2025年05月24日

2000万年前の時が織りなすワイン産地サンタバーバラ・カウンティ&初代「カリフォルニアワイン・ソムリエアンバサダー」決定


 カリフォルニアワインの多様性を発信しているカリフォルニアワイン協会(CWI)
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カリフォルニアワイン協会主催のカリフォルニアワインAliveテイスティングは試飲会とセミナーの2本柱です。2019年から“テーマ産地”を定め、ナパ・ヴァレー、ソノマ・カウンティ、ローダイ、パソ・ロブレス等を深堀りしてきましたが、今年は冷涼エリア、映画『サイドウェイ』の舞台にもなった「サンタバーバラ」にフォーカスしました。
業界関係者対象の試飲会には、東京64社791品、大阪49社645品の出展数があり、参加者は東京674名、大阪308名で、過去最高数を記録との公式発表もありました。


カリフォルニアワインAliveテイスティング2025
第一部セミナー
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ABC、クラウン・ポイント、フェス・パーカー、ブリュワー・クリフトンの各生産者
最右はサンタバーバラ・カウンティ・ヴィントナーズのアリソン・ラスレットCEO

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総面積68万5,000ヘクタール以上
総栽培面積4,450ヘクタール以上
ぶどう品種は75種以上
栽培のトップ5品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、シラー、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン
AVAは7つ(2025年現在)

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■サンタ・マリア・ヴァレー/太平洋に近いエリア、CHやPNやシラーを栽培
■サンタ・リタ・ヒルズ/PNやCHに適したエリア、日較差は10度程度
■バラード・キャニオン/サンタ・リタ・ヒルズの東側に位置し、ローヌ地方のミストラル似の風が吹くローヌ系品種向きのエリア

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■ハッピー・キャニオン・オブ・サンタバーバラ/ 海から離れた30度超の日もあるエリア、栽培品種はボルドー系のCSやSB
■ロス・オリヴォス・ディストリクト/50のテイスティングルームを備え観光に力を入れているエリア、SBが主役
■サンタ・イネズ・ヴァレー/5つのAVAを包括、土壌も品種も様々、多様性に満ちたエリア
■アリソス・キャニオン/暑すぎず&涼しすぎずの気候状況に恵まれた最も小さなエリア、ローヌ系品種向き

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1.フェス・パーカー シャルドネ“アシュリーズ” 2023
サンタ・リタ・ヒルズAVA。2023年は冷涼年。太平洋に近い冷涼エリアで畑は砂質土壌。ぶどう樹は1990年代後半にパーカー家が植樹。100%樽発酵(新樽37%)、7カ月熟成。柑橘系果実、黄リンゴ、洋梨、レモンクリーム、バニラ、ブリオッシュ、口中なめらかな、好印象。

2.ブリュワー・クリフトン 2023  ピノ・ノワール
サンタ・リタ・ヒルズAVA。1996年にワイナリーを立ち上げ、ワイン業に関わって30年のブリュワーさん。造りのスタイルは10~30年の使用樽を活用。全房発酵を取り入れているのは「“梗”が、繊細な植物的なアロマを生み出し、果実の力強さを引き立て、タンニンやストラクチャー、旨味の要素が表現できるから」とコメント。果実と酸味のバランスが良く、丁寧さが伝わってくる味わい。

3.オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール“ノックスアレキサンダー” 2020
サンタ・マリア・ヴァレーAVA。1982年創業のワイナリー。サンタバーバラの地で造るブルゴーニュスタイルの魅力を世界に知らしめた創業者ジム・クレンデネンさんは2021年に他界し、現在は長女イザベルさん&息子ノックスさん、ワインメーカーのジム・エデルマンさんとセラーマスターのエンリケ・ロドリゲスさんの4人体制で活動中。父親亡き後も、ワイン造りの標語は“バランスと個性”。ノックスアレキサンダーはぶどうは3つの畑、ワイナリーが位置するビエン・ナシード、自社畑ル・ボン・クリマ、隣接するランウェイの一部を使用。発酵は5トンの開放型発酵槽を使い、25%全房発酵、フランソワ・フレールの新樽100%で熟成は22ヵ月。ラズベリー、ベーキングスパイス、ナツメグ、アーシーさ、ミネラルのニュアンス。

4.ラバージ グルナッシュ 2021 来日中止
サンタ・リタ・ヒルズAVA。同エリア西側の敷地に点在する17エーカーの畑にアルバリーニョ、ピノ・ノワール、グルナッシュ、シラーを栽培。動画で「健全な畑から産する果実味・骨格・酸味を備えたバランスの取れたぶどうが重要であり、そのためには収穫のタイミングが大事」とのメッセージ。世界で最も冷涼なグルナッシュの栽培地のひとつで、全房発酵の比率は23%、ブルゴーニュ樽(228L)で18ヵ月育成、アルコール度数15.4%、ボディ感ある味わい。

