アキコ・フリーマンさんと赤星映司ダニエルさん
アキコさんはディレクター・オブ・ワインメーキングの肩書で、今後もワイン造りに関わっていきます。赤星氏は2023年にアソシエイト・ワインメーカーとしてチームに参画しましたが、プレス会見では、赤星氏が、アキコさんの親族とゆかりのある人物だったというサプライズストーリーも紹介されました。
フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーは、ソノマの冷涼な丘陵地グリーン・ヴァレー・オブ・ロシアン・リヴァー・ヴァレーAVAにワイナリーとぶどう畑。海に近いウエスト・ソノマ・コーストAVAにも自社畑を所有しています。
ブラジル生まれの赤星さんは、江戸時代末期薩摩藩から英国に渡り、のちに、カリフォルニアのワイン王と呼ばれた薩摩藩士・長沢鼎※のご子孫で、鼎翁は高祖叔父にあたるとのこと。さらに赤星さんの高祖父、弥之助氏のご息子鉄馬氏が居住していた鳥居坂の建物は、のちに岩崎弥太郎の甥・岩崎小彌太氏の手に委ねられます。
現在、「国際文化会館」の庭園として活用されていますが、アキコさんの祖母は岩崎弥太郎の長女・春路の姪っ子という系譜なので、両家には運命的なつながりがありました、びっくり😲
※1875年、23歳の時にカリフォルニア州サンタローザに移住し、「ファウンテングローブ」でワイン造りを開始。1800年代後半には、1,700エーカーのぶどう畑で年間20万ガロン(約84,000ケース)のワインを生産し、1900年代には、カリフォルニアを代表する名門ワイナリーのひとつとして名を馳せた。ワイン業界における影響力ある人物、日本人移民の支えとなる重要な存在だった。
お披露目会の後のテイスティングに登場したトップレンジの「アキコズ・キュヴェ ピノ・ノワール ウエスト・ソノマ・コースト」、ヴィンテージは2021年。赤系果実の芳醇さと凛とした酸味を備えたエレガントなワインです。
ちなみに、フリーマンでは毎年、数名がそれぞれにキュヴェを造り、ブラインドテイスティングによって、最も人気のあるキュヴェが「アキコズ・キュヴェ」になります。
過去20年間、アキコさんが手掛けたワインが選ばれていたそうですが、2024年に至っては、何と、赤星氏のキュヴェがトップだった由(アキコさんは赤星キュヴェをご自身作だと思っていたそうです)。おふたりの味わいの方向性が似ていることを証明する出来事ですね。
フリーマン・ヴィンヤード&ワイナリーの大いなる発展を期待しています!


