2010年からスタートしたイベントですが、回を重ねるごとに〝食とワインとのマリアージュ〟がより重厚になっています。4回目の会場は、麹町に本店があり、2012年の9月にオープンした恵比寿のMaison Aimee Vibert メゾン エメ・ヴィベール。ウエディングでも人気のレストランだけあって、建物も内装も、とってもお洒落です♪
リーダーはフィリップ・カステジャさん
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フィリップ・カステジャさんはボリー・マヌー代表、シャトー・ランシュ・ムサス、シャトー・トロット・ヴィエイユ等の所有者であり、格付銘柄シャトー協議会の会長さん。柔和なお人柄ゆえ、ボルドーのメンバーからの信頼度も高く、三国ワイン高栁社長 (来日者画像の最右端) の〝たかやなぎ〟という日本語も難なく発音なさる日本通でもあります。
画像提供:三国ワイン
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左から順に供出されたワインと来日者名
#1:Ch ド・フューザル・ブラン2009、 #2:Ch ド・フューザル・ルージュ2008
(右から3人目/広報担当のアナベル・ドゥニさん)
#3:Ch コス・ラボリイ2005
(左から2人目/オーナーのベルナール・オードワさん)
#4:Ch ランシュ・ムサス1996
(中央/支配人&取締役フィリップ・カステジャさん)
#5:Ch トロロン・モンド2004
(右から2人目/広報&マーケティング担当のミリアム・ルアーさん)
#6:Ch ジスクール2002 、#7:Ch デュ・テルトル2002
(左から3人目/広報マーケティング責任者のロール・バスタールさん)
#8:Ch ブラネール・デュクリュ2000
(最左端/アジア担当グランド・アンバサダーのエチエンヌ・ペイエさん)
ボルドーワインと岡田秀俊シェフ考案のマリアージュ
エメ・ヴィベールでは事前にワインの味見して料理との組み合わせを熟考。供出に関してはカステジャさんから「今までは若いヴィンテージ(VT)から古いVTという順に進めてきましたが、今夜は各料理に異なるVT、異なるAOCのワインを合わせることでマリアージュの可能性も無限に広がるはず」との説明がありました。
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冷前菜は活・帆立貝とアワビのサラダ仕立て、アプリコとラヴィゴットのヴィネグレット
#1シャトー・ド・フューザル・ブラン2009と合わせて
帆立やあわびの食感とアプリコットやケッパー等を使ったソースのハーモニー、きれいな酸味とのバランスが絶妙で五感で楽しめました。
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温前菜はフランス・ランド産のフォアグラ(カモ)のポワレ、バルサミコソース
ぺサック・レオニャンの#2シャトー・ド・フューザル2008(赤)、サンテステフの#3シャトー・コス・ラボリイ2005、ポイヤックの#4シャトー・ランシュ・ムサス1996と合わせて
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右から、新鮮な果実味、スパイシーでシルキーな#2、パワーとエレガンス、酸味に支えられたフレッシュ感が魅力の#3、17年の熟成を経た複雑味(甘草、タバコ、腐葉土等)のある#4
いずれも異なる個性の美酒なので、贅沢なマリアージュタイムでしたが、好みの相性はフォアグラとの共通項(スパイシーさと黒系果実の要素)を感じたシャトー・ド・フューザル2008。口中で一体感がありました。
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ヒメジのポワレ、ラタトゥユ添え
#5シャトー・トロロンモンド2004と#6シャトー・ジスクール2002に合わせて
全組み合わせのなかで、シェフが一番苦労なさったのが〝魚と赤ワイン〟だった由。ヒメジは海底深くに生息し、甲殻類を食べて過ごしているので、ポワレすることで旨味が出るとのこと。その旨味を生かした組み合わせではメルロ主体のトロロンモンドとラタトゥユと一緒に味わうヒメジとのバランスが良く、とても興味深い体験ができました。
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口直しは三国ワイン扱いのシャンパン『ゾエミ・ド・スーザ ロゼ・ブリュット ディスタンゲ』を使った美味な一品。できればゾエミ・ド・スーザのロゼとの相性も試したかった気分
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国産牛フィレ肉のパイ包み焼き ペリゴール風を#7シャトー・デュ・テルトル2002と#8シャトー・ブラネール・デュクリュ2000と合わせて
マディラワインとトリュフを使った凝縮感あるソースと良く合っていたのが新星テルトル。後半の4グラスを見ると#7の量が一番減っています(笑) 2002年VTが丁度飲み頃であったこととロールさんが強調していたCF効果(スパイシーさ)があったと思っています。

ボルドーの皆さんから丁寧なサービスと供出温度ついて称讃されていた椨(たぶ)賢太郎シェフソムリエ
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#8のブラネール・デュクリュは、ロアルド・ダールの短編小説『味(Taste)』に登場しているワイン。ロンドンにあるスコウフィールド家の晩餐の席で繰り広げられる当主とリチャード・プラットという美食家がワインの利き酒をするお話で、当主は自分の娘、美食家は家と別荘を賭ける筋立ての短編です。ワイン好きなら是非!
2007年にカレッジの講座で1998、1999、2000、2003の4VTを試飲したのですが、その時のマイベストは2000年でした。6年ぶりに再会した感想は、サン・ジュリアンらしい上品な印象はそのまま、まだ果実味も豊かで、とても良い熟成状態、バランスの良いワインです。
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お魚からお肉までに登場した4種類の赤ワイン、右から
2006年の格付けでサンテミリオンのプルミエ・グランクリュ・クラッセに昇格した#5はエレガントかつ骨格のあるタイプ(CS10%、CF10%、ME80%)、マルゴー地区に約300㌶の広大な敷地を所有し、90㌶でぶどう栽培を行っている#6はカベルネ・ソーヴィニヨンによるリッチさが特徴(CS60% ME40%)、ジスクールと同じエリック・アルバダ・イエルヘルスマ当主が所有する#7は果実味があり、カベルネ・フランを使うことで胡椒のようなスパイシーさやフレッシュ感を表現。広報マーケティングの責任者ロールさんは「2本(ジスクールとテルトル)の個性の違いを感じていただくために同じVTを選びました」とコメント。そして最後に登場した#8は「果実風味、フレッシュ感(飲み飽きしない)、長熟」の3点をコンセプトにしています。
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チーズはフランスを代表するコンテ(24ヵ月熟成)、リヴァロ、ロックフォールの3タイプ。どれも食べ頃で4種の赤ワインとの相性◎
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デザートは80%カカオを使った温かいビスキュイショコラとバニラのアイスクリームとくるみのカラメルソース
筒状になった生地の中の温かいチョコと冷たいアイスクリームとの心憎いコントラスト。ブラネール・デュクリュとチョコも一興
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エメ・ヴィベールの小菓子
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画像提供:三国ワイン
同じテーブルだったシャトー・ド・フューザルの広報担当アナベル・ドゥニさんが技術責任者のステファン・カリエさんについて、「2007年から働いていますが、シャトー・ランシュ・バージュやナパのニュートン等で実績を積んできた人物です」とPR。近年評価が上がっているシャトーですよね。
この日の翌日、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催していたユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー・トレード・ティスティングで、皆さんと再びお会いすることができました!
ラベル:7シャトーを味わう晩餐会