7月半ばに発生したボルドーの大規模な森林火災について心配していたのですが、現地からの情報では、ぶどう畑への直接の被害は免れた由、ぶどうへの煙害(スモークテイント)もなかったようなので、一安心です😌
フランスでは5月末から猛暑が続いていました。高気圧が停滞し、高温の空気を、一定のエリアに閉じ込めてしまうヒートドームが原因の熱波は多くの人命を奪いました。
猛暑と熱波の定義について、在仏日本商工会議所のHPに「猛暑は、国ではなく県単位で定められた基準値に依るもので、最低気温と最高気温が3日間以上、基準を超える状況を指し、熱波は全国標準気温(全国30ヵ所の測定所における最高気温と最低気温の平均値)が25.3度以上になる日が1日以上あり、その日を含んで23.4度以上になる日が3日以上続くことを指す」との記載がありました。
AFP通信(8月20日付)が発表した具体的な数字は、熱波は52日間、1947年の統計開始以来最多記録とのこと、死者は7,300人超を確認しています。生活面で温暖化、気候変動の影響を受けているのは明らかです。
9月最初のブログは、ビジネスフランス、Hopscotch Japan(旧SOPEXA)関連で取材した内容(Foodex、Prowine、Medoc-Bordeaux Event等)をプレイバックしながら、上半期をお浚(さら)いしてみます。長文で失礼します🙇
フランス南西部PLAIMONT
ベレー帽がトレードマークの
PLAIMONTプレモンはフランス南西部にある生産者協同組合です。昨秋、同組合の担当役員と日本の業界関係者がブラインドテイスティングをして決定した
日本限定版 Le Faîteは現在カーヴで瓶熟中。年末あるいは2027年春頃までには日本上陸する予定。どのような熟成をしたか、今からとても楽しみです。
先見の明があるプレモンの生産者。古くから保存してきた固有品種を保護するため、2002年にはフランス初の私設ぶどう品種施設を設け、プレ・フィロキセラ(悪名高きぶどう害虫フィロキセラ禍を免れた)畑には樹齢200年を超える歴史的記念物に登録された唯一のぶどうの木も現存。気候変動等の課題に対しては、固有品種を活かして対応しようするプレモンの姿勢を貫いています。
ブースで試飲したYURAはピレネー山脈のふもとの丘陵地帯ジュランソンの古語ユランソワに由来するネーミング。2023ヴィンテージはグロ・マンサン60%とプティ・マンサン40%のブレンド。ちなみに、プティ・マンサンの直系の子孫がグロ・マンサン。ボルドーでは2019年に気候変動に適応した新たな品種としてプティ・マンサンをAOC規定に導入しています。南国果実のマンゴーやパイナップル、オレンジの果皮、若干樽からの燻したニュアンス、酸味もあり、酒質が綺麗。プレモンはチェックしていただきたい産地です!
🍀🍀🍀
ボルドーの新ラインナップ
4月にボルドーワイン委員会CIVBが主催する業界関係者とプレス向けセミナーが開催されたので、最新データとトレンドについて伺うことができました。大筋は
コチラにまとめてありますが、注目点は2つ
1つ目は(黄色マーカー部分の)メドック・ブランです。メドックは著名な赤ワインの産地ですが、世界的な傾向として消費者の嗜好が赤より白に移行していることもあり、2026年春から、新カテゴリーとして導入されました。対象は2025年収穫分からで、ぶどう品種はソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデル等の伝統品種に加え、一部、気候変動の適応品種も認可。木樽での熟成も義務付けられています。
2つの目は(黄色マーカー部分)クレマン・ド・ボルドー、過去10年間で約3倍増加、全体の4%を占めています。安定感があるので国内外で存在感を高めています。
UNI-MEDOC
ボルドーの生産者とネゴシアンの数は4,200、生産者協同組合は29
ユニ・メドックは1934年設立の協同組合で100名以上の栽培家が約1,200㌶のぶどう栽培をしています。Prowine会場に、CIVBセミナー時、ボルドー代表団の一員として参加していたユニ・メドックの輸出担当マリー・ドミニクさんがいらしたので、「メドック・ブランを試飲したいのですが」とお願いしたところ、「新規定に関しては、これから着手するので、まだまだ時間がかかります。我々は納得できるワインができて初めてリリースします」とのお返事でした。
