2025年05月13日

テロワールの探求と進化を続けるブルゴーニュのドメーヌ シャンソン

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輸入元ファインズの招聘で来日したシャンソンのヴァンサン・アヴネル社長が、
直近の話題について語りました。
リポートはワイン王国webで!

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ヴァンサン社長が手にしているのはドメーヌもの

2024年の出荷分から新しいロゴを採用しています。
ドメーヌワインはDOMAINE CHANSON
ネゴシアンワインはDEPUIS 1760 CHANSON
わかりやすくなった印象です!

GREAT PLACE TO WORK®

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出典:ファインズ


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取材会場だったアピシウス
上品な設えの店内は心地良い空間でした!

posted by fumiko at 12:23| Comment(0) | 来日したワイン生産者&関係者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月06日

ランベルト・フレスコバルディ社長がレトロスペクティブ垂直試飲で語ったスーパータスカン『マッセート』


“魅力あふれる豪華さ”の代名詞
深みがありビロードように滑らかなブラックチェリーの風味と、
南国の豊かなチョコレートの濃厚さ
マッセートには心が震える官能があり、甘美なメルローを見事に表現した“高貴さの完成形”

セレナ・サトクリフMWがスーパータスカン『マッセート』を形容した一文、最上級の賛辞


フレスコバルディ社長とマルコさん.jpg

左から ■マッセティーノ2022、2018
■マッセート2021、2016、2015、2013、2009、2006、2005、1999、1996、1995

昨秋開催されたマッセートのマスタークラス
レトロスペクティブと題された垂直試飲

2021年から1995年まで遡って10ヴィンテージ(VT)を垂直試飲しましたが、
収穫年の古いワインまでを単に回顧(試飲)するだけでなく、
収穫したぶどうに長年の知恵を投影させてきた社長ならではの試み
今後の進化を目指す意味合いを加味した表現と推察しました。
マッセートの根幹は
伝統と未来のコンビネーション!

                    🍷

新任のマルコ・バルシメッリ生産部長を伴い
6年ぶりに来日したランベルト・フレスコバルディ社長

トスカーナの歴史と深いつながりがある名門フレスコバルディ家
同家がワイン醸造を開始してから30代目となるランベルト氏
“レトロスペクティブ”との形容に深みを感じます。


                   🍷 🍷 🍷


イタリア・トスカーナのスーパータスカン『マッセート』
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画像データ:(C)マッセート

トスカーナ州の海沿いに位置するマレンマ地方ボルゲリ
ワイナリーは地中海からわずか数キロ


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photo by Fumiko

自然の本質をとらえ、それを最高レベルに引き上げる

鮮新世粘土質土壌の小区画から生まれるマッセート
特別な青色粘土層とメルロとの良好な関係
水分を溜め込んだ土壌は地中の温度を冷たく保つ
メルロは成長を促され、複雑味を高める
因みにマッセートはドライファーミング(無灌漑)


参考資料
地層年表(C)武田弘先生.jpg
出典:武田弘先生作成の地質表


青色粘土層(C)マッセート.png
画像データ:(C)マッセート

セミナー中、繰り返し強調されていた特殊な青色粘土層

約7㌶の丘の中腹にあるぶどう畑は、
上部は小石と砂の多い土壌
下部は砂と粘土が混在する土壌
中腹部はブルー粘土と呼ばれる土壌

🍷 🍷 🍷


第1フライト
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第1フライトはマッセティ―ノ2022、2018
マッセート2021、2016、2015、2013
着席時にはテーブル上に6グラスが並んでいました。

マッセティーノ樹齢の若い樹を使ったマッセートのセカンドワイン、飲みやすくフレッシュ
■2022年は冬から春の間は乾燥していて高温と旱魃が75日続いた。夏も非常に暑く35度を超える日があったが8月の降雨でぶどうは良好に熟した。マッセティ―ノは猛暑でも“フレッシュさ”を備えていることがポイント。アロマ、ボリューム感、スタイルにおいて理想的なVT
■2018年はぶどうが熟すには温暖な気候だった。極端な温かさではなかったが、春はマッセート史上最も降雨が多かった。収穫は長期にわたり、8月31日から開始し10月4日に終了。チェリー、プラム、バラ、ヴァニラ、スムーズなタンニン

