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表記のプロモーションはカリフォルニアワインの生産者団体であるワインインスティテュート(本部:サンフランシスコ)が、1995年から実施しているもので、 参加レストランには覆面審査員が派遣され、顧客満足度の観点から各店舗を評価。優秀店に選ばれた10店には、カリフォルニアワイン研修旅行がプレゼントされます。
プロモーションは4月と5月の2か月間実施されますので、エントリー予定の首都圏&関西圏のレストランの皆さまはいまから、ウォーミングアップなさっていてくださいませ。
同行取材のリポートは昨10月の産経EXとブログで紹介していますが、後続部分については1月から随時アップしていきます。招待旅行の素晴らしさがお届けできれば嬉しいです。
パソ・ロブレスのサマーウッド・ワイナリーで
9月8日の午後はサンタ・バーバラからパソ・ロブレスに移動し、合同試飲会場のサマーウッド・ワイナリー・インに向かいました。パソ・ロブレスはPass of the Oaks のことで、オーク(樫)の木が多かったことに由来しているそうです。
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醸造責任者マウリッシオ・マーチャント(チリ出身)さんはコンチャ・イ・トロやサンタ・リタでも活躍
サマーウッド・ワイナリー・インが所有する9エーカー※のぶどう畑にはシラー(3エーカー)とCS(6エーカー)を植えています。シラー畑を背景に「白ぶどうの収穫が終わり、黒ぶどうはこれからという段階です。2014年は温かな日が続いたので、ぶどうの生育が2週間くらい早まりました。2013年は2014年同様温暖、2011年は涼しかったので、年によって、ぶどうが熟すタイミング、収穫の時期は若干変わります」とマウリッシオさん
※1エーカー=0.4㌶
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パソ・ロブレス・ワイン・カントリーのコミュニケーション・ディレクターのクリス・タラントさんも参加
「海から車で30分のところにパソ・ロブレスがあるので、海風が強く、気温はかなり涼しくなります。日中は暑いので、ぶどうの糖分は上がりますが、夜はかなり涼しくなるので、酸味とタンニンと糖分の均衡が取れたぶどうができます。パソ・ロブレスのワインのスタイルはフルーティーでバランスが取れていること。時としてアルコールの強さも感じますが、酸味とタンニンンがうまくつながる継ぎ目のないワインができます」とクリスさん
サマーウッド・ワイナリー・インは堺市で製造小売業を興したエクセル・ヒューマン・グループ(EHG)の深江今朝夫CEOが所有するB&Bで、彼が長年抱いていた夢を実現させたものです。当初、ナパやソノマでワイナリー探しをしていた深江CEOは「今後伸びる可能性があるエリア」ということで、パソ・ロブレスに注目。1998年から物件探しをして、2000年に正式に購入。パソ・ロブレスがAVAの承認を受けた1983年には約17のワイナリー、90年代には50のワイナリー、そして2000年から急激に増加。映画「サイドウエイ」の影響があったようです。リフォームしたB&Bには個性的な9ルームがあり、周囲には植樹したばかりのぶどう畑(25エーカー)が広がっています。
テイスティング会場で
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ウォ―ク・アラウンド・テイスティングにはパソ・ロブルス・ワイナリーズから10社が参加
会場となった■Summerwood の他、■Ancient Peaks Winery ■Barrel27 & McPrice Myers ■Cass Winery ■Eberle ■Hearst Ranch Winery ■J.Lohr Vineyards & Wines ■Justin Vineyards & Winery ■Peachy Canyon Winery ■Pomar Junction Vineyard & Winery

引率の堀代表は、日本のワイン市場ではCS、PN、CHに続き、シラー等のローヌ系品種、ジンファンデルも人気があること。ナパやソノマ、サンタバーバラと比べると数量的にはまだ少ないものの、パソ・ロブレスのワインの知名度が上がってきていること、東京では毎年10月にグランド・テイスティングを行っていることについて触れました。
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セントラル・コーストは古くからジンファンデルの産地として知られています。ピーチキャニオン・ワイナリーのジンファンデル、『ウェストサイド2012』(右)に惹かれました。ユニークなキャラクターのオーナー、ダグ・ベケットさん。昼夜の温度差によるきれいな酸と凝縮したベリー系果実、なめし皮や黒系スパイス、なめらかでこなれたタンニン等、複雑味を備えたワインです。
1ヶ月後に東京で再会
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毎年恒例のグランドテイスティング@セルリアンタワーで懐かしい笑顔!
