2015年01月30日

ボワゼル180周年祝賀ディナー&シャンパン編冬期講座に供出したス・ボワ1990

1834年創業のシャンパンハウスボワゼル

は昨年180周年を迎えました。

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ス・ボワ1990、ボワゼルのシャンパン哲学のひとつが長い熟成期間

典型的な家族経営で、当主は5代目のマダム・エヴリーヌ・ロック=ボワゼル。記念ディナーは輸入元ピーロート・ジャパン主催で銀座エスキス

で行われました。レセプションで3アイテム、ディナーで5アイテムのシャンパンが登場、なかでもキュヴェ・ス・ボワ1990は圧倒的な存在感を示していました!

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B1のフロアにはセラーの写真やシャンパンが並べられ、マダム自らがウェルカムシャンパンのロゼをサービス。ブラン・ドゥ・ブランとブラン・ドゥ・ノワールも堪能できました。ちなみにボワゼルのセラーには創業当時のシャンパンが11本残っているとのこと、飲みたいです!

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親からメゾンを引き継いだ時、結婚したばかりで考古学専攻の学生だったというエヴリーヌさん。醸造やマーケティング等を学んでいくなかで、自分を突き動かしていたのはシャンパンへの強い情熱だったと語っていました。ご主人は地質学者の息子でぶどうの買い付けと醸造の監督を担当しています。

ボワゼルは、数年前に自社畑(7㌶)を購入しましたが、ぶどうに関しては長年の付き合いのある栽培農家に委ねています。使用するぶどうはプルミエクリュとグランクリュのみで徹底しています。

我が国との関わりは15年ほど前からで、マダムは日本文化や庭園、お茶に興味を惹かれているようです。お茶は玉露がお好きとか。180周年記念の喜びを述べた後、「エレガンス、フィネス、デリケートさに注目していますが、これらはすべてシャンパンに備わっています」とあいさつ

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エスキスのいつもながらの細かい気遣い

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ディナーではピーロート・ジャパン手配のアイシュを使用。ドイツのグラスメーカーです。

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本来のメニューは牡蠣と馬刺しのコンポジション、牡蠣が苦手な私はいくらバージョンで、ミレジメ2002(CH35%、PN55%、PM10%、ドザージュ8g/L)との相性をチェック
ミレジメはその年の個性とボワゼルのスタイルを表現した1本、スマートな酸味、種の大きな果実(桃や杏)、ブりオッシュ、ヘーゼルナッツのニュアンス、魚卵系と合わせても生臭さを感じさせない点が魅力

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鱈白子のブリュロン、ポワブルベール風味はジュワイヨ・ドゥ・フランス2000(CH40%、PN60%、ドザージュ7g/L)と合わせて
白子のとろける感触とシャンパンのクリーミーさがナイスバランス!

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伊勢海老のポッシェ、黒カルダモンのナージュは同社が誇るトップキュヴェ、ス・ボワ2000(CH40%、PN50%、PM10%、ドザージュ5g/L)と
醸造に古いシャンパーニュとブルゴーニュの205L樽を使うのがス・ボワの特徴。複雑味があり、時間経過で楽しさがより広がる1本

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ヴォースーラメールのロースト、白トリュフとセージのアンサンブルとス・ボワ1990(CH48%、PN52%、ドザージュ8g/L)
「樽を使うとシャルドネがよりクリアになり、その場合、グランクリュのシャルドネが最適です」とマダム。フレッシュでありながらリッチ、相反する魅力を備えているのがス・ボワ、コーヒーや焙煎香、アカシアの要素も。

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180周年を祝うにふさわしい贅沢ス・ボワ2000(右)と同1990(左)の比較試飲

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モワルーマルメロとババ、ヴェルジョワーズのアイスクリーム、オレンジのサバイヨンとジョワイヨ・ドゥ・フランス ロゼ2004(CH34%、PN64%、10%は赤ワインを添加、ドザージュ4.5g/L)
ドザージュ控えめなジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼの繊細な酸がオレンジのサバイヨンの酸とうまく絡み合い、デザート全体に甘さを見事にコントロールしていました。
料理とのマリアージュに関しては、エスキスのベカ シェフや若林ソムリエたちが事前にシャンパンを味見して、それに合う料理について意見交換をなさった由。その成果をしっかり感じました。素晴らしいです。

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リオネル・ベカ シェフ・エグゼクティブは「ス・ボワに驚きを感じました。エレガントでエキサイティング。このように複雑で深みのあるブリュットは今までになかったです」とコメント

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ディナーが終わった後のマダム・エグリーヌ、お疲れ様でした!