マッセートの三要素はフレッシュ、ミネラル、塩味
■2021年 温暖年。完璧なVTのひとつ。年初にかなりの雨が降り、地中に水分が蓄えられた。夏の暑さが凝縮感を与え、バランスの良いぶどうが収穫できた。チェリー、スパイス、エレガントで余韻も長い
■2016年 雨が多かったが、気候は程よく収量も適量。肉厚でタンニンも豊か、カシス、甘草、ココア、今までになかったタイプ
■2015年 気候は完璧、約10年経過しているが、まだ若さを備えたVT。フレッシュ、塩味、口中での厚み、緻密なタンニン
■2013年 降雨が多く気温は低め。「偉大なテロワールはパフォーマンスに優れ、2013年ヴィンテージでは粘土質が余分な水分を吸い取ってくれた」とバルシメッリ氏。チェリー、ミント、バルサミコ、アールグレイ、黒オリーブ



ボルゲリの特殊性
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ボルゲリについて「トスカーナにあって、トスカーナではない。この地は昔からサンジョベーゼの品種で知られてきたが、温暖な気候下のボルゲリは特殊で、ボルドー系品種に適したエリア」とフレスコバルディ社長


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マッセート・カヴォーへの入り口
専用に設計されたセラーには、すべてのヴィンテージのマッセートを、
個別のスチール製バスケットで完璧な状態で保管



第2フライト
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マッセート
■2009年 温暖年。夏の間降雨はなく、35度超えの日が続いた。アフリカから吹く強風(シロッコ)でぶどうの熟成は進み、収穫はマッセ―ト史上最も早く9月2日に始まり10日に終了。糖分、酸味、タンニンのバランス良好、チェリー、スパイス、ミネラル、チョコレート
■2006年 偉大な収穫年。4月から8月まで降雨がなかった。9月上旬に気温が上昇、理想的な天候のおかげで凝縮感あるぶどうを収穫できた。非常に乾燥した年。黒系果実、スパイス、エレガントなタンニン、フレスコバルディ氏とバルシメッリ氏好みのVT
■2005年 芽吹きは遅れたが開花は例年より早く順調な天候に恵まれぶどうは完璧に熟した。20年経過しているが、若々しくクリスピィ。バルサミコを連想させる熟成感。ミネラル、塩味、チョコレート
■1999年 冬から春まで冷涼、夏は暑く日較差(昼夜の温度差)があり、収穫は理想的な気象条件下、7日間続いた。ハーブ、甘草、葉巻、黒オリーブ。熟成が進んでいる印象ながらまだ熟成のポテンシャルあり
■1996年 冷涼年。芽吹きは遅かったが6月と7月は安定した気候。8月中旬の降雨で熟成が遅れたが収穫は9月8日に開始。90年代は現在と違い、大きなばらつきはなく、マッセートのDNAミネラルや塩味が顕著。黒系果実、バルサミコ、アールグレイ、レザー
■1995年 冷涼年。年間を通して例年通りの気候、6月下旬から気温が低下、8月は断続的な降雨、9月は涼しい日が続き、収穫は9月13日に終了。ミント、バルサミコ、トリュフ、チョコレート、上質なタンニン

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長年ボルドーでワイン造りに従事してきたマルコ・バルシメッリ氏は、ボルドーとボルゲリのそれぞれの土壌で育つメルロついて、「気候や標高、台木や剪定が違うが、ボルドーでは樹勢が強くなりがちなので、植密度を高める必要がある。一方で、マッセートは、特殊な粘土質土壌ということもあり、植樹間隔はボルドーほど留意する必要はない」
また、「2020年や2021年は暑い年だったにも関わず、素晴らしいワインができたので、温暖化に対しては、気温の上昇だけをとらえるのではなく、それよりも、一時的に大量の雨が降ったり、極端に寒い日、暑い日等が発生することが増えているので、気候全般を見た時の、“変化の早さ”を懸念している。ぶどう畑でいかに対処していくかが課題である」と言及。

