シャンパンの名は『バロン・ド・ロスチャイルド』、ロスチャイルド3家のジョイントベンチャーによって誕生したニューフェイスで、輸入元は世界のトップ生産者のワインを多く扱うエノテカ(株)です。
デビューしたのは「ロゼ」、「ブリュット」、「ブラン・ド・ブラン」の3アイテム
正午過ぎに主役登場! フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人です!
エノテカ広尾本店の棚に陳列してある歴代のシャトー・ムートン・ロートシルトのボトルコレクションをご主人のジャン・ピエール・ド・ボーマルシュ氏と談笑しながら見学。ブリュットが注がれたグラスを手に男爵夫人はカメラを構えるわれわれに向かって
右手で持とうかしら? それとも左手が良い?
わかった、両手にしましょう(笑)
前日のPFVの時と同じく、1976年の初来日当時は女優で、それ以来日本のファンになったことを語り、その後、新発売のシャンパンについて解説
まさに満を持しての発売であり、そこに至るまでには長い道のりを要したとか。かつてロバート・モンダヴィと組んで行ったオーパス・ワンがそうであったように、プロジェクトを完成させるのには時間がかかることを強調していました。自社畑はまだありませんが、現在7軒の契約農家の計220haの畑(グラン・クリュ、プルミエ・クリュ)のぶどうを購入して使っています。本拠地はコート・デ・ブランのヴェルテュで、次なる作業は綺麗なセラー造り。自社畑の購入は諸条件の良い場所探しをしているところで、ヴィンテージ・シャンパンも予定しているとのこと。同ワイナリーの方針は“クオリティ、クオリティ、クオリティ”なので、あせらず事にあたる由。
通常のシャンパンと比べて、シャルドネの使用率が高く、リザーブワインも40%と高め。ドザージュは約6g/L、デゴルジュマン後、6ヶ月間セラーに寝かせてから出荷させています。
初年度の生産量は10万本と少ないので、販売するマーケットの広さ&質の良さから判断して当面は日本だけの販売。この決断の裏には廣瀬恭久社長への厚い信頼が多分にあると感じました。
1822年、オーストリア皇帝はロスチャイルド家の5人兄弟全員※に男爵の位を授けました。それ以来、同家では団結のシンボルとして5本の矢が赤い盾を囲んでいる紋章を使っています。盾の下にある3つの文字(Concordia、Integritas、Industria)はロスチャイルド家のキーワードであり、男爵夫人は「文字はラテン語です。Concordia(調和)、これはtogether皆一緒ということです。Integritas(誠実)はhonesty正直、バンカーであるロスチャイルド家にとって、これはとても重要なことです」と補足していました。カリスマ性に溢れた男爵夫人の後継者はご子息のフィリップ・セレス・ド・ロスチャイルド男爵です。
本店での会見後、麻布の「ねぎ坊主」に移動。
シャンパンに天麩羅を合わせてのマリアージュを体験。
特別供出のワインとしてシャトー・ムートン・ロートシルト1997も登場!
ロゼは胡麻油の風味と好相性、かき揚げの海老の甘さ&てんつゆの甘さとのバランスも絶妙
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドのグザヴィエ・ドゥ・エイザギール社長はシャンパンのプロジェクトについて 「最初はバロン・エドモン・ド・ロスチャイルドが言い出したと思いますが、シリアス&カジュアルな話合い(笑)から、“皆一緒に”との思いが繋がったもので、4、5年前の話です」と。また1997年ヴィンテージについては「暑かったり、凄い雨があったり、湿気があったり等、とにかく変化の多い年で、収穫は早め(9月11日から)でした。CS82%、メルロ13%、CF3%、PV2%のクラシックなスタイルで、重すぎず、今、飲み頃のワインだと思います」とコメント。
ロゼと柿の相性は抜群でした!! 果肉の柔らかさと程よい甘さがロゼの果実風味を引き締め、何とも言えない口当たりに。酸を感じさせる赤系の果物ではなく、ロゼと共通する色合いで、触感が程よい固さの柿が良く合うと思います!
そして、この日最高のハプニングは、ロスチャイルド男爵夫人に“ハグ”していただいたことです♪
廣瀬社長、阿部常務、貴重な機会をありがとうございました!!
