収穫が遅かったとのこと。2015年は長い熟成を経ていながらフレッシュ。デーンホーフの実力を示す1本だと実感。2023年は白胡椒、塩味、凛としたスタイル。今後のさらなる熟成に期待。リースリングとホワイトアスパラガスのマリアージュは自然体で楽しめる組み合わせ


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豆知識の項に記載した
1Gとエアステ・ラーゲ
おわかりになりますか?


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クロイツナッハ・カーレンベルク・リースリング・トロッケン
③エアステ・ラーゲ2023、④同2015
コラーゲン鯛昆布〆 春菊ピュレ 金柑

「2015年も2023年も酸のレベルは同じであり、熟成によってまるみを帯びてくる」と当主
参加者からは2015年ヴィンテージを絶賛する声多し、私も同意
デーンホーフ当主も2015年ヴィンテージがお気に入り

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⑤ロックスハイマー・ヘレンプファート・リースリング トロッケン
エアステ・ラーゲ2022

デーンホーフMAPの❿HÖLLENPFAD、2022年も2023年も温暖年
2023年と比べると若干涼しく、夏の間は乾燥していて降雨なし


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ヘレンプファートは“地獄への道”の意
酸味のキレ感、飲み口は軽快

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ナーエ川の中間にある南向きで傾斜のきつい銘醸畑
風化した赤い砂岩、酸化鉄が多い土壌でハーブ系要素が特徴


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椀 ズワイ蟹と蓮根しんじょ 菜の花
出汁の旨味と熟成による旨味


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⑥ヴァイスブルグンダー・エス・トロッケン2022

栽培している品種の8割はリースリング、その他の白ぶどうはヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)、ピノ・グリ、シャルドネで、これらの3品種から「エントリーレベル」と「エス(S)」の2タイプを生産。エスはセレクションを意味するワンランク上のキュヴェで、同じ畑の中のより熟度が高いぶどうを厳選。手摘み収穫後、全房発酵させ、澱とともに6~9ヶ月熟成、1~6年使用した大樽1,200㍑&一部1,200㍑の新樽も使用



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⑥ヴァイスブルグンダー・エス・トロッケン2022
メジマグロ漬け丼 茗荷 大葉刻み 海苔

ボリューム感のあるワインなので、料理もしっかり系
バルサミコとお醤油で漬けにしたメジマグロ
茗荷と大葉のハーブ的要素+海苔のヨード感


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⑦フェルゼンベルク・フェルゼンテュルムヒェン
リースリング グローセス・ゲヴェックス2022

デーンホーフMAPは❶FELSENBERG。フェルゼンテュルムヒェンはラベルに描かれている“塔”。以前の所有者(イタリア人)が建てた遺跡で、畑はその周囲に配置。急斜面で玄武岩の組成に近い斑岩とひん岩が混ざった火山性土壌。ここでは日中の熱を吸収するので日較差は他の場所より少ない。醸造は1,200㍑の大樽とステンレスタンクを使用、発酵6~7ヶ月および熟成9~10ヶ月


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裏ラベルにはGG、グローセス・ラーゲの表示


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⑧ヘルマンスヘーレ・リースリング
グローセス・ゲヴェックス2019
鰆幽庵 フライ うど皮含め煮 トリュフの香り


デーンホーフMAP❹HERMANNSHÖHLE、ナーエのなかで最高ランクのヘルマンスヘーレ。ナーエ川が蛇行曲線を描いている急傾斜で真南を向いているぶどう畑。メインはスレート(塩味の要素あり)、ライムストーンを少量含むミネラル豊富な土壌。1949年に植樹したぶどうは小粒で房も小ぶり、熟度が高く酸はおだやか。2019年は2023年に類似した気候、多湿な温暖年。⑧は辛口タイプのリースリングで余韻が長く、飲み込んだ後の残存感が極めて秀逸


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ニーダーハウゼン・ヘルマンスヘーレ・リースリング/⑩を先に試飲
⑨アウスレーゼ2018
⑩シュペートレーゼ2011
フォアグラ大根 芽キャベツ

畑は⑧のワインと同じ❹HERMANNSHÖHLE。ヘルマンスヘーレはデーンホーフのベンチマークで、⑨と⑩の畑は南南西および南東向き。「収穫年によってアウスレーゼは貴腐菌の影響を受けるが、これら2つのヴィンテージは皆無」と当主
甘口のリースリングの背後には甘味を流してくれる高い酸があるので、2アイテムとも心地良い味わいで美味。一方で、長い熟成期間を経てきた甘口ワインを味わうと、時として甘さよりドライさを感じることがある。最終フライトの2アイテムの残糖は、⑨が110g ⑩が75gとのこと。アウスレーゼのほうが糖分多めなのは理解しつつも、味わうとアウスレーゼが甘味<酸味、逆にシュペートレーゼが甘味>酸味。熟成によってまろやかになった酸味効果なのか。マリアージュはシュペートレーゼがフォアグラに寄り添う印象に🤔
ちなみに、デーンホーフ当主にお気に召したマリアージュを伺ったところ、お返事は「フォアグラとシュペートレーゼ2011」でした。甘味の感知具合については確認しませんでしたが・・・


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【気候変動、エコロジー】

Q:温暖化の影響を感じますか?
80年代、90年代は酸がシャープだったので、今とは違うワインスタイルになっていた。尖った酸が飲んだ時に残らないように、糖分を残してワインのバランスを保っていた。我々の産地は標高が高いので、暑い年でもアルコール度数が上がり過ぎることはないし、確実にリースリングの品質は向上している。生活面では問題が出ているが、ワインメーキングでは温暖化の好影響下にあると言える。

Q:リースリングに関して、温暖年と冷涼年のどちらの年が向いていると思いますか?
リースリングはどちらの気候にも順応するので、収穫年や気候の特徴を生かすことが大事。温暖年ならトロピカルな要素が出るし、冷涼年ならシトラス系の引き締まった感じになる。

Q:PIWIに対する考えは?
注:ドイツ語の「Pilzwiderstandsfähige Rebsorten(真菌耐性ブドウ品種)」の略称
環境や気候変動のことを考えれば興味深い。我々は250年以上にわたってワイン造りを行ってきたし、素晴らしいワインを生産している。ぶどうの質も上がり、良い結果が出ている現段階において、PIWIについては考えていない。導入するとしても、長年培ってきた急斜面のグランクリュではなく、フラットな畑だと思う。ブルゴーニュでリースリングを植えるようになったら・・・私も考える(笑)


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超~長文にお付き合いくださり、ありがとうございました
久々にドイツワインを紹介しました。世界的評価が高いデーンホーフの秀逸なワインと対面できたことは仕事冥利に尽きます。
ドイツのワイン法やワインは馴染み難いと思っているワインラバーさんもいらっしゃるかと・・・でも、でも、ドイツおよびナーエを代表する品種リースリングの偉大な造り手デーンホーフのワインは味わう価値は大だと思います。

料理担当だった小田島大祐さんは、「日本の暑い夏にこそ、キーンと冷えたリースリングと和食を楽しんで!」と語っていました。
お試しいただれば嬉しいです。

製品の問い合わせ先:ジェロボーム(株) https://www.jeroboam.co.jp/contact.html

posted by fumiko at 23:45| Comment(0) | 来日したワイン生産者&関係者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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