フレスコバルディ社長は、マッセート10ヴィンテージの垂直試飲の後、「ワインは熟成によって変化していくものであり、樹齢が古くなれば複雑味も増し、古樹になれば気候への適応力も備わっていくが、ワインは年ごとの個性を反映した農産物」と強調。リコルクに関しては、反リコルク派であることを明言。「ワインのマジックモーメントを壊すから」というのが理由。気候変動対策については、「涼しい年は結構あるが、天候を自分たちの力で変えることはできないので、ぶどう樹の台木や仕立て方を工夫しながら管理していく必要がある」と語りました。

マイベスト3は・・・
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2015年 果実の凝縮感、旨味、シルキー
2006年 骨格、バランス、ボルドーを彷彿とさせる味わい
1996年 マッセートの神髄“フレッシュ”、エレガンス、個人的に冷涼年好み


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マッセティーノ&マッセート
ラ・プラス・ド・ボルドーを介して市場に!
オルネッライアと併せて、ワイン愛好家垂涎のアイテム


🍷 🍷 🍷

CYCLEでペアリングディナー

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すべてのワインは大容量のマグナムサイズで登場
マッセートは2021年、2006年、1996年の3アイテム
セミナーでマイベスト3だった
2006年と1996年を見つけ、
何とも光栄でハッピーな気分

ワインの熟成に寄り添う
トリュフ、イチジク、ヘーゼルナッツ、チョコ等


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花や葉、根を表現したアミューズブーシュ
栗のフィナンシェ、リコッタチーズ入りのスナック等


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一番若いヴィンテージからスタート
カルパッチョ風和牛のとろけるような脂分を、
若いメルロのタンニン分が洗い流してくれる印象

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菊芋、ヘーゼルナッツ、アンコウ × マッセート1996

社長のお気に入りヴィンテージ
菊芋のもったり感、木の実の風味
こってりしたソースが仲介役


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アメ色の恵鴨


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牛蒡、オレンジ、恵鴨 × 2006年ヴィンテージ

ポテンシャルある2006年
大容量は若さあふれる趣き
牛蒡のミネラルや鴨のロースト風味と合わせて

10年後、2006年のマグナムと再会できたら、と願ってしまいました!


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チョコレート、小豆 × マッセート2006

サトクリフMWが表現するチョコレートの濃厚さ
茹で小豆のニュアンスも感じました!


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挑戦するのは怖いことではあるが、
30年前にマッセートを手掛けた人たちに感謝している。
未来があるから今がある!

ペアリングディナーの〆で上述のように挨拶したフレスコバルディ社長


                   🍷

ランベルト・フレスコバルディ社長、マルコ・バルシメッリ氏&エレナ・オプレアさん
マスタークラスセミナー&ペアリングディナーにお招きいただき、ありがとうございました!


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🚩Cycle
ヨーロッパ基準のプラスチックフリー認証グレードBを取得(4月16日付)
使い捨てプラスチックの使用を最小限に抑えることを目指す認証機関が発行するもので、
Cycelが日本の全業界において初の取得店になりました。
サステナブルと自然保護をコンセプトにしているので、
環境への配慮は、当ブログに載せているお料理や器等でもご理解いただけると思います。


💦ご挨拶
SSブログからseesaaブログへの引っ越しに伴い、リポートが大幅に遅れてしまいました。
すみませんm(_ _)m

posted by fumiko at 23:00| Comment(0) | マッセート/ Masseto | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月27日

シャンパーニュ講座でランソンのクリエイションを披露


ランソンの新プロジェクト「クリエイション」
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  • ルイ・ロデレール コレクション245
  • ランソン ブラック・クリエイション258
  • ランソン ロゼ・クリエイション67
  • ランソン ノーブル・シャンパーニュ2005
  • タルラン ラ ルテシエン プレステージュ2005
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まず、ブラインドで#1と#2をテイスティング
下記の対比表を参考データとして配布