※
5つ矢はフランクフルトのマイヤー・アムシェル・ロスチャイルド、ウィーンのサロモン・マイヤー・ロスチャイルド、ロンドンのネイサン・マイヤー・ロスチャイルド(フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人の家系)、ナポリのカルマン・マイヤー・ロスチャイルド、そしてパリのジェ-ムズ・マイヤー・ロスチャイルド(ドメーヌ・バロン・ド・ロスチャイルドのエリック・ド・ロスチャイルド男爵、バロン・エドモン・ド・ロスチャイルドのベンジャミン・ド・ロスチャイルド男爵の家系)を意味しています
実はカレッジのシャンパン編秋期講座の最終回で「バロン・ド・ロスチャイルドのシャンパン3種を出そう!」と決めていました。10 月にはすでに3アイテムを納入し、セラーで静かに保管していたので、シャトー・ムートン首脳陣の来日は私にとっては本当にラッキーでした。
授業では第1フライトとして(1)、(2)を。第2フライトとして画像(4)、(3)、(5)、(6)の順で試飲
(1)バロン・ド・ロスチャイルドのブリュット(シャルドネ50%、ピノ・ノワール+ピノ・ムニエ50%)
若草や昆布、ブリオッシュなど時間と共に様々な香りが広がり、甘すぎずドライすぎずの味わい
バランスが良く、生地が綺麗なシャンパン
(2)同ブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)
柑橘系果実、白い花主体の香り、エレガントでミネラル豊か、口中ではすっきりと切れた味わい
天麩羅をお塩で!がお薦めのマリアージュ
第2フライトは
(4)ヴーヴ・クリコ・ロゼ(ピノ・ノワール50~55%、ピノ・ムニエ15~20%、シャルドネ28~33%)
赤みを帯びたさくら色。柑橘系果実風味主体、アフターにグレープフルーツの内側の白皮に通じるエグミ感
(3)バロン・ド・ロスチャイルド・ロゼ(シャルドネ85%、ピノ・ノワール+ピノ・ムニエ15%)
青みがかったピンクから淡いオレンジ。シャルドネ由来の軽快さ、爽やかさが印象的
生地が綺麗で、ミネラル感も豊か
“柿”を用意して講座生に試してもらったのですが、ブラインドでの相性No1は予想通り(3)でした!
(5)ビルカール・サルモン・ロゼ(シャルドネ50%、ピノ・ノワール40%、ピノ・ムニエ10%)
サーモンピンク、赤系果実の旨味が口中で広がり、バランスも良く余韻もふくよかで長め
メインディシュにも合わせられるロゼ
(6)リュイナール・ロゼ(シャルドネ45%、ピノ・ノワール55%)
青みがかったピンクから淡いオレンジ。上品な酸味とぶどうの熟度由来の厚みが魅力的
繊細でありながら奥行きを感じさせるシャンパン

photo by KWD-san
優秀な受講生KWD-sanから画像協力いただきました!
メゾンごとに異なる色調の違いは、ロゼシャンパンの比較の楽しさに繋がります♪

photo by KWD-san
(4)、(3)、(5)、(6)を上から見ると、このような感じです。
2番目のバロン・ド・ロスチャイルドと4番目のリュイナールの色調が似ています
テイスティングしていて興味深いことがわかりました。
山本博著『シャンパンのすべて(河出書房新社)』のリュイナールの項に「大戦後の1949年から14年間、リュイナールのシャンパンの品質に惚れ込んで販売提携をしていたのは、かのムートン・ロートシルトのバロン・フィリップだったのである(1963年にリュイナールがモエ・グループの傘下に入ったため、この契約は解消された)」という一文があったのです。
ロスチャイルド男爵夫人のお父上が好んでいた味わい、それがリュイナールであり、「ロゼの色合いもこのタイプがお好きだったんだ」ということに気がつきました。
今回の4種類のロゼ選択については、「バロン・ド・ロスチャイルド」をメインにして、講座生から圧倒的な支持を得ているメゾン「ビルカール・サルモン」、さくらの季節に日本先行発売をして話題となり、“さくら色”を前面に押し出しているメゾン「ヴーヴ・クリコ」、昨年3月の訪問でその荘厳さ&歴史的建造物に圧倒され感銘したメゾン「リュイナール」を選んだのですが、山本先生情報で思いがけない体験ができ、大いに満足しています。
シャンパンの奥深さに私はますます魅了されていま~す♪



ほりけんさん
お立ち寄り&初チェック、ありがとうございます!
ブログ拝見しました。
ご多忙な職にありながら、毎日更新していらっしゃるとは!!
時間の使い方を含め、ほりけんさんのブログのありかた
大いに参考にさせていただきます♪
いるのですが、フィリピーヌ・ド・ロスチャイルド男爵夫人は
とてもチャーミングでお茶目な方なのですね。とても親近感を
感じました。
ムートンは、今は1970と1973くらいしか持っていないのですが
機会があったら買い足したいと思います。シャンパンも、ぜひ。
それにしても、オープンカレッジのシャンパン編!
