2025年09月24日

フランス南西部のプレモン、気候変動に強い品種タナ、リリースが待ち遠しい日本限定版“Le Faîte”😋


今回は大西洋とピレネー山脈から等距離にある産地プレモンの情報をお伝えします!
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来日した南西地方の生産者協同組合プレモン
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案内役はプレモンのオリヴィエ・ブルデ・ペース代表
フランス国家最優秀職人(MOF)受章者であり、
ホテル・ド・クリヨンのチーフソムリエのグザヴィエ・チュイザさん

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左からオリヴィエ・ボルデ=ペースCEO、グザヴィエ・チュイザさん
MC担当、オリヴィエ・ダバディプレジデント


トレードマークは“ベレー帽”
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PLAIMONTとは
フランスのガスコーニュおよびピレネー山麓のワイン生産者600世帯を束ねる生産者協同組合
プレモンは5,300㌶に及ぶぶどう畑のなかに、ピエモン・ピレネアンの主要名称である
AOCサン・モンAOCマディランAOCパシュラン・デュ・ヴィック・ビル
1つのIGPコート・ド・ガスコーニュを網羅しています。


プレモンはぶどう品種学の研究でも非常に重要なエリアであり、
古くからある固有品種を保護するために、
2002年フランス初の私設ぶどう品種保護施設を開設
プレ・フィロキセラの畑には、
樹齢200年を超える歴史的記念物に登録された唯一の古樹があり、
貴重な植物の遺産を守っています。


アッサンブラージュ・デュ・フェットとイベント
フランス南西部地方のワイン聖地サン・モン地区の中心部で開かれるイベントで、
選ばれるル・フェットは最高の表現力をアッサンブラ-ジュした唯一無二のワイン
イベントは毎年実施されていますが、今回は日本で開催されました!


Le Faîteの規定品種
黒ぶどうも白ぶどうも3種類
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タナ、ピナンク、カベルネ・ソーヴィニヨン
世界中が気候変動の影響を受けている今の時代にあって、
タナは暑い気候でも酸味を維持し、
厚い果皮は病害虫への耐性もあるので、
3品種のなかで最も頼もしい存在


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グロ・マンサン、プティ・クルビュ、アリュフィアック
果皮が厚く、腐敗に強いグロ・マンサン
温暖化や病害への耐性に強いので頼りになる白ぶどう

プティ・マンサンの直系の子孫がグロ・マンサン
ボルドーでは2019年に気候変動に適応した“新たな品種”として、
プティ・マンサンをAOC規定に導入しました。
日本でもココ・ファームや安心院葡萄酒工房
メルシャンやマンズワインでも栽培&生産


3タイプの土壌
力強さと熟成の可能性を秘めた粘土石灰質
繊細で優雅な風味をもたらす砂質
ワインに深みとパワーを与える砂利や小石を含んだ粘土質
3タイプの異なる土壌の個性がワインの味わいに反映





第1フライトではプレモンのワインスタイルを学習
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ペースCEOがル・フェット2014、2020、2021年ヴィンテージについて解説
甘草、黒トリュフのアロマ、なめらかなタンニンのミレジメ2014
濃厚なアロマ、複雑味があり、洗練された印象のミレジメ2020
まだ若さがあり、スパイスとドライフラワーを連想させるミレジメ2021



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3種のル・フェットのなかで印象に残った2014年
10年以上の歳月を経てから本来の姿を見せてくれる感じ


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ル・フェットのミレジメ2015
輝きのある黄金色、ダイナミックで豊潤な味わい、長い余韻


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心惹かれた1本
シルク・ノール2020
温暖化対策に適した北向き斜面で栽培
ぶどうは石が多い土壌で太陽の光を吸収して成長
古樽で20~30ヵ月熟成させ、その後、タンクでブレンド
柑橘系果実、黄桃、白胡椒、蜂蜜
高い酸味、スパイシーな味わい、旨味を伴った余韻


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第1フライトに登場したアイテム

ル・フェットのラベルは木製のプレート
瓶詰め後にプレートがロウ付けされます。
その昔、地中に埋めて保存していた名残りで、
紙だと湿気で傷んでしまう為
木の素材で対応していた由
歴史を継承しています。




第2フライトは日本限定版ワインにフォーカス
プレモンのワイン生産者が手掛けたアッサンブラージュの中から、
その年を代表するワインとしてふさわしいものを、
フランスおよび販売する国を代表する専門家たちに一任して選出

30名の業界関係者が審査員となり、ル・フェットの赤と白を選びました。
私もお仲間に加わりました。

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供出された3種の赤ワインを項目にそって採点


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赤はNo3が圧勝

自己採点ではNo.1に4点、No.2とNo.3に5点を付けました。
CEOとグザヴィエさんは、
「粘土質と砂質で育ったタナのキャラクターが良く出ていて、
ミネラルの要素も好印象」と。

白ワインの画像はないのですが、No.2とNo.3が僅差だったようです。
選出されたのはフレッシュ、スムース、エレガントなNo.2
No.3は樽のインパクトが強めでした。

プレモンのメンバーいわく
「日本は全体的にエレガントなタイプを好み、
フランスはもう少しパワフルなワインを好む傾向にある」


決定した日本限定版ワイン
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選ばれたル・フェットは、これから熟成の最終段階に入るので、
市場デビューは2026年末から2027年にかけての予定です!

ペースCEOは、「今回の選択が正解だったのかどうかは誰も知るところではありません。何より、このワインを日本の皆さんと一緒に選んだことに意義があります。このワインが世に出るときに再度、皆さんとお目にかかり、答え合わせができることを楽しみにしています」とのコメントを残しました。希少価値のある日本限定版ワインのリリースをこころ待ちにしています。


posted by fumiko at 22:23| Comment(0) | 来日したワイン生産者&関係者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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