第4週講座が終わった翌朝、富士山の初冠雪のニュースがありました。
去年より15日早い観測とのことですが、観測史上では4番目に遅い記録とか。
二十四節気では霜降(そうこう/10月24日頃)から立冬(りっとう/11月7日頃)への移行期
最近の冷え込みで、しっかり“冬”を感じています!
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秋季講座の第1回は8年振りのメゾン
1985年に元銀行家のアラン・ティエノーさんが興したティエノー
輸入元はグッドリブ(髙島屋のワイン部門)
扱うワインの筆頭はブルゴーニュのルロワ
シャンパーニュのティエノーも品格ありです!
出典:Champagne THIENOT
30㌶ある自社畑の50%はグラン・クリュとプルミエ・クリュ
トップキュヴェであるスタニスラス、ガランス、アラン・ティエノーに使うぶどうは、
上記の地図で確認できます。
供出した5アイテム
左から右の順に#1~#5
第一フライトは3種のノン・ヴィンテージ
#1:ティエノー キュヴェ・ブリュットNV
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:PN45%、CH40%、ムニエ15%
ベースヴィンテージ:55%/2017年
リザーヴワイン:45%
ドザージュ:4g/L
価格:8,800円
#2:ティエノー ブラン・ド・ブランNV
第3週&第4週の講座生から多くの支持を得ていたメゾンの顔。8度位だとフレッシュ&柑橘系果実やストーンフルーツ系果実のアロマ、グラスの温度が上がるにつれ、フレッシュ感を伴いながら、様々な味わいが楽しめるシャンパーニュ。2017年がベースヴィンテージであることとに加え、メゾンの特徴でもあるリザーヴワインの多さが複雑味を醸し出している印象
#2:ティエノー ブラン・ド・ブランNV
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:CH100%
ベースヴィンテージ:2018年
ティラージュ:2019年4月
ドザージュ:6g/L
価格:11,000円
価格:11,000円
レモンやオレンジ、塩味、白コショウ、ヴァニラ、ナッツ、柑橘系果実の内果皮似のビター感、持続性ある酸味、凛としたスタイル、和の要素と釣り合うイメージ(白身の刺身を塩あるいはレモンで)。ちなみに、ティエノー家ではお寿司も手作りします。
#3:ティエノー ロゼNV
生産者:ティエノー
ぶどう品種:PN40%、CH50%、ムニエ10%
赤ワイン添加7%(レ・リセイ産のPN)
ベースヴィンテージ:60%/2020年
リザーヴワイン:40%/2016~2019年
ドザージュ:4g/L
価格:11,000円
アセロラカラー、ラズベリー、バイオレット、ドライローズ、若干のフェノール、中盤以降の酸の持続、味わいに丸みがあるのはフラワリーなリセのピノに由来するから、はて🤔
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今回ティエノーを取り上げた理由のひとつは醸造面でのこだわり
2017年シェフ・ド・カーヴに就任したニコラス・ウリエルさん
『カナール・デュシェーヌ』はアラン・ティエノーさんが買収したメゾンです。
カナール・デュシェーヌ&ティエノーの醸造を担当していたのはローラン・フェデウさん(右)
ニコラスさんはローランさんのもとで10年間働き、2017年からティエノー専属になりました。
記録を辿ると、私は2017年のシャンパーニュ騎士団で、ニコラスさんと対面していました😉
jettingの導入
ジェッティング(噴射)はデゴルジュマン後に実施
極少量の水とSO2を投入
液面が瓶首まで上昇すると同時に空気が外に出るので、そのタイミングで打栓
青の矢印が噴射の瞬間になります。
ワインの液面が泡立ち、この後、ボトル内の空気を排出
「シャンパーニュ造りで最も気を配っていることは酸化」と語っていたローランさん。2015年頃から、jettingを導入しています。「ボトリングの時に生じる液面の高さを埋め、酸化を防止し、ボトル差をなくして品質を安定させることができる」とコメント。すべてのアイテムに実施しており、シャンパーニュはフレッシュ感のあるスタイルになっています。
講座では、8割近くの方がティエノー初体験でした。ノン・ヴィンテージ3タイプについて「フレッシュ、綺麗な酸の広がり、バランスの良さ」との意見が大半でした。私がワンワードで形容するとしたら“エレガント”、jettingを施したマグナムは是非とも試したいです!
ご参考までに・・・
▪シャルル・エドシックでは、前シェフ・ド・カーヴのシリル・ブランさんが2018年頃から導入。シリルさんいわく「最初はブラン・ド・ミレネール1990に実験的に実施した」と。「デゴルジュマン後の均一な酸素の量を保証するものであり、量的には0.0001ml。極少量の水とSO2を高速でぶつけることで、液面が膨れて、そのタイミングでコルク栓をして均一化を図っている」と解説。Mytik Diam(スパークリング用のディアムコルク)とjettingの併用で、ブショネの回避のみならず、ワイン中の空気の浸透率の安定化と均一化が可能。
▪ルイ・ロデレールではjettingを使うかどうかについて、定めたルールはないとのこと。ワインの性格や状態によって、ブラインドをしてから決めています。ハーフボトルやロゼには施しています。シェフ・ド・カーヴのジャン・バティスト・レカイヨンさんは「微量でもSO2を使うのは水だけだとバクテリアに侵される可能性があるから」とおっしゃっていました。
余談ですが、9月の講座でルイ・ロデレールのコレクション244のマグナムを出しましたが、ほとんど空気に触れていない透明感ある色調だったので、もしかして、jettingをしているのでは・・・と推測🤔
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第二フライトはメゾンが誇るトップキュヴェ
21世紀最高のヴィンテージのひとつ2008年
こちらはjetting導入前のアイテム
#4:キュヴェ スタニスラス2008
生産者:ティエノー(NM)
ぶどう品種:CH100%
ティラージュ:2009年6月
デゴルジュマン:2022年9月
ドザージュ:4g/L
価格:27,500円
#5:キュヴェ アラン・ティエノー2008
#5:キュヴェ アラン・ティエノー2008
生産者:ティエノー
ぶどう品種:CH60% PN40%
ティラージュ:2009年6月
デゴルジュマン:2022年9月
ドザージュ:6g/L
価格:27,500円