その後、ランソンスタイルを反映させた人気のロゼを供出
#1と#2のどちらに共通項を感じるか
判断していただきました。

第1フライトはランソンとルイ・ロデレールの利き比べ
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  #1:ルイ・ロデレール コレクション245

  • 生産者:ルイ・ロデレール(NM
  • ぶどう品種:CH41%PN35%M24%
  • ベースヴィンテージ:2020年(55%)
  • リザーヴワイン:45%
  • ドザージュ:7g/L
  • 価格:10,450
  • 輸入元:エノテカ
奥行きのある味わいのコレクション
グラス内の時間経過を含め、アロマ豊かで、黄リンゴ、マンダリン、ネクタリン
中盤から柑橘果実の内果皮似の軽いビター感
酸味の広がりとキレ感、塩味、余韻は口中滑らかでバランスの良い着地

  #2:ランソン ブラック・クリエイション258

  • 生産者:ランソン(NM
  • ぶどう品種:PN50%、CH35%、M15
  • ベースヴィンテージ:2018年(68%)
  • リザーヴワイン:32%
  • ドザージュ:8g/L
  • 価格:9,900
  • 輸入元:モトックス
ブラック・クリエイション(旧:ブラック・ラベル)
1760年から通算258回目の収穫
2023年にスタートしたクリエイションプロジェクトに絡む表記
気泡活発、青リンゴ、レモンやグレープフルーツ、洋梨、バターやアーモンド
焼きたてのパン、ドライフルーツ、塩味、最初から最後まで綺麗に広がる酸味
活き活きした印象&まろやかさ

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講座で配布した比較表
ノン・ヴィンテージの中身を明確にした2メゾン
ブラインドの第1ヒントは黒ぶどうと白ぶどうの比率の違い
色調に若干の差があることがわかります。


クリエイションのコンセプト
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スタンダードキュヴェの詳細は
QRコードの読み取りで理解できます!

✨✨✨


#3:ランソン ロゼ・クリエイション67 
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  • 生産者:ランソン(NM
  • ぶどう品種:PN52%、CH34%M14
  • ベースヴィンテージ:2019年(71%)
  • リザーヴワイン:29%(パーペチュアルはステンレスタンクで保存)
  • ノン・マロ比率:75%以上
  • ドザージュ:8g/L
  • 価格:14,850
  • 輸入元:モトックス
旧:ロゼ・ラベル
1952年にロゼ・シャンパーニュを生産してから67回目の収穫
他のメゾンではロゼのシェアが約10%程度ですが、
ランソンではロゼの人気が高く20%を占めています。
チャーミングで優しさが漂うロゼ
アロマはブラッドオレンジやドライローズ、口中では繊細で滑らか
講座では特に女性の皆さんから高評価を得ていました。
ロゼ・シャンパーニュが苦手という男性からも嬉しい反応💕

✨✨✨



第2フライトは2005年ヴィンテージ比較
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  #4:ランソン ノーブル・シャンパーニュ2005

  • 生産者:ランソン(NM
  • ぶどう品種:CH70%、PN30%
  • ノン・マロ:100%
  • デゴルジュマン:2023年1月
  • ドザージュ:6g/L
  • 価格:39,600
  • 輸入元:モトックス
輝きのある黄金色、絶え間なく連なる微小な気泡
アロマ豊潤、古酒由来のモカや焙煎香、クリームブリュレや砂糖漬けのコンフィ
20年の歳月を感じさせないフレッシュ感と層を成して広がる複雑味
気泡はワインに溶け込み滑らか、今飲んで美味!

