2012年08月15日

9月3日発売のシャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤードシリーズに注目!

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2012年上期をみると
メルシャンの2011年日本ワイン市場規模の統計によると、輸入ワイン1800万ケース(65%)、国産ワイン950万ケース(35%)で、国産ワインのなかに占める日本ワイン(日本で栽培されたぶどう100%から造られるワイン)は80万ケース(3%)です。2012年の上期をみると、
■日本ワインの販売数量は前比126%
■シャトー・メルシャンシリーズでは前年の2.5倍。特に昨年9月に発売した同シリーズのスタンダードレンジ「アンサンブル 藍茜」「同萌黄」が躍進
■6つの国際ワインコンクールで13個の賞を受賞
という快調な動きを示しています。

椀子(マリコ)・ヴィンヤード
2003年に開園したメルシャン(株)の自社栽培畑『椀子(マリコ)・ヴィンヤード』ではシャトー・メルシャンシリーズで注目すべきワインを生産しています。場所は長野県上田市にあり、長野新幹線あさまで東京駅⇔上田駅間約1時間半、そこから車で約30分でヴィンヤードに到着です!

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7月末に行われたメディアツアーで、初めて「除葉」を体験、ぶどう樹はメルロ―たちです。
私のグループの指導役は久保寺健太さん。ヴィンヤードで働く皆さんのユニフォームが可愛いのです。久保寺さんもベレー帽が良くお似合いでした。

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「細かなやり方はありますが、今回はざっくりということで、目安としては一番下の針金から20センチくらいまでの葉を取り除いてください」との説明を受け、軍手をつけて早速に!

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素人の手にかかったぶどうたちですが、散髪を終えた風で、気持ち良さそうです(笑)

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マリコといえばソーヴィニヨン・ブラン(SB)!
除葉作業の後の自由時間に、ヴィノテークの吉田編集長が齋藤浩シャトー・メルシャン ゼネラルマネージャー(画像)とSBの畑にいらっしゃるとのことで、私もお伴させていただきました。
猛暑のなか、マリコのSBは元気に育っております!

除葉の意義
「設備を整え、技術を積み重ねていけばどんなぶどうからでも良いワインができるという思想が主流の時代もありましたが、20年前にカリフォルニアからスタートしてまたたくまに世界各国のぶどう栽培地に広がっていったのがキャノピー・マネージメント(樹冠管理)という考え方です。世界各国の栽培の農事暦に盛り込まれた画期的な出来事で、キャノピー・マネージメントを推し進めたリチャード・スマート博士は、良いワインを造るためには質の高いぶどうを栽培しなければならないと語っています。キャノピー・マネージメントの思想のなかに盛り込まれている光の大事さですが、除葉することで、太陽がぶどうの実、果房にあたり、それによってぶどう本来の特性をいかんなく発揮することができます。作業は梅雨が明けた今の時期がベストタイミングです。ワイン造りのもとがぶどう畑であるということを実感してください」と齋藤ゼネラルマネージャー。実は日本のワイン栽培の農事暦になかった除葉(リーフリムーバー)の名付親でもあります。

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作業を終え、午後からは上田に戻り、東急インでテイスティングセミナーが行われました。
昨年3月に就任なさったメルシャンの鈴木徹社長(左)と齋藤ゼネラルマネージャー

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テイスティングは全部で9種類、シャトー・メルシャン マリコVシリーズのラインで、供出順に白ワインは#1:シャルドネ2011、次は希少なSB、3ヴィンテージの登場で#2:SB2009、#3:SB2010、#4:SB2011。赤ワインも貴重な垂直で#5:メルロー2007、#6:メルロー2009、#7:メルロー2011(樽から)。そして#8:シラー2009、最後の〆は今年初登場、マリコを代表する#9:オムニス2009

[リボン]ロンドンで頑張ったのはメルロー2009(産経EX【ワインのこころ】)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120809/trd12080914550009-n1.htm

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SBです。左から2009、2010、2011。初ヴィンテージが2009(2003年に造成・植栽したマリコの3区のSBを使用)。この年は濾過しか行わなかったので、すこし白濁気味、酸もきりりとして旨味あり。2010はカレッジの講座生と山梨訪問した折、セラードアで購入。ここで初めてマリコのSBと対面したのですが、好感度大でした。今回久々に試飲した印象は軽い樽のニュアンス、バランスの良さ、余韻も#2より長めと、初ヴィンテージの2009から前進している感じでした。2011は果実味豊かで3つのなかで一番華やか。カシスの芽の香り、余韻に残る酸がとてもフレッシュ。1年ごとの進化あり、です。2011年は統計史上2番目に早い梅雨入り(5/27)だったそうですが、梅雨明け後、猛暑で生育の遅れも戻り、熟度の高いぶどうを収穫できた由。マリコのSBはとても良いと思います。

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テイスティングセミナーの講師は味村興成ブランドアンバサダー&ブランドマネージャー
味様は山梨を離れ、今年から東京勤務になりました。

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ロンドン五輪の表彰台のようにひときわ高い所にいるのがオムニス(ラテン語で“全能”の意味)

メルシャンのワイン造りの考え方
7月初旬に行われた『2012年日本ワイン新商品&方針説明会』で齋藤ゼネラルマネージャーが語っていた解説を載せておきます。“マリコ・ヴィンヤード シリーズ最高峰の赤ワイン”という『オムニス』の形容の意味もおわかりになるはずです。