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(右からj順に)
ブリュット・ミレジメ2002、ジョワイヨ・ドゥ・フランス2000、キュヴェ・ス・ボワ2000、キュヴェ・ス・ボワ1990&ジョワイヨ・ドゥ・フランス・ロゼ2004


今年最初のシャンパン編講座はボワゼル
毎年、年初にはスペシャルなシャンパンを用意するようにしています。今回は講座生のためにス・ボワ1990を含む5アイテムを用意しました! 

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(左から順に)
ブラン・ドゥ・ブラン、ブラン・ドゥ・ノワール、ブリュット・ミレジメ1996、ジョワイヨ・ドゥ・フランス1996、キュヴェ・ス・ボワ1990

第1フライトは白ぶどうvs黒ぶどう
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#1:ブラン・ドゥ・ブランNV
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:8g/L
価格:10,800円(税込)/日本橋三越で購入可
コート・デ・ブランのグランクリュ3村、シュイィ(フラワリーさ)、メニル・シュル・オジェ(ミネラル)、クラマン(力強さとエレガンス)とプルミエクリュのヴェルテュ(果実味)を備えたシャルドネ100%のシャンパン、瓶熟4年、輝きのある黄金色、柑橘系果実、しっかりした酸の印象(ぶどうのポテンシャル)、軽いビター感、アペリティフに最適。#2のブラン・ドゥ・ノワールより色調が濃いのは熟成期間の違い(1年長い)

#2ボワゼル ブラン・ドゥ・ノワールNV
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:8g/L
価格:9,720円(税込)/ディーン&デルーカ品川店で購入可
瓶熟3年、香り控えめ、気泡溌剌、口中で黒ぶどう由来の重厚さ、バランスが良く、余韻に酸の広がりと膨らみ、好感度◎

第2フライトはヴィンテージ比較
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#3:ブラン・ドゥ・ブラン・ミレジメ1996
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ100%
ドザージュ:8g/L
価格:11,470円(税込)/同社webで購入可
96VTのコレクターにお薦めしたいアイテム、酸化熟成のニュアンス、焙煎香が大いに魅力、アカシアやグリルしたアーモンド、エレガントな酸味、クリーミーな食感、口中に広がる旨味

#4:ジョワイヨ・ドゥ・フランス1996
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ40%、ピノ・ノワール60%
ドザージュ:7g/L
価格:16,900円(税込)/同社webで購入可
酸化熟成のニュアンス、綺麗なゴールデンイエロー、ミネラル、黄色系で種の大きな果実(黄桃、杏、カリン)、第2フライトのなかで一番重厚感あり、中盤から酸味の広がり(96の酸の高さ)、黒糖、コーヒー

#5:キュヴェ・ス・ボワ1990
生産者:ボワゼル(NM)
ぶどう品種:シャルドネ48%、ピノ・ノワール52%
ドザージュ:8g/L
価格:39,960円(税込)
シャルドネはシュイィ、メニル・シュル・オジェ、ヴェルテュ。ピノ・ノワールはアイ、マイィ、マレイユ・シュル・アイのぶどうを使用。酸化熟成のニュアンス、気泡はワインに溶け込み、口中滑らか。香りは閉じ気味、時間の経過で複雑味が増し、余韻に広がる旨味。カラメル、マロングラッセ、ヘーゼルナッツ。フレッシュでありながら熟成感を備えた1本。例えると泡のない熟成した白ワイン!

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5アイテムの色調の違いがよくわかります。

今年初の講座で、20世紀の秀逸なヴィンテージ(VT)1996年の2アイテムと1990年VTを揃えることができて幸せでした。予算が許せばス・ボワの2000年VTも比べたかったです。シャンパンの古酒との出逢いは最高! 講座生も大満足でした。ピーロート・ジャパンのウィラハン麻未さんのご手配に改めて感謝します!
先ごろ同社のサイトが綺麗にリニューアルしました。
シャンパンだけでなく、ワイン全般を是非チェックなさってみてください。>>>http://www.pieroth.jp/
ラベル:ボワゼル
posted by fumiko at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | オープンカレッジ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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