  #5:タルラン ラ ルテシエン プレステージュ2005

  • 生産者:タルラン(NM
  • ぶどう品種:CH80%、PN20%
  • デゴルジュマン:2021年11月
  • ドザージュ:0g/L
  • 価格:17,600
  • 輸入元:(株)八田

タルランは2022年の講座でフォーカスし、#5を試飲しましたが、
その時は「ラ ルテシエン ブリュット ナチュレ2005」とのネーミング
デゴルジュマンは2020年2月でした。
暑い年ながら収穫期は涼しかったヴィンテージ
第一香から石灰質由来のミネラルがあり、口中で土壌を感じる程
完璧に熟した果実の豊かさ、ぶどう本来の厚みがあるので、ノン・ドゼとは思えない味わい
黄色系の柑橘果実、ストーンフルーツ、コーヒーの焙煎香、アーモンドやブリオッシュ
ゆるやかな酸化熟成のニュアンス
清涼感もあり、ドライな風味


第2フライトもブラインドで供出
先に試飲したランソンの2種と類似しているのはどちら?

第4週では、
13名中9名が#4をランソンと判断
半数以上の皆さんがランソンのスタイルを利き分けてくださいました。
ノン・マロを重視してきたメゾンならではの酸味の一貫性


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ランソン2005はゴールドの輝き




2025年1月から
モトックスが正規代理店として販売を開始
2023年にランソンが導入した新コンセプト「クリエイション」の取扱いも!
今年2月にヘッドオブアジアのマリアン・ジョフロワさんが来日し、お披露目セミナーを開催
ここでは6アイテム試飲しました。

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  • ブラック クリエイションNV
  • ロゼ クリエイションNV
  • ホワイト・ラベル セックNV
  • ヴィンテージ2013 
  • ノーブル・シャンパーニュ2005 最高の年のみ限定生産/10000~25000本
  • ノーブル・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン2005 最高の年のみ限定生産/10000~15000本

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ノン・マロの本領発揮
フレッシュな酸と熟成感


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ベースワインは2014年(70%)
ドザージュ28g/L
お薦めしたい癒やしタイプ!!


🍸🍸🍸


Drinks International が選んだThe List
The World’sMost Admaired Champagne Brands 2025
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ドリンクス・インターナショナルが発表した2025年のランキング
1位は圧巻のルイ・ロデレール
長くノン・マロ100%を貫いてきたランソン
2013年にエルヴェ・ダンタンさんがセラーマスターに就任して以降、
現在はヴィンテージものだけがノン・マロ


春季講座が開始しました!
引き続き、ワクワク感のある内容にすべく頑張ります。
何卒宜しくお願いいたします。


2025年04月19日

新・ワインで巡る世界ツアー ~カリフォルニア州ナパ・ヴァレーにあるシュラムスバーグの真価に迫る~

今年2回目の単発講座は北米カリフォルニアにフォーカス
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2月に開催したイタリア・フェッラーリに続いて取り上げたのはシュラムスバーグ
シャンパーニュに比肩するスパークリングを生産しています!

第1フライトでは、ワイナリーの顔ブリュットブリュット・ロゼ
第2フライトでは、シャンパーニュとブラインドで比較試飲

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グラス左から右の順で供出
1965年にディヴィーズ家が所有して
今年で60周年を迎えました。
輸入元WINE TO STYLE 作成の年表は

昨秋来日した2代目当主ヒュー・デイヴィーズ氏
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ワイン王国webに沿革&ヒューさんが熱く語っていた話を記載しています。
ご笑覧くださると嬉しいです!
                   
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ヨントヴィルだけで栽培しているフローラ


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ヒューさん来日記念プレスランチにサプライズで登場
クリームブリュレにストーンフルーツを添えた一品とナイスマリアージュ!


