2025年12月16日

NZの将来性を見越して持続可能な1000年構想を実践するプレミアムワイナリー『クラギー・レンジ』


注目のクラギー・レンジ
IMG_0974.jpeg

1998年、ワイン業界に参入し、ワールドクラスのワイン造りを目指してワイナリーを立ち上げたクラギー・レンジは、ニュージーランド屈指のワイナリーとして存在感を示しています。その間わずか・・・四半世紀

フラッグシップのワインは、アロハ(品種:ピノ・ノワール)とル・ソル(品種:シラー)。2020年ヴィンテージから、ラ・プラス・ド・ボルドー※1で流通。ブログに載せた特別プレステイスティングは大手ネゴシアンのひとつCVBGが主催しました。
※1 ネゴシアン(ワイン商)、クルティエ(ワインの仲買人)、シャトー(ワイン生産者)からなる流通網。ボルドーの高級ワインを流通させるための仕組みですが、1998年を境に世界中の高級ワインが参入。

まずは、クラギー・レンジの全体像・沿革をお伝えしたいので、創業者の孫デイヴィッド・ピーボディ ブランドアンバサダーの昨秋の来日リポートをご笑覧くださいませ。


サステナブルな1000年構想
IMG_1076.jpg
画像提供:Craggy Range


ワイナリーを興すにあたっては既存のワイナリーや畑を購入するのではなく、“全てゼロから”を鉄則にして、10年の歳月をかけて、ボルドー、カリフォルニア(特にナパ)、オーストラリアを視察。最終的に、ニュージーランドの北島ホークス・ベイに拠点を定めました。中心部のギムレット・グラヴェルズは灰色の石、砂やシルトが層になった土壌で、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルド、シャルドネを栽培。南島マーティンボロにも進出し、この地では、テラス中腹のローム層や火山灰土壌でピノ・ノワール、下部の堆積土壌でソーヴィニヨン・ブランを栽培。北島と南島の2ヵ所で秀逸なワインを生産しています。

クラギー・レンジの終着点は、名門ラフィットやムートン等と肩を並べること。ゆえに、ファミリーが一丸となって前進することが必須です。そこで、創業者テリー・ピーボディ氏は1000年に及ぶ信託契約※2を結びました。骨子は、①世代間の資産をスムーズに譲渡させ、資産を安全に管理する、②世界的名声を得るまで一族は堅い絆でワイナリーの継承を図る、という2点。サステナブルなワイン造りを反映させる壮大な計画ですが、家族経営の企業でもあまり類をみない内容です。それだけに“世界最高のワイナリーの座を掴み取る”との気概を感じます。
※2 所有する財産を信頼できる他者に託して代わりに財産を管理・運用してもらう制度。委託者、受託者、受益者によって構成されるが、受益者を決めるのは委託者なので、委託者が受益者になる場合もある。出典:(一社)信託協会



✨✨✨


アジア・ビジネス・マネージャーのナビでフラッグシップワインを垂直試飲
IMG_9647.jpg

左からアロハ2020年、2021年、2023年、ル・ソル2020年、2021年、2023年
案内役は来日したマーク・カンリフ アジア・ビジネス・マネージャー


IMG_9412.jpeg

上の画像は垂直試飲の前日
ジェームス・サックリング監修のグランド・テイスティングで、
愛好家にワインのサービスをしていたマークさん
SB テ・ムナ マーティンボロ2024&シラー ギムレット・グラヴルズ・ホークス・ベイ2021


✨✨✨


IMG_9597.jpeg
銀座界隈はクリスマスの装い
世界を飛び回るピーボディ家の常宿ぺニンシュラ


IMG_9602.jpg
北海道産紅ずわい蟹
×
クラギー・レンジ ソーヴィニヨン・ブラン2023

ストーンフルーツやハーブ、ピュアな酸味。「シトラス、ミネラル、酸が特徴、プイィ・フュメ似の燻したニュアンス」とマークさん。2023年ヴィンテージはWS誌2024のTOP100の11位、このアイテムはwine to style扱い


第1フライト
IMG_9611.jpeg

アロハの3ヴィンテージ/2020、2021、2023
ネーミングは先住民族マオリの言葉で“愛”
2020年、2021年は暑い年で12月の降雨を除き、収穫までの期間は気候良好
全房発酵の比率は2020年70%、2021年30%、2023年はゼロ
フレンチオークで14ヵ月熟成(新樽率30%程度/収穫年によって異なる)


IMG_9616.jpeg

東北産比内地鶏
鶏肉の各部位を塩麹、ペースト、コロッケ仕立てで供出
大葉やほうれん草を使い、シソのジュレやオイルを繋ぎ役に!
ピノからシソの風味を感じるので、食材選びには納得

最新ヴィンテージ2023年はフレッシュで果実のアロマ豊か
中央の2021年は赤系果実、厚み、複雑味、シルキー、3つのなかのマイベスト
左の2020年は芳醇なスパイス、全体のバランスが良く、料理と楽しめたVT


IMG_9620.jpeg

2023は他のVTより色調が淡め。「2月にサイクロン“ガブリエル”が襲来したので、果皮が厚く、熟すのが遅いエイベル・クローンのピノが収穫できなかった」とマークさん。この年はディジョン・クローンだけを使ったピノ・ノワールなので、前述の2VTより、全体的にスレンダー。


IMG_9630.jpg
「2024年は気候的に安定していたので期待して欲しい」と強調

マークさんに「気候変動による影響」について伺ったところ、「過去40年間の収穫日を見ると、それほど大きなズレはなく、毎年同じ頃に収穫しているので、影響は感じていないが、2023年や2017年の大型サイクロンは過去に経験したことがないものだったので、それらは気候変動によるものではないかと推測している」とのお返事でした。ちなみに2023年は北島のホークス・ベイが洪水で甚大な被害を受け、2017年はオークランドの飛行場が冠水するほどの記録的な豪雨になりました。



第2フライト
IMG_9631.jpeg
第2フライトはル・ソル
ネーミングはsoil(土壌、ユニークな場所の意味)
左から2020、2021、2023

全房発酵の比率は2020は50%、2021は30%、2023はゼロ
フレンチオークとオーストリア産オークで17ヵ月熟成(新樽率37%)


IMG_9637.jpg

青森産鴨胸肉
付け合わせは根セロリのムース、柿のマリネ、かぼちゃのピクルス

2023年はスミレ、甘草や胡椒、ハーブ、繊細かつ安定したタンニン、デリケート
2021年は黒系果実、スパイス、酸味、旨味、「シラーらしさが発揮できた年」とマークさん
2020年はブルーベリー、黒胡椒、グラファイト、複雑味、柿のマリネと好相性


IMG_9642.jpg

ル・ソルを鳥瞰撮影
2023年が他の2つより淡く、赤紫を帯びた色調


IMG_9645.jpeg

駒ヶ岳産サンド
駒ヶ岳ウィスキーとチョコレートの焼きたてテリーヌ
ココアサブレとほうじ茶のアイスクリーム


Craggy Range picture Press Lunch.jpg
ランチテイスティング終了後、マークさん&
シモーネ・ベラルデッリCVBG日本&韓国エクスポートマネージャー(右から2人目) を囲んで  
大変お世話になりました‼

posted by fumiko at 20:02| Comment(0) | 来日したワイン生産者&関係者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください