“魅力あふれる豪華さ”の代名詞
深みがありビロードように滑らかなブラックチェリーの風味と、
南国の豊かなチョコレートの濃厚さ
マッセートには心が震える官能があり、甘美なメルローを見事に表現した“高貴さの完成形”
セレナ・サトクリフMWがスーパータスカン『マッセート』を形容した一文、最上級の賛辞
左から ■マッセティーノ2022、2018
■マッセート2021、2016、2015、2013、2009、2006、2005、1999、1996、1995
昨秋開催されたマッセートのマスタークラス
レトロスペクティブと題された垂直試飲
2021年から1995年まで遡って10ヴィンテージ(VT)を垂直試飲しましたが、
収穫年の古いワインまでを単に回顧(試飲)するだけでなく、
収穫したぶどうに長年の知恵を投影させてきた社長ならではの試み
今後の進化を目指す意味合いを加味した表現と推察しました。
マッセートの根幹は
伝統と未来のコンビネーション!
🍷
新任のマルコ・バルシメッリ生産部長を伴い
6年ぶりに来日したランベルト・フレスコバルディ社長
トスカーナの歴史と深いつながりがある名門フレスコバルディ家
同家がワイン醸造を開始してから30代目となるランベルト氏
“レトロスペクティブ”との形容に深みを感じます。
🍷 🍷 🍷
イタリア・トスカーナのスーパータスカン『マッセート』
画像データ:(C)マッセート
トスカーナ州の海沿いに位置するマレンマ地方ボルゲリ
ワイナリーは地中海からわずか数キロ
photo by Fumiko
自然の本質をとらえ、それを最高レベルに引き上げる
鮮新世粘土質土壌の小区画から生まれるマッセート
特別な青色粘土層とメルロとの良好な関係
水分を溜め込んだ土壌は地中の温度を冷たく保つ
メルロは成長を促され、複雑味を高める
因みにマッセートはドライファーミング(無灌漑)
参考資料
画像データ:(C)マッセート
セミナー中、繰り返し強調されていた特殊な青色粘土層
約7㌶の丘の中腹にあるぶどう畑は、
上部は小石と砂の多い土壌
下部は砂と粘土が混在する土壌
中腹部はブルー粘土と呼ばれる土壌
🍷 🍷 🍷
第1フライト
第1フライトはマッセティ―ノ2022、2018
マッセート2021、2016、2015、2013
着席時にはテーブル上に6グラスが並んでいました。
マッセティーノは樹齢の若い樹を使ったマッセートのセカンドワイン、飲みやすくフレッシュ
■2022年は冬から春の間は乾燥していて高温と旱魃が75日続いた。夏も非常に暑く35度を超える日があったが8月の降雨でぶどうは良好に熟した。マッセティ―ノは猛暑でも“フレッシュさ”を備えていることがポイント。アロマ、ボリューム感、スタイルにおいて理想的なVT
■2018年はぶどうが熟すには温暖な気候だった。極端な温かさではなかったが、春はマッセート史上最も降雨が多かった。収穫は長期にわたり、8月31日から開始し10月4日に終了。チェリー、プラム、バラ、ヴァニラ、スムーズなタンニン
マッセートの三要素はフレッシュ、ミネラル、塩味
■2021年 温暖年。完璧なVTのひとつ。年初にかなりの雨が降り、地中に水分が蓄えられた。夏の暑さが凝縮感を与え、バランスの良いぶどうが収穫できた。チェリー、スパイス、エレガントで余韻も長い
■2016年 雨が多かったが、気候は程よく収量も適量。肉厚でタンニンも豊か、カシス、甘草、ココア、今までになかったタイプ
■2015年 気候は完璧、約10年経過しているが、まだ若さを備えたVT。フレッシュ、塩味、口中での厚み、緻密なタンニン
■2013年 降雨が多く気温は低め。「偉大なテロワールはパフォーマンスに優れ、2013年ヴィンテージでは粘土質が余分な水分を吸い取ってくれた」とバルシメッリ氏。チェリー、ミント、バルサミコ、アールグレイ、黒オリーブ
ボルゲリの特殊性
ボルゲリについて「トスカーナにあって、トスカーナではない。この地は昔からサンジョベーゼの品種で知られてきたが、温暖な気候下のボルゲリは特殊で、ボルドー系品種に適したエリア」とフレスコバルディ社長
第2フライト
マッセート
■2009年 温暖年。夏の間降雨はなく、35度超えの日が続いた。アフリカから吹く強風(シロッコ)でぶどうの熟成は進み、収穫はマッセ―ト史上最も早く9月2日に始まり10日に終了。糖分、酸味、タンニンのバランス良好、チェリー、スパイス、ミネラル、チョコレート
■2006年 偉大な収穫年。4月から8月まで降雨がなかった。9月上旬に気温が上昇、理想的な天候のおかげで凝縮感あるぶどうを収穫できた。非常に乾燥した年。黒系果実、スパイス、エレガントなタンニン、フレスコバルディ氏とバルシメッリ氏好みのVT
