2010年01月14日

朝日新聞の連載“探嗅”に触発されて、思わず“香り考察”を

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和風柑橘系の香りを感じる『メルシャン 甲州きいろ香』
日向夏の果肉と白い内皮をかじりながら、ワインを飲んでみるとわかりますよ

元旦から始まった朝日新聞の連載(11回)、“探嗅(たんきゅう)”は興味深い内容でした。
その記事に触発され、思わず引っ張り出したのは『ワイナロマ』の発売元コーケン香料(株)

の調香師Ishiharaさんにインタビューした時のリポートです。「テイスティングの80%は香りでするもの」と言ったのはイギリスのワイン評論家ヒュー・ジョンソンですが、香りに敏感でいることはとても大事です。

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2000年9月に発売された日本初の香り教材『ワイナロマ(名称はワインとアロマの造語)』
香りは「花類」、「果実類」、「木の実類」、「スパイス・ハーブ・草木類」、「その他食品類」、「動物類」、「その他」の7分類54種類。食品の着香に用いられる「フレーバー(別名:食品香料)」をブレンドして作られた製品です

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茶色の遮光瓶に入っている液体を試香紙に浸して香りを利きます

『ワイナロマ』誕生に貢献したのはフレーバリスト(調香師)です。
フレーバーは、天然香料や合成香料を単独で使用することはほとんどなく、一般的には多くの香料素材をブレンド、加工して作られます。そして、この作業をするのがフレーバリストなのです。一人前になるまでには10年かかると言われています。

取材でお目にかかったIshiharaさんは「私自身、“鼻”が良かったというようりは、“記憶”に強かったというほうが正しいかもしれません。頭の中の引き出しには1000種類くらいまでの香りが詰まっています。ワインを前にしたら、まず飲みたいほうが先ですが(笑)、それでも香りを探し出せと言われれば、瞬時で数十種くらいまでは利きわけることができると思います」とおっしゃっていました。凄~い!

フレーバリストの頭にはどのような形で香りがインプットされているのでしょうか・・・ポイントは「官能基」だそうです。化学の時間に出てくる、あの“6角形の亀の子”型の式です。それがどのような構造をしているかで、香りの出方がわかるそうで、分子構造を縦のタイプと横のタイプに分けて理解していることが重要とのこと。

ワインの中から様々な香りを探し出して表現するのがソムリエなら、反対に、記憶の中の香り物質をブレンドして、1つの香りを作り出すのがフレーバリストなのですね。

ストロベリーの香料ひとつ取ってみても、全部で200~300種類あるそうです。『ワイナロマ』のストロベリーはフレッシュストロベリーのタイプで青臭さ、若さの特徴である酸味を強調しています。30種類前後の化合物をブレンドしてあり、食べたくなるくらい美味しい香りです! まあ食品香料を仕事にしている会社が作った製品なのでそれは当然ですし、安心&安全という点でもお薦めできますが、いかに食欲をそそる香りと言えども、口にすることだけはしないでくださいね(笑)
コーケンフード&フレーバー(株)の中島愼弥代表取締役、アドヴァイスありがとうございました!

その他の香り教材
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手前にあるのが『Wine Discoveryワインディスカバリー(2009年4月Lavinia@parisで購入)』
奥は『Bacchanalesバカナル』。ともに40種類の香りから構成されています

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プラスティック製の小さな丸い容器の中に、細かな粒状のエッセンスが詰まっています

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フランスのワイン鑑定家ジャン・ルノワール考案の『Le Nez du Vinル・ネ・デュ・ヴァン』
54種類から成る教材で試香紙に浸して香りを利きとるタイプ
「フレグランス(別名:香粧品香料)」が原料の製品。香粧品というのは香料&化粧品業界で通用している専門用語で、美を追求するための“香りの製品と化粧品”の造語です。

ワイン通への近道は“香り”を制すること(笑)
来週からオープンカレッジの品種別講座も始まります。
久々に『ワイナロマ』を登場させて講座生の皆様の嗅覚を大いに刺激してみたいと思っています。
第1回は新しい年の始まりを祝し、世界のスペークリングワインの利き比べをしましょう♪
posted by fumiko at 18:18| Comment(7) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
りぼんさん、早々のチェック、ありがとうございました。
モノクローム、イイですね。“キレ”が良くてステキです。
Posted by fumiko at 2010年01月14日 21:19
エキスパートを取ってから5年、だいぶ香りのボキャブラリーが減ってきて
そろそろ何かをしなくては、と思っていたので、タイムリーな記事でした。
香りの教材、どれがいいのか分からないのですが、ちょっと勉強してみたいと
思います。

来週の講座は、今年最初の鍛錬ですね!(笑)
体調を整えて参加します。
Posted by YUTAKA at 2010年01月15日 00:48
YUTAKAさん、チェック&コメントありがとうございました♪

>だいぶ香りのボキャブラリーが減ってきて
いえいえ、そのようなことはありません。表現力は十分あると思います。

>香りの教材、どれがいいのか分からないのですが、ちょっと勉強してみたいと思います。
まずは、無料コースから(笑)
ボディショップの香り見本を利きまくる、アロマテラピーのエッセンシャルオイルのサンプルを利きまくる、ところから始めてください。
香り学習ができるチャンスは日常のあらゆる場にありますので。
20日は体調を整え、楽しみにおいでくださ~い。


Winoさん、チェックありがとうございました♪
Posted by fumiko at 2010年01月16日 01:01
以前、何かの科学記事で、嗅覚は他の感覚と違い、嗅神経を通してダイレクトに大脳辺縁系(脳の最も古い部位)に情報を送ると読んだことがあります。

この大脳辺縁系こそ、Wikipedia によれば、「人間の脳で情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与している複数の構造物の総称」だそうです。

ゆえに、嗅覚を研ぎ澄ませることは、記憶を強化することにもなると学びました。また、匂いから記憶が呼び覚まされることもあり、それはプルースト効果と呼ばれているそうです。

ワインを探求している方には、若く見える方がとても多いのですが、意外とこんなことも関係しているのではないかなと感じています。

僕も、もっとがんばらないと!(笑)
Posted by YUTAKA at 2010年01月16日 23:07
YUTAKAさん、コメントありがとうございます♪

>嗅神経を通してダイレクトに大脳辺縁系(脳の最も古い部位)に情報を送ると読んだことがあります
そうなんです! 講座ではコカインを例に話をしたと思います。

>それはプルースト効果と呼ばれているそうです。
プルーストの“無意識的記憶”・・・紅茶とマドレーヌ菓子ですね。

>ワインを探求している方には、若く見える方がとても多いのですが、意外>とこんなことも関係しているのではないかなと感じています。
ふふ、私が例かも(笑)
Posted by fumiko at 2010年01月16日 23:57
嗅覚は鋭いですが、記憶は問題有りそうです。
ゲーム感覚でも面白そうですね。
Posted by hako at 2010年01月17日 21:57
hakoさん、チェック&コメント、ありがとうございます!
嗅覚の訓練は、ゲーム感覚で楽しむと苦労せずに出来るはず。
まずは紅茶の違いから・・・いかがでしょうか(笑)
Posted by fumiko at 2010年01月19日 11:20
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