
ホテルオークラ主催のワインスクール『ワインアカデミー』で、映画とワインの講座を担当しています。4月から始まった第25期生の皆さんとは、今週28日(火)と30日(木)の各講座でお目にかかりました。

講座では名画に登場するシャンパン&ワインを用意しています!
口開けはG.H.マムの『コルドン・ルージュ』
ここでは1939年から34年間にわたって同メゾンの経営で手腕を発揮したルネ・ラルーを紹介。その彼が生涯応援していた芸j術家が藤田嗣治(レオナール・フジタ)でした。
折しも、東京都美術館で藤田嗣治展が開催されているので、書籍では得られない、実物(本物)の素晴らしさを見ていただきたいとの思いから、皆さんには展覧会行きをおすすめしました。
30日の回に出席なさっていた受講生のおひとりから「昔、フジタの絵を所有していました」とのお話があり・・・一般家庭の温度管理では限界があり、絵画が乾いて傷んでしまう可能性があるという理由から、「泣く泣く絵を手放しました」と。画商から、「このままにしておくと絵の表面にひびが入ってしまう」と忠告されたそうです。
適切な温度と湿度が何より大事ということです。これは楽器でも同じですね。
その方は、「自分の管理でフジタの作品を損ねてしまってはいけない」と考え、「断腸の思いで、画商に委ねる決心をしました」と語っていました。
お話を伺いながら、私は東京都美術館で見たフジタの乳白色の裸婦像の絵画表面の色や艶、微細な色使いが美しく映えていた作品の数々を思い出していました。
藤田嗣治展は、絵画だけでなく、1つずつの額縁も素晴らしく、絵画との一体感が見事です。温度管理の話を伺ったことで、改めて名画を展示している世界の美術館の努力を感じました。
ワインの世界でも温度や湿度は大事ですが、絵画は視覚でチェックできる分、別の気遣いも必要なのですね。
ワインアカデミーでは10月から開講する第26期生募集に際して、9月8日~10月7日までの間の8回だけ体験講座を予定しています。渡部主任講師による丁寧なレッスンなので、おすすめです。私の講座はエキスパートクラス(最上級)になるので、受講生の皆さんとお会いするのは最後の最後になります。その分、心から楽しんいただける内容になっています!
ホテル・オークラは2019年の秋にThe Okura Tokyoとしてスタートします!
私もその時には、講座で新バージョンを披露したいと思っています。
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『ウィンストン・チャーチル(原題:Darkest Hour)』のゲーリー・オールドマンは完璧!
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映画に登場したのはチャーチルが愛したポル・ロジェの1928VT、ポル・ロジェではラベルも再現しました!

フランシス・フォード・コッポラ監督の奥様エレノア・コッポラさんの初監督作品『ボンジュール・アン(原題:Paris can wait)』

光栄にもエレノア監督とお話しするチャンスが!
テキスタイルに精通しているエレノア監督ですが、ワインについても相当な知識をおもちです。映画にはエレノアさん好みの自然派ワインが登場。講座ではそれらも揃えたいなぁと、今からワクワクしています。