相変わらずの豪華ぶり&研究熱心ぶりに脱帽です。
僕も「世界のワイン比較探求講座」編で、もっと研鑽を
積んで行きたいと思います。(前回は、事情があって
直前まで「ねぎ味噌チャーシューラーメン」を食べていたので、
撃沈でした。歯磨きですらいけないというのに、やっぱり
テイスティングのためにはちゃんと自分の環境を整えないと
いけませんね。・・・と、言い訳でした)
来年のオープンカレッジも、楽しみにしています!
横浜の飲み屋さんで、ロスヴァスコスを進める店が有り、
親しみが有りました。そこのチーズが掛かった熱々のハンバーグと
抜群に相性が良く、チリでも頑張ったのだなといつも感心してます。
それにしても、どのシャンパンも旨そうですね。
この1本で今年の講座を締めくくれるなんて
先生からクリスマスプレゼントを頂いた気分です。
ありがとうございました!
それにしてもバロン・ド・ロスチャイルドですが...
初リリースからこのレベルに持ってこれるとは伝統のある1級シャトーの底力ってすごいんですね。
びっくりでした。
ロスチャイルド男爵夫人は、お茶目な姫君です。
>それにしても、オープンカレッジのシャンパン編!
>相変わらずの豪華ぶり&研究熱心ぶりに脱帽です。
ありがとうございます! それが自慢です(笑)
品種別も最新の情報提供、話題のワイン供出、ワイン選択へのこだわり・・・で頑張っていきたいです。よろしくお願いします。
hakoさん
ロスヴァスコス(“バスク人たち”の意味)は5本の矢の中の「シャトー・ラフィット・ロートシルト(パリのドメーヌ・バロン・ロスチャイルド)」がパートナーですね。
チーズのかかったハンバーグとロスヴァスコスとの相性、口中の脂分をきれいに洗い流してくれそうです。
hakoさんはビルカール・サルモンのロゼはすでに味見なさっていますよね。バロン・ド・ロスチャイルドもルイナールもお薦めですよ♪
shiomiさん
コメントありがとうございます♪
ドゥ-ツ・ファン&リュイナール好きのshiomiさん。ともに丁寧なシャンパン造り、こだわりの生産者ですね。
>バロン・ド・ロスチャイルドですが...
>初リリースからこのレベルに持ってこれるとは伝統のある1級シャトーの底力ってすごいんですね。
同感です。バロン・ド・ロスチャイルドは生地が本当にきれいですよね。
品質重視のシャンパン造り、納得できます。
私も「ロスチャイルド家と最高のワイン」をもう一度読み直したいと思います。
ロスチャイルド男爵夫人、器の大きな才女だと確信しています。夫人の役割はまさにそうだと思いますよ。
面白いニュースがあります。
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドのグザヴィエ・ドゥ・エイザギール社長とお話していて判明したことなのですが、我々がOpus Oneを訪問した2009年11月5日10時~同社長も同日同時間そこにいらっしゃいました、例の重役会議です。
フランス側の代表の1人として渡米なさっていた由、事前に伺っていれば、ね(笑)
素人のコメントなのですが、
今年の6月に同じシャンパーニュを頂いた時は、
甘いサイダーのようで、
一緒に頂いた方達にもあまり良い評判ではなかったのですが、
青木先生の授業で頂いたのは
も~のすごい美味しかったです。
同じモノとは絶対に思えません~!
保管の違いとか、ロットの違いとか???
・・・青木先生が前にいらっしゃったから
美味しかったのだと思いますが。。。
また、美味しいワイン楽しみにしております!
6月に頂いたということは、まさにデビューしたばかりの頃ですね。
私がブログの第1弾でロゼを紹介したのもほとんど同時期。いくつかのお料理にあわせて頂きましたが、同席したメンバーからは「美味しい」との声が出ていました。
同メゾンではデゴルジュマンから出荷まで6ヶ月を要しています。甘いサイダーのような印象だったということであれば、添加された糖分がまだワインに馴染んでいなかったのか・・・いずれにせよ落ち着いた状態ではなかったと考えられます。
カレッジでお出ししたバロン・ド・ロスチャイルド3アイテムは、10月に購入したもので、我が家のセラーで2ヶ月以上おとなしく寝かせていました。セラー内の温度は11.5度~12度。
テイスティングした印象はとても良かったですよね。
youkolinのコメントにある
>同じモノとは絶対に思えません~!
ということであれば、これはとても恐いことです。
輸入元から搬入されたワインが、(1)きちんと温度管理されていたか(2)きちんとした品質管理がされていたか
ワインの印象を大きく変えてしまう事項ゆえ、供出する際には十分注意したいことです。
2010年の講座でも、引き続き、美味しくて素敵なシャンパンをご披露していきますので、お楽しみに!