マリー・ドミニクさんが薦めてくれたのは、“裸ん坊”という名のワイン😆
「黒ぶどうのカベルネ・フランから造られたブラン・ド・ノワールですが、果皮を取るので、Tout nu=裸なんです」
大胆なネ―ミングのチャーミングなワイン、丁寧な造りを感じます。
誇れるメドック・ブランを造り出す心得えが伝わってきました。
裏ラベルにはumami表記
そのこころはUM=Uni-M....+AMI=Convivialite(陽気)
🍀🍀🍀
Foodexでは協同組合ボルドー・ファミリーズのクレマン・ド・ボルドーと家族経営ミューレ・クロ・サン・ランドランのクレマン・ダルザスをテイスティング。前者は1934年、126の生産者が結集してボルドーのぶどう畑の中心にワイナリーを設立。現在は300ファミリーが参画。黒ぶどうのカベルネ・フランやメルロを使ったアイテムが人気。2024年には200万本を販売、同年ノン・アルにも着手しました。ボルドーの泡ものをけん引中です。
後者は17世紀からの歴史があり、20世紀に再構築。現在は12代目のヴェロニック&トーマス・ミューレさんが継承しています。ぶどう品種は自社畑のリースリングとシャルドネ各50%、クリーミーで筋が通ったミネラル
🍀🍀🍀
VINS de PROVENCE
フランス最大のロゼワイン産地
内訳はロゼ89%、白6%、赤5%
プロヴァンスロゼの収量は10万hl
source:vins de provence/2025年データ
日本市場がターゲット
プロヴァンス委員会CIVPが注力しているのがサステナブルと気候変動対策、CO2排出削減の為にボトルの軽量化や再利用を実施しています。
最新動向としてはスパークリングワインのAOP追加を準備していることです。6月12日の生産者総会の記録に、新たな消費者、特にブラジル・韓国・日本市場に期待する発言もあるので、(今後登場する)発泡性のコート・ド・プロヴァンスには注目できます。
DOMAINE DES DIABLES & MiP
サント・ヴィクトワールに位置するワイナリーで、2005年にギヨーム&ヴァージニア夫妻が創設。Prowineで来日していた輸出担当アレックス・ピションさん(画像前列中央)に、「なぜ、ワイナリー名にディアブル(悪魔)?」と質問したところ、「このエリアにはSaint(聖人)が多いから」とのお返事でした、なるほど!
ロゼ専用レンジとして誕生したドメーヌ初のブランド「Diables & Co」
カリテ・プリでカジュアルに楽しめるアイテム
フラッグシップブランドのMiPはMade in Provenceの意味
清々しさを感じさせる佇まい、瓶形もオリジナル
ロール(=ヴェルメンティーノ)100%、直接圧搾、低温発酵
若さを感じさせる緑色を帯びた淡イエロー、アロマ豊か
柑橘果実やエキゾチックフルーツの要素が魅力
MAISON SAINT AIX
ヴィノラムが輸入しているメゾン・サン・テクスはプロヴァンスの中心部でロゼと白を醸造、大容量ボトルも生産しています。白ワインはレストランからのリクエスト。スタイリッシュなデザインのサン・テクスは世界50ヵ国以上に輸出されています。
🍀🍀🍀
砂糖不使用が売りの同社
私のお気に入りはアプリコット、ネクターはどこまでも濃い味わい😋
環境への配慮の1つがキャップ、アルミニウム製なのでリサイクル可能
2026年の春にデビューしたヴァージン・スプリッツはアルコール度数0%のオーガニック・カクテル(モクテル)
同時期に発売したペルー産生姜を使ったジンジャーエールは健康志向のフランス人好みの人気アイテムになっています。
ビタモントの製品はノン・アル志向やソバキューリアスの方には興味を持っていただけると思います。
今年前半はフランスからの来訪が多かったので、多様性を再認識しました。
取材した生産者すべてが、何らかの形で、環境への配慮や気候変動対策に取り組んでいることがわかりました。
このところ、日本を含め、世界各地で自然災害が多発していますが、元凶は温暖化だと思っています。悲鳴を上げている地球をいたわる心遣い、それには、ひとり、ひとりの努力が、大きな力になると信じています!
posted by fumiko at 10:23|
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