■2005年 芽吹きは遅れたが開花は例年より早く順調な天候に恵まれぶどうは完璧に熟した。20年経過しているが、若々しくクリスピィ。バルサミコを連想させる熟成感。ミネラル、塩味、チョコレート
■1999年 冬から春まで冷涼、夏は暑く日較差(昼夜の温度差)があり、収穫は理想的な気象条件下、7日間続いた。ハーブ、甘草、葉巻、黒オリーブ。熟成が進んでいる印象ながらまだ熟成のポテンシャルあり
■1996年 冷涼年。芽吹きは遅かったが6月と7月は安定した気候。8月中旬の降雨で熟成が遅れたが収穫は9月8日に開始。90年代は現在と違い、大きなばらつきはなく、マッセートのDNAミネラルや塩味が顕著。黒系果実、バルサミコ、アールグレイ、レザー
■1995年 冷涼年。年間を通して例年通りの気候、6月下旬から気温が低下、8月は断続的な降雨、9月は涼しい日が続き、収穫は9月13日に終了。ミント、バルサミコ、トリュフ、チョコレート、上質なタンニン
長年ボルドーでワイン造りに従事してきたマルコ・バルシメッリ氏は、ボルドーとボルゲリのそれぞれの土壌で育つメルロついて、「気候や標高、台木や剪定が違うが、ボルドーでは樹勢が強くなりがちなので、植密度を高める必要がある。一方で、マッセートは、特殊な粘土質土壌ということもあり、植樹間隔はボルドーほど留意する必要はない」
また、「2020年や2021年は暑い年だったにも関わず、素晴らしいワインができたので、温暖化に対しては、気温の上昇だけをとらえるのではなく、それよりも、一時的に大量の雨が降ったり、極端に寒い日、暑い日等が発生することが増えているので、気候全般を見た時の、“変化の早さ”を懸念している。ぶどう畑でいかに対処していくかが課題である」と言及。
フレスコバルディ社長は、マッセート10ヴィンテージの垂直試飲の後、「ワインは熟成によって変化していくものであり、樹齢が古くなれば複雑味も増し、古樹になれば気候への適応力も備わっていくが、ワインは年ごとの個性を反映した農産物」と強調。リコルクに関しては、反リコルク派であることを明言。「ワインのマジックモーメントを壊すから」というのが理由。気候変動対策については、「涼しい年は結構あるが、天候を自分たちの力で変えることはできないので、ぶどう樹の台木や仕立て方を工夫しながら管理していく必要がある」と語りました。
マイベスト3は・・・
2015年 果実の凝縮感、旨味、シルキー
2006年 骨格、バランス、ボルドーを彷彿とさせる味わい
1996年 マッセートの神髄“フレッシュ”、エレガンス、個人的に冷涼年好み
CYCLEでペアリングディナー
すべてのワインは大容量のマグナムサイズで登場
マッセートは2021年、2006年、1996年の3アイテム
セミナーでマイベスト3だった
2006年と1996年を見つけ、
何とも光栄でハッピーな気分

ワインの熟成に寄り添う
トリュフ、イチジク、ヘーゼルナッツ、チョコ等
花や葉、根を表現したアミューズブーシュ
栗のフィナンシェ、リコッタチーズ入りのスナック等
一番若いヴィンテージからスタート
カルパッチョ風和牛のとろけるような脂分を、
若いメルロのタンニン分が洗い流してくれる印象
牛蒡、オレンジ、恵鴨 × 2006年ヴィンテージ
ポテンシャルある2006年
大容量は若さあふれる趣き
牛蒡のミネラルや鴨のロースト風味と合わせて
10年後、2006年のマグナムと再会できたら、と願ってしまいました!
チョコレート、小豆 × マッセート2006
サトクリフMWが表現するチョコレートの濃厚さ
茹で小豆のニュアンスも感じました!
挑戦するのは怖いことではあるが、
30年前にマッセートを手掛けた人たちに感謝している。
未来があるから今がある!
ペアリングディナーの〆で上述のように挨拶したフレスコバルディ社長
🍷
ランベルト・フレスコバルディ社長、マルコ・バルシメッリ氏&エレナ・オプレアさん
マスタークラスセミナー&ペアリングディナーにお招きいただき、ありがとうございました!
ヨーロッパ基準のプラスチックフリー認証グレードBを取得(4月16日付)
使い捨てプラスチックの使用を最小限に抑えることを目指す認証機関が発行するもので、
Cycelが日本の全業界において初の取得店になりました。
サステナブルと自然保護をコンセプトにしているので、
環境への配慮は、当ブログに載せているお料理や器等でもご理解いただけると思います。
💦ご挨拶
SSブログからseesaaブログへの引っ越しに伴い、リポートが大幅に遅れてしまいました。
すみませんm(_ _)m