東京で改めてテイスティングしても感想は同じ、お薦めできるジンファンデルです。
サマーウッド・インでのディナー

深江今朝夫CEOの秘書、萱間俊匡(かやま・としまさ)CFO(左から5人目)を交えて
夜が更けるにつれ、外気がどんどん下がり、心底冷えてきました。今ツアーで一番寒かったという記憶が・・・
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看板シェフのケリー・ワンガードさん
サマーウッド・ワイナリー・インについては10月のカリフォルニア特集〝米西海岸で展開されるジャパニーズ・マインドで紹介。TVの料理対決も勝利していました。SFのお薦め店Pabu Izakayaも載せています。
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この日はセントラル・コーストの中心部に位置するラ・キンタに宿泊。清潔感がある快適スペース!
日本がナンバーワンの市場
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翌日(9日)の訪問はサンタ・ルシア・ハイランズ(以後SLH)にある『ハーン・エステート(以後ハーン)』からスタート。1970年代のSLHは寒くてぶどう栽培には向かないと言われていたエリアですが、近年、CHやPNのような冷涼産地に適したぶどう栽培をしています。
ドリーミングツアーでは毎年ハーンを訪問しています。輸入元はワイン・イン・スタイル。輸出担当のエブリン・プール副社長から「Because they do a great job for us, Japan is a No.1 market!!」との嬉しいお言葉が。ワイナリーのメンバーはきわめて友好的、交流の密度が伝わってきました。
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栽培担当のアンディ・ミッチェルさん(中央)とエブリン副社長(右)
さらに、エブリンさんは「1979年にニッキー・ハーンがこの地を購入したので、2014 年で35周年になります。現在世代交代が進んでおり、息子フィリップは会長職、娘のキャロラインは実務を担当していますが、ここ3週間で嬉しい出来事が続きます。キャロライン・ハーンの結婚式と同じ日にハーン夫妻の金婚式があります」と。重ね重ね、おめでたいことです!
アンディさんはハーンで16年働いていますが、この間、大きく様変わりしたのが栽培するぶどう品種。当初はボルドー品種のCS、カベルネ・フラン(CF)、メルロ(ME)を植えていましたが、この地にはブルゴーニュ品種が合うことがわかり転換。現在4つの自社畑(スミスヴィンヤード、フック・ヴィンヤード、ドクターズ・ヴィンヤード、ローンオークヴィンヤード)を所有。AVAはSLHとアロヨ・セコ。全部で1100エーカーあり、うち、PNが350エーカー強、SLHでは一番大きな生産者です。
収穫期のピノ・ノワール畑で
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巨大なマシーンが実際に稼働している姿は壮観!