齋藤:ワイン造りにおいて、ブルゴーニュでは収穫できるぶどう畑の範囲が狭くなればなるほど付加価値があがると考えられており、日本人の感性では、“生一本”に通じるものがあります。片や、違う品種をブレンドすることで相乗効果をあげ、完成度を高めて美味しさを作りあげるボルドー的な考え方があります。我々の場合はまさに後者であり、マリコでは黒ぶどうを何品種か栽培しているので、そのスタイルを表現することができます。ボトルのなかにマリコの風土を再現したいと思っています。言ってみれば、オムニスがその先駆けです


ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニヨンCS(64%)、メルロー(21%)、カベルネ・フラン(11%)、ビジュ・ノワール(4%)、最後の品種ビジュ・ノワールは山梨県果樹試験場が登録した品種でマリコ・ヴィンヤードでは2004年から栽培されているそうです。

私は7月4日に初めて『オムニス』をテイスティングしました。今回で2度目になりますが、味わう度にホッとします。後味に感じるアーシーな要素とあたたかく包み込んでくれるような余韻はマルベック由来なのでしょうが、う~ん、とってもイイんです。2009年はCSの出来が素晴らしかったので、ブレンド比率も6割を占めています。通常、長野ならメルローを多く使いそうですが、メルシャンの精鋭テイスターたちは何度も意見交換を繰り返し、この比率の決めたそうです。CSの出来がポイントになったオムニス2009。来年以降は、メルロ―が主体になるのか、興味惹かれるところです。

7月に山梨県で開催された『国産ワインコンクール2012』の審査結果が今月の7日に発表されました。メルシャンにとっては過去最多6品が金賞を受賞。シャトー・メルシャンの『メリタージュ・ド・城の平2009』が欧州系品種・赤部門で最高賞と金賞をダブル受賞しているほか、マリコ・ヴィンヤードシリーズの『オムニス』が金賞。マリコVの兄弟たちも金・銀・銅を受賞したので、32品が賞をゲットするという快挙になりました。
詳細はhttp://www.mercian.co.jp/company/news/2012/12036.html
『国産ワインコンクール2012』の結果は以下のサイトで確認できます。
http://www.pref.yamanashi.jp/jwine/2012fol/11prize.html

メルシャンでは9月3日から首都圏エリア(東京都、神奈川県、千葉県)限定で、シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤードシリーズを発売します。一昨年&昨年とも、ネット(同社の『ワイン好き』)とワイナリー(セラードア)でしか手に入れることができませんでした。今年は販路を少し拡大し、首都圏エリア限定になります。
マリコが成園する2018年までには約8万本の生産を可能にして全国展開を目指すそうです。数が潤沢ではないので、それまでは情報を早めにキャッチして、価値あるマリコ・ヴィンヤードシリーズのワインをゲットなさってくださ~い。
posted by fumiko at 17:17| Comment(5) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当たり前のことだけれど、Fumikoさんの記事を読んでいるとワインが農産物であり、自然の恵みとヒトの知恵との賜物であるということが実感されますね。
Posted by gillman at 2012年08月16日 08:09
個人的にfumiko さんの着物姿よりも
洋服姿のほうが可愛らしくて好きです!^^:

今回、私のblogは一旦終了という形をとらせて頂きました。
今まで貴重なワイン情報をありがとうございました。
気まぐれに時々ふらりと立ち寄るかも知れませんが
その節は宜しくです!^^
Posted by vientre-dolor at 2012年08月17日 16:03
gillmanさん、コメントありがとうございます。
後程、グログにすこし追記をしますが、メルシャンさんが昨年リリースした
1500円台のシャトー・メルシャン アンサンブル「藍茜」や「萌黄」が
好評です。シャトー・メルシャンは昨年の2.5倍の伸びになっています。
値ごろ感があり、料理に合わせて美味しいワインです!


vientre-dolorさん、今、貴ブログにお邪魔させていただきました。
突然のことで、びっくりですが、目的達成の由
ブログ復帰が近いことを願っています。
これからは、フーテンの寅さんのようにふらりと寄ってください。
Posted by fumiko at 2012年08月18日 12:12
オムニス、かなり良さそうですね。当然口にした事はまだありませんが、今年のハーベストフェスティバルで出てきてくれることを期待したいところです。

しかし、ビジュ・ノワールは知りませんでした。藍茜にはベーリー・アリカントAが使われていますし、ブレンド赤を作るうえでこういう国産オリジナル品種を少量使っていくというのはちょっと面白い潮流になるかもしれませんね。
Posted by ぱんだしゅりけん at 2012年09月10日 02:07
ぱんだしゅりけん様、亀レスですみませ~ん
オムニスはホッとする味わいなんです、ご体験いただければ嬉しいです。
椀子Vシリーズは9月3日ネット販売開始から瞬時でほぼ完売になった由
全体的に数量が追い付いていませんが、消費者の皆さまが椀子ヴィンヤードのワインに注目くださっていることはホント嬉しいことです。
藍茜は1000円代で購入できる、おすすめの日本ワイン
とてもバランスが良いですね!
Posted by fumiko at 2012年09月13日 09:10
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