✨✨✨✨✨


新・ワインで巡る世界ツアーリポート
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満席の28名で開催しました。


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シュラムスバーグとシャンパーニュに合わせて、
料理研究家の笹島ゆりさんが考案してくれたのは、
ピクニック気分で楽しめる3種のサンドウィッチ

熟成した2アイテムには、
「石臼で挽いた山椒が良く合うはず」と確信していたので、
ゆりさんに差し入れて、使ってもらいました。

単発講座が終わって、ゆりさんがFBに書いていた一文を、
参考までに載せておきますね。

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✨✨✨

第1フライトはシュラムスバーグの顔
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  2021 シュラムスバーグ ブラン・ド・ブラン ノース・コースト
  • ぶどう品種:シャルドネ100%
  • 66%ソノマ、31%ナパ、2%メンドシーノ、1%マリン
  • 収穫日:8月11日~9月29日
  • ドザージュ:9g/L
  • 価格:7,370
1972年、ニクソン大統領が訪中の際、周恩来首相との会見最終日に、“平和への乾杯”として供された『ブラン・ド・ブラン 1969年』
1975年、昭和天皇が初訪米の折には、フォード大統領主催の公式晩餐会に『ブラン・ド・ブラン 1971年』が振る舞われました。
ホワイトハウスの御用達スパークリングワインとして知名度を上げています。

2021年は8月末に数回熱波がありましたが、凝縮した果実味と十分な酸味を備えたぶどうが収穫できました。柑橘のレモンやライム、青リンゴ、焼きたてのパン、アーモンドやナッツ。活き活きした酸味が後半まで続き、口中を綺麗に洗い流してくれる印象。出来の良いシャルドネから白胡椒やエスニックスパイス(カレーの様な香り=ソトロン)を感じますが、これはまさにその感じ。ローストチキンのテリヤキ山椒ソースサンドにもシュリンプグリーンカレーサンドにも寄り添っていました。赤いワインビネガーを使った茄子のマリネには4アイテムすべての酸味が同調


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  2018 シュラムスバーグ ブリュット・ロゼ
  • ぶどう品種:ピノ・ノワール62%、シャルドネ38%
  • 60%ソノマ、16%ナパ、17%メンドシーノ、7%マリン
  • 収穫日:8月21日~10月22日
  • ドザージュ:10g/L
  • 価格:7,370

私はロゼと柿の相性が好きなので、ゆりさんに活用をお願いしました。シュラムスバーグでは色素の抽出と味わいにコクを持たせるため、スキンコンタクトをしています。ベリー系果実やチェリー、酸味は程よいバランスで味わいはとてもチャーミング。マスカルポーネの滑らかさと干し柿のやわらかな生地のタッチがロゼとうまくマッチして好印象。「ピンチョスはフェタの塩味やクミンがロゼとしっくり合って驚きました」との参加者からのご意見もありました。



待望の第2フライト
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  2004 ジェイ・シュラム レイト・ディスゴージュド / 生産量120ケース
  • ぶどう品種:シャルドネ85%、ピノ・ノワール15%
  • 47%ナパ、43%ソノマ、6%メンドシーノ、4%マリン
  • 収穫日:2004年8月13日~9月11日
  • 瓶詰日:2005年5月16日、17日
  • デゴルジュマン:2022年9月29日、30日
  • ドザージュ:8g/L
  • 価格:56,100
ヒューさんのプレスランチで、アロマ&味わいから、シャンパーニュに対抗出来る逸品と確信。本来はプレスランチのためだけの参考商品。総酸度9.2㌘、余韻にまで長く続く酸味がホント綺麗、果実味だけでなく、熟成による様々な要素が層を成して広がり魅惑的。南国果実、スパイス、ココア、焙煎香、ワインの色調も濃く、メイラード反応由来のクリーム・ブリュレ的な香りや味わいが素晴らしく、ほぼ全員がローストチキンのテリヤキ山椒ソースサンドとの相性を堪能。半数以上の方がシャンパーニュと判定していたシュラムスバーグ、選んだ甲斐あり



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  アルフレッド・グラシアン ブリュット コレクション メモリー1998
  • ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール20%、ムニエ20% 
  • デゴルジュマン:2015年2月
  • ドザージュ:6g/L
  • 価格:49,500
1864年創立のアルフレッド・グラシアンは2024年に160周年を迎えました。
セラーマスターは一子相伝、ジェジェ家が継承
現在は1972年生まれの4代目ニコラ・ジェジェ氏
自社畑は2㌶、60軒の契約農家