共同で機器を購入したり、レンタルすることはありますが、自社で4機所有するとはすごいです。
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マシーンがぶどうを収穫した後の状態、綺麗に刈られています。
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重労働! ワイナリーではピジャージュ(櫂入れ)の体験も
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前日届いたピノ・ノワールのチェック、薄すら可愛いピンク色
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貯蔵庫には1万樽、樽メーカーは5つでCHは3社(スギャン・モロー、フランソワ・フレール、メルキュレ)、PNはそれらに加えてナダリーとダルガンが入ります。
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SLHのシャルドネ2012とカリフォルニア沖で釣れたアルバコア(ツナ)のタルタルを合わせて
ローンオークヴィンヤードから穫れたCH、MLF実施、アボカドとグリーンペッパーは自園野菜。控えめな樽香、ミネラル、シルキーで舌の上に広がるねっとり感、ワインの酸がツナの脂分を洗い流してくれる印象
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SLHのピノ・ノワール2012とウオッカのソースのサーモンのサルテインボッカと合わせて
4つの自社畑のピノをブレンドして最高の畑を表現したワイン。クローンも113、115、667、777、2A、マウント・エデン、ポマール5、ジャクソン9のぶどうを使用。下記クローンのブローシャーが活用できそうです。
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ハーン・ワイナリーGSM2012と真空状態で4時間かけて低温処理したラム(モロッコ産のスパイス風味)にホワイトバルサミコのミント入ゼリーをかけて。上にある赤い色はバラの花びらのせん切。ワインはグルナッシュ主体、シラーとムールヴェードルのブレンド。双方のスパイシーさがナイスマリアージュ。スミス&フックのCSとの相性も良いと感じました。
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スミス&フックのカベルネ・ソーヴィニヨン2012(セントラルコースト)とヤギのチーズとアーモンドクッキー。ハーンではカベルネに関しては長期契約した栽培農家からぶどうを購入して生産しています。
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ワインメーカーのグレッグ・フリーマンさんは就業10年目、お好きな品種は当然ピノでした!
ピノ・ノワールには20のクローンを使っています。「多くを使うことでブレンドの可能性が高まる」と。これはピノ・ノワールの16のクローンがどのようなワインになるかを一覧にしたブローシャーで、スワンクローンなら「beautiful bright fruit, balanced richness」というような感じです。
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ハーンに来て1年というエグゼクティブシェフのディオンJ・フォスターさん
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10月のグランドテイスティングで元気印のエブリンさんとも再会!
手にしているのはハーン・ファミリー・ワインズのルシエン、エレガントなピノです。
ハーンにとって、これからも日本市場がナンバーワンでありますように!
ツアー初のスパークリングと対面
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ホテルはポルトラ・プラザ、部屋数が多いのでホテル内を歩く時間+αが必要
フィッシャーマンズ・ワーフまで歩いていけるのは魅力、スパもあります!
ランチの後、ハーンを出発し、約1時間でモントレーへ
「モントレーは湾の沖が海溝になっていて、それが非常に深く、海底で冷たい海流が吹き上がっているために寒いです。モントレーの周囲がガスっぽいのは、夜の間に海上からの水蒸気が海風に運ばれてきたことによるものです」と堀代表から説明がありました。
ホテルで小休止、夕方まで自由時間の後、モントレー・カントリー・ヴィントナーズ(キム・スタムレーさんがナビゲート)のメンバー数名とのテイスティングディナーへ。カジュアルスタイルのJennini Kitchen + Wine Bar。56のワイナリーが所属しているそうです。
モントレーはぶどう栽培をしてナパに売っていた経緯がありますが、近年は販売量を減らして元詰めするところが増えています。新潮流の1つがスパークリングワインで、アルバリーニョから造るタイプもあるとのこと
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ツアーで初めてテイスティングしたスパークリング『カラッチオリ・ブリュット・キュヴェ2007』
瓶内ニ次発酵、CH60%とPN40%のブレンド、ドザージュ1.15g/L、2006年がファーストVTで現地価格は52ドル(日本未輸入)、生産量2500ケース、ワインメーカーは元ロデレール・エステートの醸造責任者。高級感あるスタイル
モントレーでは十分な試飲ができなかったことがとても残念、唯一の反省点です!
翌日は130年以上の歴史あるワイナリー『ウェンテ・ファミリー・エステート』と『ロバート・モンダヴィ・ワイナリー』を訪問予定 (次回に続きます)
カリフォルニアのワイン関係者はとてもフレンドリーです。
首都圏、関西圏のレストランの皆さんの頑張りに期待したいです。