5.クラウン・ポイント “カベルネ・ソーヴィニヨン” 2021
ハッピー・キャニオンAVA。太平洋から北へ18㎞、サンタバーバラ・カウンティの東端、標高290ⅿで畑は15ヘクタールで岩が多い火山性土壌、南向き30度の斜面。ぶどう品種はCS97%とPV3%(自社畑100%)のブレンド。新樽と一空樽各50%で22ヵ月熟成、赤紫の色調で粘性もあり、カシスやブルーベリーのアロマ、若々しいテクスチャーで中盤からシルキーなタンニン。


供出ワイン
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供出順に
1.フェス・パーカー シャルドネ シャルドネ“アシュリーズ” 2023
2.ブリュワー・クリフトン ピノ・ノワール 2023
3.オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール“ノックスアレキサンダー” 2020
4.ラバージ グルナッシュ 2021
5.クラウン・ポイント “カベルネ・ソーヴィニヨン” 2021


午後からの試飲会
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大盛況!

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フリーマンアキコさんのワインスタイルは上品
和の要素を感じます!

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桃井隆宏さんが手掛けるアーサーセラーズのワインは超お薦め

余談ですが・・・
椿山荘主催『日本で飲もう最高のワイン2015』で専門家審査員を担当した時、
最高賞プラチナに選ばれたワインのひとつが桃井さんのピノでした。
10年ほど時が経ちましたが、今回、久々に桃井さんと再会し、懐かしく嬉しく思いました!

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上記は2015年の受賞式の記録
ここにも書いてありますが、
アキコさんと桃井さんのワインの師匠はエド・カーツ氏
品のある造りが共通しています。

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マージュラムのブース

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当日のマイベスト
シラー好きには最高でした!


✨✨✨

 サンタバーバラのワイン試飲とHAL YAMASHITAの新和食の食体験
試飲会翌日のプレスイベント

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   出典:CWI


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Haru YAMASHITA シェフのオリジナルメニューに合わせて

勢揃いした来日メンバー
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アリソン・ラスレットCEO(2列目中央)&来日した9生産者


オーボンクリマ ブースの設定はABC順でした
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イザベル・クレンデネンさん 
ヒルデガードホワイトワイン2021はサンタ・マリア・ヴァレーAVA
PB50%、PG45%、アリゴテ5%をブレンド
新樽100%で品種毎に2年間熟成、私には樽若干強め


ブリュワー・クリフトン
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グレッグ・ブリュワーさん
サンタ・リタ・ヒルズ ピノ・ノワール2022

ジム・クレンデネンさんを尊敬し、彼の造りを模範にしてきたグレッグさん
使用樽を使い、全房発酵に注力する彼のワインは繊細
ABCの後に試飲したことで双方の造りの違いを実感

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愛媛の真鯛のカルパッチョと新鮮なハーブとナイスなペアリングだったシャルドネ
ブリュワー・クリフトンのワインに感じる“塩味と旨味”


クラウン・ポイント
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エージェー・フェアバンクさんはカベルネ・ソーヴィニヨンを2種


ディアバーグ・ヴィンヤード&スターレーン・ヴィンヤード
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タイラー・トーマスさん
シャルドネ ドラム・キャニオン・ヴィンヤード2019
スターレーン アストラル2013

う~ん、見覚えあるお顔・・・
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当時の画像をお見せして確認しました。
2014年当時はワインメーキングディレクター、今は醸造長兼社長
サンタバーバラの素晴らしさが体感できた貴重な訪問記はコチラ


フェス・パーカー
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スペンサー・シュールさん
ブースではシャルドネ2023とピノ・ノワール2023を紹介


ラバージ
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来日できなくなってしまったラバージ
サンタバーバラ・カウンティのフィル・カーペンタ―さんが代役!

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握り寿司に合わせたのはアルバリーニョ2023(未輸入)


ロンゴリア
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ブルック・クリスチャンさん
手にしているのは日本未輸入のアルバリーニョ2023&メンシア2022


マージュラム
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ダグ・マージュラムさん
ローヌ系5品種を使用したM5

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照り焼き鶏もも肉にはマージュラムM5、メイン品種はグルナッシュやシラー
2014年のサンタバーバラ訪問時から気になっていた造り手が“マージュラム”


ネイティブナイン
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ジェームズ・オンティヴロスさん
ランチョ・ヴィネード シャルドネ2020とピノ・ノワール2020を手に!


プレスキィ―ル
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トニー・チャさん
日本未輸入のアリゴテ2023&ピノ・ノワール2022を披露



【最新情報】
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記載事項に関するお問い合わせ先
カリフォルニアワイン協会(CWI)
jpmedia@wineinstitute.org

posted by fumiko at 23:02| Comment(0) | カリフォルニア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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