2種を見比べると、グラシアンのほうが若干色調淡目。アロマ豊かでミネラルのインパクト大、緩やかな酸化熟成を感じさせるスタイル。黄桃やカリン、砂糖漬けのコンポート、生姜やカレーの様な香り(ソトロン)、へーゼルナッツや胡桃、2015年にデゴルジュマンを施したグラシアンのボトルは味わいに深みを与えていた印象。グラシアンのほうに多くの酸味を感じていた方が多かったのですが、これはノン・マロに由来するフレッシュさが反映しているからだと思います。ともに素晴らしいアイテムでした!



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シュラムスバーグとアルフレッド・グラシアンを選んだ理由
樽使用・・・前者は30%程度、後者は100%
MLF・・・総酸度は他より多く酸味を重用(一部MLF)、後者は100%ノン・マロ
熟成期間・・・長熟で共に20年以上
生産量・・・120c/sで未輸入vs希少&割り当て
造りのスタイル等総合的に判断して利き比べに最適と判断


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画像提供(右):シャンパーニュ委員会CIVC

アルフレッド・グラシアンのジェジェ当主がヴィンテージ・キュヴェの熟成にコルクを使う理由、それはCIVCが行った実験に基付いています
使用したのは、アルフレッド・グラシアン、ボランジェ、ジャクソンといったワイナリーから提供された各2本のサンプルボトル。すべて同じ状態の10年熟成のアイテムを揃えました。ここでの、唯一の違いはクロージャー。「王冠」or「コルク」という点です。

CIVCが開発した特別な装置を使い、開栓しないで、瓶内の気圧やワインに溶け込んでいる酸素の量を測定。結果、王冠で打栓したボトルは気圧が0.5~0.8気圧下がっていたのに対し、コルクの場合は0.2気圧しか下がっていませんでした。また、ワインに溶け込んでいる酸素量も、王冠を使ったボトルのほうが多かったという結果に。それを踏まえ、グラシアンでは「コルクでの熟成」を選択しています。

✨✨✨

貴重なアイテムを単発講座のために分けてくださったWINE TO STYLE様に感謝しております。
ご参加くださったワイン愛好家の皆さま&素晴らしいデリを準備してくださった笹島ゆりさん
ありがとうございました!
これは、まさに、一期一会の内容になったと自負しています。
たくさんの感謝を込めて・・・

【商品のお問合せ先】
WINE TO STYLE

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2025年04月09日

ガレの魅力全開 ~サントリー美術館のエミール・ガレ展からシャンパーニュ『ベル エポック』の秋明菊まで~

Émile Gallé Longing for Paris
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ガレの展覧展は過去に何度か見ていますが、
サントリー美術館で開催中の“エミール・ガレ憧憬のパリ”は、
ライティングがとてもいい感じ、
細部まで観察できます。
何より撮影できるのが嬉しいです!

展示は4月13日まで

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ランプ「ひとよ茸」、見ていて飽きませんよ✨

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1878年の作品「鯉」

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ガレのお気に入り 花器「マグノリア(木蓮)」
1889年のパリ万博に出品された作品

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技法についての解説もあり・・・

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栓付瓶「葡萄」
葡萄の果房なんですね

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カボション👀

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1900年頃の作品「カトレア」
溶けたガラスを貼り付ける溶着の手法とエングレーヴィングを駆使

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1897-1904年の制作したアネモネ
ウッドワン美術館所有

✨✨✨

 アネモネの傑作と言えば・・・
シャンパーニュ『ベル エポック』に描かれたアネモネ
秋明菊(ジャパニーズ・アネモネ)

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ペリエジュエの庭園の秋明菊
エミール・ガレは芸術家、
そして、植物学者でもありました。

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2022年に行われたペリエ ジュエのイベントのために届いた
ダミーボトルとアール・ヌーヴォーの貴重な家具

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エミール・ガレ、素晴らしいです


posted by fumiko at 23:02| Comment(0) | お気に入りシリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする